(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-10
(45)【発行日】2025-01-21
(54)【発明の名称】広告システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0241 20230101AFI20250114BHJP
【FI】
G06Q30/0241
(21)【出願番号】P 2024161061
(22)【出願日】2024-09-18
【審査請求日】2024-09-19
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524120295
【氏名又は名称】株式会社インベストフューチャー
(74)【代理人】
【識別番号】110001977
【氏名又は名称】弁理士法人クスノキ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】氷室 京介
(72)【発明者】
【氏名】平井 沙也加
【審査官】原 忠
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-080564(JP,A)
【文献】特開2018-022240(JP,A)
【文献】特開2023-080907(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターネットを介して加盟店に関する所定のサービスを会員サービスとして提供するサービス提供サーバと、実店舗を有する加盟店の端末装置と、前記サービスのアカウントを有するサービス会員の端末装置とがネットワークを介して通信可能に接続された広告システムであって、
前記サービス提供サーバは、
前記加盟店の所在地情報を含む店舗識別情報が登録された加盟店データベースと、
前記加盟店を利用し当該加盟店の店舗会員登録を希望した前記サービス会員を、当該加盟店の店舗会員として登録する店舗会員登録部と、
自店の店舗会員
に対する自店以外の広告情報の提供を許可した加盟店の中から
、広告主の指定する地域に実店舗を有する加盟店を、前記所在地情報を参照して、引受加盟店として抽出する引受加盟店抽出部と、
前記引受加盟店抽出部が抽出した前記引受加盟店の店舗会員
に、前記引受加盟店とは異なる広告主の広告情報を配信する広告情報配信部とを備える広告システム。
【請求項2】
前記サービス提供サーバは、
前記引受加盟店の店舗会員の中から、前記広告主が希望する属性条件を満たす店舗会員を抽出する店舗会員抽出部を備える請求項1に記載の広告システム。
【請求項3】
前記サービス提供サーバは、
前記加盟店の指定する除外条件を記憶する除外条件データベースを備え、
前記引受加盟店抽出部は、
前記広告主が前記除外条件に該当する場合には、当該除外条件を指定した加盟店を引受加盟店として抽出しない請求項1または2に記載の広告システム。
【請求項4】
前記サービス提供サーバは、
前記広告主の操作する端末装置に表示される画面において入力された内容に即して前記広告情報を生成する広告情報生成部を備える請求項1または2に記載の広告システム。
【請求項5】
前記サービス提供サーバは、
前記引受加盟店の店舗会員に前記広告主の広告情報を配信した場合に、当該引受加盟店に対する報酬を演算する報酬演算部を備える請求項1または2に記載の広告システム。
【請求項6】
前記サービス提供サーバは、
前記報酬演算部が演算した前記報酬に相当するポイントを前記引受加盟店に付与するポイント管理部を備える請求項5に記載の広告システム。
【請求項7】
前記店舗会員登録部は、
前記サービスのアカウントを有する会員ユーザの端末装置においてなされた操作に基づいて、前記会員ユーザを当該会員ユーザが指定する前記加盟店の店舗会員として登録する請求項1または2に記載の広告システム。
【請求項8】
前記サービス提供サーバは、
前記会員ユーザ向けのポータルサイトを提供し、
前記広告主の広告情報の一覧を、前記ポータルサイトにおける前記店舗会員のマイページにて閲覧可能に表示する表示処理部を備える請求項7に記載の広告システム。
【請求項9】
前記マイページは、
前記会員サービスのデジタル会員証の表示を含み、
前記デジタル会員証は前記加盟店の店舗会員証としても機能する請求項8に記載の広告システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
飲食店や美容サロン等の実店舗の広告手段として、例えば各種予約サイト等への情報掲載が行われている。しかし、この方法では、広告情報がユーザに届くか否かはユーザの検索行動に依存することになり、店舗側が希望するタイミングで直接ユーザに広告情報を届けることが困難であった。
【0003】
また、実店舗の広告手段としてはタウン情報誌等の紙媒体への広告掲載も行われている。紙媒体の広告では広告主店舗の近隣地域をターゲットとすることはできるものの、掲載スペースの制約のために宣伝したい内容を十分に盛り込めなかったり、広告枠を大きくすると広告料が高額になったりする問題があった。
【0004】
昨今、店舗の顧客の情報を利用したターゲティング広告が行われている。特許文献1に記載された広告配信システムでは、広告配信業者が複数の提携企業の保有するユーザ情報及びユーザの行動履歴を取得し、例えば提携企業の店舗に商品を提供するメーカ等の広告をユーザに配信する。
【0005】
また、特許文献2には、複数の提携企業のデータベース部に蓄積されている個人情報を利用してターゲティング広告を行うことを可能にするコンピュータシステムが記載されている。特許文献2のコンピュータシステムは、複数の提携企業のデータベース部に蓄積されている個人情報を横断的に運用する運用企業と、広告枠を提供する媒体企業とが協働して、広告枠と個人情報とのセットを広告企業に提供するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2015-97016号公報
【文献】特開2023-80907号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1及び2のシステムでは高精度のターゲティング広告が可能となるが、これらのシステムでは個人の行動追跡や第三者企業への個人情報等の提供が行われる。近年、個人情報保護の法整備が進むとともに、広告企業への個人情報等の提供が消費者から忌避される傾向にある。また、特に中小・零細規模の店舗にとっては、従来のターゲティング広告はコストが高く利用しにくいという問題があった。
【0008】
また、近年、大手小売企業において、自店舗の顧客データや購買データを利用し、自店舗に商品を提供するメーカーを広告主とする広告事業が行われている。このような広告事業では、小売企業が自らの小売事業で得たデータを広告事業に生かすことができる。しかし、中小・零細規模の店舗を営む事業者にとっては、自らの事業に伴って得られた顧客の情報を活用した広告出稿事業を展開することには、システム構築や営業活動の困難さやコスト面において高い障壁があった。
【0009】
本発明の目的は、上記した従来の問題点を解決し、広告主が希望する対象地域に広告情報を届けやすくするとともに、広告情報を受け取るユーザが紐づけられた実店舗に利益を分配可能な広告システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、インターネットを介して加盟店に関する所定のサービスを会員サービスとして提供するサービス提供サーバと、実店舗を有する加盟店の端末装置と、前記サービスのアカウントを有するサービス会員の端末装置とがネットワークを介して通信可能に接続された広告システムであって、前記サービス提供サーバは、前記加盟店の所在地情報を含む店舗識別情報が登録された加盟店データベースと、前記加盟店を利用し当該加盟店の店舗会員登録を希望した前記サービス会員を、当該加盟店の店舗会員として登録する店舗会員登録部と、自店の店舗会員に対する自店以外の広告情報の提供を許可した加盟店の中から、広告主の指定する地域に実店舗を有する加盟店を、前記所在地情報を参照して、引受加盟店として抽出する引受加盟店抽出部と、前記引受加盟店抽出部が抽出した前記引受加盟店の店舗会員に、前記引受加盟店とは異なる広告主の広告情報を配信する広告情報配信部とを備える広告システムとする。
【0012】
また、前記サービス提供サーバは、前記引受加盟店の店舗会員の中から、前記広告主が希望する属性条件を満たす店舗会員を抽出する店舗会員抽出部を備える構成とすることが好ましい。
【0013】
また、前記サービス提供サーバは、前記加盟店の指定する除外条件を記憶する除外条件データベースを備え、前記引受加盟店抽出部は、前記広告主が前記除外条件に該当する場合には、当該除外条件を指定した加盟店を引受加盟店として抽出しない構成とすることが好ましい。
【0014】
また、前記サービス提供サーバは、前記広告主の操作する端末装置に表示される画面において入力された内容に即して前記広告情報を生成する広告情報生成部を備える構成とすることが好ましい。
【0015】
また、前記サービス提供サーバは、前記引受加盟店の店舗会員に前記広告主の広告情報を配信した場合に、当該引受加盟店に対する報酬を演算する報酬演算部を備える構成とすることが好ましい。
【0016】
また、前記サービス提供サーバは、前記報酬演算部が演算した前記報酬に相当するポイントを前記引受加盟店に付与するポイント管理部を備える構成とすることが好ましい。
【0017】
また、前記店舗会員登録部は、前記サービスのアカウントを有する会員ユーザの端末装置においてなされた操作に基づいて、前記会員ユーザを当該会員ユーザが指定する前記加盟店の店舗会員として登録する構成とすることが好ましい。
【0018】
