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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-10
(45)【発行日】2025-01-21
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20250114BHJP
   G03G 15/16 20060101ALI20250114BHJP
【FI】
G03G21/00 370
G03G15/16
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020173314
(22)【出願日】2020-10-14
(65)【公開番号】P2022064594
(43)【公開日】2022-04-26
【審査請求日】2023-08-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】小泉 和久
【審査官】市川 勝
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-215774(JP,A)
【文献】特開平11-052757(JP,A)
【文献】特開2011-133884(JP,A)
【文献】特開2012-242434(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
G03G 15/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像が形成される感光体と、前記感光体に形成されたトナー像が転写される転写体とを有する画像形成装置において
前記転写体を駆動する転写体駆動回転体を駆動する第1モータと、
前記転写体駆動回転体の軸上に接続された第2モータと
前記第2モータのコイルと電気的に接続され、前記転写体駆動回転体の回転に同期して前記第2モータのコイルに生じる起電力により前記第2モータのコイルに流れる電流を変化させる電流制御回路と、
前記感光体を駆動する第3モータと、
前記転写体駆動回転体の回転速度を検出する第1の速度検出手段と、
前記感光体の回転速度を検出する第2の速度検出手段と、
前記転写体に当接及び離間する転写回転体と、
前記転写回転体を前記転写体に対して当接及び離間させる第4モータと、
前記第1の速度検出手段からの検出結果に基づいて、第1モータの速度制御を行い、第2の速度検出手段からの検出結果に基づいて、第3モータの速度制御を行う制御手段と、を有し、
前記制御手段は、前記前記転写体が前記第1モータにより駆動されている状態において、前記転写回転体が前記転写体に当接する前では、前記第2モータのコイルに前記起電力による電流が流れるようにし、前記転写回転体が前記転写体に当接した後では前記第2モータのコイルに前記起電力による電流が流れないように前記電流制御回路を制御することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記転写体駆動回転体及び前記感光体が停止する前の減速期間中において、前記第2モータのコイルに前記起電力による電流が流れるように制御し、前記転写体駆動回転体及び前記感光体が停止すると、前記第2モータのコイルに電流が流れないように前記電流制御回路を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記電流制御回路は、前記コイルに接続されるスイッチ素子を有し、
前記制御手段は、前記スイッチ素子をオフすることで前記コイルに電流が流れないようにすることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記電流制御回路は、前記コイルに接続される抵抗と前記抵抗の抵抗値を変化させるスイッチ素子とを有し、
前記制御手段は、前記転写回転体が前記転写体に当接する前に前記第2モータのコイルに前記起電力により流れる電流の値と前記減速期間中に前記第2モータのコイルに前記起電力により流れる電流の値とが異なるように前記電流制御回路を制御することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トナー像が形成される像担持体を有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真式の画像形成装置においては、画質安定化(色ずれ、および濃度むら抑制)のために、像担持体である感光体および転写体の角速度、もしくは周速度を所定の目標値とするべく速度制御を行っている。
【0003】
像担持体の中でも特に転写体は、様々な部材が接触する(ローラ、記録材等)ため、負荷変動要因が多く、その負荷変動は、速度制御を不安定にさせるため、かえって画質を劣化させてしまうという課題がある。
【0004】
上記課題を解決するために、先行技術(1)として、負荷変動を抑制する目的で、駆動軸に機械的な摩擦により所定のトルクをかけるトルクリミッタを接続する構成(特許文献1)や、先行技術(2)として、像担持体のトルクを検出し、その検出結果に基づいて、当接部材を制御する手法が提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2001-215774号公報
