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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-10
(45)【発行日】2025-01-21
(54)【発明の名称】電池パックおよびこれを含むデバイス
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/35 20210101AFI20250114BHJP
   H01M 50/308 20210101ALI20250114BHJP
【FI】
H01M50/35 201
H01M50/308
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2023539041
(86)(22)【出願日】2022-08-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-09
(86)【国際出願番号】 KR2022012219
(87)【国際公開番号】W WO2023022487
(87)【国際公開日】2023-02-23
【審査請求日】2023-06-23
(31)【優先権主張番号】10-2021-0107933
(32)【優先日】2021-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0102059
(32)【優先日】2022-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ヨンホ・チュン
(72)【発明者】
【氏名】ジュファン・シン
(72)【発明者】
【氏名】テキョン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ビュン・ド・ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ヒョンスク・イ
(72)【発明者】
【氏名】ドンヒョン・キム
【審査官】小森 重樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-198570(JP,A)
【文献】特開2019-220478(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0112768(KR,A)
【文献】特開2020-194719(JP,A)
【文献】国際公開第2014/125807(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/30-50/392
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池セルを収容し、前記電池セルから生成されたガスが排出される電池モジュール;
前記電池モジュールを収容し、一面に前記電池モジュールで排出されたガスが排出される排出口を備えるパックハウジング
記パックハウジングの外面で前記排出口を覆い、前記パックハウジングの外面に結合し、前記パックハウジング内部のガスを排出するベンティング部材;および
前記パックハウジングと前記ベンティング部材を結合させる締結部;を含み、
前記ベンティング部材は、前記パックハウジングの外面に着脱可能に結合し、
前記締結部は、前記ベンティング部材を貫通するボルト部、および前記ボルト部が挿入されて締結されるナット部を含み、
前記ボルト部または前記ナット部のうちのいずれか一つは前記パックハウジングの一面に付着して固定された状態であり、他の一つは前記パックハウジングの外部で前記ボルト部または前記ナット部のうちのいずれか一つと着脱可能に締結される電池パック。
【請求項2】
前記ボルト部は、前記パックハウジングの一面に接触して結合する固定ボルト部を含み、
前記ナット部は、前記パックハウジングの外部で前記固定ボルト部と着脱可能に締結される外部ナット部を含む、請求項に記載の電池パック。
【請求項3】
前記パックハウジングにはハウジングホールが形成され、
前記固定ボルト部は、前記パックハウジングの内面に接触して結合しながら、前記ハウジングホールを通過する、請求項に記載の電池パック。
【請求項4】
前記固定ボルト部は、前記パックハウジングの内面に接触して結合するヘッド部、および前記ヘッド部から伸び、前記ハウジングホールを通過するねじ部を含む、請求項に記載の電池パック。
【請求項5】
前記固定ボルト部は、前記パックハウジングの外面に接触して結合する、請求項に記載の電池パック。
【請求項6】
前記ベンティング部材に貫通ホールが形成され、
前記固定ボルト部は、前記貫通ホールを通過して前記外部ナット部と締結される、請求項に記載の電池パック。
【請求項7】
前記固定ボルト部は、溶接接合または接着剤により前記パックハウジングの一面に結合する、請求項に記載の電池パック。
【請求項8】
前記ナット部は、前記パックハウジングの内面に接触して結合する固定ナット部を含み、
前記ボルト部は、前記パックハウジングの外部で前記固定ナット部と着脱可能に締結される外部ボルト部を含む、請求項に記載の電池パック。
【請求項9】
前記パックハウジングにハウジングホールが形成され、
前記固定ナット部が、前記ハウジングホールを覆うように前記パックハウジングの内面に接触して結合する、請求項に記載の電池パック。
【請求項10】
前記固定ナット部は、内部面にねじ山が形成された柱形状の本体部、および前記本体部から伸び、前記パックハウジングの内面に接触して結合する付着部を含む、請求項に記載の電池パック。
【請求項11】
前記ベンティング部材に貫通ホールが形成され、
前記外部ボルト部が前記貫通ホールと前記ハウジングホールを順次に通過して前記固定ナット部と締結される、請求項に記載の電池パック。
【請求項12】
前記固定ナット部は、溶接接合または接着剤により前記パックハウジングの内面に結合する、請求項に記載の電池パック。
【請求項13】
電池セルを収容し、前記電池セルから生成されたガスが排出される電池モジュール;
前記電池モジュールを収容し、一面に前記電池モジュールで排出されたガスが排出される排出口を備えるパックハウジング;および
前記パックハウジングの外面で前記排出口を覆い、前記パックハウジングの外面に結合し、前記パックハウジング内部のガスを排出するベンティング部材;を含み、
前記ベンティング部材は、前記パックハウジングの外面にスライディング方式で着脱可能に結合する、電池パック。
【請求項14】
電池セルを収容し、前記電池セルから生成されたガスが排出される電池モジュール;
前記電池モジュールを収容し、一面に前記電池モジュールで排出されたガスが排出される排出口を備えるパックハウジング;および
前記パックハウジングの外面で前記排出口を覆い、前記パックハウジングの外面に結合し、前記パックハウジング内部のガスを排出するベンティング部材;を含み、
