(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-10
(45)【発行日】2025-01-21
(54)【発明の名称】改善された臨床医中心の臨床試験検証システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G16H 10/20 20180101AFI20250114BHJP
G16H 10/60 20180101ALI20250114BHJP
【FI】
G16H10/20
G16H10/60
(21)【出願番号】P 2023549968
(86)(22)【出願日】2021-12-07
(86)【国際出願番号】 US2021062095
(87)【国際公開番号】W WO2022125480
(87)【国際公開日】2022-06-16
【審査請求日】2023-04-24
(32)【優先日】2020-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】PCT/US2021/033900
(32)【優先日】2021-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】523154666
【氏名又は名称】アキーリアン システムズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エドワード イケグチ
(72)【発明者】
【氏名】ピーター ティー.ジャクソン
【審査官】森田 充功
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0004917(US,A1)
【文献】国際公開第2014/105752(WO,A1)
【文献】特表2017-518569(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
臨床試験ワークフローシステムにおけるソースキャプチャに関する情報源の電子的検証の方法であって、
前記臨床試験ワークフローシステムと併用して用いられるEMRシステムを開始するステップと、
安全に記憶された認証情報を使用してユーザに代わって前記EMRシステムにログインするステップと、
前記EMRシステム
のナビゲーションリンクを自動的に
クリックし、
次いで前記
ナビゲーションリンクを自動的にクリックすることで表示された適切なナビゲーションフォームに入力して正しい研究被験者の記録および来院日についての所望の情報に関するEMRページに到達するステップと、
症例報告書(CRF)に
含まれる、前記臨床試験に関連する前記研究被験者についての1または複数の質問に回答する
ために前記所望の情報を含む1または複数の関連
したEMRページの1または複数のスクリーンショットをキャプチャするステップと、
前記1または複数のキャプチャされたスクリーンショットに含まれる、検証のための1または複数のデータポイントを使用することによって、前記1または複数のキャプチャされたスクリーンショットが前記正しい研究被験者のものであることを検証するステップと、
を備え
、
前記1または複数のデータポイントの定義された数が、前記臨床試験ワークフローシステムによる前記1または複数のキャプチャされたスクリーンショット内において明確に識別された場合、前記1または複数のキャプチャされたスクリーンショットは検証済みとラベリングされる方法。
【請求項2】
前記検証するステップは、前記1または複数のデータポイントのキーワード
の存在を検出するための、前記1または複数のスクリーンショットキャプチャの前記臨床試験
ワークフローシステムによるリアルタイムスキャンを行うステップと、前記1または複数のキャプチャされたスクリーンショットが検証済みか、または未検証かを評価するステップとを含み
、前記1または複数のデータポイントの前記定義された数が、前記臨床試験
ワークフローシステムによって明確に識別されない場合、前記1または複数のキャプチャされたスクリーンショットが未検証とラベリングされる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記データポイントは、研究被験者の姓名、研究被験者の誕生日、および研究被験者の来院日を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
未検証とラベリングされる前記1または複数のキャプチャされたスクリーンショットの手動による再点検を更に含み
、正しい研究被験者のデータが、前記1または複数のキャプチャされたスクリーンショットにおいて使用された場合、前記1または複数のキャプチャされたスクリーンショットが承認されて検証済みとラベリングされることを決定するために、
前記ユーザが、前記1または複数のキャプチャされたスクリーンショットの前記情報源を手動で再点検し、正しくない研究被験者のデータが前記1または複数のキャプチャされたスクリーンショットにおいて使用された場合、前記1または複数のキャプチャされたスクリーンショットが拒否されて廃棄される、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
検証アセスメントのために明確に識別されたデータポイントの前記定義された数が、構成設定において設定される、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記1または複数のキャプチャされたスクリーンショットが拒否されて廃棄される場合、前記1または複数のキャプチャされたスクリーンショットおよび関連したスニペットが、前記CRFに関する質問から切り離され、および研究者ユーザに戻されて最初からやり直す、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記電子的検証が安全で暗号化された双方向通信であって、接続が確立されて前記1または複数のキャプチャされたスクリーンショットのために前記情報源を提供する前記EMRシステムであることが検証された場合のハンドシェイクを備える、双方向通信を含み、および前記情報源が検証されると、前記正しい研究被験者についての情報を前記EMRシステムが表示していることを確認するよう前記EMRシステムに要求する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記電子的検証は、スクリーンショットがキャプチャされるたびに行われる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記電子的検証は、人間が読めるログが生成されるように記録される、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記EMRシステムが、画面光学認識、プロセス間通信、またはウェブベースのAPIを使用する前記正しい研究被験者についての情報を表示していることを前記EMRシステムが確認する、請求項7に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、それらの全体が参照によって本明細書に組み込まれる、2020年12月8日に出願された「IMPROVED CLINICAL TRIAL VERIFICATION SYSTEM AND METHOD」と題する米国特許仮出願第63/122,677号、および2021年5月24日に出願された「CLINICIAN-CENTERED CLINICAL TRIAL VERIFICATION SYSTEM AND METHOD」と題するPCT出願PCT/US21/33900の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、臨床試験質問票に回答して情報を入力する、より効率的で合理化されたワークフローを可能にする、臨床試験検証システムに対する改善を提供する。この改善は、ソースキャプチャを作成するために、正しい患者記録が使用されていることの付加的な電子的検証を含む。さらに、ソースキャプチャの出所についてのより高い確実性を提供することに加えて、本発明は、ソースキャプチャを作成するために使用されるEMR記録が、正しい患者および来院日であることの検証も提供することができる。
【背景技術】
【0003】
この考えは、新しい医療処置の安全性および有効性を評価するために、人間に対して実験が行われる、臨床研究の分野に関する。臨床試験のためのデータ収集のプロセスは、患者の医療記録に文書でドキュメント化されて法的ドキュメントと見なされる、医師(研究者)と患者(被験者)との間の対話から始まる。医療記録は、患者との対話を記載するために医師によって書かれた英数字で主に構成され、および医療記録は、記録が作成される最初の時点と見なされ、これはソースドキュメント(SD)と呼ばれる。医師は、例えば、患者の苦情、以前の状態、投薬、アレルギー、身体検査の所見、臨床検査、画像検査、計画についての情報をSDに記録する。しかしながら、臨床研究の目的では、SD内の情報のサブセットのみが必要とされる。例えば、高血圧についての臨床試験は、血圧についての情報のみを必要とすることがあり、SDが、患者の前立腺検査についての医者によって書かれた情報も含むことがあり得たとしても、血圧のみが、SDから関連データとして抽出される必要がある。
【0004】
医療処置のメーカーは、臨床研究を行うために、研究者の助けを頻繁に募る。これらのメーカーは、スポンサーとして知られている。スポンサーは、研究者および/または彼らの病院スタッフによって記入されるべき(症例報告書またはCRFとしても知られる)フォームを作成する。CRFは、臨床試験に関連する被験者についての質問を含む。スポンサーが、彼らの医療処置の有効性および安全性についてのデータを収集するために、これらの質問に対する回答は、研究者によって提出されなければならない。完成されたCRFを受け取ると、その後、スポンサーは、情報をCRFからデータベースに転記する。この転記プロセスは、潜在的な人的エラーの問題となる点であるので、スポンサーは、しばしばデータを2回入力して後で転記のエラーを調整する。このプロセスは、二重データ入力(DDE)として知られている。
【0005】
人的エラーをもたらし得る別の潜在的なステップは、情報が、研究者または彼らのスタッフによってSDからCRFに転記されるプロセスであることが認識されている。エラーのこの可能性を最小化するために、スポンサーは、CRF上に書き込まれた情報が、SD内の情報に対してチェックされるプロセスを実行する。このプロセスは、ソースドキュメント検証(SDV)として知られている。実際には、これは、SDを閲覧して比較を実行するためにCRFを研究者の医局に持って行く、スポンサーを代表する職員を必要とする。このプロセスは、非常に面倒で時間がかかり、多くの移動およびコストを必要とする。
【0006】
過去20年間にわたって、業界は、CRFが電子的形式で研究者に提示されることを可能にする新しい技術を採用してきた。電子的CRF(またはeCRF)は、一般に、質問を表すテキストの領域を持つ、コンピュータを介して閲覧されるウェブベースのフォームであり、続いて、研究者が回答を提出することを可能にする、オープンテキストフィールド、ラジオボタン、ドロップダウンメニューなど、様々なメカニズムのうちのいずれか1つが存在する。しかしながら、eCRFを表すオンラインフォームに入力するプロセスは、依然として、患者カルテ(SD)を参照しながら研究者によって実行される。したがって、これは、相変わらず転写プロセスであり、人的エラーを起こしがちである。したがって、eCRFを使用するとしても、依然として、スポンサーがSDVを通して品質管理チェックを実行する必要がある。
【0007】
しかしながら、eCRFを使用することには、研究者とスポンサーとの間でファックスされる紙のフォームの必要がもはやなくなり、電子的フォームは手書きフォームよりも読みやすいので、利点がある。また、eCRFは、データ入力時にeCRFによって潜在的なエラーにフラグが立てられ得るようにプログラムされることができる。例えば、研究者が、800という心拍数の値を入力した場合、eCRFは、入力された値が範囲外であるときに検出するように、コンピュータコードを用いてプログラムされることができる。このようなコンピュータコードは、エディットチェックと呼ばれる。この例においては、エディットチェックは、800という心拍数が範囲外であることを研究者に警告するために使用されることができ得る。研究者は、問題のあるデータに対して即座に反応し、訂正を行うことができるであろう。紙のCRFが使用されていた場合、医者がエラーに気付かないことがあり、紙のCRFがスポンサーにファックスされ、誤ったデータがデータベースに入力されて、数日から数週間後に、エディットチェックがプログラムされてデータベースレベルで適用され、範囲外であるとしてデータにフラグを立てることになるので、この同じ例は、臨床試験のためのデータクリーニングプロセスにおいて失われる多くの日数をもたらす。
【0008】
問題のあるデータに対して立てられるこれらのフラグは、クエリとして知られている。その後、このクエリのレポートは印刷され、研究者にファックスで返送されなければならず、研究者は、SDを参照し返すことによって、クエリを解決しようと試みる。データをクリーニングするこのプロセスは、いずれの臨床試験についても時間がかかり、一般に、数週間から数か月、さらには数年もの時間を医薬品開発サイクルに追加する。eCRFの使用は、データクリーニングプロセスにおいて、いくらかの時間を節約することができるが、エディットチェックをプログラムするプロセスにおいて、かなりの時間および費用が、依然として負担される。要約すると、スポンサーが、紙のCRFを使用するか、それともeCRFを使用するかにかかわらず、CRFの質問のそれぞれについてのエディットチェックをプログラムするために、データ管理職員によって数週間から数か月が費やされる。また、SDからCRF(またはeCRF)に情報を転記するプロセスは、依然として、潜在的な人的エラーの問題となる点であり、したがって、依然としてSDVを実行することをスポンサーに要求する。
【0009】
