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特許7618705単一のボタンで水路の切り替え及び回路の開閉を制御する構造及びシャワーヘッド
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-10
(45)【発行日】2025-01-21
(54)【発明の名称】単一のボタンで水路の切り替え及び回路の開閉を制御する構造及びシャワーヘッド
(51)【国際特許分類】
   A47K 3/28 20060101AFI20250114BHJP
   B05B 1/18 20060101ALI20250114BHJP
   H01H 13/20 20060101ALI20250114BHJP
【FI】
A47K3/28
B05B1/18
H01H13/20 A
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022576504
(86)(22)【出願日】2021-08-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-05
(86)【国際出願番号】 CN2021112722
(87)【国際公開番号】W WO2022037515
(87)【国際公開日】2022-02-24
【審査請求日】2023-04-17
(31)【優先権主張番号】202010825547.0
(32)【優先日】2020-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518436504
【氏名又は名称】厦門松霖科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】陳▲ボ▼仁
(72)【発明者】
【氏名】張煉
(72)【発明者】
【氏名】劉汀科
(72)【発明者】
【氏名】張明富
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0138456(US,A1)
【文献】特開2011-087921(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107350097(CN,A)
【文献】特開2016-140767(JP,A)
【文献】特開昭52-084070(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 3/02- 4/00
B05B 1/18
H01H 13/00-13/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一のボタンで水路の切り替え及び回路の開閉を制御する構造であって、
単一のボタンである操作部材、伝動部材、水路切替部材及び回路制御モジュールを含み、
前記操作部材は、前記伝動部材を介して前記水路切替部材を回動させることで水路を切り替え、前記水路切替部材は、水路の切り替え過程で前記回路制御モジュールを駆動させ、
前記回路制御モジュールは正極導電ピン及び負極導電ピンであり、前記水路切替部材には押圧部材が設置されており、水路の切り替え過程において、前記押圧部材は前記正極導電ピンと前記負極導電ピンとを導電的に接続することを特徴とする単一のボタンで水路の切り替え及び回路の開閉を制御する構造。
【請求項2】
前記水路切替部材は、連動するよう接続されるラチェットと分水ダイヤル、及び、伝動部材と連動するラチェット爪を含み、前記ラチェットは、前記分水ダイヤルを回動させることで、前記分水ダイヤルの通水孔を異なる吐水ノズルと連通させることを特徴とする請求項1に記載の単一のボタンで水路の切り替え及び回路の開閉を制御する構造。
【請求項3】
前記押圧部材は、前記ラチェットの軸方向に沿って前記ラチェットの上面又は下面に設置されるとともに、前記ラチェットと連動して回動することを特徴とする請求項2に記載の単一のボタンで水路の切り替え及び回路の開閉を制御する構造。
【請求項4】
前記押圧部材は複数とし、且つ前記ラチェットの軸方向に回転するよう対称に分布させることを特徴とする請求項3に記載の単一のボタンで水路の切り替え及び回路の開閉を制御する構造。
【請求項5】