前記ベンティング部材は、前記パックハウジングの外面に着脱可能に結合し、
前記パックハウジングは、一端部が前記パックハウジングの外面に固定された組立部材を含み、
前記ベンティング部材には組立溝が形成され、前記組立部材には組立突起が形成され、
前記組立部材が前記ベンティング部材が位置した方向に回転し、前記組立突起が前記組立溝に嵌合しながら、前記組立部材と前記ベンティング部材が結合する、電池パック。
【請求項15】
前記ベンティング部材は、ベンティングホールが形成されたベンティングキャップ、前記パックハウジングに接触するサポートリング、および前記ベンティングキャップと前記サポートリングとの間に位置した破裂部を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の電池パック。
【請求項16】
前記パックハウジングの開放された上部を覆うパックハウジングカバーをさらに含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の電池パック。
【請求項17】
請求項1~12のいずれか一項に記載の電池パックを含むデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願との相互引用]
本出願は、2021年8月17日付韓国特許出願第10-2021-0107933号および2022年8月16日付韓国特許出願第10-2022-0102059号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として組み含まれる。
【0002】
本発明は、電池パックおよびこれを含むデバイスに関し、より具体的にはガス排出のためのベンティング装置を備えた電池パックおよびこれを含むデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
現代社会では、携帯電話、ノートパソコン、カムコーダ、デジタルカメラなどの携帯型機器の使用が日常的になることに伴い、このようなモバイル機器と関連した分野の技術に対する開発が活発になってきている。また、充放電が可能な二次電池は、化石燃料を使用する既存のガソリン車両などの大気汚染などを解決するための方案として、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(P-HEV)などの動力源として利用されているところ、二次電池に対する開発の必要性が高まっている。
【0004】
現在商用化された二次電池としては、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などがあるが、このうちリチウム二次電池は、ニッケル系の二次電池に比べてメモリ効果がほとんど起こらず、充放電が自由であり、自己放電率が非常に低く、エネルギー密度が高いという長所のため、脚光を浴びている。
【0005】
このようなリチウム二次電池は、主にリチウム系酸化物と炭素材をそれぞれ正極活物質と負極活物質として使用する。リチウム二次電池は、このような正極活物質と負極活物質がそれぞれ塗布された正極板と負極板がセパレータを間に置いて配置された電極組立体と、電極組立体を電解液と共に密封収納する電池ケースとを備える。
【0006】
一般的にリチウム二次電池は、外装材の形状により、電極組立体が金属カンに内装されているカン型二次電池と、電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチに内装されているパウチ型二次電池とに分類され得る。
【0007】
小型機器に利用される二次電池の場合、2~3個の電池セルが配置されるが、自動車などのような中大型デバイスに利用される二次電池の場合は、多数の電池セルを電気的に連結した電池モジュール(Battery module)が利用される。このような電池モジュールは、多数の電池セルが互いに直列または並列に連結されて電池セル積層体を形成することによって容量および出力が向上する。また、一つ以上の電池モジュールは、BMS(Battery Management System)、冷却システムなどの各種制御および保護システムと共に装着されて電池パックを形成することができる。
【0008】
二次電池は、適正温度より高くなる場合、二次電池の性能が低下することがあり、激しい場合は爆発や発火の危険もある。特に、多数の電池モジュールが集まった電池パックは、多数の電池セルから出る熱が狭い空間で合算されて温度が速くかつ激しく上がることがある。言い換えると、多数の電池セルが積層された電池モジュールとこのような電池モジュールが装着された電池パックの場合、高い出力を得ることができるが、充電および放電時に電池セルで発生する熱を除去することが容易でない。電池セルの放熱が良好になされない場合、電池セルの劣化が速くなって寿命が短くなり、爆発や発火の可能性が大きくなる。
【0009】
さらに、車両用電池パックに含まれる電池モジュールの場合、直射光線に頻繁に露出され、夏季や砂漠地域のような高温条件に置かれることがある。したがって、電池モジュールや電池パック内部で熱暴走(thermal runaway)現象が発生する場合に備えて、高温の内部ガスを排出することができるベンティング装置を電池パックに設ける必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明が解決しようとする課題は、一体化したベンティング装置を電池パックの外側で装着および脱着が可能なように構成することで、組立に対する便宜性と熱暴走(thermal runaway)現象に対する安全性を確保した電池パックおよびこれを含むデバイスを提供することにある。
【0011】
しかし、本発明の実施形態が解決しようとする課題は、前述した課題に限定されず、本発明に含まれている技術的な思想の範囲で多様に拡張され得る。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施形態による電池パックは、電池セルを収容し、前記電池セルから生成されたガスが排出される電池モジュール;前記電池モジュールを収容し、一面に前記電池モジュールで排出されたガスが排出される排出口を備えるパックハウジング;および前記パックハウジングの外面で前記排出口を覆い、前記パックハウジングの外面に結合し、前記パックハウジング内部のガスを排出するベンティング部材を含む。前記ベンティング部材は、前記パックハウジングの外面に着脱可能に結合する。
【0013】
前記電池パックは、前記パックハウジングと前記ベンティング部材を結合させる締結部を含むことができる。前記締結部は、前記ベンティング部材を貫通するボルト部、および前記ボルト部が挿入されて締結されるナット部を含むことができる。前記ボルト部または前記ナット部のうちのいずれか一つは前記パックハウジングの一面に接触して結合することができ、他の一つは前記パックハウジングの外部で前記ボルト部または前記ナット部のうちのいずれか一つと着脱可能に締結され得る。
