(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-10
(45)【発行日】2025-01-21
(54)【発明の名称】不燃式エアロゾル供給デバイス
(51)【国際特許分類】
A24F 40/20 20200101AFI20250114BHJP
A24F 40/40 20200101ALI20250114BHJP
【FI】
A24F40/20
A24F40/40
(21)【出願番号】P 2023544255
(86)(22)【出願日】2022-02-02
(86)【国際出願番号】 EP2022052404
(87)【国際公開番号】W WO2022167448
(87)【国際公開日】2022-08-11
【審査請求日】2023-09-21
(32)【優先日】2021-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】キャンベル, ジェレミー
(72)【発明者】
【氏名】ライト, マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ウォルトン, ダニエル アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】フィンチ, アンディ
(72)【発明者】
【氏名】スプラトリー, ジョン ピーター フレデリック
(72)【発明者】
【氏名】アハーン, ダニエル トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ハルケット, アンドリュー リチャード ブキャナン
(72)【発明者】
【氏名】プライヤー, ジェームズ ガーフィールド
【審査官】宮崎 賢司
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-529842(JP,A)
【文献】特表2018-509145(JP,A)
【文献】中国実用新案第209073557(CN,U)
【文献】国際公開第2020/183162(WO,A1)
【文献】特表2019-519201(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111567880(CN,A)
【文献】欧州特許出願公開第03756492(EP,A1)
【文献】特表2020-505073(JP,A)
【文献】米国特許第02328965(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/20
A24F 40/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
消耗品に含まれるエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成する不燃式エアロゾル供給デバイスであって、
エアロゾル生成材料を含む種々のサイズの複数の消耗品のそれぞれを、一度に1つずつ所定位置に保持するように構成された保定装置を備え
、
前記複数の消耗品のそれぞれは、異なる幅を有し、
前記保定装置は、それぞれの幅を有する消耗品を所定位置に保持するために、前記保定装置が複数の構成のそれぞれをとることを可能にする少なくとも1つの弾性部材を含み、
前記少なくとも1つの弾性部材は、前記消耗品が挿入されることになる初期サイズの空隙を提供する初期配置を前記保定装置が画定することを可能にし、
前記少なくとも1つの弾性部材に対して力を加えることにより前記空隙のサイズが変わって、前記複数の消耗品のそれぞれを一度に1つずつ受容及び保持し、
前記少なくとも1つの弾性部材は、前記空隙のサイズを変えるように前記初期配置から離れて偏向可能である2つ以上の弾性部材を含み、
前記2つ以上の弾性部材はそれぞれ、前記消耗品を所定位置に保持するために、前記複数の消耗品のそれぞれと一度に1つずつ同時に接触するように構成され、
前記保定装置は、対応する複数の異なる初期配置間で前記保定装置を移行させるために、前記不燃式エアロゾル供給デバイスの一端部に対して複数の位置間で移動する移動可能な要素を含み、
前記複数の異なる初期配置のそれぞれは、前記消耗品が挿入されることになる異なる初期サイズの空隙を提供し、
前記2つ以上の弾性部材は、前記移動可能な要素の前記複数の位置のうちの現在の位置に対応する前記初期配置に付勢される、不燃式エアロゾル供給デバイス。
【請求項2】
前記2つ以上の弾性部材は、前記初期配置に付勢され、
前記初期配置が提供する前記空隙は、前記複数の消耗品のうちの前記消耗品の幅の中で最も小さい幅よりも小さい、請求項
1に記載の不燃式エアロゾル供給デバイス。
【請求項3】
前記2つ以上の弾性部材のそれぞれは、片持ちばねを形成するアームであり、
片持ちばねを形成する前記アームのそれぞれの消耗品保定力は、120グラム未満である、請求項
2に記載の不燃式エアロゾル供給デバイス。
【請求項4】
前記少なくとも1つの弾性部材は、前記消耗品を所定位置に保持するために、前記複数の消耗品のそれぞれと一度に1つずつ接触するように構成され、
前記少なくとも1つの弾性部材は、前記初期配置に付勢され、
前記初期配置が提供する前記空隙は、前記複数の消耗品のうちの前記消耗品の幅の中で最も小さい幅よりも小さく、
前記保定装置は、筒状体を含み、
前記少なくとも1つの弾性部材は、前記筒状体から前記筒状体によって画定されたキャビティへ延出する弾性突起である、請求項
1に記載の不燃式エアロゾル供給デバイス。
【請求項5】
消耗品に含まれるエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成する不燃式エアロゾル供給デバイスであって、
エアロゾル生成材料を含む種々のサイズの複数の消耗品のそれぞれを、一度に1つずつ所定位置に保持するように構成された保定装置を備え、
前記不燃式エアロゾル供給デバイスは、ハウジングを備え、
前記複数の消耗品のそれぞれは、異なる幅を有し、
前記保定装置は、前記不燃式エアロゾル供給デバイスのチャンバへの開口を提供するオリフィスを含み、
前記オリフィスの中心軸線は、初期配置において前記チャンバの中心軸線に対してゼロでない角度にあり、
前記ハウジングに前記保定装置が移動可能に取り付けられ、前記ハウジングに対して前記保定装置を移動させることにより前記角度が変わることで、前記開口のサイズが変わる
、不燃式エアロゾル供給デバイス。
【請求項6】
前記保定装置は、それぞれの幅を有する消耗品を所定位置に保持するために、前記保定装置が複数の構成のそれぞれをとることを可能にする少なくとも1つの弾性部材を含み、
前記初期配置が提供する前記開口は、前記複数の消耗品のうちの前記消耗品の幅の中で最も小さい幅よりも小さく、
前記少なくとも1つの弾性部材は、前記保定装置を前記初期配置に付勢し、
前記少なくとも1つの弾性部材に対して力を加えることにより前記角度が変わることで、前記チャンバへの前記開口のサイズが増大する、請求項
5に記載の不燃式エアロゾル供給デバイス。
【請求項7】
消耗品に含まれるエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成する不燃式エアロゾル供給デバイスであって、
エアロゾル生成材料を含む種々のサイズの複数の消耗品のそれぞれを、一度に1つずつ所定位置に保持するように構成された保定装置を備え、
前記不燃式エアロゾル供給デバイスは、ハウジングを備え、
前記複数の消耗品のそれぞれは、異なる幅を有し、
前記保定装置は、前記不燃式エアロゾル供給デバイスの前記ハウジングに可動に取り付けられるエンドキャップをさらに含み、
前記エンドキャップは、第1のサイズの第1の開口及び第2のサイズの第2の開口を備え、
前記保定装置の第1の構成では、前記第1の開口が前記不燃式エアロゾル供給デバイスのチャンバと位置合わせされ、
前記保定装置の第2の構成では、前記第2の開口が前記チャンバと位置合わせされる
、不燃式エアロゾル供給デバイス。
【請求項8】
前記保定装置は、前記保定装置を前記保定装置の現在の構成に保持するように構成された1つ又は複数の保持要素を含み、
前記保定装置は、前記不燃式エアロゾル供給デバイスの前記ハウジングに対して旋回することによって前記第1の構成と前記第2の構成との間で移行するように構成される、請求項
7に記載の不燃式エアロゾル供給デバイス。
【請求項9】
消耗品に含まれるエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成する不燃式エアロゾル供給デバイスであって、
ハウジング
と、
エアロゾル生成材料を含む種々のサイズの複数の消耗品のそれぞれを、一度に1つずつ所定位置に保持するように構成された保定装置と、
を備え、
前記複数の消耗品のそれぞれは、異なる幅を有し、
前記保定装置は、それぞれの幅を有する消耗品を所定位置に保持するために、前記保定装置が複数の構成のそれぞれをとることを可能にする少なくとも1つの弾性部材を含み、
前記少なくとも1つの弾性部材は、前記消耗品が挿入されることになる初期サイズの空隙を提供する初期配置を前記保定装置が画定することを可能にし、
前記少なくとも1つの弾性部材に対して力を加えることにより前記空隙のサイズが変わって、前記複数の消耗品のそれぞれを一度に1つずつ受容及び保持し、
前記弾性部材は、コイルばねであり、
前記コイルばねの固定端は、前記不燃式エアロゾル供給デバイスの前記ハウジングに固定的に取り付けられ、
前記コイルばねの可動端は、前記不燃式エアロゾル供給デバイスの前記ハウジングに可動に取り付けられ、
前記空隙は、前記コイルばねの中心によって画定され、
前記空隙のサイズは、前記固定端に対して前記可動端を動かすことによって変えられる
、不燃式エアロゾル供給デバイス。
【請求項10】
消耗品に含まれるエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成する不燃式エアロゾル供給デバイスであって、
ハウジングと、
エアロゾル生成材料を含む種々のサイズの複数の消耗品のそれぞれを、一度に1つずつ所定位置に保持するように構成された保定装置と、
前記複数の消耗品のそれぞれは、異なる幅を有し、
前記保定装置は、それぞれの幅を有する消耗品を所定位置に保持するために、前記保定装置が複数の構成のそれぞれをとることを可能にする少なくとも1つの弾性部材を含み、
前記少なくとも1つの弾性部材は、前記消耗品が挿入されることになる初期サイズの空隙を提供する初期配置を前記保定装置が画定することを可能にし、
前記少なくとも1つの弾性部材に対して力を加えることにより前記空隙のサイズが変わって、前記複数の消耗品のそれぞれを一度に1つずつ受容及び保持し、
前記少なくとも1つの弾性部材は、前記空隙のサイズを変えるように前記初期配置から離れて偏向可能である2つ以上の弾性部材を含み、
前記2つ以上の弾性部材はそれぞれ、前記消耗品を所定位置に保持するために、前記複数の消耗品のそれぞれと一度に1つずつ同時に接触するように構成され、
前記2つ以上の弾性部材は、間に前記空隙を画定するために周方向に配置され、
前記2つ以上の弾性部材は、前記初期配置に付勢され、前記初期配置が提供する前記空隙は、前記複数の消耗品のうちの前記消耗品の幅の中で最も大きい幅よりも大きく、
前記保定装置は、前記不燃式エアロゾル供給デバイスの前記ハウジングに摺動可能に取り付けられる拘束部材を含み、前記拘束部材は、前記2つ以上の弾性部材を、前記2つ以上の弾性部材の付勢に抗して前記空隙のサイズを減少させるように促すために、前記不燃式エアロゾル供給デバイスの前記ハウジングに対して摺動するように構成される
、不燃式エアロゾル供給デバイス。
【請求項11】
前記不燃式エアロゾル供給デバイスは、ハウジングを備え、
前記複数の消耗品のそれぞれは、異なる幅を有し、
前記保定装置は、前記消耗品が挿入されることになる初期サイズの空隙を提供する初期配置を画定し、
前記保定装置は、前記ハウジングに旋回可能に取り付けられる旋回可能な部材を含み、前記旋回可能な部材の旋回軸線が前記不燃式エアロゾル供給デバイスのチャンバの中心と前記チャンバの長さ全体を通じて実質的に整列されるようにし、
前記空隙のサイズは、前記ハウジングに対して前記旋回可能な部材を旋回させることによって変えられる、請求項1に記載の不燃式エアロゾル供給デバイス。
【請求項12】
消耗品に含まれるエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成する不燃式エアロゾル供給デバイスであって、
ハウジングと、
エアロゾル生成材料を含む種々のサイズの複数の消耗品のそれぞれを、一度に1つずつ所定位置に保持するように構成された保定装置と、
前記複数の消耗品のそれぞれは、異なる幅を有し、
前記保定装置は、前記消耗品が挿入されることになる初期サイズの空隙を提供する初期配置を画定し、
前記保定装置は、前記ハウジングに旋回可能に取り付けられる旋回可能な部材を含み、前記旋回可能な部材の旋回軸線が前記不燃式エアロゾル供給デバイスのチャンバの中心と前記チャンバの長さ全体を通じて実質的に整列されるようにし、
前記空隙のサイズは、前記ハウジングに対して前記旋回可能な部材を旋回させることによって変えられ、
前記保定装置は、それぞれの幅を有する消耗品を一度に1つずつ所定位置に保持するために、前記保定装置が複数の構成のそれぞれをとることを可能にする2つ以上の弾性ワイヤを含み、
