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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-10
(45)【発行日】2025-01-21
(54)【発明の名称】化粧品提供システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20250114BHJP
   A45D 44/00 20060101ALI20250114BHJP
【FI】
G06Q50/10
A45D44/00 A
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022543721
(86)(22)【出願日】2020-04-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-03
(86)【国際出願番号】 KR2020005277
(87)【国際公開番号】W WO2021194004
(87)【国際公開日】2021-09-30
【審査請求日】2023-03-22
(31)【優先権主張番号】10-2020-0037839
(32)【優先日】2020-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】514112488
【氏名又は名称】エルジー・エイチアンドエイチ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(74)【代理人】
【識別番号】100195796
【弁理士】
【氏名又は名称】塩尻 一尋
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ヒュン・キュ・キム
(72)【発明者】
【氏名】キョン・シク・ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ジュン・ヨン・イ
(72)【発明者】
【氏名】キョン・ウォン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ホ・イ
【審査官】中野 修平
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-500611(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0033906(KR,A)
【文献】土居 元紀 MOTONORI DOI,色インタフェース,ヒューマンインタフェース学会誌 Vol.16 No.4 Journal of Human Interface Society,日本,特定非営利活動法人ヒューマンインタフェース学会,第16巻
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
A45D 44/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧品を提供するディスペンサーと、
前記化粧品に対する情報を含むコードを生成して前記ディスペンサーに伝送する端末機と、を含み、
前記ディスペンサーは、
前記端末機から受信したコードを復号してそれに対応する化粧品を提供し、
前記化粧品に対する情報を含むコードは、
現在色相、目標色相、化粧品タイプ、容量および追加成分を含む群から選択された少なくとも一つ以上の情報を含み、
前記コードは、前記化粧品に対する情報を含む文字を含み、
前記端末機は、
前記生成されたコードと、
前記生成されたコードに対応する化粧品が使用される場合の予測結果であるシミュレーションを表示し、
前記端末機は、
ユーザイメージにおいて対象領域を白黒に変換した後アルファ値処理を行ったイメージに目標色相に対応するHSL色相のイメージを合成することによりシミュレーションを表示し、
前記アルファ値処理は、変換された対象領域に含まれたピクセルのそれぞれの明るさに基づいてアルファ値を算出することである、化粧品提供システム。
【請求項2】
前記化粧品に対する情報を含むコードは、
前記化粧品の製造方法を算出するために必要な情報が含まれたコードであり、
文字そのものが化粧品の製造方法を算出するために必要な情報を表わすことを特徴とする、請求項1に記載の化粧品提供システム。
【請求項3】
前記ディスペンサーは、
前記ディスペンサーの貯蔵部に貯蔵されているコード解釈テーブルを利用して復号することを特徴とする、請求項1に記載の化粧品提供システム。
【請求項4】
化粧品に対する情報を含むコードは、
現在色相、目標色相、化粧品タイプ、容量および追加成分を含む群から選択された少なくとも一つ以上の情報を含むことを特徴とする、請求項3に記載の化粧品提供システム。
【請求項5】
前記化粧品に対する情報を含むコードは、
吐出するカートリッジおよび吐出量情報が含まれたコードであることを特徴とする、請求項1に記載の化粧品提供システム。
【請求項6】
前記ディスペンサーは、
前記端末機から受信したコードを、カラーを表わす製品コードと使用感を表わすファクターコードとに分析し、分析された各製品コードとファクターコードを解釈可能に変換することによって復号することを特徴とする、請求項1に記載の化粧品提供システム。
【請求項7】
前記端末機は、
前記コードを生成する時、ユーザ情報がさらに含まれるように前記コードを生成する、請求項1に記載の化粧品提供システム。
【請求項8】
前記ディスペンサーは、
前記コードに含まれたユーザ情報に基づいて前記化粧品に含まれるべき化粧品組成物を選択する、請求項7に記載の化粧品提供システム。
【請求項9】
前記端末機は、
色相テーブルを表示し、
前記色相テーブルから開始地点および終了地点が入力されると、前記開始地点として選択された色相が現在色相であり、前記終了地点として選択された色相が目標色相である前記コードを生成する、請求項1に記載の化粧品提供システム。
【請求項10】
前記端末機は、
前記色相テーブルと、
前記色相テーブルのうち一地点が前記現在色相であり、前記色相テーブルのうち他地点が前記目標色相である場合のコードを生成するコード生成方法を貯蔵している、請求項9に記載の化粧品提供システム。
【請求項11】
前記端末機は、前記生成されたコードを表示する、請求項1に記載の化粧品提供システム。
【請求項12】
前記端末機は、
前記生成されたコードに対応する化粧品が現在色相に使用される場合、発色すると予想される予想色相を表示する、請求項1に記載の化粧品提供システム。
【請求項13】
前記端末機は、
前記生成されたコードに対応する化粧品が前記現在色相以外の他の色相に使用される場合、発色すると予想される予想色相をさらに表示する、請求項12に記載の化粧品提供システム。
【請求項14】
端末機が現在色相および目標色相の入力を受けるステップと、
前記端末機が前記現在色相に対する情報および前記目標色相に対する情報を含むコードを生成するステップと、
前記端末機が生成されたコードをディスペンサーに伝送するステップと、
前記ディスペンサーが前記端末機から受信したコードに対応する化粧品を提供するステップと、を含み、
前記コードは、
現在色相、目標色相、化粧品タイプ、容量および追加成分を含む群から選択された少なくとも一つ以上の情報を含み、
前記コードは、前記化粧品に対する情報を含む文字を含み、
前記端末機は、
前記生成されたコードと、
前記生成されたコードに対応する化粧品が使用される場合の予測結果であるシミュレーションを表示し、
