(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-10
(45)【発行日】2025-01-21
(54)【発明の名称】包装用袋
(51)【国際特許分類】
B65D 33/00 20060101AFI20250114BHJP
B65D 30/10 20060101ALI20250114BHJP
B65D 30/14 20060101ALI20250114BHJP
【FI】
B65D33/00 C
B65D30/10 D
B65D30/14 C
(21)【出願番号】P 2024073102
(22)【出願日】2024-04-26
(62)【分割の表示】P 2021175189の分割
【原出願日】2021-10-27
【審査請求日】2024-07-04
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000206392
【氏名又は名称】大石産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114627
【氏名又は名称】有吉 修一朗
(74)【代理人】
【識別番号】100114731
【氏名又は名称】藤井 重男
(74)【代理人】
【識別番号】100182501
【氏名又は名称】森田 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100190975
【氏名又は名称】遠藤 聡子
(72)【発明者】
【氏名】戸部田 晋一
(72)【発明者】
【氏名】山口 渉吾
【審査官】吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-107689(JP,A)
【文献】実開平1-116150(JP,U)
【文献】特開2019-085166(JP,A)
【文献】特開2021-138401(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 33/00
B65D 30/10
B65D 30/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋の上端開口部の左右に頂点部が外側を向いた大二等辺三角部が各々形成され、下側横片が上記上端開口部の縁線に平行な下側水平線に沿って上側に折り曲げられ、上記下側横片の左右の各直角三角部の各表面に塗布された剥離糊で接着され、更に、上側横片が上記上端開口部の縁線に平行な上側水平線に沿って上記下側横片に被さるように下側に折り曲げられ、上記上側横片の左右の各直角三角部の各表面に塗布された剥離糊で接着され、上記上側横片と上記下側横片間に重なり部分が形成され、中央の長方形状部と該長方形状部の左右に上記大二等辺三角部の左右の外側三角部が各々形成された角底部を有する包装用袋において、
上記角底部上の上記長方形状部のエリアに、長方形状の化粧片が貼り付けられるものであり、
上記化粧片の裏面は、上記角底部の下縁に沿って剥離糊が塗布されない指入れ部が設けられたものであり、
上記化粧片の上記裏面は、上記上側横片の
横縁に沿った部分を含め、上記上側横片の下半部に対向して逆台形状に固着糊が塗布され、上記固着糊が塗布された領域と上記指入れ部以外の上記裏面については剥離糊が塗布され、
上記指入れ部に指を入れて、上記化粧片を上方に引き剥がすと、上記化粧片が上記上側横片と接着した状態で、上記剥離糊が剥がれて、上記上側横片が上方に開いて開口する
包装用袋。
【請求項2】
袋の上端開口部の左右に頂点部が外側を向いた大二等辺三角部が各々形成され、下側横片が上記上端開口部の縁線に平行な下側水平線に沿って上側に折り曲げられ、上記下側横片の左右の各直角三角部の各表面に塗布された剥離糊で接着され、更に、上側横片が上記上端開口部の縁線に平行な上側水平線に沿って上記下側横片に被さるように下側に折り曲げられ、上記上側横片の左右の各直角三角部の各表面に塗布された剥離糊で接着され、上記上側横片と上記下側横片間に重なり部分が形成され、中央の長方形状部と該長方形状部の左右に上記大二等辺三角部の左右の外側三角部が各々形成された角底部を有する包装用袋において、
上記角底部上の上記長方形状部のエリアに、長方形状の化粧片が貼り付けられるものであり、
上記化粧片の裏面は、上記角底部の下縁に沿って剥離糊が塗布されない指入れ部が設けられたものであり、
上記化粧片の上記裏面は、上記上側横片の
横縁に沿った部分を含め、上記上側横片の下半部に対向して逆台形状に固着糊が塗布され、上記固着糊が塗布された領域と上記指入れ部以外の上記裏面(但し、上記固着糊との境界部分は除く)については剥離糊が塗布され、
上記指入れ部に指を入れて、上記化粧片を上方に引き剥がすと、上記化粧片が上記上側横片と接着した状態で、上記剥離糊が剥がれて、上記上側横片が上方に開いて開口する
包装用袋。
【請求項3】
上記上側横片と上記下側横片は、上記上側横片の横縁の表面に水平に塗布された剥離糊で接着されている
請求項1又は2記載の包装用袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば粉粒体等を収納するための包装用袋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1の開封容易紙袋は、紙袋の角底部(左右に三角部を有し、下側横片を下側の水平折り目から上側に折り曲げ、上側横片を上側の水平折り目から下側に折り曲げ、糊付けした角底部)に、上から化粧紙で閉鎖した構造を有している。この特許文献1は、通常の角底部に、化粧紙の裏面に剥離糊を複数行に線状に塗布し、短辺側の一方に折り返し部を有し、上記角底部に上記化粧紙を剥離糊で貼り付ける構成である。開封時は、短片側の折り返し部から横方向に化粧紙を剥すことになる。
【0003】
特許文献2は、紛体包装用袋であるが、角底部の上方と下方に横方向に沿って略水平に接着剤を塗布し、そこに従来に比べて横方向に長い化粧紙を貼り付け、両側の左突出片と右突出片を下側に折り込んだ構成である。開封時は、例えば左突出片から化粧紙を横方向に剥す必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-107689号公報
【文献】実用新案登録第3059804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1の開封容易紙袋は、化粧紙を横方向に開封後、角底部が糊付けされているため、角底部の上側横片を上側に開口し、角底部の下側横片を下側に開口する必要があり、化粧紙の横方向の開封動作と、上側横片の開口動作と、下側横片の開口動作の3つの動作が必要となるし、化粧紙が角底部から離れてゴミとなる、という問題がある。
【0006】
また、特許文献2のものも、化粧紙を横方向に剥すと、接着糊の位置からして、糊付けされた角底部の上側横片と下側横片は開封されないため、下側横片の開口動作と、上側横片の開口動作の3つの動作が必要となるし、化粧紙が角底部から離れてゴミとなる、という問題がある。
【0007】
さらに、化粧紙を横方向にカットテープにて上下にカットした後、上側横片を上方に開口し、下側横片を下方に開口するものは、3つの動作が必要であるし、カットテープがゴミになり、化粧紙を上下横方向にカットする際、紙片が発生し、紙片が包装用袋の内部に進入する可能性もある。
【0008】
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、化粧紙の裏面に剥離糊と固着糊を塗り分けることにより、化粧紙がゴミにならない包装用袋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため本発明は、
第1に(第1の実施形態、
図3、
図4参照)、開口部(1')に左右に頂点部(3a,3a)が外側を向いた大二等辺三角部(3,3)が各々形成され、下側水平線(T1)に沿って下側横片(4)を上側に折り曲げられ、上側水平線(T2)に沿って上側横片(5)を下側に折り曲げられ、上記上側横片(5)と上記下側横片(4)間に重なり部分(S1)が形成され、中央の長方形状部(2')と該長方形状部(2')の左右に上記大二等辺三角部(3,3)の左右の外側三角部(3',3')が各々形成された角底部(2)を有する包装用袋(1)において、上記下側横片(4)の左右の各直角三角部(4a,4a)の各表面に剥離糊(R1,R1)が塗布され、上記上側横片(5)の左右の各直角三角部(5a,5a)の各表面に剥離糊(R2,R2)が塗布され、上記上側横片(5)の横縁(5b)の表面に水平に剥離糊(R3)が塗布され、上記上側横片(5)と上記下側横片(4)を上記下側水平線(T1)及び上記上側水平線(T2)に沿って上述のように折り曲げて接着した上記角底部(2)が形成され、かつ、上記角底部(2)上の上記長方形状部(2')のエリアに、長方形状の化粧片(6)が貼り付けられるものであり、上記化粧片(6)の上記裏面(6")は、上記上側横片(5)の中央部に対向して固着糊(L)が塗布され、それ以外の上記裏面(6")については剥離糊(R4)が塗布され、さらに、上記化粧片(6)の裏面(6")は、上記角底部(2)の下縁(2b)に沿って剥離糊(R4)が塗布されない指入れ部(9)が設けられたものである包装用袋により構成される。
【0010】
上記化粧片(6)は、実施形態では例えば化粧紙(6)をいう。このように構成すると、包装用袋(1)を開封する際、化粧片(6)の指入れ部(9)に指を入れて上方に化粧片(6)を剥すと、化粧片(6)にくっついて上側横片(5)が開口するので、その後は、下側横片(4)を下方に引き剥すことにより、包装用袋(1)を開口することができる。この動作は2アクションであり、操作が簡単であると共に、化粧片(6)は角底部(2)にくっついているので化粧片(6)がゴミにならず、カットテープも使用しないので、カットテープのゴミも発生せず、化粧片(6)を切断することもないので、紙片が包装用袋(1)の内部に進入するおそれもない。
【0011】
第2に(第2の実施形態、
図7、
図8参照)、開口部(1')に左右に頂点部(3a,3a)が外側を向いた大二等辺三角部(3,3)が各々形成され、下側水平線(T1)に沿って下側横片(4)を上側に折り曲げられ、上側水平線(T2)に沿って上側横片(5)を下側に折り曲げられ、上記上側横片(5)と上記下側横片(4)間に重なり部分(S1)が形成され、中央の長方形状部(2')と該長方形状部(2')の左右に上記大二等辺三角部(3,3)の左右の外側三角部(3',3')が各々形成された角底部(2)を有する包装用袋(1)において、上記下側横片(4)の左右の各直角三角部(4a,4a)の各表面に剥離糊(R1,R1)が塗布され、上記上側横片(5)の左右の各直角三角部(5a,5a)の各表面に剥離糊(R2,R2)が塗布され、上記上側横片(5)の横縁(5b)の表面に水平に剥離糊(R3)が塗布され、上記上側横片(5)と上記下側横片(4)を上記下側水平線(T1)及び上記上側水平線(T2)に沿って上述のように折り曲げて接着した上記角底部(2)が形成され、かつ、上記角底部(2)上の上記長方形状部(2')のエリアに長方形状の化粧片(6)が貼り付けられるものであり、上記化粧片(6)の裏面(6")は、上記上側横片(5)の上記横縁(5b)に沿った部分を含め、上記上側横片(5)の下半部に対向して逆台形状に固着糊(L)が塗布され、それ以外の部分は剥離糊(R4)が塗布され、さらに、上記化粧片(6)の上記裏面(6")は、上記角底部(2)の下縁(2b)に沿って剥離糊(R4)が塗布されない指入れ部(9)が設けられたものである包装用袋により構成される。
【0012】
このように構成すると、包装用袋(1)を開封する際、化粧片(6)の指入れ部(9)に指を入れて上方に化粧片(6)を剥すと、化粧片(6)にくっついて上側横片(5)が開口するので、その後は、下側横片(4)を下方に引き剥すことにより、包装用袋(1)を開口することができる。この動作は2アクションであり、操作が簡単であると共に、化粧片(6)は角底部(2)にくっついているので化粧片(6)がゴミにならず、カットテープを使用しないので、カットテープのゴミも発生せず、化粧片(6)を切断することもないので、紙片が包装用袋(1)の内部に進入するおそれもない。
【0013】
第3に(第3の実施形態、
図9、
図10参照)、開口部(1')に左右に頂点部(3a,3a)が外側を向いた大二等辺三角部(3,3)が各々形成され、下側水平線(T1)に沿って下側横片(4)を上側に折り曲げられ、上側水平線(T2)に沿って上側横片(5)を下側に折り曲げられ、上記上側横片(5)と上記下側横片(4)間に重なり部分(S1)が形成され、中央の長方形状部(2')と該長方形状部(2')の左右に上記大二等辺三角部(3,3)の左右の外側三角部(3',3')が各々形成された角底部(2)を有する包装用袋(1)において、上記下側横片(4)の左右の各直角三角部(4a,4a)の各表面に剥離糊(R1,R1)が塗布され、上記上側横片(5)の左右の各直角三角部(5a,5a)の各表面に剥離糊(R2,R2)が塗布され、上記上側横片(5)の横縁(5b)の表面に水平に剥離糊(R3)が塗布され、上記上側横片(5)と上記下側横片(4)を上記下側水平線(T1)及び上記上側水平線(T2)に沿って上述のように折り曲げて接着した上記角底部(2)が形成され、かつ、上記角底部(2)上の上記長方形状部(2')のエリアに長方形状の化粧片(6)が貼り付けられるものであり、上記化粧片(6)の裏面(6")は、上記下側横片(4)の下半部かつ上記上側横片(5)の横縁(5b)にかからないように固着糊(L)が塗布され、それ以外の部分については剥離糊(R4)が塗布され、さらに、上記化粧片(6)の上記裏面(6")は、上記角底部(2)の上縁(2a)に沿って剥離糊(R4)が塗布されない指入れ部(9)が設けられたものである包装用袋により構成される。
【0014】
このように構成すると、包装用袋(1)を開封する際、化粧片(6)の上側の指入れ部(9)に指を入れて下方に化粧片(6)を剥すと、化粧片6の裏面(6")と上側横片(5)は剥離糊(R4)にて接着されているので、比較的容易に剥がれて、一旦固着糊(L)までの化粧片(6)が上側横片(5)から剥がれる。その後は、上側横片(5)をその横縁(5b)から上方に開口すると共に、化粧片(6)を下方に引っ張って、下側横片(4)と共に、上記下側横片(4)を開口し、上記開口部(1')を開口することができる。この動作は略3アクションであり、従来と同等であるが、化粧片(6)は角底部(2)にくっついているので化粧片(6)のゴミが発生しないし、カットテープを使用しないので、カットテープのゴミも発生せず、化粧片(6)を切断することもないので、紙片が包装用袋(1)の内部に進入するおそれもない。
【0015】
第4に(第4の実施形態、
図13、
図14参照)、開口部(1')に左右に頂点部(3a,3a)が外側を向いた大二等辺三角部(3,3)が各々形成され、下側水平線(T1)に沿って下側横片(4)を上側に折り曲げられ、上側水平線(T2)に沿って上側横片(5)を下側に折り曲げられ、上記上側横片(5)と上記下側横片(4)間に重なり部分(S2)が形成され、中央の長方形状部(2')と該長方形状部(2')の左右に上記大二等辺三角部(3,3)の左右の外側三角部(3',3')が各々形成された角底部(2)を有する包装用袋(1)において、上記下側横片(4)の左右の各直角三角部(4a,4a)の各表面に剥離糊(R1,R1)が塗布され、上記上側横片(5)の左右の各直角三角部(5a,5a)の各表面に剥離糊(R2,R2)が塗布され、上記上側横片(5)と上記下側横片(4)を上記下側水平線(T1)及び上記上側水平線(T2)に沿って上述のように折り曲げて接着した上記角底部(2)が形成され、上記重なり部分(S2)は上記第1~第3の何れかに記載の重なり部分(S1)より縦方向の幅が狭く形成され、かつ、上記角底部(2)上の上記長方形状部(2')のエリアに、長方形状の化粧片(6)が貼り付けられるものであり、上記化粧片(6)の裏面6"は、上記上側横片(5)の中央部に対向して固着糊(L)が塗布され、それ以外の裏面(6")については剥離糊(R4)が塗布され、さらに、上記化粧片(6)の上記裏面(6")は、上記角底部(2)の下縁(2b)に沿って剥離糊(R4)が塗布されない指入れ部(9)が設けられたものである包装用袋により構成される。
