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特許7618849エレベータ制御装置、エレベータ制御システムおよびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-10
(45)【発行日】2025-01-21
(54)【発明の名称】エレベータ制御装置、エレベータ制御システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   B66B 17/20 20060101AFI20250114BHJP
   B66B 1/14 20060101ALI20250114BHJP
【FI】
B66B17/20 B
B66B1/14 E
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2024002070
(22)【出願日】2024-01-10
【審査請求日】2024-01-10
(73)【特許権者】
【識別番号】390025265
【氏名又は名称】東芝エレベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】本田 昌志
【審査官】吉川 直也
(56)【参考文献】
【文献】特許第6308341(JP,B1)
【文献】国際公開第2022/225134(WO,A1)
【文献】特開2020-121833(JP,A)
【文献】特開2013-216408(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 1/00-31/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータに乗車可能な複数の自律移動体とネットワークで接続され、前記エレベータを制御するエレベータ制御装置であって、
一または複数の自律移動体から、前記自律移動体または利用者が乗車可能な乗りかごを、所望の行き先階に移動させるための指示である行き先階呼びと、前記一または複数の自律移動体のそれぞれの現在位置と、を受信する受信部と、
前記一または複数の自律移動体のみを前記乗りかごに乗車させて運転する自律移動体専用運転を実行する自律移動体専用運転制御部と、
前記自律移動体専用運転の実行中に、前記受信部が前記一または複数の行き先階呼びを受信した場合に、前記乗りかごの扉が閉状態で前記乗りかごが上下移動している間に、前記一または複数の行き先階と前記一または複数の自律移動体のそれぞれの現在位置とに基づいて、前記一または複数の自律移動体の降車順位を決定し、決定した降車順位で前記乗りかごに乗車している前記一または複数の自律移動体の前記乗りかご内での配置を決定する決定部と、
前記決定部により決定された配置への移動指示を前記一または複数の自律移動体のそれぞれに送信する送信部と
前記受信部が受信した前記一または複数の行き先階呼びおよび前記一または複数の自律移動体のそれぞれの現在位置から、前記乗りかごの移動方向と同一の行き先方向となる前記一または複数の行き先階呼びを登録する登録部と、を備え、
前記決定部は、前記登録部で登録された前記一または複数の行き先階呼びにおける行き先階と前記一または複数の自律移動体のそれぞれの現在位置とに基づいて、各階における前記自律移動体の降車順位を決定し、
前記決定部は、前記一または複数の自律移動体の前記乗りかご内での配置を降車順になるように、前記一または複数の自律移動体を前記乗りかご内で外周部を巡回移動するように決定する、
エレベータ制御装置。
【請求項2】
前記決定部は、前記行き先階呼びに基づいて、次の階で前記乗りかご内の前記自律移動体が降車するか否かを判断し、次の階で前記乗りかご内の前記自律移動体が降車すると判断した場合に、前記一または複数の自律移動体の前記乗りかご内での配置を、前記扉の前から前記降車順位で決定する、
請求項に記載のエレベータ制御装置。
【請求項3】
前記決定部は、次の階で前記乗りかご内の前記自律移動体が降車しないと判断した場合に、前記一または複数の自律移動体の前記乗りかご内での配置を、前記乗りかごの扉の前に、乗車してくる前記自律移動体が乗車可能な領域を確保して前記降車順位で決定する、
請求項に記載のエレベータ制御装置。
【請求項4】
前記決定部は、次に降車する前記一または複数の自律移動体の前記乗りかご内での配置が前記外周部に沿って降車順に並んでいない場合には、前記乗りかごの中央位置に降車順位を変更する前記自律移動体を一時退避し、前記外周部の割込ませ先の自律移動体を連続して前記外周部を巡回移動させ、空いた前記外周部の領域に前記中央位置の自律移動体を移動させる、
請求項に記載のエレベータ制御装置。
【請求項5】
エレベータに乗車可能な複数の自律移動体とネットワークで接続され、前記エレベータを制御するエレベータ制御装置であって、
一または複数の自律移動体から、前記自律移動体または利用者が乗車可能な乗りかごを、所望の行き先階に移動させるための指示である行き先階呼びと、前記一または複数の自律移動体のそれぞれの現在位置と、を受信する受信部と、
前記一または複数の自律移動体のみを前記乗りかごに乗車させて運転する自律移動体専用運転を実行する自律移動体専用運転制御部と、
前記自律移動体専用運転の実行中に、前記受信部が前記一または複数の行き先階呼びを受信した場合に、前記乗りかごの扉が閉状態で前記乗りかごが上下移動している間に、前記一または複数の行き先階と前記一または複数の自律移動体のそれぞれの現在位置とに基づいて、前記一または複数の自律移動体の降車順位を決定し、決定した降車順位で前記乗りかごに乗車している前記一または複数の自律移動体の前記乗りかご内での配置を決定する決定部と、
前記決定部により決定された配置への移動指示を前記一または複数の自律移動体のそれぞれに送信する送信部と、
前記受信部が受信した前記一または複数の行き先階呼びおよび前記一または複数の自律移動体のそれぞれの現在位置から、前記乗りかごの移動方向と同一の行き先方向となる前記一または複数の行き先階呼びを登録する登録部と、を備え、
前記決定部は、前記登録部で登録された前記一または複数の行き先階呼びにおける行き先階と前記一または複数の自律移動体のそれぞれの現在位置とに基づいて、各階における前記自律移動体の降車順位を決定し、
前記決定部は、前記行き先階呼びに基づいて、前記乗りかごが次に停車する行き先階までの距離が所定の階数より小さいと判断した場合には、前記降車順位における順位が最も高い自律移動体の配置合わせのために外周部の巡回移動のみを行い配置を決定する
レベータ制御装置。
【請求項6】
エレベータに乗車可能な複数の自律移動体と、前記複数の自律移動体とネットワークで接続され、前記エレベータを制御するエレベータ制御装置と、を備えるエレベータ制御システムであって、
前記複数の自律移動体のそれぞれは、
現在位置を取得する位置検出部と、
前記自律移動体または利用者が乗車可能な乗りかごを、所望の行き先階に移動させるための指示である行き先階呼びと、前記現在位置と、を前記エレベータ制御装置に送信する行き先階要求部、を備え、
前記エレベータ制御装置は、
一または複数の自律移動体から、前記行き先階呼びと、前記一または複数の自律移動体のそれぞれの現在位置と、を受信する受信部と、
前記一または複数の自律移動体のみを前記乗りかごに乗車させて運転する自律移動体専用運転を実行する自律移動体専用運転制御部と、
前記自律移動体専用運転の実行中に、前記受信部が前記一または複数の行き先階呼びを受信した場合に、前記乗りかごの扉が閉状態で前記乗りかごが上下移動している間に、前記一または複数の行き先階と前記一または複数の自律移動体のそれぞれの現在位置とに基づいて、前記一または複数の自律移動体の降車順位を決定し、決定した降車順位で前記乗りかごに乗車している前記一または複数の自律移動体の前記乗りかご内での配置を決定する決定部と、
前記決定部により決定された配置への移動指示を前記一または複数の自律移動体のそれぞれに送信する送信部と
前記受信部が受信した前記一または複数の行き先階呼びおよび前記一または複数の自律移動体のそれぞれの現在位置から、前記乗りかごの移動方向と同一の行き先方向となる前記一または複数の行き先階呼びを登録する登録部と、を備え、
前記決定部は、前記登録部で登録された前記一または複数の行き先階呼びにおける行き先階と前記一または複数の自律移動体のそれぞれの現在位置とに基づいて、各階における前記自律移動体の降車順位を決定し、
前記決定部は、前記一または複数の自律移動体の前記乗りかご内での配置を降車順になるように、前記一または複数の自律移動体を前記乗りかご内で外周部を巡回移動するように決定し、
前記複数の自律移動体のそれぞれは、
前記エレベータ制御装置から、前記移動指示を受信する第2の受信部と、
受信した移動指示に基づいて前記自律移動体を走行させる走行制御部と、
をさらに備えるエレベータ制御システム。
【請求項7】
