(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-10
(45)【発行日】2025-01-21
(54)【発明の名称】電気刺激装置、導電性シートおよびパッケージ製品
(51)【国際特許分類】
A61N 1/36 20060101AFI20250114BHJP
A61N 1/04 20060101ALI20250114BHJP
【FI】
A61N1/36
A61N1/04
(21)【出願番号】P 2020092466
(22)【出願日】2020-05-27
【審査請求日】2023-05-24
(73)【特許権者】
【識別番号】591016334
【氏名又は名称】大塚テクノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】弁理士法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】沖 慎也
(72)【発明者】
【氏名】隔山 大貴
(72)【発明者】
【氏名】増田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】久本 隆
【審査官】段 吉享
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0028196(US,A1)
【文献】国際公開第2019/151136(WO,A1)
【文献】特表2020-503105(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/36
A61N 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気的な刺激信号を供給可能なパッド状の印加電極を有し、取り換え可能な導電性シートが前記印加電極に取り付けられて使用される電気刺激装置であって、
前記導電性シートに
設けられた被検出体としての識別情報記憶体の識別情報を読み取る読み取り器と、
予め設定された正規識別情報が前記読み取り器で読み取られない場合に、前記導電性シートが不適合と判定する判定部と、
前記正規識別情報が前記読み取り器で読み取られた場合に、前記正規識別情報が記憶される記憶部と、
前記判定部によって前記導電性シートが不適合と判定された場合に、前記不適合である旨を通知する通知部とを含
み、
前記判定部は、さらに、前記正規識別情報が前記記憶部に記憶された時を始期として、前記始期からの前記電気刺激装置の使用回数および前記始期からの経過日数の少なくとも一方をカウントし、前記使用回数および前記経過日数の少なくとも一方が、予め定める数を超過しているか否かを判別し、超過している場合に前記導電性シートが不適合であると判定する、電気刺激装置。
【請求項2】
電気的な刺激信号を供給可能なパッド状の印加電極を有し、取り換え可能な導電性シートが前記印加電極に取り付けられて使用される電気刺激装置であって、
前記印加電極に設けられ、前記導電性シートに設けられた被検出体としての金属部の存在を検出する近接センサと、
前記近接センサの検出結果に基づいて、前記導電性シートが、予め定める使用条件に適合するものか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって前記導電性シートが不適合と判定された場合に、前記不適合である旨を通知する通知部とを含み、
前記判定部は、前記印加電極に前記導電性シートが取り付けられた状態において、前記金属部の存在が前記近接センサによって検出されない場合に、前記導電性シートが不適合と判定する
、電気刺激装置。
【請求項3】
電気的な刺激信号を供給可能なパッド状の印加電極を有し、取り換え可能な導電性シートが前記印加電極に取り付けられて使用される電気刺激装置であって、
前記印加電極に設けられ、光を出す投光部と光を受ける受光部とを有し、前記印加電極に前記導電性シートが取り付けられた状態において、前記投光部から光を発振し、前記光の反射光を前記受光部で検出する光電センサと、
前記光電センサの検出結果に基づいて、前記導電性シートが、予め定める使用条件に適合するものか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって前記導電性シートが不適合と判定された場合に、前記不適合である旨を通知する通知部とを含み、
前記判定部は、前記受光部によって前記反射
光が検出されない場合に、前記導電性シートが不適合と判定する
、電気刺激装置。
【請求項4】
前記通知部は、視覚的手段および聴覚的手段の少なくとも一方によって、前記不適合である旨を通知する、請求項1~
3のいずれか一項に記載の電気刺激装置。
【請求項5】
前記読み取り器は、前記識別情報記憶体としてのRFタグに割り当てられた固有の識別番号を前記識別情報として読み取る、請求項1に記載の電気刺激装置。
【請求項6】
前記判定部は、同じ導電性シートの前記正規識別情報が連続して前記記憶部に記憶されたときは前記使用回数および前記経過日数の少なくとも一方の記録回数カウントを継続し、前記読み取り器で読み取られた前記正規識別情報が変わった場合には、前記記録回数カウントを0にリセットする、請求項1に記載の電気刺激装置。
【請求項7】
請求項
1に記載の電気刺激装置の前記印加電極に取り付けられる導電性シートであって、
シート本体と、
シート本体の周縁部に設けられた識別情報記憶体とを含む、導電性シート。
【請求項8】
請求項
1に記載の電気刺激装置の前記印加電極に取り付けられる導電性シートであって、
シート本体と、
シート本体に取り外し可能に貼着された保護フィルムと、
前記保護フィルムに設けられた識別情報記憶体とを含む、導電性シート。
【請求項9】
請求項
1に記載の電気刺激装置の前記印加電極に取り付けられる導電性シートと、
前記導電性シートが収納された包装体と、
前記包装体に設けられた識別情報記憶体とを含む、パッケージ製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気刺激装置、当該電気刺激装置に使用される導電性シート、および当該導電性シートのパッケージ製品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人体に電気刺激を与える電極パッドを備える、電気刺激治療器や電気刺激トレーニング機器等が種々提案されている。
例えば、特許文献1は、CPU(中央処理装置)と、CPUに接続される緊急刺激スイッチと、CPUに接続される手動式刺激最大値設定ダイアルと、刺激周波数切替スイッチと、D/A変換器とを有する出力部、電気刺激、および電気刺激が印加される電極であって、不関電極および関電極(刺激電極)を含む電極とを備える、骨盤内臓機能不全・疼痛治療装置を開示している。この装置では、人体の第2~第4仙骨神経である骨盤内臓神経や陰部神経に対して、第2~第4後仙骨孔直上皮膚より電気刺激を与えることによって、これらの神経を興奮させ、排尿障害の治療を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電気刺激装置の電極は、通常、粘着性を有するゲルパッド等の導電性シートを介して、人体に取り付けられる。
各電気刺激装置によって適切な刺激効果を得るためには、各電気刺激装置に適したゲルパッドを使用する必要がある。例えば、各製造メーカによって効果試験(例えば、臨床試験等)が行われ、有効性・安全性が確かめられた正規品を使用することが好ましい。
【0005】
一方、たとえ正規品を使用しても、例えば、粘着面へのゴミや埃等の付着によって、ゲルパッドの電気抵抗値が上昇し、十分な電気刺激を人体に出力することが困難になる場合がある。そのため、ゲルパッドの効果が持続する期限を管理できることが好ましい。
