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特許7618345電池モジュールおよびそれを含む電池パック
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-10
(45)【発行日】2025-01-21
(54)【発明の名称】電池モジュールおよびそれを含む電池パック
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/358 20210101AFI20250114BHJP
   H01M 50/211 20210101ALI20250114BHJP
   H01M 50/35 20210101ALI20250114BHJP
   H01M 50/383 20210101ALI20250114BHJP
   H01M 50/548 20210101ALI20250114BHJP
【FI】
H01M50/358
H01M50/211
H01M50/35 201
H01M50/383
H01M50/548 301
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2023521396
(86)(22)【出願日】2022-03-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-25
(86)【国際出願番号】 KR2022003809
(87)【国際公開番号】W WO2022203291
(87)【国際公開日】2022-09-29
【審査請求日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】10-2021-0036924
(32)【優先日】2021-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0054815
(32)【優先日】2021-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0031636
(32)【優先日】2022-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】スンファン・ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ジュンヨブ・ソン
(72)【発明者】
【氏名】ウォン・キョン・パク
(72)【発明者】
【氏名】ヘミ・ジュン
(72)【発明者】
【氏名】スビン・パク
(72)【発明者】
【氏名】クワンモ・キム
【審査官】福井 晃三
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2015-0069732(KR,A)
【文献】国際公開第2021/002626(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/256304(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0135469(KR,A)
【文献】特開2013-101809(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0036260(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/30-50/392
H01M 50/20-50/298
H01M 50/50-50/598
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池セルが積層された電池セル積層体;
前記電池セル積層体を収納するモジュールフレーム;および
前記電池セル積層体の前面と後面をそれぞれカバーする第1エンドプレートと第2エンドプレートを含み、
前記モジュールフレーム、前記第1エンドプレートまたは前記第2エンドプレートのうちの少なくとも一つにベントホールが形成され、
前記モジュールフレームの一面上には、前記ベントホールから排出されたガスや火炎の排出経路を案内するためのベントユニットが位置し、
前記ベントユニットは前記ベントホールを覆うように取り付けられる、電池モジュール。
【請求項2】
前記ベントユニットの内部通路は、前記ベントホールと連結され、
前記ベントユニットの一側に前記内部通路と連結された排出口が形成される、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記ベントユニットは、前記モジュールフレームの前記一面の方向の一側が開放された形態のフレームである、請求項1または2に記載の電池モジュール。
【請求項4】
前記ベントユニットは、前記第1エンドプレートから前記第2エンドプレートまで前記モジュールフレームの前記一面に沿ってつながる、請求項1~3のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項5】
前記第1エンドプレートおよび前記第2エンドプレートの両方に前記ベントホールが形成され、
前記ベントユニットの内部通路は、前記第1エンドプレートの前記ベントホールおよび前記第2エンドプレートの前記ベントホールの両方と連結される、請求項1~4のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項6】
前記ベントユニット内で、前記ガスや火炎の排出経路は複数回折れ曲げられてつながる、請求項1~5のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項7】
前記ベントユニットは、前記ガスや火炎の排出経路を形成する少なくとも一つの隔壁部を含み、前記隔壁部の一面は前記ベントユニットの一面と垂直である、請求項1~6のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項8】
前記電池セルは電極リードを含み、
前記電極リードのうちのいずれか一つは前記第1エンドプレートに向かって突出し、
前記電極リードのうちの他の一つは前記第2エンドプレートに向かって突出する、請求項1~7のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項9】
前記ベントユニットは外部に前記ガスや火炎を排出する排出口を含み、
前記ベントホールと前記排出口は前記モジュールフレームの中心を基準として互いに逆方向に位置し、
前記モジュールフレームの中心は、前記第1エンドプレートおよび前記第2エンドプレートから同じ距離だけ離隔した地点である、請求項1~8のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項10】
前記ベントユニットは外部に前記ガスや火炎を排出する排出口を含み、
前記ベントホールから第1排出方向に沿って排出されたガスや火炎は前記ベントユニットの内部通路を介して前記第1排出方向と異なる第2排出方向に沿って移動し、
前記第2排出方向は前記排出口に向かう方向である、請求項1~9のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項11】
前記ベントユニットの内部にはフィルタが配置される、請求項1~10のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項12】
前記ベントユニットは内部に位置した第1フィルタおよび第2フィルタを含み、
前記第1フィルタおよび前記第2フィルタは前記ベントユニットの内部通路が案内する排出経路上に間隔を置いて配置され、
前記第1フィルタの気孔大きさと前記第2フィルタの気孔大きさは互いに異なる、請求項1~11のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項13】
前記ベントユニットはスライディング方式で前記モジュールフレームに結合される、請求項1~12のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項14】
前記モジュールフレームは前記ベントユニットと連結されるスロットを含み、
前記スロットは前記モジュールフレームの長手方向に沿って延びて形成され、前記ベントユニットは前記スロットに沿ってスライディング可能である、請求項1~13のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項15】
前記ベントユニットは前記スロットと結合する突出部を含む、請求項14に記載の電池モジュール。
【請求項16】
前記ベントユニットは第1ベントユニットおよび第2ベントユニットを含み、
前記第1ベントユニットが案内する排出経路と前記第2ベントユニットが案内する排出経路は互いに逆方向である、請求項1~15のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか一項に記載の少なくとも一つの電池モジュールを含む、電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願との相互引用]
本出願は2021年3月22日付韓国特許出願第10-2021-0036924号、2021年4月28日付韓国特許出願第10-2021-0054815号および2022年3月14日付韓国特許出願第10-2022-0031636号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は電池モジュールおよびそれを含む電池パックに関し、より具体的には安全性が強化された電池モジュールおよびそれを含む電池パックに関する。
【背景技術】
【0003】
現代社会では携帯電話、ノートパソコン、カムコーダ、デジタルカメラなどの携帯型機器の使用が日常化するにつれて、前記のようなモバイル機器と関連する分野の技術に対する開発が活発に進められている。また、充放電が可能な二次電池は化石燃料を使用する既存のガソリン車両などの大気汚染などを解決するための方案として、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(P-HEV)などの動力源として用いられるため、二次電池に対する開発の必要性が高まっている。
【0004】
現在、商用化されている二次電池としてはニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などがあるが、その中でリチウム二次電池はニッケル系の二次電池に比べてメモリ効果がほとんど起きず充放電が自由で、自己放電率が非常に低くてエネルギ密度が高い長所から脚光を浴びている。
【0005】
このようなリチウム二次電池は主にリチウム系酸化物と炭素材をそれぞれ正極活物質と負極活物質として使用する。リチウム二次電池は、このような正極活物質と負極活物質がそれぞれ塗布された正極板と負極板がセパレータを間に置いて配置された電極組立体および電極組立体を電解液と共に密封収納する電池ケースを備える。
【0006】