エレベータに乗車可能な複数の自律移動体と、前記複数の自律移動体とネットワークで接続され、前記エレベータを制御するエレベータ制御装置と、を備えるエレベータ制御システムであって、
前記複数の自律移動体のそれぞれは、
現在位置を取得する位置検出部と、
前記自律移動体または利用者が乗車可能な乗りかごを、所望の行き先階に移動させるための指示である行き先階呼びと、前記現在位置と、を前記エレベータ制御装置に送信する行き先階要求部、を備え、
前記エレベータ制御装置は、
一または複数の自律移動体から、前記行き先階呼びと、前記一または複数の自律移動体のそれぞれの現在位置と、を受信する受信部と、
前記一または複数の自律移動体のみを前記乗りかごに乗車させて運転する自律移動体専用運転を実行する自律移動体専用運転制御部と、
前記自律移動体専用運転の実行中に、前記受信部が前記一または複数の行き先階呼びを受信した場合に、前記乗りかごの扉が閉状態で前記乗りかごが上下移動している間に、前記一または複数の行き先階と前記一または複数の自律移動体のそれぞれの現在位置とに基づいて、前記一または複数の自律移動体の降車順位を決定し、決定した降車順位で前記乗りかごに乗車している前記一または複数の自律移動体の前記乗りかご内での配置を決定する決定部と、
前記決定部により決定された配置への移動指示を前記一または複数の自律移動体のそれぞれに送信する送信部と、
前記受信部が受信した前記一または複数の行き先階呼びおよび前記一または複数の自律移動体のそれぞれの現在位置から、前記乗りかごの移動方向と同一の行き先方向となる前記一または複数の行き先階呼びを登録する登録部と、を備え、
前記決定部は、前記登録部で登録された前記一または複数の行き先階呼びにおける行き先階と前記一または複数の自律移動体のそれぞれの現在位置とに基づいて、各階における前記自律移動体の降車順位を決定し、
前記決定部は、前記行き先階呼びに基づいて、前記乗りかごが次に停車する行き先階までの距離が所定の階数より小さいと判断した場合には、前記降車順位における順位が最も高い自律移動体の配置合わせのために外周部の巡回移動のみを行い配置を決定し、
前記複数の自律移動体のそれぞれは、
前記エレベータ制御装置から、前記移動指示を受信する第2の受信部と、
受信した移動指示に基づいて前記自律移動体を走行させる走行制御部と、
をさらに備えるエレベータ制御システム。
【請求項8】
エレベータに乗車可能な複数の自律移動体と、前記複数の自律移動体とネットワークで接続され、前記エレベータを制御するエレベータ制御装置と、を備えるエレベータ制御システムで実行されるエレベータ制御方法であって、
現在位置を取得するステップと、
前記複数の自律移動体のそれぞれが、前記自律移動体または利用者が乗車可能な乗りかごを、所望の行き先階に移動させるための指示である行き先階呼びと、前記現在位置と、を前記エレベータ制御装置に送信するステップと、
前記エレベータ制御装置が、一または複数の自律移動体から、前記行き先階呼びと、前記一または複数の自律移動体のそれぞれの現在位置と、を受信するステップと、
前記エレベータ制御装置が、前記一または複数の自律移動体のみを前記乗りかごに乗車させて運転する自律移動体専用運転を実行するステップと、
前記自律移動体専用運転の実行中に、前記一または複数の行き先階呼びを受信した場合に、前記乗りかごの扉が閉状態で前記乗りかごが上下移動している間に、前記一または複数の行き先階と前記一または複数の自律移動体のそれぞれの現在位置とに基づいて、前記一または複数の自律移動体の降車順位を決定し、決定した降車順位で前記乗りかごに乗車している前記一または複数の自律移動体の前記乗りかご内での配置を決定する決定ステップと、
前記エレベータ制御装置が、決定された配置への移動指示を前記一または複数の自律移動体のそれぞれに送信するステップと、
受信した前記一または複数の行き先階呼びおよび前記一または複数の自律移動体のそれぞれの現在位置から、前記乗りかごの移動方向と同一の行き先方向となる前記一または複数の行き先階呼びを登録するステップと、を含み、
前記決定ステップは、登録された前記一または複数の行き先階呼びにおける行き先階と前記一または複数の自律移動体のそれぞれの現在位置とに基づいて、各階における前記自律移動体の降車順位を決定し、
前記決定ステップは、前記一または複数の自律移動体の前記乗りかご内での配置を降車順になるように、前記一または複数の自律移動体を前記乗りかご内で外周部を巡回移動するように決定し、
前記エレベータ制御方法は、
前記複数の自律移動体のそれぞれが、前記エレベータ制御装置から、前記移動指示を受信するステップと、
前記複数の自律移動体のそれぞれが、受信した移動指示に基づいて前記自律移動体を走行させるステップと、
さらに含むエレベータ制御方法。
【請求項9】
エレベータに乗車可能な複数の自律移動体と、前記複数の自律移動体とネットワークで接続され、前記エレベータを制御するエレベータ制御装置と、を備えるエレベータ制御システムで実行されるエレベータ制御方法であって、
現在位置を取得するステップと、
前記複数の自律移動体のそれぞれが、前記自律移動体または利用者が乗車可能な乗りかごを、所望の行き先階に移動させるための指示である行き先階呼びと、前記現在位置と、を前記エレベータ制御装置に送信するステップと、
前記エレベータ制御装置が、一または複数の自律移動体から、前記行き先階呼びと、前記一または複数の自律移動体のそれぞれの現在位置と、を受信するステップと、
前記エレベータ制御装置が、前記一または複数の自律移動体のみを前記乗りかごに乗車させて運転する自律移動体専用運転を実行するステップと、
前記自律移動体専用運転の実行中に、前記一または複数の行き先階呼びを受信した場合に、前記乗りかごの扉が閉状態で前記乗りかごが上下移動している間に、前記一または複数の行き先階と前記一または複数の自律移動体のそれぞれの現在位置とに基づいて、前記一または複数の自律移動体の降車順位を決定し、決定した降車順位で前記乗りかごに乗車している前記一または複数の自律移動体の前記乗りかご内での配置を決定する決定ステップと、
前記エレベータ制御装置が、決定された配置への移動指示を前記一または複数の自律移動体のそれぞれに送信するステップと、
受信した前記一または複数の行き先階呼びおよび前記一または複数の自律移動体のそれぞれの現在位置から、前記乗りかごの移動方向と同一の行き先方向となる前記一または複数の行き先階呼びを登録するステップと、を含み、
前記決定ステップは、登録された前記一または複数の行き先階呼びにおける行き先階と前記一または複数の自律移動体のそれぞれの現在位置とに基づいて、各階における前記自律移動体の降車順位を決定し、
前記決定ステップは、前記行き先階呼びに基づいて、前記乗りかごが次に停車する行き先階までの距離が所定の階数より小さいと判断した場合には、前記降車順位における順位が最も高い自律移動体の配置合わせのために外周部の巡回移動のみを行い配置を決定し、
前記エレベータ制御方法は、
前記複数の自律移動体のそれぞれが、前記エレベータ制御装置から、前記移動指示を受信するステップと、
前記複数の自律移動体のそれぞれが、受信した移動指示に基づいて前記自律移動体を走行させるステップと、
をさらに含むエレベータ制御方法。
【請求項10】
エレベータに乗車可能な複数の自律移動体とネットワークで接続され、前記エレベータを制御するエレベータ制御装置のコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
一または複数の自律移動体から、前記自律移動体または利用者が乗車可能な乗りかごを、所望の行き先階に移動させるための指示である行き先階呼びと、前記一または複数の自律移動体のそれぞれの現在位置と、を受信するステップと、
前記一または複数の自律移動体のみを前記乗りかごに乗車させて運転する自律移動体専用運転を実行するステップと、
前記自律移動体専用運転の実行中に、前記一または複数の行き先階呼びを受信した場合に、前記乗りかごの扉が閉状態で前記乗りかごが上下移動している間に、前記一または複数の行き先階と前記一または複数の自律移動体のそれぞれの現在位置とに基づいて、前記一または複数の自律移動体の降車順位を決定し、決定した降車順位で前記乗りかごに乗車している前記一または複数の自律移動体の前記乗りかご内での配置を決定する決定ステップと、
決定された配置への移動指示を前記一または複数の自律移動体のそれぞれに送信するステップと、
受信した前記一または複数の行き先階呼びおよび前記一または複数の自律移動体のそれぞれの現在位置から、前記乗りかごの移動方向と同一の行き先方向となる前記一または複数の行き先階呼びを登録するステップと、を前記コンピュータに実行させ、
前記決定ステップは、登録された前記一または複数の行き先階呼びにおける行き先階と前記一または複数の自律移動体のそれぞれの現在位置とに基づいて、各階における前記自律移動体の降車順位を決定し、
前記決定ステップは、前記一または複数の自律移動体の前記乗りかご内での配置を降車順になるように、前記一または複数の自律移動体を前記乗りかご内で外周部を巡回移動するように決定する、
