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特許7618424レンズ装置、画像処理装置、撮像装置、レンズ装置の制御方法、画像処理方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-10
(45)【発行日】2025-01-21
(54)【発明の名称】レンズ装置、画像処理装置、撮像装置、レンズ装置の制御方法、画像処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/88 20230101AFI20250114BHJP
   H04N 23/10 20230101ALI20250114BHJP
   H04N 23/66 20230101ALI20250114BHJP
【FI】
H04N23/88
H04N23/10
H04N23/66
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020189160
(22)【出願日】2020-11-13
(65)【公開番号】P2022078469
(43)【公開日】2022-05-25
【審査請求日】2023-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110412
【弁理士】
【氏名又は名称】藤元 亮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100104628
【弁理士】
【氏名又は名称】水本 敦也
(74)【代理人】
【識別番号】100121614
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 倫也
(72)【発明者】
【氏名】井上 創
【審査官】越河 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-022998(JP,A)
【文献】特開2003-046818(JP,A)
【文献】特開2005-167560(JP,A)
【文献】特開2011-234231(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/76
H04N 23/10
H04N 23/88
H04N 23/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置に対して着脱可能なレンズ装置であって、
前記撮像装置に前記レンズ装置の種類を通知する通知手段と、
前記撮像装置と通信する通信手段と、を有し、
前記通信手段は、前記撮像装置との通信により、前記レンズ装置の種類に対応して前記撮像装置に記憶されている白検出範囲とは異なる白検出範囲を設定するための設定情報を送信し、
前記撮像装置に装着された前記レンズ装置が第1の種類である第1のレンズ装置である場合、前記設定情報は、前記第1のレンズ装置に対応する第1の白検出範囲から、第2の種類である第2のレンズ装置に対応する第2の白検出範囲に切り替えるための信号であることを特徴とするレンズ装置。
【請求項2】
前記通知手段は、前記撮像装置が前記レンズ装置の種類を検出するための抵抗および端子を有し、
前記端子は、前記抵抗に応じた電圧を前記撮像装置へ出力することを特徴とする請求項1に記載のレンズ装置。
【請求項3】
前記レンズ装置の種類は、前記レンズ装置のマウント形状により分類されることを特徴とする請求項1または2に記載のレンズ装置。
【請求項4】
色特性の異なる複数の種類のレンズ装置のうち、画像の撮影に用いられたレンズ装置の種類を判定する判定手段と、
前記画像に対してホワイトバランス調整を適用する画像処理手段と、
前記レンズ装置と通信する通信手段と、を有し、
前記画像処理手段は、前記通信手段を介した前記レンズ装置との通信により、前記レンズ装置の種類に対応する白検出範囲とは異なる白検出範囲を設定するための設定情報を受信した場合、前記設定情報に基づく白検出範囲を設定して前記ホワイトバランス調整を適用し、
撮像装置に装着された前記レンズ装置が第1の種類である第1のレンズ装置である場合、前記設定情報は、前記第1のレンズ装置に対応する第1の白検出範囲から、第2の種類である第2のレンズ装置に対応する第2の白検出範囲に切り替えるための信号であることを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
前記画像処理手段は、前記設定情報に基づく前記白検出範囲を用いて、前記画像から検出された白色領域に基づいて前記ホワイトバランス調整のホワイトバランス係数を算出することを特徴とする請求項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
色特性の異なる複数の種類のレンズ装置のうち、画像の撮影に用いられたレンズ装置の種類を判定する判定手段と、
前記画像に対してホワイトバランス調整を適用する画像処理手段と、
前記レンズ装置と通信する通信手段と、を有し、
前記画像処理手段は、前記通信手段を介した前記レンズ装置との通信により、前記レンズ装置の種類に対応する白検出範囲とは異なる白検出範囲を設定するための設定情報を受信した場合において、前記設定情報に基づく白検出範囲を設定することができない場合、警告を行い
撮像装置に装着された前記レンズ装置が第1の種類である第1のレンズ装置である場合、前記設定情報は、前記第1のレンズ装置に対応する第1の白検出範囲から、第2の種類である第2のレンズ装置に対応する第2の白検出範囲に切り替えるための信号であることを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
レンズ装置が着脱可能な撮像装置であって、
撮像素子と、
請求項乃至のいずれか一項に記載の画像処理装置と、を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項8】
撮像装置に対して着脱可能なレンズ装置の制御方法であって、
前記撮像装置に前記レンズ装置の種類を通知する通知ステップと、
前記撮像装置と通信する通信ステップと、を有し、
前記通信ステップにおいて、前記撮像装置との通信により、前記レンズ装置の種類に対応して前記撮像装置に記憶されている白検出範囲とは異なる白検出範囲を設定するための設定情報を送信し、
前記撮像装置に装着された前記レンズ装置が第1の種類である第1のレンズ装置である場合、前記設定情報は、前記第1のレンズ装置に対応する第1の白検出範囲から、第2の種類である第2のレンズ装置に対応する第2の白検出範囲に切り替えるための信号であることを特徴とするレンズ装置の制御方法。
【請求項9】
色特性の異なる複数の種類のレンズ装置のうち、画像の撮影に用いられたレンズ装置の種類を判定する判定ステップと、
前記画像に対してホワイトバランス調整を適用する画像処理ステップと、
前記レンズ装置と通信する通信ステップと、を有し、
前記通信ステップにおいて、前記レンズ装置の種類に対応する白検出範囲とは異なる白検出範囲を設定するための設定情報を受信した場合、前記画像処理ステップにおいて、前記設定情報に基づく白検出範囲を設定して前記ホワイトバランス調整を適用し、
