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特許7618568急速冷却・加熱するためのポータブル装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-10
(45)【発行日】2025-01-21
(54)【発明の名称】急速冷却・加熱するためのポータブル装置
(51)【国際特許分類】
   B67D 3/00 20060101AFI20250114BHJP
   A47G 19/12 20060101ALI20250114BHJP
【FI】
B67D3/00 H
A47G19/12 Z
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021552240
(86)(22)【出願日】2020-02-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-11
(86)【国際出願番号】 US2020019955
(87)【国際公開番号】W WO2020180570
(87)【国際公開日】2020-09-10
【審査請求日】2022-12-13
(31)【優先権主張番号】62/812,404
(32)【優先日】2019-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521391726
【氏名又は名称】ドリンクナウ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】アブレル ダン
【審査官】松浦 久夫
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04407356(US,A)
【文献】特表2017-532166(JP,A)
【文献】実開昭63-150633(JP,U)
【文献】米国特許第04599872(US,A)
【文献】米国特許第05762120(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 3/00
A47G 19/12ー 19/14
A47G 19/22
A47J 31/50
F25D 3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を冷却・加熱するためのポータブル装置であって、
出口を有する流体密の下部セクションと、上部セクションの内面に位置する1つ以上の凹部を含む非流体密の上部セクションと、前記下部セクションの床部から上方に延びる側壁とを備えて、インシュレーティング材を受け取る容器と、
開口セクション及び中実セクションを有し、前記容器の前記上部セクションのための閉鎖部を構成するカバーと、
流体を受け取り、前記カバーの前記中実セクションの流体リザーバであって、取入口と、前記上部セクションの前記1つ以上の凹部に対応する1つ以上の凸部を有し、前記カバーが前記容器に係合するとき、前記1つ以上の凸部が前記1つ以上の凹部に交わり係合する周壁と、を含む流体リザーバと、
前記取入口と連通する上端部と、前記出口と連通する下端部とを備えて、前記側壁に対して間隔をあけて前記容器の下部セクション内に収容される、熱電導性チューブのコイルと、
を有し、
前記インシュレーティング材が前記容器内に配置され、前記流体が前記コイルを通って循環するとき、前記流体は、第1の温度からこの第1の温度とは異なる第2の温度へ変化する、装置。
【請求項2】
前記カバーは、前記カバーに外力が加わったときに、前記容器から取り外されるように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記上部セクションの外面に取り付けられたハンドルを有し、
前記凸部が前記凹部に交わり係合するとき、前記カバーの前記開口セクションは、前記ハンドルに近接して位置される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記取入口は、前記コイルに係合するチャネルを備え、前記出口は、前記コイルに係合するチャネルを備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記コイルの前記上端部及び前記下端部は、それぞれ前記取入口及び前記出口に係合するガスケットを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記コイルの端部の各々に対するプラグを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記流体リザーバは凹部を構成し、前記取入口は、前記凹部の中央部分に位置される、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
