(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-10
(45)【発行日】2025-01-21
(54)【発明の名称】微小電極を有する単相対応カテーテル、及び信号の局所的検出のためにそれを使用する方法
(51)【国際特許分類】
A61B 18/14 20060101AFI20250114BHJP
【FI】
A61B18/14
(21)【出願番号】P 2021564776
(86)(22)【出願日】2020-04-30
(86)【国際出願番号】 IB2020054062
(87)【国際公開番号】W WO2020222150
(87)【国際公開日】2020-11-05
【審査請求日】2023-03-08
(32)【優先日】2019-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ダッタ・ケシャバ
(72)【発明者】
【氏名】ラオ・アナンド・アール
(72)【発明者】
【氏名】ペンデカンティ・ラジェシュ
(72)【発明者】
【氏名】フイマオノ・クリスティーネ
【審査官】北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-523106(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0232374(US,A1)
【文献】特開2018-043005(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/12 - 18/14
5/318
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルであって、
細長いカテーテルシャフトと、
遠位部分であって、
側壁及び遠位端を有するアブレーション電極であって、前記側壁は少なくとも1つの孔を有し、前記遠位端は、遠位面と、前記遠位面と前記側壁との間の湾曲面と、を含む、アブレーション電極と、
前記アブレーション電極の前記
湾曲面から突出する遠位検知部分と、前記1つの孔を通って延在する細長いステムとを有する、単相性活動電位信号を検知するように構成された少なくとも1つの微小電極であって、前記遠位検知部分は前記細長いステムに対して前記カテーテルの遠位側に向かっている、少なくとも1つの微小電極と、
組織表面に対する前記少なくとも1つの微小電極の接触力を検知するように構成された力センサと、を含む、遠位部分と、を備え、
前記細長いステムは、前記アブレーション電極の前記遠位端から遠位に所定の距離だけ延在するように構成され、
前記遠位検知部分は、
0.014mm~0.015mmの範囲の直径を有する球形であり、前記遠位検知部分の前記直径は、前記細長いステムの直径より大きい、カテーテル。
【請求項2】
前記遠位検知部分が、
ミクロンオーダーの隙間が形成された表面を有する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記遠位検知部分が、塩化銀、酸化イリジウム、及び酸化チタンからなる群からのコーティングを有する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記遠位検知部分が、エッチングされた表面を有する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項5】
前記遠位検知部分が、前記遠位検知部分を組織内に埋め込むのに十分な力で前記少なくとも1つの微小電極を前記組織に押し込むことにより、前記組織への可逆的な局所的損傷を引き起こすように構成されている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項6】
前記遠位部分が複数の微小電極を含み、各微小電極が、それぞれの遠位検知部分及びそれぞれの近位部分を有し、前記それぞれの近位部分が、前記アブレーション電極の前記側壁内に形成されたそれぞれの孔を通って延在している、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項7】
前記アブレーション電極の前記側壁が、少なくとも1つの盲路と、前記盲路内の少なくとも1つの熱電対ワイヤ対とを含む、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項8】
前記熱電対ワイヤ対が、前記盲路の内面との少なくとも1つの接触面を提供するように、非線形構成を有する、請求項
7に記載のカテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年5月2日に出願された米国特許仮出願第62/842,439号に対する優先権及び利益を主張し、その全容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本明細書は、一般に、電気生理学的カテーテルに関し、特に、灌注アブレーションカテーテルに関する。
【背景技術】
【0003】