プログラム。
【請求項11】
エレベータに乗車可能な複数の自律移動体とネットワークで接続され、前記エレベータを制御するエレベータ制御装置のコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
一または複数の自律移動体から、前記自律移動体または利用者が乗車可能な乗りかごを、所望の行き先階に移動させるための指示である行き先階呼びと、前記一または複数の自律移動体のそれぞれの現在位置と、を受信するステップと、
前記一または複数の自律移動体のみを前記乗りかごに乗車させて運転する自律移動体専用運転を実行するステップと、
前記自律移動体専用運転の実行中に、前記一または複数の行き先階呼びを受信した場合に、前記乗りかごの扉が閉状態で前記乗りかごが上下移動している間に、前記一または複数の行き先階と前記一または複数の自律移動体のそれぞれの現在位置とに基づいて、前記一または複数の自律移動体の降車順位を決定し、決定した降車順位で前記乗りかごに乗車している前記一または複数の自律移動体の前記乗りかご内での配置を決定する決定ステップと、
決定された配置への移動指示を前記一または複数の自律移動体のそれぞれに送信するステップと、
受信した前記一または複数の行き先階呼びおよび前記一または複数の自律移動体のそれぞれの現在位置から、前記乗りかごの移動方向と同一の行き先方向となる前記一または複数の行き先階呼びを登録するステップと、を前記コンピュータに実行させ、
前記決定ステップは、登録された前記一または複数の行き先階呼びにおける行き先階と前記一または複数の自律移動体のそれぞれの現在位置とに基づいて、各階における前記自律移動体の降車順位を決定し、
前記決定ステップは、前記行き先階呼びに基づいて、前記乗りかごが次に停車する行き先階までの距離が所定の階数より小さいと判断した場合には、前記降車順位における順位が最も高い自律移動体の配置合わせのために外周部の巡回移動のみを行い配置を決定する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、エレベータ制御装置、エレベータ制御システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータの乗りかごにロボット等の自律移動体を乗車させてエレベータを運転する場合、乗りかごに人間である利用者と同乗させず、自律移動体のみ乗車させて、自律移動体専用運転を行う技術が従来から知られている。このような自律移動体専用運転では、自律移動体を一度にまとめて運搬することで、自律移動体と利用者とを同乗させる通常の運転に比べて、利用者の利便性、エレベータの運用効率やコスト削減を向上させることが可能となる。
【0003】
このような自律移動体専用運転の場合には、自律移動体の乗りかごへの乗降時間を短縮化を図ることで、利用者の待ち時間を削減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6308341号公報
【文献】特許第5924672号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では、自律移動体の行き先階までの途中階での乗車時に時間がかかり、自律移動体の乗りかごへの乗降時間の短縮化を図ることが困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態のエレベータ制御装置は、エレベータに乗車可能な複数の自律移動体とネットワークで接続され、前記エレベータを制御するエレベータ制御装置であって、一または複数の自律移動体から、前記自律移動体または利用者が乗車可能な乗りかごを、所望の行き先階に移動させるための指示である行き先階呼びと、前記一または複数の自律移動体のそれぞれの現在位置と、を受信する受信部と、前記一または複数の自律移動体のみを前記乗りかごに乗車させて運転する自律移動体専用運転を実行する自律移動体専用運転制御部と、前記自律移動体専用運転の実行中に、前記受信部が前記一または複数の行き先階呼びを受信した場合に、前記乗りかごの扉が閉状態で前記乗りかごが上下移動している間に、前記一または複数の行き先階と前記一または複数の自律移動体のそれぞれの現在位置とに基づいて、前記一または複数の自律移動体の降車順位を決定し、決定した降車順位で前記乗りかごに乗車している前記一または複数の自律移動体の前記乗りかご内での配置を決定する決定部と、前記決定部により決定された配置への移動指示を前記一または複数の自律移動体のそれぞれに送信する送信部と、前記受信部が受信した前記一または複数の行き先階呼びおよび前記一または複数の自律移動体のそれぞれの現在位置から、前記乗りかごの移動方向と同一の行き先方向となる前記一または複数の行き先階呼びを登録する登録部と、を備え、前記決定部は、前記登録部で登録された前記一または複数の行き先階呼びにおける行き先階と前記一または複数の自律移動体のそれぞれの現在位置とに基づいて、各階における前記自律移動体の降車順位を決定し、前記決定部は、前記一または複数の自律移動体の前記乗りかご内での配置を降車順になるように、前記一または複数の自律移動体を前記乗りかご内で外周部を巡回移動するように決定する
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1の実施形態にかかるエレベータ制御システムの全体構成の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態における降車時の並び替え順位の一例を示す図である。
図3図3は、実施形態における降車時の並び替え順位の他の一例を示す図である。
図4図4は、実施形態における乗車時の並び替え順位の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態における乗車時の並び替え順位の他の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態におけるロボットの巡回移動の一例を示す模式図である。
図7図7は、実施形態における複数のロボットの並び替えの一例を示す図である。
図8図8は、実施形態にかかるエレベータ制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図9図9は、実施形態にかかるロボット専用運転開始判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図10図10は、実施形態にかかる割込乗車防止制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図11図11は、実施形態にかかる乗りかご内並び替え制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図12図12は、実施形態にかかるロボット専用運転終了判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して実施形態について詳細に説明する。
(実施形態)
図1は、第1の実施形態にかかるエレベータ制御システム1の全体構成の一例を示す図である。本実施形態のエレベータ制御システム1は、図1に示すように、制御盤100と、行き先階呼び装置200と、乗り場呼び装置300と、複数のロボット500と、を主に備えている。エレベータ制御システム1が制御を行うエレベータは、乗りかご50と、不図示の駆動装置、不図示のカウンタウェイト、及び不図示のロープ等を備える。ここで、ロボット500は、自律移動体の一例である。
【0009】
乗りかご50は、図示しない昇降路内を昇降して、各階に設けられた乗り場で乗りかご50に乗車した利用者を他の階に輸送する。乗りかご50とカウンタウェイトとはロープによって連結されている。ロープは駆動装置に架け渡されている。駆動装置は例えば巻上機等であり、駆動装置が駆動することで乗りかご50を昇降路内で上下に走行させることができる。
【0010】
次に、行き先階呼び装置200について説明する。
行き先階呼び装置200は、乗りかご50に設置され、乗りかご50の内壁面に設けられた操作盤210と、制御盤100と、に有線または無線で接続される。
行き先階呼び装置200は、操作盤210の各部を制御して、利用者による行き先階呼びを受け付け、利用者の操作に対して処理を行う装置である。
【0011】
ここで、行き先階呼びとは、乗りかご50内の利用者が、その乗りかご50を所望の行き先階へと向かわせるために行う操作である。行き先階呼びには、行き先階が含まれる。本実施形態では、行き先階呼びは、ロボット500も送信することができる。
【0012】
操作盤210は、利用者から各種操作を受け付けたり、乗りかご50に各種情報の報知を行うものである。操作盤210には、行き先階の指定や乗りかご50の扉を開閉するための押しボタン(不図示)や非接触センサ(不図示)、スピーカ211、液晶ディスプレイ等の表示部212等が設けられている。