臨床試験ソースデータを検証するための1つの先行技術プロセスが、Woodの米国特許第7,669,114号において説明されており、それは、一意識別子を有し、ローカルシステム内において一意識別子によって編成および追跡される、新しい紙のCRFデータ収集ドキュメントを作成することを含む、臨床研究システムのためのソフトウェアおよびハードウェアを教示している。その後、CRFドキュメントは、中央システムにアップロードされて、それらをクリーンであるとして受け入れるために、または明確化を要求するために再点検される。研究者によって記入された元の紙のCRFは、デジタル方法で表現されて、同じソフトウェアがインストールされた同じネットワーク上にある医院からネットワークを介して送信されることができる。Woodの発明を使用すると、フォームを製薬会社にファックスもしくは郵送する必要、または「3部構成」のカーボンコピーフォームを作成する必要がもはやなくなる。医者は、Woodシステムから何も書かれていないCRFを直接的に印刷し、その後、記入するための紙のコピーを取得する。重要なことに、医師は、依然として、自らの手書きを使用して紙のCRFに記入している。その後、完了されたフォームは、スキャンされてデジタル形式に戻され、Woodのソフトウェアに取り込まれる。その後、完了されたフォームは、ネットワークを介して「中央システム」に送信され、中央システムはドキュメントを追跡するためのデータベースになる。Woodの特許は、(医師と患者との対話をドキュメント化した)別個のソースドキュメントをスキャンして、システムに取り込み、それらをCRFと同じ方法で中央システムに送信することについても説明する。同様に、製薬データ管理者によって作成されたいずれのデータクエリも、スキャンされてWoodのシステムに取り込まれ、デジタル形式で医者に送信されることができる。しかしながら、医者が、依然として情報をソースドキュメントから紙のCRFに転記しているので、Woodの特許のシステムにおいては、ソースドキュメント検証が、依然として実行されなければならない。ソースドキュメントは、スキャンされてCRFと同じシステムに取り込まれるので、ソースドキュメント検証を実行するために、医院まで出かける必要はもはやない。製薬社員は、ネットワーク接続およびWoodのソフトウェアシステムがあるどこからでも、CRF上の情報を検証することができる。Woodにおいては、CRFは、「デジタル」と説明されているが、CRFは、データをCRFに直接的に受け入れる能力を欠いていて、医師または看護師によって記入されて、その後、スキャンされてシステムに戻すためにCRFが紙に印刷されることを必要とする。言い換えると、フォームは電子的であるが、データキャプチャはそうではない。
【0010】
それらの全体が参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許第10,706,958号、米国特許第10,811,122号、米国特許出願第16/919,396号、および米国特許出願第17/021,456号は、研究者が、臨床試験研究症例報告書(CRF)に応答して、電子データドキュメント(EDD)を作成することを可能にする、臨床試験研究システムおよび方法を教示している。CRF上の質問に応答するために、EDDの一部として、スニペットが医療専門家によって作成される。医者が、情報を患者のカルテから電子的CRF(eCRF)に転記する代わりに、医者は、ソースドキュメントのデジタル画像を使用する。例えば、彼らは、彼らの電子健康記録(EHR)(または電子医療記録(EMR))システムにログインして、eCRF上の質問のそれぞれに回答する情報に対応する画面の部分を選択して、画面の部分の画像(JPEGファイルなど)を作成するように求められる。臨床試験データ収集のワークフローは、医療現場において医療専門家に、画面イメージをキャプチャさせて、その後、CRFの質問ごとに個別のスニペットを作成させる。その後、医療専門家は、完了されたフォームを再点検して署名してスポンサーに送信する。製薬会社によって受信されると、製薬データ管理職員はスニペットを使用して、EDDに含まれる画像のマスクされていない部分にアクセスすることによって、情報を臨床データベース内の対応するフィールドに転記する。製薬会社は、医者の公式の電子医療記録から直接的に取得された画像情報を受け取る。このアプローチを使用すると、通常は、後ほどのソースドキュメント(SD)の参照によって回答を二重チェックまたは確認する理由がなくなる。しかしながら、転記されたデータポイントの多くは、エラーを訂正するために、後で編集される場合がある。これらのケースにおいては、データが変更されたとき、医療専門家は、ドキュメントを再再点検して再署名しなければならない。これは、複数回発生する場合があり、それが非効率をもたらす。
【0011】
最近、業界においては、EMRメーカーによって公開されたAPIおよびSDKを通して、いくつかの人気のあるEMRバックエンドデータシステムと「統合」される、いくつかのシステムが作成されている。これらのシステムは、EMRソフトウェアからのデータの迅速な獲得をもたらし得るが、それらは、採用されるのに時間がかかっている。これは、本発明によって解決される、いくつかの理由のためである。
【0012】
既存のシステムが採用されない1つの理由は、各々が独自の統合インターフェースを有する、膨大な数のEMRメーカーが存在するためである。これは、臨床試験においてバックエンド統合システムを配備するとき、規模の困難性をもたらす。あまり人気のないEMRシステムを使用する単一の診療所または病院は、全体的な研究がハイブリッドプロセスを必要とすることを引き起こす。
【0013】
既存のシステムが採用されていない別の理由は、EMR統合が、統合をセットアップするために、EMRベンダと病院システムとのインタラクションを必要とするためである。これは、しばしば、データを安全に抽出するために、オンサイトサーバの配備と、VPNトンネルの構築とを必要とする。統合が、存在しない、所与のEMRシステムを用いてすでに開発された場合であっても、それは、依然として、ベンダと現場の同意、および個々の現場ごとに僅かなカスタマイズを伴う配備プロセスを必要とする。これは大変な作業であり、官僚的なプロセス、またはいずれか個々の現場における技術的な障害によって、阻害され得る。本発明は、典型的な臨床ユーザのための現場新人研修と同程度のユーザ認証情報のみを必要としてベンダのインタラクションまたは同意を必要としないことによって、この問題を克服する。
【0014】
既存のシステムが採用されていない第3の理由は、EMRメーカーおよび病院が、主要な収入源として臨床試験にあまり重点を置いていないためである。これは、主要な出資者の提携の欠如をもたらして、彼らのAPIまたはSDKを通して提供される在庫品(stock)のインターフェースを超えた統合に協力するEMRメーカーおよび病院側の動機を小さいものにする。このことが、過去10年間にわたって、この臨床研究方法において非常に僅かな進歩しかもたらさなかった。本発明は、ユーザが行うのと同じ方法で、EMRとインタラクトすることによって、この問題を克服する。ユーザが行うことができることは何でも、本発明は行うことができる。これが、可能な統合のタイプに対してEMRメーカーによって課された制限を取り除く。それは、可能な統合のタイプに関するインセンティブ構造も取り除く。
【0015】
製薬会社は、研究データが自社のファイアウォールの外に容易に出ることを彼らが望まないので、彼らのデータ転送システムおよび情報科学(informatics)システムを独自仕様に保つ傾向がある。したがって、製薬会社のコンピュータシステムおよび情報科学システムは、病院システムに容易に「プラグイン」されない。したがって、病院システムにおいて記録された元の患者データを安全におよび機密性をもって送信および検証して、会社によって開発された医療処置のための臨床試験に参加するようにそのような病院システムを引き入れた、製薬会社の情報科学システムに必要な臨床試験データを提供するための、患者プライバシー制限に準拠した便利で信頼性の高い方法を提供する必要がある。EDDを効率的に作成して、それらを作成および検証するために必要とされる作業を、必要とされることを行うのに最良の立場にある関係者(臨床研究者およびスポンサー)間に割り振る必要性がさらにある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【文献】米国特許第7,669,114号明細書
【文献】米国特許第10,706,958号明細書
【文献】米国特許第10,811,122号明細書
【文献】米国特許出願第16/919,396号明細書
【文献】米国特許出願第17/021,456号明細書
【発明の概要】
【0017】
本発明は、少なくとも1人の医療専門家(研究者)などの医療現場の人が、ソースキャプチャを実行して、回答を含むソースキャプチャ画像の特定の領域を画定することによって、医療処置の臨床試験に関連する(電子的症例報告書(eCRF)などの)臨床試験質問票の質問に回答することを可能にするための、コンピュータ化されたシステムおよび方法を提供する。システムは、英数字値の転記の代わりに、マウスクリックを通して獲得された回答の画像、例えば、スクリーンショットキャプチャスニペットが使用されるワークフローを可能にする。
【0018】
さらなる実施形態においては、システムは、医療専門家が、特定のEMRに最も良く適した順序で質問に回答して質問を編成することを可能にすることによって、医療専門家ユーザなどの医療現場の人が、eCRFにおいて質問がどのように回答されるかを再構築することを可能にする。
【0019】
本発明のさらなる実施形態においては、少なくとも1つのソースキャプチャ(SC)が医療現場で実行されて、スニペットがeCRF質問に最初に回答するために作成された後、本発明のシステムは、EMRページのSC内のどこにおいて、eCRFの特定の質問が回答されたかを記憶する。本発明のシステムは、質問-回答ペアについて勧めることを備え、または医療専門家ユーザが本発明のシステムの提案を受け入れ/確認する、医療現場によって選択されたその後の来院についてのEDDを作成する。
【0020】
本発明の別の実施形態は、既存のソースキャプチャおよびソースドキュメント検証(SDV)ワークフローの要素を自動化するために、ロボティックプロセスオートメーション(RPA)を使用する。これは、EMRにアクセスするプロセスを自動化することと、正しいEMRドキュメントまたはデータを見つけることと、電子的ソースドキュメントのスクリーンショットと、自動化されたコピーアンドペーストを通した、および(ネイティブWindows(R) EMRアプリケーションのための)Windows(R)形式、または(ウェブEMRアプリケーションのための)HTMLドキュメントオブジェクトモデルのどちらかからデータを直接的に読み取ることを通した、個別データの抽出との両方の形式でEMRデータを抽出することと、PIIパターンマッチング、OCR、および機械学習を通して、個人識別情報(PII)を編集することと、記憶、照合、分析、および利用のために、編集されたSCおよびSDVデータを集中型サーバに送信することとを含む。本発明のさらなる実施形態においては、医療専門家はソースキャプチャを作成して、CRF質問をソースキャプチャの部分と照合して、この情報を非医療現場ユーザに転送する。非医療現場ユーザはスニペットを作成して、データ入力を実行し、医療現場から必要な作業を軽減する。医療現場の医療専門家は、正確性のために最終的なCRFパッケージを再点検して署名し、およびプロセス中に行われる場合がある個々の変更を再点検する必要はない。
【0021】
本発明は、医療現場専門家が臨床試験研究を選択するステップと、医療現場専門家が臨床試験研究における患者を選択するステップであって、患者の来院のリストが提供されるステップと、医療現場専門家が特定の患者来院を選択するステップと、医療現場専門家が、アクティブなオペレーティングシステムにおける閲覧可能な情報の順序に一致するように、臨床研究フォーム上の臨床試験質問を再構築するステップと、医療現場専門家が、アクティブなオペレーティングシステム上で閲覧可能な特定の患者来院に基づく関連情報のソースキャプチャを作成するステップと、医療現場専門家が、臨床研究フォームから質問を選択して、ソースキャプチャ上の関連情報を臨床研究フォームからの質問と関連付けるステップであって、臨床研究フォームからの質問は、アクティブなオペレーティングシステム上の情報の順序で回答されるように再構築されるステップと、医療現場専門家が、関連付けられたソースキャプチャを臨床試験管理専門家に提供するステップと、臨床試験管理専門家がスニペットを作成するステップと、臨床試験管理専門家が、情報をスニペットから臨床試験データベースに入力するステップと、第2の臨床試験管理専門家が、検証のために情報をスニペットから臨床試験データベースに入力するステップと、医療現場専門家が完了して仕上げられた臨床研究フォームを再点検して承認するステップとを含む、臨床試験研究ワークフロー方法を提供する。
【0022】
本発明の別の実施形態は、医療現場専門家が、アクティブなオペレーティングシステムにおける閲覧可能な情報の順序に一致するように、臨床試験質問を再構築するステップと、医療現場専門家が、第1の患者来院についてのソースドキュメントのソースキャプチャを作成するステップと、医療現場専門家が、臨床研究フォームから質問を選択して、ソースキャプチャ上の関連情報を臨床研究フォームからの質問と関連付けるステップであって、臨床研究フォームからの質問は、アクティブなオペレーティングシステム上の閲覧可能な情報の順序で回答される、選択して関連付けるステップと、医療現場専門家が残りの患者来院についての追加のソースキャプチャを作成するステップと、システムが、追加のソースキャプチャからの情報を関連する臨床試験質問に関連付けて、質問回答ペアを作成するステップと、医療現場専門家が、電子署名を用いてシステム質問回答ペアを承認または拒否するステップとを含む、臨床試験質問に回答する、臨床試験研究ワークフロー方法を提供する。
【0023】