このように、電気刺激装置の使用者側において、ゲルパッドが正規品であるか否か、ゲルパッドの使用期限が切れているか否か等、ゲルパッドが予め定める使用条件に適合しているかどうかを判断できることが好ましい。
【0006】
そこで、本発明の一の目的は、使用される導電性シートが予め定める使用条件に適合しているかどうかを判断することができる電気刺激装置、および当該電気刺激装置に使用される導電性シート、および当該導電性シートのパッケージ製品を提供することである。
また、本発明の他の目的は、適切な刺激効果を得ることができる導電性シートの使用を推奨することができる電気刺激装置、および当該電気刺激装置に使用される導電性シート、および当該導電性シートのパッケージ製品を提供することである。
【0007】
また、本発明の他の目的は、適切な使用期限が切れた導電性シートの交換を促すことができる電気刺激装置、および当該電気刺激装置に使用される導電性シート、および当該導電性シートのパッケージ製品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態に係る電気刺激装置は、電気的な刺激信号を供給可能なパッド状の印加電極を有し、取り換え可能な導電性シートが前記印加電極に取り付けられて使用される電気刺激装置であって、前記導電性シートに付与された被検出体を検出する検出部と、前記検出部の検出結果に基づいて、前記導電性シートが、予め定める使用条件に適合するものか否かを判定する判定部と、前記判定部によって前記導電性シートが不適合と判定された場合に、前記不適合である旨を通知する通知部とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、電気刺激治療器の使用状態を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1の導子の模式的な斜視図(正面側)である。
【
図3】
図3は、
図1の導子の模式的な斜視図(背面側)である。
【
図7】
図7は、前記電気刺激治療器の電気的構成を示すブロック図である。
【
図8】
図8は、前記電気刺激治療器による適切な治療効果を確保する方法のフロー図である。
【
図9】
図9は、本発明の第1実施形態に係る導電性シートの模式的な正面図である。
【
図10】
図10は、本発明の第1実施形態を説明するための使用イメージ図である。
【
図13】
図13は、本発明の第1実施形態の他機能への展開を説明するための使用イメージ図である。
【
図14】
図14は、本発明の第2実施形態に係る導子の模式的な正面図である。
【
図15】
図15は、本発明の第2実施形態に係る導子の模式的な背面図である。
【
図16】
図16は、本発明の第2実施形態に係る導子の模式的な右側面図である。
【
図17】
図17は、本発明の第2実施形態に係る導電性シートの模式的な正面図である。
【
図18】
図18は、本発明の第2実施形態を説明するための使用イメージ図である。
【
図19】
図19は、本発明の第3実施形態に係る導子の模式的な正面図である。
【
図20】
図20は、本発明の第3実施形態に係る導子の模式的な背面図である。
【
図21】
図21は、本発明の第3実施形態に係る導子の模式的な左側面図である。
【
図23】
図23は、本発明の第3実施形態を説明するための使用イメージ図である。
【
図24】
図24は、本発明の第4実施形態を説明するための使用イメージ図である。
【
図25】
図25は、本発明の第5実施形態に係る電流値の経時的変化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<本発明の実施形態>
まず、本発明の実施形態を列記して説明する。
本発明の一実施形態に係る電気刺激装置は、電気的な刺激信号を供給可能なパッド状の印加電極を有し、取り換え可能な導電性シートが前記印加電極に取り付けられて使用される電気刺激装置であって、前記導電性シートに付与された被検出体を検出する検出部と、前記検出部の検出結果に基づいて、前記導電性シートが、予め定める使用条件に適合するものか否かを判定する判定部と、前記判定部によって前記導電性シートが不適合と判定された場合に、前記不適合である旨を通知する通知部とを含む。
【0011】
この構成によれば、予め定める使用条件に導電性シートが適合しない場合には、通知部によって通知される。これにより、電気刺激装置の使用者は、当該導電性シートを使用しても、適切な刺激効果を得ることが困難であると知ることができる。
なお、「導電性シートに付与された被検出体」は、例えば、導電性シートに直接取り付けられた被検出体や、導電性シートの付属物(例えば、導電性シートを保護するフィルム、導電性シートを収容する包装体等)に取り付けられ、つまり導電性シートに間接的に取り付けられた被検出体を含んでいてもよい。
【0012】
本発明の一実施形態に係る電気刺激装置では、前記検出部は、識別情報記憶体の識別情報の読み取り器を含み、前記判定部は、予め設定された正規識別情報が前記読み取り器で読み取られない場合に、前記導電性シートが不適合と判定してもよい。
この構成によれば、識別情報に基づいて、導電性シートが正規品であるかの判別、導電性シートの使用状況(使用回数等)等、様々な情報を効率よく管理することができる。なお、正規品は、他の表現で、純正品と称してもよい。
【0013】
本発明の一実施形態に係る電気刺激装置は、前記正規識別情報が前記読み取り器で読み取られた場合に、前記正規識別情報が記憶される記憶部を含み、前記判定部は、前記記憶部に記憶された前記正規識別情報に基づいて、前記導電性シートの使用期限が超過しているか否かを判別し、超過している場合に前記導電性シートが不適合であると判定してもよい。
【0014】
本発明の一実施形態に係る電気刺激装置では、前記判定部は、前記正規識別情報が前記記憶部に記憶された時を始期として、前記始期からの前記電気刺激装置の使用回数および前記始期からの経過日数の少なくとも一方をカウントし、前記使用回数および前記経過日数の少なくとも一方が、予め定める数を超過しているか否かを判別し、超過している場合に前記導電性シートが不適合であると判定してもよい。
【0015】
本発明の一実施形態に係る電気刺激装置では、前記検出部は、前記印加電極に設けられ、金属部の存在を検出する近接センサを含み、前記判定部は、前記印加電極に前記導電性シートが取り付けられた状態において、前記金属部の存在が前記近接センサによって検出されない場合に、前記導電性シートが不適合と判定してもよい。
この構成によれば、導電性シートに金属部が設けられていれば、導電性シートが印加電極に取り付けられた状態において、被検出体(金属部)が近接センサによって必然的に検出される。そのため、電気刺激装置の使用者が導電性シートの管理を積極的に行わなくても、導電性シートの情報を確実に知ることができる。
【0016】
本発明の一実施形態に係る電気刺激装置では、前記検出部は、前記印加電極に設けられ、光を出す投光部と光を受ける受光部とを有する光電センサを含み、前記光電センサは、前記印加電極に前記導電性シートが取り付けられた状態において、前記投光部から光を発振し、前記光の反射光および前記光の光量変化の少なくとも一方を前記受光部で検出し、前記判定部は、前記受光部によって前記反射光および前記光量変化の少なくとも一方が検出されない場合に、前記導電性シートが不適合と判定してもよい。
【0017】
