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特許7618328少なくとも1つの物品を保持する手段を備えるパッケージ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-10
(45)【発行日】2025-01-21
(54)【発明の名称】少なくとも1つの物品を保持する手段を備えるパッケージ
(51)【国際特許分類】
   B65D 25/10 20060101AFI20250114BHJP
   B65D 77/02 20060101ALI20250114BHJP
【FI】
B65D25/10
B65D77/02 D
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2024514645
(86)(22)【出願日】2022-09-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(86)【国際出願番号】 EP2022074402
(87)【国際公開番号】W WO2023036694
(87)【国際公開日】2023-03-16
【審査請求日】2024-04-26
(31)【優先権主張番号】2109419
(32)【優先日】2021-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519104318
【氏名又は名称】ピーエー コット エスエー
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベルガレ トマ
【審査官】矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/004907(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/104339(WO,A1)
【文献】特開2001-163362(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 25/10
B65D 77/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部(21)を有する箱(2)と、前記底部(21)上で少なくとも1つの物品を保持する手段とを備え、前記保持手段は、
プレート(4)と、
前記底部(21)の方向に前記プレート(4)に変位力を及ぼす傾向にあり、前記底部(21)と前記プレート(4)との間で前記物品を保持する戻し手段(5)と、を備え、
前記プレート(4)は、
前記戻し手段(5)が接続されたフレーム(41)と、
少なくとも1つの可撓性接続部(43)によって前記フレーム(41)に接続された中央部(42)と、を備え、
前記中央部(42)は複数のプラーク(44)を備え、それぞれのプラーク(44)は、一方で前記可撓性接続部(43)によって前記フレーム(41)に、他方で連結部(45)によって少なくとも1つの他のプラークに接続されることを特徴とする、パッケージ(1)。
【請求項2】
それぞれの可撓性接続部(43)は、少なくとも1つの弾性的に変形可能な溝の形をとることを特徴とする、請求項1に記載のパッケージ(1)。
【請求項3】
前記可撓性接続部(43)の少なくとも1つは、谷(46)と頂(47)の交互の並びを形成する互いに隣接する複数の溝を備えることを特徴とする、請求項1に記載のパッケージ(1)。
【請求項4】
それぞれの連結部(45)は、少なくとも1つの弾性的に変形可能な溝の形をとることを特徴とする、請求項1に記載のパッケージ(1)。
【請求項5】
前記連結部(45)の少なくとも1つは、一連の交互に並ぶ谷(46)と頂(47)を形成する互いに隣接する複数の溝を備えることを特徴とする、請求項4に記載のパッケージ(1)。
【請求項6】
前記フレーム(41)は長方形の形状を有し、前記プレート(4)の前記中央部(42)は、
中央連結部(451)によって連結された2つの長方形プラーク(441)を含み、前記フレーム(41)の2つの対向する縁の間で広がる中央ストリップと、