本発明の別の実施形態は、医療現場専門家が臨床試験研究を選択するステップと、医療現場専門家が臨床試験研究における患者を選択するステップであって、患者の来院のリストが提供されるステップと、医療現場専門家が特定の患者来院を選択するステップと、医療現場専門家がアクティブなオペレーティングシステム上で閲覧可能な特定の患者来院情報の1または複数のソースキャプチャを作成するステップと、医療現場専門家が1または複数のソースキャプチャを臨床試験管理専門家に提供するステップと、臨床試験管理専門家が1または複数のソースキャプチャ上の情報を臨床研究フォームからの質問と関連付けるステップであって、臨床試験管理専門家は、臨床研究フォーム上の質問のそれぞれが回答されるまで、1または複数のソースキャプチャ上の情報を関連付け続けるステップと、臨床試験管理専門家が、関連付けられた情報と質問とのペアを使用してスニペットを作成するステップと、臨床試験管理専門家が情報をスニペットから臨床試験データベースに入力するステップと、研究者が入力された情報を再点検して、電子署名を用いて入力された情報を承認するステップとを含む、臨床試験ワークフロー方法を提供する。
【0024】
本発明の別の実施形態は、ロボティックプロセスオートメーションを使用する臨床試験ワークフロー方法を提供し、方法は、EMRシステムを開始するステップと、安全に記憶された認証情報を使用して、ユーザに代わって、EMRシステムにログインするステップと、EMRシステムの正しいナビゲーションリンクを自動的に選択し、および適切なナビゲーションフォームに入力して正しい研究被験者の記録および来院日についての所望の情報に関するEMRページに到達するステップと、症例報告書(CRF)上の1または複数の質問に対する回答を含む、1または複数の関連ページの1または複数のスクリーンショットをキャプチャするステップと、スニペットを作成するために、CRF上の個々の質問に対する回答を含む領域に対応する、1または複数のキャプチャされたスクリーンショットを自動的にマークするステップと、1または複数のスクリーンショットが、ロボティックプロセスオートメーションシステムから離れる前に、個人識別情報についての領域を永久的に編集するステップであって、ロボティックプロセスオートメーションシステムは、光学式文字認識、およびEMRページから読み取られた個別テキストデータのマッピングを使用して、個人識別情報を含む1または複数のキャプチャされたスクリーンショットの部分を識別するステップと、1または複数のキャプチャされたスクリーンショットによって表される英数字データを確定するために、OCR、およびRPAシステムによってEMRページから読み取られた個別テキストデータのマッピングを使用して、1または複数のCRF質問に対する回答を含む、1または複数のキャプチャされたスクリーンショットの区画を識別するステップと、識別された区画を使用して、データ入力についての提案を提供するステップと、スニペットを、1または複数のキャプチャされたスクリーンショット、CRFからの1または複数の質問、スニペット内に表された英数字データ、およびアクションの完全なオーディットトレールと組み合わせて関連付けることによって、電子データドキュメント(EDD)を細部まで組み立てるステップと、安全なネットワーク上で、EDDをサーバに送信するステップと、ユーザのために、EMRシステム上のログアウトボタンを自動的に選択するステップと、再点検、コメント、および/または編集のために、RPAシステムによって取られたアクションおよびEDDを要約したレポートをユーザに提供するステップとを含む。
【0025】
さらなる実施形態においては、追加のセキュリティを追加するためのデバイスおよび方法は、本発明のシステムを使用して、不注意エラーのリスクをさらに低減する。この検証は、OCRおよびプログラミングロジック、本発明のソフトウェアとEMRシステムとの間の安全で暗号化された通信(「ハンドシェイク」)、アクティブなEMRアプリケーションウィンドウのチェック、プロセス間通信(IPC)、ならびにウェブベースのAPIによって推し進められ得る。
【0026】
本発明の別の実施形態は、臨床試験ワークフローシステムにおいてソースキャプチャについての情報源の電子的検証のための方法を提供する、臨床試験研究ワークフローシステムおよび方法に対する改善を提供し、方法は、EMRシステムを開始するステップと、安全に記憶された認証情報を使用してユーザに代わってEMRシステムにログインするステップと、EMRシステムの正しいナビゲーションリンクを自動的に選択し、および適切なナビゲーションフォームに入力して正しい研究被験者の記録および来院日についての所望の情報に関するEMRページに到達するステップと、症例報告書(CRF)についての1または複数の質問に回答することに関する所望の情報を含む1または複数の関連ページの1または複数のスクリーンショットをキャプチャするステップと、検証のための1または複数のデータポイントを使用することによって、1または複数のキャプチャされたスクリーンショットが正しい研究被験者のものであることを検証するステップとを含む。検証は、1または複数のデータポイントのキーワードの存在を検出するための、1または複数のスクリーンショットキャプチャの臨床試験システムによるリアルタイムスキャンとともに起こり得、1または複数のキャプチャされたスクリーンショットが検証済みか、または未検証かを評価し、1または複数のデータポイントの定義された数が、臨床試験システムによる1または複数のキャプチャされたスクリーンショット内において明確に識別された場合、1または複数のキャプチャされたスクリーンショットは検証済みとラベリングされ、1または複数のデータポイントの定義された数が、臨床試験システムによって明確に識別されない場合、1または複数のキャプチャされたスクリーンショットが未検証とラベリングされる。検証もまた起こり得、電子的検証が、接続が確立されて1または複数のキャプチャされたスクリーンショットのために情報源を提供するEMRシステムであることが検証された場合のハンドシェイクを含む安全で暗号化された双方向通信を含み、および情報源が検証されると、正しい研究被験者についての情報をEMRシステムが表示していることを確認するようEMRシステムに要求する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
発明のさらなる目的、特徴および詳細は、発明の例示的な実施形態を示す添付の図面と併用された以下の詳細な説明から明白になるであろう。
【0028】
【
図1】ユーザ研究の選択ページの典型的なスクリーンショットである。
【
図2】ソースキャプチャを実行するユーザのためのランディングページの典型的なスクリーンショットである。
【
図3】患者の来院ステータスを示している医療専門家ユーザのための典型的なスクリーンショットである。
【
図4】SC実行者のランディングページ上にCRF質問を表示している典型的なスクリーンショットである。
【
図5】SC実行者の示しているCRF質問のタブについての典型的なスクリーンショットである。
【
図6】アプリケーション選択ウィンドウを表示しているSC実行者に関する典型的なスクリーンショットである。
【
図7】EMRで患者記録を開いていることを表示している典型的なスクリーンショットである。
【
図8】SC上で編集された情報を表示している典型的なスクリーンショットである。
【
図9】既存のアプリケーションに重ねている本発明のシステムを表示している典型的なスクリーンショットである。
【
図10】SCのHUDを表示しているSC実行者に関する典型的なスクリーンショットである。
【
図11】マークアップパレットを使用して生成されたスニペットを表示している典型的なスクリーンショットである。
【
図12】フォームビューでSCに関するスニペットを表示している典型的なスクリーンショットである。
【
図13】SC実行者のためのCRF進行画面を表示している典型的なスクリーンショットである。
【
図14】データ入力ユーザのためのランディングページを表示している典型的なスクリーンショットである。
【
図15】確証者を伴ったバックアップデータ入力のためのデータ入力ユーザのランディングページを表示している典型的なスクリーンショットである。
【
図16】完了されたCRFパッケージを再点検するユーザのためのランディングページを表示している典型的なスクリーンショットである。
【
図17】例示的なワークフロー1のフローチャートである。
【
図18】監視者によって実行されるデータ入力を伴った例示的なワークフロー2のフローチャートである。
【
図19】データ管理者によって実行されるデータ入力を伴った例示的なワークフロー3のフローチャートである。
【
図20】例示的なワークフロー3のフローチャートである。
【
図21】本発明におけるEMRについてのSC検証プロセスの例示的な実施形態を表示しているフローチャートである。
【
図22】本発明に従ったEMRシステムについてのSC検証プロセスの別の例示的な実施形態を表示している略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は、研究者(医者、看護師、または他の指定された医療専門家)が、CRFまたはeCRFによって提起された質問に対する回答に対応するSCを、スポンサーに提供することを可能にする、コンピュータ化されたシステムおよび方法を提供する。その後、CRFまたはeCRF上の質問のそれぞれに対処するために、SCのSD画像区画(スニペット)が、質問-回答ペアで準備される。スニペットは、デジタル写真、または撮像デバイスの出力であり得、撮像デバイスは、デジタルカメラ、コンピュータ画面キャプチャソフトウェア、携帯電話、医療用スキャナまたは撮像機械、およびポータブルコンピュータであり得る。スニペットは、音声のもしくは視覚的なセグメントまたはその両方(メタデータではない)を抽出した直接的な電子または視覚的な記録も含む。これは、例えば、遠隔医療インタラクションからの直接的な電子記録を含む。eCRF質問は、SDから直接的にもたらされる画像によって回答されているので、それはもはや転写プロセスではなく、したがって、SDVを実行する必要をなくす。また、SDは、元のデータの究極のリソースであるので、データの品質を査定するための、または他の時間のかかるデータクリーニングを行うための、エディットチェックをプログラムする必要が実質的にない。SDは、法的ドキュメントと見なされて、その中の情報は、最終的なものと見なされる。また、現代では、ほとんどの医院および病院は、電子医療記録(EMR)を採用しており、これらのシステムは、すでに、複雑なエラーチェックプログラミングを含んでいる。本発明は、スポンサーが、EMRシステム内にすでに存在するエラーチェックを活用することを可能にする。
【0030】
本着想は、スポンサーが、SDに関連性のある部分に基づいて直接的に1回または2回のデータ入力を実行することができ、したがって、研究者が英数字データを用いてCRFに入力するステップをスキップするプロセスを提示する。本発明は、研究者が、関連する英数字情報が見えるSDの全部または選択された部分のSCを用いてCRFに入力する方法を含む。SD画像は、紙のソースドキュメントについてはデジタルカメラによって、または電子的SDについてはソフトウェア内の画面キャプチャ機能によって、獲得されることができる。医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律(HIPAA)、FDAタイトル21 CFRパート11、ならびに他の法律および規制によって要求されるように、患者のプライバシーを保護して、スポンサーの注目を関連情報のみに向けるために、研究者は、描画ツールおよびラベリングツールを用いて、画像をマークすることができる。また、患者のプライバシーを保護するために、研究者が、臨床試験に関連していて対応していると決定した、SC上の英数字情報のみをスポンサーが見得るように、研究者によってマークされていない領域は、(自動または手動)編集によってスポンサーから見えなくされる。
【0031】
研究者は、もはやフォームに入力しておらず、むしろ元のSDからSCを取得するので、もはや転記エラーのリスクはない。スポンサーは、臨床研究のために必要とされる、SDの区画の正確なデジタル画像を閲覧しているので、SDの画像から直接的に、1回または2回のデータ入力が実行され、したがって、SD検証を直接実行する必要を排除し、または大幅に減少させる。
【0032】
本発明は、ページのSC(例えば、ページ上の特定の区画のスクリーンショットまたはスナップショット)を取得し、それが含む関連データ(例えば、体温、血圧など)を識別するためにそのSCをラベリングして、データまたはそれの臨床研究への適用に関する任意のコメントをそのSCに追加する、医師または看護師など医療現場の医療専門家によって実施され得る。したがって、患者情報を新しいフォームに入力する必要なしに、医療専門家は、様々な製薬会社によって実施され得るかもしれない研究に全般的に関連する情報を識別することができる。同様に、医療専門家は、コンピュータ上で利用可能ではない紙の検査記録の写真を(例えば、スマートフォンアプリを用いて)撮影し、その情報をコメント有りまたはなしでラベリングして、同じプログラムを使用して、そのような検査記録を電子的に含め得る。医療専門家によってCRF質問に関連付けられていない患者情報は、電子的に編集され、したがって、研究に関連する資料のみが、製薬会社と電子的に共有されることを可能にする。会社は、SCの編集された部分によって取り囲まれる、または代替として、ソースキャプチャのそれぞれにおける関連データのみを1つずつ示す、医局によって選択された記録の部分のみが示されるような方式で、この情報を受け取る。これは、次に、製薬会社に、製薬会社が見る必要のあるすべてのデータを示して、研究に関係のない情報、および/またはプライバシー問題を引き起こす情報を示さない。医療記録の区画は、医局によって選択されてラベリングされるので、製薬会社は、臨床研究フォーム(CRF)を使用して、研究ごとに製薬会社がどの情報を見たいかを決定することができて、本発明はその情報を提供する。これは、情報を検証するために、医療ファイル全体を再点検しなければならない際の製薬会社の時間を節約する。および、研究に関連する情報のみが、スポンサーの再点検者によって閲覧されることができるので、プライバシーの懸念を引き起こすことなく、情報は電子的に共有されることができる。