【0016】
このように構成すると、重なり部分(S2)は上記第1~第3の何れかに記載の重なり部分(S1)より縦方向の幅が狭く形成されているので、化粧紙(6)の剥離糊(R4)が上側横片(5)の横縁(5b)から下側横片(4)の下縁(4d)までを接着する面積が上下方向に広がることで接着強度が向上するので、第1~第3の実施形態において設けていた水平の剥離糊(R3)を設ける必要がなくなり、開封性を向上することができる。また、包装用袋(1)を開封する際、化粧片(6)の下辺の指入れ部(9)に指を入れて上方に化粧片(6)を剥すと、化粧片(6)にくっついて上側横片(5)が開口するので、その後は、下側横片(4)を下方に引き剥すことにより、包装用袋(1)を開口することができる。この動作は2アクションであり、操作が簡単であると共に、化粧片(6)は角底部(2)にくっついているので化粧片(6)のゴミが発生しないし、カットテープを使用しないので、カットテープのゴミも発生せず、化粧片(6)を切断することもないので、紙片が包装用袋(1)の内部に進入するおそれもない。また、上側横片(5)と下側横片(4)との剥離糊(R3)を設けていないので、開封時の開封性を向上することができる。
【0017】
第5に(第5の実施形態、
図16、
図17参照)、開口部(1')に左右に頂点部(3a,3a)が外側を向いた大二等辺三角部(3,3)が各々形成され、下側水平線(T1)に沿って下側横片(4)を上側に折り曲げられ、上側水平線(T2)に沿って上側横片(5)を下側に折り曲げられ、上記上側横片(5)と上記下側横片(4)間に重なり部分(S1)が形成され、中央の長方形状部(2')と該長方形状部(2')の左右に上記大二等辺三角部(3,3)の左右の外側三角部(3',3')が各々形成された角底部(2)を有する包装用袋(1)において、上記下側横片(4)の左右の各直角三角部(4a,4a)の各表面に剥離糊(R1)が塗布され、上記上側横片(5)の左右の各直角三角部(5a,5a)の各表面に剥離糊(R2)が塗布され、上記上側横片(5)の横縁(5b)の表面に水平に剥離糊(R3)が塗布され、上記上側横片(5)と上記下側横片(4)を上記下側水平線(T1)及び上記上側水平線(T2)に沿って上述のように折り曲げて接着した上記角底部(2)が形成され、かつ、上記角底部(2)上の上記長方形状部(2')のエリアに、長方形状の化粧片(6)が貼り付けられるものであり、上記化粧片(6)の裏面(6")は、上記化粧片(6)の右辺(6d)又は左辺(6c)に沿って少なくとも上下方向に所定範囲の固着糊(L)が塗布され、それ以外の部分は剥離糊(R4)が塗布され、さらに、上記化粧片(6)の上記裏面(6")は、上記角底部(2)の上記長方形状部(2')の左縁(2c)又は右縁(2d)に沿って剥離糊(R4)が塗布されない指入れ部(9)が設けられたものである包装用袋により構成される。
【0018】
このように構成すると、化粧片(6)を右辺(6d)又は左辺(6c)の指入れ部(9)から横方向に剥すと、固着糊(L)までの化粧片(6)が剥がれ、化粧片(6)は固着糊(L)にて角底部(2)に分離されずにくっついたままなので、その後は上側横片(5)を上方に開き、下側横片(4)を下方に開き(順番は何れでも良い。下側横片(4)が先で上側横片(5)が後でも良い)、包装用袋(1)を開封することができる。この動作は略3アクションであり、従来と同等であるが、カットテープを使用しないし、化粧片も分離しないので、ゴミも発生せず、化粧片(6)を切断することもないので、紙片が包装用袋(1)の内部に進入するおそれもない。
【0019】
第6に(第5の実施形態)、上記重なり部分(S2)は上記第1~第3の重なり部分(S1)より縦方向の幅が狭く形成され、かつ、上記上側横片(5)の上記横縁(5b)の上記表面に水平に上記剥離糊(R3)が塗布されていない上記第5記載の包装用袋により構成される。
【0020】
このように構成すると、重なり部分(S2)は上記第1~第3の何れかに記載の重なり部分(S1)より縦方向の幅が狭く形成され、化粧片(6)の剥離糊(R4)が、上側横片(5)と下側横片(4)の略全域を接着しており、第1の実施形態に比べて剥離糊(R4)の接着強度が向上するので、第1~第3の実施形態において設けていた水平の剥離糊(R3)を設ける必要がなくなり、これにより上側横片(5)と下側横片(4)の開封性を向上することができる。
【0021】
第7に(第6の実施形態、
図19、
図20参照)、開口部(1')に左右に頂点部(3a,3a)が外側を向いた大二等辺三角部(3,3)が各々形成され、下側水平線(T1)に沿って下側横片(4)を上側に折り曲げられ、上側水平線(T2)に沿って上側横片(5)を下側に折り曲げられ、上記上側横片(5)と上記下側横片(4)間に重なり部分(S1)が形成され、中央の長方形状部(2')と該長方形状部(2')の左右に上記大二等辺三角部(3,3)の左右の外側三角部(3',3')が各々形成された角底部(2)を有する包装用袋(1)において、上記下側横片(4)の左右の各直角三角部(4a,4a)の各表面に剥離糊(R1)が塗布され、上記上側横片(5)の左右の各直角三角部(5a,5a)の各表面に剥離糊(R2)が塗布され、上記上側横片(5)の横縁(5b)の表面に水平に剥離糊(R3)が塗布され、上記上側横片(5)と上記下側横片(4)を上記下側水平線(T1)及び上記上側水平線(T2)に沿って上述のように折り曲げて接着した上記角底部(2)が形成され、かつ、上記角底部(2)上の上記長方形状部(2')のエリアに、長方形状の化粧片(6)が貼り付けられるものであり、上記化粧片(6)は縦方向又は縦方向の斜め方向に上記化粧片(6)を左右に2分割するミシン目(8)が形成されており、上記化粧片(6)の裏面(6")は、上記化粧片(6)の右辺(6d)及び左辺(6c)に沿って少なくとも上下方向に所定範囲の固着糊(L,L)が塗布され、それ以外の部分は剥離糊(R4)が塗布され、さらに、上記化粧片(6)の上記裏面(6")は、上記角底部(2)の下縁(2b)又は上縁(2a)に沿って上記ミシン目(8)の端部に剥離糊(R4)が塗布されない指入れ部(9)が設けられたものである包装用袋により構成される。
【0022】
このように構成すると、化粧片(6)のミシン目(8)を縦方向に切断し、化粧片(6)(6e,6f)を左右に剥すと、左右の化粧片(6)(6e,6f)は、左右の固着糊(L,L)のところまで剥がれて、固着糊(L)にて化粧片(6)(6e,6f)の開封は止まるので、その後は、上側横片(5)を上方に開き、下側横片(4)を下方に開くことで(順番は何れでも良い)、包装用袋(1)を開封することができる。この動作は略3アクションであり、従来と同等であるが、開いた化粧片(6)(6e,6f)は各々角底部(2)にくっついているので化粧片(6)のゴミが発生しないし、カットテープを使用しないので、カットテープのゴミも発生しない。また、化粧片(6)も横方向には分離しないので、紙片の発生も最小限に抑えることができる。
【0023】
第8に(第6の実施形態)、上記重なり部分(S2)は上記第1~第3に記載の重なり部分(S1)より縦方向の幅が狭く形成され、かつ、上記上側横片(5)の上記横縁(5b)の上記表面に水平に上記剥離糊(R3)が塗布されていない上記第7記載の包装用袋により構成される。
【0024】
このように構成すると、重なり部分(S2)は上記第1~第3の何れかに記載の重なり部分(S1)より縦方向の幅が狭く形成され、化粧片(6)の剥離糊(R4)が、上側横片(5)と下側横片(4)の略全域を接着しており、剥離糊(R4)の接着強度が向上するので、第1~第3の実施形態において設けていた水平の剥離糊(R3)を設ける必要がなくなり、これにより上側横片(5)と下側横片(4)の開封性を向上することができる。
【0025】
第9に(第6の実施形態)、上記指入れ部(9)は、上記角底部(2)の下縁(2b)又は上縁(2a)に代えて、上記ミシン目(8)に沿って上記化粧片(6)の上記裏面(6")側に上記剥離糊(R4)の塗布していない指入れ部(9)を設けたものである上記第7又は第8記載の包装用袋により構成される。
【0026】
このように構成すると、ミシン目(8)の例えば中央部に指入れ部(9)が設けられているので、ミシン目(8)の中央部から、ミシン目(8)を破って、上記指入れ部(9)から、上記化粧片(6)を左右方向に2分割することができるので、その後は、例えば上側横片(5)を上方に、下側横片(4)を下方に開くことで(上側横片(5)と下側横片(4)の順番は何れでも良い)、包装用袋を開封することができる。この際、化粧片(6)は左右に開くが、固着糊(L,L)にて止まるので、化粧片(6)(6e,6f)がゴミになることはない。
【0027】
第10に(第7の実施形態、
図22参照)、開口部(1')に左右に頂点部(3a, 3a)が外側を向いた大二等辺三角部(3,3)が各々形成され、下側水平線(T1)に沿って下側横片(4)を上側に折り曲げられ、上側水平線(T2)に沿って上側横片(5)を下側に折り曲げられ、上記上側横片(5)と上記下側横片(4)間に重なり部分(S1)が形成され、中央の長方形状部(2')と該長方形状部(2')の左右に上記大二等辺三角部の左右の外側三角部(3',3')が各々形成された角底部(2)を有する包装用袋(1)において、上記下側横片(4)の左右の各直角三角部(4a,4a)の各表面に剥離糊(R1)が塗布され、上記上側横片(5)の左右の各直角三角部(5a,5a)の各表面に剥離糊(R2)が塗布され、上記上側横片(5)の横縁(5b)の表面に水平に剥離糊(R3)が塗布され、上記上側横片(5)と上記下側横片(4)を上記下側水平線(T1)及び上記上側水平線(T2)に沿って上述のように折り曲げて接着した上記角底部(2)が形成され、かつ、上記角底部(2)上の上記長方形状部(2')のエリアに、長方形状の化粧片(6)が貼り付けられるものであり、上記化粧片(6)は横方向に上記化粧片(6)を上下に2分割するミシン目(8)が上記上側横片(5)の上記横縁(5b)より下側に形成されており、上記化粧片(6)の裏面(6")は、上記上側横片(5)の中央部に固着糊(L)が塗布され、それ以外の部分は剥離糊(R4)が塗布され、さらに、上記化粧片(6)の上記裏面は、上記ミシン目(8)に沿って剥離糊(R4)が塗布されない指入れ部(9)が設けられたものである包装用袋により構成される。
【0028】
このように構成すると、化粧片(6)のミシン目(8)に沿った指入れ部(9)からミシン目(8)を破って、上下方向に化粧片(6)を上下に2分割すると、下側横片(5)の横縁(5b)に沿って、上側横片(5)を上方に開き、下側横片(4)を下側に開くことで、包装用袋を開封することができる。この場合、化粧片(6)がゴミになることはなく、カットテープも使用しないので、カットテープがゴミになることはない。
【0029】
第11に(第7の実施形態、
図21参照)、開口部(1')に左右に頂点部(3a,3a)が外側を向いた大二等辺三角部(3,3)が各々形成され、下側水平線(T1)に沿って下側横片(4)を上側に折り曲げられ、上側水平線(T2)に沿って上側横片(5)を下側に折り曲げられ、上記上側横片(5)と上記下側横片(4)間に重なり部分(S1)が形成され、中央の長方形状部(2')と該長方形状部(2')の左右に上記大二等辺三角部の左右の外側三角部(3',3')が各々形成された角底部(2)を有する包装用袋(1)において、上記下側横片(4)の左右の各直角三角部(4a,4a)の各表面に剥離糊(R1)が塗布され、上記上側横片(5)の左右の各直角三角部(5a,5a)の各表面に剥離糊(R2)が塗布され、上記上側横片(5)の横縁(5b)の表面に水平に剥離糊(R3)が塗布され、上記上側横片(5)と上記下側横片(4)を上記下側水平線(T1)及び上記上側水平線(T2)に沿って上述のように折り曲げて接着した上記角底部(2)が形成され、かつ、上記角底部(2)上の上記長方形状部(2')のエリアに、長方形状の化粧片(6)が貼り付けられるものであり、上記化粧片(6)は上記上側横片(5)と相似形状に逆台形状に上記化粧片(6)を2分割するミシン目(8)が形成されており、上記化粧片(6)の裏面(6")は、上記上側横片(5)の中央部に固着糊(L)が塗布され、それ以外の部分は剥離糊(R4)が塗布され、さらに、上記化粧片(6)の上記裏面(6")は、上記ミシン目(8)に沿って剥離糊(R4)が塗布されない指入れ部(9)が設けられたものである包装用袋により構成される。
【0030】
このように構成すると、化粧片(6)のミシン目(8)に沿った指入れ部(9)からミシン目(8)を破って、上下方向に化粧片(6)を上下に2分割すると、下側横片(5)の横縁(5b)に沿って、上側横片(5)を上方に開き、下側横片(4)を下側に開くことで、包装用袋を開封することができる。この場合、化粧片(6)がゴミになることはなく、カットテープも使用しないので、カットテープがゴミになることはない。
【0031】
第12に(第8の実施形態、
図23参照)、上記指入れ部(9)に加えて、化粧片(6)の剥離糊(R4)の塗布していない指入れ部(9)において、化粧片(6)に切込(11a又は11b)を設けたものである上記第7~11の何れかに記載の包装用袋により構成される。
【0032】
このように構成すると、化粧片(6)の切込(11a又は11b)が持ち手となるので、ミシン目(8)を破りやすくなる。
【0033】
第13に(第7の実施形態、
図21、
図22参照)、上記化粧片(6)は、上記角底部(2)の上記長方形状部(2')に貼り付けたとき、上記上側横片(5)の中央部に固着糊(L)が塗布され、かつ下側横片(4)の部分に固着糊(L)が塗布され、それ以外の部分は剥離糊(R4)が塗布されている上記第10~12の何れかに記載の包装用袋により構成される。
【0034】
このように構成すると、化粧片(6)の分割された下側は、下側横片(4)に固着糊(L)にて接着されおり、下側横片(4)にくっついて離れないので、化粧片(6)がゴミになることはない。
【0035】
第14に(第6~第8の実施形態)、上記ミシン目(8)は、1本であることを特徴とする上記第7~第13の何れかに記載の包装用袋により構成される。
【0036】
このように構成すると、ミシン目(8)は、1本であるので、ミシン目(8)を破ったとき、化粧片(6)がゴミにならず、カットテープがゴミになることはない。
【0037】
第15に(第9の実施形態、
図15参照)、上記化粧片(6)において、上記化粧片(6)の上記裏面(6")において、上記剥離糊(R4)が塗布されない上記指入れ部(9)に代えて、上記剥離糊(R4)が塗布されない突出片(10)が設けられたものである上記第1~6の何れかに記載の包装用袋により構成される。
【0038】
このように構成すると、指入れ部(9)に代えて、剥離糊(R4)が塗布されない突出片(10)が設けられているので、突出片(10)から化粧紙(6)を容易に、剥すことができる。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、包装用袋(1)を開封する際、化粧片(6)の指入れ部(9)に指を入れて上方に化粧片(6)を剥すと(化粧片(6)の長手方向に直交する方向に剥すと)、化粧片(6)にくっついて上側横片(5)が開口するので、その後は、下側横片(4)を下方に引き剥すことにより、包装用袋(1)を開口することができる。この動作は2アクションであり、操作が簡単であると共に、化粧片(6)は角底部(2)にくっついているので化粧片(6)がゴミにならず、カットテープを使用しないので、カットテープのゴミも発生せず、化粧片(6)を切断することもないので、紙片が包装用袋(1)の内部に進入するおそれもない。
【0040】
