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特許7618574航空機の車輪の制動を制御するための方法、及び、関連する車輪制動制御装置
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  • 特許-航空機の車輪の制動を制御するための方法、及び、関連する車輪制動制御装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-10
(45)【発行日】2025-01-21
(54)【発明の名称】航空機の車輪の制動を制御するための方法、及び、関連する車輪制動制御装置
(51)【国際特許分類】
   B64C 25/42 20060101AFI20250114BHJP
【FI】
B64C25/42
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021556262
(86)(22)【出願日】2020-03-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-19
(86)【国際出願番号】 FR2020050541
(87)【国際公開番号】W WO2020188206
(87)【国際公開日】2020-09-24
【審査請求日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】1902924
(32)【優先日】2019-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】315008740
【氏名又は名称】サフラン エアークラフト エンジンズ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 和広
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】クレマン ジョルジュ アンリ ゴルス
【審査官】諸星 圭祐
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0154445(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0297567(US,A1)
【文献】米国特許第09164505(US,B1)
【文献】特表2011-519776(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102910284(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 25/42
B64D 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機の車輪の制動を監視するための方法において、
航空機の車輪の制動が、減速調整要求(16)及び逆推力装置展開要求(24)の両方が車輪制動制御装置(14)に入力されたときに、前記航空機の車輪ブレーキ(10)を作動させる車輪制動制御装置(14)によって制御される、方法。
【請求項2】
前記逆推力装置展開要求(24)は、前記航空機のコックピット(18)から前記車輪制動制御装置によって直接的に受けられる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記車輪制動制御装置によって直接的に受けられた前記逆推力装置展開要求(24)は、逆推力装置(12)の展開を作動させる逆推力装置制御装置(22)に中継される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記逆推力装置展開要求(24)は、前記逆推力装置制御装置(22)により直接的に受けられ、前記逆推力装置制御装置(22)は、前記逆推力装置展開要求(24)を車輪制動制御装置(14)に中継する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記逆推力装置(12)の展開によって生じた外乱を除去するために、前記逆推力装置の展開によって生じる外乱に比例した減速度設定値(36)の適合によって、前記車輪制動制御装置(14)によって前記車輪ブレーキ(10)に発される減速調整命令(20)が実質的に一定に保たれる、請求項3又は4に記載の方法。
【請求項6】
前記逆推力装置(12)の展開によって生じた外乱を除去するために、前記逆推力装置の展開によって生じた前記外乱に比例して車輪制動調整ループの伝達関数におけるゲインの適合によって、前記車輪制動制御装置(14)によって前記車輪ブレーキ(10)に発せられる減速調整命令(20)が実質的に一定に保たれる、請求項3又は4に記載の方法。
【請求項7】
前記逆推力装置の実際の状態に関する情報(30)が前記車輪制動制御装置(14)に送られる、請求項3、4又は6に記載の方法。
【請求項8】
減速調整要求(16)に基づいて航空機の車輪のブレーキ(10)を作動させることができる車輪制動制御装置(14)において、
前記車輪制動制御装置(14)は、減速調整要求(16)及び逆推力装置展開要求(24)の両方が前記車輪制動制御装置(14)に入力されたときに航空機の車輪のブレーキ(10)を作動させるように構成されていることを特徴とする、車輪制動制御装置(14)。
【請求項9】