撮像装置に装着された前記レンズ装置が第1の種類である第1のレンズ装置である場合、前記設定情報は、前記第1のレンズ装置に対応する第1の白検出範囲から、第2の種類である第2のレンズ装置に対応する第2の白検出範囲に切り替えるための信号であることを特徴とする画像処理方法。
【請求項10】
色特性の異なる複数の種類のレンズ装置のうち、画像の撮影に用いられたレンズ装置の種類を判定する判定ステップと、
前記画像に対してホワイトバランス調整を適用する画像処理ステップと、
前記レンズ装置と通信する通信ステップと、を有し、
前記通信ステップにて前記レンズ装置の種類に対応する白検出範囲とは異なる白検出範囲を設定するための設定情報を受信しても前記設定情報に基づく白検出範囲を設定することができない場合、前記画像処理ステップにおいて警告を行い、
撮像装置に装着された前記レンズ装置が第1の種類である第1のレンズ装置である場合、前記設定情報は、前記第1のレンズ装置に対応する第1の白検出範囲から、第2の種類である第2のレンズ装置に対応する第2の白検出範囲に切り替えるための信号であることを特徴とする画像処理方法。
【請求項11】
請求項に記載のレンズ装置の制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項12】
請求項または1に記載の画像処理方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交換レンズの光学特性に起因する撮影画像の色味の差を低減させる画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、交換レンズの色特性が異なることで、カメラ本体に装着された交換レンズの種類に応じて撮影画像の色味が異なることが知られている。特許文献1には、交換レンズの種類に応じてホワイトバランス調整値の算出方法を切り替えることで、色味の差異を低減する画像処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6041561号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された画像処理装置は、装着された交換レンズが同じ種類の交換レンズであると検出した場合、同じ算出方法が実行される。しかし、同じ種類であると検出された交換レンズでも、交換レンズの色特性が異なって画像の色味に影響を与える場合がある。
【0005】
そこで本発明は、撮像装置に装着されたレンズ装置が同じ種類のレンズ装置でも、画像の色味に与える影響を軽減することが可能なレンズ装置、画像処理装置、撮像装置、レンズ装置の制御方法、画像処理方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面としてのレンズ装置は、撮像装置に対して着脱可能なレンズ装置であって、前記撮像装置に前記レンズ装置の種類を通知する通知手段と、前記撮像装置と通信する通信手段とを有し、前記通信手段は、前記撮像装置との通信により、前記レンズ装置の種類に対応して前記撮像装置に記憶されている白検出範囲とは異なる白検出範囲を設定するための設定情報を送信し、前記撮像装置に装着された前記レンズ装置が第1の種類である第1のレンズ装置である場合、前記設定情報は、前記第1のレンズ装置に対応する第1の白検出範囲から、第2の種類である第2のレンズ装置に対応する第2の白検出範囲に切り替えるための信号である。
【0007】
本発明の他の側面としての画像処理装置は、色特性の異なる複数の種類のレンズ装置のうち、画像の撮影に用いられたレンズ装置の種類を判定する判定手段と、前記画像に対してホワイトバランス調整を適用する画像処理手段と、前記レンズ装置と通信する通信手段とを有し、前記画像処理手段は、前記通信手段を介した前記レンズ装置との通信により、前記レンズ装置の種類に対応する白検出範囲とは異なる白検出範囲を設定するための設定情報を受信した場合、前記設定情報に基づく白検出範囲を設定して前記ホワイトバランス調整を適用し、撮像装置に装着された前記レンズ装置が第1の種類である第1のレンズ装置である場合、前記設定情報は、前記第1のレンズ装置に対応する第1の白検出範囲から、第2の種類である第2のレンズ装置に対応する第2の白検出範囲に切り替えるための信号である。
【0008】
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施形態において説明される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、撮像装置に装着されたレンズ装置が同じ種類のレンズ装置でも、画像の色味に与える影響を軽減することが可能なレンズ装置、画像処理装置、撮像装置、レンズ装置の制御方法、画像処理方法、およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態におけるカメラシステムのブロック図である。
図2】本実施形態における交換レンズの色特性の例を示す図である。
図3】本実施形態におけるカメラ制御部およびレンズ制御部のブロック図である。
図4】本実施形態におけるレンズ種類被判定部の説明図である。
図5】本実施形態におけるレンズ種類判定処理を示すフローチャートである。
図6】本実施形態におけるレンズタイプとホワイトバランスIDとカメラ本体が選択するホワイトバランスとの関係を示す表である。
図7】本実施形態における交換レンズのレンズ通信および画像処理部の現像処理を示すフローチャートである。
図8】本実施形態における警告表示の一例を示す図である。
図9】本実施形態におけるホワイトバランス係数データのデータ構造の一例を示す図である。
図10】本実施形態における3D-LUTを色空間で模式的に示す図である。
図11】本実施形態における3次元補間演算の一例としての四面体補間法の説明図である。
図12】本実施形態における画像処理部の現像処理の別の例を示すフローチャートである。
図13】本実施形態におけるレンズタイプに応じた3D-LUTのデータ構造の一例を示す図である。
図14】本実施形態における画像処理部の現像処理のさらに別の例を示すフローチャートである。
図15】本実施形態におけるレンズタイプに応じた白検出範囲の設定例を示す図である。
図16】本実施形態における手動ホワイトバランス登録処理および手動ホワイトバランス適用処理の例を示すフローチャートである。
図17】本実施形態におけるレンズタイプをレンズの分光透過率に応じた色特性から分類する方法の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
デジタルカメラなどの撮像装置は、CMOSセンサなどのイメージセンサで取得したRAW画像に対し、ホワイトバランス調整や色処理などの画像処理を施すことで撮影画像を生成する。一般に、ホワイトバランス調整は、イメージセンサから取得されたR、G、Bのそれぞれの信号値のレベルを調整する処理であり、色処理は色の濃さ・色合いの調整や3D-LUT(3次元ルックアップテーブル)を用いた色変換処理などである。ホワイトバランス調整や色処理は、光源やイメージセンサの分光特性の影響による撮影画像の色かぶりや色再現性の低下を発生させることなく、被写体の色味を適切に表現するための処理である。撮影画像の色味は、レンズの分光透過率に応じて変化する。特にレンズの交換が可能であるデジタル一眼レフカメラの場合、カメラ本体に装着可能な複数の交換レンズが存在し、分光透過率は交換レンズの種類に応じて異なる場合がある。
