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特許7618737正圧を利用してウェーハまたはダイの位置を保持する移動載置装置および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-10
(45)【発行日】2025-01-21
(54)【発明の名称】正圧を利用してウェーハまたはダイの位置を保持する移動載置装置および方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20250114BHJP
   H01L 21/52 20060101ALI20250114BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20250114BHJP
【FI】
H01L21/68 A
H01L21/52 F
H01L21/68 N
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023105894
(22)【出願日】2023-06-28
(65)【公開番号】P2024155656
(43)【公開日】2024-10-31
【審査請求日】2023-06-28
(31)【優先権主張番号】112115053
(32)【優先日】2023-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】515086986
【氏名又は名称】梭特科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】盧▲彦▼豪
【審査官】久宗 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-024150(JP,A)
【文献】特開2021-019137(JP,A)
【文献】特開2000-114343(JP,A)
【文献】特開2022-103047(JP,A)
【文献】特開平08-195428(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
H01L 21/52
H01L 21/683
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正圧を利用してウェーハまたはダイの位置を保持する移動載置装置であって、
前記移動載置装置は、吸着パッド及び保持装置を備え、
前記吸着パッドは、負圧を発生させ、前記負圧によってウェーハまたは複数のダイの上面を吸着し、
前記保持装置は、前記吸着パッドの底部に設置され、下蓋と吸気管を備え、
前記下蓋は前記吸着パッドの本体の底部に設置され、第二チャンバが形成され、
前記吸気管は前記下蓋に設置され、前記第二チャンバと連通しており、
前記吸気管は、外気を前記第二チャンバの内部に導入して正圧を発生させ、前記下蓋が前記正圧によって前記ウェーハまたは前記複数のダイの底面を上に吹き付けて作用する、
移動載置装置。
【請求項2】
前記吸着パッドは、前記本体と、上蓋と、排気管と、を備え、
前記本体に複数のスルーホールが設けられ、
前記上蓋は前記本体の頂部に設置され、前記複数のスルーホールと連通している第一チャンバが形成され、
前記排気管は前記上蓋に設置され、第一チャンバと連通しており、
前記排気管は、前記第一チャンバの内部と前記複数のスルーホールの内部における空気を外へ排出させ、前記負圧を発生させ、前記本体が前記負圧によって前記ウェーハまたは前記複数のダイの上面を吸着する、
請求項1に記載の移動載置装置。
【請求項3】
前記本体の周りにおける頂部と前記下蓋の周りにおける底部を挟むクランプ機構を、さらに備える、請求項1に記載の移動載置装置。
【請求項4】
前記保持装置は、周方向回りに沿って前記本体の周りにおける底部と前記下蓋の周りにおける頂部との間の隙間に設置されるシールをさらに備える、
請求項1または3に記載の移動載置装置。
【請求項5】
正圧を利用してウェーハまたはダイの位置を保持する移動載置方法であって、
(a)吸着パッドが負圧を発生させ、前記負圧によってウェーハまたは複数のダイの上面を吸着する工程と、
(b)保持装置の下蓋が前記吸着パッドの本体の底部に移動され、前記保持装置の吸気管は、外気を前記保持装置の下蓋の第二チャンバの内部に導入し、正圧を発生させ、前記下蓋が前記正圧によって前記ウェーハまたは前記複数のダイの底面を上に吹き付けて作用する工程と、
(c)前記吸着パッドが前記負圧をオフさせ、前記吸着パッドの上蓋が前記本体から離れるように上昇し、前記吸着パッドの一部または全部が前記保持装置と同期に基板の上方に移動する工程と、
