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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-10
(45)【発行日】2025-01-21
(54)【発明の名称】ケーブルガイド装置を有する工作機械
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/70 20140101AFI20250114BHJP
   B23Q 1/00 20060101ALI20250114BHJP
   B23P 23/04 20060101ALI20250114BHJP
   B22F 12/40 20210101ALN20250114BHJP
【FI】
B23K26/70
B23Q1/00 D
B23P23/04
B22F12/40
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022566038
(86)(22)【出願日】2021-04-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-06
(86)【国際出願番号】 EP2021060505
(87)【国際公開番号】W WO2021219483
(87)【国際公開日】2021-11-04
【審査請求日】2024-03-07
(31)【優先権主張番号】102020205565.3
(32)【優先日】2020-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】521565028
【氏名又は名称】デーエムゲー モリ ウルトラソニック レーザーテック ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】DMG MORI ULTRASONIC LASERTEC GMBH
【住所又は居所原語表記】Gildemeisterstrasse 1, 55758 Stipshausen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(72)【発明者】
【氏名】ルートヴィヒ ヒップ
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス アブト
【審査官】柏原 郁昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-189843(JP,A)
【文献】特開2017-030022(JP,A)
【文献】米国特許第04899945(US,A)
【文献】独国実用新案第202019102323(DE,U1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/70
B23Q 1/00
B23P 23/04
B22F 12/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブル接続工具(12)のフレキシブル接続ケーブルを提供しガイドするためのケーブルガイド装置(100)を有する数値制御された工作機械(10)であって、前記工作機械(10)は、
前記ケーブル接続工具(12)を受け入れるように構成された機械加工装置(11)と、
前記機械加工装置(11)および機械加工される加工対象物を相対的に位置決めするように構成された1つまたは複数の数値制御された機械軸と、
を少なくとも含み、
前記ケーブルガイド装置(100)は、
第1ガイド装置(110)と、
前記第1ガイド装置(110)で移動可能にガイドされるスライド(111)と、
前記スライド(111)に回転可能に接続された第1偏向ローラー(103)と、
第1張力重りG1(121)と、
前記第1張力重りG(121)を、前記第1ガイド装置(110)にガイドされた前記スライド(111)に接続するケーブル引張装置(130)と、
を含み、
接続ケーブル(101)は、前記第1偏向ローラー(103)上を走行して、前記ケーブル接続工具(12)を前記工作機械(10)の接続装置(102)に接続し、
前記ケーブルガイド装置(100)は、
第2張力重りG(122)と、
張力重りG(121)およびG(122)がそれぞれ可動式でガイドされる第2ガイド装置(120)と、
をさらに含み、
前記第1偏向ローラー(103)上を走行する前記接続ケーブル(101)は、前記第1張力重りG(121)の重量によって生成される力によって前記ケーブル接続工具(12)の第1変位領域において予張力がかけられ、前記張力重りG(121)およびG(122)の重量の合計によって生成される力によって前記ケーブル接続工具(12)の第2変位領域において予張力がかけられることを特徴とする、工作機械(10)。
【請求項2】
前記第2ガイド装置(120)は、前記第1張力重りG(121)のための第1停止装置AG(123)と、前記第2張力重りG(122)のための第2停止装置AG(124)と、を含み、前記第2ガイド装置(120)は、前記第2ガイド装置(120)に対する前記張力重りG(121)およびG(122)のそれぞれの開始位置を規定することで、前記第1および前記第2変位領域を規定することを特徴とする、請求項1に記載の工作機械(10)。
【請求項3】
前記ケーブル接続工具(12)は、レーザー式機械加工のためのケーブル接続レーザー工具であることを特徴とする、請求項1または2に記載の工作機械(10)。
【請求項4】
前記ケーブル接続レーザー工具(12)は、付加的なレーザー加工のために構成され、前記ケーブル接続レーザー工具(12)の前記接続ケーブル(101)は、付加的なレーザー加工のための粉末混合物用の少なくとも1つ以上の供給ラインと、内部におけるレーザーガイドのためのラインファイバーと、を含むことを特徴とする、請求項3に記載の工作機械。
【請求項5】
前記ケーブルガイド装置(100)は、前記接続ケーブル(101)の曲げ半径がケーブル固有の最小曲げ半径を下回らないように構成されていることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の工作機械(10)。
【請求項6】
前記工作機械(10)は、前記加工対象物を機械加工するために構成された作業空間と、前記作業空間の一方側に隣接するケーブルガイド空間と、を有し、前記ケーブルガイド空間および前記作業空間は、開口部(21)が設けられた隔壁(20)によって互いに分離され、前記ケーブルガイド空間内に配置された前記ケーブルガイド装置(100)は、前記接続ケーブル(101)を、前記隔壁(20)の前記開口部(21)を通して前記作業空間内にガイドするように構成されていることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の工作機械(10)。
【請求項7】
前記工作機械は、前記隔壁(20)の前記開口部(21)に配置され、前記隔壁(20)の前記開口部(21)を開閉する制御可能な蓋(22)をさらに含むことを特徴とする、請求項6に記載の工作機械(10)。
【請求項8】
前記ケーブルガイド装置(100)は、前記接続装置(102)から来て前記第1偏向ローラー(103)上を走行する前記接続ケーブル(101)を、前記隔壁(20)の前記開口部(21)を通って前記作業空間内へガイドするように構成された第2偏向装置(104)をさらに含む、請求項6または7に記載の工作機械(10)。
【請求項9】
前記工作機械(10)は、前記ケーブル接続工具(12)を受け入れるように構成された保管ステーション(140)をさらに含むことを特徴とする、請求項6ないし8のいずれか1項に記載の工作機械(10)。
