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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-10
(45)【発行日】2025-01-21
(54)【発明の名称】低ノイズの直交信号生成
(51)【国際特許分類】
   H03L 7/24 20060101AFI20250114BHJP
   H03L 7/083 20060101ALI20250114BHJP
   H03L 7/08 20060101ALI20250114BHJP
【FI】
H03L7/24
H03L7/083
H03L7/08 240
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022528213
(86)(22)【出願日】2020-08-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-18
(86)【国際出願番号】 US2020046687
(87)【国際公開番号】W WO2021101605
(87)【国際公開日】2021-05-27
【審査請求日】2023-08-02
(31)【優先権主張番号】16/688,130
(32)【優先日】2019-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591025439
【氏名又は名称】ザイリンクス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】XILINX INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】シン, ジェウク
(72)【発明者】
【氏名】ウパディヤヤ, パラッグ
(72)【発明者】
【氏名】マー, シャオチュン
【審査官】福田 正悟
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第10536151(US,B1)
【文献】特表2019-525570(JP,A)
【文献】Sanquan Song 他,A 2-to-20 GHz Multi-Phase Clock Generator with Phase Interpolators Using Injection-Locked Oscillation Buffers for High-Speed IOs in 16nm FinFET,2019 IEEE custom integrated vircuits conference,2019年04月14日,pp.1-4
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03L 7/24
H03L 7/083
H03L 7/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基準クロック信号に少なくとも部分的に基づいて複数の第1のクロック信号を生成するように構成されている第1の注入同期発振器と、
前記第1の注入同期発振器に結合されていて、前記第1のクロック信号のうちの1つを送信直交クロック信号として選択するように構成され、前記送信直交クロック信号は送信回路に提供される、第1の選択回路と、
前記第1の注入同期発振器に結合されていて、前記第1のクロック信号のうちの選択されたペアに基づいて第2の基準クロック信号を生成するように構成されている位相補間器と、
前記第2の基準クロック信号に少なくとも部分的に基づいて複数の第2のクロック信号を生成するように構成されている第2の注入同期発振器と、
前記第2の注入同期発振器に結合されていて、前記第2のクロック信号のうちの1つを受信直交クロック信号として選択するように構成され、前記受信直交クロック信号は受信回路に提供される、第2の選択回路と
を含む直交クロックジェネレータ。
【請求項2】
前記送信直交クロック信号が、第1の同相(I)成分および第1の直交(Q)成分を含み、前記受信直交クロック信号が、第2のI成分および第2のQ成分を含む、請求項1に記載の直交クロックジェネレータ。
【請求項3】
前記位相補間器が、前記受信回路によって提供される入力信号に少なくとも部分的に基づいて前記第2の基準クロック信号を生成するように構成されている、請求項に記載の直交クロックジェネレータ。
【請求項4】
前記複数の第1のクロック信号のそれぞれが、位相において互いから45度オフセットされており、前記複数の第2のクロック信号のそれぞれが、位相において互いから45度オフセットされている、請求項1に記載の直交クロックジェネレータ。
【請求項5】
前記第1の注入同期発振器、前記位相補間器、および前記第2の注入同期発振器が、少なくとも部分的に、基準電圧によって制御される、請求項1に記載の直交クロックジェネレータ。
【請求項6】
前記複数の第2のクロック信号に少なくとも部分的に基づいて制御信号を生成するように構成されている直交ロックループ(QLL)と、
前記制御信号に少なくとも部分的に基づいて前記基準電圧を生成するように構成されている電圧レギュレータと
をさらに含む、請求項に記載の直交クロックジェネレータ。
【請求項7】
起動状態を検知したことに少なくとも部分的に基づいて前記制御信号を選択的に無効にするように構成されている粗周波数追跡回路をさらに含む、請求項に記載の直交クロックジェネレータ。
【請求項8】
前記複数の第1のクロック信号に少なくとも部分的に基づいて第1の制御信号を生成するように構成されている第1の直交ロックループ(QLL)と、
前記第1の制御信号に少なくとも部分的に基づいて第1の基準電圧を生成するように構成されている第1の電圧レギュレータと、
前記複数の第2のクロック信号に少なくとも部分的に基づいて第2の制御信号を生成するように構成されている第2のQLLと、
前記第2の制御信号に少なくとも部分的に基づいて第2の基準電圧を生成するように構成されている第2の電圧レギュレータと
をさらに含む、請求項に記載の直交クロックジェネレータ。
【請求項9】
前記第1の注入同期発振器が、少なくとも部分的に、前記第1の基準電圧によって制御され、
前記位相補間器および前記第2の注入同期発振器が、少なくとも部分的に、前記第2の基準電圧によって制御される、
請求項8に記載の直交クロックジェネレータ。
【請求項10】
起動状態を検知したことに少なくとも部分的に基づいて前記第1および第2の制御信号を選択的に無効にするように構成されている粗周波数追跡回路をさらに含む、請求項に記載の直交クロックジェネレータ。
【請求項11】
送信直交クロック信号を使用してデータを送信するように構成されている送信データ処理ブロックと、
受信直交クロック信号を使用してデータを受信するように構成されている受信データ処理ブロックと、
前記送信データ処理ブロックに、および前記受信データ処理ブロックに結合されている直交クロックジェネレータと
を含むプログラマブルロジックデバイスであって、前記直交クロックジェネレータが、
第1の基準クロック信号に少なくとも部分的に基づいて複数の第1のクロック信号を生成するように構成されている第1の注入同期発振器と、
前記第1のクロック信号のうちの1つを前記送信直交クロック信号として選択するように構成されている第1の選択回路と、
前記第1の注入同期発振器に結合されていて、前記第1のクロック信号のうちの選択されたペアに基づいて第2の基準クロック信号を生成するように構成されている位相補間器と、
前記第2の基準クロック信号に少なくとも部分的に基づいて複数の第2のクロック信号を生成するように構成されている第2の注入同期発振器と、
前記第2のクロック信号のうちの1つを前記受信直交クロック信号として選択するように構成されている第2の選択回路とを含む、プログラマブルロジックデバイス。
【請求項12】
前記第1の注入同期発振器、前記位相補間器、および前記第2の注入同期発振器が、少なくとも部分的に、基準電圧によって制御される、請求項1に記載のプログラマブルロジックデバイス。
【請求項13】
前記複数の第2のクロック信号に少なくとも部分的に基づいて制御信号を生成するように構成されている直交ロックループ(QLL)と、
前記制御信号に少なくとも部分的に基づいて前記基準電圧を生成するように構成されている電圧レギュレータと
をさらに含む、請求項1に記載のプログラマブルロジックデバイス。
【請求項14】
直交クロックジェネレータを操作するための方法であって、
第1の注入同期発振器によって、第1の基準クロック信号に少なくとも部分的に基づいて複数の第1のクロック信号を生成することと、
前記第1の注入同期発振器に結合されている第1の選択回路によって、前記複数の第1のクロック信号のうちの1つを送信直交クロック信号として選択することと、
前記第1の注入同期発振器に結合されている位相補完器によって、前記複数の第1のクロック信号に少なくとも部分的に基づいて第2の基準クロック信号を生成することと、
第2の注入同期発振器によって、前記第2の基準クロック信号に少なくとも部分的に基づいて複数の第2のクロック信号を生成することと、
前記第2の注入同期発振器に結合されている第2の選択回路によって、前記複数の第2のクロック信号のうちの1つを受信直交クロック信号として選択することとを含み、
前記送信直交クロック信号は送信回路に提供され。
前記受信直交クロック信号は受信回路に提供される、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の態様は、全般には、発振器に関し、より詳細には、直交クロック信号を生成するように構成されている発振器に関する。
【背景技術】
【0002】
多くのワイヤレスおよび有線の通信システムは、データを送信および受信するために直交振幅変調(QAM)トランシーバを採用している。多くのQAMトランシーバは、送信データを変調またはエンコードするために、および受信データを復調またはデコードするために使用される同相(I)および直交(Q)クロック信号を提供するための直交クロック信号ジェネレータを含む。Iクロック信号とQクロック信号との間における位相不整合が、送信される信号および受信される信号におけるI/Q不整合の障害をもたらす場合があり、これは次いで、信号劣化およびデータエラーを引き起こす場合がある。I/Q位相不整合はクロック周波数に関連している場合があるので、たとえばマルチギガビットSERial/DESerial(SERDES)ベースの通信においてなど、クロック周波数が増大するにつれてI/Q位相不整合を最小化することが、ますます重要になっている。
【発明の概要】
【0003】
この「発明の概要」は、以降の「発明を実施するための形態」においてさらに記述されているコンセプトのうちの抜粋したものを簡略化された形式で紹介するために提供されている。この「発明の概要」は、特許請求されている主題の重要な特徴または必要不可欠な特徴を識別することを意図されているものではなく、特許請求されている主題の範囲を限定することを意図されているものでもない。その上、本開示のシステム、方法、およびデバイスはそれぞれ、いくつかの革新的な態様を有しており、それらのうちの単一の態様が、本明細書において開示されている望ましい属性に単独で寄与するものではない。
【0004】