前記分水ダイヤル及び前記ラチェットは連動軸を介して接続されることを特徴とする請求項4に記載の単一のボタンで水路の切り替え及び回路の開閉を制御する構造。
【請求項6】
前記押圧部材は、前記ラチェット爪に設置されるとともに、前記ラチェット爪と連動して揺動することを特徴とする請求項2に記載の単一のボタンで水路の切り替え及び回路の開閉を制御する構造。
【請求項7】
前記伝動部材は揺動部材及び摺動部材を含み、前記揺動部材の両端は前記ボタン及び前記摺動部材にそれぞれ当接しており、前記揺動部材の揺動軸は前記揺動部材の両端の間に設置されることを特徴とする請求項3~6のいずれか1項に記載の単一のボタンで水路の切り替え及び回路の開閉を制御する構造。
【請求項8】
前記摺動部材における前記揺動部材から離間する一端は、前記ラチェット爪に連動するよう接続されて、前記ラチェット爪を前記ラチェットのラチェット歯に対し係接又は分離させることを特徴とする請求項7に記載の単一のボタンで水路の切り替え及び回路の開閉を制御する構造。
【請求項9】
単一のボタンで水路の切り替え及び回路の開閉を制御する構造であって、
単一のボタンである操作部材、伝動部材、水路切替部材、押圧部材及び電子スイッチを含み、
前記操作部材は、前記伝動部材を介して前記押圧部材を揺動させて、前記電子スイッチをオン又はオフさせ、前記押圧部材は、揺動過程で前記水路切替部材を回動させて水路を切り替え
前記押圧部材には、揺動時の円弧の径方向に沿って摺動溝が設置されており、前記操作部材は押しボタンであり、前記伝動部材は、一端が前記摺動溝に摺動するよう接続され、他端が前記押しボタンの移動方向に沿って前記押しボタンに連動するよう接続されることを特徴とする構造。
【請求項10】
前記水路切替部材は分水ダイヤルを含み、前記分水ダイヤルは押圧部材に固定的に接続され、前記押圧部材は、前記分水ダイヤルを回動させることで、前記分水ダイヤルの通水孔を異なる吐水ノズルと連通させることを特徴とする請求項に記載の単一のボタンで水路の切り替え及び回路の開閉を制御する構造。
【請求項11】
シャワーヘッド本体と、請求項1~10のいずれか1項に記載の単一のボタンで水路の切り替え及び回路の開閉を制御する構造を含むことを特徴とするシャワーヘッド。
【請求項12】
シャワーヘッド本体と、単一のボタンで水路の切り替え及び回路の開閉を制御する構造を含むことを特徴とするシャワーヘッドであって、
前記単一のボタンで水路の切り替え及び回路の開閉を制御する構造は、
単一のボタンである操作部材、伝動部材、水路切替部材及び回路制御モジュールを含み、
前記操作部材は、前記伝動部材を介して前記水路切替部材を回動させることで水路を切り替え、前記水路切替部材は、水路の切り替え過程で前記回路制御モジュールを駆動させ、
前記シャワーヘッド本体内には、シャワー水路及びマイクロカレント水路と、マイクロカレントを生成するための主制御盤が設置されており、
前記ボタンは、伝動部材を介して水路切替部材を回動させることで水路を切り替え、前記水路切替部材は、水路の切り替え過程で前記回路制御モジュールを駆動させ
前記回路制御モジュールは正極導電ピン及び負極導電ピンであり、前記水路切替部材には押圧部材が設置されており、水路の切り替え過程において、前記押圧部材は正極導電ピンと負極導電ピンを導電的に接続することを特徴とするシャワーヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水回り用品に関し、特に、水回り用品の吐水端における水路切替制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の水回り用品の吐水端における水路切替装置は、例えば、電子部分を有するシャワーヘッドの場合、通常は複数のボタンが必要であり、1つのボタンが水沫の切り替えに対応し、1つのボタンが回路の切り替えに対応する。しかし、この場合には、外観のデザインや使用上の利便性がたいへん大きく制限される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする主な技術的課題は、単一のボタンで水路の切り替え及び回路の開閉を制御する構造を提供することである。当該構造は、単一のボタンで水路の切り替えを制御することも回路の開閉を制御することも可能なため、従来のシャワーヘッドにおける操作の煩雑さや外観の制限等の欠点が払拭される。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の技術的課題を解決するために、本発明は、単一のボタンで水路の切り替え及び回路の開閉を制御する構造を提供する。当該構造は、操作部材、伝動部材、水路切替部材及び回路制御モジュールを含む。前記操作部材は、伝動部材を介して水路切替部材を回動させることで水路を切り替え、前記水路切替部材は、水路の切り替え過程で前記回路制御モジュールを駆動させる。
