(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-10
(45)【発行日】2025-01-21
(54)【発明の名称】閲覧支援システム、閲覧支援方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 40/169 20200101AFI20250114BHJP
【FI】
G06F40/169
(21)【出願番号】P 2024521200
(86)(22)【出願日】2023-09-28
(86)【国際出願番号】 JP2023035409
(87)【国際公開番号】W WO2024071302
(87)【国際公開日】2024-04-04
【審査請求日】2024-04-16
(31)【優先権主張番号】P 2022156248
(32)【優先日】2022-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】507220361
【氏名又は名称】株式会社オプテック
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】弁理士法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】細川 仁志
【審査官】長 由紀子
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-293239(JP,A)
【文献】特開2018-180194(JP,A)
【文献】特開2001-142997(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 40/169
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子情報が表示される情報処理端末と、前記電子情報に付された付箋の情報を取得する閲覧支援サーバとがネットワークで接続された閲覧支援システムであって、
前記情報処理端末は、
前記電子情報を表示する表示部と、
前記表示部に表示された前記電子情報のページ、又は語句に付箋を付す入力部と、を有し、
前記閲覧支援サーバは、
前記電子情報に付された前記付箋の位置を表す付箋情報を管理し、前記付箋情報により特定される前記付箋の位置に作成された付箋を、前記付箋を作成したユーザーとは異なる他のユーザーに閲覧可能に表示する付箋管理部と、
前記ユーザーをフォローする前記他のユーザーまでとする範囲、前記電子情報を利用する前記他のユーザー全体とする範囲、前記ユーザーのみとする範囲のいずれかが含まれる前記付箋の公開範囲を管理する公開管理部と、を有し、
前記表示部は、異なる前記ユーザーにより付された複数の前記付箋の付箋内容を一覧表示し、
作成日が所定日以内である前記付箋を画面内で移動して表示し、前記他のユーザーにより高く評価された前記付箋を、前記他のユーザーにより低く評価された前記付箋よりも明るく表示し、表示された複数の前記付箋から前記入力部により選択された一つの前記付箋
が付されたページを前記付箋が付された状態で表示する
閲覧支援システム。
【請求項2】
前記表示部は、前記作成日が前記所定日以内である前記付箋を前記画面の下から上に向かって移動して表示し、前記作成日が前記所定日より前である前記付箋を非表示又は暗色表示とする
請求項1に記載の閲覧支援システム。
【請求項3】
前記ユーザーをフォローする前記他のユーザーのフォローデータを管理するフォロー管理部を備え、
前記公開管理部は、前記ユーザーが作成した前記付箋に設定する前記公開範囲に応じて、前記他のユーザーに前記付箋の内容を公開する
請求項
1又は2に記載の閲覧支援システム。
【請求項4】
前記閲覧支援サーバは、前記付箋を作成した前記ユーザーが開催するセミナーを管理するセミナー管理部
と、
前記セミナーを識別するためのセミナーID、前記セミナーの配信日時、前記電子情報を識別するための電子情報ID、及び前記公開範囲を含むセミナー管理データベースと、を備え、
前記フォロー管理部は、前記ユーザーをフォローする前記他のユーザーに対して前記フォローデータを渡し、
前記セミナー管理部は、
前記セミナー管理データベースに基づいて、前記セミナーID及び前記電子情報IDで特定され、前記配信日時に配信される前記セミナーを管理し、前記セミナーの開催情報が表示された前記付箋を
選択することで前記セミナーに参加する前記他のユーザー
を、前記他のユーザーが持つ前記フォローデータに基づいて特定し、前記セミナー管理データベースに基づいて、前記公開範囲に含まれる前記他のユーザーを前記セミナーに参加させる
請求項
3に記載の閲覧支援システム。
【請求項5】
前記公開範囲には、前記ユーザーと、特定の前記他のユーザーとがグループ化されたグループ公開が含まれ、
前記公開管理部は、グループ公開が設定された前記付箋の内容を前記ユーザーと、特定の前記他のユーザーに限って公開する
請求項
3に記載の閲覧支援システム。
【請求項6】
前記閲覧支援サーバは、前記付箋を作成した前記ユーザーが開催するセミナーを管理するセミナー管理部と、
前記セミナーを識別するためのセミナーID、前記セミナーの配信日時、前記電子情報を識別するための電子情報ID、及び前記公開範囲を含むセミナー管理データベースと、を備え、
前記フォロー管理部は、前記ユーザーをフォローする前記他のユーザーに対して前記フォローデータ、及びグループデータを渡し、
前記セミナー管理部は、
前記セミナー管理データベースに基づいて、前記セミナーID及び前記電子情報IDで特定され、前記配信日時に配信される前記セミナーを管理し、前記セミナーの開催情報が表示された前記付箋を
選択することで前記セミナーに参加する特定の前記他のユーザー
を、前記ユーザーをフォローし、グループ化される特定の前記他のユーザーが持つ前記フォローデータ及び前記グループデータに基づいて特定し、前記セミナー管理データベースに基づいて、前記公開範囲に含まれる特定の前記他のユーザーを前記セミナーに参加させる
請求項
3に記載の閲覧支援システム。
【請求項7】
前記公開範囲には、前記ユーザーと、特定の前記他のユーザーとがグループ化されたグループ公開が含まれ、
前記公開管理部は、グループ公開が設定された前記付箋の内容を前記ユーザーと、特定の前記他のユーザーに限って公開する
請求項
1又は2に記載の閲覧支援システム。
【請求項8】
前記表示部は、前記付箋に設定される前記公開範囲の種類に応じて、異なる表示形態で前記付箋を表示する
請求項1
又は2に記載の閲覧支援システム。
【請求項9】
電子情報を表示する表示部と、前記表示部に表示された前記電子情報のページ、又は語句に付箋を付す入力部と、を有する情報処理端末と、前記電子情報に付された付箋の情報を取得する閲覧支援サーバとがネットワークで接続された閲覧支援システムで行われる閲覧支援方法であって、
前記電子情報に付された前記付箋の位置を表す付箋情報を管理し、前記付箋情報により特定される前記付箋の位置に作成された付箋を、前記付箋を作成したユーザーとは異なる他のユーザーに閲覧可能に表示させるステップと、
前記ユーザーをフォローする前記他のユーザーまでとする範囲、前記電子情報を利用する前記他のユーザー全体とする範囲、前記ユーザーのみとする範囲のいずれかが含まれる前記付箋の公開範囲を管理するステップと、
異なる前記ユーザーにより付された複数の前記付箋の付箋内容を前記表示部に一覧表示するステップと、
作成日が所定日以内である前記付箋を画面内で移動して表示し、前記他のユーザーにより高く評価された前記付箋を、前記他のユーザーにより低く評価された前記付箋よりも明るく表示し、表示された複数の前記付箋から前記入力部により選択された一つの前記付箋
が付されたページを前記付箋が付された状態で前記表示部に表示するステップと、を有する
閲覧支援方法。
【請求項10】
電子情報に付された付箋の位置を表す付箋情報を管理し、前記付箋情報により特定される前記付箋の位置に作成された付箋を、前記付箋を作成したユーザーとは異なる他のユーザーに閲覧可能に表示部に表示させる手順と、
前記ユーザーをフォローする前記他のユーザーまでとする範囲、前記電子情報を利用する前記他のユーザー全体とする範囲、前記ユーザーのみとする範囲のいずれかが含まれる前記付箋の公開範囲を管理する手順と、
異なる前記ユーザーにより付された複数の前記付箋の付箋内容を前記表示部に一覧表示する手順と、
作成日が所定日以内である前記付箋を画面内で移動して表示し、前記他のユーザーにより高く評価された前記付箋を、前記他のユーザーにより低く評価された前記付箋よりも明るく表示し、表示された複数の前記付箋から入力部により選択された一つの前記付箋
が付されたページを前記付箋が付された状態で前記表示部に表示する手順とを
コンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、閲覧支援システム、閲覧支援方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、本(特に専門書)を読者が1人で読んでいるだけでは理解が難しい場面が発生する。このため、複数の読者で本を読み回したり、高度な専門知識を持つ読者がセミナーを開いて不明箇所を解説したりすることがあった。しかし、知人同士や、スタディグループ内など閉鎖的な環境で知識共有できるに留まっていた。
【0003】
紙書籍(専門書籍)のメリットは、情報の質(信憑性)が均一的に高いことが挙げられる。一方、紙書籍のデメリットは、出版された後は更新されにくい静的な情報であることから、情報の鮮度が落ちやすいこと、難解な内容が理解しにくいこと、書籍に書かれた情報を他の読者とシェアできないことが挙げられる。
【0004】
近年では、ある書籍に関して、様々な読者が情報を共有するためにSNSが利用されるようになった。SNSのメリットは、情報の鮮度が新しく、SNSの参加者同士での情報の補完・共有が可能となることである。一方、SNSのデメリットは、情報の質が不均一であり、解説された情報の真偽の見極めが必要となることである。
【0005】
特許文献1には、電子書籍のデータを端末に表示するための技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
参考書などに誰かが書き加えた「メモ」、「付箋」、「図表」は、他の読者にとって理解を促す「付加価値」となることが知られている。個人に留まっていた知識を引き出し、複数の読者が知識を共有することで、知識のレベルアップが期待される。しかし、従来は、ある読者が参考書に追加したメモを、複数の読者で共有する仕組みは提供されていなかった。
【0008】
また、数カ月ごとに不定期に情報が改訂される書籍(例えば、レセプトの作成時に参照されるマニュアル本)が存在する。この書籍の読者は、出版社から配布される、改定された箇所を抜粋した一部改定版を併用し、改定内容を照合しながら読まなくてはならない。
【0009】
また、出版社から提供される正誤表を傍らに置いて、書籍に記載された内容の正誤を判断することは煩わしい作業である。特許文献1に開示された技術を用いても、読者自身が、注意すべき内容が書かれたページに付箋紙を付けられるにすぎず、その付箋紙の内容を他の読者と共用することはできなかった。
【0010】
また、書籍を電子化した電子ブック等の電子情報の利用は、その電子ブックの利用権を取得した個人に限られている。このため、ある読者が電子ブックに付箋を付けて、付箋にメモを記入しても、他の読者がその付箋を見る仕組みは提供されていなかった。
【0011】
本発明はこのような状況に鑑みて成されたものであり、電子情報を閲覧する複数のユーザー間で電子情報の内容の理解を深めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る閲覧支援システムは、電子情報が表示される情報処理端末と、電子情報に付された付箋の情報を取得する閲覧支援サーバとがネットワークで接続される。この情報処理端末は、電子情報を表示する表示部と、表示部に表示された電子情報のページ、又は語句に付箋を付す入力部と、を有する。閲覧支援サーバは、電子情報に付された付箋の位置を表す付箋情報を管理し、付箋情報により特定される付箋の位置に作成された付箋を、付箋を作成したユーザーとは異なる他のユーザーに閲覧可能に表示する付箋管理部と、ユーザーをフォローする他のユーザーまでとする範囲、電子情報を利用する他のユーザー全体とする範囲、ユーザーのみとする範囲のいずれかが含まれる付箋の公開範囲を管理する公開管理部と、を有し、表示部は、異なるユーザーにより付された複数の付箋の付箋内容を一覧表示し、作成日が所定日以内である付箋を画面内で移動して表示し、他のユーザーにより高く評価された付箋を、他のユーザーにより低く評価された付箋よりも明るく表示し、表示された複数の付箋から入力部により選択された一つの付箋が付されたページを付箋が付された状態で表示部に表示する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、電子情報を閲覧する複数のユーザー間で電子情報の内容の理解を深めることができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施の形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の第1の実施の形態に係る閲覧支援システムの全体構成例を示す機能構成図である。