本開示において記述されている主題の1つの革新的な態様は、直交クロックジェネレータにおける同相(I)クロック信号と直交(Q)クロック信号との間における位相不整合を低減するために使用されることが可能である。いくつかの実施態様においては、直交クロックジェネレータは、第1の注入同期発振器と、構成されている第2の注入同期発振器と、第1の選択回路と、第2の選択回路と、位相補間器とを含むことが可能である。第1の注入同期発振器は、第1の基準クロック信号に少なくとも部分的に基づいて複数の第1のクロック信号を生成するように構成されることが可能である。第1の選択回路は、第1の注入同期発振器に結合されることが可能であり、第1のクロック信号のうちの1つを送信直交クロック信号として選択するように構成されることが可能である。位相補間器は、第1の注入同期発振器に結合されること、および複数の第1のクロック信号に基づいて第2の基準クロック信号を生成するように構成されることが可能である。第2の注入同期発振器は、第2の基準クロック信号に少なくとも部分的に基づいて複数の第2のクロック信号を生成するように構成されることが可能である。第2の注入同期発振器に結合され、第2のクロック信号のうちの1つを受信直交クロック信号として選択するように構成される第2の選択回路。
【0005】
本開示において記述されている主題の別の革新的な態様は、プログラマブルロジックデバイスにおいて実施されることが可能である。いくつかの実施態様においては、プログラマブルロジックデバイスは、送信データ処理ブロック、受信データ処理ブロック、および直交クロックジェネレータを含むことが可能である。送信データ処理ブロックは、送信直交信号を使用してデータを送信するように構成されることが可能であり、受信データ処理ブロックは、受信直交信号を使用してデータを受信するように構成されることが可能である。直交クロックジェネレータは、送信データ処理ブロックに、および受信データ処理ブロックに結合されることが可能であり、第1の注入同期発振器、第1の選択回路、位相補間器、第2の注入同期発振器、および第2の選択回路を含むことが可能である。第1の注入同期発振器は、第1の基準クロック信号に少なくとも部分的に基づいて複数の第1のクロック信号を生成するように構成されることが可能である。第1の選択回路は、第1のクロック信号のうちの1つを送信直交クロック信号として選択するように構成されることが可能である。位相補間器は、第1の注入同期発振器に結合されること、および第1のクロック信号のうちの選択されたペアに基づいて第2の基準クロック信号を生成するように構成されることが可能である。第2の注入同期発振器は、第2の基準クロック信号に少なくとも部分的に基づいて複数の第2のクロック信号を生成するように構成されることが可能である。第2の選択回路は、第2のクロック信号のうちの1つを受信直交クロック信号として選択するように構成されることが可能である。
【0006】
本開示において記述されている主題の別の革新的な態様は、直交クロックジェネレータを操作するための方法として実施されることが可能である。いくつかの実施態様においては、この方法は、第1の基準クロック信号に少なくとも部分的に基づいて複数の第1のクロック信号を生成することと、それらの複数の第1のクロック信号のうちの1つを送信直交クロック信号として選択することと、それらの複数の第1のクロック信号に少なくとも部分的に基づいて第2の基準クロック信号を生成することと、第2の基準クロック信号に少なくとも部分的に基づいて複数の第2のクロック信号を生成することと、それらの複数の第2のクロック信号のうちの1つを受信直交クロック信号として選択することとを含むことが可能である。
【0007】
本開示において記述されている主題の態様についてのその他の非限定的な例が、以降で提供されている。
【0008】
例1: 第1の基準クロック信号に少なくとも部分的に基づいて複数の第1のクロック信号を生成するように構成されている第1の注入同期発振器と、第1の注入同期発振器に結合されていて、第1のクロック信号のうちの1つを送信直交クロック信号として選択するように構成されている第1の選択回路と、第1の注入同期発振器に結合されていて、第1のクロック信号のうちの選択されたペアに基づいて第2の基準クロック信号を生成するように構成されている位相補間器と、第2の基準クロック信号に少なくとも部分的に基づいて複数の第2のクロック信号を生成するように構成されている第2の注入同期発振器と、第2の注入同期発振器に結合されていて、第2のクロック信号のうちの1つを受信直交クロック信号として選択するように構成されている第2の選択回路とを含む直交クロックジェネレータ。
【0009】
例2: 送信直交クロック信号が、第1の同相(I)成分および第1の直交(Q)成分を含み、受信直交クロック信号が、第2のI成分および第2のQ成分を含む、例1の直交クロックジェネレータ。
【0010】
例3: 送信直交クロック信号が、関連付けられているプログラマブルデバイスの送信データ処理ブロックに提供され、受信直交クロック信号が、関連付けられているプログラマブルデバイスの受信データ処理ブロックに提供される、例1の直交クロックジェネレータ。
【0011】
例4: 位相補間器が、受信データ処理ブロックによって提供される入力信号に少なくとも部分的に基づいて第2の基準クロック信号を生成するように構成されている、例3の直交クロックジェネレータ。
【0012】
例5: 複数の第1のクロック信号のそれぞれが、位相において互いから45度オフセットされており、複数の第2のクロック信号のそれぞれが、位相において互いから45度オフセットされている、例1の直交クロックジェネレータ。
【0013】
例6: 第1の注入同期発振器、位相補間器、および第2の注入同期発振器が、少なくとも部分的に、基準電圧によって制御される、例1の直交クロックジェネレータ。
【0014】
例7: 複数の第2のクロック信号に少なくとも部分的に基づいて制御信号を生成するように構成されている直交ロックループ(QLL)と、制御信号に少なくとも部分的に基づいて基準電圧を生成するように構成されている電圧レギュレータとをさらに含む、例6の直交クロックジェネレータ。
【0015】
例8: 起動状態を検知したことに少なくとも部分的に基づいて制御信号を選択的に無効にするように構成されている粗周波数追跡回路をさらに含む、例7の直交クロックジェネレータ。
【0016】
例9: 電圧レギュレータが、検知された起動状態中に直交ロックが確立される前に第1の注入同期発振器および第2の注入同期発振器の発振周波数を制御するように構成されている、例8の直交クロックジェネレータ。
【0017】
例10: 第1の注入同期発振器が、少なくとも部分的に、第1の基準電圧によって制御され、位相補間器および第2の注入同期発振器が、少なくとも部分的に、第2の基準電圧によって制御される、例1の直交クロックジェネレータ。
【0018】
例11: 複数の第1のクロック信号に少なくとも部分的に基づいて第1の制御信号を生成するように構成されている第1の直交ロックループ(QLL)と、第1の制御信号に少なくとも部分的に基づいて第1の基準電圧を生成するように構成されている第1の電圧レギュレータと、複数の第2のクロック信号に少なくとも部分的に基づいて第2の制御信号を生成するように構成されている第2のQLLと、第2の制御信号に少なくとも部分的に基づいて第2の基準電圧を生成するように構成されている第2の電圧レギュレータとをさらに含む、例10の直交クロックジェネレータ。
【0019】
例12: 起動状態を検知したことに少なくとも部分的に基づいて第1および第2の制御信号を選択的に無効にするように構成されている粗周波数追跡回路をさらに含む、例11の直交クロックジェネレータ。
【0020】
例13: 送信直交クロック信号を使用してデータを送信するように構成されている送信データ処理ブロックと、受信直交クロック信号を使用してデータを受信するように構成されている受信データ処理ブロックと、送信データ処理ブロックに、および受信データ処理ブロックに結合されている直交クロックジェネレータとを含むプログラマブルロジックデバイスであって、直交クロックジェネレータが、第1の基準クロック信号に少なくとも部分的に基づいて複数の第1のクロック信号を生成するように構成されている第1の注入同期発振器と、第1のクロック信号のうちの1つを送信直交クロック信号として選択するように構成されている第1の選択回路と、第1の注入同期発振器に結合されていて、第1のクロック信号のうちの選択されたペアに基づいて第2の基準クロック信号を生成するように構成されている位相補間器と、第2の基準クロック信号に少なくとも部分的に基づいて複数の第2のクロック信号を生成するように構成されている第2の注入同期発振器と、第2のクロック信号のうちの1つを受信直交クロック信号として選択するように構成されている第2の選択回路とを含む、プログラマブルロジックデバイス。
【0021】
例14: 第1の注入同期発振器、位相補間器、および第2の注入同期発振器が、少なくとも部分的に、基準電圧によって制御される、例13のプログラマブルロジックデバイス。
【0022】
例15: 複数の第2のクロック信号に少なくとも部分的に基づいて制御信号を生成するように構成されている直交ロックループ(QLL)と、制御信号に少なくとも部分的に基づいて基準電圧を生成するように構成されている電圧レギュレータとをさらに含む、例14のプログラマブルロジックデバイス。
【0023】
例16: 起動状態を検知したことに少なくとも部分的に基づいて制御信号を選択的に無効にするように構成されている粗周波数追跡回路をさらに含む、例15のプログラマブルロジックデバイス。
【0024】
例17: 直交クロックジェネレータを操作するための方法であって、第1の基準クロック信号に少なくとも部分的に基づいて複数の第1のクロック信号を生成することと、複数の第1のクロック信号のうちの1つを送信直交クロック信号として選択することと、複数の第1のクロック信号に少なくとも部分的に基づいて第2の基準クロック信号を生成することと、第2の基準クロック信号に少なくとも部分的に基づいて複数の第2のクロック信号を生成することと、複数の第2のクロック信号のうちの1つを受信直交クロック信号として選択することとを含む方法。
【0025】
例18: 第2の基準クロック信号が、1対の第1のクロック信号の間を補間することによって生成される、例17の方法。
【0026】
例19: 第2の基準クロック信号が、受信データ処理ブロックからの入力信号に少なくとも部分的に基づいて生成される、例17の方法。
【0027】
例20: 複数の第1のクロック信号のそれぞれが、複数の第2のクロック信号のうちの対応する第2のクロック信号から45度オフセットされている、例17の方法。
【0028】
本明細書において記述されている例示的な実施態様は、例として示されており、添付の図面の図によって限定されることを意図されているものではない。同様の番号は、図面および明細書の全体を通じて同様の要素を指す。下記の図の相対的な寸法は、縮尺どおりに描かれていない場合があるということに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】内部で本開示の態様が実施されることが可能である例示的なプログラマブルデバイスのブロック図である。
図2】いくつかの実施態様によるトランシーバの簡略化されたブロック図である。
図3】いくつかの実施態様による例示的な直交クロックジェネレータのブロック図である。
図4A】いくつかの実施態様による別の例示的な直交クロックジェネレータのブロック図である。
図4B】その他の実施態様による別の例示的な直交クロックジェネレータのブロック図である。
図5A】いくつかの実施態様による別の例示的な直交クロックジェネレータのブロック図である。
図5B】その他の実施態様による別の例示的な直交クロックジェネレータのブロック図である。