前記車輪制動制御装置(14)は、逆推力装置の実際の状態に関する情報(30)を逆推力装置制御装置(22)から受けるようにさらに構成されていることを特徴とする、請求項8に記載の車輪制動制御装置(14)。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の車輪制動制御装置(14)を有する航空機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空機制動の分野に関し、より詳細には、航空機のための改良された制動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
航空機では、いくつかのソースによって、着陸段階中又は中止された離陸中に航空機を制動することができる。
【0003】
図6に示すように、主に、この制動機能専用の2つのソースがあり、そのトリガは、パイロットの異なる動作に関するコックピットとは互いに独立して行われる。すなわち、これら2つのソースは、車輪ブレーキ10を有する制動システムと、逆推力装置12を有する逆推力装置システムである。車輪ブレーキ10は、コックピット18から来る減速調整要求16を受けて車輪ブレーキ10についての減速調整命令20を発する、車輪制動制御装置14から制御される。逆推力装置12は、パイロット26の動作がそこから到着する、コックピット18から来る逆推力装置展開要求24を受け、かつ、逆推力装置12についての逆推力装置展開命令28を発する、逆推力装置制御装置22から制御される。
【0004】
航空機の着陸装置に含まれる車輪制動システムは、航空機の制動機能を自ら確保することができる。実際、制動距離の認証は、車輪制動システムにのみ適用される。これは、航空機が特定の滑走路に着陸できるか否かを判断するために考慮される唯一のシステムである。しかしながら、この認証を容易にするために、航空機のターボジェットエンジンに含まれる逆推力装置システムは、車輪制動システムの摩耗を低減するために使用される選択肢として非常に頻繁に考慮されており、特にこれら2つのシステムは、それぞれが非常に異なる航空機サブシステム(着陸装置及びターボジェットエンジン)に関連するので、完全に独立して開発されている。
【0005】
車輪制動システムの主な機能の1つは、航空機を均一に(衝撃を伴わずに)減速させ、滑走路に適合させてオーバーランさせる(「ブレーキを空にする」機能)、減速調整(「オートブレーキ」機能)を確保することである。
【0006】
図7は、例えば、制動中に逆推力装置を展開した一定の減速レベルに調整された着陸の典型的な場合を示している。
【0007】
車輪制動アルゴリズムの初期化を可能にする、車輪が地面に接触する時間が、最初に参照番号1で観測される。参照番号2では、一旦、これらの車輪制動アルゴリズムが初期化されると、特定の車輪速度値に達すると、減速調整が作動さられる。車輪ブレーキがその作動を開始し、航空機は一定の減速設定値までサーボ制御される。車輪制動システムに知られていない所定の時間3において、逆推力装置はパイロットの動作で展開する。この逆推力装置の展開は、車輪制動システムによって外部の外乱と考えられる強い減速を生じ、この外乱を排除(除去)するために、次にリアルタイムで適合しなければならない。この全期間によって、減速度が設定値に等しくなくなる短い期間を作り出し、これにより、乗客の快適性を著しく低下させる、航空機内のジャークを引き起こす。参照番号4では、一旦、逆推力装置が展開されると、車輪制動調整により、逆推力装置の展開によって生じる外乱を排除するように管理し、再び、一定の減速設定値に航空機を調整する。所望の(ゼロ又はゼロ以外の)速度に参照番号5で到達し、パイロットは、車輪制動システムの自動減速機能を作動解除し、それによって減速をキャンセルする。
【0008】
しかしながら、この再発的に発生するジャークに関連する快適性の問題は解決されなければならない本質的な問題を提起し、これは、特に、減速調整を可能にするコレクタ(corrector)としてジャークの振幅に寸法決めされ、車輪制動システムの性能を失う原因となる。実際、この(減速度の50%までの)比較的に大きな外乱を正しく除去するには、制動の残りの快適さを保証するために非常に動的なコレクタが必要である。しかしながら、逆に、「衝撃(jolt)」として感じうるものをフィルタリングするには、むしろあまり動的ではないコレクタが必要である。それゆえ、これらの二つの制約の間の妥協は、これらの乗客のためのより良い快適性を保証するための他の解決策を見い出すこと、及び見出すよう導くことが困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、航空機のより滑らかな減速を保証することを可能にする代替的な解決策を提案することを目的とする。また、本発明の一つの目的は、車輪制動システムの設計においてより多くの自由度を提供し、特に前述のコレクタの調節の妥協を容易にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
これらの目的は、減速調整要求と逆推力装置展開要求の両方に基づいて、航空機の車輪ブレーキを作動させる車輪制動制御装置によって航空機の車輪のブレーキが制御される、航空機の車輪の制動を監視する方法によって達成される。
【0011】
このように、逆推力装置の挙動を車輪制動制御装置に知らせることで、従来技術で必要であった調節コレクタの妥協を容易にすることができる。
【0012】
想定される実施形態によれば、逆推力装置展開要求は、航空機のコックピットから車輪制動制御装置によって直接的に受けられ、又は、車輪制動制御装置によって直接的に受けられて逆推力装置の展開を作動させる逆推力装置制御装置に中継されるか、又は、車輪制動制御装置に中継する逆推力装置の制御装置によって直接的に受けられる。