【
図2】本発明の第1の実施の形態に係る閲覧支援システムの全体構成例を示す機能構成図である。
【
図3】本発明の第1の実施の形態に係る閲覧支援システムで用いられるデータ及び情報の構成例を示す図である。
【
図4】本発明の第1の実施の形態に係る計算機のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【
図5】本発明の第1の実施の形態に係るフォローから付箋共有までのプロセスを示す図である。
【
図6】本発明の第1の実施の形態に係るフォロー画面の例を示す図である。
【
図7】本発明の第1の実施の形態に係るフォローDBの構成例を示す図である。
【
図8】本発明の第1の実施の形態に係る付箋DBの例を示す図である。
【
図9】本発明の第1の実施の形態に係る機能選択画面の表示例を示す図である。
【
図10】本発明の第1の実施の形態に係る電子ブック表示画面の表示例を示す図である。
【
図11】本発明の第1の実施の形態に係る付箋作成画面の例を示す図である。
【
図12】本発明の第1の実施の形態に係る付箋が描画される様子を示す図である。
【
図13】本発明の第1の実施の形態に係る付箋の描画の応用(ライブ表示)の様子を示す図である。
【
図14】本発明の第1の実施の形態に係る付箋共有機能のイメージ図である。
【
図15】本発明の第1の実施の形態に係る出版社にフィードバックされる評価の高い解説の一例を示す表である。
【
図16】本発明の第2の実施の形態に係るセミナー情報の登録~取得~描画~参加までの処理の例を示すイメージ図である。
【
図17】本発明の第2の実施の形態に係るオンラインセミナー配信のプロセスを示す図である。
【
図18】本発明の第2の実施の形態に係るセミナー管理DBの構成例を示す図である。
【
図19】本発明の第2の実施の形態に係る動画DBの構成例を示す図である。
【
図20】本発明の第3の実施の形態に係るグループ管理のプロセスを示す図である。
【
図21】本発明の第3の実施の形態に係るグループ編集画面の例を示す図である。
【
図22】本発明の第3の実施の形態に係るグループDBのデータ構成例を示す図である。
【
図23】本発明の第3の実施の形態に係る電子ブック表示画面の例を示す図である。
【
図24】本発明の第4の実施の形態に係るグループ管理のプロセスを示す図である。
【
図25】本発明の第4の実施の形態に係るセミナー管理DBの構成例を示す図である。
【
図26】本発明の第5の実施の形態に係る閲覧支援システムの全体構成例を示す機能構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態について、添付図面を参照して説明する。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能又は構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0016】
[第1の実施の形態]
<閲覧支援システムの全体構成例>
始めに、第1の実施の形態に係る閲覧支援システムの構成例及び処理例について、
図1~
図15を参照して説明する。
【0017】
図1は、電子ブック閲覧システムの全体像を示す図である。電子ブック閲覧システムは、電子情報の一例である書籍形態の電子ブックをユーザーに閲覧可能とさせるシステムである。電子情報として、電子ブック以外にも書籍形式ではないマニュアル、広告等が想定されるが、以下の各実施の形態では、電子情報を電子ブックとして説明する。以下の説明において、歯科医師、教授又は医療学生等を区別しない場合に、「医療関係者」と総称する。
【0018】
図1の左側には、従来の電子ブックの課題が示される。例えば、Aデンタルクリニックの医療関係者は、電子ブックの使い方を教えてくれる人がそばにいてほしいという要望をもつ。B診療室の医療関係者は、ある治療のやり方について、他のやり方がないかを知りたがっている。C歯科医院の医療関係者は、患者に施す治療方法が正しいか確信をもてないでいる。D歯科医院の医療関係者は、電子ブックに書かれている内容がよく分かっていない。このように従来の各歯科医院、診療室、デンタルクリニックにおける医療関係者は、電子ブックの内容が正しいものであるか判断に迷うことが多かった。また、医療関係者は、書籍の書き方(表記)が難解であることから、自らが施した施術の内容が、現在閲覧している電子ブックに掲載されている情報と合致しているかを判断することが困難な状況もあった。
【0019】
図1の右側には、本実施の形態に係る電子ブックプラットフォーム(PF:platform)を提供する閲覧支援システム1の閲覧支援機能の概要が示される。
電子ブックプラットフォームには、例えば、日本国の厚生労働省等の監督官庁、国民健康保険団体連合会、医療関係者等の各種のユーザーがアクセスし、情報を共有することができる。
【0020】
電子ブックプラットフォームには、医療関係者等が電子ブックのページや文中に付した付箋の情報が管理されている。医療関係者等の付箋作成者は、電子ブックに追加する付箋を作成する。一方、付箋作成者以外の付箋閲覧者は、付箋作成者が作成した解釈や解説等を電子ブック上で他の医療関係者と共有できる。
【0021】
付箋閲覧者である医療学生は、付箋を閲覧することで臨床医から指導を受けることも可能である。
また、医療関係者は、付箋作成者のうち、お気に入りの医療関係者をフォローして、その人の解釈をいち早く得ることもできる。なお、成績が優れた医療学生を医療関係者がフォローすることも想定される。
【0022】
また、厚生労働省、国民健康保険団体連合会等から提供される最新の情報が電子ブックの該当箇所に付箋として表示される。このため、医療関係者等は、電子ブックの改訂版が発行されるまで、付箋を参照して最新の情報を確認することができる。
【0023】
図2は、第1の実施の形態に係る閲覧支援システム1の全体構成例を示す機能構成図である。
図3は、閲覧支援システム1で用いられるデータ及び情報の構成例を示す図である。以下、閲覧支援システム1の構成例の説明と併せて、
図3を参照して、各装置及びサーバで用いられるデータ及び情報についても説明する。
【0024】
閲覧支援システム1は、歯科医院等の医療機関、及び医療系の大学で用いられる情報処理端末10、レセプト管理会社で運用されるレセプト管理サーバ2、出版社で運用される電子ブック管理サーバ4及びサービス会社で運用される閲覧支援サーバ5を主要な構成とする。情報処理端末10と、レセプト管理サーバ2及び閲覧支援サーバ5とは、暗号化、VPN(Virtual Private Network)等のセキュアな通信方式により、データを安全に送受信可能である。本明細書では、情報処理端末10を通じて、医療関係者が特定のページ及び語句を参照可能な書籍(例えば、マニュアル本)の代替モジュールを「電子ブック」と呼ぶ。
【0025】
第1の実施の形態に係る閲覧支援システム1では、サービス会社がクラウド型の閲覧支援サーバ5に電子ブック57の閲覧支援機能を実装させる。医療関係者は、各自の情報処理端末10を用いて閲覧支援サーバ5の認証画面にユーザーID、パスワード等を入力することで、閲覧支援サーバ5にアクセスし、電子ブック57を閲覧することができる。この形態であれば、医療関係者がサーバ等を用意する必要がなく、初期コストを低減することができる。また、サービス会社にとっても、情報処理端末10が検索した電子ブック57の検索結果をリアルタイムで取得できる。
【0026】
(医療関係者)
情報処理端末10は、デスクトップPC(Personal Computer)、ノートPC、スマートフォン又はタブレット等の情報処理端末の一例である。情報処理端末10は、インターネットを介してレセプト管理サーバ2及び閲覧支援サーバ5に接続される。情報処理端末10は、医療関係者の操作により、レセプト管理サーバ2及び閲覧支援サーバ5から提供される各種の画面を表示し、医療関係者による各種の情報入力を受付ける。なお、情報処理端末10は、レセプト管理サーバ2が管理する画面と、閲覧支援サーバ5が管理する画面とを並べて表示可能である。このため、医療関係者は、レセプト作成時に疑問に思った事項を、画面に表示された電子ブック57から検索し、検索結果をレセプト作成に反映することができる。
【0027】
例えば、歯科医院では、歯科医師が患者の歯科診療を行い、診療内容及び診療報酬を情報処理端末10に入力する。また、歯科医院では、歯科衛生士が情報処理端末10を操作してレセプトを発行する場合がある。医療系の大学では、教授又は医療学生等が情報処理端末10を操作して、必要な情報を取得することがある。
【0028】
情報処理端末10は、レセプト管理サーバ2にアクセスする場合、レセプト管理サーバ2から提供される機能に基づいて、レセプト入力画面を表示部11のWebブラウザに表示する。また、情報処理端末10は、不図示のカルテ管理サーバにアクセスして、カルテ入力画面を表示部11のWebブラウザに表示することもできる。医療関係者は、入力部12を操作して、表示部11に表示された各種の画面に語句を入力し、カルテ作成及びレセプト作成を行う。入力部12が入力を受付けた語句は、語句の入力欄の情報と共に、レセプト管理サーバ2に送信される。
【0029】
また、情報処理端末10は、閲覧支援サーバ5にアクセスする場合、閲覧支援サーバ5から提供される機能に基づいて、電子ブック57の表示画面を表示部11のWebブラウザに表示する。電子ブック57は、Webブラウザ又は専用のアプリケーションにより、ページ内の語句をコピー&ペースト可能な実際の書籍のレイアウトに合わせたフィックス型で表示される他、医療関係者が文字サイズを任意の大きさに変更可能なリフロー型の表示、横組み又は縦組みの表示等に切替えることができる。医療関係者は、表示された電子ブック57に対して重要箇所にマーカーを引いたり、ページに索引用のインデックスを作成したり、医療関係者が頻繁に参照するページに付箋を付けたりすることが可能である。また、電子ブック57は、1ページずつめくって表示される他、ぱらぱらと複数のページをめくって表示する機能も有する。
【0030】
医療関係者が電子ブック57を用いて検索に使用する質問項目として、例えば、「病名」「処置名(又は治療名)」の他に、「患者の主訴」、「歯科医師の所見」がある。電子ブック57には、これらの質問項目とその回答が格納されている。例えば患者の主訴(うずくように痛い箇所がある等)や医療関係者の所見(患部を指で押すと出血がある等)等のキーワードが、病名の傾向としてカルテに記載される。このような患者の主訴等のキーワードは、従来のマニュアル本には載せきれない情報であった。しかし、本実施の形態に係る電子ブック57は、出版社が内容を任意に拡張可能であり、従来のマニュアル本に比べて膨大な情報を含めることができる。このため、患者の主訴等のキーワードと、キーワードに関連する説明、項目等が電子ブック57に追加される。
【0031】
検索結果には、画面の入力欄に入力部12から入力された語句又は文章を電子ブック57から検索した入力語句検索結果、電子ブック57の索引から電子ブック57を検索した索引検索結果、及び索引検索結果が得られない場合に電子ブック57の全文から検索した全文検索結果のうち、少なくとも一つが含まれる。医療関係者は、情報処理端末10の画面に表示された回答をコピーし、カルテの該当箇所に回答をペーストすることができる。また、医療関係者が情報処理端末10を通じてレセプト入力欄に入力した情報は、
図3に示す診療データd1としてレセプト管理サーバ2に送信される。
【0032】
(レセプト管理サーバ)
レセプト管理サーバ2は、レセプト管理部21及びレセプトDB22を備える。
レセプト管理部21は、情報処理端末10から入力される診療に関わるデータ、及びレセプトの発行に関わるデータを管理する。レセプト管理部21は、診療に関わるデータを入力可能な画面を情報処理端末10が表示するための情報(htmlファイル、xmlファイル、画像ファイル等)を情報処理端末10に出力する。情報処理端末10のWebブラウザは、レセプト入力画面を表示する。レセプト管理部21は、レセプトの発行を管理するプログラムにより、カルテ入力画面の他、診療に関わるデータを入力可能な画面を情報処理端末10の表示部11に表示する。