また、包装用袋(1)を開封する際、化粧片(6)の上側の指入れ部(9)に指を入れて下方に化粧片(6)を剥すと(化粧片(6)の長手方向に直交する方向に剥すと)、化粧片6の裏面(6")と上側横片(5)は剥離糊(R4)にて接着されているので、比較的容易に剥がれて、一旦固着糊(L)までの化粧片(6)が上側横片(5)から剥がれる。その後は、上側横片(5)をその横縁(5b)から上方に開口すると共に、化粧片(6)を下方(化粧片(6)の長手方向に直交する方向)に引っ張って、下側横片(4)と共に、上記下側横片(4)を開口し、開口部(1')を開口することができる。この動作は3アクションであり、従来と同等であるが、化粧片(6)は角底部(2)にくっついているので化粧片(6)がゴミにならず、カットテープを使用しないので、カットテープのゴミも発生せず、化粧片(6)を切断することもないので、紙片が包装用袋(1)の内部に進入するおそれもない。
【0041】
また、重なり部分(S2)は上記第1~第3の何れかに記載の重なり部分(S1)より縦方向の幅が狭く形成されているので、化粧片(6)の剥離糊(R4)が上側横片(5)の横縁(5b)から下側横片(4)の下縁(4d)までを接着する面積が上下方向に広がることで接着強度が向上するので、第1~第3の実施形態において設けていた水平の剥離糊(R3)を設ける必要がないので、開封性を向上することができる。また、包装用袋(1)を開封する際、化粧片(6)の指入れ部(9)に指を入れて上方に化粧片(6)を剥すと、化粧片(6)にくっついて上側横片(5)が開口するので、その後は、下側横片(4)を下方に引き剥すことにより、包装用袋(1)を開口することができる。この動作は2アクションであり、操作が簡単であると共に、化粧片(6)は角底部(2)にくっついているので化粧片(6)がゴミにならず、カットテープを使用しないので、カットテープのゴミも発生せず、化粧片(6)を切断することもないので、紙片が包装用袋(1)の内部に進入するおそれもない。また、上側横片(5)と下側横片(4)との剥離糊(R3)を設けていないので、開封時の開封性を向上することができる。
【0042】
また、化粧片(6)を右辺(6d)又は左辺(6c)の指入れ部(9)から横方向に剥すと、固着糊(L)までの化粧片(6)が剥がれ、化粧片(6)は固着糊(L)にて角底部(2)に分離されずにくっついたままなので、その後は上側横片(5)を上方に開き、下側横片(4)を下方に開き(上側横片(5)と下側横片(4)の順番はどちらでも良い)、包装用袋(1)を開封することができる。この動作は3アクションであり、従来と同等であるが、カットテープを使用しないし、化粧片も分離しないので、ゴミも発生せず、化粧片(6)を切断することもないので、紙片が包装用袋(1)の内部に進入するおそれもない。
【0043】
また、重なり部分(S2)は上記第1~第3の何れかに記載の重なり部分(S1)より縦方向の幅が狭く形成され、化粧片(6)の剥離糊(R4)が、上側横片(5)と下側横片(4)の略全域を接着しており、剥離糊(R4)の接着強度が向上するので、第1~第3の実施形態において設けていた水平の剥離糊(R3)を設ける必要がなくなり、これにより上側横片(5)と下側横片(4)の開封性を向上することができる。
【0044】
また、化粧片(6)のミシン目(8)を縦方向に切断し、化粧片(6)を左右に剥すと、左右の化粧片(6)は、左右の固着糊(L,L)のところまで剥がれて、固着糊(L,L)にて化粧片(6)の開封は止まるので、その後は、上側横片(5)を上方に開き、下側横片(4)を下方に開くことで(上側横片(5)と下側横片(4)の順番はどちらでも良い)、包装用袋(1)を開封することができる。この動作は略3アクションであり、従来と同等であるが、カットテープを使用しないし、化粧片(6)も分離しないので、ゴミも発生しないという利点がある。
【0045】
また、重なり部分(S2)は上記第1~第3の何れかに記載の重なり部分(S1)より縦方向の幅が狭く形成され、化粧片(6)の剥離糊(R4)が、上側横片(5)と下側横片(4)の略全域を接着しており、剥離糊(R4)としての接着強度が向上するので、第1~第3の実施形態において設けていた水平の剥離糊(R3)を設ける必要がなくなり、これにより上側横片(5)と下側横片(4)の開封性を向上することができる。
【0046】
また、ミシン目(8)の例えば中央部に指入れ部(9)が設けられているので、ミシン目(8)の中央部から、ミシン目(8)を破って、上記指入れ部(9)から、上記化粧片(6)を左右方向に2分割することができるので、その後は、上側横片(5)を上方に、下側横片(4)を下方に開くことで(上側横片(5)と下側横片(4)の順番はどちらでも良い)、包装用袋を開封することができる。この際、化粧片(6)は左右に開くが、固着糊(L,L)にて止まるので、化粧片(6)がゴミになることはない。
【0047】
また、化粧片(6)のミシン目(8)に沿った指入れ部(9)からミシン目(8)を破って、上下方向に化粧片(6)を上下に2分割すると、下側横片(5)の横縁(5b)に沿って、上側横片(5)を上方に開き、下側横片(4)を下側に開くことで(上側横片(5)と下側横片(4)の順番はどちらでも良い)、包装用袋を開封することができる。この場合、化粧片(6)がゴミになることはなく、カットテープも使用しないので、カットテープがゴミになることはない。
【0048】
また、化粧片(6)の切込(11a又は11b)が持ち手となるので、ミシン目(8)を破りやすくなる。
【0049】
また、化粧片(6)の分割された下側は、下側横片(4)に固着糊(L)にて接着されており、下側横片(4)にくっついて離れないので、化粧片(6)がゴミになることはない。
【0050】
また、ミシン目(8)は、1本であるので、ミシン目(8)を破ったとき、化粧片(6)がゴミにならず、カットテープがゴミになることはない。
【0051】
また、指入れ部(9)に代えて、剥離糊(R4)が塗布されない突出片(10)が設けられているので、突出片(10)から化粧片(6)を容易に、剥すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【
図1】本発明に係る包装用袋の開口部の大二等辺三角部を形成した状態の正面図である。
【
図3】同上包装用袋の角底部と化粧紙を示す正面図である(第1の実施形態)。
【
図4】同上包装用袋の角底部に化粧紙を貼り付けた状態を示す正面図である。
【
図5】同上包装用袋の角底部に化粧紙を貼り付けた状態を示す正面図である。
【
図6】同上包装用袋の角底部から化粧紙を剥した状態を示す正面図である。
【
図7】同上包装用袋の角底部と化粧紙を示す正面図である(第2の実施形態)。
【
図8】同上包装用袋の角底部に化粧紙を貼り付けた状態を示す正面図である。
【
図9】同上包装用袋の角底部と化粧紙を示す正面図である(第3の実施形態)。
【
図10】同上包装用袋の角底部に化粧紙を貼り付けた状態を示す正面図である。
【
図11】同上包装用袋の角底部から化粧紙を剥した状態を示す正面図である。
【
図12】同上包装用袋の開口部の大二等辺三角部を形成した状態の正面図である(第4の実施形態)。
【
図13】同上包装用袋の角底部と化粧紙を示す正面図である。
【
図14】同上包装用袋の角底部に化粧紙を貼り付けた状態を示す正面図である。
【
図15】(a)は化粧紙(第9の実施形態)の指入れ部の他のパターンを示す化粧紙(第9の実施形態)の正面図、(b)は化粧紙の突出片を示す化粧紙の正面図である。
【
図16】同上包装用袋において、(a)~(d)は化粧紙の第5の実施形態を示す正面図である。
【
図17】同上包装用袋において、(a)~(d)は角底部に化粧紙を貼り付けた状態を示す正面図である。
【
図18】同上包装用袋において、化粧紙を横方向に剥す状態を示す正面図である。
【
図19】同上包装用袋において、(a)は化粧紙の第6の実施形態を示す正面図、(b)は同上化粧紙を角底部に貼り付けた状態を示す正面図である。
【
図20】同上包装用袋において、化粧紙を左右方向に剥す状態を示す正面図である。
【
図21】同上包装用袋において、(a)は化粧紙の第7の実施形態を示す正面図、(b)、(c)はその化粧紙を角底部に貼り付けた状態を示す正面図である。
【
図22】同上包装用袋において、(a)化粧紙の第7の実施形態を示す正面図、(b)、(c)はその化粧紙を角底部に貼り付けた状態を示す正面図である。
【
図23】同上包装用袋において、(a)は化粧紙(第8の実施形態)に切込を設けた状態を示す正面図、(b)は化粧紙(第8の実施形態)の切込を立ち上げた状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
以下、添付図面に基づいて本発明に係る包装用袋1について詳細に説明する。
尚、
図1、
図2において、紙面に向かって左右を「左方向」、「右方向」、或いは「横方向」、左右方向(横方向)を基準に、上下を「上方向」、「下方向」、或いは、「縦方向」、紙面に向かって表面側を「表面」、紙面に向かって裏面側を「裏面」と定義する(他の図においても同じ)。
図1では、左右の大二等辺三角部3,3は、表面側に剥離糊R1,R1、剥離糊R2,R2、剥離糊R3等が塗布されるが、
図2では、折り曲げることにより、剥離糊R1,R2、剥離糊R2,R2、剥離糊R3は裏面側となり、上記大二等辺三角部3,3の表面側(剥離糊R1,R2)、上記下側横片4の表面側(剥離糊R3)に接着されることになる。また、長方形の化粧紙6(化粧片6)及び角底部2については、横方向を長手方向、縦方向を短手方向という。
【0054】
また、化粧紙6については、実施形態では、「化粧紙6」という表現を使用し、材質はクラフト紙であるが、紙以外の材質も存在するので、請求項では「化粧片6」と表現するものとする。また、包装用袋は、クラフト紙による例えば重包装用袋であるが、樹脂製の袋も存在するので、包装用紙袋との表現は使わずに、包装用袋と表現する。
【0055】
(第1の実施形態)
図3、
図4
図1に示すように、包装用袋1(材質は、例えば、クラフト紙、例えば坪量75g/m
2)の上端開口部(開口部)1'(表面側紙の端部と裏面側紙の端部とが重なった部分。ここから開封される、上端水平線1")において、まずは、上端開口部1'の左右部分を外側が頂点部3a,3aとなるように大二等辺三角部3,3の形状に各々折り曲げ、さらに、下側水平線T1(左右の大二等辺三角部3,3の下側の辺を略2等分する位置)に沿って逆台形状の下側横片4を上側に折り曲げ(上方に折り曲げたら下側横片4は台形状となる。
図2参照)、上側水平線T2(左右の大二等辺三角部3,3の上側の辺を略2等分する位置)に沿って台形状の上側横片5を下側に折り曲げる(下側に折り曲げたら上側横片5は逆台形状となる。
図2参照)。この場合、上記下側横片4が下で、上記上側横片5が上になり、上記下側横片4と上側横片5とは上下に重なり、重なり部分S1(例えばS1=30mm)が構成されるようにする(
図2参照)。このように構成することにより、
図2に示す角底部2が形成される。尚、上側横片5と下側横片4の重なりは逆でも良い。
【0056】
尚、包装用袋1は、例えばクラフト紙を例えば2層、3層、4層等に重ね合わせ、上端縁を固着糊で一体的に接着して(例えば、2層の場合は、上端縁(周縁部)を固着糊で接着して1枚のように構成する)ことは公知の技術である。
【0057】
ここで、
図1に示すように、上記下側水平線T1より下側の、上記下側横片4の左右の直角三角部4a,4aの表面側に、剥離糊R1,R1を直角三角形状に塗布され、また、上記上側水平線T2より上側の、上記上側横片5の左右の直角三角部5a,5aの表面側に、剥離糊R2,R2が直角三角形状に塗布される。また、上側横片5の上側の水平な横縁5bに沿って、表面に水平な線状の剥離糊R3が塗布される。上記剥離糊R3の上下方向の幅は例えば約10mmである。この剥離糊R3の両端は、上記剥離糊R2,R2に達している。尚、剥離糊R3の上辺と上記横縁5bとは若干の間隔を設けているが、間隔を設けなくても良い。
【0058】
そして、下側横片4を上記下側水平線T1に沿って上側に折り曲げることにより、直角三角形状の上記剥離糊R1,R1が、上記大二等辺三角部3,3の左右側下半部の各表面側(
図2の直角三角部4a,4a、剥離糊R1,R1)に接着されることにより、上記下側横片4が上記大二等辺三角部3,3の下半部に接着される(
図2参照)。
【0059】
かつ、上記上側横片5を上記上側水平線T2に沿って下側に折り曲げることにより、直角三角形状の上記剥離糊R2,R2が、上記大二等辺三角部3,3の左右側上半部の各表面側(
図2の直角三角部5a,5a、剥離糊R2,R2)に接着されることにより、上記上側横片5が上記大二等辺三角部3,3の上半部に接着されると共に(
図2参照)、上記横縁5bに沿った上記上側横片5の裏面側の剥離糊R3が、上記下側横片4の表面に接着される(
図2参照)。
【0060】
このとき、上記大二等辺三角部3,3の左右の頂点部3a,3aと上記上側横片5と上記下側横片4にて形成される内側の頂点部3b,3bとが、左右方向に同一水準位置となるように構成する。
【0061】
上記角底部2の上縁2aと下縁2b、及び、上縁2aと下縁2bの各両端部を結ぶ縦方向の二点鎖線7,7により構成される長方形の部分を、長方形状部2'という。また、上記二点鎖線7,7より外側の左右の両端三角部を外側三角部3',3'、また、上記二点鎖線7,7より内側の左右の三角部を内側三角部3",3"という。上記のように、包装用袋1の角底部2が形成される。
【0062】
次に、化粧紙6(例えば、クラフト紙、例えば坪量75g/m
2)について
図3、
図4を使用して説明する。上記化粧紙6は、その表面6'側は、何ら糊は塗布されないが、裏面6"側に固着糊Lと剥離糊R4を塗り分ける。
【0063】
ここで固着糊Lとは、接着力の強い糊であり、例えば酢酸ビニル樹脂系接着剤をはじめとした接着力の強い接着剤等がある。また、剥がれやすい剥離糊R4(上記剥離糊R1~R3も同様)は、例えば酢酸ビニル樹脂系接着剤とワックスの混合物をはじめとした剥離性能を有する接着剤をいう。例えば、剥離性能を有する接着剤としては、酢酸ビニル樹脂系接着剤を5%以上15%以下、アクリル樹脂系接着剤を5%以上15%以下、ワックスを5%以上15%以下、上記酢酸ビニル樹脂系接着剤と上記アクリル樹脂系接着剤と上記ワックスの合計成分が25%以上35%以下であり、それ以外は、水を65%(上記合計成分が35%の場合)~75%(上記合計成分が25%の場合)の成分を有するもの、は剥離糊として機能する。剥離糊としては、その他の構成成分%の剥離糊を使用することも可能である。尚、接着剤としての剥離糊は一般的なものであり、特に特殊なものではない。
【0064】
上記角底部2に使用される剥離糊R1~R3は、化粧紙6に使用する剥離糊R4と同一のものでよいが、化粧紙6に使用される剥離糊R4は、剥離糊R1~R3より接着強度がより強いもの(固着糊Lの接着強度よりは低いもの)を用いることもできる。剥離糊R4の接着強度を高めるには、一例として、酢酸ビニル樹脂系接着剤を10%以上20%以下、ワックスを5%以上15%以下、上記酢酸ビニル樹脂系接着剤と上記ワックスの合計成分が25%以上35%以下であり、それ以外は水を65%(上記合計成分が35%の場合)~75%(上記合計成分が25%の場合)の成分を有するもの等がある。尚、アクリル樹脂系接着剤は接着強度が弱いので、酢酸ビニル樹脂系接着剤を10%以上20%以下とすることで、ワックスの成分は同一であっても接着強度は高まる。剥離糊R1~R4は公知の技術であり、特に特殊なものではない。
【0065】
尚、「固着糊」とは、例えばクラフト紙同士を接着した場合、時間が経過しても、両クラフト紙を剥すことができない程度に強い接着強度を有する糊をいい、「剥離糊」とは、例えばクラフト紙同士を接着した場合、時間が経過しても、実施例に記載した「JIS 0217 1998」の落下試験には耐えられ、破袋せずに、内部の例えば粉粒体は漏れないが、化粧紙6を指入れ部9から剥すと、下方の角底部2の表面から剥すことができる程度の弱い接着強度を有する糊をいう。
【0066】
化粧紙6のサイズは、上記長方形状部2'と略同一である。即ち、化粧紙6の横幅は、角底部2の横幅a1と略同一であり(
図3参照)、化粧紙6の縦の長さは角底部2の縦の長さa2と略同一であり、全体として長方形を形成している(例えばa1=400mm、a2=90mm)。
【0067】