(d)前記上蓋は前記本体の頂部に近づくように移動され、前記吸着パッドが前記負圧を発生させ、前記負圧によって前記ウェーハまたは前記複数のダイの上面を吸着し、前記保持装置が前記正圧をオフさせ且つ前記吸着パッドから離脱する工程と、
(e)前記吸着パッドは、前記ウェーハまたは前記複数のダイの底面が前記基板に接触するまで下降する工程と、
(f)前記吸着パッドは、前記負圧をオフさせ、前記ウェーハまたは前記複数のダイから離脱し、前記ウェーハまたは前記複数のダイが前記基板に結合される工程と、
を備える、
移動載置方法。
【請求項6】
工程(a)において、
前記吸着パッドの排気管が、前記吸着パッドの前記本体の第一チャンバの内部と前記本体の複数のスルーホールの内部における空気を外へ排出させ、前記負圧を発生させ、前記本体が前記負圧によって前記ウェーハまたは前記複数のダイの上面を吸着する工程をさらに備える、
請求項5に記載の移動載置方法。
【請求項7】
工程(b)において、
クランプ機構は前記本体の周りにおける頂部と前記下蓋の周りにおける底部を挟む工程をさらに備え、
工程(c)において、
排気管第一チャンバの内部と複数のスルーホールの内部における空気の外への排出を中止し、前記負圧をオフさせる工程と、
前記上蓋が前記本体から離れるように上昇する工程と、
前記本体、前記保持装置、クランプ機構が同期に前記基板の上方に移動する工程と、
前記上蓋が前記本体の頂部に近づくように移動する工程と、をさらに備え、
工程(d)において、
前記排気管が、前記第一チャンバの内部と前記複数のスルーホールの内部における空気を外へ排出させ、前記負圧を発生させ、前記本体が前記負圧によって前記ウェーハまたは前記複数のダイを吸着する工程と、
前記排気管が外気の前記第二チャンバへの導入を中止し、前記正圧をオフさせる工程と、
前記クランプ機構が前記本体と前記上蓋から離れる工程と、
前記保持装置が前記吸着パッドから離脱するように下降する工程と、をさらに備える、
請求項5に記載の移動載置方法。
【請求項8】
工程(b)において、
前記保持装置のシールは、周方向回りに沿って前記本体の周りにおける底部と前記下蓋の周りにおける頂部との間の隙間を消す、
請求項5または7に記載の移動載置方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は移動載置装置および方法に関し、特に正圧を利用してウェーハまたはダイの位置を保持する移動載置装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体の加工プロセスにおいて、ウェーハまたはダイは、通常、移動載置装置によって基板上に搬送される必要がある。以下、2つの従来の移動載置装置および方法について説明する。
【0003】
1つ目の移動載置装置は、第一吸着パッドおよび第二吸着パッドを備え、それに対応する移動載置方法として、第一吸着パッドが負圧を発生させ、負圧によってウェーハまたは複数のダイの上面を吸着する工程と、第一吸着パッドが第二吸着パッドの上に移動する工程と、第一吸着パッドは、ウェーハまたは前記複数のダイの底面が第二吸着パッドに接触するまで下降する工程と、第二吸着パッドが負圧を発生させ、負圧によってウェーハまたは前記複数のダイの底面を吸着する工程と、第一吸着パッドが負圧をオフさせ、ウェーハまたは前記複数のダイから離脱する工程と、第二吸着パッドが基板の上に移動し、180度を回転し、ウェーハまたは前記複数のダイの該上面が下に向く工程と、第二吸着パッドは、ウェーハまたは前記複数のダイの該上面が基板に接触するまで下降する工程と、第二吸着パッドが負圧をオフさせ、ウェーハまたは前記複数のダイから離脱し、ウェーハまたは前記複数のダイが基板上に結合される工程と、を備える。
【0004】
しかしながら、第一吸着パッドがウェーハまたは前記複数のダイを第二吸着パッドに受け渡す期間において、ウェーハまたは前記複数のダイの位置の精度ずれにより、ウェーハまたは前記複数のダイが基板上に載置されている位置の精度ずれが生じてしまう場合がある。
【0005】
さらに、前記複数のダイの位置の精度ずれのため、一部のダイが第二吸着パッドのスルーホールに完全に合わせていないことにより、第二吸着パッドが該一部のダイを吸着する力が大幅に弱くなってしまい、第二吸着パッドが移動する期間において、いくつのダイが第二吸着パッドから離脱して下に落ちてしまう場合もある。
【0006】