【0013】
有利には、逆推力装置の展開によって生じる外乱を除去するために、逆推力装置の展開によって生じる外乱に比例した減速設定値の適合によって、又は、逆推力装置の展開によって生じた外乱に比例して車輪制動調整ループの伝達の関数におけるゲインの適合によって、車輪制動制御装置によって発せられる減速調整命令が実質的に一定に保たれる。
【0014】
また、本発明は、減速調整要求に基づいて航空機の車輪のブレーキを作動させることができる車輪制動制御装置において、逆推力装置展開要求にも基づいて、航空機の車輪のブレーキを作動させるように構成されている車輪制動制御装置に関する。
【0015】
好ましくは、この制御装置は、逆推力装置制御装置から、逆推力装置の実際の状態に関する情報を受けるようにさらに構成される。
【0016】
本発明の他の特徴及び利点は、その例示的な実施形態を図示する添付図面を参照して、その例示的な実施形態を何ら制限することなく、以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は本発明の第1の実施の形態による車輪制動及び逆推力装置システムの簡略化した基本概念を示している。
図2図2は本発明の第2の実施の形態による車輪制動及び逆推力装置システムの簡略化した基本概念を示している。
図3図3は本発明の第3の実施の形態による車輪制動及び逆推力装置システムの簡略化した基本概念を示している。
図4図4は本発明の車輪制動制御装置の構造を詳述している。
図5図5図4の車輪制動制御装置で得られた減速曲線を示している。
図6図6は従来技術の簡略化した基本概念による車輪制動及び逆推力装置システムを示している。
図7図7図6の車輪制動システムの減速曲線を示している。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1図3に連続して示される本発明の3つの実施形態は、車輪制動制御装置からの情報を保証するために想定される。
【0019】
図1の実施形態では、公知の基本概念では、航空機のコックピット18から直接的に、逆推力装置制御装置22のみに送られる逆推力装置展開要求24も、車輪制動制御装置14に並列に送られることが単に提案されている。
【0020】
しかしながら、この基本概念では、車輪制動制御装置は逆推力装置が展開する時間を制御できず、従って、それらの実際の状態を知らないので、減速プロファイルは最適ではない。これは、パイロットによって行われた展開要求に関連してのみ反応し、展開が実際に行われていると推定することができる。その結果、制動快適性と(命令されたものよりも低い有効性の減速度)性能に非常に有害な過渡的現象を引き起こす、逆推力装置が展開されていない間に逆推力装置の展開命令を考慮に入れるリスクがある。しかしながら、このリスクは、逆推力装置制御装置からの逆推力装置の実際の状態についての情報30を受けることによって除去することができ、逆推力装置が適切に展開されていることを確認することを可能にする。
【0021】
この基本概念により、展開要求が考慮されない劣化モードにおいて、車輪の制動及び逆推力装置の展開が互いに独立して管理される、従来の基本概念への復帰を非常に単純に可能にすることに留意されたい。
【0022】
図2の実施形態では、逆推力装置の制御装置22が、コックピット18から直接的に受けた逆推力装置展開要求24を車輪制動制御装置14に中継することが提案されている。
【0023】
前述のように、この基本概念では、車輪制動制御装置は、逆推力装置が展開する時間を制御できず、従って、それらの実際の状態を知らないので、減速プロファイルはどちらも最適ではない。これは、逆推力装置制御装置から受けた展開要求に関してのみ反応し、展開が実際に行われていることを推定することができる。その結果、制動快適性と性能に非常に有害な過渡的現象を引き起こす、逆推力装置が展開されていない間に逆推力装置の展開命令を考慮に入れるリスクがある。しかしながら、以前のように、このリスクは、逆推力装置の制御装置からの実際の状態についての情報30を受けることによって除去することができ、逆推力装置が適切に展開されていることを確認することを可能にする。
【0024】
また、この基本概念により、展開要求及び逆推力装置の可能な状態を考慮に入れないように劣化モードで選択することによって、車輪の制動及び逆推力装置の展開が互いに独立して管理される、典型的な基本概念への非常に単純な復帰を可能にする。
【0025】
図3の実施形態では、減速調整要求16及び逆推力装置展開要求24は、両方とも車輪制動制御装置14に送られ、次いで、逆推力装置展開要求を逆推力装置制御装置22に、例えば、その効果を考慮する準備ができているときにのみ中継するように選択することができる。一旦、この要求が逆推力装置制御装置22に中継されると、逆推力装置制御装置22は、車輪制動制御装置へ良好に受けたことを確認し、そして、展開されていない、展開している、展開したという、逆推力装置の実際の状態に関する情報30を送り戻すことができる。
【0026】
このマスター(ブレーキ用)・スレーブ(逆推力装置用)タイプの動作により、減速調整アルゴリズムを逆推力装置の実際の状態から完全に適合させることができるので、可能な限り航空機の減速度を最適化することができる。また、逆推力装置の展開による外乱を容易に排除できるようにするために、(例えば、瞬時減速度デルタを送り返す逆モデル(inverse model)によって、又は、車輪制動制御装置よりも若干前のステップで予測された)逆推力装置により誘起される減速度を再作成し、それを減速調整に直接的に統合することも可能である。これは、調整に必要なモデルデータ共有を受けた、逆推力装置制御装置又は車輪制動制御装置で行うことができる。
