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特許7618462情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-10
(45)【発行日】2025-01-21
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 30/18 20200101AFI20250114BHJP
   G06F 30/20 20200101ALI20250114BHJP
【FI】
G06F30/18
G06F30/20
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021019955
(22)【出願日】2021-02-10
(65)【公開番号】P2022122610
(43)【公開日】2022-08-23
【審査請求日】2023-09-13
(73)【特許権者】
【識別番号】507214083
【氏名又は名称】メタウォーター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【弁理士】
【氏名又は名称】立花 顕治
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100150360
【弁理士】
【氏名又は名称】寺嶋 勇太
(74)【代理人】
【識別番号】100180655
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 俊樹
(72)【発明者】
【氏名】田中 克明
【審査官】合田 幸裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-080321(JP,A)
【文献】特開平07-311784(JP,A)
【文献】特開2020-187674(JP,A)
【文献】特開平10-124540(JP,A)
【文献】特開2008-165754(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 30/00 - 30/398
IEEE Xplore
JSTPlus(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の配電盤の端子にケーブルの割り付けを行う際に用いられる情報処理装置であって、
ユーザによって割り付けが行われたケーブルの接続図から抽出された、前記ケーブルの接続情報を取得する取得手段と、
前記接続情報に基づいて、前記ユーザによって行われた割り付けの妥当性についての判断を行う判断手段と、
前記判断の結果を出力する出力手段と
を備え、
前記判断手段は、前記ユーザによって行われた割り付けが正しいかを判断する適合性チェック手段と、前記ユーザによって行われた割り付けが最適かを判断する最適性チェック手段とを含み、
前記適合性チェック手段による判断において、前記割り付けが正しいと判断された場合に、前記最適性チェック手段により、前記割り付けが最適かを判断する、情報処理装置。
【請求項2】
請求項に記載の情報処理装置と、
前記判断の結果を表示する表示装置と、を備える、情報処理システム。
【請求項3】
複数の配電盤の端子にケーブルの割り付けを行う際に用いられる情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
ユーザによって割り付けが行われたケーブルの接続情報を取得する工程と、
前記接続情報に基づいて、前記ユーザによって行われた割り付けの妥当性についての判断を行う工程と、
前記判断の結果を出力する工程と、を含む、
前記判断を行う工程では、前記ユーザによって行われた割り付けが正しいかを判断する適合性チェックと、前記ユーザによって行われた割り付けが最適かを判断する最適性チェックとを行い、
前記適合性チェックにおいて、前記割り付けが正しいと判断された場合に、前記最適性チェックにより、前記割り付けが最適かを判断する、情報処理方法。
【請求項4】
複数の配電盤の端子にケーブルの割り付けを行う際に用いられる情報処理装置を、
ユーザによって割り付けが行われたケーブルの接続情報を取得する取得手段、
前記接続情報に基づいて、前記ユーザによって行われた割り付けの妥当性についての判断を行う判断手段、及び、
前記判断の結果を出力する出力手段、として機能させ、
前記判断手段は、前記ユーザによって行われた割り付けが正しいかを判断する適合性チェック手段と、前記ユーザによって行われた割り付けが最適かを判断する最適性チェック手段とを含み、