上記化粧紙6の裏面6"の固着糊Lは、化粧紙6の中央線Pの左右同一長さであり、上記角底部2に貼付した場合、上記上側横片5の中央部の上面に対応して位置するように塗布され、それ以外の部分(長方形状部2'の固着糊L以外の部分)には剥離糊R4が塗布されている。よって、上記化粧紙6をその裏面6"を以って角底部2(長方形状部2')に接着すると、上記固着糊Lの部分は上記上側横片5の中央部の上面に接着され(
図4参照)、それ以外の部分は、剥離糊R4が接着される。よって、後述の指入れ部9から上方(矢印A方向、
図5参照)に化粧紙6を引き剥すと、剥離糊R2,R3は剥がれて、上側横片5に接着している固着糊Lが強く接着しているため、化粧紙6が上記上側横片5と共に開封できる機能を有していることになる。
【0068】
その一例として、例えば、
図3、
図4に示すように、上記化粧紙6の裏面6"側は、上辺6aに沿って中央部には、角底部2の長方形状部2'の横幅a1の約53%に亘ると共に、上記長方形状部2'の縦の長さa2の約43%に亘る固着糊Lが長方形状に塗布され、それ以外の部分には、剥離糊R4が塗布されている。この長方形状の固着糊Lは、その上辺Laは、上記上辺6aに近接して塗布され、その下辺Lbは上記横縁5bより上方の水準位置に位置している(
図4参照)。また、上記化粧紙6の中央線Pの左右方向の塗布部が同一の長さとなるように、上側横片5の中央部に塗布されている。そして、上記固着糊L以外の部分には、化粧紙6の裏面6"略全体に、剥離糊R4が塗布されている。
【0069】
上記固着糊Lは、
図3では、長方形状に塗布されているが、この形状はどのような形状でも良く、逆台形状(第2の実施形態、
図7参照)、三角形状、菱形状、円形状、楕円形状等であっても良い。また、三角状、円形状のものを横方向に2個~4個等、並べて塗布しても良い。
【0070】
また、化粧紙6の下辺6bの中央部分の裏面6"には、台形状、矩形状、半円形状、三角形状等の剥離糊R4が塗布されない部分、即ち、指入れ部分9が形成されている(
図3の指入れ部9は略台形状)。この指入れ部6は(
図3参照)、横幅a1の約53%に亘る部分(固着糊Lと同じ横幅)であって、この指入れ部9の上下方向幅(縦方向の幅)は、縦の長さa2の約14%の長さとなっている(例えば、指入れ部9の横幅は、例えば、約210mm、縦の長さは、例えば、約12.6mm)。この指入れ部9の個数、大きさ、形状は限定されない。また、指入れ部9は、化粧紙6の下辺6bの2箇所又は3箇所に設けても良く、その個数、形状は限定されない。
【0071】
上記固着糊Lと剥離糊R4との境界部分(固着糊Lの下辺Lb、左右縦辺Lc,Ld)は、一定の間隔t1を置いているが、この間隔t1はより狭くしても良いし、固着糊Lの周囲と剥離糊R4の間隔t1は設けなくても良い。
【0072】
このように構成した化粧紙6を、その裏面6"側を上記角底部2の表面の長方形状部2'のエリアに対応して、貼付する(
図4参照)。尚、
図4では角底部2の下に示した化粧紙6を、角底部2の長方形状部2'に貼付した状態を示している。即ち、上記固着糊Lの部分が上記上側横片5上(表面)の中央部に位置するように構成し、その他の剥離糊R4の部分が、上記角底部2の上記長方形状部2'のそれ以外の部分に位置するように構成する。
【0073】
固着糊Lの部分は、上側横片5上の中央部に位置し、その上辺Laは角底部2の上縁2aに近接して位置し、固着糊Lの下辺Lbと、上記上側横片5の上記横縁5bとは、間隔t2(t2>t1)が形成されている。
【0074】
上記固着糊L以外の部分は、剥離糊R4であり、この剥離糊R4が、角底部2の長方形状部2'の略全域に対応して位置し、上記固着糊Lの部分は、上記上側横片5上に強く接着され、その他の部分は、剥離糊R4により、比較的弱く接着される。
【0075】
剥離糊R4の部分は、上記上側横片5の左右表面(直角三角部5a,5aの表面)、上記内側三角部3",3"の表面、及び、横縁5bに沿う左右方向の上側横片5の上側の表面、及び、横縁5bに沿う下側横片4の左右方向の下側の表面に接着されることになる(
図4参照)。
【0076】
また、上記指入れ部9の部分(上記角底部2の下縁2bに沿って指入れ部9の部分)は、剥離糊R4が塗布されておらず、下側横片4の表面と化粧紙6の裏面6"側との間は、接着されていない。
【0077】
このように構成される、包装用袋1を開封するには、
図5に示すように、上記角底部2の下縁2b側の指入れ部9に指を入れて、化粧紙6を上方(矢印A方向)に引き剥す。即ち、化粧紙6の長手方向とは直交する方向(矢印A方向)に引き剥す。すると、化粧紙6の裏面6"の固着糊Lの部分は、上記上側横片5の表面の中央部に強く接着されており、一方、上側横片5の裏面と下側横片4の表面は、線状の剥離糊R3にて接着されており(固着糊Lの接着強度>剥離糊R1,R2,R3の接着強度)、上側横片5の左右端部は、直角三角形状の剥離糊R2,R2にて接着されているので、上記化粧紙6を上方に引き剥すことにより、固着糊Lの接着強度が、剥離糊R2,R2,R3の接着強度より高いため、上側横片5と大二等辺三角部3,3の上記剥離糊R2,R2は剥がれ、及び、上側横片5の裏面と上側横片4の表面の上記剥離糊R3の部分は剥がれ、上記化粧紙6の裏面6"の固着糊Lは上記上側横片5に接着されたままとなる。
【0078】
剥離糊R1~R3と化粧紙6の剥離糊R4が同一の接着強度の場合は、化粧紙6の剥離糊R4は、内側三角部3",3"から剥がれ、同様に上側横片5は化粧紙6と共に上方に開口し、下側横片4は開口方向(矢印B方向)とは開封方向(矢印A方向)が異なるので、下側横片4の裏面側の剥離糊R1,R1は剥がれずに、下側横片4の表面から剥離糊R4は剥がれて、
図6の状態となる。
【0079】
接着強度が、剥離糊R1~R3より剥離糊R4の方が高い場合は、化粧紙6の剥離糊R4は、内側三角部3",3"から剥がれ、下側横片4は開口方向(矢印B方向)とは化粧紙6の開封方向(矢印A方向)が異なるので、剥離糊R4の方が接着強度が高いが、下側横片4の裏面側の剥離糊R1,R1は剥がれずに、下側横片4の表面から剥離糊R4が剥がれて、化粧紙6は、
図6の状態となる。
【0080】
結果として、
図6に示すように、化粧紙6を上方に引き剥すと、固着糊Lと上側横片5がくっついているので、上側横片5も化粧紙6にくっついて、化粧紙6と共に上方に開口する。即ち、線状の上記剥離糊R3の部分は下側横片4から剥がれ、上記直角三角形状の剥離糊R2,R2も大二等辺三角部3,3の左右の上半部から剥がれ、上側横片5の表面側の固着糊Lの部分は化粧紙6と強く接着されているので、上記上側横片5は上記化粧紙6と共に上方に開口する(
図6参照)。
【0081】
その後は、下側横片4を下方(矢印B方向)に開口することにより、包装用袋1を開封することができる。即ち、下側横片4は、上記大二等辺三角部3,3の左右の下半部に剥離糊R1,R1にて接着されているので(
図3参照)、上記下側横片4を下方に比較的容易に開口することができる。
【0082】
このとき、従来のカットテープを使用しないため、従来はカットテープ自体がゴミになっていたが、カットテープ自体を使用しないため、ゴミを生じない。しかも、従来は、カットテープで化粧紙を横方向に切断するので、切断部から紙片が発生し、これらの紙片が包装用袋1の内部に入ることもあるが、本発明は、化粧紙6が上側横片5にくっついたままなので、化粧紙6自体のゴミを生じないし、カットテープで化粧紙6も切断しないため、紙片も生じず、包装用袋1内に紙片が進入することもない。
【0083】
また、従来は、カットテープで化粧紙6を横方向に2分割して、その上で、上側横片と下側横片を開封する必要があり、少なくともカットテープで化粧紙を横方向に2分割する動作、上側横片を上側に開口する動作、さらに下側横片を下側に開口する動作の3アクションが必要であった。
【0084】
これに対して、本発明は、化粧紙6を上方に引き上げると(縦方向、化粧紙6の長手方向とは直交する方向)、上側横片5が一緒に開口されるので、化粧紙6を上方(矢印A方向)に引き上げる動作と、下側横片4を下方(矢印B方向)に開口する動作の2アクションで包装用袋を開封することができ、より短時間で開封することが可能となる。
【0085】
また、化粧紙を従来は横方向(水平、長手方向とは平行に)に引き剥しており、化粧紙は角底部から完全に分離し、かつ、上側横片と下側横片を上下に開口する動作が必要であり、従来の化粧紙を横方向に引き剥すと化粧紙自体がゴミになるし、紙片も発生し、好ましくなかった。本発明は、長方形の化粧紙6を上方(縦方向、化粧紙6の長手方向とは直交する方向)に引き剥すため、引き剥す距離も短いし、上側横片5と共に、ワンアクションで化粧紙6と上側横片5と共に開口することができ、化粧紙6は上側横片5に固着糊Lにて分離しないので、化粧紙6自体もゴミにならないし、紙片の発生も最小限に抑えることが可能となる。
【0086】
以上のように、本発明の第1の実施形態の包装用袋は、開口部(1')に左右に頂点部(3a,3a)が外側を向いた大二等辺三角部(3,3)が各々形成され、下側水平線(T1)に沿って下側横片(4)を上側に折り曲げられ、上側水平線(T2)に沿って上側横片(5)を下側に折り曲げられ、上記上側横片(5)と上記下側横片(4)間に重なり部分(S1)が形成され、中央の長方形状部(2')と該長方形状部(2')の左右に上記大二等辺三角部(3,3)の左右の外側三角部(3',3')が各々形成された角底部(2)を有する包装用袋(1)において、上記下側横片(4)の左右の各直角三角部(4a,4a)の各表面に剥離糊(R1,R1)が塗布され、上記上側横片(5)の左右の各直角三角部(5a,5a)の各表面に剥離糊(R2,R2)が塗布され、上記上側横片(5)の横縁(5b)の表面に水平に剥離糊(R3)が塗布され、上記上側横片(5)と上記下側横片(4)を上記下側水平線(T1)及び上記上側水平線(T2)に沿って上述のように折り曲げて接着した上記角底部(2)が形成され、かつ、上記角底部(2)上の上記長方形状部(2')のエリアに、長方形状の化粧紙(化粧片)(6)が貼り付けられるものであり、上記化粧紙(化粧片)(6)の裏面(6")は、上記上側横片(5)の中央部に対向して固着糊(L)が塗布され、それ以外の裏面(6")については剥離糊(R4)が塗布され、さらに、上記化粧紙(化粧片)(6)の裏面(6")は、上記角底部(2)の下縁(2b)に沿って剥離糊(R4)が塗布されない指入れ部(9)が設けられたものである。
【0087】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態を
図7、
図8にて説明する。
包装用袋1の角底部2の折り方、及び、剥離糊R1~R3の塗布の仕方は
図1、
図2と同様であるので説明は省略する。また、包装用袋1の材質も第1の実施形態と同様であり、固着糊Lと剥離糊R1~R4の成分も第1の実施形態と同様であるので、説明は省略する。
【0088】
尚、包装用袋1の角底部2に使用される剥離糊R1~R3と、化粧紙6に使用される剥離糊R4の接着強度は同一のものでも良いが、剥離後R4が上記剥離糊R1~R3より接着強度が強いもの(固着糊Lの接着強度よりは低い)であっても良い。この点は、第1の実施形態と同様である。
【0089】
次に、化粧紙6(例えば、クラフト紙、例えば坪量75g/m
2)について
図7、
図8を使用して説明する。上記化粧紙6は、その表面6'側は、何ら糊は塗布されないが、裏面6"側に固着糊Lと剥離糊R4を塗り分ける。
【0090】
上記化粧紙6のサイズは、上記長方形状部2'と略同一である。即ち、化粧紙6の横幅は、角底部2の横幅a1と略同一であり、化粧紙6の縦の長さは角底部2の縦の長さa2と略同一であり、全体として長方形を形成している(例えばa1=400mm、a2=90mm)。
【0091】
上記化粧紙6の裏面6"側は、角底部2の上側横片5の先端部に相当する部分(化粧紙6の下半部)に対向して、逆台形状の固着糊Lが塗布され、それ以外の部分(裏面6")には剥離糊R4が塗布される。
【0092】
上記化粧紙6の裏面6"の固着糊Lは、化粧紙6の中央線Pの左右同一長さであり、上記角底部2(長方形状部2')に貼付した場合、上記上側横片5の上面に対応して位置するように塗布され、それ以外の部分(長方形状部2'の固着糊L以外の部分)には剥離糊R4が塗布されている。よって、上記化粧紙6をその裏面6"を以って角底部2(長方形状部2')に貼付すると、上記固着糊Lの部分は上記上側横片5の上面に貼付され、それ以外の部分は、剥離糊R4が貼付される。よって、指入れ部9から上方(矢印A方向)に化粧紙6を引き剥すと(
図5参照)、剥離糊R2,R3は剥がれて、上側横片5に接着している固着糊Lが強く接着しているため、化粧紙6が上記上側横片5と共に開封できる機能を有していることになる。
【0093】
その一例として、例えば、
図7、
図8に示すように、上記固着糊Lの部分(逆台形状)は、角底部2(長方形状部2')に化粧紙6を貼付したとき、丁度、上側横片5の先端(下側)の逆台形部の表面側に貼着し得る部分であり、下辺Lfは、上側横片5の横縁5bより若干短い長さであり、左右の傾斜側辺Lg,Lhは上側横辺5の傾斜辺5c,5dに沿い、上辺Leに至っている。上記固着糊Lの縦方向の幅は、上記化粧紙6の縦方向の幅a2の約23%であり、上辺Leは幅a1の約73%であり、下辺Lfは幅a1の約55%である。この逆台形状の固着糊Lは、化粧紙6の中央線Pの左右方向の塗布部が同一の長さになるように、中央部に塗布されている。そして、上記固着糊L以外の部分には、化粧紙6の裏面6"略全体に、剥離糊R4が塗布されている。
【0094】
また、化粧紙6の下辺6bの中央部分の裏面6"には、台形状、矩形状(長方形状、正方形状)、半円形状、三角形状等の剥離糊R4が塗布されない部分、即ち、指入れ部分9が形成されている。この指入れ部9の横方向の幅は(
図7に示す長方形状の指入れ部9)、横幅a1の約30%に亘る部分であって、この指入れ部9の上下方向幅(縦方向の幅)は、縦の長さa2の約13%の長さとなっている(指入れ部9(長方形状の場合)の横幅は例えば120mm、縦の長さは、例えば11mm)。尚、指入れ部9の中央線Pに対する左右方向の横幅は、各々均等の長さとなっている。この指入れ部9の個数、大きさ、形状は限定されない。また、指入れ部9は、化粧紙6の下辺6bの2箇所又は3箇所に設けても良く、その個数、形状は限定されない。
【0095】
上記固着糊L以外の部分は、剥離糊R4であり、この剥離糊R4が、角底部2の長方形状部2'の略全域に対応して位置し、上記固着糊Lの部分は、上記上側横片5上に強く接着され、その他の部分は、剥離糊R4により、比較的弱く接着される。
【0096】
剥離糊R4の部分は、上記上側横片5の上半部の部分と、左右表面(直角三角部5a,5a)、上記内側三角部3",3"の表面、及び、横縁5bに沿う左右方向の上側横片5の上側の表面、及び、横縁5bに沿う下側横片4の左右方向の下側の表面、及び下側横片4の左右表面(直角三角部4a,4a)に接着されることになる(
図7、
図8参照)。
【0097】
上記固着糊Lと剥離糊R4との境界部分(固着糊Lの上辺Le、下辺Lf、左右側辺Lg,Lh)は、一定の間隔t3を置いているが、この間隔t3はより狭くしても良いし、固着糊Lの周囲と剥離糊R4の間隔t3は設けなくても良い。この場合、固着糊Lの境界と剥離糊Rの境界は、略一致する。また、剥離糊R4と化粧紙6の外周部分に沿って剥離糊R4との間隔t4を設けているが(
図7参照)、これも設けなくても良い。
尚、角底部2の剥離糊R1~R3の成分、化粧紙6の固着糊Lと剥離糊R4の成分、接着強度は、上記第1の実施形態と同様である。即ち、剥離糊R1~R3の接着強度は剥離糊R4の接着強度と同一でも良いし、剥離糊R4の接着強度を剥離糊R1~R3の接着強度より高めても良い。
【0098】
このように構成した化粧紙6を、その裏面6"側を上記角底部2の表面の長方形状部2'のエリアに対応して、貼付する。即ち、逆台形状の上記固着糊Lの部分が上記上側横片5上の先端部上に位置するように構成し(
図8参照)、その他の剥離糊R4の部分が、それ以外の部分に位置するように構成する。
図8では角底部2の下に示した化粧紙6を、角底部2の長方形状部2'に貼付した状態を示している。
【0099】