【0014】
前記ボルト部は、前記パックハウジングの一面に接触して結合する固定ボルト部を含むことができ、前記ナット部は、前記パックハウジングの外部で前記固定ボルト部と着脱可能に締結される外部ナット部を含むことができる。
【0015】
前記パックハウジングにはハウジングホールが形成され得、前記固定ボルト部は、前記パックハウジングの内面に接触して結合しながら、前記ハウジングホールを通過することができる。
【0016】
前記固定ボルト部は、前記パックハウジングの内面に接触して結合するヘッド部、および前記ヘッド部から伸び、前記ハウジングホールを通過するねじ部を含むことができる。
【0017】
前記固定ボルト部は、前記パックハウジングの外面に接触して結合することができる。
【0018】
前記ベンティング部材に貫通ホールが形成され得、前記固定ボルト部は、前記貫通ホールを通過して前記外部ナット部と締結され得る。
【0019】
前記固定ボルト部は、溶接接合または接着剤により前記パックハウジングの一面に結合することができる。
【0020】
前記ナット部は、前記パックハウジングの内面に接触して結合する固定ナット部を含むことができ、前記ボルト部は、前記パックハウジングの外部で前記固定ナット部と着脱可能に締結される外部ボルト部を含むことができる。
【0021】
前記パックハウジングにハウジングホールが形成され得、前記固定ナット部が、前記ハウジングホールを覆うように前記パックハウジングの内面に接触して結合することができる。
【0022】
前記固定ナット部は、内部面にねじ山が形成された柱形状の本体部、および前記本体部から伸び、前記パックハウジングの内面に接触して結合する付着部を含むことができる。
【0023】
前記ベンティング部材に貫通ホールが形成され得、前記外部ボルト部が前記貫通ホールと前記ハウジングホールを順次に通過して前記固定ナット部と締結され得る。
【0024】
前記固定ナット部は、溶接接合または接着剤により前記パックハウジングの内面に結合することができる。
【0025】
前記ベンティング部材は、前記パックハウジングの外面にスライディング方式で着脱可能に結合することができる。
【0026】
前記パックハウジングは、一端部が前記パックハウジングの外面に固定された組立部材を含むことができる。前記ベンティング部材には組立溝が形成され得、前記組立部材には組立突起が形成され得る。前記組立部材が前記ベンティング部材が位置した方向に回転し、前記組立突起が前記組立溝に嵌合しながら、前記組立部材と前記ベンティング部材が結合することができる。
【0027】
前記ベンティング部材は、ペンティンホルが形成されたベンティングキャップ、前記パックハウジングに接触するサポートリング、および前記ベンティングキャップと前記サポートリングとの間に位置した破裂部を含むことができる。
【0028】
前記電池パックは、前記パックハウジングの開放された上部を覆うパックハウジングカバーをさらに含むことができる。
【0029】
本発明の一実施形態によるデバイスは、前記電池パックを含むことができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明の実施形態によれば、内部ガスを排出するベンティング部材を電池パックの外側で装着および脱着が可能なように構成することで、組立の便宜性を確保することができる。
【0031】
また、ガス排出機能に問題があるベンティング部材を簡単に交替することができるため、熱暴走(thermal runaway)現象に対する安全性を高めることができる。
【0032】
また、既に密封が完了した電池パックに対して密封を解除することなく、ベンティング部材を交替することができるため、費用節減が可能であり、製造加工性を高めることができる。
【0033】
本発明の効果は、以上で言及した効果に制限されず、言及されていないまた他の効果は特許請求の範囲の記載から当業者に明確に理解され得るだろう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明の一実施形態による電池パックを示す斜視図である。
図2図1の「A」部分を他の角度で拡大して示す分解斜視図である。
図3図2の切断線B-B’に沿って切断した断面を示す断面図である。
図4図2の切断線B-B’に沿って切断した断面を示す断面図である。
図5a】本発明の一実施形態による固定ボルト部とパックハウジングを拡大した図面である。
図5b】本発明の他の一実施形態による固定ボルト部とパックハウジングを拡大した図面である。
図6】本発明の一実施形態によるベンティング部材を示す側面図である。
図7】本発明の一実施形態によるベンティング部材を示す分解斜視図である。
図8】本発明の他の一実施形態によるベンティング部材およびパックハウジングを示す分解斜視図である。
図9図8の切断線C-C’に沿って切断した断面を示す断面図である。
図10図8の切断線C-C’に沿って切断した断面を示す断面図である。
図11】本発明の他の一実施形態による固定ナット部とハウジングホールを拡大した図面である。
図12】本発明の比較例によるベンティング部材を示す部分斜視図である。
図13】本発明の比較例によるベンティング部材を示す部分斜視図である。
図14】本発明の他の一実施形態によるベンティング部材とパックハウジングを示す断面斜視図である。
図15】本発明の他の一実施形態によるベンティング部材とパックハウジングを示す断面図である。
図16】本発明の他の一実施形態によるベンティング部材とパックハウジングを示す断面斜視図である。
図17】本発明の他の一実施形態によるベンティング部材とパックハウジングを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、添付した図面を参照して本発明の多様な実施形態について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳細に説明する。本発明は、多様な異なる形態に実現することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0036】
本発明を明確に説明するために、説明上不要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付した。
【0037】
また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは、説明の便宜のために任意に示したため、本発明が必ずしも図示されたところに限定されるのではない。図面において、複数の層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして図面において、説明の便宜のために、一部の層および領域の厚さを誇張して示した。