前記適合性チェック手段による判断において、前記割り付けが正しいと判断された場合に、前記最適性チェック手段により、前記割り付けが最適かを判断する、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザがCAD(Computer-Aided Design)を用いて配電盤の端子にケーブルの割り付けを行って、複数の配電盤とケーブルとの接続を示す配電盤用展開接続図(以下、単に「接続図」と称される)を作成している。例えば特許文献1は、接続図の作成の手間と時間を節約するため、共通回路パターンを作成し、それにキーを割り当てる方法を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平05-073632号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、ケーブルには多くの種類があり、例えば芯線の数なども種類によって異なる。ユーザが割り付けを行った接続図において、例えば芯線の数が実際のケーブルの芯線の数を超えるなどのミスがあると、接続図に従って製品化された配電盤ユニットで接続不良が生じて、全体の設計作業に遅延を生じさせるおそれがある。したがって、接続図の段階で、設定のミスを防止することが求められている。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、端子割り付けのエラーを防止する情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る情報処理装置は、
複数の配電盤の端子にケーブルの割り付けを行う際に用いられる情報処理装置であって、
ユーザによって割り付けが行われたケーブルの接続情報を取得する取得手段と、
前記接続情報に基づいて、前記ユーザによって行われた割り付けの妥当性についての判断を行う判断手段と、
前記判断の結果を出力する出力手段と、を備える。
【0007】
本開示の一実施形態に係る情報処理システムは、
上記に記載の情報処理装置と、
前記判断の結果を表示する表示装置と、を備える。
【0008】
本開示の一実施形態に係る情報処理方法は、
複数の配電盤の端子にケーブルの割り付けを行う際に用いられる情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
ユーザによって割り付けが行われたケーブルの接続情報を取得する工程と、
前記接続情報に基づいて、前記ユーザによって行われた割り付けの妥当性についての判断を行う工程と、
前記判断の結果を出力する工程と、を含む。
【0009】
本開示の一実施形態に係るプログラムは、
複数の配電盤の端子にケーブルの割り付けを行う際に用いられる情報処理装置を、
ユーザによって割り付けが行われたケーブルの接続情報を取得する取得手段、
前記接続情報に基づいて、前記ユーザによって行われた割り付けの妥当性についての判断を行う判断手段、及び、
前記判断の結果を出力する出力手段、として機能させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、端子割り付けのエラーを防止する情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本開示の一実施形態に係る情報処理装置及び情報処理システムの構成例を示す図である。
図2図2は、接続図の例を示す図である。
図3図3は、図2の接続図に対応する接続情報の例を示す図である。
図4図4は、端子割り付けのエラーの例を示す図である。
図5図5は、端子割り付けのエラーの例を示す図である。
図6図6は、端子割り付けのエラーの例を示す図である。
図7図7は、本開示の一実施形態に係る情報処理方法の処理の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本開示の実施形態に係る情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムが説明される。
【0013】
図1は、本実施形態に係る情報処理装置110の構成例を示す図である。情報処理装置110は、ユーザがCAD140を用いて行う複数の配電盤の端子へのケーブルの割り付け作業を支援するための情報処理を実行する装置である。情報処理装置110は、ハードウェア構成として、例えばパーソナルコンピュータである。
【0014】
情報処理装置110は、入力装置120及び表示装置130の少なくとも1つとともに、情報処理システム100を構成してよい。入力装置120及び表示装置130の詳細については後述する。また、情報処理システム100は、CAD140とともに、CADシステムを構成してよい。ここで、CAD140は、ユーザが配電盤の端子にケーブルを割り付けて接続図を作成するための装置である。CAD140は、ハードウェア構成として、例えば情報処理装置110とは別のパーソナルコンピュータであってよい。このとき、CAD140であるパーソナルコンピュータには、アプリケーションとしてのCADツールがインストールされていてよい。情報処理装置110とCAD140とは、例えばLAN(Local Area Network)のネットワークで接続されており、通信によって後述する接続情報の送受信ができる。
【0015】
入力装置120は、情報処理装置110に対するユーザの操作を受け付けるインターフェースである。入力装置120は、ハードウェア構成として、例えばキーボード及びマウス等であってよい。本実施形態において、入力装置120は、例えばUSB(Universal Serial Bus)などで情報処理装置110に接続される。
【0016】