固着糊Lの部分(逆台形状)は、上側横片5の表面の逆台形状の先端部に位置し、その下辺Lfは上記上側横片5の横縁5bに近接して、上記上側横片5の内側に位置し、左右の傾斜辺Lg,Lhは、上側横片5の左右の傾斜辺5c,5dに沿って、上記上側横片5の内側に位置している。
【0100】
固着糊Lの下辺Lfと左右傾斜辺Lg,Lhと、上記上側横片5の上記横片5b、左右の傾斜辺5c,5dとは、上記距離t3の間隔が形成されている。上記固着糊L以外の部分は、剥離糊R4であり、この剥離糊R4が、角底部2の略全域に対応して位置し、上記固着糊Lの部分は、上記上側横片5上に強く接着され、その他の部分は、剥離糊R4により、比較的弱く接着される。
【0101】
剥離糊R4の部分は、上記上側横片5の上部側の表面、上記内側三角部3",3"の表面、及び、下側横片4の左右方向の下側の表面に接着されることになる(
図8参照)。また、上記指入れ部9の部分(上記角底部2の下縁2bに沿った指入れ部9の部分)は、剥離糊R4が塗布されておらず、下側横片4の表面と化粧紙6の裏面6"側との間は、接着されていない。
【0102】
このように構成される、包装用袋1を開封するには、
図5に示すように、上記角底部2の下縁2b側の指入れ部9に指を入れて、化粧紙6を上方(矢印A方向)に引き剥す。即ち、化粧紙6の長手方向とは直交する方向(矢印A方向)に引き剥す。すると、化粧紙6の裏面6"の固着糊Lの部分は、上記上側横片5の表面の先端部に強く接着されており、一方、上側横片5の裏面と下側横片4の表面は、線状の剥離糊R3にて接着されており(
図7参照)、上側横片5の左右端部は、直角三角形状の剥離糊R2,R2にて接着されているので、上記化粧紙6を上方に引き剥すことにより、固着糊Lの接着強度が、剥離糊R2,R2,R3の接着強度より高いため、上記剥離糊R2,R2、及び、上記剥離糊R3の部分は剥がれつつ、上記化粧紙6の裏面6"の固着糊Lは上記上側横片5に接着されたままとなる。
【0103】
剥離糊R1~R3と化粧紙6の剥離糊R4が同一の接着強度の場合は、化粧紙6の剥離糊R4は、内側三角部3",3"から剥がれ、同様に上側横片5は化粧紙6と共に上方に開口し、下側横片4は開口方向(矢印B方向)とは異なるので、下側横片4の裏面側の剥離糊R1,R1は剥がれずに、下側横片4の表面から剥離糊R4は剥がれて、
図6の状態となる。
【0104】
接着強度が、剥離糊R1~R3より剥離糊R4の方が高い場合は、下側横片4は開口方向(矢印B方向)とは異なるので、剥離糊R4の方が、接着強度が高いが、下側横片4の裏面側の剥離糊R1,R1は剥がれずに、下側横片4の表面から剥離糊R4が剥がれて、
図6の状態となる。
【0105】
結果として、
図6に示すように、化粧紙6を上方に引き剥すと、上側横片5も化粧紙6にくっついて、化粧紙6と共に上方に開口する。即ち、線状の上記剥離糊R3の部分は下側横片4から剥がれ、上記直角三角形状の剥離糊R2,R2も大二等辺三角部3,3の左右の上半部から剥がれ、上側横片5の表面側の固着糊Lの部分は化粧紙6と強く接着されているので、上側横片5は上記化粧紙6と共に上方に開口する(
図6参照)。
【0106】
その後は、下側横片4を下方(矢印B方向)に開口することにより、包装用袋1を開封することができる。即ち、下側横片4は、上記大二等辺三角部3,3の左右の下半部に剥離糊R1,R1にて接着されているので、上記下側横片4を下方に比較的容易に開口することができる。
【0107】
このとき、従来のカットテープを使用しないため、従来はカットテープ自体がゴミになっていたが、カットテープ自体を使用しないため、ゴミを生じない。しかも、従来は、カットテープで化粧紙を横方向に切断するので、切断部から紙片が発生し、これらの紙片が包装用袋1の内部に入ることもあるが、本発明は、化粧紙6が上側横片5にくっついたままなので、化粧紙6のゴミを生じないし、カットテープで化粧紙6も切断しないため、紙片も生じず、包装用袋1内に紙片が進入することもない。
【0108】
また、従来は、カットテープで化粧紙6を横方向に2分割して、その上で、上側横片と下側横片を開封する必要があり、少なくともカットテープで化粧紙を横方向に2分割する動作、上側横片を上側に開口する動作、さらに下側横片を下側に開口する動作の3アクションが必要であった。
【0109】
これに対して、本発明は、化粧紙6を上方に引き上げると(縦方向、化粧紙6の長手方向とは直交する方向)、上側横片5が一緒に開口されるので、化粧紙6を上方に引き上げる動作と、下側横片4を下側に開口する動作の2アクションで包装用袋を開封することができ、より短時間で開封することが可能となる。
【0110】
また、化粧紙を従来は横方向に引き剥しており(水平、長手方向とは平行に)、化粧紙は角底部から完全に分離し、かつ、上側横片と下側横片を上下に開口する動作が必要であり、従来の化粧紙を横方向に引き剥すと化粧紙自体がゴミになるし、紙片も発生し、好ましくなかった。本発明は、長方形の化粧紙6を上方(縦方向、化粧紙6の長手方向とは直交する方向)に引き剥すため、引き剥がす距離が短いし、上側横片5と共に、ワンアクションで化粧紙6と上側横片5と共に開口することができ、化粧紙6自体は、上側横片5から分離しないので、化粧紙6自体もゴミにならないし、紙片の発生も最小限に抑えることが可能となる。
【0111】
以上のように、本発明の第2の実施形態の包装用袋1は、開口部(1')に左右に頂点部(3a,3a)が外側を向いた大二等辺三角部(3,3)が各々形成され、下側水平線(T1)に沿って下側横片(4)を上側に折り曲げられ、上側水平線(T2)に沿って上側横片(5)を下側に折り曲げられ、上記上側横片(5)と上記下側横片(4)間に重なり部分(S1)が形成され、中央の長方形状部(2')と該長方形状部(2')の左右に上記大二等辺三角部(3,3)の左右の外側三角部(3',3')が各々形成された角底部(2)を有する包装用袋(1)において、上記下側横片(4)の左右の各直角三角部(4a,4a)の各表面に剥離糊(R1,R1)が塗布され、上記上側横片(5)の左右の各直角三角部(5a,5a)の各表面に剥離糊(R2,R2)が塗布され、上記上側横片(5)の横縁(5b)の表面に水平に剥離糊(R3)が塗布され、上記上側横片(5)と上記下側横片(4)を上記下側水平線(T1)及び上記上側水平線(T2)に沿って上述のように折り曲げて接着した上記角底部(2)が形成され、かつ、上記角底部(2)上の上記長方形状部(2')のエリアに長方形状の化粧紙(化粧片)(6)が貼り付けられるものであり、上記化粧紙(化粧片)(6)の裏面(6")は、上記上側横片(5)の上記横縁(5b)に沿った部分を含め、上記上側横片(5)の下半部に対向して逆台形状に固着糊(L)が塗布され、それ以外の部分は剥離糊(R4)が塗布され、さらに、上記化粧紙(化粧片)(6)の裏面(6")は、上記角底部(2)の下縁(2b)に沿って剥離糊(R4)が塗布されない指入れ部(9)が設けられたものである。
【0112】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態を
図9、
図10にて説明する。
包装用袋1の角底部2の折り方、及び、剥離糊R1~R3の塗布の仕方は
図1、
図2と同様であるので説明は省略する。また、包装用袋1と化粧紙6の材質も第1の実施形態と同様であり、固着糊Lと剥離糊R1~R4の成分も第1の実施形態と同様であるので、説明は省略する。
【0113】
次に、化粧紙6(例えば、クラフト紙、例えば坪量75g/m
2)について
図9、
図10を使用して説明する。上記化粧紙6は、その表面6'側は、何ら糊は塗布されないが、裏面6"側に固着糊Lと剥離糊R4を塗り分ける。
【0114】
尚、包装用袋1の角底部2に使用される剥離糊R1~R3と、化粧紙6に使用される剥離糊R4の接着強度は同一のものでも良いが、剥離後R4が上記剥離糊R1~R3より接着強度が強いもの(固着糊Lの接着強度よりは低い)であっても良い。この点は、第1の実施形態と同様である。
【0115】
上記化粧紙6のサイズは、上記長方形状部2'と略同一である。即ち、化粧紙6の横幅は、角底部2の横幅a1と略同一であり、化粧紙6の縦の長さは角底部2の縦の長さa2と略同一であり、全体として長方形を形成している(例えばa1=400mm、a2=90mm)。
【0116】
上記化粧紙6の裏面6"側は、角底部2の下側横片4の表面(下半部)に固着糊Lの台形状部分がくるように塗布され、それ以外の部分は剥離糊R4が塗布される。
【0117】
具体的には、化粧紙6の下辺6bに沿って、固着糊Lが左右方向に塗布され、固着糊Lの上辺Liは、上記上側横片5の横縁5bにかからないように、化粧紙6の裏面6"に塗布され、左右の側辺Lk,Lnは、上記下側横片4の左右の傾斜辺4b,4cに沿って位置し(
図10参照)、上辺Liは、上記上側横片5の横縁5bの下方に位置している。上記固着糊Lの下辺Ljの横方向の幅は、上記化粧紙6の下辺6bと略同一又は若干短く塗布されている。
【0118】
上記化粧紙6の裏面6"の固着糊Lは、化粧紙6の中央線Pの左右同一長さであり、上記角底部2に貼付した場合、上記下側横片4の上面に対応して位置するように塗布され、それ以外の部分(長方形状部2'の固着糊L以外の部分)には剥離糊R4が塗布されている。よって、上記化粧紙6をその裏面6"を以って角底部2(長方形状部2')に貼付すると、上記固着糊Lの部分は上記下側横片4の表面に貼付され、それ以外の部分は、剥離糊R4が貼付される。よって、後述の指入れ部9から下方(矢印B方向)に化粧紙6を引き剥すと(
図11参照)、下側横片4に接着している固着糊Lが強く接着しているため、取り敢えず、剥離糊R4が上側横片5から剥がれて
図11に示す位置となる。
【0119】
その一例として、
図9、
図10に示すように、上記固着糊Lは、上記下側横片4上(表面)に位置しており、上記固着糊Lの縦方向の幅は、上記化粧紙6の縦方向の幅a2の約26%、上辺Liは幅a1の約75%であり、下辺Ljは幅a1の約91%である。この固着糊Lは、化粧紙6の中央線Pの左右方向の塗布部が同一の長さになるように、下側横片4の下半部に塗布されている。そして、上記固着糊L以外の部分には、化粧紙6の裏面6"略全体に、剥離糊R4が塗布されている。
【0120】
上記固着糊Lの上辺Liと剥離糊R4との間隔はt5、上記固着糊Lの側辺Lk,Lnと剥離糊R4との間隔はt5、上記固着糊Lの下辺Ljと化粧紙6の下辺6bとの間隔はt5であり、上記間隔t5はより狭くても良いし、上記間隔t5を設けなくても良い。上記固着糊Lは、
図9では、台形状に塗布されているが、この形状はどのような形状でも良く、逆台形状(第2の実施形態)、三角形状、菱形状、円形状、楕円形状等であっても良い。また、三角状、円形状のものを横方向に2個~4個等、並べて塗布しても良い。
【0121】
また、化粧紙6の上辺6aの中央部分(角底部2の上縁2a)には、矩形状、台形状、半円形状、三角形状等の剥離糊R4が塗布されない部分、即ち、指入れ部分9が形成されている。この指入れ部9は、横幅a1の約44%に亘る部分であって、この指入れ部9の上下方向幅(縦方向の幅)は、縦の長さa2の約10%の長さとなっている(指入れ部9(長方形の場合)の横幅は例えば176mm、縦の長さは、例えば9mm)。尚、指入れ部9の中央線Pに対する左右方向の横幅は、各々均等の長さとなっている。この指入れ部9の個数、大きさ、形状は限定されない。また、指入れ部9は、化粧紙6の上辺6aの2箇所又は3箇所に設けても良く、その個数、形状は限定されない。
【0122】
また、剥離糊R4の周囲は、化粧紙6の周囲と間隔t6を設けているが、間隔t6はより狭くても良いし、間隔t6を設けなくても良い。上記剥離糊R4は、上記固着糊Lの左右側辺Lk,Lnに沿う左右の三角状の突起部分6i,6jを有しており、それ以外は、上記化粧紙6の裏面6"の略全域に、上記指入れ部9の部分以外において、塗布されている。
【0123】
このように構成した化粧紙6を、その裏面6"側を上記角底部2の表面の長方形状部2'のエリアに対応して、貼付する。即ち、上記固着糊Lの部分が上記下側横片4の下半部に位置するように構成し、その他の剥離糊R4の部分が、それ以外の部分に位置するように貼付する。
【0124】
固着糊Lの部分(台形状)は、下側横片4の上に位置し(角底部2の下縁2bと上側横片5の横縁5bとの間に位置し)、その下辺Ljは上記長方形状部2'の下縁2bに近接して位置し、左右の傾斜辺Lk,Lnは、下側横片4の左右傾斜辺4b,4cに沿って、下側横片4の下半部に位置している。また、固着糊Lの上辺Liは上側横片5の横縁5bの下側に位置している。即ち、固着糊Lの上辺Liは、上記上側横片5の横縁5bにかからないように、化粧紙6の裏面6"に塗布されている。尚、
図10において、下に示す化粧紙6を角底部2の長方形状部2'に貼り付けた状態を示している。
【0125】
上記固着糊L以外の部分は、剥離糊R4であり、この剥離糊R4が、上側横片5の全域、及び上記頂点部3b,3bを含む、左右の内側三角部3",3"の全域に貼付される。即ち剥離糊R4は、上側横片5の略全域、及び左右の内側三角部3",3"に塗布される。従って、固着糊Lの部分は、下側横片4上に強く接着され、その他の部分は、剥離糊R4により、比較的弱く接着される(
図10参照)。
【0126】
また、上記指入れ部9の部分は、剥離糊R4が塗布されておらず、角底部2の上縁2aにおける上側横片5の表面と化粧紙6の裏面6"側との間は、接着されていない。
【0127】
このように構成される、包装用袋1を開封するには、
図10に示すように、上記角底部2の上縁2aに沿う指入れ部9に指を入れて、化粧紙6を下方(矢印B方向)に引き剥す。即ち、化粧紙6の長手方向とは直交する方向(矢印B方向)に引き剥す。すると、
図11に示すように、化粧紙6の剥離糊R4の部分が剥がれて、固着糊Lの上片Liの部分までが、まずは剥がれる(上側横片5の横縁5bの下側)。即ち、上記上側横片5の部分及び左右の内側三角部3",3"は、全面的に剥離糊R4により接着されているので、上記化粧紙6を下方に引き剥すことにより、上記剥離糊R4は比較的容易に剥離され、固着糊Lの上辺Liまでが(上側横片5の横縁5bの下側)、まずは剥がれる。ここで、上側横片5は、開封方向とは逆方向(矢印B方向)なので、剥離糊R2,R3と剥離糊R4が同一接着強度の場合は、剥離糊R4が上側横片5の表面から剥がれるが、上側横片5は大二等辺三角部3,3(角底部2)からは剥がれない。また、上記剥離糊R2,R3より剥離糊R4の接着強度が高い場合においても、上記上側横片5は開封方向とは逆方向(矢印B方向)なので、剥離糊R4が上側横片5の表面から剥がれるが、上側横片5は大二等辺三角部3,3(角底部2)からは剥がれず、剥離糊R2,R2,R3は接着されたままである。
【0128】
このとき、上側横片5と下側横片4とは線状の剥離糊R3にて接着されているので、この段階では上側横片5と下側横片4の剥離糊R3は剥がれていない。従って、この時点(
図11の時点)で、上側横片5を上方(A方向)に剥して開口した後、化粧紙6を下方(矢印B方向)にさらに剥して、下側横片4を開口する。下側横片4の表面と上記化粧紙6の裏面6"は固着糊Lにより強固に接着されているので、化粧紙6を下方に引っ張ることにより、下側横片4も下方に引っ張られ(或いは、下側横片4を下方(矢印B方向)に剥すことで)、包装用袋1を開封することができる。
【0129】
このとき、従来のカットテープを使用しないため、従来はカットテープ自体がゴミになっていたが、カットテープ自体を使用しないため、ゴミを生じない。しかも、従来は、カットテープで化粧紙を横方向(化粧紙の長手方向と平行)に切断するので、切断部から紙片が発生し、これらの紙片が包装用袋1の内部に入ることもあるが、本発明は、化粧紙6が下側横片4にくっついたままなので、化粧紙6のゴミを生じないし、カットテープで化粧紙6も切断しないため、紙片も生じず、包装用袋1内に紙片が進入することもない。
【0130】
また、従来は、カットテープで化粧紙6を上下に2分割して、その上で、上側横片と下側横片を開封する必要があり、少なくともカットテープで化粧紙を2分割する動作、上側横片を上側に開口する動作、さらに下側横片を下側に開口する動作の3アクションが必要であった。
【0131】