【0038】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上」にあるという時、これは他の部分の「直上」にある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。反対に、ある部分が他の部分の「直上」にあるという時には中間にまた他の部分がないことを意味する。また、基準となる部分の「上」にあるということは、基準となる部分の上または下に位置することであり、必ずしも重力反対方向に向かって「上」に位置することを意味するのではない。
【0039】
また、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」という時、これは特に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除外せず、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0040】
また、明細書全体において、「平面上」という時、これは対象部分を上方から見た時を意味し、「断面上」という時、これは対象部分を垂直に切断した断面を側方から見た時を意味する。
【0041】
図1は本発明の一実施形態による電池パックを示す斜視図である。図2図1の「A」部分を他の角度で拡大して示す分解斜視図である。
【0042】
図1および図2を参照すれば、本発明の一実施形態による電池パック1000は、電池セル(図示せず)を収容し、前記電池セルから生成されたガスが排出される電池モジュール100、電池モジュール100を収容し、一面に電池モジュール100で排出されたガスが排出される排出口200Pを備えるパックハウジング200、およびパックハウジング200の外面で排出口200Pを覆い、パックハウジング200の外面に結合し、パックハウジング200内部のガスを排出するベンティング部材300を含む。ベンティング部材300は、パックハウジング200の外面に着脱可能に結合する。
【0043】
以下、パックハウジング200の外面に着脱可能に結合するベンティング部材300の一実施形態として、締結部を活用した結合方式について具体的に説明する。
【0044】
本実施形態による電池パック1000は、パックハウジング200とベンティング部材300を結合させる締結部400a、500aをさらに含むことができる。
【0045】
電池モジュール100は、内部に複数の電池セル(図示せず)を含むことができる。具体的に図示していないが、このような電池セルは、パウチ型二次電池セル、角型二次電池セルまたは円筒型二次電池セルであり得る。
【0046】
電池モジュール100は、複数個がパックハウジング200に収納され得る。一例として、図1には4個の電池モジュール100が配置されたものが表示されている。このような電池モジュール100は、マウンティング部材100Mを通じてパックハウジング200に固定され得る。
【0047】
パックハウジング200は、上部が開放された構造物であり得、パックハウジングカバー600がパックハウジング200の開放された上部を覆うことができる。本実施形態による電池パック1000は、内部シーリングのためにパックハウジング200とパックハウジングカバー600との間に位置したシーリング部材700を含むことができる。このように、電池モジュール100が収納されるパックハウジング200とパックハウジングカバー600との間の空間は密閉され得る。前述したとおり、前記電池セルに熱暴走(thermal runaway)現象などが発生する場合、高温のガスが多量生成されて電池モジュール100から排出され、密閉されたパックハウジング200内部の圧力が上昇する。内部ガスを排出するためにパックハウジング200にベンティング部材300が設けられる。
【0048】
以下、図2乃至図4を参照して、本実施形態によるベンティング部材300および締結部400a、500aについて詳細に説明する。
【0049】
図3および図4図2の切断線B-B’に沿って切断した断面を示す断面図である。具体的には、図3は本実施形態によるベンティング部材300がパックハウジング200に結合した状態を示す断面図であり、図4は説明の便宜のために本実施形態によるベンティング部材300がパックハウジング200に結合していない状態を示す分解断面図である。
【0050】
図2乃至図4を参照すれば、本実施形態によるベンティング部材300は、パックハウジング200の外側で締結部400a、500aを通じてパックハウジング200に装着される。パックハウジング200の一面には貫通した形態の排出口200Pが形成され、ベンティング部材300はパックハウジング200の外面で排出口200Pを覆うように、パックハウジング200に結合することができる。本明細書上でパックハウジング200の外面は、電池モジュール100が収納されるパックハウジング200内部の空間でなく外部空間に向かう一面を称し、パックハウジング200の内面は、電池モジュール100が収納されるパックハウジング200内部の空間に向かう他の一面を称する。
【0051】
電池パック1000内部で、熱暴走(thermal runaway)現象などにより高温のガスが発生することがある。熱暴走(thermal runaway)現状の一つの例示は次のとおりである。過充電をはじめとして電池セルに物理的、熱的、電気的損傷が発生し、電池セルの内部圧力が増加することがある。一例として、電池セルがパウチ型二次電池セルである場合、電池セルのパウチ型セルケースの融着強度限界値を超えて、電池セルで発生した高温の熱、ベンティングガスなどが電池セルの外部に噴出されることがある。
【0052】
ある一つの電池セルで発生した熱暴走現象は、対流効果により他の電池セルに拡大することがあり、結局、電池モジュール100内部で高温のガスと火炎が発生することがある。発生した高温のガスと火炎は、となりの電池モジュールのまた他の熱暴走現象を誘導することがある。終局的には電池パック1000内部に高温のガスが多量発生することがある。密閉された電池パック1000内部で発生した高温のガスは、排出口200Pとベンティング部材300を通じて外部に噴出され得る。
【0053】
この時、本実施形態によるベンティング部材300は、パックハウジング200の外側でパックハウジング200から着脱が可能である。具体的には、本実施形態による締結部は、ベンティング部材300を貫通するボルト部、および前記ボルト部が挿入されて締結されるナット部を含む。前記ボルト部または前記ナット部のうちのいずれか一つはパックハウジング200の一面に接触して結合し、他の一つはパックハウジング200の外部で前記ボルト部または前記ナット部のうちのいずれか一つと着脱可能に締結され得る。
【0054】
まず、本発明の一実施形態として、パックハウジング200の一面に接触して結合したボルト部と、パックハウジング200の外部でボルト部と着脱可能に締結されたナット部について説明する。
【0055】