熱伝導性チューブは金属又は金属合金から作られている、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記インシュレーティング材は氷である、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記開口セクションは、前記カバーが前記容器に係合した後に前記インシュレーティング材を追加するための通路を提供する、請求項7に記載の装置。
【請求項11】
液体の冷却及び分配装置であって、
第1の開口部を含む床を有する下部と、口部と上部の内面に位置する1つ以上の凹部を有する上部とを備えて、内部チャンバを構成するエンクロージャーと、
前記口部を覆うための閉鎖部であって、第2の開口部と、前記上部の前記1つ以上の凹部に対応する1つ以上の凸部を有し、前記閉鎖部が前記エンクロージャーに係合するとき、前記1つ以上の凸部が前記1つ以上の凹部に係合する周壁と、を含む閉鎖部と、
前記第1の開口部と前記第2の開口部との間に前記液体を移動させるための通路を提供し、前記内部チャンバの内側を延びる導管と、を有し、
冷却材が前記内部チャンバの内側に配置されて前記導管と接触し、前記液体が装置を通って循環するときに、前記液体が第1の温度からこの第1の温度よりも低い第2の温度へ変化する、装置。
【請求項12】
前記閉鎖部は、前記第1の開口部を備える液体リザーバを含み、
前記液体が、前記液体リザーバに注入されて、前記第1の開口部を介して前記導管に入る、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記閉鎖部は、前記閉鎖部前記エンクロージャーに係合した後にインシュレーティング材を追加するのを可能にする開口セクションを備えている、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記凸部は、前記閉鎖部に外力が加わったとき、前記凹部から取り外されるように構成されている、請求項11に記載の装置。
【請求項15】
前記上部の外面に取り付けられたハンドルを備え、
前記凸部が前記凹部に係合するときに、前記閉鎖部前記開口セクションは、前記ハンドルに近接して位置される、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記第1の開口部は、前記導管と係合するためのチャネルを備え、
前記第2の開口部は、前記導管と係合するためのチャネルを備えている、請求項11に記載の装置。
【請求項17】
前記導管の端部の各々にプラグを含む、請求項11に記載の装置。
【請求項18】
前記導管は金属又は金属合金から作られている、請求項11に記載の装置。
【請求項19】
前記インシュレーティング材は氷である、請求項13に記載の装置。
【請求項20】
前記開口セクションは、前記閉鎖部前記エンクロージャーに係合した後に前記インシュレーティング材を追加するための通路を提供する、請求項13に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、「急速冷却・加熱するためのポータブル装置(Portable Device For Quick Chilling And Heating)」という名称で2019年3月1日に出願された米国仮出願第62/812,404号の出願日の利益を主張するものであり、その出願は、参照により本明細書に完全に記載されているように本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
飲料及び液体食品の多くの消費者は、加熱又は冷却された温度で提供される消費可能な液体を好んでいる。個人がこのような液体を消費したいと望むとき、これらの液体は、嗜好性又は安全な消費のために、熱すぎるか冷たすぎる温度を有することが多い。
【0003】
淹れたてのコーヒーポットのように、多くの出来立ての飲料は、快適又は安全な消費のために熱すぎる温度を有することがある。ここで、個人的には、消費する前に冷却された液体を好むことがある。ワイン、ビール、又は日本酒のような他の飲料は、特定の温度又は温度範囲、通常、典型的な周囲温度又は室温よりもはるかに低い温度又は高い温度で提供されると、改善された又は最適な味を有すると考えられている。また、多くの飲料及び液体食品は、冷蔵条件の下で保管され、個人的には、消費する前により高い温度に調節された液体を好むことがある。
【0004】
最適な飲み心地を実現するためには、消費前に流体の温度を調整する必要がある。液体を希釈又は汚染することなく、消費可能な液体の温度を迅速に変化させることができる容器が必要である。
【0005】