【請求項10】
前記ケーブル接続工具(12)のための前記保管ステーション(140)は、移動可能に構成され、前記ケーブルガイド空間内の保管位置P0と、前記作業空間内の移行位置P1と、の間で、前記隔壁(20)の前記開口部(21)を通って移動されるように構成されていることを特徴とする、請求項9に記載の工作機械(10)。
【請求項11】
前記第1変位領域は、前記工具(12)が前記保管ステーション(140)にある場合に、前記ケーブルガイド空間内の前記保管位置P0から前記作業空間内の前記移行位置P1まで延在するように規定されることを特徴とする、請求項10に記載の工作機械(10)。
【請求項12】
前記ケーブルガイド装置(100)の前記第1および/または前記第2ガイド装置(110,120)は、前記スライド(111)および/または前記第2ガイド装置(120)でガイドされる前記張力重りG(121)およびG(122)の移動方向が、地球の重力場に対して垂直または平行となるように配置されていることを特徴とする、請求項1ないし11のいずれか1項に記載の工作機械(10)。
【請求項13】
前記ケーブル引張装置(130)と、前記第1ガイド装置(110)でガイドされる前記スライド(111)と、の間の接続は、弾性部品または粘弾性部品を介して構成されることを特徴とする、請求項1ないし12のいずれか1項に記載の工作機械(10)。
【請求項14】
前記ケーブルガイド装置(100)は、前記2つの張力重りG(121)およびG(122)に加えて、N≧1および1≦n≦Nとして、N個の追加の張力重り[ZG、・・・、ZG、・・・、ZG]をさらに含み、前記N個の追加の張力重りは、前記第1偏向ローラー(103)上を走行する前記接続ケーブル(101)が、前記ケーブル接続工具(12)の前記(N+2)個の変位領域うちの(n+2)番目の変位領域内にあり、前記張力重りG(121),G(122)およびZGからZGまでの重量の合計によって生成される力によって予張力がかかるように、前記第2ガイド装置(120)でそれぞれ移動可能にガイドされることを特徴とする、請求項1ないし13のいずれか1
項に記載の工作機械(10)。
【請求項15】
前記第1ガイド装置(110)でガイドされる前記スライド(111)は、前記スライド(111)の移動方向に作用する復元弾性部品を介して、前記工作機械(10)にさらに接続されることを特徴とする、請求項1ないし14のいずれか1項に記載の工作機械(10)。
【請求項16】
前記工作機械(10)の前記機械加工装置(11)は、線形軸として構成された3つの数値制御された機械軸を介して移動されるように構成されていることを特徴とする、請求項1ないし15のいずれか1項に記載の工作機械(10)。
【請求項17】
前記工作機械(10)は、2つの数値制御された機械軸をさらに含み、前記2つの数値制御された機械軸は、回転軸として構成され、互いに直交または傾斜し、前記加工対象物を支持するように構成された工作台(13)を、前記機械加工装置(11)とは反対に向かせるように構成されていることを特徴とする、請求項16に記載の工作機械(10)。
【請求項18】
フレキシブル接続ケーブル(101)を提供しガイドするためのケーブルガイド装置(100)であって、前記ケーブルガイド装置(100)は、
第1ガイド装置(110)と、
前記第1ガイド装置(110)で移動可能にガイドされるスライド(111)と、
前記スライド(111)に回転可能に接続された第1偏向ローラー(103)と、
第1張力重りG1(121)と、
前記第1張力重りG(121)を、前記第1ガイド装置(110)にガイドされた前記スライド(111)に接続するケーブル引張装置(130)と、
前記接続ケーブル(101)は、自由端と、接続装置(102)に接続された固定端と、を有して、前記第1偏向ローラー(103)上を走行し、
前記ケーブルガイド装置(100)は、
第2張力重りG(122)と、
張力重りG(121)およびG(122)がそれぞれ可動式でガイドされる第2ガイド装置(120)と、
をさらに含み、
前記第1偏向ローラー(103)上を走行する前記接続ケーブル(101)は、前記第1張力重りG(121)の重量によって生成される力によって、ケーブル接続工具(12)の第1変位領域において、予張力がかかり、前記張力重りG(121)およびG(122)の重量の合計によって生成される力によって、ケーブル接続工具(12)の第2変位領域において、予張力がかかることを特徴とする、ケーブルガイド装置(100)。
【請求項19】
前記ケーブルガイド装置(100)は、前記接続装置(102)の前記固定端から来て前記第1偏向ローラー(103)上を走行する前記接続ケーブル(101)をそれぞれ撓ませるように構成された、1つまたは複数の連続するさらなる偏向装置(104)をさらに含むことを特徴とする、請求項18に記載のケーブルガイド装置(100)。
【請求項20】
前記ケーブルガイド装置(100)は、前記2つの張力重りG(121)およびG(122)に加えて、N≧1および1≦n≦Nとして、N個の追加の張力重り[ZG、・・・、ZG、・・・、ZG]をさらに含み、前記N個の追加の張力重りは、前記ケーブル接続工具(12)の前記(N+2)個の変位領域うち(n+2)番目の変位領域内の前記第1偏向ローラー(103)上を走行する前記接続ケーブル(101)が、前記張力重りG(121),G(122)およびZGからZGまでの重量の合計によって生成される力によって予張力がかかるように、前記第2ガイド装置(120)でそれぞ
れ移動可能にガイドされることを特徴とする、請求項18または19に記載のケーブルガイド装置(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブル接続工具のケーブル接続のためのケーブルガイド装置と、フレキシブル接続ケーブルをガイドするためのケーブルガイド装置と、を含む工作機械に関する。
【背景技術】
【0002】
1つまたは複数の制御可能な機械軸を用いて、工具および機械加工される加工対象物を相対的に位置決めする数値制御された工作機械が、従来技術から知られており、工具は、ケーブル接続工具であってもよく、ケーブル接続工具は、接続ケーブルを介して機械加工のために不可欠な材料が供給され、および/または接続ケーブルを介して外部エネルギー供給源に接続されてもよい。
【0003】
より複雑なマシニングセンターの場合、上記のようなケーブル接続工具は、通常、工作機械に利用可能な工具のうちの1つを表すに過ぎず、そのため、接続ケーブルを介した供給は、通常、永久的に設置された、堅固に設計された供給ラインを介してではなく、工具に直接接続された接続ケーブルを介して行われ、当該接続ケーブルは、この事情において、しばしば、トレーリングケーブル(trailing cable(Schleppkabel))とも呼ばれる。
【0004】
上記のような接続ケーブルは、一般に、機械加工処理中に工作機械によって制御されるケーブル接続工具の動きを追跡するために、フレキシブルであり、対応する長さおよび動きの自由度を有するように構成されている。
【0005】
しかしながら、上記のような長い接続ケーブルは、扱いにくい場合があり、したがって、ケーブル接続工具が動かされる場合、通常は特に影響されやすい接続ケーブルをねじる危険性がなく、例えば工作機械の機械部品と衝突することによって実際の機械加工を妨げないようにガイドされるべきである。
【0006】