前記中央ストリップの両側に、2つ1組になって接続された4つの三角形プラーク(442)と、を備えることを特徴とする、請求項1に記載のパッケージ(1)。
【請求項7】
前記プレート(4)は、前記中央連結部(451)を通る対称面(P)に関して対称であることを特徴とする、請求項6に記載のパッケージ(1)。
【請求項8】
前記中央ストリップは第1平面(P1)内で広がり、前記三角形プラーク(442)は前記第1平面(P1)に対してずれた第2平面(P2)内で広がることを特徴とする、請求項6又は7に記載のパッケージ(1)。
【請求項9】
前記プレート(4)はポリプロピレンで作られることを特徴とする、請求項1に記載のパッケージ(1)。
【請求項10】
前記箱(2)は、前記底部(21)から伸びる周縁部(22)を備え、
前記パッケージ(1)は、さらに、接合縁部(31)によって前記周縁部(22)に回転可能に取り付けられた蓋(3)を備え、前記蓋(3)は箱を閉じる位置をとり得、前記パッケージ(1)は、その上、前記接合縁部(31)と反対側の先端部(32)で、前記蓋(3)に回転可能に取り付けられた柱状部(6)を備え、
前記柱状部(6)は、前記蓋(3)の前記閉じる位置で前記底部(21)の周辺に入り込むように意図された自由端(61)を有し、
前記プレート(4)は、前記柱状部(6)に沿って可動であり、前記戻し手段(5)は、前記柱状部(6)の前記自由端(61)と前記プレート(4)との間に置かれることを特徴とする、請求項1に記載のパッケージ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は物流の分野である。
【0002】
もっとはっきり言えば、本発明は、パッケージによって、物品を2つの目的地の間で輸送するための、パッケージ又は物流梱包手段、即ち容器に関する。
【背景技術】
【0003】
物品を全く安全かつ確実に運送するために、ケース又は厚紙箱のようなパッケージが知られている。
【0004】
一般に、パッケージは、運送される物品が収容される内部空間を一緒に定める底部及び周縁部を有する箱を備える。
【0005】
周縁部は箱の底部に対して可動であり得る。この点に関して、それは箱の底部に又は底部の延長上に下ろされ得る幾つかのパネルを備える。
【0006】
パッケージは、さらに、箱に対して可動な蓋を備える。この蓋は、特に、蓋が箱の内部空間を塞ぐ閉鎖位置をとり得る。
【0007】
運送される物品の保護を可能にするために、あるパッケージは、運送される物品を箱内の適所に保つ保持手段を備える。
【0008】
箱及び蓋に組み込まれた発泡パネルの形をとり得る保持手段が知られている。発泡パネルは、適切な場合、箱に付け足され得る。換言すれば、発泡パネルは、その存在が必要とされる場合に限り、箱に組み込まれ得る。
【0009】
もっとはっきり言えば、発泡パネルは、箱の底部に、適切な場合その周縁部及び蓋に固定される。
【0010】
そして、運送される物品は、内部空間に挿入され、発泡体と接触し、底部の発泡体及び蓋の発泡体によって動きを阻止される。
【0011】
この型の保持手段には、その厚さ、換言すれば、それが箱の内部空間で占める全体の体積をその重大な欠点として有する。
【0012】
具体的に、発泡体は箱の内部空間の大部分を占める。しかし、発泡体は、運送される物品の外形に適合するように変形し得る保持手段を形成するように弾性特性を有する。
【0013】
しかし、物品の寸法に応じて、幾つかのパッケージを用意しなければならない。
【0014】
例えば、嵩張った物品と小さな物品に対して、同じ箱を使用することはできない。小さな物品の場合、大きな物品に適した箱又はパッケージを使用すれば、発泡体は小さな物品との接触で適切に変形せず、それ故に小さな物品は損傷の危険を伴って箱の内部空間内で動き回り得る。
【0015】
反対に、小さな物品を収容するように意図された箱の内部空間に大きな物品を挿入すれば、パッケージは内部空間における十分な空間の不足ために使用に適さなくなり得、それ故に蓋は箱の内部空間を完全に塞ぐようにうまく閉じられ得ない。これは、物品が、実際に保護されず、パッケージを運送する誰にでも見えるという結果になり、それは物品の盗難の危険に繋がるかもしれない。
【0016】