【0013】
また、行き先階呼び装置200には、人感センサ220と、カメラ230と、照明装置240とが有線または無線で接続されている。人感センサ220と、カメラ230と、照明装置240とは、いずれも乗りかご50内の上部等に設置される。
【0014】
人感センサ220は、乗りかご50内の利用者、および乗りかご50の扉が開いている場合には乗り場の利用者を検知し、検知信号を行き先階呼び装置200に送出する。カメラ230は、乗りかご50内、および乗りかご50の扉が開いている場合には乗り場を撮像し、撮像画像を行き先階呼び装置200に送出する。照明装置240は、行き先階呼び装置200からの指示により、点灯して乗りかご50内を照明する器具である。
【0015】
行き先階呼び装置200は、通信部201と、制御部202と、を備える。
通信部201は、制御盤100との通信を制御する。
制御部202は、操作盤210から、押しボタンや非接触センサによる利用者からの行き先階の指定がなされた行き先階呼びを受け付け、通信部201を介して当該行き先階呼びを制御盤100に送信する。
【0016】
行き先階呼び装置200では、制御部202が、人感センサ320からの検知信号、カメラ230からの撮像画像を受け付けて、検知信号と撮像画像とを、通信部201を介して制御盤100に送信する。また、通信部201は、制御盤100からの指示を受信して、制御部202が当該指示に従って照明装置240の点灯や消灯を制御する。
【0017】
次に、乗り場呼び装置300について説明する。
乗り場呼び装置300は、乗り場に設置され、乗り場の壁面に設けられた操作盤310と、制御盤100と、に有線または無線で接続される。ここで、乗り場は、各階床において、利用者やロボット500が乗りかご50の到着を待機する場所である。
乗り場呼び装置300は、操作盤310の各部を制御して、利用者による行き先方向を受け付け、利用者の操作に対して処理を行う装置である。
【0018】
ここで、乗り場呼びとは、乗り場の利用者が、上下いずれかの行き先方向に向かう乗りかご50をその乗り場に到着させるために行う操作である。乗り場呼びには、行き先方向と乗り場呼びを行った階とが含まれている。乗り場呼びをかご呼びと称する場合もある。
【0019】
操作盤310は、利用者から各種操作を受け付けたり、乗り場に各種情報の報知を行うものである。操作盤310には、上下いずれかの行き方向の指定をするための押しボタン(不図示)や非接触センサ(不図示)、スピーカ311、液晶ディスプレイ等の表示部312等が設けられている。
【0020】
乗り場呼び装置300は、通信部301と、制御部302と、を備える。
通信部301は、制御盤100との通信を制御する。
制御部302は、操作盤310から、押しボタンや非接触センサによる利用者からの行き方向の指定がなされた乗り場呼びを受けて、通信部301を介して当該乗り場呼びを制御盤100に送信する。
【0021】
次に、制御盤100について説明する。
制御盤100は、エレベータ全体を制御する。制御盤100は、各種信号の授受が可能なように、駆動装置と有線または無線で接続されている。また、制御盤100は、各種信号の授受が可能なように、乗りかご50内に設置される行き先階呼び装置200に接続されている。また、制御盤100は、各種信号の授受が可能なように、乗り場に設置される乗り場呼び装置300と有線または無線で接続されている。制御盤100は、行き先階呼びおよび乗り場呼びを受信して、行き先階、乗り場呼びを行った階、行き先方向に基づいて、駆動装置を制御し、乗りかご50の昇降を制御する。
また、制御盤100は、複数のロボット500に無線通信で接続される。
【0022】
制御盤100は、図1に示すように、通信部101と、登録部102と、ロボット専用運転制御部103と、通常運転制御部104と、制御部105と、報知部106と、ロボット制御部150と、を主に備えている。
【0023】
通信部101は、乗り場呼び装置300や行き先階呼び装置200との通信を制御する。
例えば、通信部101は、乗り場呼び装置300から乗り場呼びを受信し、行き先階呼び装置200から行き先階呼びを受信する。
【0024】
ロボット専用運転制御部103は、利用者を乗りかごに50に乗車させず、ロボット500のみを乗りかご50に乗車させてエレベータの運転を実行するロボット専用運転を制御する。ここで、ロボット専用運転は、自律移動体専用運転の一例である。
また、ロボット専用運転制御部103は、通信部101が行き先階呼び装置200から、人感センサ220の検知信号を受信しておらず、乗りかご50内で利用者を検知していない場合に、ロボット専用運転を実行する。
【0025】
通常運転制御部104は、ロボット500と利用者とが乗りかご50に同乗可能な状態でエレベータの運転を実行する通常運転を制御する。
【0026】
登録部102は、行き先階呼び装置200から受信した行き先階呼び、乗り場呼び装置300から受信した乗り場呼びを登録し、行き先階呼び、乗り場呼びに基づいた乗りかご50の昇降を可能とする。また、登録部102は、ロボット専用運転実行中に、通信部101が乗り場呼びを受信した場合には、当該乗り場呼びを登録せずに無効とする。
【0027】
また、登録部102は、後述する無線通信部151が複数のロボット500のそれぞれから受信した、一または複数の行き先階呼びおよび一または複数のロボット500のそれぞれの現在位置から、乗りかご50の移動方向と同一の行き先方向となる一または複数の行き先階呼びを登録する。
【0028】
また、登録部102は、行き先方向が同一の行き先階呼びの数が所定の閾値以上である行き先方向を乗りかご50が移動する行き先方向と決定し、決定された行き先方向となる行き先階呼びを登録する。
【0029】
また、登録部102は、行き先方向が同一の行き先階呼びの数が所定の閾値以上である行き先方向が複数ある場合には、行き先階呼びの数が大きい行き先方向を乗りかご50が移動する行き先方向と決定する。
【0030】
制御部105は、エレベータの各種制御を行う。例えば、制御部105は、行き先階呼びおよび乗り場呼びを受信して、行き先階、乗り場呼びを行った階、行き先方向に基づいて、駆動装置を制御し、乗りかご50の昇降を制御する。
【0031】
報知部106は、ロボット専用運転制御部103によりロボット専用運転に移行する場合に、ロボット専用運転に移行中であることを、乗りかご50内および乗り場に報知する指示を、、通信部101に対して、行き先階呼び装置200と乗り場呼び装置300に送信させる。
【0032】
また、本実施形態では、制御部105は、乗りかご50が乗り場で扉を開状態としている場合において、通信部101が、ロボット専用運転中に行き先階呼び装置200から人感センサ220が乗り場で利用者を検知した旨の検知信号を受信した場合に、乗りかご50内の照明装置240を消灯する旨の指示を、通信部101を介して行き先階呼び装置200に送信する。
【0033】
また、報知部106は、通信部101が、ロボット専用運転中に行き先階呼び装置200から人感センサ220が乗りかご50内で利用者を検知した旨の検知信号を受信した場合に、乗りかご50内に、降車を誘導する旨の報知の指示を、通信部101に対して、行き先階呼び装置200と乗り場呼び装置300に送信させる。
【0034】
また、報知部106は、乗りかご50の扉を開状態とした後、通信部101が行き先階呼び装置200から人感センサ220が乗りかご50内で利用者を検知した旨の検知信号を受信した場合に、警報を乗りかご50内に報知する旨の指示を、通信部101に対して、行き先階呼び装置200と乗り場呼び装置300に送信させる。
【0035】
上記のような各種報知の指示が行き先階呼び装置200、乗り場呼び装置300で受信することで、乗りかご50内および乗り場の各操作盤210,310のスピーカ211,311、表示部212,312で各種報知や警報が出力される。
【0036】
ロボット制御部150は、ロボット500の制御を行う。ロボット制御部150は、図1に示すように、無線通信部151と、決定部152と、指示部153と、を主に備える。
無線通信部151は、複数のロボット500のそれぞれとの無線通信を制御する。
例えば、無線通信部151は、複数のロボット500のそれぞれから、行き先階呼びとロボット500の現在位置の情報を受信する。
【0037】
決定部152は、ロボット専用運転の実行中に、無線通信部151がロボット500から一または複数の行き先階呼びを受信した場合に、乗りかご50の扉が閉状態で乗りかご50が上下移動している間に、一または複数の行き先階と一または複数のロボット500のそれぞれの現在位置とに基づいて、一または複数のロボット500の降車順位を決定し、決定した降車順位で乗りかご50に乗車している一または複数のロボット500の乗りかご50内での配置を決定する。
【0038】