2つ目の移動載置装置は、第一吸着パッド、ステージ、および第二吸着パッドを備える。第二の移動載置方法として、第一吸着パッドが負圧を発生させ、負圧によってウェーハまたは複数のダイの上面を吸着する工程と、第一吸着パッドがステージの上に移動する工程と、第一吸着パッドは、ウェーハまたは前記複数のダイの底面がステージに接触するまで下降する工程と、第一吸着パッドが負圧をオフさせ、ウェーハまたは前記複数のダイから離脱する工程と、ステージが第二吸着パッドの下に移動する工程と、第二吸着パッドは、ウェーハまたは前記複数のダイの上面が第二吸着パッドに接触するまで下降する工程と、第二吸着パッドが負圧を発生させ、負圧によってウェーハまたは前記複数のダイの上面を吸着する工程と、第二吸着パッドが基板の上に移動する工程と、第二吸着パッドは、ウェーハまたは前記複数のダイの底面が基板に接触するまで下降する工程と、第二吸着パッドが、負圧をオフさせ、ウェーハまたは前記複数のダイから離脱し、ウェーハまたは前記複数のダイが基板上に結合される工程と、を備える。
【0007】
しかしながら、第一吸着パッドがウェーハまたは前記複数のダイをステージに、並びにステージがウェーハまたは前記複数のダイを第二吸着パッドに受け渡す期間において、ウェーハまたは前記複数のダイの位置の精度ずれにより、ウェーハまたは前記複数のダイが基板上に載置されている位置の精度ずれが生じてしまう場合がある。
【0008】
さらに、前記複数のダイの位置の精度ずれのため、一部のダイが第二吸着パッドのスルーホールに完全に合わせていないことにより、第二吸着パッドが移動する期間において、いくつのダイが第二吸着パッドから離脱して下に落ちてしまう場合もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の主な目的は、ウェーハまたはダイが基板上に載置される位置の精度ずれを回避できる、正圧を利用してウェーハまたはダイの位置を保持する移動載置装置および方法を提供することである。
【0010】
本発明の他の目的は、ダイが吸着パッドから離脱して下に落ちてしまうことを防止することができる、正圧を利用してウェーハまたはダイの位置を保持する移動載置装置および方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述した目的を達成するために、本発明は、吸着パッドと保持装置を備え、正圧を利用してウェーハまたはダイの位置を保持する移動載置装置を提供する。前記吸着パッドが負圧を選択的に発生させ、前記負圧によってウェーハまたは複数のダイの上面を吸着する。前記保持装置が前記吸着パッドの底部に設置され、正圧を選択的に発生させ、前記正圧によって前記ウェーハまたは前記複数のダイの底面を上に吹き付けて作用する。
【0012】
本発明の実施例において、前記吸着パッドは、本体と、上蓋と、排気管と、を備え、前記本体に複数のスルーホールが設けられ、前記上蓋は前記本体の頂部に設置され、前記複数のスルーホールと連通している第一チャンバが形成され、前記排気管は前記上蓋に設置され、第一チャンバと連通しており、前記第一チャンバの内部と前記複数のスルーホールの内部における空気を外へ排出させ、前記負圧を発生させ、前記本体が前記負圧によって前記ウェーハまたは前記複数のダイの上面を吸着する。
【0013】
また、前記保持装置は、下蓋と吸気管を備え、前記下蓋は前記本体の底部に設置され、第二チャンバが形成され、前記吸気管は前記下蓋に設置され、前記第二チャンバと連通しており、前記吸気管は、外気を前記第二チャンバの内部に導入して正圧を発生させ、前記下蓋が前記正圧によって前記ウェーハまたは前記複数のダイの底面を上に吹き付けて作用する。
【0014】
また、前述した移動載置装置は、前記本体の周りにおける頂部と前記下蓋の周りにおける底部を挟むクランプ機構をさらに備える。
【0015】
また、前記保持装置は、周方向回りに沿って前記本体の周りにおける底部と前記下蓋の周りにおける頂部との間の隙間に設置されるシールをさらに含む。
【0016】
前述した目的を達成するために、本発明は正圧を利用してウェーハまたはダイの位置を保持する移動載置方法を提供し、(a)吸着パッドが負圧を発生させ、前記負圧によってウェーハまたは前記複数のダイの上面を吸着する工程と、(b)保持装置が前記吸着パッドの底部に移動して正圧を発生させ、前記正圧によって前記ウェーハまたは前記複数のダイの底面を上に吹き付けて作用する工程と、(c)前記吸着パッドが前記負圧をオフさせ、前記吸着パッドの一部または全部が前記保持装置と同期に基板の上方に移動する工程と、(d)前記吸着パッドが前記負圧を発生させ、前記負圧によって前記ウェーハまたは前記複数のダイの上面を吸着し、前記保持装置が前記正圧をオフさせ且つ前記吸着パッドから離脱する工程と、(e)前記吸着パッドは、前記ウェーハまたは前記複数のダイの底面が前記基板に接触するまで下降する工程と、(f)前記吸着パッドは、前記負圧をオフさせ、前記ウェーハまたは前記複数のダイから離脱し、前記ウェーハまたは前記複数のダイが基板に結合される工程と、を備える。
