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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-10
(45)【発行日】2025-01-21
(54)【発明の名称】遊技台用表示装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20250114BHJP
【FI】
A63F7/02 350Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2024186911
(22)【出願日】2024-10-23
【審査請求日】2024-10-24
(31)【優先権主張番号】P 2024133789
(32)【優先日】2024-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000108247
【氏名又は名称】株式会社ジェッター
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【弁理士】
【氏名又は名称】南瀬 透
(74)【代理人】
【識別番号】100096105
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 広
(74)【代理人】
【識別番号】100219483
【弁理士】
【氏名又は名称】宇野 智也
(72)【発明者】
【氏名】舛本 貴司
【審査官】手塚 毅
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3119448(JP,U)
【文献】特開2024-106067(JP,A)
【文献】特開2020-044105(JP,A)
【文献】特開2012-192132(JP,A)
【文献】特開平10-127924(JP,A)
【文献】特開2014-133035(JP,A)
【文献】特開2013-158507(JP,A)
【文献】特開2016-214456(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技台の上に設置され、当該遊技台において獲得された遊技媒体の数量を示す表示装置であって、
前記遊技台から上方に延びる柱状体と、
前記柱状体に支持され、前記柱状体から水平方向に延びる中空の箱状の表示ボックスと、前記表示ボックスの表面に設けられ、前記遊技台において獲得された遊技媒体の数量を示す表示板と、を備える表示ユニットと、
を備える表示装置において、
前記柱状体は前記遊技台に対して上下方向に可動であるように取り付けられており、
前記柱状体を前記遊技台に対して固定するストッパーをさらに備えており、
前記柱状体の周壁には鉛直方向に複数個の貫通孔が形成されており、
前記ストッパーは、
前記表示ボックスの内部に固定された中心軸に取り付けられ、前記中心軸を中心として回転可能なレバーと、
前記表示ボックスの内部に配置されたバネと、
を備えており、
前記レバーはその一端において前記柱状体の前記貫通孔に篏合可能な突起を備えており、
前記バネは前記突起が前記柱状体の前記貫通孔に篏合する第一の方向に前記突起を付勢するものであり、
前記レバーをその他端において前記バネの付勢力に抗して前記第一の方向と同方向に付勢すると、前記レバーは前記中心軸を中心として前記突起が前記貫通孔から外れる方向に回転するものである表示装置。
【請求項2】
遊技台の上に設置され、当該遊技台において獲得された遊技媒体の数量を示す表示装置であって、
前記遊技台から上方に延びる柱状体と、
前記柱状体に支持され、前記柱状体から水平方向に延びる中空の箱状の表示ボックスと、前記表示ボックスの表面に設けられ、前記遊技台において獲得された遊技媒体の数量を示す表示板と、を備える表示ユニットと、
を備える表示装置において、
前記表示ユニットは前記柱状体の中心軸の回りに回転可能であるように取り付けられており、
前記柱状体を前記遊技台に対して回転不能に固定する回転ストッパーをさらに備え、
前記柱状体の周壁には円周方向に複数個の貫通孔が形成されており、
前記回転ストッパーは、
前記表示ボックスの内部に固定された中心軸に取り付けられ、前記中心軸を中心として回転可能なレバーと、
前記表示ボックスの内部に配置されたバネと、
を備えており、
前記レバーはその一端において前記柱状体の前記貫通孔に篏合可能な突起を備えており、
前記バネは前記突起が前記柱状体の前記貫通孔に篏合する第一の方向に前記突起を付勢するものであり、
前記レバーをその他端において前記バネの付勢力に抗して前記第一の方向と同方向に付勢すると、前記レバーは前記中心軸を中心として前記突起が前記貫通孔から外れる方向に回転するものである表示装置
【請求項3】
前記柱状体はN角形(Nは3以上の整数)の横断面を有しており、前記貫通孔はN角形のN個の面の各々に形成されていることを特徴とする請求項に記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示ユニットを前記柱状体の中心軸の回りに回転させる回転装置を備えることを特徴とする請求項に記載の表示装置。
【請求項5】
遊技台の上に設置され、当該遊技台において獲得された遊技媒体の数量を示す表示装置であって、
前記遊技台から上方に延びる柱状体と、
前記柱状体に支持され、前記柱状体から水平方向に延びる中空の箱状の表示ボックスと、前記表示ボックスの表面に設けられ、前記遊技台において獲得された遊技媒体の数量を示す表示板と、を備える表示ユニットと、
を備える表示装置において、
前記柱状体は前記遊技台に対して上下方向に可動であるように取り付けられており、
前記表示ユニットは前記柱状体の中心軸の回りに回転可能であるように取り付けられており、
前記柱状体を前記遊技台に対して上下方向の移動不能に固定するとともに、前記柱状体を前記遊技台に対して回転不能に固定するストッパーをさらに備えており、
前記柱状体の周壁には円周方向及び鉛直方向にそれぞれ複数個の貫通孔が形成されており、
前記ストッパーは、
前記表示ボックスの内部に固定された中心軸に取り付けられ、前記中心軸を中心として回転可能なレバーと、
前記表示ボックスの内部に配置されたバネと、
を備えており、
前記レバーはその一端において前記柱状体の前記貫通孔に篏合可能な突起を備えており、
前記バネは前記突起が前記柱状体の前記貫通孔(173)に篏合する第一の方向に前記突起を付勢するものであり、