一般にリチウム二次電池は外装材の形状によって、電極組立体が金属缶に内蔵されている缶型二次電池と電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチに内蔵されているパウチ型二次電池に分類することができる。
【0007】
小型機器に用いられる二次電池の場合、2~3個の電池セルが配置されるが、自動車などのような中大型デバイスに用いられる二次電池の場合は、多数の電池セルを電気的に連結した電池モジュール(Battery module)が用いられる。このような電池モジュールは多数の電池セルが互いに直列または並列に連結されて電池セル積層体を形成することによって容量および出力が向上する。また、一つ以上の電池モジュールはBMS(Battery Management System)、冷却システムなどの各種制御および保護システムと共に取り付けられて電池パックを形成することができる。
【0008】
図1は従来の電池モジュールに係る斜視図である。
【0009】
図1を参照すると、多数の電池セルを含む電池モジュール10a,10bが集まって、自動車のような中大型デバイスに取り付けられる。多数の電池セルを備えた電池モジュール10a,10bであるが、このような電池モジュール10a,10bが集まった電池パックは、多数の電池セルから出る熱が狭い空間で合わさって温度が急激に上がり得る。言い換えれば、多数の電池セルが積層された電池モジュール10a,10bとこのような電池モジュール10a,10bが取り付けられた電池パックの場合、高い出力を得ることができるが、充電および放電時に電池セルで発生する熱を除去することが容易でない。電池セルの放熱がきちんと行われない場合、電池セルの劣化が早くなることにより寿命が短くなることになり、爆発や発火の可能性が大きくなる。
【0010】
さらに、車両用電池パックに含まれる電池モジュールの場合、直射光線に 頻繁に露出し、夏季や砂漠地域のような高温条件に置かれ得る。また、車両の走行距離を増やすために多数の電池モジュール10a,10bを集約的に配置するので、いずれか一つの電池モジュール10aで発生した火炎や熱が隣り合う電池モジュール10bに容易に伝播し、終局的に電池パック自体の爆発や発火につながり得る。
【0011】
図2の(a)および(b)は従来の電池パックに取り付けられた多様な電池モジュールの発火時の様子を示す図である。図3は2の(a)のA-A部分であり、従来の電池パックに取り付けられた電池モジュールの発火時に隣接する電池モジュールに影響を及ぼす火炎の様子を示す図である。
【0012】
図2および図3を参照すると、従来の電池モジュール10は複数の電池セル11が積層形成された電池セル積層体12、電池セル積層体12を収容するフレーム20、電池セル積層体12の前後面に形成されたエンドプレート40、エンドプレートの外に突出形成されたターミナルバスバー50などを含む。
【0013】
電池セル積層体12はフレーム20およびエンドプレート40の結合によって密閉された構造内に位置する。そのため、過充電などの理由により電池セル11の内部圧力が増加する場合に、電池セル11の外部に高温の熱、ガスまたは火炎が放出されるが、この時一つの電池セル11から放出された熱、ガスまたは火炎などは狭い間隔を置いて隣接する他の電池セル11に伝達されて連続的な発火現象が誘導され得る。また、各電池セル11から放出された熱、ガスまたは火炎などはエンドプレート40に形成された開口部に向かって排出されることができ、この過程でエンドプレート40と電池セル11の間に位置したバスバー50などが損傷する問題が発生し得る。
【0014】
さらに、電池パック内で複数の電池モジュール10は少なくとも2つのエンドプレート40が互いに対向するように配置されるので、電池モジュール10内で発生した熱、ガスまたは火炎などが電池モジュール10の外部に排出される場合は隣接する他の電池モジュール10内の複数の電池セル11の性能および安定性に影響を与えることもある。
【0015】
そのため、火炎伝播を遮断することができ、電池モジュールの内部で発生した熱、ガスまたは火炎が隣接する電池モジュールに排出されないようにすることによって連続的な熱暴走(Thermal runaway)現象を防止する電池モジュールの設計が求められる実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明が解決しようとする課題は、内部で発生した火炎が外部に伝播することを制御することができ、連続的な熱暴走現象を防止することによって耐久性および安全性が向上した電池モジュールおよびそれを含む電池パックを提供することにある。
【0017】
しかし、本発明の実施形態が解決しようとする課題は上述した課題に限定されず、本発明に含まれた技術的思想の範囲で多様に拡張することができる。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の一実施形態による電池モジュールは、複数の電池セルが積層された電池セル積層体;前記電池セル積層体を収納するモジュールフレーム;および前記電池セル積層体の前面と後面をそれぞれカバーする第1エンドプレートと第2エンドプレートを含む。前記モジュールフレーム、前記第1エンドプレートまたは前記第2エンドプレートのうちの少なくとも一つにベントホールが形成され、前記モジュールフレームの一面上には、前記ベントホールから排出されたガスや火炎の排出経路を案内するためのベントユニットが位置する。前記ベントユニットは前記ベントホールを覆うように取り付けられる。
【0019】
前記ベントユニットの内部通路は、前記ベントホールと連結され得、前記ベントユニットの一側に前記内部通路と連結された排出口が形成され得る。
【0020】
前記ベントユニットは、前記モジュールフレームの前記一面方向の一側が開放された形態のフレームであり得る。
【0021】
前記ベントユニットは、前記第1エンドプレートから前記第2エンドプレートまで前記モジュールフレームの前記一面に沿ってつながり得る。
【0022】
前記第1エンドプレートおよび前記第2エンドプレートの両方に前記ベントホールが形成され得、前記ベントユニットの内部通路は、前記第1エンドプレートの前記ベントホールおよび前記第2エンドプレートの前記ベントホールの両方と連結され得る。
【0023】
前記ベントユニット内で、前記ガスや火炎の排出経路は複数回折れ曲げられてつながり得る。
【0024】
前記ベントユニットは、前記ガスや火炎の排出経路を形成する少なくとも一つの隔壁部を含み、前記隔壁部の一面は前記ベントユニットの一面と垂直であり得る。
【0025】
前記電池セルは電極リードを含み得、前記電極リードのうちのいずれか一つは前記第1エンドプレートに向かって突出し得、前記電極リードのうちの他の一つは前記第2エンドプレートに向かって突出し得る。
【0026】
前記ベントユニットは外部に前記ガスや火炎を排出する排出口を含み得る。前記ベントホールと前記排出口は前記モジュールフレームの中心を基準として互いに逆方向に位置し得る。前記モジュールフレームの中心は、前記第1エンドプレートおよび前記第2エンドプレートから同じ距離だけ離隔した地点であり得る。
【0027】
前記ベントユニットは外部に前記ガスや火炎を排出する排出口を含み得る。前記ベントホールから第1排出方向に沿って排出されたガスや火炎は前記ベントユニットの内部通路を介して前記第1排出方向と異なる第2排出方向に沿って移動し得る。前記第2排出方向は前記排出口に向かう方向であり得る。
【0028】
前記ベントユニットの内部にはフィルタが配置され得る。
【0029】
前記ベントユニットは内部に位置した第1フィルタおよび第2フィルタを含み得る。前記第1フィルタおよび前記第2フィルタは前記ベントユニットの内部通路が案内する排出経路上に間隔を置いて配置され得る。前記第1フィルタの気孔大きさと前記第2フィルタの気孔大きさは互いに異なり得る。
【0030】
前記ベントユニットはスライディング方式で前記モジュールフレームに結合され得る。
【0031】
前記モジュールフレームは前記ベントユニットと連結されるスロットを含み得る。前記スロットは前記モジュールフレームの長手方向に沿って延びて形成され、前記ベントユニットは前記スロットに沿ってスライディング可能である。
【0032】
前記ベントユニットは前記スロットと結合する突出部を含み得る。
【0033】
前記ベントユニットは第1ベントユニットおよび第2ベントユニットを含み得る。前記第1ベントユニットが案内する排出経路と前記第2ベントユニットが案内する排出経路は互いに逆方向であり得る。
【0034】
本発明の一実施形態による電池パックは前記電池モジュールを少なくとも一つ含む。
【発明の効果】
【0035】
本発明の実施形態によれば、電池モジュールに別途の火炎排出経路を設け、その電池モジュールの内部で火炎が発生しても外部に伝播することを遮断することができる。いずれか一つの電池モジュールで発生した火炎が他の電池モジュールやその他電装品に伝播することを抑制または遅延させることができる。すなわち、火災発生に対する電池モジュールおよび電池パックの安全性を増大させることができる。
【0036】
本発明の効果は以上で言及した効果に制限されず、言及されていないまた他の効果は特許請求の範囲の記載から当業者に明確に理解されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】従来の電池モジュールに係る斜視図である。
図2】(a)および(b)は従来の電池パックに取り付けられた多様な電池モジュールの発火時の様子を示す図である。
図3図2の(a)のA-A部分であり、従来の電池パックに取り付けられた電池モジュールの発火時に隣接する電池モジュールに影響を及ぼす火炎の様子を示す図である。
図4】本発明の一実施形態による電池モジュールを示す斜視図である。
図5図4の電池モジュールに係る分解斜視図である。
図6図5の電池モジュールに含まれた電池セルのうちの一つを示す斜視図である。
図7図5の電池モジュールに含まれた第1エンドプレートおよび第2エンドプレートに係る斜視図である。
図8図5の電池モジュールに含まれたベントユニットを示す斜視図である。
図9図4の電池モジュールをyz平面上でx軸方向に沿って見た平面図である。
図10】本発明の変形された一実施形態によるベントユニットを示す斜視図である。
図11図5の電池モジュールに含まれたヒートシンクを示す斜視図である。
図12図5の電池モジュールに含まれた下部フレーム、第1熱伝導性樹脂層および第2熱伝導性樹脂層を示す斜視図である。
図13】本発明の一実施形態による電池パックを示す斜視図である。
図14】本発明の他の一実施形態による電池モジュールを示す斜視図である。
図15図14の電池モジュールに係る分解斜視図である。
図16図14の電池モジュールに含まれた電池セルのうちの一つに係る斜視図である。
図17】本発明の一実施形態による電池モジュールにおける火炎発生時のガスの排出経路を説明するための図である。
図18図17の電池モジュールを上から見た平面図である。
図19】本発明の一実施形態による電池モジュールの変形例を示す斜視図である。
図20図19の電池モジュールを上から見た平面図である。
図21】本発明の一実施形態によるベントユニットの一例の斜視図である。
図22】本発明の一実施形態によるベントユニットの一例の斜視図である。