【0017】
また、工程(a)において、前記吸着パッドの排気管により、前記吸着パッドの本体の第一チャンバの内部と前記本体の複数のスルーホールの内部における空気を外へ排出させ、前記負圧を発生させ、前記本体が前記負圧によって前記ウェーハまたは前記複数のダイの上面を吸着する工程をさらに備える。
【0018】
また、工程(b)において、保持装置の下蓋が前記本体の底部に移動する工程と、前記保持装置の吸気管は、外気を前記保持装置の下蓋の第二チャンバの内部に導入して正圧を発生させ、前記下蓋が前記正圧によって前記ウェーハまたは前記複数のダイの底面を上に吹き付けて作用する工程と、をさらに備える。
【0019】
また、工程(b)において、クランプ機構は前記本体の周りにおける頂部と前記下蓋の周りにおける底部を挟む工程をさらに備え、工程(c)において、前記排気管による前記第一チャンバの内部と前記複数のスルーホールの内部における空気の外への排出を中止し、前記負圧をオフさせる工程と、前記上蓋が前記本体から離れるように上昇する工程と、前記本体、前記保持装置、クランプ機構が同期に前記基板の上方に移動する工程と、前記上蓋が前記本体の頂部に近づくように移動する工程と、をさらに備え、工程(d)において、前記排気管により、前記第一チャンバの内部と前記複数のスルーホールの内部における空気を外へ排出させ、前記負圧を発生させ、前記本体が前記負圧によって前記ウェーハまたは前記複数のダイを吸着する工程と、前記排気管による外気の前記第二チャンバへの導入を中止し、前記正圧をオフさせる工程と、前記クランプ機構が前記本体と前記上蓋から離れる工程と、前記保持装置が前記吸着パッドから離脱するように下降する工程と、をさらに備える。
【0020】
また、工程(b)において、前記保持装置のシールは、周方向回りに沿って前記本体の周りにおける底部と前記下蓋の周りにおける頂部との間の隙間を消す。
【発明の効果】
【0021】
本発明の効果として、該ウェーハまたは前記複数のダイが吸着パッドから基板に移動載置されている期間、1つの吸着パッドによって該ウェーハまたは前記複数のダイを吸着しながら移動し、それと同時に吸着パッド上の前記ウェーハまたは前記複数のダイの位置は保持装置からの正圧によりずれずに保持されることができ、他の吸着パッドに受け渡ししたり、ステージと他の吸着パッドに順序に受け渡ししたりする必要はなく、受け渡し回数を効果的に減少させ、前記ウェーハまたは前記複数のダイが基板上に載置される位置の精度ずれを回避できるようになる。
【0022】
さらに、吸着パッド上の前記複数のダイの位置ずれがないため、前記複数のダイは前記複数のスルーホールとの位置合わせが保持されることができ、吸着パッドが前記複数のダイに対する吸着力が変わらず、前記複数のダイは吸着パッドから外れて下に落ちてしまうことは殆どない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明に係る装置の斜視分解図である。
図2】本発明に係る装置の断面図である。
図3】本発明に係る方法のフローチャートである。
図4】本発明に係る方法の工程S100の模式図である。
図5A】本発明に係る方法の工程S200の模式図である。
図5B】本発明に係る方法の工程S200の模式図である。
図5C】本発明に係る方法の工程S200の模式図である。
図5D】本発明に係る方法の工程S200の模式図である。
図6A】本発明に係る方法の工程S300の模式図である。
図6B】本発明に係る方法の工程S300の模式図である。
図6C】本発明に係る方法の工程S300の模式図である。
図6D】本発明に係る方法の工程S300の模式図である。
図7A】本発明に係る方法の工程S400の模式図である。
図7B】本発明に係る方法の工程S400の模式図である。
図7C】本発明に係る方法の工程S400の模式図である。
図7D】本発明に係る方法の工程S400の模式図である。
図7E】本発明に係る方法の工程S400の模式図である。
図8A】本発明に係る方法の工程S500の模式図である。
図8B】本発明に係る方法の工程S500の模式図である。
図9A】本発明に係る方法の工程S600の模式図である。