心臓内のある点における電気活動は、通常、多電極カテーテルを進めて、心腔内の複数の点における電気活動を同時に測定することにより測定される。1つ以上の電極により測定される、時間的に変化する電位から得られる記録は、電位図として知られている。電位図は、単極誘導又は双極誘導により測定することが可能であり、例えば、局所興奮到達時間として知られる、ある点における電気伝播の開始を測定するために用いられる。異なる目的のための様々な電極の設計が知られている。具体的には、バスケット形状の電極アレイを有するカテーテルは、既知であり、例えば、その開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,772,590号に記載されている。
【0004】
電位図は、二相であると共に、グローバル信号である。したがって、心室内のセンサは、局所電気的活動、すなわち、センサ位置で又はセンサ位置の付近で発信している信号を歪める又は覆い隠す可能性がある遠距離場電気的活動、すなわち、センサから離れて発信している周囲電気的活動を検出することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、場合によっては、単相性活動電位信号の形態の局所信号を得ることが望ましい。単相性活動電位(MAP)は、高い忠実度で膜貫通活動電位(TAP)の再分極時間過程を再現することができる、細胞外に記録された波形である。出願人らは、MAP信号の形態の局所信号を得ることができるカテーテルを提供する必要があることを認識した。
【課題を解決するための手段】
【0006】
MAPは、組織応答の細胞レベルでのより良好な理解を可能にするために電気生理学的に使用されてきた。MAPは、活性電極及び非活性電極を使用して、高い忠実度で膜貫通活動電位(TAP)の再分極時間過程を再現することができる。本発明の実施形態は、局所組織上のMAPを研究するために微小電極が利用されて組織上の局所的な治療的外傷を引き起こすことができるように、微小電極及び熱電対を有するカテーテルを含む。
【0007】
本発明の実施形態は、組織からの測定可能な信号における応答を引き起こす、組織内に局所的外傷を形成するために、検知カテーテルを有する吸引カテーテルを使用することによって、MAP信号を得る。MAP信号は、他の診断可能なインジケータの中で、薬物、疾患又は健康な組織の効果を示すために使用される。本発明の実施形態はまた、カテーテルを使用して組織に圧力を印加して、組織上の可逆的な局所的損傷を得ることによって、MAP信号を得る。これらの技術のいずれかは、治療応答が考案されることができるように、医療提供者が局所的外傷による細胞レベル応答(すなわち、信号)を推測することを可能にする。
【0008】
本発明の実施形態は、組織からの応答信号を力印加微小電極によって測定しながら、(可逆的な局所的損傷についての)組織に最適な力を提供するために、接触力印加微小電極を使用することによってMAP信号を得るために熱電対を有する多微小電極を有するカテーテルを含む。MAP信号は、非力印加微小電極と同様に測定されることができる。
【0009】
微小電極は、局所的な組織損傷からのノイズ電気信号に対する高い信号の抽出を可能にする粗面又は破砕した表面を有すると共に、微小電極が適用されるより小さい表面積を介して接触力センサによる一貫した力印加を可能にする。
【0010】
いくつかの実施形態では、カテーテルは、
細長いカテーテルシャフトと、
遠位部分であって、
側壁及び外面を有するアブレーション電極であって、側壁は少なくとも1つの孔を有する、アブレーション電極と、
電極の外面から突出する遠位検知部分と、1つの孔を通って延在する近位部分とを有する、単相性活動電位信号を検知するように構成された少なくとも1つの微小電極と、
組織表面に対する少なくとも1つの微小電極の接触力を検知するように構成された力センサと、を含む、遠位部分と、を備える。
【0011】
いくつかの実施形態では、遠位検知部分は、球形構成を有する。
【0012】
いくつかの実施形態では、遠位検知部分は、アブレーション電極の遠位端から所定の距離突出する。
【0013】
いくつかの実施形態では、遠位検知部分は、破砕した表面を有する。
【0014】
いくつかの実施形態では、遠位検知部分は、塩化銀、酸化イリジウム、及び酸化チタンからなる群からのコーティングを有する。
【0015】
いくつかの実施形態では、遠位検知部分は、エッチングされた表面を有する。
【0016】
いくつかの実施形態では、遠位検知部分は、約0.014mm~0.015mmの範囲の幅を有する。
【0017】
いくつかの実施形態では、遠位検知部分は、組織への可逆的な局所的損傷を引き起こすように構成されている。
【0018】
いくつかの実施形態では、遠位部分は、複数の微小電極を含み、各微小電極は、それぞれの遠位検知部分及びそれぞれの近位部分を有し、それぞれの近位部分は、アブレーション電極の側壁内に形成されたそれぞれの孔を通って延在している。
【0019】