その結果、運送者又は梱包専門業者は、運送される物品の寸法に応じて、異なる寸法のパッケージを所有しなければならない。
【0017】
別の公知の技術を使用すると、保持手段はプラスチック製の覆いの形をとり、その中に、運送される物品を滑り込ませる。それから、覆いは変形され、その壁は運送される物品に接触してこの物品をその位置に保持する。
【0018】
第1の型では、覆いは箱の底部に固定され得、その変形は、例えば、材料、一般にプラスチックを収縮させるように加熱し、それが物品と接触して固くなることで行われ得る。
【0019】
この解決策の欠点は、加熱によって覆いの変形を行う場合、誰でも覆いの変形を行い得るわけではないという事実にある。なぜなら、この技術は特定の加熱装置の使用を必要とするからである。
【0020】
具体的に、例えばヒートガンのような加熱手段が使用されなければならず、それは特別な訓練を必要とするかもしれず、専門業者しか覆いを変形し得ない。
【0021】
その上、覆いが箱の底部に固定される場合、特にそれが厚紙で作られるならば、過度の熱が厚紙を燃やして破壊し得るため、これは箱の完全性にとって重大な欠点となり得る。
【0022】
加えて、運送される物品を覆いに挿入することは、困難に、又は不可能にさえなり得る。
【0023】
これは、特に、箱が成形されると、即ち内部空間が定められると、運送される物品が覆いに挿入される場合に当てはまり、箱の周縁部は物品の覆いへの挿入に対する重大な障害となる。
【0024】
これを軽減するために、まず物品を覆いに挿入し、次に箱を成形し、最後に覆いを変形することが必要であるかもしれない。
【0025】
これは、専門業者にとっては厄介であり得、さらに特に覆いを変形し又は箱を成形する個人にとって行い得ないかなりの処理時間を必要とする。
【0026】
また、第2の型によれば、覆いは箱に収容されるように意図されたプレートに固定され得る。この場合、物品を覆いに挿入してから、物品を固定及び保持するために、プレートの縁を折り曲げることで覆いを変形させ、覆いの2つの壁をぴんと張って物品を閉じ込める。これが完了すると、折り曲げられたプレートを箱に挿入し得、それから可動の蓋を箱の上で閉じ得る。
【0027】
この保持手段もある欠点を有する。
【0028】
具体的に、物品を覆いに挿入することは問題を引き起こさないが、プレートの変形、特にその縁の折り曲げは、物体が嵩張り、変形される覆いがかなりの変形に対して抵抗を示す場合、困難で又は実行不可能でさえある取り扱いを必要とする。それ故、覆いの変形は、時間を食い、専門業者を思いとどまらせ得、それ故、専門業者は、不完全な変形を行い、又はより高い運送費用を最終消費者に発生させるより大きなパッケージを提供しさえするだろう。
【0029】
その上、これは、箱、蓋、及び保持手段の同時の保管を必要とし、それは、望ましくない全体の容積、従ってたいてい最終的な顧客に転嫁される余分の費用を意味する。
【0030】
また、くしゃくしゃの紙、エアー緩衝材、厚紙製のスペーサ、又はフォームボールを追加することで、運送される物品をパッケージ内で固定し、それを運送中に保護することができることが知られている。
【0031】
パッケージ内で物品を保持する必要に応えながら、公知の技術と比較して簡便な作業方法を提供する別の技術が開発されている。
【0032】
この技術は、保持手段が蓋に固定され、保持手段が弾性的に変形可能な膜を備えることを提供する。弾性的に変形可能な膜は、パッケージに収容された物品と接触して、それを覆い、それを箱の底部に押し付けて保持する。
【0033】
そのような解決策は満足を与えるけれども、それはまだ改善され得る。
【0034】
具体的に、可撓性の膜は、加えられた張力を物品にかけ、それは、特に物品が特に壊れやすい場合、前記物品に損傷を与え得る。
【0035】
その上、ある物品は、弾性的に変形可能な膜が良好な保持を保証し得ない複雑な形状を有するかもしれない。従って、物品の一部のみが弾性的に変形可能な膜によって保持されるが、別の部分は、パッケージ内で自由に動くままであり、パッケージが乱暴に動かされた場合に箱と衝突する危険を冒すことが起こり得る。
【0036】