【0013】
ここで、図2を参照して、交換レンズの色特性について説明する。図2は、交換レンズの色特性の例を示す図である。図2は、ある光源下における光源の分光分布とレンズの分光透過率から算出したレンズの色特性を示している。図2において、レンズタイプ1(第1の種類)はミラーレスカメラに装着可能な交換レンズ(第1のレンズ装置)であり、レンズタイプ2(第2の種類)は一眼レフカメラに装着可能な交換レンズ(第2のレンズ装置)である。レンズタイプ1に分類される交換レンズには様々な種類のレンズが存在するが、それぞれの色特性は図中の点aを中心とした分布領域内に分布する。レンズタイプ1と同様に、レンズタイプ2に分類される交換レンズにも様々なレンズの種類が存在し、それぞれの色特性は図中の点bを中心とした分布領域内に分布する。
【0014】
このように交換レンズが多様化し、色特性も様々な交換レンズが存在するなかで、これらの交換レンズを全て装着可能かつ撮影可能なデジタルカメラ(カメラ本体)が考えられる。レンズタイプ1とレンズタイプ2のマウントの形状が異なる場合(異なる種類の交換レンズ)でも、マウントの違いを変換する構造を持つアダプターなどを用いることで、様々な交換レンズが装着可能となる。このようなカメラ本体の場合、装着される交換レンズの色特性が異なることで、使用された交換レンズに応じて画像の色味が異なるため、交換レンズに応じて異なる画像の色味の差を低減する必要がある。
【0015】
また、マウントの形状が同じ、すなわち同じ種類(例えばレンズタイプ1)の交換レンズであっても、レンズタイプ1用のホワイトバランスをカメラ本体が選択すると、小型化や低コスト化が難しい場合がある。このため、レンズタイプ1でありながら、レンズタイプ2のホワイトバランスをカメラ本体が選択できるように構成する必要がある。
【0016】
まず、図1を参照して、本実施形態におけるカメラシステム(撮像システム)300について説明する。図1は、カメラシステム300のブロック図である。カメラシステム300は、カメラ本体(撮像装置)10と、カメラ本体10に着脱可能な交換レンズ(レンズ装置)100とを備えて構成される。カメラ本体10および交換レンズ100はそれぞれ、カメラ本体10から交換レンズ100に電源を供給するためや相互に通信するための電気的接点を備えたマウント1を有する。
【0017】
カメラ本体10は、CMOSセンサやCCDセンサなどのイメージセンサ(撮像素子)11を有する。イメージセンサ11は、交換レンズ100内のレンズ(撮像光学系)101により形成された光学像(被写体像)を光電変換して電気信号を出力する。またカメラ本体10は、イメージセンサ11から出力されたアナログ電気信号をデジタル信号に変換するA/D変換部12、および、A/D変換部12から出力されたデジタル信号に対し各種画像処理を行って画像を生成する画像処理部13を有する。
【0018】
画像処理部13は、撮影画像に対してホワイトバランス調整を適用する画像処理手段として機能し、ホワイトバランス処理部130、色処理部131、および、その他画像処理部132を有する。ホワイトバランス処理部130は、画像処理部13への入力画像を構成する赤(R)、緑(G)、青(B)の信号に対し、それぞれゲインをかけR、G、Bの色比を調整する処理を行う。色処理部131は、色の濃さ、色合いの調整、および3D-LUTなどの色変換処理を行う。その他画像処理部132は、画素補間処理、明度調整処理、およびガンマ処理などの現像処理を行う。画像処理部13にて生成された画像は表示部14に表示され、記録媒体15に記録される。
【0019】
またカメラ本体10は、メモリ(記憶部)16を有する。メモリ16は、画像に対する処理を行う際のバッファとしての機能を果たすとともに、後述するカメラ制御部18が用いる動作プログラムを記憶している。またメモリ16は、ホワイトバランス処理部130および色処理部131で使用する後述の各種データを記憶している。またカメラ本体10は、電源のオン/オフを行うための電源スイッチ、画像の記録を開始させる撮影スイッチ、および各種メニューの設定を行うための選択/設定スイッチなどを含む操作入力部17を有する。カメラ制御部18は、マイクロコンピュータを含み、操作入力部17からの信号に応じて画像処理部13の制御や交換レンズ100との通信制御を行う。
【0020】
一方、交換レンズ100は、レンズ101、レンズ駆動部102、およびレンズ制御部103を有する。レンズ駆動部102は、レンズ101に含まれる不図示のフォーカスレンズ、ズームレンズ、絞り、および防振レンズなどを移動または動作させるアクチュエータを駆動する。レンズ制御部103は、マイクロコンピュータを有し、カメラ制御部18から通信によって受け取った制御信号に応じてレンズ駆動部102を制御する。なお本実施形態において、カメラ本体10に対して装着可能な交換レンズ100として、2種類の交換レンズがあるものとして説明するが、これに限定されるものではなく、3種類以上の交換レンズに対応可能であってもよい。
【0021】
次に、図3を参照して、マウント1を介して電気的に接続されるカメラ制御部18とレンズ制御部103との構成について説明する。図3は、カメラ制御部18およびレンズ制御部103のブロック図である。
【0022】
LCLK端子(1-1)は、カメラ本体10から交換レンズ100に出力される通信クロック信号用の端子である。DCL端子(1-2)は、カメラ本体10から交換レンズ100に出力される通信データ用の端子である。DLC端子(1-3)は、交換レンズ100からカメラ本体10に出力される通信データ用の端子である。MIF端子(1-4)は、カメラ本体10に交換レンズ100が装着されたことを検出するための端子である。カメラ制御部18内のマイクロコンピュータであるカメラマイコン20は、MIF端子の電圧に基づいて、交換レンズ100がカメラ本体10に装着されたことを検出する。
【0023】
TYPE端子(1-5)は、カメラ本体10に装着された交換レンズ100の種類を検出するための端子である。本実施形態において、TYPE端子(1-5)とレンズ種類被判定部213(抵抗RL)とにより、カメラ本体10に交換レンズ100の種類を通知する通知手段が構成される。TYPE端子(1-5)は、抵抗RLに応じた電圧をカメラ本体10へ出力する。カメラマイコン20は、TYPE端子(1-5)の電圧に基づいて、カメラ本体10に装着された交換レンズ100の種類を検出する。VBAT端子(1-6)は、カメラ本体10から交換レンズ100に、通信制御を除く各種動作に用いられる駆動用電源(VM)を供給するための端子である。VDD端子(1-7)は、カメラ本体10から交換レンズ100に、通信制御に用いられる通信制御用電源(VDD)を供給する端子である。DGND端子(1-8)は、カメラ本体10と交換レンズ100の通信制御系をグランドに接続する端子である。PGND端子(1-9)は、カメラ本体10と交換レンズ100に設けられたモータなどを含むメカニカル駆動系をグランドに接続するための端子である。