【0033】
さらに、医療ファイルの編集された部分が、規制または不正排除の目的で、(例えば、FDA監査人、またはスポンサー企業の上級管理職によって)再点検される必要がある場合、適切な権限を有するユーザは、限定的ではあるが十分な方式(例えば、ビューポート)で、編集された情報を閲覧することができる。したがって、本発明は、機密情報を一般的な閲覧から隠すが、権限を与えられた人が、例えば、共有されているデータが実際に特定の患者に関連することを確認するために、それを閲覧する必要がある場合においては、その情報のデータを、編集されたSCの一部として保持する。
【0034】
本発明は、SCを実行するためのインターフェース、データ入力を実行するためのインターフェース、および承認のために完了されたCRFパッケージを再点検するためのインターフェースを含む、複数のユーザインターフェースを有するシステムを提供する。異なるインターフェースの使用は、ユーザによって実行される、特定の役割向けの個人化を提供する。例えば、医療専門家など、SCを準備するユーザは、eCRF質問を、医療専門家ユーザが、より容易におよびより迅速な方式でeCRF質問に回答することを可能にする、EMRに従ったフォーマットに変換し得る。本発明は、質問がCRF上に出現する順序にとらわれない。これは、現場ユーザが、彼らがCRF質問に回答する順序を、データが電子健康記録(EHR)内において出現する順序と一致するように編成することを可能にする。先行技術における、EHRのページ上のデータの位置と、質問がCRF上に出現する順序との間の同期の欠如は、現場ユーザが、従来の方法を使用してCRF質問に応答するとき、大量の「ページめくり」をもたらす。OCR照合プロセスを使用して、本発明のシステムは、キーワードが、すでに他の場所に割り当てられていないならば(すなわち、患者来院記録についての検索語ごとに、EHR内にただ1つのロケーションが存在するならば)、あらゆるCRF質問のために構成されたあらゆる可能な検索語を探して、SCの全テキストを検索する。これは、ユーザが、SDのSCをキャプチャして、CRF上で質問が提示される順序についてのいかなる制約もなしに、回答の関連ロケーションをCRF質問に一致させることを可能にする。
【0035】
本発明のシステムは、従来の臨床研究ワークフローおよび役割から逸脱するための能力も提供する。本発明のシステムは従来の役割をサポートするが、本発明のシステムは、医療現場の作業負荷を最小化することによって、ワークフローを最適化する。例えば、医療現場の医療専門家は、eCRFリスト上のあらゆる質問に回答する、EMRのソースキャプチャ(「SC」)を添付する。このSCは、EMRの個々の部分、または質問-回答の関連付けを含むEMR記録のページ全体であり得る。EMRのSC上の個人的な患者情報は編集され、そのため、EMR上の患者の情報は、SC上において匿名である。医療専門家が、SCと質問-回答の関連付けとを作成すると、医療専門家ユーザは、eCRF質問票を終了させ得、スポンサーまたはサードパーティなどの非医療現場職員は、関連付けられた質問とSCとを取得して、eCRF質問に対する質問-回答ペアを含む、スニペットを準備する。機密性をさらに保つために、スポンサーは、サードパーティを使用して、質問-回答スニペットを作成して、スニペットを、スポンサーまたは監視者などの、データ入力を実行する関係者に配布し得る。その後、準備されたスニペットを使用して、データ入力が実行される。この最適化されたワークフローは、事務作業を含む作業の大部分を、医療現場から移し変える。(選択されたワークフローに応じて、医療現場も、非医療現場の職員の代わりにスニペットを準備し得る)。医療専門家は、常に、CRF質問に対する回答を提出する任務を負ったユーザであったので、これは、現在の業界慣行からの著しい逸脱である。しかしながら、ソースキャプチャは、真実の究極の参照であるので、応答の医学的解釈はもはや必要とされず、マシンによって実行され、医療ユーザによって確認されて、非現場ユーザによって手続き的に実行されることができる、ソースドキュメント上のロケーションへの参照のみがあるにすぎない。
【0036】
さらなる実施形態においては、本発明のシステムが、患者の記録および必要とされる関連情報を選択およびグループ化するために、医療専門家によって提供されたSCをスキャンすることを可能にするように、eCRFフォームおよび質問は、質問のそれぞれと関連付けられたキーワードを用いて、本発明のシステムソフトウェアにおいてプログラム化され得る。本発明のシステムは、ユーザが、CRF上の任意の所与の質問に関連する主要な検索語を組み込んだデータベースを構成することを可能にする。ユーザが、SDのSCを取得するとき、本発明のシステムは、SCの内容と、CRF上の多くの質問のために構成された検索語との間の一致を識別するために、光学式文字認識(OCR)技術を適用する。一致が識別された場合、SCの領域が、特定の質問のための検索語に対応するものとしてユーザに提示される。医療カルテの内容に精通した熟練した医療専門家ユーザは、本発明のシステムにおけるOCRプロセスによって識別された領域が、ユーザにもまた示された関連付けられた質問に正確に相関するか、それとも不正確に相関するかを決定することができる。相関が正確である場合、ユーザは一致を受け入れる。相関が正確でない場合、ユーザは、OCRを介して一致した領域を拒否することができる。好ましい実施形態においては、「CRF質問とソースキャプチャのマッチング」のこのプロセスは、ユーザが、スニペットが作成されるべきロケーションを確認するが、スニペット自体を作成する必要はないことを可能にする。その後、SCは、一致と示された特定の領域を有するSCを閲覧し、スニペットプロセスを実行するために、(データ管理または臨床業務におけるCROユーザまたはスポンサーユーザなど)非現場ユーザに送られることができる(CROは、データ管理、現場管理、監視などといった、臨床試験の運用面を行うために、スポンサーによって利用される開発業務受託機関である)。その後、完成されたスニペットは、非医療現場ユーザによって、データベースへの英数字データ入力のために使用される。
【0037】
さらなる実施形態においては、本発明のシステムは、医療専門家が、初回の患者来院についての質問-回答関連付けを有する最初のSCを提供すると、すべての以降の来院についてのEDDを作成する。これは、(EMRページ上のCRFからキーワードを識別するための)OCR、パターン認識、および人工知能(AI)の組み合わせを通して行われる。EMRページは、来院ごとに同様に構造化されるので、本発明のシステムは、以前の提出における回答のロケーションに基づいて、CRF質問に対する回答についての提案を提供するために、SC内のパターンを認識する。
【0038】
ソースキャプチャインターフェース
【0039】
ソースキャプチャは、一般に、医療現場の誰か、例えば、医療現場の医者、看護師、または他の医療専門家によって実行される。以下では、このインターフェースを説明するために、医療専門家ユーザが用いられるが、しかしながら、このインターフェースは、ソースキャプチャの実行を委任された任意のユーザによって使用されることができる。
図1を参照すると、例示的な実施形態においては、本発明は、医療専門家ユーザが、ユーザのアクセス詳細に基づいて、サインインしたユーザに利用可能なすべての臨床試験研究のリストを提供するメニュー110から、臨床試験研究を選択する研究選択画面を提供する。医療専門家ユーザは、ユーザのプロジェクトアクセス詳細に基づいて、メニュー112から、構成環境を選択することもできる。
【0040】
図2を参照すると、例示的な実施形態においては、本発明は、グリッドビューで、ユーザのランディングページ200を提供する。リストビューなど、他のビューも、利用可能である。ランディングページ200は、ユーザの役割に特有であり、それに適合されている。医療専門家ユーザの情報204は、ランディングページ200の上部に提供される。ランディングページ200は、(選択された臨床試験における)医療現場のすべての臨床試験患者リスト208と、すべての患者の来院リスト210とを提供する。患者リスト208は、患者の一意的な研究ID(または患者のイニシャル)と、CRF質問票の完成に関して作られた、進み具合のステータスインジケータ(例えば、赤/緑/黄のカラーインジケーション)とを提供する。患者リスト208は、患者名またはカラーステータスによってソート可能である。来院リスト210は、名前によって、選択された患者の来院のリストを提供して、例えば、完了した来院、キャンセルされた来院、期日を過ぎた来院、および未解決問題を伴う来院など、来院ステータスによってフィルタリングされることができる。ユーザは、特定の患者を選択して、その後、特定の来院を選択して、その来院から情報を収集することができる。その後、必要な情報が、SCを作成し、情報を質問に関連付けるために選択されて、質問-回答ペアのスニペットを作成するために、監視者などの関連する関係者に転送される。これは、医療現場がSCのみを実行して、監視者またはサードパーティが、スニペット作成およびデータ入力などを実行する、最適化されたワークフローである。医療専門家が、ソースキャプチャとスニペット作成との両方を行う、追加のワークフローにも従い得る。医療専門家の追加された利便性のために、患者、来院、フォーム、および質問を検索するための英数字入力を可能にする、検索バー212がランディングページ200上に提供される。研究における新しい患者も追加され得る。
【0041】
図3を参照すると、例示的な実施形態においては、本発明は、患者の来院ステータス302を提供する。来院ステータス302は、例えば、キャンセルされた来院、または来院しなかったことも、そのような行動の理由とともに含み得る。ユーザは、行われた来院を確認して、関連する日付304を提供することができる。カレンダーウィジェットが、データ入力のあいまいさを取り除くために使用され得る。この日付は、来院に関連するすべてのSCに対する日付チェックになる。特定の臨床試験のためにすでに設定されているフォームまたはデータポイントの集まりから引き出すことによって、臨時の来院、スケジュール外の来院が、システムに追加され得る。
【0042】
図4を参照すると、SC実行者のランディングページ上に、来院、例えば、スクリーニング来院が行われたことをユーザが示すと表示されるCRF質問を有する、例示的な実施形態が示されている。CRFフォームは、ランディングページ400上に、臨床試験質問を自動的に投入して提供する。ユーザは、彼らが回答したい臨床試験質問のタイプを、タブ402-「No Source」質問または「Source Capture」質問によって、選択することができる。選択されたタブに基づいて、関連する質問が画面上に出現する。「No Source」質問は、回答に情報源の証拠を必要としない単純な質問である。それらは列挙されて、yesまたはnoなどの応答ウィジェット、または提供されるコメント機能を用いて、ユーザによって回答されることができる。「Source Capture」質問は、医療専門家ユーザが、SCを、列挙されたCRF質問のそれぞれに関連付ける必要がある、情報源の証拠を必要とする。
【0043】
図5を参照すると、例示的な実施形態においては、本発明は、ソースキャプチャタブ502を提供する。これらの質問は、2つのグループ-SCにアタッチされた質問「Attached to Source Capture」506と、SCにアタッチされていない質問「In Progress」504とに編成される。ユーザは、SCの全部または一部を、リスト上のあらゆる質問に関連付けなければならない。すべての質問がアタッチされたSCを有すると、臨床試験質問に回答するユーザのジョブは、選択されたワークフローに応じて、完了され得る。
図5は、血圧、体温、脈拍、呼吸数、アレルギー、血清カリウム、血清ナトリウム、クレアチニン、
ECG QT間隔、およびペインスケールがまだ進行中であり、アタッチされたSCを有さない質問であることを示している。(これらの質問は、問われ得ることの例にすぎない)。
ソースキャプチャアイコン508を使用して、ユーザは、SCを追加するプロセスを開始し得る。
【0044】
図6を参照すると、例示的な実施形態においては、本発明は、アプリケーション選択ウィンドウ600を提供する。ユーザが、ソースキャプチャアイコン508を選択すると、アプリケーション選択ウィンドウ600が開く。オペレーティングシステムにおいて開いているすべてのソフトウェアプログラムは、
アプリケーション選択ウィンドウ600上にアイコンとして出現する。ユーザは、SCについての関連する記録を開くために、選択された様々なアプリケーション内において、選択および見て回り得る。ユーザが、彼らが使用したいソフトウェアプログラム、例えば、EMRアプリケーション602を選択すると、本発明のユーザインターフェースは、開いているアクティブなアプリケーション上に残る、適応可能な透明なフローティングウィジェットになるように最小化される。
【0045】
図7を参照すると、例示的な実施形態においては、EMRにおいて開いている患者記録が示されている。アイコン700は、アクティブなEMRアプリケーション上での透明でフローティングな本発明のシステムである。
【0046】
図8を参照すると、例示的な実施形態においては、本発明は、情報の自動および手動編集と、SCの電子署名を用いる編集認証とを提供する。患者の個人情報810は、SC850から自動的に編集される。個人情報のこの自動編集は、医療専門家のマシン上の、例えば、Google chrome
(R)アドオン内において、またはAmazon We
