(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-10
(45)【発行日】2025-01-21
(54)【発明の名称】基板及び表示パネル
(51)【国際特許分類】
H10D 30/67 20250101AFI20250114BHJP
G02F 1/1333 20060101ALI20250114BHJP
G02F 1/1368 20060101ALI20250114BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20250114BHJP
H10D 30/01 20250101ALI20250114BHJP
H05B 33/14 20060101ALI20250114BHJP
H10K 50/115 20230101ALI20250114BHJP
H10K 59/123 20230101ALI20250114BHJP
H10K 59/124 20230101ALI20250114BHJP
【FI】
H01L29/78 619A
G02F1/1333 505
G02F1/1368
G09F9/30 309
G09F9/30 349C
G09F9/30 365
H01L29/78 616T
H01L29/78 619B
H01L29/78 627A
H05B33/14 Z
H10K50/115
H10K59/123
H10K59/124
(21)【出願番号】P 2021555292
(86)(22)【出願日】2021-09-07
(86)【国際出願番号】 CN2021116863
(87)【国際公開番号】W WO2023019654
(87)【国際公開日】2023-02-23
【審査請求日】2021-10-15
(31)【優先権主張番号】202110936401.8
(32)【優先日】2021-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519182202
【氏名又は名称】深▲セン▼市▲華▼星光▲電▼半▲導▼体▲顕▼示技▲術▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】檀 小芳
(72)【発明者】
【氏名】宋 志偉
【審査官】上田 智志
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-536262(JP,A)
【文献】特開2013-206919(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03751616(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/336、29/786、
G09F 9/30、
G02F 1/1333、1/1368、
H10K 50/115、59/123、59/124、
H05B 33/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、
前記ベースに設けられた複数の薄膜トランジスタと、を含み、
前記薄膜トランジスタは、
前記ベースに設けられたゲートと、
前記ゲートと異なる層となるように前記ゲートと積層して前記ベースに設けられた活性層と、
少なくとも前記活性層及び前記ゲートを被覆し、水及び酸素を遮断する遮断層と、
前記遮断層を被覆する平坦層と、
それぞれ前記活性層に接続されたソース及びドレインを含むように前記平坦層に設けられたソースドレイン金属層と、を含み、
基板は、前記ゲートが設けられるように前記活性層に設けられた第1絶縁層をさらに含み、
前記活性層、前記第1絶縁層及び前記ゲートを積層することにより突出構造を形成し、前記遮断層は、前記突出構造の外面を被覆し、
前記活性層は、第1頂面と、前記第1頂面の周縁に接続された第1側面とを含み、
前記第1絶縁層は、第2頂面と、前記第2頂面の周縁に接続された第2側面とを含むように前記第1頂面の中間領域に設けられ、
前記ゲートは、第3頂面と、前記第3頂面の周縁に接続された第3側面とを含むように前記第2頂面に設けられ、
前記遮断層は、前記第1頂面の側辺領域、前記第1側面、前記第2側面、前記第3頂面及び前記第3側面を被覆する、