【0005】
好ましい実施例において、前記回路制御モジュールは電子スイッチである。前記水路切替部材には押圧部材が設置されている。水路の切り替え過程において、前記押圧部材は電子スイッチに対し当接又は分離する。
【0006】
好ましい実施例において、前記回路制御モジュールは正極導電ピン及び負極導電ピンである。前記水路切替部材には押圧部材が設置されている。水路の切り替え過程において、前記押圧部材は正極導電ピンと負極導電ピンを導電的に接続する。
【0007】
好ましい実施例において、前記押圧部材は、ラチェットの軸方向に沿ってラチェットの上面又は下面に設置されるとともに、ラチェットと連動して回動する。
【0008】
好ましい実施例において、前記押圧部材は複数とし、且つラチェットの軸方向に回転するよう対称に分布させる。
【0009】
好ましい実施例において、前記押圧部材、分水ダイヤル及びラチェットは連動軸を介して接続される。
【0010】
好ましい実施例において、前記押圧部材は、前記ラチェット爪に設置されるとともに、ラチェット爪と連動して揺動する。
【0011】
好ましい実施例において、前記電子スイッチはセルフロックスイッチである。
【0012】
好ましい実施例において、前記操作部材はボタンであり、伝動部材は揺動部材及び摺動部材を含む。前記揺動部材の両端は、ボタン及び摺動部材にそれぞれ当接している。また、揺動部材の揺動軸は、揺動部材の両端の間に設置される。
【0013】
好ましい実施例において、前記摺動部材における揺動部材から離間する一端は、ラチェット爪に連動するよう接続されて、前記ラチェット爪をラチェットのラチェット歯に対し係接又は分離させる。
【0014】
本発明は、更に、単一のボタンで水路の切り替え及び回路の開閉を制御する構造を提供する。当該構造は、操作部材、伝動部材、水路切替部材、押圧部材及び電子スイッチを含む。
【0015】
前記操作部材は、伝動部材を介して押圧部材を揺動させて、前記電子スイッチをオン又はオフさせる。前記押圧部材は、揺動過程で水路切替部材を回動させて水路を切り替える。
【0016】
好ましい実施例において、前記押圧部材には、揺動時の円弧の径方向に沿って摺動溝が設置される。また、前記操作部材は押しボタンである。前記伝動部材は、一端が前記摺動溝に摺動するよう接続され、他端が押しボタンの移動方向に沿って押しボタンに連動するよう接続される。
【0017】
好ましい実施例において、前記水路切替部材は分水ダイヤルを含む。前記分水ダイヤルは押圧部材に固定的に接続されている。前記押圧部材は、分水ダイヤルを回動させることで、分水ダイヤルの通水孔を異なる吐水ノズルと連通させる。
【0018】
本発明は、更に、シャワーヘッド本体と、上記の単一のボタンで水路の切り替え及び回路の開閉を制御する構造を含むシャワーヘッドを提供する。
【発明の効果】
【0019】
従来技術と比較して、本発明の技術方案は以下の有益な効果を有する。
【0020】
本発明が提供する単一のボタンで水路の切り替え及び回路の開閉を制御する構造は、1つのボタンで水路の切替機構を動作させる。水路の切替機構は、水路の切り替え過程において、更に、押圧部材を回動又は揺動させることで電子スイッチの押圧を実現し、電子機能のオン又はオフをトリガする。従って、1つのボタンで水路の切り替え制御も回路の開閉制御も実現可能なことから、従来のシャワーヘッドにおける操作の煩雑さや外観の制限等の欠点が払拭される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1-1】図1-1は、本発明の好ましい実施例1におけるシャワーヘッドの断面図である。