いくつかの実施形態では、アブレーション電極の側壁は、少なくとも1つの盲路と、盲路内の少なくとも1つの熱電対ワイヤ対とを含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、熱電対ワイヤ対は、盲路の内面との少なくとも1つの接触面を提供するように、非線形構成を有する。
【0021】
いくつかの実施形態では、複数の微小電極を有するカテーテルを使用する方法は、
-所望のアブレーションパターンに沿った第1の位置において組織接触している1つ以上の微小電極を有するカテーテルを配置することと、
-第1の位置において1つ以上の微小電極によって検知されたアブレーション前MAP信号を取得することであって、MAP信号が単相特性を有する、取得することと、
-第1の位置においてカテーテルを用いてアブレーションを実行することと、
-第1の位置において微小電極によって検知されたアブレーション後MAP信号を取得することと、
-アブレーション後MAP信号が単相特性を欠いているときにのみ、所望のアブレーションパターンに沿った第2の位置において組織接触している1つ以上の微小電極を有するカテーテルを再配置することと、を含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、この方法は、
-単相特性の少なくとも一部がアブレーション後MAP信号内に存在したままであるときに、第1の位置においてアブレーションを再実行することを更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明のこれらの特徴及び利点、並びにその他の特徴及び利点は、添付図面と併せて考慮された場合に、以下の発明を実施するための形態を参照することでより深い理解が得られるであろう。
【
図1】実施形態に係る、カテーテルアブレーションシステムの概略的描写図である。
【
図2】実施形態に係る、
図1のシステムと共に使用するのに好適な複数の微小電極を有する、単相対応カテーテルの遠位部分の側面斜視図である。
【
図4A】MAP信号を検出する微小電極によるアブレーション前ECGである。
【
図4B】アブレーションの成功後にMAP信号が存在しない場合の微小電極による、3D電気解剖学的マップ及びアブレーション後ECGである。
【
図4C】微小電極の新たな組織標的位置への移動後の微小電極によるアブレーション後ECGである。
【
図5】MAP特性を有するECG信号を検出するための可逆的な局所的損傷を形成するのに十分な力で組織内に概ね埋め込まれた微小電極の検知部分を有する、
図2の遠位部分の側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下の詳細な説明は、図面を参照しながら読まれるべきものであり、異なる図面における同様の要素には同一の番号が付けられている。図面は、必ずしも縮尺どおりとは限らず、選択された実施形態を示しており、本発明の範囲を限定するようには意図されていない。詳細な説明は、本発明の原理を限定するものではなく一例として例示するものである。この説明により、当業者が本発明を作製及び使用することが明確に可能になり、本発明を実施する最良の形態であると現時点において考えられるものを含む、本発明のいくつかの実施形態、適応例、変形例、代替例、及び使用例について説明する。
【0025】
本明細書で任意の数値や数値の範囲について用いる「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の部分又は構成要素の集合が、本明細書で述べるその意図された目的に沿って機能することを可能とする、適当の好適な寸法の許容誤差を示すものである。より具体的には、「約)」又は「およそ」は、列挙された値の±20%の値の範囲を指すことができ、例えば「約90%」は、71%~99%の値の範囲を指すことができる。更に、本明細書で使用するとき、「患者」、「ホスト」、「ユーザ」、及び「対象」という用語は、任意のヒト又は動物対象を指し、システム又は方法をヒトにおける使用に限定することを意図していないが、ヒト患者における本発明の使用は、好ましい実施形態を表す。
【0026】
概要
図1及び
図2を参照すると、心臓組織のアブレーションなどの低侵襲的処置において使用されることができるカテーテル10は、細長いカテーテルシャフト12と、カテーテルシャフト12の遠位により短い偏向区画14とを備え、この偏向区画は、単一方向又は双方向に偏向されることができる。カテーテルシャフト12及び偏向区画14の好適な実施形態は、2018年3月19日に出願され、CATHETER WITH MULTIFUNCTIONAL MICROINJECTION-MOLDED HOUSINGと題された米国特許出願第15/925,521号に記載されており、その開示全体が、参照により本明細書に組み込まれる。偏向区画14の遠位は、力センサ40と、複数の微小電極17及び複数の熱電対18を支持する先端電極21とを含む遠位部分15である。カテーテルはまた、カテーテルシャフト12の近位に制御ハンドル16を含む。
【0027】
システムの説明