基板。
【請求項2】
前記活性層と積層して前記ベースに設けられた遮光層と、
前記遮光層と前記活性層との間に設けられた緩衝層と、
前記ソースドレイン金属層に設けられた第2絶縁層と、をさらに含み、
前記ソースドレイン金属層は、それぞれ前記ソース及び前記遮光層に接続されたソース延長線をさらに含む、
請求項1に記載の基板。
【請求項3】
前記活性層が設けられるように前記ゲートに設けられた第1絶縁層をさらに含み、
前記遮断層は、前記活性層の外面を被覆する、
請求項1に記載の基板。
【請求項4】
前記第1絶縁層には、前記ゲートの外周に周設され、前記遮断層で被覆された溝が設けられる、
請求項3に記載の基板。
【請求項5】
前記遮断層の密度は、2.5g/cm
3
以上でありかつ5g/cm
3
以下である、
請求項1に記載の基板。
【請求項6】
前記遮断層は、単層構造であり、その材料が金属酸化物を含む、
請求項1に記載の基板。
【請求項7】
前記遮断層は、
材料が金属酸化物を含む第1遮断層と、
材料がシリコン酸化物を含むように前記第1遮断層に設けられた第2遮断層と、を含む、
請求項1に記載の基板。
【請求項8】
基板と、積層して設けられた第1電極、発光層及び第2電極と、を含み、
前記基板は、請求項1ないし請求項7のうちのいずれか1項に記載の基板である、
表示パネル。
【請求項9】
アレイ基板と、対向基板と、前記アレイ基板と前記対向基板との間に設けられた液晶とを含み、
前記アレイ基板は、基板を含み、
前記基板は、請求項1ないし請求項7のうちのいずれか1項に記載の基板である、
表示パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、表示の技術分野に関し、特に、基板及び表示パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の液晶パネルに比べて、アクティブマトリクス有機発光ダイオードパネルは、応答速度が速く、コントラストが高く、視野角が広く、エネルギー消費が低いなどの特徴を有するため、広く人気を集めており、液晶表示パネルを徐々に置き換えて次世代主流の表示パネルとなっている。
【0003】
従来の技術を研究して実践する過程において、本願の発明者は、液晶パネルでも有機発光ダイオードパネルでも、活性層が外部から侵入する水素、水及び酸素などの要因の影響を受けやすいため、薄膜トランジスタの電気的なオフセットが引き起こされ、最終的にパネルの信頼性の表現が低下するという問題があることを発見した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の実施例は、水素、水及び酸素が活性層に侵入するリスクを低減するための基板及び表示パネルを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の実施例に係る基板は、
ベースと、
前記ベースに設けられた複数の薄膜トランジスタと、を含み、
前記薄膜トランジスタは、
前記ベースに設けられたゲートと、
前記ゲートと異なる層となるように前記ゲートと積層して前記ベースに設けられた活性層と、
少なくとも前記活性層及び前記ゲートを被覆し、水及び酸素を遮断する遮断層と、
前記遮断層を被覆する平坦層と、
それぞれ前記活性層に接続されたソース及びドレインを含むように前記平坦層に設けられたソースドレイン金属層と、を含む。
【0006】
好ましくは、本願のいくつかの実施例では、前記基板は、前記ゲートが設けられるように前記活性層に設けられた第1絶縁層をさらに含み、
前記活性層、前記第1絶縁層及び前記ゲートを積層することにより突出構造を形成し、前記遮断層は、前記突出構造の外面を被覆する。
【0007】
好ましくは、本願のいくつかの実施例では、前記活性層は、第1頂面と、前記第1頂面の周縁に接続された第1側面とを含み、
前記第1絶縁層は、第2頂面と、前記第2頂面の周縁に接続された第2側面とを含むように前記第1頂面の中間領域に設けられ、
前記ゲートは、第3頂面と、前記第3頂面の周縁に接続された第3側面とを含むように前記第2頂面に設けられ、
前記遮断層は、前記第1頂面の側辺領域、前記第1側面、前記第2側面、前記第3頂面及び前記第3側面を被覆する。