前記レバーをその他端において前記バネの付勢力に抗して前記第一の方向と同方向に付勢すると、前記レバーは前記中心軸を中心として前記突起が前記貫通孔から外れる方向に回転するものである表示装置。
【請求項6】
前記表示ユニットを前記柱状体の中心軸の回りに回転させるとともに、前記表示ユニットを回転後の位置において前記遊技台に対して停止させる回転装置を備えることを特徴とする請求項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記柱状体はN角形(Nは3以上の整数)の横断面を有しており、前記貫通孔はN角形のN個の面の各々に形成されていることを特徴とする請求項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ台その他の遊技台において獲得されたパチンコ玉その他の遊技媒体の数量を示す表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、パチンコ台の出玉数を示す出玉数表示装置として特開2024-106067号公報に記載されたものがある。
図23は同公報に記載された出玉数表示装置1が配置された遊技店内の様子を示す斜視図である。
図23に示すように、遊技店内には複数個の遊技台2が一列に配置されており、各遊技台2の上面には出玉数表示装置1が上方に直立している。
図24は出玉数表示装置1の斜視図である。
図24に示すように、出玉数表示装置1は、下端が遊技台2の上面に固定されている取り付けポール19と、取り付けポール19の上端に固定されている箱状の外枠14と、外枠14の内部に取り付けられている表示板10と、を備えている。
【0003】
外枠14は取り付けポール19を介して遊技台2に対して固定されている。
表示板10は各遊技台2において遊技客によって獲得されたパチンコ玉の出玉数を表示する。
表示板10は外枠14に対して回転可能であるように外枠14の内部に取り付けられている。
図25及び図26は表示板10の動作を示す正面図である。
例えば、図25に示すように、表示板10はその上縁及び下縁においてその左右方向の中央において鉛直方向に延びる鉛直軸(図示せず)を介して外枠14の内壁に回転可能に取り付けられている。このため、図25(A)及び図25(B)に示すように、表示板10は鉛直軸を中心として外枠14に対して左右両方向に回転可能である。
【0004】
あるいは、図26に示すように、表示板10はその両側縁の各々においてその上下方向の中央において水平方向に延びる水平軸(図示せず)を介して外枠14の内壁に回転可能に取り付けられている。このため、図26(A)及び図26(B)に示すように、表示板10は水平軸を中心として外枠14に対して両方向に回転可能である。
このように、表示板10が回転可能であるため、表示板10が静止状態に固定されている場合と比較して、より多くの周囲の遊技客が表示板10を見ることができるため、集客効果を期待することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2024-106067号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、表示板10が回転しても、表示板10の外側には外枠14が位置しており、表示板10の一部は常に外枠14と重なるため、周囲の遊技客が表示板10の全体を見ることは不可能である。このため、表示板10を回転させることによる効果が半減している。
本発明は以上のような従来の出玉数表示装置における問題点に鑑みてなされたものであり、周囲の遊技客の目に留まりやすい出玉表示を行うことに可能にする出玉数表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するため、本発明は、第一の態様として、遊技台(2)の上に設置され、当該遊技台(2)において獲得された遊技媒体の数量を示す表示装置(100)であって、前記遊技台(2)から上方に延びる柱状体(110)と、前記柱状体(110)に支持され、前記柱状体(110)から水平方向に延びる中空の箱状の表示ボックス(121)と、前記表示ボックス(121)の表面に設けられ、前記遊技台(2)において獲得された遊技媒体の数量を示す表示板(121A, 121B)と、を備える表示ユニット(120)と、を備える表示装置(100)において、前記柱状体(110)は前記遊技台(2)に対して上下方向に可動であるように取り付けられており、前記柱状体(110)を前記遊技台(2)に対して固定するストッパー(180)をさらに備えており、表示装置(100F)の前記柱状体(110)の周壁には円周方向に複数個の貫通孔(110B)が形成されており、前記ストッパー(300)は、前記表示ボックス(121)の内部に固定された中心軸(316)に取り付けられ、前記中心軸(316)を中心として回転可能なレバー(310)と、前記表示ボックス(121)の内部に配置されたバネ(320)と、を備えており、前記レバー(310)はその一端において前記柱状体(110)の前記貫通孔(110B)に篏合可能な突起(313)を備えており、前記バネ(320)は前記突起(313)が前記柱状体(110)の前記貫通孔(110B)に篏合する第一の方向に前記突起(313)を付勢するものであり、前記レバー(310)をその他端において前記バネ(320)の付勢力に抗して前記第一の方向と同方向に付勢すると、前記レバー(310)は前記中心軸(316)を中心として前記突起(313)が前記貫通孔(110B)から外れる方向に回転するものである表示装置(100)を提供する。
【0009】