また、液体に適用される加熱又は冷却過程を中断することなく、インシュレーティング材(insulating material,保温保冷材)を補充できるように構成された装置が必要である。
【0006】
また、1つ又は複数の液体の一杯を処理するのに十分に大きいが、携帯可能であり、容易に操作及び輸送するのに十分に小さくもある装置も必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、流体の冷却・加熱のための器具の分野に関する。本発明は、特に、限定的ではないが、ビール、ワイン、リキュール、スピリット、コーヒー、ソフトドリンク、及びティーのような液体の温度を下げるか、又は水、ブロス、酒、ティー、及び治療用液体のような液体の温度を上げるのに適している。装置によって温度が変化する流体を希釈することなく、冷却・加熱の両方を行い得る。
【0008】
本発明は、携帯可能な装置に関するものである。それは、洗浄、保管、及び輸送の容易さのために、容易に分解することができ、必要に応じて容易に組み立て又は再組み立てすることができる装置に関する。
【0009】
また、本発明は、装置の冷蔵又は加熱活動を中断することなく、流体の温度を変えるために使用される材料を補充できるように構成された装置に関するものである。
【0010】
本発明は、液体を加熱及び冷却するために使用することができる装置に関する。
【0011】
添付図面は、本発明を例示し、説明と共に、本発明の原理を説明し、当業者が本発明を製造し、使用することを可能にするのにさらに役立つ。
【0012】
本発明のこれら及び他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明、特許請求の範囲及び添付の図面から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】液体を急速に冷却又は加熱するためのポータブル装置の一実施形態の斜視図である。
図2】液体を急速に冷却又は加熱するためのポータブル装置の背面図である。
図3】液体を急速に冷却又は加熱するためのポータブル装置の正面図である。
図4】液体を急速に冷却又は加熱するためのポータブル装置の側面図である。
図5】液体を急速に冷却又は加熱するためのポータブル装置の側面図である。
図6】液体を急速に冷却又は加熱するためのポータブル装置の上面図である。
図7】液体を急速に冷却又は加熱するためのポータブル装置の底面図である。
図8】閉鎖部で覆われた容器を含むポータブル装置の一実施形態の斜視図であって、蓋上の対応する構造と嵌合するように構成された容器の構造を介して容器に閉鎖部を固定するための特徴を示す図である。
図9】ポータブル装置の一実施形態の斜視図である。
図10A図9に示したポータブル装置の側面図である。
図10B図9に示したポータブル装置の断面図である。
図10C図10Bの拡大断面図であり、容器と閉鎖部と嵌合状態を示したポータブル装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の開示された実施形態を詳細に説明する前に、本発明は他の実施形態が可能であるため、本発明は、示された特定の構成の詳細にその適用が限定されないことを理解されたい。例示的な実施形態を図面の参照図に示される。本明細書に開示される実施形態及び図は、限定するものではなく例示的なものとみなされることが意図される。また、本明細書で使用される用語は、説明のためであり、限定のためではない。
【0015】
本発明は、多くの異なる形態の実施形態の影響を受けやすいが、本開示が本発明の原理の例示として考慮されるべきであることを理解した上で、図面に示され、本明細書で特定の実施形態について詳細に説明される。本発明を特定の例示された実施形態に限定することは意図されない。
【0016】
本明細書、図面、及び特許請求の範囲に開示された本発明の特徴は、その様々な実施形態における本発明の動作にとって、個別にも任意の所望の組み合わせにおいても重要であり得る。一実施形態の特徴は、本発明の他の実施形態で使用することができる。
【0017】
図面を参照すると、図1図10は、本発明に従って示されるように、飲料又は液体食品の温度を変更する際に使用する器具又は装置10の実施形態を示している。冷却装置として使用される実施形態についてなされた一般的な記述は、概して、加熱装置として使用される同様の実施形態に変形可能である。
【0018】