【文献】特開2012-255912号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述の先行技術(1)で提案されているトルクリミッタは、機械的な摩耗によりトルクを発生させているため長寿命化が困難であり、また、記録紙を搬送している間は、回転動作には不要なトルクがかかっている状態であるため、消費電力が余計に必要であり、駆動モータの大型化を招くという課題がある。
【0007】
先行技術(2)の場合においても、加振機構によるブレーキトルク発生手段の接続は設置スペースの確保が必要となり、装置の大型化によるコストアップが課題となる。
【0008】
前述したトルク負荷を重畳する手法の代わりに、駆動列のイナーシャを大きくする方法も提案されているが、速度制御応答性を低下させるという課題がある。
【0009】
上記課題に鑑み、本発明は、速度制御に必要な応答性の確保と長寿命化、不要な消費電力の削減が可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明にかかる画像形成装置は、
トナー像が形成される感光体と、前記感光体に形成されたトナー像が転写される転写体とを有する画像形成装置において
前記転写体を駆動する転写体駆動回転体を駆動する第1モータと、
前記転写体駆動回転体の軸上に接続された第2モータと
前記第2モータのコイルと電気的に接続され、前記転写体駆動回転体の回転に同期して前記第2モータのコイルに生じる起電力により前記第2モータのコイルに流れる電流を変化させる電流制御回路と、
前記感光体を駆動する第3モータと、
前記転写体駆動回転体の回転速度を検出する第1の速度検出手段と、
前記感光体の回転速度を検出する第2の速度検出手段と、
前記転写体に当接及び離間する転写回転体と、
前記転写回転体を前記転写体に対して当接及び離間させる第4モータと、
前記第1の速度検出手段からの検出結果に基づいて、第1モータの速度制御を行い、第2の速度検出手段からの検出結果に基づいて、第3モータの速度制御を行う制御手段と、を有し、
前記制御手段は、前記前記転写体が前記第1モータにより駆動されている状態において、前記転写回転体が前記転写体に当接する前では、前記第2モータのコイルに前記起電力による電流が流れるようにし、前記転写回転体が前記転写体に当接した後では前記第2モータのコイルに前記起電力による電流が流れないように前記電流制御回路を制御する、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、速度制御に必要な応答性の確保と長寿命化、不要な消費電力の削減が可能な画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】画像形成装置の全体構成図
図2】本発明の制御ブロック図
図3】本発明を示す制御フローチャート
図4】本発明を示すタイミングチャート
図5】本発明のコイル電流制御回路のブロック図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明であるカラー画像形成装置の実施形態を説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施の形態例であるタンデム型カラー画像形成装置の概略断面図である。この装置では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像形成部(100A,100B,100C,100D)が構成され、各々の画像形成部において像担持体である感光ドラム101A~101Dは図の矢印R方向に回転し、その表面は、1次帯電器102A~102Dにより一様な電位に帯電され、半導体レーザを光源とするレーザ走査ユニット103A~103Dからレーザが照射されてドラム表面に画像データに基づいた静電潜像が形成される。
【0015】
感光ドラム101A~101Dの静電潜像は現像器104A~104Dにより現像されてトナー画像となり、各色のトナー画像は、高圧が印可された一次転写ローラ105A~105Dと感光ドラム101A~101Dが、中間転写ベルト107を介して摺擦する一次転写部において中間転写ベルト107に順次転写される。中間転写ベルト107に重ね合わせられた各色のトナー画像は、二次転写部108まで搬送され、そこで、給紙カセットを含む給紙搬送部130から給紙され、縦パス搬送部131、レジ搬送部132を通って搬送される記録材Pに、4色のトナー像が一括転写される。レジ搬送部132には、記録材Pが中間転写ベルト上のトナー像に対して、平行搬送させるために、記録材Pを所定の搬送位置に移動させる機構(レジ補正機構)を有している(不図示)。
【0016】
二次転写部108は、上側のローラ108Uと下側のローラ108Lで加圧部を構成し、下ローラ108Lは当接離間機構を有する(詳細は後述する)。下側のローラ108Lにはトナー像を記録材Pに転写するための高圧が印可されている。二次転写ニップを形成する上下ローラ108U、108Lは、中間転写ベルト107の駆動に同期して、従動回転する。(各ローラおよびローラ軸接続部材記載の矢印は、各部材の回転方向を示している)。
【0017】
106A~106Dは、感光ドラム101A~101Dの表面に残留するトナーを除去するドラムクリーナ、112は、中間転写ベルト107に残留するトナーを除去するベルトクリーナである。
【0018】