本発明は、第二の態様として、遊技台(2)の上に設置され、当該遊技台(2)において獲得された遊技媒体の数量を示す表示装置(100B)であって、前記遊技台から上方に延びる柱状体(110)と、前記柱状体(110)に支持され、前記柱状体(110)から水平方向に延びる中空の箱状の表示ボックス(121)と、前記表示ボックス(121)の表面に設けられ、前記遊技台(2)において獲得された遊技媒体の数量を示す表示板(121A, 121B)と、を備える表示ユニット(120)と、を備える表示装置(100B)において、前記表示ユニット(120)は前記柱状体(110)の中心軸の回りに回転可能であるように取り付けられており、前記柱状体(110)を前記遊技台(2)に対して回転不能に固定する回転ストッパー(300)をさらに備え、表示装置(100F)の前記柱状体(110)の周壁には円周方向に複数個の貫通孔(110B)が形成されており、前記回転ストッパー(300)は、前記表示ボックス(121)の内部に固定された中心軸(316)に取り付けられ、前記中心軸(316)を中心として回転可能なレバー(310)と、前記表示ボックス(121)の内部に配置されたバネ(320)と、を備えており、前記レバー(310)はその一端において前記柱状体(110)の前記貫通孔(110B)に篏合可能な突起(313)を備えており、前記バネ(320)は前記突起(313)が前記柱状体(110)の前記貫通孔(110B)に篏合する第一の方向に前記突起(313)を付勢するものであり、前記レバー(310)をその他端において前記バネ(320)の付勢力に抗して前記第一の方向と同方向に付勢すると、前記レバー(310)は前記中心軸(316)を中心として前記突起(313)が前記貫通孔(110B)から外れる方向に回転するものである表示装置(100B)を提供する。
【0010】
前記柱状体(115)はN角形(Nは3以上の整数)の横断面を有しており、前記貫通孔(110B)はN角形のN個の面の各々に形成されていることが好ましい。
表示装置(100C)は前記表示ユニット(120)を前記柱状体(110)の中心軸の回りに回転させる回転装置(190)を備えることが好ましい。
【0011】
本発明は、第三の態様として、遊技台(2)の上に設置され、当該遊技台(2)において獲得された遊技媒体の数量を示す表示装置(100D)であって、前記遊技台(2)から上方に延びる柱状体(110)と、前記柱状体(110)に支持され、前記柱状体(110)から水平方向に延びる中空の箱状の表示ボックス(121)と、前記表示ボックス(121)の表面に設けられ、前記遊技台(2)において獲得された遊技媒体の数量を示す表示板(121A, 121B)と、を備える表示ユニットと、を備える表示装置(100D)において、前記柱状体(110)は前記遊技台(2)に対して上下方向に可動であるように取り付けられており、前記表示ユニット(120)は前記柱状体(110)の中心軸の回りに回転可能であるように取り付けられており、前記柱状体(110)を前記遊技台(2)に対して上下方向の移動不能に固定するとともに、前記柱状体(110)を前記遊技台(2)に対して回転不能に固定するストッパー(300)をさらに備えており、表示装置(100D)においては、前記柱状体(110)の周壁には円周方向及び鉛直方向にそれぞれ複数個の貫通孔(110B, 173)が形成されており、前記ストッパー(300)は、前記表示ボックス(121)の内部に固定された中心軸(316)に取り付けられ、前記中心軸(316)を中心として回転可能なレバー(310)と、前記表示ボックス(121)の内部に配置されたバネ(320)と、を備えており、前記レバー(310)はその一端において前記柱状体(110)の前記貫通孔(110B, 173)に篏合可能な突起(313)を備えており、前記バネ(320)は前記突起(313)が前記柱状体(110)の前記貫通孔(110B, 173)に篏合する第一の方向に前記突起(313)を付勢するものであり、前記レバー(310)をその他端において前記バネ(320)の付勢力に抗して前記第一の方向と同方向に付勢すると、前記レバー(310)は前記中心軸(316)を中心として前記突起(313)が前記貫通孔(110B, 173)から外れる方向に回転するものである表示装置(100D)を提供する。
【0012】
表示装置(100E)は、前記表示ユニット(120)を前記柱状体(110)の中心軸の回りに回転させるとともに、前記表示ユニット(120)を回転後の位置において前記遊技台(2)に対して停止させる回転装置(190)を備えることができる。
【0013】
括弧中の参照符号は後述する実施形態との対応関係を示すためだけのものであり、権利範囲を限定するものではない。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る表示装置によれば、表示ユニットが上下動するため、静止している表示ユニットと比較して、周囲の遊技客が表示ユニットに表示されている出玉数を十分に確認することが可能であり、より一層の集客効果を期待することができる。
また、本発明に係る表示装置によれば、表示ユニットが回転するため、周囲の遊技客は回転中の表示ユニットを正面から見ることが可能になり、表示ユニットに表示されている出玉数を十分に確認することが可能であり、より一層の集客効果を期待することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第一の実施形態に係る表示装置を正面側から見た斜視図である。
図2図1に示した表示装置の側面図である。
図3図1に示した表示装置の正面図である。
図4図1に示した表示装置の部分的な縦断面図である。
図5】装飾体がその第一位置にあるときの表示装置を上方から見たときの平面図である。
図6図5に示した表示装置の正面図である。
図7図5に示した表示装置の右側面図である。
図8図5に示した表示装置の左側面図である。
図9図5に示した表示装置の底面図である。
図10】表示ボックスの内部において第一位置にある装飾体の縦断面図である。
【0016】
図11】装飾体が第二位置に移行した状態を示す正面図である。
図12】装飾体が第二位置に移行した状態を示す縦断面図である。
図13】遊技媒体収納箱の一つが第一位置と第二位置との間において表示ユニットの上方に露出している状態を示す正面図である。
図14】遊技媒体収納箱の一つが第一位置と第二位置との間において表示ユニットの上方に露出している状態を示す縦断面図である。
図15】ストッパーの他の構成例を示す縦断面図である。
図16】第二の実施形態に係る表示装置の部分的な縦断面図である。
図17】第三の実施形態に係る表示装置の部分的な縦断面図である。
【0017】
図18】第四の実施形態に係る表示装置の部分的な縦断面図である
図19】第四の実施形態に係る表示装置を改変した表示装置において使用される柱状体の横断面図である。
図20】第五の実施形態に係る表示装置の部分的な縦断面図である。
図21】第六の実施形態に係る表示装置の部分的な縦断面図である。
図22】第七の実施形態に係る表示装置の部分的な縦断面図である。
図23】従来の出玉数表示装置が配置された遊技店内の様子を示す斜視図である。
図24図23に示した出玉数表示装置の斜視図である。
図25図23に示した出玉数表示装置の表示板の動作を示す正面図である。