また、前記サービス提供サーバは、前記会員ユーザ向けのポータルサイトを提供し、前記広告主の広告情報の一覧を、前記ポータルサイトにおける前記店舗会員のマイページにて閲覧可能に表示する表示処理部を備える構成とすることが好ましい。
【0019】
また、前記マイページは、前記会員サービスのデジタル会員証の表示を含み、前記デジタル会員証は前記加盟店の店舗会員証としても機能する構成とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0020】
本発明では、広告主が希望する対象地域に広告情報を届けやすくするとともに、広告情報を受け取るユーザが紐づけられた実店舗に利益を分配可能な広告システムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】実施形態の広告システム及びサービス提供サーバの構成の一例を示す図である。
【
図2】実施形態の広告システムが実現する広告サービスの概要を示す図である。
【
図3】サービス会員データベースの一例を示す図である。
【
図4】サービス会員が加盟店の店舗会員として登録される場合の流れ及びマイページトップの表示の一例を示す図である。
【
図6】店舗会員データベースの一例を示す図である。
【
図7】実施形態の広告配信フローの一例を示す図である。
【
図8】加盟店端末装置に表示される他店舗広告配信の許可の有無及び除外条件を設定する入力画面の一例を示す図である。
【
図9】第1実施形態の広告配信依頼フローの一例を示す図である。
【
図10】広告主が加盟店である場合の広告配信依頼画面の一例を示す図である。
【
図11】広告主が加盟店である場合の広告配信依頼画面の一例を示す図である。
【
図12】広告主が加盟店である場合の作成済み広告選択画面の一例を示す図である。
【
図13】広告主が加盟店である場合の広告作成フォーマット画面の一例を示す図である。
【
図14】広告主が加盟店である場合の広告作成フォーマット画面の一例を示す図である。
【
図15】(a)は配信条件選択画面、(b)はターゲット配信しない場合の配信希望人数入力画面の一例を示す図である。
【
図16】第1実施形態の広告配信依頼・引受加盟店抽出フローの一例を示す図である。
【
図17】(a)は配信条件・配信対象者数確認画面、(b)は配信費用確認画面、(c)は配信開始日選択画面の一例を示す図である。
【
図18】広告主が加盟店である場合の支払方法選択画面の一例を示す図である。
【
図19】第1実施形態における、ターゲット配信が選択された場合の広告配信依頼・引受加盟店抽出フローの一例を示す図である。
【
図20】(a)はターゲット配信条件選択画面、(b)は配信対象者数・配信費用確認画面の一例を示す図である。
【
図21】広告情報配信後のフローの一例を示す図である。
【
図22】店舗会員端末装置に表示される店舗会員用マイページの一例を示す図である。(a)はマイページトップ画面、(b)は受信箱のトップ画面である。
【
図23】加盟店フォルダ内の表示例及び加盟店から店舗会員に向けて配信されるメッセージの例を示す図である。
【
図24】(a)は広告情報トップ画面の表示例、(b)は店舗会員端末装置における広告情報の表示の一例を示す図である。
【
図25】第2実施形態における引受加盟店抽出フローの一例を示す図である。
【
図26】第2実施形態における配信希望人数入力・絞込指定画面の一例を示す図である。
【
図27】第3実施形態における引受加盟店抽出フローの一例を示す図である。
【
図28】第3実施形態における店舗会員規模絞込指定・配信希望人数入力画面の一例を示す図である。
【
図29】第4実施形態における引受加盟店抽出フローの一例を示す図である。
【
図30】第4実施形態における絞込指定画面の一例を示す図である。
【
図31】第5実施形態における引受加盟店抽出フローの一例を示す図である。
【
図32】第5実施形態における配信希望軒数指定画面の一例を示す図である。
【
図33】第5実施形態における配信軒数確認画面の一例を示す図である。
【
図34】第5実施形態における配信費用確認画面の一例を示す図である。
【
図35】第6実施形態における引受加盟店抽出フローの一例を示す図である。
【
図36】第6実施形態における絞込指定画面の一例を示す図である。
【
図37】第7実施形態における引受加盟店抽出フローの一例を示す図である。
【
図38】第7実施形態における広告主端末装置の表示例である。(a)はターゲット配信条件選択画面、(b)は配信希望人数指定画面である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(広告システムの構成)
図1を参照して、実施形態の広告システム1の構成の一例について説明する。
図1に示されるように、広告システム1は、サービス提供サーバ10と、加盟店端末装置20と、サービス会員端末装置30と、店舗会員端末装置31と、広告主端末装置40とを備えている。サービス提供サーバ10は、加盟店端末装置20、サービス会員端末装置30、店舗会員端末装置31及び広告主端末装置40に対してネットワークNWを介して互いに通信可能に接続されている。
【0023】
サービス提供サーバ10は
図2に示すサービス事業者50によって運営され、広告サービスを提供するサーバコンピュータである。
図2に示されるように、前記広告サービスには複数の加盟店60が加盟している。前記広告サービスは、実店舗を有する複数の加盟店60と、加盟店60の顧客であって当該加盟店60の店舗会員として登録された店舗会員70と、広告主80とを対象とするサービスであり、具体的には、店舗会員70に対し、当該店舗会員70が店舗会員登録している加盟店60とは異なる広告主80の広告情報を提供するものである。
【0024】
図1に示されるように、サービス提供サーバ10は、機能要素として制御部11と記憶部12とを有する。制御部11は、少なくとも1つのプロセッサを含む。実施形態の制御部11は店舗会員登録部11aを備えている。実施形態の店舗会員登録部11aは、実店舗を有する加盟店60の顧客を当該加盟店60の店舗会員として登録する。
【0025】
記憶部12は、HDDやRAM(Random Access Memory)などである。記憶部12には、加盟店データベース12a、サービス会員データベース12b、店舗会員データベース12c、広告主データベース12dなどが記憶されている。本明細書では、以下「データベース」を「DB」と省略することがある。なお、サービス提供サーバ10は複数のサーバによって構成されていてもよい。
【0026】
サービス事業者50は、会員制のインターネット総合サービスをユーザに提供していてもよい。実施形態のサービス事業者50は、前記インターネット総合サービスとして、加盟店60の店舗会員登録サービス(詳細は後述する)や予約サービス、ポイント付与サービス、オンラインショッピングサービスなどを提供する。また、実施形態のサービス事業者50は、前記インターネット総合サービスの加盟店60に対し、店舗会員登録サービス、顧客管理サービス、ポイント管理サービス、クーポン発行サービス、メッセージ配信サービス、オンライン販売管理サービスなどを提供する。実施形態の前記広告サービスは前記インターネット総合サービスに含まれるものである。
【0027】
加盟店60は少なくとも1つの実店舗を有する事業者である。実施形態の加盟店60は、前記インターネット総合サービスに加盟して店舗アカウントを取得した事業者であって、前記広告サービスを利用する事業者である。実施形態では、加盟店60は、自店の店舗会員70に対する広告主80の広告情報配信を許可する引受側の立場となるほか、他の加盟店60の店舗会員70に対する自店の広告情報配信を依頼する広告主側の立場となることもできる。
【0028】
加盟店60の業種は限定されず、例えば理美容室や美容サロン、飲食店、小売店などが挙げられる。加盟店60に関する各種情報は加盟店データベース12aに登録される。加盟店データベース12aには、例えば加盟店60に対して発行された加盟店IDや、加盟店の屋号、業種、住所などの店舗識別情報のほか、加盟店60のスタッフ情報などが登録されていてもよい。
【0029】
加盟店端末装置20は加盟店60の責任者及び/またはスタッフによって操作されるコンピュータ装置であり、例えば加盟店60の実店舗に設置される。加盟店端末装置20は、実店舗以外の場所に設置されたコンピュータ装置を含んでいてもよい。例えば、複数の実店舗を有する加盟店60の本店や本部などに設置されたコンピュータ装置が、加盟店端末装置20に含まれていてもよい。加盟店端末装置20は据置型のコンピュータ装置に限定されず、スマートフォン端末やタブレット端末などの携帯型端末装置が含まれていてもよい。
【0030】
店舗会員70は、サービス事業者50が提供する店舗会員登録サービスにおいて加盟店60の店舗会員として登録されたユーザである。実施形態の店舗会員登録サービスにおいて加盟店60の店舗会員となるためには、サービス事業者50が提供する前記インターネット総合サービスのアカウントを有する会員ユーザ(以下「サービス会員」という。)であることが前提となる。店舗会員登録の流れについては後段で詳述する。
【0031】
サービス会員端末装置30は、前記サービス会員によって操作される端末装置である。店舗会員端末装置31は、店舗会員70によって操作される端末装置である。サービス会員端末装置30及び店舗会員端末装置31は、例えばスマートフォン端末やタブレット端末などの携帯型端末装置が挙げられるが、これらに限定されず、据置型のパーソナルコンピュータが含まれていてもよい。
【0032】
広告主80は、広告システム1を利用して特定の地域を主な対象とした広告配信を希望する広告主体であり、例えば実店舗を有する事業者や、特定の地域を商圏とする事業者などである。実施形態の広告システム1では、広告主80は加盟店60であってもよいし、加盟店60でなくてもよい。