各ワイヤの第1の端部は、前記旋回可能な部材に固定的に取り付けられ、
各ワイヤの第2の端部は、前記不燃式エアロゾル供給デバイスの前記ハウジングに対して固定的に取り付けられ、
前記2つ以上の弾性ワイヤはそれぞれ、前記消耗品を所定位置に保持するために前記複数の消耗品のそれぞれと一度に1つずつ同時に接触するように構成され、
前記2つ以上の弾性ワイヤに対して力を加えることにより前記2つ以上の弾性ワイヤが前記初期配置から離れて偏向されて、前記空隙のサイズを変えて前記複数の消耗品のそれぞれを一度に1つずつ受容及び保持する
、不燃式エアロゾル供給デバイス。
【請求項13】
前記旋回可能な部材は、カムであり、
前記保定装置は、それぞれが前記カムに摺動可能に接続される2つ以上のグリッパ部材を含み、
前記2つ以上のグリッパ部材は、前記空隙のサイズを画定するように前記空隙の周りに周方向に配置され、それぞれ、前記消耗品を所定位置に保持するために前記複数の消耗品のそれぞれと一度に1つずつ同時に接触するように構成され、
前記2つ以上のグリッパ部材は、前記カムと係合することで、前記カムを旋回させることにより前記グリッパ部材が前記空隙の中心に向かって動き、またそこから離れるように動いて、前記空隙のサイズを変える、請求項
11に記載の不燃式エアロゾル供給デバイス。
【請求項14】
消耗品に含まれるエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成する不燃式エアロゾル供給デバイスであって、
エアロゾル生成材料を含む種々のサイズの複数の消耗品のそれぞれを、一度に1つずつ所定位置に保持するように構成された保定装置を備え、
前記複数の消耗品のそれぞれは、異なる幅を有し、
前記保定装置は、それぞれの幅を有する消耗品を所定位置に保持するために、前記保定装置が複数の構成のそれぞれをとることを可能にする少なくとも1つの弾性部材を含み、
前記保定装置は、テーパ状内面を含む開口を備え、
前記少なくとも1つの弾性部材は、弾性リングを含み、
前記複数の消耗品のうちの所与の消耗品は、前記弾性リングが所与のエアロゾル生成物品の幅に応じて前記テーパ状内面に沿った或る位置において前記所与のエアロゾル生成物品と前記テーパ状内面との間に挟み付けられると、前記保定装置によって所定位置に保持される
、不燃式エアロゾル供給デバイス。
【請求項15】
消耗品に含まれるエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成する不燃式エアロゾル供給デバイスであって、
エアロゾル生成材料を含む種々のサイズの複数の消耗品のそれぞれを、一度に1つずつ所定位置に保持するように構成された保定装置を備え、
前記保定装置は、第1の保定部材及び異なる第2の保定部材のそれぞれを受け入れるようになっている領域を含み、使用者は、前記第1の保定部材及び第2の保定部材のうちのどちらの保定部材を前記領域に受け入れるかをいつでも選択することができ、前記第1の保定部材が前記領域に設置される場合、前記第1の保定部材が、前記不燃式エアロゾル供給デバイスでの使用のために第1の所与のサイズの消耗品を所定位置に保持するように構成され、前記第2の保定部材が前記領域に設置される場合、前記第2の保定部材が、前記不燃式エアロゾル供給デバイスでの使用のために第2の所与のサイズの消耗品を所定位置に保持するように構成される
、不燃式エアロゾル供給デバイス。
【請求項16】
請求項1~
15のいずれか一項に記載の前記不燃式エアロゾル供給デバイスと、
エアロゾル生成材料を含む1つ又は複数の消耗品と、
を備える、不燃式エアロゾル供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者による吸入用のエアロゾルの流れを生成するために消耗品におけるエアロゾル生成材料の少なくとも1つの成分を揮発させる不燃式エアロゾル供給デバイスに関する。
【背景】
【0002】
シガレット、シガーなどのような物品は、使用時にタバコを燃焼させてタバコの煙を生じさせる。タバコを燃焼させるこれらの物品の代替品を、燃焼させることなく化合物を放出する製品を生み出すことによって提供しようとする試みがなされてきた。そのような製品の例は、材料を燃焼させるのではなく加熱することによって化合物を放出する、タバコ加熱製品又はタバコ加熱デバイスとしても知られる、いわゆる非燃焼式加熱製品である。材料は例えば、タバコ又は他の非タバコ製品、或いはブレンドされた混合物などの組み合わせであってもよく、ニコチンを含有してもよく又は含有しなくてもよい。
【概要】
【0003】
本発明の第1の態様によれば、消耗品に含まれるエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成する不燃式エアロゾル供給デバイスであって、エアロゾル生成材料を含む種々のサイズの複数の消耗品のそれぞれを一度に1つずつ所定位置に保持された保定装置を備える、不燃式エアロゾル供給デバイスが提供される。
【0004】
本発明の第2の態様によれば、第1の態様による不燃式エアロゾル供給デバイスを備える不燃式エアロゾル供給システムであって、保定装置は、第1の保定部材及び異なる第2の保定部材のそれぞれを受け入れるようになっている領域を含み、使用者は、第1の保定部材及び第2の保定部材のうちのどちらの保定部材を領域に受け入れるかをいつでも選択することができ、第1の保定部材が領域に設置される場合、第1の保定部材が、不燃式エアロゾル供給デバイスでの使用のために第1の所与のサイズの消耗品を所定位置に保持するように構成され、第2の保定部材が領域に設置される場合、第2の保定部材が、不燃式エアロゾル供給デバイスでの使用のために第2の所与のサイズの消耗品を所定位置に保持するように構成され、システムは、第1の保定部材及び第2の保定部材を備える、不燃式エアロゾル供給システムが提供される。
【0005】
本発明の第3の態様によれば、第1の態様による不燃式エアロゾル供給デバイスと、エアロゾル生成材料を含む1つ又は複数の消耗品と、を備える、不燃式エアロゾル供給システムが提供される。
【0006】
本発明のさらなる特徴及び利点は、添付の図面を参照しながら行われる、単に例として示された、本発明の好ましい実施形態の以下の説明から、明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】消耗品に含まれるエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成する不燃式エアロゾル供給デバイスのブロック概略図を示す。
【
図2】消耗品に含まれるエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成する第2の不燃式エアロゾル供給デバイスのブロック概略断面図を示す。
【
図3A】エアロゾル生成材料を含む第1の消耗品の概略側面図を示す。
【
図3B】エアロゾル生成材料を含む第2の消耗品の概略側面図を示す。
【
図4A】第1の実施例による保定装置の概略斜視図を示す。
【
図4B】第1の実施例による保定装置の概略側面図を示す。
【
図4C】第1の実施例による保定装置の第2の概略斜視面図を示す。
【
図4D】第1の実施例による保定装置の概略側面断面図を示す。
【
図4E】第1の実施例による保定装置の第3の概略斜視図を示す。
【
図4F】第1の実施例による保定装置の第2の概略側面断面図を示す。
【
図5A】第2の実施例による保定装置の概略斜視図を示す。
【
図5B】第2の実施例による保定装置の拡大断面図を示す。
【
図5C】第2の実施例による保定装置の第2の概略斜視図を示す。
【
図5D】第2の実施例による保定装置の側面断面図を示す。
【
図5E】第2の実施例による保定装置の第3の概略斜視図を示す。
【
図5F】第2の実施例による保定装置の第2の側面断面図を示す。
【
図6A】第3の実施例による保定装置の側面断面の概略斜視図を示す。
【
図6B】第3の実施例による保定装置の側面断面の第2の概略斜視図を示す。
【
図6C】消耗品に含まれるエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成する第3の不燃式エアロゾル供給デバイスの概略斜視図を示す。
【
図6D】消耗品に含まれるエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成する第3の不燃式エアロゾル供給デバイスの第2の概略斜視図を示す。
【
図7A】第4の実施例による保定装置の概略スケッチを示す。
【
図7B】第4の実施例による保定装置の第2の概略スケッチを示す。
【
図7C】第4の実施例による保定装置の第3の概略スケッチを示す。
【
図8A】第5の実施例による保定装置を備える、消耗品に含まれるエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成する第4の不燃式エアロゾル供給デバイスの概略内部斜視図を示す。
【
図8B】第5の実施例による保定装置の概略斜視図を示す。
【
図8C】第5の実施例による保定装置の概略平面図を示す。
【
図8D】第5の実施例による保定装置の概略側面断面図を示す。
【
図8E】第5の実施例による保定装置の第2の概略平面図を示す。
【
図8F】第5の実施例による保定装置の第2の概略側面断面図を示す。
【
図8G】第5の実施例による保定装置の第3の概略平面図を示す。
【
図9A】第6の実施例による保定装置の概略ボトムアップ図を示す。
【
図9B】第6の実施例による保定装置の第2の概略ボトムアップ図を示す。
【
図9C】第6の実施例による保定装置を備える、消耗品に含まれるエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成する第5の不燃式エアロゾル供給デバイスの概略内部斜視図を示す。
【
図9D】第6の実施例による保定装置を備える、消耗品に含まれるエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成する第5の不燃式エアロゾル供給デバイスの第2の概略内部斜視図を示す。
【
図10A】第7の実施例による保定装置を備える、消耗品に含まれるエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成する第6の不燃式エアロゾル供給デバイスの概略斜視図及び拡大概略内部斜視図を示す。
【
図10B】第7の実施例による保定装置を備える、消耗品に含まれるエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成する第6の不燃式エアロゾル供給デバイスの第2の概略斜視図を示す。
【
図10C】第7の実施例による保定装置の概略斜視図を示す。
【
図10D】第7の実施例による保定装置の第2の概略斜視図を示す。
【
図11A】第8の実施例による保定装置の概略斜視図及び概略側面図を示す。
【
図11B】第8の実施例による保定装置を備える、消耗品に含まれるエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成する第7の不燃式エアロゾル供給デバイスの概略斜視図を示す。
【
図11C】第8の実施例による保定装置の第2の概略斜視図及び第2の概略側面図を示す。
【
図11D】第8の実施例による保定装置の第3の概略斜視図及び第3の概略側面図を示す。
【
図12A】第9の実施例による保定装置の概略平面図を示す。
【
図12B】第9の実施例による保定装置の第2の概略平面図を示す。
【
図13A】第10の実施例による保定装置の概略平面図を示す。
【
図13B】第10の実施例による保定装置の概略平面図を示す。
【
図14A】第11の実施例による保定装置の概略斜視図を示す。
【
図14B】第11の実施例による保定装置の第2の概略斜視図を示す。
【
図14C】第11の実施例による保定装置の第3の概略斜視図を示す。
【
図15A】第1の保持部材及び第2の保持部材の概略平面図を示す。
【
図15B】不燃式エアロゾル供給システムの第1、第2及び第3の概略斜視図を示す。
【
図15C】不燃式エアロゾル供給システムの第4の概略斜視図を示す。
【
図15D】不燃式エアロゾル供給システムの第5、第6及び第7の概略斜視図を示す。
【詳細な説明】
【0008】
図1は、不燃式エアロゾル供給デバイス100のブロック概略図である。不燃式エアロゾル供給デバイス100は、チャンバ、キャビティ又はホルダなどのレセプタクルを備える。例えば、レセプタクルは、加熱チャンバ102とすることができる。チャンバ102は、エアロゾル生成材料を含む消耗品を受け入れるように構成される。
【0009】
エアロゾル生成材料は、例えば、加熱、照射又は任意の他の方法で励起されると、エアロゾルを生成することが可能な材料である。エアロゾル生成材料は例えば、固体、液体又はゲルの形態とすることができ、活性物質及び/又は香味料を含有してもよく又は含有しなくてもよい。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は、「非晶質固体」を含むことができ、代替的に、「モノリシック固体」(すなわち、非繊維質)と呼ばれることもある。いくつかの実施形態では、非晶質固体は、乾燥ゲルとすることができる。非晶質固体は、液体などのいくらかの流体を内部に保持することができる固体材料である。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は例えば、約50wt%、60wt%又は70wt%の非晶質固体~約90wt%、95wt%又は100wt%の非晶質固体を含むことができる。