【0024】
本実施形態のカメラ本体10には、カメラ本体10との通信電圧が互いに異なる複数種類の交換レンズ100が選択的に装着される。以下の説明では、カメラ本体10がTYPE端子の電圧に基づいて識別する交換レンズ100の種類に、第1のレンズ装置(レンズタイプ1)と、第1のレンズ装置とは通信電圧が異なる第2のレンズ装置(レンズタイプ2)とがある場合について説明する。
【0025】
カメラ制御部18内に設けられたカメラ電源部21は、カメラ本体10に搭載された不図示のバッテリから供給されたバッテリ電圧を各回路の動作に必要な電圧に変換する。この際、カメラ電源部21は、電圧V1、V2、V3、VMを生成する。第1の電圧V1は、第1および第2のレンズ装置の通信制御用電源(VDD)としての電源電圧であるとともに、第1のレンズ装置の通信電圧である。第2の電圧V2は、第2のレンズ装置の通信電圧である。第3の電圧V3は、カメラマイコン20の動作用電源としての電源電圧である。VMは第1および第2のレンズ装置の駆動用電源としての電源電圧である。電源スイッチ22がオンされると、カメラマイコン20は、カメラ本体10から交換レンズ100へのVDDとVMの供給を開始する。電源スイッチ22がオフされると、カメラマイコン20は、カメラ本体10から交換レンズ100へのVDDとVMの供給を停止する。
【0026】
カメラマイコン20は、電圧変換手段としての電圧変換部23を介して交換レンズ100との通信を行う。カメラマイコン20は、通信用クロック信号を出力するLCLK_OUT端子と、交換レンズ100への通信データを出力するDCL_OUT端子と、交換レンズ100からの通信データの入力を受けるDLC_IN端子とを有する。通信用クロック信号および通信データは、通信用の信号に相当する。カメラマイコン20は、交換レンズ100と通信する通信手段(カメラ通信手段)として機能する。
【0027】
また、カメラマイコン20は、交換レンズ100の装着を検出するためのMIF_IN端子と、交換レンズ100の種類を識別するためのTYPE_IN端子と、電圧変換部23への通信電圧切り替え信号を出力するCNT_V_OUT端子とを有する。カメラマイコン20は、色特性の異なる複数の種類の交換レンズのうち、画像の撮影に用いられた交換レンズの種類を判定する判定手段として機能する。さらに、カメラマイコン20は、電源スイッチ22の通電信号を出力するCNT_VDD_OUT端子と、画像処理部13との接続端子と、操作入力部17との接続端子とを有する。
【0028】
レンズ制御部103内のマイクロコンピュータであるレンズマイコン211は、電圧変換部23を介してカメラマイコン20と通信を行う。レンズマイコン211は、通信用クロック信号を入力するLCLK_IN端子と、カメラ本体10への通信データを出力するDLC_OUT端子と、カメラ本体10からの通信データの入力を受けるDCL_IN端子と、レンズ駆動部102との接続端子とを有する。レンズマイコン211は、カメラ本体10と通信する通信手段(レンズ通信手段)として機能する。またレンズ制御部103は、電圧生成手段としてのレンズ電源部214を有する。
【0029】
次に、交換レンズ100のカメラ本体10への装着検出について説明する。カメラマイコン20のMIF_IN端子は、抵抗R2(100KΩ)によって電源にプルアップされているため、レンズ未装着時にはその電圧値はH(High)となる。しかし、MIF_IN端子は、交換レンズ(第1および第2のレンズ装置)100が装着されると交換レンズ100においてGNDに接続されるため、交換レンズ100の種類にかかわらず交換レンズ100が装着された時点でその電圧値はL(Low)となる。
【0030】
次に、図4を参照して、被判定手段としてのレンズ種類被判定部213の構成例を説明する。図4は、レンズ種類被判定部213の説明図である。レンズ種類被判定部213は、マウント1に設けられたTYPE端子(1-5)とGNDとの間に設けられた抵抗RLを有する。抵抗RLの抵抗値としては、交換レンズの種類に応じた値が予め設定されている。例えば、図4(a)に示される第1のレンズ装置に設けられた抵抗RLでは2.4kΩとし、図4(b)に示される第2のレンズ装置に設けられた抵抗RLでは27KΩとする。
【0031】
カメラ本体10において、マウント1のTYPE端子とカメラマイコン20の動作用電源の電圧(V3)との間にカメラ側抵抗としての抵抗R1(例えば10KΩとする)が接続され、さらにTYPE端子がカメラマイコン20のTYPE_IN端子に接続される。カメラマイコン20のTYPE_IN端子は、A/D変換機能(ここでは10BitのA/D変換機能とする)を備えている。
【0032】
次に、カメラマイコン20による交換レンズの種類判定の動作について説明する。カメラマイコン20は、TYPE_IN端子に入力される電圧値に応じて、装着された交換レンズの種類判定を行う。具体的には、カメラマイコン20は、入力された電圧値をA/D変換し、A/D変換値とカメラマイコン20が予め有するレンズ種類判定基準とを比較することでレンズ種類判定を行う。
【0033】
例えば、第1のレンズ装置が装着された場合は、TYPE_IN端子に入力される電圧のA/D変換値は、R1の10KΩとRLの2.4KΩとの抵抗比RL/(R1+RL)で、およそ「0x00C6」と決まる。このため、カメラマイコン20は、TYPE_IN端子のA/D変換値が第1のレンズ種類判定基準である「0x0047~0x0145」の範囲内にあることを検出して、装着された交換レンズが第1のレンズ装置であると判定する。一方、第2のレンズ装置が装着された場合は、TYPE_IN端子に入力される電圧のA/D変換値はR1の10KΩとRLの27KΩとの抵抗比RL/(R1+RL)で、およそ「0x02EB」と決まる。このため、カメラマイコン20は、TYPE_IN端子のA/D変換値が第2のレンズ種類判定基準である「0x026C~0x036A」の範囲内にあることを検出して、装着された交換レンズが第2のレンズ装置であると判定する。
【0034】
前述したように、カメラマイコン20は、装着された交換レンズ100の種類を、TYPE_IN端子に入力される電圧値(A/D変換値)に基づいて判定する。そして、交換レンズ100の種類の判定結果に応じて、CNT_V_OUT端子から出力される論理を制御する。具体的には、カメラマイコン20がTYPE_IN端子の電圧値から、装着された交換レンズ100が第1のレンズ装置であると判定した場合は、カメラマイコン20は、CNT_V_OUT端子からHを出力して通信電圧をV1に制御する。また、カメラマイコン20がTYPE_IN端子の電圧値から、装着された交換レンズ100が第2のレンズ装置であると判定した場合は、カメラマイコン20は、CNT_V_OUT端子からLを出力して通信電圧をV2に制御する。
【0035】