図9B】本発明に係る方法の工程S600の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を図面と符号に基づいてより詳しく説明し、当業者が本明細書を研読した後に実施できるようにする。
【0025】
図1は本発明に係る装置の斜視分解図で、図2は本発明に係る装置の断面図である。図1および図2に示すように、本発明は、正圧を利用してウェーハまたはダイの位置を保持する移動載置装置を提供し、吸着パッド10と、保持装置20と、クランプ機構30と、を備える。吸着パッド10は、本体11と、上蓋12と、排気管13と、を備え、本体11に複数のスルーホール111が設けられる。
【0026】
上蓋12は本体11の頂部に設置され、前記複数のスルーホール111と連通している第一チャンバ121が形成される。排気管13は上蓋12に設置され、第一チャンバ121と連通している。保持装置20は、下蓋21と、吸気管22と、シール23とを備える。下蓋21は本体11の底部に設置され、第二チャンバ211が形成される。吸気管22下蓋21に設置され、第二チャンバ211と連通している。
【0027】
シール23は周方向回りに沿って本体11の周りにおける底部と下蓋21の周りにおける頂部との間の隙間に設置される。クランプ機構30は、本体11の両側の頂部をそれぞれ挟む2つの第一クランプ31と、下蓋21の両側の底部をそれぞれ挟む2つの第二クランプ32と、を備える。
【0028】
図1示すように、好ましい実施例においては、吸着パッド10の形状は矩形である。しかしながら、吸着パッド10の形状は、これに限らず、例えば円形と他の相応しい形状してもよい。
【0029】
吸着パッド10の材質は、ゴム、金属、プラスチックあるいは多孔質セラミックスなどであってもよいが、これに限らない。
【0030】
シール23はOリングまたはゴムスペーサであってもよいが、これに限らない。
【0031】
図3は本発明に係る方法のフローチャートで、図4は本発明に係る方法の工程S100の模式図で、図5A~5Dは本発明に係る方法の工程S200の模式図で、図6A~6Dは本発明に係る方法の工程S300の模式図で、図7A~7Eは本発明に係る方法の工程S400の模式図で、図8Aおよび図8Bは本発明に係る方法の工程S500の模式図で、図9Aおよび図9Bは本発明に係る方法の工程S600の模式図である。本発明は、正圧を利用してウェーハまたはダイの位置を保持する移動載置方法を提供し、以下の工程を備える。
【0032】
工程S100にいて、図3および図4に示すように、吸着パッド10が負圧14を発生させ、負圧14によって複数のダイ40の上面を吸着する。より具体的に、工程S100において、排気管13は、第一チャンバ121の内部と前記複数のスルーホール111の内部における空気を外へ排出させ、負圧14を発生させ、本体11が負圧14によって前記複数のダイ40の上面を吸着する工程をさらに備える。
【0033】
工程S200において、図3および図5A~5Dに示すように、保持装置20は吸着パッド10の底部に近づくように移動して正圧24を発生させ、正圧24によって前記複数のダイ40の底面を上に吹き付けて作用する。
【0034】
より詳細には、工程S200において、図5Aに示すように、保持装置20が吸着パッド10の下方に移動する工程S210と、図5Bに示すように、保持装置20は、下蓋21が本体11の底部に近づくように上昇し、かつ、シール23が周方向回りに沿って本体11の周りにおける底部と下蓋21の周りにおける頂部との間の隙間を消す工程S220と、図5Cに示すように、前記複数の第一クランプ31は本体11の両側の頂部をそれぞれ挟んで、かつ前記複数の第二クランプ32は下蓋21の両側の底部をそれぞれ挟む工程S230と、図5Dに示すように、吸気管22は、外気を第二チャンバ211に導入して正圧24を発生させ、下蓋21が正圧24によって前記複数のダイ40の底面を上に吹き付けて作用する工程S240と、をさらに備える。
【0035】
工程S300において、図3および図6A~6Dに示すように、吸着パッド10が負圧14をオフさせ、吸着パッド10の一部または全部が保持装置20と同期に基板50の上方に移動する。具体的に、工程S300において、図6Aに示すように、排気管13が第一チャンバ121の内部と前記複数のスルーホール111の内部における空気の外への排出を中止し、負圧14をオフさせる工程S310と、図6Bに示すように、上蓋12が本体11から離れるように上昇する工程S320と、図6Cに示すように、本体11、保持装置20、クランプ機構30が同期に基板50の上方に移動する工程S330と、図6Dに示すように、上蓋12は本体11の頂部に近づくように移動する工程S340と、をさらに備える。