【0010】
エアロゾル生成材料は、1つ又は複数の活性物質及び/又は香味料、1つ又は複数のエアロゾルフォーマ材料、並びに任意選択で1つ又は複数の他の機能性材料を含んでもよい。
【0011】
消耗品は、エアロゾル生成材料を含むか又はエアロゾル生成材料からなる物品であり、物品の一部又はすべては、使用者による使用時に消費されることを意図されている。消耗品は、エアロゾル生成材料保管エリア、エアロゾル生成材料移送構成要素、エアロゾル生成エリア、ハウジング、ラッパー、マウスピース、フィルター及び/又はエアロゾル変性剤などの、1つ又は複数の他の構成要素を含むことができる。消耗品はまた、使用中に発熱してエアロゾル生成材料にエアロゾルを生成させる、ヒータなどのエアロゾル生成器を含むことができる。ヒータは例えば、可燃性材料、電気伝導によって加熱可能な材料、又はサセプタを含むことができる。
【0012】
不燃式エアロゾル供給デバイス100は、消耗品に含まれるエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのものである。不燃式エアロゾル供給デバイス100は、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するエアロゾル生成器を備える。いくつかの例では、不燃式エアロゾル供給デバイス100は、消耗品に含まれるエアロゾル生成材料を加熱してエアロゾル生成材料の少なくとも1つの成分を揮発させるためのものである。そのような例では、エアロゾル生成器は、エアロゾル生成材料に熱を供給するように機能する。他の例では、エアロゾル生成器は、エアロゾルを加熱なしにエアロゾル生成材料から生成させるように構成される。例えば、エアロゾル生成器は、振動、圧力増加、静電エネルギー、又は超音波エネルギーの使用によることのうちの1つ又は複数にエアロゾル生成材料を付すように構成されてもよい。いくつかのそのような例では、エアロゾル生成器は、エアロゾル生成材料を振動に付す1つ又は複数の圧電素子を含む。
【0013】
不燃式エアロゾル供給デバイス100は、消耗品に含まれるエアロゾル生成材料を加熱してエアロゾル生成材料の少なくとも1つの成分を揮発させるためのものである。不燃式エアロゾル供給デバイス100は、エアロゾル化可能材料を加熱することによって生成されるエアロゾルを送達するように構成することができる。消耗品は、タバコ加熱製品(THP)物品である。不燃式エアロゾル供給デバイス100は例えば、吸入可能なエアロゾルを供給することに用いるハンドヘルドデバイスであってもよい。
【0014】
不燃式エアロゾル供給デバイス100は以下、デバイス100と呼ぶ。デバイス100は、記載の加熱チャンバ102に受け入れられる消耗品に含まれるエアロゾル生成材料を加熱するように構成される。デバイス100は、加熱チャンバ102に受け入れられるエアロゾル生成材料を含む消耗品のエアロゾル生成材料を加熱するエネルギーを加熱するように構成される加熱構成体104を備える。いくつかの例では、加熱構成体104は、加熱チャンバ102と熱接触して配置される1つ又は複数の抵抗加熱要素を含む。1つ又は複数の抵抗加熱要素の電気抵抗に対する電流の流れが熱を生成する。このプロセスは、ジュール加熱、オーム加熱、又は抵抗加熱と呼ばれる。
【0015】
サセプタは、交流磁場などの変動磁場による侵入によって加熱可能である材料である。サセプタは、導電性材料とすることができ、そのため、変動磁場による導電性材料の侵入により加熱材料の誘導加熱が引き起こされる。加熱材料は、磁性材料とすることができ、そのため、変動磁場による磁性材料の侵入により加熱材料の磁気ヒステリシス加熱が引き起こされる。サセプタは、導電性及び磁性の両方であるものとすることができ、そのため、サセプタは両方の加熱機構によって加熱可能である。変動磁場を発生するように構成されるデバイスは、本明細書において磁場発生器と呼ばれる。
【0016】
いくつかの例では、加熱構成体104は、サセプタを誘導加熱するために変動磁場を発生するように構成される磁場発生器である。磁場発生器は、1つ又は複数のインダクタを含むことができ、インダクタを介して交流電流が通されて変動磁場を発生する。いくつかの例では、加熱構成体104は、1つ又は複数のサセプタを含む。他の例では、加熱構成体104は、サセプタを含まなくてもよく、代わりに、デバイス100との使用を意図された消耗品の一部として1つ又は複数のサセプタが設けられてもよく/それら消耗品が1つ又は複数のサセプタに設けられてもよい。
【0017】
デバイス100は、電源106を備える。電源106は、デバイス100の様々な構成要素に電力を供給する。いくつかの例では、電源106はバッテリである。いくつかの例では、電源106は、バッテリ及びDC-DCコンバータを含み、パワーはバッテリからDC-DCコンバータを介して供給される。DC-DCコンバータは、電源106がバッテリの電圧とは異なる電圧で給電することを可能にし得る。いくつかの例では、デバイス100は、例えば、加熱構成体104が磁場発生器である場合に加熱構成体104の1つ又は複数のインダクタに給電するために、例えばバッテリからのDC電流をAC電流に変換するDC-ACコンバータを備えることができる。以下の例では、電源106は、単にバッテリ106と呼ばれる。
【0018】
図1の例では、エアロゾル供給デバイス100は、コンピュータ可読メモリ110とデータ通信するプロセッサ108を備える。プロセッサ108は、デバイス100の動作の様々な態様を制御するように構成される。プロセッサ108は、コンピュータ可読メモリ110に記憶された命令を実行することによって様々な態様を制御する。例えば、プロセッサ108は、加熱構成体104の動作を制御することができる。例えば、プロセッサは、スイッチなど(
図1に示さず)のような様々な電気構成要素を制御することによってバッテリ106から加熱構成体104への電力の送達を制御することができる。プロセッサ108、コンピュータ可読メモリ110及び加熱構成体104はまとめて加熱システムと呼ぶことがある。
【0019】
図1の例では、デバイス100は、保定装置112を備える。保定装置112は、デバイス100との使用を意図された消耗品を一度に1つずつ所定位置に保持するように構成される。例えば、保定装置112は、加熱チャンバ102に受け入れられた消耗品を所定位置に保持する。
【0020】
デバイス100は通気入口/出口、制御インタフェース、充填ポートなどのような、
図1には示さない他の構成要素を備えることができることが理解されるであろう。
図1はデバイス100に含まれ得る多数の構成要素を示す単なる概略スケッチであることに留意されたい。
図1は、様々な構成要素の特定の位置を伝えることを意図していない。例えば、保定装置112は、加熱チャンバ102に受け入れられた消耗品を所定位置に保持するように機能する限り、デバイス100内/又はの任意の位置に設けられてもよい。
【0021】
デバイス100はまた、上述の構成要素が収容され得るハウジング114を備える。デバイス100のより特定の例は、以下で説明される。
【0022】
図2は、デバイス100の一例のブロック概略側面図である。説明を容易にするために、エアロゾル供給デバイス100の特定の構成要素は
図2から省かれている。
図2では、数字202はデバイス100の近位端を示し、数字204はデバイス100の遠位端を示す。近位端202は、デバイス100が意図されるようにエアロゾルを吸入するために使用される場合に使用者が遠位端204よりも自身の口の近くに保持する(例えば、自身の口へ向けられる)端部である。他方、デバイス100の遠位端204は、デバイス100が意図されるようにエアロゾルを吸入するために使用される場合に使用者が近位端202よりも自身の口から離して保持する端部である。
【0023】
図2の例では、保定装置112は、デバイス100の近位端202の方に配置されている。しかしながら、他の例では、保定装置112は、近位端202の方に配置されなくてもよい。いくつかの例では、保定装置112は、デバイス100の遠位端204の方に配置される。保定装置112は、種々のサイズの複数の消耗品のそれぞれを一度に1つずつ所定位置に保持するように構成される。
【0024】
本明細書において使用される場合、種々のサイズは、製造公差に起因する消耗品のサイズの変動を示さない。本明細書において使用される場合、種々のサイズは、消耗品の種々の意図された寸法を指す。例えば、異なってサイズ決めされたレセプタクルにフィットする種々の意図された幅及び/又は長さを有する消耗品。種々の意図されたサイズの消耗品は、種々のタイプの消耗品と呼ばれることがある。
【0025】
種々のタイプの消耗品は、単に、異なってサイズ決めされるという点で、異なっていてもよく、又は、内部構成、内部構造などのような他の態様が、さらに異なっていてもよい。
【0026】
いくつかの例では、保定装置は、120グラム未満の消耗品保定力を有する少なくとも1つの弾性部材を備える。消耗品保定力は、消耗品を所定位置に保持するために保定装置によって消耗品に加えられる力である。
【0027】
図2は、単に概略図にすぎず、特定の構造、近位端202の方の位置、配置などを特定するものと考えられるべきではない。
図2は単に、保定装置112が
図2の特定の例において近位端202の方に配置されていることを示すにすぎない。説明したように、保定装置112は、遠位端204の方などに、異なって配置されてもよい。
【0028】
保定装置112は、様々な異なる方法で実施することができる。近位端202の方に配置されるとともに種々のサイズの複数の消耗品のそれぞれを一度に1つずつ所定位置に保持するように構成される保定装置112の様々な例を、以下で説明する。
【0029】
以下で説明される例では、複数の消耗品のそれぞれは異なる幅を有する。消耗品がロッド状である(例えば、従来のシガレットと類似している)例では、エアロゾル生成物品の幅は、エアロゾル生成物品の外径となるようにとられ得る。
図3Aは、複数の消耗品のうちの第1の消耗品300を示し、
図3Bは、複数の消耗品のうちの第2の消耗品302を示す。第1の消耗品300は、第2の消耗品302の幅よりも狭い幅を有する。
【0030】
以下で説明される実施例3、4、5、6、7及び8では、保定装置112は、それぞれの幅を有する消耗品を所定位置に保持するために保定装置112が複数の構成のそれぞれをとることを可能にする少なくとも1つの弾性部材を含む。例えば、保定装置112は、第1の消耗品300を所定位置に保持するために保定装置112が第1の構成をとることを可能にするとともに、第2の消耗品302を所定位置に保持するために保定装置112が第2の構成をとることを可能にする少なくとも1つの弾性部材を有することができる。
以下で説明される実施例4、5、6、7、8では、少なくとも1つの弾性部材は、消耗品が挿入されることになる初期サイズの空隙を提供する初期配置を保定装置が画定することを可能にする。少なくとも1つの弾性部材に対して力を加えることにより空隙のサイズを変えて、複数の消耗品のそれぞれを一度に1つずつ受容及び保持する。
【0031】
以下で説明される実施例4、5、6、8では、より詳細には、少なくとも1つの弾性部材は、初期配置から離れて偏向されて空隙のサイズを変える2つ以上の弾性部材を含む。2つ以上の弾性部材はそれぞれ同時に、消耗品を所定位置に保持するために複数の消耗品のそれぞれに一度に1つずつ接触するように構成される。
【0032】
以下で説明される実施例9及び10では、保定装置は、消耗品が挿入されることになる初期サイズの空隙を提供する初期配置を画定する。保定装置は、ハウジング114に旋回可能に取り付けられる旋回可能な部材を含み、旋回可能な部材の旋回軸線が加熱チャンバ102の中心とチャンバの長さ全体を通じて実質的に整列されるようにしている。空隙のサイズは、ハウジング114に対して旋回可能な部材を旋回させることによって変えられる。
【0033】
実施例1
実施例1では、複数のエアロゾル生成物品のそれぞれが異なる幅を有する。
図4A~
図4Fは、保定装置112の実施例1を概略的に示す。
図4A~
図4Fに示す実施例1による特定の保定装置は、112aとして符号が付されている。保定装置112aは、デバイス100の加熱チャンバ102への開口を提供するオリフィス402を含む。
図4Aは、保定装置112aの概略斜視図を示し、
図4Bは、保定装置112aの概略側面図を示す。
【0034】
オリフィス402の中心軸線404は、初期配置では加熱チャンバ102の中心軸線406に対してゼロでない角度にある。
図4A及び
図4Bの例では、保定装置112aは、初期配置にあり、オリフィス402の中心軸線404が加熱チャンバ102の中心軸線406に対してゼロでない角度にあることが分かる。この角度は、1°~15°の間とすることができる。
【0035】
この例では、保定装置112aは、デバイス100のハウジング114に可動に取り付けられており、保定装置112aをハウジング114に対して動かすことにより角度が変わることで、開口のサイズが変わる。