図1-2】図1-2は、本発明の好ましい実施例1におけるシャワーヘッドの電子スイッチが押圧されていないときの水流状態の概略図である。
図2図2は、本発明の好ましい実施例1におけるシャワーヘッドの電子スイッチが押圧されていないときの平面図である。
図3-1】図3-1は、本発明の好ましい実施例1におけるシャワーヘッドの電子スイッチが押圧されたときの断面図である。
図3-2】図3-2は、本発明の好ましい実施例1におけるシャワーヘッドの電子スイッチが押圧されたときの水流状態の概略図である。
図4図4は、本発明の好ましい実施例1におけるシャワーヘッドの電子スイッチが押圧されたときの平面図である。
図5図5は、本発明の好ましい実施例2におけるシャワーヘッドの電子スイッチが押圧されていないときの平面図である。
図6図6は、本発明の好ましい実施例2におけるシャワーヘッドの電子スイッチが押圧されたときの平面図である。
図7図7は、本発明の好ましい実施例3におけるシャワーヘッドの電子スイッチが押圧されたときの平面図である。
図8図8は、本発明の好ましい実施例3におけるシャワーヘッドの電子スイッチが押圧されていないときの平面図である。
図9図9は、本発明の好ましい実施例3におけるシャワーヘッドの断面図である。
図10図10は、本発明の好ましい実施例4におけるシャワーヘッドの平面図である。
図11図11は、本発明の好ましい実施例5におけるシャワーヘッドの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明の実施例に係る図面を組み合わせて、本発明の実施例における技術方案について明瞭簡潔に記載する。なお、言うまでもなく、ここで記載する実施例は本発明の一部の実施例にすぎず、全ての実施例ではない。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的労働を行わないことを前提に取得するその他全ての実施例は、いずれも本発明の保護の範囲に属する。
【0023】
本発明の記載において、説明すべき点として、「上」、「下」、「内」、「外」、「上/底端」等の用語で示される方向又は位置関係は、図示に基づく方向又は位置関係であって、本発明の記載の便宜上及び記載の簡略化のためのものにすぎず、対象となる装置又は部材が特定の方向を有し、特定の方向で構成及び操作されねばならないことを明示又は暗示するものではない。よって、本発明を制限するものと解釈すべきではない。また、「第1」、「第2」との用語は記載の便宜上のものにすぎず、相対的な重要性を明示又は暗示するものと解釈すべきではない。
【0024】
本発明の記載において、説明すべき点として、別途明確に規定及び限定している場合を除き、「装着する」、「設置されている」「覆設する/覆接する」、「接続する」等の用語は広義に解釈すべきである。例えば、「接続する」とは、固定的な接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、一体的な接続であってもよいし、機械的な接続であってもよいし、電気的な接続であってもよい。また、直接的な連なりであってもよいし、中間媒体を介した間接的な連なりであってもよいし、2つの部材内部における連通であってもよい。当業者は、具体的状況に応じて本発明における上記用語の具体的意味を解釈可能である。
【実施例1】
【0025】
図1図4を参照して、本実施例は、シャワーヘッド本体1を含むシャワーヘッドを提供する。シャワーヘッド本体1内には、シャワー水路4及びマイクロカレント水路5と、マイクロカレントを生成するための主制御盤31が設置されている。
【0026】
前記シャワーヘッド本体1には、更に、単一のボタンで水路の切り替え及び回路の開閉を制御する構造が設置されている。単一の操作部材によって、通常のシャワー水からマイクロカレント水への水路の切り替えを実現可能であるとともに、主制御盤によるマイクロカレントの生成も制御可能である。
【0027】
本発明における単一のボタンで水路の切り替え及び回路の開閉を制御する構造は、具体的に、操作部材21、伝動部材22、水路切替部材23及び回路制御モジュールを含む。本実施例における前記回路制御モジュールは電子スイッチ24である。前記水路切替部材23には、電子スイッチ24と連携する押圧部材231が設置されている。前記操作部材21は、伝動部材22を介して水路切替部材23を回動させることで水路を切り替える。前記水路切替部材23は、水路の切り替え過程において、前記押圧部材231が電子スイッチ24に対し当接又は分離することで、前記電子スイッチ24をオン又はオフさせる。