図23】本発明の一実施形態によるベントユニットの一結合方式を説明するための図である。
図24図23のB-Bに沿って切断した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、添付する図面を参照して本発明の様々な実施形態について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は様々な異なる形態で実現することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0039】
本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素に対しては同じ参照符号を付ける。
【0040】
また、図面に示す各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜上任意に示したので、本発明は必ずしも示されたところに限定されない。図面で複数の層および領域を明確に表現するために厚さを誇張して示した。そして、図面で説明の便宜上一部の層および領域の厚さを誇張して示した。
【0041】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分「上に」または「の上に」あるという時、これは他の部分の「すぐ上に」ある場合だけでなくその中間にまた他の部分がある場合も含む。逆にある部分が他の部分の「すぐ上に」あるという時には中間に他の部分が存在しないことを意味する。また、基準になる部分「上に」または「の上に」あるというのは基準になる部分の上または下に位置することであり、必ずしも重力の逆方向に向かって「上に」または「の上に」位置することを意味するものではない。
【0042】
また、明細書全体で、ある部分がある構成要素を「含む」という時、これは特に反対の意味を示す記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0043】
また、明細書全体で、「平面上」という時、これは対象部分を上から見た時を意味し、「断面上」という時、これは対象部分を垂直に切断した断面を横から見た時を意味する。
【0044】
以下では、本発明の一実施形態による電池モジュール100aについて説明する。
【0045】
図4は本発明の一実施形態による電池モジュールを示す斜視図である。図5図4の電池モジュールに係る分解斜視図である。図6図5の電池モジュールに含まれた電池セルのうちの一つを示す斜視図である。
【0046】
図4ないし図6を参照すると、本発明の一実施形態による電池モジュール100aは、複数の電池セル110が積層された電池セル積層体120;電池セル積層体120を収納するモジュールフレーム200;電池セル積層体120の前面と後面をそれぞれカバーする第1エンドプレート410と第2エンドプレート420を含む。
【0047】
この時、モジュールフレーム200、第1エンドプレート410または第2エンドプレート420のうちの少なくとも一つにベントホール410H,420Hが形成される。本実施形態による電池モジュール100aの場合、第1エンドプレート410または第2エンドプレート420のうちの少なくとも一つにベントホール410H,420Hが形成されることができる。
【0048】
モジュールフレーム200の一面上にはベントホール410H,420Hから排出されたガスや火炎の排出経路を案内するためのベントユニット(venting unit、500)が位置する。ベントユニット500は、ベントホール410H,420Hを覆うように取り付けられる。
【0049】
まず、電池セル110はパウチ型電池セルであることが好ましく、長方形のシート状構造で形成される。例えば、本実施形態による電池セル110は2つの電極リード111,112が互いに対向してセル本体113の一端部114aと他の一端部114bからそれぞれ突出している構造を有する。すなわち、電池セル110は互いに対向する方向に突出した電極リード111,112を含む。より詳細には電極リード111,112は電極組立体(図示せず)と連結され、前記電極組立体(図示せず)から電池セル110の外部に突出される。
【0050】
一方、電池セル110は、セルケース114に電極組立体(図示せず)を収納した状態でセルケース114の両端部114a,114bとこれらを連結する一側部114cを接着することにより製造される。換言すれば、本実施形態による電池セル110は、総3ケ所のシーリング部114sa,114sb,114scを有し、シーリング部114sa,114sb,114scは熱融着などの方法でシーリングされる構造であり、残りの他の一側部は連結部115からなる。セルケース114は樹脂層と金属層を含むラミネートシートからなる。
【0051】
また、連結部115は電池セル110の一縁に沿って長く伸びることができ、連結部115の端部にはバットイヤー110pが形成されることができる。また、突出した電極リード111,112を間に置いてセルケース114が密封されることにより、電極リード111,112とセル本体113の間にテラス部116が形成されることができる。すなわち、電池セル110は、電極リード111,112が突出した方向にセルケース114から延長形成されたテラス部116を含むことができる。
【0052】
このような電池セル110は複数で構成され、複数の電池セル110は相互電気的に連結されるように積層されて電池セル積層体120を形成する。特に、図5に示すようにx軸と平行な方向に沿って複数の電池セル110が積層され得る。そのため、電池セル110の電極リード111,112はy軸方向と-y軸方向にそれぞれ突出し得る。具体的に図示していないが、電池セル110の間には接着部材が位置し得る。そのため、電池セル110同士が互いに接着されて電池セル積層体120を形成することができる。
【0053】
本実施形態による電池セル積層体120は電池セル110の個数が従来より多くなる大面積モジュールであり得る。具体的には、電池モジュール100a当たり32個~48個の電池セル110が含まれ得る。このような大面積モジュールの場合、電池モジュールの水平方向長さが長くなる。ここで、水平方向長さとは、電池セル110が積層された方向、すなわちx軸と平行な方向への長さを意味する。
【0054】
一方、電池セル110に対する充放電が繰り返し行われると熱が発生するが、中でも電極リード111,112と隣接する部分で多くの熱が発生する。すなわち、セル本体113の中央部分よりは、テラス部116に近づくほど充放電時に多くの熱が発生する。
【0055】
モジュールフレーム200は、電池セル積層体120の下面と両側面をカバーする下部フレーム210および電池セル積層体120の上面をカバーする上部カバー220を含み得る。
【0056】
下部フレーム210は電池セル積層体120の下面と両側面をカバーする。具体的には、下部フレーム210は、底部210aおよび底部210aの両端部で上向き延びた2個の側面部210bを含み得る。底部210aは電池セル積層体120の下面をカバーし、2個の側面部210bは電池セル積層体120の両側面をカバーする。ここで、電池セル積層体120の下面は-z軸方向の面を指し、電池セル積層体120の両側面はx軸および-x軸方向の面を指す。ただし、これは説明の便宜上指称した面であり、対象になる事物の位置や観測者の位置などによって変わり得る。
【0057】
上部カバー220は、電池セル積層体120の上面をカバーする。ここで、電池セル積層体120の上面はz軸方向の面を指す。上部カバー220と下部フレーム210は互いに対応するエッジ部位が接触した状態で、溶接により接合されることで、電池セル積層体120を上下左右でカバーする構造を形成することができる。上部カバー220と下部フレーム210により電池セル積層体120を物理的に保護することができる。
【0058】
上述したように、第1エンドプレート410は電池セル積層体120の前面をカバーし、第2エンドプレート420は電池セル積層体120の後面をカバーする。ここで、電池セル積層体120の前面はy軸方向の面を指し、電池セル積層体120の後面は-y軸方向の面を指す。
【0059】
第1エンドプレート410および第2エンドプレート420はモジュールフレーム200の開放された両側に位置して電池セル積層体120をカバーするように形成される。第1エンドプレート410および第2エンドプレート420それぞれはモジュールフレーム200の対応するエッジと接触した状態で溶接により接合される。このような第1エンドプレート410および第2エンドプレート420は外部の衝撃から電池セル積層体120およびその他電装品を物理的に保護することができる。
【0060】
一方、具体的に図示していないが、電池セル積層体120とエンドプレート410,420の間にはバスバーが取り付けられるバスバーフレームおよび電気的絶縁のための絶縁カバーなどが位置し得る。
【0061】
以下では、図7ないし図9などを参照して、本実施形態によるエンドプレートおよびベントユニットについて詳しく説明する。
【0062】
図7図5の電池モジュールに含まれた第1エンドプレートおよび第2エンドプレートに係る斜視図である。図8図5の電池モジュールに含まれたベントユニットを示す斜視図である。図9図4の電池モジュールをyz平面上でx軸方向に沿って見た平面図である。
【0063】
図5図7ないし図9を参照すると、本実施形態による第1エンドプレート410または第2エンドプレート420のうちの少なくとも一つにベントホール410H,420Hが形成される。図7には第1エンドプレート410および第2エンドプレート420の両方にベントホール410H,420Hが形成された場合が示されているが、そのうちの一つにのみベントホールが形成されることができる。
【0064】
本実施形態によるベントユニット500の内部には電池モジュール内部で発生したガスや火炎が通過できるように内部通路510が設けられる。内部通路510はベントホール410H,420Hと連結され、ベントユニット500の一側に内部通路510と連結された排出口520が形成される。本実施形態で、内部通路510はベントユニット500の内部に設けられた空間を指し、ガスや火炎Fの排出経路を意味する。
【0065】
このようなベントユニット500はモジュールフレームの一面上に位置し得るが、一例として、ベントユニット500はモジュールフレーム200の側面部210bの外面に位置する。より具体的には、ベントユニット500は複数で構成され、いずれか一つのベントユニット500が側面部210のうちの一つの外面に位置し、他のベントユニット500が側面部210bのうちの他の一つの外面に位置する。具体的に図示していないが、他の実施形態として、一つのベントユニット500のみいずれか一つの側面部210bの外面に位置することも可能である。
【0066】
以下では、いずれか一つのベントユニット500を基準に説明する。
【0067】
本実施形態によるベントユニット500は、その内部にガスや火炎Fが移動できる内部通路510が設けられた部材である。ベントユニット500がベントホール410H,420Hを覆うように取り付けられるので電池モジュール100aの電池セル積層体120などで発生したガスや火炎Fが、ベントホール410H,420Hを介してベントユニット500の内部に流入する。内部通路510に沿って移動したガスや火炎Fは、排出口520を介して外部に排出される。