【0036】
より詳細には、この例では、保定装置112aは、それぞれの幅を有する消耗品を所定位置に保持するために保定装置112aが複数の構成のそれぞれをとることを可能にする弾性部材408を含む。弾性部材の数は1つに限定されない。他の同様の例では、それぞれの幅を有する消耗品を所定位置に保持するために保定装置112aが複数の構成のそれぞれをとることを可能にする少なくとも1つの弾性部材が設けられてもよい。
【0037】
この例では、弾性部材408は、保定装置112aを初期配置に付勢している。弾性部材408に対して力を加えることにより角度が変わることで、チャンバ102への開口のサイズが増大する。この例では、保定装置112aは、デバイス100のハウジング114に接続されるハウジング410を含み、弾性部材408は、
図4Bに示すように保定装置112aのハウジング410とデバイス100のハウジング114との間に配置されている。この例では、保定装置112aのハウジング410は、ハウジング410の一端部がもう一方の端部よりもはるかに厚くなるような形状を有する。ハウジング410の形状は以下、楔状形状と呼ぶ。しかしながら、この例の記載の機能を可能にする他の形状が用いられてもよい。
【0038】
楔状ハウジング410の狭端部412がデバイス100のハウジング114に(例えば、ヒンジを介して)枢動可能に接続される。楔状ハウジング410のより厚い端部414は、狭端部412がデバイス100のハウジング114に対して枢動するとデバイス100のハウジング114に対して移動する。より厚い端部414は、デバイス100のハウジング114に対して移動する際、デバイス100のハウジング114の内外に少なくとも部分的に移動する。
【0039】
この例では、より厚い端部414は、狭端部412よりも、加熱チャンバ102の近くに配置されている。オリフィス402は、楔状ハウジング410の狭端部412よりも、より厚い端部414の近くに設けられている。このように、狭端部412がデバイス100のハウジング114に対して枢動すると、オリフィス402の中心軸線404の角度が加熱チャンバ102の中心軸線406に対して変わる。デバイス100は、加熱チャンバ102に至る加熱チャンバオリフィス102aを含む。この例では、オリフィス402の中心軸線404と加熱チャンバ102の中心軸線406との間の角度が大きいほど、オリフィス402は加熱チャンバオリフィス102aとより少なく位置合わせされる。他方、オリフィス402の中心軸線404と加熱チャンバ102の中心軸線406との間の角度が小さいほど、オリフィス402は加熱チャンバオリフィス102aとより多く位置合わせされる。
【0040】
チャンバ102への開口のサイズは、オリフィス402が加熱チャンバオリフィス102aとどの程度位置合わせされるかに応じて決まる。オリフィス402が加熱チャンバオリフィス102aと多く位置合わせされるほど、加熱チャンバ102への開口のサイズはより大きくなる。
【0041】
この例では、弾性部材408はコイルばねである。しかしながら、弾性部材408は、この例において記載される機能を果たすのに適切な任意の他の弾性部材であってもよい。コイルばね408は、より厚い端部414がデバイス100のハウジング114から離れるよう、楔状ハウジング410を付勢するように配置されている。
【0042】
コイルばね408に対して力を加えることによりオリフィス402の中心軸線404と加熱チャンバ102の中心軸線406との間の角度が減少することで、加熱チャンバ102への開口のサイズが増大する。この理由は、オリフィス402の中心軸線404と加熱の中心軸線406との間の角度が小さいほどオリフィス402が加熱チャンバオリフィス102aとより多く位置合わせするからである。
【0043】
図4Cは、保定装置112aの概略斜視図である。
図4Cの例では、第1の消耗品300が、保定装置112aを介して加熱チャンバ102に挿入されている。
図4Dは、第1の消耗品300が保定装置112aを介して加熱チャンバ102に挿入されている、保定装置112aの概略側面図である。
【0044】
図4C及び
図4Dでは、より厚い端部414をデバイス100のハウジング114内へ部分的に移動させるために、また、それに応じてドライブ100のハウジング114に対して狭端部412を枢動させるために、コイルばね408に対して力が加えられている。したがって、オリフィス402の中心軸線404と加熱チャンバ102の中心軸線404との間の角度が初期配置に比べて僅かに減少していることで、加熱チャンバへの開口のサイズが初期配置に比べて増大している。
【0045】
例えば、第1の消耗品300を加熱チャンバ102に挿入することができるよう、開口のサイズを増大させるように力が加えられる。消耗品が挿入されると、コイルばね408に抗する力は取り除かれる。
図4Dに示すように、より厚い端部414に最も近い、オリフィス402の上縁402aと、狭端部412に最も近い、オリフィス402の下縁402bとが第1の消耗品300に接触するまで、開口のサイズが減少する。この接触により、第1の消耗品300が所定位置に保持され、保定装置112aが初期配置に完全に戻ることが阻止される。
【0046】
図4Eは、保定装置112aの概略斜視図である。
図4Eの例では、第2の消耗品302が、保定装置112aを介して加熱チャンバ102に挿入されている。
図4Fは、第2の消耗品302が保定装置112aを介して加熱チャンバ102に挿入されている、保定装置112aの概略側面図である。
【0047】
前述したように、第2の消耗品302の幅は、第1の消耗品300の幅よりも大きい。
図4E及び
図4Fの例では、保定装置は、第2の消耗品302を所定位置に保持するために上述したのと同じ方式で機能する。
図4E及び
図4Fの例では、
図4C及び
図4Dの例に比べて、より厚い端部414をデバイス100のハウジング114へさらに移動させる(それに応じてデバイス100のハウジング114に対して狭端部412を枢動させる)ためにコイルばね408に対して力が加えられることで、オリフィス402の中心軸線414と加熱チャンバ102の中心軸線406との間の角度が減少し、開口のサイズが
図4C及び
図4Dの例におけるよりも大きな程度まで増大する。
【0048】
開口のサイズは、第2の消耗品302の挿入を可能にするのに十分に増大する(より広くなる)。第2の消耗品302の挿入後に力が取り除かれると、
図4Fに示すように、より厚い端部414に最も近い、オリフィス402の上縁402aと、狭端部412に最も近くい、オリフィス402の下縁402bとが第2の消耗品300に接触するまで、開口のサイズが減少する。この接触により、第2の消耗品300が所定位置に保持され、保定装置112aが初期配置に完全に戻ることが阻止される。
【0049】
この例では、オリフィス402の中心軸線404と加熱チャンバ102の中心軸線406との間の角度の差が小さいほど、加熱チャンバ102への開口のサイズがより大きくなる。コイルばね408は、開口のサイズを減少させるとともに説明したように消耗品を一度に1つずつ所定位置に保持するように付勢されている。したがって、この例の保定装置112aは、異なる幅を有する消耗品を一度に1つずつ所定位置に保持することが可能である。保定装置112aは、オリフィス402に挿入することができる任意の幅の消耗品とともに使用することができる。
【0050】
他の例では、コイルばねなどの弾性部材408はなくてもよい。代わりに、オリフィス402の中心軸線404と加熱チャンバ102の中心軸線406との間に複数の異なる角度をもたらすように所定位置に楔状ハウジング410を固定する固定機構があってもよい。例えば、固定機構は、第1の消耗品300を所定位置に保持するのに適切な第1の角度及び第2の消耗品302を所定位置に保持するのに適切な異なる第2の角度で楔状ハウジング410を固定することができる。固定機構は、デテント、ラッチなどを含み得る。そのような例では、使用者が楔状ハウジング410を操作して角度を変えることを可能にするグリップ構造が設けられてもよい。
【0051】
実施例2
図5A~
図5Fは、保定装置112の実施例2を概略的に示す。
図5A~
図5Fに示す実施例2による特定の保定装置は、112bとして符号が付されている。保定装置112bは、デバイス100のハウジング114に可動に取り付けられるエンドキャップ502を含む。エンドキャップ502は、第1のサイズの第1の開口504及び異なる第2のサイズの第2の開口506を有する。
【0052】
第1の開口504は、第1の幅の消耗品(例えば、第1の消耗品300)を所定位置に保持するようにサイズ決めされている。第2の開口506は、第2の幅の消耗品(例えば、第2の消耗品302)を所定位置に保持するようにサイズ決めされている。例えば、第1の開口504は、十分な力を加えることにより第1の幅の消耗品の挿入を可能にするようにサイズ決めすることができる。しかしながら、第1の開口504は、例えば、重力又はデバイス100の動きによって生じる力に抗して、摩擦により、第1の幅の消耗品を所定位置に保持するようにサイズ決めされてもよい。第1の開口504は、第1の幅の消耗品が挿入されると著しく損傷を受けそうなほど記載の十分な力が高くないようにサイズ決めされてもよい。他方、第1の開口504は、意図されるように使用される場合、第1のサイズの消耗品を所定位置に十分に保持することによって消耗品がデバイス100に対して移動しないように十分に小さいものとすることができる。第2の開口506は、同様に第2の幅の消耗品を所定位置に保持するようにサイズ決めすることができる。
【0053】
この例では、保定装置112bは、第1の構成と第2の構成との間で構成可能である。保定装置112bの第1の構成では、第1の開口504がデバイス100の加熱チャンバ102と位置合わせされる。保定装置112bの第2の構成では、第2の開口506が加熱チャンバ102と位置合わせされる。第1の構成及び第2の構成は以下で論じる。
【0054】
図5A~
図5Dの例では、保定装置112bは、ハウジング114に対して旋回することによって第1の構成と第2の構成との間で移行するように構成される。より詳細には、エンドキャップ502は、
図5Aに矢印によって示すようにハウジング114の縦軸線に対して略平行な旋回軸線を中心に旋回するように構成される。エンドキャップ502は、例えば、エンドキャップ502がハウジング114に対して旋回することができるようにハウジング114に取り付けられたロッド/シリンダ要素に固定的に取り付けられることによって旋回可能に取り付けられることができる。この例では、エンドキャップ502は、ハウジング114における溝516に受け入れられた軸端518を含む。軸端518及び溝516は両方とも円形断面を有する。軸端518の中心及び溝516の中心は、ハウジング114の縦軸線と整列されている。この方式では、エンドキャップ502は、ハウジング114の縦軸線に対して略平行な軸線を中心に旋回するように構成される。他の例(図示せず)では、エンドキャップ502は、ハウジング114に摺動可能に取り付けられてもよい。そのような例では、保定装置112bは、ハウジング114に対して摺動することによって第1の構成と第2の構成との間で移行するように構成される。
【0055】
図5Aの例では、第1の開口504は、上述したように第1の幅の消耗品と接触するとともに摩擦により第1の消耗品を所定位置に保持する、リッジ504aを含む。例えば、第1の幅の消耗品は、第1の開口504に挿入されて十分な力を加えるとリッジ504aと接触することができる。しかしながら、リッジ504aとの接触が、例えば、重力又はデバイス100の動きによって生じる力に抗して、摩擦により、その消耗品を所定位置に保持してもよい。この例では、第2の開口506は、リッジ504aが第1の幅の消耗品を保持するのと同じ方式で、第2の幅の消耗品と接触するとともに第2の幅の消耗品を保持するリッジ506aを含む。
【0056】
リッジ504a及び506aは、近位端から加熱チャンバ102の方向に向かって内側にテーパするテーパ状部分を含むことができる。このテーパリングは、第1の開口504及び第2の開口506へのそれぞれにサイズ決めされた消耗品の容易なガイド挿入を可能にし得る。
【0057】
図5Bを参照すると、特定の構成における保定装置112bの拡張断面図が示されている。この例では、保定装置112bは、保定装置を保定装置の現在の構成に保持するように構成された1つ又は複数の保持要素を含む。例えば、保定装置112bが第1の構成にある場合、1つ又は複数の保持要素は、保定装置112bを第1の構成に保持する。保定装置112bが第2の構成にある場合、1つ又は複数の保持要素は、保定装置112bを第2の構成に保持する。
【0058】
例えば、保定装置112bは、第1の弾性保持要素508及び第2の弾性保持要素510を含む。より詳細には、この例では、第1の弾性保持要素508は、第1のコイルばね508であり、第2の弾性保持要素510は、第2のコイルばね510である。第1のコイルばね508及び第2のコイルばね510のそれぞれの一端部は、第1のコイルばね508及び第2のコイルばね510が圧縮される(又は平衡状態にある)場合に第1のコイルばね508及び第2のコイルばね510がハウジング114内へ後退する(例えば、ハウジング114の最外面を越えて延出しないように内側に後退する)ことができるようにハウジング114におけるそれぞれの位置でハウジング114に固定的に取り付けられる。この例では、弾性保持要素である2つのコイルばねがあることに留意されたい。しかしながら、いくつかの例では、1つの弾性保持要素があってもよく又はより多くの弾性保持要素があってもよい。