【0028】
本実施例における前記水路切替部材23は、連動するよう接続されるラチェット232と分水ダイヤル233、及び伝動部材22と連動するラチェット爪234を含む。前記ラチェット232は、分水ダイヤル233を回動させることで、分水ダイヤル233の通水孔を異なる吐水ノズルと連通させる。
【0029】
本実施例における押圧部材231及び水路切替部材23の連動方式では、押圧部材231が分水ダイヤル233の回動に伴って回動する。そのため、前記押圧部材231は、ラチェット232の軸方向に沿ってラチェット232の上面又は下面に設置されるとともに、ラチェット232と連動して回動する。これにより、ラチェット232が回動すると、押圧部材231と分水ダイヤル233がラチェット232の回動に伴って同期して回動する。具体的には、前記押圧部材231、分水ダイヤル233及びラチェット232は連動軸25を介して接続される。
【0030】
分水ダイヤル233は、操作部材21の操作に伴って一方向に連続的に回動する。よって、操作部材21を2回押圧すれば電子スイッチ24のオンオフを1回完了し得るよう保証するために、前記押圧部材231は複数とし、且つラチェット232の軸方向に回転するよう対称に分布させる必要がある。
【0031】
本実施例において、前記操作部材21はボタンであり、伝動部材22は揺動部材221及び摺動部材222を含む。前記揺動部材221の両端は、ボタン及び摺動部材222にそれぞれ当接している。また、揺動部材221の揺動軸は、揺動部材の両端の間に設置される。前記摺動部材222における揺動部材221から離間する一端は、ラチェット爪234に連動するよう接続されて、前記ラチェット爪234をラチェット232のラチェット歯に対し係接又は分離させる。ラチェット爪234がラチェット232のラチェット歯から分離すると、ラチェット232はラチェット歯1つ分だけ回動して、分水ダイヤル233と押圧部材231を回動させる。その後、ラチェット爪234は位置復帰してラチェット232の次のラチェット歯に係接し、ラチェット232の回動を止める。これにより、分水ダイヤル233は、シャワー水路と連通する位置又はマイクロカレント水路と連通する位置に停止する。また、押圧部材231も、電子スイッチ24に対し分離する位置又は押圧する位置に停止する。
【0032】
使用時には、図1-1、図1-2、図2に示すように、シャワーヘッドはシャワー水路4が連通した状態となる。吐水機能を切り替えたい場合には、ボタンである操作部材21を押圧し、揺動部材221を揺動させることで、摺動部材222を移動させる。すると、前記摺動部材222の他端がラチェット爪234に連動するよう接続されて、ラチェット爪234をラチェット232のラチェット歯から分離させる(例えば、図3-1、図3-2、図4)。これにより、ラチェット232はラチェット歯1つ分だけ回動して、分水ダイヤル233と押圧部材231を回動させる。その後、ラチェット爪234は位置復帰してラチェット232の次のラチェット歯に係接し、ラチェット232の回動を止める。これにより、分水ダイヤル233はマイクロカレント水路5と連通する位置に停止し、押圧部材231も電子スイッチ24を押圧する位置に停止する。その結果、前記電子スイッチ24がオンとなり、マイクロカレントを生成するための主制御盤32が電力を得て、インジケータ31が点灯する。以上により、1つのボタンで水路の切り替え制御も回路の開閉制御も実現可能となる。
【実施例2】
【0033】
図5及び図6を参照して、本実施例は、以下の点で実施例1と異なっている。即ち、前記押圧部材231は、前記ラチェット爪234に設置されるとともに、ラチェット爪234と連動して揺動する。本実施例の押圧部材231は、実施例1の回動から揺動に変更されている。
【0034】