具体的には、決定部152は、登録部102で登録された一または複数の行き先階呼びにおける行き先階と一または複数のロボット500それぞれの現在位置とに基づいて、各階におけるロボット500の降車順位を決定する。
【0039】
決定部152は、登録された行き先階呼びに基づいて、乗り場の階が、降車と乗車の双方が発生する階であるか否かを判断し、乗り場の階が降車と乗車の双方が発生する階である場合には、乗り場における乗りかご50の扉の前に、降車してくるロボット500が降車可能な領域を確保して、一または複数のロボット500を降車順の配置に決定する。
【0040】
また、決定部152は、乗り場の階が降車のみが発生する階である場合には、一または複数のロボット500を乗り場における乗りかご50の扉の前から降車順の配置に決定する。
【0041】
ロボット500が乗りかご50に乗車した後、配置変更を行う場合には、決定部152は、行き先階呼びに基づいて、次の階で乗りかご50内のロボット500が降車するか否かを判断し、次の階で乗りかご50内のロボット500が降車すると判断した場合に、一または複数のロボット500の乗りかご50内での配置を、降車時の並び替え順位で決定する。
【0042】
ここで、降車時の並び替え順位は、乗りかご50内における一または複数のロボット500の配置を、乗りかご50の扉の前から降車順とした順位である。
【0043】
図2,3は、実施形態における降車時の並び替え順位の一例を示す図である。図2は、扉が左右に開く形式の場合、図3は扉がスライド式で開く場合の例を示している。また、図2,3のいずれも、ロボット500が3台、8台、15台の例を示している。数値が降車順位を示している。図2、3に示すように、降車時の並べ替え順位では、扉の前からロボット500が降車順に配置される。
【0044】
図1に戻り、ロボット500が乗りかご50に乗車した後、配置変更を行う場合には、決定部152は、決定部152は、次の階で前記乗りかご内のロボット500が降車しないと判断した場合に、一または複数のロボット500の乗りかご50内での配置を、乗車時の並び替え順位で決定する。
ここで、乗車時の並び替え順位とは、乗りかご50内における一または複数のロボット500の配置を、乗りかご50の扉の前に、乗車してくるロボット500が乗車可能な領域を確保して、降車順とした順位である。
【0045】
図4,5は、実施形態における乗車時の並び替え順位の一例を示す図である。図4は、扉が左右に開く形式の場合、図5は扉がスライド式で開く場合の例を示している。また、図4,5のいずれも、ロボット500が3台、8台、15台の例を示している。数値が降車順位を示している。図4、5に示すように、乗車時の並べ替え順位では、扉の前に乗車スペースを空けた上で、ロボット500が降車順に配置される。
【0046】
図1に戻り、より具体的には、決定部152は、一または複数のロボット500の乗りかご50内での配置を降車順になるように、一または複数のロボット500を前記乗りかご内で外周部を巡回移動するように決定する。
【0047】
図6は、実施形態におけるロボット500の巡回移動の一例を示す模式図である。複数のロボット500は、図6に示すように、乗りかご50内を外周部に沿って巡回移動する。
【0048】
図1に戻り、決定部152は、次に降車する一または複数のロボット500の乗りかご50内での配置が外周部に沿って降車順に並んでいない場合には、乗りかご50の中央位置に降車順位を変更するロボット500を一時退避し、外周部の割込ませ先のロボット500を連続して外周部を巡回移動させ、空いた外周部の領域に中央位置のロボット500を移動させる。そして、決定部152は、乗車時の並び替え順位または降車時の並び替え順位における一番高い順位の場所に次に降車する先頭のロボット500が配置される様に、巡回移動をさせる。
【0049】
図7は、実施形態における複数のロボット500の並び替えの一例を示す図である。ロボット500が乗りかご50に乗車してくると、上述したとおり、複数のロボット500の並び替えの配置が降車順となるように決定される。そして、当該配置で移動指示を受信したロボット500は、図7に示すように、乗りかご50内の外周部を時計回りに順次、巡回移動して並び替えが行われる。
【0050】
また、決定部152は、行き先階呼びに基づいて、乗りかご50が次に停車する行き先階までの移動距離が所定の階数より小さいと判断した場合には、降車順位における順位が最も高いロボット500の配置合わせのために外周部の巡回移動のみを行い配置を決定する。ここで、移動距離が所定階数より小さい場合の乗りかご50の走行を、ショートランと称する場合がある。
【0051】
指示部153は、無線通信部151を介して、乗車指示や降車指示等を含む移動指示、および決定部152で決定された配置への移動指示を、複数のロボット500のそれぞれに送信する。
指示部153と無線通信部151は、送信部の一例である。また、無線通信部151は受信部の一例である。
【0052】
次に、ロボット500について説明する。
本実施形態にかかる複数のロボット500のそれぞれは、図1に示すように、無線通信部501と、行き先階要求部502と、位置検出部503と、走行制御部504と、を主に備えている。
【0053】
無線通信部501は、制御盤100との無線通信を制御する。本実施形態の無線通信部501は、制御盤100から乗りかご50内の配置が指定された移動指示を受信する。無線通信部501は、第2の受信部の一例である。
位置検出部503は、現在位置を取得する。位置検出部503は、例えば、GPS等で構成される。
【0054】
行き先階要求部502は、行き先階を指定した行き先階呼びと、位置検出部503で取得した現在位置と、を無線通信部501を介して制御盤100に送信する。
【0055】
走行制御部504は、無線通信部501が受信した移動指示に基づいて、不図示の駆動モータを駆動制御して、自身のロボット500を走行させる。具体的には、走行制御部504は、移動指示で指定された乗りかご50内の配置場所に自身のロボット500が移動するように走行制御する。
【0056】
次に、以上のように構成された本実施形態のエレベータ制御システム1の制御盤100によるエレベータ制御処理について説明する。
図8は、実施形態にかかるエレベータ制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0057】
まず、制御盤100では、ロボット専用運転を開始するか否かを決めるロボット専用運転開始判定処理が実行される(S11)。
ここで、ロボット専用運転開始判定処理について説明する。
図9は、実施形態にかかるロボット専用運転開始判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0058】
まず、制御盤100では、決定部152が、無線通信部151でロボット500から行き先階呼びを受信したか否かを判断する(S41)。そして、行き先階呼びを受信していない場合には(S41:No)、呼出し元に復帰する。
【0059】
S41で、無線通信部151が行き先階呼びを受信した場合には(S41:Yes)、決定部152は、行き先階呼びと、行き先階呼びとともに受信したロボット500の現在の位置情報と、から各行き先階呼びの方向(すなわち、行き先階呼びに基づいて乗りかご50が移動する上下のいずれかの方向。以下同じ。)を求める(S42)。そして、決定部152は、乗りかご50の扉が閉状態でかつ他の呼び登録があるか否かを確認する(S43)。当該確認は、不図示のメモリ等に保存されている扉の現在の状態や呼び登録の有無を確認することにより行われる。
【0060】
乗りかご50の扉が閉状態でかつ他の呼び登録がある場合には(S43:Yes)、決定部152は、同一の方向の行き先階呼びの数が所定の閾値より大きいか否かを判断する(S45)。そして、同一の方向の行き先階呼びの数が所定の閾値以下である場合には(S45:No)、処理はS43に戻る。
【0061】
一方、同一の方向の行き先階呼びの数が所定の閾値より大きい場合には(S45:Yes)、報知部106は、ロボット専用運転移行中である旨の報知を行う指示を、通信部101を介して、行き先階呼び装置200と乗り場呼び装置300に送信する。また、登録部102は、通信部101が乗り場呼びを受信しても登録せずに無効とする(S46)。
【0062】
次いで、決定部152は、乗りかご50の扉が閉状態でかつ他の呼び登録があるか否かを確認する(S47)。乗りかご50の扉が閉状態でかつ他の呼び登録がある場合には(S47:Yes)、当該確認を繰り返す。一方、乗りかご50の扉が開状態、または、他の呼び登録がない場合には(S47:No)、処理はS48へ移行する。
【0063】
S43で、乗りかご50の扉が開状態、または、他の呼び登録がない場合には(S43:No)、報知部106は、ロボット専用運転移行中である旨の報知を行う指示を、通信部101を介して、行き先階呼び装置200と乗り場呼び装置300に送信する。また、登録部102は、通信部101が乗り場呼びを受信しても登録せずに無効とする(S44)。