【0027】
図4は、減速調整要求16から車輪ブレーキ10についての減速調整命令20を発する車輪制動制御装置14の例示的な実施形態を示している。この制御装置は、設定値34とこの減速度21の測定値との間の調整偏差に知られているように作用するコレクタ32を有する。しかしながら、この設定値は、公称減速度設定値36ではなく、逆推力装置展開要求24と、場合によっては逆推力装置12の実際の状態に関する情報30とを受ける、設定値適合モジュール38によって送られる適合減速度設定値である。したがって、この設定値適合モジュール38により、公称減速度設定値から適合減速度設定値への切り替えができる。従って、車輪制動制御装置は、逆推力装置の制動効果及び車輪制動設定値が航空機のコックピットで要求された値と一致するように、逆推力装置展開要求に沿ってその減速設定値を直接的に変更することができる。
【0028】
公称減速度設定値から、ジョルトのない減速調整命令20を保証することを可能にする適合減速度設定値までの経過を図5に示す。図5において、時間T1において、逆推力装置が移動する(逆推力装置展開要求24を受けた)ことが知られると瞬時に適合減速度設定値34が減少する理想的な場合を示す。次いで、この設定値は、逆推力装置によって生成される減速効果とは全く逆に変化する(ハッチングされた領域40は、逆推力装置の空力効果に対する補償に対応する)。当然のことながら、目的は、パイロットが要求した値に対応する一定の減速度を有することである。一旦、逆推力装置の展開が時間T2で完了すると、過剰に加速しすぎないように、また過渡中に最小振動を持つように、減速設定値は公称減速度設定値36の一定値に戻る。
【0029】
前述の設定値適合と同じ結果を有することができる他の種類の適合が存在することに留意されたい。例えば、閉ループシステムの伝達関数のゲインの適合も可能である。このために、逆推力装置展開要求とこれらの逆推力装置の状態によって定義される事象の時点で、調整ループのゲインが変更される。
【0030】
従って、この解決策の主な利点は、非常に滑らかな航空機の減速を得ることであり、従って、着陸段階中の乗客の快適性を増加させることである。したがって、2つの制御装置の間のデータの転送によって、航空機の挙動を予測することができる。
【0031】
これら3つの実施形態の各々は、コックピットと2つの制御装置との間で伝達される信号の増大、ひいては、特に配線の増大を伴う。しかしながら、この欠点は、本質的に航空機内に存在する通信ネットワークに依存するため、視野に入れるべきである。しかしながら、電流AFDXタイプ(アビオニクス全二重)のネットワークでは、配線を追加する必要性はなくなる傾向にある。
また、本開示は以下の発明を含む。
第1の態様は、
航空機の車輪の制動を監視するための方法において、
航空機の車輪の制動が、減速調整要求(16)及び逆推力装置展開要求(24)の両方に基づいて、前記航空機の車輪ブレーキ(10)を作動させる車輪制動制御装置(14)によって制御される、方法である。
第2の態様は、
前記逆推力装置展開要求(24)は、前記航空機のコックピット(18)から前記車輪制動制御装置によって直接的に受けられる、第1の態様における方法である。
第3の態様は、
前記車輪制動制御装置によって直接的に受けられた前記逆推力装置展開要求(24)は、逆推力装置(12)の展開を作動させる逆推力装置制御装置(22)に中継される、第2の態様における方法である。
第4の態様は、
前記逆推力装置展開要求(24)は、前記逆推力装置制御装置(22)により直接的に受けられ、前記逆推力装置制御装置(22)は、前記逆推力装置展開要求(24)を車輪制動制御装置(14)に中継する、第1の態様における方法である。
第5の態様は、
前記逆推力装置(12)の展開によって生じた外乱を除去するために、前記逆推力装置の展開によって生じる外乱に比例した減速度設定値(36)の適合によって、前記車輪制動制御装置(14)によって前記車輪ブレーキ(10)に発される減速調整命令(20)が実質的に一定に保たれる、第1の態様~第4の態様のいずれか1つにおける方法である。
第6の態様は、
前記逆推力装置(12)の展開によって生じた外乱を除去するために、前記逆推力装置の展開によって生じた前記外乱に比例して前記車輪制動調整ループの伝達関数におけるゲインの適合によって、前記車輪制動制御装置(14)によって前記車輪ブレーキ(10)に発せられる減速調整命令(20)が実質的に一定に保たれる、第1の態様~第4の態様のいずれか1つにおける方法である。
第7の態様は、
前記逆推力装置の実際の状態に関する情報(30)が前記車輪制動制御装置(14)に送られる、第1の態様~第6の態様のいずれか1つにおける方法である。
第8の態様は、
減速調整要求(16)に基づいて航空機の車輪のブレーキ(10)を作動させることができる車輪制動制御装置(14)において、
前記車輪制動制御装置(14)は、逆推力装置展開要求(24)にも基づいて航空機の車輪のブレーキ(10)を作動させるように構成されていることを特徴とする、車輪制動制御装置(14)である。
第9の態様は、
前記車輪制動制御装置(14)は、前記逆推力装置の実際の状態に関する情報(30)を前記逆推力装置制御装置(22)から受けるようにさらに構成されていることを特徴とする、第8の態様における制御装置である。
第10の態様は、
第8の態様又は第9の態様における車輪制動制御装置(14)を有する航空機である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7