TYPE_IN端子の電圧値(A/D変換値)として第1および第2のレンズ種類判定基準外の範囲の電圧値を検出した場合、カメラマイコン20は、カメラ本体10が対応していない交換レンズである「非対応レンズ」が装着されたものと判定する。または、レンズ種類判定が正常に行うことができないとして、判定を留保(Reserved)する。これらの場合、カメラマイコン20は、交換レンズ100との通信を行わない。
【0036】
次に、図5を参照して、交換レンズ100の種類の判定処理(レンズ種類判定処理)について説明する。図5は、レンズ種類判定処理を示すフローチャートである。図5の各ステップは、主に、カメラマイコン20がメモリ16内に格納されたコンピュータプログラムに従って実行する。
【0037】
まずステップS60において、カメラマイコン20は、MIF_IN端子から電圧値H又はLを読み込む。続いてステップS61において、カメラマイコン20は、TYPE_IN端子から電圧値を読み込む。なお、ステップS60とステップS61はこの順で行われる必要はなく、例えばステップS60、S61を同時に行ってもよい。
【0038】
続いてステップS62において、カメラマイコン20は、TYPE_IN端子の電圧値に基づいて、前述したように装着された交換レンズ100の種類判定を行う。カメラマイコン20は、装着された交換レンズ100が第1のレンズ装置(レンズタイプ1)であると判定した場合、ステップS63にてCNT_V_OUT端子からHを出力して通信電圧をV1に設定し、ステップS63Aに進む。一方、ステップS62にて装着された交換レンズ100が第2のレンズ装置(レンズタイプ2)であると判定した場合は、カメラマイコン20は、ステップS64にてCNT_V_OUT端子からLを出力して通信電圧をV2に設定し、ステップS64Aに進む。また、ステップS62にて装着された交換レンズ100が第1および第2のレンズ装置のいずれでもないと判定した場合、カメラマイコン20は、ステップS65にて「非対応レンズ」又は留保(Reserved)に対応する処理のためにステップS65Aに進む。
【0039】
ステップS63AおよびステップS64Aにおいて、カメラマイコン20は、設定した通信電圧での交換レンズ100との通信を開始する。ステップS65Aでは、カメラマイコン20は、装着された交換レンズ100との通信を開始せず、ユーザに対する警告などの処理を行う。
【0040】
続いてステップS66において、カメラマイコン20は、電源スイッチのOFF操作による電源OFFの割り込みが生じたか否かを判定する。電源OFFの割り込みが生じた場合、ステップS67に進み、カメラマイコン20は電源OFFの処理を行う。一方、ステップS66にて電源OFFの割り込みが生じていない場合、ステップS68に進む。ステップS68において、カメラマイコン20は、MIF_IN端子からHが入力されたか否か、すなわち交換レンズ100がカメラ本体10から取り外されたか否かを判定する。MIF_IN端子からHが入力された場合、カメラマイコン20は、ステップS69に進み、交換レンズ100との通信を停止して、ステップS60に戻る。一方、MIF_IN端子からHが入力されていない場合、カメラマイコン20は、ステップS66に戻る。このような通信処理を行うことで、カメラ制御部18は装着された交換レンズ100の種類の判定が可能である。
【0041】
本実施形態では、装着された交換レンズ100の種類判定を行う方法として、TYPE_IN端子に入力される電圧値に応じて判定する方法を説明したが、これに限定されるものではなく、他の判定方法も適用可能である。例えば、ステップS61からステップS65までのレンズ種類判定とレンズタイプに応じた出力電圧の設定は行わずに、ステップS63Aの直後にレンズ種類に関する情報を交換レンズ100から受信することでレンズ種類を判定する方法も可能である。
【0042】
次に、図6を参照して、画像処理部13による現像処理における、交換レンズ100の特性(色特性)による撮影画像の色味の差を低減させるための処理を説明する。図6は、画像処理部13による現像処理における、レンズタイプとホワイトバランスIDとカメラ本体10が選択するホワイトバランスとの関係を示す表である。
【0043】
従来、レンズタイプ1であればカメラ本体が選択するホワイトバランスもレンズタイプ1用であり、レンズタイプ2であればカメラ本体が選択するホワイトバランスもレンズタイプ2用であった。しかしながら、レンズタイプ1用のホワイトバランスをカメラ本体が選択すると、小型化や低コスト化が難しい場合がある。そこで、レンズタイプ1でありながら、レンズタイプ2のホワイトバランスをカメラ本体が選択するため、本実施形態では、レンズタイプ1のホワイトバランスを選択するID(ホワイトバランスID:WBID)が用意されている。WBIDが0のときは無効を表しており、レンズタイプと同じホワイトバランスを選択する。一方、レンズタイプ1かつWBID=1の場合、カメラ本体が選択するホワイトバランスをレンズタイプ2とする。また、WBID=2などの別のID番号を設けることで、レンズタイプ1ともレンズタイプ2とも異なる、レンズタイプ3のホワイトバランスを選択することも可能である。
【0044】
次に、図7(a)、(b)を参照して、交換レンズ100(レンズ制御部103)のレンズ通信および画像処理部13の現像処理について説明する。図7(a)は、交換レンズ100のレンズ通信を示すフローチャートである。まずステップS90において、交換レンズ100のレンズ制御部103と、接続したカメラ本体10のカメラ制御部18との間でレンズ通信を行う。レンズ通信において、カメラ制御部18はカメラ本体10の情報を交換レンズ100に送信し、レンズ制御部103は交換レンズ100の情報をカメラ本体10に送信する。レンズ通信の一連の処理の中で、ステップS91において、交換レンズ100は、WBID情報(ホワイトバランスID情報)をカメラ本体10に送信する。
【0045】
図7(b)は、画像処理部13の現像処理を示すフローチャートである。まずステップS100において、カメラ制御部18は、レンズタイプ(カメラ本体10に装着された交換レンズの種類)がレンズタイプ1であるか否かを判定する。レンズタイプがレンズタイプ2の場合、ステップS101に進み、画像処理部13はレンズタイプ2用のホワイトバランス処理を行う。
【0046】
一方、ステップS100にてレンズタイプがレンズタイプ1である場合、ステップS102に進み、カメラ制御部18は、交換レンズ100から受信したWBIDが“1”であるか否かを判定する。WBIDが“0”の場合、ステップS103に進み、画像処理部13は、レンズタイプ1用のホワイトバランス処理を行う。一方、WBIDが“1”の場合、ステップS104に進み、画像処理部13は、レンズタイプ2用のホワイトバランス処理に切り替え可能であるか否かを確認する。レンズタイプ2用のホワイトバランス処理に切り替え可能な場合、ステップS101に進む。ステップS101において、画像処理部13は、装着された交換レンズ100のレンズタイプはレンズタイプ1であるが、レンズタイプ2用のホワイトバランス処理を行う。一方、レンズタイプ2用のホワイトバランス処理に切り替え不可能な場合、ステップS105に進み、画像処理部13は表示部14に警告表示を行う。
【0047】