図26図23に示した出玉数表示装置の表示板の動作を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第一の実施形態)
図1は本発明の第一の実施形態に係る表示装置100を正面側から見た斜視図、図2は表示装置100の側面図、図3は表示装置100の正面図、図4は表示装置100の部分的な縦断面図である。
図1乃至図4に示すように、表示装置100は遊技台2(図23参照)の上に設置され、遊技台2において獲得された遊技媒体(例えば、パチンコ玉)の数量を示すものとして使用される。
表示装置100は、遊技台2から上方に延びる柱状体110と、遊技媒体の獲得数量を表示する表示ユニット120と、装飾体130と、装飾体130を上下動させる駆動装置140(図10参照)と、柱状体110を遊技台2に対して固定するストッパー180と、から構成されている。
【0019】
図4に示すように、遊技台2の内部には鉛直方向に延びる空洞201が形成されており、柱状体110の下端を含む一部分は空洞201の内部に位置している。
遊技台2の上面には、柱状体110を支持するフランジ170が固定的に取り付けられている。柱状体110はフランジ170を介して鉛直方向に延びるように遊技台2に取り付けられている。フランジ170の内部には鉛直方向に延びる貫通孔171が形成されており、柱状体110は貫通孔171の内部をスライド可能であるように貫通孔171に篏合されている。すなわち、柱状体110はフランジ170ひいては遊技台2に対して上下方向に可動であるように配置されている。
柱状体110は金属、樹脂その他の素材からなる剛性体であり、横断面が円形や多角形などの中空の柱形状をなしている。
表示ユニット120は、表示ボックス121と、表示板121A、121Bと、鉛直方向に延びる円筒形状の連結体122と、から構成されている。
【0020】
表示ボックス121は中空の箱状の形状を有しており、その一端(図3では右端)において連結体122に固定的に取り付けられ、連結体122から水平方向に延びている。
表示板121A、121Bは表示ボックス121の両面に取り付けられており(図2参照)、二つの表示板121A、121Bの各々において、遊技台2において獲得された遊技媒体の獲得数その他の情報が表示される。
連結体122は柱状体110と同心になるように柱状体110に対して固定的に取り付けられている。
このように、表示ボックス121及び表示板121A、121Bは連結体122を介して柱状体110に取り付けられ、柱状体110は遊技台2に対して上下方向に可動であるため、表示ボックス121及び表示板121A、121Bも遊技台2に対して上下方向に可動である。
【0021】
フランジ170の鉛直壁にはネジ孔172が形成されており、ネジ孔172にはボルト175を嵌め込むことができるようになっている。
ネジ孔172とボルト175とが柱状体110を遊技台2に対して固定するストッパー180を構成している。すなわち、柱状体110(ひいては表示ユニット120)を上下動させ、任意の位置においてボルト175をネジ孔172に嵌め込み、ボルト175の先端で柱状体110を押圧することにより、柱状体110(ひいては表示ユニット120)をその位置に固定することが可能である。
装飾体130(図2及び図3参照)は、上下方向に積み重ねられた5個の遊技媒体収納箱131-135と、最上位置の遊技媒体収納箱135の上に載せられた第二遊技媒体収納箱136と、を備えている。
例えば、遊技媒体収納箱131-135の各々はパチンコ玉を収納するための箱(「ドル箱」と呼ばれる)を模した箱であり、第二遊技媒体収納箱136は遊技媒体としてのメダル(またはパチンコ玉などの遊技媒体)を上にはみ出るくらいに密に詰め込んだ状態(「カチ盛り」と呼ばれる状態)を模した箱である。
【0022】
装飾体130は遊技客の目を引くためのものであり、特定の形状を有することは必要ではなく、任意の形状とすることができる。
前述のように、表示ボックス121の内部は中空であり、表示ボックス121の上面には装飾体130が通過可能な開口(図示せず)が形成されている。装飾体130は表示ボックス121の内部に配置され、この開口を介して後述する第一位置と第二位置との間を上下動する。装飾体130を上下動させる駆動装置140(図10参照)も表示ボックス121の内部に配置されている。
図5は装飾体130がその第一位置にあるときの表示ボックス121を上方から見たときの平面図、図6は同正面図、図7は右側面図、図8は同左側面図、図9は同底面図である。
図10は表示ボックス121の内部において第一位置にある装飾体130の縦断面図である。
【0023】
図10に示すように、駆動装置140は、モーター141と、ギア列142と、回転運動を直線運動に変換する変換機構143と、円筒形状の筒体144と、から構成されている。
モーター141は表示装置100の外部(または内部)にある制御装置150によってその動作を制御される。
制御装置150によってモーター141が回転すると、その回転力はギア列142に伝達され、次いで、変換機構143(例えば、ラック・ピニオン機構など)によって回転運動は直線運動(上下運動)に変換される。
筒体144は取り付け器具(図示せず)を介して表示板121A(または121B)の裏面側に上下動可能であるように取り付けられている。筒体144は変換機構143に作動的に連結されており、変換機構143によって回転運動から変換された直線運動は筒体144に伝達され、この結果として、筒体144は上下動を行う。
【0024】
5個の遊技媒体収納箱131-135の各々は筒体144に取り付けられており、筒体144が上下動を行うと、それに伴って、遊技媒体収納箱131-135及び第二遊技媒体収納箱136も同様に上下動を行う。
上記のような構造を有する表示装置100は以下のように作動する。
第一位置においては、図10に示すように、4個の遊技媒体収納箱131-134は相互に重なり合った状態で表示ボックス121の内部に位置し(表示ボックス121の最上部よりも下方に位置し)、かつ、最上位置にある遊技媒体収納箱135及び第二遊技媒体収納箱136のみが表示ボックス121から上方に露出している。さらに、第一位置においては、第二遊技媒体収納箱136は遊技媒体収納箱135の内部に収納された状態になっており、かつ、遊技媒体収納箱135はその直下の遊技媒体収納箱134とは所定の間隔を開けて離れて位置している。
表示装置100の作動開始前の段階においては、装飾体130は第一位置(図6及び図10)にある。
【0025】