さらに、異なる寸法の2つの物品を同じパッケージで運送しなければならない場合、それらを両方ともパッケージ内に保持することが必要である。それは2つの物品の間に挿入されるスペーサ又はシムによってのみ可能である。これには、パッケージ内に重量を追加すること、特にスペーサを形成し得る手段を保管することが必要である。
【0037】
加えて、パッケージがその目的地に到着すると、物品は取り去られ、パッケージは再使用され得るが、スペーサは、もはや不要になるため、捨てられる。これは、特にスペーサが再生利用の回路の中へ捨てられない場合、又はその再生利用が不可能な場合、環境に影響を及ぼす。
【発明の概要】
【0038】
本発明は、特に、従来技術の欠点を軽減することを目的とする。
【0039】
もっとはっきり言えば、本発明は、特に物品の形状に関係する機械的な抵抗力に関して、それぞれの物品の特徴に自動的に適合することで、前記物品に損傷を与えることなく、少なくとも1つの物品の固定を可能にする解決策を提供することを目的とする。
【0040】
また、本発明は、パッケージの発送人にとって実行が容易な方法でそのような解決策を提供することを目的とする。
【0041】
その上、本発明は、パッケージが2回の使用の間保管される場合に小さな容積を有するそのような解決策を提供することを目的とする。
【0042】
これらの目的は、もっと先で明白になるだろう他の目的と共に、パッケージを主題とする本発明のおかげで達成され、そのパッケージは、底部を有する箱と、底部上で少なくとも1つの物品を保持する手段とを備え、保持手段は、
-プレートと、底部の方向にプレートに変位力を及ぼす傾向にあり、底部とプレートとの間で1つ又は複数の前記物品を保持する戻し手段とを備え、プレートは、
-戻し手段が接続されたフレームと、
-少なくとも1つの可撓性接続部によってフレームに接続された中央部と、を備え、
中央部は複数のプラークを備え、それぞれのプラークは、一方で可撓性接続部によってフレームに、他方で連結部によって少なくとも1つの他のプラークに接続されることを特徴とする。
【0043】
従って、そのようなプレートは、パッケージの底部上で保持されるそれぞれの物品の形状にできる限りぴったり合うように変形し得る。
【0044】
具体的に、連結部によって互いに接続され、可撓性接続部によってフレームに接続された複数のプレートを使用することで、プレートの中央部を、パッケージの底部上で保持されるそれぞれの物品に接触するように変形させることができる。
【0045】
有利な態様によれば、それぞれの可撓性接続部は、少なくとも1つの弾性的に変形可能な溝の形をとる。
【0046】
弾性的に変形可能な溝を使用することで、フレームに対する中央部の位置を変えて中央部を変形させることができる。その結果、中央部は、パッケージの底部上で保持されるそれぞれの物品の外形にできる限りぴったり合う。
【0047】
さらに、溝の形状によって、可撓性接続部の展開を可能する初期の変形を引き起こして、フレームに対するそれぞれのプレートの可動性を保証することができる。
【0048】
別の有利な態様によれば、可撓性接続部の少なくとも1つは、一連の交互に並ぶ谷と頂を形成する互いに隣接する複数の溝を備える。
【0049】
複数の溝によって形成された一連の交互に並ぶ谷と頂によって、コンサーティナ型の容易に変形可能な可撓性接続部を作り出すことができる。
【0050】
従って、それぞれの溝は、他の溝と無関係に弾性的に変形して、それを介してプレートに接続されたプラークの位置を適合させ、パッケージの底部上でのそれぞれの物品の良好な保持を保証し得る。
【0051】
別の有利な態様によれば、それぞれの連結部は、少なくとも1つの弾性的に変形可能な溝の形をとる。
【0052】
弾性的に変形可能な溝を使用することで、フレームに対する中央部の位置を変えて、中央部を、パッケージの底部上で保持されるそれぞれの物品の外形にできる限りぴったりと合うように変形させることができる。
【0053】
さらに、溝の形状によって、可撓性接続部の展開を可能する初期の変形を引き起こして、フレームに対するそれぞれのプレートの可動性を保証することができる。
【0054】
別の有利な態様によれば、連結部の少なくとも1つは、一連の交互に並ぶ谷と頂を形成する互いに隣接する複数の溝を備える。
【0055】