これに対して、本発明は、化粧紙6を下方(矢印B方向)に引き下げる動作と(縦方向、化粧紙6の長手方向とは直交する方向)、上側横片5を上方に引き上げる動作(矢印A方向)と、さらに化粧紙6を、下側横片4と共に下方(矢印B方向)に開口する動作の3アクションが必要であるが、カットテープを使用しない点、化粧紙6を切断せず、紙片が発生しない点において、従来よりも優れているものと考える。
【0132】
また、化粧紙を従来は横方向に引き剥しており(水平、長手方向とは平行)、かつ、上側横片と下側横片を上下に開口する動作が必要であり、従来の化粧紙を横方向に引き剥すと、化粧紙が角底部から完全に分離し、化粧紙自体がゴミになるし、紙片も発生し、好ましくなかった。本発明は、長方形の化粧紙6を下方に引き剥すため(縦方向、化粧紙6の長手方向とは直交する方向)、上側横片4と共に、化粧紙6と上側横片4を共に下方に引き剥すため、化粧紙6は角底部2から分離しないため、化粧紙6自体もゴミにならないし、化粧紙6を引き剥す距離も短いので、紙片の発生も最小限に抑えることが可能となる。
【0133】
以上のように、本発明の第3の実施形態の包装用袋1によると、開口部(1')に左右に頂点部(3a,3a)が外側を向いた大二等辺三角部(3,3)が各々形成され、下側水平線(T1)に沿って下側横片(4)を上側に折り曲げられ、上側水平線(T2)に沿って上側横片(5)を下側に折り曲げられ、上記上側横片(5)と上記下側横片(4)間に重なり部分(S1)が形成され、中央の長方形状部(2')と該長方形状部(2')の左右に上記大二等辺三角部(3,3)の左右の外側三角部(3',3')が各々形成された角底部(2)を有する包装用袋(1)において、上記下側横片(4)の左右の各直角三角部(4a,4a)の各表面に剥離糊(R1,R1)が塗布され、上記上側横片(5)の左右の各直角三角部(5a,5a)の各表面に剥離糊(R2,R2)が塗布され、上記上側横片(5)の横縁(5b)の表面に水平に剥離糊(R3)が塗布され、上記上側横片(5)と上記下側横片(4)を上記下側水平線(T1)及び上記上側水平線(T2)に沿って上述のように折り曲げて接着した上記角底部(2)が形成され、かつ、上記角底部(2)上の上記長方形状部(2')のエリアに長方形状の化粧紙(化粧片)(6)が貼り付けられるものであり、上記化粧紙(化粧片)(6)の裏面(6")は、上記下側横片(4)の下半部かつ上記上側横片(5)の横縁(5b)にかからないように固着糊(L)が塗布され、それ以外の部分については剥離糊(R4)が塗布され、さらに、上記化粧紙(6)の裏面(6")は、上記角底部(2)の上縁(2a)に沿って剥離糊(R4)が塗布されない指入れ部(9)が設けられたものである。
【0134】
(第4の実施形態)
図12に示すように、包装用袋1(材質は、例えば、クラフト紙、例えば坪量75g/m
2)の角底部2の形成方法は、第1の実施形態と同じである。但し、剥離糊R3は存在しない。
【0135】
即ち、
図12に示すように、上記下側水平線T1より下側の、上記下側横片4の左右の直角三角部4a,4aの表面側に、剥離糊R1,R1が直角三角形状に塗布され、また、上記上側水平線T2より上側の、上記上側横片5の左右の直角三角部5a,5aの表面側に、剥離糊R2,R2が直角三角形状に塗布される。また、上記第1の実施形態では、上側横片5の横縁5bに沿って、表面に線状の剥離糊R3が塗布されるが、剥離糊R3は、ここでは設けない。また、下側水平線T1は若干下方に、上側水平線T2は若干上方に設けることにより、重なり部分S2の縦方向の幅は、第1~第3の実施形態(例えば
図2)より減少する(
図13参照)。
【0136】
そして、下側横片4を上記下側水平線T1に沿って上側に折り曲げることにより、直角三角形状の上記剥離糊R1,R1が接着され、上記大二等辺三角部3,3の左右側下半部の各表面側(
図13の直角三角部4a,4a、剥離糊R1,R1)が接着されることにより、上記下側横片4が上記大二等辺三角部3,3の下半部に接着される(
図13参照)。
【0137】
かつ、上記上側横片5を上記上側水平線T2に沿って下側に折り曲げることにより、直角三角形状の上記剥離糊R2,R2が接着され、上記大二等辺三角部3,3の左右側上半部の各表面側(
図13の直角三角部5a,5a、剥離糊R2,R2)が接着されることにより、上記上側横片5が上記大二等辺三角部3,3の上半部に接着される(
図13参照)。
【0138】
このとき、上記大二等辺三角部3,3の左右の頂点部3a,3aと上記上側横片5と上記下側横片4にて形成される頂点部3b,3bとが、左右方向に同一位置となるように構成する。また、下側横片4が下で上側横片5が上であり、重なり部分S2が設けられるが、下側横片4の表面と上側横片5の横縁5bの裏面部分は接着されていない。また、上記重なり部分S2の上下方向の幅(縦方向の幅)は、第1~第3の実施形態よりも狭くなっている(S2<S1)。第1~第3の実施形態では例えばS1=30mm(例えば角底部2の上下方向の幅(a2)の10%~100%)、第4の実施形態では例えばS2=10mm(例えば角底部2の上下方向の幅(a2)の0%~50%)となる。
【0139】
尚、剥離性能を有する接着剤(剥離糊R1,R2)としては、酢酸ビニル樹脂系接着剤を5%以上15%以下、アクリル樹脂系接着剤を5%以上15%以下、ワックスを5%以上15%以下、上記酢酸ビニル系接着剤と上記アクリル樹脂系接着剤とワックスの合計成分が25%以上35%以下であり、それ以外は、水を65%(上記合計成分が35%の場合)~75%(上記合計成分が25%の場合)の成分を有するものは剥離糊として機能する。剥離糊としては、その他の構成成分%の剥離糊を使用することも可能である。尚、接着剤としての剥離糊は一般的なものであり、特に特殊なものではない。これは第1の実施形態と同様である。
【0140】
化粧紙6のサイズは、上記長方形状部2'と略同一である。即ち、化粧紙6の横幅は、角底部2の横幅a1と略同一であり、化粧紙6の縦の長さは角底部2の縦の長さa2と略同一であり、全体として長方形を形成している(
図13参照。例えばa1=400mm、a2=90mm)。
【0141】
次に、化粧紙6(例えば、クラフト紙、例えば坪量75g/m
2)について
図13、
図14を使用して説明する。上記化粧紙6は、その表面6'側は、何ら糊は塗布されないが、裏面6"側に固着糊Lと剥離糊R4を塗り分ける。
【0142】
ここで固着糊Lとは、接着力の強い糊であり、例えば酢酸ビニル樹脂系接着剤をはじめとする接着剤等がある。また、第4の実施形態としては、化粧紙6に使用する剥離糊R4は、接着強度が、第1~第3の実施形態の包装用袋1の角底部2の剥離糊R1~R3と同一のものでも良いが、第4の実施形態の化粧紙6に使用される剥離後R4は、第1~第3の実施形態の角底部2に使用される剥離糊R1~R3の接着強度より強いものを使用しても良い(第1~第3の実施形態と同一)。
【0143】
また剥離糊R4は、剥離糊R1~R3より接着強度が強いものは、例えば酢酸ビニル樹脂系接着剤とワックスの混合物をはじめとした剥離性能を有する接着剤である。上記剥離糊R4としては、例えば、酢酸ビニル樹脂系接着剤を10%以上20%以下、ワックスを5%以上15%以下、上記酢酸ビニル樹脂系接着剤と上記ワックスの合計成分が25%以上35%以下、それ以外は、水を65%(上記合計成分が35%の場合)~75%(上記合計成分が25%の場合)の成分を有するものは剥離糊として機能する。尚、アクリル樹脂系接着剤は接着強度が弱いので、酢酸ビニル樹脂系接着剤を10%以上20%以下にすることで、ワックスの成分は同一であっても接着強度は高まる。剥離糊は公知の技術であり、特に特殊なものではない。この点は第1の実施形態と同様である。
【0144】
即ち、第1~第4の実施形態の固着糊Lと剥離糊の接着強度は、「化粧紙6の固着糊L」>「化粧紙6の剥離糊R4=包装用袋1の角底部2の剥離糊R1~R3」、又は、「化粧紙6の固着糊L」>「化粧紙6の剥離糊R4」>「包装用袋1の角底部2の剥離糊R1~R3」の順となる。
【0145】
また、第4の実施形態に限定すると、上記剥離糊の接着強度は、剥離糊R1,R2と同一でも良いが、「化粧紙6の固着糊L」>「化粧紙6の剥離糊R4」>「包装用袋1の角底部2の剥離糊(R1,R2)」の順となることが好ましい。
【0146】
このように、角底部2の剥離糊R1~R3の弱い接着強度、化粧紙6の剥離糊R4のより強い接着強度は、2種類存在することになる。
【0147】
上記化粧紙6の裏面6"の固着糊Lは、化粧紙6の中央線Pの左右同一長さであり、上記角底部2に貼付した場合(
図14参照)、上記上側横片5の上面に対応して位置するように塗布され、それ以外の部分(長方形状部2'の固着糊L以外の部分)には剥離糊R4が塗布されている。よって、上記化粧紙6をその裏面6"を以って角底部2(長方形状部2')に貼付すると、上記固着糊Lの部分は上記上側横片5の上面に貼付され、それ以外の部分は、剥離糊R4が貼付される。よって、指入れ部9から上方(矢印A方向)に化粧紙6を引き剥すと(
図5参照)、剥離糊R2は剥がれて、上側横片5に接着している固着糊Lが強く接着しているため、化粧紙6が上記上側横片5と共に開封できる機能を有していることになる。
【0148】
その一例として、例えば、
図13、
図14に示すように、上記化粧紙6の裏面6"側は、上辺6aに沿って中央部には、横幅a1の約55%に亘ると共に、縦の長さa2の約43%に亘る固着糊Lが長方形状に塗布され、それ以外の部分には、剥離糊R4が塗布されている。この固着糊Lは、その上辺Loは、上記上辺6aに近接して塗布され、化粧紙6の中央線Pの左右方向の塗布部が同一の長さになるように、中央部に塗布されている。上記固着糊Lの縦方向の左右の縦辺Lq,Lsは、上記上側横片5の縦方向の幅と略同一の長さであり、上記上側横片5の縦方向の略幅一杯に広がっている(
図14参照)。上記固着糊Lは、
図13では、長方形状に塗布されているが、この形状はどのような形状でも良く、逆台形状(第2の実施形態)、三角形状、菱形状、円形状、楕円形状等であっても良い。また、三角状、円形状のものを横方向に2個~4個等、並べて塗布しても良い。
【0149】
そして、重なり部分S2の縦方向の幅は、第1~第3の実施形態(例えば
図1)より減少しており、上記固着糊Lの下辺Lpは、上記上側横片5の横縁5bに近接した位置にあり、剥離糊R4は、横縁5bに沿って位置しているので、これにより、剥離糊R4の上側横片5の横縁5bから指入れ部9の上縁までの幅が、第1の実施形態(
図4参照)より長くなっており(第1の実施形態では例えば15mm、第4の実施形態では例えば25mm)、化粧紙6の裏面6"の剥離糊R4と下側横片4の表面との接着は、強度が高まっているので、上記角底部2の上側横片5の裏面と下側横片4の表面の剥離糊R3は存在しなくても良い。即ち、重なり部分S1より縦方向の幅(S2)が狭く形成されているので、化粧紙6の剥離糊R4が上側横片5の横縁5bから下側横片4の下縁4dまでを接着する面積が上下方向に広がることで接着強度が向上するので、第1~第3の実施形態において設けていた水平の剥離糊R3を設ける必要がなくなり、開封性を向上することができる。接着する面積(距離)は(上記横縁5bから下側横片4の下縁4dまでの距離は)、第1~第3の実施形態では例えば30mm、第4の実施形態では例えば40mmとなる。
【0150】
上記固着糊L以外の部分には、化粧紙6の裏面6"全体に、剥離糊R4が塗布されている。
【0151】
即ち、剥離糊R4は、上記固着糊L以外の部分、即ち、上側横片5の左右の直角三角部5a,5a、内側三角形部分3",3"、及び、下側横片4の略全域に塗布されている。また、化粧紙6の下辺6bの中央部分には(上記角底部2の下縁2bに沿って)、台形状、矩形状、半円形状、三角形状等の剥離糊R4が塗布されない部分、即ち、指入れ部分9が形成されている。上記指入れ部9は、横幅a1の約50%に亘る部分(固着糊Lと同じ横幅)であって、この指入れ部9の上下方向幅は(長方形の場合)、縦の長さa2の約15%の長さとなっている(指入れ部9の横幅は、例えば200mm、縦の長さは、例えば、13.5mm)。この指入れ部9の個数、大きさ、形状は限定されない。また、指入れ部9は、化粧紙6の下辺6bの2箇所又は3箇所に設けても良く、その個数、形状は限定されない。
【0152】
上記固着糊Lと剥離糊R4との境界部分(固着糊Lの左右の縦辺Lq,Ls)は、一定の間隔t7を設けており、上記固着糊Lの上辺Loと上辺6aの間は間隔t8が設けられ、固着糊Lの下辺Lpと剥離糊R4の間は間隔t9が設けられている。これらの間隔t7~t9は、より狭くしても良いし、固着糊Lの周囲と剥離糊R4の間隔t7~t9は設けなくても良い。
【0153】
このように構成した化粧紙6を、その裏面6"側を上記角底部2の表面の長方形状部2'のエリアに対応して、貼付する。即ち、上記固着糊Lの部分が上記上側横片5上の中央部に位置するように構成し、その他の剥離糊R4の部分が、それ以外の部分に位置するように構成する(
図14参照)。
【0154】
固着糊Lの部分は、上側横片5の中央部の表面上に位置し、その上辺Loは角底部2の上縁2aに近接して位置し、固着糊Lの下辺Lpと、上記上側横片5の上記横縁5bとは、近接して位置している。
【0155】
上記固着糊L以外の部分は、剥離糊R4であり、この剥離糊R4が、角底部2の略全域に対応して位置し、上記固着糊Lの部分は、上記上側横片5の表面上に強く接着され、その他の部分は、剥離糊R4により接着される。
【0156】
剥離糊R4の部分は、上記上側横片5の左右表面(直角三角部5a,5a)、上記内側三角部3",3"の表面、及び、横縁5bに沿う下側横片4の左右方向の下側の表面(直角三角部4a,4a)に接着されることになる(
図14参照)。
【0157】
また、上記指入れ部9の部分(上記角底部2の下縁2b)は、剥離糊R4が塗布されておらず、下側横片4の表面と化粧紙6の裏面6"側との間は、接着されていない。
【0158】
このように構成される、包装用袋1を開封するには、
図5に示すように、角底部2の下縁2bに沿う指入れ部9に指を入れて、化粧紙6を上方(矢印A方向)に引き剥す。即ち、化粧紙6の長手方向と直交する方向(矢印A方向)に引き剥す。すると、化粧紙6の裏面6"の固着糊Lの部分は、上記上側横片5の表面の中央部に強く接着されており、一方、上側横片5の裏面(横縁5b)と下側横片4の表面は接着されていないので、上側横片5の左右端部は、直角三角形状の剥離糊R2,R2にて接着されているので、上記化粧紙6を上方に引き剥すことにより、固着糊Lの接着強度が、剥離糊R2,R2の接着強度より高いため、上記剥離糊R2,R2の部分は剥がれつつ、上記化粧紙6の裏面6"の固着糊Lは上記上側横片5に接着されたままとなる。
【0159】
結果として、
図6に示すように、化粧紙6を上方に引き剥すと、上側横片5も化粧紙6にくっついて、化粧紙6と共に上方に開口する。即ち、上記直角三角形状の剥離糊R2,R2も大二等辺三角部3,3の左右の上半部から剥がれ、上側横片5の表面側の固着糊Lの部分は化粧紙6と強く接着されているので、上側横片5は上記化粧紙6と共に上方に開口する(
図6参照)。
【0160】
このとき、上記上側横片5の裏面側と、上記下側横片4の表面側は、接着されていないので、
図13の重なり部分S2は第1から第3の実施形態の重なり部分S1より縦方向の幅が短いため、上側横片5の横縁5bから下側横片4の下縁4d(角底部2の下縁2b)までの縦方向の幅は第1~第3の実施形態より長くなっており、化粧紙6の剥離糊R4が、上側横片5の横縁5bから下側横片4の下縁4d(角底部2の下縁2b)までを剥離糊R4にて接着する面積が上下方向に広がることで接着強度が向上する。よって、水平の剥離糊R3が存在しないので、開封時の開封性は向上する。
【0161】
また、化粧紙6の剥離糊R4を包装用袋1の角底部2の剥離糊R1,R2の接着強度よりも強いものを用いた場合は、接着強度は維持されたまま、水平の剥離糊R3が存在しないので、開封時の開封性が向上する。
【0162】
その後は、下側横片4を下方(矢印B方向)に開口することにより(
図6参照)、包装用袋1を開封することができる。即ち、下側横片4は、上記大二等辺三角部3,3の左右の下半部に剥離糊R1,R1にて接着されているので、上記下側横片4を下方に比較的容易に開口することができる。