【0059】
第1のコイルばね508及び第2のコイルばね510のそれぞれのもう一方の端部には、それぞれの球状要素508a、510aが当接している。この例では、第1のコイルばね508及び第2のコイルばね510に(それぞれの球状要素508a、510aの重量の力を除き)加えられている力がない場合、第1のコイルばね508及び第2のコイルばね510のそれぞれは、それぞれの球状要素508a、510aがハウジング114から外側へ少なくとも部分的に突出するように付勢される。この例では、第1のコイルばね508及び第2のコイルばね510のそれぞれは、それぞれの球状要素508a、510aがハウジング114に対してエンドキャップ502のすべての位置においてエンドキャップ502によって覆われるように、軸端518に隣り合って配置されている。保定装置112bは、第1の窪み512及び第2の窪み514を有する。第1の球状要素508a又は第2の球状要素510aが第1の窪み512に受容されると、エンドキャップ502はハウジング114に対して旋回することを阻止される。同様に、第1の球状要素508a又は第2の球状要素510aが第2の窪み514に受容されると、エンドキャップ502はハウジング114に対して旋回することを阻止される。それにより保定装置112bを保定装置112bの現在の構成に保持することができる。
【0060】
使用者は、エンドキャップ502に旋回力を加えることによってエンドキャップ502をハウジング114に対して旋回させることで、第1の球状要素508a及び第2の球状要素510aのそれぞれに力が加えられて、それぞれ第1のコイルばね508及び第2のコイルばね510を圧縮させることができる。これにより、エンドキャップ502の旋回運動を可能にするように球状要素がハウジング114の最外面を通過してハウジング114内へ後退する。
【0061】
第1の窪み512及び第2の窪み514は、第1の開口504が加熱チャンバ102と位置合わせされる場合及び第2の開口506が加熱チャンバと位置合わせされる場合に球状要素が窪みと係合して旋回運動を阻止するようにエンドキャップ502に構成され配置されることができる。このような方式で、第1のコイルばね508及び第2のコイルばね510、第1の球状要素508a及び第2の球状要素510a、並びに第1の窪み512及び第2の窪み514がデテントを形成して、エンドキャップ502を第1の構成及び第2の構成に保持する。
【0062】
図5Bの例では、球状要素を伴った2つのコイルばね及び2つの窪みが示されている。しかしながら、他の例では、上述したように機能する、1つ又は複数のコイルばね及び対応する適切な数の窪みがあってもよい。例えば、単一のコイルばね及び球状要素並びに2つの窪み(第1の構成及び第2の構成のそれぞれにつき1つずつ)が設けられてもよい。
【0063】
図5Cは、第1の構成における保定装置112bの概略斜視図である。前述したように、第1の構成では、第1の開口504が加熱チャンバ102と位置合わせされる。これにより、適切な幅の消耗品が加熱チャンバ102に挿入されることが可能となる。
図5Cの例では、第1の開口504は、第1の消耗品300の挿入を可能にするようにサイズ決めされている。
【0064】
図5Dは、第1の消耗品300が加熱チャンバ102に挿入されている、第1の構成における保定装置112bの側面断面図である。
【0065】
図5Eは、第2の構成における保定装置112bの概略斜視図である。前述したように、第2の構成では、第2の開口506が加熱チャンバ102と位置合わせされる。これにより、適切な幅の消耗品が加熱チャンバ102に挿入されることが可能となる。
図5Eの例では、第2の開口506は、第2の消耗品302の挿入を可能にするようにサイズ決めされている。
【0066】
図5Fは、第2の消耗品302が加熱チャンバ102に挿入されている、第2の構成における保定装置112bの側面断面図である。
【0067】
実施例3
実施例3の保定装置は、
図6A~
図6Dにおいて参照数字112cで符号が付されている。
【0068】
図6Aは、保定装置112cの一例を概略的に示す。
図6Aにおいて、保定装置112cは、説明を容易にするためにデバイス100の残りの部分から分離して示されている。保定装置112cは、テーパ状内面604を含む開口602を有する。テーパ状内面604は、開口へ進むにつれて半径方向外側へテーパする。この例では、1つの弾性部材がある。弾性部材は弾性リング606を含む。弾性リング606は、力を加えることによって変形することができるとともに力を取り除くと変形前の弾性リング606の形状に戻るゴム又は他の弾性材料の形態を有することができる。説明のため、保定装置112cに挿入された第2の消耗品302も示されている。
【0069】
保定装置112cでは、複数の消耗品のうちの所与の消耗品は、弾性リング606が所与の消耗品の幅に応じてテーパ状内面604に沿った位置で所与の消耗品とテーパ状内面604との間に挟み付けられると、保定装置112cによって所定位置に保持される。
【0070】
例えば、使用者は、
図6Aにおいて矢印によって示すように所与の消耗品を保定装置112cに挿入することができる。次いで、保定装置112cが所与の消耗品を所定位置に保持することができるようにするために、使用者は、所与の消耗品を反対方向に(すなわち、以下で上方と呼ばれる、近位端の方への保定装置112cから出る方向に)引く。これが行われると、弾性リング606は、所与の消耗品の移動とともに上方に転動するようになることにより、テーパ状内面604のより狭い領域へ向かって転動する。
【0071】
弾性リング606は、引き上げられる所与の消耗品の移動とともに上方に転動し、所与の消耗品とテーパ状内面604との間で締め付けられるために最終的に所与の消耗品のさらなる上方への移動を阻止させる。弾性リング606のこの締め付け(挟み付け)により、所与の消耗品が所定位置に保持されることが可能となる。
【0072】
所与の消耗品のさらなる上方への移動を阻止するとともに所与の消耗品を適所に保持する前に弾性リング606がテーパ状内面604をどの程度上に転動するかは、所与の消耗品の幅に応じて決まる。
【0073】
図6Bは、第2の消耗品302が挿入されているとともに第2の消耗品302が保定装置112cによって保持されるように引かれている、保定装置112cの構成を概略的に示す。
図6Bは、弾性リング606が第2の消耗品302とテーパ状内面との間に挟み付けられている(締め付けられている)ことを示す。
【0074】
テーパ状内面はひと続きの面であるため、保定装置112cは、異なる幅の多数の消耗品を所定位置に保持するために使用することができる。これは、それらの幅が、テーパ状内面604に沿ったどこかで当該消耗品とテーパ状内面604との間に弾性リング606が挟み付けられて当該消耗品を所定位置に保持することができるようなものである限り、当てはまる。
【0075】
図6Cは、消耗品が加熱チャンバ102に挿入されている、デバイス100の一例を示す。
図6Cに示していないが、デバイス100の近位端202の方にカラー602及び弾性リング606が配置される。
図6Cにおける矢印は、保定装置112cが上述したように消耗品を所定位置に保持することができるようにするために、デバイス100に挿入された消耗品を使用者が引く上方方向を示す。
【0076】
弾性リング606が消耗品とテーパ状内面604との間に挟み付けられることになるため、保定装置112cによって保持された消耗品を上方に引くことによって取り外そうとすることは望ましくないことに留意されたい。保持された消耗品をさらに上方に引くことは、弾性リング606がより強力に締め付けられるとともにさらに遠くへの上方移動を阻止するという効果を有する。
【0077】
図6Dは、遠位端204を示す、実施例3のデバイス100の概略斜視図である。保持された消耗品の取り外しを可能にするために、実施例3では、保持された消耗品が遠位端204から取り外されることを可能にする扉又は蓋608が設けられている。保持された消耗品が遠位端204の方に(実施例3の説明において指すような下方方向に)引かれると、弾性リング606は、テーパ状内面604のより広い領域の方に下方へ移動するようになる。弾性リング606を保定装置112cに保定するためにリテーナ(図示せず)が提供されてもよい。例えば、弾性リング606を保定するためにテーパ状の面604の最も広い部分に内側延出リップが設けられてもよい。これにより、当該消耗品は、説明したように保定リング606が挟み付けられることによって保持されず、扉又は蓋608を介して取り外すことができる。扉又は蓋608は、
図6Dに示すように1つ又は複数の通気開口を含み得る。
【0078】
実施例4
実施例4では、2つの弾性部材が設けられる。しかしながら、他の同様の例では、2つよりも多くの弾性部材が設けられてもよい。2つの弾性部材は初期配置に付勢されており、初期配置が提供する空隙は、複数の消耗品のうちの消耗品の幅の中で最も小さい幅よりも小さい。
【0079】
より詳細には、実施例4では、2つの弾性部材のそれぞれは、片持ちばねを形成するアームであり、片持ちばねを形成するアームのそれぞれの消耗品保定力は120グラム未満である。
【0080】
図7A~
図7Cは、実施例4による、数字112dで符号が付された保定装置を示す。
図7Aは、保定装置112dの概略スケッチである。この例では、2つ以上の弾性部材が、第1の片持ちばね702を形成する第1のアームと、第2の片持ちばね704を形成する第2のアームとを含む。
【0081】
第1の片持ちばね702及び第2の片持ちばね704は、
図7Aに示すようにそれら片持ちばねに力が加えられておらずそれら片持ちばねが平衡状態である場合に形成される配置である初期配置に付勢されている。第1の片持ちばね702は、近位端202の方に、加熱チャンバ102(又は加熱チャンバ102に至るチャネル)の内側に固定される固定端702aを有する。同様に、第2の片持ちばね704は、近位端202の方に、加熱チャンバ102(又は加熱チャンバ102に至るチャネル)の内側に固定される固定端704aを有する。さらに、この例では、第1の片持ちばね702は自由端702bを有し、第2の片持ちばね704は自由端704bを有する。
【0082】
図7Aの例では、第1の片持ちばね702及び第2の片持ちばね704のそれぞれは、それぞれの曲がり部702c、704cを含む。この例では、第1の曲がり部702c及び第2の曲がり部704cのそれぞれの凸状側は、空隙の方へ内側に面する。第1の曲がり部702c及び第2の曲がり部704cは、第1の片持ちばね702及び第2の片持ちばね704に(例えば、消耗品の挿入によって)力が加えられていない場合、第1の曲がり部702c及び第2の曲がり部704cのそれぞれの先端が、第1の曲がり部702c及び第2の曲がり部704cのうち、空隙の中心に最も近い部分であるようなものである。この例では、消耗品が挿入されることになる空隙は、第1の片持ちばね702の曲がり部702cと第2の片持ちばね704の曲がり部704cとの間の空隙(最も小さい距離)である。
図7Aでは、初期サイズの(すなわち、消耗品が挿入されておらず、したがって、どちらの片持ちばねにも力が加えられていない場合の)空隙が、二重矢印706によって示されている。
【0083】
上述したように、
図7Aの例では、保定装置112dは初期配置にある。初期配置における空隙706は、複数の消耗品の中で最も小さい幅よりも小さい。例えば、第1の消耗品300が最も小さい幅を有する場合、初期配置における空隙706は、第1の消耗品300の幅よりも小さい。
【0084】
この例では、第1の片持ちばね702及び第2の片持ちばね704は、空隙のサイズを変えるように初期配置から離れて偏向される。例えば、消耗品を片持ちばね間に挿入する結果、片持ちばねの両方に対して力が加えられることで、消耗品が片持ちばねを押して互いから離すため、空隙のサイズが増大する。第1の片持ちばね702及び第2の片持ちばね704はそれぞれ、曲がり部702c、704cにおいて消耗品と接触する。
【0085】
第1の片持ちばね702及び第2の片持ちばね704は、初期配置に付勢されている。したがって、片持ちばねは、消耗品を圧迫することにより消耗品を適所に保持する。
【0086】
片持ちばねが偏向される量は、挿入される消耗品の幅に応じて決まる。例えば、第2の消耗品302(より大きい幅を有する)が挿入される場合、片持ちばねは、第1の消耗品300の場合よりも多く偏向される。120グラム未満の消耗品保定力を有する片持ちばねは、より大きな幅を有する第2の消耗品を、例えば第2の消耗品が損傷を受けることになるような多くの力を第2の消耗品に対して加えることなく受容するのに片持ちばねが十分に偏向することができるという利点を提供する。同時に、消耗品保定力は、第1の消耗品が空隙に受け入れられると第1の消耗品を適所に保持するのに十分な力を片持ちばねが第1の消耗品に対して加えるほど十分に高い。例えば、消耗品保定力は120グラム未満であり、10グラムよりも多いことが好ましい。