複数の溝によって形成された一連の交互に並ぶ谷と頂によって、コンサーティナ型の容易に変形可能な可撓性接続部を作り出すことができる。
【0056】
従って、それぞれの溝は、他の溝と無関係に弾性的に変形して、それを介してプレートに接続したプラークの位置を適合させ、パッケージの底部上でのそれぞれの物品の良好な保持を保証し得る。
【0057】
別の有利な態様によれば、フレームは長方形の形状を有し、プレートの中央部は、
-中央連結部によって接続された2つの長方形プラークを含み、フレームの2つの対向する縁の間で広がる中央ストリップと、
-中央ストリップの両側に、2つ1組になって接続された4つの三角形プラークと、を備える。
【0058】
従って、プレートの中央部のそのような構造は、パッケージの底部上で1つ以上の物品を保持するために、プレートのアーチ形の変形を保証する。
【0059】
具体的に、実質的に平面のプラークを使用しながら、中央連結部は2つの長方形プラークを互いの方へ折り曲げるように変形し得、三角形プラークはドーム形状を構成するように互いに対して向きを定められ得る。
【0060】
従って、それぞれの物品はパッケージの底部上で完全に保持される。
【0061】
別の有利な態様によれば、プレートは、中央連結部を通る対称面に関して対称である。
【0062】
この対称性によって、プレートがパッケージの底部上で保持される物品の形状に合うように意図されている場合に、プレートの変形を制御すること、特にプレートをドーム状に変形させることが可能である。
【0063】
換言すれば、プレートの対称性によって、プレートに対して物品を中央に置いて、その良好な保持を保証することができる。
【0064】
別の有利な態様によれば、中央ストリップは第1平面内で広がり、三角形プラークは第1平面に対してずれた第2平面内で広がる。
【0065】
従って、プレートがパッケージの底部上で保持される幾つかの物体と接触する場合、第1平面と第2平面との間のずれによって、プレートが物品と接触することを保証することができる。
【0066】
その上、底部上で保持される物品が高さの差を有する場合、その高さの差は、第1平面と第2平面との間の高さの差によって埋め合わされ得る。
【0067】
最後に、保持される物品が、平たい、例えば、硬貨、雑誌、又は封筒である場合、中央ストリップと三角形プラークとの間の高さの差によって、物品が良好に保持されることを保証することができる。なぜなら、プレートの部分の少なくとも1つは物品と接触するからである。
【0068】
別の有利な態様によれば、プレートはポリプロピレンで作られる。
【0069】
ポリプロピレンを使用することで、パッケージの重量を著しく増加させることなく、優れた剛性を提供しながら、パッケージの底部上でそれぞれの物品を適切に保持することができる。
【0070】
換言すれば、ポリプロピレンを使用することで、パッケージの底部上での物品の優れた保持を、このパッケージをより重くすることなく得ることができる。このパッケージをより重くすることは、その取り扱いの容易さへの逆の効果を有するだろう。
【0071】
別の有利な態様によれば、箱は、底部から伸びる周縁部を備え、パッケージは、さらに、接合縁部によって周縁部に回転可能に取り付けられた蓋を備え、蓋は箱を閉じる位置をとり得、パッケージは、その上、接合縁部と反対側の先端部で、蓋に回転可能に取り付けられた柱状部を備え、柱状部は、蓋の閉じる位置で底部の周辺に入り込むように意図された自由端を有し、プレートは、柱状部に沿って可動であり、戻り手段は、柱状部の自由端とプレートとの間に置かれる。
【0072】
柱状部の存在によって、蓋がその箱を閉じる位置にある場合、できる限り底部の近くにプレートを置くことができる。
【0073】
従って、特にフレームが底部の近くに位置する場合、中央部は、その最初の位置を取り戻して、それぞれの物品を平らにパッケージの底部に押し付ける傾向にありながら、変形し得る。
【0074】
その上、柱状部の自由端とプレートとの間に戻り手段を置くことで、プレートをパッケージの底部の方向に引き付けることができる。それは、プレートの中央部の変形によって物品をパッケージの底部に押し付けて保持することを保証する。
【0075】