図1に示すのはカテーテルアブレーションシステム100の概略的描写図である。システム100では、カテーテル10は、患者11の血管系に挿入され、心腔13内に挿入される。カテーテルは、患者の心臓組織のアブレーションを実施することを典型的に含む処置中に、システム100のオペレータ19によって使用される。
【0028】
システム100の動作、機能、及び動きは、システムコントローラ130によって管理され、このシステムコントローラには、システム100の動作のためのソフトウェアが格納されているメモリ134と通信する処理ユニット132が含まれている。いくつかの実施形態では、コントローラ130は、汎用コンピュータ処理ユニットを含む業界標準のパーソナルコンピュータである。しかしながら、いくつかの実施形態では、コントローラの動作、機能、又は動きのうちの少なくとも一部が、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)又は現場でプログラム可能なゲートアレイ(FPGA)などの、カスタム設計のハードウェア及びソフトウェアを用いて実施される。いくつかの実施形態では、コントローラ130は、ポインティングデバイス136及びグラフィカルユーザインタフェース(GUI)138を使用してオペレータ19によって管理され、これらによってシステム100のパラメータをオペレータが設定することが可能になる。GUI 138はまた、典型的には、表示モニタ140上でオペレータに処置の結果を表示する。
【0029】
メモリ134中のソフトウェアは、例えばネットワークを介して、電子的形態でコントローラにダウンロードすることができる。代替的に又は追加的に、ソフトウェアは、光学的、磁気的、又は電子的記憶媒体などの非一時的有形媒体上で提供され得る。
【0030】
遠位部分15の電極、熱電対、及び位置(場所又は配向)センサを含む電気部品は、カテーテルシャフト12及び偏向区画14を通過する導体によってシステムコントローラ130に接続される。アブレーションに使用することに加えて、電極は、当技術分野で知られている他の機能を実施してもよい。システムコントローラ130は、周波数多重化によって、電気部品の異なる機能に関する電流を区別してもよい。例えば、高周波(RF)アブレーションの力は、約数百kHzの周波数でもたらされる一方で、位置検知周波数は約1kHzの周波数であることができる。電極に対して測定したインピーダンスを使用して遠位部分15の位置を評価する方法は、その全体が参照により本明細書に組み込まれるBar-Talらによる「Current Localization Tracker」と題された米国特許第8,456,182号明細書に開示されている。
【0031】
図1に示すように、システムコントローラ130は、力モジュール148、RFアブレーションモジュール150、灌注モジュール152、追跡モジュール154、温度検知モジュール156及びMAPモジュール157を含む。システムコントロール130は、遠位部分15上の力の大きさ及び方向を測定するために、力モジュール148を使用して信号を生成し、遠位部分15内の力センサ40に供給された信号、及び力センサから受信した信号を測定する。システムコントローラ130は、アブレーションモジュール150を使用して、遠位部分15の1つ以上の電極を介して印加されるアブレーション電力のレベルなどのアブレーションパラメータを監視及び制御する。アブレーションモジュール150は、RF発生器(図示せず)を含み、印加されるアブレーションの電力/ワット数及び持続時間を制御する。
【0032】
典型的には、アブレーション中、アブレーションモジュール150によって作動される1つ以上の電極内、並びに周辺領域に熱が生じる。熱を放散し、アブレーションプロセスの効率を改善するために、システムコントローラ130は、遠位部分15の異なる部分/表面の温度を監視し、遠位部分15に灌注流体を供給する。システムコントローラ130は、灌注モジュール152を使用して、灌注流体の流量及び温度等の灌注パラメータを監視及び制御する。いくつかの実施形態では、システムコントローラ130は、以下に更に詳細に説明するように、遠位部分15の可動内部構成要素を制御及び調節することによって、遠位部分15の表面上の「ホットスポット」又は不均一な加熱を管理する際に、温度検知モジュール156に応答して、灌注モジュール152を使用する。
【0033】
システムコントローラ130は、追跡モジュール154を使用して、患者11に対する遠位部分15の場所及び配向を監視する。監視は、カリフォルニア州IrvineのBiosense Websterによる製造のCarto3(登録商標)システムで提供されるものなど、当技術分野で知られているあらゆる追跡方法により実施することができる。そのようなシステムは、患者11の外部にある高周波(RF)磁気送信機、及び遠位部分15内の応答性要素(例えば、位置センサ50を参照)を使用する。代替又は追加として、追跡は、
図3の1つ以上の電極と、患者11の皮膚に取り付けたパッチ電極との間のインピーダンスの測定によって実施されることができ、これらのパッチ電極は、Carto3(登録商標)システムにも設けられるようなものである。簡単にするために、上記で言及した要素及びパッチ電極など、追跡に特定の要素及びモジュール154によって使用される要素は、