遊技台2において獲得された遊技媒体が所定数(例えば、100個)を超えると、遊技媒体の計数機(図示せず)から制御装置150に信号が送信される。この信号を受信した制御装置150はモーター141を作動させ、筒体144を上方に移動させる。この筒体144の上方への移動に伴い、装飾体130は第一位置から第二位置へ移行する。
図11及び図12は装飾体130が第二位置に移行した状態を示す正面図及び縦断面図である。
第二位置においては、図11及び図12に示すように、5個の遊技媒体収納箱131-135の5個全て及び第二遊技媒体収納箱136は表示ボックス121から上方に露出している。さらに、第二位置においては、5個の遊技媒体収納箱131-135は相互に所定の間隔を開けて離れて位置しているとともに、第二遊技媒体収納箱136も5個の遊技媒体収納箱131-135の中で最上位置にある遊技媒体収納箱135から所定の間隔を開けて離れて上方に位置している。
【0026】
装飾体130が第一位置にあるときに4個の遊技媒体収納箱131-134が相互に重なり合った状態にあるのは、4個の遊技媒体収納箱131-134が空であり、そのために、4個の遊技媒体収納箱131-134は密接に重なり合っていることを示している。
これに対して、装飾体130が第二位置にあるときに5個の遊技媒体収納箱131-135が相互に所定の間隔を開けて離れて位置しているのは、5個の遊技媒体収納箱131-135に満杯の遊技媒体(例えば、パチンコ玉)が詰まっているため、図10の場合とは異なり、5個の遊技媒体収納箱131-135は相互に密接させることができず、相互間において間隔を開けざるを得ない状態を示している。
第二遊技媒体収納箱136と遊技媒体収納箱135との位置関係も同様である。
【0027】
例えば、予め定めた時刻(例えば、午前10時)になった場合、あるいは、予め定めた時間(例えば、1時間)が経過した場合には、制御装置150はモーター141を逆回転させ、筒体144を下降させる。これに伴い、装飾体130は第二位置(図11及び図12)から第一位置(図6及び図10)に下降する。
以上のように、本実施形態に係る表示装置100によれば、遊技客が多量の遊技媒体を獲得している遊技台2においては、第二位置にある装飾体130、すなわち、遊技台2の上方にある装飾体130が目立つように位置し、他の遊技客の注意を引くため、集客効果を期待することが可能である。
特に、第二位置にある装飾体130においては、5個の遊技媒体収納箱131-135の各々が遊技媒体で満杯になっている(このため、5個の遊技媒体収納箱131―135は相互間において密接して積み重ねることができない)状態を示しているため、他の遊技客の遊技意欲を刺激し、より一層の集客効果を期待することができる。
【0028】
さらに、前述のように、本実施形態に係る表示装置100においては、柱状体110(ひいては表示ユニット120)が遊技台2に対して上下動を行い、任意の位置において、ストッパー180を介して固定される。このため、柱状体110(ひいては表示ユニット120)を上昇させることにより、表示ユニット120をさらに高く位置させることができるため、表示ユニット120及び装飾体130が他の遊技客の目により一層留まりやすくなり、より集客効果を期待することができる。
本実施形態に係る表示装置100の構造は上記の構造に限定されるものではなく、種々の改変が可能である。
本実施形態に係る表示装置100においては、装飾体130が第一位置にある場合に、遊技媒体収納箱135(第二遊技媒体収納箱136は遊技媒体収納箱135の内部に隠れた状態にある)のみが表示ユニット120の上方から露出しているが(図6及び図10参照)、5個の遊技媒体収納箱131-135の全てが表示ユニット120の内部に位置しているように配置することも可能である。
【0029】
装飾体130が第一位置にあるときには、装飾体130の下方の大部分(例えば、遊技媒体収納箱が3個以上または4個以上)が表示ユニット120の内部に位置していればよい。
同様に、装飾体130が第二位置にある場合には、装飾体130の上方の大部分(例えば、遊技媒体収納箱が3個以上または4個以上)が表示ユニット120よりも上方に位置していればよい。
また、装飾体130の数は5に限定されるものではなく、3以上の任意の数を選択することができる。
さらに、装飾体130の内部には照明装置(図示せず)を配置することも可能である。照明装置のオン・オフは制御装置150により制御され、例えば、制御装置150は柱状体110ひいては装飾体130を上昇または下降させるときに照明装置を発光させる。
あるいは、制御装置150は装飾体130が表示ユニット120より上方に移動したときに照明装置を発光させ、表示ユニット120の内部に下降したときに消灯させることができる。
【0030】
照明装置が複数の色の光を発するように構成し、そのうちのいくつかを同時に発光させることも可能である。例えば、7色の光でレインボーカラーを作り出すことも可能である。また、制御装置150が装飾体130を上昇させるときには第一の色の光を、装飾体130を下降させるときには第一の色とは異なる第二の色の光をそれぞれ発光させるようにすることも可能である。
第一の実施形態に係る表示装置100においては、装飾体130は第一位置(図6及び図10)と第二位置(図11及び図12)との間を上下動するように構成されているが、第一位置と第二位置との間において停止するように構成することも可能である。
【0031】
例えば、装飾体130が第一位置にあるときには、最上位置の遊技媒体収納箱135(その内部に第二遊技媒体収納箱136が隠れている)のみが表示ユニット120の上方に露出しているが、遊技客が所定数の遊技媒体を獲得した場合には、制御装置150は遊技媒体収納箱135の直下に位置する遊技媒体収納箱134が表示ユニット120の上方に露出するようにモーター141を駆動し、遊技客がさらに所定数(通算で所定数の2倍)の遊技媒体を獲得した場合には、制御装置150は遊技媒体収納箱134の直下に位置する遊技媒体収納箱133が表示ユニット120の上方に露出するようにモーター141を駆動する。
図13及び図14は遊技媒体収納箱133が第一位置と第二位置との間において表示ユニット120の上方に露出している状態を示す正面図及び縦断面図である。
すなわち、遊技客が所定数の遊技媒体を獲得する毎に、遊技媒体収納箱131-135が一個ずつ表示ユニット120の上方に露出するように上昇する。最終的に、遊技客が所定数の4倍の遊技媒体を獲得した場合には、装飾体130(遊技媒体収納箱131-135の全部)は第二位置まで上昇する。