本実施形態によるボルト部は、パックハウジング200の一面に接触して結合する固定ボルト部(fixed bolt part)400aを含むことができ、ナット部はパックハウジング200の外部で固定ボルト部400aと着脱可能に締結される外部ナット部(outer nut part)500aを含むことができる。本実施形態による固定ボルト部400aは、既にパックハウジング200に付着して固定された状態であり得る。
【0056】
ベンティング部材300は、パックハウジング200の外側でこのような固定ボルト部400aと組立てられ得る。ベンティング部材300に貫通ホール300Hが形成され得、固定ボルト部400aは貫通ホール300Hを通過し、パックハウジング200の外側に位置した外部ナット部500aと締結され得る。具体的に図示していないが、固定ボルト部400aの外面と外部ナット部500aの内面にそれぞれねじ山が形成され、固定ボルト部400aと外部ナット部500aとの間のボルト/ナット結合が行われる。このような方式で、本実施形態によるベンティング部材300がパックハウジング200に装着され得る。
【0057】
以下、固定ボルト部400aがパックハウジング200に接触して結合した形態について詳細に説明する。
【0058】
図5aは本発明の一実施形態による固定ボルト部とパックハウジングを拡大した図面である。具体的には、固定ボルト部400aがパックハウジング200に付着および固定される前の状態を示した。
【0059】
図5aを参照すれば、パックハウジング200にはハウジングホール200Hが形成され得、固定ボルト部400aはパックハウジング200の内面200Nに接触して結合しながら、ハウジングホール200Hを通過することができる。より具体的には、固定ボルト部400aは、パックハウジング200の内面200Nに接触して結合するヘッド部420a、およびヘッド部420aから伸び、ハウジングホール200Hを通過するねじ部410aを含むことができる。
【0060】
ねじ部410aがハウジングホール200Hを通過して、パックハウジング200の外面で外側に向かうことができる。具体的に図示していないが、ねじ部410aの外周面にねじ山が形成され得る。ヘッド部420aは、パックハウジング200に付着され得る。図5aに示されたように、ヘッド部420aがハウジングホール200Hを囲んだ付着領域ADに接触して結合することによって、固定ボルト部400aがパックハウジング200に付着および固定され得る。例えば、固定ボルト部400aは、溶接接合または接着剤によりパックハウジング200の内面200Nに結合することができる。特に、ヘッド部420aがパックハウジング200の内面200Nの付着領域ADに溶接接合または接着剤より結合することができる。
【0061】
図5bは本発明の他の一実施形態による固定ボルト部とパックハウジングを拡大した図面である。図5bを参照すれば、本発明の他の実施形態として、固定ボルト部400aは、パックハウジング200の外面200Uに接触して結合することができる。具体的には、パックハウジング200にハウジングホールが形成されず、固定ボルト部400aがパックハウジング200の外面200Uに直ちに付着される方式である。固定ボルト部400aは、ねじ部410aとヘッド部420aを含むことができ、ヘッド部420aがパックハウジング200の外面200Uに接触して結合することができる。例えば、溶接接合または接着剤によりヘッド部420aがパックハウジング200の外面200Uの付着領域ADに結合することができる。
【0062】
図3および図4を再び参照すれば、本実施形態によるベンティング部材300は、固定ボルト部400aと外部ナット部500aとの間の結合を解除することによって、簡単に着脱が可能である。このようにベンティング部材300がパックハウジング200の外側で簡単に脱着および付着が可能な構造であるため、後述するベンティング部材300の作動以降の場合、またはベンティング部材300に異物が混入されたり作動に問題がある場合に、ベンティング部材300を簡単に交替することができる。ベンティング部材300の装着が解除されても、固定ボルト部400aはパックハウジング200に続いて付着および固定されている。固定ボルト部400aがパックハウジング200に固定されているため、ベンティング部材300を交替する過程でパックハウジングカバー(図1参照)600を開放する必要がない。つまり、パックハウジング200とパックハウジングカバー600との間の密閉状態を維持したままベンティング部材300の交替が可能であるという長所がある。
【0063】
以下、図6および図7を参照して、本実施形態によるベンティング部材300について詳細に説明する。
【0064】
図6は本発明の一実施形態によるベンティング部材を示す側面図である。図7は本発明の一実施形態によるベンティング部材を示す分解斜視図である。
【0065】
図6および図7図4と共に参照すれば、本発明の一実施形態によるベンティング部材300は、ベンティングキャップ310、サポートリング320、破裂板330、ガスケット340、保護リング350および密封リング360を含むことができる。パックハウジングからサポートリング320、破裂板330、保護リング350、密封リング360、ガスケット340およびベンティングキャップ310が順次に位置することができる。
【0066】
ベンティングキャップ310は、ベンティング部材300のうちパックハウジングに最も遠く位置する部材であり、内部ガス排出のためのベンティングホール310VHが形成され得る。図7には格子形態のベンティングホール310VHが形成されたものと示されているが、ベンティングホール310VHの形態に特別な制限はない。
【0067】
サポートリング320は、ベンティング部材300のうちパックハウジングに最も近く位置してパックハウジングに接触する部材であり、ベンティングキャップ310などの部材がパックハウジングに装着される前に予め組立てられ得る。装着時、逆圧(Back pressure)を支持する機能を担当する。
【0068】
破裂板330は、ベンティングキャップ310とサポートリング320との間に位置し、圧力上昇時に破裂される部材であり得る。正常作動状態では、破裂板330により塞がってベンティング部材300が作動しない。つまり、パックハウジング200の排出口200Pは破裂板330により塞がっており、パックハウジング200の内部は密閉された状態である。その後、ガスが発生し、内部圧力が発生して破裂板330が破裂されることによって、ベンティング部材300が作動、つまり、ベンティング部材300を通じてガスが排出され得る。一例として、破裂板330は、逆圧が0.1BAR以上、正圧は0.2BAR以上である場合、破裂して作動するように設計され得る。
【0069】