この構成によれば、導電性シートに反射部および遮光部の少なくとも一方が設けられていれば、導電性シートが印加電極に取り付けられた状態において、被検出体(反射部および遮光部の少なくとも一方)が光電センサによって必然的に検出される。そのため、電気刺激装置の使用者が導電性シートの管理を積極的に行わなくても、導電性シートの情報を確実に知ることができる。
【0018】
本発明の一実施形態に係る電気刺激装置では、前記判定部は、前記検出部による検出結果に基づいて、前記導電性シートが正規品であるか否かを判別し、正規品でない場合に前記導電性シートが不適合であると判定してもよい。
本発明の一実施形態に係る電気刺激装置では、前記判定部は、前記導電性シートの使用期限が予め定める使用期限を超過しているか否かを判別し、超過している場合に前記導電性シートが不適合であると判定してもよい。
【0019】
本発明の一実施形態に係る電気刺激装置は、電気的な刺激信号を供給可能なパッド状の印加電極を有し、取り換え可能な導電性シートが前記印加電極に取り付けられて使用される電気刺激装置であって、前記導電性シートに付与された固有の識別情報を入力する入力部と、前記入力部の入力結果に基づいて、前記導電性シートが、予め定める使用条件に適合するものか否かを判定する判定部と、前記判定部によって前記導電性シートが不適合と判定された場合に、前記不適合である旨を通知する通知部とを含んでいてもよい。
【0020】
この構成によれば、予め定める使用条件に導電性シートが適合しない場合には、通知部によって通知される。これにより、電気刺激装置の使用者は、当該導電性シートを使用しても、適切な刺激効果を得ることが困難であると知ることができる。また、電気刺激が開始できなくすることもできる。しかも、入力部の入力結果(例えば、入力部に入力された識別情報等)に基づいて不適合の有無が判定されるので、導電性シートや印加電極に特別な加工を行わなくて済む。その結果、電気刺激の効果に影響が出ることを防止することができる。
【0021】
本発明の一実施形態に係る電気刺激装置では、前記判定部は、前記入力部に入力された識別情報が予め設定された正規識別情報と一致しない場合、または前記入力部に未入力の場合に、前記導電性シートが不適合と判定してもよい。
本発明の一実施形態に係る電気刺激装置は、前記入力部から前記正規識別情報が入力された場合に、前記正規識別情報が記憶される記憶部を含み、前記判定部は、前記記憶部に記憶された前記正規識別情報に基づいて、前記導電性シートの使用期限が超過しているか否かを判別し、超過している場合に前記導電性シートが不適合であると判定してもよい。
【0022】
本発明の一実施形態に係る電気刺激装置では、前記判定部は、前記正規識別情報が前記記憶部に記憶された時を始期として、前記始期からの前記電気刺激装置の使用回数および前記始期からの経過日数の少なくとも一方をカウントし、前記使用回数および前記経過日数の少なくとも一方が、予め定める数を超過しているか否かを判別し、超過している場合に前記導電性シートが不適合であると判定してもよい。
【0023】
本発明の一実施形態に係る電気刺激装置は、電気的な刺激信号を供給可能なパッド状の印加電極を有し、取り換え可能な導電性シートを前記印加電極に取り付けて使用される電気刺激装置であって、前記電気刺激装置を使用する度に、前記導電性シートを介して電気刺激の被対象者に流れる電流値を検出する検出部と、前記電気刺激装置の使用回数の増加に伴う前記電流値の変化に基づいて、前記導電性シートの使用回数が予め定める使用回数を超過しているか否かを判別し、超過している場合に、前記導電性シートが予め定める使用条件に不適合であると判定する判定部と、前記不適合である旨を通知する通知部とを含んでいてもよい。
【0024】
この構成によれば、予め定める使用条件に導電性シートが適合しない場合には、通知部によって通知される。これにより、電気刺激装置の使用者は、当該導電性シートの使用期限が切れていることを知ることができる。しかも、電気刺激装置で検出される電流値に基づいて不適合の有無が判定されるので、導電性シートや印加電極に特別な加工を行わなくて済む。その結果、電気刺激の効果に影響が出ることを防止することができる。
【0025】
本発明の一実施形態に係る電気刺激装置では、前記通知部は、視覚的手段および聴覚的手段の少なくとも一方によって、前記不適合である旨を通知してもよい。
本発明の一実施形態に係る導電性シートは、前記電気刺激装置の前記印加電極に取り付けられる導電性シートであって、シート本体と、シート本体の周縁部に設けられた識別情報記憶体とを含む。
【0026】
この構成によれば、シート本体の周縁部に識別情報記憶体が設けられているので、当該導電性シートを使用して人体に電気刺激を与える際、刺激の効果に影響が出ることを軽減することができる。
本発明の一実施形態に係る導電性シートは、前記電気刺激装置の前記印加電極に取り付けられる導電性シートであって、シート本体と、シート本体に取り外し可能に貼着された保護フィルムと、前記保護フィルムに設けられた識別情報記憶体とを含んでいてもよい。
【0027】
この構成によれば、識別情報記憶体とシート本体とが分離されているので、当該導電性シートを使用して人体に電気刺激を与える際、刺激の効果に影響が出ることを防止することができる。
本発明の一実施形態に係るパッケージ製品は、前記電気刺激装置の前記印加電極に取り付けられる導電性シートと、前記導電性シートが収納された包装体と、前記包装体に設けられた識別情報記憶体とを含む。
この構成によれば、識別情報記憶体と導電性シートとが分離されているので、当該導電性シートを使用して人体に電気刺激を与える際、刺激の効果に影響が出ることを防止することができる。
【0028】
<本発明の実施形態の詳細な説明>
次に、本発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
[電気刺激治療器の全体構成]
図1は、電気刺激治療器の使用状態を示す斜視図である。
【0029】
電気刺激治療器1は、例えば、人体10(被治療者)の仙骨の背面側から電気的な刺激信号を与えることによって、蓄尿障害(過活動膀胱)のような排尿障害を改善する機器である。この実施形態では、主に排尿障害治療器としての電気刺激治療器1を説明するが、電気刺激治療器1は、仙骨の背面側からの電気的な刺激によって、排尿障害だけでなく、切迫性便失禁、漏出性便失禁のような便失禁の改善にも寄与する。
【0030】
電気刺激治療器1は、電気刺激治療用の導子2と、機器本体3と、配線コード4とを含む。
導子2は、シート本体5と、本発明の印加電極の一例としての、不関電極6および一対の刺激電極7A,7Bとを含む。導子2は、複数のパッド状の電極が取り付けられたシートであるため、例えば、電極パッドと称してもよい。
【0031】
不関電極6および一対の刺激電極7A,7B上には、それぞれ、本導電性シート8,9A,9Bが貼着される。
導電性シート8,9A,9Bは、一対の刺激電極7A,7Bから出力された電流を人体10に流すために、例えば、導電性の粘着ゲルで形成されている。この実施形態では、導電性シート8,9A,9Bは、0.8mm程度の厚さを有するパッドによって構成されている。導電性シート8,9A,9Bは、透光性を有しており、両方の面が粘着性を有している。導電性シート8,9A,9Bは、粘着性を有する透光性のゲル状であり、例えば、導電性粘着パッド、導電性ゲルパッド等と称してもよい。
【0032】
導電性シート8,9A,9Bの一面が人体10の皮膚に貼着されることによって、導子2が人体10の皮膚に固定される。この実施形態では、導電性シート8が不関電極6に貼着され、導電性シート9Aが一方の刺激電極7Aに貼着され、導電性シート9Bが他方の刺激電極7Bに貼着される。