前記端末機は、
ユーザイメージにおいて対象領域を白黒に変換した後アルファ値処理を行ったイメージに目標色相に対応するHSL色相のイメージを合成することによりシミュレーションを表示し、
前記アルファ値処理は、変換された対象領域に含まれたピクセルのそれぞれの明るさに基づいてアルファ値を算出することである、化粧品提供システムの動作方法。
【請求項15】
現在色相および目標色相が入力される入力部と、
前記入力部を介して入力された現在色相に対する情報および目標色相に対する情報を含むコードを生成する制御部と、
生成されたコードに対応する化粧品が提供されるように前記生成されたコードをディスペンサーに伝送する通信部と、を含む端末機において
前記コードは、
現在色相、目標色相、化粧品タイプ、容量および追加成分を含む群から選択された少なくとも一つ以上の情報を含み、
前記コードは、前記化粧品に対する情報を含む文字を含み、
前記端末機は、
前記生成されたコードと、
前記生成されたコードに対応する化粧品が使用される場合の予測結果であるシミュレーションを表示し、
前記端末機は、
ユーザイメージにおいて対象領域を白黒に変換した後アルファ値処理を行ったイメージに目標色相に対応するHSL色相のイメージを合成することによりシミュレーションを表示し、
前記アルファ値処理は、変換された対象領域に含まれたピクセルのそれぞれの明るさに基づいてアルファ値を算出することである、端末機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、化粧品提供システムに関するものであり、より詳しくは、化粧品を提供するディスペンサーと、ディスペンサーと通信する端末機から構成される化粧品提供システムおよび化粧品提供システムの動作方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、ビューティー産業の発展に伴い化粧品の種類が非常に多様化した。例えば、皮膚のタイプによって乾性肌用、中性肌用および脂性肌用等の化粧品があり、皮膚の色相によってベージュ色、ピンクベージュ色等の化粧品があり、機能によって美白用、シワ改善用および紫外線遮断用等の化粧品が多様に存在している。
【0003】
しかし、ユーザ毎に異なる皮膚(毛髪)特性または色相等を有しているので、多様な化粧品の提供だけでは、全てのユーザのニーズを合わせるには限界がある。即ち、ユーザ毎に皮膚(毛髪)特性または色相によって必要とする化粧品組成物の成分と含有量が異なり、既成化粧品だけでは全てのユーザのニーズを満たすことに困難がある。
【0004】
そこで、ユーザ一人一人の皮膚(毛髪)特性、色相または好み等に合うカスタマイズ化粧品(染色剤を含む)を提供する化粧品提供システムが登場している。
【0005】
一方、カスタマイズ化粧品を使用したユーザは、使用満足度によって当該化粧品を再使用しようとすることがある。この時、ユーザは、過去にカスタマイズ化粧品を提供してもらう時入力した情報(例えば、色相、使用感等)を記憶していないと、同じ化粧品を再提供してもらえない問題がある。あるいは、ユーザが過去に入力した情報を記憶していたとしても、当該情報を再びいちいち入力しなければならない不便がある。
【0006】
また、カスタマイズ化粧品が提供される時に表示されたシミュレーション結果が実際の使用結果と異なる場合が多く、カスタマイズ化粧品の色の再現が不正確な問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示は、カスタマイズ化粧品の提供に必要な情報をより容易に管理できる化粧品提供システムを提供しようとする。
【0008】
本開示は、カスタマイズ化粧品の提供に必要な情報がより多様な情報を内包し、かつ、シンプルな形態で管理できる化粧品提供システムを提供しようとする。
【0009】
本開示は、カスタマイズ化粧品のシミュレーションを提供する時実際の結果に近いように色を再現したシミュレーションを提供する化粧品提供システムを提供しようとする。
【0010】
本開示は、カスタマイズ化粧品が本来意図した特徴と異なる特徴を有する部位に使用される場合の予想結果を提供する化粧品提供システムを提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示の実施例に係る化粧品提供システムは、化粧品を提供するディスペンサーと、化粧品に対する情報を含むコードを生成してディスペンサーに伝送する端末機とを含み、ディスペンサーは、端末機から受信したコードを復号してそれに対応する化粧品を提供することができる。
【0012】
化粧品に対する情報を含むコードは、現在色相、目標色相、化粧品タイプ、容量および追加成分を含む群から選択された少なくとも一つ以上の情報をユーザが認識できるように表れることを特徴とする。
【0013】
化粧品に対する情報を含むコードは、化粧品の製造方法を算出するために必要な情報が含まれたコードであり、文字そのものが化粧品の製造方法を算出するために必要な情報を表わすことを特徴とする。
【0014】
ディスペンサーは、ディスペンサーの貯蔵部に貯蔵されているコード解釈テーブルを利用して復号することを特徴とする。
【0015】
化粧品に対する情報を含むコードは、現在色相、目標色相、化粧品タイプ、容量および追加成分を含む群から選択された少なくとも一つ以上の情報をユーザが認識できるように表れることを特徴とする。
【0016】
化粧品に対する情報を含むコードは、吐出するカートリッジおよび吐出量情報が含まれたコードであることを特徴とする。
【0017】
ディスペンサーは、端末機から受信したコードを、カラーを表わす製品コードと使用感を表わすファクターコードを分析し、分析された各製品コードとファクターコードを解釈可能に変換して復号することを特徴とする。
【0018】
端末機は、コードを生成する時、ユーザ情報がさらに含まれるようにコードを生成することができる。
【0019】
ディスペンサーは、コードに含まれたユーザ情報に基づいて化粧品に含まれるべき化粧品組成物を選択することができる。
【0020】
端末機は、色相テーブルを表示し、色相テーブルから開始地点および終了地点が入力されると、開始地点として選択された色相が現在色相であり、終了地点として選択された色相が目標色相であるコードを生成することができる。
【0021】
端末機は、色相テーブルと、色相テーブルのうち一地点が現在色相であり、色相テーブルのうち他地点が目標色相である時コード生成方法を貯蔵していてもよい。
【0022】
端末機は、生成されたコードを表示することができる。
【0023】
端末機は、生成されたコードと、生成されたコードに対応する化粧品が使用される場合、予測結果であるシミュレーションを表示することができる。
【0024】
端末機は、ユーザイメージにおいて対象領域を白黒に変換した後アルファ値処理を行ったイメージに目標色相に対応するHSL色相のイメージを合成することによりシミュレーションを表示することができる。
【0025】
端末機は、生成されたコードに対応する化粧品が現在色相に使用される場合、発色すると予想される予想色相を表示することができる。
【0026】
端末機は、生成されたコードに対応する化粧品が現在色相以外の他の色相に使用される場合、発色すると予想される予想色相をさらに表示することができる。
【0027】
