(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-10
(45)【発行日】2025-01-21
(54)【発明の名称】流体容器アダプタ
(51)【国際特許分類】
A61B 1/00 20060101AFI20250114BHJP
A61B 1/015 20060101ALI20250114BHJP
B65D 83/00 20060101ALI20250114BHJP
【FI】
A61B1/00 650
A61B1/015 511
B65D83/00 L
(21)【出願番号】P 2023519362
(86)(22)【出願日】2021-09-21
(86)【国際出願番号】 US2021051312
(87)【国際公開番号】W WO2022066643
(87)【国際公開日】2022-03-31
【審査請求日】2023-05-15
(32)【優先日】2020-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ポロック、ライアン ビンセント ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】スミス、ポール
(72)【発明者】
【氏名】ビジャレアル、カロリーナ
【審査官】▲高▼ 芳徳
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-500202(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0277536(US,A1)
【文献】特表2014-509203(JP,A)
【文献】特表2019-514809(JP,A)
【文献】特表2003-534990(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00 - 1/32
B65D 23/00 - 25/56
B65D 83/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体容器の内容物へのアクセスを容易にするように、前記流体容器と結合する流体容器アダプタにおいて、
シェルと、
弾性ディスクと、弾性部材とを備え、
前記シェルは、
底部、上部、
平坦面、およびテーパ状の壁を有する内部空洞であって、前記内部空洞の直径が前記底部から前記上部に向かって減少し、前記内部空洞は前記流体容器と結合するように構成される内部空洞、
前記シェルの前記底部から前記上部に向かって前記テーパ状の壁に設けられた1つ以上のスライド、ならびに
前記1つ以上のスライドのそれぞれに配置された少なくとも1つのキャリッジを有し、
前記弾性ディスクは、前記内部空洞内の前記平坦面に配置され、かつ、前記流体容器の上部をシールするように構成され、
前記弾性部材は、前記内部空洞内に配置され、かつ
、前記流体容器の外側ねじ山部分と接合するように構成され、前記弾性部材の少なくとも一部は前記1つ以上のキャリッジのそれぞれに配置される、流体容器アダプタ。
【請求項2】
前記シェルは、チューブセットを前記流体容器の内部部分と流体連通して配置するように構成された1つ以上の貫通孔を含む、請求項
1に記載の流体容器アダプタ。
【請求項3】
前記弾性部材は、形状記憶エラストマを含む、請求項1
または2に記載の流体容器アダプタ。
【請求項4】
前記弾性部材は、オーバーモールドによって前記内部空洞内に配置される、請求項1~
3のいずれか一項に記載の流体容器アダプタ。
【請求項5】
前記弾性部材は、ゴムおよびシリコーンのうちの1つ以上を含む、請求項1~
4のいずれか一項に記載の流体容器アダプタ
。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、流体容器用のアダプタに関する。特に、本開示は、内視鏡システムのための汎用流体容器アダプタに関する。
【背景技術】
【0002】
典型的な内視鏡を使用する内視鏡検査処置は、オペレータに利用可能ないくつかの一般的な機能を有する。あるものは、空気または二酸化炭素等の流体を、制御された様式で内視鏡を介して標的管腔空間内に通過させることによって、患者に吹き込む能力を含む。別のものは、撮像レンズに水流をかけて視野を鮮明にする能力を含む。さらに別の一般的な機能は、管腔を灌注して表面を清浄にし、処置中に不要物を洗い流し、または吸引することを助ける能力を含む。多くの場合、これらの一般的な機能は、とりわけ、1つ以上の流体容器および/または流体源によって処置中に発揮される。例えば、吹き込み用の空気ポンプもしくは二酸化炭素源、レンズ洗浄用の水ボトル、および/または灌注用の無菌水ボトルである。場合によっては、ハイブリッドチューブセットは、レンズ洗浄および滅菌水ボトルからの灌注の両方を動作させるために使用されてもよい。いずれの場合も、1つ以上の流体容器および/または流体源を、内視鏡のチューブセットに取り付けなければならない。本開示の改良が有用であり得ることは、上記の考慮事項の全てを考慮している。
【発明の概要】
【0003】
一態様では、本開示は、シェルと弾性部材とを備える流体容器アダプタに関する。シェルは、流体容器と結合するように構成された内部空洞を含んでもよい。弾性部材は、内部空洞内に配置されてもよい。弾性部材は、円筒形状を有し、流体容器の外側ねじ山部分と接合するように構成されてもよい。
【0004】
いくつかの実施形態では、弾性部材は、流体容器の外側部分をシールするように構成される。様々な実施形態では、弾性部材は、第1の厚さを有する第1の部分と、第2の厚さを有する第2の部分とを備える。様々なそのような実施形態では、第2の部分は、第1の部分より多く屈曲するように構成される。いくつかのそのような実施形態では、第2の厚さは、第1の厚さ未満である。1つ以上のそのような実施形態では、第2の部分は、調節可能なねじ山を備える。多くの実施形態では、シェルは、1つ以上の貫通孔を含む。多くのそのような実施形態では、1つ以上の貫通孔は、チューブセットを流体容器の内部部分と連通して配置されるように構成される。いくつかの実施形態は、弾性部材とシェルの一部との間に間隙を含み、弾性部材は、流体容器の外側部分と接合するとき、間隙の少なくとも一部の中へ変位するように構成される。いくつかの実施形態では、弾性部材は形状記憶エラストマを含む。様々な実施形態では、弾性部材は、オーバーモールドによって内部空洞内に配置される。多くの実施形態では、シェルは、1つ以上のスライドを備え、少なくとも1つのキャリッジが、1つ以上のスライドのそれぞれの中に配置される。多くのそのような実施形態では、弾性部材の少なくとも一部は、1つ以上のキャリッジのそれぞれに配置される。いくつかの実施形態では、弾性部材は、ゴムおよびシリコーンのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、弾性ディスクは、内部空洞内の平坦面上に配置される。いくつかのそのような実施形態では、弾性ディスクは、流体容器の上部をシールするように構成される。