この理由から、当該接続ケーブルは、接続ケーブルにおけるある程度の張力を保証するために、この目的のために構成された装置を用いて予張力がかけられており(pretensioned(vorgespannt))、これにより、例えば、接続ケーブルの自重、または接続ケーブルを巻き取るまたは巻き出す場合の問題によって引き起こされる撓みを低減する。
【0007】
従来技術から知られている解決策は、上記の目的のために、ばね式リトラクター、ばね式ドラム、または張力重りを用いる。
【0008】
例えば、米国特許出願公開第2012/037274A1号明細書は、フレキシブル接続ケーブルをガイドし、張力をかけるためのシステムを含む、木工用のレーザー式工作機械を開示している。レーザーヘッドとして構成された工具の動きを追跡し、それによって接続ケーブルのカールを防止するために、接続ケーブルは、一連の偏向ローラー上を走行し、そのうちのいくつかは、ばねリトラクターを介して接続ケーブルに予張力(pretension (Vorspannung))をかけるように構成されている。
【0009】
工作機械の分野以外では、実用新案DE 20 2019 102323 U1は、また、電気自動車用の接続ケーブルの収縮ガイドのためのシステムを含み、当該システムは、複数の偏向ローラーを含み、その中を走行する接続ケーブルは、レバーとして構成された張力重りによって予張力がかけられる。
【0010】
しかしながら、上記のようなケーブルガイドを有する工作機械の1つの問題は、複数の
偏向ローラー上を走行するガイドが、通常、工作機械の貴重な設置空間の多くを占め、接続ケーブルの予張力が、特に、工具に接続されたケーブル端部の様々な用途に関連した撓み状態または変位に関して、不十分にしか調整されないことである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明の目的は、ケーブル接続工具の接続ケーブルをガイドするための省スペース装置を有し、接続ケーブルの予張力が工具の異なる撓み状態に適合されることを保証する工作機械を提供することである。
【0012】
この目的を達成するために、請求項1に記載のケーブルガイド装置を含む数値制御された工作機械が提案されている。さらに、請求項18に記載のフレキシブル接続ケーブルをガイドするケーブルガイド装置が提案されている。
【0013】
それぞれの従属請求項は、本発明に係る装置の好ましい実施形態に関し、個別にまたは組み合わせて提供されてもよい。
【0014】
本発明の第1態様によれば、ケーブル接続工具のフレキシブル接続ケーブルを提供しガイドするためのケーブルガイド装置を含む数値制御された工作機械が提供される。前記工作機械は、前記ケーブル接続工具を受け入れるように構成された機械加工装置と、前記機械加工装置および機械加工される加工対象物を相対的に位置決めするように構成された1つまたは複数の数値制御された機械軸と、を少なくとも含む。前記工作機械の前記ケーブルガイド装置は、第1ガイド装置と、前記第1ガイド装置で移動可能にガイドされるスライドと、前記スライドに回転可能に接続された第1偏向ローラーと、第1張力重りG1と、前記第1張力重りGを、前記第1ガイド装置にガイドされた前記スライドに接続するケーブル引張装置と、を含み、接続ケーブルは、前記第1偏向ローラー上を走行して、前記ケーブル接続工具を前記工作機械の接続装置に接続する。前記ケーブルガイド装置は、第2張力重りGと、張力重りGおよびGがそれぞれ可動でガイドされる第2ガイド装置と、をさらに含む。前記ケーブルガイド装置は、前記第1偏向ローラー上を走行する前記接続ケーブルが、前記第1張力重りGの重量によって生成される力によって前記ケーブル接続工具の第1変位領域において予張力がかけられ、前記張力重りGおよびGの重量の合計によって生成される力によって前記ケーブル接続工具の第2変位領域において予張力がかけられるように構成されている。
【0015】
ケーブル接続工具は、工作機械の機械加工装置によって受け入れられ、数値制御された機械軸を介して移動されて、機械加工される加工対象物の反対側に配置されてもよい。フレキシブル接続ケーブルは、固定端において工作機械の接続装置に接続され、他の自由端は、ケーブル接続工具に接続される。接続ケーブルの柔軟な設計は、接続ケーブルを介して確立された工作機械の接続装置への接続を維持しながら、ケーブル接続工具を、機械加工装置を介して移動させることを可能にする。柔軟に設計された接続ケーブルは、互いに対して移動可能な2つの機械部品、この場合は接続装置および工具、を接続するためのトレーリングケーブルであってもよい。
【0016】
工作機械の接続装置は、接続装置に接続された接続ケーブルを介して、ケーブル接続工具におよび/またはケーブル接続工具から伝達される、ケーブル接続工具の動作に必要な材料および/または媒体および/または信号を提供する。ここで、接続ケーブルを介して伝達される材料および/または媒体および/または信号は、電気、光学、または、固体、液体、または気体物質の形態の材料であってもよい。接続は、好ましくは、材料および/または媒体および/または信号を、接続装置からケーブル接続工具に伝達できるだけでなく、工具から接続装置にも伝達できるように双方向であってもよい。この例としては、機
械加工中に生成された粒子および/または気体を吸引し、それらを接続装置に送る吸引装置、または工具に付加的に取り付けられたセンサー装置から電気信号を送信することが挙げられる。
【0017】
ケーブル接続工具を有する本発明に係る工作機械の中心的な要件は、記載された接続ケーブルを提供し、ガイドすることを含む。ケーブルには、適切な予張力が必要であり、これにより、カールや詰まりが発生することなく、問題なく最初の滑車にガイドされ得る。同時に、適切な予張力は、接続ケーブルの自重によって引き起こされる撓みの低減を確実にする。この撓みは、特定の状況下では、機械加工を不必要に妨げることになる。これらの点の両方は、本発明に係る工作機械の場合に、確実に防止され、なぜなら、ケーブルガイド装置は、通常一定であるが、異なる大きさの2つの力によって接続ケーブルに予張力をかける2つの変位領域を提供するためである。ばね引込み式の予張力とは対照的に、接続ケーブルにおいて、可能な限り一定の予張力を有利な方法で実現できる。これは、接続ケーブル上の材料負荷に関してだけでなく、工作機械の機械加工精度に関しても有利であり、なぜなら、工作機械を制御する際に、接続ケーブルを介して機械加工装置に作用するほぼ一定の収縮力のみを、機械加工中に考慮すればよいからである。
【0018】
第1変位領域内で工具を移動させることによって、連結ケーブルは、第1偏向ローラーを介して巻き出され、ケーブル引張装置を介して、第2ガイド装置において第1張力重りGの変位に至る。この領域では、連結ケーブルが第1張力重りGの重りを用いて予張力がかけられ、当該力は、ケーブル引張装置を介して伝達される。
【0019】
第1変位領域における第1張力重りGによって生じる接続ケーブルの予張力は、初期状態における基本予張力として用いられることができ、初期状態では、ケーブル接続工具は、例えば、停止位置にあり、この時点で加工対象物を機械加工するために用いられない。この基本予張力は、接続ケーブルに過度に高い予張力を不必要に負荷することなく、または、工具が停止位置で転倒することを防止して、停止位置での接続ケーブルにおける一貫して均一な予張力を保証する。この位置では、工作機械または工具の接続装置への接続ケーブル、および/またはその接続部品の耐用年数を不必要に短くしないように、接続ケーブルでの材料負荷を比較的低く保つことができる。
【0020】