機器本体3は、配線コード4によって導子2に電気的に接続されている。機器本体3には、例えば、CPU、ROMやRAM等のメモリ、タイマ等を含む制御回路が内蔵されている。被治療者は、機器本体3に設けられた各種操作ボタン26やタッチパネル24を操作することによって、所定の周波数の電流を出力するための電気信号(電圧)を導子2に出力することができる。これにより、導子2の一対の刺激電極7A,7Bから人体10に電気的な刺激が与えられる。
【0033】
[導子2の構成]
図2は、
図1の導子2の模式的な斜視図(正面側)である。
図3は、
図1の導子2の模式的な斜視図(背面側)である。次に、前述の電気刺激治療器1に使用可能な導子2の一例を示す。
導子2は、シート本体5と、不関電極6および一対の刺激電極7A,7Bとを含む。
シート本体5は、人体10が屈曲(可動)したときに、その屈曲に合わせて湾曲可能な可撓性を有する材料からなる。この実施形態では、シート本体5は、絶縁性を有し、かつ人体10の皮膚に面する第1面11および第1面11の反対側の第2面12を有する平面形状のシート部材で構成されている。
【0034】
シート本体5の材料としては、例えば、樹脂フィルム、不織布、紙等の絶縁材料が挙げられる。これらは、単独または2種以上組み合わせて使用されてもよい。この実施形態では、シート本体5は、シリコーン樹脂からなる、一体の射出成形シートによって構成されている。
シート本体5の第1面11には、不関電極6および一対の刺激電極7A,7Bがそれぞれ設置される凹部13および凹部14A,14Bが形成されている。凹部13および凹部14A,14Bには、それぞれ、不関電極6および一対の刺激電極7A,7Bが配置されている。
【0035】
シート本体5の第2面12には、第1端子19が一体的に設けられている。第1端子19は、例えば、図示しないリード線によって、シート本体5の第1面11側の不関電極6に導通している。また、シート本体5の第2面12には、第2端子20A,20Bが一体的に設けられている。第2端子20A,20Bは、例えば、図示しないリード線によって、シート本体5の第1面11側の一対の刺激電極7A,7Bに導通している。
【0036】
以上のような導子2を作製するには、例えば、まず、不関電極6および一対の刺激電極7A,7Bをコンプレッション成形によって成形する。次に、得られた不関電極6および一対の刺激電極7A,7Bをインサート部材として金型に挿入し、シート本体5の材料(この実施形態では、シリコーン樹脂)を金型内に充填する。これにより、インサート成形品としての導子2を得ることができる。
ただし、導子2の作製方法は、上記のインサート成形に限らず、例えば、不関電極6および一対の刺激電極7A,7Bと、シート本体5とを別々の成形品として作製し、その後、シート本体5の凹部13および凹部14A,14Bに、それぞれ、不関電極6および一対の刺激電極7A,7Bを嵌め込む方法であってもよい。
【0037】
[機器本体3の構成]
図4は、
図1の機器本体3の正面図である。
図5は、
図1の機器本体3の背面図である。
図6は、
図1の機器本体3の平面図である。
機器本体3は、筐体23と、筐体23の前面に設けられたタッチパネル24と、タッチパネル24の下方に設けられたスタート/ストップボタン25および複数の操作ボタン26,26とを含む。
筐体23は、この実施形態では、略楕円形状に形成され、例えば、プラスチック製のケースからなっていてもよい。筐体23の上面には、第1差込口27と、第2差込口28とが設けられている。
【0038】
第1差込口27は、例えば出力用のポートであり、配線コード4が接続される。一方、第2差込口28は、例えば充電用のポートであり、ACアダプタ(図示せず)のコードが接続される。つまり、機器本体3は、充電した電池やACアダプタを介してコンセントから供給される電源によってオンにすることができる。
タッチパネル24は、筐体23の長手方向に沿って長い長方形状に形成され、筐体23の長手方向の一端部寄りに配置されていてもよい。また、タッチパネル24は、例えば、モノクロもしくはカラーの液晶モニタであってよい。タッチパネル24には、例えば、一対の刺激電極7A,7Bによる電気的な刺激信号のパルス波形や周波数、被治療者の心電波形および心拍数、エラーメッセージ等を表示することができる。これにより、被治療者は、電気刺激治療器1の動作状態を容易に知ることができる。
【0039】
スタート/ストップボタン25および複数の操作ボタン26は、タッチパネル24に対して、筐体23の長手方向他端部側に配置されていてもよい。
また、操作ボタン26は、電気刺激治療器1の機種によって、様々な機能を有していてもよい。例えば、電気刺激治療器1のメモリ機能として、複数の被治療者それぞれに適した刺激信号のパルス波の幅(パルス幅)、周波数等を含む治療メニューを機器本体3に記憶させておき、それを読み出す際に操作するボタン等であってもよい。
【0040】
また、機器本体3には、読み取り器29が内蔵されている。読み取り器29は、例えば、
図4に示すように、タッチパネル24に対して筐体23の長手方向他端部側に内蔵されていてもよいし、
図5に示すように、タッチパネル24の背面側に内蔵されていてもよい。読み取り器29は、例えば、RFID(Radio Frequency IDentifier)に使用されるRFタグを読み取るリーダを含んでいてもよい。
【0041】
[電気刺激治療器1において適切な刺激効果を確保するための構成]
次に、電気刺激治療器1において適切な刺激効果を確保するための構成を、複数の実施形態に基づいて説明する。
ここで、適切な刺激効果を得るための対策として、例えば、(1)正規品の導電性シート8,9A,9Bの使用を推奨すること、(2)使用期限切れの導電性シート8,9A,9Bの交換を推奨すること等が挙げられる。
より具体的には、まず、正規品の導電性シート8,9A,9Bは、各製造メーカによって、電気刺激治療器1に使用したときの効果試験が行われ、刺激効果が確かめられている。この実施形態では、使用対象が電気刺激治療器1であるため、臨床試験等によって、正規品の導電性シート8,9A,9Bを用いた電気刺激による有効性や安全性が確認されている。言い換えれば、正規品とは異なる導電性シート8,9A,9Bの使用は、電気刺激による有効性や安全性確保の観点から、好ましいとは言えない。
【0042】
一方で、使用者が、知らずに正規品とは異なる導電性シート8,9A,9Bを使用していることもある。したがって、正規品とは異なる導電性シート8,9A,9Bを使用して電気刺激が開始されようとするときには、導電性シート8,9A,9Bが正規品とは異なることを知らせることが好ましい。
また、導電性シート8,9A,9Bは、前述のように、使用の度に人体10の皮膚に貼着され、使用後は皮膚から剥がされる(導子2には基本的に取り付けたまま)。そのため、繰り返しの使用により、導電性シート8,9A,9Bの粘着面へゴミや埃等が付着する。ゴミや埃等が粘着面に付着すると、導電性シート8,9A,9Bの粘着力が低下してシート抵抗が上昇し、十分な電気刺激を人体10に出力することが困難になる場合がある。これは、たとえ正規品の導電性シート8,9A,9Bを使用していても同じである。したがって、導電性シート8,9A,9Bには、電気刺激による十分な効果を保証できる使用回数を予め定めておき、その使用回数を超えているときには、導電性シート8,9A,9Bの使用期限が切れていると知らせることが好ましい。また、所定の使用回数を超えていなくても、導電性シート8,9A,9Bの交換後、所定の期間が経過したときには、導電性シート8,9A,9Bの性能が低下している可能性があるとして、使用期限が切れていると知らせてもよい。
【0043】