【0005】
別の態様では、本開示は、流体容器と、流体容器アダプタと、1つ以上のチューブのセットとを備えるシステムに関する。流体容器アダプタは、シェルおよび弾性部材を含んでもよい。シェルは、内部空洞を含み、流体容器に結合されてもよい。弾性部材は、内部空洞内に配置されてもよい。弾性部材は、円筒形状を有するとともに流体容器の外側ねじ山部分と接合するように構成されてもよい。1つ以上のチューブのセットは、流体容器アダプタのシェルを通って延在し、流体容器の内部と連通してもよい。
【0006】
いくつかの実施形態では、シェルは、1つ以上のスライドを備え、少なくとも1つのキャリッジが、1つ以上のスライドのそれぞれの中に配置される。いくつかのそのような実施形態では、弾性部材の少なくとも一部は、1つ以上のキャリッジのそれぞれに配置される。様々な実施形態では、弾性部材は、流体容器の外側部分をシールするように構成される。様々なそのような実施形態では、流体容器の外側部分は、雄ねじ山を備える。
【0007】
さらに別の態様では、本開示は方法に関する。本方法は、内部空洞、およびシェルを通って内部空洞内に延在する1つ以上の孔を有するシェルを形成するステップと、内部空洞内に弾性部材を配置するステップであって、弾性部材は、円筒形状を備えるとともに流体容器の外側ねじ山部分をシールするように構成されるステップとのうちの1つ以上を含んでもよい。いくつかの実施形態では、方法は、オーバーモールドによって内部空洞内に弾性部材を配置するステップを含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示の非限定的な実施形態は、添付の図面を参照して例として説明される。添付の図面は概略的であり、縮尺通りに描かれることを意図していない。図では、示されたそれぞれ同一またはほぼ同一の構成要素は、典型的には単一の数字によって表される。明確さの目的のために、すべての構成要素がすべての図においてラベル付けされているわけではなく、当業者が本開示を理解することを可能にするために図示が必要でない場合には、各実施形態のすべての構成要素が示されているわけでもない。図面は以下の通りである。
【
図1】本明細書に開示される1つ以上の実施形態に従い、流体容器アダプタを流体容器のネックと共に示す。
【
図2】本明細書に開示される1つ以上の実施形態に従い、流体容器アダプタを流体容器と共に示す。
【
図3A】本明細書に開示される1つ以上の実施形態に従い、流体容器アダプタの様々な態様を流体容器と共に示す。
【
図4】本明細書に開示される1つ以上の実施形態に従い、流体容器アダプタを流体容器と共に示す。
【
図5A】本明細書に開示される1つ以上の実施形態に従い、流体容器アダプタの態様を流体容器と共に示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
様々な実施形態は、全般的に、例えばチューブセットを介した内視鏡システム等による、流体容器の内容物へのアクセスを容易にするように、流体容器と結合する流体容器アダプタを対象とする。いくつかの実施形態は、特に、様々な流体容器と結合することができ、1つ以上のチューブをその様々な流体容器のうちの任意の特定の1つの内部と連通するように配置する流体容器アダプタを対象とする。一実施形態では、例えば、流体容器アダプタは、流体容器と結合するように構成された内部空洞を有するシェルを含んでもよい。そのような実施形態では、流体容器アダプタは、シェルの内部空洞内に配置された弾性部材を含んでもよい。弾性部材は、円筒形状を有するとともに流体容器の外側部分と接合するように構成されてもよい。これらおよび他の実施形態が説明され、特許請求される。
【0010】
流体容器と結合し、流体容器の内容物へのアクセスを得る際のいくつかの課題は、流体容器に適合する流体容器アダプタを有することを含む。例えば、流体容器アダプタは、1つ以上のチューブがそこを通って延在するスクリューキャップを含んでもよい。そのような例では、スクリューキャップは、1つ以上のチューブがそこを通って延在した状態で流体容器のネック上の対応する固定ねじ山に結合することができ、内視鏡システムが流体容器の内容物にアクセスすることを可能にする。しかしながら、異なる複数の流体容器設計を提供する多くの異なるタイプの流体容器製造業者が存在する。さらに、製造業者は、異なる複数の流体容器設計を提供することがあり、および/または流体容器設計を定期的に変更または更新し得る。例えば、製造業者は、地域の選好または需要に基づいて世界中で異なる複数のねじ山パターンを有する設計を提供し得る。これは、それぞれの設計のためにカスタマイズされた流体容器アダプタを伴う複数の製品を提供することを要求することによって、チューブセットの製造業者に課題を提示する。さらに、チューブセットが確実に、利用可能な流体容器に適合する流体容器アダプタを有することを必要とすることによって、医療施設による製品の入手および保管は複雑になる。
【0011】
したがって、本開示の様々な実施形態は、様々な異なる複数の流体容器設計への適合性の範囲を広げる流体容器アダプタを含む。多くの実施形態では、本開示の1つ以上の流体容器アダプタは、多数の流体容器設計と結合し、その内容物へのアクセスを得るための効率的、安全、かつ効果的方法を提供してもよい。流体容器アダプタが異なる複数の流体容器設計に適合することを可能にすることは、医療装置会社(例えば、チューブセットの製造業者)が、より適応性がある製品を提供するとともにより広い市場にアピールすることを可能にする。さらに、流体容器アダプタが異なる複数の流体容器設計に適合することを可能にすることは、医療施設による製品の入手および保管を簡略化することができる。
【0012】
本明細書に含まれる開示は、例示的かつ説明的なものにすぎず、限定的なものではないことを理解されたい。本明細書に使用されるとき、用語「含む(comprise)」、「含む(comprising)」、またはその他にこれらが変化したものは、非排他的に含有物を包含することを意図するため、要素のリストを含むプロセス、方法、物品、または装置はこれらの要素のみを含むのではなく、明示的に記載されていない他の要素またはこのようなプロセス、方法、物品、または装置に固有の他の要素を含んでもよい。用語「典型的な(exemplary)」は、「理想(ideal)」よりむしろ「例(example)」の意味において使用される。内視鏡および内視鏡システムが本明細書で参照されるが、内視鏡、内視鏡システム、または内視鏡検査への言及は、開示される態様の可能な用途を限定するものとして解釈されるべきではない。例えば、開示される態様は、十二指腸鏡、気管支鏡、尿管鏡、結腸鏡、カテーテル、診断もしくは治療ツールもしくは装置、または他のタイプの医療装置もしくはシステムと併せて使用されてもよい。