先ず図1~7を参照すると、加熱又は冷却装置10は、インシュレーションシステム(insulation system,保温保冷システム)22を収容又は包装するための容器20と、容器20を覆うための蓋又はカバー24と、飲用液体を冷却するためのインシュレーションシステム22とを含み得る。一方の端部では、インシュレーションシステム22は、カバー24に位置する入口26に接続し、インシュレーションシステム22の他方の端部は、容器20に位置する出口28に接続し得る。カバー24は、装置10の使用中に個人がインシュレーションシステム22にインシュレーティング材を追加するための通路を提供する開口セクション54を含み得る。装置10は、インシュレーションシステム22の各端部をシールするためのプラグを任意に含み得る。
【0019】
装置10は、容器20を含み、図9図10に示されるように、容器20は、略円筒形であり、例えば、カップ又はピッチャーの一般的な形状を有し得る。容器20は、下部セクション34を含み、下部セクション34は、容器20の底面として流体密の床部36を含み得る。容器20は、下部セクション34に対向する上部セクション38を含み得る。側壁40は、床部36から上方に延び、容器20の開口部又は口部44を構成するリップ部42で終結させ得る。側壁40は、容器20の床部36及びリップ部42を接続し得る。
【0020】
口部44は、非流体密でない上部セクション38に提供し得る。
【0021】
床部36は、一般的に流体密であり得るが、装置10内で冷却される飲用液体の出口を提供するための出口28を含み得る。好ましくは、出口28は、床部36の中央部39に位置される。
【0022】
容器20は、ハンドル部材45を含み、好ましくは、側壁40の外面に取り付けられ得る。ハンドル部材45は、装置10を把持して操作するための手段を提供する。
【0023】
装置10は、容器20の口部44を覆うための蓋又はカバー24を含み得る。カバー24は、容器20のための閉鎖部として機能し得る。カバー24が容器20に係合されると、2つの構造は一緒になって、インシュレーションシステム22を保持し、インシュレーティング材の追加を受け入れるための内部チャンバ46を有するエンクロージャーを構成し得る。
【0024】
カバー24は、カバー24の外縁又は周縁を構成する周縁部50を含み得る。この周縁部50は、容器20のリップ部42と連通し、カバー24は、容器20の口部44の上に位置するように位置決めされ得る。
【0025】
カバー24は、開口セクション54に近接又は隣接して位置する中実セクション52を含み得る。図6に示されるように、例えば、開口セクション54は、カバー24に開口部又は孔部を構成し得る。開口セクション54は、開口セクション54によって提供される開口部又は孔部を通して、インシュレーティング材の移動に対応するのに十分な大きさであることが好ましい。中実セクション52は、内部チャンバ46の一部を覆う又は包囲するが、内部チャンバ46の別の部分は、開口セクション54を通してその外部環境と連通し得る。
【0026】
例えば、図1及び6に示されるように、カバー24の周縁リム50は、容器20のリップ部42全体と連通し得る。図9図10に示されるように、幾つかの実施形態は、リップ部42の一部と連通するカバー24を含み得る。口部44の第1の部分は、カバー24によって覆い隠され、口部44の第2の部分は、覆い隠されず又はさえぎるものがないことが好ましい。口部44のさえぎるもののない部分は、特に装置10が使用されている間に、インシュレーティング材がインシュレーションシステム22に出入りし得る開口部を提供することができる。
【0027】
中実セクション52は、装置10への多量の飲用液体を最初に受け取るための液体又は流体リザーバ56、レセプタクルを含み得る。流体リザーバ56は、底面58により構成され、底面58から上方へ(又は離れて)延びる周壁60を有し得る。この周壁60はカバー24の周縁50まで延び得る又は周壁60は装置10の上面まで延び得る。周壁60の第1の部分は、容器20及びカバー24が係合したときに、周壁の一部が側壁40に近接するように配置され得る。好ましくは、周壁60の第1の部分は、側壁40の上部セクション38に近接するか、又は隣接するように配置され得る。周壁60の第2の部分は、第1の部分に隣接し、カバー24の開口セクション54に近接するか、又は隣接するように配置され得る。幾つかの実施形態では、周壁の第2の部分は、側壁40から遠位に配置され、カバー24によってさえぎるもののない口部44の部分の縁又は境界を構成し得る。
【0028】
流体リザーバ56は、取入口62として作用する開口部又は孔部を含み得る。図1及び図4~5に示されるように、取入口62は、装置10がカバー24及び容器20が互いに係合した直立構成にあるとき、カバー24の底面58に位置し得る。好ましくは、流体リザーバ56は、取入口62への流体の流れを促進するために、凸形状又は容積を有するボイドスペースを構成する。例えば、図6に示すように、好ましくは、取入口62は、カバー24の底面58の中央部分61に配置され得る。
【0029】