ケーブル接続工具の変位が第2変位領域に入ると、工具の変位は、第1張力重りGおよび第2張力重りGの両方がケーブル引張装置を介して第2ガイド装置内に移動された状態で、接続ケーブルを第1偏向ローラー上に展開する。その結果、この領域において、接続ケーブルは、第1張力重りGと第2張力重りGとの重量の和を用いて、予張力を受け、ケーブル引張装置を介して移行される。
【0021】
第2ガイド装置は、第1変位領域から第2変位領域への移行中に、第2張力重りGの重量が、ケーブル引張装置を介して接続ケーブルの予張力に作用し始めるように構成されている。
【0022】
第2張力重りGの重量によって生じる、第2変位領域における接続ケーブルの追加の予張力は、機械加工装置によって受け入れられるケーブル接続工具を用いた機械加工作業中に、有益な方法で使用されてもよい。これにより、第2変位領域は、通常、機械加工処理中に生じる、その停止位置からのケーブル接続工具の変位に適合される。例えば、自重によって引き起こされる接続ケーブルの大きな撓みを、2つの張力重りGおよびGによってもたらされる予張力によって、大幅に低減できる。
【0023】
さらに、ケーブルガイド装置を有する本発明に係る工作機械は、ケーブルガイドが、例えば、米国特許出願公開第2012/037274号明細書に示されている複数の偏向ロ
ーラーを有する実施形態とは対照的に、第1偏向ローラーを介してケーブルに予張力をかけるだけで、大幅に省スペースの実施形態が可能になるという点で、特に有利であることが分かる。このような空間の節約は、特に、工作機械のための設置空間が限られている工業的大量生産の事情において、極めて有利であることが分かる。さらに、接続ケーブルの性質に応じて、2つの張力重りGおよびGの質量は、例えば、張力重りを交換することによって、接続ケーブルの要求に容易に適合されてもよく、これにより、その材料に過度に大きな負荷をかけることなく、接続ケーブルの最適なガイドおよび予張力を確実にする。
【0024】
第1および/または第2ガイド装置は、有利には2つの平行なガイドレールを有する線形ガイドとして構成されていてもよい。これは、省スペースで、費用効果の高い構成を可能にする。
【0025】
特に好ましい実施形態では、前記第2ガイド装置は、前記第1張力重りGのための停止装置AGと、前記第2張力重りGのための停止装置AGと、を含み、前記第2ガイド装置は、前記第2ガイド装置に対する前記張力重りGおよびGの開始位置を規定することで、前記第1および前記第2変位領域を規定する。
【0026】
停止装置AGおよびAGは、ケーブル接続工具を移動させることによって、ケーブル引張装置を介して張力重りGおよびGが移動される開始位置を規定する。停止装置は、2つの変位領域およびそれらの移行位置を決定する。停止装置は、有利には、第1および第2の変位領域のその後の調整または適合が可能になるように、第2ガイド装置に取り外し可能に接続されてもよい。
【0027】
特に好ましい実施形態では、前記ケーブル接続工具は、レーザー式機械加工のためのケーブル接続レーザー工具である。
【0028】
特に好ましい実施形態では、前記ケーブル接続レーザー工具は、付加的なレーザー加工のために構成され、前記ケーブル接続レーザー工具の前記接続ケーブルは、付加的なレーザー加工のための粉末混合物用の少なくとも1つ以上の供給ラインと、内部におけるレーザーガイドのためのラインファイバーと、を有する。
【0029】
特に、ケーブル接続工具は、加工対象物のレーザー式加工に用いられ、本発明に係る工作機械は、付加的なレーザー加工のためのレーザー工具の使用に、特に有利に適したケーブルガイドを有する。加工に不可欠な材料を搬送し、レーザーをガイドする高感度供給ラインは、工作機械の接続装置から工具へ、わずかな撓みで確実にガイドできる。レーザーは、通常、ファイバー式光導波路を介してレーザー工具にガイドされる。
【0030】
特に好ましい実施形態では、前記ケーブルガイド装置は、前記接続ケーブルの曲げ半径がケーブル固有の最小曲げ半径を下回らないように構成されている。
【0031】
特に、付加的なレーザー加工用の工具のための接続ケーブルに関して、本実施形態は、最小曲げ半径を維持する場合に、接続ケーブルの内側を走行する給電線がねじれによって損傷されることがないので、特に有利である。
【0032】
上記のような用途では、接続ケーブルの最小曲げ半径の値は、通常、150mm~300mmである。
【0033】
特に好ましい実施形態では、前記工作機械は、前記加工対象物を機械加工するために構成された作業空間と、前記作業空間の一方側に隣接するケーブルガイド空間と、を有し、
前記ケーブルガイド空間および前記作業空間は、開口部が設けられた隔壁によって互いに分離され、前記ケーブルガイド空間内に配置された前記ケーブルガイド装置は、前記接続ケーブルを、前記隔壁の前記開口部を通して前記作業空間内にガイドするように構成されている。
【0034】
ケーブルガイド空間は、有利には工作機械の一方側で作業空間とは別個に配置されている。この方法で、ケーブルガイド装置は、例えば、保守作業を簡略化するために、工作機械の外部から、すなわち、作業空間を介さずに、有利にアクセス可能であってもよい。作業空間内で行われる機械加工と、ケーブルガイド空間内の接続ケーブルのケーブルガイドと、の空間的分離は、機械加工中に、例えば粉末粒子または材料の切れ端の形態で発生する汚染物質がケーブルガイド装置内に入らず、ケーブルガイド装置を損傷させないという点で有利である。
【0035】
導入された開口部を有する隔壁は、好ましくは、接続ケーブルの移動を妨げず、一方、ケーブルガイド空間に侵入する汚れの可能性を最小限に抑えるように構成されるべきである。
【0036】
特に好ましい実施形態では、前記工作機械は、また、前記隔壁の前記開口部に配置され、前記隔壁の前記開口部を開閉する制御可能な蓋を含む。
【0037】
これにより、ケーブルガイド空間と作業空間との間の隔壁の補足として、ケーブルガイド装置の確実な保護を実現できる。この場合、上記のケーブル接続工具の停止位置は、ケーブルガイド空間内に設定されてもよい。ケーブル接続工具が使用されない場合、それは、接続ケーブルと共にケーブルガイド空間内に完全に配置されていてもよく、制御可能な蓋で開口部を閉じることによって作業空間から完全に分離されていてもよい。
【0038】
特に好ましい実施形態では、前記ケーブルガイド装置は、また、前記接続装置から来て前記第1偏向ローラー上を走行する前記接続ケーブルを、前記隔壁の前記開口部を通って前記作業空間内へガイドするように構成された第2偏向装置を含む。
【0039】
第2偏向装置は、有利には、接続ケーブルと第1偏向ローラーとの間の一定の接触面積を確保することを可能にし、さらに、作業空間内の接続ケーブルのための一定の移動の自由を可能にする。第2偏向装置は、有利には、ケーブル向きだけでなく、接続ケーブルの移動を可能にするように構成されてもよく、その結果、ケーブル接続工具を用いるために必要とされる接続ケーブルの移動は、特に第1偏向ローラーの領域において、接続ケーブルのねじれまたは詰まりの危険性なしに実行される。
【0040】
特に好ましい実施形態では、前記工作機械は、また、前記ケーブル接続工具を受け入れるように構成された保管ステーションを含む。
【0041】
特に好ましい実施形態では、前記ケーブル接続工具のための前記保管ステーションは、移動可能に構成され、また、前記ケーブルガイド空間内の保管位置P0と、前記作業空間内の移行位置P1と、の間で、前記隔壁の前記開口部を通って移動されるように構成されている。
【0042】
特に好ましい実施形態では、前記第1変位領域は、前記工具が前記保管ステーションにある場合に、前記変位領域が前記ケーブルガイド空間内の前記保管位置P0から前記作業空間内の前記移行位置P1まで延在するように規定される。