【0013】
ここで図面を参照するが、同様の参照番号は、全体を通して同様の要素を指すために使用される。以下の説明では、説明の目的で、多数の特定の詳細が記載され、その完全な理解を提供する。しかしながら、新規の実施形態は、これらの特定の詳細なしに実施され得ることが明らかであろう。他の例では、周知の構造および装置は、その説明を容易にするためにブロック図の形態で示される。その意図は、特許請求の範囲内のすべての改変、均等物、および代替物を包含することである。
【0014】
図1は、本開示の1つ以上の実施形態に従い、流体容器アダプタ100をチューブセット106および流体容器116と共に示す。本開示の1つ以上の実施形態では、流体容器アダプタの構成要素は、流体容器と結合し、内視鏡システムのためのチューブセット等のチューブセットを介して流体容器の内容物へのアクセスを容易にするように相互動作してもよい。図示された実施形態では、流体容器アダプタ100は、流体容器116に結合され、1つ以上のチューブ106-1、106-2、106-nのチューブセット106が流体容器116の内部134と連通するように配置される。さらに、セット106の各チューブの少なくとも一部は、流体容器116の外部132にある。いくつかの実施形態では、流体容器アダプタ100は、流体容器116の一部に結合され、および/または流体容器116の一部をシールしてもよい。
図1の構成要素は、上部105および底部115を有するように配向されている。いくつかの実施形態では、
図1は、本開示の1つ以上の他の構成要素と同一または類似の1つ以上の構成要素を含んでもよい。さらに、
図1の1つ以上の構成要素、またはその態様は、本開示の範囲から逸脱することなく、本開示の他の実施形態に組み込まれてもよい。実施形態はこの状況に限定されない。
【0015】
本明細書に開示される様々な実施形態は、例えばチューブセットを介した内視鏡システム等による、流体容器の内容物へのアクセスを可能にするように流体容器と結合する流体容器アダプタを対象とする。いくつかの実施形態は、特に、様々な流体容器の開口部と結合することができ、1つ以上のチューブをその様々な流体容器のうちの任意の特定の1つの内部と連通するように配置する流体容器アダプタを対象とする。1つ以上の実施形態では、流体容器アダプタ100は、チューブセット106が複数のタイプおよび設計の流体容器と併せて使用されることを可能にし得る。流体容器アダプタ100は、チューブを流体容器116の内部134と連通して配置できるように、1つ以上の通路109-1、109-2、109-nを含んでもよい。
【0016】
一般に、流体容器116は、ネック124、ショルダ126、およびボディ128を含む。加えて、流体容器116は、ネック124の上部などに開口部を含んでもよい(例えば、
図4参照)。様々な実施形態では、流体容器アダプタ100は、ネック124など、流体容器116の1つ以上の部分に結合することができる。様々なそのような実施形態では、流体容器アダプタ100は、流体容器116の開口部を遮断および/または密閉してもよい。流体容器アダプタ100は、流体容器116の内部部分および/または外部部分と結合および/またはシールしてもよい。例えば、流体容器アダプタ100の一部が流体容器116に挿入されてもよい。
【0017】
流体容器アダプタ100は、様々な材料および/または構成要素から構成されてもよい。例えば、流体容器アダプタ100は、可撓性、剛性、半剛性、半可撓性、変形可能、順応可能、シーリング、形状記憶、エラストマ、ポリマー等の1つ以上の特性を有する1つ以上の材料から構成される部分を含んでもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上の材料は、恒久的に変形してもよい。例えば、流体容器アダプタ100は、流体容器アダプタ100に挿入された第1の流体容器の恒久的な雌型を生成する恒久的に変形可能な材料を含んでもよい。他の実施形態では、変形は非永久的であってもよい。多くの実施形態では、流体容器アダプタ100は、1つ以上の材料の層を含んでもよい。例えば、流体容器アダプタ100は、剛性材料の骨格層と、シーリング材料のスキン層とを含み得る。
【0018】
上述したように、流体容器アダプタ100は、チューブを流体容器116の内部134と連通して配置できるように、1つ以上の通路109-1、109-2、109-nを含んでもよい。通路109は、様々な方法でチューブを流体容器116の内部134と連通して配置することができる。例えば、通路109-1は、流体容器アダプタ100の上部から底部まで延在してもよい。別の例では、通路109-2は、チューブ106-2が結合する、1つ以上のルアーロックバーブ(かかり)等の突起を含んでもよい。さらに別の例では、通路109-nは、流体容器アダプタ100の一部を通って延在してもよい。
【0019】
いくつかの実施形態では、通路109のうちの1つ以上は、チューブセット106のチューブを別の管状部材と結合してもよい。いくつかのそのような実施形態では、他の管状部材は、通路の底部から延在してもよい。例えば、他の管状部材は、通路109-nの底端部に結合されたストローを含んでもよい。様々な実施形態では、他の管状部材は、チューブセット106のチューブとは異なる特性を含んでもよい。他の管状部材は、流体容器内の内容物と接合するように構成されてもよい。例えば、他の管状部材は、流体容器内の最下点へのピックアップ(例えば、チューブから流体を引き込む/放出するためのオリフィス)の効率的な移動を容易にするように、チューブセット106のチューブより可撓性であってもよい。別の実施例では、他の管状部材は、よじれまたはカールを防止するために、チューブセット106のチューブよりも剛性が高いものであってもよい。
【0020】
いくつかの実施形態では、流体容器アダプタ100は、通路を通してチューブを延在させること、またはチューブを通路と結合させること等によって、チューブセット106の1つ以上のチューブにシールを形成してもよい。例えば、通路109-1は、チューブ106-1に摺動可能なシールを形成するライニングを含んでもよい。いくつかの実施形態では、通路109-1は、チューブ106-1の外側に流体密封を形成してもよく、通路109-2の突起は、チューブ106-2の内側に流体密封を形成してもよく、通路109-nは、チューブ106-nの外側に流体密封を形成してもよい。いくつかのそのような実施形態では、流体密封は、チューブ106-1、106-nのうちの1つ以上が、それぞれ、通路109-1、109-n内で上下に摺動される際に維持されてもよい。