ガスケット340は、ベンティングキャップ310装着時に気密維持のためのものであって、ベンティングキャップ310と破裂板330との間に位置することができる。ガスケット340は、ベンティングキャップ310の外周と対応する形状で備えられて、気密性を高めることができる。
【0070】
保護リング350は、振動保護および異物浸透防止のためのものであって、一例として、テフロン(Teflon)素材を含むことができる。密封リング360は、破裂板330を通じた浸水防止および密封性向上のために配置された部材である。
【0071】
一方、前述したとおり、ベンティング部材300には固定ボルト部400aが通過する貫通ホール300Hが形成されるが、ベンティングキャップ310に第1貫通ホール300H1が形成され、サポートリング320に第2貫通ホール300H2が形成され、破裂板330に第3貫通ホール300H3が形成され得る。一例として、図7には第1貫通ホール300H1、第2貫通ホール300H2および第3貫通ホール300H3のそれぞれが6個ずつ形成されたものが示されている。ベンティング部材300で、このような第1貫通ホール300H1、第2貫通ホール300H2および第3貫通ホール300H3が互いに対応するように、ベンティングキャップ310、サポートリング320および破裂板330が密着され、最終的に本実施形態による貫通ホール300Hが形成され得る。つまり、本実施形態による固定ボルト部400aは、第2貫通ホール300H2、第3貫通ホール300H3および第1貫通ホール300H1を順次に通過することができる。
【0072】
以下、図8乃至図10を参照して、本発明の他の一実施形態によるベンティング部材と締結部について詳細に説明する。
【0073】
図8は本発明の他の一実施形態によるベンティング部材およびパックハウジングを示す分解斜視図である。図9および図10図8の切断線C-C’に沿って切断した断面を示す断面図である。具体的には、図9は本実施形態によるベンティング部材300がパックハウジング200に結合した状態を示す断面図であり、図10は説明の便宜のために本実施形態によるベンティング部材300がパックハウジング200に結合していない状態を示す分解断面図である。
【0074】
図8乃至図10を参照すれば、本発明の他の一実施形態によるベンティング部材300は、パックハウジング200の外側でパックハウジング200に装着されるという点で、図2乃至図4と共に前述したベンティング部材300と同一である。ベンティング部材の構成自体に関する説明も図6および図7を参照した説明と重複するため省略する。
【0075】
図8乃至図10に示された実施形態によれば、ベンティング部材300は、締結部400b、500bによりパックハウジング200に結合することができる。本実施形態による締結部は、ベンティング部材300を貫通するボルト部、および前記ボルト部が挿入されて締結されるナット部を含む。本発明の他の一実施形態として、パックハウジング200の一面に接触して結合したナット部と、パックハウジング200の外部でナット部と着脱可能に締結されたボルト部について説明する。
【0076】
本発明の他の一実施形態によるナット部は、パックハウジング200の内面に接触して結合する固定ナット部(fixed nut part)500bを含むことができ、ボルト部は、パックハウジング200の外部で固定ナット部500bと着脱可能に締結される外部ボルト部(outer bolt part)400bを含むことができる。本実施形態による固定ナット部500bは、既にパックハウジング200に付着して固定された状態であり得る。
【0077】
具体的には、パックハウジング200にハウジングホール200Hが形成され得、固定ナット部500bがこのようなハウジングホール200Hを覆うようにパックハウジング200の内面に接触して結合することができる。パックハウジング200の外側でベンティング部材300を通 過した外部ボルト部400bはこのような固定ナット部500bと組立てられ得る。ベンティング部材300に貫通ホール300Hが形成され得、外部ボルト部400bが貫通ホール300Hとハウジングホール200Hを順次に通過して、固定ナット部500bと締結され得る。具体的に図示していないが、外部ボルト部400bの外面と固定ナット部500bの内面にそれぞれねじ山が形成され、外部ボルト部400bと固定ナット部500bとの間のボルト/ナット結合が行われる。このような方式で、本実施形態によるベンティング部材300がパックハウジング200に装着され得る。
【0078】
図11は本発明の他の一実施形態による固定ナット部とハウジングホールを拡大した図面である。具体的には、固定ナット部500bがパックハウジング200に付着および固定される前の状態を示した。
【0079】
図11を参照すれば、本発明の他の一実施形態による固定ナット部500bは、内部面にねじ山が形成された柱形状の本体部510b、および本体部510bから伸び、パックハウジング200の内面200Nに接触して結合する付着部520bを含むことができる。前述したとおり、ベンティング部材300の貫通ホール300Hとパックハウジング200のハウジングホール200Hを順次に通過した外部ボルト部400bが本体部510bに挿入され、ボルト/ナット結合が行われ得る。
【0080】
付着部520bは、本体部510bの開口領域の外周に形成された部材であり、パックハウジング200の内面200Nに付着され得る。付着部520bがハウジングホール200Hを囲んだ付着領域ADに付着されることによって、固定ナット部500bがハウジングホール200Hを覆い、パックハウジング200に付着および固定され得る。例えば、固定ナット部500bが溶接接合または接着剤によりパックハウジング200の内面200Nに結合することができる。特に、付着部520bがパックハウジング200の付着領域ADに溶接接合または接着剤より付着され得る。
【0081】
本実施形態によるベンティング部材300は、外部ボルト部400bと固定ナット部500bとの間の結合を解除することによって、簡単に脱着が可能である。このようにベンティング部材300がパックハウジング200の外側で簡単に脱着および付着が可能な構造であるため、ベンティング部材300の作動以降の場合、またはベンティング部材300に異物が混入されたり作動に問題がある場合に、簡単に交替が可能である。ベンティング部材300の装着が解除されても、固定ナット部500bはパックハウジング200に続いて付着および固定されている。固定ナット部500bがパックハウジング200に固定されているため、ベンティング部材300を交替する過程でパックハウジングカバー600(図1参照)を開放する必要がない。つまり、パックハウジング200とパックハウジングカバー600との間の密閉状態を維持したままベンティング部材300の交替が可能であるという長所がある。
【0082】
以下、図12および図13に示された本発明の比較例によるベンティング部材の装着方式と比較して、本発明の実施形態によるベンティング部材装着方式が有する長所について再び説明する。