【0068】
排出口520は電池モジュール100aの外部に向かって開口される。具体的には、排出口520はベントユニット500の前面500-1、後面500-2、上面500-3または下面500-4に形成される。一例として、図7および図8には排出口520がベントユニット500の後面500-2に形成された場合を図示した。
【0069】
ベントユニット500は、前面500-1、後面500-2、上面500-3、下面500-4および一側面500-5を含み得る。また、ベントユニット500はモジュールフレーム200の一面方向の一側が開放された形態のフレームであり得る。一例としてベントユニット500は、モジュールフレーム200の側面部210b方向の一側が開放された形態のフレームであり得る。すなわち、ベントユニット500の開放された前記一側に側面部210bが位置し得る。ベントユニット500が側面部210bと接合されることによって、ベントユニット500とモジュールフレーム200の側面部210bの間の空間がガスや火炎Fが移動する内部通路510として構成されることができる。すなわち、ベントユニット500の前面500-1、後面500-2、上面500-3、下面500-4および一側面500-5とモジュールフレーム200の側面部210bで囲まれた空間が、ベントユニット500の内部通路510に該当する。
【0070】
一方、本実施形態によるベントユニット500は、モジュールフレーム200の側面部210bに沿ってつながる。具体的には、ベントユニット500は第1エンドプレート410から第2エンドプレート420までモジュールフレーム200の一面に沿ってつながる。このように、ベントユニット500を長くつながるように設計することによって、その内部に設けられた内部通路510の長さを最大に増やすことができる。火炎Fが内部通路510が形成する長い経路に沿って移動する間十分な空気(酸素)が供給されるのではないので、火炎Fが弱まるかまたは消火する。すなわち、一種の窒息消火(smothering extinguishment)効果が発揮される。そのため、電池モジュール100aの内部で火炎Fが発生しても、隣り合う他の電池モジュールやその他電装品に火炎が伝播することを抑制するか遅延することができる。特に、該当電池モジュール100aが車両用電池パックに含まれる場合、火炎Fの電波を遅延させて運転者が火災や爆発から待避できる時間的余裕を確保することができる。
【0071】
一方、本発明の一実施形態によれば、第1エンドプレート410および第2エンドプレート420の両方にベントホール410H,420Hが形成される。ベントユニット500がこのようなベントホール410H,420Hをすべて覆うように取り付けられ、ベントユニット500の内部通路510は第1エンドプレート410のベントホール410Hおよび第2エンドプレート420のベントホール420Hの両方と連結されることができる。そのため、図8および図9に示すように2個の火炎F経路が形成されることができる。
【0072】
上述したように、第1エンドプレート410と第2エンドプレート420は電池セル積層体120の前面と後面をそれぞれカバーする。この時、電池セル110の電極リード(111,112,図6参照)は電池セル積層体120の前面および後面に位置し得る。すなわち、電池セル積層体120を構成する電池セル110の電極リード111,112のうちのいずれか一つは第1エンドプレート410に向かって突出して、電池セル110の電極リード111,112のうちの他の一つは第2エンドプレート420に向かって突出する。
【0073】
電池セル110で、セル本体113の中央部分よりも、電極リード111,112と近い部分が充放電時に多くの熱が発生する。電池セル積層体120を基準とすれば電極リード111,112が突出した部分と隣接する部分に多くの熱が発生する。そのため、第1エンドプレート410および第2エンドプレート420の両方にベントホール410H,420Hを設けることができる。すなわち、ベントホール410H,420Hは電極リード111,112が突出する部分と隣接するように位置することができる。電池セル積層体120で熱が最も多く発生する部分、すなわち、火炎が発生する可能性が高い部分に隣接するようにベントホール410H,420Hが設けられ、内部通路510はこのような両方のベントホール410H,420Hと連結されることができる。そのため、熱が多く発生する部分でのガスや火炎の排出性能を高めて電池モジュール100aの爆発や発火の可能性をより減らすことができる。
【0074】
また、第1エンドプレート410や第2エンドプレート420には、ターミナルバスバー開口部H1やモジュールコネクタ開口部H2が形成される。ターミナルバスバー開口部H1を介して電池モジュール100aの内部のターミナルバスバー(図示せず)が露出し、モジュールコネクタ開口部H2を介してモジュールコネクタ(図示せず)が露出する。従来には電池モジュール100aの内部で発生した火炎および熱がこのようなターミナルバスバー開口部H1やモジュールコネクタ開口部H2を介して排出され、対向する電池モジュールやその他電装品に損傷を加える問題があった。本実施形態による電池モジュール100aでは、第1エンドプレート410や第2エンドプレート420に火炎排出のための別途のベントホール410H,420Hを設けたので、ターミナルバスバー開口部H1やモジュールコネクタ開口部H2を介して排出される火炎および熱を分散することができる。そのため、対向する電池モジュールやその他電装品に加えられる損傷を減らすことができる。
【0075】
一方、ベントユニット500内で、内部通路510が形成するガスや火炎Fの排出経路は複数回折れ曲げられてつながる。具体的には、ベントユニット500は、内部通路510、すなわち、ガスや火炎Fの排出経路を形成する少なくとも一つの隔壁部530を含み得、このような隔壁部530により内部通路510が形成する経路が複数回折れ曲げられてつながる。すなわち、隔壁部530によりガスや火炎Fが曲がりくねった経路に沿って移動することができる。隔壁部530の一面はベントユニット500の一面と垂直である。一例として、図8に示すように、隔壁部530の一面はベントユニット500の一側面500-5と垂直である。
【0076】
内部通路510が形成する経路が折れ曲がるように構成できれば、隔壁部530の個数や位置に特に制限はない。一例として、図8および図9には4個の隔壁部530が設けられている。4個の隔壁部530により2個のベントホール410H,420Hそれぞれからつながる2個の曲がりくねった火炎F排出経路を実現することができる。
【0077】
上記のように、隔壁部530を配置することによって、内部通路510、すなわち、ガスや火炎Fの排出経路をより複雑に設定することができる。火炎Fの排出経路が複雑になるほど、直進性向が強い火炎Fが外部に直接排出されることを効果的に遮断することができる。すなわち、直進性向が強くて瞬時に飛び出す火炎やスパークの性質を考慮すると、内部通路510の経路を一直線でない複数回折れ曲がるように構成すれば、ガス排出には大きな影響がない代わりに、火炎Fの直接的な噴出は効果的に制限することができる。また、火炎Fが移動する経路が長くなるので、移動する間火炎Fが弱まるかまたは消火し得る。すなわち、窒息消火(smothering extinguishment)効果が増大することができる。本実施形態により隔壁部530が追加されたベントユニット500はより増大した消火機能を備えることができる。
【0078】
一方、本発明に対する比較例としては、電池モジュールのエンドプレート自体に別の火炎排出経路を設ける形態がある。モジュールフレーム200の側面部210bに位置するベントユニット500に火炎排出経路を設けた本実施形態とは異なり、エンドプレート自体に火炎排出経路を設ける場合、火炎が移動する経路が短く、また、移動できる火炎の量も制限的である。経路が短くて移動量が制限的であるから、本実施形態に比べて窒息消火効果が不十分である。すなわち、発生した火炎が弱化または消火できず電池モジュールの外部に噴出する可能性が高くなる。これとは異なり、本実施形態によるベントユニット500は十分な長さと移動量を備えた火炎排出経路を形成できるという長所を有する。
【0079】
図10は本発明の変形された一実施形態によるベントユニットを示す斜視図である。
【0080】
図10を参照すると、本発明の変形された一実施形態によるベントユニット500’は、先立って説明したベントユニット500と同様に、内部通路510および内部通路510と連結されて一側に開口された排出口520を含む。ただし、内部通路510が形成する経路は直線につながることができる。すなわち、図8でのベントユニット500が複数の隔壁部530介して折れ曲がる経路を実現したこととは異なり、ベントユニット500’は火炎Fが直線経路に沿ってつながる。本実施形態によるベントユニット500’はより迅速に火炎Fの排出をするように設計された。
【0081】
以下では、図11および図12を参照して、本発明の一実施形態によるヒートシンクおよび熱伝導性樹脂層について詳しく説明する。
【0082】
図11図5の電池モジュールに含まれたヒートシンクを示す斜視図である。
【0083】
図5および図11を共に参照すると、本発明の一実施形態による電池モジュール100aは、下部フレーム210の下に位置するヒートシンク300をさらに含むことができる。ヒートシンク300は内部に冷媒が流れる部材であり、電池セル積層体120の冷却のために配置される。なお、前記冷媒は冷却のための媒介物であり、特に制限はないが、冷却水であり得る。すなわち、本実施形態による電池モジュールは水冷式冷却構造を有することができる。
【0084】
具体的には、本実施形態によるヒートシンク300は下部フレーム210の底部210aの下に位置することができる。ヒートシンク300と下部フレーム210の底部210aの間に冷媒流路が形成される。
【0085】
ヒートシンク300は、下部フレーム210の底部210aと接合される下部プレート310および下部プレート310から下部方向に陥没した陥没部320を含み得る。下部プレート310はヒートシンク300の骨格を形成し、下部フレーム210の底部210aに溶接の方法で直接接合される。
【0086】
陥没部320は下部方向に陥没した部分であり、冷媒流路が伸びる方向と垂直にxz平面やyz平面に切断した断面がU字型である管であり得、前記U字型の管の開放された上側に底部210aが位置する。陥没部320と底部210aの間の空間が冷媒が流動する領域、すなわち冷媒の流路となる。そのため、下部フレーム210の底部210aが前記冷媒と直接接触することができる。冷媒流入口(610,図12参照)を介して流入した冷媒は、陥没部320が形成する経路に沿って流れた後冷媒排出口(620,図12参照)を介して排出される。
【0087】