【0021】
したがって、いくつかの実施形態では、流体容器アダプタ100は、流体容器116の内部134を外部132から密閉した状態に保ちながら、チューブセット106を流体容器116の内部134と連通するように配置してもよい。いくつかの実施形態では、流体容器アダプタ100は、チューブセット106の1つ以上のチューブの外側に摺動可能なシールを維持してもよい。例えば、流体容器アダプタ100は、チューブが流体容器アダプタ100を通って流体容器116の内部134に挿入されるときに、チューブの外側に流体シールを維持することができる。
【0022】
様々な実施形態では、チューブセット106は、流体容器116の内部134から流体を除去する、および/またはその中に流体を導入するために使用されてもよい。例えば、チューブ106-2は、気体(例えば、空気、二酸化炭素など)を流体容器116内に圧送するために使用されてもよく、チューブ106-1は、気体が流体容器116内に圧送される結果として、液体(例えば、水、生理食塩水など)が流体容器116から出ることを可能にしてもよい。別の例では、チューブ106-1は、流体容器116から液体を吸い出すために使用されてもよく、チューブ106-2(または流体容器アダプタ100に組み込まれた弁)は、流体容器116内の気圧を大気と等しくすることを可能にしてもよい。そのような他の例では、一方向弁および/または圧力解放弁が利用されて、大気と等しくしてもよい。様々な実施形態では、チューブセット106の1つ以上のチューブは、内視鏡システムのための灌注ラインを備えてもよい。
【0023】
図の実施形態に示すように、チューブ106-1、106-2、106-nは、流体容器116内に様々な長さで延在してもよい。多くの実施形態では、各チューブの長さは、チューブの機能に基づいて決定されてもよい。例えば、一方では、通気チューブは、上部105に近接して終端してもよく、または流体容器アダプタ100の外部132に突出する継手を有する通路に結合してもよい。他方では、流体容器116から液体などの内容物を取り出すためのチューブが、流体容器116の底部115まで延在してもよい。多くの場合、チューブセット106の第1のチューブは、流体容器116の内部134内の第1の流体(例えば、気体)と連通して配置されてもよく、チューブセット106の第2のチューブは、流体容器16の内部134内の第2の流体(例えば、液体)と連通して配置されてもよい。
【0024】
1つ以上の実施形態では、流体容器アダプタ100は、流体容器116の中および/または外への流体の流動を制御するために、1つ以上の弁(例えば、一方向弁、圧力解放弁、二方弁など)を含んでもよい。例えば、流体容器116への逆流を防止するために、一方向弁が利用されてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、1つ以上のチューブは、同軸であってもよい。例えば、チューブは、より大きい直径を有する第2のチューブ部材と同軸に配置されることで、内側チューブおよび外側チューブをもたらしてもよい。いくつかのそのような例では、内側チューブおよび外側チューブは、流体容器アダプタ100の単一の通路を通って延在してもよい。
【0025】
この理由および他の理由により、多くの実施形態では、通路109の数は、チューブセット106のチューブの数に直接対応しなくてもよい。例えば、互いに異なる内視鏡システムは、流体容器の内部と連通する互いに異なる数のチューブを必要とし得る。したがって、1つ以上の通路を(例えば、プラグまたはキャップで)遮断または非遮断し、および/または1つ以上のチューブを除去または追加して、異なる複数の内視鏡システムまたは異なる複数の構成の内視鏡システムに適合してもよい。換言すれば、流体容器アダプタは、様々なタイプの通路(例えば、通路109-1、109-2、109-n)等を介して、異なる複数のチューブ構成および/またはチューブセットに適応させることができる。
【0026】
本明細書に開示される流体容器アダプタの構成要素は、ポリマー、エラストマ、金属、合金、形状記憶材料、ゴム、シリコン、プラスチック、複合材料、セラミック、ポリカーボネート、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、熱可塑性物質、ステンレス鋼、チタン、アルミニウム等のうちの1つ以上を含む、様々な材料タイプおよび組成物から構成されてもよい。いくつかの実施形態では、異なる複数の部分および/または構成要素は、1つ以上の互いに異なるタイプ、組成、または構造の材料を含んでもよい。例えば、流体容器アダプタのシェルは、第1のタイプのポリマーから構成されてもよく、流体容器アダプタの弾性部材は、第1のタイプのポリマーよりも低いデュロメータを有する第2のタイプのポリマーから構成されてもよい。いくつかの実施形態では、流体容器アダプタの1つ以上の構成要素および/または部分は、半剛性骨格構造等の複数の材料層および/または埋め込みを含んでもよい。
【0027】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される1つ以上の流体容器アダプタ(例えば、流体容器アダプタ100)を利用するための方法は、以下のステップのうちの1つ以上で進行してもよい。1つ以上のチューブの第1の端部は、内視鏡装置またはシステムに連結されてもよく、1つ以上のチューブの第2の端部は、突起に結合され、および/または流体容器アダプタの1つ以上の通路を通って延在してもよい。流体容器アダプタは、流体容器に結合して、1つ以上のチューブを流体容器の内部と連通するように配置してもよい。いくつかの実施形態では、流体容器アダプタは、チューブおよび/または流体容器の内部を外部環境から密閉してもよい。多くの実施形態では、流体容器アダプタは、流体容器の開口部(例えば、キャップが取り外されたときの流体容器の開口部)に近接して流体容器に結合してもよい。多くのそのような実施形態では、1つ以上のチューブは、開口部を介して流体容器内に延在してもよい。いくつかの実施形態では、流体容器アダプタは、流体容器の開口部に取り付けられ、開口部を覆い、または開口部をシールしてもよい。1以上の流体は、流体容器アダプタが流体容器に結合されるとき、チューブセットを介して流体容器の内部に導入され、および/または流体容器の内部から除去され得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される1つ以上の流体容器アダプタ(例えば、流体容器アダプタ100)を製造するための方法は、以下のステップのうちの1つ以上で進行してもよい。内部空洞、およびシェルを通って内部空洞内に延在する1つ以上の孔を有するシェルを形成するステップ、および内部空洞内に弾性部材を配置するステップであって、弾性部材は、円筒形状を備えるとともに流体容器の外側部分をシールするように構成されるステップ。いくつか実施形態では、弾性部材は、オーバーモールドによって内部空洞内に配置される。