【0008】
好ましくは、本願のいくつかの実施例では、前記基板は、
前記活性層と積層して前記ベースに設けられた遮光層と、
前記遮光層と前記活性層との間に設けられた緩衝層と、
前記ソースドレイン金属層に設けられた第2絶縁層と、をさらに含み、
前記ソースドレイン金属層は、それぞれ前記ソース及び前記遮光層に接続されたソース延長線をさらに含む。
【0009】
好ましくは、本願のいくつかの実施例では、前記基板は、前記活性層が設けられるように前記ゲートに設けられた第1絶縁層をさらに含み、
前記遮断層は、前記活性層の外面を被覆する。
【0010】
好ましくは、本願のいくつかの実施例では、前記第1絶縁層には、前記ゲートの外周に周設され、前記遮断層で被覆された溝が設けられる。
【0011】
好ましくは、本願のいくつかの実施例では、前記遮断層の密度は、2.5g/cm3以上である。
【0012】
好ましくは、本願のいくつかの実施例では、前記遮断層は、単層構造であり、その材料が金属酸化物を含む。
【0013】
好ましくは、本願のいくつかの実施例では、前記遮断層は、
材料が金属酸化物を含む第1遮断層と、
材料がシリコン酸化物を含むように前記第1遮断層に設けられた第2遮断層と、を含む。
【0014】
好ましくは、本願のいくつかの実施例では、前記活性層は、多結晶シリコン、単結晶シリコン及び金属酸化物のうちの1種を含む。
【0015】
また、本願の実施例に係る表示パネルは、上記実施例に記載の基板と、積層して設けられた第1電極、発光層及び第2電極と、を含み、
前記基板は、
ベースと、
前記ベースに設けられた複数の薄膜トランジスタと、を含み、
前記薄膜トランジスタは、
前記ベースに設けられたゲートと、
前記ゲートと異なる層となるように前記ゲートと積層して前記ベースに設けられた活性層と、
少なくとも前記活性層及び前記ゲートを被覆し、水及び酸素を遮断する遮断層と、
前記遮断層を被覆する平坦層と、
それぞれ前記活性層に接続されたソース及びドレインを含むように前記平坦層に設けられたソースドレイン金属層と、を含み、
前記第1電極は、前記ドレインに接続される。
【0016】
好ましくは、本願のいくつかの実施例では、前記基板は、前記ゲートが設けられるように前記活性層に設けられた第1絶縁層をさらに含み、
前記活性層、前記第1絶縁層及び前記ゲートを積層することにより突出構造を形成し、前記遮断層は、前記突出構造の外面を被覆する。
【0017】
好ましくは、本願のいくつかの実施例では、前記活性層は、第1頂面と、前記第1頂面の周縁に接続された第1側面とを含み、
前記第1絶縁層は、第2頂面と、前記第2頂面の周縁に接続された第2側面とを含むように前記第1頂面の中間領域に設けられ、
前記ゲートは、第3頂面と、前記第3頂面の周縁に接続された第3側面を含むように前記第2頂面に設けられ、
前記遮断層は、前記第1頂面の側辺領域、前記第1側面、前記第2側面、前記第3頂面及び前記第3側面を被覆する。
【0018】
好ましくは、本願のいくつかの実施例では、前記基板は、
前記活性層と積層して前記ベースに設けられた遮光層と、
前記遮光層と前記活性層との間に設けられた緩衝層と、
前記ソースドレイン金属層に設けられた第2絶縁層と、をさらに含み、
前記ソースドレイン金属層は、それぞれ前記ソース及び前記遮光層に接続されたソース延長線をさらに含む。
【0019】
好ましくは、本願のいくつかの実施例では、前記基板は、前記活性層が設けられるように前記ゲートに設けられた第1絶縁層をさらに含み、
前記遮断層は、前記活性層の外面を被覆する。
【0020】
好ましくは、本願のいくつかの実施例では、前記第1絶縁層には、前記ゲートの外周に周設され、前記遮断層で被覆された溝が設けられる。
【0021】
好ましくは、本願のいくつかの実施例では、前記遮断層の密度は、2.5g/cm3以上である。
【0022】
好ましくは、本願のいくつかの実施例では、前記遮断層は、単層構造であり、その材料が金属酸化物を含む。
【0023】
好ましくは、本願のいくつかの実施例では、前記遮断層は、
材料が金属酸化物を含む第1遮断層と、
材料がシリコン酸化物を含むように前記第1遮断層に設けられた第2遮断層と、を含む。
【0024】