一方、陥没部320には、上部方向に突出した突出パターン300Dが形成される。本実施形態による電池セル積層体120のように積層される電池セルの個数が従来に比べて多く増える大面積電池モジュールの場合、冷媒流路の幅がさらに広く形成されることができ、温度偏差がより激しい。突出パターン300Dは冷却流路の幅を実質的に縮小させる効果をもたらして圧力降下を最小化して同時に冷媒流路幅間の温度偏差を減らすことができる。したがって、電池セル積層体120に対する均一な冷却効果を実現することができる。
【0088】
図12図5の電池モジュールに含まれた下部フレーム、第1熱伝導性樹脂層および第2熱伝導性樹脂層を示す斜視図である。
【0089】
図5および図12を参照すると、本実施形態による電池モジュール100aは、電池セル積層体120の下面と下部フレーム210の底部210aの間に位置する第1熱伝導性樹脂層710および第2熱伝導性樹脂層720をさらに含むことができる。
【0090】
第1熱伝導性樹脂層710および第2熱伝導性樹脂層720は、熱伝導性樹脂(Thermal resin)を含み得る。下部フレーム210の底部210aに前記熱伝導性樹脂が塗布されて第1熱伝導性樹脂層710および第2熱伝導性樹脂層720が形成される。前記熱伝導性樹脂は熱伝導性接着物質を含み得、具体的にはシリコーン(Silicone)素材、ウレタン(Urethan)素材およびアクリル(Acrylic)素材のうちの少なくとも一つを含み得る。このような前記熱伝導性樹脂は、塗布時には液状であるが、塗布後に硬化して電池セル積層体120を構成する一つ以上の電池セル110を固定する役割をすることができる。また、熱伝導特性に優れ、電池セル110で発生した熱を迅速に電池モジュール100aの外部に伝達して電池モジュールの過熱を防止することができる。
【0091】
第1熱伝導性樹脂層710および第2熱伝導性樹脂層720は電極リード111,112が突出する方向と平行な方向に沿って離隔して位置する。上述したように、電池セル積層体120で電極リード111,112がy軸方向と-y軸方向にそれぞれ突出する。第1熱伝導性樹脂層710および第2熱伝導性樹脂層720は電極リード111,112の突出方向に合わせて、y軸方向に沿って離隔して位置する。特に、第1熱伝導性樹脂層710および第2熱伝導性樹脂層720は下部フレーム210の底部210aでの対向する両辺にそれぞれ隣接するように位置し得る。
【0092】
本実施形態による電池モジュール100aは、第1熱伝導性樹脂層710および第2熱伝導性樹脂層720を電池セル110中の発熱が激しい部分に設けることによって、冷却能を集中させて、電池セル110の温度偏差を解消しようとした。そのため、本実施形態による電池モジュール100aでは電池セル110の発熱が激しい両端の部分で熱の発散が効果的に行われることができ、電池セル110に対して各部分間の温度偏差を最小化することができる。
【0093】
具体的には、電池セル110の発熱が激しい両端部で発生した熱は、第1熱伝導性樹脂層710または第2熱伝導性樹脂層720、下部フレーム210の底部210aおよびヒートシンク300を順に経て外部に排出される。
【0094】
一方、電池セル110の発熱が相対的に弱い中央部分では、熱伝導性樹脂が塗布されず、電池セル110と下部フレーム210の底部210aの間に一種の空気層が形成され得る。空気層が断熱層として機能して熱排出を相対的に制限する。
【0095】
上記のように、電池セル110の発熱が激しい部分と発熱が不十分な部分それぞれに対して熱排出程度を異なるように設計することによって、電池セル110の各部分間の温度偏差を解消しようとした。
【0096】
図13は本発明の一実施形態による電池パックを示す斜視図である。
【0097】
図5および図13を参照すると、本発明の一実施形態による電池パック1000は、電池モジュール100-1,100-2を含むことができる。電池モジュール100-1,100-2は複数で構成されることができ、それぞれベントユニット500を含むことができる。
【0098】
いずれか一つの電池モジュール100-1で火炎Fが発生する場合、火炎Fはベントユニット500の内部に流入して電池モジュール100-1の外部に排出される。いずれか一つの電池モジュール100-1の内部で火炎Fが発生しても、隣り合う他の電池モジュール100-2に火炎が伝播することを抑制または遅延することができる。特に、本実施形態による電池パック1000が車両に配置される場合、火炎Fの電波を遅延させて運転者が火災や爆発から待避できる時間的余裕を確保することができる。
【0099】
以下では、本発明の他の一実施形態による電池モジュール100bについて説明する。
【0100】
図14は本発明の他の一実施形態による電池モジュールを示す斜視図である。図15図14の電池モジュールに係る分解斜視図である。図16図15の電池モジュールに含まれた電池セルのうちの一つに係る斜視図である。
【0101】
図14および図15を参照すると、本発明の一実施形態による電池モジュール100bは、複数の電池セル110が積層された電池セル積層体120、電池セル積層体120を収納するモジュールフレーム200、電池セル積層体120の前面および/または後面をカバーするエンドプレート410,420を含む。より具体的には、電池モジュール100bは電池セル積層体120の前面をカバーする第1エンドプレート410および電池セル積層体120の後面をカバーする第2エンドプレート420を含み得る。
【0102】
一方、電池セル積層体120と第1エンドプレート410の間または電池セル積層体120と第2エンドプレート420の間のうちの少なくとも1ヶ所にバスバーフレーム900が位置し得る。このようなバスバーフレーム900上にバスバー910,920が取り付けられる。
【0103】
電池セル110は単位面積当たり積層される数を最大化できるパウチ型で提供される。パウチ型で提供される電池セル110は正極、負極および分離膜を含む電極組立体をラミネートシートのセルケース114に収納した後セルケース114のシーリング部を熱融着することによって製造される。しかし、電池セル110は必ずしもパウチ型で提供されるべきではなく、後に取り付けられるデバイスが要求する貯蔵容量が達成される水準下で角型、円筒型またはその他の多様な形態で提供されることもできることは自明である。
【0104】
図16を参照すると、電池セル110は2つの電極リード111,112を含み得る。電極リード111,112はセル本体113の一端からそれぞれ突出している構造を有することができる。具体的には、各電極リード111,112の一端は電池セル110の内部に位置することによって電極組立体の正極または負極と電気的に連結され、各電極リード111,112の他端は電池セル110の外部に導き出されることによって別途の部材、例えば、バスバー910,920と電気的に連結され得る。
【0105】
セルケース114内の電極組立体はシーリング部114sa,114sb,114scにより密封される。セルケース114のシーリング部114sa,114sb,114scは両端部114a,114bとこれらを連結する一側部114c上に位置する。
【0106】
セルケース114は一般に樹脂層/金属箔膜層/樹脂層のラミネート構造からなる。例えば、セルケースの表面がO(oriented)-ナイロン層で形成されている場合には、中大型電池モジュール100bを形成するために多数の電池セル110を積層する時、外部衝撃によって容易に滑る傾向がある。したがって、これを防止して電池セル110の安定した積層構造を維持するために、セルケース114の表面に両面テープなどの粘着式接着剤または接着時に化学反応によって結合される化学接着剤などの接着部材を付着して電池セル積層体120を形成することができる。
【0107】
連結部115は上述したシーリング部114sa,114sb,114scが位置していないセルケース114の一端で長手方向に沿って延びる領域を指すものである。連結部115の端部には電池セル110のバットイヤー(110p、bat-ear)が形成される。また、テラス(Terrace)部116はセルケース114の縁を基準として、セルケース114の外部にその一部が突出された電極リード111,112とセルケース114の内部に位置するセル本体113の間の領域を指すものである。
【0108】
一方、パウチ型で提供される電池セル110は長さ、幅および厚さを有することができ、電池セル110の長手方向、幅方向および厚さ方向は相互垂直な方向であり得る。
【0109】
ここで、電池セル110の長手方向は電極リード111,112がセルケース114から突出した方向により定義される。電池セル110の長手方向はx軸方向または-x軸方向と定義される。
【0110】
また、ここで、電池セル110の幅方向は図15に示すように、電池セル110の一側部114cから連結部115、または連結部115から一側部114cに向かうz軸方向または-z軸方向であり得る。また、ここで、電池セル110の厚さ方向は幅方向および長手方向と垂直なy軸方向または-y軸方向と定義される。
【0111】
電池セル積層体120は電気的に連結された複数の電池セル110が一方向に沿って積層されたものであり得る。複数の電池セル110が積層された方向(以下では「積層方向」と呼ぶ)は図14および図15に示すようにy軸方向(または-y軸方向であり得、以下で「軸方向」という表現は+/-方向をすべて含むと解釈される)であり得る。
【0112】
ここで、電池セル積層体120の前面から後面に向かう方向、またはその逆方向は電池セル積層体120の長手方向と定義され、x軸方向であり得る。また、電池セル積層体120の上面から下面に向かう方向、またはその逆方向は電池セル積層体120の幅方向と定義され、z軸方向であり得る。
【0113】
電池セル積層体120の長手方向は電池セル110の長手方向と実質的に同一であり得る。この時、電池セル積層体120の前面および後面には電池セル110の電極リード111,112が位置する。この時、電池モジュール100bのバスバー910,920は電極リード111,112との電気的な連結を容易に形成するように電池セル積層体120の前面および後面と近く配置される。
【0114】
モジュールフレーム200は電池セル積層体120およびこれと連結された電装品を外部の物理的衝撃から保護するためのものであり得る。モジュールフレーム200は電池セル積層体120およびこれと連結された電装品モジュールフレーム200の内部空間に収容する。ここで、モジュールフレーム200は内部面および外部面を含み、モジュールフレーム200の内部空間は内部面によって定義される。
【0115】
モジュールフレーム200の構造は多様である。一例として、モジュールフレーム200の構造はモノフレームの構造であり得る。ここで、モノフレームは上面、下面および両側面が一体化した金属板材の形態であり得る。モノフレームは押出成形で製造されることができる。他の例として、モジュールフレーム200の構造はU字型フレームと上部プレート(上面)が結合された構造であり得る。U字型フレームと上部プレートが結合された構造の場合、モジュールフレーム200の構造は下面および両側面が結合されたまたは一体化した金属板材であるU字型フレームの上側に上部プレートを結合して形成され、各フレームまたはプレートはプレス成形で製造される。また、モジュールフレーム200の構造はモノフレームまたはU字型フレームの他にL型フレームの構造で提供されることもでき、上述した例で説明していない多様な構造で提供されることもできる。