本開示の実施例に係る化粧品提供システムの動作方法は、端末機が現在色相および目標色相の入力を受けるステップと、端末機が現在色相に対する情報および目標色相に対する情報を含むコードを生成するステップと、端末機が生成されたコードをディスペンサーに伝送するステップと、ディスペンサーが端末機から受信したコードに対応する化粧品を提供するステップとを含むことができる。
【0028】
本開示の実施例に係る端末機は、現在色相および目標色相が入力される入力部と、入力部を介して入力された現在色相に対する情報および目標色相に対する情報を含むコードを生成する制御部と、生成されたコードに対応する化粧品が提供されるように生成されたコードをディスペンサーに伝送する通信部とを含むことができる。
【発明の効果】
【0029】
本開示の実施例によれば、コードを介してディスペンサーおよび端末機の間にカスタマイズ化粧品の製造に必要な情報が共有されるので、カスタマイズ化粧品の提供に必要な情報の管理の容易性が確保される利点がある。
【0030】
また、カスタマイズ化粧品の提供に必要な情報を内包しているコードが化粧品に対する情報だけではなくユーザ情報も含むので、コード一つでユーザ一人一人に合わせた化粧品の提供を容易にする利点がある。
【0031】
また、化粧品が使用される対象領域が白黒処理された後アルファ値処理された状態で目標色相が適用されるので、シミュレーションの正確度が向上する利点があり、これにより、製品の信頼性が高まる利点がある。
【0032】
また、コードによる化粧品が本来意図した特徴ではない他の特徴を有する部位に使用される場合に対する予想結果を提供することができ、当該化粧品の使用結果に対する予測の容易性を確保することができ、これにより、カスタマイズ化粧品の汎用性が高まる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1図1は、本開示の実施例に係る化粧品提供システムのブロック図である。
図2図2は、本開示の一実施例により化粧品を提供するディスペンサーが図示された図面である。
図3図3は、本開示の実施例に係る端末機の制御ブロック図である。
図4図4は、本開示の実施例に係るディスペンサーの制御ブロック図である。
図5図5は、本開示の実施例に係る化粧品提供システムの動作方法が図示されたフローチャートである。
図6図6は、本開示の一実施例に係る端末機が現在色相および目標色相の入力を受信する方法が図示されたフローチャートである。
図7図7は、本開示の実施例に係る端末機に表示される一次元の色相テーブルが図示された例示図である。
図8図8は、本開示の実施例に係る端末機に表示される二次元の色相テーブルが図示された例示図である。
図9図9は、本開示の実施例に係る端末機が色相テーブルを介して開始地点および終了地点を選択する入力を受信する方法が図示された例示図である。
図10図10は、本開示の実施例に係る化粧品提供システムで使用されるコード体系の例示図である。
図11図11は、本開示の第1実施例に係る端末機が生成されたコードによる予想色相を表示する方法が図示された例示図である。
図12図12は、本開示の第2実施例に係る端末機が生成されたコードによる予想色相を表示する方法が図示された例示図である。
図13図13は、本開示の実施例に係る端末機がシミュレーションを表示する方法が図示されたフローチャートである。
図14図14は、本開示の実施例に係るコード解釈テーブルの例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、添付された図面を参照して、本明細書に開示された実施例を詳しく説明するが、図面符号に関係なく同一または類似する構成要素は、同じ参照番号を付し、それに対する重複説明は省略することにする。
【0035】
以下の説明で用いられる構成要素に対する接尾辞「モジュール」及び「部」は、明細書の作成を容易にするために付与または混用されるものとして、それ自体で相互区別される意味または役割を有するものではない。
【0036】
また、本明細書に開示された実施例の説明において、係る公知技術に対する具体的な説明が本明細書に開示された実施例の理解を妨害すると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。また、添付された図面は、本明細書に開示された実施例を容易に理解できるようにするためのものであり、添付された図面によって本明細書に開示された技術的思想が制限されるものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物ないし代替物を含むものと理解されるべきである。
【0037】
第1、第2等の序数を含む用語が多様な構成要素を説明するために用いることができるが、前記構成要素は、前記用語によって限定されるものではない。前記用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられる。
【0038】
単数の表現は、文脈上明白に異ならせて意味しない限り、複数の表現を含む。
【0039】
本出願で、「含む」または「有する」等の用語は、明細書に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはこれらを組合せたものが存在することを指定しようとするものであり、1つまたはそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはこれらを組合せたもの存在または付加可能性を予め排除するものではないと理解されるべきである。
【0040】
図1は、本開示の実施例に係る化粧品提供システムのブロック図である。
【0041】
本開示の実施例に係る化粧品提供システムは、端末機1、ディスペンサー3および測定モジュール5を含むことができる。
【0042】
端末機1、ディスペンサー3および測定モジュール5は、互いに有線または無線で通信することができる。
【0043】
端末機1は、ディスペンサー3の動作を制御する入力を受信することができ、この場合端末機1は、入力された情報に応じてディスペンサー3が動作するように制御する信号をディスペンサー3に伝送することができる。
【0044】
例えば、端末機1は、ディスペンサー3が提供する化粧品を表わすコード(code)を生成および管理することができる。
【0045】
また、端末機1は、ディスペンサー3の動作情報を表示することができる。例えば、端末機1は、ディスペンサー3の現在の状態、ディスペンサー3から提供される化粧品に対する情報、ディスペンサー3から提供される化粧品が使用される場合の予測結果であるシミュレーション等を表示することができる。
【0046】
端末機1は、スマートフォン(smart phone)であってもよいが、これは例示に過ぎず、スマートワッチ(smart watch)のようなウェアラブル機器(wearable device)、タブレットPC(tablet PC)、ノートブック、デスクトップ等を含むことができる。
【0047】
ディスペンサー3は、化粧品を提供する機器であってもよい。
【0048】
本明細書に記載された化粧品は、ユーザの顔に使用される美容製品だけではなく、ユーザの毛髪に使用される美容製品、ユーザの爪、足の爪等に使用される製品等を含むことができる。例えば、本明細書に記載された化粧品は、ファンデーション、日焼け止めクリーム、シャドウ、ティント、口紅等のような顔に使用される美容製品、染色剤等のようにユーザの毛髪に使用される製品、マニキュア、ジェルマニキュア等のようにユーザの爪または足の爪等に使用される製品等を全部含むことができる。