図1に示さない。
【0034】
システムコントローラ130は、MAPモジュール157を使用して、活性電極及び非活性電極を使用して高い忠実度で膜貫通活動電位(TAP)の再分極時間過程を再現する際に微小電極によって検知されたMAP信号を受信して処理する。以下に更に詳細に説明するように、アブレーション前及び後のMAP信号は、カテーテルを移動させて連続的な損傷部又はブロックの線を形成する際に、システムのオペレータに指示を提供することができる。
【0035】
図2及び
図3を参照すると、遠位部分15は、近位ネック22と、円筒形側壁23と、近位開口部を占有するインサート20を受容するように構成されたネック22において近位開口部を有する内部チャンバ25を囲む遠位端24とを有して構成されたシェルキャップ電極21を含む。キャップ電極21は、例えばアブレーションを含む1つ以上の機能用に構成されている。側壁23は、チャンバ25内の流体がキャップ電極21の外側に出ることを可能にする、複数の半径方向灌注開口部33を含む。側壁23はまた、遠位部分15の中心長手方向軸27の周りの等角位置に配置された複数の長手方向貫通孔26を含む。図示した実施形態では、3つの孔26は、軸27の周りの約0、120及び240度に位置するが、複数の孔は、必要に応じて又は所望に応じて、例えば2つから5つと異なってもよいことが理解される。各孔26は、近位開口部及び遠位開口部を有し、各孔26は、ネック22とキャップ電極21の遠位端24との間の側壁の長さを延在する。キャップ電極21は、例えば白金パラジウムを含む任意の好適な材料から構築されてもよい。
【0036】
各孔26内に延在するのは、細長いステム28を有するそれぞれの微小電極17と、組織と接触するように露出及び構成された遠位検知部分29である。微小電極17は、例えば白金イリジウムを含む任意の好適な材料から構築されてもよい。特に、
図5に示すように、各微小電極17のステム28は、永久的な損傷を引き起こすことなく、MAP信号を検知するために、遠位検知部分29が可逆的な局所的外傷を引き起こすために最適な力で組織Tに接触及び陥入することができるように、キャップ電極21の遠位端24の遠位の所定の距離を延在するように構成されている。微小電極17の遠位検知部分29は、遠位検知部分29が概ね組織内に埋め込まれることができるように、電極21の表面トポロジーの上方に突出するそれらの接触面を有する。孔26の各遠位端において、キャップ電極21の遠位端24に凹部30が形成されている。凹部30は、凹部30内のステム28の遠位部分を封止及びポットするために、材料、例えば、ポリウレタンによって充填されてもよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、微小電極17の遠位検知部分29は、例えば、細胞外又は遠距離場信号を検知することを回避するために、組織を囲むことによって概ね完全に包囲されることができる球形又は球根状の構成を有するように構成されている。微小電極のプロファイルは、組織部位においてMAPを研究するための可逆穿孔を引き起こす役割を果たす。複数の微小電極を用いて、複数の別個の局所組織領域が同時に研究されることができる。遠位検知部分の構成は、長円形又は楕円形の構成を含んでもよい。いくつかの実施形態では、遠位部分29は、約0.014mm及び0.015mmの幅又は直径Wを有し、ステム28は、約0.100mmの長さを有する。遠位検知部分29の遠位面から遠位端24の遠位面まで測定された遠位検知部分29の突出距離Dは、約0.023mmである。突出距離は、微小電極が局所的な細胞組織の深さMAPにアクセスすることを可能にする。
【0038】
いくつかの実施形態では、遠位検知部分29の表面は、洗浄方法及び表面コーティングを介して信号ノイズを最小限に抑えるように機械的に調製される。いくつかの実施形態では、遠位検知部分29の表面は、例えば、プラズマエッチングによって粗面化されるか、又は、例えば、破砕物質、塩化銀、酸化イリジウム、若しくは窒化チタンの1つ以上のコーティングによってコーティングされて、遠位部分の表面積を増加させるために、ミクロンのオーダーの亀裂や隙間を提供する。酸化イリジウムは、最大100倍大きい表面積を提供することができる。窒化チタンは、最大1000倍大きい表面積を提供することができる。プラズマエッチングによる機械的粗面化は、最大10倍大きい表面積を提供することができる。そのような破砕した表面積は、局所的組織外傷からのノイズ電気信号に対する高い信号の抽出を可能にする。
【0039】