そして、以下では、上記(1)正規品の導電性シート8,9A,9Bの使用を推奨すること、(2)使用期限切れの導電性シート8,9A,9Bの交換を推奨することを実現するための実施形態を説明する。
【0044】
(A)刺激開始フローの説明
図7は、電気刺激治療器1の電気的構成を示すブロック図である。
図8は、電気刺激治療器1による適切な治療効果を確保する方法のフロー図である。まず、
図7および
図8を参照して、正規品の導電性シート8,9A,9Bの使用を推奨する処理、および使用期限切れの導電性シート8,9A,9Bの交換を推奨する処理を含むプロセスフローの一例を説明する。
【0045】
図7を参照して、電気刺激治療器1の筐体23には、配線基板(図示せず)が内蔵されており、配線基板には、コントローラ30が設けられている。コントローラ30には、入力部31として、タッチパネル24、スタート/ストップボタン25および操作ボタン26が電気的に接続されている。また、コントローラ30には、通知部32として、タッチパネル24やスピーカ(図示せず)が電気的に接続されている。また、コントローラ30には、一対の刺激電極7A,7Bが電気的に接続されている。タッチパネル24、スタート/ストップボタン25および操作ボタン26からの入力信号がコントローラ30に入力され、コントローラ30からの出力信号が一対の刺激電極7A,7Bに出力される。また、一対の刺激電極7A,7Bで検出された電気信号は、コントローラ30に入力され、コントローラ30で処理される。
【0046】
コントローラ30は、半導体チップを含んでいてもよい。この実施形態では、コントローラ30は、検出部33、判定部34および記憶部35を含んでいる。
検出部33は、例えば、CPU、ROMやRAM等のメモリ、タイマ等を含む半導体集積回路(IC:Integrated Circuit)、識別情報のリーダ(前述の読み取り器29)、各種センサ等を含んでいてもよい。検出部33は、検出した情報を判定部34に出力する。検出部33が識別情報のリーダやセンサを含む場合、検出部33の一部は、コントローラ30外に設けられていてもよい。
【0047】
判定部34は、例えば、CPU、ROMやRAM等のメモリ、タイマ等を含む半導体集積回路(IC:Integrated Circuit)を含んでいてもよい。判定部34は、検出部33でされた検出情報や、入力部31から入力された情報を処理し、導電性シート8,9A,9Bが正規品であるか否かを判定する。また、判定部34は、導電性シート8,9A,9Bの使用期限が切れているか否かを判定する。判定部34は、例えば、検出部33でされた検出情報や入力部31から入力された情報と、記憶部35に記憶された情報と比較することによって、導電性シート8,9A,9Bが使用条件を満たすか判定してもよい。そして、判定部34は、その判定結果を通知部32に出力する。
【0048】
記憶部35は、例えば、ROMやRAM等のメモリを含んでいてもよい。記憶部35には、例えば、予め定める導電性シート8,9A,9Bの使用条件が記憶されている。この使用条件は、
図8に示すフローのエラー発生条件であってもよい。
エラー発生条件は、(1)導電性シート8,9A,9Bが正規品であるか否かの判定条件として、例えば、正規品の導電性シート8,9A,9Bに個別に付与されるべき正規識別情報が検出部33で非検出、正規品の導電性シート8,9A,9Bに個別に付与されるべき正規識別情報が入力部31から未入力、および検出部33で検出された導電性シート8,9A,9Bの識別情報もしくは入力部31で入力された識別情報が前記正規識別情報と不一致等が挙げられる。
【0049】
また、(2)導電性シート8,9A,9Bの使用期限が切れているか否かの判定条件として、例えば、予め定める導電性シート8,9A,9Bの使用回数の上限、導電性シート8,9A,9Bの交換後の経過日数の上限等が挙げられる。この実施形態では、電気刺激治療器1による電気刺激治療を1日2回、2週間継続することを想定して、例えば、使用回数の上限として28回が設定され、交換後の経過日数の上限として14日が設定されていてもよい。
【0050】
さらに、記憶部35には、導子2に取り付けられた導電性シート8,9A,9Bによって実施された電気刺激治療の回数が記憶されている。この回数は、例えば、新品の導電性シート8,9A,9Bを最初に使用する際に検出された、導電性シート8,9A,9Bの識別情報等によって管理することができる。
そして、電気刺激治療器1を使用して治療を行うには、例えば、被治療者は、まず導子2を自身の体に取り付ける。
【0051】
導子2の取り付け後、操作ボタン26を操作して、
図8に示すように、自分に適した刺激メニュー(治療メニュー)を選択し、スタート/ストップボタン25を押す。これにより、まず、導子2が体の適切な部位に取り付けられているか否かがチェックされる(ステップS1)。導子2の取付け位置が適切でなければ(ステップS1のNo)、例えば、導子2の位置が誤っている旨のエラーメッセージが通知部32(タッチパネル24)に表示される。
【0052】
次に、導子2の取付け位置に問題がなければ(ステップS2のYes)、導電性シート8,9A,9Bが正規品であるか否かがチェックされる(ステップS3)。この際、タッチパネル24に、「正規品チェック中」等の処理中メッセージを表示してもよい。なお、導電性シート8,9A,9Bが正規品であるか否かの具体的な処理は、後述する。
次に、判定部34において、導電性シート8,9A,9Bが正規品ではないと判定されると(ステップS4のNo)、正規品でない旨の電気信号が通知部32に出力される。通知部32では、例えば、警告音と共に、導電性シート8,9A,9Bが正規品でない旨が、タッチパネル24に表示される。これにより、使用者は、導電性シート8,9A,9Bが非正規品であると知ることができる。この際、エラーが発生している導電性シート8,9A,9Bが、どの部位の導電性シートであるかをタッチパネル24に図示してもよい。例えば、エラーが発生している導電性シートを赤色で図示し、その他の導電性シートを青色で図示してもよい。これにより、問題のある導電性シート8,9A,9Bを簡単に把握することができる。
【0053】
タッチパネル24には、さらに、非正規品の導電性シート8,9A,9Bで刺激を開始(治療を開始)するか否かの確認が表示される。ここで「開始する」が選択されると、治療が継続される。
導電性シート8,9A,9Bが正規品である場合(ステップS4のYes)、または非正規品ではあるが刺激を継続すると選択された場合(ステップS5のYes)、導電性シート8,9A,9Bの交換時期に到達していないか否かがチェックされる(ステップS6)。なお、導電性シート8,9A,9Bが非正規品の場合、「刺激治療不可」とされ、その旨が通知部32(タッチパネル24)に表示されてもよい(ステップ5のNo)。
【0054】
次に、判定部34において、導電性シート8,9A,9Bの交換時期に到達していると判定されると(ステップS7のNo)、導電性シート8,9A,9Bの使用期限が切れている旨の電気信号が通知部32に出力される。通知部32では、例えば、警告音と共に、導電性シート8,9A,9Bの使用期限が切れている旨が、タッチパネル24に表示される。これにより、使用者は、導電性シート8,9A,9Bの使用期限が切れていることを知ることができる。タッチパネル24には、さらに、使用期限が切れた導電性シート8,9A,9Bで刺激を開始(治療を開始)するか否かの確認が表示される。ここで「開始する」が選択されると、治療が継続される。
【0055】