【0049】
ディスペンサー3は、端末機1から受信された信号に応じて化粧品を提供することができる。一実施例によれば、ディスペンサー3は、複数の化粧品組成物を備え、備えられた化粧品組成物を吐出またはミキシングして化粧品を製造することにより、化粧品を提供することができる。別の実施例によれば、ディスペンサー3は、直ちに使用できるように既に製作された化粧品を備え、備えられた化粧品を吐出することにより、化粧品を提供することができる。
【0050】
以下では、ディスペンサー3が複数の化粧品組成物を吐出およびミキシングして製造された化粧品を提供するものと仮定するが、これは説明の便宜を図って例示したものに過ぎないので、本開示はこれに限定されるものではない。
【0051】
測定モジュール5は、ユーザの顔の皮膚の色、ユーザの毛髪の色等を測定することができる。測定モジュール5を介して測定された色相は、端末機1またはディスペンサー3に伝送される。例えば、測定モジュール5は、測定された色相を端末機1に伝送し、端末機1は、測定モジュール5から測定された色相を受信することができる。
【0052】
端末機1は、測定された色相を後述する現在色相として選択することができる。ユーザは、端末機1を介して測定された色相を確認し、現在色相として決定することができる。
【0053】
測定モジュール5は、カメラ(図示されない)または測色器(図示されない)等のうち少なくとも一つで具現できるが、これは例示に過ぎない。
【0054】
図2は、本開示の一実施例により化粧品を提供するディスペンサーが図示された図面である。
【0055】
ディスペンサー3は、化粧品組成物を備える複数のカートリッジ3aと、カートリッジ3aを収容するケース3bを含むことができる。複数のカートリッジ3aのそれぞれには、化粧品製造に使用される化粧品組成物が備えられる。そして、ケース3bには、化粧品が提供されるドア3cが形成される。ディスペンサー3で製造された化粧品は、ドア3cを介してユーザに提供される。
【0056】
一方、図2に図示されたディスペンサー3は例示に過ぎず、ディスペンサー3は、化粧品を提供可能な機器を全部含むことができる。
【0057】
図3は、本開示の実施例に係る端末機の制御ブロック図である。
【0058】
端末機1は、制御部11、入力部13、通信部15、ディスプレイ部17および貯蔵部19のうち少なくとも一部または全部を含むことができる。
【0059】
制御部11は、端末機1の全般的な動作を制御することができる。制御部11は、入力部13、通信部15、ディスプレイ部17および貯蔵部19のそれぞれを制御することができる。
【0060】
入力部13は、ユーザから多様な情報の入力を受けることができる。例えば、入力部13は、現在色相または目標色相の入力を受けることができる。
【0061】
現在色相は、ユーザが使用しようとする化粧品が適用される部位の色相を意味することができる。
【0062】
目標色相は、化粧品の使用により表現される色相を意味することができる。
【0063】
別の例として、入力部13は、提供される化粧品に対する問診に応答する答弁、提供される化粧品の容量を選択する入力または提供される化粧品の剤形を選択する入力等を受信することができる。
【0064】
さらに別の例として、入力部13は、ディスペンサー3から提供される化粧品に対する情報を表わすコード(code)の入力を受けることができる。
【0065】
コード(code)は、化粧品に対する情報を含む文字であってもよい。例えば、コードは、後述するレシピコードおよびUIコードのうち少なくとも一つを含むことができる。
【0066】
制御部11は、化粧品に対する情報を含むコードを生成することができる。
【0067】
例えば、端末機1は、吐出するカートリッジおよび吐出量情報が含まれたレシピコードを算出してディスペンサー3に伝達することができ、例えばレシピコードは、7DB35B6Aのようであってもよい。ディスペンサー3は、7DB35B6Aのような16進数からなったレシピコードを受信すると、レシピコードにおいてカラーを表わす製品コードと、使用感を表わすファクター(factor)コードを分析し、分析された各製品コードとファクターコードを16進数から10進数に変換し、変換された各桁の数に基づいて化粧品組成物を吐出することができる。例えば、ディスペンサー3は、製品コードである7DBを10進数に変換して2011を獲得すると、1番カートリッジの化粧品組成物を2、2番カートリッジの化粧品組成物を0、3番カートリッジの化粧品組成物を1、4番カートリッジの化粧品組成物を1だけ吐出させることができる。この場合、ディスペンサー3は、コードに応じて化粧品組成物を吐出させるための別途のテーブルを備えなくても良い利点がある。
【0068】
一方、端末機1は、文字そのものが含んでいる情報をユーザが認識可能とし、化粧品製造方法を算出するために必要な情報をコード化したUIコードを算出してディスペンサー3に伝送することもできる。例えば、UIコードがP2N8A2Y2であると仮定する時、P2N8A2Y2というコードに対応して提供される化粧品は、製造オプションが永久(Permanent)であり、現在色相が2Nであり、目標色相が8Aであり、化粧品容量が2であり、増粘剤タイプがYであり、酸化剤容量が2であることを意味することができる。これは、化粧品が染色剤である場合を例示したものであり、化粧品がファンデーションであってもよい。化粧品がファンデーションである場合、コードは、現在色相、目標色相、化粧品容量、使用感タイプ(ローション/クリームタイプ)、効能成分(水分/美白/シワ改善等)等の情報を含むことができる。また、化粧品が基礎化粧品である場合、コードは、基礎化粧品に合う成分混合の基礎情報を含むことができる。UIコードがC4S3TLW2A1であると仮定する時、Cはカバー型ファンデーションを意味し、4Sは現在皮膚の色、3Tは目標色、Lはローションタイプ、W2A1は美白2段階およびシワ改善1段階であることを意味することができる。ディスペンサー3は、P2N8A2Y2またはC4S3TLW2A1のようなUIコードを受信すると、ディスペンサーの貯蔵部に貯蔵されているコード解釈テーブルを利用して復号することにより、それに対応するカートリッジからそれに対応する量の化粧品組成物を吐出することができる。
【0069】
即ち、先述したレシピコードには、各缶にどのような割合で抽出するようにすることがコード化されて入れられており、ユーザがコードのみを見て直接化粧品に対する情報を認知することはできないが、UIコードは、文字そのものが化粧品に対する情報を表わすことができる。このように、文字そのものが化粧品に対する情報を表わすコードが使用される場合、端末機1およびディスペンサー3が提供される化粧品を認知できるだけではなく、ユーザも提供される化粧品をより容易に認知できる利点がある。
【0070】
入力部13は、タッチスクリーン等からなるか、物理的なキーボタンを含むこともできる。
【0071】
通信部15は、ディスペンサー3等のような外部機器と通信を行うことができる。通信部15は、ディスペンサー3等のような外部機器と信号を送受信することができる。通信部15は、移動通信モジュール(図示されない)、Bluetooth等のような近距離通信モジュール(図示されない)等を備えることができる。
【0072】
通信部15は、生成されたコードをディスペンサー3に伝送することができる。
【0073】