図8は、警告表示の一例を示す図であり、カメラ本体10のファームアップを促す表示を示している。図7(b)のステップS101、S103の処理は、ホワイトバランス処理部130で行われる処理である。ステップS103は、レンズタイプ1の交換レンズに特化したホワイトバランスを画像に適用する処理である。ステップS101は、レンズタイプ2の交換レンズに特化したホワイトバランスを画像に適用する処理である。
【0048】
一般に、カメラ本体10は、複数の光源に対応したホワイトバランス係数データを予め記憶しており、ユーザにより光源の選択が可能である。ここでホワイトバランス係数とは、画像を構成するR、G、Bの信号へ適用するゲイン値である。R、G、Bのホワイトバランス係数をそれぞれWbGainR、WbGainG、WbGainBとし、ホワイトバランス調整前のR、G、B値をR0、G0、B0、ホワイトバランス調整後のR、G、B値をそれぞれR1、G1、B1とする。このとき、ホワイトバランス調整処理は、以下のように表すことができる。以下の式(1)~(3)による演算を画像内の全画素に対して行うことで、ホワイトバランスを適用することができる。
【0049】
R1=WbGainR×R0 ・・・(1)
G1=WbGainG×G0 ・・・(2)
B1=WbGainB×B0 ・・・(3)
図9は、メモリ16に記憶されるホワイトバランス係数データのデータ構造の一例を示す図である。メモリ16は、光源として太陽光、日陰、くもりなどに対応したホワイトバランス係数をレンズタイプ毎に保持している。つまり、レンズタイプ1のレンズに特化したホワイトバランス適用処理を行う場合、図9においてレンズタイプ1用領域に格納されたホワイトバランス係数を使用する。また図9において、レンズタイプ2のレンズに特化したホワイトバランス適用処理を行う場合、レンズタイプ2用領域に格納されたホワイトバランス係数を使用する。レンズタイプ1用のホワイトバランス係数と、レンズタイプ2用のホワイトバランス係数は、それぞれのレンズを使用した場合の最適な値を予め実験的に求めておけばよい。このように使用するホワイトバランス係数をレンズタイプによって切り替えることで、レンズタイプ毎に異なる色特性の影響による画像の色かぶりを低減させることができる。
【0050】
続いて、図7(b)のステップS106において、色処理部131は、画像の色の濃さと色合いを調整する。続いてステップS107において、色処理部131は、3D-LUT(3次元ルックアップテーブル)を用いた色空間変換処理を行い、所望の色再現を行う。3D-LUTとは、入力のR、G、B値に対する出力のR、G、B値を定義したテーブルであり、メモリ16に記憶されている。
【0051】
ここで、3D-LUTと、三次元補間演算を併用した色空間変換方法について説明する。入力デジタル画像信号(R、G、B)は、上位ビットと下位ビットとに分離される。上位ビットは、3D-LUTを用いて行う補間演算に必要な複数の参照値を取り出すときに使用される。また、下位ビットは、重み係数gとして補間演算に使用される。そして、重み係数gと3D-LUTから取り出された参照値との積和演算により補間値を計算する。
【0052】
図10は、三次元入力の色空間(RGB空間)を、各軸方向に限定数で分割することで、単位立体に分割した状態を模式的に示す図である。単位立体の頂点における色空間変換後の色データは、参照値として3D-LUTに記憶されている。3つのデジタル画像信号の上位ビットを色空間の座標と考え、補間演算に使用する単位立体を選択し(例えば、図10に示す単位立体1000)、単位立体の頂点に対応する参照値を補間演算に使用する。
【0053】
このときに使用される三次元補間演算の方法として四面体補間法がある。図11は、四面体補間法の説明図である。四面体補間法は、図11(b)~(g)に示されるように行われる。すなわち、単位立体(例えば、図10に示される単位立体1000)を6つの四面体に分割して(以下、分割した6つの四面体をそれぞれType0~Type5と称する)、入力座標がどの四面体に属するかによって、以下の式を用いて補間演算する。
【0054】
なお、以下の式では、図11(a)に示される単位立体の頂点に対応する参照値を、それぞれP0~P7とし、重み係数gをΔR、ΔG、ΔBとしている。また、Type0からType5の四面体のうち、どの四面体を選択するかは、これら重み係数ΔR、ΔG、ΔBの大小関係により決定される。
【0055】
Type0のとき(ΔR>ΔG>ΔB)
X=P0+(P1-P0)×ΔR+(P3-P0)×ΔG+(P7-P0)×ΔB ・・・(4)
Type1のとき(ΔR>ΔB>ΔG)
X=P0+(P1-P0)×ΔR+(P7-P0)×ΔG+(P5-P0)×ΔB ・・・(5)
Type2のとき(ΔG>ΔR>ΔB)
X=P0+(P3-P0)×ΔR+(P2-P0)×ΔG+(P7-P0)×ΔB ・・・(6)
Type3のとき(ΔG>ΔB>ΔR)
X=P0+(P7-P0)×ΔR+(P2-P0)×ΔG+(P6-P0)×ΔB ・・・(7)
Type4のとき(ΔB>ΔR>ΔG)
X=P0+(P5-P0)×ΔR+(P7-P0)×ΔG+(P4-P0)×ΔB ・・・(8)
Type5のとき(ΔB>ΔG>ΔR)
X=P0+(P7-P0)×ΔR+(P6-P0)×ΔG+(P4-P0)×ΔB ・・・(9)
図7(b)のステップS104にて3D-LUTを用いた色空間変換処理を行うことで、画像処理部13における現像処理は終了する。
【0056】
また、画像処理部13で行なわれる現像処理として、図12に示されるように、3D-LUTをレンズタイプ毎に保持し、使用されたレンズによって3D-LUTを切り替える方法もある。図12(a)は、画像処理部の現像処理の別の例を示すフローチャートである。なお図12(a)において、説明を簡略化するため、図7のフローチャートに記載した警告表示に関する記載については省略する。ステップS110~S114は、前述の処理の流れと同様である。
【0057】
ステップS115において、カメラ制御部18は、レンズタイプを判定する。またステップS116において、カメラ制御部18は、交換レンズ100から受信したWBIDが“1”であるか否かを判定する。そしてステップS117、S118において、カメラ制御部18は、WBIDの情報に基づいて、レンズタイプに応じた3D-LUTを用いた色空間変換処理を行う。ここで使用する3D-LUTは、レンズの色特性の違いを加味したものを予め用意しておき、レンズタイプに応じて使用する3D-LUTを切り替えることで、レンズの色特性が異なる場合でも画像の色味をより詳細に合わせることが可能になる。
【0058】
この場合、メモリ16で保持する3D-LUTのデータ構造は、図13に示されるように、レンズタイプ1用のものとレンズタイプ2用のものをそれぞれ保持する構造である。図13は、レンズタイプに応じた3D-LUTのデータ構造の一例を示す図である。使用する3D-LUTは、レンズタイプに応じて決められる。なお、図13に示されるデータ構造のなかの1ブロックは、図10に示される単位立体の頂点における色空間変換後の色データに相当する。
【0059】