装置10の内部チャンバ46は、飲用液体を冷却又は加熱するための貫通型重力作動式熱交換システム(pour-through, gravity-operated heat exchange system)を提供するインシュレーションシステム22を含み得る。インシュレーションシステム22は、熱交換又は温度交換を行う材料で作られたコイル4を含み得る。例えば、図1及び図4図5に示すように、インシュレーションシステム22は、例えば、アルミニウム、銅、ステンレス鋼、又は他の金属若しくは金属合金で作られた金属管で作られた略螺旋状のコイル64を含み得る。コイル64は、内部チャンバ46内に配置されると、カバー24の取入口62を容器20内の出口28に接続するように配置され得る。
【0030】
コイル64は、中空の中央部又は中空の内部部分を有し、カバー24における取入口の開口部62と容器20における出口の開口部28との間で飲用液体を移動させるための管又は導管を提供する。
【0031】
コイル64は、取入口62に連通するための上端部66を有し得る。コイル64は、出口28に連通するための下端部68を有し得る。コイル64は、上端部66と下端部68との間に位置してこれらを接続又は接合する中央部70を有し得る。上端部66及び下端部68において、コイル64は、取入口62及び出口28にそれぞれ係合するために、一直線又は直線構成をとり得る。
【0032】
図4~5に示されるように、取入口62は、上端部66を受け取るためのチャネル部材72を含み得る。チャネル部材72は、取入口62により構成される開口部又は孔部から離れて延び、上端部66を通し得る導管又は通路を提供し得る。したがって、上端部66は、取入口62と連通する位置に案内され得る。上端部66は、チャネル部材72に挿入されるように構成されることが好ましい。図4~5に示されるように、上端部66の末端は、取入口62により構成される開口部又は孔部にねじ込まれ得る直線状又は管状セグメントを含み得る。
【0033】
同様に、出口28は、下端部68を受け入れるためのチャネル部材72を含み得る。チャネル部材72は、出口28により構成される開口部又は孔部から離れて延び、下端部68を通し得る導管又は通路を提供し得る。したがって、下端部68は、出口28と連通する位置に案内され得る。下端部68は、チャネル部材72に挿入されるように構成されることが好ましい。図4~5に示すように、下端部68の末端は、出口28により構成される開口部又は孔部にねじ込まれ得る直線状又は管状セグメントを含み得る。
【0034】
取入口62及び出口28は、i)取入口62と上端部66との間、又は、ii)出口28と下端部68との間に、気密又は液密のシール又は接続を形成し得る。コイル64は、何れかの端部にガスケット78を含み、装置10のカバー24及び容器20との密封を容易にする。或いは、取入口62及び出口28は、それぞれガスケット又はライナー78を含み、コイル64との気密又は液密な係合を形成するのを容易にする。
【0035】
取入口62及び出口28は、特にコイル64がこれらに係合していないときに、これらをシールするためのプラグをそれぞれ備え得る。同様に、コイル64の上端部66及び下端部68は、特にコイル64が使用されていないときにそれらをシールするためのプラグを含み得る。
【0036】
上端部66と下端部68との間で、コイル64の中央部70は、略螺旋の形状を構成し得る。即ち、上端部66から中央部70に向かって中央部70を半径方向内方に向けて下端部68に向かって下方に向け得る。また、下端部68から中央部70を半径方向内方に向けて上端部66に向かって上方に向け得る。
【0037】
コイル64は、容器20、カバー24、及びコイル64が係合又は接続されたときに、中央部70のセグメントの一部又は全てが側壁40に近接するように配置され得る。図4図5に示されるように、装置10が組立構成であるとき、コイル64は、容器20の側壁40と間隔をあけた関係で容器20の下部セクション34内に配置され得る。コイル64は、この螺旋軸が容器20の長手方向又は垂直方向の軸と略整列するように、容器20内に配置され得る。
【0038】
組立構成において、流体リザーバ56及び取入口62は、容器20の上部セクション38に配置され得る。
【0039】
装置10は、図8及び図10B図10Cに示されるように、容器20をカバー24に接合するための構造を含み得る。容器20の上部セクション38は、側壁40の内面に1つ以上の凹部又は窪み74を含み得る。凹部74は、浅くし、即ち、凹部74は、側壁40に凹部を構成するのに十分な深さであり得るが、側壁40を貫通する孔部又は穴部を構成するほど深くない。
【0040】
カバー24は、容器20上の凹部74と係合するための凸部又は突出部76を含み得る。凸部76は、例えば、流体リザーバ56の周壁60の外面に配置し得る。凸部76は、側壁60の上部セクション38に近接又は隣接する周壁40の一部に配置し得る。