ディスプレイ部17は、ユーザから多様な情報の入力を受けるための画面を表示することができる。一例として、ディスプレイ部17は、現在色相または目標色相のうち少なくとも一つの入力を受けるための色相テーブルを表示することができる。別の例として、ディスプレイ部17は、入力または生成されたコードに対応する化粧品が使用される場合の予測結果であるシミュレーションを表示することができる。
【0074】
上述したように、ディスプレイ部17は、端末機1の動作に関連した情報およびディスペンサー3の動作に関連した情報等を表示することができる。
【0075】
貯蔵部19は、端末機1の動作に関連した多様な情報を貯蔵することができる。例えば、貯蔵部19は、入力または生成されたコードを貯蔵することができる。貯蔵部19は、コードをユーザ別に貯蔵することができる。
【0076】
また、貯蔵部19は、色相テーブルおよび色相テーブルのうち一地点が現在色相であり、色相テーブルのうち他地点が目標色相である時コード生成方法を貯蔵していてもよい。即ち、貯蔵部19は、色相テーブルの各地点に対応する色相に対するコード情報を貯蔵しており、制御部11は、コード情報に基づいて選択された地点に対するコードを生成することができる。
【0077】
一方、図3に図示された端末機1の構成要素は例示に過ぎず、図3に図示された構成要素のうちの一部が省略されてもよく、図3に図示された構成要素の他に別途の構成要素がさらに追加されてもよい。
【0078】
図4は、本開示の実施例に係るディスペンサーの制御ブロック図である。
【0079】
ディスペンサー3は、制御部31、入力部33、通信部35、駆動部37および貯蔵部39のうち少なくとも一部または全部を含むことができる。
【0080】
制御部31は、ディスペンサー3の全般的な動作を制御することができる。制御部31は、入力部33、通信部35、駆動部37および貯蔵部39のそれぞれを制御することができる。
【0081】
入力部33は、ユーザから多様な情報の入力を受けることができる。例えば、入力部33は、コードの入力を受けることができる。また、入力部33は、化粧品製造命令、化粧品製造の中止命令等の入力を受けることもできる。
【0082】
入力部33は、タッチスクリーン等からなるか、物理的なキーボタンを含むこともできる。
【0083】
通信部35は、端末機1等のような外部機器と通信を行うことができる。通信部35は、端末機1からコードを受信することができる。また、通信部35は、端末機1から化粧品製造命令、化粧品製造の中止命令等を受信することもできる。
【0084】
通信部35は、移動通信モジュール(図示されない)、Bluetooth等のような近距離通信モジュール(図示されない)等を備えることができる。
【0085】
駆動部37は、コードによる化粧品が提供されるように動作することができる。駆動部36は、ユーザに化粧品が提供されるように少なくとも一つのカートリッジ3aに収容された化粧品組成物を吐出させることができる。例えば、駆動部37は、少なくとも一つのカートリッジ3aから化粧品が吐出されるように動作するカートリッジ回転モータ(図示されない)、吐出モータ(図示されない)、容器移送モータ(図示されない)等を含むことができるが、これは説明の便宜を図って例示したものに過ぎない。
【0086】
貯蔵部39は、化粧品製造情報を貯蔵していてもよい。例えば、貯蔵部39は、コードに含まれた文字それぞれに応じて提供されるべき化粧品に対する情報を貯蔵していてもよい。
【0087】
制御部31は、コードに含まれた文字それぞれを抽出し、抽出された文字に対応する情報を貯蔵部39から獲得することができる。
【0088】
一方、図4に図示されたディスペンサー3の構成要素は例示に過ぎず、図4に図示された構成要素のうちの一部が省略されてもよく、図4に図示された構成要素の他に別途の構成要素がさらに追加されてもよい。
【0089】
図5は、本開示の実施例に係る化粧品提供システムの動作方法が図示されたフローチャートである。
【0090】
端末機1は、現在色相および目標色相の入力を受信することができる(S10)。
【0091】
端末機1は、入力部13を介して現在色相および目標色相の入力を受信することができる。
【0092】
ユーザは、端末機1に現在色相および目標色相を入力することができる。ユーザは、使用しようとする化粧品が使用される部位の色相と同一または類似する色相を現在色相として入力し、化粧品を介して当該部位で発色されることを所望する色相と同一または類似する色相を目標色相として入力することができる。
【0093】
次に、図6を参照して、本開示の一実施例に係る現在色相および目標色相の入力を受信する方法を説明する。
【0094】
図6は、本開示の一実施例に係る端末機が現在色相および目標色相の入力を受信する方法が図示されたフローチャートである。
【0095】
図6は、図5のステップS10が具体化されたフローチャートである。
【0096】
ディスプレイ部17は、色相テーブルを表示することができる(S101)。
【0097】
色相テーブルは、複数の色相が表現されているテーブルを意味することができる。色相テーブルは、複数の色相を一次元、二次元および三次元で表現するそれぞれのテーブルを含むことができる。
【0098】
図7は、本開示の実施例に係る端末機に表示される一次元の色相テーブルが図示された例示図である。
【0099】
一実施例によれば、ディスプレイ17は、図7の(a)に図示されたような複数の色相が一方向に羅列されるように表現された一次元の色相テーブルを表示することができる。この場合、入力部13は、一次元の色相テーブルに含まれた複数の色相のうちいずれか一つを選択する命令を受信することができる。
【0100】
別の実施例によれば、ディスプレイ17は、図7の(b)に図示されたような複数の明るさおよび複数のトーン(tone)のそれぞれが一方向に羅列されるように表現された一次元の色相テーブルを表示することができる。この場合、入力部13は、複数の明るさのうちいずれか一つを選択する命令および複数のトーンのうちいずれか一つを選択する命令のそれぞれを受信することができる。
【0101】
図8は、本開示の実施例に係る端末機に表示される二次元の色相テーブルが図示された例示図である。
【0102】
ディスプレイ17は、図8に図示されたような複数の色相が行列(matrix)形態で羅列されるように表現された二次元の色相テーブルを表示することができる。具体的に、ディスプレイ17は、行(row)と列(column)のうちいずれか一つは、複数のトーンを表し、他の一つは、複数の明るさを表わす行列形態の色相テーブルを表示することができる。この場合、入力部13は、トーンと明るさを同時に選択する入力を受信することができる。
【0103】
そして、ユーザは、色相テーブルが図8に図示されたような二次元で表示される場合、トーンおよび明るさを一度に選択可能であり、自分の皮膚色相または毛髪色相と一致する色相をより容易に選択可能な利点がある。即ち、トーンと明るさに応じて色相が多様に表現された二次元の色相テーブルによれば、ユーザが自分の色相と一致する色相を現在色相として選択すれば良いので、トーンと明るさをそれぞれ選択する場合の自分の色相と一致する色相を探し難しい問題が改善される。
【0104】
一方、図面に図示されてはいないが、ディスプレイ170は、三次元の色相テーブルを表示することもできる。例えば、ディスプレイ170は、3つの軸のそれぞれがトーン、明るさおよびその他要素(例えば、紅潮の程度、透明度等)に応じて色相が多様に表現された三次元の色相テーブルを表示することもできる。