また、レンズタイプに応じたホワイトバランス処理で低減させたレンズの色特性の違いによる画像の色かぶりも、予め3D-LUTに反映しておくことで、レンズの色特性の違いを3D-LUTだけで吸収させることも可能である。その場合の処置フローは、図12(b)のようになる。まずステップS120において、ホワイトバランス処理部130は、レンズタイプに依存しないホワイトバランス処理を適用する。続いてステップS121において、色処理部131は、画像の色の濃さと色合いを調整する。続くステップS122~S125において、カメラ制御部18は、レンズタイプに応じた3D-LUTを使用する。
【0060】
以上のように、ホワイトバランス処理や3D-LUTをレンズタイプによって切り替えることで、レンズの色特性の違いによる画像の色味の差異を低減することができる。
【0061】
ここでは、レンズタイプに応じたホワイトバランス処理として、レンズタイプに応じたホワイトバランス係数の切り替えを説明したが、レンズの分光透過率から予め算出した換算係数を基に、ホワイトバランス係数の換算を行うこともできる。その場合の処理フローは、図14に示されるようになる。図14は、画像処理部13の現像処理のさらに別の例を示すフローチャートである。なお図14において、ステップS131~S133は、前述の各処理と同様であるため、それらの説明を省略する。
【0062】
ステップS131におけるホワイトバランスを適用する処理の前に、ステップS130において、画像処理部13は、レンズタイプに応じたホワイトバランス係数の換算処理を行う。カメラ本体10が保持するホワイトバランス係数はレンズタイプ1に対応したもののみであり、レンズタイプ1のホワイトバランス係数からレンズタイプ2のホワイトバランス係数に換算するための調整値AdjR、AdjG、AdjBをカメラ本体10で保持する。この換算は、以下の式(10)~(12)により行われる。
【0063】
ここで、WbGainR1、WbGainG1、WbGainB1はカメラが保持するレンズタイプ1に対応するホワイトバランス係数であり、WbGainR2、WbGainG2、WbGainB2は換算後のホワイトバランス係数である。
【0064】
WbGainR2=AdjR×WbGainR1 ・・・(10)
WbGainG2=AdjG×WbGainG1 ・・・(11)
WbGainB2=AdjB×WbGainB1 ・・・(12)
この換算係数は、レンズの分光透過率による色特性を基に、ホワイトバランス適用後の画像の色味が一致するような値にすればよい。
【0065】
このようにホワイトバランス係数を換算することでレンズタイプ毎にホワイトバランス係数を保持する必要がなくなる。対象にするレンズタイプがいくつもある場合は、レンズタイプ毎に換算係数を保持するだけでよい。
【0066】
本実施形態では、ホワイトバランス処理の切り替えとして、撮影時の光源に応じたホワイトバランス係数の例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、画像から自動でホワイトバランス係数を決定するオートホワイトバランス処理(AWB)においても、同様にレンズタイプに応じた処理の切り替えが可能である。
【0067】
AWBは一般に画像中の白い被写体を白に再現する(RGBを一致させる)ための処理である。AWBには様々な手法が提案されているが、1つの方法として画像中から白い被写体領域を検出し、その領域を白にするようにホワイトバランス係数を決定する方法がある。画像から白い被写体領域を検出する場合、一般には色空間において白として判定する白検出領域を設け、その範囲に収まるか否かで白い被写体領域を検出する。この白検出領域をレンズタイプに応じて切り替えることで、レンズの分光透過率が異なる場合でも適切なAWBを行うことができる。
【0068】
ここで、図15を参照して、本実施形態におけるAWBの概略について説明する。図15は、レンズタイプに応じた白検出範囲の設定例を示す図である。図15(a)はレンズタイプ1(第1の種類)の交換レンズ(第1のレンズ装置)の白検出領域(第1の白検出領域)、図15(b)はレンズタイプ2(第2の種類)の交換レンズ(第2のレンズ装置)の白検出領域(第2の白検出領域)をそれぞれ示している。
【0069】
図15(a)において、ホワイトバランス適用前の入力画像を構成する各画素に関して、RGBをYUVに変換したUV値が図に示した領域Aもしくは領域Bに含まれる画素を白い被写体領域として扱う。画像内からこの白検出領域に含まれる画素を全て検出し、検出された画素のRGB値のそれぞれの平均を求めることでホワイトバランス係数を算出する。その際、領域Aと領域Bで重みを変えた重み付き平均を使用する。具体的には、以下の式(13)~(15)により算出する。式(13)~(15)において、WbGainR、WbGainG、WbGainBは算出したRGBそれぞれのホワイトバランス係数、Ra、Ga、Baは白検出領域の領域Aに属する画素のRGB値をそれぞれの平均を示す。また、Rb、Gb、Bbは白検出領域の領域Bに属する画素のRGB値をそれぞれの平均、wA、wBは領域Aと領域Bに対する重みを示す。
【0070】
WbGainR=(Ga×wA+Gb×wB)/(Ra×wA+Rb×wB) ・・・(13)
WbGainG=1 ・・・(14)
WbGainB=(Ga×wA+Gb×wB)/(Ba×wA+Bb×wB) ・・・(15)
このようなAWB処理で用いる白検出領域として、レンズタイプ1の場合は図15(a)に示されるものを使用し、レンズタイプ2の合は図15(b)に示されるものを使用する。レンズの特性に適した白検出領域は予めそのレンズを使用して撮影した場合の画像から実験的に求めることができる。決め方として、レンズタイプ1で撮影した場合に白検出領域に含まれる被写体の範囲が、レンズタイプ2で撮影した場合に白検出領域に含まれる被写体の範囲と一致するように設定する。このようにすることで、白い被写体として扱われる被写体領域がレンズタイプ1とレンズタイプ2で同じになるため、AWBの算出結果が一致する。仮に白検出領域がレンズタイプ1とレンズタイプ2で相対的に一致していないと、AWBに使用される被写体領域が異なるためにAWBの算出結果は異なる。そのため、レンズにより画像の色味が異なる場合に同一の白検出領域を用いては結果が一致しない。また、同一の白検出領域を用いて算出されたホワイトバランス係数に対し、分光透過率に応じた換算をしても結果が一致しないことは上記AWBの原理から明らかである。
【0071】
このようなレンズタイプに応じた白検出領域に関する情報は、レンズタイプ毎にパラメータとして保持してもよいが、一方のレンズタイプにおける白検出領域だけをパラメータとして保持し、前述の換算係数によりもう一方の白検出領域を算出することも可能である。
【0072】
次に、図16(a)、(b)を参照して、本実施形態における手動ホワイトバランス機能の実現方法について説明する。図16(a)、(b)は、手動ホワイトバランス登録処理および手動ホワイトバランス適用処理の例をそれぞれ示すフローチャートである。手動ホワイトバランス機能とは、ユーザが白として再現すべき被写体領域を撮影し、画像のデータから決定したホワイトバランス係数をカメラ本体10に登録し、使用する機能である。
【0073】