【0116】
モジュールフレーム200の構造は電池セル積層体120の長手方向に沿って開放された形態で提供される。電池セル積層体120の前面および後面はモジュールフレーム200により隠れない。電池セル110の電極リード111,112はモジュールフレーム200により隠れない。電池セル積層体120の前面および後面は後述するバスバーフレーム900、エンドプレート410,420またはバスバー910,920などによって隠れ、これにより電池セル積層体120の前面および後面は外部の物理的な衝撃などから保護される。
【0117】
一方、電池セル積層体120とモジュールフレーム200の内部面の一側面の間には圧縮パッド150が位置する。この時、圧縮パッド150は電池セル積層体120のy軸上に位置し、電池セル積層体120の両端にある2つの電池セル110のうちの少なくとも一つと面に対向する。
【0118】
また、図面に示していないが、電池セル積層体120とモジュールフレーム200の内部面の間には熱伝導性樹脂が注液され、注液された熱伝導性樹脂によって電池セル積層体120とモジュールフレーム200の内部面のうちの一側面の間に熱伝導性樹脂層(図示せず)が形成されることができる。この時、熱伝導性樹脂層は電池セル積層体120のz軸上に位置し得、前記熱伝導性樹脂層は電池セル積層体120とモジュールフレーム200の底面(または底部と呼ぶ)の間に形成されることができる。
【0119】
バスバーフレーム900は電池セル積層体120の一面上に位置し、電池セル積層体120の一面をカバーすると同時に電池セル積層体120と外部機器との連結を案内するためのものであり得る。バスバーフレーム900は電池セル積層体120の前面または後面上に位置する。バスバーフレーム900にはバスバー910,920およびモジュールコネクタのうちの少なくとも一つが取り付けられる。具体的な例を挙げると、図14および図15を参照すると、バスバーフレーム900の一面は電池セル積層体120の前面または後面と連結され、バスバーフレーム900の他面はバスバー910,920の連結される。
【0120】
バスバーフレーム900は電気的に絶縁である素材を含むことができる。バスバーフレーム900は、バスバー910,920が電極リード111,112と接合された部分の他に電池セル110の他の部分と接触することを制限することができ、電気的ショートが発生することを防止することができる。
【0121】
図面に示していないが、バスバーフレーム900は2つであり得、電池セル積層体120の前面上に位置する第1バスバーフレーム(図面番号900と呼ぶ)および電池セル積層体120の後面上に位置する第2バスバーフレーム(図示せず)を含むことができる。
【0122】
エンドプレート410,420はモジュールフレーム200の開放された面を密閉することによって、電池セル積層体120およびこれと連結された電装品を外部の物理的衝撃から保護するためのものであり得る。このためにエンドプレート410,420は所定の強度を有する物質で製造される。例えば、エンドプレート410,420はアルミニウムのような金属を含むことができる。
【0123】
エンドプレート410,420は電池セル積層体120の一面上に位置するバスバーフレーム900を覆い、かつモジュールフレーム200と結合(接合、密封または密閉)される。エンドプレート410,420の各エッジはモジュールフレーム200の対応するエッジと溶接などの方法で結合される。また、エンドプレート410,420とバスバーフレーム900の間には電気的絶縁のための絶縁カバー800が位置する。絶縁カバー800はエンドプレート410,420の内部面に位置し、エンドプレート410,420の内部面に密着されるが、必ずしもそうとは限らない。
【0124】
上述したように、エンドプレート410,420は2つであり得、電池セル積層体120の前面上に第1エンドプレート410が位置し、電池セル積層体120の後面上に第2エンドプレート420が位置する。
【0125】
第1エンドプレート410は電池セル積層体120の前面上で第1バスバーフレームを覆い、かつモジュールフレーム200と結合され、第2エンドプレート420は第2バスバーフレームを覆い、かつモジュールフレーム200と結合される。
【0126】
バスバー910,920はバスバーフレーム900の一面上に取り付けられ、電池セル110と外部機器回路を電気的に連結するためのものであり得る。バスバー910,920は電池セル110の電極リード111,112を介して電池セル積層体120と電気的に連結される。具体的には電池セル110の電極リード111,112はバスバーフレーム900に形成されたスリットを通過した後曲がってバスバー910,920と連結される。バスバー910,920により電池セル積層体120を構成する電池セル110が直列または並列に連結される。
【0127】
バスバー910,920は、一つの電池モジュール100bは他の電池モジュール100bを電気的に連結するためのターミナルバスバー920を含み得る。外部の他の電池モジュール100bと連結されるためにターミナルバスバー920の少なくとも一部はエンドプレート410,420の外部に露出され、エンドプレート410,420にはこのためのターミナルバスバー開口部H1が備えられる。
【0128】
ターミナルバスバー920は他のバスバー910とは異なり、上向きに突出部分をさらに含み得、突出部分はターミナルバスバー開口部H1を介して電池モジュール100bの外部に露出される。ターミナルバスバー920はターミナルバスバー開口部H1により露出した突出部分を介して他の電池モジュール100bやBDU(Battery Disconnect Unit)と連結され得、これらとHV(High voltage)連結を形成することができる。
【0129】
図面に示していないが、電池モジュール100bは電池セル110の過電圧、過電流、過発熱などの現象を検出して、制御するセンシング部材を含むことができる。センシング部材は電池モジュール内部の温度を感知する温度センサ、バスバー910,920の電圧値をセンシングするセンシング端子、収集されたデータを外部の制御装置に伝達し、外部の制御装置から信号を受信するモジュールコネクタおよび/またはこれを連結するための連結部材を含むことができる。
【0130】
ここで、連結部材は電池セル積層体120の上面で長手方向に沿って延びる形態に配置される。連結部材はフレキシブルプリント回路基板(FPCB:Flexible Printed Circuit Board)またはフレキシブルフラットケーブル(FFC:Flexible Flat Cable)であり得る。
【0131】
また、ここで、モジュールコネクタは温度センサおよび/またはセンシング端子から取得されたデータをBMS(Battery Management System)に伝送し、BMSは収集された電圧データに基づいて電池セル110の充電と放電を制御する。モジュールコネクタは上述したバスバーフレーム900に取り付けられる。モジュールコネクタの少なくとも一部はエンドプレート410,420の外部に露出され、エンドプレート410,420にはこれのためにモジュールコネクタ開口部(図示せず)が備えられる。このように、エンドプレート410,420にはターミナルバスバー開口部H1およびモジュールコネクタ開口部などが形成され、これらは「開口部」と総称される。
【0132】
一方、上述したように電池セル110が高い密度で積層された電池モジュール100bの内部では発火現象が現れ得る。一つの電池モジュール100bで発火現象が発生すると、上述した「開口部」を介してガスなどが排出されることによってターミナルバスバー920またはモジュールコネクタなどが損傷するか、または電池モジュール100bの熱、ガスまたは火炎などがそれと隣接する電池モジュール100bに伝達されることによって連続的な発火現象が発生する問題があった。
【0133】
したがって、以下では上記のような発火現象を解消することによって電池モジュール100bの耐久性および安定性を向上させるベントホール(venting hole、200H)およびベントユニット(venting unit、500)について説明する。
【0134】
再び図14および図15を参照すると、本実施形態のベントホール200Hはモジュールフレーム200およびエンドプレート410,420などによって密閉された電池モジュール100bの内部と電池モジュール100bの外部を連通するためのものであり得る。ベントホール200Hは電池モジュール100bの内部発火時に発生する熱、ガスまたは火炎などを電池モジュール100bの外部に排出するためのものであり得る。
【0135】
ベントホール200Hはモジュールフレーム200、第1エンドプレート410または第2エンドプレート420のうちの少なくとも一つに形成される。図14および図15に示す本実施形態によるベントホール200Hはモジュールフレーム200に形成される。ベントホール200Hはモジュールフレーム200の内部面に形成されたベントホール流入口および外部面に形成されたベントホール排出口を連通するホール(hole)であり得る。
【0136】
ベントホール200Hはモジュールフレーム200の少なくとも一面に形成される。例えば、図15に示すように、モジュールフレーム200のx軸上の2つの面が開放された状態である場合、ベントホール200Hはモジュールフレーム200はy軸上で互いに対向するように配置される2つの面およびz軸上で互い対向するように配置される2つの面のうちの少なくとも一面に形成される。ここで、モジュールフレーム200のy軸上で互いに対向する2つの面はモジュールフレーム200の側面と呼ぶ。モジュールフレーム200のz軸上で互いに対向する2つの面はモジュールフレーム200の上面または下面(底面または底部)と呼ぶ。ここで、モジュールフレーム200の側面は電池セル積層体120の幅方向または長手方向に沿って延びる面であり得、モジュールフレーム200の上面または下面は電池セル積層体120の積層方向または長手方向に沿って延びる面であり得る。
【0137】
ベントホール200Hはモジュールフレーム200上でx軸上の両端、すなわち、電池セル積層体120の前面または後面と近い位置に形成される。ベントホール200Hはバスバー910,920またはモジュールコネクタと近い位置に形成される。電池モジュール100b内部の熱、ガス、火炎などがバスバー910,920などに伝達される前にベントホール200Hを介して排出されると、開口部に排出されるガスの量を最小化することができ、熱などによってバスバー910,920またはモジュールコネクタが損傷することを防止することができる。
【0138】
ベントホール200Hの形状は多様である。例えば、図15に図示するようにベントホール200Hは狭くて長いスリット形状で提供される。ベントホール200Hが狭くて長いスリット形状で提供される場合、後述するベントユニット500による排出経路の切替えがより容易に達成される。
【0139】
ベントホール200Hの個数は一つ以上であり得る。例えば、図15に示すようにモジュールフレーム200の一面には一つのベントホール200Hが提供される。また、ベントホール200Hはモジュールフレーム200の一面上に複数で提供されることもできる。