【0105】
そして、色相テーブルの次元数と関係なく、色相テーブルに表現された色相のそれぞれには色相情報がマッピングされている。具体的に、色相テーブルに表現された色相のそれぞれには、吐出情報(例えば、FA0、C1C、898、514、190等)、シミュレーションの基盤となるパントーンカラー(pantone color)(例えば、1R02、1Y02、2Y02、3Y03、4Y02等)、色相テーブルで表現されている色相のRGB値(例えば、rgb(254、233、224)、rgb(254、242、222)等)のうち少なくとも一つがマッピングされていてもよい。
【0106】
図6を再度説明する。
【0107】
制御部11は、入力部13を介して色相テーブルから開始地点および終了地点を選択する入力を受信し(S103)、開始地点として選択された色相を現在色相、終了地点として選択された色相を目標色相とするコード情報を獲得することができる(S105)。
【0108】
図9は、本開示の実施例に係る端末機が色相テーブルを介して開始地点および終了地点を選択する入力を受信する方法が図示された例示図である。
【0109】
入力部13は、色相テーブルから開始地点SP(Starting Point)を選択する入力および終了地点EP(End Point)を選択する入力のうち少なくとも一つを受信することができる。
【0110】
制御部11は、開始地点SPにマッピングされている色相情報および終了地点EPにマッピングされている色相情報に基づいて、開始地点SPとして選択された色相を現在色相、終了地点EPとして選択された色相を目標色相とするコード情報を獲得することができる。
【0111】
制御部11は、このように獲得したコード情報を利用して、後述するステップS14またはステップS16でコードを生成することができる。
【0112】
図5を再度説明する。
【0113】
端末機1は、ユーザ情報の入力を受信したのかを判断することができる(S12)。
【0114】
ユーザ情報は、問診に対してユーザが応答した答弁情報を含むことができる。
【0115】
例えば、ユーザ情報は、化粧品のタイプ、化粧品の重さ、増粘剤(thickener)のタイプ、酸化剤容量、オプション情報等を含むことができ、オプション情報は、添加剤の色相、添加剤の重さ等を含むことができるが、これは説明の便宜を図って例示したものに過ぎないので、これに制限されるものではない。
【0116】
別の例として、化粧品がファンデーション等のように顔に使用される製品である場合、ユーザ情報は、水分量、油分量、カバー力等のような使用感に対する情報を含むこともできる。
【0117】
即ち、端末機1は、化粧品のタイプ、化粧品の重さ、増粘剤(thickener)のタイプ、酸化剤容量またはオプション情報等に対する入力を受信したのかを判断することができる。
【0118】
端末機1は、ユーザ情報の入力を受信していない場合、現在色相に対する情報および目標色相に対する情報を含むコードを生成することができる(S14)。
【0119】
端末機1は、ユーザ情報の入力を受信した場合、現在色相に対する情報、目標色相に対する情報およびユーザ情報を含むコードを生成することができる(S16)。
【0120】
次に、図10を参照して、本開示の実施例に係る端末機がコードを生成する方法を説明する。
【0121】
図10は、本開示の実施例に係る化粧品提供システムで使用されるコード体系の例示図である。
【0122】
特に、図10に図示されたコード体系は、化粧品が染色剤である場合、染色剤に対する情報を表わすUIコード体系が図示された例示である。即ち、化粧品が染色剤である場合を例示として化粧品提供システムに使用されるコード体系を説明するが、これは説明の便宜を図って例示したものに過ぎないので、これに制限されるものではない。
【0123】
図10に図示されたコード体系の例示を参照すると、コードの1番目の文字は製造オプション(formulation option)を表し、コードの2、3番目の文字は現在色相を表し、コードの4、5番目の文字は目標色相を表し、コードの6番目の文字は化粧品容量を表し、コードの7番目の文字は増粘剤のタイプを表し、コードの8番目の文字は酸化剤の容量を表し、コードの9、10番目の文字はオプション情報を表わすことができる。オプション情報は、添加剤の色相または添加剤の重さ等を含むことができる。オプション情報は省略されてもよい。
【0124】
例えば、P2N8A2Y2というコードは、製造オプションが永久(Permanent)であり、現在色相が2Nであり、目標色相が8Aであり、化粧品容量が2ozであり、増粘剤のタイプがクリーム(Cream)であり、酸化剤容量が20volumeである化粧品が提供されるように約束されたコードであってもよい。
【0125】
制御部11は、色相テーブルに含まれた各地点に対応する色相にマッピングされたコード情報に基づいてコードを生成することができる。
【0126】
このようなコードが使用される場合、コードは、化粧品の色相情報だけではなく、化粧品に対するユーザ情報までも含むことができる利点がある。
【0127】
このようなコードは、端末機1とディスペンサー3の間で送受信される。
【0128】
端末機1およびディスペンサー3のそれぞれは、図10に図示されたようなコード体系を貯蔵していてもよい。端末機1とディスペンサー3は、このようなコード体系を介して機器の間でコードを介してコミュニケーションが可能な利点がある。
【0129】
制御部11は、生成されたコードを表示するようにディスプレイ部17を制御することができる。
【0130】
図5を再度説明する。
【0131】
端末機1は、生成されたコードによる予想色相を表示することができる(S18)。
【0132】
端末機1は、ステップS14またはステップS16を通じて生成されたコードによる予想色相を表示することができる。
【0133】
予想色相とは、生成されたコードによる化粧品が使用される場合、発色すると予想される色相を意味することができる。コードは、現在色相および目標色相を含むので、化粧品が使用される部位の色相がコードに含まれた現在色相と一致すると、予想色相は目標色相と同一であってもよい。しかし、化粧品が使用される部位の色相がコードに含まれた現在色相と一致しないと、予想色相は目標色相と異なってもよい。ユーザは、化粧品のコードに含まれた現在色相と使用される部位の色相が異なる場合、どんな色相で発色されるのかを予測し難くなる。従って、ディスプレイ部17は、生成されたコードに含まれた現在色相を有する部位に化粧品が使用される場合の予想色相および生成されたコードに含まれた現在色相と異なる色相を有する部位に化粧品が使用される場合の予想色相のうち少なくとも一つを表示することができる。
【0134】
図11は、本開示の第1実施例に係る端末機が生成されたコードによる予想色相を表示する方法が図示された例示図である。
【0135】
図11は、P2N8A2Y2であるコードによる予想色相の例示である。即ち、図11は、現在色相が2Nであり、目標色相が8Aであるコードによる予想色相が図示された例示図である。
【0136】
まず、ディスプレイ部17は、コードに含まれた現在色相を表わす第1開始地点P1‐1と、第1開始地点P1‐1に該当する色相を有する部位にコードによる化粧品が使用される場合、予想色相を表わす第1予想地点P1‐2を表示することができ、この時第1予想地点P1‐2の色相はコードに含まれた目標色相と同一であってもよい。