【0029】
図2は、本開示の1つ以上の実施形態に従い、流体容器アダプタ200を流体容器216と共に示す。示された実施形態では、流体容器アダプタ200は、流体容器216のネック224に結合して、通路209を通って1つ以上のチューブを延在させること等によって、1つ以上のチューブを流体容器の内部と連通するように配置される。流体容器アダプタ200は、弾性部材204を利用して、流体容器のネック224と結合してもよい。いくつかの実施形態では、
図2は、本開示の1つ以上の他の構成要素と同一または類似の1つ以上の構成要素を含んでもよい。さらに、
図2の1つ以上の構成要素、またはその態様は、本開示の範囲から逸脱することなく、本開示の他の実施形態に組み込まれてもよい。例えば、弾性部材204は、本開示の範囲から逸脱することなく、流体容器アダプタ100に組み込まれてもよい。
図2の構成要素は、上部205および底部215を有するように配向されている。実施形態はこの状況に限定されない。
【0030】
流体容器アダプタ200は、通路209および内部空洞212を有するシェル210を含む。シェルは、プラスチックおよび金属のうちの1つ以上を含んでもよい。示される実施形態では、内部空洞212の大部分は、流体容器216のネック224で塞がれる。様々な実施形態では、通路209は、流体容器の内部と連通するように配置されるチューブを受容するか、またはそれを通って延在するように構成されてもよい。通路209は、通路109-1、190-2、109-n等の本明細書に開示される通路のうちの1つ以上と同一または類似であってもよい。流体容器は、ねじ山部分208を有するネック224を含んでもよい。
【0031】
1つ以上の実施形態では、弾性部材204は、シェル210の内部空洞212内に配置されてもよい。弾性部材204は、ゴム、シリコーン、エラストマ、または形状記憶材料のうちの1つ以上を含んでもよい。いくつかの実施形態では、弾性部材は、オーバーモールドによって内部空洞212内に配置されてもよい。他の実施形態では、弾性部材204は、対応する形体の間のスナップ嵌めによって内部空洞212内に配置されてもよい(例えば、
図5C~5Fのチャネル560およびチャネル部材562を参照)。弾性部材204は、流体容器216の外側部分と接合するように構成されてもよい。例えば、弾性部材204は、ネック224のねじ山部分208と結合し、適合し、および/またはシールするように構成されてもよい。一方、シェル210は弾性部材に比べて剛性であってもよい。いくつかの実施形態では、シェル210は、弾性部材204のための剛性支持構造を提供してもよい。図示された実施形態に示されるように、弾性部材204は、ネック224のねじ山部分208に含まれる雄ねじ山と結合し、適合し、シールしてもよい。いくつかの実施形態では、弾性部材204は円筒形状を含んでもよい。1つ以上の実施形態では、弾性部材204は、形状記憶エラストマなどの形状記憶材料を含んでもよい。様々な実施形態では、弾性部材204は、滑らかな内面を有する円筒形状を含んでもよい。他の実施形態では、弾性部材204は、1つ以上の窪みおよび/または突起を有する内面を有する円筒形状を含んでもよい。例えば、弾性部材204は、スタータねじ山を含む窪みを含んでもよい。
【0032】
図3Aおよび3Bは、本開示の1つ以上の実施形態に従い、流体容器アダプタ300の様々な態様を流体容器316と共に示す。より具体的には、
図3Aは、調節可能なねじ山314-1、314-2(または調節可能なねじ山314)を有する流体容器アダプタ300を流体容器316と共に示し、
図3Bは、流体容器316のネック324と接合する調節可能なねじ山314-1の詳細図を示す。いくつかの実施形態では、
図3Aおよび/または3Bは、本開示の1つ以上の他の構成要素と同一または類似の1つ以上の構成要素を含んでもよい。さらに、
図3Aおよび/または3Bの1つ以上の構成要素、またはその態様は、本開示の範囲から逸脱することなく、本開示の他の実施形態に組み込まれてもよい。例えば、シェル310は、シェル210と同一または類似であってもよい。
図3Aおよび3Bの構成要素は、上部305および底部315を有するように配向されている。実施形態はこの状況に限定されない。
【0033】
示される実施形態では、流体容器アダプタ300は、平坦面334および調節可能なねじ山314-1、314-2を有するシェル310を含んでもよい。調節可能なねじ山314-1、314-2は、連続螺旋の調節可能なねじ山の一部であってもよいことが理解されるであろう。様々な実施形態では、調節可能なねじ山314は、流体容器316のネック324上のねじ山部分308に順応し得る。より全般的には、流体容器アダプタ300は、シェル310の内部空洞312内に、オーバーモールド等によって配置され得る様々な異なるねじ山タイプと結合し、適合し、および/またはシールすることができる1つ以上の調節可能なねじ山を含み得る。例えば、調節可能なねじ山314がピッチの違いおよび/または異なる外径に遭遇するとき、調節可能なねじ山314は、流体容器のねじ山に適応するように変形してもよい。多くの実施形態では、調節可能なねじ山314は、弾性部材204よりも広い範囲の流体容器上の雄ねじ山に適合することが可能であり得る。一方、弾性部材204は、調節可能なねじ山314よりも広い範囲の雌ねじ山に適合することができる。いくつかの実施形態では、調節可能なねじ山314は、弾性部材を含んでもよく、または弾性部材と称されてもよい。
【0034】
シェル310の平坦面334は、流体容器アダプタ300の上部を含んでもよい。いくつかの実施形態では、平坦面334は、1つ以上の通路を含んでもよい。平坦面334は、円形部材(例えば、ディスク)であってもよく、および/または円形部分を含んでもよい。いくつかの実施形態では、弾性ディスクが、内部空洞312内の平坦面334上に配置されてもよい。いくつかのそのような実施形態では、弾性ディスクは、ネック324の上部外面と接触し、および/またはシールしてもよい(例えば、
図5Bの弾性ディスク551を参照)。