好ましくは、本願のいくつかの実施例では、前記活性層は、多結晶シリコン、単結晶シリコン及び金属酸化物のうちの1種を含む。
【0025】
また、本願の実施例に係る別の表示パネルは、アレイ基板と、対向基板と、前記アレイ基板と前記対向基板との間に設けられた液晶とを含み、
前記アレイ基板は、上記実施例に記載の基板を含み、
前記基板は、
ベースと、
前記ベースに設けられた複数の薄膜トランジスタと、を含み、
前記薄膜トランジスタは、
前記ベースに設けられたゲートと、
前記ゲートと異なる層となるように前記ゲートと積層して前記ベースに設けられた活性層と、
少なくとも前記活性層及び前記ゲートを被覆し、水及び酸素を遮断する遮断層と、
前記遮断層を被覆する平坦層と、
それぞれ前記活性層に接続されたソース及びドレインを含むように前記平坦層に設けられたソースドレイン金属層と、を含む。
【0026】
好ましくは、本願のいくつかの実施例では、前記基板は、前記ゲートが設けられるように前記活性層に設けられた第1絶縁層をさらに含み、
前記活性層、前記第1絶縁層及び前記ゲートを積層することにより突出構造を形成し、前記遮断層は、前記突出構造の外面を被覆する。
【0027】
好ましくは、本願のいくつかの実施例では、前記活性層は、第1頂面と、前記第1頂面の周縁に接続された第1側面とを含み、
前記第1絶縁層は、第2頂面と、前記第2頂面の周縁に接続された第2側面とを含むように前記第1頂面の中間領域に設けられ、
前記ゲートは、第3頂面と、前記第3頂面の周縁に接続された第3側面を含むように前記第2頂面に設けられ、
前記遮断層は、前記第1頂面の側辺領域、前記第1側面、前記第2側面、前記第3頂面及び前記第3側面を被覆する。
【0028】
好ましくは、本願のいくつかの実施例では、前記基板は、
前記活性層と積層して前記ベースに設けられた遮光層と、
前記遮光層と前記活性層との間に設けられた緩衝層と、
前記ソースドレイン金属層に設けられた第2絶縁層とをさらに含み、
前記ソースドレイン金属層は、それぞれ前記ソース及び前記遮光層に接続されたソース延長線をさらに含む。
【0029】
好ましくは、本願のいくつかの実施例では、前記基板は、前記活性層が設けられるように前記ゲートに設けられた第1絶縁層をさらに含み、
前記遮断層は、前記活性層の外面を被覆する。
【0030】
好ましくは、本願のいくつかの実施例では、前記第1絶縁層には、前記ゲートの外周に周設され、前記遮断層で被覆された溝が設けられる。
【0031】
好ましくは、本願のいくつかの実施例では、前記遮断層の密度は、2.5g/cm3以上である。
【0032】
好ましくは、本願のいくつかの実施例では、前記遮断層は、単層構造であり、その材料が金属酸化物を含む。
【0033】
好ましくは、本願のいくつかの実施例では、前記遮断層は、
材料が金属酸化物を含む第1遮断層と、
材料がシリコン酸化物を含むように前記第1遮断層に設けられた第2遮断層と、を含む。
【0034】
好ましくは、本願のいくつかの実施例では、前記活性層は、多結晶シリコン、単結晶シリコン及び金属酸化物のうちの1種を含む。
【発明の効果】
【0035】
本願の実施例に係る基板及び表示パネルにおいて、薄膜トランジスタは、ゲート、活性層及びソースドレイン金属層を含み、活性層は、ゲートと異なる層となるようにゲートと積層して設けられ、遮断層は、少なくとも活性層及びゲートを被覆し、水及び酸素を遮断し、平坦層は、遮断層を被覆し、ソースドレイン金属層は、それぞれ活性層に接続されたソース及びドレインを含むように平坦層に設けられる。本願の実施例では、遮断層で少なくとも薄膜トランジスタのゲート及び活性層を被覆することにより、外部の水素、酸素及び水蒸気などがゲート及び活性層に侵入することを遮断し、そして平坦層で活性層とゲートの積層構造を平坦化することにより、ソースドレイン金属層及びその上の膜層が複雑な地形に影響されるリスクを低減する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