【0033】
また、実施形態では、地域の実店舗において商品を販売したり役務を提供したりする事業者のほか、人材派遣業者や、特定の地域に商品や役務を売り込みたい大規模事業者等も広告主80となることができる。これらの広告主80のように、サービス事業者50による顧客管理サービス等を必ずしも必要としない広告主80に対しては、例えば広告依頼に限定された形態での加盟店登録など、さまざまな加盟形態が用意されていてもよい。
【0034】
広告主端末装置40は、広告主80によって操作されるコンピュータ装置であり、例えば広告主80の店舗や事業所などに設置される。広告主端末装置40は据置型のコンピュータ装置に限定されず、スマートフォン端末やタブレット端末などの携帯型端末装置が含まれていてもよい。
【0035】
(店舗会員登録システムの概要)
実施形態の広告システム1は、顧客を加盟店60の店舗会員として登録する店舗会員登録システムを含む。ここで、実施形態における店舗会員登録システムの概要について説明する。
【0036】
実施形態のサービス提供サーバ10は、インターネットを介して加盟店60に関する所定のサービスを会員サービスとして提供する。実施形態における店舗会員70は、前記インターネット総合サービスのアカウント(ユーザアカウント)を有するサービス会員であることが前提となる。本実施形態では、前記インターネット総合サービスのアカウント登録は、ユーザの端末装置にインストールされた前記インターネット総合サービスのアプリケーション上またはWebサイト上で表示されるサービス会員登録ページ(不図示)においてなされる。
【0037】
実施形態では、ユーザが前記サービス会員登録ページに入力したユーザ識別情報はサービス会員DB12bに登録される。
図3に示す例のサービス会員DB12bには、サービス会員のユーザ識別情報と、当該サービス会員に割り当てられたサービス会員IDとが互いに関連付けられて登録されている。実施形態の前記ユーザ識別情報は、少なくとも当該ユーザの氏名、生年月日、性別、メールアドレス、サービス会員用サイトやアプリケーションにおける各種の認証に利用されるパスワードを含む。このほか、ユーザ識別情報として電話番号や住所などが任意に含まれていてもよい。
【0038】
実施形態のサービス提供サーバは、アカウント登録がなされたサービス会員に対して、少なくともサービス会員IDを含む2次元コードやバーコードなどのデジタル会員証を発行する。
【0039】
また、実施形態のサービス提供サーバ10は、サービス会員向けのポータルサイトをサービス会員端末装置30に提供する。ポータルサイトは、ブラウザによりアクセス可能なWebサイト、またはスマートフォンやタブレット型端末などにインストールされたアプリケーションを通じて提供されてもよい。実施形態のサービス提供サーバ10は、ポータルサイトを通じて、サービス会員による加盟店60の予約手続き、店舗会員登録手続きなどを実行することができる。
【0040】
サービス会員がサービス会員端末装置30を用いてポータルサイトにログインすると、サービス会員端末装置30の画面に当該サービス会員のアカウントのマイページが表示される(
図4(a)参照)。
図4(a)に示す例のマイページには、インターネット総合サービスのデジタル会員証となる2次元コードQの表示が含まれている。デジタル会員証はバーコードであってもよい。
【0041】
以下、
図4及び
図5を参照して、加盟店60の顧客が当該加盟店60の店舗会員として会員登録される際の流れの一例について説明する。
図4及び
図5に示す例では、加盟店60を利用し当該加盟店60の店舗会員登録を希望するサービス会員が、サービス会員端末装置30を用いて店舗会員登録の操作を行う。
【0042】
(ステップS101)サービス事業者50は、あらかじめ加盟店60に対して店舗会員登録用コードを発行する。実施形態の店舗会員登録用コードは2次元コード(QRコード(登録商標:以下同じ))である。店舗会員登録用2次元コードには、加盟店60の実店舗を識別する店舗識別情報などの情報が含まれていてもよい。また、加盟店60が、担当者によってサービスが提供される業態(例えば理美容室や美容サロンなど)の場合、会員登録用2次元コードに担当者を識別する担当者識別情報が含まれていてもよい。実施形態の店舗会員登録用コードは、印刷されて加盟店60の実店舗内に掲示されるか、店舗端末装置40の画面に表示されるなどして顧客に提示可能となっている。
【0043】
(ステップS102)
図4(b)に示されるように、サービス会員甲は、加盟店60(例えばヘアサロンA)の実店舗に来店し、サービス提供を受けるか商品を購入する。
【0044】
(ステップS103)サービス会員は、加盟店60(ヘアサロンA)の店舗スタッフから店舗会員登録用2次元コードを提示される。店舗会員登録用2次元コードは、当該店舗を利用した顧客に対してのみ、当該店舗内において提示されるものとしてもよい。さらに、顧客が取得した店舗会員登録用2次元コードには有効期限が設定されていてもよい。有効期限は、例えば10分などの短時間であってもよい。このような構成とすれば、実店舗を利用していない人の店舗会員登録を抑制できる。
【0045】
(ステップS104)サービス会員は、自らのサービス会員端末装置30の画面にポータルサイトまたはポータルアプリを表示させてログインした状態で、店舗会員登録用2次元コードを読み取る。本実施形態では、サービス提供サーバ10の店舗会員登録部11aが、サービス会員端末装置30においてなされた操作(この例では店舗会員登録用2次元コードの読取)に基づいて、サービス会員を当該サービス会員が指定する加盟店60(この例ではヘアサロンA)の店舗会員として登録する。
【0046】
実施形態では、ポータルサイトを表示させたサービス会員端末装置30によって店舗会員登録用2次元コードが読み取られることにより、サービス会員端末装置30からサービス提供サーバ10に店舗会員登録要求が自動的に送信される。
【0047】
(ステップS105)店舗会員登録要求を受信したサービス提供サーバ10の店舗会員登録部11aは、店舗会員登録要求に含まれるサービス会員甲のユーザ識別情報をサービス会員DB12bから抽出し、抽出したユーザ識別情報と加盟店60(ヘアサロンA)の店舗識別情報とを関連付けて店舗会員DB12c(
図6参照)に登録する処理を行う。これにより、サービス会員甲が店舗60(ヘアサロンA)の店舗会員70として登録される。店舗会員登録がなされると、制御部11がサービス会員甲のサービス会員端末装置30の画面に、店舗会員登録完了のメッセージ(例:「ショップを追加しました」)を表示させる処理を実行する(
図4(c)参照)。店舗会員登録が完了すると、インターネット総合サービスのデジタル会員証である2次元コードQが、加盟店60の店舗会員証としても機能する。
【0048】
図6に示す例の店舗会員DB12cには、店舗会員70のユーザ識別情報として氏名、生年月日、性別、メールアドレスが登録されている。実施形態の店舗会員DB12cには店舗会員70の住所や電話番号などは登録されず、店舗会員70の個人情報は最小限の範囲で登録されるように構成されている。ただし、店舗会員70が許可した場合は、店舗会員DB12cに住所や電話番号を登録することができる。
【0049】
実施形態では、加盟店60は、加盟店端末装置20の管理画面から自店の店舗会員DB12cを閲覧することができる。加盟店60は、店舗会員DB12cに記憶された項目の全部を閲覧できてもよいし、加盟店端末装置20から閲覧可能な項目が制限されていてもよい。
【0050】
なお、上記した手順に限定されず、店舗会員登録用2次元コードを読み取ったサービス会員端末装置30の画面に店舗会員登録用ページ(不図示)が表示され、このページから店舗会員登録を行う意思表示をするように構成されていてもよい。また、サービス会員がサービス会員端末装置30の画面に自らのデジタル会員証である2次元コードQを表示させ、加盟店端末装置30に読み取らせることにより店舗会員登録が行われてもよい。
【0051】
なお、来店した顧客がサービス会員ではない場合、店頭にてインターネット総合サービスのサービス会員登録(アカウント作成)を完了させたのち店舗会員登録を行ってもよい。また、加盟店60の店頭で店舗会員登録用2次元コードを読み取ることにより表示されるページにてサービス会員登録と店舗会員登録とが同時に行えるようにしてもよい。
【0052】
(メッセージ配信)
図1に示す実施形態のサービス提供サーバ10は、メッセージ生成部11bとメッセージ配信部11cとを備え、サービス会員及び店舗会員70に対してメッセージを配信する機能を有する。
【0053】
メッセージ生成部11bは、サービス事業者50または加盟店60から、サービス会員または当該加盟店60の店舗会員70に宛てた通知やクーポン配布などに関する各種メッセージを生成する。メッセージ生成部11bは、例えば加盟店端末装置20の画面に表示される設定画面において入力された内容に即したメッセージを自動生成してもよい。
【0054】
メッセージ配信部11cは、メッセージ生成部11bが生成したメッセージを、サービス会員または店舗会員70に対して配信する。実施形態のメッセージ配信部11cは、前記メッセージをサービス会員のアカウントに対して配信する。例えば、メッセージ配信部11cは、ポータルサイトのサービス会員用マイページに表示される受信箱に、当該サービス会員宛てのメッセージを配信できる。これにより、加盟店60は、自店の店舗会員70に対して自店の営業情報や広告情報等を自由に配信することができる。メッセージ配信部11cは、必要に応じて、電子メール送信や各種メッセージサービスにおけるメッセージ配信、プッシュ通知やアプリ内メッセージによる通知等を行ってもよい。