【0087】
図7Bは、第1の消耗品300が挿入されている保定装置112dの概略スケッチである。第1の消耗品が片持ちばねによって保持されているとともに、曲がり部702c、704cが第1の消耗品300と接触していることが分かる。この例では、片持ちばねが偏向されることにより曲がり量が減少する。
【0088】
図7Cは、第2の消耗品302が挿入されている保定装置112dの概略スケッチである。第2の消耗品302が片持ちばねによって保持されているとともに、曲がり部702c、704cが第2の消耗品302と接触している。この例では、片持ちばねは、第2の消耗品302がより幅広であるため、
図7Bの例におけるよりも多く偏向されている。この例では、片持ちばねにおける曲がり量は、
図7Bの例におけるよりも大きく減少している。これにより、第2の消耗品302のより大きな幅に起因して片持ちばねのより多くが第2の消耗品302と接触する。
【0089】
保定装置112dは、デバイス100の近位端202の方に配置されてもよく、又は、保定装置112dは、デバイス100の遠位端204の方に配置されてもよい。
【0090】
実施例5
図8A~
図8Gは、実施例5による、数字112eで符号が付された保定装置を示す。
図8Aは、ハウジング114の内側に収容された特定の構成要素を示す、デバイス100の概略斜視図である。この例では、保定装置112eは筒状体802を含む。
図8Aから分かるように、保定装置112eは、デバイス100の近位端202の方に設けられている。
【0091】
実施例5では、弾性部材として8つの弾性突起804が設けられている。弾性突起804は、消耗品を所定位置に保持するために、複数の消耗品のそれぞれと一度に1つずつ接触するように構成される。弾性突起804は、初期配置に付勢されている。弾性突起804は、筒状体802から、筒状体802によって画定されたキャビティ801へ延出している。他の例では、1つ又は複数の弾性突起があってもよい。例えば、8つ以外の多数の弾性突起があってもよい。
【0092】
図8Aの例では、吸収パッド803も示されており、この吸収パッドもまた、消耗品を保持して、消耗品を適所に保つ。吸収パッド803は、加熱チャンバ102の下部に配置することができる。例えば、吸収パッド803は、デバイス100のベースから(例えば、デバイス100の遠位端204における蓋/扉を介して)挿入することができる。吸収パッド803は、空気を通すことを可能にするために中空であってもよく、又は中実であるとともに通気性材料から作製されてもよい。例では、吸収パッドは、難燃性メタアラミド材料(例えば、ノメックス(Nomex)(登録商標))、綿、紙、他のパラ-アラミド(例えば、トワロン(Twaron)(登録商標))、耐熱性高強度合成繊維(例えば、ケブラー(Kevlar)(登録商標))などを含み得る。他の例では、吸収パッド803は省かれてもよい。
【0093】
図8Bは、筒状体802の概略斜視図であり、
図8Cは、筒状体802の概略トップダウン図である。筒状体802は、筒状体802に内側へ延出する弾性突起804を含む(弾性突起804は、上述した2つ以上の弾性部材を構成する)。(なお、分かりやすくするために、
図8B及び
図8Cに示した弾性突起804のいくつかのみが参照数字804と関係づける線を用いて指し示されている)。
【0094】
筒状体802は、弾性突起804の形成を可能にする材料を含み得る。例えば、筒状体802は、筒状体802を形成するのに適切な弾性を持たせた(sprung)アルミニウム又は弾性を持たせた別の金属を含み得る。いくつかの例では、筒状体802のベース構造(例えば、筒状部分)が或る材料から形成されてもよく、弾性突起804が別の材料から形成されてもよい。例えば、ベース構造には(構造強度のために)剛性材料が選択されてもよく、弾性突起804には弾性特性を有する材料が選択されてもよい。
【0095】
図8B及び
図8Cは、初期配置における筒状体802を示す。弾性突起804は、初期配置に付勢されている。初期配置では、弾性突起804には、弾性突起804をその平衡位置/形態から離れて変形させるための著しい力が(例えば、筒状体802への消耗品の挿入によって)加えられていない。初期配置における弾性突起804は、初期サイズの空隙を画定し、空隙はこの例では、
図8Cにおいて破線によって示された内周806によって画定されている。内周806によって画定された空隙は、複数の消耗品の中で最も小さい幅よりも小さい。
【0096】
挿入される消耗品を受容及び保持することができるようにするために、消耗品が筒状体802に挿入されると、弾性突起804に対して力が加えられることで、空隙のサイズが変わる。弾性突起804は、初期配置から離れて偏向されて(外側へ押されて)、空隙のサイズを変える(この場合では増大させる)。
【0097】
弾性突起804はそれぞれ、挿入された消耗品と同時に接触するように構成される。この例では、筒状体802は実質的に円形断面を有する消耗品との使用を意図されている。弾性突起804は、略円形の境界を筒状体802の内側に形成していることにより、弾性突起804のそれぞれが略円形の断面を有する消耗品と接触することを可能にする。
【0098】
この例では、弾性突起804が、複数の消耗品の中で最も小さい幅よりも小さいサイズの空隙を提供する初期配置に付勢されているため、弾性突起804は、挿入された消耗品を、適所に保持するために半径方向内側へ圧迫する。
【0099】
弾性突起804は、連続的に外側へ押されるとともに変形することができる。したがって、筒状体802は、初期配置の内周806によって画定された空隙よりも大きい幅、並びに、筒状体802及び弾性突起804の幾何形状が適度に受容することができる幅以下の幅を有する、筒状体802との使用を意図された任意の消耗品を、適所に保持するように機能することができる。
【0100】
図8Dは、第1の消耗品300が挿入されている筒状体802の概略側面断面図であり、
図8Eは、第1の消耗品300が挿入されている筒状体802の概略トップダウン図である。
【0101】
図8Fは、第2の消耗品302が挿入されている筒状体802の概略側面断面図であり、
図8Gは、第2の消耗品302が挿入されている筒状体802の概略トップダウン図である。
【0102】
第2の消耗品302は第1の消耗品300よりも幅広であるため、弾性突起804は、第1の消耗品300が挿入される場合よりも第2の消耗品302が挿入される場合にさらに外側に押される。
【0103】
実施例6
図9A~
図9Dは、実施例6による、数字112fで符号が付された保定装置を示す。実施例6では、保定装置112は、対応する複数の異なる初期配置間で保定装置112を移行するために、デバイス100の一端部に対して(例えば、ハウジング114の近位端202に対して)複数の位置間で移動する移動可能な要素を含む。実施例6では、複数の異なる初期配置のそれぞれは、消耗品が挿入されることになる異なる初期サイズの空隙を提供する。実施例6では、初期配置に付勢されている2つの弾性部材があり、初期配置は、移動可能な要素の現在の位置に対応する。他の例では、2つよりも多くの弾性部材があってもよい。
【0104】
図9Aは、第1の消耗品300が保定装置112fに挿入されている保定装置112fの概略ボトムアップ図である。この例では、保定装置112fは、移動可能な要素902を含む。この例では、第1のアーム904及び第2のアーム906が、記載の2つの弾性部材を構成する。第1のアーム904及び第2のアーム906は、片持ちばねとして機能する。
【0105】
第1のアーム904は、自由端904a及び固定端904bを有する。同様に、第2のアーム906は、自由端906a及び固定端906bを有する。この例では、第1のアーム904及び第2のアーム906は、単一の材料片(例えば、ばねとして作用するのに適切な材料特性を有する金属)から形成される。他の例では、第1のアーム及び第2のアームは、別個に形成されてもよい。
【0106】
図9Bは、第2の消耗品302が保定装置112fに挿入されている保定装置112fの概略ボトムアップ図である。移動可能な要素902は、二重矢印908によって示すように第1のアーム及び第2のアームの自由端に対して接近し、またその自由端から離れるように移動可能である。この移動により、上述したように、移動可能な要素902が複数の位置間で移動して対応する複数の異なる初期配置間で移行することが可能となる。第1のアーム904及び第2のアーム906は、ハウジング114に対して固定されている。したがって、移動可能な要素902は、移動する際、第1のアーム904及び第2のアーム906に対しても移動する。
【0107】
移動可能な要素902は、第1の接触構造910及び第2の接触構造912を有する。第1の接触構造910は、第1のアーム904と接触しており、移動可能な要素902が自由端904aの方に移動する際、第1のアーム904に沿って自由端904aの方へ摺動し、固定端904bに関してその逆も言える。同様に、第2の接触構造912は、第2のアーム906と接触しており、移動可能な要素902が自由端906aの方に移動する際、第2のアーム906に沿って自由端906aの方へ摺動し、固定端906bに関してその逆も言える。
【0108】
自由端904a、906aは、移動可能な要素902と接触することなく、移動可能な要素902が自由端904a、906aからその最も離れた位置にある場合の自由端904a、906a間の距離以上である距離を間に有する。
【0109】
移動可能な要素902が自由端904a、906aの方に移動されると、自由端904a、906aは互いに近づけられる。これは、
図9A及び
図9Bに示すように第1のアーム904及び第2のアーム906と接触している接触構造によるものである。他方、移動可能な要素902が自由端904a、906aから遠ざかると、自由端904a、906aは離されるように移動する。
【0110】
したがって、第1のアーム904及び第2のアーム906に対する移動可能な要素902の種々の位置は、自由端904a、906a間のそれぞれの種々の距離に対応する。自由端904a、906a間のこれらの種々の距離は、実施例6において種々の初期配置と呼ばれる。この例では、消耗品が挿入されることになる空隙は、自由端904a、906a間の距離によって画定される。第1のアーム904及び第2のアーム906に対して(それらアームを離すために)力を加えることにより空隙のサイズが変わることで、異なる幅の消耗品を受容及び保持することができる。
図9A及び
図9Bの例では、第1のアーム904及び第2のアーム906は、ロッド状の消耗品を間に受容するために、自由端904a、906aへ向かって湾曲している。
【0111】
使用時、初期配置は、挿入されることになる消耗品の幅よりも空隙が小さいように選択され得る。第1のアーム904及び第2のアーム906は、選択された初期配置がどのようなものであれ、選択された初期配置に付勢される。消耗品が挿入されると、第1のアーム904及び第2のアーム906は、消耗品によって強制的に離される(選択された初期位置から離れて偏向されて空隙のサイズを増大させる)。第1のアーム904及び第2のアーム906は、その付勢により、消耗品を圧迫することによって適所に保持する。したがって、第1のアーム904及び第2のアーム906はそれぞれ、消耗品と同時に接触して消耗品を所定位置に保持する。
【0112】
例では、消耗品が存在しなければ、消耗品を、初期配置が当該消耗品の幅よりも空隙が大きいようなものである場合は第1のアーム904と第2のアーム906との間に先に配置し、次いで、移動可能な要素902を、当該消耗品に適切な初期配置を画定する位置へ移動させることが実用的であり得る。(なお、移動可能な要素902がこの順序で移動される場合、第1のアーム904及び第2のアーム906は間に消耗品が既に存在するため、選択された初期配置に至ることはない)。
【0113】
(例えば、保定装置112fとの使用に意図された異なる消耗品に基づいて)様々なそれぞれの初期配置に対応する、移動可能な要素902の様々な異なる位置を示す、マーカが設けられ得る。
【0114】
図9Aの例では、第1の消耗品300が、自由端904a、906aの方に第1のアーム904と第2のアーム906との間に挿入されている。
図9Bの例では、第2の消耗品302が、自由端904a、906aの方に第1のアーム904と第2のアーム906との間に挿入されている。これらの図から、第2の消耗品302が保定装置112fによって保持される場合、第1の消耗品300が保定装置112fによって保持される場合に比べて、移動可能な要素902が自由端904a、906aからさらに遠ざかり、自由端904a、906aが互いからさらに離れることが分かる。
【0115】
図9Cは、保定装置112fと、加熱チャンバ102に挿入されているとともに保定装置112fによって所定位置に保持されている第1の消耗品300とを備えるデバイス100の概略内部斜視図である。
図9Dは、保定装置112fと、加熱チャンバ102に挿入されているとともに保定装置112fによって所定位置に保持されている第2の消耗品302とを備えるデバイス100の概略内部斜視図である。移動可能な要素902を選択された位置に保持する機構(例えば、クリップ)が設けられてもよい。