【0043】
可動保管ステーションは、ケーブル接続工具が使用されていない場合、および機械加工
装置に設けられている場合に、ケーブル接続工具を保管するために有利な方法で用いられてもよい。使用されない場合、ケーブル接続工具を内部に備えた保管ステーションは、ケーブルガイド空間内に完全に位置する保管位置P0に移動されてもよく、好ましくは、制御可能な蓋によって作業空間から完全に分離されてもよい。工作機械の機械加工装置による受け入れのためのケーブル接続工具を提供するために、蓋が開いている場合、保管ステーションは、開口部を通って作業空間内の移行位置P1まで移動されてもよい。有利には、第1変位領域は、保管位置P0から移行位置P1への保管ステーションの移動中に、接続ケーブルが第1張力重りの重量によってのみ予張力をかけられるように規定されていてもよい。これにより、接続ケーブルの予張力に起因して工具に作用する力は、停止位置から傾かないように、または詰まらないように、低く保たれてもよい。
【0044】
特に好ましい実施形態では、前記ケーブルガイド装置の前記第1および/または前記第2ガイド装置は、前記第1ガイド装置でガイドされる前記スライドおよび/または前記第2ガイド装置でガイドされる前記張力重りG1およびG2の移動方向が、地球の重力場に対して垂直または平行となるように配置されている。
【0045】
2つの張力重りGおよびGの重量を最適に利用するために、2つのガイド装置は、地球の重力場に対して平行に配置されていてもよい。加えて、これにより、張力重りGおよびGとスライドとがガイド装置内で詰まる危険性を最小限に抑えることができる。さらに、第1偏向ローラーに延びるか、または第1偏向ローラーから来る接続ケーブルの部分は、また、地球の重力場に対して平行に向いていてもよい。これにより、これらの領域において、接続ケーブルは、自重によって曲がらない。
【0046】
特に好ましい実施形態では、前記ケーブル引張装置と、前記第1ガイド装置でガイドされる前記スライドと、の間の接続は、弾性部品または粘弾性部品を介して行われる。
【0047】
工作機械の機械加工装置の移動運動は、通常、ガタガタ動きまたは高速であるので、追加の弾性部品または粘弾性部品も、張力重りの不要な振動など、ケーブルガイド装置に伝達される動的影響を低減できる。
【0048】
特に好ましい実施形態では、前記ケーブルガイド装置は、前記2つの張力重りGおよびGに加えて、N≧1および1≦n≦Nとして、N個の追加の張力重り[ZG、・・・、ZG、・・・、ZG]を含み、前記N個の追加の張力重りは、前記第1偏向ローラー上を走行する前記接続ケーブルが、前記ケーブル接続工具の前記(N+2)個の変位領域うちの(n+2)番目の変位領域内にあり、前記張力重りG,GおよびZGからZGまでの重量の合計によって生成される力によって予張力がかかるように、前記第2ガイド装置でそれぞれ移動可能にガイドされる。
【0049】
したがって、本発明は、2つの張力重りのみを有するケーブルガイド装置に限定されず、さらなる追加の張力重りを用いることによって、有利にさらに発展されてもよい。追加の張力重りの個数は、Nで示され、例えば、N=0の場合、2つの張力重りが、N=1の場合、3つの張力重りが第2ガイド装置などに配置され、ケーブルガイド装置が全部で5つの張力重りを有する場合、これらは、G、G、ZG、ZG、およびZGと示される。
【0050】
複数の張力重りを用いることによって、接続ケーブルの様々な水準の予張力を有する対応した多数の変位領域は、有利な方法で提供されてもよい。工作機械の幾何学的サイズまたは機械加工装置によって保持されるケーブル接続工具の横断距離に応じて、自重によって引き起こされる過剰な撓みを回避するために、自由に吊り下げられる接続ケーブルの比較的大きな距離を考慮して、必要な予張力をかけてもよい。
【0051】
N個の追加の張力重りを備えた実施形態によれば、第2ガイド装置は、最大N個の追加の停止装置[ZAG、・・・、ZAG、・・・、ZAG]を有してもよく、停止装置[ZAG、・・・、ZAG、・・・、ZAG]は、第2ガイド装置に対する追加の張力重り[ZG、・・・、ZG、・・・、ZG]の開始位置を規定し、これにより、さらなるN個の変位領域を規定する。
【0052】
特に好ましい実施形態では、第2ガイド装置は、第1張力重りGのための停止装置AGと、第2張力重りGのための停止装置AGと、を含み、停止装置AGおよびAGは、第2ガイド装置に対する張力重りGおよびGの開始位置を規定し、これにより、第1および第2の変位領域を規定する。
【0053】
特に好ましい実施形態では、前記第1ガイド装置でガイドされる前記スライドは、また、前記スライドの移動方向に作用する復元弾性部品を介して、前記工作機械に接続される。
【0054】
上記のような復元弾性部品は、例えば、スライドの変位に依存する復元力であって、接続ケーブルの追加の予張力のためにスライド自体に作用する復元力を生成するばねの形態で構成されていてもよい。ケーブル接続工具の個々の変位領域において一定な力であって、張力重りGおよびGの重量によって生じる力に加えて、変位依存復元力は、接続ケーブルの予張力にも作用する。ばねの構成およびその特定のばね特性(例えば、線形依存性またはより高い程度の多項式依存性)に応じて、任意の区分的に連続した多項式予張力曲線は、ケーブル接続工具の変位に基づいて、接続ケーブルのために提供されてもよい。結果として、それぞれの変位領域における予張力の曲線は、特定の用途に最適に適合され得る。
【0055】
特に好ましい実施形態では、前記工作機械の前記機械加工装置は、線形軸として構成された3つの数値制御された機械軸を介して移動されるように構成されている。
【0056】
特に好ましい実施形態では、前記工作機械は、また、2つの数値制御された機械軸を含み、前記2つの数値制御された機械軸は、回転軸として構成され、互いに直交または傾斜し、加工対象物を搬送するように構成された前記工作台を、前記機械加工装置に対して方向付けるように構成されている。
【0057】
本発明に係る工作機械の実施形態は、機械加工装置を移動させるための3つの直線軸と、加工対象物搬送工作台を方向付けるための2つの回転軸と、を有する。このようにして達成される、工具を搬送する機械加工装置に関して機械加工される加工対象物の位置決めおよび方向付けの可能性により、加工対象物を工作台自体で毎回再調整する必要なく、加工対象物の広範囲の機械加工が可能となる。
【0058】
有利には、ケーブル接続工具が、この目的のために提供された移動可能に構成された保管ステーションから受け取られ、および/または保管ステーションに挿入されることを妨げないように、工作台は、回転軸を介して方向付けられてもよい。
【0059】
本発明のさらなる態様によれば、ケーブルガイド装置は、フレキシブル接続ケーブルを提供しガイドするために提供され、前記ケーブルガイド装置は、第1ガイド装置と、前記第1ガイド装置で移動可能にガイドされるスライドと、前記スライドに回転可能に接続された第1偏向ローラーと、第1張力重りG1と、前記第1張力重りGを前記第1ガイド装置にガイドされた前記スライドに接続するケーブル引張装置と、を含む。前記接続ケーブルは、自由端と、接続装置に接続された固定端と、を有して、前記第1偏向ローラー上
を走行する。前記ケーブルガイド装置は、また、第2張力重りGと、張力重りGおよびGがそれぞれ可動式でガイドされる第2ガイド装置と、を含む。前記ケーブルガイド装置は、次のように構成されている。前記第1偏向ローラー上を走行する前記接続ケーブルは、前記第1張力重りGの重量によって生成される力によって、自由端の第1変位領域において、予張力がかかり、前記張力重りGおよびGの重量の合計によって生成される力によって、前記自由端の第2変位領域において、予張力がかかる。