【0035】
1つ以上の実施形態では、調節可能なねじ山314は、シェル310の内部空洞312内に配置されてもよい。調節可能なねじ山314は、ゴム、シリコーン、エラストマ、または形状記憶材料のうちの1つ以上を含んでもよい。様々な実施形態において、調節可能なねじ山314は、オーバーモールドによって内部空洞312内に配置されてもよい。他の実施形態では、調節可能なねじ山314は、対応する形体の間のスナップ嵌めによって内部空洞312内に配置されてもよい(例えば、
図5C~5Fのチャネル560およびチャネル部材562を参照)。調節可能なねじ山314は、流体容器316の外側部分と接合するように構成されてもよい。例えば、調節可能なねじ山314は、ネック324のねじ山部分308と結合し、順応し、および/またはシールするように構成されてもよい。図示された実施形態に示されるように、調節可能なねじ山314は、ネック324のねじ山部分308に含まれる雄ねじと結合し、順応し、シールしてもよい。いくつかの実施形態では、調節可能なねじ山314は、円筒形、螺旋、円形、および湾曲形状のうちの1つ以上を含んでもよい。1つ以上の実施形態では、調節可能なねじ山314は、形状記憶エラストマ等の形状記憶材料を含んでもよい。図示された実施形態に示されるように、いくつかの実施形態では、調節可能なねじ山314は、底部側にテーパ部分を含んでもよい。他の実施形態では、テーパ部分は、ねじ山部分308と接合することによる調節可能なねじ山314の変形から生じてもよい。
【0036】
図3Bを参照すると、流体容器アダプタ300の内部空洞312は、調節可能なねじ山314-1の上方および下方に間隙330-1、330-2を含んでもよい。調節可能なねじ山314-1をねじ山308-1と接合するとき、調節可能なねじ山314-1は、変形および/または屈曲してもよい。さらに、調節可能なねじ山314-1は、流体容器316の外側部分(例えば、ねじ山308-1)と接合されるとき、間隙330-1の少なくとも一部分の中へ変位するように構成される。多くの実施形態では、調節可能なねじ山314-1は、内部空洞312の周囲に螺旋を描いてもよい。いくつかの実施形態では、別の調節可能なねじ山が、ねじ山308-1の下に配置されてもよい。例えば、ねじ山308-1は、上側の調節可能なねじ山(例えば、調節可能なねじ山314-1)と下側の調節可能なねじ山との間に挟まれてもよい。いくつかのそのような例では、上側および下側の調節可能なねじ山は、変形可能な雌ねじ山を備えてもよい。
【0037】
調節可能なねじ山314-1は、異なる可撓性の部分を含んでもよい。いくつかの実施形態では、異なる可撓性は、調節可能なねじ山の厚さを変化させることから生じ得る。例えば、調節可能なねじ山314-1の端部におけるテーパ332は、調節可能なねじ山314-1の他の部分よりも可撓性であってもよい。1つ以上の実施形態では、調節可能なねじ山314-1の様々な可撓性は、流体容器アダプタ300が様々なタイプの流体容器とともに使用されることを容易にし得る。
【0038】
図4は、本開示の1つ以上の実施形態に従い、流体容器アダプタ400を流体容器416と共に示す。示された実施形態では、流体容器アダプタ400は、開口部422を覆って流体容器416のネック424に結合され、シェル410の1つ以上の通路(図示せず)を介して、1つ以上のチューブを流体容器の内部と連通するように配置される。流体容器アダプタ400は、テーパ状のねじ山442に沿って移動する1つ以上のキャリッジ(例えば、キャリッジ440-1、440-2)を利用して、流体容器416のネック424と結合してもよい。いくつかの実施形態では、
図4は、本開示の1つ以上の他の構成要素と同一または類似の1つ以上の構成要素を含んでもよい。さらに、
図4の1つ以上の構成要素、またはその態様は、本開示の範囲から逸脱することなく、本開示の他の実施形態に組み込まれてもよい。例えば、シェル410は、本開示の範囲から逸脱することなく、流体容器アダプタ100に組み込まれてもよい。
図4の構成要素は、上部405および底部415を有するように配向されている。実施形態はこの状況に限定されない。
【0039】
流体容器アダプタ400は、テーパ状のねじ山442を有する内部空洞412を有するシェル410と、把持面444-1、444-2をそれぞれ有するキャリッジ440-1、440-2とを含む。様々な実施形態において、把持面444とネック424の形体(例えば、雄ねじ山)との間の摩擦は、キャリッジ440を、第1の方向への回転に応答してテーパ状のねじ山442の上部に向かって前進させ得る。キャリッジ440がテーパ状のねじ山442の上部に向かって前進するにつれて、把持面444によってネック424に加えられる半径方向の力が増大し得る。このようにして、流体容器アダプタ400は、流体容器416と結合し、適合し、および/またはシールしてもよい。
【0040】
同様に、第2の方向への回転は、キャリッジ440をテーパ状のねじ山442の底部に向かって移動させることができ、キャリッジ440がテーパ状のねじ山442の底部に向かって移動するにつれて、把持面444によってネック424に加えられる半径方向の力が減少し、最終的に、流体容器アダプタ400を流体容器416から取り外すことが可能になる。いくつかの実施形態では、把持面444は、オーバーモールドによってキャリッジ440上にそれぞれ配置されてもよい。他の実施形態では、把持面444-1、444-2は、対応する形体の間のスナップ嵌めによってそれぞれキャリッジ440-1、440-2に配置されてもよい(例えば、
図5C~5Fのチャネル560およびチャネル部材562を参照)。
【0041】
図5A~5Fは、本開示の1つ以上の実施形態に従い、流体容器アダプタ500の様々な態様を流体容器516と共に示す。より具体的には、
図5Aは、流体容器アダプタ500のシェル510の側面斜視図を示す。
図5Bは、流体容器アダプタ500のシェル510の底面斜視図を示す。
図5Cは、流体容器アダプタ500のキャリッジの斜視図を示す。
図5Dは、流体容器アダプタ500の弾性部材504-1を示す。
図5Eは、シェル510が除去された流体容器アダプタ500を流体容器516と共に示す斜視図を示す。
図5Fは、流体容器アダプタ500を流体容器516と共に示す断面図を示す。いくつかの実施形態では、
図5A~5Fは、本開示の1つ以上の他の構成要素と同一または類似の1つ以上の構成要素を含んでもよい。さらに、
図5A~5Fの1つ以上の構成要素、またはその態様は、本開示の範囲から逸脱することなく、本開示の他の実施形態に組み込まれてもよい。例えば、キャリッジ552はキャリッジ440と同一または類似であってもよい。別の例では、通路109-1、109-2、109-nのうちの1つ以上は、本開示の範囲から逸脱することなく、流体容器アダプタ500に組み込まれてもよい。