表示装置130は、情報処理装置110からのユーザに対する情報を表示するためのインターフェースである。表示装置130は、ハードウェア構成として、例えば液晶ディスプレイ又はOEL(Organic Electro-luminescence)ディスプレイ等のディスプレイであってよい。本実施形態において、表示装置130は、例えばUSB又はHDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)などで情報処理装置110に接続される。
【0017】
情報処理装置110は、以下のようなハードウェア構成を有する。情報処理装置110は、通信部111と、記憶部112と、制御部113と、を備える。
【0018】
通信部111は、無線又は有線を介して外部装置と通信する1つ以上の通信インターフェースである。本実施形態において、通信部111は、入力装置120及び表示装置130と通信する通信インターフェースを含む。入力装置120及び表示装置130と通信する通信インターフェースは、上記のように、例えばUSB及びHDMI(登録商標)などであってよい。また、本実施形態において、通信部111は、CAD140と通信する通信インターフェースを含む。CAD140と通信する通信インターフェースは、上記のように、例えばLANなどであってよい。
【0019】
記憶部112は、1つ以上のメモリである。メモリは、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等であるが、これらに限られず任意のメモリとすることができる。記憶部112は、例えば一次記憶装置又は二次記憶装置として機能する。記憶部112は、例えば情報処理装置110に内蔵されるが、任意のインターフェースを介して情報処理装置110に外部から接続される構成も可能である。
【0020】
本実施形態において、記憶部112は、ケーブル情報及び配電盤情報を記憶する。ケーブル情報は、ケーブルの種類毎のID(identification)又は名称、型式、芯数(芯線の数)及び口径(外径サイズ)などのケーブル仕様に関するデータである。また、配電盤情報は、配電盤毎のサイズ、端子数、接続可能なケーブル及び使用可能な端子台などの配電盤仕様に関するデータである。ここで、端子台は配電盤に配置されて、ケーブルの芯の先端と接続される部品である。
【0021】
制御部113は、1つ以上のプロセッサである。プロセッサは、例えば汎用のプロセッサ又は特定の処理に特化した専用プロセッサであるが、これらに限られず任意のプロセッサとすることができる。制御部113は、情報処理装置110の全体の動作を制御する。
【0022】
情報処理装置110は、以下のようなソフトウェア構成を有する。情報処理装置110の動作の制御に用いられる1つ以上のプログラムが記憶部112に記憶される。記憶部112に記憶されたプログラムは、制御部113によって読み込まれると、制御部113を取得手段115、判断手段116及び出力手段119として機能させる。本実施形態において、判断手段116は、適合性チェック手段117及び最適性チェック手段118を含む。記憶部112に記憶されたプログラムは、ユーザが入力装置120を用いて制御部113に対して処理開始を指示した場合に、制御部113によって読み込まれてよい。
【0023】
各手段の概要は次のとおりである。取得手段115は、ケーブル情報及び配電盤情報を記憶部112から取得する手段である。また、取得手段115は、情報処理装置110の外部装置から入力される情報を取得する。本実施形態において、情報処理装置110の外部装置から入力される情報は、CAD140からの接続情報を含む。判断手段116は、接続情報に基づいて、ユーザによって行われた割り付けの妥当性についての判断を行う手段である。本実施形態において、判断手段116は、妥当性についての判断において、ケーブル情報及び配電盤情報も用いる。ここで、判断手段116は、必ずしもケーブル情報と配電盤情報の両方を用いなくてよい。判断手段116は、例えば、後述する適合性チェックだけを実行する場合に、ケーブル情報だけを用いてよい。つまり、判断手段116は、ケーブル情報及び配電盤情報の少なくとも1つを用いてよい。このとき、判断手段116が用いる情報に応じて、取得手段115はケーブル情報及び配電盤情報の少なくとも1つを取得してよい。適合性チェック手段117は、妥当性についての判断のうち、ユーザによって行われた割り付けが正しいかを判断する適合性チェックを行う手段である。また、最適性チェック手段118は、妥当性についての判断のうち、ユーザによって行われた割り付けが最適かを判断する最適性チェックを行う手段である。出力手段119は、判断手段116による妥当性についての判断の結果を出力する手段である。各手段の具体的な動作については後述する。
【0024】
図2は接続図の例を示す図である。上記のように、ユーザは、CAD140を用いて複数の配電盤の端子にケーブルの割り付けを行って接続図を作成する。図3は、図2の接続図に対応する接続情報の例を示す図である。CAD140は、図2の接続図からケーブルの情報及び複数の配電盤との接続情報などを抽出して、図3のような接続情報を生成して、所定の形式のファイルとして出力する。所定の形式のファイルは、例えばCSV(Comma-Separated Values)形式であるが、これに限定されない。