【0033】
レセプト管理部21には、カルテに記入されたデータ、及びレセプトを作成するためのデータである診療データd1が情報処理端末10から入力される。レセプト管理部21は、情報処理端末10から診療データd1を取り込んだ後、診療データd1を含む登録データd2をレセプトDB22に保存する。
【0034】
レセプトDB22には、後述する
図3に示す診療ログデータ、及び医療機関基本情報が保存される。レセプト管理部21は、レセプトDB22から取得したデータに基づいて、レセプトを作成する。例えば、レセプトDB22には、患者毎、及び医療内容毎に作成される診療ログデータ及びレセプトデータが格納される。医療関係者は、定期的に情報処理端末10を操作してレセプトを印刷する。例えば、レセプト管理サーバ2から読み出されたレセプトデータが表示された状態で、医療関係者が情報処理端末10の画面内に表示される印刷ボタンを押すことで、用紙に印刷されたレセプトが出力される。審査処理機関には、印刷されたレセプトが提出される。
【0035】
図3に示すように診療データd1には、日時、使用者ID、使用者氏名、質問項目、及び回答(参照、記載)が格納される。
日時の項目には、医療関係者が情報処理端末10を使用してレセプトを入力した日時が格納される。
使用者IDの項目には、情報処理端末10の使用者として、医療関係者を一意に特定する使用者IDが格納される。
使用者氏名の項目には、使用者IDに紐付けられた使用者、すなわち医療関係者の名前が格納される。
質問項目の項目には、医療関係者が電子ブック57を検索する際に入力した語句、文章等の質問項目が格納される。
回答(参照、記載)の項目には、医療関係者が電子ブック57を検索した検索結果が回答として格納される。
【0036】
登録データd2には、診療データd1の各項目に加えて、質問項目と回答、回答に対する意見が格納される。
質問項目と回答の項目には、情報処理端末10から入力された質問項目と、電子ブック57から抽出された回答の内容が格納される。回答が無ければ、回答無しが格納される。
回答に対する意見の項目には、医療関係者が確認した回答の内容に対して、情報処理端末10から入力した意見が格納される。
【0037】
(サービス会社)
サービス会社は、閲覧支援システム1全体を管理する他、閲覧支援サーバ5を用いて、電子ブック57に作成された付箋の内容を複数の医療関係者が閲覧可能とするサービスを提供する。サービス会社の担当者は、不図示のPCを閲覧支援サーバ5に接続して、電子ブック57に付された付箋の作成状況、付箋の内容を確認することができる。また、閲覧支援サーバ5は、どの内容の付箋が、医療関係者からの評価が高かったかを示す情報を出版社に提供するサービスを行う。
【0038】
閲覧支援サーバ5は、情報処理端末10の医療関係者の操作により、電子ブックDB56から読み出した電子ブック57を表示部11に表示させる。医療関係者は、閲覧支援サーバ5に接続された情報処理端末10を操作して電子ブック57を任意のページで開いて、治療内容に該当するページを参照しながら、患者のカルテを作成し、又はレセプトを作成することができる。また、医療関係者は、電子ブック57から選択した語句をレセプト入力欄にコピー&ペーストしたり、入力欄にコメントを記入したりすることができる。また、閲覧支援サーバ5は、医療関係者によって電子ブック57に作成された付箋を管理する。そして、閲覧支援サーバ5は、電子ブック57の他の医療関係者に対して、その付箋を公開する機能を有する。
【0039】
閲覧支援サーバ5は、フォロー管理部51、付箋管理部52、公開管理部53、セミナー管理部54、参照管理部55、電子ブックDB56、フォローDB58、付箋DB59、参照ログDB60を備える。
【0040】
フォロー管理部51は、フォローDB58に基づいて、電子ブック57を利用する医療関係者(ユーザーの一例)がフォローする他の医療関係者(他のユーザーの一例)のフォロー情報を管理する。
付箋管理部52は、付箋DB59に基づいて、電子ブック57に付された付箋の位置を表す付箋情報を管理する。また、付箋管理部52は、付箋情報により特定される付箋の位置に作成された付箋を、付箋を作成した医療関係者とは異なる他の医療関係者に閲覧可能に表示する。
【0041】
公開管理部53は、付箋作成者である医療関係者が作成した付箋に設定される公開範囲に基づいて、付箋の公開範囲を管理し、付箋閲覧者である医療関係者(他のユーザーの一例)に付箋の内容を公開する。また、公開管理部53は、医療関係者が作成した付箋に設定する公開範囲に応じて、医療関係者をフォローする他の医療関係者に付箋の内容を公開する。
【0042】
セミナー管理部54は、後述する
図18に示すセミナー管理DB61に基づいて、付箋を作成した医療関係者が開催するセミナーを管理する。また、セミナー管理部54は、セミナー主催者であるユーザーをフォローし、かつ付箋を通じてセミナーに参加するフォロワー(他のユーザーの一例)を管理する。セミナー管理部54によるオンラインセミナーの内容は、第2の実施の形態にて後述する。ただし、セミナー主催者であるユーザーをフォローしていない医療関係者であっても、セミナーに参加してもよい。
【0043】
参照管理部55は、参照ログDB60から参照ログデータd3を収集して、医療関係者等により作成された付箋の情報を収集する。参照管理部55は、情報処理端末10の入力部12から入力された検索対象(語句又は文章等)を電子ブック57から検索して、その検索結果を画面に表示する。参照管理部55は、情報処理端末10から受信したコマンドに従って、参照ログデータd3等のデータを収集し、レセプトDB22に蓄積する。そして、レセプトDB22は、歯科医院毎、かつ医療関係者毎にデータを管理する。
【0044】
医療関係者が情報処理端末10に表示された画面の入力欄に質問項目を入力すると、参照管理部55は、質問項目に入力された語句又は文章を電子ブック57から検索する。この時、参照管理部55は、情報処理端末10から入力された質問項目を電子ブック57から検索する。質問項目の入力方法は、情報処理端末10に備え付けられたキーボードからのテキスト入力が想定されるが、情報処理端末10にマイクロフォンを設け、このマイクロフォンに向かって医療関係者が音声入力する方法であってもよい。
【0045】
参照管理部55は、例えば、AI(Artificial Intelligence)を用いて、自然言語で書かれた文章を解釈する。参照管理部55は、解釈した語句または文章の結果を用いて電子ブック57を検索し、この文章の内容に合わせた回答となる語句又は文章を電子ブック57から取得する。このように、参照管理部55は、医療関係者が入力した語句がゆらいでも、その語句に該当する内容が記載されたページ等を電子ブック57から正しく検索することができる。参照管理部55は、患者の主訴等のキーワードが病名の傾向として情報処理端末10から入力された場合に、これらのキーワードを用いて電子ブック57を検索する。
【0046】
また、参照管理部55は、入力部12により検索対象として入力された語句又は文章を電子ブック57から検索した検索結果を、質問項目の回答として表示部11に表示する。この回答には、質問項目に該当する語句又は文章が書かれた電子ブック57内のページ番号等の参照情報、ページ内容等が含まれる。このように参照管理部55は、医療関係者が入力した語句が含まれるページを情報処理端末10に表示したり、入力された文章に近い意味を持つ文章を電子ブック57から抽出して情報処理端末10に表示したりする。
【0047】
参照管理部55は、質問項目に対応する項目が電子ブック57に含まれていれば、電子ブック57から抽出した内容を回答として得る。一方、参照管理部55は、質問項目に対応する項目が電子ブック57に含まれていなければ、電子ブック57には回答が含まれていないことを回答として得る。このように参照管理部55が、電子ブック57に対して入力した質問項目コマンド、及びその回答の有無のログは、参照ログデータd3として参照ログDB60に記録される。
【0048】
電子ブックDB56には、電子ブック57が格納される。電子ブック57は、出版社の電子ブック編集部41により、改定の度に更新される。電子ブックDB56には、改定版ごとに電子ブック57が保存される。例えば、医療関係者だけでなく、レセプト管理会社(レセプトコンピュータメーカー)のインストラクターが使用する情報処理端末は、電子ブックDB56に接続し、任意の版の電子ブック57を情報処理端末から参照できる。
【0049】
電子ブック57は、診療報酬の改定が行われる度に、電子ブック管理サーバ4から改定版が配信される。このため、電子ブックDB56は、診療に関わって参照される電子ブック57の記載内容が改定されると電子ブック管理サーバ4から配信される電子ブック57を改定された版ごとに格納する。
【0050】
フォローDB58は、医療関係者をフォローするフォロワーの情報を格納する。
付箋DB59は、医療関係者が電子ブック57に作成した付箋の情報を格納する。
【0051】
図3に示す参照ログデータd3は、医療関係者が情報処理端末10を操作してカルテ作成時又はレセプト入力時に参照した電子ブック57を参照した履歴の情報を含んでおり、閲覧支援サーバ5の参照ログDB60に保存される。参照ログデータd3は、医療関係者が参照した電子ブック57の種類、電子ブック57の版、電子ブック57の滞留時間等を保存したデータである。参照管理部55は、入力部12から指定された版の電子ブック57を電子ブックDB56から読み出して、表示部11に表示させる。このため、医療関係者は、情報処理端末10のレセプト入力画面に表示される電子ブック57の改定履歴から、所望の版の電子ブック57を表示させることもできる。また、医療関係者がレセプト入力時に、電子ブック57を参照して行った操作(例えば、特定項目のコピー&ペースト)についても、参照ログデータd3として参照ログDB60に保存される。
【0052】
(出版社)
出版社は、例えば、診療報酬の改定がされる度に電子ブック57を編集して改定版の電子ブック57を作成する。また、出版社の電子ブック管理サーバ4は、改定版の電子ブック57を閲覧支援サーバ5の電子ブックDB56に保存する。なお、出版社は、従来通り改定版の書籍を出版することもある。また、出版社は、本実施の形態に係る統計処理結果を取得する。出版社がサービス会社から電子ブック57の付箋の情報を取得することで、電子ブック57を改善することが可能となる。
【0053】
電子ブック管理サーバ4は、電子ブックDB56により電子ブック57の改定内容を管理する。閲覧支援サーバ5から電子ブック管理サーバ4に対して、付箋の内容等の情報が提供される。この情報には、例えば、分かりにくい内容のために頻繁に解説されている付箋の情報などが含まれる。この情報は、例えば、歯科業界、又は出版業界における市場把握、電子ブック57の改善に用いられる。
【0054】
出版社の編集者は、電子ブック編集部41を通じて、改定箇所が含まれるページに付箋を追加したり、誤植の修正内容などを電子ブック57の表紙に追記したりすることができる。さらに、電子ブック57に外部URL(Uniform Resource Locator)のリンクを設定することが可能である。出版社が付箋を追加した電子ブック57は、閲覧支援サーバ5により医療関係者が閲覧可能となる。
【0055】
電子ブック管理サーバ4は、電子ブック編集部41を備える。
電子ブック編集部41は、診療報酬が2年ごとに大きく改定されるタイミングに合わせて、電子ブック57を編集する。この際、出版社の社員は、不図示の情報処理端末を電子ブック管理サーバ4に接続して、閲覧支援サーバ5から取得した電子ブック57の付箋の情報を参照しながら、電子ブック57を編集することが可能になる。また、出版社の社員は、不図示の情報処理端末から入力した文書編集コマンド、又は画像編集コマンドを用いて、電子ブック57に対する文書又は画像の追加又は削除といった編集を行う。
【0056】
電子ブック編集部41は、編集した電子ブック57を電子ブックDB56に保存する。
また、診療報酬が不定期に改定された場合でも、電子ブック編集部41は、速やかに改定内容を反映した一部改定版の電子ブック57を編集し、電子ブックDB56に一部改定版の電子ブック57を保存する。このため、医療関係者は、最新の改定が行われた電子ブック57を情報処理端末10で閲覧できる。
【0057】
(参照ログデータの構成)
参照ログDB60には、