b Serviceなどのサーバにおいて行われる。クライアント側では、患者の個人情報は、編集処理のためにサーバ/インターネット上でSC上に送信されない。(SCと関連付けられた患者の認証はマシンによって行われて、その後、ネットワーク上でのSCの送信前に編集される)。サーバ側では、OCRおよび編集は高速であって、計算に関して手間がかかることを行うために、サーバアーキテクチャの計算力を使用する。スクリーンショットが取得されて、画像は、完全に編集されていないが暗号化された形式でサーバに安全に転送される。スクリーンショットがサーバに到達すると、すべてのOCRおよび編集処理がRAMなどの
一時的メモリを使用して行われて、PIIは永久記録媒体に記録されない。ユーザは、例えば、トグル選択を使用して、クライアント側とサーバ側との間でOCRおよび編集を選択し得る。SC850は、開いているアクティブなシステムアプリケーション860上に、例えば、EMRシステム上に重なった、本発明のシステムペイン800内に配置される。自動編集は、例えば、生年月日、社会保障番号、住所、電話番号、電子メールアドレス、病院ID、保険会社、保険ID、および患者ID写真の区画など、編集フィールドについての一致を見つけるために光学式文字認識(OCR)を用い得る。編集された情報は、暗いブロックであり得るオーバーレイを用いて、権限を与えられていないユーザから遮断される。ユーザは、自動的に編集されなかった情報を手動で編集するために、編集ツール816も使用し得る。例えば、患者写真820は、情報を選択してそれをボックスで取り囲むことによって、編集ツール816を用いて手動で編集される。手動で編集された領域は、その上にカーソルを合わせたとき、区画上に「X」アイコンを示す。編集が行われた後、ユーザは、電子署名840を用いて、自動と手動の両方の編集を承認する。手動編集は、SCのそれぞれに個別に適用される必要がある。医療現場の専門家が、通常、手動編集を実行するが、しかしながら、例えば、監視者もSCの手動編集を実行し得る。
【0047】
図9を参照すると、例示的な実施形態においては、本発明は、システム上の既存のアプリケーション960上に重なった、ペイン900を提供する。ペイン900は、SC950と、SCマークアップウィンドウ920とを含む。マークアップウィンドウ920は、患者の研究IDと、来院名および日付とを列挙する。マークアップウィンドウ920は、SCを必要としてSC応答とペアにされていない、指定された来院についての質問のすべてを列挙する、質問リスト930も含む。ユーザは、SC950内で見つけられる回答を有し得る質問について提案されたリスト、またはSCを必要とするすべての研究質問のリストを選択することができる。提案リストが選択されたとき、CRF質問に回答し得るSC950内のキーワードを検索するために、OCRが使用され得る。(検索目的のためのこれらのキーワードは、研究構成中にセットアップされ得る)。例えば、質問リスト930は、体温、血圧、投薬、脈拍、呼吸数、アレルギー、および検査所見など、SC950内において見つけられる裏付けとなる証拠を有し得る質問のリストを提供する。
質問リスト930上の特定の質問上にカーソルを合わせる/
質問リスト930上の特定の質問をハイライト表示することが、例えば、血圧970など、その質問について提案されたキーワードを含む、SC950上の対応する区画をハイライト表示する。これは、ユーザが、CRF質問に対する回答を迅速に見つける助けとなる。提案された質問の隣にある矢印をクリックすることが、ノードをプルアウトドロワー(pull-out drawer)に追加して、質問をSC質問ヘッドアップディスプレイ(HUD)940に配置する。HUD940は、SC950上に重なった半透明ドロワーである。HUD940は、SC950に永続的にリンクされる。質問が、SC HUD940に追加されると、それは、質問リスト930から取り除かれる。裏付けとなる証拠がSC950上にない場合、ユーザは、「x」をクリックすることによっても、
質問リスト930から質問を取り除き得る。ユーザは、また、質問をドラッグすることによって、それをSC HUD940からSC質問リスト930に戻し得る。
【0048】
図10を参照すると、例示的な実施形態においては、本発明は、SC HUD1040と、SCに注釈を付けるために使用されるコンピュータソフトウェアツールとを提供する。質問1035がSC1050と関連付けられてSC HUD1040に追加されると、質問1035は1回のみ発生することができるので、
質問リスト1030から取り除かれてSCマークアップパレット1080が出現する。マークアップパレット1080は、ユーザの役割に対して利用可能な機能性に関連するツールを含む。(例えば、データ入力インターフェースは、スニペット作成のためのマークアップツールも含み得る。ユーザの役割はソフトウェアの管理モジュールで確立される)。マークアップパレット1080は、スニペットツール1082と、編集ツール1084と、マルチ選択ツール1086と、ズームツール1088とを含む。マークアップパレット1080は、移動可能で、再構築されることができる、フローティング四角形グラフィックであり得る。編集ツール1084は、上で論じられたように、ユーザが編集される情報を手動で選択することを可能にする。マルチ選択ツール1086は、ユーザが、所望の情報の周りにマークアップボックスを描いて、その後、先に描かれたマークアップのエッジから別のボックスを描くことによって、垂直または水平に整列されていないSC上の情報の複数の部分を選択することを可能にする。マルチ選択ツール1086を用いて作成された後続領域のそれぞれは、接続線を用いて、後続領域の先行する選択にアタッチされる。ズームツール1088は、ユーザが、SC画像1050のみをズームインまたはズームアウトすることを可能にする。スニペットツール1082は、ユーザが、スニペットのための所望の情報の周りにマークアップ四角形1083を描くことによって、スニペットを作成することを可能にする。それは、ユーザが、画面キャプチャのどの区画が、臨床試験質問票上の特定の質問に対する回答の証拠を表すかを画定することを可能にする。結果は、より大きい画面キャプチャの1または複数のサブ区画となり、それぞれは、臨床試験質問に対する特定の回答を表す。マークアップ四角形1083が完成すると、ラベリングツール1081は、質問リスト1030内のすべての質問のドロップダウンリストを提供する。ユーザは、マークアップ
四角形1083が関連付けられた、関連する質問を選択し得る。これは、マークアップ四角形を、緑色の境界線を有する場所内に止めて、ステータスインジケータノードを緑色に変化させ、この質問が回答/完了されてスニペットが作成されたことを、ユーザ(または他の閲覧者)に通知する。関連付けられた回答を有する、これらのより小さい画面キャプチャ区画がスニペットである。(選択されたワークフローに応じて、スニペット作成は、上で論じられたような医療現場ユーザの代わりに、監視者などの非医療現場ユーザによって行われ得る)。スニペットは、編集オプションを有する色分けされたボックスと、スポンサーに任意の追加情報を通知するためのコメントボックスとを含む。このスニペット作成プロセスは、CRF質問に回答するための関連した裏付け証拠である、SC上の情報のすべてが、関連する質問とペアにされるまで、繰り返されることができる。作成されたスニペットは、ユーザによって後で編集され得る。しかしながら、スニペットが、スポンサーによって承認されると、それはロックされ、もはや編集されることができない。スニペットがもはや編集されることができないことを、医療専門家ユーザ(または他のスニペット作成者)に通知するために、ロックシンボルが、使用され得る。
【0049】
図11を参照すると、例示的な実施形態においては、本発明は、マークアップパレット1180を使用して作成されたスニペット1155を提供する。プロセスは新しいSCページごとに繰り返される。患者のそれぞれの来院ごとに質問が回答されたときに、医療専門家ユーザに通知するために、ステータスシンボルが提供される。ステータスシンボルは、ユーザの役割に応じたコンテキスト依存である。彼らの役割が、ソースキャプチャを取得してそれらのSCにCRF質問を割り当てることである場合、彼らのSCタスクが完了したとき、ステータスマーカーは緑色を表示する。ユーザが、スニペットを作成するためのソースキャプチャのマークアップを要求する役割を割り当てられている場合、ひいては、彼らが質問についてのスニペット-質問ペアを作成するまで、彼らのステータスシンボルは、いずれの質問についても赤色を表示する。ソースキャプチャとスニペット作成の両方について設定されたユーザについては、SCが作成されてCRF質問と関連付けられて、その後、CRF質問のそれぞれがスニペット-質問ペアを有するまで、ステータスシンボルは赤色のままである。
【0050】
図12を参照すると、例示的な実施形態においては、SC1250上のスニペット1255は、フォームビュー内に示される。フォームビューは、SC1250から作成されて質問とペアにされた、スニペット1255のみを示す。SC上にあったが、質問とペアにされなかった他の情報は示されない。ネイティブビューは、他の閲覧オプションである。
【0051】
図13を参照すると、例示的な実施形態においては、ユーザが完成されたSCを有するか、またはユーザがSCプロセスを出ることを選択すると、進行画面が提供される。「進行中(In Progress)」1304に列挙された質問は、質問と関連付けられたSCを依然として必要とする。(ユーザの役割に割り当てられた、スニペット/マークアップ能力もまた有するユーザについては、スニペットペアを有するCRF質問、またはスニペット関連付けを依然として必要とするCRF質問について、同様の進行画面が提供される)。ユーザは、データ利用不可能、情報源利用不可能、リマインダを設定、またはクエリを開くなど、進行中の未回答の質問に対する注記を提供し得る。「ソースキャプチャにアタッチされる(Attached to Source Capture)」1306下の質問は、SCを使用して回答されている。(スニペットは、質問のそれぞれにアタッチされたSCから作成される)。システムは、質問の隣にアラートアイコン1308を配置することによって、回答と関連付けられたいずれかの未解決クエリがあるかどうかをユーザに通知する。質問の隣にあるアスタリスク1310は、オーディットトレールの存在を示す。オーディットトレールは、提供された応答、入力されたデータ、データ変更、マークアップされたSC画像など、実行されたすべてのアクションの履歴を、日付/時間の詳細スタンプ、変更の理由、およびアクションを実行したユーザとともに提供する。監視者またはデータ管理者など、非医療現場職員がスニペットを受諾すると、質問は、例えば、
図13における「Pulse」のようにイタリック体で表示されて、医療専門家ユーザに対してさらなる編集をロックする。画面の下部では、列挙されたCRF質問に回答するために使用されたS
Cのすべてのトレイ
1350が、医療専門家ユーザに利用可能である。SC上にカーソルを合わせることは、ハイライト表示されたSCページから回答された関連する質問をハイライト表示する。
【0052】
データ入力インターフェース
【0053】
データ入力は、任意の関係者によって実行されることができる。これは、看護師、監視者、データ入力管理者、サードパーティ、または医者など、医療現場または非医療現場職員を含む。スポンサーは、データ入力を実行するために、臨床試験管理専門家に委任し得る。ソースキャプチャインターフェースと同様に、データ入力インターフェースのユーザは、本発明のシステムにログインして彼らが取り組みたい研究および構成環境を選択する。
【0054】
図14を参照すると、例示的な実施形態においては、本発明は、データ入力ユーザにランディングページ1400を提供する。画面は、データ入力ユーザの役割と、選択された研究および環境とに特有である。データ入力ユーザは、医療現場ユーザから、質問-回答ペアスニペットを有するSCを受け取り得る。スニペットは、データ入力に情報を提供するために使用される。しかしながら、データ入力ユーザが、データ入力に加えて、スニペットも作成している場合、データ入力ユーザは、SCユーザによって作成されたSCと関連付けられた質問を有するSCを受け取る。データ入力ユーザは、スニペット作成およびデータ入力のためにこの情報を使用する。ユーザの役割がスニペットの作成である場合、スニペット作成ツールを含む、上で論じられたような、マークアップパレットがデータ入力ユーザに利用可能である。同じデータ入力ユーザが、スニペットとデータ入力との両方を作成している場合、彼らは、同時にスニペットを作成してデータを入力することができる。本発明は、データ入力ユーザが、彼らが担当する医療現場に基づいてスニペットまたはEDDを編成することを可能にする。ユーザは、データ入力段階に基づいて、どのデータポイントを彼らが見たいかを選択すること、または現在未処理の項目のすべてを見るために、すべてを選択することができる。現場列1420は、ユーザおよびデータ入力特有のチームメンバーに、現場のリストを提供する。データ入力ユーザが現場を選択すると、データポイント列1430が、データポイントのリストを開く。これらのデータポイントは、最初の入力、バックアップ入力、検証、またはフラグ立てなど、データ入力の段階に基づいて、データポイントをフィルタリングするフィルタプリセット1410を使用して、フィルタリングされ得る。データポイントが、データポイント列14
30から選択されると、データポイントの詳細が、データ処理詳細パネル1440内に表示される。