導電性シート8,9A,9Bの使用期限が切れていない場合(ステップS7のYes)、または使用期限が切れているが刺激を継続すると選択された場合(ステップS8のYes)、電気刺激が開始され、それによる治療が開始される。なお、導電性シート8,9A,9Bの使用期限が切れている場合、「刺激治療不可」とされ、その旨が通知部32(タッチパネル24)に表示されてもよい(ステップ8のNo)。
【0056】
この電気刺激治療器1によれば、(1)導電性シート8,9A,9Bが正規品でない、(2)導電性シート8,9A,9Bの使用期限が切れているというように、予め定める使用条件に導電性シート8,9A,9Bが適合しない場合には、通知部32によって通知される(ステップS5、ステップS8)。これにより、使用者は、当該導電性シート8,9A,9Bを使用しても、適切な刺激効果を得ることが困難であると知ることができる。
【0057】
次に、以下の(B)~(F)を参照して、導電性シート8,9A,9Bが正規品であるか否かの判定、および導電性シート8,9A,9Bの使用期限が切れているか否かの判定が、どのように実施することができるのかを説明する。以下の説明では、
図8のフロー図を適宜参照する。
【0058】
(B)識別情報記憶体(RFタグ36)による管理(第1実施形態)
図9は、本発明の第1実施形態に係る導電性シート8,9A,9Bの模式的な正面図である。
図10は、本発明の第1実施形態を説明するための使用イメージ図である。
図11は、
図9の導電性シート8,9A,9Bの第1変形例を説明するための図である。
図12は、
図9の導電性シート8,9A,9Bの第2変形例を説明するための図である。
図13は、本発明の第1実施形態の他機能への展開を説明するための使用イメージ図である。
【0059】
第1実施形態では、本発明の識別情報記憶体の一例としてのRFタグ36によって、導電性シート8,9A,9Bの状態を管理する。
まず、
図9を参照して、導電性シート8,9A,9Bは、例えば、四角形状、より具体的には、長方形状に形成されたシート本体37を備えている。RFタグ36は、シート本体37の周縁部に設けられていてもよい。RFタグ36は、ゲル状のシート本体37に部分的に埋め込まれることによってシート本体37に固定されていてもよいし、圧着やカシメによってシート本体37に固定されていてもよい。
【0060】
このように、RFタグ36がシート本体37の周縁部に設けられていれば、導電性シート8,9A,9Bを形成するゲル中の水分や、導子2を形成する金属部からの影響を受けにくくすることができる。その結果、RFタグ36による検出を精度よく行うことができる。
使用されるRFタグ36としては、各種RFタグを使用できるが、例えば、アンチコリジョンタイプのパッシブタグを使用することが好ましい。RFタグ36がアンチコリジョンタイプであれば、複数の導電性シート8,9A,9Bを同時に検出することができる。また、RFタグ36がパッシブタグであれば、アクティブタグに比べて小型化および薄型化が容易である。そのため、電気刺激の邪魔になり難く、電気刺激に与える影響を抑制することができる。また、パッシブタグは比較的安価であるため、コスト上昇を抑制することもできる。
【0061】
また、使用されるRFタグ36の周波数帯は、特に制限されないが、例えば、UHF(とりわけ、860MHz~960MHz程度)の周波数を使用することが好ましい。周波数がこの範囲であれば、通信速度が速く、また、多少の障害があっても安定した通信状態を確保することができる。
また、RFタグ36には、情報として、例えば、割り当てられた固有の識別番号等が記憶されている。
【0062】
そして、RFタグ36によって導電性シート8,9A,9Bの状態を管理するには、例えば、
図10に示すように、使用者(人体10)が導子2を仙骨近傍に貼り付け、電気刺激による治療を開始する際に、
図7の検出部33の一例としての読み取り器29(
図4および
図5参照)によって、RFタグ36に記憶された情報が読み取られる(
図8のステップS3)。
【0063】
読み取り器29で読み取られたRFタグ36の識別情報に基づき、導電性シート8,9A,9Bが正規品であるか否か(
図8のステップS4)、また、導電性シート8,9A,9Bの使用回数が超過しているか否か(
図8のステップS7)が判定される。
使用回数の判定に関連して、RFタグ36の識別情報は、コントローラ30の記憶部35にも記憶される。例えば、識別情報の詳細、識別情報の検出日(読み取り日)等が記憶される。この識別情報に基づいて、新品の導電性シート8,9A,9Bが使用され始めてからの使用回数や経過日数をカウントすることができる。なお、使用回数は、例えば、予め定める治療時間(例えば、15分間)が完了した場合のみカウントされてもよい。また、同じ導電性シート8,9A,9Bの識別情報が連続して読み込まれたときは記録回数カウントを継続し、識別情報が変わった場合には、記録回数カウントを0にリセットしてもよい。
【0064】
そして、導電性シート8,9A,9Bのどれか1つでも使用期限(例えば、連続使用回数28回)に達している場合には、「導電性シートの使用期限超過エラー」を発生させてもよい(
図8のステップS8)。また、使用期限超過エラーの条件として、使用回数に加えて、導電性シート8,9A,9Bの交換日(RFタグ36の識別情報の読み取り日)からの経過日数を採用してもよい。
【0065】
このように、RFタグ36の識別情報に基づいて、導電性シート8,9A,9Bが正規品であるかの判別、導電性シート8,9A,9Bの使用状況(使用回数等)等、様々な情報を効率よく管理することができる。
RFタグ36は、
図9に示すように、導電性シート8,9A,9Bに直接取り付けられている必要はなく、導電性シート8、9A,9Bに間接的に取り付けられていてもよい。例えば、RFタグ36は、
図11に示すように、シート本体37を保護するための保護フィルム38や、
図12に示すように、導電性シート8,9A,9Bを収容する包装体39に取り付けられていてもよい。
【0066】
図11および
図12の場合、RFタグ36が導電性シート8,9A,9Bに直接取り付けられていない。したがって、RFタグ36の識別情報は、例えば、保護フィルム38の剥離前や、包装体39でパッケージングされたパッケージ製品41の状態で読み取られる。導電性シート8,9A,9Bを導子2に取り付ける前にRFタグ36の識別情報を読み取ることができるので、読み取り中、例えば、機器本体3を手にもってRFタグ36にかざし、タッチパネル24(機器本体3のモニタ)に表示されるプロセス情報(例えば、「ゲルID読み取り中」等)を確認することもできる。
【0067】
図11および
図12の場合、RFタグ36が取り付けられた保護フィルム38や包装体39は、剥離後または開封後、すぐに廃棄されることがある。したがって、RFタグ36の識別情報を、各治療開始時にタイムリーに取得できないため、
図8のステップS4およびステップS7の処理は、ステップS1に先立って行われる。
一方で、これら両形態では、読み取られたRFタグ36の識別情報は、コントローラ30の記憶部35に記憶される。これにより、例えば、(2)導電性シート8,9A,9Bの使用期限が切れているか否かの処理に関して、保護フィルム38や包装体39のRFタグ36読み取ってから所定回数以上の刺激治療を行った場合に、導電性シート8,9A,9Bの交換アラートを発生させ、使用者に導電性シート8,9A,9Bの交換を促すことができる。このように、RFタグ36の識別情報を記憶部35に記憶することで、刺激治療の度にRFタグ36を読み取らなくても、導電性シート8,9A,9Bの使用期限を簡単に管理することができる。
【0068】