【0032】
このように、遊技客が獲得した遊技媒体の数量に応じて、装飾体130を段階的に上昇させることにより、遊技客の遊技意欲を徐々に惹起させることができる。
図15はストッパー180の他の構成例を示す縦断面図である。
例えば、ストッパー180をネジ孔172及びボルト175との組み合わせから構成することに代えて、図15に示すように、柱状体110の周壁に上下方向に等間隔に開けられた複数個の貫通孔173と、貫通孔173に篏合可能なピン176との組み合わせから構成することも可能である。
柱状体110を任意の位置まで上昇させた後、フランジ170の鉛直壁に形成された貫通孔174(ピン176が篏合可能であるように形成されている)と貫通孔173とを位置合わせさせ、双方の貫通孔174,173にピン176を差し込む。これにより、柱状体110(ひいては表示ユニット120)をその位置に固定することができる。
【0033】
ストッパー180の構造は上記の例には限定されない。柱状体110をフランジ170(ひいては、遊技台2)に対して固定することが可能であれば、ストッパー180は任意の構造を取り得る。
本実施形態においては、遊技台2の内部に空洞201を形成することとしているが、空洞201を形成することは必ずしも必要ではない。空洞201を形成することなく、遊技台2より上の空間、すなわち、フランジ170の内部空間の範囲内において、柱状体110を上下動させることも可能である(後述する図17参照)。
【0034】
(第二の実施形態)
第一の実施形態に係る表示装置100は柱状体110を手動で上下動させ、その位置に固定させるものであるが、柱状体110を機械的に自動で上下動させ、その位置に固定させることも可能である。
第二の実施形態に係る表示装置100Aは、第一の実施形態におけるストッパー180に代えて、柱状体110を上下方向に移動させるとともに、柱状体110を移動後の位置において遊技台2に対して停止させる柱状体駆動装置160を備えている。
図16は第二の実施形態に係る表示装置100Aの部分的な縦断面図である。
本実施形態に係る表示装置100Aは、第一の実施形態に係る表示装置100と比較して、ストッパー180に代えて柱状体駆動装置160を備えている。この点を除いて、表示装置100Aは表示装置100と同一の構造を有している。
【0035】
図16に示すように、柱状体駆動装置160は、柱状体110の内壁110Aに固定的に取り付けられたラック111と、ピニオン112と、ピニオン112を駆動するモーター113と、から構成されている。
ラック111は鉛直方向に延びており、外側を向く面には歯111Aが形成されている。ラック111の歯111Aにはピニオン112が噛み合っており、ピニオン112はモーター113に連結されている。
ピニオン112をモーター113により駆動し、ピニオン112を回転させることにより、モーター113の回転方向に応じて柱状体110(ひいては表示ユニット120)は上下動する。柱状体110の上下動に伴って表示ユニット120も上下動する。
さらに、モーター113が停止すれば、ピニオン112の回転が止まり、ラック111ひいては柱状体110(ひいては表示ユニット120)がその位置に停止する。
【0036】
以上のように、本実施形態に係る表示装置100Aによれば、柱状体110(ひいては表示ユニット120)を機械的に上下動させ、任意の位置に静止させることが可能である。
また、柱状体110(ひいては表示ユニット120)を継続的に上下動させることにより、他の遊技客の注意を引くことができる。
(第三の実施形態)
第一の実施形態に係る表示装置100においては、柱状体110(ひいては表示ユニット120)を上下動させることが可能であるように構成されているが、表示ユニット120を上下動させることに代えて、表示ユニット120を回転可能であるように構成することも可能である。
図17は第三の実施形態に係る表示装置100Bの部分的な縦断面図である。
【0037】
本実施形態においては、柱状体110はフランジ170を介して遊技台2の上面202上に直立するようにして取り付けられている。
連結体122の底面からはリング状の突出体123が下方に突出しており、連結体122は、突出体123が柱状体110の内壁110Aに篏合することにより、柱状体110の中心軸の回りに回転可能であるように柱状体110に支持されている。このため、表示ユニット120は柱状体110の中心軸の回りに回転可能である。
以上のように、本実施形態に係る表示装置100Bによれば、柱状体110ひいては表示ユニット120は遊技台2に対して柱状体110の中心軸の回りに回転可能である。表示ユニット120が回転することにより、当該遊技台2の周囲にいる遊技客は回転中の表示ユニット120を正面から見ることが可能になり、周囲の遊技客の一層の注意を引き、集客効果をより期待することができる。
【0038】
(第四の実施形態)
第三の実施形態においては、柱状体110(ひいては表示ユニット120)を遊技台2に対して回転可能に構成しているが、柱状体110が意図せずに回転してしまうおそれがある。このような意図しない柱状体110の回転を防止するために、柱状体110を遊技台2に対して回転不能に固定する回転ストッパーを追加的に設けることが可能である。
図18は第四の実施形態に係る表示装置100Fの部分的な縦断面図である。本実施形態に係る表示装置100Fは第三の実施形態に係る表示装置100Bと比較して回転ストッパー300が追加的に設けられている。
本実施形態に係る表示装置100Fにおいては、図18に示すように、連結体122の内部には底面が開口し、開口している底面から鉛直上方向に延びる孔122Aが形成されており、柱状体110は孔122Aの内壁に回転可能に篏合している。すなわち、連結体122(ひいては、表示ユニット120)は柱状体110が孔122Aに篏合することにより、柱状体110に対して回転可能に支持されている。
【0039】
柱状体110は中空の円筒形状をなしている。柱状体110の周壁にはその円周方向に等間隔に複数個の貫通孔110Bが形成されている(図18では、そのうちの1個のみを図示)。
回転ストッパー300は、レバー310と、バネ320と、円筒状に形成されている中空のボタン330と、から構成されている。