図3に示す参照ログデータd3が格納される。
参照ログデータd3には、電子ブックID、電子ブック名、バージョン、索引、ページ情報、参照ページが格納される。
電子ブックIDの項目には、情報処理端末10で閲覧される電子ブック57を一意に特定する電子ブックIDが格納される。
電子ブック名の項目には、電子ブックIDに紐付けられた電子ブック名が格納される。
バージョンの項目には、電子ブック57のバージョン(版)が格納される。
索引の項目には、電子ブック57に設定された索引が格納される。
ページ情報の項目には、電子ブック57のページ数等のページ情報が格納される。
【0058】
参照ページの項目には、医療関係者によって所定時間以上にわたって開かれたページが参照ページとして格納される。すなわち、参照ページの項目には、滞留時間、操作内容のサブフィールドが設けられる。
滞留時間のサブフィールドには、参照ページが開かれた状態が継続した時間が滞留時間として格納される。
操作内容のサブフィールドには、医療関係者が参照ページに対して行った操作の内容が格納される。操作内容として、例えば、参照ページ内のコピー箇所及びペースト箇所が含まれる。
【0059】
また、参照ログデータd3は、一点鎖線で示される、検索キーワード、検索結果の引用可否、最終的に登録された情報、レセプトID、返戻情報が格納される構成としてもよい。ここでは、これらの項目を簡単に説明することとし、詳細な説明は後述する。
検索キーワードの項目には、医療関係者が電子ブック57から特定の語句を検索するため、入力部12を通じて入力された語句が検索キーワードとして格納される。
検索結果の引用可否の項目には、入力された検索キーワードに基づいて医療関係者が電子ブック57を検索して得た検索結果を、医療関係者が選択(引用)したか否かを表す情報(例えば、引用フラグ)が格納される。
最終的に登録された情報の項目には、医療関係者が、入力部12を通じて、カルテシステム又はレセプトシステムに最終的に登録した情報が格納される。最終的に登録した情報は、少なくとも、医療関係者が選択した検索結果、又は医療関係者が手入力した情報のいずれかを含む。
【0060】
レセプトIDの項目には、審査処理機関に提出されるレセプトを識別するためのレセプトIDが格納される。レセプトIDは、医療関係者によるレセプト作成時にレセプトごとに付与される一意の識別情報である。
返戻情報の項目には、審査処理機関に提出されたレセプトが返戻されたか否かを示す返戻フラグ、返戻時に審査処理機関から修正が指摘された語句及び箇所等を含む返戻情報が格納される。
【0061】
(診療ログデータの構成)
レセプトDB22には、
図3に示す診療ログデータが格納される。診療ログデータの各項目には、日時、医療従事者ID、患者氏名、質問項目、回答、カルテへの記載イベントが格納される。
日時の項目には、医療関係者がカルテを記入した日時が格納される。
医療従事者IDの項目には、医療関係者を特定するために割り当てられる医療従事者IDが格納される。
患者氏名の項目には、患者の氏名が格納される。
質問項目、回答の項目には、診療データd1にて説明した質問項目と回答が格納される。
【0062】
カルテへの記載イベントの項目には、医療関係者がカルテに記入したイベントの情報が格納される。カルテに記入されるイベントとは、医療関係者が電子ブック57を参照したページ又は語句の情報をカルテに引用した場合の引用内容(病名・処置名・摘要文など)、引用日時、引用者(医療従事者ID)、引用回数などが含まれる。
【0063】
(医療機関基本情報の構成)
レセプトDB22には、
図3に示す医療機関基本情報が登録されている。医療機関基本情報は、サービス会社も把握する情報である。医療機関基本情報の各項目には、院名、住所、電話番号、HP(Home Page)のURL、医療従事者情報が格納される。
院名の項目には、歯科医院又は病院の名称が格納される。
住所の項目には、歯科医院又は病院の住所が格納される。
電話番号の項目には、歯科医院又は病院の電話番号が格納される。
HPのURLの項目には、歯科医院又は病院が管理するHPのURLが格納される。
医療従事者情報の項目には、歯科医院又は病院に勤務する医療従事者(例えば、医療関係者)の情報として、例えば、医療従事者の出身大学等の情報が格納される。
【0064】
情報処理端末10を使用する医療関係者は、電子ブック57を用いることで、以下のような操作が可能となる。
(1)医療関係者は、電子ブック57を参照しながら、レセプトを作成する。
(2)医療関係者は、電子ブック57の内容が変わった時点で、電子ブック57の改定内容に合わせてレセプトの内容(エラー箇所、保険点数の変更)を任意に修正可能である。
(3)医療関係者は、改定された電子ブック57の改定履歴を参照可能であり、また、レセプトの修正履歴を更新可能である。
(4)医療関係者は、不明確な箇所に付箋を追加し、その付箋に不明箇所の解説を書き込む。
(5)医療関係者は、他の歯科医師をフォローして、その医療関係者が追加した付箋の内容を閲覧する。
【0065】
(6)サービス会社の担当者は、医療関係者がカルテに記入した日時、カルテの記入者、患者の疾患及び診療内容などを含む、医療関係者が電子ブック57を参照した個所が格納された参照ログデータd3を参照し、医療関係者が追加した付箋の内容を確認することが可能である。
(7)出版社は、サービス会社から提供された付箋の内容を、電子ブック57の内容改善に活用する。
【0066】
<情報処理端末10、電子ブック管理サーバ4及び閲覧支援サーバ5のハードウェア構成例>
次に、閲覧支援システム1の情報処理端末10、電子ブック管理サーバ4及び閲覧支援サーバ5を構成する計算機100のハードウェア構成を説明する。
図4は、計算機100のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【0067】
計算機100は、本実施の形態に係る情報処理端末10、レセプト管理サーバ2、電子ブック管理サーバ4及び閲覧支援サーバ5として動作可能なコンピュータとして用いられるハードウェアの一例である。
【0068】
計算機100は、バス104にそれぞれ接続されたCPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、及びRAM(Random Access Memory)103を備える。さらに、計算機100は、表示装置105、入力装置106、不揮発性ストレージ107及びネットワークインターフェイス108を備える。
【0069】
CPU101は、本実施の形態に係る各機能を実現するソフトウェアのプログラムコードをROM102から読み出してRAM103にロードし、実行する。RAM103には、CPU101の演算処理の途中で発生した変数やパラメーター等が一時的に書き込まれ、これらの変数やパラメーター等がCPU101によって適宜読み出される。ただし、CPU101に代えてMPU(Micro Processing Unit)を用いてもよい。レセプト管理サーバ2の各機能、閲覧支援サーバ5の各機能、電子ブック管理サーバ4の電子ブック編集部41の機能は、CPU101の動作によって実現される。
【0070】
表示装置105は、例えば、液晶ディスプレイモニターであり、計算機100で行われる処理の結果等を医療関係者に表示する。入力装置106には、例えば、キーボード、マウス等が用いられ、医療関係者が所定の操作入力、指示を行うことが可能である。情報処理端末10の表示部11、入力部12の機能は、表示装置105及び入力装置106により実現される。また、閲覧支援サーバ5及び電子ブック管理サーバ4に接続される不図示のPCの表示部及び入力部の機能についても、表示装置105及び入力装置106により実現される。
【0071】
不揮発性ストレージ107としては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、磁気テープ又は不揮発性のメモリ等が用いられる。この不揮発性ストレージ107には、OS(Operating System)、各種のパラメーターの他に、計算機100を機能させるためのプログラムが記録されている。ROM102及び不揮発性ストレージ107は、CPU101が動作するために必要なプログラムやデータ等を記録しており、計算機100によって実行されるプログラムを格納したコンピュータが読取可能な非一過性の記憶媒体の一例として用いられる。レセプト管理サーバ2のレセプトDB22、閲覧支援サーバ5の電子ブックDB56、フォローDB58、付箋DB59、参照ログDB60の機能は、不揮発性ストレージ107により実現される。
【0072】
ネットワークインターフェイス108には、例えば、NIC(Network Interface Card)等が用いられ、NICの端子に接続されたLAN、専用線等を介して各種のデータを装置間で送受信することが可能である。
【0073】
<フォローから付箋共有までのプロセス例>
図5は、フォローから付箋共有までのプロセスを示す図である。図中には、閲覧支援サーバ5のフォローDB58又は付箋DB59が所定の処理ステップでアクセスされる様子が示される。以降の説明では、閲覧支援システム1を利用する医療関係者をユーザーと呼び、付箋作成者と付箋閲覧者に分けて説明する。
【0074】
始めに、付箋作成者が、情報処理端末10を操作して、任意のユーザーをフォローする(S1)。その後、付箋作成者は、フォロー処理を終了する。ユーザーのフォローとは、付箋作成者が継続して情報を取得したいと考えているユーザーを指定する処理である。付箋作成者がフォローした情報は、フォローDB58に記録される。
【0075】
次に、付箋作成者は、情報処理端末10を操作して、付箋情報を入力する(S2)。この時、付箋作成者は、情報処理端末10を操作して、付箋の公開範囲を選択して保存する(S3)。付箋情報は、電子ブック57のページ、語句、文に対して個別に付される情報である。付箋作成者は、情報処理端末10を操作して、電子ブック57に入力した付箋情報を指定することで、付箋情報が付された箇所のページを開いて付箋情報を確認することができる。付箋作成者が選択した付箋の公開範囲が付箋DB59に記録される。
【0076】
付箋閲覧者は、情報処理端末10を操作して、フォローDB58からフォローデータを取得する(S11)。フォローデータは、付箋閲覧者がフォローしているユーザーのデータである。ただし、個人情報保護の観点から、付箋閲覧者がフォローデータで取得可能なユーザーのデータは、ユーザー名等の一部のデータに限られる。
【0077】
次に、付箋閲覧者が使用する情報処理端末10は、付箋DB59から以下の付箋データを取得する(S12)。
(1)付箋閲覧者がフォローしている付箋作成者が「フォロワー公開」を設定した付箋
「フォロワー公開」は、電子ブック57を閲覧しているフォロワーに対し、付箋の内容を共有できる機能である。このため、フォロワーは、フォローしている付箋作成者がどのような付箋を電子ブック57に付し、この付箋に何を記入したかを知ることができる。
(2)「全体公開」
同じ電子ブック57を閲覧している全てのユーザーに対し、付箋の内容を共有できる機能である。ユーザーが特に注意する内容、改訂箇所の内容等が全体公開される。
(3)お知らせ公開
出版社が、全てのユーザーに対し、付箋の閲覧を許可する機能である。電子ブック57の所有者権限があるユーザー(主に出版社)だけがお知らせ公開を実行できる。
(4)非公開(自分だけの付箋)
付箋作成者自身が確認するために作成した付箋であり、他のユーザーには付箋の内容が公開されない。
【0078】
その後、情報処理端末10が画面に表示される電子ブック57に重ねて付箋を描画し(S13)、付箋描画処理が終了する。
【0079】
図6は、本発明の第1の実施の形態に係るフォロー一覧画面W1の例を示す図である。フォロー一覧画面W1は、ユーザーが個別に表示することが可能な画面である。フォロー一覧画面W1の機能は、フォロー管理部51により実現される。
【0080】
フォロー一覧画面W1には、名前検索欄が設けられる。例えば、名前検索欄に「SATO」と入力されると、名前に「SATO」が含まれるユーザーの検索結果が表示される。
図6では、3名のユーザーが該当することが示される。
【0081】
未フォローのユーザーには、フォローボタン(「フォローする」と表記)が表示される。フォローボタンが押されると、未フォローのユーザーがフォロー済みになる。
フォロー済みのユーザーには、フォロー解除ボタンが表示される。フォロー解除ボタンが押されると、フォローが解除される。
【0082】
図7は、本発明の第1の実施の形態に係るフォローDB58の構成例を示す図である。