そして、識別情報の読み取り後、導電性シート8,9A,9Bの使用時には、RFタグ36は、導電性シート8,9A,9Bに付随しない。つまり、RFタグ36と導電性シート8,9A,9Bとが分離されているので、導電性シート8,9A,9Bを使用して人体10に電気刺激を与える際、刺激の効果に影響が出ることを防止することができる。また、導電性シート8,9A,9Bの仕様を変更する必要がないことからも、刺激の効果に影響が出ることを防止することができる。
【0069】
また、機器本体3が、RFタグ36との通信機能を有しているため、その技術を発展させることによって、
図13に示すように、機器本体3とパソコン40やタブレットとの間で近距離無線通信(NFC:Near Field Communication)を行うことができる。これにより、例えば、通信アプリ等と同期して、電気刺激治療器1による治療ログや導電性シートの使用状況等をパソコンやタブレット画面に表示し、簡単に確認することができる。また、クラウドサービス等を利用することによって、医療従事者が、患者の種々の情報を遠隔で確認することができる。
【0070】
(C)近接センサ42による管理(第2実施形態)
図14は、本発明の第2実施形態に係る導子2の模式的な正面図である。
図15は、本発明の第2実施形態に係る導子2の模式的な背面図である。
図16は、本発明の第2実施形態に係る導子2の模式的な右側面図である。
図17は、本発明の第2実施形態に係る導電性シートの模式的な正面図である。
図18は、本発明の第2実施形態を説明するための使用イメージ図である。
【0071】
第2実施形態では、
図7の検出部33の一例としての近接センサ42によって、導電性シート8,9A,9Bの状態を管理する。
まず、
図14~
図16を参照して、導子2に近接センサ42が設けられている。近接センサ42は、接近する金属体の有無を非接触で検出するスイッチである。近接センサ42としては、各種近接センサを採用できる。例えば、高周波発振型、磁気型、静電容量型等の近接センサが挙げられる。
【0072】
この実施形態では、近接センサ42は、不関電極6および刺激電極7A,7Bのそれぞれに設けられている。例えば、
図14~
図16に示すように、導子2の第2面12から第1面11側に貫通するように近接センサ42が設けられていてもよい。近接センサ42のセンサ部43は、
図15に示すように、不関電極6および刺激電極7A,7Bの表面から露出している。これにより、不関電極6および刺激電極7A,7Bに接近する金属体を検出することができる。また、近接センサ42は、
図14に示すように配線コード4に接続され、これにより、機器本体3に電気的に接続される。
【0073】
図17に示すように、導電性シート8,9A,9Bには、被検出体44が設けられている。被検出体44としては、近接センサ42で検出可能な金属部を含むものであれば特に制限されず、例えば、金属板の他、前述のRFタグを使用してもよい。RFタグは、配線等の金属部を含むため、近接センサ42で検出することができる。また、被検出体44がRFタグであれば、導電性シート8,9A,9Bの物流時のトレース情報等を収集することもできる。
【0074】
被検出体44は、
図17に示すように、導電性シート8,9A,9Bの中央に埋め込まれていてもよい。
そして、近接センサ42によって導電性シート8,9A,9Bの状態を管理するには、例えば、
図18に示すように、導電性シート8,9A,9Bを、それぞれ、不関電極6および刺激電極7A,7Bに貼着する。この際、導電性シート8,9A,9Bに取り付けられた各被検出体44が、近接センサ42に対向する。したがって、正規品の導電性シート8,9A,9Bに被検出体44を取り付けておくことによって、治療の開始前に近接センサ42により被検出体44が検出されれば、当該導電性シート8,9A,9Bを正規品と判定することができる(
図8のステップS4)。
【0075】
また、この第2実施形態によれば、導電性シート8,9A,9Bを不関電極6および刺激電極7A,7Bに取り付ける際に、被検出体44が近接センサ42によって必然的に検出される。そのため、電気刺激治療器1の使用者が導電性シート8,9A,9Bの管理を積極的に行わなくても、導電性シート8,9A,9Bが正規品であるか否かを確実に知ることができる。
【0076】
(D)光電センサ45による管理(第3実施形態)
図19は、本発明の第3実施形態に係る導子2の模式的な正面図である。
図20は、本発明の第3実施形態に係る導子2の模式的な背面図である。
図21は、本発明の第3実施形態に係る導子2の模式的な左側面図である。
図22は、
図19の破線XXで囲まれた部分の要部拡大図である。
図23は、本発明の第3実施形態を説明するための使用イメージ図である。
【0077】
第3実施形態では、
図7の検出部33の一例としての光電センサ45によって、導電性シート8,9A,9Bの状態を管理する。
まず、
図19~
図22を参照して、導子2に光電センサ45が設けられている。光電センサ45は、発光部46および受光部47を有している。発光部46は、例えば、発光素子を含んでいてもよい。受光部47は、例えば、受光素子を含んでいてもよい。光電センサ45は、可視光線、赤外線等の光を発光部46から発振し、検出物体によって反射する光や遮光される光量の変化を受光部47で検出し、出力信号を得る。また、反射型光電センサを利用する際の検出物体は、テープ型反射板でもよい。これにより、導電性シート本来のしなやかさを失うことなく被検出体を埋め込むことができる。
【0078】
この実施形態では、光電センサ45は、不関電極6および刺激電極7A,7Bのそれぞれに設けられている。例えば、
図19~
図22に示すように、導子2の第2面12から第1面11側に貫通するように光電センサ45が設けられていてもよい。光電センサ45の発光部46および受光部47は、
図22に示すように、不関電極6および刺激電極7A,7Bの表面から露出している。これにより、発光部46から発振され、後述する反射板48で反射した光を受光部47で検出することができる。また、光電センサ45は、
図19に示すように配線コード4に接続され、これにより、機器本体3に電気的に接続される。
【0079】
また、
図2および
図3では示していないが、
図22に示すように、導子2のシート本体5と不関電極6および刺激電極7A,7Bとの間には、例えば、銀糸メッシュ等の導電性メッシュ49が介在していてもよい。
図22および
図23に示すように、導電性シート8,9A,9Bには、本発明の被検出体の一例としての反射板48が設けられている。反射板48としては、発光部46から発振された光を反射できるものであれば特に制限されず、例えば、金属板等を使用してもよい。反射板48は、
図23に示すように、導電性シート8,9A,9Bの中央に埋め込まれていてもよい。
【0080】
そして、光電センサ45によって導電性シート8,9A,9Bの状態を管理するには、例えば、
図23に示すように、導電性シート8,9A,9Bを、それぞれ、不関電極6および刺激電極7A,7Bに貼着する。この際、導電性シート8,9A,9Bに取り付けられた各反射板48が、光電センサ45に対向する。したがって、正規品の導電性シート8,9A,9Bに反射板48を取り付けておくことによって、治療の開始前に光電センサ45により光が検出されれば、当該導電性シート8,9A,9Bを正規品と判定することができる(
図8のステップS4)。
【0081】
また、この第3実施形態によれば、導電性シート8,9A,9Bを不関電極6および刺激電極7A,7Bに取り付ける際に、反射板48で反射した光が光電センサ45によって必然的に検出される。そのため、電気刺激治療器1の使用者が導電性シート8,9A,9Bの管理を積極的に行わなくても、導電性シート8,9A,9Bが正規品であるか否かを確実に知ることができる。
【0082】
(E)シリアルコード50による管理(第4実施形態)