データ処理詳細パネル1440は、データ処理ページヘッダ1450と、CRF質問1455と、スニペットボックス1460と、データ入力ウィジェット1470と、自動OCR提案1465とを含み得る。データ処理ページヘッダ1450は、データポイントに関する情報を提供する。この情報は、被験者IDと、現場名と、現場IDと、CRF名と、要求の性質、例えば、バックアップ入力要求と、最後の処理ステップの時間とを含み得る。自動OCR提案1465は、関連付けられたスニペットに基づいて、データ入力の提案を提供する。最初のデータ入力ユーザとして、データ入力ユーザは、別の監視者(非医療現場職員)がまだそうしていない場合、スニペットを受諾する、または拒否する必要があり得る。データ入力ユーザは、スニペットが、質問に対する回答についての裏付けとなる証拠であって、質問に対する回答の代表的なものである場合、SDスニペットを受諾する。データ入力ユーザは、SDスニペットが、質問に対する回答の裏付けとなる証拠でなくて、質問に対する回答の代表的なものでない場合、SDスニペットを拒否する。(スニペットが拒否された場合、データポイントはクエリ配置のために処理される)。データ入力ユーザは、受諾されたスニペットボックス1460から、データ入力ウィジェット1470に情報を入力する。データ入力が完了すると、ユーザは情報を提出して、本発明のシステムは、情報が入力されたことを確認するためにチェックし、情報をオーディットトレールに送って、データを読み取り専用テキストに変更する。データ入力情報は、この時点ではまだ編集され得る。データが見当たらない場合、このデータポイントについてはデータが存在しないことを現場が示していない限り、システムはエラーを提供する。これは、システムが構成されるときにセットアップされ得る。
【0055】
図15を参照すると、例示的な実施形態においては、本発明は、確証者を使用する、バックアップデータ入力のためのデータ入力ランディングページを提供する。第2のデータ入力ユーザである確証者が、品質管理のために追加され得る。データ入力ユーザが、情報を入力して、データ入力ユーザについてのステータスが完了になると、第2のデータ入力ユーザ、例えば、品質管理(「QC」)ユーザについてのステータスインジケータは、未完了に設定される。第2のデータ入力ユーザは、バックアップ入力または検証を提供し得る。データポイントが、この機能を実行するために選択された第2のデータ入力ユーザのためのランディングページのデータポイント列に送られる。バックアップ確証者としてのデータの入力時、本発明のシステムは、第1のデータ入力ユーザによって入力されたデータが、第2のデータ入力ユーザ、すなわち、QCユーザによって入力されたデータと同じであるかどうかを、自動的に評価する。入力されたデータが同じでない場合、入力ユーザは、一致が達成されなかったことを通知されて、追加の確証者が追加され得る。入力されたデータが同じである場合、一致が達成される1575。データ入力ユーザは、情報をデータベースに送るか、または検証を要求し得る。入力がデータベースに送られると、オーディットトレールが更新されて、データポイント上のステータスインジケータが完了に設定されて、データポイントが、データポイントリスト1530から取り除かれる。システムは、ユーザ名および入力されたデータを有するすべての先行データ入力のリストを含む、データ入力履歴を保存する。これは、最初の入力、検証、およびフラグを立てられたデータポイントなど、他のデータ入力段階にも当てはまる。
【0056】
承認インターフェース
【0057】
ソースキャプチャインターフェースと同様に、研究者は、本発明のシステムにログインして、彼らが取り組みたい研究および構成環境を選択する。このユーザインターフェースは、完成されたCRFページの完全に仕上げられたバージョンを再点検して電子的に署名して、完成されたCRFページの完全に仕上げられたバージョンの記録を保持するための主な機能を有する、特有の役割のためのものである。このユーザは、病院または診療所における臨床試験の遂行に対して最終的な責任を負う。これは、一般に、研究者または医者、医療現場における専門家によって行われる。
【0058】
業界において現在使用されているワークフローにおいては、最初に提出された回答に編集が存在するとき、研究者は、CRFドキュメント上のデータを複数回再点検して署名する。本発明においては、完成して仕上げられたCRFページのみが、再点検および署名のために、研究者に提示される。開示される好ましい本発明のワークフローを使用して、医療現場の下流にいるユーザによって、スニペット作成が実行される。したがって、医療現場ユーザがSCを提供した後の次のステップとして、データが、完全にクリーニングされて最終的にデータベースに入力される。データが、最終的なデータベースに入力されると、データクリーニングのいずれのステップも解決された後に、研究者は、データを再点検して承認することができる。これは、現在の慣行からの大きな逸脱であって、そのようなワークフローを可能にする本発明のシステムおよび方法となる。
【0059】
図16を参照すると、例示的な実施形態においては、本発明は、研究者ランディングページ1600を提供する。
研究者ランディングページ1600は、患者列1620と、フォーム列1630と、フォーム詳細ペイン1650とを含む。研究者ランディングページ1600は、研究者ページが、研究者が再点検および確認/承認を行うために完成されたパッケージを列挙するような点で、ソースキャプチャインターフェースランディングページとは異なる。これらのパッケージは、プロセスの最後に、例えば、データ入力および他のクリーニングクエリが発生した後に存在する。本発明のシステムは、パッケージに関連付けられたデータが、研究者によって再点検されて、パッケージの隣にある署名準備完了アイコン1655を用いて電子的に署名される準備ができたとき、承認ユーザに通知する。
署名準備完了アイコン1655は、3つのパッケージレベル(例えば、関連付けられたすべての質問を有するフォームレベル、関連付けられたすべてのフォームを有する来院レベル、または関連付けられたすべての来院が存在する患者レベル)のいずれかまたはすべてで出現し得る。
署名準備完了アイコン1655は、データが、関連付けられたSCを完備しており、データベースに送られて未解決クエリを有さないことを示す。患者列1620は、選択されたときに、患者のリストまたはアーカイブフォルダを提供する現場名を含む。情報のすべては、アルファベット順にソートされ得る。その患者についての来院のリストが、患者の名前の隣にある研究者に示され、または非表示にされ得る。患者来院が選択されたとき、選択された来院と関連付けられたフォームが、フォーム列1630に表示される。その後、選択されたフォームがフォーム詳細ペイン1650に表示され、フォーム詳細ペイン1650は、ヘッダ1651と、再点検アイコン1652と、
質問-回答ペアのスニペット1653と、電子署名区画1654とを含み得る
。ヘッダ
1651は、例えば、患者研究IDと、来院の日付と、フォーム名とを含み得る。再点検アイコン1652は、研究者が、スニペットの質問-回答ペアの情報源を検証するために、元のSCを閲覧することを可能にする。SCは、単独で、またはユーザがSCとフォームとの両方を同時に見ることを可能にする分割画面で、閲覧され得る。研究者は、ネイティブビューまたはフォームビューでもSCを閲覧し得る。質問-回答ペアのスニペット1653は、例えば、CRFに書かれた質問の全テキストと、データ入力ユーザによってデータベースに送られた回答とを提供する。アイコン1655をクリックすることが、フォーム詳細ペイン1650内に適切なパッケージレベルで電子署名
区画1654を開く。電子署名区画1654は、研究者が、データおよびSCを再点検していてデータが正しいことを保証することを電子署名が保証することを示す、宣誓供述書テキストを含む。e署名ボタンがクリックされると、e署名が、パッケージに適用され、フォーム詳細ペインが閉じられて、署名された内容が、患者列1620内のアーカイブフォルダ1660に移動される。医者が、自分自身のために15年間、臨床試験記録を保存することは規制要件である。いつでも、医者は、アーカイブ
フォルダ1660にアクセスすることによって、(例えば、pdfまたは複雑でないテキストで)彼らの患者すべての完全な記録をダウンロードすることができる。
【0060】
ロボティックプロセスオートメーション
【0061】
本発明の実施形態は、既存のソースキャプチャおよびソースドキュメント検証(SDV)ワークフローの要素を自動化するために、ロボティックプロセスオートメーション(RPA)を使用する。これは、EMRにアクセスするプロセスを自動化することと、正しいEMRドキュメントまたはデータを見つけることと、電子的ソースドキュメントのスクリーンショットと、自動化されたコピーアンドペーストを通した、および(ネイティブWindows(R) EMRアプリケーションのための)Windows(R)形式、または(ウェブEMRアプリケーションのための)HTMLドキュメントオブジェクトモデルのどちらかからデータを直接的に読み取ることを通した、個別データの抽出の両方の形式で、EMRデータを抽出することと、PIIパターンマッチング、OCR、機械学習を通して、個人識別情報(PII)を編集することと、記憶、照合、分析、および利用のために、編集されたSCおよびSDVデータを集中型サーバに送信することとを含む。
【0062】
本発明のRPAシステムは、臨床試験に参加する臨床施設において使用される電子医療記録システムごとに、抽出のために、これらのEMRシステム内において患者記録にアクセスし、患者の身元を確認して、関連する臨床試験データを見つけるために必要なユーザインタラクションをマッピングおよび自動化することによって、開発される。その後、適合されたRPAソリューションは、所与の臨床試験のために必要とされるSCおよびSDVデータを自動的に抽出するために配置されて、所与の研究被験者およびデータフィールドに対する自動化されたRPAデータ抽出タスクを割り当てる、集中型ウェブサービス(API)とのインタラクションを通して調整される。安全なウェブサービスタスク割り当てに基づいて、自動化されたRPAシステムは、EMR記録にアクセスして、タスクを通して割り当てられたデータを抽出する。(RPAシステムは、ネットワーク構築、データ、および法的制限に応じて、リモートで、またはクライアント現場で動作する)。RPAウェブサービス通信は、TLS、ディフィ-ヘルマン鍵交換、およびAES暗号化などの業界標準を使用して、安全でないチャネル上において安全に確立される、エンドツーエンドTLS暗号化によって保護される。RPAシステムは、抽出されたデータを、すべての保存データに対して256ビット+AES暗号化を使用して、安全な暗号化されたコンテナ内にローカルにキャッシュに格納する。RPAシステムは、EMRシステムが、臨床試験に参加する臨床現場によって提供されて、256ビット+AES暗号化を使用して安全に記憶されるものとインタラクトする、EMRシステムのための適切な認証情報を維持する。編集プロセスは、クライアント側またはサーバ側で発生し得る。クライアント側の編集プロセスは、EMRから抽出されたすべてのPIIが、ウェブサービスへの送信前にSDVおよびSCデータから取り除かれることを保証して、ウェブサービスが、PIIを決して処理しないことを保証する。PIIは、RPAシステム上の長期ストレージに存続させられることは決してなく、編集が完了するまで、一時的メモリ内に維持されるにすぎない。
【0063】
ウェブサービスへの送信後、RPA抽出のSCおよびSDVデータはPIIが存在せず、およびデータが正確であることを保証するために、人間の再点検者によって確認される。患者の身元は、編集前のSDVスクリーンショットに対するOCRチェック、RPAによって抽出された個別のEMRデータに対するチェック、およびデータにアクセスするために、RPAシステムによって(自動化を通して)取られる、ユーザナビゲーションプロセスに関する、データにアクセスするための手順の確認を通して確認される。これらの確認は、PIIを有さない編集されたデータが、正しい研究被験者に割り当てられていることを保証する。被験者が、RPAによって見つけられることができない場合、またはこれらの確認が失敗した場合、問題に対処し、正しいデータを見つけて、RPAプロセスにおける任意のエラーに対処するために介在することができる人間のオペレータにエラーが提起される。
【0064】
例えば、臨床現場の看護師または研究コーディネーターは、本発明のシステムにログインして、臨床試験、およびその試験内の特定の研究被験者を選択し得る。彼らは、さらに、特定の臨床試験患者来院を掘り下げて調査することができ得る。そうしたとき、彼らは、選択された来院についての完了を必要とする一連のフォームと、「選択したフォームを自動的に完了する」ためのボタンとを提示される。自動化ボタンを選択することが、RPAプロセスを開始する。RPAプロセスは、研究被験者、望ましい来院日、およびフォームについての看護師の以前の選択に基づいて、関連するEMRページを認識する。その後、本発明のRPAは、例えば、以下のステップを自動的に進行させ得る:
【0065】
EMRソフトウェアがまだ開いていない場合、EMRソフトウェアを開く。
【0066】
安全に記憶された認証情報を使用して、(彼らがまだログインされていない場合)看護師/ユーザに代わって、EMRシステムにログインする。
【0067】
自動的にEMRシステムの正しいナビゲーションリンクを「クリック」して、正しい研究被験者の記録および来院日についての望ましい情報に到達するために、適切なナビゲーションフォーム(例えば、患者検索フォーム)に入力する。
【0068】
CRF上の質問に対する回答を含む、関連するページのスクリーンショットをキャプチャする。
【0069】
スニペット(特定のCRF質問に対する回答を表す、EMRページスクリーンショットの切り取られた部分)を作成するために、スクリーンショットのjpegまたは他の画像ファイル上で、CRF上の個々の質問に対する回答を含む領域に対応するマーキングを自動的に「描く」。
【0070】