本願の実施例の技術手段をより明確に説明するために、以下、実施例の説明に必要な図面を簡単に説明し、明らかに、以下に説明される図面は、本願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労働をしない前提で、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【0037】
【
図1】本願に係る基板の第1実施例の概略構成図である。
【
図2】本願に係る基板の第1実施例の突出構造の概略構成図である。
【
図3】本願に係る基板の第1実施例の遮断層の別の概略構成図である。
【
図4】本願に係る基板の第2実施例の概略構成図である。
【
図5】本願に係る基板の第3実施例の概略構成図である。
【
図6】本願に係る表示パネルの第1実施例の概略構成図である。
【
図7】本願に係る表示パネルの第2実施例の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本願の実施例における図面を参照しながら、本願の実施例における技術手段を明確かつ完全的に説明し、明らかに、説明される実施例は、本願の実施例の一部に過ぎず、全てではない。本願の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をしない前提で得られる他の全ての実施例は、いずれも本願の保護範囲に属するものである。また、ここで説明する具体的な実施形態は、本願を説明して解釈するためのものに過ぎず、本願を限定するものではないことを理解されたい。本願において、逆に説明しない場合、使用される「上」、「下」などの方位詞は、一般的には、装置の実際使用又は動作状態での上と下を意味し、具体的には図面における図の方向であり、「内」及び「外」は、装置の輪郭に関するものである。
【0039】
本願の実施例は、基板及び表示パネルを提供し、また、薄膜トランジスタのソース及びドレインは、互いに交換可能である。本願の実施例では、薄膜トランジスタのゲート以外の両極を区別するために、そのうちの1つの極をソースと呼び、もう1つの極をドレインと呼ぶ。以下、詳細に説明する。説明すべきものとして、以下の実施例の説明順序は、実施例の好ましい順序を限定するものではない。
【0040】
図1は、本願に係る基板の第1実施例の概略構成図である。本願の実施例に係る基板100は、ベース11及び複数の薄膜トランジスタTFTを含む。複数の薄膜トランジスタTFTは、ベース11に設けられる。
【0041】
薄膜トランジスタTFTは、ゲート12、活性層13、遮断層14、平坦層15、ソースドレイン金属層16を含む。
【0042】
ゲート12は、ベース11に設けられる。活性層13は、ゲート12と異なる層となるようにベース11に設けられる。活性層13は、ゲート12と積層して設けられる。
【0043】
遮断層14は、少なくとも活性層13及びゲート12を被覆する。遮断層14は、水及び酸素を遮断する。平坦層15は、遮断層14を被覆する。ソースドレイン金属層16は、ソース161及びドレイン162を含むように平坦層15に設けられる。ソース161及びドレイン162は、それぞれ活性層13に接続される。
【0044】
本願の実施例に係る基板100は、遮断層14で少なくとも薄膜トランジスタTFTのゲート12及び活性層13を被覆することにより、外部の水素、酸素及び水蒸気などがゲート12及び活性層13に侵入することを遮断し、そして平坦層15で活性層13とゲート12の積層構造を平坦化することにより、ソースドレイン金属層16及びその上の膜層が複雑な地形に影響されるリスクを低減することにより、パネルの発光効率を向上させる。
【0045】
好ましくは、ベース11は、リジッド基板であってもよく、フレキシブルベースであってもよい。ベース11の材質は、ガラス、サファイア、シリコン、シリカ、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ乳酸、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリウレタンうちの1種を含む。
【0046】
好ましくは、活性層13の材料は、多結晶シリコン、単結晶シリコン及び金属酸化物のうちの1種を含む。例えば、インジウムガリウム亜鉛酸化物(IGZO)、亜鉛酸化物、インジウムスズ酸化物、インジウムスズ亜鉛酸化物などであってもよい。
【0047】