【0137】
そして、入力部13は、ディスプレイ部17に表示された色相テーブルで第1開始地点P1‐1ではない他の色相を開始地点として選択する命令を受信することができる。例えば、入力部13は、第2開始地点P2‐1を選択する命令と第3開始地点P3‐1を選択する命令を受信することができる。この場合、制御部11は、第2開始地点P2‐1に該当する色相A1を有する部位にP2N8A2Y2であるコードの化粧品が使用される場合の予想色相7Wを算出し、第3開始地点P3‐1に該当する色相3Nを有する部位にP2N8A2Y2であるコードの化粧品が使用される場合の予想色相7Wを算出することができる。ディスプレイ部17は、算出された予想色相を表わす第2予想地点P2‐2および第3予想地点P3‐2を表示することができる。
【0138】
即ち、制御部11は、生成されたコードに対応する化粧品が現在色相に使用される場合、発色すると予想される予想色相を表示し、生成されたコードに対応する化粧品が現在色相以外の他の色相に使用される場合、発色すると予想される予想色相をさらに表示するようにディスプレイ部17を制御することができる。この場合、ユーザは、化粧品が使用される部位の多様な色相に応じた予想色相を直観的に確認可能な利点がある。
【0139】
また、ディスプレイ部17は、第1開始地点P1‐1から第1予想地点P1‐2に連結される矢印、第2開始地点P2‐1から第2予想地点P2‐2に連結される矢印および第3開始地点P3‐1から第3予想地点P3‐2に連結される矢印をさらに表示することができる。
【0140】
この場合、ユーザは、どんな色相に化粧品が使用される時どんな色相で発色されるのかをより容易に認知可能な利点がある。
【0141】
また、ディスプレイ部17は、開始地点PN‐1と予想地点PN‐2を連結する矢印を表示する時、コードに含まれた色相を表わす開始地点P1‐1と予想地点P1‐2を連結する矢印の場合実線で表示し、コードに含まれた色相と異なる色相を表わす開始地点P2‐1P3‐1と予想地点P2‐2P3‐2を連結する矢印の場合点線で表示することができる。
【0142】
この場合、ユーザは、当該コードがどんな色相を有する部位に適用され、どんな色相が発色されるように提供された生成されたコードであるのかをより容易に確認可能な利点がある。
【0143】
図12は、本開示の第2実施例に係る端末機が生成されたコードによる予想色相を表示する方法が図示された例示図である。
【0144】
同様に、図12は、P2N8A2Y2であるコードによる予想色相の例示として、現在色相が2Nであり、目標色相が8Aであるコードによる予想色相が図示された例示図である。
【0145】
第2実施例によれば、ディスプレイ部17は、現在色相と目標色相だけではなく、現在色相によって変わる目標色相を棒形態に表示することができる。例えば、ディスプレイ部17は、現在色相を基準として現在色相より所定範囲明るい色相と現在色相より所定範囲暗い色相のそれぞれに対する目標色相を表示することもできる。
【0146】
図5を再度説明する。
【0147】
端末機1は、生成されたコードによるシミュレーションを表示することができる(S20)。
【0148】
シミュレーションは、ユーザの顔(毛髪を含む)が含まれたイメージに生成されたコードによる化粧品が使用される場合の予想結果イメージであってもよい。このようなシミュレーションを表示する場合、シミュレーション内の予想色相は、化粧品が使用されることにより発色された実際の色相に近く表示されることが重要である。このために、本開示の実施例に係る端末機1は、図13に図示されたような順序に応じてシミュレーションを表示することができる。
【0149】
図13は、本開示の実施例に係る端末機がシミュレーションを表示する方法が図示されたフローチャートである。
【0150】
端末機1は、ユーザイメージにおいて対象領域を白黒に変換した後アルファ値処理を行ったイメージに目標色相に対応するHSL色相のイメージを合成することによりシミュレーションを表示することができる。これに対する詳細な説明が図13に図示されている。図13は、図5のステップS20が具体化されたフローチャートである。
【0151】
制御部11は、対象領域を検出することができる(S201)。
【0152】
対象領域は、化粧品が使用される部位を意味することができる。対象領域は、化粧品の種類によって可変する。例えば、化粧品がファンデーション、日焼け止めクリーム等のように顔全体に使用される製品である場合、対象領域は顔であり、化粧品がシャドウ等のように目に使用される製品である場合、対象領域は目の部位であり、化粧品がティント、口紅等のように口に使用される製品である場合、対象領域は口の部位であり、化粧品がマニキュア、ジェルマニキュア等のように爪または足の爪に使用される製品である場合、対象領域は爪の部位または足の爪の部位であり、化粧品が染色剤等のように毛髪に使用される製品である場合、対象領域は毛髪の部位である。
【0153】
以下、化粧品が染色剤である場合に仮定するが、これは説明の便宜を図って例示したものに過ぎないので、これに制限されるものではない。
【0154】
制御部11は、コードによる化粧品が染色剤である場合、イメージから毛髪領域を対象領域として検出することができる。
【0155】
一実施例によれば、この時制御部11は、ディープラーニングモデルKerasを通じてイメージから毛髪領域を抽出することができ、検出された毛髪領域を対象領域として認識することができる。
【0156】
制御部11は、対象領域のアルファ値を算出することができる(S203)。
【0157】
一実施例によれば、制御部11は、対象領域の色相情報(例えば、RGB)に基づいてアルファ値を算出することができる。
【0158】
別の実施例によれば、制御部11は、対象領域のカラーを白黒に変換した後変換された領域に含まれたピクセルのそれぞれの明るさに基づいてアルファ値を算出することができる。例えば、制御部11は、白黒に変換された領域の各ピクセルに対して、明るさが第1値(例えば、50)未満のピクセルのアルファ値を第1アルファ値(例えば、20%)、明るさが第1値以上第2値(例えば、150)未満のピクセルのアルファ値を第1アルファ値より大きい第2アルファ値(例えば、50%)、明るさが第2値以上第3値(例えば、255)以下であるピクセルのアルファ値を第2アルファ値より大きい第3アルファ値(例えば、90%)として算出することができる。
【0159】
このように、対象領域の各ピクセルに対してアルファ値をそれぞれ算出する場合、毛髪である可能性が高い領域であるほど目標色相が濃く適用され、毛髪である可能性が低い領域であるほど目標色相が弱く適用されることで、シミュレーションの正確度が向上する利点がある。
【0160】
一方、アルファ値算出方法で詳述した実施例は、説明の便宜を図って例示したものに過ぎないので、これに制限されるものではない。
【0161】
制御部11は、対象領域のカラーを白黒変換した後算出されたアルファ値を処理することができる(S205)。
【0162】
そして、制御部11は、目標色相をHSL値に変換し(S207)、アルファ値処理された領域のピクセルのそれぞれに変換されたHSL値を適用することができる(S209)。
【0163】