図24は、本発明の第4実施形態を説明するための使用イメージ図である。
第4実施形態では、例えば、本発明の識別情報の一例としてのシリアルコード50によって、導電性シート8,9A,9Bの状態を管理する。識別情報として、例えば、製造年月日や製造ロット番号等を使用することができる。
【0083】
シリアルコード50は、導電性シート8,9A,9Bそれぞれ個別に割り当てられていてもよいが、例えば、導電性シート8,9A,9Bを一括して収容する包装体39に取り付けられていてもよい。例えば、包装体39に、シリアルコード50が印刷されていてもよい。また、シリアルコード50は、この実施形態では、3枚1組の導電性シート8,9A,9Bに対して1つのコードが割り当てられていてもよい。これにより、1回の入力で3枚分のシリアルコード50を登録できるので、使用性を向上することができる。
【0084】
そして、シリアルコード50によって導電性シート8,9A,9Bの状態を管理するには、例えば、導電性シート8,9A,9Bの交換時、電気刺激治療器1の電源を入れ、タッチパネル24にシリアルコード50を入力する。
これにより、例えば、シリアルコード50が入力されないまま使用される場合、または入力したシリアルコード50が誤っている場合、導電性シート8,9A,9Bが正規品ではないと判定され、正規品でない旨の電気信号が通知部32に出力される。シリアルコード50の入力有無は、被治療者が治療メニューを選択した段階で判定することができる。したがって、第4実施形態における
図8のステップS4の処理は、ステップS1に先立って行われる。
【0085】
また、この実施形態では、1つのシリアルコード50について、使用回数や経過日数が、予め記憶部35に記憶されている。例えば、1つのシリアルコード50について、使用回数の上限として28回が設定されている。または、入力後の経過日数の上限として14日が設定されていてもよい。使用回数は、例えば、シリアルコード50の入力後、治療の度に記録回数をカウントすることによって管理されてもよい。記録回数は、例えば、予め定める治療時間(例えば、15分間)が完了した場合のみカウントされてもよい。したがって、記録回数が例えば28回を超えた場合、「導電性シートの使用期限超過エラー」を発生させる。同様に、シリアルコード50の入力後、14日間経過した場合も、「導電性シートの使用期限超過エラー」を発生させてもよい。一方で、導電性シート8,9A,9Bが交換され、新たなシリアルコード50が入力されると、記録回数カウントが0にリセットされる。
【0086】
これにより、上記いずれかの上限を超えている場合、導電性シート8,9A,9Bの交換時期に到達していると判定され、導電性シート8,9A,9Bの使用期限が切れている旨の電気信号が通知部32に出力される。この判定も、正規品か否かの判定と同様に、被治療者が治療メニューを選択した段階で行うことができる。したがって、第4実施形態における
図8のステップS7の処理は、ステップS1に先立って行われる。
【0087】
この第4実施形態によれば、タッチパネル24に入力されたシリアルコード50に基づいて、導電性シート8,9A,9Bの不適合の有無が判定されるので、導電性シート8,9A,9Bや、不関電極6および刺激電極7A,7Bに特別な加工を行わなくて済む。その結果、電気刺激の効果に影響が出ることを防止することができる。
【0088】
(F)電流検出による管理(第5実施形態)
図25は、本発明の第5実施形態に係る電流値の経時的変化を示す図である。
第5実施形態では、例えば、刺激電極7A,7Bに流れる電流値の変化に基づいて、導電性シート8,9A,9Bの状態を管理する。
前述のように、導電性シート8,9A,9Bの繰り返しの使用により、導電性シート8,9A,9Bの粘着面へゴミや埃等が付着する。ゴミや埃等が粘着面に付着すると、導電性シート8,9A,9Bの粘着力が低下してシート抵抗が上昇する。言い換えれば、刺激電極7A,7Bに流れる電流が小さくなる。したがって、
図25に示すように、導電性シート8,9A,9B(ゲルパッド)に流れる電流値の変化を検出することによって、導電性シート8,9A,9Bの使用期限が切れているか否かの判定をすることができる。
【0089】
より具体的には、導子2の取付け位置がチェックされた後(
図8のステップS1およびステップS2)、
図8のステップS7に対応して、電流値に基づいて使用期限のチェックが行われてもよい。使用期限チェックでは、非常に微弱な電圧を不関電極6および刺激電極7A,7Bから印可し、刺激部位に流れた電流値を計測する。この電流値は、期限確認電流値として記憶部35に記録され、また、記録回数もカウントされる。なお、記録回数は、例えば、予め定める治療時間(例えば、15分間)が完了した場合のみカウントされてもよい。
【0090】
そして、記録されている期限確認電流値の上がり下がりから、
図25に示すように、段階的に電流値が下がり続けているときは、記録回数カウントを継続する。一方で、導電性シート8,9A,9B(ゲルパッド)の交換後のように、電流値に上昇傾向が検出される場合は、記録回数カウントを0にリセットする。
期限確認電流値が低下し続け、記録回数が例えば28回を超えた場合、「導電性シートの使用期限超過エラー」を発生させる。この判定は、3つの電極6,7A,7Bに貼着された導電性シート8,9A,9Bそれぞれで行い、導電性シート8,9A,9Bのどれか1つでも使用期限(例えば、記録回数28回)に達している場合には、「導電性シートの使用期限超過エラー」を発生させてもよい。
【0091】
この第5実施形態によれば、電気刺激治療器1で検出される電流値に基づいて、導電性シート8,9A,9Bの不適合の有無が判定されるので、導電性シート8,9A,9Bや、不関電極6および刺激電極7A,7Bに特別な加工を行わなくて済む。その結果、電気刺激の効果に影響が出ることを防止することができる。
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
【0092】
例えば、前述の実施形態では、電気刺激装置の一例として排尿障害治療器(便失禁治療器)を取り上げたが、本発明は、排尿障害治療器や便失禁治療器に限らず、これら以外の他の疾患を対象とした電気刺激療法に使用される電気刺激治療器全般に適用することができる。さらに、電気刺激を筋肉(例えば、腹筋)に与えて筋肉を動かすことによってトレーニングを行う電気刺激トレーニング機器等、電気刺激治療器以外の電気刺激装置全般に適用することもできる。
【0093】
また、例えば、前述の実施形態では、携帯型の電気刺激治療器の構成について説明したが、電気刺激治療器の電気的構成およびその制御は、設置型(据え置き型)の電気刺激治療器に適用されてもよい。このような設置型の電気刺激治療器は、医療機関において複数の患者で共用される。そのため、患者一人一人の過去の治療データを記憶するメモリを備えていてもよい。
【符号の説明】
【0094】
1 :電気刺激治療器
2 :導子
3 :機器本体
5 :シート本体
6 :不関電極
7A :刺激電極
7B :刺激電極
8 :導電性シート
9A :導電性シート
9B :導電性シート
10 :人体
24 :タッチパネル
25 :ストップボタン
26 :操作ボタン
29 :読み取り器
30 :コントローラ
31 :入力部
32 :通知部
33 :検出部
34 :判定部
35 :記憶部
36 :RFタグ
37 :シート本体
38 :保護フィルム
39 :包装体
41 :パッケージ製品
42 :近接センサ
44 :被検出体
45 :光電センサ
46 :発光部
47 :受光部
48 :反射板
49 :導電性メッシュ
50 :シリアルコード