操作部材21がラチェット爪234を運動させる際に押圧部材231が揺動することで、電子スイッチ24に対するトリガが実現される。ラチェット爪234は、操作部材21が操作されていないときにはラチェット232のラチェット爪234と係接する位置にあり、操作部材21が操作される過程でのみ位置が変化する。よって、電子スイッチ24に対する押圧状態を常に維持することはできないため、本実施例において、前記電子スイッチ24はセルフロックスイッチとなる。電子スイッチ24は、接触されるだけでオンオフ状態を切り替え可能であり、常に電子スイッチ24を押圧しておく必要はない。
【0035】
残りの部分については実施例1と同様のため、改めて詳述しない。
【実施例3】
【0036】
図7図9を参照して、本実施例は、以下の点で実施例1と異なっている。即ち、前記操作部材21は、伝動部材22を介して押圧部材26を直接揺動させて、前記電子スイッチ24をオン又はオフさせる。また、前記押圧部材26は、揺動過程で水路切替部材23を回動させて水路を切り替える。
【0037】
押圧部材26の揺動を実現するために、前記押圧部材26には、揺動時の円弧の径方向に沿って摺動溝261が設置される。また、前記操作部材21は押しボタンである。前記伝動部材22は、一端が前記摺動溝261に摺動するよう接続され、他端が押しボタンの移動方向に沿って押しボタンに連動するよう接続される。押しボタンが押動されると、伝動部材22の一端が摺動溝261内で摺動することで、押圧部材26が揺動する。
【0038】
押圧部材26による水路切替部材の揺動を実現するために、前記水路切替部材は分水ダイヤル233を含む。前記分水ダイヤル233は押圧部材26に固定的に接続されている。前記押圧部材26は、分水ダイヤルを回動させることで、分水ダイヤル233の通水孔を異なる吐水ノズルと連通させる。
【0039】
本実施例では、前記押圧部材26がネジ235により分水ダイヤル233に固定的に接続される。
【実施例4】
【0040】
図10を参照して、本実施例は、以下の点で実施例1と異なっている。即ち、前記電子スイッチ24は2つである。こうすることで、押圧部材231は、一方の電子スイッチ24と当接したときには他方の電子スイッチ24と分離可能となる。これにより、電子機能の切り替えを実現するために、一方の回路をオンとし、他方の回路をオフにするとの目的を達成可能となる。
【実施例5】
【0041】
図11を参照して、前記回路制御モジュールは、正極導電ピン27及び負極導電ピン28である。水路切替部材の構造は実施例1と同じである。ラチェット232が回動するときに、1つの押圧部材231が正極導電ピン27に接続され、もう1つの押圧部材231が負極導電ピン27に接続される。よって、ラチェットを導電材質とするだけで、ラチェット231が回動する際に、正極導電ピン27と負極導電ピン28の電気的な接続又は電気的な接続の切断が可能となり、電子機能のオン又はオフが実現される。
【0042】
以上で述べたように、本発明における単一のボタンで水路の切り替え及び回路の開閉を制御する構造は、操作部材が伝動部材を介して水路切替部材を回動させることで水路を切り替える。前記水路切替部材は、水路の切り替え過程で前記回路制御モジュールを駆動させることで、単一のボタンによる水路の切り替え及び回路の開閉の制御を実現する。本発明は、浴室のシャワーヘッド、キッチンのシャワーヘッド等の多種類の水回りの吐水端に使用可能である。
【0043】
以上の記載は本発明の好ましい具体的実施形態にすぎず、本発明の保護範囲はこれに限らない。本発明で開示した技術範囲において、当業者が本発明の技術方案及びその改良思想に基づき実施する等価の置換又は変更は、いずれも本発明の保護範囲に含まれるものとする。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、単一のボタンで水路の切り替え及び回路の開閉を制御する構造を提供する。当該構造の操作部材は、伝動部材を介して水路切替部材を回動させることで水路を切り替える。前記水路切替部材は、水路の切り替え過程で前記回路制御モジュールを駆動させることで、単一のボタンによる水路の切り替え及び回路の開閉の制御を実現する。本発明は、設計が巧みであり、幅広く使用される。また、シャワーヘッド等の多種類の水回りの吐水端に使用可能である。
図1-1】
図1-2】
図2
図3-1】
図3-2】
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11