OCRを使用して、PIIを有する領域を永久的に編集する。クライアント側OCRまたはサーバ側OCRのどちらかが使用され得、ユーザが好ましい方法を選択するために、機器構成のトグルが提供され得る。PIIを含むスクリーンショットの領域を識別するために、OCRと、RPAシステムによってEMRページから読み取られた個別テキストデータのマッピングとを使用することによって、クライアント側での編集が、スクリーンショットキャプチャがRPAシステムから離れる前に実行される。クライアント側処理の利点は、いずれの機密データもソースキャプチャの時点で即座に編集されるので、PIIの転送がゼロであることである。サーバ側では、スクリーンショットが、暗号化された方式でサーバに送信され、そこでOCRが適用されて、編集されたスクリーンショットがクライアントに返送される前に、編集が行われる。編集は、例えば、ユーザのコンピュータに対するGoogle Chrome(R)アドオン内で、行われることができる。サーバ、例えば、Amazon Web Service(AWS(R))では、OCRおよび編集は、一時的メモリ(RAM)のみを使用し、そのため、PIIについての永久記録媒体は存在しない。サーバ側処理は、2つの選択肢のうちで、より高速であり得るが、しかしながら、国のデータプライバシ規則が、地元の住民から国境外のサーバへのPIIの転送を禁止している場合、クライアント側編集は編集を実行するための唯一の選択肢であり得る。効率および速度を向上させるための取り組みにおいて、現場ユーザが、セッションにおいて多数のスクリーンショットを収集して、その後、OCRおよび編集処理がバックグラウンドで進行している間、システム内で他のアクティビティを実行し続けることができる、待ち行列システムが提供され得る。最終的に、スクリーンショットは処理を完了するので、スクリーンショットがさらなるインタラクションの準備ができたとき、ユーザは通知される。
【0071】
データ入力についての提案を提供するために、OCRと、RPAシステムによってEMRページから読み取られた個別テキストデータのマッピングとを使用して、画像によって表される英数字データを確定して、CRF質問に対する回答を含む画像の領域を識別する。
【0072】
スニペットを、EMRページのスクリーンショット、CRFからの質問、スニペット内に表された基礎となる英数字データ、およびアクション(日付/時間/ユーザ)の完全なオーディットトレールと組み合わせて関連付けて、電子データドキュメント(EDD)を細部まで組み立てる。
【0073】
安全なネットワーク上で、(編集されたPIIを有する)EDDをサーバに送信する。
【0074】
EDD情報の人間による再点検、ならびに最終的なデータ入力および/または品質チェックを可能にするために、すでに説明された他のプロセスを開始する。
【0075】
看護師/ユーザのためにEMRシステム上のログアウトボタンを自動的に「クリック」して、再点検、コメント、および編集のために取られたアクションおよび結果として生じたEDDを要約したレポートを、看護師/ユーザに提供する。
【0076】
【0077】
ステップ1-看護師はEMRにログインして、患者の来院情報に進む。その後、看護師は、応答を必要とするCRF質問のリストを提示する本発明のシステムを開く。看護師は、最初に、臨床試験質問に関連する情報を含む、EMR内の任意のページのSC170を実行する。SC画像は、例えば、研究被験者の来院日によって、階層に編成されることができる。その後、看護師は、患者の名前など、必要に応じてマークアップおよび編集172のプロセスを開始する。ソースドキュメントが必要でないいずれの質問も、直接的な入力として入力されるが、ソースドキュメント証拠を必要とする質問は、マウス駆動のソースマークアップのみを必要とする。ソースドキュメントタイプ質問をマークアップするプロセス中に、システムは、質問を特定のSCページ上の質問のマークアップに従って、自動的に再グループ化する。(看護師は、専用UIを通して手動でも質問を再グループ化し得る)。
【0078】
ソースマークアップ172中に、システムは、任意の所与のソースキャプチャ上に存在する証拠に適合するように、CRF質問をインテリジェントに再編成する。所与のソースキャプチャが、質問が7つあるCRFページの7つの回答のうち4つのみを含む場合、システムは、回答可能な4つの質問のみを反映するように、CRFにページを再作成して、残りの3つの質問を、システムが自動ラベリングする(すなわち、ページ名「Vital Signs」が、「Vital Signs 2」になるなどする)新しいページに移動させる。EMRシステム内でキャプチャされる画面領域は、来院ごとにほぼ同じままであるので、システムは、将来のインスタンスのために、グループ化を記憶する。すべての質問を完了したとき、ソースマークアッププロセスは終了し、看護師の作業は完了する。
【0079】
ステップ2-看護師による作業の完了が、研究者(医者)がシステムにログインするための通知をもたらす。医者は、看護師によって実行されたマークアップ、編集、およびデータ入力を見ることができて、どれでも編集することができる。最後に、医者が納得したとき、システムは、医者が、電子署名174を提供することを可能にする。研究者の作業は完了する。
【0080】
ステップ3-研究者によるサインオフは、監視者に対して、来院データのパッケージが彼らのために準備ができた旨の通知をもたらす。監視者は、システムにログインしてSCを開くが、非ソースドキュメント質問、および対応するスニペットを有する質問に対する、提出された応答のみを見ることができるにすぎない。監視者は、任意のスニペットを取り巻くコンテキストを見るために、システムの「潜望鏡(periscope)」ビューを使用することができるが、SCの編集された区画を見ることはできない。その後、監視者は、システマティックに応答のそれぞれを受諾し176、または拒否する。応答が拒否された場合、システムは、監視者が、フリーテキストの形式で、および/またはカテゴリの選択範囲から選択する形式で、応答上にクエリ178を配置することを可能にするためにダイアログを開く。現場からのすべての応答が対処されると、監視者の作業は完了する。監視者によって受諾されたデータは「ロックされている」と見なされて、ユーザインターフェース内においてそのようなものとして指定されて、可視的に出現すべきである。監視者が、データポイントを拒否してクエリを配置することによって、ロックされたデータを手動でロック解除しない限り、現場は、ロックされたデータを変更することができない。
【0081】
ステップ4-いずれの拒否された監視者からの応答も、適切な看護師が質問のデータポイントを閲覧するための通知をもたらす。その後、看護師は、関連するSCページへの直接的なリンクを有する「未解決クエリ」のリストを見るために、システムにログインする。看護師は、マークアップを調整し、および/またはフリーテキストを用いて監視者に応答するために、システム内のダイアログボックスを使用することができる。その後、看護師のクエリ応答は、監視者が、再点検して受諾する(解決したクエリ)か、または再び拒否して(再クエリ)ステップ3を繰り返すために、再び待ち行列に入れられる。
【0082】
ステップ5-監視者からの受諾された応答のいずれも、データ管理職員が、ソースドキュメント証拠を必要とするすべての質問に対する応答のデータ入力(DE)179を実行するための通知をもたらす。システムは、応答のそれぞれをシステマティックに調べて、応答を転記するためのインターフェースを提供する。いくつかのケースにおいては、(同じまたは異なるユーザによって)データが2回入力され、システムが不一致にフラグを立てる二重データ入力ワークフローが配備されることができる。システムは、データ管理者が、事前決定された選択肢のメニューからデータ管理者が選択することを可能にすることによって、この時点で、データをコード化することも可能にする。コード化機能性は、ワークベンチと、コード化のための準備ができたデータポイントのキューとを用いて、データ入力を行うのと同じユーザ、またはこの目的のために特別に指定された別のユーザによって、実行されることができる。
【0083】
ステップ6-ユーザが、ラベリング、統合などの目的で、フィールドをクライアント仕様にマッピングすることを可能にするいくつかのパラメータを有する、CSVファイルの形式でデータを出力するために、システムが使用されることができる。
【0084】
【0085】
監視者が、ソースマークアップと、その後のデータ入力とを実行することができることを除いて、上記のワークフロー1と同じである。詳細には、現場は、SCと、編集180、190とを実行する。しかしながら、現場は、ソースマークアップを実行していないことがあるが、任意の所与のSCがCRFからの少なくとも1つの質問と関連付けられるように、彼らは、依然として、質問を再グループ化することができる。SCは、質問の指定されたグループ化とデジタル的に関連付けられ、それは、その後、個別パッケージとして監視者に送られる。監視者は、看護師によってグループ化されて、SCにアタッチされた質問に従って、監視者が、ソースマークアップ182、192を行うことを可能にするインターフェースを提供される。この方法は、クエリのどのような必要性をも大幅に取り除くことに留意されたい(機能性は依然として存在するが)。監視者が、看護師によってSCに関連付けられたグループ化について質問することがあり得るかもしれないことは考えられるが、監視者が、彼らが実行したばかりのソースマークアップについて、自分自身に問い合わせるケースはめったにないであろう。最後に、このワークフローにおいては、監視者は、即座にデータ入力189を実行することができ、または上記の例示的なワークフロー1で説明されたようにプロセスをデータ管理者199に渡すことができ得る。ワークフロー1とワークフロー2との間の主な違いは、ワークフロー2における医師の署名184、194は、監視者が来院に対するすべての彼らの作業を完了した後に行われて、前には行われないことである。
【0086】
例示的なワークフロー3
【0087】
監視者が、SC203を実行することができることを除いて、ワークフロー2と同じものである。詳細には、看護師は、ソースドキュメント証拠を必要としない質問201に応答する必要があるだけである。その後、これは、監視者が、スクリーンショットを取得してマークアップ202を実行するために、EMRにログインするための通知をもたらす。この方法は、監視者が、病院EMRシステムに対する彼ら自身のアクセス権を有することを前提とする。その後、監視者は、データ入力209を実行して、医者は電子署名205を提供する。
【0088】
画像スニペット安全性の改善
【0089】
本発明は、SCの情報源を検証することによって、追加のセキュリティを追加して、不注意エラーのリスクをさらに低減する、上で提示された実施形態に対する改善を提供する。この検証は、OCRおよびプログラミングロジック、本発明のソフトウェアとEMRシステムとの間の安全で暗号化された通信(「ハンドシェイク」)、アクティブなEMRアプリケーションウィンドウのチェック、プロセス間通信(IPC)、および/またはウェブベースのAPIによって推し進められ得る。本発明のシステムに対する改善は、SC上に存在するデータのいくつかの主要ピースを識別することによって、SCが正当であることを検証する。この情報は、患者の名前(姓名)、患者の生年月日、および/または患者の病院または診療所への来院の日付を含み得る。
【0090】
画面OCR技術の使用は、CRF質問とスニペットとの現在のセットに関連するキーワードの存在を検出するための、ユーザの画面のリアルタイムスキャンを可能にする。OCRを使用することは、スニペットが作成されている患者の名前が、質問時にユーザの画面上にあることを決定または確実にする。例えば、スニペットセッションが開始し、画面リーダがアクティブ化されて、ユーザの画面上でキーワードを検索する。監視は情報が見つけられるまで続き、見つからない場合、セッションは、「未検証」と見なされる。
【0091】
図21を参照すると、OCRを使用する検証プロセスの実施形態が示されている。上記のデータポイントのそれぞれは、異なる方法で本発明のシステムに供給される。患者の名前2108は、スクリーンショットのソースキャプチャ
プロセス2120の時点でシステムに提供される。患者の名前はPIIと見なされて、そのため、サーバ側の一時的メモリ内でのみ処理されて、永続的な媒体に決して記憶されない。クライアント/ブラウザ側では、患者の名前2108(クライアントキャッシュ)は、ユーザがセッションからログアウトした瞬間に消去される2135。これは意図的であることができ、またはある時間しきい値に基づいた非アクティブ性に関する自動ログアウトによることができる。クライアントキャッシュは、(Google Chrome
(R)などの)ウェブブラウザソフトウェアが終了した瞬間に、消去される場合もある。このアーキテクチャを考えると、システムは、サーバ側またはクライアント側のどちらの永続的な媒体にも、患者の名前を決して記憶しない。患者の生年月日2100は、臨床試験2110への登録時に介護者スタッフによって提供されて、本発明のシステムから利用可能である。患者の生年月日2100は、別個に取得され、PIIではない。病院または診療所への患者の来院日2105はEMRに記録されて、介護者スタッフによって、来院ごとに本発明のシステムに提供される。来院日2105も、PIIではない。
【0092】
SCプロセス2120が開始し/生じると、検証が、OCR2130によって、推し進められる。検証評価2140は、患者の生年月日2100、患者の来院日2105、および/または患者の名前2108など、本発明のシステムが見つけることができるものに基づく。SCは「検証済み」2142、または「未検証」2144として評価されて、視覚的に異なるアイコンを用いてマークされ、そのため、監視者ユーザなどのユーザは、それを見ることできる。SCは、3つのデータポイント2100、2105、2108のすべてが、システムによって確実に識別された場合、「検証済み」2142として指定される。SCは、1または複数のデータポイント2100、2105、2108が、システム上で識別されない場合、「未検証」2144として指定される。検証評価2140における厳密さの程度は、いくつかのケースにおいて、3つのデータポイントのうちの2つ、または(患者の名前2108および生年月日2100など)データポイントのある組み合わせが、ソースキャプチャを「検証済み」2142として指定するのに十分であると見なされることができ得るように、構成設定として変更されることができる。
【0093】