このように、端末機1がシミュレーションを表示する時、まず白黒に処理した後アルファ値を処理すると、対象領域が目標色相により近く表現される利点がある。具体的に、端末機1がシミュレーションを表示する時直接アルファ値を処理する場合には、目標色相を適用しても本来の髪の毛の色の影響でシミュレーション結果が不正確な問題がある。即ち、金髪、黒髪の毛髪には赤色等のような目標色相を適用しても、目標色相がよく表現されない問題があった。さらに、毛髪の色相を完全に除去した後目標色相を適用する場合には、実際の毛髪とは異質的に表現されて不自然な問題があった。本発明では、対象領域を白黒に変換し、変換された領域の各ピクセルに対して各ピクセル別に算出されたアルファ値を適用することにより、カラー表現の正確度を向上させる利点がある。
【0164】
実施例により、制御部11は、HSL値を適用した後、金髪等明るい毛髪に対しては別途の後処理を行うこともできる。
【0165】
図5を再度説明する。
【0166】
端末機1は、生成されたコードをディスペンサー3に伝送することができる(S22)。
【0167】
具体的に、端末機1は、ステップS14で生成したコードまたはステップS16で生成したコードをディスペンサー3に伝送することができる。
【0168】
ディスペンサー3は、生成されたコードに対応する化粧品を提供することができる(S24)。
【0169】
ディスペンサー3は、端末機1からコードを受信し、受信されたコードに対応する化粧品を提供することができる。具体的に、制御部31は、貯蔵されているコード体系に基づいて受信されたコードを解釈し、解釈結果に基づいてコードに対応する化粧品が提供されるように駆動部37を制御することができる。
【0170】
例えば、制御部31は、コードに含まれた色相情報およびユーザ情報に基づいて化粧品に含まれるべき化粧品組成物を選択し、選択された化粧品組成物が吐出されるように駆動部37を制御することができる。
【0171】
一方、ディスペンサー3は、端末機1からコードを受信することなく、入力部33を通じてコードが直接入力されてもよい。このように、ディスペンサー3は、コードが直接入力された場合にも、入力されたコードを解釈してコードに対応する化粧品が提供されるように駆動部37を制御することができる。
【0172】
また、ユーザは、端末機1にコードを直接入力することもできる。即ち、端末機1は、ディスペンサー3と同様に、コードを生成することなく、入力部13を通じてコードの入力を受けることができ、この場合コードに対応する化粧品に提供されるようにディスペンサー3にコードを伝送することができる。
【0173】
従って、ユーザは、化粧品のコードを記憶して置き、必要とする度にコードの入力だけで化粧品を容易に提供される利点がある。
【0174】
ディスペンサー3は、コードに対応する化粧品を提供するためにコードを復号することができる。
【0175】
端末機1が化粧品(例えば、染毛剤)の製造方法を算出するために必要な情報がコード化されたUIコードを算出してディスペンサー3に伝送した場合、増粘剤、酸化剤、追加色相等は、どんな化粧品組成物がどれだけ吐出されるのかがコードに既に含まれているので1次デコーディングで解釈可能であるが、現在色相と目標色相に応じてどんな化粧品組成物がどれだけ吐出されるのかに対する情報は2次デコーディングを通じて解釈することができる。
【0176】
このために、ディスペンサー3は、コードを2次デコーディングするためのコード解釈テーブルを貯蔵部39に貯蔵していてもよい。特に、コード解釈テーブルは、現在色相を目標色相として発色するためにどんな化粧品組成物がどれだけ吐出されなければならないのかを表わすテーブルであってもよい。
【0177】
図14は、本開示の実施例に係るコード解釈テーブルの例示図である。
【0178】
コード解釈テーブルは、現在色相と目標色相のそれぞれに対して化粧品組成物を吐出するカートリッジの種類と各カートリッジにおける吐出量を表わすことができる。
【0179】
図14の例示は、コード解釈テーブルで現在色相が5Nであり、目標色相が8Vである時のみを図示した図面である。従って、制御部31は、P5N8V2X2B1のようなコードを受信すると、4番カートリッジから化粧品組成物が14g、5番カートリッジから化粧品組成物が1g、8番カートリッジから化粧品組成物が15g、11番カートリッジから化粧品組成物が15g、12番カートリッジから化粧品組成物が15g吐出されるように駆動部37を制御することができる。
【0180】
このように、現在色相を目標色相として発色されるようにする化粧品に含まれる化粧品組成物の種類とその量は、コード解釈テーブルによる2次デコーディングを通じてしか解釈できないので、このような化粧品製造方法は、外部から保護される利点がある。特に、現在色相を目標色相として発色するために使用される化粧品組成物の種類とその量は、ヘアデザイナーの経験、実験等を通じて獲得されるノウハウであるので、本開示は、このようなノウハウを外部から保護すると共に、信頼性の高い化粧品をユーザに提供可能な利点がある。
【0181】
前述した本開示は、プログラムが記録された媒体にコンピュータが読み込むことのできるコードとして具現することが可能である。コンピュータが読み込むことのできる媒体は、コンピュータシステムによって読み込むことができるデータが格納される全ての種類の記録装置を含む。コンピュータが読み込むことのできる媒体の例としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Disk)、SDD(Silicon Disk Drive)、ROM、RAM、CD‐ROM、磁気テープ、フロッピーディスク、光データ貯蔵装置等がある。また、前記コンピュータは、端末機1の制御部またはディスペンサー3の制御部31を含むこともできる。従って、上記した詳細な説明は、全ての面で制限的に解釈されてはならず、例示的なものであると考慮されるべきである。本発明の範囲は、添付された請求の範囲の合理的解釈によって決定されるべきであり、本発明の等価的範囲内における全ての変更は、本発明の範囲に含まれる。
【0182】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎず、本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者であれば、本発明の本質的な特性を逸脱しない範囲で多様な修正および変形が可能であろう。
【0183】
従って、本発明に開示された実施例は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであり、このような実施例によって本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。
【0184】
本発明の保護範囲は、以下の請求の範囲によって解釈されるべきであり、それと同等な範囲内にある全ての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれると解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0185】
1 端末機
3 ディスペンサー
5 測定モジュール
11 制御部
13 入力部
15 通信部
17 ディスプレイ
19 貯蔵部
31 制御部
33 入力部
35 通信部
37 駆動部
39 貯蔵部
170 ディスプレイ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7(a)】
図7(b)】
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14