【0163】
このとき、従来のカットテープを使用しないため、従来はカットテープ自体がゴミになっていたが、カットテープ自体を使用しないため、ゴミを生じない。しかも、従来は、カットテープで化粧紙を横方向に上下に切断するので、切断部から紙片が発生し、これらの紙片が包装用袋1の内部に入ることもあるが、本発明は、化粧紙6が上側横片5にくっついたままなので、ゴミを生じないし、カットテープで化粧紙6も切断しないため、紙片も生じず、包装用袋1内に紙片が進入することもない。
【0164】
また、従来は、カットテープで化粧紙6を2分割して、その上で、上側横片と下側横片を開封する必要があり、少なくともカットテープで化粧紙を2分割する動作、上側横片を上側に開口する動作、さらに下側横片を下側に開口する動作の3アクションが必要であった。
【0165】
これに対して、本発明は、化粧紙6を上方(矢印A方向)に引き上げると(縦方向、化粧紙6の長手方向とは直交する方向)、上側横片5が一緒に開口されるので、化粧紙6を上方に引き上げる動作と、下側横片4を下側に開口する動作の2アクションで包装用袋を開封することができ、より短時間で開封することが可能となる。
【0166】
また、化粧紙を従来は横方向に引き剥しており(水平、長手方向とは平行)、化粧紙が角底部から完全に分離し、かつ、上側横片と下側横片を上下に開口する動作が必要であり、従来の化粧紙を横方向に引き剥すと化粧紙自体がゴミになるし、紙片も発生し、好ましくなかった。本発明は、長方形の化粧紙6を上方に引き剥すため(縦方向、化粧紙6の長手方向とは直交する方向)、上側横片5と共に、化粧紙6と上側横片5を共に上方に引き剥すため、化粧紙6の引き剥す距離も短いし、長方形の化粧紙6は上側横片5にくっついているため、化粧紙6自体もゴミにならないし、紙片の発生も最小限に抑えることが可能となる。また、剥離糊R3が存在しないので、開封性を向上することができる。
【0167】
以上のように、本発明の第4の実施形態の包装用袋1は、開口部(1')に左右に頂点部(3a,3a)が外側を向いた大二等辺三角部(3,3)が各々形成され、下側水平線(T1)に沿って下側横片(4)を上側に折り曲げられ、上側水平線(T2)に沿って上側横片(5)を下側に折り曲げられ、上記上側横片(5)と上記下側横片(4)間に重なり部分(S2)が形成され、中央の長方形状部(2')と該長方形状部(2')の左右に上記大二等辺三角部(3,3)の左右の外側三角部(3',3')が各々形成された角底部(2)を有する包装用袋(1)において、上記下側横片(4)の左右の各直角三角部(4a,4a)の各表面に剥離糊(R1,R1)が塗布され、上記上側横片(5)の左右の各直角三角部(5a,5a)の各表面に剥離糊(R2,R2)が塗布され、上記上側横片(5)と上記下側横片(4)を上記下側水平線(T1)及び上記上側水平線(T2)に沿って上述のように折り曲げて接着した上記角底部(2)が形成され、上記重なり部分(S2)は上記第1~第3の何れかに記載の重なり部分(S1)より縦方向の幅が狭く形成され、かつ、上記角底部(2)上の上記長方形状部(2')のエリアに、長方形状の化粧紙(化粧片)(6)貼り付けられるものであり、上記化粧紙(化粧片)(6)の裏面6"は、上記上側横片(5)の中央部に対向して固着糊(L)が塗布され、それ以外の裏面(6")については剥離糊(R4)が塗布され、さらに、上記化粧紙(6)の裏面(6")は、上記角底部(2)の下縁(2b)に沿って剥離糊(R4)が塗布されない指入れ部(9)が設けられたものである。
【0168】
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態を
図16、
図17にて説明する。
包装用袋1の角底部2の折り方、及び、剥離糊R1~R3の塗布の仕方は
図1、
図2(第1の実施形態)と同様であるので説明は省略する(即ち、水平の剥離糊R3は上記上側横片5と上記下側横片4との接着に使用されている)。また、包装用袋1と化粧紙(化粧片)6の材質も第1の実施形態と同様であり、固着糊Lと剥離糊R1~R4の成分も第1の実施形態と同様であるので、説明は省略する。
【0169】
尚、包装用袋1の角底部2に使用される剥離糊R1~R3と、化粧紙6に使用される剥離糊R4の接着強度は同一のものでも良いが、剥離後R4が上記剥離糊R1~R3より接着強度が強いもの(固着糊Lの接着強度よりは低い)であっても良い。この点は、第1の実施形態と同様である。
【0170】
また、化粧紙6の剥離糊R4の接着面積が大きいので(略角底部2の長方形状部2'の略全域)、包装用袋1の角底部2は、第4の実施形態の角底部2(重なり部分S2の縦方向の幅が狭く(S2<S1)、水平の剥離糊R3が存在しない)でも良い。尚、
図17(a)~(d)は、角底部2は第4の実施形態の事例を示す。
【0171】
図16(a)~(d)に化粧紙6を示す。化粧紙6の表面6'は何ら糊は塗布されていないが、裏面6"に固着糊Lと剥離糊R4を塗り分ける。尚、化粧紙6の左側の左辺6c、右側の右辺6dとし、
図16(b)は上記角底部2の右側の上記二点鎖線7に対応する部分を右辺6d'とする。
【0172】
図16(a)の化粧紙6は、上記角底部2の右側の内側三角部3"に対応する部分に、内側三角部3"と相似形状に縦方向の三角形状の固着糊Lを塗布し(頂点部3bは内側)、それ以外は裏面6"の略全域に剥離糊R4を塗布する。即ち、上記化粧片6の右辺6dに沿って少なくとも上下方向に所定範囲の縦方向の三角形状の固着糊Lが塗布されている。上記所定範囲とは、化粧紙6の右辺6dから例えば10mm程度であり、上記固着糊Lは化粧紙6の右端(又は左端)に位置していると言える。
【0173】
また、剥離糊R4の左側の短手方向(左辺6c、角底部2の長方形状部2'の左縁2c)には例えば縦の台形状の剥離糊R4が塗布されていない範囲、即ち指入れ部9が設けられている。
【0174】
図16(b)の化粧紙6は、上記角底部2の右側の頂点部3aまで右側方向にのみ長手方向に延長し(縦方向の幅は変わらず)、上記角底部2の右側の内側三角部3"と外側三角部3'に菱形状(内側三角部3"と外側三角部3'に相似形状)の固着糊Lを塗布し、それ以外は裏面6"の略全域に剥離糊R4を塗布する(右端の延長部分は、剥離糊R4は塗布されない)。即ち、上記化粧片6の右辺6dに沿って少なくとも上下方向に所定範囲の菱形状の固着糊Lが塗布されている。上記所定範囲とは、化粧紙6の右辺6d'から例えば左右方向に例えば約20mm程度(例えば±10mm程度)であり、上記固着糊Lは化粧紙6の右端(又は左端)に位置していると言える。
【0175】
また、剥離糊R4の左側(左辺6c)の短手方向(角底部2の長方形状部2'の左縁2c)には例えば縦の台形状の剥離糊R4が塗布されていない範囲、即ち指入れ部9が設けられている。
【0176】
図16(c)の化粧紙6は、上記角底部2の二点鎖線7の下縁2"(右辺6dの下端)から左方向に例えば約10mm程度、長方形状に固着糊Lを塗布し、それ以外は裏面6"の略全域に剥離糊R4を塗布する。即ち、上記化粧片6の右辺6dに沿って少なくとも上下方向に所定範囲の長方形状の固着糊Lが塗布されている。上記固着糊Lは化粧紙6の右端(又は左端)に位置していると言える。尚、固着糊Lの左端は、角底部2の右側の頂点部3bには達しておらず、若干右側で終わっている。
【0177】
また、剥離糊R4の左側(左辺6c)の短手方向(角底部2の長方形状部2'の左縁2c)には例えば縦の台形状の剥離糊R4が塗布されていない範囲、即ち指入れ部9が設けられている。
【0178】
図16(d)の化粧紙6は、固着糊Lの部分は上記(a)と(c)の合体したものであり、上記角底部2の右側の内側三角部3"((a)の三角形状の固着糊L)と上記長方形状の固着糊L((c)の固着糊L(上記下縁2"(右辺6dの下端)から左方向に例えば約10mm程度の幅))との範囲の固着糊Lを塗布したものである。即ち、上記化粧片(6)の右辺6dに沿って少なくとも上下方向に所定範囲の固着糊Lが塗布されている。上記固着糊Lは化粧紙6の右端(又は左端)に位置していると言え、固着糊Lの左端中央部に突起が設けられている。また、剥離糊R4の左側(左辺6c)の短手方向(角底部2の長方形状部2'の左縁2c)には例えば縦の台形状の上記剥離糊R4が塗布されていない範囲、即ち指入れ部9が設けられている。
【0179】
上記実施形態では、固着糊Lが右側(右辺6d)、指入れ部9が左側(左辺6c、角底部2の長方形状部2'の左縁2c)の例を示したが、左右が逆転しても良い。即ち、固着糊Lが左側(左辺6c)、指入れ部9が右側(右辺6d、角底部2の長方形状部2'の右縁2d)であっても良い。
【0180】
上記
図16(a)~(d)の各化粧紙6を角底部2の上記長方形状部2'に貼り付けた図面を、
図17(a)~(d)に示す。
【0181】
図17(a)は、固着糊L(三角形状)が上記角底部2の右側の内側三角部3"に接着され、それ以外は剥離糊R4が角底部2の略全域に接着され、指入れ部9は左辺6cに設けられる。
図17(b)は、固着糊L(菱型状)が上記角底部2の右側の内側三角部3"と外側三角部3'に接着され、それ以外は剥離糊R4が上記角底部の略全域に接着され、指入れ部9は左辺6cに設けられる。この場合、化粧紙6の右辺6dの上下の角部は、上記角底部2から浮いた状態となる。
図17(c)は、固着糊L(長方形状)が上記角底部2の右側の内側三角部3"の一部と上記上側横片5の右側の直角三角部5aの右側の一部と、上記下側横片4の右側の直角三角部4aの右側の一部に接着され、それ以外は剥離糊R4が上記角底部2の略全域に接着され、指入れ部9は左辺6cに設けられる。
図17(d)は、固着糊L(略長方形状であるが左端中央に突起を有している)が上記角底部2の右側の内側三角部3"と上記上側横片5の右側の直角三角部5aの右側の一部と、上記下側横片4の右側の直角三角部4aの右側の一部に接着され、それ以外は剥離糊R4が上記角底部2の略全域に接着され、指入れ部9は左辺6cに設けられる。
【0182】
この
図17(a)~(c)の包装用袋を開封するには、
図18に示すように、化粧紙6の左側の指入れ部9に指を入れて、右側横方向(化粧紙6の長手方向に平行)に化粧紙6を剥すと、化粧紙6の裏面の剥離糊R4の部分は、上側横片5と下側横片4の開封方向(矢印A方向、又は矢印B方向)とは方向が異なるので、剥離糊R4は上側横片5と下側横片4の表面から剥がれて、化粧紙6のみを横方向に剥すことができる。
【0183】
尚、上記剥離糊R4の接着強度が角底部2を構成する剥離糊R1~R3より強い場合であっても、化粧紙6の開封方向(上記長手方向に平行な横方向)と、上側横片5の開封方向(化粧紙6の長手方向とは直交する矢印A方向)、下側横片4の開封方向(化粧紙6の長手方向とは直交する矢印B方向)とは異なるので、剥離糊R4の接着強度が剥離糊R1~R3より強くても、角底部2から化粧紙6を剥すことが可能となる。
【0184】
そして、化粧紙6が右側の固着糊Lの部分まで剥されたとき、固着糊Lの接着強度は非常に高いので、化粧紙6の開封動作は、固着糊Lの左端部にて止まる。
【0185】
その後は、上側横片5を上方(矢印A方向)に開封し、下側横片4を下方(矢印B方向)に開封することで、包装用袋1を開封することができる(この場合、上側横片5が上で下側横片4が下の場合は、この順番となるが、上側横片5が下で下側横片4が上の場合は、最初に上側横片4を下方向に開口し、その後に上側横片5を上方向に開口することで、包装用袋を開封することができる)。
【0186】
尚、上記実施形態は、化粧紙6を左方向から右方向に開封する場合を説明したが、固着糊Lを左側、指入れ部9を右側に設け、化粧紙6を右側から左側に横方向に開封する場合も同様である。
【0187】
このとき、従来のカットテープを使用しないため、従来はカットテープ自体がゴミになっていたが、カットテープ自体を使用しないため、カットテープのゴミを生じない。しかも、従来は、カットテープで化粧紙を横方向に上下に切断するので、切断部から紙片が発生し、これらの紙片が包装用袋1の内部に入ることもあるが、本発明は、化粧紙6が角底部2の右側(或いは左側)に固着糊Lにて、くっついたままなので、化粧紙6のゴミを生じないし、カットテープで化粧紙6も切断しないため、紙片も生じず、包装用袋1内に紙片が進入することもない。
【0188】
また、従来は、カットテープで化粧紙6を横方向に上下に分割して、その上で、上側横片と下側横片を開封する必要があり、少なくともカットテープで化粧紙を横方向に2分割する動作、上側横片を上側に開口する動作、さらに下側横片を下側に開口する動作の3アクションが必要であった。
【0189】
これに対して、本発明は、化粧紙6を横方向に剥す動作と、上側横片5を上方に引き上げる動作と、下側横片4と共に下側に開口する動作の3アクションが必要であるが、カットテープを使用しない点、化粧紙6がゴミにならず、化粧紙6を切断せず、紙片が発生しない点において、従来よりも優れているものと考える。
【0190】
また、化粧紙を従来は化粧紙は角底部から完全に分離し、かつ、上側横片と下側横片を上下に開口する動作が必要であり、従来の化粧紙を横方向に引き剥すと角底部から分離し化粧紙自体がゴミになり好ましくなかった。本発明は、化粧紙6を横方向に引き剥すが、化粧紙6は角底部2に固着糊Lにて接着されており、分離しないので、化粧紙6自体もゴミにならないし、紙片の発生も最小限に抑えることが可能となる。
【0191】
第4の実施形態の角底部2を使用した場合は、剥離糊R3が存在しないので、開封性を向上させることができる。
【0192】
従って、本発明の第5の実施形態の包装用袋は、開口部(1')に左右に頂点部(3a,3a)が外側を向いた大二等辺三角部(3,3)が各々形成され、下側水平線(T1)に沿って下側横片(4)を上側に折り曲げられ、上側水平線(T2)に沿って上側横片(5)を下側に折り曲げられ、上記上側横片(5)と上記下側横片(4)間に重なり部分(S1)が形成され、中央の長方形状部(2')と該長方形状部(2')の左右に上記大二等辺三角部(3,3)の左右の外側三角部(3',3')が各々形成された角底部(2)を有する包装用袋(1)において、上記下側横片(4)の左右の各直角三角部(4a,4a)の各表面に剥離糊(R1)が塗布され、上記上側横片(5)の左右の各直角三角部(5a,5a)の各表面に剥離糊(R2)が塗布され、上記上側横片(5)の横縁(5b)の表面に水平に剥離糊(R3)が塗布され、上記上側横片(5)と上記下側横片(4)を上記下側水平線(T1)及び上記上側水平線(T2)に沿って上述のように折り曲げて接着した上記角底部(2)が形成され、かつ、上記角底部(2)上の上記長方形状部(2')のエリアに、長方形状の化粧片(化粧紙)(6)が貼り付けられるものであり、上記化粧片(6)の裏面(6")は、上記化粧片(6)の右辺(6d)又は左辺(6c)に沿って少なくとも上下方向に所定範囲の固着糊(L)が塗布され、それ以外の部分は剥離糊(R4)が塗布され、さらに、上記化粧片(6)の裏面(6")は、上記角底部(2)の上記長方形状部(2')の左縁(2c)又は右縁(2d)に沿って剥離糊(R4)が塗布されない指入れ部(9)が設けられたものである。
【0193】
また、上記重なり部分(S2)は上記第1~第3の何れかに記載の実施形態の重なり部分(S1)より縦方向の幅が狭く形成され、かつ、上記上側横片(5)の横縁(5b)の表面に水平に上記剥離糊(R3)が塗布されていないものである。
【0194】
(第6の実施形態)
次に、第6の実施形態を
図19にて説明する。
包装用袋1の角底部2の折り方、及び、剥離糊R1~R3の塗布の仕方は
図1、
図2(第1の実施形態)と同様であるので説明は省略する(即ち、水平の剥離糊R3は上記上側横片5と上記下側横片4との接着に使用されている)。また、包装用袋1と化粧紙(化粧片)6の材質も第1の実施形態と同様であり、固着糊Lと剥離糊R1~R4の成分も第1の実施形態と同様であるので、説明は省略する。
【0195】
尚、包装用袋1の角底部2に使用される剥離糊R1~R3と、化粧紙6に使用される剥離糊R4の接着強度は同一のものでも良いが、剥離後R4が上記剥離糊R1~R3より接着強度が強いもの(固着糊Lの接着強度よりは低い)であっても良い。この点は、第1の実施形態と同様である。