【0116】
実施例7
実施例7では、複数の消耗品のそれぞれが異なる幅を有する。消耗品がロッド状である(例えば、従来のシガレットと類似している)例では、消耗品の幅は、消耗品の外径であると考えられ得る。
図3Aは、複数の消耗品のうちの第1の消耗品300を示し、複数の消耗品のうちの第2の消耗品302を示す。第1の消耗品300は、第2の消耗品302の幅よりも小さい幅を有する。
【0117】
この例では、保定装置112は、それぞれの幅を有する消耗品を所定位置に保持するために保定装置112が複数の構成のそれぞれをとることを可能にする少なくとも1つの弾性部材を含む。例えば、保定装置112は、第1の消耗品300を所定位置に保持するために保定装置112が第1の構成をとることを可能にするとともに、第2の消耗品302を所定位置に保持するために保定装置112が第2の構成をとることを可能にする少なくとも1つの弾性部材を有することができる。
【0118】
より詳細には、実施例7では、弾性部材はコイルばねである。
図10A~
図10Dは、実施例7による保定装置を示し、実施例7の保定装置は112gで符号が付されている。
図10Aは、保定装置112gが設置されているデバイス100の概略斜視図及び拡大概略内部斜視図である。保定装置112gは、コイルばね1002を含む。コイルばね1002の固定端1004は、デバイス100のハウジング114に固定的に取り付けられている。コイルばね1002の可動端1006は、デバイス100のハウジング114に可動に取り付けられている。
【0119】
コイルばね1002は、コイルばねの中心軸線が加熱チャンバ102の中心軸線に対して略平行であるとともに加熱チャンバ102の中心軸線と実質的に整列されるように配置されている。このように、加熱チャンバ102に挿入される消耗品はコイルばね1002を通る。したがって、消耗品が挿入されることになる空隙は、コイルばね1002によって画定される。
【0120】
この例では、可動端1006は、可動タブ1008に取り付けられている。可動タブ1008は、ハウジング114に可動に取り付けられている。
図10Aの例では、可動タブは、細長い部分1008a及び面部分1008bを有する。面部分1008bは、使用者がアクセス可能であるようにハウジング114の外側に配置されている。この例では、ハウジング114はスリット1010を有し、このスリットを細長い部分1008aが通ってハウジング114へ延出している。細長い部分1008aは、可動タブ1008のうち、スリット1010を介してハウジング114へ延出している細長い部分1008aに取り付けることによって、可動タブ1008に取り付けられる。
【0121】
スリット1010により、可動タブ1008がスリットに沿ってハウジング114に対して動くことが可能となる。このような方法で、使用者は、面部分1008bをスリット1010に沿って動かすことによって、可動端1006を動かすことができる。
【0122】
空隙のサイズは、固定端1004に対して、したがって、デバイス100のハウジング114に対しても、可動端1006を動かすことによって(すなわち、コイルばね1002に対して力を加えることによって)変えられる。例えば、可動端1006は、空隙のサイズを減少させるには一方の方向に、空隙のサイズを増大させるには反対方向に動かすことができる。所与の効果を達成するためにどちらの方向に可動端1006が動かされるかは、コイルばね1002の配置(例えば、固定端1004が固定される、ハウジング114の場所)に応じて決まる。
図10Aの特定の例では、拡大図から分かるように、可動端1006及び固定端1004がともにより近づくように可動端1006が動かされると空隙のサイズが減少し、その逆も言える。
【0123】
使用時、所与の消耗品は、空隙のサイズが所与の消耗品の幅よりも大きい構成にある保定装置112gを通って加熱チャンバ102に挿入され得る。空隙はその場合、所望に応じて、消耗品が適所に保持されるのに十分にギャップが小さくなるまで可動端1006を動かすことによって減少され得る。
【0124】
図10Aの例では、第2の消耗品302が、保定装置112gによって保持されている。
図10Bは、第1の消耗品300を適所に保持している保定装置112gを備えるデバイス100の概略斜視図である。より幅広の方(すなわち、第2の消耗品302)が保定装置112gによって適所に保持されている
図10Aの例とは異なる位置に面部分1008bがあることが分かる。
【0125】
図10Cは、第1の消耗品300を保持しているコイルばね1002の概略斜視図である。
図10Dは、第2の消耗品302を保持しているコイルばね1002の概略斜視図である。より幅狭の第1の消耗品300が適所に保持される場合、より幅広の第2の消耗品302が適所に保持される場合に比べて、固定端1004及び可動端1006がともにより近づく(これにより空隙のサイズが小さくなる)ことが分かる。
【0126】
コイルばね1002は、空隙のその最大のサイズに付勢され得る。保定装置112gは、可動タブ1008を所望の位置に保持することができるように配置され得る。例えば、延出部分1008aとスリット1010との摩擦が、コイルばね1002の付勢を阻止するとともに可動端1006を所定位置に保持するのに十分であり得る。いくつかの例では、タブ1008は、タブ1008が適所に保持されることを可能にするために、スリット1010と係合するか、又は、スリット1010上/スリット1010内/スリット1010の近くの相補的な構造と係合する構造を有し得る。
【0127】
実施例8
実施例8の保定装置は、
図11A~
図11Dにおいて数字112hで符号が付されている。
図11Aは、保定装置112hの概略斜視図及び保定装置112hの概略側面図を示す。実施例8では、
図11A~
図11Dに示すように数字1102で符号が付された2つよりも多くの弾性部材がある。この例では、これらの弾性部材1102は、それらの間に(消耗品が挿入されることになる)空隙を画定するために周方向に配置されている。
【0128】
弾性部材1102は、初期配置に付勢されている。この例では、弾性部材1102は、互いから離れるように付勢されている。初期配置における弾性部材1102は、消耗品が挿入されることになる初期サイズの空隙を提供する。初期配置が提供する空隙は、複数の消耗品のうちの消耗品の幅の中で最も大きい幅よりも大きい。この例では、弾性部材1102の最も内側の部分は突起1102aである。これら突起1102a間に空隙が画定され、これら突起1102aは、挿入された消耗品と接触するものである。
【0129】
保定装置112hは、デバイス100のハウジング114に摺動可能に取り付けられた拘束部材1104を含む。拘束部材1104は、近位端202に向かって、又は離れるように摺動することができる(
図11Aにおける矢印は摺動方向を示す)。2つ以上の弾性部材1102が、ともにより近づいて間の空隙のサイズを減少させることができるか、又は、より離れてそのサイズを増大させることができる。しかしながら、2つ以上の弾性部材1102は、拘束部材1104が上下に摺動するように上下に摺動しない。
【0130】
拘束部材1104は、2つ以上の弾性部材1102をその付勢に抗して空隙のサイズを減少させるように促すために、ハウジング114に対して摺動するように構成される。これは、拘束部材1104もまた2つ以上の弾性部材1102に対して摺動することを意味する。拘束部材1104は、2つ以上の弾性部材1102を囲むリング部分1104aを含む。リング部分1104aの内径は、初期配置における2つ以上の弾性部材1102によって形成される外形よりも小さい。したがって、拘束部材1104が(
図11Aにおける矢印によって示されるように)下側へ摺動すると、リング部分1104aは弾性部材1102をともにより近づけさせ、空隙のサイズを減少させる。保定装置112hは、リング部分1104aがその最も高い位置にある場合に弾性部材1102が初期配置にある(すなわち、リング部分1104aが弾性部材を初期配置から離れて偏向しない)ように構成され得る。したがって、弾性部材1102は、空隙のサイズを変えるには初期配置から離れて偏向される。
【0131】
拘束部材1104はまた、使用者がアクセス可能であるようにハウジング114の外側に(又は、使用者が拘束部材1104を操作することを可能にする別の方式で)設けられる面部分1104bを含み得る。使用者は、面部分1104bと接触し、拘束部材1104を上下に摺動させることができる。面部分1104bは、この例ではアーム部分1104cを介してリング部分1104aに接続されている。ハウジング114は、面部分1104bが例えばハウジング114の外側に配置されるとともにアーム部分1104cを介してリング部分1104aに接続されることを可能にするスリットなどを含み得る。
拘束部材1104は、挿入された消耗品が弾性部材1102によって保持されるように弾性部材1102に空隙を画定させるために動かされる。弾性部材1102はそれぞれ、挿入された消耗品と同時に接触して消耗品を適所に保持する。
【0132】
使用時、拘束部材1104は、挿入される消耗品の幅よりも空隙が大きいような位置にあるものとすることができる。次いで、消耗品が挿入され、拘束部材1104は、突起1102aが消耗品と接触するとともに消耗品を所定位置に保持するように空隙がなるまで、下方に摺動され得る。挿入された消耗品が所定位置に保持されると拘束部材1104を所定位置に保持するクリップなどが設けられてもよい(すなわち、拘束部材1104を所望の位置に固定する手段が設けられてもよい)。
【0133】
図11Bは、保定装置112hを備えるデバイス100の概略斜視図である。
図11Cは、保定装置112hの概略斜視図及び第1の消耗品300が挿入されている保定装置112hの概略側面図である。
図11Dは、保定装置112hの概略斜視図及び第2の消耗品302が挿入されている保定装置112hの概略側面図である。
図11C及び
図11Dから、第1の消耗品300が保定装置112hによって保持される場合、第2の消耗品302が保定装置112hによって保持される場合に比べて、拘束部材1102は、突起1102aが挿入された消耗品と接触するとともに消耗品を保持するために空隙がより小さくなるようにより低い位置にあることが分かる。
【0134】
実施例9
実施例9の保定装置は、
図12A~
図12Bにおいて参照数字112iで符号が付されている。
図12A及び
図12Bにおける旋回部材は、参照数字1202で符号が付されている。
図12A及び
図12Bに示すバツ印によって旋回軸線1204が示されており、このバツ印は旋回軸線1204が奥方向を示していることを示す。換言すると、旋回軸線1204は、加熱チャンバ102の縦軸線に対して略平行であるとともに加熱チャンバ102の縦軸線と実質的に整列されている。
【0135】
実施例9では、保定装置112iは、参照数字1206で符号が付された3つの弾性ワイヤを含む。他の例では、2つ以上の弾性ワイヤがあってもよい。弾性ワイヤ1206は、それぞれの幅を有する消耗品を一度に1つずつ所定位置に保持するために、保定装置112iが複数の構成のそれぞれをとることを可能にする。各弾性ワイヤ1206の第1の端部1206aは、旋回部材1202に固定的に取り付けられ、各弾性ワイヤ1206の第2の端部1206bは、デバイス100のハウジング114に対して固定的に取り付けられる。
【0136】
実施例9では、弾性ワイヤ1206はそれぞれ、消耗品を所定位置に保持するために、複数の消耗品のそれぞれと一度に1つずつ同時に接触するように構成される。弾性ワイヤ1206に対して力を加えることにより弾性ワイヤ1206が初期配置から離れて偏向されて、空隙のサイズを変えて複数の消耗品のそれぞれを一度に1つずつ受容及び保持する。
【0137】
第2の端部1206bをハウジング114に対して固定的に取り付けるために、この例では、ハウジング114に固定的に取り付けるように構成された固定部材1210が設けられる。第2の端部1206bは、固定部材1210に固定的に取り付けられることによって、ハウジング114に対して固定的に取り付けられる。
図12A及び
図12Bの例では、固定部材1206は、円形断面を有し、旋回部材1202と同軸整列されている。
【0138】
消耗品が挿入されることになる空隙のサイズは、旋回部材1202をハウジング114に対して(矢印1208によって示すように)旋回させることによって変えられる。この例では、弾性ワイヤ1206は、旋回部材1202が加熱チャンバ102の長手方向中心軸線を実質的に中心としてハウジングに対して旋回すると空隙のサイズが変わることを可能にする形状を有する。弾性ワイヤ1206はそれぞれ、その形状により、曲がり部1206cを有する。曲がり部1206cは、消耗品が挿入されることになる空隙を画定するように配置される。
【0139】
弾性ワイヤ1206は、初期サイズの空隙を提供する初期配置を画定する。弾性ワイヤ126は、初期配置において曲がり部1206cが最も小さい空隙を画定するように付勢され得る。弾性ワイヤ1206は、空隙のサイズを変えるには初期配置から偏向される。(例えば、旋回部材1202を旋回させることによって)弾性ワイヤ1206に対して力を加えることにより空隙のサイズが変わって、複数の消耗品のそれぞれを一度に1つずつ受容及び保持する。