【0140】
一方、電池モジュール100b内の熱、ガス火炎などがベントホール200Hを介して無分別に放出されると、排出されたガスなどが隣接する電池モジュール100bに発火現象を誘導し得る。したがって、本実施形態の電池モジュール100bにはベントホール200Hから排出されたガスの排出経路を案内するベントユニット500が提供されることが好ましい。
【0141】
図17は本発明の他の一実施形態による電池モジュールで火炎発生時のガスの排出経路を説明するための図であり、図18図17の電池モジュールを上から見た平面図である。
【0142】
図17および図18を参照すると、本実施形態のベントユニット500はベントホール200Hが形成されたモジュールフレーム200の一面上に取り付けられる。ベントユニット500は少なくとも一つのベントホール200Hと対応する。ベントユニット500の内部には電池モジュールの内部で発生したガスや火炎が通過できるように内部通路510が設けられる。内部通路510はベントホール200Hと連結され、ベントユニット500の一側に内部通路510と連結された排出口520が形成される。本実施形態で、内部通路510はベントユニット500の内部に設けられた空間を指し、ガスや火炎Fの排出経路を意味する。ベントユニット500は、ベントホール200Hから排出されたガスの排出方向を切替え、ガスの排出経路を制御する。
【0143】
ベントユニット500はモジュールフレーム200の一面を覆う形態で取り付けられる。ベントユニット500はモジュールフレーム200の一面に形成されたベントホール200Hを覆う形態で取り付けられるが、ベントホール200Hの開口を閉鎖するものではない。
【0144】
ここで、ベントユニット500は全体的に長さ、幅および厚さを有する直六面体の形状であり得る。その内部にガスや火炎が移動する内部通路510が設けられる。ベントユニット500はその厚さによりベントホール200Hの開口を閉鎖せず、開口を介して排出されるガスの方向を切替えることができる。ベントユニット500の厚さ値が大きいほどベントユニット500の安定性などは向上できるが、これによって電池モジュール100bの間の間隔、すなわち、電池パックの大きさが増加するので、ベントユニット500の厚さ値は適切に調節されなければならない。
【0145】
ベントユニット500はモジュールフレーム200と対向する一側が開放された状態であり得、その開放された面がモジュールフレーム200の一面に向かうように取り付けられる。ここで、ベントユニット500の長さおよび幅はモジュールフレーム200の長さおよび幅と類似の値を有し、モジュールフレーム200の一面を大部分、すなわち、80%以上覆う形態で提供される。ベントユニット500の幅値が小さいとベントホール200Hから吐出されるガスが狭い空間に位置するので圧力が増加し、長さ値が小さいとガスの排出経路が短く形成される。したがって、ベントユニット500はできるだけ大きく形成されることが好ましいが、上述したように全体的な電池パックのサイズ増加を考慮して設計されなければならない。しかし、このような説明がベントユニット500がモジュールフレーム200の一面の一部を隠すように提供される例示を排除するものではないので、設計上の理由によりベントユニット500がモジュールフレーム200の長さおよび幅より多少小さく提供されることもできる。
【0146】
ベントユニット500は外部にガスや火炎を排出する排出口520を含み得る。ベントユニット500の排出口520はベントユニット500の一面上に形成される。ベントユニット500の各面は上述した排出口520が提供された面以外には閉鎖面で形成されるか、またはモジュールフレーム200により閉鎖され得、これにより、ベントホール200Hを通過したガスなどが開放された排出口520側に集中することができる。
【0147】
例えば、図17に示すように、ベントホール200Hを通過したガスや火炎は第1排出方向(y軸方向)に沿って排出され、第1排出方向と垂直に位置するベントユニット500の一面と衝突した後、第1排出方向と異なる第2排出方向(x軸方向)に切替えられて排出口520に向かって移動する。このように、ベントユニット500はガスや火炎などの排出方向を切替えることができ、ガスや火炎が切替えられた方向に移動するように排出経路を案内することができる。この時、第1排出方向はベントホール200Hのベントホール流入口からベントホール排出口に向かう方向であり得る。また、この時、第2排出方向はベントユニット500の排出口520に向かう方向であり得る。
【0148】
ここで、排出口520はベントユニット500の一面上に形成されたホール形状で提供される。また、ここで、排出口520はベントユニット500の一面が除去されることによって開放されるベントユニット500の一面全体として提供されることもできる。ベントユニット500が開放された一面で提供される場合、ホール形状で提供される場合よりその排出口520の大きさが大きいので排出効果が向上する。
【0149】
排出口520はモジュールフレーム200に形成されたベントホール200Hと距離をおいて位置する。例えば、図17のように、ベントホール200Hが電池セル積層体120の前面/後面と近く位置するとき、排出口520は後面/前面と近く位置する。ベントホール200Hと排出口520はモジュールフレーム200の中心を基準として互いに逆方向に位置する。排出口520はベントユニット500でベントホール200Hと最も離隔した一面上に形成される。これはベントホール200Hを介して排出されたガスがベントユニット500の長手方向(x軸方向)に沿って移動することによってガスなどのエネルギが減少して、ベントユニット500を介して吐出されるガスの温度を多少低くするためである。ここで、モジュールフレーム200の中心はモジュールフレーム200の長手方向上の両端、すなわち、前面および後面から同じ距離だけ離隔したモジュールフレーム200の一地点を意味する。すなわち、モジュールフレーム200の中心は、第1エンドプレート410および第2エンドプレート420から同じ距離だけ離隔した地点であり得る。
【0150】
ベントユニット500は電池モジュール100bに複数で提供される。例えば、ベントホール200Hがモジュールフレーム200の異なる面、またはモジュールフレーム200の一面上で異なる方向に形成されるとき、ベントユニット500は異なる位置に形成されたベントホール200Hと対応するように複数で提供される。
【0151】
具体的な例を挙げると、電池モジュール100bで電池セル積層体120の前面および後面に位置した電極リード111,112またはこれと連結されるバスバー910,920などで発熱が起こりやすいので、ベントホール200Hはモジュールフレーム200でx軸上の両端(前側部および後側部)にすべて提供されることが好ましい。したがって、図18のように第1ベントホール200Haおよび第2ベントホール200Hbはモジュールフレーム200のx軸上の両端にそれぞれ位置し、第1ベントユニット500aおよび第2ベントユニット500bは第1ベントホール200Haおよび第2ベントホール200Hbと対応するようにモジュールフレーム200に提供される。
【0152】
この時、第1ベントホール200Haおよび第2ベントホール200Hbはモジュールフレーム200の前側部および後側部にそれぞれ形成され、これに対応するように提供される第1ベントユニット500aおよび第2ベントユニット500bの排出口520はそれぞれ後側部および前側部に位置する。そのため、第1ベントユニット500aが案内する排出経路と前記第2ベントユニット500bが案内する排出経路は互いに逆方向に向かうことができる。ここで、排出口520の位置を変更することによって第1ベントユニット500aおよび第2ベントユニット500bが案内する排出経路が互いに同じ方向に向かうように設計することもできるが、各ベントホール200Hから排出されるガスの排出経路が長く形成されるようにするためにはベントユニット500が図18のように設計されることが好ましい。
【0153】
具体的な他の例としては、モジュールフレーム200の前側部および後側部に形成された第1ベントホール200Haおよび第2ベントホール200Hbはモジュールフレーム200の同じ一面に位置することもできるが、それぞれ異なる一面に位置することもできる。例えば、図18のように第1ベントホール200Haおよび第2ベントホール200Hbはモジュールフレーム200の2つの側面にそれぞれ形成され、そのため、第1ベントユニット500aおよび第2ベントユニット500bもモジュールフレーム200の2つの側面にそれぞれ取り付けられる。2つのベントホール200Hが一つの面に形成される場合と比較して、2つの面にそれぞれ位置すると、それぞれのベントホール200Hを大きく形成できるので、ガスの排出がより円滑になる。
【0154】
一方、上述した図面ではベントホール200Hがモジュールフレーム200の側面に形成され、これに対応するベントユニット500がモジュールフレーム200の側面に取り付けられるものを基準として説明したが、必ずしもそうとは限らない。ベントホール200Hはモジュールフレーム200の一面に制限なく位置することができ、ベントホール200Hが形成されたモジュールフレーム200の一面にはベントユニット500が取り付けられることができる。
【0155】
図19は本発明の一実施形態による電池モジュールの変形例を示す斜視図であり、図20図19の電池モジュールを上から見た平面図である。
【0156】
図19および図20を参照すると、本実施形態のベントホール200Hはモジュールフレーム200の上面に形成されることができ、これに対応するベントユニット500はモジュールフレーム200の上面に取り付けられる。モジュールフレーム200の上面は一方向に沿って並んで積層された多数の電池セル110のそれぞれと対向するので、図19のベントホール200Hおよびベントユニット500は各電池セル110から放出される熱、ガスおよび火炎などを迅速に外部に排出することができる。
【0157】
ベントホール200Hおよびベントユニット500がモジュールフレーム200の上面に提供される場合、ベントホール200Hを通過したガスは第1排出方向(z軸方向)に沿って排出され、第1排出方向と垂直に位置するベントユニット500の一面と衝突した後、第1排出方向と異なる第2排出方向(x軸方向)に切替えられて内部通路510に沿って移動した後排出口520に向かって移動する。このように、ベントユニット500はガスや火炎の排出方向を切替えられることができ、ガスや火炎の排出経路を案内することができる。
【0158】
上述したようにベントホール200Hはx軸上の両端にそれぞれ形成されることが好ましく、ベントホール200Hはモジュールフレーム200の上面で前側部および後側部にそれぞれ形成されることができる。この時、第1ベントユニット500aおよび第2ベントユニット500bはモジュールフレーム200の上面で第1ベントホール200Haおよび第2ベントホール200Hbと対応するように提供される。
【0159】