図6】いくつかの実施態様による、直交クロックジェネレータを操作するための例示的なオペレーションを示す例示的なフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本開示の態様は、有線通信およびワイヤレス通信の信号のインテグリティーを低下させる可能性があるI/Q不整合およびその他の位相エラーを低減または最小化するために使用されることが可能である。いくつかの実施態様においては、2つの注入同期発振器および単一の位相補間器を利用して、同相(I)および直交(Q)クロック信号の第1のセット、ならびにIおよびQクロック信号の第2のセットを生成する直交クロックジェネレータが開示されている。IおよびQクロック信号の第1および第2のセットは、互いに対して位相シフトされることが可能であり、そしてデータを送信および受信するために使用されることが可能である。複数の位相補間器ではなく単一の位相補間器を使用することによって、本開示の態様は、従来の直交クロックジェネレータに比較して、位相不整合を低減することが可能である。
【0031】
以降の記述においては、本開示の十分な理解を提供するために、具体的なコンポーネント、回路、およびプロセスの例などの多くの具体的な詳細が示されている。本明細書において使用される際の「結合される」という用語は、直接結合されること、または1つもしくは複数の介在するコンポーネントもしくは回路を介して結合されることを意味する。また、以降の記述において、および説明の目的で、例示的な実施態様の十分な理解を提供するために、具体的な術語および/または詳細が示されている。しかしながら、これらの具体的な詳細は、例示的な実施態様を実践するのに必要とされない場合があるということは、当業者にとって明らかであろう。その他の例においては、本開示をわかりにくくすることを回避するために、よく知られている回路およびデバイスが、ブロック図の形式で示されている。本明細書において記述されているさまざまなバスを介して提供される信号のうちのいずれも、その他の信号と時間多重化されて、1つまたは複数の共通のバスを介して提供されることが可能である。加えて、回路素子またはソフトウェアブロックの間におけるインターコネクトは、バスとして、または単一信号線として示されることが可能である。それらのバスのそれぞれは、代替として単一信号線であることが可能であり、それらの単一信号線のそれぞれは、代替としてバスであることが可能であり、単一線またはバスは、コンポーネントの間における通信のための無数の物理的なまたは論理的なメカニズムのうちのいずれか1つまたは複数を表すことが可能である。例示的な実施態様は、本明細書において記述されている具体的な例に限定されるものとして解釈されるべきではなく、むしろそれらの範囲内に、添付の特許請求の範囲によって定義されているすべての実施態様を含むことになる。
【0032】
図1は、内部で本開示の態様が実施されることが可能である例示的なプログラマブルデバイス100のブロック図を示している。いくつかの実施態様においては、デバイス100は、単一のダイ上に形成されることが可能である。その他の実施態様においては、デバイス100は、複数のダイにわたって分配されることが可能である。追加として、または代替として、デバイス100は、互いと相互作用することが可能ないくつかのサブシステムを含むシステムオンアチップ(SoC)として実装されることが可能である。それゆえに、図1において示されているプログラマブルデバイス100は、内部で本開示の態様が実施されることが可能であるプログラマブルデバイスの説明例であり、同様のまたは異なるアレンジでの、さらなるまたはより少ないブロックまたはモジュールを伴うその他の実施態様が可能である。
【0033】
デバイス100は、たとえば、プログラマブルロジック(PL)110、ネットワークオンチップ(NoC)インターコネクトシステム120、専用回路130、CCIXおよびPCIeモジュール(CPM)140、接続性ファブリック145、トランシーバ150、入力/出力(I/O)ブロック160、およびメモリコントローラ170など、いくつかのサブシステムを含むことが可能である。1つまたは複数の実施態様においては、デバイス100は、図1においては示されていないその他のサブシステムまたはコンポーネントを含むことが可能である。さらに、簡略化のために示されていないが、デバイス100は、いくつかの周辺コンポーネント(1つもしくは複数の高性能メモリデバイス195など)および/またはその他のデバイスもしくはチップ(別のプログラマブルデバイスなど)に結合されることが可能である。
【0034】
PL110は、いくつかの異なるユーザ定義の機能またはオペレーションを実行するようにプログラムされることが可能である回路を含む。いくつかの実施態様においては、PL110は、プログラマブルインターコネクト回路とプログラマブルロジック回路とをそれぞれが含むプログラマブル回路ブロックまたはタイルのアレイを含むことが可能である。プログラマブル回路ブロックは、構成可能なロジックブロック(CLB)、ランダムアクセスメモリブロック(BRAM)、デジタル信号処理ブロック(DSP)、クロックマネージャー、遅延ロックループ(DLL)、および/または、ユーザ指定の回路設計を実施するようにプログラムもしくは構成されることが可能であるその他のロジックもしくは回路を含むことが可能である。追加として、または代替として、PL110は、いくつかの入力/出力ブロック(IOB)を含むことが可能である。1つまたは複数の実施態様においては、PL110は、プログラマブルファブリックの全体にわたって分配されることが可能であるプログラマブルファブリックサブ領域(FSR)のアレイとして実装されることが可能である。いくつかの態様においては、FSRは、繰り返し可能なタイルとしてプログラマブルファブリック内に実装されることが可能である。
【0035】
プログラマブルインターコネクト回路は、プログラマブルインターコネクトポイント(PIP)によってインターコネクトされている可変長の複数のインターコネクトワイヤを含むことが可能である。それらのインターコネクトワイヤは、特定のプログラマブルタイル内のコンポーネントの間における、別々のプログラマブルタイル内のコンポーネントの間における、およびプログラマブルタイルのコンポーネントとその他のサブシステムまたはデバイスとの間における接続性を提供するように構成されることが可能である。プログラマブルインターコネクト回路およびプログラマブル回路ブロックは、どのようにプログラマブル要素が構成されて、対応するユーザ指定の回路設計を実施するように動作するかを定義する構成データを構成レジスタ内にロードすることによってプログラムまたは構成されることが可能である。いくつかの態様においては、いくつかのプログラマブル回路ブロックのそれぞれの中のプログラマブルインターコネクト回路は、デバイス100のためのブロックレベルおよび/またはデバイスレベルの信号ルーティングリソースを提供するプログラマブルインターコネクトファブリックの一部を形成することが可能である。
【0036】
それぞれのCLBは、ルックアップテーブル(LUT)、フリップフロップ、組合せロジック、および/またはプログラマブルインターコネクト回路を含むことが可能であり、これらは、可変幅の入力信号上でさまざまな論理機能(加算および減算など)を実行するように構成データによって集合的にプログラムされることが可能である。LUTは、任意の適切なサイズのものであることが可能であり、任意の適切な数の入力および出力を含むことが可能である。いくつかの態様においては、それぞれのCLBは、32個のLUTおよび64個のフリップフロップを含むことが可能である。それらのCLBのそれぞれは、より幅広い論理機能を実施するために使用されることが可能である演算桁上げ論理およびマルチプレクサを含むことも可能である。いくつかの実施態様においては、PL110のリソースは、プログラマブルデバイス100において複数の列にアレンジされている繰り返し可能なタイルとして実装されることが可能であり、固定された高さおよび幅のいくつかの領域へと分割されることが可能である。図1の例に関しては、PL110は、デバイス100の別々の領域を占めるものとして示されている。その他の実施態様においては、PL110は、プログラマブルファブリックの統合された領域として実装されることが可能である。
【0037】
デバイス100の一部として製造されることが可能であるNoCインターコネクトシステム120は、デバイス100のさまざまなリソース、サブシステム、回路、およびその他のコンポーネントを選択的にインターコネクトすることが可能である高速で高帯域幅のプログラマブル信号ルーティングネットワークを提供する。いくつかの実施態様においては、NoCインターコネクトシステム120は、図1において示されているように、デバイス100のプログラマブルファブリックを横切って(たとえば、端部に向かって)水平方向および垂直方向に延びることが可能である。追加として、または代替として、NoCインターコネクトシステム120は、プログラマブルファブリックを横切って1つまたは複数の対角線方向に延びることが可能である。さらに、図1の例においては、単一の列状部分を有するものとして示されているが、その他の実施態様においては、NoCインターコネクトシステム120は、プログラマブルファブリックの高さにわたって垂直に延びる複数の列状部分を含むことが可能である。それゆえに、例示的なNoCインターコネクトシステム120の特定のレイアウト、形状、サイズ、向き、およびその他の物理的な特徴は、本明細書において開示されているさまざまな実施態様を例示しているにすぎない。
【0038】
いくつかの実施態様においては、NoCインターコネクトシステム120は、データパケットプロトコルおよびメモリマップドアドレスを採用して、デバイス100のさまざまなリソース、サブシステム、回路、およびその他のコンポーネントの間において情報を、パケット化されたデータとしてルーティングすることが可能である。データパケットは、ソースアドレス、宛先アドレス、およびプロトコル情報を含むことが可能であり、これらは、データパケットをそれらのデータパケットの示されている宛先へルーティングするためにNoCインターコネクトシステム120によって使用されることが可能である。1つまたは複数の実施態様においては、データパケットは、サービス品質(QoS)情報を含むことが可能であり、このQoS情報は、たとえば、割り振られた優先度、トラフィックタイプ、および/またはフロー情報に基づいて、NoCインターコネクトシステム120を通じたデータパケットの送信が優先順位付けされることを可能にする。そのような実施態様においては、NoCインターコネクトシステム120は、優先度ロジックを含むことが可能であり、この優先度ロジックは、受信されたデータパケットの優先度レベルまたはトラフィッククラスを特定し、送信のためにデータパケットをキューイングする際に、その特定された優先度レベルまたはトラフィッククラスを使用することが可能である。
【0039】
簡略化のために示されていないが、NoCインターコネクトシステム120は、スケジューラおよび調停ロジックを含むことも可能である。スケジューラは、NoCインターコネクトシステム120の1つまたは複数の物理チャネルおよび/または仮想チャネルを使用したソースアドレスから宛先アドレスへのデータパケットの送信をスケジュールするために使用されることが可能である。調停ロジックは、たとえば、コリジョンおよびその他の競合関連のレイテンシを最小化する目的で、NoCインターコネクトシステム120へのアクセスを調停するために使用されることが可能である。スタックドシリコンインターコネクト(SSI)テクノロジーを使用してデバイス100が製造される実施態様に関しては、NoCインターコネクトシステム120の列状部分は、たとえば、構成データがマスタースーパーロジック領域(SLR)とスレーブSLRとの間においてルーティングされることを可能にするために、隣接するSLRの間における信号接続を提供することが可能である。
【0040】