【0055】
(ポイント管理)
図1に示す実施形態のサービス提供サーバ10は、ポイント管理部11dを備え、サービス会員及び店舗会員70に対してポイントを付与する機能を有する。ポイント管理部11dは、サービス会員に対して加盟店共通ポイントを付与する処理を行ってもよい。また、ポイント管理部11dは、店舗会員70に対して、店舗会員登録済みの店舗のみで利用可能な店舗専用ポイントや、当該店舗及びグループ店舗で利用可能な加盟店専用ポイントを付与したりする処理を行ってもよい。また、ポイント管理部11dは、加盟店60に対してポイントを付与する機能を有していてもよい。実施形態のポイント管理部11dは、加盟店60に対し、後述する他店舗広告配信に係る報酬としてポイントを付与することができる。
【0056】
(広告サービスの概要)
次に、
図2を参照して、実施形態の広告システム1により実現される広告サービスの概要について説明する。
【0057】
ステップS1(店舗会員登録)では、サービス会員が加盟店60の実店舗を利用し、当該実店舗にて加盟店60の店舗会員登録を行う。上述したように、この店舗会員登録はサービス事業者50が提供するインターネット総合サービスを利用して行われる。
図2に示す例では、加盟店60A(X市のヘアサロン)、加盟店60B(Y市のネイルサロン)のそれぞれに紐づけられた複数の店舗会員70が存在する。なお、一のサービス会員は複数の加盟店60の店舗会員となることができる。
【0058】
ステップS2(他店舗広告配信の許可・除外条件登録)では、加盟店60が、サービス事業者50による自店の店舗会員70に対する自店とは異なる広告主80の広告情報の配信(以下「他店舗広告配信」ということがある。)を許可するか否か選択する。また、実施形態では、他店舗広告配信を許可した加盟店60は広告主80の除外条件を設定できる。これにより、例えば同業他社の広告主80を除外するよう指定し、他店舗広告配信において自店の店舗会員70に同業他社の広告情報が配信されることを拒否することができる。
【0059】
ステップS3(広告配信依頼・配信条件選択)では、広告主80(80C)が自店の広告情報の配信をサービス事業者50に依頼する。また、広告情報の配信に係る各種配信条件を選択する。配信条件は、例えば加盟店60の所在地条件などである。これにより、例えばX市に実店舗を有する飲食店である広告主80Cが、同じX市に店舗を有する加盟店60Aの店舗会員70に対して広告情報を配信することが可能となる。
【0060】
なお、この例の広告主80Cは、サービス事業者50が提供するインターネット総合サービスの加盟店60でもある。実施形態では、加盟店60ではない広告主80D、80Eからも広告配信依頼を受けることができる。
【0061】
ステップS4(配信条件を満たす加盟店60の抽出)では、サービス事業者50が、複数の加盟店60の中から広告主80Cが指定した配信条件を満たす加盟店60を抽出する。
【0062】
ステップS5(抽出した加盟店60の店舗会員への広告配信)では、ステップS4で抽出した加盟店60群の一部または全部の加盟店60の店舗会員70に対し、広告主80Cの広告情報を配信する。
【0063】
ステップS6(報酬支払)では、サービス事業者50が、自店の店舗会員70に他店舗広告が配信された加盟店60に対し、配信数に応じた報酬を支払う。
【0064】
(システムの機能構成)
図1に示す実施形態のサービス提供サーバ10の制御部11は、広告依頼情報管理部11eと、配信条件管理部11fと、広告情報生成部11gと、引受加盟店抽出部11hと、店舗会員抽出部11iと、広告情報配信部11jと、表示処理部11kと、報酬演算部11Lとを備えている。
【0065】
広告依頼情報管理部11eは、広告主端末装置40に表示される画面(
図13参照)において入力される広告依頼情報を取得する。広告依頼情報は、具体的には広告の具体的な内容に関する情報であり、広告情報に含ませる文言や画像、リンク等である。
【0066】
配信条件管理部11fは、広告主端末装置40に表示される画面(
図15(a)等参照)において入力される配信条件を取得する。配信条件は、広告情報の配信形態や配信先抽出に係る各種条件であり、広告主80が希望する地域条件や広告主80が希望する店舗会員70の属性条件などが含まれていてもよい。また、配信条件管理部11fは、加盟店端末装置20から、加盟店60の指定する除外条件等を取得する。
【0067】
広告情報生成部11gは、広告主端末装置40に表示される画面(
図13参照)において入力された内容に即して広告情報を生成する。実施形態の広告情報生成部11gは、広告依頼情報管理部11eが取得した広告依頼情報に基づいて、広告情報を生成する。
【0068】
引受加盟店抽出部11hは、自店の店舗会員70への広告情報の提供を許可した加盟店60の中から、広告主80の指定する条件を満たす加盟店60を引受加盟店として抽出する。実施形態の前記条件は、広告主80が希望する地域条件を少なくとも含み、引受加盟店抽出部11hは、前記地域条件に合致する地域に実店舗を有する加盟店60を抽出する。また、実施形態の引受加盟店抽出部11hは、広告主80が除外条件に該当する場合には、当該除外条件を指定した加盟店60を引受加盟店として抽出しない処理を行う。
【0069】
店舗会員抽出部11iは、引受加盟店の店舗会員70の中から、広告主80が希望する属性条件を満たす店舗会員70を抽出する。
【0070】
広告情報配信部11jは、広告情報生成部11gが生成した広告情報を、引受加盟店抽出部11hが抽出した加盟店60の店舗会員70に配信する。実施形態の広告情報配信部11jは、広告情報を店舗会員70のアカウントに対して配信する。例えば、広告情報配信部11jは、ポータルサイトのサービス会員用マイページに表示される受信箱に広告情報を配信できる。広告情報配信部11jは、必要に応じて、電子メール送信や各種メッセージサービスにおけるメッセージ配信、プッシュ通知やアプリ内メッセージによる通知等を行ってもよい。
【0071】
このように、実施形態の広告配信システム1では、加盟店60のうち引受加盟店として抽出された加盟店60の店舗会員70に対して他店舗広告配信が行われる。なお、引受加盟店の店舗会員70のうち、さらに属性条件で絞り込まれた店舗会員70に対して他店舗広告配信が行われてもよい。
【0072】
表示処理部11kは、広告システム1に含まれる各端末装置へのデータの表示を制御する。表示処理部11kは、加盟店端末装置20に表示される店舗管理画面、広告主端末装置40に表示される広告依頼情報の入力画面や、ポータルサイトの表示などを制御する。例えば、実施形態の表示処理部11kは、広告主80の広告情報の一覧を、ポータルサイトにおける店舗会員70のマイページにて閲覧可能に表示する。
【0073】
報酬演算部11Lは、引受加盟店の店舗会員70に広告主80の広告情報を配信した場合に、当該引受加盟店に対する報酬を演算する。
【0074】
また、実施形態のサービス提供サーバ10の記憶部12は、広告主データベース12dと、広告依頼情報データベース12eと、配信条件データベース12fと、除外条件データベース12gとを備えている。
【0075】
広告主DB12dには、広告配信を依頼する広告主80の情報が記憶されている。
【0076】
広告依頼情報DB12eには、広告依頼情報管理部11eが取得した広告依頼情報が記憶される。
【0077】
配信条件DB12fには、配信条件管理部11fが取得した配信条件が記憶される。
【0078】
除外条件DB12gには、配信条件管理部11fが取得した除外条件が記憶される。
【0079】
(第1実施形態の広告システムの動作)
次に、第1実施形態の広告システム1の動作について、
図7等を参照して説明する。
【0080】
(ステップS1:店舗会員登録)
店舗会員登録(
図2のステップS1、
図5)については前述のとおりであり、ここでは説明を省略する。
【0081】
(ステップS2:他店舗広告配信許可・除外条件登録)
図7に示すステップS2(他店舗広告配信許可・除外条件登録)について説明する。実施形態の表示処理部11kは、加盟店端末装置20の画面に、自店の店舗会員70に対する他店舗広告配信を許可するか否かを入力する入力画面(
図8参照)を表示させる。実施形態では、自店の店舗会員70に対する他店舗広告配信を許可した加盟店60の店舗会員70に対してのみ、広告主80の広告情報が配信可能となる。
【0082】
図8に示す例の入力画面では、他店舗広告配信を許可する操作を行う(「許可する」のチェックボックスにチェックを入れる)と、広告主80の除外条件を設定する入力項目が表示される。この例では、除外条件として広告主80の業種が選択可能となっている。これにより、加盟店60は、自らが引受加盟店となった場合において自店の店舗会員70に同業他社の広告情報が配信されないように設定することができる。
図8に示す入力画面にて入力された除外条件はサービス提供サーバ10に送信され、配信条件管理部11fが除外条件DB12gに除外条件を登録する処理を実行する。
【0083】
(ステップS3-1:広告配信依頼/配信条件選択)
図7に示すステップS3-1(広告配信依頼/配信条件選択)について説明する。実施形態では、広告主端末装置40からサービス提供サーバ10に広告依頼情報が送信される。以下、
図9等を参照して、広告主80が広告配信を依頼するフローのうち、配信条件選択フローについて説明する。なお、実施形態では、広告主80は加盟店60であってもよいし、加盟店60でなくてもよい。便宜上、加盟店60である広告主80(例えば
図2に示す広告主80C)の操作する端末装置を広告主端末装置41とし、加盟店60でない広告主80(例えば