各ステム28は、例えば、それぞれの孔26内のステムと概ね同一の広がりを有するポリイミドチューブなどの管腔32を有する細長い絶縁支持部材31によって囲まれている。部材31は、電極21から微小電極17の全体を電気的に絶縁する。ステム28と管腔32との間の嵌合、及び支持部材31と孔26との間の嵌合は、緊密又は締まり嵌めであってもよい。絶縁支持部材31の遠位端は、孔26及び管腔32を封止するためのフランジ34を有して構成されている。ステム28の近位端において、例えば溶接によって、それぞれのリードワイヤ35に対する電気的接続が提供される。各孔26の近位開口部は、リードワイヤ35がネック22内に、偏向区画14及びカテーテルシャフト12に沿って制御ハンドル16に向かって近位に延在することができるように、キャップ電極21のネック22につながる。
【0040】
キャップ電極21の側壁23はまた、それぞれが各熱電対(TC)ワイヤ対18、例えばコンスタンタンワイヤ及び銅線対を収容する、孔26の位置からオフセットされた中心長手方向軸27の周りの等角位置にある複数の盲路36を有する。いくつかの実施形態では、例えば、軸27を中心に15、75、135、195、255及び315度で、6対のTC18を収容するように、6つの盲路36が側壁内に位置する。各TC18の遠位接合部を形成するワイヤ対の捻られた遠位端は、盲路の長さよりも長い所定の長さを有するそれぞれのチューブ39、例えばハイポチューブ内に収容される。ハイポチューブ及び遠位接合部のより長い長さ、及びより大きな直径の盲路36は、ハイポチューブ及び遠位接合部が、盲路の内側の非直線形状に押し込まれることを可能にし、これにより、ハイポチューブと盲路の内壁との間の接触が、キャップ電極21のより正確な温度検知のために確保される。各盲路の近位開口部は、TC18のワイヤ対が、カテーテルシャフト12を、ネックに及びカテーテル偏向区画14に沿って近位に、及び制御ハンドル16に通過させることができるように、キャップ電極21のネック22に開口する。
【0041】
いくつかの実施形態では、インサート20は、チャンバ25と、遠位部分15と制御ハンドル16との間のカテーテルの長さに沿って延在する灌注管腔52の遠位端との間に流体連通を提供する1つ以上の半径方向チャネル37を有する灌注流体流転換器として部分的に構成されている。システムコントローラ130(
図1)の灌注モジュール152は、灌注管腔52を通るチャンバ25内への灌注流体の流れを制御する。
【0042】
キャップ電極21のネック22を占有するインサート20は、インサート20及びキャップ電極21に通電するためのリードワイヤ55の遠位端を受容するための盲孔によって形成されてもよい。安全対策としてキャップ電極21をカテーテル10につなぐために安全ワイヤ38が通過する横方向チャネルもまた形成されてもよい。いくつかの実施形態では、遠位部分15は、その遠位端がインサートの近位端に接続された力センサ40を含む。力センサと類似の態様は、米国特許第8,357,152号(Govariら、2013年1月22日発行)、米国特許出願第2011/0130648号(Beecklerら、2009年11月30日出願)に記載されており、これらの開示の双方は、参照により本明細書に組み込まれる。力センサ40は、中央管腔42がそれを通っている、結合部材の遠位端と近位端との間にばね継手を形成する弾性結合部材41を備える。結合部材41は、典型的には、部材41がばねとして作用するように、部材41において切断された1つ以上のらせん部43を有する。
【0043】
結合部材41は、典型的には可撓性プラスチック材料から形成された、非導電性の生体適合性の外装44内に取り付けられ、その外装によって覆われている。結合部材の外径が可能な限り大きい構成により、典型的には、力センサ40の感度が増大する。更に、及び以下に説明するように、比較的大きな直径の管状結合部材41、及びその比較的薄い壁は、その構成要素が遠位部分15の内外を通過する比較的広い中央管腔42を提供する。RFアブレーション処置中に、遠位部分15に相当な熱が発生されてもよく、したがって外装44は、ポリウレタンなどの耐熱性プラスチック材料を含んでもよく、その形状及び弾性は、熱への曝露によって実質的に影響されない。
【0044】
いくつかの実施形態では、力センサ40は、ばね継手の遠位のインサート20に収容された遠位コイル45(
図3)と、ばね継手の近位の3つの近位コイル46(図示せず)とを含む。コイルは、接合部の軸方向変位及び角度偏向を含む、力センサ40のばね継手の任意の寸法変化の正確な読み取りを提供する。これらのコイルは、本発明の実施形態で用いることができる磁気変換器の一種である。「磁気変換器」とは、本特許出願の文脈において、また特許請求の範囲において、印加された電流に応答して磁場を発生させ、又は、印加された磁場に応答して電気信号を出力するデバイスを意味する。本出願の実施形態では、コイルを磁気変換器として記述しているが、代わりの実施形態では、当業者にとっては自明であるように、他の種類の磁気変換器を用いることができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、遠位コイル45は、システムコントローラ130及び力モジュール148からケーブル(図示せず)を介して電流によって駆動され、磁場を発生させる。この磁場は、コイル45から同じ軸方向距離で固定されているが、長手方向軸27の周りの異なる角度位置、例えば、軸27の周りの0、120、及び240度に固定された近位コイル46によって受信される。