二次転写部108で4色のトナー画像が一括転写された記録材Pは、定着器109に搬送されて未定着のトナー画像が定着器109の上下ローラ等の回転体により熱定着され、その後、排紙搬送部110を経由して排紙トレイ120に排出される。
【0019】
ここで、中間転写ベルト107は、複数のローラに張架された状態で、転写体駆動回転体としての駆動ローラ121を回転させることにより駆動される。
【0020】
図1に示すように中間転写ベルト107には、二次転写部における上下ローラ108U、108Lの当接、離間時や、二次転写部への記録材突入など、様々な負荷変動要因があり、その負荷変動は、中間転写ベルト107の速度制御を行う際の不安定要因となる。
【0021】
よって、本発明は、中間転写ベルト107の駆動部に適用することが有効であり、その詳細について、以下図を用いて説明する。図2は本発明を中間転写ベルト駆動部に適用した場合の制御ブロック図である。
【0022】
図2において、CPU250と、メモリ251を有する制御部200は、本発明の駆動制御を行うとともに、画像形成装置全体のシーケンス制御を行う。メモリ251には、CPU250が前述した制御に適用する制御パラメータ等の設定値が保存されている。
【0023】
中間転写ベルト駆動ローラ121は、ギア202を介して、第1モータ211で駆動される。203はエンコーダ(速度検出手段)で、中間転写ベルト駆動ローラ121の回転速度を検出する。CPU250はエンコーダ203の検出結果:Sig_S1に基づいて、第1モータ211を制御信号:Sig_D1で駆動することにより中間転写ベルト駆動ローラ121の速度制御を行う。
【0024】
また中間転写ベルト駆動ローラ121の軸上には、本発明である第2モータ212が連結され、そのモータのコイルは電流制御回路230と電気的に接続される。本実施例では、第2モータ212は、マグネットロータ220と、2相コイル221a、221bで構成される2相モータを用いて説明する。モータ電流制御回路230は、CPU250からの制御信号Sig_D2により、そのコイル221a、221bへの通電をする、しないを切り替えるトランジスタ223a、223bと、コイル221a、221bに流れる電流を制限するための抵抗222a、222bで構成される。駆動ローラ121が回転すると、その回転に同期して、第2モータ212のマグネットロータ220が回転し、その回転力によりコイル221a、221bに起電力による電流が発生する(図中矢印Sa、Sb)。この電流はマグネットロータ220の回転を妨げる方向に電流が流れるため、回転体のブレーキトルクとして活用することが可能であり、その電流値を変化させることにより、そのブレーキトルクを変化させることが可能である(詳細は後述する)。
【0025】
感光ドラム101A~101Dは、ギア204A~204Dと各々接続され、各々の第3モータ213A~213Dで駆動される。205A~205Dはエンコーダで、感光ドラムの101A~101Dの速度を検出する。CPU250はエンコーダ205A~205Dの検出結果に基づいて、第3モータ213A~213Dを制御信号:Sig_D2で駆動することにより、感光ドラムの101A~101Dの速度制御を行う。
【0026】
また、二次転写部108において上側ローラ108Uと当接、離間を行うために、下側ローラ108Lを昇降する構成となっており、その駆動源である第4モータ214は、ギア212、駆動カム213が接続され、駆動カム213の回転に同期する。当接、離間機構が必要な理由は、1つ目は、ニップ部で、ジャム(記録材詰まり)が発生した際に、その記録材を除去しやすくすること、2つ目は、調整用のトナー像を形成した際に、そのトナー像が、下側のローラ108Lに転写されることを防ぐためである。ここで当接位置、離間位置は、HPセンサ230が設置されたカム213の基準位相から予め設定された所定角度として定義されている。CPU250は、二次転写部の当接離間動作時においては、HPセンサ230の信号に基づいて、第1モータ201の移動量制御を行う。
【0027】
次にその制御部200が実行する本発明の制御を、制御フローチャート(図3)とタイミングチャート(図4)を用いて説明する。図3に示す制御フローチャートは制御部200におけるCPU250により実行され、メモリ251に保存された設定値に基づいて動作するものとする。
【0028】
図4のタイミングチャートにおいて、上段から1段目は(1)感光ドラム101A~101の速度、2段目は(2)中間転写ベルトの速度、3段目は、(3)中間転写ベルト駆動ローラ軸上のトルク、4段目は、(4)二次転写部における上下ローラのニップ状態を、5段目は、本発明であるブレーキトルクを発生させる第2モータ212のコイル電流制御の状態を示す。
【0029】
次に図3に示す制御フローチャート基づいて説明する。
【0030】
制御部200のCPU250は、画像形成装置が待機状態にあるとき、下ローラ108Lは離間位置にしておく。また、ブレーキトルク発生用第2モータ212のコイル221a、221bに電流が流れないように(ブレーキトルクが発生しない状態)トランジスタ223a、223bはオフ(コイル開放状態)しておく(S300)。
【0031】