【0025】
接続情報は、例えば外線ケーブルID、第1の盤、第2の盤、型式、芯数、口径、芯番号、第1の盤の内線ケーブル及び第2の盤の内線ケーブルを含む。外線ケーブルIDは、ケーブルの種類毎に決められた固有の識別名である。本実施形態において、外線ケーブルIDは、数字とアルファベットの組み合わせで構成される。第1の盤及び第2の盤は、ケーブルが接続される2つの配電盤の名称である。配電盤の名称は、配電盤を個別に特定できるように、システムにより定められた一部の使用不可文字(例えば、半角カンマ(,)及び半角チルダ(~)など)を除いた、任意の数字、アルファベット、記号、漢字、ひらがな及びカタカナなどの組み合わせで構成される。型式はケーブルの用途及び材質に基づく種別である。図3の例において、型式は制御用ビニル絶縁ビニルシースケーブルであることを示すCVV(Control-use Vinyl insulated Vinyl sheathed cable)である。芯数は、ケーブルが備える芯の数である。口径はケーブルの外径サイズである。芯番号は、ケーブルが備える芯のそれぞれを区別するための番号である。図3の例では、芯番号が1から11である芯が第1の盤KP-01と第2の盤RY-01(1)との接続に用いられ、芯番号が12から20である芯が未使用である。ここで、芯番号は芯数が所定本数(例えば4本)以下だと色で表示されることがある。その場合に、芯番号として色が使用されてよいし、各色に対応付けられた数字が使用されてよい。第1の盤の内線ケーブル及び第2の盤の内線ケーブルは、それぞれケーブルの接続先である第1の盤と第2の盤の内線側のケーブルの芯の名称である。例えばケーブルの芯番号が11である芯は、第1の盤KP-01において内線側のケーブルのK14821という芯と接続されて、第2の盤RY-01(1)において内線側のケーブルのA70111という芯と接続される。このように、接続情報は、ケーブルの特徴及びケーブルと複数の配電盤との接続の詳細を示す。
【0026】
ここで、図4図5及び図6は、接続情報によって把握される端子割り付けのエラーの例を示す。図4の例では、ケーブルの芯数が10であるところ、芯番号が11である芯が使用されており、存在しない芯を接続するエラーが生じている。図5の例では、芯番号が3である芯が重複して使用されるエラーが生じている。図6の例では、第2の盤の名称がRY-01(1)であるところ、誤ってRY-01(2)となっている部分がある。従来、このようなエラーは、CAD140の画面において、ユーザが目視で確認することによって検出していた。しかし、見逃しがあった場合に、接続図に従って製品化された配電盤ユニットで接続不良が生じて、全体の設計作業に遅延を生じさせるおそれがある。本実施形態に係る情報処理装置110は、以下に説明する情報処理方法を実行することによって接続情報からエラーを検出し、接続図の段階で、設定のミスを防止することができる。また、情報処理装置110は、接続図について改善点をユーザに示すことが可能である。
【0027】
図7は、情報処理装置110が実行する情報処理方法の処理の例を示すフローチャートである。情報処理装置110は、例えばユーザが入力装置120によって開始を指示(具体例として、開始ボタンをクリック)したことを受けて、以下の処理を開始してよい。
【0028】
取得手段115は、通信部111によってCAD140から受信した接続情報を取得する(ステップS1)。
【0029】
取得手段115は、ケーブル情報及び配電盤情報を記憶部112から取得する(ステップS2)。
【0030】
判断手段116は、取得手段115によって取得された接続情報に基づいて、ユーザによって行われた割り付けの妥当性についての判断を行う。本実施形態において、判断手段116は、割り付けの妥当性についての判断で、取得手段115が取得したケーブル情報及び配電盤情報も用いる。上記のように、判断手段116は、適合性チェック手段117及び最適性チェック手段118を含む。
【0031】
適合性チェック手段117は、ユーザによって行われた割り付けが正しいかを判断する適合性チェックを行う(ステップS3)。
【0032】
本実施形態において、適合性チェックは、芯番号チェックを含む。芯番号チェックでは、接続情報において芯番号が空白である場合にエラーとする。芯番号チェックでは、接続情報において芯番号が芯数を超えるとエラーとする(図4参照)。また、芯番号チェックでは、芯番号が重複するとエラーとする(図5参照)。
【0033】
本実施形態において、適合性チェックは、ケーブル接続先チェックを含む。ケーブル接続先チェックでは、接続情報において第1の盤及び第2の盤のそれぞれの名称が統一されていない場合にエラーとする(図6参照)。
【0034】
本実施形態において、適合性チェックは、芯数チェックを含む。芯数チェックは、接続情報における芯数が、ケーブル情報において記載されている芯数(ケーブル仕様の芯数)と異なる場合にエラーとする。
【0035】