従って、この構造のために、物品は自動的にパッケージの底部に平らに押し付けられて保持される。
【0076】
本発明の他の特徴及び利点は、説明に役立つ非限定的な例として与えられた本発明の好ましい実施形態の以下の説明、及び添付図面を理解すると、より明瞭に見えてくるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0077】
図1図1は本発明によるパッケージの概略図であり、パッケージはその底部上で物品を保持する手段を備える。
図2図2は本発明によるパッケージの保持手段のプレートの底面斜視図である。
図3図3は本発明によるパッケージの保持手段のプレートの底面図である。
図4図4図3の断面IV-IVに沿った横断面の詳細図であり、この図は、本発明によるパッケージの保持手段のプレートの手段の、可撓性接続部を示す第1拡大詳細挿入図、及び連結部を示す第2拡大詳細挿入図を含む。
図5図5は、図3の断面V-Vに沿った縦断面の詳細図であり、本発明によるパッケージを保持する手段のプレートの連結部を示す。
【発明を実施するための形態】
【0078】
図1を参照すると、本発明によるパッケージ1が示されている。
【0079】
パッケージ1は、
-箱2と、
-箱2を閉じるように意図された蓋3と、
-物品をパッケージ内で保持する手段と、を備える。
【0080】
箱2は、底部21と、底部から伸びる周縁部22とを備える。
【0081】
周縁部22及び底部21は、一緒に、箱2内の保管空間を定める。
【0082】
周縁部22は、閉じた外形を定めるように、互いに隣接する複数のパネル221を備える。
【0083】
それぞれのパネル221は箱2の底部21に枢動可能に取り付けられる。
【0084】
従って、それぞれのパネル221は、それが底部21に実質的に垂直に伸びる使用位置と、それが底部21に実質的に平行に伸びる保管位置とをとり得る。
【0085】
図1によって示されるように、蓋3は周縁部22のパネル221の1つに回転可能に取り付けられる。
【0086】
もっとはっきり言えば、蓋3は接合縁部31によってパネル221の1つに接続され、それは接合縁部31を通じて前記パネル221に回転可能に繋げられる。
【0087】
接合縁部31の反対側に、蓋3は先端部32を有する。
【0088】
蓋は、それが取り付けられるパネル221に実質的に垂直である第1位置と、それが前記パネル221に実質的に平行である第2位置との間で、パネル221に対して回転し得る。
【0089】
その第1位置において、蓋3は箱2の内部の保管空間へのアクセスを妨げる。換言すれば、その第1位置において、蓋3はパッケージ1を閉じる。
【0090】
逆に、その第2位置において、蓋3は箱2の内部の保管空間へのアクセスを自由にしておく。換言すれば、その第2位置において、蓋3はパッケージ1を開く。
【0091】
図に示された実施形態によれば、蓋3は、それが取り付けられたパネル221を組み込んだ閉鎖アセンブリの一部である。
【0092】
従って、蓋3の第1位置において、パネル221はその使用位置にあり、蓋3の第2位置において、パネル221はその保管位置にある。
【0093】
保持手段は、
-プレート4と、
-以下に説明されるように、箱2の底部21の方向にプレート4に変位力を及ぼす傾向にある戻し手段5と、を備える。
【0094】
図1に示されるように、パッケージ1は、蓋3にその先端部32のところで回転可能に取り付けられた少なくとも1つの柱状部6を有する。
【0095】
柱状部6は、蓋3の閉じる位置、即ち蓋3の第2位置で、底部21の周辺に入り込むように意図された自由端61を有する。
【0096】
戻し手段5は、例えば弾性ひもの形をとり、柱状部6の自由端とプレート4との間に置かれる。
【0097】
従って、プレート4は柱状部に対して回転可能に移動できる。その上、プレート4は特別の手段によって柱状部6に沿って並進的にガイドされる。
【0098】
図1に示されるように、パッケージ1は、蓋の先端部32に置かれ、蓋3に回転可能に取り付けられた2つの柱状部6を備える。
【0099】
2つの柱状部6はプレート4の両側に位置するように置かれる。
【0100】