【0060】
本発明に係るケーブルガイド装置は、数値制御された工作機械上での使用に限定されず、様々な種類の接続ケーブルをガイドし、張力をかけるために使用されてもよく、そのために、様々な力の大きさを有する予張力が特に好都合であることが判明している。以下に列挙する利点は、ケーブルガイド装置を有する前述の工作機械にも適用される。
【0061】
本発明に係るケーブルガイド装置は、特に、接続ケーブルの自由端に特別に形成されたアダプターを介して、供給源を消費するものに接続するように構成された固定および/または移動供給ステーションでの使用に適している。接続ケーブルによって伝達される媒体は、電気、光学、または、固体、液体、または気体物質の形態の材料であってもよい。その非限定的な例は、電気エネルギーを車両または車両のような装置に供給するための充電ステーション、気体および/または液体燃料を消費するものに供給するための燃料供給ステーションまたはポンプステーション、または、様々な工具のための圧縮空気供給装置である。
【0062】
第1変位領域における第1張力重りGによって引き起こされる接続ケーブルの予張力は、初期状態、例えば、接続を確立するために設けられたアダプターの開始位置において、基本張力として用いられてもよい。当該基本張力は、アダプターの定位置と、当該開始位置における接続ケーブルの一貫して均一な予張力と、を保証する。このような開始位置において、接続ケーブルおよびケーブルガイドの個々の部分に対する物質的な負荷を低く保ち、これにより、それらの耐用年数を不必要に短くしないために、第1張力重りGによって引き起こされる予張力は、比較的低く選択されてもよい。
【0063】
消費するものとの接続を確立する目的で自由端またはアダプターを撓ませるには、通常、接続ケーブルの予張力の調整が必要であり、なぜなら、開始位置で設定された予張力は、通常、ケーブル端部またはアダプターの撓みが増加した場合に、もはや十分ではないからである。例えば、単一の張力重り、この場合では、第1張力重りGの自重によって引き起こされる接続ケーブルの大きな撓みは、確実に防止されることができず、その結果、使用しにくくなり、所望の機能が不必要に妨げられる可能性がある。
【0064】
上記のような状況は、本発明に係る装置の範囲内で提供される第2張力重りGの追加的な使用によって防がれる可能性があり、なぜならば、第1張力重りGの重量を用いるだけでなく、張力重りGおよびGの両方の重量を用いることによっても、上述の接続を確立する過程において、接続ケーブルは、有利に予張力がかけられるからである。本発明に係る装置の第2変位領域は、特定の状況に適合されるべきであり、自由端またはアダプターの比較的小さい撓みの後に第1変位領域に従う。
【0065】
ばね戻りに基づく予張力を用いるのとは対照的に、本発明に係る装置は、第1および第2変位領域の両方において自由端またはアダプターの撓み/変位が増大することにつれて接続ケーブルに一定の予張力がかかるので、特に有利である。一方、例えば、撓みに応じて増加する接続ケーブルの予張力を有するばね戻りは、自由端/アダプターの撓みを不必要に複雑にするだけであり、これは、特に大きな変位量の場合に、人によって通常実行される。
【0066】
特に好ましい実施形態では、前記ケーブルガイド装置は、前記接続装置の前記固定端から来て前記第1偏向ローラー上を走行する前記接続ケーブルを撓ませるように構成された、1つまたは複数の連続するさらなる偏向装置をさらに含む。
【0067】
さらなる偏向装置を介した接続ケーブルの撓みにより、装置を様々な構成で使用できることが補償されるため、接続ケーブルの自由端の引き出し方向は、ケーブルガイド装置に対して様々な空間方向に延び得る。例えば、本発明に係るケーブルガイド装置が上述のように供給ステーションに使用される場合、基準面に平行に延びる引き出し方向は、供給ステーションが基準レベルに設けられている場合に有利であることが証明されてもよく、一方、供給ステーションが基準面の上方の高さに設けられている場合には、基準面に直交する引き出し方向が有利であることが調整されてもよい。
【0068】
特に好ましい実施形態では、前記ケーブルガイド装置は、前記2つの張力重りGおよびGに加えて、N≧1および1≦n≦Nとして、N個の追加の張力重り[ZG、・・・、ZG、・・・、ZG]を含み、前記N個の追加の張力重りは、前記ケーブル接続工具の前記(N+2)個の変位領域うち(n+2)番目の変位領域内の前記第1偏向ローラー上を走行する前記接続ケーブルが、前記張力重りG,GおよびZGからZGまでの重量の合計によって生成される力によって予張力がかかるように、前記第2ガイド装置でそれぞれ移動可能にガイドされる。
【0069】
したがって、本発明に係るケーブルガイド装置は、2つの張力重りのみを用いることに限定されず、さらなる追加の張力重りを用いることによって、有利にさらに発展されてもよい。追加の張力重りの個数は、Nで示され、例えば、N=0の場合、2つの張力重りが、N=1の場合、3つの張力重りが第2ガイド装置などに配置され、ケーブルガイド装置が全部で5つの張力重りを含む場合、これらは、G、G、ZG、ZG、およびZGと示される。
【0070】
したがって、接続ケーブルの様々な程度の予張力を用いてこのようにして得られる複数の変位領域は、有利には自由端の特定用途の撓みに適合さてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0071】
上述の態様および特徴のためのさらなる態様および利点、ならびに、より具体的な実施形態の選択は、添付図に示される図面の助けを借りて以下に説明される。
【0072】
図1図1は、レーザー式機械加工のために構成された工作機械の斜視図を、作業空間の図と共に示す。
図2a図2aは、本発明に係る工作機械の断面を、ケーブルガイド装置の図と共に示すが、接続ケーブルは、図示していない。
図2b図2bは、図2aと同じケーブルガイド装置の構造を、代替的な斜視図で工作機械の一方側に示す。
図3a図3aは、第1偏向ローラーによってもたらせられる接続ケーブルの予張力を有するケーブルガイド装置の一部の概略的な模式図を示し、作用する力が自由体図で示されている。
図3b図3bは、図3aの構造の概略図の補足として、ケーブルガイド装置の第1偏向ローラーを介して接続ケーブルに作用する予張力の例示的な曲線を示す。
図4図4は、ケーブル接続工具のための可動保管ステーションを有するケーブルガイド装置の一部分の縮小図を示す。
【0073】
ここで、図中の同じまたは類似の部品は、同じ参照記号によって示されてもよいし、別参照記号によっても示されてもよい。
【0074】
本発明は、以下に説明される例示的な実施形態およびその実装特徴に決して限定されないことが強調される。本発明は、また、言及された例示的な実施形態の修正、特に、独立請求項の範囲内に記載された例示的な実施形態の1つまたは複数の特徴の修正および/または組合せから生じる修正を含む。
【発明を実施するための形態】
【0075】
図1は、本発明に係るレーザー式機械加工のために構成された工作機械10の斜視図を、作業空間の図と共に示す。
【0076】
図は、3つの直線軸を介して移動されることができる機械加工装置11であって、フレキシブル接続ケーブル101を有するケーブル接続工具12、この場合は、レーザー加工のために構成された工具、を運ぶ機械加工装置11を有する数値制御された工作機械10を示す。