【0041】
幾つかの実施形態において、凸部76は、カバー24の周縁リム50内に配置し得る。
【0042】
凹部74と凸部76は、規則的に間隔をあけて配置され得る。2つの構造体の間の係合を促進するために、凸部76のサイズ及び配置は、容器20上の凹部74のサイズ及び配置を反映することが好ましい。対応する凹部74及び凸部76は、それらの間の接続を容易にするサイズ及び形状、好ましくは雄雌嵌合の接続又は係合であることが好ましい。即ち、各凹部74は、対応する凸部76を受け入れて係合するレセプタクル74を提供するように構成され得る。
【0043】
例えば、凹部74は、中央部に隆起したリッジを備えた略矩形の形状を有し、凸部76は、中央部に溝を備えた同程度の大きさ又は僅かに小さいサイズの体積を有し得る。対応する凹部74と凸部76とが合うと、パズル片のように接合し得る。
【0044】
容器20とカバー24の各々は、好ましくは嵌合状態で互いに係合する係合部材75を有し得る、即ち、容器20上の係合部材75aが、図8に示されるような、カバー24上の対応する係合部材75bに、容器20及びカバー24の位置を互いに対して固定する状態で接触し得る。係合部材は、対応する凹部74及び凸部76に限定されるものではなく、互いに係合するための任意の三次元形状を含み得る。
【0045】
複数組の対応する凹部74及び凸部76は、カバー24及び容器20を組立構成に導くために、容器20の上部セクション38及びカバー24の周縁リム50の外面にそれぞれ配置し得る。このような構成では、カバー24の開口セクション54は、ハンドル部材45に近接して配置し得る。
【0046】
幾つかの実施形態では、凹部74及び凸部76の配置を逆にし、凹部74はカバー24上に配置され、凸部76は容器20上に配置され得る。
【0047】
冷却又は冷やすことが望まれる場合、インシュレーティング材は、氷立方体、氷片、氷削り片、又は割れた氷などの様々な形態の氷、冷水、及び他の冷たい固体又は物質を含み得る。インシュレーティング材は、水又は水と氷の混合物を含み得る。但し、「冷たい」は相対的な用語であり、32°F又は0°F未満である必要はない。インシュレーティング材は、冷却される液体の温度より低い温度であれば十分に冷えている。
【0048】
インシュレーティング材は、加熱が望まれる場合、温水又は熱湯、他の熱い液体又は固体、又はこれらの混合物を含み得る。「熱い」は相対的な用語であり、312°F又は100°Fを超える必要はなく、インシュレーティング材は、加熱する液体の温度よりも高い温度であれば十分に高温である。
【0049】
液体を特定の温度又は温度範囲に維持することが望まれる場合、インシュレーティング材は、所望の温度又は温度範囲を有する材料を含み得る。
【0050】
本発明の実施形態によって作られるセラミック補綴材料は、所望の曲げ強さ及び光透過性を与えるように選択することができる。
【0051】
幾つかの実施形態において、同じ装置10は、1つずつであるが、液体の加熱と冷却の両方にインシュレーティング材を利用することができるインシュレーションシステム22を有し得る。
【0052】
冷却のために器具10を使用するのに、コイル64を容器20内に配置し、コイル64の下端部68を容器20の出口28に、好ましくは液密接続で係合させ得る。氷又は他の冷却インシュレーティング材の供給物が開放容器20の中心に装着され得る。コイル64は、容器20のリップ部42に近接する高さまで上方に螺旋状をなし得る。所望のインシュレーティング材は、コイル64に近接又は接触して内部チャンバ46に追加され、かくして、コイル64を通して液体を加熱又は冷却するためのインシュレーションシステム22を提供する。
【0053】
ほぼ同時に、コイル64の上端部66は、カバー24内の取入口62に係合し、カバー24の周縁部又はリム50は、容器20のリップ部42に係合し、カバーの凸部76は対応する凹部74に係合し、凸部76は互いに係合して、装置10の組立を完了する。完全に組み立てられた時、装置10は、液体を希釈することなく、インシュレーティング材で液体を汚染することなく、飲用液体を加熱又は冷却するためのシステムを提供し得る。
【0054】
嵌合凹部74,76が嵌合していない場合には、カバー24が容器20のリップ部42を中心に回動可能である。嵌合凹部74,76が嵌合している場合には、カバー24が、カバー24が外れないような構成でロックされ、カバー24の開口部を容器ハンドル部材45に近接して位置させ得る。
【0055】