近位コイル46は、遠位コイル45によって伝達される磁場に応答して、電気信号を生成する。これらの信号は、ケーブル(図示せず)によってシステムコントローラ130に伝えられ、システムコントローラは、軸27に平行であって同心のばね接合部の変位を測定するために、及び軸からの接合部の角度偏向を測定するために、力モジュール148を使用して信号を処理する。測定した変位及び偏向から、システムコントローラ130は、典型的には、力モジュール148内に保存された予め決定した較正テーブルを使用して、結合部材41のばね接合部に対する力の大きさ及び方向を評価することができる。特に、力センサ40は、複数の微小電極17が組織に対して一貫した力を印加することを可能にするが、いくつかの実施形態では、カテーテル10は、力センサを有する必要がないことが理解される。
【0046】
システムコントローラ130は、追跡モジュール154(
図1)を使用して、遠位端12の場所及び配向を測定して検出する。検出方法は、当技術分野において既知の任意の従来のプロセスによって行うことができる。いくつかの実施形態では、(例えば、患者のベッドの下方に位置付けられた発生器によって)患者11の外部に発生した磁場は、ばね接合部の一般に近位の結合部材41の管腔42内に収容された位置センサ50内に電気信号を発生させる。当業者によって理解されるように、位置センサ50は、検知コイルX、コイルY、及びコイルZ(いくつかの実施形態では、コイル46のうちの1つである)を含む。システムコントローラ130は、電気信号を処理して、遠位部分15の場所及び配向を評価する。代替的に、磁界は遠位部分15で発生されてもよく、磁界によって生成された電気信号は、患者11の外部で測定されてもよい。
【0047】
使用中、カテーテル10は患者の血管系に導入され、遠位部分15は、関心領域、例えば心腔に前進される。システムコントローラ130は、マッピングを含む診断処置を達成する。例えば、位置センサ50は、遠位部分15の場所及び配向を判定する際に追跡モジュール154によって処理される信号を生成する。先端電極21、遠位リング電極53、又は近位リング電極54は、発生した信号が処理ユニット132によって処理される心臓組織の電気的活動を検知する。3D電気生理学マップは、これらの処理された信号から作成されてもよく、アブレーション組織部位が特定され、標的化される。システムコントローラ130はその後、治療処置を達成することができる。例えば、オペレータは、先端電極21が標的化された組織部位と接触するように、遠位部分15を操作する。先端電極21と組織との間の接触は、遠位部分15を力センサ40の結合部材41の近位端に対して変位させる力の印加をもたらす。そのような変位は、例えば、アブレーションの準備における遠位部分15及び組織の接触を確認するために、近位コイル46に力モジュール148によって処理される信号を発生させる。
【0048】
アブレーションの前及び/又はアブレーション中に、灌注モジュール152は、灌注管腔52を通して灌注流体を流体源(図示せず)から送達するポンプ(図示せず)による遠位部分15への灌注流体の送達及び送達速度を制御する。アブレーションモジュール150は、標的組織を加熱して損傷を形成するRFエネルギーをキャップ電極21に送達する。熱電対TC18のうちの1つ以上は、それぞれの周囲の組織及び流体の温度を表す信号を発生させる。検知された温度に応じて、システムコントローラ130は、いくつかの実施形態では、アブレーションモジュール150と通信して、電力送達を調節してもよく、及び/又は灌注モジュール152と通信して、流体送達の速度を調節してもよく、又は流れ方向付け器58の位置を、ホットスポット、炭化、又は血栓症を回避するのに適切であるような、その最遠位位置、より遠位の位置、又はより小さい近位の位置に調節してもよい。したがって、灌注流体は、1つ以上の選択された流量で灌注開口部33を出るように方向付けられることができる。
【0049】
可逆的な局所的外傷又は損傷を引き起こすために、それぞれの1つ以上の遠位検知部分29を組織内に埋め込むのに十分な力で1つ以上の微小電極17を組織に押し付けることによって、1つ以上の微小電極17は、MAP信号を検出することができる。
図4Aに示すように、μ1-μ2、μ2-μ3、及びμ3-μ1と指定された微小電極17によってそれぞれ検出された3つのアブレーション前ECG信号は、他の電極によって検出された二相ECG信号とは区別される単相特性を呈する。対照的に、
図4Bに示すように、同じ微小電極によって検出された3つのアブレーション後ECG信号は、単相活性を呈さず、これらの信号は概ね平坦な線である一方で、他方の電極は信号を検知し続ける。アブレーション処置が有効な病変を形成すると、微小電極は、標的組織が首尾よく壊死したことを示すMAP信号を検出しない。
図4Cでは、カテーテルの遠位部分15は、同じ微小電極が新たな標的位置に埋め込まれるように移動されている。したがって、微小電極によって検出されたECG信号は、再び単相特性を呈する。したがって、いくつかの実施形態では、上記の微小電極を有するカテーテルを使用してアブレーションする方法は、