モジュールフレーム200の両側面にそれぞれ提供される2つのベントホール200Hおよび2つのベントユニット500と比較して、図19および図20のベントホール200Hおよびベントユニット500の大きさは多少小さいこともあるが、モジュールフレーム200の上面に位置したベントホール200Hは多数の電池セル110から放出される熱、ガスおよび火炎などを迅速に排出できるので、その効果上の差は多少補完されることもできる。
【0160】
一方、通常電池モジュール100bの内部で熱暴走現象が発生すると、熱、ガスまたは火炎によって電池モジュール100bの内部構成が損傷して副産物および有害物質が発生し得る。このような副産物および有害物質が電池モジュール100bの外部に放出されると副産物および有害物質が隣接する電池モジュール100bに影響を与えるか、またはユーザーの呼吸器に流入して健康上の被害を誘発し得る。
【0161】
電池モジュール100b内部の熱暴走現象は主に電池セル積層体120の両端である電極リード111,112またはバスバー910,920の周辺で発生し、バスバー910,920の周辺にはプラスチック、FPC wire、電池セル110構成物質、その他の複合材料が多数配置されるので、粒子が大きな副産物および有害物質が他の位置より多く発生し得る。したがって、本実施形態のベントユニット500にはこのような副産物および有害物質の放出を防止するフィルタ540が提供されることが好ましい。
【0162】
図21および図22は本発明の一実施形態によるベントユニットの一例の斜視図である。
【0163】
図21および図22を参照すると、本実施形態のベントユニット500にはフィルタ540が提供されることができる。フィルタ540はベントユニット500の内部通路510が案内する排出経路上に複数で提供され、複数のフィルタ540は間隔を置いて配置される。フィルタ540は排出口520との距離を基準として第1フィルタ541、第2フィルタ542および第3フィルタ543と呼び、設計によって第1フィルタ541のみ提供されるか、または第1フィルタ541および第2フィルタ542のみ提供されることができる。また、フィルタ540が提供される個数は制限がなく、設計によって第4フィルタ、第5フィルタ、またはその他のフィルタなどがさらに提供されることもできる。
【0164】
図22を参照すると、複数のフィルタ540は副産物および有害物質をより効果的に濾すために、互いに異なる大きさの気孔を有するものが提供されることができる。具体的には、第1フィルタ541の気孔大きさ(pore size)は第2フィルタ542の気孔大きさより大きく、第2フィルタ542の気孔大きさは第3フィルタ543の気孔大きさより大きくてもよい。相対的に大きさが大きな流出物の放出を第1フィルタ541が先に防止することによって、フィルタ540の目的をより効果的に達成することができる。
【0165】
フィルタ540は放出されるガス、火炎および熱によって損傷しないように所定の範囲以上の溶融点を有する物質で製造される。例えば、フィルタ540の製造に使用される物質の溶融点は300℃以上であり得る。他の例としては、フィルタ540は提供される位置によって溶融点が異なる物質で製造されることもできる。具体的には、第1フィルタ541に使用される物質の溶融点は第2フィルタ542に使用される物質の溶融点より高く、第2フィルタ542に使用される物質の溶融点は第3フィルタ543に使用される物質の溶融点より高くてもよい。
【0166】
フィルタ540は金属で製造される。例えば、フィルタ540はメタルシートで提供されることができる。
【0167】
フィルタ540は放熱性能を有する物質で製造される。例えば、フィルタ540はシリコンで製造されることができる。
【0168】
フィルタ540は難燃性物質で製造される。例えば、フィルタ540は不燃性プラスチック、GFRP(Glass fiber reinforced plastics)、CFRP(Carbon fiber reinforced plastics)を含むことによって、シートまたは網として提供されることができる。
【0169】
フィルタ540は消火性能を有する物質を含む。例えば、フィルタ540は消火薬剤を含むことができる。消火薬剤は電池モジュール100bの内部発火時の熱分解反応により二酸化炭素および水蒸気を発生させることができ、発生した二酸化炭素および水蒸気は外部の酸素が電池モジュール100bの内部に流入することを防止することによって火炎を抑制することができる。消火薬剤は吸熱反応である熱分解反応を行うことによって電池モジュール内で発生した熱を吸収することができ、二酸化炭素および水蒸気を発生させることによって外部の酸素供給もまた、遮断することができる。例えば、フィルタ540は無機炭酸塩、無機リン酸塩、および無機硫酸塩からなる群より選ばれる一つ以上の消火薬剤を含むことができる。消火薬剤物質のより具体的な例としては炭酸水素ナトリウム(NaHCO)、炭酸水素カリウム(KHCO)、リン酸アンモニウム(NHPO)、および炭酸水素カリウム(KHCO)と尿素((NHCO)の混合物などであり得る。
【0170】
ここで、フィルタ540は金属またはプラスチックなどの網として提供され、網の気孔に消火薬剤が満たされるように提供されることもできるが、必ずしもそうとは限らない。
【0171】
上述した例示によってフィルタ540の物性が制限されるものではないので、フィルタ540はこれと異なる物質によって製造されることも可能である。本実施形態において、フィルタ540は消炎網として提供できる物質および形態をすべて含むと解釈されなければならない。
【0172】
一方、電池モジュール100bに取り付けられるベントユニット500は溶接などによりモジュールフレーム200の一面に固定結合されることもできるが、着脱式で結合されることもできる。ベントユニット500が着脱式で結合可能な場合、ユーザーが所望する位置にベントユニット500が取り付けられるか、または必要に応じて取り付けられたベントユニット500が除去されることができる。また、ベントユニット500の損傷、例えば、上述したフィルタ540の損傷によってベントユニット500を容易に交換することができる。
【0173】
図23は本発明の一実施形態によるベントユニットの一結合方式を説明するための図であり、図24図23のB-Bに沿って切断した断面図である。
【0174】
図23および図24を参照すると、本実施形態のベントユニット500はスライディング方式で電池モジュール100bと結合されることができる。モジュールフレーム200に形成されたスロット200Sとベントユニット500に形成された突出部550の結合によって、モジュールフレーム200とベントユニット500はスライディング方式で結合される。
【0175】
モジュールフレーム200はベントユニット500と連結されるためのスロット200Sを含み得る。スロット200Sはモジュールフレーム200の長手方向に沿って延びて形成される。
【0176】
スロット200Sはベントユニット500が取り付けられるモジュールフレーム200の一面と隣接する2つの面に形成される。例えば、ベントユニット500がモジュールフレーム200の側面に取り付けられる場合、スロット200Sはモジュールフレーム200の上面および下面に形成される。他の例としては、ベントユニット500がモジュールフレーム200の上面に取り付けられる場合、スロット200Sはモジュールフレーム200の2つの側面に形成される。
【0177】
ベントユニット500は、スロット200Sの溝に収容され、スロット200Sに沿って長手方向上のスライディング可能な突出部550を含み得る。
【0178】
突出部550はベントユニット500の一面からモジュールフレーム200に向かって延びる一面に形成される。例えば、ベントユニット500がモジュールフレーム200の側面に取り付けられる場合、突出部550はベントユニット500のz軸上で互いに対向する2つの面からモジュールフレーム200が位置する方向に延びた拡張面上に形成される。ここで、ベントユニット500の拡張面はモジュールフレーム200の上面または下面の一部と対応し、拡張面のうちのモジュールフレーム200の上面または下面と対応する位置に突出部550が形成される。
【0179】
突出部550はスロット200Sの形状と対応する形状を有する。例えば、図24のように、スロット200Sの断面がラウンド形状を有すると、突出部550の断面もまた、これと対応するラウンド形状を有することができる。また、スロット200Sの断面が角ばった形状を有すると、突出部550の断面もまた、これと対応する角ばった形状を有することができる。
【0180】
スライディング方式の結合後に、ユーザーの意図とは異なり、モジュールフレーム200とベントユニット500が分離されることを防止するためにモジュールフレーム200とベントユニット500に別途の部材または構成などが付加されることができる。例えば、モジュールフレーム200に形成されたスロット200Sの長手方向上の末端には係止部/溝部が形成され、ベントユニット500に形成された突出部550の長手方向上の末端には溝部/係止部が形成される。モジュールフレーム200のスロット200Sに沿ってベントユニット500の突出部550はスライディング可能であるが、上述したスロット200Sに溝部/係止部が形成された位置に至ると突出部550の係止部/溝部が互いに噛み合うことによってその追加的な移動が多少防止される。他の例としては、モジュールフレーム200またはベントユニット500には2つの部材の相対的な移動を防止する結合部材が追加で提供され、結合部材によってモジュールフレーム200とベントユニット500の間の追加的な移動が防止されることもできる。
【0181】
本実施形態で前、後、左、右、上、下のような方向を示す用語が使用されたが、このような用語は説明の便宜のためのものであり、対象になる事物の位置や観測者の位置などによって変わり得る。
【0182】
前述した本実施形態による一つまたはそれ以上の電池モジュールは、BMS(Battery Management System)、BDU(Battery Disconnect Unit)、冷却システムなどの各種制御および保護システムと共に取り付けられて電池パックを形成することができる。
【0183】
前記電池モジュールや電池パックは多様なデバイスに適用することができる。具体的には、電気自転車、電気自動車、ハイブリッドなどの運送手段やESS(Energy Storage System)に適用できるが、これに制限されず、二次電池を使用できる多様なデバイスに適用することが可能である。
【0184】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、次の特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0185】
100a,100b 電池モジュール
200 モジュールフレーム
200H ベントホール
410 第1エンドプレート
420 第2エンドプレート
410H,420H ベントホール
500 ベントユニット
図1
図2(a)】
図2(b)】
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
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