フォローDB58は、フォロー元ユーザーID、フォロー先ユーザーIDの各項目を有する。
フォロー元ユーザーID項目には、フォロー元であるユーザーのユーザーIDが格納される。
フォロー先ユーザーID項目には、フォロー先であるユーザーのユーザーIDが格納される。
【0083】
1人のユーザーが複数のユーザーをフォローする場合、1つのフォロー元ユーザーIDに対して、複数のフォロー先ユーザーIDが対応付けられて、フォローDB58に格納される。
【0084】
図8は、本発明の第1の実施の形態に係る付箋DB59の構成例を示す図である。付箋DB59は、書籍ID、作成者ID、付箋ID、タイトル、本文、色、ページ、座標、横幅高さ、作成日時、いいね!、公開範囲の各項目を有する。
【0085】
書籍ID項目には、電子ブック57の書籍IDが格納される。
作成者ID項目には、付箋の作成者であるユーザーを示す作成者IDが格納される。
付箋ID項目には、電子ブック57内で付箋を一意に識別する付箋IDが格納される。ある電子ブック57で付された付箋が一意に識別されればよいので、ある電子ブック57と、別の電子ブック57とで同じ付箋IDが格納されてもよい。
【0086】
タイトル項目には、付箋のタイトルが格納される。
本文項目には、付箋の本文が格納される。
色項目には、付箋の色が格納される。
【0087】
ページ項目には、付箋が作成されたページ番号が格納される。
座標項目には、付箋が作成されたページ内の座標が格納される。ページ自体に付けられた付箋であれば、ページの上部の座標が座標項目に格納される。語句又は文章に付けられた付箋であれば、語句又は文章の開始位置の座標が座標項目に格納される。
【0088】
横幅高さ項目には、付箋の横幅と高さが格納される。
作成日時項目には、付箋の作成日時が格納される。
いいね!項目には、付箋に他のフォロワーから付けられた「いいね!」の数が格納される。
公開範囲項目には、付箋の公開範囲が格納される。例えば、付箋IDごとに付箋作成者が登録した全体公開、フォロワー公開のいずれかが公開範囲として公開範囲項目に登録される。
【0089】
<電子ブックの活用例>
ここで、電子ブック57の活用例について説明する。
(1)医療関係者がカルテを入力する時、又は入力されたカルテの情報を患者への治療後に見直す時に、情報処理端末10に表示された電子ブック57を参照し、保険点数を確認したり、病名及び治療の対応等を検証したりする。
(2)医療関係者にレセプトの記入方法を教えるインストラクターが、歯科医院からの問合せに回答する業務がある。インストラクターは、情報処理端末10と同様のシステムにより、閲覧支援サーバ5からダウンロードした電子ブック57を参照する。医療関係者と、インストラクターとが同じ電子ブック57を参照することで、インストラクターが問合せに対してすぐ回答することができる。
(3)インストラクターと歯科医院とで同じ版の電子ブック57を常備し、参照することで、電子ブック57に設定された索引も同時に指定して同じページ及び項目を参照可能となり、問合せ時の回答を迅速化できる。
【0090】
(4)医療関係者が索引の中に検索項目を発見できない場合には、電子ブック57の本文全体に対する全文検索を実行することで、検索項目の該当箇所を電子ブック57にハイライト表示したり、情報処理端末10の画面に該当箇所を表示したりすることが可能となる。
(5)医療関係者が電子ブック57内の不明箇所に対して付箋を追加し、付箋に不明箇所の解釈、説明を追記することが可能となる。
(6)医療関係者をフォローする医療関係者は、医療関係者が作成した付箋の内容を確認することで、医療関係者の知識を共有することが可能となる。
【0091】
<画面の表示例>
次に、情報処理端末10に表示される画面の表示例について、
図9~
図13を参照して説明する。以下の画面は、いずれも情報処理端末10にインストールされた汎用のWebブラウザに表示される。
【0092】
図9は、機能選択画面W2の表示例を示す図である。
医療関係者が情報処理端末10を通じて規定のログインID、パスワード等を入力すると、
図9に示す機能選択画面W2が初期表示される。機能選択画面W2の左側には、カルテシステムのバージョン情報、カルテシステムにログインした医療機関の情報、医療関係者の情報等が表示される。機能選択画面W2の右側には、歯科診療に関わる様々な機能を選択するための選択アイコンが表示される。ここでは、医療関係者が、画面下部に表示される電子ブックアイコンW2aを選択したと想定する。電子ブックアイコンW2aが選択されると、情報処理端末10が閲覧支援サーバ5にアクセスし、電子ブック57を表示する。
【0093】
図10は、電子ブック表示画面W3の表示例を示す図である。電子ブック表示画面W3の表示機能は、付箋管理部52により実現される。電子ブック表示画面W3は、ページ指示部W3a、電子ブック表示エリアW3b、検索語句入力欄W3d、付箋内容表示欄W3eを有する。
【0094】
ページ指示部W3aには、医療関係者が電子ブック57の表示ページを指示するためのページ入力欄、電子ブック57の表示倍率を指示するための倍率入力欄等が表示される。医療関係者は、ページ指示部W3aを用いて電子ブック57の任意のページW3cを表示させ、表示させたページW3cの表示倍率を変更可能である。
【0095】
図9に示した電子ブックアイコンW2aが選択されると、最新版の電子ブック57が電子ブック表示エリアW3bに見開き表示される。ただし、旧版の電子ブック57が表示されるように、医療関係者が電子ブック57の版を選択可能としてもよい。医療関係者が、表示された電子ブック57の端をポインタ又はタッチ操作で指示すると、電子ブック57が順送り又は逆送りされて、電子ブック表示エリアW3bに見開き表示される。なお、医療関係者は、電子ブック表示エリアW3bに電子ブック57を単一ページ表示することもできる。
【0096】
医療関係者が、検索語句入力欄W3dに任意の検索語句を入力すると、入力された検索語句の電子ブック57における検索結果と、入力された語句が含まれるページW3cとが見開き表示される。この際、入力された語句に一致するページW3c内の語句が、例えば、特定の色付きでハイライト表示される。例えば、医療関係者が検索語句入力欄W3dに検索語句として「埋伏智歯」を入力すると、「埋伏智歯」を含むページW3cが電子ブック表示エリアW3bに表示される。
【0097】
(索引検索結果)
医療関係者が電子ブック57に設定されている索引から特定の項目を指定すると、指定された項目を含むページW3cが索引検索結果として、電子ブック表示エリアW3bに表示される。例えば、索引から指定された項目が記載されたページW3cが表示される。
【0098】
電子ブック表示画面W3の左側には、付箋内容表示欄W3eが表示される。付箋内容表示欄W3eには、電子ブック57に付された一又は複数の付箋のタイトルと付箋の内容とが、付箋ごとに付箋内容W3fとして一覧表示される。付箋の本文が長文である場合には、付箋の本文の一部が付箋内容W3fに表示される。医療関係者が付箋内容表示欄W3eに表示される付箋内容を個別に選択すると、選択された付箋が付されたページW3cが電子ブック表示画面W3に表示される。付箋は、電子ブック57を閲覧している医療関係者自身が作成したものと、他の医療関係者が作成したものとがある。また、上述したように、出版社が電子ブック57の改定内容を付箋として作成する場合もある。
【0099】
図11は、付箋作成画面W4の表示例を示す図である。
医療関係者が新たに付箋を作成する場合、情報処理端末10に付箋作成画面W4を表示する。付箋作成画面W4は、電子ブック57の前面に重ねて表示される。付箋作成画面W4は、付箋管理部52により実現される。
【0100】
付箋作成画面W4には、付箋作成者が付箋を作成する時に必要な、タイトル入力欄、本文入力欄、公開範囲設定欄W4aが含まれる。
タイトル入力欄には、付箋のタイトルが入力される。
本文入力欄には、付箋の本文が入力される。
公開範囲設定欄W4aには、付箋の公開範囲を設定するためのチェック項目が表示される。公開範囲には、非公開、フォロワーのみの公開、お知らせ公開、全体公開の4種類がある。公開範囲には、ユーザー(付箋作成者)をフォローする他のユーザー(フォロワーの付箋閲覧者)までとする範囲、電子情報を利用する他のユーザー全体とする範囲(付箋閲覧者全体)、ユーザーのみとする範囲(非公開)のいずれかが含まれる。設定された公開範囲にはチェックマークが付される。
【0101】
図12は、電子ブック表示画面W3に描画される付箋W3gの例を示す図である。
電子ブック表示画面W3の右側には、電子ブック57のページW3cが表示される。ページW3cには、付箋W3gが表示される。
図12では、本文ページの左上と右側の2か所に付箋W3gが表示されている。
【0102】
電子ブック表示画面W3の左側には、ページW3cに追加された付箋W3gの内容が付箋ごとに表示される。フォロワー付箋、全体公開付箋、お知らせ付箋は、付箋W3gの作成者のみ編集可能である。
【0103】
付箋W3gは、種類に応じて異なる色で表示される。例えば、フォロワーのみの公開、全体公開の付箋W3gであれば、閲覧者には緑色で表示される。お知らせ公開の付箋W3gは、閲覧者には白色で表示される。付箋の閲覧者は、付箋W3gの付箋の内容と、付箋W3gの色とを確認し、必要な情報を得ることができる。また、付箋W3gは、任意の透過度で透過可能に表示してよい。付箋W3gの背後に書かれている文章又は図形が透けて表示されることで、医療関係者は、付箋W3gが付された位置に書かれている文章を確認しやすくなる。
【0104】
図13は、本発明の第1の実施の形態に係る付箋の描画の応用(ライブ表示)の様子を示す図である。
図13に示すページW3cは、
図10に示した電子ブック表示画面W3に含まれるが、図が煩雑になるため、ページW3cと、付箋W3g1乃至W3g4だけを示す。
【0105】
ライブ表示とは、電子ブック57に多くの付箋が付されることで、閲覧者が重要な付箋を見落とさないようにするため、付箋の公開日、重要度等に応じて付箋が優先表示される機能であり、付箋管理部52により実現される。
図13では、電子ブック57のページW3cの左右に付箋W3gが表示される例を説明する。なお、以下の説明では、付箋W3gを区別するため、付箋W3g1乃至W3g4を図中に付する。
【0106】
ライブ表示機能では、例えば、公開されている付箋のうち、閲覧者が当該ページを開いたタイミングで、直近3日以内といった指定日数内に作成された新しい付箋だけがページの左右に「下から上にバブリングする」、「一瞬表示されては消える」ように表示される。例えば、ページW3cの左側の付箋W3g1,W3g2は、作成日が直近3日以内である。このため、付箋W3g1,W3g2は、ページW3cが表示された後、一定速度で電子ブック表示画面W3の下から上に向かって移動して表示される。作成日が直近3日より前であれば、付箋W3g1,W3g2が非表示とされるか、暗色で表示されてもよい。また、医療関係者は、ライブ表示させる指定日数を変更可能である。例えば、指定日数を1か月としてもよい。
【0107】
さらに、「いいね!」が付された数が多い付箋ほど明るくはっきりと表示され、「いいね!」が付された数が少ない付箋は薄暗く表示される。例えば、ページW3cの右側に表示される付箋W3g4に付された「いいね!」の数は、付箋W3g3よりも多いので明るく表示される。このため、閲覧者は、複数の閲覧者により好評価されたと考えられる、明るくはっきりと表示された付箋W3g4に注目して閲覧しやすくなる。
【0108】
図14は、閲覧支援システム1が提供する付箋共有機能のイメージ図である。付箋共有機能は、付箋管理部52により実現される。
【0109】
始めに、付箋作成者側の例を説明する。付箋作成者は、例えば、
図2に示した情報処理端末10を操作して、電子ブック表示画面W3を表示して、付箋W3gを作成する。
図14の左側には、C歯科医院のCさん(付箋作成者)が電子ブック表示画面W3を表示して、ページに付箋を追加するイメージ図が示される。Cさんは、ページ内の特定の箇所の解釈が難しいので、他の閲覧者のために付箋W3gを作成して、解釈のための解説を残すことを考えたとする。
【0110】
Cさんは、上述した付箋作成機能を使って、電子ブック57内の特定箇所に対して、ページや領域を選択して解説を書き込んだ付箋W3gを作成できる。作成された付箋W3gは、閲覧支援サーバ5の付箋DB59に記録される。付箋W3gには、フォロワー公開が設定されている。この付箋W3gは、解釈が難しい項目又は文章について説明された解説であるため、他の医療関係者が解釈の参考として付箋W3gを見ることが期待される。
【0111】