いくつかの実施態様においては、NoCインターコネクトシステム120は、NoCインターコネクトシステム120と、デバイス100のさまざまなリソース、サブシステム、回路、およびその他のコンポーネントとの間において選択的な接続性を提供する複数のノード、ポート、またはその他のインターフェース(簡略化のために示されていない)を含むことが可能である。たとえば、NoCインターコネクトシステム120は、デバイス100の複数のサブシステムが、オンチップメモリ(OCM)リソース、処理リソース、および/またはI/Oリソースへのアクセスを共有することを可能にすることができる。大量のデータを要求および使用することがあるデバイス100のさまざまなリソース、サブシステム、回路、およびその他のコンポーネントを選択的にインターコネクトすることによって、NoCインターコネクトシステム120は、ローカルインターコネクトリソース上の信号ルーティングの負担を軽減して、それによってデバイスの性能を高め、その他のプログラマブルデバイスよりも高い構成上の柔軟性を可能にすることができる。その上、デバイスレベルおよびブロックレベルのプログラマブルインターコネクトよりも高いデータ送信レートおよび低いエラーレートを有する高性能信号ルーティングネットワークを提供することによって、NoCインターコネクトシステム120は、デバイス100の処理能力およびデータスループットを(その他のプログラマブルデバイスに比較して)高めることが可能である。
【0041】
専用回路130は、プロセッサ、シリアルトランシーバ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、アナログ/デジタルコンバータ(ADC)、デジタル/アナログコンバータ(DAC)、デバイス管理リソース、デバイスモニタリングリソース、デバイステスティング管理リソースなどを含む(ただし、それらに限定されない)任意の適切なハードワイヤード回路を含むことが可能である。いくつかの実施態様においては、専用回路130は、処理システム(PS)およびプラットフォーム管理コントローラ(PMC)を含むことが可能である。いくつかの実施態様においては、PSは、デバイス100のI/Oピンに直接結合するように構成可能ないくつかのプロセッサコア、キャッシュメモリ、ならびに一方向インターフェースおよび/または双方向インターフェースを含むことが可能である。いくつかの態様においては、それぞれのプロセッサコアは、順次データ処理のために使用されることが可能である中央処理装置(CPU)またはスカラプロセッサを含むことが可能である。PMCは、外部メモリから提供される構成データ(構成ビットストリームなど)に基づいてデバイス100を起動および構成するために使用されることが可能である。PMCは、PL110を構成するために、ならびにデバイス100のさまざまな暗号化、認証、システムモニタリング、およびデバッグ機能を制御するために使用されることも可能である。
【0042】
CCIXおよびPCIeモジュール(CPM)140は、デバイス100と、いくつかの周辺コンポーネント(外部デバイスまたはチップなど)との間における接続性を提供するいくつかのインターフェースを含むことが可能である。いくつかの実施態様においては、CPM140は、いくつかのペリフェラルインターコネクトエクスプレス(PCIe)インターフェースおよびアクセラレータ向けキャッシュコヒーレントインターコネクト(CCIX)インターフェースを含むことが可能であり、これらは、トランシーバ150を介したその他のデバイスまたはチップへの接続性を提供する。いくつかの態様においては、PCIeおよびCCIXインターフェースは、トランシーバ150の一部として実装されることが可能である。
【0043】
プログラマブルインターコネクトファブリック(簡略化のために示されていない)は、ブロックレベルおよび/またはデバイスレベルの信号ルーティングリソースを提供することが可能であり、これらは、プログラマブルファブリックの近くの領域における回路およびサブシステムを、対応する構成レジスタ内にロードされた構成データに基づいて選択的にインターコネクトすることが可能である。いくつかの実施態様においては、プログラマブルインターコネクトファブリックは、複数のファブリックサブ領域(FSR)を含むことが可能であり、これらは、繰り返し可能なタイルとして実装されること、およびデバイス100の全体にわたって分散されることが可能である。いくつかの態様においては、FSRは、PL110のさまざまなプログラマブルロジック回路(CLB、DSP、およびBRAMなど)に関連付けられているプログラマブルインターコネクト要素の部分を含むことが可能である。
【0044】
トランシーバ150は、デバイス100に接続されている1つまたは複数のその他のデバイスまたはチップ(簡略化のために示されていない)との信号接続を提供することが可能である。トランシーバ150は、たとえば、ギガビットシリアルトランシーバなど、いくつかの異なるデータシリアライザおよびデシリアライザ(SERDES)を含むことが可能である。いくつかの実施態様においては、トランシーバ150は、図1において示されているように、デバイス100の右側および左側に沿ったさまざまな場所に配置されているいくつかの繰り返し可能なタイルとして実装されることが可能である。その他の実施態様においては、トランシーバ150は、デバイス100のその他の適切な場所に配置されることが可能である。
【0045】
I/Oブロック160は、デバイスのI/Oピン(簡略化のために示されていない)に結合されており、デバイス100のためのI/O機能を提供することが可能である。たとえば、I/Oブロック160は、1つまたは複数のその他のデバイスからデータを受信することが可能であり、受信されたデータをデバイス100におけるいくつかの宛先へ運ぶことが可能である。I/Oブロック160は、デバイス100におけるいくつかのソースからデータを受信することも可能であり、受信されたデータを、デバイスのI/Oピンを介して1つまたは複数のその他のデバイスへ運ぶことが可能である。いくつかの実施態様においては、I/Oブロック160は、繰り返し可能なタイルとして実装されることが可能である。デバイス100は、任意の適切な数のI/Oブロック160を含むことが可能であり、そのため、図1において示されている例示的な実施態様は、例示的なものにすぎない。
【0046】
I/Oブロック160は、任意の数の適切なI/O回路またはデバイスを含むことが可能である。いくつかの実施態様においては、I/Oブロック160は、超高性能I/O(XPIO)回路、高密度I/O(HDIO)回路、および多重化I/O(MIO)回路を含むことが可能である。XPIO回路は、高速で低レイテンシのインターフェースをメモリコントローラ170に提供することなどの高性能通信用に最適化されることが可能である。HDIO回路は、(XPIO回路と比較して)低速かつ高電圧のI/O機能をサポートするコスト効率のよい解決策を提供することが可能である。MIO回路は、たとえば、PL110、専用回路130、およびCPM140など、さまざまなサブシステムによってアクセスされることが可能である汎用I/Oリソースを提供することが可能である。
【0047】
いくつかの実施態様においては、I/Oブロック160の第1の列は、デバイス100の下端に沿って配置されている繰り返し可能なタイルとして実装されることが可能であり、I/Oブロック160の第2の列は、デバイス100の上端に沿って配置されている繰り返し可能なタイルとして実装されることが可能である。いくつかの態様においては、I/Oブロック160を実装する繰り返し可能なタイルは、互いに異なることが可能である。たとえば、いくつかのI/Oブロック160は、XPIO回路を実装することが可能であり、その他のI/Oブロック160は、HDIO回路を実装することが可能であり、その他のI/Oブロック160は、MIO回路を実装することが可能である。
【0048】
メモリコントローラ170は、デバイス100の内部および/または外部で提供されるさまざまなメモリリソースへのアクセスを制御するために使用されることが可能である。メモリコントローラ170は、ダブルデータレートv4(DDR4)メモリコントローラ、ダブルデータレートv5(DDR5)メモリコントローラ、高帯域幅メモリ(HBM)コントローラ、および/またはその他の適切なメモリコントローラを含むことが可能である。1つまたは複数の実施態様においては、メモリコントローラ170のうちのいくつかまたはすべては、メモリアクセス効率を改善することが可能であるトランザクション並べ替え機能を有するスケジューラを含むことが可能である。
【0049】
いくつかの実施態様においては、メモリコントローラ170の第1の行は、デバイス100の下端に沿って配置されている繰り返し可能なタイルとして実装されることが可能であり、メモリコントローラ170の第2の行は、デバイス100の上端に沿って配置されている繰り返し可能なタイルとして実装されることが可能である。いくつかの態様においては、メモリコントローラ170を実装する繰り返し可能なタイルは、互いに異なることが可能である。たとえば、第1の数のメモリコントローラ170は、DDR4メモリコントローラを実装することが可能であり、第2の数のメモリコントローラ170は、LPDDR4メモリコントローラを実装することが可能であり、第3の数のメモリコントローラ170は、HBMコントローラを実装することが可能である。I/Oブロック160およびメモリコントローラ170を実装する繰り返し可能なタイルは、たとえば、図1の例において示されているように、互いに対して交互に配置または分配されることが可能である。デバイス100は、任意の数のI/Oブロック160およびメモリコントローラ170を含むことが可能であり、そのため、図1において示されているI/Oブロック160およびメモリコントローラ170の数および位置は、例示的なものにすぎない。
【0050】
簡略化のために図1においては示されていないが、デバイス100は、I/Oブロック160と、PL110内に提供されているプログラマブルインターコネクトとの間における接続性を提供する境界ロジックインターフェース(BLI)を含むことが可能である。いくつかの態様においては、BLIは、大きくて複雑な外部デバイス(HBMなど)が、デバイス100のプログラマブルファブリックにおいて、はるかに小さなブロック(CLBなど)として現れることを可能にすることができる。いくつかの実施態様においては、BLIは、プログラマブルファブリックの上部および下部の境界または端部に配置されている複数の行にアレンジされることが可能である。この様式においては、BLIは、列状のロジック構造(CLB列またはDSP列など)と、I/Oリソースの行(I/Oブロック160など)との間において信号をルーティングするために使用されることが可能である。
【0051】
図2は、いくつかの実施態様によるトランシーバ200の簡略化されたブロック図を示している。トランシーバ200は、図1のトランシーバ150のうちの1つまたは複数の一例であることが可能であり、入力端子(IN)と出力端子(OUT)との間において結合されている送信(TX)フロントエンド210、送信データ処理ブロック220、直交クロックジェネレータ230、受信(RX)データ処理ブロック240、および受信フロントエンド250を含むように示されている。いくつかの実施態様においては、トランシーバ200は、ギガビットSERDESトランシーバであることが可能である。その他の実施態様においては、トランシーバ200は、別の適切なタイプまたは構成のものであることが可能である。
【0052】
直交クロックジェネレータ230は、TXデータ処理ブロック220に、およびRXデータ処理ブロック240に結合されており、基準クロック信号CLKREFを受信するための入力端子を含む。図2の例に関しては、基準クロック信号CLKREFは、基準クロックジェネレータ201によって生成され、基準クロックジェネレータ201は、クリスタルベースの発振器、位相ロックループなどを含む(ただし、それらに限定されない)任意の実現可能な基準クロックソースであることが可能である。その他の実施態様においては、基準クロック信号CLKREFは、別の適切な回路または発振器によって生成されることが可能である。