図2に示す広告主80D)が操作する端末装置を広告主端末装置42とする。広告主端末装置41は加盟店端末装置20であってもよい。
【0084】
(ステップS301)
図9に示す広告主80C(
図2に示す例ではX市の飲食店)の担当者は、広告主端末装置41を用いて、サービス提供サーバ10が提供するインターネット総合サービスの加盟店用ページ(不図示)にログインする。
【0085】
(ステップS302)次に、ログインした加盟店用ページから他店舗広告メニューページ(不図示)に遷移する。他店舗広告メニューページにて他店舗広告配信依頼メニューを選択し、広告配信依頼画面(
図10参照)を表示させる。
図10に示す例の広告配信依頼画面には、他店舗広告配信を依頼するための「新たに広告出稿を依頼する」ボタンのほか、加盟店60が保有するポイント及び今年度の他店舗広告発注件数が表示されている。また、広告配信依頼画面には、過去に他店舗広告配信を依頼した依頼履歴が一覧表示されていてもよいし、依頼履歴の詳細画面(広告情報の文面や配信条件など)に遷移するボタンや、依頼済広告の請求書発行画面に遷移するボタンなどが含まれていてもよい。
【0086】
(ステップS303)広告主80Cの担当者が「新たに広告出稿を依頼する」ボタンを押すと、作成済み広告を使用するか否かを選択するポップアップメッセージ(
図11参照)が表示される。作成済み広告とは、例えば過去に他店舗広告配信を依頼した広告情報や、下書き保存しておいた広告情報などである。実施形態では、広告主80が加盟店60であれば(すなわち、サービス事業者50が提供するインターネット総合サービスの店舗アカウントを持っていれば)、広告配信依頼時に作成済み広告を使用することができ、依頼の都度全ての情報を新たに入力する手間を省くことができる。
【0087】
(ステップS304)ステップS303で作成済み広告を利用する選択をすると、
図12に示す作成済み広告選択画面に遷移する。一覧表示された作成済み広告の中から使用する広告を選択し、「この広告を選択する」ボタンを押すと、ステップS310の配信条件選択画面(
図15(a)参照)に遷移する。
【0088】
(ステップS305)ステップS303で作成済み広告を利用しない選択をすると、
図13に示す広告作成フォーマット画面に遷移する。この例の広告作成フォーマット画面では、広告情報の内容を入力フォームに入力して設定することができる。広告作成フォーマット画面に設けられる入力フォームの内容としては、広告情報に含ませる画像、各種コメント、特典を設定する場合の特典内容及び特典利用有効期限、転送先URLリンク及びこのURLへ遷移するボタンの設定などが挙げられる。これらのフォームを用いて広告情報の内容を入力し、「確認」ボタンを押すと、
図14に示す確認画面に遷移する。この例の確認画面には、広告情報のプレビューを表示させるボタンや、修正ボタン、下書き保存ボタン、登録ボタンが表示されている。広告情報の内容を確認して「登録」ボタンを押すと、ステップS310の配信条件選択画面(
図15(a)参照)に遷移する。
【0089】
なお、広告作成フォーマット画面への入力による広告作成に限定されず、例えばさらにデザイン性の高い広告を希望する場合などには、別途広告制作依頼フォームから広告制作を依頼できる構成としてもよい。また、広告主80がすでに他社で作成した広告データを保有している場合は、ファイルをアップロードする機能から登録する構成としてもよい。
【0090】
(ステップS306~S309)ここで、広告主80が加盟店60ではない広告主80Dである場合の、広告配信申込から広告作成フォーマット画面入力までのフローの一例について説明する。広告主80Dは、サービス提供サーバ10が提供するビジター向けの申込画面(不図示)から広告配信を申し込む(ステップS306)。実施形態の申込画面では利用規約に同意するか確認され(ステップS307)、同意しなければ広告配信依頼は不可となり(ステップS308)、同意すれば広告作成フォーマット画面(不図示)に遷移する(ステップS309)。広告主80Dは、広告作成フォーマット画面にて必要な情報を入力して広告を作成するとともに、店舗の名称や所在地などの店舗情報等を入力する。
【0091】
なお、申込画面では広告主80Dがインターネット総合サービスに加盟するか否か選択できるようになっていてもよい。広告主80Dがインターネット総合サービスに加盟した場合は、広告作成フォーマット画面での店舗情報の入力は不要となる。広告主80Dが広告情報等を入力したら、ステップS310に進む。ステップS310以降のフローは、広告主80C、80Dともおおむね共通となる。
【0092】
(ステップS310)
図15(a)に示す配信条件選択画面では、広告主80(80C、80D)が希望する配信条件を選択する。この例の配信条件選択画面では、「配信形態」の項目で強調表示オプションの有無を選択できる。強調表示(特別情報)オプションを付加すると、配信先の店舗会員端末装置31において広告表示を強調表示することができる(
図22参照)。強調表示の具体例については後述する。また、「表示サイズ」の項目では広告情報の表示サイズを選択できる。「配信期間」の項目では、店舗会員70のアカウントに配信された広告情報の受信箱内における表示期間を設定することができる。
【0093】
(地域条件)
また、実施形態では、広告主80が広告情報の配信先として希望する地域条件を指定できる。
図15(a)に示す例の配信条件選択画面では、「引受加盟店の地域条件」の項目にて地域条件を指定する。実施形態では地域条件を「都道府県」または「市区郡」のレベルで指定可能となっている。この配信条件選択画面では、都道府県及び市区郡がチェックボックスで選択できる。都道府県は1つのみ選択可とし市区郡は複数選択可としてもよく、都道府県及び市区郡の両方とも複数選択可としてもよい。また、都道府県選択の前に関東・関西などのエリア選択画面が表示される構成としてもよい。
【0094】
広告主80が地域条件を指定した場合、サービス提供サーバ10(引受加盟店抽出部11h)は、広告情報の配信先を、指定された地域条件に合致する地域に実店舗を有する加盟店60の店舗会員70で構成される母集団の中から選択する。すなわち、実施形態における地域条件は、加盟店60の実店舗所在地の情報と照合されて引受加盟店を抽出するために用いられるものであって、店舗会員70の住所情報と照合されて地域条件に合致する地域に居住する店舗会員70を直接抽出するために用いられるものではない。
【0095】
実施形態の広告システム1では、加盟店60の店舗会員70は当該加盟店60の実店舗の近隣エリアに居住している可能性が高いため、地域条件に合致する店舗会員70を直接抽出しなくても、広告主80が希望する対象地域に広告情報を届けやすい広告配信サービスを実現できる。また、本実施形態では、店舗会員70の個人情報を参照することなく広告主80が希望する対象地域に広告情報を届けやすい広告システム1とすることができる。サービス提供サーバ10による具体的な抽出フローについてはステップS401以下で説明する。
【0096】
(属性条件)
(ステップ311)実施形態の配信条件選択画面(
図15(a)参照)では、ターゲット配信条件指定欄において、広告主80がさらに広告情報の配信先のターゲットを絞り込むための属性条件を指定できる。指定可能な属性条件としては、例えば配信対象者である店舗会員70の属性条件(性別、年齢など)や、引受加盟店として抽出される加盟店60の店舗条件(業種、客単価など)が挙げられる。なお、ターゲット配信条件の指定にはオプション料金が加算される構成としてもよい。
【0097】
(ステップS312)配信条件選択画面(
図15(a)参照)で各配信条件を入力し、「次へ」ボタンを押すと、入力した配信条件がサービス提供サーバ10に送信される。なお、これ以降のステップについては、ターゲット配信条件の指定の有無によってフローが異なる。まず、ターゲット配信オプションを付けない場合のフローについて
図16を参照して説明し、ターゲット配信オプションを付ける場合のフローについては後段で
図19を参照して説明する。
【0098】
(ステップS4:引受加盟店抽出)
実施形態のサービス提供サーバ10は、広告主端末装置40から受信した配信条件等を満たす引受加盟店を抽出し、配信対象者となる店舗会員70の総数を広告主端末装置40に送信する。
図16に示すステップS401以降の抽出フローは以下のとおりである。
【0099】
(ステップS401)サービス提供サーバ10が受信した配信条件は配信条件DB12fに格納される。引受加盟店抽出部11hは、配信条件DB12fと加盟店DB12aを参照し、広告主80が指定した地域条件を満たす加盟店60を抽出する。例えば、広告主80C(X市の飲食店)が、引受加盟店の地域条件としてX市を指定した場合、X市に実店舗を有する加盟店60を引受加盟店候補として抽出する。
【0100】
(ステップS402)次に、引受加盟店抽出部11hは、除外条件DB12gと広告主DB12dを参照し、ステップS401で引受加盟店候補として抽出した各加盟店60の中に、広告主80の業種を除外条件として設定した加盟店60が含まれていないか判定し、含まれていた場合はその加盟店60を引受加盟店候補から除く。例えば、広告主80Cの業種が飲食店であるとき、引受加盟店候補の中に、ステップS2で「除外する広告主の業種」として「飲食店」を指定した加盟店60が含まれている場合、当該加盟店60を引受加盟店候補から除く。
【0101】
(ステップS403、S404)次に、サービス提供サーバ10は、引受加盟店候補として抽出した加盟店60全体の店舗会員70の総数を算出し、配信可能人数として広告主端末装置40に送信する。配信可能人数は、例えば
図15(b)に示す配信希望人数入力画面に表示される。
【0102】