Cさんが付箋W3gを作成した箇所には、他にもAさん、Bさんが付箋W3gを作成している。このため、表示される付箋W3gには、付箋W3gの作成者ごとに作成者を表す画像アイコンと作成者名、付箋W3gの内容の一部が表示され、付箋作成者が区別可能である。このため、付箋閲覧者は、電子ブック57に付された付箋W3gに対して、異なる観点で書かれた解説を確認することができる。
【0112】
次に、付箋閲覧者側の例を説明する。
図14の右側には、B歯科医院のBさん(付箋閲覧者)が表示する電子ブック57のイメージ図が示される。Bさんは、例えば、スマートフォン等の情報処理端末10を使って、閲覧支援サーバ5にアクセスし、電子ブック57に付された付箋W3gを含むページを閲覧している。Bさんは、フォローしている医療関係者が作成した付箋W3gを情報処理端末10に表示可能である。Bさんが情報処理端末10に表示する付箋W3gには、Cさんが作成した付箋W3gの内容(「解説」と呼ぶ)が反映されている。このため、Bさんは、Cさんが付箋W3gを共有したことが分かる。Aさん、Bさんが作成した付箋W3gの解説も一部が表示される。
【0113】
BさんがCさんをフォローしていなければ、Cさんが作成した解説をBさんが閲覧することはできない。Bさんは、Cさんの解説が分かりやすいと考えた場合に、Cさんをフォローする。BさんがCさんをフォローした結果、Cさんが作成した解説をBさんが閲覧することが可能となる。ただし、Bさんが未フォローの医療関係者が作成した付箋W3gを表示させてもよい。
【0114】
<評価結果のフィードバック>
図15は、解説ランキングテーブル59Tの一例を示す表である。解説ランキングテーブル59Tは、閲覧支援サーバ5の付箋管理部52により、付箋DB59に基づいて作成される。
【0115】
サービス会社は、電子ブック57に書き込まれた付箋W3gから評価の高い解説を、出版社にフィードバックする。このフィードバック処理は、
図2に示したサービス会社の閲覧支援サーバ5が、出版社の電子ブック管理サーバ4に解説ランキングテーブル59Tを提供する処理である。このため、付箋管理部52が付箋DB59に基づいて解説ランキングテーブル59Tを作成する。解説ランキングテーブル59Tには、検索に用いられたキーワード、解説に対する評価数の情報が含まれている。例えば、参照された回数が多い解説であれば、順位が高くなる。また、付箋閲覧者が、付箋W3gに書かれた解説に対して評価を登録する(不図示)ことで、評価数が加算される。評価数の多い解説は、順位が高くなる。解説ランキングテーブル59Tには、付箋W3gの参照日時、付箋閲覧者の閲覧ページ、付箋作成者のユーザーIDが格納されてもよい。
【0116】
出版社は、サービス会社から解説ランキングテーブル59Tを取得する。出版社は、次回の電子ブック57の改訂に際して、解説ランキングテーブル59Tに基づいて取得した順位の高い解説の内容を基に、より詳細な説明を追加する。また、出版社は、解説ランキングテーブル59Tにおける評価の高い解説を書き込んだ付箋作成者(例えば、図中のユーザーIDがU-0001)に校正を依頼することもできる。このように出版社は、電子ブック57の価値を高めることができる。
【0117】
以上説明した第1の実施の形態に係る閲覧支援システム1では、医療関係者が専用のサーバを用意しなくても、情報処理端末10を用意するだけで、レセプト管理機能、及び閲覧支援機能を利用することができる。このため、システム導入に要するサーバ等の導入費用、及び継続費用を抑えることができる。また、情報処理端末10は、特定の場所に設置する必要はない。例えば、医療関係者が、外に持ち出した情報処理端末10を使って、レセプト管理サーバ2及び閲覧支援サーバ5にアクセスすることもできる。このため、管理者が、カルテ及びレセプトの入力状況を確認することも容易であり、電子ブック57の内容を確認することも容易となる。
【0118】
また、情報処理端末10を使用する医療関係者は、電子ブック57の任意の箇所に付箋W3gを作成することができる。また、付箋作成者は、付箋W3gの公開範囲を設定することができる。また、付箋閲覧者は、電子ブック57に登録された付箋W3gを確認し、付箋W3gの情報を共有することができる。
【0119】
また、医療関係者がカルテ及びレセプトを作成する時に、情報処理端末10には、各入力画面に入力欄と共に、電子ブック表示画面W3を並べて表示できる。この際、医療関係者が入力中のカルテ及びレセプトの内容に関連したページが表示されるので、医療関係者は、電子ブック57のページを参照しながらカルテ及びレセプトを作成することができる。このため、入力効率が向上すると共に、入力ミスを低減することが可能となる。
【0120】
また、電子ブック57に反映された書籍の内容が、複数の医療関係者間におけるコミュニケーションの土台となり、その上でSNSの利点である新鮮な情報が流れるので、複数のユーザー間で内容の理解を助け合うことが可能となる。このため、電子ブック57とSNSを融合することで、双方の欠点を利点で打ち消すことができる。
【0121】
また、患者毎に異なる病名、処置名(治療名)又は薬剤などの語句に関連するページが電子ブック57から検索され、検索結果が画面に表示される。複数のページに語句が記載されている場合、複数のページのインデックスが画面に表示されるので、医療関係者は、所望の事項が記載されてページを検索することが容易である。このため、効率よくカルテ及びレセプトを作成することができる。
【0122】
また、サービス会社にとっては、医療関係者が作成した付箋W3gがどの程度の医療関係者に受け入れられたかを確認することができる。このため、サービス会社は、電子ブック57のどの箇所の記載が付箋閲覧者に理解しづらく、詳細な説明が必要であったかを把握することができる。そして、サービス会社は、付箋W3gの内容を出版社に提供すると共に、出版社に電子ブック57の修正を提案することができる。このため、サービス会社は、ユーザーに提供したサービスに対する報酬を出版社から得ることができる。
【0123】
また、レセプト管理会社(レセプトコンピュータメーカー)のインストラクターは、医療関係者からの問合せに対し、インストラクターと医療関係者が同じ種類及び版の電子ブック57を参照して、同じページを参照できる。このため、インストラクターは、問合せに対して、直ちに精度の高い回答が可能となり業務効率が格段に向上することが可能となる。
【0124】
また、出版社は、改定がある度に新しい版の電子ブック57を医療関係者の情報処理端末10に配信することができる。加えて、出版社は、サービス会社から提供される付箋W3gの内容に基づき、電子ブック57内で医療関係者が頻繁に参照する語句を把握することができる。また、出版社は、サービス会社から電子ブック57の修正提案を受けることで、電子ブック57を使いやすく編集し、電子ブック57の内容を改善することができる。
【0125】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態に係る閲覧支援システム1の機能について、
図16~
図19を参照して説明する。
ここでは、閲覧支援システム1が有するオンラインセミナー配信機能について説明する。オンラインセミナー配信機能とは、同じ電子ブック57を閲覧している、フォロワーまたは全ユーザーに対し、シームレスにセミナーを主催又は受講することを可能とする機能である。オンラインセミナー配信機能は、セミナー管理部54により実現される。
【0126】
図16は、セミナー情報の登録、取得、描画、及び参加までの処理の例を示すイメージ図である。
図16の左側のセミナー予約画面W5には、付箋作成者がセミナーの開催予約をする様子が示される。
【0127】
図16の上部には、第2の実施の形態に係る閲覧支援サーバ5Aが示される。閲覧支援サーバ5Aは、
図2に示した閲覧支援サーバ5に対して、セミナー管理DB61と動画DB62を追加した構成としている。セミナー管理DB61と動画DB62に格納されるデータは、いずれもセミナー管理部54により管理される。セミナー管理DB61のデータ構成例は、後述する
図18で説明し、動画DB62のデータ構成例は、後述する
図19で説明する。
【0128】
セミナー主催者であるC歯科医院のCさんは、以前に付箋W3gに書き込んだ解説の評判がいいので、今度セミナーを開催しようと考えたとする。Cさんが電子ブック57の特定の領域(例えば、付箋W3gを作成した箇所)を選択すると、電子ブック表示画面W3には、セミナー予約画面W5が表示される。セミナー予約画面W5には、予約カレンダー、セミナータイトル登録欄、パスワード登録欄、及び予約ボタンが表示される。Cさんは、セミナー予約画面W5を通じて、セミナーの開催日時、セミナーのタイトル、パスワードを登録することで、オンラインセミナーの開催を予約することが可能である。
【0129】
開催予約の情報は、後述する
図18に示すセミナー管理DB61に登録される。セミナー情報は、電子ブック表示画面W3に表示可能である。
オンラインセミナーが行われると、後述する
図19に示す動画DB62にセミナーの動画が記録される。
【0130】
医療学生のDさんや、B歯科医院のBさん等の付箋閲覧者は、自身の情報処理端末10を操作して、電子ブック表示画面W3を表示する。付箋閲覧者は、電子ブック57にセミナー開催通知の付箋W3gが付加されたことに気が付くと、この付箋W3gを開く。この付箋W3gには、付箋閲覧者が未フォローであるAさんがセミナーを開く予定であること、フォロー済みのCさんがセミナーを開く予定であることが書き込まれている。
【0131】
付箋閲覧者が未フォローのユーザーが開くセミナーには、セミナーの動画だけを視聴することができる。この場合、付箋閲覧者が開催中のセミナーで質問を投稿することはできない、一方、付箋閲覧者がフォロー済みのユーザーが開くセミナーには、付箋閲覧者がセミナーに参加して、質問を投稿することもできる。
【0132】
付箋閲覧者は、情報処理端末10を操作して電子ブック57を表示させ、付箋W3gが付けられた箇所にセミナー開催情報が表示されていれば、付箋W3gをクリックする。付箋W3gがクリックされると、セミナー参加画面W6が表示される。セミナー参加画面W6には、既に開催されたセミナーの情報、これから開催される予定のセミナーの情報が表示される。
【0133】
Aさんが開催したセミナーのセミナー情報W6aには、過去の開催日が示される。このため、付箋閲覧者は、視聴ボタン(「動画を視聴する」と表記)を押して、セミナーの動画を視聴することができる。セミナーの内容が良ければ、付箋閲覧者は、フォローボタンを押すことで、セミナー主催者であるAさんをフォローできる。
【0134】
Cさんが開催予定のセミナーのセミナー情報W6bには、未来のセミナーの開催予定日が示される。付箋閲覧者は、セミナー参加ボタン(「セミナーに参加する」と表記)を押して、セミナーへの参加を登録し、セミナーの開催日にはセミナーに参加できる。付箋閲覧者は、Cさんをフォロー済みであるため、セミナーに参加した時には、Cさんに質問することもできる。また、Bさんがフォロー解除ボタンを押すと、Cさんのフォローを解除することができる。
【0135】
このように、付箋W3gの付箋閲覧者である医療学生のDさん、又は、B歯科医院のBさんは、フォロー済みのCさんがセミナーを開くことを知ると、Cさんが記入した解説の補足を聞けることを期待して、セミナーへの参加を申し込むようになる。また、付箋閲覧者は、電子ブック57に作成された付箋W3gの内容がピンポイントで解説されたセミナーを視聴することで、欲しい情報だけを無駄なく得ることができる。
【0136】
図17は、本発明の第2の実施の形態に係るオンラインセミナー配信のプロセスを示す図である。
図17の説明では、セミナーを主催する付箋作成者を「セミナー主催者」と呼び、セミナーを受講する付箋閲覧者を「セミナー受講者」と呼ぶ。
【0137】
(セミナー主催者)
始めに、セミナー主催者は、
図2に示した情報処理端末10を操作して、電子ブック57から任意のテキストを選択し(S21)、
図16に示したセミナー予約画面W5を開く。次に、セミナー主催者は、情報処理端末10を操作して、セミナー予約画面W5にセミナー情報を入力する(S22)。次に、セミナー主催者は、情報処理端末10を操作して、セミナー予約画面W5にセミナーの公開範囲を設定してセミナーの登録を完了する。セミナー情報は、セミナー管理DB61に保存される(S23)。
【0138】
セミナー開催日の当日になると、セミナー主催者は、情報処理端末10を操作してセミナーを開始する(S24)。セミナーは、リアルタイムにエンコーディングされ、動画DB62に保存される。
【0139】
(セミナー受講者)