図18に示すように、レバー310は、上下方向に長いレバー本体311と、レバー本体311から上方に延びる延長部312と、延長部312から水平方向の一方向(図18の右方向)に延び、柱状体110の貫通孔110Bに対向して位置し、貫通孔110Bに篏合可能な円筒状の突起313と、突起313が延びる方向とは逆方向に延長部312から延びる円筒状のベース部314と、を備えている。
【0040】
連結体122の内部には水平方向に延びる孔122Bが形成されており、レバー310のベース部314は水平方向に移動可能であるように孔122Bの内部に収納されている。
孔122Bの内部にはバネ320が配置されており、ベース部314はバネ320の内部に収まっている。バネ320は孔122Bの底部とレバー310の延長部312(突起313の裏側の部分)との間に挟まれており、延長部312ひいてはレバー310に対して、突起313が柱状体110の貫通孔110Bに篏合する方向に付勢力を及ぼしている。
連結体122の内部には図18の紙面と直交する方向に延びる中心軸316が設けられている。中心軸316は、水平方向の位置に関して、突起313より柱状体110から離れる位置(図18の左側の位置)にある。
レバー310のレバー本体311には貫通孔315が形成されており、レバー本体311は、中心軸316が貫通孔315に篏合することにより、連結体122に対して回動可能に取り付けられている。レバー本体311ひいてはレバー310は中心軸316を中心として時計回りの方向及び反時計回りの方向の双方向に回転可能である。
【0041】
連結体122には、一端が連結体122の外部に開口し、その開口面から水平方向(図18の右方向)に延びる貫通孔122Cが形成されており、ボタン330は貫通孔122Cの内部にスライド可能に篏合している。ボタン330の一端(図18の左端)は常に貫通孔122Cから外側に露出している。
レバー本体311には、貫通孔315の下方に第二貫通孔317が形成されている。ボタン330の内壁には支持軸318が設けられており、支持軸318はボタン330の内部においてレバー本体311の第二貫通孔317に回転可能に篏合している。このため、ボタン330が貫通孔122Cの内部をスライドすると、ボタン330の進行方向に応じて、レバー本体311は支持軸318を中心として時計回りの方向及び反時計回りの方向の両方向に回動する。
【0042】
回転ストッパー300は以下のように用いられる。
常態においては、図18に示すように、突起313はバネ320の付勢力を受けて柱状体110の貫通孔110Bに篏合している。このため、表示ユニット120は柱状体110(ひいては、遊技台2)に対して回転不能の状態にある。
表示ユニット120を柱状体110(ひいては、遊技台2)に対して回転させる場合には、ボタン330を奥側に(柱状体110に向けて)押し込む。
レバー310のレバー本体311は支持軸318を介してボタン330と連結されているため、ボタン330が奥側(図18の右側)に押し込まれると、レバー本体311は中心軸316を中心として反時計回りの方向に回動する。
これにより、突起313はバネ320の付勢力に抗して柱状体110の貫通孔110Bから外れる方向(図18の左方向)に移動する。すなわち、柱状体110に対する連結体122(ひいては、表示ユニット120)の固定が解除され、連結体122(ひいては、表示ユニット120)は柱状体110(ひいては、遊技台2)に対して回転可能の状態になる。
【0043】
次いで、ボタン330を押し込んだ状態のまま、連結体122(表示ユニット120)を柱状体110に対して任意の角度だけ回転させた後、ボタン330の押し込みを解除する。
ボタン330の押し込みが解除されると、バネ320の付勢力が再びレバー310のレバー本体311に作用するため、突起313が図18の右方向に押し出され、柱状体110の貫通孔110B(連結体122を回転させた後に突起313に対向する貫通孔110B)に篏合する。これにより、表示ユニット120は柱状体110(ひいては、遊技台2)に対して再び回転不能に固定される。
【0044】
以上のように、回転ストッパー300は、連結体122(ひいては、表示ユニット120)を柱状体110に対して任意の角度だけ回転させることが可能であるとともに、連結体122を回転後の位置に固定することが可能である。
本実施形態に係る表示装置100Fを部分的に改変することも可能である。
図19は表示装置100Fを改変した表示装置において柱状体110に代えて使用される柱状体115の横断面図である。
柱状体115は横断面が八角形をなしており、内部は中空である。柱状体115は連結体122に形成された孔122Aに内接している。
柱状体115の8個の面の各々には貫通孔110B(図18参照)が形成されており、回転ストッパー300の突起313は8個の貫通孔110Bの各々に篏合可能である。
円筒形の柱状体110を用いる場合には、連結体122(表示ユニット120)の回転量(回転させる角度)は操作者によって任意に決められるが、その場合、目視で連結体122の回転量を一定値に保つことは困難であることが多い。
【0045】
これに対して、八角形の柱状体115を用いることにより、連結体122の回転量を一定値に保つことが容易になる。八角形の8個の各面に対する円周角は45である。
360÷8=45(度)
このため、8個の各面を一つ分だけ回転させれば、連結体122(表示ユニット120)の回転量は45度になる。
例えば、操作者が矢印Xの方向から柱状体115を見ている場合を想定すると、操作者が右前方にある柱状体115の面115Aを左方向(図19の時計回りの方向)に回転させ、面115Aに隣接する面115Bが面115Aの位置に来るようにすれば、柱状体115は45度回転したことになる。
このように、八角形の柱状体115を用いることにより、柱状体115の8個の面の各々が連結体122(表示ユニット120)の回転量の目安となるので、連結体122(表示ユニット120)の回転量を一定に維持することができる。
【0046】
なお、柱状体115の横断面形状は八角形には限定されない。
柱状体115の横断面形状はN角形(Nは3以上の整数)とすることができ、その場合、一つの面の回転量(回転角度)は360÷N(度)である。
例えば、柱状体115の横断面形状を12角形(N=12)にすれば、柱状体115の面を一つ分だけ回転させれば、連結体122(表示ユニット120)の回転量は30度(360÷12)である。
なお、本実施形態においては、回転ストッパー300は連結体122(表示ユニット120)の回転を止めるために使用されているが、回転ストッパー300を連結体122(表示ユニット120)の高さの調整に使用することも可能である。