(ステップS313)広告主80は、配信希望人数入力画面(
図15(b)参照)に表示された配信可能人数を参考に、同画面において配信希望人数を入力する。「配信条件・配信人数確認」ボタンを押すと、配信希望人数の情報がサービス提供サーバ10に送信される。
【0103】
(ステップS405)サービス提供サーバ10が受信した配信希望人数は配信条件DB12fに格納される。実施形態の引受加盟店抽出部11hは、配信条件DB12f、加盟店DB12a、店舗会員DB12cを参照し、店舗会員数の合計が前記配信希望人数に近似するように、引受加盟店となる加盟店60をランダムに抽出する。本実施形態では、このとき引受加盟店として抽出された各加盟店60の店舗会員70が配信対象者となり、広告主80の広告情報が配信される。
【0104】
(ステップS406)サービス提供サーバ10は、配信対象者数を広告主端末装置40に表示させる(
図17(a)参照)。
【0105】
(ステップS314)広告主80が、
図17(a)に示す例の配信条件・配信対象者数確認画面を確認し、配信対象者数を承認する場合はステップS315に進む。配信対象者の数を変更したい広告主80は、「修正する」ボタンを押してステップS310またはS313へ戻り、配信条件や配信希望人数を再設定することができる。
【0106】
(ステップS407)サービス提供サーバ10は、広告主80に承認された配信対象者数に応じた配信費用を算出し、広告主端末装置40に見積として表示させる(
図17(b)参照)。
【0107】
(ステップS315)広告主80は、
図17(b)に示す配信費用確認画面を確認し、提示された配信費用を承認する場合は「配信開始日選択へ」ボタンを押してステップS316に進む。配信費用を調整したい場合、広告主80は「修正する」ボタンを押してステップS310またはS313へ戻り、配信条件や配信希望人数を再設定することができる。
【0108】
(ステップS316~S317)広告主80は、
図17(c)に示す配信開始日選択画面において配信開始日を設定する。同画面で「お支払方法選択へ」ボタンを押すと、
図18(a)(b)に示す支払方法選択画面に遷移する。なお、なお、広告主80が加盟店60である場合、広告主80(80C)は広告配信費用の一部または全部の支払いに関し、サービス事業者50から付与された保有ポイントによる支払いを選択することができる。広告主80が加盟店60でない場合は、支払方法選択画面(不図示)にはポイント支払いの選択肢が表示されず、例えば口座振込やクレジットカード決済などの支払手段が選択可能となっている。広告主80(80C、80D)が支払方法を指定して「次へ」ボタンを押すと、
図18(c)に示す完了画面に遷移し、広告配信依頼が完了する。
【0109】
(ターゲット配信)
次に、
図9、
図19等を参照して、第1実施形態において広告主80がターゲット配信を希望した場合の広告配信依頼・引受加盟店抽出フローについて説明する。
【0110】
(ステップS311)
図9に示すステップS311において「ターゲット配信する」を選択した場合(
図15参照)、
図19に示す広告配信依頼・引受加盟店抽出フローに進む。
【0111】
(ステップS401~S404)
図19に示すステップS401~S404については、ターゲット配信しない場合の抽出フローと同一であるため説明を省略する。ターゲット配信ありの場合の配信可能人数は、例えば
図20(a)に示すターゲット配信条件選択画面に表示される。
【0112】
(ステップS321)広告主80は、ターゲット配信条件選択画面(
図20(a)参照)に表示された配信可能人数を参考に、同画面においてターゲット配信条件を入力する。
【0113】
(属性条件)
実施形態のターゲット配信条件選択画面では、属性条件として店舗会員70の性別条件と年齢条件とが選択可能となっている。
図20(a)に示す例のターゲット配信条件選択画面では、配信先とする店舗会員70の年齢条件を、10年区切りの年代ごとにチェックボックスで指定したり、任意入力で範囲指定したりすることができる。年代ごとの指定は複数選択可能であってもよい。
【0114】
(店舗条件)
実施形態のターゲット配信条件選択画面では、店舗条件として引受加盟店の客単価や業種を指定することができる。店舗条件はこれらに限定されず、例えば、加盟店60の店舗会員規模など他の指標が選択可能であってもよい。
【0115】
各ターゲット配信条件を入力した広告主80が「絞り込み結果を表示」ボタンを押すと、指定したターゲット配信条件がサービス提供サーバ10に送信される。サービス提供サーバ10が受信したターゲット配信条件は配信条件DB12fに格納される。
【0116】
(ステップS421)広告主80がターゲット配信条件として店舗条件を指定した場合、引受加盟店抽出部11hは、引受加盟店候補の中から、指定された店舗条件を満たす加盟店60を引受加盟店として抽出する。
【0117】
(ステップS422)広告主80がターゲット配信条件として店舗会員70の属性条件を指定した場合、店舗会員抽出部11iは、例えば配信条件DB12fと店舗会員DB12cを参照するなどして、ステップS421で抽出した各引受加盟店の店舗会員70の中から、指定された属性条件を満たす店舗会員70を配信対象者として抽出する。
【0118】
(ステップS423)サービス提供サーバ10は、ステップS422で抽出した配信対象者数及びこれに応じた配信費用を算出し、広告主端末装置40に見積として表示させる(
図20(b)参照)。
【0119】
(ステップS322)広告主80は、
図20(b)に示す配信対象者数・配信費用確認画面を確認し、提示された内容を承認する場合は「配信開始日選択へ」ボタンを押してステップS323に進む。配信費用等を調整したい場合、広告主80は「修正する」ボタンを押してステップS310またはS321へ戻り、配信条件等を再設定することができる。
【0120】
(ステップS323~S324)配信開始日及び支払方法の選択については、ターゲット配信しない場合と同様であるため説明を省略する。
【0121】
(データチェック工程)
なお、実施形態では、広告主80からの広告配信依頼完了後、サービス事業者50の担当者が、広告情報に含まれるURLリンクや画像ファイルが不正なものでないか判定するデータチェック工程が設けられている。URLリンクや画像ファイルの判定はサービス提供サーバ10が実行する構成であってもよい。不正なURLリンクのリダイレクト先の例としては、詐欺サイト等の有害なサイトや、広告主80と全く関係のないサイト等が挙げられる。また、不正な画像ファイルの例としては、広告主80と全く関係のない画像や、公序良俗に反する画像、無関係のサイトへ誘導する情報を含む画像等が挙げられる。
【0122】
URLリンクや画像ファイルに何らかの問題があると判定された場合、サービス提供サーバ10から広告主端末装置40にデータ修正依頼のメッセージが送信される。URLリンクや画像ファイルに問題がない場合や、問題が修正された場合はデータチェック工程が完了する。このようなデータチェックを行う構成とすることにより、実施形態の広告システム1では、広告サービスの安全性を高め、ユーザの安心感を向上させることができる。
【0123】
(ステップS5:広告情報配信)
次に、
図7に示すステップS5(広告情報配信)について説明する。実施形態では、広告情報生成部11gが広告依頼情報DB12eを参照して、店舗会員70に配信される広告情報を生成する。実施形態の広告情報には、
図24(b)に示されるように、画像や広告主80の店舗情報、クーポンなどの特典や予約ページに遷移するボタン等が含まれていてもよい。
【0124】
広告情報生成部11gによって生成された広告情報は、ステップS4で配信対象者として抽出された店舗会員70に対して配信される。実施形態では、広告情報配信部11jが、配信対象者である店舗会員70のサービス会員用マイページに表示される受信箱に、広告主80の広告情報を配信する。以下、
図21等を参照して、広告情報が店舗会員70に配信されたあとのフローについて説明する。
【0125】
(ステップS501)サービス提供サーバ10の広告情報配信部11jは、配信対象者となる店舗会員70に対して、広告主80の広告情報を配信する。
【0126】
(ステップS502)実施形態では、配信された広告情報は、店舗会員端末装置31において閲覧されるサービス会員用マイページの受信箱に届く。
図22(a)は、店舗会員端末装置31にインストールされたインターネット総合サービスのポータルアプリにおけるマイページトップ画面の表示の例である。この例のマイページトップ画面には、デジタル会員証となる2次元コードQが表示されている。マイページトップ画面には、強調表示オプションを選択した広告主80の広告情報またはそのサムネイル画像が表示される特別情報表示領域AD1が設けられていてもよい。また、実施形態のマイページトップには、メッセージ配信部11cが配信する各種メッセージ等を格納する受信箱(図中の「メッセージBOX」))に遷移するボタンが表示されている。このボタンを押すと、
図22(b)に示す受信箱のトップ画面に遷移する。
【0127】
図22(b)に示される例の受信箱のトップ画面には、各種メッセージがグループごとにまとめられて格納されるフォルダが表示されている。実施形態では表示処理部11kがメッセージの送信元種別ごとのフォルダを生成し、これらの各フォルダに対応するメッセージが格納されていることを示す画面を表示させる。
【0128】
実施形態の受信箱のトップ画面(
図22(b))には、店舗会員登録した加盟店60からのメッセージが格納される加盟店フォルダF1が表示されている。実施形態の加盟店フォルダF1には、未読メッセージがある場合に目印が表示される。実施形態の加盟店フォルダF1を選択すると、加盟店60ごとのフォルダが表示され(