セミナー受講者は、情報処理端末10を操作して、フォローDB58からフォローデータを取得する(S31)。
【0140】
次に、セミナー受講者は、情報処理端末10を操作して、セミナー主催者が登録したセミナー情報をセミナー管理DB61から取得し、セミナーの動画を動画DB62から取得する(S32)。セミナーの動画は、現在、リアルタイムで配信されるものの他、過去に行われたセミナーの動画も含まれる。セミナーの動画配信は、例えば、WebRTC(Real-Time Communication)を用いて実現してもよいし、オンラインセミナーツールと連携して実現してもよい。
【0141】
セミナー受講者がセミナー管理DB61から取得可能なセミナー情報として、以下の2つがある。
(1)フォロワー公開されているセミナー
セミナー受講者がフォローしているセミナー主催者のセミナーでなければ、セミナー受講者は、このセミナーを受講できない。
(2)全体公開されているセミナー
セミナー受講者がフォローしているか否かに関わらず、セミナー受講者は、このセミナーを受講できる。
【0142】
セミナー受講者の情報処理端末10には、
図16の右側に示したセミナー参加画面W6が表示され、セミナー受講者は、セミナー情報を確認可能である(S33)。次に、セミナー受講者は、情報処理端末10を操作して、動画DB62から読み込まれたセミナー動画を再生し、セミナーに参加する(S34)。セミナー受講者は、セミナーが終了すると、セミナーの感想等を登録し、セミナー参加画面W6を閉じる。セミナーの感想等、評価(例えば、いいね!の登録)は、セミナー管理DB61に記録される。
【0143】
図18は、本発明の第2の実施の形態に係るセミナー管理DB61の構成例を示す図である。
【0144】
セミナー管理DB61は、書籍ID、講師ID、セミナーID、タイトル、パスワード、ページ、座標、横幅高さ、作成日時、配信日時、いいね!、公開範囲、URLの各項目を有する。
【0145】
書籍ID項目には、電子ブック57の書籍IDが格納される。
講師ID項目には、セミナー講師のIDが格納される。通常、講師IDは、ユーザーIDが用いられる。セミナー講師は、上述したセミナー主催者と同じであることが多いが、セミナー主催者とセミナー講師が異なる場合もある。例えば、一つのセミナーに複数のセミナー講師が参加する場合、一つのセミナーIDに対して、複数の講師IDが格納されることもある。
セミナーID項目には、セミナー主催者が開催するセミナーのセミナーIDが格納される。
【0146】
タイトル項目には、セミナーのタイトルが格納される。
パスワード項目には、パスワードを知っているユーザー(フォロワー)しかセミナーに参加できないようにするためのパスワードが格納される。ユーザーは、セミナー主催者を一方的にフォローすることが可能であるが、セミナー主催者としては、全てのフォロワーを無条件にセミナーに参加することを許可できない場合がある。そこで、セミナー主催者は、セミナーの参加者を限定する場合、メール等の連絡手段によって、セミナー主催者をフォローしているユーザーのうち、特定のユーザーに対してパスワードを事前に伝える。このため、セミナー主催者をフォローし、かつセミナー主催者から事前にパスワードを通知されたフォロワーだけが限定されたセミナーに参加することができる。
【0147】
ページ項目には、セミナー情報が作成された電子ブック57内のページ番号が格納される。
座標項目には、セミナー情報が作成されたページ内の座標が格納される。
横幅高さ項目には、セミナー情報の横幅と高さが格納される。
作成日時項目には、セミナー情報の作成日時が格納される。
配信日時項目には、セミナーの配信日時が格納される。
いいね!項目には、セミナー情報に、セミナー主催者のフォロワー又はセミナー受講者から付けられた「いいね!」の数が格納される。「いいね!」は、セミナーの開催前、開催後のいずれにおいても、フォロワー又はセミナー受講者が登録可能である。
公開範囲項目には、セミナー情報の公開範囲が格納される。
URL項目には、外部ツールとの連携用のURLが格納される。
【0148】
図19は、本発明の第2の実施の形態に係る動画DB62の構成例を示す図である。動画DB62は、書籍ID、セミナーID、動画ID、動画パスの各項目を有する。
【0149】
書籍ID項目には、電子ブック57の書籍IDが格納される。
セミナーID項目には、セミナーのセミナーIDが格納される。動画DB62によって管理される動画の詳細情報は、セミナーIDをキーとしてセミナー管理DB61から取得される。
【0150】
動画ID項目には、セミナーの開催で記録された動画データを識別するための動画IDが格納される。動画IDは、第三者によって推測されにくいようにするため、汎用一意識別子(UUID:Universally Unique Identifier)などのランダムな文字列が使用されてもよい。
動画パス項目には、動画DB62に保存された動画データのパスが格納される。
【0151】
以上説明した第2の実施の形態に係る閲覧支援システム1では、セミナー管理DB61、動画DB62を有する閲覧支援サーバ5Aが設けられる。セミナー主催者は、自身が指定する日時で電子ブック57からシームレスにオンラインセミナーを開催できる。セミナー主催者は、セミナーに公開範囲を設定することで、セミナーを受講してほしい対象者を選択することができる。一方、医療関係者等のセミナー受講者は、電子ブック57に付けられた付箋を介してオンラインセミナーに参加し、最新の医療情報を取得することができる。
【0152】
セミナー主催者のフォロワー等の閲覧者は、電子ブック57に指定されたセミナー情報を基にセミナーの受講可否を判断できる。また、閲覧者がセミナーを受講する際には、
図16に示したセミナーに参加するボタンを押すだけでよく、セミナー参加に対する障壁が低い。このため、セミナーに参加した閲覧者は、手軽に情報を得ることができる。
【0153】
また、セミナー受講者は、セミナー主催者のフォロワーでなくてもよい。セミナー主催者は、セミナー受講の要件にフォローしていることを挙げなくてもよい。
【0154】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態に係る閲覧支援システムの構成例について、
図20乃至
図23を参照して説明する。第3の実施の形態に係る閲覧支援システムでは、付箋作成者が任意のユーザーをグループ化し、そのグループに対して付箋の内容を公開可能とする制御が行われる。複数のユーザーをグループ化する機能は、公開管理部53により実現される。
【0155】
図20は、本発明の第3の実施の形態に係るグループ管理のプロセスを示す図である。
図20に示すプロセスは、
図5に示した第1の実施の形態に係るプロセスと同様の処理で構成されるので、異なる処理について説明する。
【0156】
第3の実施の形態に係る閲覧支援システムでは、閲覧支援サーバ5Bが用いられる。閲覧支援サーバ5Bは、第1の実施の形態に係る閲覧支援サーバ5(
図2を参照)に対して、グループDB63を追加した構成としている。グループDB63は、閲覧支援サーバ5Bのフォロー管理部51によって管理される。グループDB63のデータ構成例は、後述する
図22で説明する。
【0157】
第3の実施の形態に係る閲覧支援サーバ5Bでは、公開管理部53が管理する付箋の公開範囲に、付箋作成者であるユーザーと、付箋閲覧者である特定の他のユーザーとがグループ化されたグループ公開が含まれる。このため、公開管理部53は、グループ公開が設定された付箋の内容を付箋作成者であるユーザー自身の他に、グループ化された特定の他のユーザーに限って公開することができる。なお、グループ化される特定の他のユーザーは、付箋作成者であるユーザーをフォロー済みであるか否かは問わないが、以下の説明では付箋作成者が任意のユーザーをフォローしたものとして説明する。
【0158】
ステップS1にて付箋作成者が任意のユーザーをフォローした後、付箋作成者が任意のユーザーと自分自身を含むグループを作る(S4)。このグループの情報は、閲覧支援サーバ5BのグループDB63に保存される。その後のステップS2,S3の処理は、
図5を参照して説明した処理と同じである。
【0159】
付箋閲覧者が使用する情報処理端末10は、フォローDB58からフォローデータを取得した後(S11)、グループDB63からグループデータを取得する(S14)。
【0160】
次に、付箋閲覧者が使用する情報処理端末10は、付箋DB59から以下の(1)乃至(5)のいずれか一つの付箋データを取得する(S12A)。
ただし、(1)乃至(4)の付箋データは、
図5を参照して説明したとおりである。
(5)グループメンバーが「グループ公開」を設定した付箋
「グループ公開」は、付箋作成者が任意のユーザーとグループを組むことで、グループメンバーと付箋を共有できる機能である。「グループ公開」が設定された付箋は、付箋作成者と同じグループに所属していなければ、付箋閲覧者は、付箋作成者が作成した付箋を閲覧することはできない。
【0161】
その後、情報処理端末10が画面に表示される電子ブック57に重ねて付箋を描画し(S13)、付箋描画処理が終了する。
【0162】
図21は、グループ作成画面W7の例を示す図である。グループ作成画面W7は、ユーザーがグループを作成することが可能な画面である。グループを新規作成したユーザーを付箋作成者とし、この付箋作成者を「オーナー」とも呼ぶ。
【0163】
図20を参照して説明した付箋作成者がグループ作成画面W7を開くと、
図21の上側に示す現在、作成済みのグループの情報が表示される。
図21では、グループ名入力欄に入力された、グループ名が「Group1」であるグループのグループ作成画面W7が表示される。なお、グループ作成画面W7のグループ編集ボタン(「グループを編集」と表記)が押されたことにより、グループ招待画面W7aがグループ作成画面W7の上に重ねて表示されている。このため、
図21の上側に示すグループ作成画面W7は、
図21の下側に示すメンバーのうち、今回追加するメンバー「Aki」がない状態である。
【0164】
グループ招待画面W7aには、グループ名入力欄と、メンバー検索欄とが表示される。グループ名入力欄には、作成対象とするグループ名が入力される。付箋作成者がグループのオーナー権限を有していれば、グループ名を任意に変更可能である。メンバー検索欄には、付箋作成者がグループに追加するメンバーを検索するための文字入力が行われる。メンバー検索欄に入力された文字が前方一致したユーザー名が、検索結果表示欄に一覧表示される。例えば、文字「a」が入力されると、「a」が文頭で一致したユーザー名が自動で検索されて表示される。各ユーザー名には、ユーザーIDと、招待ボタン(「招待する」と表記)が並んで表示される。付箋作成者が招待ボタンを押した行のユーザーが「Group1」のグループに招待される。付箋作成者が招待したユーザーの情報は、グループDB63に保存される。なお、付箋作成者が「Group1」のグループを削除する場合は、グループ招待画面W7aの下にある削除ボタン(「グループを削除」と表記)を押す操作が行われる。
【0165】
図21の下側には、「Group1」のグループに「Aki」が追加されたグループ作成画面W7が表示される。なお、付箋作成者が新たに別のグループを作成する場合には、新規グループ作成ボタン(「新しいグループを作成」と表記)を押す。その後、グループ招待画面W7aが表示され、新しいグループのグループ名の入力、招待するユーザーの選定が行われる。なお、オーナーがグループに招待するユーザーは、自身をフォローしているか否かを問わない。このため、未フォローのユーザーであってもグループに招待される。
【0166】
図22は、グループDB63のデータ構成例を示す図である。
グループDB63は、グループID、グループメンバーのユーザーID、グループ名、権限の各項目を持つ。
【0167】
グループID項目には、グループごとに固有のグループIDが格納される。
グループメンバーのユーザーID項目には、グループに参加しているユーザー(「グループメンバー」と呼ぶ)のユーザーIDが格納される。
グループ名項目には、グループ名が格納される。
権限項目には、グループの権限が格納される。グループを作成したユーザーは、オーナー権限であり、グループに追加されたユーザーは、メンバー権限である。オーナー権限のユーザーは、グループ名の編集、メンバーの追加又は削除が可能であるが、メンバー権限のユーザーは、これらの操作が行えない。
【0168】
図23は、本発明の第3の実施の形態に係る電子ブック表示画面W3の例を示す図である。ここでは、付箋W3gのグループ公開設定の操作について説明する。なお、
図11に示す電子ブック表示画面W3と共通する箇所は詳細な説明を省略する。