図5A~5Fの構成要素は、上部505および底部515を有するように配向されている。実施形態はこの状況に限定されない。
【0042】
図5Aを参照すると、流体容器アダプタ500は、通路509を有するシェル510を含んでもよい。多くの場合、シェル510は、1つ以上の人間工学的形体を含み得る。例えば、シェル510は、ユーザエクスペリエンスを改善するために、1つ以上の表面形体(例えば、シェル510内の縦方向チャネル)を含んでもよい。様々な実施形態において、表面形体は、輪郭、突起、チャネル、リッジ、バンプ、ハッチング等を含んでもよい。
【0043】
図5Bを参照すると、シェル510は、平坦面534の通路509の開口部と、複数のスライド550-1、550-2、550-3と、平坦面上に配置された弾性ディスク551とを含んでもよい。通路509は、シェル510の外面からシェル510の内面(例えば、内部空洞512の内側)まで延在してもよい。いくつかの実施形態では、弾性ディスク551が、内部空洞512内の平坦面534上に配置されてもよい。いくつかのそのような実施形態では、弾性ディスクは、流体容器516の上部外面と接触し、および/またはシールしてもよい(例えば、
図5Eの外面575を参照)。スライド550は、内部空洞512の壁に窪んだチャネルを備えてもよい。以下でより詳細に説明されるように、キャリッジは、テーパ状のねじ山442に沿って移動する流体容器アダプタ400のキャリッジ440と同様に、スライド550に沿って移動してもよい。スライド550は、互いにオフセットされてもよい。例えば、示された実施形態では、スライド550は互いに120°オフセットされている。内部空洞512は、テーパを有してもよい。例えば、直径が、シェル510の上部に向かって減少してもよい。
【0044】
図5Cには、キャリッジ552-1が示されている。キャリッジ552-1は、キャリッジ552-1の一部がその中に配置された状態でスライド550のうちの1つに沿って移動してもよい。キャリッジ552-1は、戻り止め554を有するガイドシュー556と、チャネル560-1、560-2を有するマウント558とを含んでもよい。ガイドシュー556は、スライド550のうちの1つの中に配置されてもよい。内部空洞512のテーパは、キャリッジ552-1がスライド550-1に沿ってシェル510の上部に向かって移動されるときに、キャリッジ552-1を内部空洞512の中心の長手方向軸線に向かって移動させ得る。ガイドシュー556は、スライドに対応する形状を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ガイドシュー556とスライドとの間の対応する形状は、キャリッジ552-1を直線移動に制限するように構成されてもよい。以下でより詳細に説明されるように、戻り止め554は、キャリッジ552-1をスライド550のうちの1つに沿った所定の位置に保持するように構成され得る。いくつかの実施形態では、キャリッジ552-1をスライド550のうちの1つに沿った所定の位置に保持することにより、流体容器アダプタ500が2回以上使用されることが防止され得る。
【0045】
図5Dには、弾性部材504-1が示される。弾性部材504-1は、チャネル部材562-1、562-2、および把持面544を含む。いくつかの実施形態では、把持面544は、把持面444-1、444-2と同じまたは類似であってもよい。弾性部材504-1は、スナップ嵌め等によってキャリッジ552-1に配置されてもよい。例えば、弾性部材504-1のチャネル部材562-1、562-2は、キャリッジ552-1のチャネル560-1、560-2によって受容されてもよい。
【0046】
流体容器アダプタ500は、1つ以上の弾性部材を有する1つ以上のキャリッジを含んでもよい。多くの実施形態では、1つ以上のキャリッジの各々および/または1つ以上の弾性部材の各々は、同一または類似であってもよい。例えば、キャリッジ552-1はキャリッジ552-2、552-3と同じであってもよい。
図5Eに示された実施形態では、流体容器アダプタ500は、3つのキャリッジ552-1、552-2、552-3を含み、それぞれが弾性部材504-1、504-2、504-3を有する。弾性部材504の把持面は、流体容器516のネック524に接触する。流体容器アダプタ400と同様に、キャリッジがそれぞれのスライドに沿って上方に移動するにつれて、流体容器516にかかるの弾性部材504の半径方向の力は、内部空洞512のテーパに起因して増加する。
図5Eに示すように、弾性部材504-3は、流体容器516の外側の雄ねじ山564に接触する。いくつかの実施形態は、キャリッジが手動で位置付けられることを可能にする接合面を含んでもよい。例えば、レバーがシェルを通って延在し、キャリッジの手動移動を可能にしてもよい。多くの実施形態では、キャリッジの位置を手動で調節する能力により、より広い範囲の流体容器設計(例えば、より大きい範囲の外径)を伴う流体容器アダプタの使用が容易になり得る。
【0047】
図5Fは、内部空洞512のテーパを含む流体容器アダプタ500を流体容器516と共に示す断面図を示す。さらに、
図5Fは、キャッチ566を有するスライド550-1と、戻り止め554を有するキャリッジ552-1とを含む。前述したように、戻り止め554は、キャリッジ552-1をスライド550のうちの1つに沿った所定の位置に保持するように構成され得る。いくつかの実施形態では、キャリッジ552-1をスライド550のうちの1つに沿った所定の位置に保持することにより、流体容器アダプタ500が複数回使用されることが防止され得る。したがって、キャリッジ552-1がスライド550-1の上部に向かって離れた箇所まで移動するとき、戻り止め554はキャッチ566によって受容され得る。そのような実施形態では、戻り止め554がキャッチ566によって受容されるとき、キャリッジ552-1は、スライド550-1の底部に戻ることを防止され得る。他のそのような実施形態では、キャッチ566によって受容された戻り止め554は、流体容器アダプタ500を流体容器516上に可逆的にロックすることができる。様々な実施形態では、戻り止め554およびキャッチ566は、キャリッジ552-1がそれ以上上方に移動できないときを示すため等、触覚フィードバックを提供してもよい。
【0048】