SCが、「未検証」2144として指定された場合、それは、監視者ユーザなどのユーザが、研究者現場によって編成された、すべての「未検証」SCのリストを閲覧し、リストをスプレッドシートまたはデータベースにエクスポートして、未検証SCを紙に印刷することができるように、システム内においてマークされる。監視者ユーザなどのユーザは、本発明のシステムにおいて、SC2146を手動で再点検して、正しいSCが取得されたことを見て、「未検証」ソースキャプチャが、「容認可能」(検証済み)2152であるか、または「拒否される」(未検証)2154かを手動で検証2150するために、元のソース媒体にアクセスすることができる。これは、ユーザが、品質保証手段のために、「未検証」SCリストを調整することを可能にする。監視者が、元のEMRを閲覧することによって、手動で検証2150および二重チェックして、「拒否される」2154とマークされた、どの残りの「未検証」SC2154も、ソース画像2160の再キャプチャのためにフラグが立てられ、および「拒否された」SC2154から生じたどのスニペットも、CRF質問から切り離されて、やり直して最初から始めるために研究者現場に戻されるであろう。
【0094】
別の検証実施形態は、SCを作成する本発明のソフトウェアと、SCが生じたEMRシステムに基づく内容を含むコンピュータウィンドウとの間に安全で暗号化された通信(「ハンドシェイク」)が存在する、デバイスおよびプロセスを含む。2つのソフトウェアコンポーネント間のこの「ハンドシェイク」は、好ましくは、それによって、SCが作成されるたびに電子的検証が行われる双方向通信である。この電子的検証は、人間が読めるログが生成され得るように記録されて、上記の実施形態において説明されたEDDに、構成要素として追加され得る。
【0095】
上で説明された双方向通信は、SC作成時にアクティブに使用されている(「フォーカス」されている)ウィンドウが、実際に、EMRシステムであることを検証する。加えて、双方向通信が、安全で暗号化された方式で作成されると、EMRは、好ましくは、「フォーカス」されているウィンドウが、正しい患者、および/または医院への正しい来院についての医療記録であることを検証する、EMRシステムのためのアプリケーションプログラミングインターフェース(「API」)から、データを送るように要求され得る。
【0096】
図22を参照すると、上で説明されたシステムおよび方法に対する、この改善の実施形態が示されている。キャプチャの時点におけるスニペットの情報源の検証は、2ステッププロセスである。第1のステップ2200である「ハンドシェイク」は、接続が確立され、スニペットまたはSCの情報源を提供する、EMRアプリケーション/ウィンドウであることが検証されたときに発生する。情報源が確認されると、それが特定の患者および/またはその患者の特定の来院についての情報を表示していることを、EMRシステムが確認するための手段を、第2のステップ2210が提供する。画面光学認識(OCR)、アクティブなEMRアプリケーションウィンドウのチェック、プロセス間通信(IPC)、およびウェブベースのAPIが、スニペットが作成されている現在のEMR記録が、予想される被験者のEMR記録と一致することを検証するために使用され得る。
【0097】
別の検証実施形態は、アクティブなEMRアプリケーションウィンドウをチェックして、公知のEMRソフトウェアアプリケーションが、ディスプレイ上にアクティブなウィンドウを現在有するかどうかについての情報を生成するために、ユーザのオペレーティングシステム上で開いているウィンドウを分析する。ウィンドウが、キーワードに一致する、ウィンドウの現在の内容に対するさらなる洞察を提供する、タイトルまたはメタデータを有する場合、SCが検証される。患者の名前またはIDおよび生年月日などの情報が使用され得る。情報が利用可能でない場合、または情報が問い合わされたキーワードと一致しない場合、スニペットは検証されない。例えば、SCセッションが開始したとき、本発明のソフトウェアは、オペレーティングシステムウィンドウを検出する。キーワードについての利用可能なメタデータが問い合わされる。予想される情報の有無が検証を決定する。
【0098】
別の検証実施形態は、関与しているプロセスが、すべて、プロトコルの所与のセットを利用している、すなわち、それらが、すべて、メッセージを受け入れて必要に応じて応答することを予想しているならば、異なるプロセス(アプリケーション)が、同時に情報を共有または交換することを可能にする、プロセス間通信(IPC)を提供し、使用する。本発明のソフトウェアとEMRシステムからの内容を含むコンピュータウィンドウとの両方が自らを識別して、ソフトウェアとコンピュータウィンドウとが提供されたキーを検証する、暗号化キーの安全な交換(またはハンドシェイク)に続いて、パイプ(一方向データチャネル)またはソケット(データを送信または受信するためのエンドポイント)のどちらかの使用を通して、暗号化された情報が転送されることができる。認証が確立されると、EMRが特定の被験者に関連する情報を表示しているかどうかを確定するために、メッセージが、2つのソフトウェアコンポーネント間で転送されることができる。IPCは、本発明のシステムによって定義されるソフトウェアプロトコルを実施する、EMRアプリケーションの協力を必要とする。これらのプロトコルは患者情報を要求しないが、特定の被験者についての提供された情報、例えば、名前またはIDが、問い合わせの時点においてアプリケーションウィンドウが表示している情報であると確認されることのみを求める。例えば、SCセッションが開始したとき、本発明のシステムは、オペレーティングシステムを介した、EMRソフトウェアとの接続を要求する。接続が確立されると、EMRソフトウェアは、特定の患者についての情報が現在表示されているかどうかを確認するように求められる。応答または応答の欠如が検証を決定する。
【0099】
別の検証の実施形態は、研究者ユーザなどのユーザが、彼らに代わって、EMRのウェブサービスに直接的に情報を要求して、表示されているものに関する情報ばかりでなく、それにアクセスしているユーザを検証する情報も生成することを、本発明のシステムに許可することを可能にする、ウェブベースのAPIを使用する。OAuthなど、標準的な安全なインターネットプロトコルを使用して、本発明のシステムは、SCが作成されている間に、情報を求める要求とともにEMR APIに送信されるトークンを供与される。EMRシステムは、現在表示されている患者記録を確認する。この確認は、SCデータにより高い正確さを与える、ユーザによって閲覧されている記録のタイプなど、より詳細な機密性のない患者情報も含み得る。この種の権限付与トークンは、それが無効にされるまで存続する。したがって、権限付与トークンは、権限付与ステップを繰り返すことなく、新しいSCイベントのそれぞれとともに再使用され得る。例えば、本発明のシステムは、EMRウェブサービスに権限を与えて、トークンは、後で使用するために記憶される。SCセッションが開始すると、特定の患者についての情報が現在表示されていることの確認を要求するために、APIクエリがEMRソフトウェアウェブサービスに対して作られる。応答がデータ情報源の検証を決定する。
【0100】
本改善は、さらなる価値を追加する追加の機能性を、本発明のシステムおよび方法に提供することができる。改善は、本発明のシステムとSC/EMRとの間の検証が、正しい患者情報が使用されていることを保証することを可能にすることができる。
【0101】
全般
【0102】
本発明は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態、またはハードウェア要素とソフトウェア要素との両方を含む実施形態の形態を取ることができる。例示的な実施形態においては、本発明は、ファームウェア、常駐ソフトウェア、およびマイクロコードを含むが、それらに限定されないソフトウェアで実施される。Cerner、Epic Systems、およびAllscriptsなど、任意の従来のEMRシステムが、SCの情報源として使用されることができる。好ましくは、本発明のシステムおよび方法は、インターネットを介して接続されたクライアント/サーバネットワークで実施される。
【0103】
本発明のシステムおよび方法は、好ましくは、患者のプライバシーおよびセキュリティを強化して、望ましい認証および検証特徴を追加する、データセキュリティ、暗号化、ならびにデータキャプチャおよび転送プロトコルも使用する。好ましくは、すべてのデータが、(HTTPSとしても知られる)SSL接続上で転送される。好ましくは、本発明のシステムおよび方法は、SD媒体内に表された患者医療記録を保護するために、データ暗号化(公開/秘密鍵ペア)を使用し、およびデータ暗号化は、データと媒体との両方を、それらが記憶されている間、およびそれらが転送されている間に保護して、意図された受信者のみが、データと媒体とにアクセスし/データと媒体とを閲覧することができることを保証する。好ましくは、あらゆるユーザが、彼らのプライベート認証情報を用いてログインすることによって、システム上において認証されなければならない。好ましくは、サーバとのインタラクションのそれぞれの間に、サーバは、サーバによって発行された認証トークンによってインタラクションを求める要求の真正性を確認する。好ましくは、システムは、ユーザに、彼らのパスワードを定期的に変更するように要求する。好ましくは、ユーザは、システム管理者によって彼らに割り当てられた機能性についてのアクセス権のみを有する。好ましくは、患者または被験者ID、データキャプチャ日付、および他の必要な識別情報などの情報は、メタデータ内に含まれるばかりでなく、SCおよびSD画像自体にも埋め込まれて、EDDに適任とされたユーザおよび閲覧者からアクセス可能である。
【0104】
別の好ましい実施形態においては、媒体またはデータは、それが作成されるときに、マシンもしくはデバイスによって、またはそれを閲覧するときに監視者/スポンサーもしくは研究者によって、いかなるローカルマシンまたはデバイスにも保存されない。むしろ、データは、本発明のソフトウェアによって画面出力から直接的にキャプチャされ、および一時的にキャッシュされるファイルとしてだけであっても、そのデータをディスクに書き込み得る可能性があるネイティブオペレーティングシステムによって処理されない。記憶のためのファイル圧縮など、必要とされ得る任意の追加の画像処理は、ローカルマシンまたはデバイスから離れたサーバによって処理される。好ましくは、本発明の実施形態において使用される、コンピュータシステムおよびプログラムは、本発明の動作に付随して作成されるEDDまたは他のファイルを、後の時点で呼び出されることができるファイルとして保存しない。EMRソフトウェアが、EMRソフトウェアの情報を、本発明を実施するソフトウェアによってアクセス可能なものと同じ画面上に表示するように、SCは、本発明のソフトウェアと同じマシン上で動作する任意のEMRソフトウェアから獲得されることができる。紙のドキュメントの写真または医療スキャンなど、任意の外部情報源から本発明によってインポートされる追加のデジタル媒体は、ひとたびロードされると、SCと同じ方式で取り扱われる。
【0105】
さらに、本発明は、コンピュータシステムもしくは任意の命令実行システムによる使用のための、またはコンピュータシステムもしくは任意の命令実行システムと関連するプログラムコードを提供する、コンピュータ使用可能媒体またはコンピュータ可読媒体から入手可能な、1または複数のコンピュータプログラム製品の形態を取ることができる。コンピュータプログラム製品は、本発明の方法を実施する命令を含む。コンピュータ使用可能媒体またはコンピュータ可読媒体は、命令実行システム、装置、もしくはデバイスによる使用のための、または命令実行システム、装置、もしくはデバイスと関連するプログラムを包含し、記憶し、通信し、伝搬し、または転送することができる、任意の装置であることができる。媒体は、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、もしくは半導体システム(もしくは装置もしくはデバイス)、または伝搬媒体であることができる。コンピュータ可読媒体の例は、半導体メモリまたはソリッドステートメモリ、磁気テープ、リムーバブルなフロッピーディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、硬質磁気ディスク、および光ディスクを含む。光ディスクの現在の例は、コンパクトディスク-リードオンリーメモリ(CD-ROM)、コンパクトディスク-リード/ライト(CD-R/W)、およびDVDを含む。
【0106】
プログラムコードを記憶および/または実行するのに適したコンピュータシステムは、システムバスを通してメモリ要素に直接的または間接的に結合された、少なくとも1つのプロセッサを含む。メモリ要素は、プログラムコードの実際の実行中に利用されるローカルメモリと、大容量ストレージと、実行中にコードが大容量ストレージから取り出される回数を減らすために少なくともいくらかのプログラムコードの一時的な記憶を提供する、キャッシュメモリとを含む。(キーボード、ディスプレイ、ポインティングデバイスなどを含むが、それらに限定されない)入出力(I/O)デバイスは、直接的に、または介在するI/Oコントローラを通して、コンピュータシステムに結合されることができる。コンピュータシステムが、介在する私設または公衆ネットワークを通して、他のコンピュータシステム、またはリモートプリンタもしくは記憶デバイスに結合されることを可能にするために、ネットワークアダプタも、コンピュータシステムに結合され得る。モデム、ケーブルモデム、およびイーサネット(R)カードは、現在利用可能なタイプのネットワークアダプタのほんのいくつかである。コンピュータシステムは、また、オペレーティングシステムと、コンピュータファイルシステムとを含むことができる。
【0107】
上記の説明および例は、例示を意図したものであって、限定を意図したものではないことを理解されたい。上記の説明および例を読んだとき、多くの実施形態が当業者に明らかになるであろう。したがって、本発明の範囲は、上記の説明および例を参照して決定されるべきではなく、代わりに、添付される特許請求の範囲を、そのような特許請求の範囲が権利を与えられた均等物の全範囲とともに参照して、決定されるべきである。特許出願および公開を含む、すべての論文および参考文献の開示が、すべての目的で参照によって本明細書に組み込まれる。