図23(a)参照)、一の加盟店60のフォルダを選択すると、その加盟店60からのメッセージが一覧表示される(
図23(b)参照)。加盟店60は、自店の店舗会員に対してテキストメッセージ(
図23(c)参照)やクーポン等の特典付きメッセージ(
図23(d)参照)を随時自由に配信できる。
【0129】
また、実施形態の受信箱のトップ画面(
図22(b))には、広告主80の広告情報が格納される広告情報フォルダF2が表示されている。広告情報フォルダF2は、さらに細かい分類のフォルダが表示されたものであってもよい。
図22(b)に示す例では、強調表示オプションを選択した広告主80の広告情報が格納される特別広告情報フォルダF21と、強調表示オプションを選択していない広告主80の広告情報が格納される通常広告情報フォルダF22(図中の「周辺地域から」フォルダ)とが設けられている。また、実施形態では、特別広告情報フォルダF21と通常広告情報フォルダF22に格納された広告主80の広告情報のうち、店舗会員70が開封した広告情報が保存される既読広告情報保存フォルダF23(図中の「保存BOX」フォルダ)が生成されている。各フォルダには、未読メッセージの数を示す情報や、新着の未読メッセージの概要を示す情報が表示されていてもよい。
【0130】
いずれかの広告情報フォルダF2を開くと、
図24(a)に示される広告情報トップ画面が表示される。この例では広告情報フォルダF2の分類に応じたタブTBが設けられている。いずれかのタブTBを選択すると、当該タブTBに対応する広告情報フォルダF2内の広告情報が一覧表示される。この例では、一覧表示された広告情報のうち未読のものに目印が表示されている。また、各広告情報には、広告主80の名称や有効期限が表示されている。一覧表示された広告情報は、例えば広告主80の業種などによって絞り込み表示可能であってもよい。また、店舗会員70が「表示設定」ボタンから設定画面に遷移し、広告情報の種類ごとに表示/非表示を設定できる構成であってもよい。このような構成とすれば、店舗会員70が自分の興味関心に沿って情報の受け取りをカスタマイズできる。
【0131】
他店舗広告配信利用した広告主80の広告情報の例を
図24(b)に示す。この例の広告情報は、広告主80が広告作成フォーマット画面(
図13参照)にて入力した情報に基づいて広告情報生成部11gが生成したものである。広告情報の内容はこの例に限定されない。
【0132】
(ステップS503~S505)広告情報は、店舗会員70によって開封されて既読になったかどうかをカウント可能であることが好ましい。実施形態では、所定の開封有効期間内に開封された広告情報は、既読広告情報保存フォルダF23に保存される(ステップS504)。サービス提供サーバ10は一の広告情報が既読広告情報保存フォルダF23に保存された場合に保存カウントを実行する(ステップS505)。これにより、広告主80に対して広告情報の開封率をフィードバックすることができる。
【0133】
(ステップS506~507)実施形態では、所定の開封有効期間内に開封されなかった広告情報は、有効期限到来後に自動削除され(ステップS506)、サービス提供サーバ10が不保存カウントを実行する(ステップS507)。このような構成とすれば、期限切れの古い広告情報が自動で削除されるため、店舗会員70がフォルダ内のメッセージを管理する手間がかからず、見やすい表示を自動的に維持することができる。
【0134】
(ステップS508~S512)実施形態では、開封した広告情報にクーポン等の特典情報が含まれている場合、特典情報の利用の有無を管理できるようになっている。特典情報は、例えば広告情報に2次元コードやバーコード、クーポン番号などの形式で表示される(
図24(b)参照)。広告情報に含まれる特典情報が有効期間内に利用された場合(具体的には、店舗会員70が広告主80の店舗で特典情報を提示した場合(ステップS510))、広告主端末装置40が特典情報を読み取るなどして会計処理が行われる(ステップS511)。このとき、広告主端末装置40からサービス提供サーバ10に対し、特典情報が利用されたことを示す情報が送信され、サービス提供サーバ10が特典利用カウントを行う(ステップS512)。このような構成とすれば、広告主80に対して広告情報が来店及び利用につながった件数をフィードバックすることができる。
【0135】
(ステップS513~S514)店舗会員70が有効期限内に広告情報に含まれる特典を利用しなかった場合、当該広告情報は既読広告情報保存フォルダF23から自動的に削除される(ステップS513)。広告情報が削除されると、サービス提供サーバ10が未利用カウントを行う(ステップS514)。このような構成とすれば、広告主80に対して広告情報の未利用率等をフィードバックすることができる。
【0136】
(ステップS515)広告主端末装置40には、サービス提供サーバ10から定期的に各種カウント結果の通知が送信される(ステップS515)。カウント通知のタイミング及び回数は適宜決定することができる。
【0137】
上記したように、実施形態では、広告情報がポータルサイトまたはポータルアプリ内の受信箱に配信されるため、サービス提供サーバ10側において期限切れメッセージの削除や開封済みメッセージの保存等の情報管理が容易に行える。このような構成とすれば、例えば電子メール等のように、受信者である店舗会員70が自分でメッセージの振り分け設定をしたり古いメッセージを削除したりする必要がない。また、電子メールにて送信される一般的なプロモーションメールの場合、受信箱内では主に件名のみが表示されるため、他のメールに紛れて埋もれがちであったり開封率が低かったりする問題があった。本実施形態によれば、マイページや受信箱トップに広告情報またはそのサムネイル画像が表示されるため、広告内容が目に止まりやすい。
【0138】
(ステップS6:報酬演算・報酬付与処理)
上記したように、本実施形態によれば、引受加盟店が抽出されたうえで、この加盟店60に紐づけられた店舗会員70に広告情報が配信される。よって、広告情報を受け取るユーザ(店舗会員70)が紐づけられた実店舗である加盟店60に、広告配信に伴う利益を分配することが可能となる。
【0139】
実施形態のサービス事業者50は、引受加盟店として抽出され、自店の店舗会員70に他店舗広告が配信された加盟店60に対して所定の報酬を支払う。実施形態では、サービス提供サーバ10の報酬演算部11Lが、例えば配信対象者数に応じて加盟店60に対する報酬を演算する。報酬演算部11Lが演算した報酬額は所定のタイミングで加盟店60に通知される。加盟店60は、加盟店端末装置20に表示される管理画面において報酬の受取手段等を選択できてもよい。報酬は銀行振込、ポイント、各種手数料との相殺など複数の方法で受け取れることが好ましい。サービス提供サーバ10は、加盟店60の指定した受取方法に基づいて報酬付与処理を実行する。加盟店60がポイント受け取りを希望した場合、ポイント管理部11dは、報酬演算部11Lが演算した報酬に相当するポイントを加盟店60に付与する処理を行う。
【0140】
実施形態では、実店舗を有する加盟店60が自らの顧客である店舗会員70に他店舗の広告が配信されることにより、加盟店60が自動的に広告出稿報酬を得ることができる。また、本実施形態では店舗会員70の個人情報等が広告主80等の第三者に提供されることなく、店舗会員70への広告配信が可能となる。
【0141】
(その他の実施形態)
広告システム1は、特に引受加盟店の抽出工程において、さまざまな実施形態とすることができる。以下、主に抽出工程が異なる実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同様の部分については説明を省略する。また、便宜上、以下の実施形態において抽出フローを示す図ではサービス提供サーバ10の動作を抜粋して示している。
【0142】
(第2実施形態)
第2実施形態の引受加盟店抽出フローについて、
図25等を参照して説明する。
【0143】
(ステップS401~S403)
図25に示すステップS401~S403については、第1実施形態と同一であるため説明を省略する。
【0144】
(ステップS431)サービス提供サーバ10は、抽出した引受加盟店候補全体の店舗会員総数(配信可能人数)を広告主端末装置40に表示させる(
図26参照)。
図26に示す例の配信希望人数入力・絞込指定画面には、配信可能人数を上限として配信希望人数を入力可能な入力欄と、引受加盟店候補の中から引受加盟店を絞り込むための匿名化リストが表示されている。
【0145】
この例の匿名化リストには、引受加盟店候補として抽出された加盟店60の業種情報・客単価情報等が記載されている。この例の客単価情報は、客単価が高くなるにつれて星が増えるように模式的に示されているが、これに限定されるものではない。匿名化リストは、引受加盟店候補として抽出された加盟店60が1軒ずつリスト化されていてもよいし、複数の加盟店60が業種情報・客単価情報で集約されてリスト化されていてもよい。広告主80は、引受加盟店として抽出したい店舗属性の選択欄にチェックを入れることができる。このチェック動作に連動して、匿名化リストの下側に表示された「配信対象者数」欄に、チェックした属性で絞り込んだ場合の配信対象者数が表示される。広告主80は、配信希望人数に近似するように引受加盟店候補の絞込指定を行うことができる。
【0146】
(ステップS432)引受加盟店抽出部11hは、広告主80の絞込指定に基づいて引受加盟店を抽出する。引受加盟店として抽出した各加盟店60の店舗会員70が配信対象者となる。サービス提供サーバ10は、配信対象者の人数に応じて配信費用を算出し、広告主80に提示する。
【0147】
(第3実施形態)
第3実施形態の引受加盟店抽出フローについて、