前述のように、本開示の様々な実施形態は、吹き込みおよび灌注等の様々な異なる流体容器設計および/または機能性タイプへの適合性の範囲を広げる、流体容器エンクロージャを含む。多くの実施形態では、本開示の1つ以上の流体容器エンクロージャは、多数の流体容器設計と結合し、その内容物へのアクセスを得るための効率的、安全、かつ効果的方法を提供してもよい。流体容器エンクロージャが異なる複数の流体容器設計に適合することを可能にすることにより、チューブセットの製造業者がより適応性がある製品を提供することが可能となる。さらに、流体容器エンクロージャが異なる複数の流体容器設計に適合することを可能にすることにより、医療施設による製品の入手および保管が簡略化できる。
【0049】
例えば、いくつかの実施形態に従うエンクロージャシステムは、開口部の直径および/またはねじ山の構成(例えば、Glass Packaging Institute(GPI)ねじ山仕上げ、「H」寸法、ねじ山の距離、ねじ山の寸法等)、ねじ山のピッチ、ポートもしくはネックの外径(OD)(ODポート)、ねじ山のOD(ODねじ山)、ねじ山の幅等の多種多様な流体容器ポート、開口部、またはネックの寸法で使用されてもよい。加えて、いくつかの実施形態に従うエンクロージャシステムは、様々な製造業者によって作製される流体容器で使用されてもよい。
【0050】
例えば、いくつかの実施形態では、エンクロージャシステムは、約10mm、約20mm、約30mm、約40mm、約50mm、約100mm、約200mm、およびこれらの値のうちの任意の2つの間の任意の値または範囲(端点を含む)の開口部サイズ(例えば、ねじ山を含まないネックOD)を有する容器上に設置されることを可能にした単一キャップを含んでもよい。いくつかの実施形態では、エンクロージャシステムは、約30mm、約30.4mm、約31mm、約32mm、約32.2mmから約32.9mm、約33mm、約33.6mm、約34mm、約35mm、約40mm、およびこれらの値のうちの任意の2つの間の任意の値または範囲(端点を含む)の開口部サイズ(例えば、ねじ山を含まないネックOD)を有する容器上に設置されることを可能にした単一キャップを含んでもよい。
【0051】
いくつかの実施形態では、エンクロージャシステムは、約10mm、約20mm、約30mm、約40mm、約50mm、約100mm、約200mm、およびこれらの値のうちの任意の2つの間の任意の値または範囲(端点を含む)の総開口サイズ(例えば、ねじ山を含むネックOD)を有する容器上に設置されることを可能にした単一キャップを含んでもよい。いくつかの実施形態では、エンクロージャシステムは、約30mm、約31mm、約32mm、約33mm、約33.2mm、約34mm、約35mm、約35.75mm、約36mm、約36.26mm、約40mm、およびこれらの値のうちの任意の2つの間の任意の値または範囲(端点を含む)の総開口サイズ(例えば、ねじ山を含むネックOD)を有する容器上に設置されることを可能にした単一キャップを含んでもよい。
【0052】
いくつかの実施形態では、エンクロージャシステムは、約0.5mm、約1mm、約2mm、約3mm、約4mm、約5mm、約10mm、およびこれらの値のうちの任意の2つの間の任意の値または範囲(端点を含む)のねじ山の幅を有する容器上に設置されることを可能にした単一キャップを含んでもよい。いくつかの実施形態では、エンクロージャシステムは、約1mm、約1.83mm、約2mm、約2.4mm、約2.66mm、約3mm、およびこれらの値のうちの任意の2つの間の任意の値または範囲(端点を含む)のねじ山の幅を有する容器上に設置されることを可能にした単一キャップを含んでもよい。
【0053】
いくつかの実施形態では、エンクロージャシステムは、約1mm、約2mm、約3mm、約4mm、約5mm、約6mm、約7mm、約8mm、約9mm、約10mm、およびこれらの値のうちの任意の2つの間の任意の値または範囲(端点を含む)のねじ山のピッチを有する容器上に設置されることを可能にした単一キャップを含んでもよい。いくつかの実施形態では、エンクロージャシステムは、約3mm、約3.94mm、約4mm、約4.23mm、約4.25mm、約5mm、およびこれらの値のうちの任意の2つの間の任意の値または範囲(端点を含む)のねじ山のピッチを有する容器上に設置されることを可能にした単一キャップを含んでもよい。
【0054】
いくつかの実施形態では、エンクロージャシステムは、350、400、410、415、425、430、450、およびこれらの値のうちの任意の2つの間の任意の値または範囲(端点を含む)のGPIねじ山仕上げを有する流体容器上に設置されることを可能にした単一キャップを含んでもよい。
【0055】
様々な実施形態では、エンクロージャシステムは、異なる複数のタイプの流体容器開口部またはネック上に設置されることを可能にした単一キャップを含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態に従うエンクロージャシステムのキャップは、互いに異なる寸法を有する流体容器開口部/ネック上に設置され得る(およびそれにシールを形成し得る)。いくつかの実施形態では、エンクロージャシステムは、約0.25mm、約0.5mm、約1mm、約1.5mm、約2mm、約3mm、約4mm、約5mm、約10mm、およびこれらの値の任意の2つの間の任意の値または範囲(端点を含む)のODねじ山の差(ΔODねじ山)(すなわち、最小ODねじ山ネックのODねじ山と最大ODねじ山ネックのODねじ山との間の差)を有する複数の流体容器ネック上に設置されることを可能にした単一キャップを含んでもよい。様々な実施形態では、エンクロージャシステムは、約0.25mm、約0.5mm、約1mm、約1.5mm、約2mm、約3mm、約4mm、約5mm、約10mm、およびこれらの値の任意の2つの間の任意の値または範囲(端点を含む)のOD開口部の差(ΔOD開口部)(すなわち、最小OD開口部を有するネックのOD開口部と最大OD開口部を有するポートのOD開口部との間の差)を有する複数の流体容器開口部上に設置されることを可能にした単一キャップを含んでもよい。
【0056】
本明細書で開示および特許請求される装置および/または方法の全ては、本開示に照らして、過度の実験を伴わずに、作製および実行されることができる。本開示の装置および方法は、好ましい実施形態に関して説明されてきたが、本開示の概念、趣旨、および範囲から逸脱することなく、本開示の装置および/または方法に、ならびに本開示の方法のステップまたは一連のステップにおいて、変更が適用され得ることが、当業者に明白であり得る。当業者に明らかな全てのそのような類似の置換および改変は、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の趣旨、範囲、および概念の範囲内であると見なされる。