【0083】
図12および図13は、それぞれ本発明の比較例によるベンティング部材を示す部分斜視図である。
【0084】
まず、図12を参照すれば、本比較例によるベンティング部材30は、パックハウジング20内部にある内部部材30Nと共に組立てられる形態で、パックハウジング20に装着される。具体的には、ベンティング部材30は、排気ホールが形成された外部部材31、ボルト40と組立てられる組立部材32、および外部部材31と組立部材32との間に配置される破裂板33を含むことができる。パックハウジング20の内部に内部部材30Nとボルト40が位置し、ボルト40が内部部材30Nとパックハウジング20を通過してベンティング部材30と組立てられる。ボルト40は、パックハウジング20に結合されたり固定された状態ではない。
【0085】
このような、ベンティング部材30を交替するためには、パックハウジング20内部に位置したボルト40を締め、緩める過程が必須である。つまり、一次的にボルト40を緩めて交替するベンティング部材30の装着を解除し、次に、新たなベンティング部材30を組立てるために再びボルト40を締めなければならない。本比較例によるボルト40はパックハウジング20に固定および付着された形態ではない。もし、パックハウジング20とパックハウジングカバー(図示せず)が結合して、電池パックの密封が完了した状態であれば、ベンティング部材30を交替するためにパックハウジング20とパックハウジングカバー(図示せず)との間の密封を再び解除して、電池パックの内部を開ける追加的な過程が必要である。つまり、ベンティング部材30の交替のためにパックハウジング20とパックハウジングカバー(図示せず)との間の結合を再び解除しなければならない面倒さがある。これは費用と工程の全ての側面で不利な構造である。
【0086】
次に、図13を参照すれば、本比較例によるベンティング部材30’は、先に説明したベンティング部材30と類似して、パックハウジング20’内部にあるボルト40’でパックハウジング20’に装着される。具体的には、ベンティング部材30’は、排気ホールが形成された外部部材31’、組立部材32’および外部部材31’と組立部材32’との間に配置される破裂板33’を含むことができる。ベンティング部材30’は、パックハウジング20’に形成された排出口20P’と対応する位置で装着される。パックハウジング20’の内部にボルト40’が位置し、ボルト40’がパックハウジング20’を通過してベンティング部材30’と組立てられる。同様に、ボルト40’はパックハウジング20’に結合されたり固定された状態ではない。
【0087】
このような、ベンティング部材30’を交替するためには、パックハウジング20’内部に位置したボルト40’を締め、緩める過程が必要である。つまり、一次的にボルト40’を緩めて交替するベンティング部材30’の装着を解除し、次に、新たなベンティング部材30’を組立てるために再びボルト40’を締めなければならない。つまり、本比較例によるボルト40’は、パックハウジング20に固定および付着された形態ではない。もし、パックハウジング20’とパックハウジングカバー(図示せず)が結合して、電池パックの密封が完了した状態であれば、ベンティング部材30’を交替するために、パックハウジング20’とパックハウジングカバー(図示せず)との間の密封を解除して、電池パックの内部を開け、ベンティング部材の交替後にパックハウジング20とパックハウジングカバー(図示せず)を再び組立てる追加的な過程が必要である。つまり、図12の比較例と同様に、ベンティング部材30’の交替のためにパックハウジング20’とパックハウジングカバー(図示せず)との間の結合を再び解除しなければならない面倒さがある。これは費用と工程の全ての側面で不利な構造である。
【0088】
反面、前記比較例とは異なり、本実施形態によるベンティング部材300は、パックハウジング200に結合した状態の固定ボルト部400a(図2参照)や固定ナット部500b(図8参照)を利用して装着される構造である。したがって、ベンティング部材300を交替する時、パックハウジング200内部に位置した固定ボルト部400aや固定ナット部500bを調整する必要がない。言い換えると、ベンティング部材300を交替するために、パックハウジング200とパックハウジングカバー600との間の結合を解除する必要がない。ベンティング部材300を交替するために電池パックを再び開放する必要がないとのことである。本実施形態による電池パックは、前記比較例とは異なり、問題が発生したベンティング部材300を電池パックの密封なしでも、簡単に交替することができるため、費用節減や管理の側面で有利な長所を有する。
【0089】
以下、パックハウジング200の外面に着脱可能に結合するベンティング部材300の一実施形態として、スライディング結合方式について具体的に説明する。
【0090】
図14および図15は、それぞれ本発明の他の一実施形態によるベンティング部材とパックハウジングを示す断面斜視図と断面図である。特に図15は、図14のベンティング部材とパックハウジングが結合した状態を示す。
【0091】
図14および図15を参照すれば、本発明の他の一実施形態によるベンティング部材300は、パックハウジング200の外面にスライディング方式で着脱可能に結合することができる。具体的にベンティング部材300とパックハウジング200のうちのいずれか一つにスライディング溝が形成され、他の一つにスライディング突出部が形成され得、スライディング突出部はこのようなスライディング溝にスライディング方式で結合することができる。
【0092】
一例として、図14図15にはベンティング部材300にスライディング溝300SGが形成され、パックハウジング200の外面にスライディング突出部200SPが形成されたものが示されている。スライディング突出部200SPは、スライディング溝300SGの内部形状に対応するように突出した形状を有する。スライディング突出部200SPは、接着剤などを通じてパックハウジング200の外面に付着して、パックハウジング200の外面に固定された状態であり得る。
【0093】
スライディング突出部200SPとスライディング溝300SGは共に一方向に沿ってつながる形態であるため、スライディング突出部200SPが前記一方向に沿ってスライディング溝300SGの内部に挿入されながら、スライディング方式の結合が行われ得る。また、ベンティング部材300がパックハウジング200の外面に結合した後、ベンティング部材300が前記一方向と反対方向に移動しながらベンティング部材300とパックハウジング200との間の結合が解除され得る。
【0094】