柱状部6に対するプレートの並進運動においてプレートをさらにガイドするために、パッケージ1は、蓋3が回転可能に取り付けられたパネル221上でのプレート4の変位においてプレート4をガイドする手段を備える。
【0101】
プレート4をその変位においてガイドするこの手段は、パネル4又はパネル4の少なくとも一部が位置する少なくとも1つのスライダ7を備え、それによって、蓋3の接合縁部31に固定されたパネル221に沿ってパネル4を並進的にガイドすることが可能になる。
【0102】
従って、パネル4は、箱2の底部21に垂直な変位方向に沿って並進的に可動であり、底部21から遠ざかり、戻し手段5を使用して底部21の方へ引き付けられ得る。
【0103】
次に、図2、3、4及び5を参照して、プレート4が説明される。
【0104】
プレート4は、
-戻し手段5が接続されるフレーム41と、
-少なくとも1つの可撓性接続部43を介してフレーム41に接続される中央部42と、を備える。
【0105】
図2に示されるように、フレーム41は実質的に長方形の形状を有する。その角のそれぞれに、フレーム41は、戻し手段5を取り付けるための少なくとも1つの孔410を有する。
【0106】
中央部42は複数のプラーク44を備える。
【0107】
それぞれのプラーク44は、一方で可撓性接続部43によってフレーム41に、他方で連結部45によって少なくとも1つの他のプラーク44に接続される。
【0108】
従って、プレート4の中央部42は、以下に説明されるように、パッケージ1内で保持されるそれぞれの物品に適合するように変形し得る。
【0109】
図2及び図3を参照すると、プレート4の中央部42は、
-中央連結部451によって接続された2つの長方形プラーク441を含む中央ストリップと、
-中央ストリップの両側に、2つ1組になって接続された4つの三角形プラーク442と、を備える。
【0110】
長方形プラーク441及び三角形プラーク442を使用することで、保持されるそれぞれの物品をプレート4の中央に戻す傾向にあるドーム状のものにプレート4を変形させることができる。
【0111】
三角形プラーク442は、より具体的に、直角三角形の形状を有する。
【0112】
三角形プラーク442は、一緒に長方形を形成するように2つ1組になって配置される。
【0113】
従って、中央ストリップのそれぞれの側において、三角形プラーク442は、中央ストリップの全長に亘って伸びる長方形を形成するように置かれる。
【0114】
換言すれば、三角形プラーク442は、中央ストリップの両側で4つ1組に集められ、2つの三角形プラーク442がそれらの斜辺によって連結部45を介して互いに繋がれるように配置される。さらに、この構造において、2つの三角形プラーク442は、それらの最短の長さのところで、連結部45を介して、互いに繋がれる。
【0115】
図2及び3によって示されるように、可撓性接続部43は、中央部42の周囲で不連続である。
【0116】
特に、可撓性接続部43は、連結部45とのそれぞれの接合部に、複数のくり抜き部431を有する。
【0117】
同様に、それぞれの連結部45は、別の連結部45と出会うところで、開口部452を有する。
【0118】
開口部452及びくり抜き部431は、一方でプレート4の製造を容易にするが、可撓性接続部43又は連結部45への応力の集中による裂けの危険を冒すことなく、以下に説明されるように中央部42の変形も容易にする。
【0119】
図3を参照すると、プレート4は、中央連結部451を通る対称面Pに関して対称である。
【0120】
従って、図3に示されるように、プレート4の中央部42は、対称面Pの両側に長方形プラーク441を有し、長方形プラーク441の両側に2つの三角形プラーク442を有する。
【0121】
図4の詳細図を参照すると、2つの長方形プラーク441によって形成された中央ストリップは第1平面P1内で広がり、三角形プラーク442は第1平面P1に対してずれた第2平面P2内で広がる。
【0122】
図4によって示された実施形態によれば、中央ストリップの長方形プラーク441は、三角形プラーク442よりパッケージ1の底部21に近くなるように意図されている。
【0123】
このずれは、パネル4が変形を受けていない場合、即ちそれがパッケージ1内で保持される少なくとも1つの物品と相互に作用しない場合にはっきりわかる。