一旦、カメラ本体10に登録されたホワイトバランス係数は、その後の撮影で使用できるため、登録時の画像撮影に使用されたレンズと、使用時の画像撮影に使用されたレンズが異なる場合に、適切な白を再現できない場合がある。そのため、本実施形態のカメラ本体10では、図16(a)、(b)に示される処理を行う。なお図16(a)、(b)においては、説明を簡略化するため、図7(b)のステップS105の警告表示に関する記載については省略する。
【0074】
図16(a)は、ホワイトバランス係数の登録処理のフローチャートである。まずステップS140において、カメラ制御部18は、撮影された画像の中心付近の領域内のRGB値のそれぞれの平均値R、G、Bから以下の式(16)~(18)のように、ホワイトバランス係数WbGainR、WbGainG、WbGainBを求める。
【0075】
WbGainR=G/R ・・・(16)
WbGainG=1 ・・・(17)
WbGainB=G/B ・・・(18)
このように画像の中心付近の領域内のRGB値を用いることで、ユーザにより撮影された白として再現すべき被写体領域に対応するホワイトバランス係数が取得される。
【0076】
続いてステップS141において、のホワイトバランス係数を取得した画像の撮影に使用されたレンズタイプを判定する。レンズタイプがレンズタイプ1である場合、ステップS142に進む。一方、レンズタイプがレンズタイプ1でない場合、ステップS143に進む。ステップS142において、カメラ制御部18は、WBIDが“1”であるか否かを判定する。WBIDが“1”の場合、ステップS143に進む。一方、WBIDが“1”でない場合、ステップS144に進む。
【0077】
ステップS143において、カメラ制御部18は、算出したホワイトバランス係数に対し、換算するための係数AdjR、AdjG、AdjBを用いて、以下の式(19)~(22)のように換算処理を行う。ここで、WbGainR’、 WbGainG’、 WbGainB’は換算後のホワイトバランス係数である。
【0078】
WbGainR’=WbGainR/AdjR ・・・(19)
WbGainG’=WbGainG/AdjG ・・・(20)
WbGainB’=WbGainB/AdjB ・・・(21)
この換算係数は、レンズの分光透過率による色特性を基に、ホワイトバランス適用後の画像の色味が一致するような値にすればよい。
【0079】
そしてステップS144において、カメラ制御部18は、前述のホワイトバランス係数をメモリ16に格納することでカメラ本体10に登録する。
【0080】
図16(b)は、登録されたホワイトバランス係数使用してホワイトバランスを画像に適用する場合の処理を示すフローチャートである。まずステップS150において、カメラ制御部18は、メモリ16に格納されている手動ホワイトバランス係数を読み出す。続いてステップS151において、カメラ制御部18は、ホワイトバランスを適用する画像の撮影に使用されたレンズタイプを判定する。レンズタイプがレンズタイプ1である場合、ステップS152に進む。一方、レンズタイプがレンズタイプ1でない場合、ステップS153に進む。
【0081】
ステップS152において、カメラ制御部18はWBIDが“1”であるか否かを判定する。WBIDが“1”の場合、ステップS153に進む。一方、WBIDが“1”でない場合、ステップS154に進む。レンズタイプ2またはWBID=1の場合、カメラ制御部18は、ステップS153にてホワイトバランス係数を換算する。この場合に使用する換算係数AdjR、AdjG、AdjBは、前述のホワイトバランス登録時に使用する換算係数と同じ値にする。
【0082】
WbGainR=AdjR×WbGainR’ ・・・(22)
WbGainG=AdjG×WbGainG’ ・・・(23)
WbGainB=AdjB×WbGainB’ ・・・(24)
つまり、登録された手動ホワイトバランス係数はレンズタイプ1に対応した値であるため、レンズタイプ2で撮影された画像である場合は値を換算する。ステップS154において、ホワイトバランス係数の適用処理を行う。このように手動ホワイトバランスの登録時と使用時にレンズタイプに応じたホワイトバランス係数の換算を行うことで、レンズタイプによらず適切に白を再現させるためのホワイトバランス処理が実現できる。
【0083】
本実施形態では、レンズタイプ1とレンズタイプ2の2種類を対象に説明したが、同じ仕組みを3種理以上のレンズタイプにも適用できる。本実施形態で説明した手法は、レンズタイプによりパラメータを切り替える方法や係数を換算する方法であるため、対象とするレンズタイプが増えても同様にレンズタイプ毎のパラメータの保持や、換算係数を保持することで容易に対応できる。レンズタイプはレンズのマウント形状などによって分類してもよく、またはレンズの分光透過率に応じた色特性から分類してもよい。図17は、レンズタイプをレンズの分光透過率に応じた色特性から分類する方法の例を示す図である。図17に示されるように、レンズの色特性からレンズタイプ1から5のグループに分類することも可能である。これにより、様々な色特性を示すレンズによる画像の色味の差異を低減することが可能となる。
【0084】
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0085】
以上のように、レンズ装置(交換レンズ100)の通信手段(レンズマイコン211)は、撮像装置(カメラ本体10)との通信により、レンズ装置の種類に対応して撮像装置に記憶されている白検出範囲とは異なる白検出範囲を設定するための設定情報を送信する。好ましくは、装着されたレンズ装置が第1の種類の第1のレンズ装置である場合、設定情報は、第1のレンズ装置に対応する第1の白検出範囲から、レンズ装置の種類が第2の種類である第2のレンズ装置に対応する第2の白検出範囲に切り替えるための信号である。
【0086】
本実施形態において、撮像装置の画像処理手段(画像処理部13)は、レンズ装置の種類に対応する白検出範囲とは異なる白検出範囲を設定するための設定情報を受信した場合、設定情報に基づく白検出範囲を設定してホワイトバランス調整を適用する。好ましくは、画像処理手段は、設定情報に基づく白検出範囲を用いて、画像から検出された白色領域に基づいてホワイトバランス調整のホワイトバランス係数を算出する。
【0087】
本実施形態において、画像処理手段は、レンズ装置の種類に対応する白検出範囲とは異なる白検出範囲を設定するための設定情報を受信した場合において、設定情報に基づく白検出範囲を設定することができない場合、警告を行う。
【0088】
各実施形態によれば、撮像装置に装着されたレンズ装置が同じ種類のレンズ装置でも、画像の色味に与える影響を軽減することが可能なレンズ装置、画像処理装置、撮像装置、レンズ装置の制御方法、画像処理方法、およびプログラムを提供することができる。
【0089】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0090】
100 交換レンズ(レンズ装置)
211 レンズマイコン(通信手段)
213 レンズ種類被判定部(通知手段)
1-5 TYPE端子(通知手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17