好ましくは、平坦層15の材料は、例えば透明フォトレジスト、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレンなどの有機透明膜層であってもよい。
【0048】
好ましくは、この第1実施例では、基板100は、第1絶縁層17をさらに含む。第1絶縁層17は、活性層13に設けられる。ゲート12は、第1絶縁層17に設けられる。
【0049】
活性層13、第1絶縁層17及びゲート12を積層することにより、突出構造TCが形成される。遮断層14は、突出構造TCの外面を被覆する。
【0050】
この第1実施例では、遮断層14で突出構造TCの外面全体を被覆することで、薄膜トランジスタTFTの水及び酸素を防止する性能をさらに向上させる。
【0051】
好ましくは、
図1及び
図2に示すように、活性層13は、第1頂面13aと、第1頂面13aの周縁に接続された第1側面13bとを含む。
【0052】
第1絶縁層17は、第1頂面13aの中間領域に設けられる。第1絶縁層17は、第2頂面17aと、第2頂面17aの周縁に接続された第2側面17bとを含む。
【0053】
ゲート12は、第2頂面17aに設けられる。ゲート12は、第3頂面12aと、第3頂面12aの周縁に接続された第3側面12bとを含む。
【0054】
遮断層14は、第1頂面13aの側辺領域、第1側面13b、第2側面17b、第3頂面12a及び第3側面12bを被覆する。
【0055】
好ましくは、第1絶縁層17の材料は、シリコン酸化物、シリコン窒化物又はシリコン窒酸化物であってもよい。
【0056】
好ましくは、基板100は、遮光層18、緩衝層19及び第2絶縁層110をさらに含む。遮光層18は、ベース11に設けられる。遮光層18は、活性層13と積層して設けられる。緩衝層19は、遮光層18と活性層13との間に設けられる。第2絶縁層110は、ソースドレイン金属層16に設けられる。
【0057】
ソースドレイン金属層16は、ソース延長線163をさらに含む。ソース延長線163は、それぞれソース161及び遮光層18に接続される。
【0058】
ここで、ソース延長線163と遮光層18との間に遮断層14及び平坦層15が設けられるため、両者の間の間隔が大きくなり、さらに両者の間の浮遊容量が低減する。すなわち、遮断層14と平坦層15とを積層して設けることにより、薄膜トランジスタTFTの水及び酸素を防止する性能を向上させ、前端プロセスで形成された複雑な地形を平坦化するだけでなく、遮光層18とソース延長線163との間の浮遊容量を低減する。
【0059】
好ましくは、遮光層18は、モリブデンチタン積層構造又はモリブデン銅積層構造であってもよい。緩衝層19の材料は、シリコン窒化物又はシリコン酸化物であってもよく、シリコン窒化物膜層とシリコン酸化物膜層の積層構造であってもよい。
【0060】
好ましくは、第2絶縁層110は、不動態化層、例えば、シリコン酸化物などであってもよい。
【0061】
好ましくは、遮断層14の密度は、2.5g/cm3以上である。このような設定により、水及び酸素を効果的に遮断する効果を奏する。遮断層14の密度は、2.5g/cm3、3g/cm3、3.5g/cm3、5g/cm3などであってもよい。
【0062】
好ましくは、遮断層14の厚さは、300オングストローム~500オングストロームの間にあり、例えば、300オングストローム、400オングストローム及び500オングストロームであってもよい。遮断層14の厚さを300オングストローム以上にすることにより、遮断層14が水及び酸素を効果的に遮断する効果を達成し、遮断層14の厚さが500オングストローム以下であることにより、遮断層14が厚すぎることを回避し、薄膜トランジスタ領域のジオポテンシャル高さを増加させる。
【0063】
好ましくは、遮断層14は単層構造である。遮断層14の材料は、金属酸化物を含む。例えば、遮断層14の材料は、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ニッケル又は酸化スズなどの金属酸化物であってもよい。
【0064】
遮断層14は、金属酸化物から形成された緻密な酸化膜である。例えば、金属酸化物をターゲット材として用いて、スパッタリングによりベース11に緻密な酸化膜を形成することができる。