幾つかの実施態様において、カバー24は、容器20を備え、上から下にしっかりと嵌め込まれる。その後、カバー24は、カバー24がスナップ留めされた方向と同じ方向を介して容器20から取り外すことができない。幾つかの実施形態によれば、カバー24を取り外すために、使用者は、手のひらをハンドル部材45上に置き、指を伸ばして流体リザーバ56をハンドル部材45に向けて直接引き戻し、それによって、カバー24を容器20から取り外す。この操作は、装置10が高温液体で使用されるときに、使用者がカバー24を取り外す危険性がないことを保証するが、装置10を洗浄のために意図的に分解し得る。カバー24を容器20に確実に係合及び係合解除する他の方法も本開示の範囲及び精神の範囲内であることが理解される。
【0056】
コイル64の上端部66は、好ましくは液密接続で、取入口62に係合し得る。カバー24は、容器20と係合するように操作され得る。例えば、対応する各凹部74及び凸部76は、互いに係合するように位置決めし、これにより、カバー24及び容器20を組立構成に導き得る。
【0057】
カバー24と容器20が係合している場合のように、内部チャンバ46内にインシュレーティング材を提供する別の方法は、カバー24の開口セクション54によって提供される通路を介してインシュレーティング材を追加することである。
【0058】
液体が流体リザーバ56に注入又は導入され、取入口62を介してコイル又は導管64に入り、コイル64を通過し、出口28から出ることができる。液体が、インシュレーティング材に浸され又は近接しているコイル64を通過するとき、液体温度を変化させ得る。
【0059】
水がコイル64の中央部70の大部分を覆うのに十分なレベルまで氷の上に注ぎ込まれる。次に、高級ケンタッキーバーボンなどの冷却される液体が、流体リザーバ56内にゆっくりと注ぎ込まれ、重力によってコイル64内に流入される。次に、カップ、ピッチャー又は他のレセプタクルが、出口28の下に配置又は保持され得る。液体の種類及び量に応じて、20秒から数分程度の短い時間が経過した後、出口28を開くことによって、液体を器具から引き出すことができる。通常の作動条件下では、液体は、室温又は周囲温度よりも十分に低く冷却される。しかしながら、更なる冷却が望まれる場合には、上記の方法で、液体を再び器具に通すことができる。
【0060】
したがって、装置10に入るときに第1の温度を有する液体は、冷却されたコイル64又は導管を通過することができ、その結果、液体が装置10を循環するときに、液体が第1の温度から第1の温度よりも低い第2の温度を通り、液体が装置10を出るときにより低い第2の温度を有する。
【0061】
この工程の間に、追加の氷又は水のような追加のインシュレーティング材が、カバー24の開口セクション54によって設けられた開口部を通して、コイル64を装置10から切り離すことを必要とせずに、導入され得る。必要に応じて、余分なインシュレーティング材をサイフォンで吸い上げるか、又はカバー24の開口セクション54を通して装置10の外に注ぐことによって、余分なインシュレーティング材を容器20から除去し得る。
【0062】
他の実施形態では、液体を冷やすのではなく加熱することが望ましい場合、氷又は冷水の代わりに、温かい、熱い、又は沸騰している液体又は物質、例えば加熱水を使用し得る。ここで、装置10に入るときに第1の温度を有する液体は、加熱されたコイル64又は導管を通過することができ、その結果、液体が装置10を循環するときに、液体が第1の温度から第1の温度よりも高い第2の温度を通り、液体が装置10を出るときにより高温で上昇した第2の温度を有する。
【0063】
装置10は、主に、飲用液体の温度を変化させることを意図しているが、ボディーペイント、化粧品、及び医薬などを含む他の用途のために、他の液体の温度を変化させるためにも使用し得る。
【0064】
幾つかの実施態様において、容器20、カバー24及びコイル64は、装置10の構成要素を洗浄し、及び貯蔵するために、互いに分解し得る。
【0065】
本発明の製造及び使用方法を説明するために、本発明による液体又は流体の温度を迅速に変化させるためのポータブル装置10の特定の実施形態を説明した。本発明及びその異なる態様の他の変形及び修正の実施は、当業者には明らかであり、本発明は、記載された特定の実施形態に限定されないことを理解されたい。一実施形態で説明した特徴は、他の実施形態で実施することができる。本発明及び本明細書に開示され、請求される基本的な基本原理の精神及び範囲内にあるあらゆる修正、変形、又は均等物を包含することが理解される。
【符号の説明】
【0066】
10:ポータブル装置
20:容器
22:インシュレーションシステム
24:カバー
26:入口
28:出口
34:下部セクション
38:上部セクション
40:側壁
45:ハンドル部材
52:中実セクション
図1
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図10A
図10B
図10C