【0064】
そして、S48で、決定部152は、通信部101が行き先階呼び装置200から受信した人感センサ220の検知信号の数を確認することで、乗りかご50内の利用者を検知する(S48)。そして、報知部106は、検知信号の数から、乗りかご50内の利用者の数が0であるか否かを判断する(S49)。乗りかご50内の利用者の数が0でない場合、すなわち、乗りかご50内に利用者が存在する場合には(S49:No)、報知部106は、乗りかご50から降車する旨の案内である降車誘導案内の報知を行う指示を、通信部101を介して、行き先階呼び装置200と乗り場呼び装置300に送信する(S50)。そして、処理はS48へ戻る。
【0065】
乗りかご50内の利用者の数が0である場合、すなわち、乗りかご50内に利用者が存在しない場合には(S49:Yes)、ロボット専用運転制御部103は、ロボット専用運転を開始する。そして、報知部106は、ロボット専用運転中の旨の表示指示を、通信部101を介して、行き先階呼び装置200と乗り場呼び装置300に送信する。また、登録部102は、通信部101が乗り場呼びを受信しても登録せずに無効とする(S51)。
【0066】
次に、決定部152は、行き先階呼びの方向の数が多い方に乗りかご50の運転方向を決定する(S52)。そして、処理は呼出し元に復帰する。
【0067】
図8に戻り、S11のロボット専用運転開始判定処理が終了すると、決定部152は、ロボット専用運転中であるか否かを判断する(S12)。ロボット専用運転中でない場合には(S12:No)、処理はS27へ移行し、決定部152は、再度、ロボット専用運転中であるか否かを判断する(S27)。
【0068】
S12でロボット専用運転中である場合には(S12:Yes)、登録部102は、乗りかご50の運転方向と一致する方向の行き先階呼びの登録を行い、決定部152は、各階の乗り場で、行き先階が同じ方向である対象のロボット500の降車順を行き先開呼びの行き先階に基づいて算出する(S13)。
【0069】
次に、決定部152は、行き先階呼びに基づいて、乗り場の階が降車と乗車が発生する階であるかを判断する(S14)。乗り場の階が降車と乗車が発生する階である場合には(S14:Yes)、決定部152は、乗り場における扉の前に、乗りかご50から降車してくるロボット500が降車可能なスペースを空けて、対象のロボット500を乗りかご50の手前に降車順になる並び替えの配置に決定する(S16)。
【0070】
一方、S14で、乗り場の階が降車と乗車が発生する階でない場合には(S14:No)、決定部152は、乗り場における扉の前にスペースを空けずに、対象のロボット500を乗りかご50の手前に降車順になる並び替えの配置に決定する(S15)。
【0071】
次に、制御部105は、対象のロボット500の乗車開始階まで乗りかご50を運転し、その後、乗りかご50の扉を開状態とする(S17)。ここで、乗車開始階とは、行き先階呼びにより乗りかご50が上方向の移動となる場合には最下階であり、行き先階呼びにより乗りかご50が下方向の移動となる場合には最上階である。
【0072】
次に、指示部153は、無線通信部151を介して、対象のロボット500に、乗りかご50内への乗車と、乗車後の外周時計回りの移動とを指示する(S18)。次いで、制御盤100は、割込乗車防止制御処理を実行する(S19)。
【0073】
ここで、S19の割込乗車防止制御処理について説明する。
図10は、実施形態にかかる割込乗車防止制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0074】
制御部105は、通信部101が行き先階呼び装置200から人感センサ220による検知信号を受信したか否か、あるいはカメラ230からの撮像画像により、乗り場で利用者を検知したか否かを判断する(S71)。乗り場に利用者を検知した場合には(S71:Yes)。制御部105は、通信部101を介して、行き先階呼び装置200に照明装置240を消灯させる指示を送信し、乗りかご50内を消灯する(S72)。
【0075】
次いで、制御部105は、通信部101が行き先階呼び装置200から人感センサ220による検知信号を受信したか否か、あるいはカメラ230からの撮像画像により、乗りかご50内に利用者の乗車を検知したか否かを判断する(S73)。乗りかご50内に利用者の乗車を検知した場合には(S73:Yes)、制御部105は、通信部101を介して、行き先階呼び装置200および乗り場呼び装置300に、警報として満員ブザーをスピーカ211,311に鳴動させる指示を送信する(S74)。これにより、行き先階呼び装置200および乗り場呼び装置300のスピーカ211,311から満員ブザーが出力される。
【0076】
次いで、制御部105は、通信部101が行き先階呼び装置200から人感センサ220による検知信号を受信したか否か、あるいはカメラ230からの撮像画像により、乗りかご50内から利用者の降車を検知したか否かを判断する(S75)。乗りかご50内から利用者の降車を検知した場合には(S75:Yes)、制御部105は、通信部101を介して、行き先階呼び装置200および乗り場呼び装置300に、警報としてのブザーの出力を停止させる指示を送信する(S76)。これにより、行き先階呼び装置200および乗り場呼び装置300のスピーカ211,311から出力されていた満員ブザーは停止する。
【0077】
次に、制御部105は、通信部101が行き先階呼び装置200から人感センサ220による検知信号を受信したか否か、あるいはカメラ230からの撮像画像により、乗りかご50内に対する利用者の乗降が完了したか否かを判断する(S77)。
【0078】
ここで、S71で乗り場に利用者を検知しなかった場合(S71:No)、S73で乗りかご50内に利用者の乗車を検知しなかった場合(S73:No)、S75で乗りかご50内から利用者の降車を検知しなかった場合には(S75:No)にも、S77で制御部105がロボット500の乗降が完了したか否かを判断する。
【0079】
乗りかご50内に対する利用者の乗降が完了していない場合には(S77:No)、処理はS71に戻り、制御盤100は、S71からS77までの処理を実行する。乗りかご50内に対する利用者の乗降が完了した場合には(S77:Yes)、制御部105は、通信部101を介して、行き先階呼び装置200に照明装置240を消灯させる指示を送信して乗りかご50内を消灯し、、また扉を閉状態とする(S78)。そして、処理は呼出し元に復帰する。
【0080】
図8に戻り、S19の割込乗車防止制御処理が終了したら、制御盤100は、乗りかご内並び替え制御処理を実行する(S20)。
【0081】
次に、S20の乗りかご内並び替え制御処理について説明する。
図11は、実施形態にかかる乗りかご内並び替え制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0082】
まず、決定部512は、乗りかご50の次の停止階でロボット500が降車するか否かを、行き先階呼びに基づいて判断する(S91)。次の停止階でロボット500が降車しない場合には(S91:No)、ロボット500が次の階で乗車してくるために停止するため、決定部152は、上述した扉の前に乗車のためのスペースを空ける乗車時の並べ替え順位を適用する(S93)。一方、次の停止階でロボット500が降車する場合には(S91:Yes)、決定部152は、上述した扉の前にスペースを空けない降車時の並べ替え順位を適用する(S92)。
【0083】
次に、決定部152は、行き先階呼び装置200から受信したカメラ230の撮像画像等から、次に降車するロボット500が降車順(すなわち、優先順)に並んでいるか否かを判断する(S94)。次に降車するロボット500が降車順に並んでいる場合には(S94:Yes)、決定部152は、行き先階呼び装置200から受信したカメラ230の撮像画像等から、次の次に降車するロボット500が降車順(すなわち、優先順)に並んでいるか否かを判断する(S97)。次の次に降車するロボット500が降車順に並んでいる場合には(S97:Yes)、処理は呼出し元に復帰する。
【0084】
次の次に降車するロボット500が降車順に並んでない場合には(S97:No)、決定部152は、乗りかご50の移動距離が所定階数より小さいか否かを判断する(S98)。乗りかご50の移動距離が所定階数より小さい場合には(S98:Yes)、処理は呼出し元に復帰する。
【0085】