【0065】
好ましくは、遮断層14の材料が酸化アルミニウム(Al2O3)である場合、酸素とアルミニウムの配合比率は1.5:1である。遮断層14の材料が酸化アルミニウム(ZnO)である場合、酸素と亜鉛の配合比率は1:1である。遮断層14の材料が酸化アルミニウム(MgO)である場合、酸素とマグネシウムの配合比率は1:1である。
【0066】
好ましくは、いくつかの実施例では、
図3に示すように、遮断層14は、第1遮断層141と、第1遮断層141に設けられた第2遮断層142とを含む。第1遮断層141の材料は金属酸化物を含む。第2遮断層142の材料はシリコン酸化物を含む。
【0067】
第1遮断層141及び第2遮断層142を積層することにより、薄膜トランジスタTFTの防水性能をさらに向上させることができる。
【0068】
好ましくは、第1遮断層141と第2遮断層142は、交互に設けられてよい。
【0069】
第1遮断層141は、金属酸化物から形成された緻密な酸化膜である。例えば、金属酸化物をターゲット材として用いて、スパッタリングによりベース11に緻密な酸化膜を形成することができる。金属酸化物は、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ニッケル又は酸化スズなどの金属酸化物であってもよい。
【0070】
図4に示すように、本実施例に係る基板200は、ベース11及び複数の薄膜トランジスタTFTを含む。複数の薄膜トランジスタTFTは、ベース11に設けられる。
【0071】
薄膜トランジスタTFTは、ゲート12、活性層13、遮断層14、平坦層15、ソースドレイン金属層16を含む。ゲート12はベース11に設けられる。活性層13は、ゲート12と異なる層となるようにベース11に設けられる。活性層13は、ゲート12と積層して設けられる。遮断層14は、少なくとも活性層13及びゲート12を被覆する。遮断層14は、水及び酸素を遮断する。平坦層15は遮断層14を被覆する。ソースドレイン金属層16は、ソース161及びドレイン162を含むように平坦層15に設けられる。ソース161及びドレイン162は、それぞれ活性層13に接続される。
【0072】
本実施例の基板200は、以下の点において上記実施例の基板100と異なる。基板200は、第1絶縁層17をさらに含む。第1絶縁層17は、ゲート12に設けられる。活性層13は、第1絶縁層17に設けられる。第2絶縁層110は、ソースドレイン金属層16及び平坦層15を被覆する。
【0073】
遮断層14は、活性層13の外面を被覆する。
【0074】
具体的には、遮断層14は、活性層13の頂面及び上記頂面に接続された側面を被覆する。
【0075】
本実施例の基板200は、遮断層14で活性層13を被覆し、そして平坦層15でゲート12、第1絶縁層17及び活性層13の積層構造を平坦化することにより、パネルの発光効率を向上させる。
【0076】
図5に示すように、本実施例の基板300は、以下の点において上記実施例の基板200と異なる。第1絶縁層17には、溝171が設けられる。溝171はゲート12の外周に周設され、遮断層14は溝171を被覆する。
【0077】
平坦層15は、ゲート12、第1絶縁層17及び活性層13の積層構造を被覆することにより、積層構造の突出部分を平坦化し、溝171を被覆することにより、溝171の凹み部分を平坦化することで、後続の膜層に平坦なベース面を提供し、さらにパネルの発光効率を向上させる。
【0078】
本実施例の基板300は、上記実施例の基板200を基に、ゲート12の外周に周設された溝171が設けられ、そして遮断層14を溝171に延伸させることにより、遮断層14が活性層13及びゲート12を被覆し、薄膜トランジスタTFTの水及び酸素を防止する性能を向上させる。
【0079】
また、
図6に示すように、また本願の実施例に係る表示パネル1000は、上記実施例に記載の基板(100/200/300)を含む。表示パネル1000は、積層して設けられた第1電極P1、発光層EL及び第2電極P2をさらに含む。第1電極P1は、ドレイン162に接続される。
【0080】