【0053】
直交クロックジェネレータ230は、CLKREFに基づいて第1の直交クロック信号231および第2の直交クロック信号232を生成することが可能である。いくつかの実施態様においては、第1の直交クロック信号231は、データを送信するために使用されることが可能であり、第2の直交クロック信号232は、データを受信するために使用されることが可能である。簡略化のために図2においては示されていないが、第1の直交クロック信号231は、同相(I)成分および直交(Q)成分を含むことが可能であり、第2の直交クロック信号232は、I成分およびQ成分を含むことが可能である。いくつかの実施態様においては、第1の直交クロック信号231のIおよびQ成分(IおよびQクロック信号と呼ばれる場合もある)は、差動信号として実装されることが可能であり、第2の直交クロック信号232のIおよびQ成分(IおよびQクロック信号と呼ばれる場合もある)は、差動信号として実装されることが可能である。
【0054】
1つまたは複数の実施態様においては、第1の直交クロック信号231は、周波数において第2の直交クロック信号232に関連していることが可能であるが、位相において第2の直交クロック信号232に対してオフセットされることが可能である。たとえば、第1および第2の直交クロック信号231~232は、同じ周波数を有すること、および位相において互いから45度オフセットされていることが可能である。別の例として、第1および第2の直交クロック信号231~232は、同じ周波数を有すること、および位相において互いから90度(または45度の何らかのその他の適切な整数倍)オフセットされていることが可能である。
【0055】
送信データ処理ブロック220は、直交クロックジェネレータ230と送信フロントエンド210との間において結合されており、直交クロックジェネレータ230によって生成された第1の直交クロック信号231を受信することが可能である。送信データ処理ブロック220は、トランシーバ200によって送信されることになる出力データ221を受信することも可能である。出力データ221は、PL110、専用回路130、または、図1のプログラマブルデバイス100の任意のその他の実現可能な回路、コンポーネント、もしくはサブシステムによって提供されることが可能である。送信データ処理ブロック220は、第1の直交クロック信号231を使用して、送信のために出力データ221をエンコードかつ/または変調することが可能である。いくつかの実施態様においては、送信データ処理ブロック220は、第1の直交クロック信号231に基づいて出力データ221をシリアライズすることが可能である。
【0056】
送信フロントエンド210は、送信データ処理ブロック220によって提供されるエンコードおよび/または変調された出力データを処理することが可能であり、処理された出力データを送信データ211として有線またはワイヤレスの通信メディアに提供することが可能である。送信フロントエンド210は、処理された出力データを送信データ211としての送信用に準備するのに適した任意の数の回路またはコンポーネントを含むことが可能である。たとえば、いくつかの態様においては、送信フロントエンド210は、ノイズ、歪み、およびタイミングエラーを最小化しながら信号のインテグリティーを高めるように構成されている増幅器、ミキサ、フィルタ、およびその他のコンポーネントを含むことが可能である。
【0057】
受信フロントエンド250は、入力端子INを介して、ワイヤレスメディアまたは有線接続のいずれかを介して、1つまたは複数のその他のデバイスまたは回路からRXデータ251を受信することが可能である。いくつかの実施態様においては、受信フロントエンド250は、増幅器、ミキサ、フィルタ、ならびに、データロス、ノイズ、および歪みを最小化しながらデータ受信レートを最大化するのに適した任意のその他の回路またはコンポーネントを含むことが可能である。受信フロントエンド250は、RXデータ251を受信データ処理ブロック240に提供することが可能である。
【0058】
受信データ処理ブロック240は、直交クロックジェネレータ230にも結合されており、第2の直交クロック信号232を使用してRXデータ251をデコードおよび/または復調して、入力データ241を生成することが可能である。入力データ241は、PL110、専用回路130、または、図1のプログラマブルデバイス100の任意のその他の実現可能な回路、コンポーネント、もしくはサブシステムに提供されること(またはルーティングされること)が可能である。いくつかの実施態様においては、受信データ処理ブロック240は、第2の直交クロック信号232に基づいてRXデータ251をデシリアライズすることが可能である。
【0059】
図3は、いくつかの実施態様による例示的な直交クロックジェネレータ300のブロック図を示している。直交クロックジェネレータ300は、注入同期発振器(ILO)310、第1の位相補間器321、第2の位相補間器322、直交ロックループ(QLL)340、および電圧レギュレータ350を含むことが可能である。いくつかの態様においては、直交クロックジェネレータ300は、図2の直交クロックジェネレータ230の一例であることが可能である。
【0060】
ILO310は、基準クロックジェネレータ201に結合されている第1の入力と、電圧レギュレータ350に結合されている第2の入力と、第1および第2の位相補間器321~322に結合されている出力とを含み、基準クロック信号CLKREFと同じ周波数を有する一方で位相において互いに対してオフセットされている複数のクロック信号を生成することが可能である任意の適切なILOであることが可能である。いくつかの実施態様においては、ILO310は、差動発振器として構成されることが可能であり、基準クロックジェネレータ201は、差動クロック信号としてCLKREFを提供することが可能である。
【0061】
ILO310は、CLKREFに周波数ロックされているM個のクロック信号CLKILOを生成することが可能であり、この場合、Mは、1よりも大きい整数である。クロック信号CLKILOは、クロック位相と呼ばれる場合もあり、等しく間隔を空けられているか、または位相において互いからオフセットされている場合があり、たとえば、それによってクロック信号CLKILOのうちのそれぞれは、基準位相オフセットの整数倍である一意の位相を有する。たとえば、図3の実施態様においては、ILO310は、位相において互いから45度オフセットされているM=8個のクロック信号CLKILOを生成し、この場合、第1のクロック信号CLK_0は、位相オフセットを有しておらず、第2のクロック信号CLK_45は、CLK_0に対して45度の位相オフセットを有しており、第3のクロック信号CLK_90は、CLK_0に対して90度の位相オフセットを有しており、第4のクロック信号CLK_135は、CLK_0に対して135度の位相オフセットを有しており、第5のクロック信号CLK_180は、CLK_0に対して180度の位相オフセットを有しており、第6のクロック信号CLK_225は、CLK_0に対して225度の位相オフセットを有しており、第7のクロック信号CLK_270は、CLK_0に対して270度の位相オフセットを有しており、第8のクロック信号CLK_315は、CLK_0に対して315度の位相オフセットを有している。
【0062】
第1の位相補間器321および第2の位相補間器322は、相補型金属酸化膜シリコン(CMOS)テクノロジー、電流モードロジック(CML)、または任意のその他の実現可能なテクノロジーを使用して実装されることが可能である。第1の位相補間器321は、ILO310によって提供されるM個のクロック信号CLKILOの第1のセットを使用して、1つまたは複数の同相(I)出力クロック信号を生成することが可能であり、第2の位相補間器322は、ILO310によって提供されるM個のクロック信号CLKILOの第2のセットを使用して、1つまたは複数の直交(Q)出力クロック信号を生成することが可能である。図3の例においては、第1の位相補間器321は、Iおよび
個の信号として表される差動同相(I)出力クロック信号を生成することが可能であり、この場合、
は、Iの論理補数である。同様に、第2の位相補間器322は、Qおよび
個の信号として表される差動直交(Q)出力クロック信号を生成することが可能であり、この場合、
は、Qの論理補数である。その他の例においては、第1および第2の位相補間器321~322は、それぞれ、シングルエンドのIおよびQクロック信号を生成することが可能である。
【0063】
いくつかの実施態様においては、第1の位相補間器321は、クロック信号CLKILOの第1のセット(または第2のセット)の1対の隣接するクロック信号の間を補間して、同相出力クロック信号を生成することが可能であり、たとえば、それによってIおよび
個の信号は、任意の所望の位相を有することが可能である。同様に、第2の位相補間器322は、クロック信号CLKILOの第2のセット(または第1のセット)の1対の隣接するクロック信号の間を補間して、直交出力クロック信号を生成することが可能であり、たとえば、それによってQおよび
個の信号は、任意の所望の位相を有することが可能である。
【0064】
QLL340は、ILO310の1つまたは複数の出力に結合されているいくつかの入力を含み、電圧レギュレータ350の制御端子に結合されている出力を含む。いくつかの実施態様においては、QLL340は、M個のクロック信号CLKILO(クロック信号CLK_0、CLK_45、CLK_90、CLK_135、CLK_180、CLK_225、CLK_270、およびCLK_315など)を受信することが可能であり、M個のクロック信号CLKILOの間における1つまたは複数の関係に基づいて制御信号(CTRL)を生成するように構成されることが可能である。CTRL信号は、電圧レギュレータ350の制御入力に提供され、電圧レギュレータ350は次いで、CTRL信号に少なくとも部分的に基づいて基準電圧VREFを生成することが可能である。
【0065】
電圧レギュレータ350は、ILO310、第1の位相補間器321、および第2の位相補間器322の制御端子に基準電圧VREFを提供することが可能である。基準電圧VREFは、ILO310、第1の位相補間器321、および第2の位相補間器322の1つまたは複数の動作特性を制御、調整、または修正するために使用されることが可能である。
【0066】
いくつかの実施態様においては、QLL340は、図2の受信データ処理ブロック240によって提供される1つまたは複数の信号(簡略化のために示されていない)を受信することも可能である。これらの1つまたは複数の信号は、着信RXデータのさまざまな特性を具体化することまたは示すことが可能であり、QLL340は、これらの1つまたは複数の信号に少なくとも部分的に基づいて制御信号CTRLを生成するように構成されることが可能である。たとえば、いくつかの態様においては、これらの1つまたは複数の信号は、同相出力クロック信号とRXデータとの間における特定の関係を第1の位相補間器321に保持させる、かつ/または直交出力クロック信号とRXデータとの間における特定の関係を第2の位相補間器322に保持させる様式で基準電圧VREFを調整することが可能である。
【0067】
第1および第2の位相補間器321~322内の回路素子(ミキサおよびフィルタなど)の間における不整合は、同相出力クロック信号と直交クロック信号との間におけるタイミングの不整合を引き起こす場合がある。本開示のその他の態様によれば、I出力クロック信号とQ出力クロック信号との間におけるタイミングの不整合は、(図3の2つの位相補間器321~322ではなく)単一の位相補間器を使用することによって回避されることが可能である。