【0169】
付箋作成画面W4は、公開範囲設定欄W4aを表示する。公開範囲設定欄W4aには、公開範囲として、非公開、フォロワーのみの公開、お知らせ公開、全体公開に加えて、グループ公開が含まれる。グループ公開は、付箋W3gの内容を特定のグループに限定する。
【0170】
付箋作成者が公開範囲設定欄W4aにてグループ公開を選択すると、グループ選択画面W4bがポップアップ表示される。グループ選択画面W4bは、付箋作成者が、付箋W3gの内容を共有するメンバーを選定するために用いられる。グループ選択画面W4bには、付箋作成者が現在参加中のグループが表示されるので、付箋作成者が付箋W3gを共有させたいグループ名にチェックを入れると、このグループ名のグループメンバーと付箋W3gの内容を共有できる。例えば、付箋作成者が「Group1」のグループをチェックして、OKボタンを押すと、付箋W3gの内容が「Group1」のグループメンバーに共有される。
【0171】
以上説明した第3の実施の形態に係る閲覧支援システム1では、グループDB63を有する閲覧支援サーバ5Bが設けられ、付箋W3gの公開範囲にグループ公開が設定可能である。特定のユーザーで構成されるグループに対してのみ、必要な情報が共有されるので、他のユーザーに情報が洩れるおそれがない。また、グループは複数作成可能であるため、付箋作成者が所属する団体に合わせてグループ内のメンバーを適宜増減することが可能である。
【0172】
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態に係る閲覧支援システムの構成例について、
図24及び
図25を参照して説明する。第4の実施の形態に係る閲覧支援システムでは、付箋作成者が任意のユーザーをグループ化し、そのグループに対して付箋W3gの内容を公開可能とする制御を、第2の実施の形態に係る閲覧支援システムに追加する。上述したように任意のユーザーをグループ化し、そのグループに対して付箋W3gの内容を公開可能とする機能は、公開管理部53により実現される。
【0173】
図24は、本発明の第4の実施の形態に係るグループ管理のプロセスを示す図である。
図24に示すプロセスは、
図17に示した第2の実施の形態に係るプロセスと同様の処理で構成されるので、異なる処理について説明する。
【0174】
第4の実施の形態に係る閲覧支援システムのセミナー管理部54は、公開管理部53により管理されるセミナーにグループ公開が設定されている場合に、グループメンバーである特定の他のユーザーに限ってセミナーへの参加を許可する。このため、セミナー管理部54は、セミナー主催者であるユーザーをフォローし、グループ化され、かつ付箋を通じてセミナーに参加する特定の他のユーザーを管理する。
【0175】
(セミナー主催者)
セミナー主催者によるステップS21乃至S24の処理は、
図17に示した各ステップの処理と同じであるので、詳細な説明を省略する。
【0176】
(セミナー受講者)
セミナー受講者は、情報処理端末10を操作して、フォローDB58からフォローデータを取得する(S31)。次に、セミナー受講者は、情報処理端末10を操作して、グループDB63からグループデータを取得する(S35)。セミナー受講者は、情報処理端末10を操作して、自身のユーザーIDがグループメンバーとして登録されているグループのグループデータだけを取得可能である。
【0177】
次に、セミナー受講者は、情報処理端末10を操作して、セミナー主催者が登録したセミナー情報をセミナー管理DB61から取得し、セミナーの動画を動画DB62から取得する(S32A)。
【0178】
セミナー受講者がセミナー管理DB61から取得可能なセミナー情報として、以下の3つがある。
(1)フォロワー公開されているセミナー
(2)全体公開されているセミナー
(3)グループメンバーが「グループ公開」しているセミナー
セミナー受講者がグループメンバーに所属し、かつ、グループ公開されているセミナーをセミナー受講者が受講可能である。なお、セミナー受講者がセミナー主催者をフォローしていなくてもよい。
【0179】
ステップS33,S34の処理は、
図17に示した各ステップの処理と同じである。
【0180】
図25は、セミナー管理DB61の構成例を示す図である。
図25に示すセミナー管理DB61の各項目は、
図18に示したセミナー管理DB61の各項目と同じであるが、公開範囲項目にグループIDが登録されている。
【0181】
図25に示すセミナー管理DB61の公開範囲項目には、付箋W3gの公開範囲が格納される。上述した全体公開、フォロワー公開の他に、グループ公開の対象であるグループのグループIDが公開範囲として公開範囲項目に格納される。複数のグループが公開範囲項目に登録される場合、各グループのグループIDがカンマ区切りで格納される。
【0182】
以上説明した第4の実施の形態に係る閲覧支援システム1では、セミナーの公開範囲をグループ公開に設定可能である。このため、限られたメンバーが登録されているグループ内だけでセミナーの情報を共有することができ、グループ外のユーザーにセミナーの情報が洩れるおそれがない。
【0183】
なお、セミナー管理部54は、特定の他のユーザーが、セミナー主催者であるユーザーをフォローしなくても、グループ化されていれば、付箋を通じてセミナーに参加するように管理してもよい。この場合、セミナー管理部54は、公開管理部53により管理されるセミナーにグループ公開が設定されている場合に、特定の他のユーザーに限ってセミナーへの参加を許可する。
【0184】
また、セミナー管理部54は、他のユーザーがセミナー主催者であるユーザーをフォローせず、グループ化されていなくても、付箋を通じてセミナーに参加するように管理してもよい。
【0185】
[第5の実施の形態]
次に、本発明の第5の実施の形態に係る閲覧支援システムの構成例について、
図26を参照して説明する。
図26は、第5の実施の形態に係る閲覧支援システム1Aの全体構成例を示す機能構成図である。閲覧支援システム1Aは、第1の実施の形態に係る付箋機能、第2の実施の形態に係るセミナー機能、第3及び第4の実施の形態に係るグループ機能のいずれも有する。ただし、図面が煩雑になるため、
図26では、第1の実施の形態に係る付箋機能を有する閲覧支援システム1Aについて説明する。
【0186】
閲覧支援システム1Aは、歯科医院ごとに情報処理端末10とカルテコンピュータ7を備える。カルテコンピュータ7は、カルテDB71、レセプトDB72、電子ブックDB73、フォローDB75、付箋DB76、及び参照ログDB77を備える。
【0187】
カルテDB71は、カルテコンピュータ7で作成されるカルテの情報を格納する。カルテの情報は、患者の個人情報が含まれるので、カルテコンピュータ7内に留まる。ただし、カルテコンピュータ7がクラウドサーバで構成される場合には、クラウドサーバにカルテDB71の情報が送信される。
【0188】
カルテコンピュータ7からレセプト管理サーバ2に対して診療データd1が送信され、レセプトDB22に登録データd2が登録される。また、カルテコンピュータ7から閲覧支援サーバ5に対して参照ログデータd3が送信され、参照ログDB60に参照ログデータd3が登録される。
【0189】
レセプトDB72、電子ブックDB73、フォローDB75、付箋DB76、及び参照ログDB77のデータ構成は、
図2に示したレセプトDB22、電子ブックDB56、フォローDB58、付箋DB59、及び参照ログDB60のデータ構成と同様である。電子ブックDB73には、閲覧支援サーバ5から配信された電子ブック57が、電子ブック74として保存される。
【0190】
ただし、カルテコンピュータ7に構築される各DBのデータは、医療関係者が参照可能な情報に限られる。また、カルテコンピュータ7の各DBに書き込まれた情報のうち、カルテDB71以外の情報は、定期的にレセプト管理サーバ2及び閲覧支援サーバ5が備える各DBと同期される。このため、医療関係者は、カルテコンピュータ7がオフライン状態であっても、情報処理端末10を操作して、カルテコンピュータ7内の各DBに記録された情報を閲覧可能である。
【0191】
以上説明した第5の実施の形態に係る閲覧支援システム1Aでは、カルテコンピュータ7が備える各DBの情報が、レセプト管理サーバ2及び閲覧支援サーバ5が備える各DBの情報と同期されている。このため、カルテコンピュータ7がオフライン状態になったとしても、医療関係者がカルテコンピュータ7の各DBに記録されている情報を確認することができる。
【0192】
各歯科医院の付箋作成者は、電子ブック57に付箋W3gを作成し、付箋W3gの情報を他の医療関係者に共有させることができる。この際、付箋作成者は、付箋W3gの公開範囲として、例えば、グループ公開を追加することもできる。また、各歯科医院の付箋閲覧者は、電子ブック57に登録された付箋W3gを確認し、付箋W3gの情報を確認することができる。
【0193】
また、各歯科医院のセミナー主催者は、主催するセミナーのセミナー情報を付箋W3gに追加することができる。セミナー受講者は、付箋W3gに記録されたセミナー情報に基づいて、オンラインセミナーを受講することができる。
【0194】
[変形例]
なお、医療関係者が情報処理端末10を通じて入力する項目のうち、ある項目における入力頻度の高い語句が、情報処理端末10の画面上に表示されるようにしてもよい。医療関係者は、ガイドとして画面に表示された語句を参照することで、項目入力時の参考にすることが可能となる。
【0195】
また、上述した各実施の形態では、歯科診療におけるレセプト作成について説明したが、医師、看護師、理学療法士、柔道整復師等の診療に対する診療記録(カルテ)やレセプト等の作成時にも本発明を適用することが可能である。例えば、歯科だけでなく、医科、薬科、動物医療といった診療科であっても、カルテ及びレセプト作成時に必要とする書籍をデータ化した電子ブック57をサービス会社がとりまとめ、書籍を必要とする医院等に提供できるようにする。このため、サービス会社が提供する診療処理部の機能を様々な診療科で利用して、必要な時に電子ブック57を参照することが可能となる。
【0196】
また、上述した各実施の形態で用いられる電子ブックDB56には、医療関係者等が発表した論文や研究結果を取り込んでもよい。そして、出版社は、電子ブック57に含まれる項目に対して、論文や研究結果のWeb上の所在情報(URL等)を併記した電子ブック57を作成してもよい。情報処理端末10を使用する医療関係者は、ある特定の語句に併記されるWeb上の所在情報を選択することで、最新の論文や研究結果に容易にアクセスすることが可能となる。
【0197】
また、上述した各実施の形態で用いられる付箋W3gには、テキストだけでなく、図表が記入されてもよい。付箋W3gに図表が追加されることで、付箋閲覧者の理解を深めることができる。また、付箋W3gには、参考とするサイトのURLが記入されてもよい。付箋閲覧者は、URLによりサイトにアクセスすることで、付箋W3gだけでは把握しきれない詳細な情報を得ることができる。
【0198】
本発明は上述した各実施の形態に限られるものではなく、請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りその他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。
例えば、上述した各実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために装置及びシステムの構成を詳細かつ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、ここで説明した実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることは可能であり、さらにはある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることも可能である。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0199】
1,1A…閲覧支援システム、2…レセプト管理サーバ、4…電子ブック管理サーバ、5,5A,5B…閲覧支援サーバ、7…カルテコンピュータ、10…情報処理端末、11…表示部、12…入力部、21…レセプト管理部、51…フォロー管理部、52…付箋管理部、53…公開管理部、54…セミナー管理部、55…参照管理部、57…電子ブック、22…レセプトDB、56…電子ブックDB、58…フォローDB、59…付箋DB、60…参照ログDB、61…セミナー管理DB、62…動画DB、63…グループDB