-所望のアブレーションパターンに沿った第1の位置において組織接触している1つ以上の微小電極を有するカテーテルを配置することと、
-第1の位置において1つ以上の微小電極によって検知されたアブレーション前ECG信号を取得することであって、ECG信号が単相性活動電位特性を有する、取得することと、
-第1の位置においてカテーテルを用いてアブレーションを実行することと、
-第1の位置において微小電極によって検知されたアブレーション後ECG信号を取得することと、
-第1の位置におけるアブレーション後ECG信号が単相性活動電位特性を欠いているときにのみ、1つ以上の微小電極を有するカテーテルを所望のアブレーションパターンに沿った第2の位置に組織接触させて再配置することと、を含む。
【0050】
本方法はまた、
-単相特性の少なくとも一部がアブレーション後ECG信号内に存在したままであるときに、第1の位置においてアブレーションを再実行することを含み得る。
【0051】
上記の方法は、肺静脈隔離などの連続的な損傷又はブロックの線が所望される場合に特に有用であり得る。
【0052】
先行する説明は、本発明の特定の代表的な実施形態を参照して提示された。本発明に関係する当業者は、記載した構造の修正及び変更が、本発明の原理、趣旨及び範囲から大きく逸脱することなく実施でき、また図面は必ずしも原寸に比例しないことを理解するであろう。更に、一実施形態の任意の1つの特徴を他の実施形態の特徴の代わりに、又はそれに加えて使用できることが理解される。したがって、上記の説明は、説明され添付の図面に例示される厳密な構造のみに関するものとして解釈されるべきではない。むしろ、その最も完全かつ最も正確な範囲を有するとされる以下の特許請求の範囲に一致し、それを支持するものとして、解釈されるべきである。
【0053】
〔実施の態様〕
(1) カテーテルであって、
細長いカテーテルシャフトと、
遠位部分であって、
側壁及び外面を有するアブレーション電極であって、前記側壁は少なくとも1つの孔を有する、アブレーション電極と、
前記電極の前記外面から突出する遠位検知部分と、前記1つの孔を通って延在する近位部分とを有する、単相性活動電位信号を検知するように構成された少なくとも1つの微小電極と、
組織表面に対する前記少なくとも1つの微小電極の接触力を検知するように構成された力センサと、を含む、遠位部分と、を備える、カテーテル。
(2) 前記遠位検知部分が、球形構成を有する、実施態様1に記載のカテーテル。
(3) 前記遠位検知部分が、前記アブレーション電極の遠位端から所定の距離突出する、実施態様1に記載のカテーテル。
(4) 前記遠位検知部分が、破砕した表面を有する、実施態様1に記載のカテーテル。
(5) 前記遠位検知部分が、塩化銀、酸化イリジウム、及び酸化チタンからなる群からのコーティングを有する、実施態様1に記載のカテーテル。
【0054】
(6) 前記遠位検知部分が、エッチングされた表面を有する、実施態様1に記載のカテーテル。
(7) 前記遠位検知部分が、約0.014mm~0.015mmの範囲の幅を有する、実施態様1に記載のカテーテル。
(8) 前記遠位検知部分が、組織への可逆的な局所的損傷を引き起こすように構成されている、実施態様1に記載のカテーテル。
(9) 前記遠位部分が複数の微小電極を含み、各微小電極が、それぞれの遠位検知部分及びそれぞれの近位部分を有し、前記それぞれの近位部分が、前記アブレーション電極の前記側壁内に形成されたそれぞれの孔を通って延在している、実施態様1に記載のカテーテル。
(10) 前記アブレーション電極の前記側壁が、少なくとも1つの盲路(blind passage)と、前記盲路内の少なくとも1つの熱電対ワイヤ対とを含む、実施態様1に記載のカテーテル。
【0055】
(11) 前記熱電対ワイヤ対が、前記盲路の内面との少なくとも1つの接触面を提供するように、非線形構成を有する、実施態様10に記載のカテーテル。
(12) 複数の微小電極を有するカテーテルを使用する方法であって、
所望のアブレーションパターンに沿った第1の位置において組織接触している1つ以上の微小電極を有するカテーテルを配置することと、
前記第1の位置において前記1つ以上の微小電極によって検知されたアブレーション前MAP信号を取得することであって、前記MAP信号が単相特性を有する、取得することと、
前記第1の位置において前記カテーテルを用いてアブレーションを実行することと、
前記第1の位置において前記微小電極によって検知されたアブレーション後MAP信号を取得することと、
前記アブレーション後MAP信号が前記単相特性を欠いているときにのみ、前記所望のアブレーションパターンに沿った第2の位置において組織接触している前記1つ以上の微小電極を有する前記カテーテルを再配置することと、を含む、方法。
(13) 前記単相特性の少なくとも一部が前記アブレーション後MAP信号内に存在したままであるときに、前記第1の位置においてアブレーションを再実行することを更に含む、実施態様12に記載の方法。