【0068】
図4Aは、いくつかの実施態様による別の例示的な直交クロックジェネレータ400のブロック図を示している。直交クロックジェネレータ400は、図2の直交クロックジェネレータ230の一例であることが可能であり、第1のILO411、第2のILO412、位相補間器420、複数のバッファ431、433、および435、複数の選択回路432および434、直交ロックループ(QLL)440、電圧レギュレータ450、粗周波数追跡回路460、ならびにスイッチ465を含むように示されている。
【0069】
第1のILO411は、第1の基準電圧VREF1を受け取るために結合されている第1の入力と、電圧レギュレータ450に結合されている第2の入力と、第1のバッファ431に結合されている出力とを含み、基準クロック信号CLKREFと同じ周波数を有する一方で位相において互いに対してオフセットされている複数のクロック信号を生成することが可能である任意の適切なILOであることが可能である。第1の基準クロック信号CLKREFは、基準クロックジェネレータ201(簡略化のために図4においては示されていない)によって、あるいは別の適切なクロック生成回路によって生成されることが可能である。いくつかの実施態様においては、第1のILO411は、差動発振器として構成されることが可能であり、基準クロックジェネレータ201は、差動クロック信号としてCLKREFを提供することが可能である。
【0070】
第1のILO411は、CLKREF1に周波数ロックされているP個の第1のクロック信号CLKILO1を生成することが可能であり、この場合、Pは、1よりも大きい整数である。第1のクロック信号CLKILO1は、クロック位相と呼ばれる場合もあり、等しく間隔を空けられているか、または位相において互いからオフセットされている場合があり、たとえば、それによって第1のクロック信号CLKILO1のうちのそれぞれは、基準位相オフセットの整数倍である一意の位相を有する。たとえば、いくつかの実施態様においては、第1のILO411は、位相において互いから45度オフセットされているP=8個の第1のクロック信号CLKILO1を生成することが可能であり、この場合、第1のクロック信号CLK_0は、位相オフセットを有しておらず、第2のクロック信号CLK_45は、CLK_0に対して45度の位相オフセットを有しており、第3のクロック信号CLK_90は、CLK_0に対して90度の位相オフセットを有しており、第4のクロック信号CLK_135は、CLK_0に対して135度の位相オフセットを有しており、第5のクロック信号CLK_180は、CLK_0に対して180度の位相オフセットを有しており、第6のクロック信号CLK_225は、CLK_0に対して225度の位相オフセットを有しており、第7のクロック信号CLK_270は、CLK_0に対して270度の位相オフセットを有しており、第8のクロック信号CLK_315は、CLK_0に対して315度の位相オフセットを有している。
【0071】
いくつかの実施態様においては、第1のILO411によって生成された第1のクロック信号CLKILO1をバッファ431によってバッファリングして、バッファリングされた第1のクロック信号CLKILO1’を生成することが可能であり、これは、位相補間器420に、および第1の選択回路432に提供されることが可能である。その他の実施態様においては、任意選択のバッファ431(破線によって示されている)は、省略されることが可能であり、第1のクロック信号CLKILO1は、位相補間器420に、および第1の選択回路432に提供されることが可能である。いくつかの実施態様においては、任意選択のバッファ435(破線によって示されている)は、バッファリングされた第1のクロック信号CLKILO1’を位相補間器420のためにバッファリングすることが可能である。その他の実施態様においては、任意選択のバッファ435は、省略されることが可能である。
【0072】
位相補間器420は、第1のILO411によって提供される第1のクロック信号CLKILO1を使用して、第2の基準クロック信号CLKREF2を生成することが可能である。図4の例においては、位相補間器420は、第2の基準クロック信号CLKREF2を差動信号として生成することが可能である。いくつかの実施態様においては、位相補間器420は、複数の第1のクロック信号CLKILO1の1対の隣接するクロック信号の間を補間して、第2の基準クロック信号CLKREF2を生成することが可能である。この様式においては、位相補間器420は、第1のクロック信号CLKILO1に対して任意の位相関係を有する第2の基準クロック信号CLKREF2を生成することが可能である。追加として、または代替として、位相補間器420は、関連付けられている受信回路(クロックデータ復元回路および/または受信データ処理ブロックなど)から信号422を受信することが可能であり、その信号422を使用して、補間を制御または調整することが可能である。
【0073】
位相補間器420は、相補型金属酸化膜シリコン(CMOS)テクノロジー、電流モードロジック(CML)、または任意のその他の実現可能なテクノロジーを使用して実装されることが可能である。いくつかの実施態様においては、位相補間器420は、図3の第1の位相補間器321または第2の位相補間器322の一例であることが可能である。それゆえに、簡略化のために示されていないが、P個の第1のクロック信号CLKILO1のそれぞれは、位相補間器420の対応する入力に提供されることが可能であり、位相補間器420は、P個の第1のクロック信号CLKILO1の間における関係に基づいて第2の基準クロック信号CLKREF2を生成することが可能である。
【0074】
第1の選択回路432は、第1のクロック信号CLKILO1のうちの2つ(またはペア)を選択して、I/Q出力クロック信号416として提供するように構成されることが可能である。いくつかの実施態様においては、第1の選択回路432は、第1のクロック信号CLKILO1のうちの任意の適切なペアを選択して、I/Q TX出力クロック信号416として提供することが可能である。図2の送信データ処理ブロック220などの送信回路が、I/Q出力クロック信号416を使用して、送信のためにデータをエンコードまたは変調することが可能である。
【0075】
第2のILO412は、位相補間器420に結合されている第1の入力と、電圧レギュレータ450からVREFを受け取るための第2の入力と、任意選択のバッファ433(破線によって示されている)に結合されている出力とを含み、第2の基準クロック信号CLKREF2と同じ周波数を有する一方で位相において互いに対してオフセットされている複数のクロック信号を生成することが可能である任意の適切なILOであることが可能である。第2のILO412は、CLKREF2に周波数ロックされているP個の第2のクロック信号CLKILO2を生成することが可能であり、この場合、Pは、1よりも大きい整数である。第2のクロック信号CLKILO2は、クロック位相と呼ばれる場合もあり、等しく間隔を空けられているか、または位相において互いからオフセットされている場合があり、たとえば、それによって第2のクロック信号CLKILO2のうちのそれぞれは、基準位相オフセットの整数倍である一意の位相を有する。
【0076】
いくつかの実施態様においては、第2のクロック信号CLKILO2は、等しく間隔を空けられているか、または位相において互いからオフセットされている場合もあり、たとえば、それによって第2のクロック信号CLKILO2のうちのそれぞれは、基準位相オフセットの整数倍である一意の位相を有する。たとえば、いくつかの実施態様においては、第2のILO412は、位相において互いから45度オフセットされているP=8個の第2のクロック信号CLKILO2を生成することが可能であり、この場合、第1のクロック信号CLK_0は、位相オフセットを有しておらず、第2のクロック信号CLK_45は、CLK_0に対して45度の位相オフセットを有しており、第3のクロック信号CLK_90は、CLK_0に対して90度の位相オフセットを有しており、第4のクロック信号CLK_135は、CLK_0に対して135度の位相オフセットを有しており、第5のクロック信号CLK_180は、CLK_0に対して180度の位相オフセットを有しており、第6のクロック信号CLK_225は、CLK_0に対して225度の位相オフセットを有しており、第7のクロック信号CLK_270は、CLK_0に対して270度の位相オフセットを有しており、第8のクロック信号CLK_315は、CLK_0に対して315度の位相オフセットを有している。いくつかの態様においては、第2のクロック信号CLKILO2を任意選択のバッファ433に提供して、複数のバッファリングされた第2のクロック信号CLKILO2’を生成することが可能である。
【0077】
第2の選択回路434は、第2のクロック信号CLKILO2のうちの2つ(またはペア)を選択して、I/Q RX出力クロック信号436として提供するように構成されることが可能である。いくつかの実施態様においては、第2の選択回路434は、第2のクロック信号CLKILO2のうちの任意の適切なペアを選択して、I/Q RX出力クロック信号436として提供することが可能である。図2の受信データ処理ブロック240などの受信回路が、I/Q RX出力クロック信号436を使用して、トランシーバ400によって受信されたデータをデコードまたは復調することが可能である。
【0078】
QLL440は、(任意選択のバッファ433を介して)第2のILO412の1つまたは複数の出力に結合されているいくつかの入力を含み、電圧レギュレータ450の制御端子に結合されている出力を含む。いくつかの実施態様においては、QLL440は、P個の第2のクロック信号CLKILO2(クロック信号CLK_0、CLK_45、CLK_90、CLK_135、CLK_180、CLK_225、CLK_270、およびCLK_315など)を受信することが可能であり、それらの第2のクロック信号CLKILO2の間における1つまたは複数の関係に基づいて制御信号(CTRL)を生成するように構成されることが可能である。CTRL信号は、電圧レギュレータ450の制御入力に提供され、電圧レギュレータ450は次いで、CTRL信号に少なくとも部分的に基づいて基準電圧VREFを生成することが可能である。
【0079】
電圧レギュレータ450は、第1のILO411、第2のILO412、位相補間器420、ならびに任意選択のバッファ431および433の制御端子に基準電圧VREFを提供することが可能である。基準電圧VREFは、第1のILO411、第2のILO412、および位相補間器420(ならびに任意選択のバッファ431および433)の1つまたは複数の動作特性を制御、調整、または修正するために使用されることが可能である。いくつかの実施態様においては、QLL440は、第2のクロック信号CLKILO2の相対位相に基づいて制御信号(CTRL)の値を制御または調整することが可能である。電圧レギュレータ450は、制御信号(CTRL)に少なくとも部分的に基づいてVREFの値を調整することが可能であり、それによって、第1のILO411、第2のILO412、および位相補間器420のさまざまなオペレーションをQLL440が基本的に制御することを可能にする。いくつかの実施態様においては、電圧レギュレータ450は、任意選択のバッファ431および433のオペレーションを制御することも可能である。
【0080】