例えば、図15に示した表示装置100のように、柱状体110の周壁に鉛直方向に等間隔に貫通孔173を形成し、ピン176の代わりに回転ストッパー300を用いる。
ボタン330を押し込み、突起313を貫通孔173から抜いた後に、連結体122(表示ユニット120)を柱状体110に対して上下動させ、連結体122(表示ユニット120)の高さが決定した後に、ボタン330の押し込みを解除する。これにより、バネ320の付勢力によって突起313が対向する貫通孔173に篏合し、連結体122(表示ユニット120)はその高さに固定される。
【0047】
(第五の実施形態)
第三の実施形態に係る表示装置100Bにおいては、表示ユニット120は柱状体110に対して手動で回転するものであるが、表示ユニット120を機械的に回転させることも可能である。
図20は第五の実施形態に係る表示装置100Cの部分的な縦断面図である。
図20に示すように、第五の実施形態に係る表示装置100Cは、表示ユニット120を柱状体110の中心軸の回りに機械的に回転させる回転装置190を備えている。
回転装置190は、連結体122の底面から下方に延びる棒状の縦長のギア124と、ギア124と噛み合うピニオン125と、ピニオン125を回転させるモーター126と、から構成されている。
ピニオン125をモーター126により回転させることにより、モーター126の回転方向に応じて、連結体122(ひいては表示ユニット120)は柱状体110の中心軸の回りに回転する。
以上のように、第五の実施形態に係る表示装置100Cにおいては、表示ユニット120を機械的に回転させることが可能である。
【0048】
(第六の実施形態)
第一の実施形態に係る表示装置100においては、柱状体110が遊技台2に対して上下動可能に、第三の実施形態に係る表示装置100Bにおいては、表示ユニット120が遊技台2に対して回転可能にそれぞれ単独で構成されているが、柱状体110が遊技台2に対して上下動可能であるとともに、表示ユニット120が遊技台2に対して回転可能であるように構成することも可能である。
図21は第六の実施形態に係る表示装置100Dの部分的な縦断面図である。
図21に示すように、本実施形態に係る表示装置100Dは、第一の実施形態に係る表示装置100(図4)と第三の実施形態に係る表示装置100B(図17)とを組み合わせた構造を有している。
【0049】
このため、本実施形態に係る表示装置100Dは第一の実施形態に係る表示装置100の機能と第三の実施形態に係る表示装置100Bの機能の双方を有いている。すなわち、本実施形態に係る表示装置100Dにおいては、柱状体110(ひいては表示ユニット120)が遊技台2に対して上下動可能であるとともに、表示ユニット120が遊技台2に対して回転可能である。
本実施形態に係る表示装置100Dは、第一の実施形態に係る表示装置100及び第三の実施形態に係る表示装置100Bをそれぞれ単独で使用する場合と比較して、当該遊技台2の周囲にいる遊技客の関心を一層引き寄せることができる。
また、柱状体110を遊技台2に対して上下方向の移動不能に固定するとともに、柱状体110を遊技台2に対して回転不能に固定するストッパーを設けることも可能である。
例えば、第四の実施形態に係る表示装置100F(図18)にストッパー160(図4)を追加的に設けることにより、柱状体110の上下動及び回転を規制することが可能である。
【0050】
この場合には、柱状体110の周壁には、円周方向に形成された複数個の貫通孔110B(図18参照)が鉛直方向に複数列形成される(あるいは、鉛直方向に形成された複数個の貫通孔173(図15参照)が円周方向に複数列形成される)。すなわち、柱状体110の周壁には貫通孔110B(または、貫通孔173)がマトリクス状に形成される。
柱状体110を上下方向に移動させた後、回転ストッパー300の突起313を任意の貫通孔110Bに篏合させることにより、柱状体110をその高さに固定することができる。あるいは、連結体122(表示ユニット120)を柱状体110に対して回転させた後に回転ストッパー300の突起313を任意の貫通孔110Bに篏合させることにより、連結体122(表示ユニット120)の意図しない回転を止めることができる。
【0051】
(第七の実施形態)
上述の第六の実施形態に係る表示装置100Dは手動式であるが、機械式に構成することも可能である。第七の実施形態に係る表示装置100Eは第六の実施形態に係る表示装置100Dを機械式として構成したものである。
図22は本実施形態に係る表示装置100Eの部分的な縦断面図である。
図16及び図20との比較から明らかであるように、本実施形態に係る表示装置100Eは基本的には第二の実施形態に係る表示装置100Aと第五の実施形態に係る表示装置100Cと構造的に合体させたものである。
ただし、第二の実施形態におけるギア124に代えて、より長尺のギア124Aが使用されている。
連結体122が柱状体110とともに上下動するため、ギア124Aも連結体122とともに上下動する。長さが短いギア124を用いると、連結体122が上昇したときにギア124とピニオン125との噛み合いが外れるので、より長いギア124Aを使用することにより、連結体122ひいてはギア124Aが上昇しても、ギア124Aとピニオン125との噛み合いを維持することが可能である。
【符号の説明】
【0052】
100 本発明の第一の実施形態に係る表示装置
100A 本発明の第二の実施形態に係る表示装置
100B 本発明の第三の実施形態に係る表示装置
100F 本発明の第四の実施形態に係る表示装置
100C 本発明の第五の実施形態に係る表示装置
100D 本発明の第六の実施形態に係る表示装置
100E 本発明の第七の実施形態に係る表示装置
110 柱状体
120 表示ユニット
130 装飾体
140 駆動装置
150 制御装置
160 柱状体駆動装置
180 ストッパー
190 回転装置
【要約】
【課題】パチンコ玉その他の遊技媒体の獲得数量を示す表示装置が遊技客の目に留まりやすいようにする。
【解決手段】表示装置(100)は遊技台(200)の上方に取り付けられ、柱状体(110)ひいては表示ユニット(120)を上下動させる駆動装置(160)を備えている。柱状体(110)ひいては表示ユニット(120)を上下動させることにより、周囲の遊技客の関心を引き寄せることができる。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26