このようにベンティング部材300がパックハウジング200の外側でスライディング方式で簡単に脱着および付着される構造を実現することができる。したがって、ベンティング部材300の作動以降の場合、またはベンティング部材300に異物が混入されたり作動に問題がある場合に、ベンティング部材300を簡単に交替することができる。ベンティング部材300の装着が解除されても、スライディング突出部200SPはパックハウジング200に続いて付着および固定されている。
【0095】
このようなベンティング部材300のスライディング結合方式により、ベンティング部材300を交替する過程でパックハウジングカバー600(図1参照)を開放する必要がない。つまり、パックハウジング200とパックハウジングカバー600との間の密閉状態を維持したままベンティング部材300の交替が可能であるという長所がある。
【0096】
一方、ベンティング部材300にスライディング溝300SGが形成され、パックハウジング200にスライディング突出部200SPが形成された実施形態だけ示したが、反対にベンティング部材300にスライディング突出部が形成され、パックハウジング200の外面にスライディング溝が形成された場合も可能であることはもちろんである。
【0097】
以下、パックハウジング200の外面に着脱可能に結合するベンティング部材300の一実施形態として、物理的結合方式について具体的に説明する。
【0098】
図16および図17は、それぞれ本発明の他の一実施形態によるベンティング部材とパックハウジングを示す断面斜視図と断面図である。特に図17は、図16のベンティング部材とパックハウジングが結合した状態を示す。
【0099】
図16および図17を参照すれば、本実施形態によるパックハウジング200は、一端部がパックハウジング200の外面に固定された組立部材200aを含むことができる。ベンティング部材300には組立溝300AGが形成され、組立部材200aにはこのような組立溝300AGに嵌合する組立突起200APが形成され得る。
【0100】
組立部材200aがベンティング部材300が位置した方向に回転し、組立突起200APが組立溝300AGに嵌合しながら、組立部材200aとベンティング部材300が結合することができる。組立部材200aの一端部は接着剤などを通じてパックハウジング200の外面に付着して、組立部材200aがパックハウジング200の外面に固定された状態であり得る。また、組立部材200aは回転可能な形態を有する一例として、ヒンジ構造を有することができる。他の例示として、組立部材200aの一部分が厚さが薄い部分を有し、前記薄い部分を中心に回転するように構成され得る。
【0101】
組立部材200aは一対が備えられることが好ましい。一対の組立部材200aは、ベンティング部材300を間に置いて互いに反対側に位置することができる。一対の組立部材200aに対応して、組立溝300AGもベンティング部材300に一対が備えられることが好ましい。組立部材200aがベンティング部材300と結合する時、一対の組立部材200aは互いに反対方向、つまり、ベンティング部材300が位置した方向に回転し、一対の組立部材200aの組立突起200APが一対の組立溝300AGのそれぞれに嵌合しながら結合が行われ得る。
【0102】
一方、図示されているように、組立部材200Aから垂直に突出した部分が形成され、組立突起200APは前記突出した部分から垂直に突出した部分であり得る。また、組立溝300AGは、パックハウジング200の外面と垂直な方向に湾入された溝であり得る。このような形態で組立突起200APと組立溝300AGが嵌合してこそベンティング部材300がパックハウジング200の外面に結合および固定され得る。特に、組立部材200aに所定の力を加えて、組立突起200APが組立溝300AGに加圧して挿入され得る。
【0103】
また、ベンティング部材300がパックハウジング200の外面に結合した後、組立部材200aがベンティング部材300が位置した方向と反対方向に回転しながらベンティング部材300とパックハウジング200との間の結合が解除され得る。組立部材200aに所定の力を加えて、組立突起200APが組立溝300AGから加圧して離脱され得る。
【0104】
このように組立部材200aの物理的結合方式を通じて、ベンティング部材300がパックハウジング200の外側で簡単に脱着および付着される構造を実現することができる。したがって、ベンティング部材300の作動以降の場合、またはベンティング部材300に異物が混入したり作動に問題がある場合に、ベンティング部材300を簡単に交替することができる。ベンティング部材300の装着が解除されても、組立部材200aはパックハウジング200に続いて付着および固定されている。
【0105】
このようなベンティング部材300と組立部材200aとの間の物理的結合方式により、ベンティング部材300を交替する過程でパックハウジングカバー600(図1参照)を開放する必要がない。つまり、パックハウジング200とパックハウジングカバー600との間の密閉状態を維持したままベンティング部材300の交替が可能であるという長所がある。
【0106】
一方、図1を再び参照すれば、本実施形態による電池パック1000は、BDU(Battery Disconnect Unit)モジュール800、BMS(Battery Management System)モジュール900、および冷却システムなどの各種制御および保護システムを含むことができる。BDUモジュール800は、電池モジュール100とHV(High Voltage)ラインは形成し、デバイスの電力系統に電源を安定的に供給または遮断して事故電流が発生した時、デバイスの電力系統を保護する機能を担当する。BMSモジュール900は、電池モジュール100とLV(Low Voltage)ラインは形成し、測定された温度や電圧のデータに基づいて各電池モジュール100の温度や電圧などを管理する機能を担当する。
【0107】
前記電池パックは、多様なデバイスに適用され得る。具体的には、電気自転車、電気自動車、ハイブリッドなどの運送手段やESS(Energy Storage System)に適用され得るが、これに制限されず、二次電池を使用することができる多様なデバイスに適用可能である。
【0108】
本実施形態で前、後、左、右、上、下のような方向を示す用語が使用されているが、このような用語は説明の便宜のためのものに過ぎず、対象となる事物の位置や観測者の位置などにより変わり得る。
【0109】
以上で本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の多様な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0110】
1000:電池パック
100:電池モジュール
200:パックハウジング
300:ベンティング部材
400a:固定ボルト部
400b:外部ボルト部
500a:外部ナット部
500b:固定ナット部
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17