粗周波数追跡回路460は、有限状態機械(FSM)461およびデジタル/アナログコンバータ(DAC)462を含むことが可能であり、少なくとも第1のILO411および第2のILO412の初期始動オペレーションを制御するために使用されることが可能である。いくつかの実施態様においては、粗周波数追跡回路460は、起動状態を検知したことに応答して制御電圧VCTRLを生成し、その制御電圧VCTRLを使用して、起動オペレーション中にQLL440によって生成されたCTRL信号を一時的に無効にすることが可能である。より具体的には、起動状態を検知すると、FSM461は、スイッチ465を閉じさせる(導電状態になど)選択信号をアサートすることが可能であり、スイッチ465を介してCTRL信号を無効にするレベルまでVCTRLをDAC462に駆動させるデジタル電圧またはコードを出力することが可能であり、たとえば、それによって電圧レギュレータ450は、起動状態中に直交ロックが確立される前に少なくとも第1のILO411および第2のILO512の発振周波数を制御することが可能である。その他の時間においては、FSM461は、SEL信号をデアサートして、スイッチ465を開くことが可能である(スイッチ465を非導電状態に保持するためになど)。
【0081】
いくつかの実施態様においては、I/Q不整合が、I/Q TXクロック信号416の間に存在する場合があり、かつ/またはI/Q RXクロック信号436の間に存在する場合がある。I/Q TXクロック信号416の間における不整合、およびI/Q RXクロック信号436の間における不整合は、QLL440が第2のクロック信号CLKILO2をモニタしている一方で第1のクロック信号CLKILO1をモニタしていないことによって引き起こされる場合がある。
【0082】
図4Bは、その他の実施態様による別の例示的な直交クロックジェネレータ401のブロック図を示している。直交クロックジェネレータ401は、図4Aの直交クロックジェネレータ400と多くの側面において同様であるが、相違点として、QLL440は、たとえば、バッファリングされた第2のクロック信号CLKILO2’ではなく、バッファリングされた第1のクロック信号CLKILO1’を入力信号として受信する。
【0083】
図5Aは、いくつかの実施態様による別の例示的な直交クロックジェネレータ500のブロック図を示している。直交クロックジェネレータ500は、第1のILO511、第2のILO512、位相補間器520、第1の任意選択のバッファ531、第1の選択回路532、第2の任意選択のバッファ533、第2の選択回路534、第1のQLL541、第2のQLL542、第1の電圧レギュレータ551、第2の電圧レギュレータ552、粗周波数追跡回路560、第1のスイッチ561、および第2のスイッチ562を含むことが可能である。以降でさらに詳しく論じられているように、直交クロックジェネレータ500は、送信データ処理ブロックによって使用されるI/Q TXクロック信号516を制御するために第1のQLL541を使用することが可能であり、受信データ処理ブロックによって使用されるI/Q RXクロック信号536を制御するために第2のQLL542を使用することが可能である。
【0084】
第1のILO511は、第1の基準クロック信号CLKREF1を受信するために結合されている第1の入力と、第1の電圧レギュレータ551によって生成された第1の基準電圧VREF1を受け取るための第2の入力と、第1のバッファ531に結合されている出力とを含み、第1の基準クロック信号CLKREF1と同じ周波数を有する一方で位相において互いに対してオフセットされている複数のクロック信号を生成することが可能である任意の適切なILOであることが可能である。第1の基準クロック信号CLKREF1は、基準クロックジェネレータ201(簡略化のために図5においては示されていない)によって、あるいは代替として別の適切なクロック生成回路によって生成されることが可能である。いくつかの実施態様においては、第1のILO511は、差動発振器として構成されることが可能であり、基準クロックジェネレータ201は、差動クロック信号としてCLKREF1を提供することが可能である。
【0085】
第1のILO511は、CLKREF1に周波数ロックされているN個の第1のクロック信号CLKILO1を生成することが可能であり、この場合、Nは、1よりも大きい整数である。第1のクロック信号CLKILO1は、クロック位相と呼ばれる場合もあり、等しく間隔を空けられているか、または位相において互いからオフセットされている場合があり、たとえば、それによって第1のクロック信号CLKILO1のうちのそれぞれは、基準位相オフセットの整数倍である一意の位相を有する。たとえば、いくつかの実施態様においては、第1のILO511は、位相において互いから45度オフセットされているN=8個の第1のクロック信号CLKILO1を生成することが可能であり、この場合、第1のクロック信号CLK_0は、位相オフセットを有しておらず、第2のクロック信号CLK_45は、CLK_0に対して45度の位相オフセットを有しており、第3のクロック信号CLK_90は、CLK_0に対して90度の位相オフセットを有しており、第4のクロック信号CLK_135は、CLK_0に対して135度の位相オフセットを有しており、第5のクロック信号CLK_180は、CLK_0に対して180度の位相オフセットを有しており、第6のクロック信号CLK_225は、CLK_0に対して225度の位相オフセットを有しており、第7のクロック信号CLK_270は、CLK_0に対して270度の位相オフセットを有しており、第8のクロック信号CLK_315は、CLK_0に対して315度の位相オフセットを有している。
【0086】
いくつかの実施態様においては、第1のILO511によって生成された第1のクロック信号CLKILO1をバッファ531によってバッファリングして、バッファリングされた第1のクロック信号CLKILO1’を生成することが可能であり、これは、位相補間器520、第1の選択回路532、および第1のQLL541に提供されることが可能である。その他の実施態様においては、任意選択のバッファ531(破線によって示されている)は、省略されることが可能であり、第1のクロック信号CLKILO1は、位相補間器520、第1の選択回路532、および第1のQLL541に提供されることが可能である。いくつかの実施態様においては、任意選択のバッファ535(破線によって示されている)は、バッファリングされた第1のクロック信号CLKILO1’を位相補間器520のためにバッファリングすることが可能である。その他の実施態様においては、任意選択のバッファ535は、省略されることが可能である。
【0087】
第1のQLL541は、(任意選択のバッファ531を介して)第1のILO511の1つまたは複数の出力に結合されているいくつかの入力を含み、第1の電圧レギュレータ551の制御端子に結合されている出力を含む。いくつかの実施態様においては、第1のQLL541は、N個の第1のクロック信号CLKILO1(クロック信号CLK_0、CLK_45、CLK_90、CLK_135、CLK_180、CLK_225、CLK_270、およびCLK_315など)を受信することが可能であり、それらの第1のクロック信号CLKILO1の間における1つまたは複数の関係に基づいて第1の制御信号(CTRL1)を生成するように構成されることが可能である。CTRL1信号は、第1の電圧レギュレータ551の制御入力に提供され、第1の電圧レギュレータ551は次いで、CTRL1信号に少なくとも部分的に基づいてVREF1を生成することが可能である。
【0088】
第1の電圧レギュレータ551は、第1のILO511および任意選択のバッファ531の制御端子にVREF1を提供して、たとえば、第1のILO511および任意選択のバッファ531の1つまたは複数の動作特性を制御、調整、または修正することが可能である。いくつかの実施態様においては、第1のQLL541は、第1のクロック信号CLKILO1の相対位相に基づいてCTRL1信号の値を制御または調整することが可能である。第1の電圧レギュレータ551は、CTRL1信号に少なくとも部分的に基づいてVREF1の値を調整することが可能であり、それによって、第1のILO511のさまざまなオペレーションを第1のQLL541が制御することを可能にする。
【0089】
位相補間器520は、第1のILO511によって提供される第1のクロック信号CLKILO1を使用して、第2の基準クロック信号CLKREF2を生成することが可能である。図5の例においては、位相補間器520は、第2の基準クロック信号CLKREF2を差動信号として生成することが可能である。いくつかの実施態様においては、位相補間器520は、複数の第1のクロック信号CLKILO1の1対の隣接するクロック信号の間を補間して、第2の基準クロック信号CLKREF2を生成することが可能である。この様式においては、位相補間器520は、第1のクロック信号CLKILO1に対して任意の位相関係を有する第2の基準クロック信号CLKREF2を生成することが可能である。追加として、または代替として、位相補間器520は、関連付けられている受信回路(クロックデータ復元回路および/または受信データ処理ブロックなど)から信号522を受信することが可能であり、その信号522を使用して、補間を制御または調整することが可能である。
【0090】
位相補間器520は、相補型金属酸化膜シリコン(CMOS)テクノロジー、電流モードロジック(CML)、または任意のその他の実現可能なテクノロジーを使用して実装されることが可能である。いくつかの実施態様においては、位相補間器520は、図3の第1の位相補間器321または第2の位相補間器322の一例であることが可能である。それゆえに、簡略化のために示されていないが、N個の第1のクロック信号CLKILO1のそれぞれは、位相補間器520の対応する入力に提供されることが可能であり、位相補間器520は、N個の第1のクロック信号CLKILO1の間における関係に基づいて第2の基準クロック信号CLKREF2を生成することが可能である。
【0091】
第1の選択回路532は、第1のクロック信号CLKILO1のうちの2つ(またはペア)を選択して、I/Q TX出力クロック信号516として提供するように構成されることが可能である。いくつかの実施態様においては、第1の選択回路532は、第1のクロック信号CLKILO1のうちの任意の適切なペアを選択して、I/Q TX出力クロック信号516として提供することが可能である。図2の送信データ処理ブロック220などの送信回路が、I/Q TX出力クロック信号516を使用して、送信のためにデータをエンコードまたは変調することが可能である。
【0092】
第2のILO512は、位相補間器520から第2の基準クロック信号CLKREF2を受信するための第1の入力と、第2の電圧レギュレータ552によって生成された第2の基準電圧VREF2を受け取るための第2の入力と、任意選択のバッファ533(破線によって示されている)に結合されている出力とを含み、第2の基準クロック信号CLKREF2と同じ周波数を有する一方で位相において互いに対してオフセットされている複数のクロック信号を生成することが可能である任意の適切なILOであることが可能である。
【0093】
いくつかの実施態様においては、第2のクロック信号CLKILO2は、等しく間隔を空けられているか、または位相において互いからオフセットされている場合もあり、たとえば、それによって第2のクロック信号CLKILO2のうちのそれぞれは、基準位相オフセットの整数倍である一意の位相を有する。たとえば、いくつかの実施態様においては、第2のILO512は、位相において互いから45度オフセットされているN=8個の第2のクロック信号CLKILO2を生成することが可能であり、この場合、第1のクロック信号CLK_0は、位相オフセットを有しておらず、第2のクロック信号CLK_45は、CLK_0に対して45度の位相オフセットを有しており、第3のクロック信号CLK_90は、CLK_0に対して90度の位相オフセットを有しており、第4のクロック信号CLK_135は、CLK_0に対して135度の位相オフセットを有しており、第5のクロック信号CLK_180は、CLK_0に対して180度の位相オフセットを有しており、第6のクロック信号CLK_225は、CLK_0に対して225度の位相オフセットを有しており、第7のクロック信号CLK_270は、CLK_0に対して270度の位相オフセットを有しており、第8のクロック信号CLK_315は、CLK_0に対して315度の位相オフセットを有している。いくつかの態様においては、第2のクロック信号CLKILO2を任意選択のバッファ533に提供して、複数のバッファリングされた第2のクロック信号CLKILO2’を生成することが可能である。