【0077】
工具12が受け入れられた機械加工装置11は、工作台13に固定された加工対象物(ここでは図示せず)を機械加工するために用いられ、工作台13は、互いに直交し、回転軸として構成された2つの機械軸R1およびR2を介して、機械加工装置11に対して方向付けられ得る。
【0078】
図は、工作台13に取り付けられた加工対象物に対して、機械加工が行われる工作機械10の作業空間を示している。ケーブル接続工具12の接続ケーブル101は、作業空間に隣接するケーブルガイド空間内の隔壁20の後方に配置されたケーブルガイド装置100(図示せず)によってガイドされて提供される。その結果、ケーブルガイド装置100の高精度な機械部品は、機械加工中に生じる汚染から保護される。
【0079】
接続ケーブルは、隔壁20に形成された開口部21を通って導入され、開口部21は、図1に開いた状態で示され、図示の例示的な実施形態では、制御可能な蓋22によって閉じられ得る。
【0080】
ケーブル接続工具12が使用されない場合、ケーブル接続工具12は、有利には、制御可能な蓋22を閉じることによって作業空間から完全に分離されてもよいケーブルガイド空間内に配置される。
【0081】
ケーブルガイド装置100(ここでは図示せず)を使用することによって、接続ケーブルは、機械加工装置11によって使用される場合に、2つの張力重りG121およびG122の重量の合計に基づく力により、第2変位領域に応じる予張力がかけられ、これにより、図1に示されるような自重によって引き起こされる接続ケーブル101の撓みは、大幅に低減される。その結果、接続ケーブル101による加工対象物の機械加工の妨げ、または、接続ケーブル101が工作機械10の他の機械部品、例えば工作台13と衝突することさえも、防止され得る。
【0082】
さらに、接続ケーブルの撓みの低減は、過剰な曲げの結果としての接続ケーブル101自体の損傷を回避できるという点で有利である。
【0083】
図2aは、本発明に係る工作機械10の断面を、ケーブルガイド装置100の図と共に示すが、接続ケーブル101は、図示していない。
【0084】
図は、スライド111と張力重りG121およびG122とが移動可能にガイドされる2つのガイド装置110,120を示す。2つのガイド装置110,120は、張力
重りG121およびG122とスライド111との移動方向が地球の重力場に平行に延びるように、工作機械10の一方側に垂直に配置されている。さらに、図示の例示的な実施形態における2つのガイド装置110,120は、張力重りG121およびG122とスライドとの最適かつ抵抗のないガイドを確実にするために、平行に配置されたガイドレールとして構成されている。
【0085】
図示の例示的な実施形態では、ケーブル引張装置130は、接続ケーブル131と、2つの偏向ローラー132と、を含み、スライド111を第1張力重りG121に接続する。
【0086】
接続ケーブル101(ここでは図示せず)は、接続装置102から第1偏向ローラー103上を走行し、第2偏向装置104によって工作機械10の作業空間内にガイドされる。第2偏向装置104は、第1偏向ローラー103から来て、この部分において垂直に延びる接続ケーブル101がほぼ円弧状の経路で作業空間内に方向付けられるように構成され、この場合、接続ケーブル101の200mmの最小曲げ半径を下回る落下は、起こらない。第2偏向装置104は、この位置に入る接続ケーブル101を可能な限り正確な位置で受け入れることができるように、上側にテーパが付けられた部分を有する。供給ラインのための作業空間に面する第2偏向装置の側面は、機械加工装置11を通ってガイドされるときに、ケーブル接続工具12の動きに対応する自由度を保証するために、開口する形状を有する。
【0087】
第1偏向ローラー103とは対照的に、第2偏向装置104は、移動可能に構成されていない。移動するとき、接続ケーブルは、第2偏向装置の表面上を滑り、そのため、第2偏向装置104と接続ケーブル101との間で可能な限り低い摩擦係数の材料の組み合わせが好ましい。
【0088】
図2aに示されるケーブルガイド装置100の構成では、第1張力重りG121の重量のみが、ケーブル引張装置130の接続ケーブル131を介して、スライド111に作用し、これにより、第1偏向ローラー103に作用して、接続ケーブル101(ここでは図示せず)に予張力をかける。
【0089】
第2張力重りG122は、この目的のために第2ガイド装置120の側面に構成された停止装置AG124に当接する。第2張力重りG122は、ケーブル引張装置130の接続ケーブル131に接続されていないので、その重量は、図示の構成における接続ケーブル101の予張力に影響を与えない。
【0090】
工具12に配置された接続ケーブル101の端部が、工作機械の作業空間の方向に次第に向くまたは変化すると、第1偏向ローラー103は、第1ガイド装置110によって指定された方向に沿って、鉛直下方に引っ張られる。
【0091】
これにより、ケーブル引張装置130は、第1張力重りG121を、第2ガイド装置120によって指定された向きに沿って、上方に引っ張る。第1張力重りG121の変位が増大すると、第1張力重りG121は、第1変位領域と第2変位領域との間の移行において、同様に第2ガイド装置120でガイドされる第2張力重りG122と接触する。2つの張力重りG121およびG122の接触面は、第1張力重りG121が上方に変位すると、第2張力重りG122も変位するように構成される。この場合では、第2張力重りG122の下側が、第1張力重りG121の上側に載る。これにより、第2張力重りG122の重量は、第1張力重りG121との接触を介して、ケーブル引張装置130の接続ケーブル131に作用し、したがって、第1偏向ローラー103に接続されたスライド111にも作用し、その結果、その上を走行する接続ケーブル10
1は、2つの張力重りG121およびG122の重量の合計に基づく力によって、予張力がかけられる。
【0092】
したがって、第2変位領域から始まる第1張力重りG121および第2張力重りG122の下方への移動中、停止装置AG124に達すると、2つの張力重り121,122の間の接触の喪失が生じ、その結果、第1変位領域への移行時に、第1張力重りG121によって生じた重量のみが、接続ケーブル101に予張力をかけるために使用される。
【0093】
ここで、停止装置AG124の位置は、第1変位領域と第2変位領域との間の移行位置を調整するために使用されてもよい。
【0094】
この時点で、接続ケーブル101の様々な予張力、特にそれらの互いの移動をともなう個々の変位領域の実施形態は、この例示的な実施形態で提示される張力重り121,122間の直接接触に限定されないことに留意されたい。複数の張力重り121,122による予張力は、ケーブル引張装置130の接続ケーブル131上の所定の位置に固定された対応する止め具によって、かけられてもよく、接続ケーブル131は、張力重り121,122を通って、または張力重り121,122の切り欠きを通ってガイドされ、接続ケーブル131の撓みが増大することによって、接続ケーブル131上の上記のような止め具と、張力重り121,122のうちの1つと、の間で接触が形成され、その結果、関連する張力重り121,122の重量は、固定された止め具を介して接続ケーブル131に加えられ、これにより、第1ガイド装置110内のスライド111に作用する。
【0095】
また、ケーブル引張装置130は、図2aに示す構造に限定されず、張力重り121,122の重量によって生じる力と、接続ケーブル101に作用する予張力と、の間の様々な伝達比を達成するために、滑車のような(tackle-like(flaschenzugaehnlicher))形態で配置されてもよいことに留意されたい。