一方、乗りかご50の移動距離が所定階数以上である場合には(S98:No)、決定部152は以下の並び替え処理を実行する(S99)。(1)決定部152は、外周部に沿って降車順に並んでいないロボット500の中から、降車順位を変更するロボット500を乗りかご50の中央位置に一時退避する。次に、(2)決定部152は、退避させたロボット500を割込ませたい外周部の領域より、時計周りで手前に配置されたロボット500を連続して外周部を巡回移動させる。次に、(3)決定部152は、空いた外周部の領域に中央位置のロボット500を移動させる。そして、(4)決定部152は、乗車時の並び替え順位または降車時の並び替え順位における一番高い順位の場所に次に降車する先頭のロボット500が配置される様に、巡回移動をさせる。
このような並び替え処理の実行後、処理は呼出し元に戻る。
【0086】
S94で次に降車するロボット500が降車順に並んでいない場合には(S94:No)、決定部152は、決定部152は、乗りかご50の移動距離が所定階数より小さいか否か、すなわちショートランか否かを判断する(S95)。乗りかご50の移動距離が所定階数以上である場合には(S95:No)、処理はS99に移行し、決定部152は上述の並び替え処理を実行する(S99)。
【0087】
S95で乗りかご50の移動距離が所定階数より小さい場合、すなわちショートランの場合には(S95:Yes)、決定部152は、ロボット500を外周移動で、乗車時の並び替え順位または降車時の並び替え順位の一番高い順位の場所のみを合わせるように配置を決定する(S96)。そして、呼出し元に復帰する。
【0088】
図8に戻り、S20の乗りかご内並び替え制御処理が終了したら、制御部105は、乗りかご50を次の階に運転し、その後、扉を開状態とする(S21)。そして、制御部105は、行き先階呼び等から停車した階がロボット500の降車であるか否かを判断する(S22)。降車階でない場合には(S22:No)、処理はS18に移行し、制御盤100は、S18からS22までの処理を繰り返し実行する。
【0089】
一方、降車階である場合には(S22:Yes)、指示部153は、乗りかご50内のロボット500に対して、無線通信部151を介して、降車指示を送信し、登録部102は行き先階呼びをクリアする(S23)。そして、制御盤100は、図10の割込乗車防止制御処理を実行する(S24)。
【0090】
次に、制御部105は、現在の階が運転方向の最後の行き先階であるか否かを判断する(sS25)。そして、現在の階がまだ運転方向の最後の行き先階でない場合には(S25:No)、処理はS18に移行し、制御盤100は、S18からS25までの処理を繰り返し実行する。
【0091】
現在の階が運転方向の最後の行き先階である場合には(S25:Yes)、制御盤100は、ロボット専用運転終了判定処理を実行する(S26)。
【0092】
ここで、S26のロボット専用運転終了判定処理について説明する。
図12は、実施形態にかかるロボット専用運転終了判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0093】
まず、登録部102は、行き先階呼びがまだあるか否かを判断する(S111)。そして、行き先階呼びがある場合には(S111:Yes)、ロボット専用運転制御部103は、ロボット専用運転の経過時間が所定の閾値より大きいか否かを判断する(S112)。
【0094】
ロボット専用運転の経過時間が所定の閾値以下である場合には(S112:No)、ロボット専用運転制御部103は、ロボット500の現在位置の情報と行き先階呼びとから、各行き先階呼びによる方向を求める(S113)。そして、ロボット専用運転制御部103は、各行き先階呼びの方向の数が多い方に乗りかご50の運転方向を決定する(S114)。
【0095】
次いで、ロボット専用運転制御部103は、ロボット専用運転を継続する。制御部105は、通信部101を介して、行き先階呼び装置200および乗り場呼び装置300に、ロボット専用運転中の表示の指示を送信し、登録部102は、行き先階呼びと乗り場呼びを登録せず無効とする(S115)。そして、処理は呼出し元に復帰する。
【0096】
S111で行き先階呼びがない場合(S111:No)、S112でロボット専用運転の経過時間が所定の閾値より大きい場合には(S112:Yes)、ロボット専用運転制御部103は、ロボット専用運転を終了する。制御部105は、通信部101を介して、行き先階呼び装置200および乗り場呼び装置300に、ロボット専用運転中の表示消去の指示を送信し、登録部102は、行き先階呼びと乗り場呼びを登録する(S116)。そして、処理は呼出し元に復帰する。
【0097】
図8に戻り、S26のロボット専用運転終了判定処理が終了したら、制御部105は、ロボット専用運転実行中であるか否かを判断する(S27)。そして、ロボット専用運転実行中である場合には(S27:Yes)、処理はS13に移行し、制御盤100は、S13からS27までの処理を繰り返し実行する。
一方、ロボット専用運転実行中でない場合には(S27:No)、処理は終了する。
【0098】
このように本実施形態では、制御盤100は、一または複数のロボット500から、行き先階呼びと、一または複数のロボット500のそれぞれの現在位置と、を受信する無線通信部151と、一または複数のロボット500のみを乗りかご50に乗車させて運転するロボット専用運転を実行するロボット専用運転制御部103と、ロボット専用運転の実行中に、無線通信部151が一または複数の行き先階呼びを受信した場合に、乗りかご50の扉が閉状態で乗りかご50が上下移動している間に、一または複数の行き先階と一または複数のロボット500のそれぞれの現在位置とに基づいて、一または複数のロボット500の降車順位を決定し、決定した降車順位で前記乗りかごに乗車している一または複数のロボット500の乗りかご50内での配置を決定する決定部152と、決定部152により決定された配置への移動指示を、無線通信部151を介して一または複数のロボット500のそれぞれに送信する指示部153と、を備えている。
【0099】
このため、本実施形態によれば、乗りかご50の扉が閉状態で移動中にロボット500の乗りかご内での効率的な配置の並べ替え行うことができるので、扉が開状態となった後のロボット500の乗降時間の短縮化を図ることができる。
【0100】
また、本実施形態にかかる制御盤100は、無線通信部151が受信した一または複数の行き先階呼びおよび一または複数のロボット500のそれぞれの現在位置から、乗りかご50の移動方向と同一の行き先方向となる一または複数の行き先階呼びを登録する登録部102を備え、決定部152は、登録部102で登録された一または複数の行き先階呼びにおける行き先階と一または複数のロボット500のそれぞれの現在位置とに基づいて、各階におけるロボット500の降車順位を決定する。
【0101】
このため、本実施形態によれば、乗りか50の移動方向と同じ方向となる行き先階呼びを登録して、ロボット専用運転を実行するので、乗りかご50の扉が閉状態で移動中にロボット500の乗りかご内での効率的な配置の並べ替え行うことができるので、扉が開状態となった後のロボット500の乗降時間の短縮化を図ることができる。
【0102】
また、本実施形態にかかる制御盤100では、決定部152は、行き先階呼びに基づいて、次の階で前記乗りかご内のロボット500が降車するか否かを判断し、次の階で乗りかご50内のロボット500が降車すると判断した場合に、一または複数のロボット500の乗りかご50内での配置を、扉の前から降車順位で決定する。
【0103】
このため本実施形態では、ロボット500が次の階で乗りかご50から降車する場合に、一または複数のロボット500の乗りかご50内での配置を、扉の前から降車順位で決定するので、降車を円滑に行いながら、扉が開状態となった後のロボット500の乗降時間の短縮化を図ることができる。
【0104】
また、本実施形態にかかる制御盤100では、決定部152は、次の階で乗りかご50内のロボット500が降車しないと判断した場合に、一または複数のロボット500の乗りかご50内での配置を、乗りかご50の扉の前に、乗車してくるロボット500が乗車可能な領域を確保して、降車順位で決定する。
【0105】
このため、本実施形態では、ロボット500が次の階で乗りかご50に乗車してくる場合に、一または複数のロボット500の乗りかご50内での配置を、乗りかご50の扉の前に、乗車してくるロボット500が乗車可能な領域を確保して、降車順位で決定するので、ロボット500を円滑に乗車させながら、扉が開状態となった後のロボット500の乗降時間の短縮化を図ることができる。
【0106】
また、本実施形態にかかる制御盤100では、決定部152は、一または複数のロボット500の乗りかご50内での配置を降車順になるように、一または複数のロボット500を乗りかご50内で外周部を巡回移動するように決定する。
【0107】
このため、本実施形態では、ロボット500の乗りかご50内での巡回移動により、ロボット500の配置を円滑に変更できるので、扉が開状態となった後のロボット500の乗降時間の短縮化を図ることができる。
【0108】