【0140】
旋回部材1202が
図12A及び
図12Bに関して時計回り方向に旋回すると、曲がり部1206cが中心から離れ、空隙のサイズが増大する。他方、旋回部材1202が
図12A及び
図12Bに関して反時計回り方向に旋回すると、端部1206cが中心に向かって動き、空隙のサイズが減少する。弾性ワイヤ1206はそれぞれ、挿入された消耗品を所定位置に保持するために、挿入された消耗品と同時に接触する。この例では、曲がり部1206cが、挿入された消耗品と接触している。
【0141】
初期配置では、旋回部材1202は、その最も反時計回りの位置にあり得る。使用時、旋回部材1202は、挿入される消耗品の幅よりも空隙のサイズが大きいように時計回りに旋回することができる。消耗品が挿入されると、旋回部材1202は、弾性ワイヤ1206の付勢によって促されるように旋回させられ得る。したがって、曲がり部1206は、消耗品と接触するとともに消耗品を圧迫して所定位置に保持する。
【0142】
いくつかの例では、旋回部材1202を所望の位置に保持するために使用することができるクリップなどが設けられてもよい。
【0143】
図12Aの例では、保定装置112iは、第1の消耗品300を所定位置に保持している。
図12Bの例では、保定装置112iは、第2の消耗品302を所定位置に保持している。第1の消耗品300が保定装置112iに挿入されるとともに保定装置112iによって保持される場合、第2の消耗品302が保定装置112iに挿入されるとともに保定装置112iによって保持される場合に比べて、曲がり部1206cによって画定される空隙がより小さく、旋回部材1202はより反時計回りの位置にあることが分かる。
【0144】
実施例10
実施例10の保定装置は、
図13A~
図13Bにおいて参照数字112jで符号が付されている。この例では、旋回可能な部材はカム1302である。カム1302は、デバイス100のハウジング114に旋回可能に取り付けられている。旋回部材1302は、カム1302の旋回軸線1304が加熱チャンバ102の長さ全体を通じて加熱チャンバ102の中心と実質的に整列されるように旋回可能に取り付けられている。換言すると、旋回軸線1304は、加熱チャンバ102の縦軸線に対して略平行であるとともに加熱チャンバ102の縦軸線と実質的に整列されている。
図13A及び
図13Bにおける数字1304で符号が付されたバツ印は、旋回軸線が奥方向を示していることを示す。
【0145】
この例では、カム1302は、3つの傾斜面1302aを有し、旋回軸線1304がそれら傾斜面の平面に対して略平行であるようにしている。他の例では、カム1302は、異なる数のそのような傾斜面を有してもよい。例えば、カム1302は、2つ以上の傾斜面を有してもよい。保定装置112jは、3つのグリッパ部材1306を含む。グリッパ部材1306のそれぞれは、カム1302に摺動可能に接続される。実施例10では、各グリッパ部材1306は、傾斜面1302aのそれぞれの1つに摺動可能に接続される。この例では、3つの傾斜面のそれぞれにつき1つのグリッパ部材がある。他の例では、傾斜面の数に対応する異なる数のグリッパ部材があってもよい。
【0146】
この例では、グリッパ部材1306は、空隙のサイズを画定するように空隙の周りに周方向に配置されている。グリッパ部材1306はそれぞれ、消耗品を所定位置に保持するために複数の消耗品のそれぞれと一度に1つずつ同時に接触するように構成される。グリッパ部材1306は、カム1302(詳細には傾斜面1302a)と係合することで、カム1302を旋回させることによりグリッパ部材1306が空隙の中心に向かって動き、またそこから離れるように動いて、空隙のサイズを変える。
【0147】
この例では、グリッパ部材1306は、傾斜面1302aに沿って転動又は摺動するローラ/スライダ部材1306aを含む。以下の説明において、ローラ/スライダ部材1306aは、便宜のため、単にスライダ部材1306aと呼ばれる。グリッパ部材1306は、(消耗品が挿入されることになる)空隙を画定するとともに消耗品と接触して消耗品を所定位置に保持するように構成される。グリッパ部材1306はそれぞれ、チャンバに内側に面するとともに空隙を画定する接触面1306bを有する。
【0148】
カム1302は、矢印1308によって示されるように時計回り又は反時計回りに旋回することができる。カム1302を旋回させることによりグリッパ部材1306が傾斜面1302aに対して摺動することで、空隙のサイズを変えるようにする。
【0149】
実施例10では、空隙のサイズがその最小にある初期配置にグリッパ部材1306を付勢する少なくとも1つの弾性部材がある。グリッパ部材1306は、内側へ中心に付勢されている。例えば、グリッパ部材1306のそれぞれについて、当該グリッパ部材を中心に付勢するばね(例えば、ハウジング114及び当該グリッパ部材に接続される)が設けられてもよい。上述したように、グリッパ部材は、それぞれの傾斜面に摺動可能に接続されている。この例では、グリッパ部材1306は、カム1302が旋回する際に旋回しない。このような方法で、グリッパ部材1306は、カム1302に対して摺動する。
【0150】
いくつかの例では、各グリッパ部材に対して1つのばねが設けられなくてもよい。代わりに、例えば、単一のばねが、すべてのグリッパ部材を中心に押すように押し部材を促してもよい。少なくとも1つの弾性部材がグリッパ部材1306を中心に付勢することを可能にする様々な異なる配置が想定され得る。
【0151】
グリッパ部材1306は中心に付勢されるが、接触面1306bのうち、中心に最も近い位置は、傾斜面1302aによって制約される。初期配置は、接触面1306bが中心に対してその最も近くにある場合に起こり、これは、摺動部材1306aが、傾斜面1302aのうち、中心に最も近い部分と接触する場合に起こる。
【0152】
カム1302が時計回り方向に旋回すると、少なくとも1つの弾性部材に対して力が加えられて、グリッパ部材1306を押して付勢に抗して中心から離すことによって空隙のサイズが変わる。これは、摺動部材1306aが摺動する傾斜面1302aの角度によって引き起こされる。これにより、消耗品がグリッパ部材によって受容及び保持されることが可能となる。時計回り方向に旋回する場合、空隙のサイズは増大する。
【0153】
使用時、使用者は、カムを時計回り方向に旋回させて、空隙のサイズを増大させることができる。次いで、消耗品が挿入され得る。旋回力は(例えば、徐々に/制御された方法で)解放することができ、カム1032は、接触面1306bが消耗品と接触するとともに消耗品を圧迫して所定位置に保持するようなものに空隙がなるまで、反時計回り方向に旋回することができる。
【0154】
いくつかの例では、カム1302を所望の位置に保持することができるクリップなどが設けられてもよい。
【0155】
図13Aの例では、第1の消耗品300が保定装置112jによって保持されている。
図13Bの例では、第2の消耗品が保定装置112jによって保持されている。第1の消耗品が保持される場合、第2の消耗品302が保持される場合に比べて、グリッパ部材が中心により近く、摺動部材1306aが、傾斜面1302のうち、中心により近い部分と接触することが分かる。
【0156】
実施例11
実施例4に関する上記の説明が実施例11にも当てはまる。
【0157】
図14Aは、実施例11による、数字112kで符号が付された保定装置の概略斜視図である。保定装置112kは、実施例4の保定装置112dと同じ方式で機能する。保定装置112kは、保定装置112kが片持ちばねを2つではなく4つ含むという点で異なる。
【0158】
図14Aで分かるように、保定装置は、第1の片持ちばね1402、第2の片持ちばね1404、第3の片持ちばね1406及び第4の片持ちばね1408を含む。この例における片持ちばねはすべて、ベースプレート1410に接続されている。この例では、ベースプレートは中心に穴1412を有する。
【0159】
穴1412を設けることは、保定装置112kが、消耗品の遠位端を保持することを意図されるようにデバイス100の遠位端204へ向けて配置される場合に有利である。本明細書において使用される場合、消耗品の遠位端は、使用者がエアロゾルを引き出す端部とは反対の端部である。穴1412は、そのような例では有利であり得るが、その理由は、穴1412が、例えば、消耗品の遠位端を出て消耗品の遠位端から流出するエアロゾルのための経路を提供するからである。
【0160】
図14Bは、第1の消耗品300を所定位置に保持している保定装置112kの概略斜視図である。
図14Cは、第2の消耗品302を所定位置に保持している保定装置112kの概略斜視図である。
図14B及び
図14Cから分かるように、片持ちばねは、第2の消耗品302がより幅広であるため、
図14Cの場合においてより多く偏向されている。
【0161】
不燃式エアロゾル供給システム
以下の説明は、不燃式エアロゾル供給システムに関する。不燃式エアロゾル供給システムは、不燃式エアロゾル供給デバイス(例えば、デバイス100)を備える。システムはまた、第1の保定部材及び第2の保定部材を備える。
【0162】
システムは、第1の保定部材及び第2の保定部材をデバイス100の近位端の方に設置することができるように構成される。
図15Aは、第1の保定部材1502及び第2の保定部材154の概略平面図である。保定部材は、それぞれの所与の幅の消耗品を受容及び(摩擦により)保持するために中央に穴1502a、1504aを有するディスク、例えばペーパーディスクである。示す例では、保定部材1502、1504の中央領域が撓んで消耗品を受容することを可能にするためのスリット1502b、1504bがある。スリット1502b、1504bは、中央領域が撓んで消耗品を受容するようにするために、変形するアーム又はプロングを画定している。アーム又はプロングは、それぞれの消耗品と接触して、それぞれの消耗品を所定位置に保持する。
【0163】
第1の保定部材1502は、デバイス100に設置される際、デバイス100での使用のために第1の所与のサイズの消耗品を所定位置に保持するように構成される。第2の保定部材は、デバイス100に設置される際、デバイス100での使用のために第2の所与のサイズの消耗品を所定位置に保持するように構成される。
【0164】
上述したように、
図3Aは、複数の消耗品のうちの第1の消耗品300を示し、複数の消耗品のうちの第2の消耗品302を示す。第1の消耗品300は、第2の消耗品302の幅よりも小さい幅を有する。
【0165】
図15Aの例では、第1の保定部材1502は、第1の消耗品300を保持するように構成され、第2の保定部材1504は、第2の消耗品302を所定位置に保持するように構成される。
【0166】
図15Bは、システムの一例の概略斜視図を示す。デバイス100は、近位端202の方に加熱チャンバ102への入口においてスロット1506を含む。スロットが、第1の保定部材1502及び第2の保定部材1504を受け入れるように寸法決めされていることで、消耗品が、加熱チャンバ102に挿入される際にそれら保定部材の中央を通る。
【0167】
この例では、デバイス100は、ヒンジ式蓋1508を備え、このヒンジ式蓋は、第1の保定部材1502及び第2の保定部材1504の設置を可能にするように開き、それら保定部材を適所に保つように閉じる。
図15Bの最も左側の略図は、第2の保定部材1504の設置準備ができて開いているヒンジ式蓋1508を示す。
図15Bの中間の略図は、開いているヒンジ式蓋1508と、スロット1506に設置された第2の保定部材1504とを示す。
図15Bの最も右側の略図は、第2の保定部材1504の設置後に閉じられたヒンジ式蓋1508を示す。その後、第2の消耗品302が、ヒンジ式蓋1508にある穴を通って加熱チャンバ102に挿入され、第2の保定部材1504によって適所に保持される。同じ方式で第1の保定部材1502を設置することができる。
図15Cは、上述したように第2の保持部材1504の設置後に挿入された第2の消耗品302を示す。
【0168】
図15Dは、システムの別の例を示す。この例は、
図15B及び
図15Cに関して上記で説明した例と同様であるが、違いは、ヒンジ式蓋1508の代わりに旋回可能に取り付けられた蓋1510が設けられていることである。この例は、旋回可能に取り付けられた蓋1510が開閉する方法以外、前の例と同様に機能する。
【0169】
記載の例のいずれかによるデバイスと、第1の消耗品300及び第2の消耗品302などの、エアロゾル生成材料を含む1つ又は複数の消耗品とを備える、不燃式エアロゾル生成システムが提供され得る。
【0170】
上記の例は、本発明の例示的な例として理解されるべきである。本発明のさらなる例が想定される。いずれか1つの例に関して説明したいずれかの特徴は、単独で又は説明した他の特徴と組み合わせて用いられてもよく、また、例のうちのいずれか他のもの又は例のうちのいずれか他のものの任意の組み合わせの1つ又は複数の特徴と組み合わせて用いられてもよいことを理解されたい。さらに、上述されていない均等物及び変更形態もまた、添付の特許請求の範囲に規定される本発明の範囲から逸脱することなく用いられてもよい。