そして画像形成ジョブの動作要求があった場合(S301)、まず、画像形成部の感光ドラム101A~101D、中間転写ベルト107の回転動作を開始するために、第1モータ211と第3モータ213A~213Dの加速を開始する(S302、図4におけるt1のタイミング)。第1モータ211、第3モータ213は予め設定された目標速度:VtDRM、VtITBとなるように加速させる。このとき、中間転写ベルト107の目標速度VtITBと、感光ドラム101A~101Dの目標速度VtDRMは、所定の周速差を持つように設定される。これは、感光ドラム101A~101Dと中間転写ベルト107の速度は、お互いに当接するニップ部における振動を防ぐためである。本発明では、感光ドラム101A~101Dの目標速度VtDRMのほうが、中間転写ベルト駆動ローラ121の目標速度に対して速くなる速度として設定されている(VtDRM > VtITB)。
【0032】
そして、感光ドラム101A~101Dと中間転写ベルト107が、目標速度VtDRM、VtITBに達した後に、つまり加速終了後に(S303、図4におけるt2のタイミング)、制御信号Sig_D2により、モータ電流制御回路230内のトランジスタ223a、223bをオンして、第2モータ212のコイル221a、221bを通電させることにより、中間転写ベルト駆動ローラ121にブレーキトルクを印可する(S304)。感光ドラム101A~101Dの速度VtDRMが、中間転写ベルト駆動ローラ121の速度VtITBが速い設定で回転しており、かつ、二次転写ローラ下108Lが離間した状態であるため、中間転写ベルト駆動ローラ121上の負荷トルクは、軽負荷状態になっている。この状態で速度制御をすると、回転動作が不安定状態になりやすい。よって、本発明を実施することにより、中間転写ベルト駆動ローラ121の軽負荷状態を防ぎ、速度制御を安定化させることが可能となる。また、上記抵抗値は、適切なブレーキトルクが印可可能な電流値となるように、予め設定されているものとする。
【0033】
次に、CPU250は、画像形成動作を開始する前の準備として、二次転写下ローラ108Lを上ローラ108Uに当接する位置に移動させるために、第4モータ214の駆動を開始する(S305、図4におけるt3のタイミング)。そして、HPセンサ230からのカム位相検知信号:Sig_S4が所定時間以内に検知された場合に、予め設定された所定移動量動作させた後に停止させる(S307)。所定時間以内に検知されない場合には、当接動作エラーとして、画像形成装置ユーザーに通知する(S320)。
【0034】
正常に当接動作が終了した後、制御信号:Sig_D2により第2モータ212のコイル通電をオフすることにより、中間転写ベルト駆動ローラ107へのブレーキトルクの印可をオフする。これは、二次転写ローラ下10Lを当接させると、そのローラは中間転写ベルト107の従動駆動であるため、中間転写ベルト駆動ローラ121のトルクを増加させる。よって、このタイミングでコイル221a、221bを開放状態にして、ブレーキトルクをオフすることで、駆動モータ211に必要な動力を低減することができる。
【0035】
この状態で中間転写ベルト駆動ローラ121と、感光ドラム101A~101Dと目標速度VtDRM、VtITBを維持するように、制御信号:Sig_D1、Sig_D2を変化させることにより、第1モータ211、第3モータ213の速度制御を行いつつ、画像形成動作を行う(S309)。
【0036】
そして、画像形成動作終了などの停止要求があった場合には(S310)、制御信号:Sig_D2により第2モータ212のコイル通電をオンすることにより(S311)、ブレーキトルクを発生させた状態で、第1モータ211、第3モータ213の減速を開始(S312、図4におけるt4のタイミング)し、停止させる(S313、図4におけるt5のタイミング)。これにより、減速トルクによる軽負荷化を防ぐとともに、停止時の振動抑制も可能となる。その後、二次転写ローラ下108Lを離間位置に移動させるために第4モータ214を駆動し(S314、図4におけるt6のタイミング)、所定時間以内にHPセンサ230からの検知信号:Sig_S4を検知した場合には、正常終了とする。所定時間以内に検知されない場合には、当接動作エラーとして、画像形成装置ユーザーに通知する(S320)。
【0037】
本実施例では、電流制御回路230において、第2モータ212のコイル221a、221bにつきと抵抗222a、224bとトランジスタ223a、223bを1つずつ接続している図としているが、図5に示すように、コイル221aにはトランジスタ223a、225aと、値が異なる抵抗222a、222bを、コイル221bには、トランジスタ223b、225bと、値が異なる抵抗222b、224b接続することにより印可するブレーキトルクの大きさを変化させる(切り替える)ことが可能である。
【0038】
よって、例えば二次転写ローラ108Lの当接前に印可するブレーキトルクと、減速動作開始前に印可するブレーキトルクを異なる大きさとすることも可能である。
【0039】
以上、説明したように本発明によれば、画像形成動作の所定のタイミングで最適なブレーキトルクを与えることができ、速度制御に必要な応答性の確保と長寿命化、不要な消費電力の削減が可能な画像形成装置を提供することが可能となる。
【符号の説明】
【0040】
107 中間転写ベルト
121 中間転写ベルト駆動ローラ
203 エンコーダ
205 エンコーダ
211 駆動モータ
212 第2モータ
213 第3モータ
230 モータ電流制御回路
250 CPU
図1
図2
図3
図4
図5