本実施形態において、適合性チェックは、配電盤名称チェックを含む。配電盤名称チェックでは、接続情報において第1の盤及び第2の盤の名称が使用不可文字を含む場合にエラーとする。また、配電盤名称チェックでは、接続情報において第1の盤及び第2の盤の名称が、配電盤情報において記載されている名称と異なる(例えば全半角又は大文字小文字の表記が異なる)場合にエラーとする。
【0036】
本実施形態において、適合性チェックは、二重定義チェックを含む。二重定義チェックでは、同一区間でケーブルの二重定義、すなわち接続情報における重複記載がある場合にエラーとする。ただし、第1の盤と第2の盤との間を複数の同じ種類のケーブルで接続することが許容される場合がある。このような場合、同一区間でのケーブルの二重定義は、エラーでなく警告と扱われてよい。
【0037】
適合性チェックにおいてエラーがあった場合に(ステップS4のNo)、出力手段119は、判断の結果としてエラーを出力し、表示装置130に表示させる(ステップS6)。ここで、適合性チェックにおいて上記の警告があった場合に、出力手段119は、判断の結果として警告を出力し、表示装置130に表示させる。また、出力手段119は、エラーに関連する改善点がある場合に(ステップS8のYes)、改善点を出力し、表示装置130に表示させる(ステップS9)。出力手段119は、エラーに関連する改善点がない場合に(ステップS8のNo)、エラー又は警告だけを出力する。エラーに関連する改善点は、例えば推定されるエラー原因を含む情報であってよい。図6の例で、出力手段119は、「RY-01(1)」の誤記であることを改善点として出力して、表示装置130に表示させてよい。出力手段119は、このような表示に代えて又は表示とともに、エラー、警告及び改善点を接続情報のファイル(例えばCSV形式)に追加してよい。
【0038】
適合性チェックにおいてエラーも警告もなく、接続情報が正しい場合に(ステップS4のYes)、最適性チェック手段118は、ユーザによって行われた割り付けが最適かを判断する最適性チェックを行う(ステップS5)。
【0039】
本実施形態において、最適性チェックは、代替ケーブルチェックを含む。代替ケーブルチェックでは、第1の盤と第2の盤との間を複数のケーブルで接続している場合に、置き換えが可能な1つのケーブルをケーブル情報から抽出する。このとき、代替ケーブルチェックでは、抽出したケーブルと置き換え可能な場所の情報を改善点としてよい。
【0040】
最適性チェックは、端子台チェックを含んでよい。端子台チェックでは、配電盤情報に基づいて、第1の盤及び第2の盤で使用可能な端子台を抽出する。このとき、端子台チェックでは、抽出した端子台の情報を改善点としてよい。
【0041】
最適性チェックにおいて改善点があった場合に(ステップS7のNo)、出力手段119は、判断の結果として改善点を出力し、表示装置130に表示させる(ステップS9)。出力手段119は、改善点の表示に代えて又は改善点の表示とともに、改善点を接続情報のファイルに追加してよい。
【0042】
最適性チェックにおいて改善点がなく、接続情報が既に最適化されていれば(ステップS7のYes)、出力手段119は特に表示などを行わなくてよい。別の例として、出力手段119は、接続情報が最適化されている場合に(ステップS7のYes)、既に最適化がされていることを表示装置130に表示させてよい。また、出力手段119は、適合性チェックにおいて接続情報が正しい場合に(ステップS4のYes)、エラー及び警告がないことを表示装置130に表示させてよい。
【0043】
ユーザは、情報処理装置110によってエラー、警告及び改善点の少なくとも1つが示された場合に、CAD140を用いて、複数の配電盤の端子へのケーブルの割り付けを修正してよい。そして、ユーザは、修正作業の後に、再び割り付けの妥当性についての判断を情報処理装置110に実行させてよい。
【0044】
以上のように、本実施形態に係る情報処理装置110、情報処理システム100、情報処理方法及びプログラムは、上記の構成によって、従来のユーザの目視による確認に比べて漏れのないチェックが可能であり、接続図の段階で、設定のミスを防止することができる。また、本実施形態に係る情報処理装置110、情報処理システム100、情報処理方法及びプログラムは、接続図について改善点をユーザに示すことが可能である。
【0045】
本開示を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び修正を行うことが容易であることに注意されたい。したがって、これらの変形及び修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段又はステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0046】
100 情報処理システム
110 情報処理装置
111 通信部
112 記憶部
113 制御部
115 取得手段
116 判断手段
117 適合性チェック手段
118 最適性チェック手段
119 出力手段
120 入力装置
130 表示装置
140 CAD
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7