図27等を参照して説明する。
【0148】
(ステップS401~S402)
図27に示すステップS401~S402については、第1実施形態と同一であるため説明を省略する。
【0149】
(ステップS441)サービス提供サーバ10は、引受加盟店候補として抽出した加盟店60を、店舗会員規模で分類する。この例では、例えば店舗会員数を100人単位で区切って分類しているが、これに限定されない。
【0150】
(ステップS442)サービス提供サーバ10は、引受加盟店候補として抽出した加盟店60について、店舗会員規模ごとの店舗会員数を広告主端末装置40に表示させる(
図28参照)。なお、
図28に示す店舗会員規模絞込指定・配信希望人数入力画面では、配信可能人数上限として引受加盟店候補全体の店舗会員総数も表示されている。
【0151】
図28に示す例では、店舗会員規模ごとの店舗会員数が「指定地域内の加盟店の絞り込み」欄に一覧表示されている。広告主80は、引受加盟店として抽出を希望する店舗会員規模を選択欄でチェックして選択できる。また、広告主80は同画面において配信希望人数を入力する。
【0152】
(ステップS443)引受加盟店抽出部11hは、引受加盟店候補のうち、広告主80が指定した店舗会員規模に該当する加盟店60の中から、配信希望人数に近似するように引受加盟店をランダムに抽出する。引受加盟店としてランダムに抽出された各加盟店60の店舗会員70が配信対象者となる。サービス提供サーバ10は、配信対象者の人数に応じて配信費用を算出し、広告主80に提示する。
【0153】
(第4実施形態)
第4実施形態の引受加盟店抽出フローについて、
図29等を参照して説明する。第4実施形態は、第3実施形態のステップS442において広告主80が店舗会員規模及び配信希望人数を指定して絞り込まれた引受加盟店候補について、さらに、業種及び客単価で絞込指定できるようにしたものである。
【0154】
(ステップS451)サービス提供サーバ10は、ステップS442で絞り込まれた引受加盟店候補につき、業種情報及び客単価情報が記載された匿名化リストを広告主端末装置40に表示させる(
図30参照)。第4実施形態の匿名化リストには店舗会員規模の情報も含まれる。その他の項目の表示は第2実施形態の匿名化リストと同様であってもよい。
【0155】
(ステップS452)引受加盟店抽出部11hは、広告主80が指定した店舗会員規模・業種・客単価の各条件を満たす加盟店60を引受加盟店として抽出する。引受加盟店として抽出された各加盟店60の店舗会員70が配信対象者となる。サービス提供サーバ10は、配信対象者の人数に応じて配信費用を算出し、広告主80に提示する。
【0156】
(第5実施形態)
第1~4実施形態では、配信対象者総数に1人あたりの単価を乗じた金額を基礎として配信費用の計算が行われる。第5実施形態は、引受加盟店の軒数単位での配信費用の計算を可能とするものである。以下、第5実施形態の引受加盟店抽出フローについて、
図31等を参照して説明する。
【0157】
(ステップS461)ステップS401~S402のあと、サービス提供サーバ10は、引受加盟店候補として抽出した加盟店60を店舗会員規模で分類する。また、このとき、店舗会員規模ごとの加盟店60の軒数を算出する。
【0158】
(ステップS462)サービス提供サーバ10は、引受加盟店候補として抽出した加盟店60について、店舗会員規模ごとの店舗軒数を広告主端末装置40に表示させる(
図32参照)。
図32に示す配信希望軒数指定画面には、「指定地域内の加盟店数」として引受加盟店候補の合計軒数が表示されるとともに、店舗会員規模ごとの軒数内訳及び1軒当たり単価が表示され、広告主80が店舗会員規模ごとに配信希望軒数を入力できるようになっている。広告主80は、指定地域内にどの店舗会員規模の加盟店60が何軒あるか、また、1軒あたりの単価がいくらであるかを確認し、どの規模の加盟店60を何軒指定するか決めて希望軒数入力欄に入力する。
【0159】
(ステップS463)引受加盟店抽出部11hは、広告主80が指定した配信希望軒数に合わせて、引受加盟店候補の中から引受加盟店をランダムに抽出する。引受加盟店として抽出された各加盟店60の店舗会員70が配信対象者となる。サービス提供サーバ10は、抽出した引受加盟店の軒数を広告主端末装置40に表示させる(
図33参照)。なお、広告主80が指定した店舗会員規模条件を満たす加盟店60の軒数が少ない場合は、配信軒数(引受加盟店数)が配信希望軒数より少なくなる場合がある。広告主80は、
図33に示す配信軒数確認画面にて配信軒数(引受加盟店数)を確認し、修正したい場合は配信希望軒数選択をやり直すことができる。
【0160】
広告主80が配信軒数を承諾して広告主80が「配信費用確認」ボタンを押すと、
図34に示す配信費用確認画面に遷移する。この実施形態では、配信軒数に1軒当たり単価を乗じた金額を基礎として算出された配信費用が見積額として提示されている。配信費用の見積額を見て各条件を修正する場合は「修正する」ボタンを押して条件設定をやり直すことができる。見積額を承認したら「配信開始日選択へ」ボタンを押して配信開始日や支払方法の選択に進む。
【0161】
(第6実施形態)
図35に示す第6実施形態は、第5実施形態のステップS461で抽出・分類された引受加盟店候補のうち、広告主80が指定した店舗会員規模条件を満たす加盟店60について、業種情報・客単価情報が記載された匿名化リストが広告主端末装置40に表示される。これにより、広告主80が引受加盟店の絞込条件をさらに細かく指定できるようにしたものである。
【0162】
(ステップS471)
図35に示すステップS471では、
図36に示される匿名化リストが広告主端末装置40に表示される。第6実施形態の匿名化リストの各項目の表示は第4実施形態と同様であってもよい。
【0163】
(ステップS472)引受加盟店抽出部11hは、広告主80が指定した店舗会員規模・業種・客単価の各条件を満たす加盟店60を引受加盟店として抽出する。引受加盟店として抽出された各加盟店60の店舗会員70が配信対象者となる。サービス提供サーバ10は、配信対象者の人数に応じて配信費用を算出し、広告主80に提示する。
【0164】
(第7実施形態)
図37に示す第7実施形態は、第1実施形態のターゲット配信において、広告主80が配信希望人数を指定するものである。
図37に示すステップS401~S404については第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0165】
(ステップS481)広告主80が
図38(a)に示すターゲット配信条件指定画面において店舗条件を指定した場合、引受加盟店抽出部11hは、指定された店舗条件を満たす加盟店60を引受加盟店候補として抽出する。
【0166】
(ステップS482)広告主80が
図38(a)に示すターゲット配信条件指定画面において店舗会員70の属性条件を指定した場合、店舗会員抽出部11iは、ステップS481で抽出した引受加盟店候補の店舗会員70の中から、指定された属性条件を満たす店舗会員70を属性条件充足者として抽出する。
【0167】
(ステップS483)サービス提供サーバ10は、ステップS482で抽出した属性条件充足者数(「ターゲット会員総数」)を広告主端末装置40に表示させる(
図38(b)参照)。広告主80は
図38(b)の配信希望人数指定画面において、属性条件充足者数を上限として配信希望人数を入力する。
【0168】
(ステップS484)引受加盟店抽出部11hは、配信対象者数の合計が前記配信希望人数に近似するように、引受加盟店候補の中から引受加盟店となる加盟店60をランダムに抽出する。引受加盟店として抽出された各加盟店60の店舗会員70が配信対象者となり、広告主80の広告情報が配信される。
【0169】
なお、第7実施形態において、加盟店60の業種や客単価の情報を含む匿名化リストを用いた引受加盟店の絞り込みがさらに行われてもよい。
【0170】
以上、実施形態を例に挙げて本発明について説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、各種の態様とすることが可能である。
【符号の説明】
【0171】
1 広告システム
10 サービス提供サーバ
11 制御部
11a 店舗会員登録部
11b メッセージ生成部
11c メッセージ配信部
11d ポイント管理部
11e 広告依頼情報管理部
11f 配信条件管理部
11g 広告情報生成部
11h 引受加盟店抽出部
11i 店舗会員抽出部
11j 広告情報配信部
12 記憶部
12a 加盟店データベース
12b サービス会員データベース
12c 店舗会員データベース
12f 配信条件データベース
20 加盟店端末装置
30 サービス会員端末装置
31 店舗会員端末装置
40 広告主端末装置
50 サービス事業者
60 加盟店
70 店舗会員
80 広告主
【要約】
【課題】広告主が希望する対象地域に広告情報を届けやすくするとともに、広告情報を受け取るユーザが紐づけられた実店舗に利益を分配可能な広告システムを提供すること。
【解決手段】実店舗を有する加盟店60の顧客を当該加盟店60の店舗会員70として登録する店舗会員登録部を有し、店舗会員70に対し、その店舗会員70が登録している加盟店60とは異なる広告主80の広告情報を提供するサービス提供サーバ10を含む広告システムであって、サービス提供サーバ10は、自店の店舗会員70への前記広告情報の提供を許可した加盟店60の中から、広告主80の指定する条件を満たす加盟店60を引受加盟店として抽出する引受加盟店抽出部と、前記引受加盟店の店舗会員70に対して、当該広告主80の広告情報を配信する広告情報配信部とを備える広告システムとする。
【選択図】
図2