また、本実施形態にかかる制御盤100では、決定部152は、次に降車する一または複数のロボット500の乗りかご50内での配置が降車順位でない場合には、乗りかご50の中央位置に降車順位を変更するロボット500を退避し、割込ませ先のロボット500を連続して前記外周部を巡回移動させ、空いた外周部の領域に中央位置のロボット500を移動させる。
【0109】
このため、本実施形態では、ロボット500の配置を円滑に変更できるので、扉が開状態となった後のロボット500の乗降時間の短縮化を図ることができる。
【0110】
また、本実施形態にかかる制御盤100では、決定部152は、行き先階呼びに基づいて、乗りかご50が次に停車する行き先階までの距離が所定の階数より小さいと判断した場合には、降車順位における順位が最も高いロボット500の配置合わせのために外周部の巡回移動のみを行い配置を決定する。
【0111】
このため、本実施形態によれば、次の停車階まで時間がない場合には、降車順位における順位が最も高いロボット500の配置のみを合わせるという最低限の並び替えを行うので、扉が開状態となった後も並び替えが終わらずに、逆にロボット500の乗降時間が伸びるという問題を回避できる。
【0112】
(変形例)
上記実施形態では、制御盤100からロボット500に決定された配置への移動指示を送信してロボット500がこの移動指示に従って移動しているが、乗りかご50の床に移動用のレーンを描いておき、ロボット500が当該レーンを確認して移動するように構成してもよい。この場合には、制御盤100のロボット500に対する移動指示を簡略化させることができる。
【0113】
また、上記実施形態では、ロボット500は位置検出部503により自身の現在位置を検出しているが、乗りかご50のカメラ230による撮像画像や人感センサ220の検知信号を制御盤100が受信して、受信した撮像画像や検知信号からロボット500の現在位置を取得することで、位置検出部503による位置検出を補助するように制御盤100を構成してもよい。この場合には、ロボット500の現在位置の検出の精度を向上させることができる。
【0114】
上記実施形態では、複数のロボット500のサイズはほぼ同一であることを前提に説明したが、これに限定されるものではなく、サイズの異なるロボット500を乗りかご50に同乗させるように構成してもよい。このように、サイズの異なるロボット500を乗りかご50に同乗させる場合は、全て最大寸法のロボットとして、乗りかご50内に均等配置するように制御盤100を構成すれば良い。
【0115】
上記実施形態および変形例にかかる制御盤100、ロボット500、行き先階呼び装置200、乗り場呼び装置300は、CPUなどの制御装置と、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの記憶装置と、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、CDドライブ装置などの外部記憶装置等を備えたハードウェア構成となっている。
【0116】
上記実施形態および変形例にかかるロボット500は、CPUなどの制御装置と、ROMやRAMなどの記憶装置と、HDD、SSD、CDドライブ装置などの外部記憶装置と、ディスプレイ装置などの表示装置と、操作ボタン等の入力装置を備えたハードウェア構成となっている。
【0117】
上記実施形態および変形例にかかる制御盤100で実行されるエレベータ制御プログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。
【0118】
上記実施形態および変形例にかかる制御盤100で実行されるエレベータ制御プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0119】
さらに、上記実施形態および変形例にかかる制御盤100で実行されるエレベータ制御プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。
【0120】
また、上記実施形態および変形例にかかる制御盤100で実行されるエレベータ制御プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0121】
上記実施形態および変形例にかかる制御盤100で実行されるエレベータ制御プログラムは、上述した機能部の各部(通信部101、登録部102、ロボット専用運転制御部103、通常運転制御部104、制御部105、報知部106、無線通信部151、決定部152、指示部153)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPUが上記ROMからエレベータ制御プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、機能部の各部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0122】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0123】
(付記)
上記エレベータ制御装置において、
前記登録部は、前記行き先方向が同一の前記行き先階呼びの数が所定の閾値上である行き先方向を前記乗りかごが移動する行き先方向と決定し、決定された行き先方向となる前記行き先階呼びを登録する。
【0124】
上記エレベータ制御装置において、
前記登録部は、前記行き先方向が同一の前記行き先階呼びの数が所定の閾値上である行き先方向が複数ある場合には、前記行き先階呼びの数が大きい行き先方向を前記乗りかごが移動する行き先方向と決定する。
【0125】
上記エレベータ制御装置において、
前記自律移動体専用運転制御部は、さらに、前記乗りかご内、または利用者または自律移動体が待機する乗り場において前記利用者の存在を検知可能な検知部が前記乗りかご内で前記利用者を検知しなかった場合に、前記自律移動体専用運転を実行する。
【0126】
上記エレベータ制御装置において、
前記自律移動体専用運転制御部により前記自律移動体専用運転に移行する場合に、前記自律移動体専用運転に移行中であることを、前記乗りかご内および前記乗り場に報知する報知部、をさらに備える。
【0127】
上記エレベータ制御装置において、
前記報知部は、前記検知部が前記乗りかご内で前記利用者を検知した場合に、前記乗りかご内に、降車を誘導する旨の報知を行う。
【0128】
上記エレベータ制御装置において、
前記受信部は、さらに、前記乗りかごへの乗車を希望する利用者が待機する乗り場から、上下いずれかの行き先方向を指定した前記乗りかごを前記乗り場に到着させるための指示である乗り場呼びを受信可能であり、
前記登録部は、前記自律移動体専用運転の実行中に、前記受信部が前記乗り場呼びを受信した場合に、前記乗り場呼びを無効とする。
【0129】
上記エレベータ制御装置において、
前記乗りかごが前記乗り場で扉を開状態としている場合において、前記検知部が前記乗り場で前記利用者を検知した場合に、前記乗りかご内を照明可能な照明装置を消灯する制御部、をさらに備える。
【0130】
上記エレベータ制御装置において、
前記報知部は、前記乗りかごの扉を開状態とした後、前記検知部が前記乗りかご内の前記利用者を検知した場合には、警報を前記乗りかご内に報知する。
【符号の説明】
【0131】
1…エレベータ制御システム、50…乗りかご、100…制御盤、101…通信部、102…登録部、103…ロボット専用運転制御部、104…通常運転制御部、105…制御部、106…報知部、150…ロボット制御部、151…無線通信部、152…決定部、153…指示部、500…ロボット、200…行き先階呼び装置、220…人感センサ、230…カメラ、240…照明装置、300…乗り場呼び装置、501…無線通信部、502…行き先階要求部、503…位置検出部、504…走行制御部。
【要約】
【課題】扉が開状態となった後の自律移動体の乗降時間の短縮化を図ること。
【解決手段】実施形態のエレベータ制御装置は、一または複数の自律移動体から、行き先階呼びと、前記一または複数の自律移動体のそれぞれの現在位置と、を受信する受信部と、前記一または複数の自律移動体のみを前記乗りかごに乗車させて運転する自律移動体専用運転を実行する自律移動体専用運転制御部と、前記自律移動体専用運転の実行中に、前記受信部が前記一または複数の行き先階呼びを受信した場合に、前記乗りかごの扉が閉状態で前記乗りかごが上下移動している間に、前記一または複数の行き先階と前記一または複数の自律移動体のそれぞれの現在位置とに基づいて、前記一または複数の自律移動体の降車順位を決定し、決定した降車順位で前記乗りかごに乗車している前記一または複数の自律移動体の前記乗りかご内での配置を決定する決定部と、決定された配置への移動指示を前記一または複数の自律移動体のそれぞれに送信する送信部と、を備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12