【0094】
第2の選択回路534は、第2のクロック信号CLKILO2のうちの2つ(またはペア)を選択して、I/Q RX出力クロック信号536として提供するように構成されることが可能である。いくつかの実施態様においては、第2の選択回路534は、第2のクロック信号CLKILO2のうちの任意の適切なペアを選択して、I/Q RX出力クロック信号536として提供することが可能である。図2の受信データ処理ブロック240などの受信回路が、I/Q RX出力クロック信号536を使用して、トランシーバ500によって受信されたデータをデコードまたは復調することが可能である。
【0095】
第2のQLL542は、(任意選択のバッファ533を介して)第2のILO512の1つまたは複数の出力に結合されているいくつかの入力を含み、第2の電圧レギュレータ552の制御端子に結合されている出力を含む。いくつかの実施態様においては、第2のQLL452は、N個の第2のクロック信号CLKILO2(クロック信号CLK_0、CLK_45、CLK_90、CLK_135、CLK_180、CLK_225、CLK_270、およびCLK_315など)を受信することが可能であり、それらの第2のクロック信号CLKILO2の間における1つまたは複数の関係に基づいて第2の制御信号(CTRL2)を生成するように構成されることが可能である。CTRL2信号は、第2の電圧レギュレータ552の制御入力に提供され、第2の電圧レギュレータ552は次いで、CTRL2信号に少なくとも部分的に基づいてVREF2の値を生成かつ/または調整することが可能である。
【0096】
第2の電圧レギュレータ552は、位相補間器520、第2のILO512、および任意選択のバッファ533の制御端子にVREF2を提供して、たとえば、位相補間器520および第2のILO512の1つまたは複数の動作特性を制御、調整、または修正することが可能である。いくつかの実施態様においては、第2のQLL542は、第2のクロック信号CLKILO2の相対位相に基づいてCTRL2信号の値を制御または調整することが可能である。第2の電圧レギュレータ552は、CTRL2信号に少なくとも部分的に基づいてVREF2の値を調整することが可能であり、それによって、位相補間器520および第2のILO512のさまざまなオペレーションを第2のQLL542が制御することを可能にする。
【0097】
粗周波数追跡回路560は、図4の粗周波数追跡回路460の一実施態様であることが可能であり、少なくとも第1のILO511および第2のILO512の初期始動オペレーションを制御するために使用されることが可能である。いくつかの実施態様においては、粗周波数追跡回路560は、起動状態を検知したことに応答して制御電圧VCTRLを生成し、選択(SEL)信号をアサートし、その制御電圧VCTRLおよびSEL信号を使用して、第1のスイッチ561を介してCTRL1信号を一時的に無効にすること、かつ/または第2のスイッチ562を介してCTRL2信号を一時的に無効にすることが可能である。より具体的には、起動状態を検知すると、粗周波数追跡回路560は、SEL信号をアサートして、スイッチ561~562を閉じることまたはオンにすることが可能であり、スイッチ561を介してCTRL1信号を無効にする、かつ/またはスイッチ562を介してCTRL1信号を無効にするレベルまでVCTRLを駆動することが可能である。この様式においては、粗周波数追跡回路560は、起動状態中に直交ロックが確立される前に、第1の電圧レギュレータ551が第1のILO511の発振周波数を制御することを可能にすることができ、第2の電圧レギュレータ552が第2のILO512の発振周波数を制御することを可能にすることができる。
【0098】
図5Bは、その他の実施態様による別の例示的な直交クロックジェネレータ501のブロック図を示している。直交クロックジェネレータ501は、図5Aの直交クロックジェネレータ500と多くの側面において同様であるが、相違点として、位相補間器520は、たとえば、第2の基準電圧VREF2ではなく、第1の基準電圧VREF1によって制御されることが可能である。
【0099】
図6は、いくつかの実施態様による、直交クロックジェネレータを操作するための例示的なオペレーション600を示す例示的なフローチャートを示している。オペレーション600は、たとえば、図4Aの直交クロックジェネレータ400、図4Bの直交クロックジェネレータ401、図5Aの直交クロックジェネレータ500、および図5Bの直交クロックジェネレータ501を含む任意の適切な直交クロックジェネレータを操作するために使用されることが可能である。それゆえに、以降では、図4Aの直交クロックジェネレータ400、図4Bの直交クロックジェネレータ401、図5Aの直交クロックジェネレータ500、および図5Bの直交クロックジェネレータ501に関して記述されているが、例示的なオペレーション600は、その他の適切な直交クロックジェネレータとともに使用されることが可能である。
【0100】
オペレーション600は、第1の基準クロック信号に少なくとも部分的に基づいて複数の第1のクロック信号を生成すること(602)から始まることが可能である。図4Aおよび図4Bも参照すると、第1のILO411は、第1の基準クロック信号CLKREF1に基づいて複数の第1のクロック信号CLKILO1を生成することが可能である。いくつかの実施態様においては、第1のクロック信号CLKILO1は、IおよびQ TXクロック信号としての使用のために選択されることが可能である整数個のクロック信号を含むことが可能である。
【0101】
オペレーション600は、複数の第1のクロック信号のうちの1つを送信直交クロック信号として選択すること(604)を進めることが可能である。図4Aおよび図4Bも参照すると、選択回路432は、第1のクロック信号CLKILO1のうちの任意の適切な1つを選択して、I/Q TX出力クロック信号416として提供することが可能である。図2の送信データ処理ブロック220などの送信回路が、I/Q TX出力クロック信号416を使用して、送信のためにデータをエンコードまたは変調することが可能である。
【0102】
オペレーション600は、複数の第1のクロック信号に少なくとも部分的に基づいて第2の基準クロック信号を生成すること(606)を進めることが可能である。図4Aおよび図4Bも参照すると、位相補間器420は、第1のILO411によって提供される第1のクロック信号CLKILO1を使用して、第2の基準クロック信号CLKREF2を生成することが可能である。いくつかの実施態様においては、位相補間器420は、複数の第1のクロック信号CLKILO1の1対の隣接するクロック信号の間を補間して、第2の基準クロック信号CLKREF2を生成することが可能である。たとえば、それによって第2の基準クロック信号CLKREF2は、第1のクロック信号CLKILO1に対して任意の位相を有することが可能である。
【0103】
オペレーション600は、第2の基準クロック信号に少なくとも部分的に基づいて複数の第2のクロック信号を生成すること(608)を進めることが可能である。図4Aおよび図4Bも参照すると、第2のILO412は、第2の基準クロック信号CLKREF2に基づいて複数の第2のクロック信号CLKILO2を生成することが可能である。いくつかの実施態様においては、第2のクロック信号CLKILO2は、IおよびQ RXクロック信号としての使用のために選択されることが可能である整数個のクロック信号を含むことが可能である。
【0104】
オペレーション600は、複数の第2のクロック信号のうちの1つを受信直交クロック信号として選択すること(610)を進めることが可能である。図4Aおよび図4Bも参照すると、第2の選択回路434は、第2のクロック信号CLKILO2のうちの任意の適切なペアを選択して、I/Q RX出力クロック信号436として提供することが可能である。図2の受信データ処理ブロック240などの受信回路が、I/Q RX出力クロック信号436を使用して、送信のためにデータをエンコードまたは変調することが可能である。
【0105】
情報および信号は、さまざまな異なるテクノロジーおよび技術のいずれかを使用して表されることが可能であるということを当業者なら理解するであろう。たとえば、上での記述の全体を通じて言及される場合があるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場もしくは磁性粒子、光場もしくは光学粒子、またはそれらの任意の組合せによって表されることが可能である。
【0106】
さらに、本明細書において開示されている態様に関連して記述されているさまざまな例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組合せとして実装されることが可能であるということを当業者なら理解するであろう。ハードウェアとソフトウェアとのこの互換性を明確に示すために、さまざまな例示的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路、およびステップが、それらの機能性の点から一般的に上述されている。そのような機能性がハードウェアとして実装されるか、またはソフトウェアとして実装されるかは、個別の用途と、システム全体に課されている設計制約とに依存する。当業者なら、記述されている機能性をそれぞれの個別の用途のためにさまざまな方法で実装することが可能であるが、そのような実装の決定は、本開示の範囲からの逸脱を引き起こすものとして解釈されるべきではない。
【0107】
本明細書において開示されている態様に関連して記述されている方法、シーケンス、またはアルゴリズムは、ハードウェアで直接、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールで、またはそれらの2つの組合せで具体化されることが可能である。ソフトウェアモジュールは、RAMラッチ、フラッシュラッチ、ROMラッチ、EPROMラッチ、EEPROMラッチ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、または、当技術分野において知られている任意のその他の形態の記憶媒体に存在することが可能である。例示的な記憶媒体がプロセッサに結合され、それによってプロセッサは、記憶媒体から情報を読み取ること、および記憶媒体に情報を書き込むことが可能である。別の方法においては、記憶媒体は、プロセッサと一体であることが可能である。
【0108】
前述の明細書においては、例示的な実施態様が、それらの具体的で例示的な実施に関連して記述されてきた。しかしながら、それらに対して、添付の特許請求の範囲において記載されている本開示のより広い範囲から逸脱することなく、さまざまな改変および変更が行われることが可能であるということは明らかであろう。したがって、本明細書および図面は、限定的な意味ではなく、例示的な意味でみなされるべきである。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6