【0096】
図2aに示すケーブルガイド装置100の構造は、小さな設置空間で工作機械10の一方側に設けられていてもよく、比較的深さが小さいため、非常に省スペースである。
【0097】
図2bは、図2aと同じケーブルガイド装置100の構造を、代替的な斜視図で工作機械10の一方側に示す。
【0098】
図2aに示す斜視図の補足として、第1張力重りG121の停止装置AG123も図2bに示されている。
【0099】
停止装置AG123は、第1張力重りG121の開始位置を規定し、これにより、ケーブルガイド装置100の第1変位領域を規定し、さらに、第1張力重りG1が第1ガイド装置110から脱落することを防止する。これは、例えば、接続ケーブル131に張力がかかっていない、または固定されていなくても、張力重りG121がガイドから落ちることができないので、ケーブルガイド装置の保守および/または組立作業に特に有益であることが分かる。
【0100】
第1ガイド装置110でガイドされるスライド111の詳細図もある。スライド111は、三角形の構造を有し、第1ガイド装置110の一方のガイドレールに2点で摺動可能に取り付けられ、1点で第1ガイド装置110の他方のガイドレールに摺動可能に取り付けられ、その結果、スライド111の詰まりを確実に回避できる。図3aは、第1偏向ローラー103によってもたらせられる接続ケーブル101の予張力を有するケーブルガイド装置100の一部の概略的な模式図を示し、作用する力が自由体図で示されている。
【0101】
工作機械の接続装置102から来る接続ケーブル101は、第1偏向ローラー103の上を走行する。第1偏向ローラー103の後の接続ケーブル101の位置の変位は、xで示され、接続ケーブル101がどのくらい強く撓むか示す。偏向ローラーは、スライド111(図3aでは図示せず)に回転可能に接続され、スライド111には、接続ケーブル101に予張力をかけるための力Fがケーブル引張装置130の接続ケーブル131を介して張力重りG1およびG2によって作用し、予張力は、図3aにおいて自由体力(free-body force(Schnittkraft))Sで描かれている。
【0102】
図3aに示される構造において、関係S=0.5×Fは、スライドに作用する力Fに基づく自由体力Sに適用される。ここで、自由体力Sは、接続ケーブルに作用する法線力と解釈される。
【0103】
撓みx>0は、力Fが作用する第1偏向ローラー103を下方に引っ張るようにさせ、撓みxに応じて、力Fは、第1変位領域における第1張力重りG121の重量、または第2変位領域における2つの張力重りG121およびG122の重量の合計のいずれかに基づく。
【0104】
図3bは、図3aの構造の概略図に加えて、ケーブルガイド装置100の第1偏向ローラー101を介して接続ケーブル101に作用する予張力の例示的な曲線を示す。
【0105】
張力重りG121およびG122の質量は、公式記号mおよびmによって表され、地球の重力場の重力定数は、gによって表される。Sは、接続ケーブル101における予張力を表す自由体力、xは、撓みまたは変位状態を表す。
【0106】
図示の区分的に連続した曲線では、第1変位領域は、x<x<xであり、ここでは、mgの重量は、ケーブル引張装置130を介して、スライドに作用する。これにより、図3(a)に示した力関係によれば、自由体力S=0.5mgが接続ケーブルに生じる。
【0107】
撓みx=xに基づいて、第1変位域から第2変位域への移行が生じ、その結果として、撓みx>xでは、接続ケーブル101の予張力は、2つの張力重りG121およびG122の重量の合計に基づく。すなわち、S=0.5(mg+mg)である。
【0108】
移行位置x=xの正確な位置は、とりわけ、第2ガイド装置120における停止装置AGおよびAGの位置によって決定されてもよい。
【0109】
可動保管ステーション140を有する工作機械10の実施形態に関して、保管位置P0は、x<x<xである第1変位領域内にあるように選択される。ケーブル接続工具12を機械加工装置11に移行するための移行位置P1は、好ましくは、第1変位領域内の移行位置x=xのすぐ近くで選択される。
【0110】
なお、図3aおよび図3bに示す物理的関係は、単純化の仮定に基づくものであり、例えば、機構を機能的に説明するのに役立つものしか図示していないため、接続ケーブル131の摩擦または自重等の影響は、考慮されていない。
【0111】
これが明示的に示されていなくても、図3bに示される予張力の区分的連続曲線に対して、N個の追加の張力重り(N≧1)の使用は、示される2つの予張力段階に加えて、それぞれの変位領域を有するN個のさらなる予張力段階をもたらす。撓みが増加すると、予張力領域上で一定である所定の予張力は、前の予張力段階での予張力よりも大きくなるこ
とがわかる。これは、撓みを増加させる方向にN+2(予張力)段階を有する階段状予張力プロファイルをもたらす。
【0112】
図4は、ケーブル接続工具12のための可動保管ステーション140を有するケーブルガイド装置100の一部分の縮小図を示す。張力重りG121およびG122とケーブル引張装置130とは、図4には示されていない。
【0113】
第1偏向ローラー103上および第2偏向装置104上を走行する接続ケーブル101は、工作機械10の接続装置102を、ケーブル接続工具12に接続する。
【0114】
図4に示す例では、ケーブル接続工具12は、機械加工装置11によって受け入れられておらず、方向Rに移動可能に構成された工作機械10の保管ステーション140内に配置されている。
【0115】
ケーブル接続工具12を受け入れるために、保管ステーション140は、上側に切り欠きを有し、切り欠きには、工具12の外縁に適合し、工具が正確に嵌合して挿入され得る。
【0116】
保管ステーション140は、工作機械の機械加工装置11によって受け入れられるために、保管位置P0から移行位置P1まで方向Rに移動するように構成され、移動方向Rは、有利には、地球の重力場に対して直角に延びる。
【0117】
保管ステーション140は、第2偏向装置104から来る接続ケーブル101の部分が移動方向Rとほぼ平行に延びるように配置されている。これにより、接続ケーブル101からケーブル接続工具12に作用する力は、移動方向Rにほぼ平行に作用し、その結果、保管ステーションにおける工具12の詰まりを回避できる。工具12が保管ステーションにある場合の接続ケーブル101の予張力は、好ましくは第1張力重り121の重量によってのみもたらされるので、詰まりは、工作機械のケーブルガイド装置100の本発明の構成によって、さらに防止される。
【符号の説明】
【0118】
10 工作機械
11 機械加工装置
12 ケーブル接続工具
13 工作台
20 隔壁
21 隔壁の開口部
22 蓋
100 ケーブルガイド装置
101 接続ケーブル
102 接続装置
103 第1偏向ローラー
104 第2偏向装置
110 第1ガイド装置
11 スライド
120 第2ガイド装置
121 第1張力重りG
122 第2張力重りG
123 第1張力ウェイトGのための第1停止装置AG
124 第1張力ウェイトGのための第2停止装置AG
130 ケーブル引張装置
131 接続ケーブル
132 偏向ローラー
140 保管ステーション
S 接続ケーブルにおける自由体力
F ケーブル引張装置の引張力
R 保管ステーションの移動方向
R1 第1回転軸
R2 第2回転軸
図1
図2a
図2b
図3a
図3b
図4