本実施例の表示パネル1000は、実施例の基板100を例として概略的に示されるが、これに限定されない。
【0081】
第1電極P1は陽極であり、第2電極P2は陰極である。いくつかの実施例では、第1電極P1は陰極であってよく、第2電極P2は陽極であってもよい。
【0082】
好ましくは、発光層ELの材料は、有機材料、例えば、Alq3、ビス(2-メチル-8-キノリノラト-N1,O8)-(1,1'-ビフェニル-4-ヒドロキシ)アルミニウム(BAlq)、DPVBi、Almq3、3-tert-ブチル-9,10-ジ(2-ナフチル)アントラセン(TBADN)であってもよい。
【0083】
発光層ELの材料は、無機材料、例えば、IV族半導体ナノ結晶、II-V族半導体ナノ結晶、II-VI族半導体ナノ結晶、IV-VI族半導体ナノ結晶、III-V族半導体ナノ結晶及びIII-VI族半導体ナノ結晶などから選択される1種以上であってもよい。例として、シリコン量子ドット、ゲルマニウム量子ドット、硫化カドミウム量子ドット、セレン化カドミウム量子ドット、テルル化カドミウム量子ドット、セレン化亜鉛量子ドット、硫化鉛量子ドット、セレン化鉛量子ドット、リン化インジウム量子ドット、ヒ化インジウム量子ドット及び窒化ガリウム量子ドットなどのうちの1種以上であってもよい。
【0084】
本願の実施例の表示パネル1000には、薄膜トランジスタTFTはゲート12、活性層13及びソースドレイン金属層16を含む。活性層13とゲート12とは、異なる層に設けられ、積層して設けられ、遮断層14は、少なくとも活性層13及びゲート12を被覆し、水及び酸素を遮断する。平坦層15は遮断層14を被覆し、ソースドレイン金属層16は平坦層15に設けられる。ソースドレイン金属層16は、それぞれ活性層13に接続されたソース161及びドレイン162を含む。
【0085】
本願の実施例に係る表示パネル1000は、遮断層14で少なくとも薄膜トランジスタTFTのゲート12及び活性層13を被覆することにより、外部の水素、酸素及び水蒸気などがゲート12及び活性層13に侵入することを遮断し、そして平坦層15で活性層13とゲート12の積層構造を平坦化することにより、ソースドレイン金属層16及びその上の膜層が複雑な地形に影響されるリスクを低減し、さらに表示パネル1000の発光効率を向上させる。
【0086】
また、
図7に示すように、また、本願の実施例に係る別の表示パネル2000は、アレイ基板AR、対向基板CF、及びアレイ基板ARと対向基板CFとの間に設けられた液晶LCを含む。アレイ基板ARは、上記実施例に記載の基板(100/200/300)を含む。
【0087】
本実施例の表示パネル2000は、上記実施例の基板100をアレイ基板ARの一部とする例として概略的に示されるが、これに限定されない。
【0088】
本願の実施例の表示パネル2000には、薄膜トランジスタTFTはゲート12、活性層13及びソースドレイン金属層16を含む。活性層13とゲート12とは、異なる層に設けられ、積層して設けられ、遮断層14は、少なくとも活性層13及びゲート12を被覆し、水及び酸素を遮断する。平坦層15は遮断層14を被覆し、ソースドレイン金属層16は平坦層15に設けられる。ソースドレイン金属層16は、それぞれ活性層13に接続されたソース161及びドレイン162を含む。
【0089】
本願の実施例に係る表示パネル1000は、遮断層14で少なくとも薄膜トランジスタTFTのゲート12及び活性層13を被覆することにより、外部の水素、酸素及び水蒸気などがゲート12及び活性層13に侵入することを遮断し、そして平坦層15で活性層13とゲート12の積層構造を平坦化することにより、ソースドレイン金属層16及びその上の膜層が複雑な地形に影響されるリスクを低減し、さらに表示パネル1000の発光効率を向上させる。
【0090】
以上、本願の実施例に係る基板及び表示パネルについて詳細に説明し、本明細書において具体例を用いて本願の原理及び実施形態を説明したが、以上の実施例の説明は、本願の方法及びその核心思想を容易に理解するためのものに過ぎず、なお、当業者であれば、本願の思想に照らし、具体的な実施形態及び適用範囲を変更することが可能であり、要するに、本明細書の内容は本願を限定するものと理解すべきではない。