【0124】
説明に役立つ非限定的な例として、プレート4はポリプロピレンで作られる。
【0125】
有利に、プレート4は透明である。
【0126】
図4を参照すると、それぞれの可撓性接続部43は少なくとも1つの弾性的に変形可能な溝の形をとる。
【0127】
図4の下方の詳細挿入図によって示されるように、可撓性接続部43の少なくとも1つは、一連の交互に並ぶ谷46と頂47を形成する互いに隣接する複数の溝を備える。
【0128】
より具体的に、可撓性接続部43は、フレーム41から中央部42に向かって、第1の谷46、第1の頂47、第2の谷46、第2の頂47、最後に第3の谷47を連続的に有する。
【0129】
換言すれば、可撓性接続部43は2つの段を備える。
【0130】
この一連の交互に並ぶ谷46と頂47によって、フレーム41に対してプラーク44を互いに無関係に変形させることができる。
【0131】
可撓性接続部43と同様に、それぞれの連結部45は少なくとも1つの弾性的に変形可能な溝の形をとる。
【0132】
図5を参照すると、2つの三角形プラーク442の間に位置し、対称面Pに沿って伸びる連結部45は単純な連結部である。
【0133】
換言すれば、単純な連結部はたった1つの溝で形成される。
【0134】
図4に示された上方の詳細挿入図を参照すると、連結部45の少なくとも1つは、一連の交互に並ぶ谷46と頂47を形成する互いに隣接する複数の溝を備える。
【0135】
図4の上方の詳細挿入図を参照すると、示された連結部45は、フレーム41から中央部42に向かって、第1の谷46、頂47、最後に第2の谷46を有する。
【0136】
換言すれば、連結部45はたった1つの段を備える。
【0137】
図3に示された実施形態によれば、それぞれの長方形プラーク441は捕捉手段48を持つ。
【0138】
この捕捉手段48は、パッケージ1内で保持されるそれぞれの物品と相互に作用して、それらがプレート4に対して滑ることを防ぐするように意図されている。
【0139】
この捕捉手段48は、例えば、長方形プラーク441に取り付けられた材料片から構成される。
【0140】
捕捉手段48の捕捉機能は、望ましい捕捉を提供する粗さの材料を使用することで、又は物品を保持する減摩機能を有する減摩材料を使用することで、又は再配置可能な接着性の被膜を有する材料を使用することで得られる。
【0141】
使用中、本発明によるパッケージ1によって、保持手段のプレート4を介して1つ以上の物品を箱2の底部21に押し付けて保持することができる。
【0142】
全く安全に物品を運送するために、ユーザは、運送される物品を箱2の底部21上に置いてから、蓋3をその閉じる位置(即ちその第1位置)に置く。
【0143】
そして、柱状部6に接続されているプレート4は、箱2内で保持される物品の存在によって箱2の底部21から引き離されながら、蓋3の方向に上昇する。
【0144】
そして、戻し手段5は、底部21の方向にプレート4に変位力を及ぼす傾向にあり、箱2の底部21とプレート4との間でそれぞれの物品を保持する。
【0145】
プレート4を底部21の方へ変位させるこの力によって、プレート4の中央部42は、変形して、箱2内で保持されるそれぞれの物品の形状にできる限りぴったりと合うように変形する。
【0146】
中央部42のこの変形は、特に、連結部45及びそれぞれの可撓性接続部43を使用して得られる。
【0147】
従って、プラーク44は、互いに無関係に、保持される1つ又は複数の物品の形状に応じて向きを定められ、それにより、プレート4、特にその中央部42が、保持される1つ又は複数の物品に合い、これらの物品を箱2の底部21にぴったりと押し付けることが可能になる。
【0148】
従って、ちょうど今説明されたパッケージ1はそれぞれの物品をパッケージ1内でそれらの運送中に効果的に保持することを提供し、それにより、それらが無傷のままであることが保証される。
【0149】
さらに、ポリプロピレンのような材料を使用することで、簡単に、パッケージ1を著しくより重くすることなく、確実に物品を箱2の底部21に押し付けて保持するプレート4を製造することができる。
図1
図2
図3
図4
図5