【0036】
工程S400において、図3および図7A図7Eに示すように、吸着パッド10が負圧14を発生し、負圧14によって前記複数のダイ40の上面を吸着し、保持装置20が正圧24をオフさせ且つ吸着パッド10から離脱する。
【0037】
より詳細には、工程S400において、図7Aに示すように、排気管13により、第一チャンバ121の内部と前記複数のスルーホール111の内部における空気を外へ排出させ、負圧14を発生させ、本体11が負圧14によって前記複数のダイ40を吸着する工程S410と、図7Bに示すように、吸気管22は、第二チャンバ211への外気の導入を中止し、正圧24をオフさせる工程S420と、図7Cに示すように、前記複数の第一クランプ31は本体11から離れるように上昇し、かつ前記複数の第二クランプ32は上蓋12から離れるように下降するに工程S430と、図7Dおよび図7Eに示すように、保持装置20は、吸着パッド10から離脱するように下降する工程S440と、をさらに備える。
【0038】
工程S500において、図3図8Aおよび図8Bに示すように、吸着パッド10は、前記複数のダイ40の底面が基板50に接触するまで下降する。
【0039】
工程S600において、図3図9Aおよび図9Bに示すように、吸着パッド10は、負圧14をオフさせ、前記複数のダイ40から離脱し、前記複数のダイ40が基板50上に結合される。
【0040】
具体的に、工程S600において、図9Aに示すように、排気管13が第一チャンバ121の内部と前記複数のスルーホール111の内部における空気の外への排出を中止し、負圧14をオフさせる工程S610と、図9Bに示すように、吸着パッド10が、前記複数のダイ40から離脱するように上昇し、前記複数のダイ40が基板50上に結合され工程S620と、を備える。
【0041】
他の変更実施例として、本発明に係る移動載置装置および方法の移動載置対象は、ウェーハであってもよい(図示せず)。
【0042】
以上のように、ウェーハまたは前記複数のダイ40が吸着パッド10から基板50に移動載置される期間において、本発明は1つの吸着パッド10によってウェーハまたは前記複数のダイ40を吸着して移動し、それと同時に吸着パッド10上のウェーハまたは前記複数のダイ40の位置は保持装置20からの正圧によりずれずに保持されることができ、他の吸着パッドに再受け渡ししたり、ステージと他の吸着パッドに順序に受け渡ししたりする必要がなく、受け渡し回数を効果的に減少させ、ウェーハまたは前記複数のウェーハ40が基板50上に載置される位置の精度ずれを回避できるようになる。
【0043】
さらに、吸着パッド10上の前記複数のダイ40の位置ずれがないため、前記複数のダイ40が前記複数のスルーホール111との位置合わせたが保持することができ、吸着パッド10が前記複数のダイ40に対する吸着力が変わらず、前記複数のダイ44は吸着パッド10から外れて下に落ちてしまうことは殆どない。
【0044】
なお、吸着パッド10の移動時の重量を低減するため、本体11と上蓋12とは分離可能である。
【0045】
また、クランプ機構30は、本体11が上蓋12の移動による影響を受けないように本体11と下蓋21を固定することができ、また本体11と下蓋21の同期移動にも役に立つ。
【0046】
特筆すべきなのは、シール23は、第二チャンバ211の空気が隙間を通って外へのリークを防止し、正圧24の圧力低下を回避することができる。
【0047】
上述したものは、本発明を説明するための好ましい実施例にすぎず、これにより本発明に対するいかなる形式上の制限をすることは意図していなく、同じ発明の主旨の下でなされた本発明に関するいかなる修飾または変更は、いずれも本発明の意図的な保護の範疇に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0048】
10 吸着パッド
11 本体
111 スルーホール
12 上蓋
121 第一チャンバ
13 排気管
14 負圧
20 保持装置
21 下蓋
211 第二チャンバ
22 吸気管
23 シール
24 正圧
30 クランプ機構
31 第一クランプ
32 第二クランプ
40 ダイ
50 基板
S100~S600 工程
S210~S240 工程
S310~S340 工程
S410~S440 工程
S610、S620 工程
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図8A
図8B
図9A
図9B