【0196】
また、化粧紙6の剥離糊R4の接着面積が大きいので(略角底部2の長方形状部2'の略全域)、包装用袋1の角底部2は、第4の実施形態の角底部2(重なり部分S2の縦方向の幅が狭く(S2<S1)、水平の剥離糊R3が存在しない)でも良い。尚、
図19(b)、
図20は、角底部2は第1の実施形態の事例を示す。
【0197】
図19(a)に示すように、化粧紙6の中央に縦方向の直線状のミシン目8を設け(ミシン目8は1本のミシン目)、表面6'は何ら糊は塗布されていないが、裏面6"に固着糊L,L(長方形状)と剥離糊R4を塗り分ける。上記ミシン目8は上辺6aから下辺6bまでに至る直線状に設け、かつ上記ミシン目8は化粧紙6の表裏を貫通している。尚、ミシン目8は、化粧紙6の表裏を貫通しないミシン目(弱め線)でも良い。また、ミシン目8は通常、中央の縦方向に設けるが、中央から左方向或いは右方向にずれた位置における縦方向に設けても良い。また、上記ミシン目8は、縦方向の斜め方向に設けても良い。この場合、固着糊L,Lは、
図19(a)と同様に、化粧紙6の左右の2か所に塗布する。
【0198】
上記化粧紙6の裏面6"の左右両辺6c,6dにおいて、上記左右辺6c,6dから内側方向に例えば約10mm程度に長方形状に固着糊L,Lを塗布し、それ以外の裏面6"には剥離糊R4が塗布されている。また、化粧紙6の下辺6bの裏面6"には、例えば三角形状の剥離糊R4が塗布されていない指入れ部9が(角底部2の下縁2bに沿って)設けられている。この場合、固着糊Lと指入れ部9はどのような形状であっても良く、また、指入れ部9は化粧紙6の上辺6aに設けても良い。
【0199】
また、ミシン目8に沿って上記指入れ部9を三角形状に設けても良い(例えば
図21(b)参照)。
【0200】
このような化粧紙6を、
図19(b)に示すように上記角底部2の長方形状部2'に貼り付ける。この場合、固着糊Lが上記角底部2の右側の内側三角部3"の一部と上記上側横片5の右側の直角三角部5aの一部と、上記下側横片4の右側の直角三角部4aの右側の一部に接着され、さらに、固着糊Lが上記角底部2の左側の内側三角部3"の一部と上記上側横片5の左側の直角三角部5aの一部と、上記下側横片4の左側の直角三角部4aの左側の一部に接着される。また、それ以外の部分は、角底部2の上側横片5と下側横片4の略全域と、左右の内側三角部3",3"の内側の一部に剥離糊R4が接着される。
【0201】
このように構成された包装用袋1を開封するには、化粧紙6の下辺6b(角底部2の下縁2b)の上記指入れ部9に指を入れ、ミシン目8に沿って上方に化粧紙6を左右に2分割し(指入れ部9が上辺6aに存在する場合は、上辺6aの(角底部2の上縁2aに沿って)指入れ部9に指を入れて下方にミシン目8に沿って化粧紙6を左右に2分割し、ミシン目8に沿って指入れ部9が設けられる場合は、上下にミシン目8を開き)、左側の半分の化粧紙6eと右側の半分の化粧紙6fを、左右方向に剥がす(
図20参照)。即ち、左側の化粧紙6eを左側(横方向に平行)に剥がし、右側の化粧紙6fを右側(横方向に平行)に剥がす。化粧紙6の剥離糊R4は、上側横片5は開封方向(化粧紙6の長手方向とは直交する矢印A方向)とは異なり、下側横片4は開封方向(化粧紙6の長手方向とは直交する矢印B方向)とは異なるので、剥離糊R4は上側横片5と下側横片4の表面から剥がれる。
【0202】
尚、上記剥離糊R4の接着強度が角底部2を構成する剥離糊R1~R3より強い場合であっても、化粧紙6の開封方向(上記化粧紙6の上記長手方向に平行な左右方向)と、上側横片5の開封方向(矢印A方向)、下側横片4の開封方向(矢印B方向)とは異なるので、角底部2から剥離糊R4は剥がれ、化粧紙6は剥すことが可能となる。
【0203】
また、左側の半分の化粧紙6eと、右側の半分の化粧紙6fは、左右方向に開くと、固着糊L,Lの部分において、固着糊L,Lの接着強度は高いので、化粧紙6e,6fの開封は、固着糊L,Lの内側端部にて止まる。その後は、上側横片5を上方(矢印A方向)に開封し、その後、下側横片4を下方(矢印B方向)に開封することにより、包装用袋1を開封することができる。尚、上側横片5と下側横片4は、左右両端部には固着糊Lが若干存在するが、固着糊Lの部分は狭いので上側横片5と下側横片4とを、上方及び下方に開封することが可能となる(上側横片5と下側横片4の順番は逆でも良い)。
【0204】
このとき、従来のカットテープを使用しないため、従来はカットテープ自体がゴミになっていたが、カットテープ自体を使用しないため、カットテープのゴミを生じない。しかも、本発明は、化粧紙6e,6fが角底部2の左右側にくっついたままなので、化粧紙6のゴミを生じないし、ミシン目8にて縦方向に分割して左右に2分割するものであり、分割する範囲(短手方向)が短いので、カットテープで化粧紙6も水平方向に2分割しないため、紙片の発生も最小限に抑えることができ、包装用袋1内に紙片が進入することもない。
【0205】
また、従来は、カットテープで化粧紙6を横方向に上下に2分割して、その上で、上側横片と下側横片を開封する必要があり、少なくともカットテープで化粧紙を横方向に2分割する動作、上側横片を上側に開口する動作、さらに下側横片を下側に開口する動作の3アクションが必要であった。
【0206】
これに対して、本発明は、化粧紙6を中央でミシン目8に沿って左右に2分割する動作と、上側横片5を上方に引き上げる動作と、下側横片4と共に下側に開口する動作の略3アクションが必要であるが、カットテープを使用しない点、において、紙片の発生も少なく、従来よりも優れているものと考える。
【0207】
また、化粧紙を従来は角底部から完全に分離し、かつ、上側横片と下側横片を上下に開口する動作が必要であり、従来の化粧紙を横方向に引き剥すと、化粧紙が角底部から完全に分離し、化粧紙自体がゴミになり好ましくなかった。本発明は、化粧紙6を左右方向に引き剥すが、半分の化粧紙6e,6fは各底部2に固着糊L,Lにて接着されており、分離しないので、化粧紙6自体もゴミにならないし、紙片の発生も最小限に抑えることが可能となる。
【0208】
以上のように、本発明の第6の実施形態の包装用袋は、開口部(1')に左右に頂点部(3a,3a)が外側を向いた大二等辺三角部(3,3)が各々形成され、下側水平線(T1)に沿って下側横片(4)を上側に折り曲げられ、上側水平線(T2)に沿って上側横片(5)を下側に折り曲げられ、上記上側横片(5)と上記下側横片(4)間に重なり部分(S1)が形成され、中央の長方形状部(2')と該長方形状部(2')の左右に上記大二等辺三角部(3,3)の左右の外側三角部(3',3')が各々形成された角底部(2)を有する包装用袋(1)において、上記下側横片(4)の左右の各直角三角部(4a,4a)の各表面に剥離糊(R1)が塗布され、上記上側横片(5)の左右の各直角三角部(5a,5a)の各表面に剥離糊(R2)が塗布され、上記上側横片(5)の横縁(5b)の表面に水平に剥離糊(R3)が塗布され、上記上側横片(5)と上記下側横片(4)を上記下側水平線(T1)及び上記上側水平線(T2)に沿って上述のように折り曲げて接着した上記角底部(2)が形成され、かつ、上記角底部(2)上の上記長方形状部(2')のエリアに、長方形状の化粧片(化粧紙)(6)が貼り付けられるものであり、上記化粧片(6)は縦方向又は縦方向の斜め方向に上記化粧片(6)を左右に2分割するミシン目(8)が形成されており、上記化粧片(6)の裏面(6")は、上記化粧片(6)の右辺(6d)及び左辺(6c)に沿って少なくとも上下方向に所定範囲の固着糊(L,L)が塗布され、それ以外の部分は剥離糊(R4)が塗布され、さらに、上記化粧片(6)の裏面(6")は、上記角底部(2)の下縁(2b)又は上縁(2a)に沿って剥離糊(R4)が塗布されない指入れ部(9)が設けられたものである。
【0209】
また、上記重なり部分(S2)は第1の実施形態の重なり部分(S1)より縦方向の幅が狭く形成され、かつ、上記上側横片(5)の横縁(5b)の表面に水平に上記剥離糊(R3)が塗布されていない包装用袋により構成される。
【0210】
また、上記指入れ部(9)は、上記角底部(2)の下縁(2b)又は上縁(2a)に代えて、上記ミシン目(8)に沿って上記化粧片(6)の上記裏面(6")側に上記剥離糊(R4)の塗布していない指入れ部(9)を設けたものである。
【0211】
(第7の実施形態)
上記化粧紙6のミシン目8の他の実施形態を
図21、
図22に示す。
包装用袋1の角底部2の折り方、及び、剥離糊R1~R3の塗布の仕方は
図1、
図2(第1の実施形態)と同様であるので説明は省略する(即ち、水平の剥離糊R3は上記上側横片5と上記下側横片4との接着に使用されている)。また、包装用袋1と化粧紙(化粧片)6の材質も第1の実施形態と同様であり、固着糊Lと剥離糊R1~R4の成分も第1の実施形態と同様であるので、説明は省略する。
【0212】
尚、包装用袋1の角底部2に使用される剥離糊R1~R3と、化粧紙6に使用される剥離糊R4の接着強度は同一のものでも良いが、剥離後R4が上記剥離糊R1~R3より接着強度が強いもの(固着糊Lの接着強度よりは低い)であっても良い。この点は、第1の実施形態と同様である。
【0213】
また、化粧紙6の剥離糊R4の塗布面積が広いので(第4の実施形態と同じ、
図21(b)、
図22(b)参照)、或いは、
図21(c)、
図22(c)の場合は、剥離糊R4と固着糊Lの合計の塗布面積が広いので(第4の実施形態と同じ)、包装用袋1の角底部2は、第4の実施形態の角底部2(重なり部分S2の縦方向の幅が狭く(S2<S1)、水平の剥離糊R3が存在しない)でも良い。尚、
図21(b)(c)、
図22(b)(c)は、角底部2は第4の実施形態の事例を示す。
【0214】
上記化粧紙6の裏面6"では、上記上側横片5の表面に対応するように長方形状の固着糊Lを塗布し、それ以外は剥離糊R4を塗布する(
図21(b)、
図22(b)参照)。
【0215】
上記ミシン目8は、上記角底部2の上側横片5と相似形状に逆台形状のミシン目8(ミシン目8は1本のミシン目)を設ける(
図21(a)(b)参照)。この場合、横方向の直線状のミシン目8aは、上側横片5の横縁5bの下側に設ける。
【0216】
或いは、化粧紙6の長手方向に平行に横方向に直線状のミシン目8を設ける(
図22(a)参照)。横方向の直線状のミシン目8(ミシン目8は1本のミシン目)の場合は、上記上側横片5の横縁5bより下方に設ける(
図22(b)参照)。
【0217】
さらに、
図21(b)の場合は、中央部の横方向のミシン目8aの部分に化粧紙6の裏面6"に剥離糊R4を塗布しないエリア(指入れ部9)を設ける。尚、横方向の直線状のミシン目8の場合も、裏面6"に、中央部に剥離糊R4を塗布しないエリア(指入れ部9)を設ける(
図22(b)参照)。そして上記化粧紙6を、包装用袋1の角底部2の長方形状部2'のエリアに貼り付ける。
【0218】
このように構成した包装用袋1を開封する場合は、逆台形状のミシン目8の場合は、指入れ部9からミシン目8に沿って化粧紙6を2分割し、ミシン目8に沿って上方と下方に約5mm程度の範囲で、化粧紙6を上方と下方に2分割し(化粧紙6の上方は逆台形状、化粧紙6の下方は両サイドに三角部6g,6hが残る形状)、指入れ部9から上方の化粧紙6を上方(矢印A方向)に開口する。すると、化粧紙6は固着糊Lにて上側横片5がくっついてくるので、その後は、上記三角部6g,6hを角底部2から下方に剥がして(剥離糊R4なので容易に剥がれる)、下側横片4を下方(矢印B方向)に開口することに(化粧紙6の下の分割片は下側横片4に剥離糊R4にてくっついているので)、略3アクションで包装用袋1を開封することができる。
【0219】
また、横方向の直線状のミシン目8の場合は(
図22(b)参照)、包装用袋1を開封する場合は、指入れ部9からミシン目8に沿って上方と下方に化粧紙6を2分割し、ミシン目8に沿って上方と下方に約5mm程度の範囲で、化粧紙6を上方と下方に2分割し、指入れ部9から上方の化粧紙6を上方(矢印A方向)に開口する(
図22(b)参照)。すると、固着糊Lにより、上側横片5がくっついてくるので、その後は、下側横片4を下方(矢印B方向)に開口することにより(化粧紙6の下の分割片は剥離糊R4にて下側横片4にくっついているので)、略3アクションで包装用袋1を開封することができる。
【0220】
このとき、従来のカットテープを使用しないため、従来はカットテープ自体がゴミになっていたが、カットテープ自体を使用しないため、カットテープのゴミを生じない。しかも、本発明は、化粧紙6がミシン目8に沿って上下に2分割されるが、化粧紙6の上半分は上側横片5にくっつき、化粧紙6の下半分は下側横片4にくっついたままなので、化粧紙6のゴミを生じない。
【0221】
また、化粧紙6の裏面6"において、下側横片4の範囲内において、下側横片4の下半部に左右方向に長方形状の固着糊Lを塗布しても良い(
図21(c)、
図22(c)参照)。
【0222】
このように構成すると、
図21(c)の場合、逆台形状のミシン目8に沿って上下約5mm程度を上下に分割し、化粧紙6の逆台形状の部分を上方に開くと、上側横片5に固着糊Lにてくっついて上方に開き、化粧紙6の下側の部分は上記下側横片4に固着糊Lにてくっついているので、化粧紙6の下半分がゴミになることはない。
【0223】
図22(c)の場合、横方向のミシン目8にて上下約5mm程度を分割し、化粧紙6の上の部分を上方に開くと、上側横片5に固着糊Lにてくっついて上方に開き、化粧紙6の下側の部分は上記下側横片4に固着糊Lにてくっついているので、化粧紙6の下半分がゴミになることはない。
【0224】
このように、本発明の第7の実施形態の包装用袋(1)は、開口部(1')に左右に頂点部(3a,3a)が外側を向いた大二等辺三角部(3,3)が各々形成され、下側水平線(T1)に沿って下側横片(4)を上側に折り曲げられ、上側水平線(T2)に沿って上側横片(5)を下側に折り曲げられ、上記上側横片(5)と上記下側横片(4)間に重なり部分(S1)が形成され、中央の長方形状部(2')と該長方形状部(2')の左右に上記大二等辺三角部(3,3)の左右の外側三角部(3',3')が各々形成された角底部(2)を有する包装用袋(1)において、上記下側横片(4)の左右の各直角三角部(4a,4a)の各表面に剥離糊(R1)が塗布され、上記上側横片(5)の左右の各直角三角部(5a,5a)の各表面に剥離糊(R2)が塗布され、上記上側横片(5)の横縁(5b)の表面に水平に剥離糊(R3)が塗布され、上記上側横片(5)と上記下側横片(4)を上記下側水平線(T1)及び上記上側水平線(T2)に沿って上述のように折り曲げて接着した上記角底部(2)が形成され、かつ、上記角底部(2)上の上記長方形状部(2')のエリアに、長方形状の化粧片(6)が貼り付けられるものであり、上記化粧片(6)は横方向に上記化粧片(6)を上下に2分割するミシン目(8)が形成されており、上記化粧片(6)の裏面は、上記上側横片(5)の中央部に固着糊(L)が塗布され、それ以外の部分は剥離糊(R4)が塗布され、さらに、上記化粧片(6)の裏面(6")は上記ミシン目(8)に沿って剥離糊(R4)が塗布されない指入れ部(9)が設けられたものである。
【0225】
また、本実施形態の包装用袋(1)は、上記化粧片(6)は上記上側横片(5)と相似形状に逆台形状に上記化粧片(6)を上下に2分割するミシン目(8)が形成されており、上記化粧片(6)の裏面(6")は、上記上側横片(5)の中央部に固着糊(L)が塗布され、それ以外の部分は剥離糊(R4)が塗布され、さらに、上記化粧片(6)の裏面(6")は、上記ミシン目(8)に沿って剥離糊(R4)が塗布されない指入れ部(9)が設けられたものである。
【0226】
また、本実施形態の包装用袋(1)は、上記化粧片(6)は、上記角底部(2)の上記長方形状部(2')に貼り付けたとき、上記上側横片(5)の中央部に固着糊(L)が塗布され、かつ下側横片(4)の部分に固着糊(L)が塗布され、それ以外の部分は剥離糊(R4)が塗布されているものである。
【0227】
(第8の実施形態)
上記化粧紙6のミシン目8の他の実施形態を
図23に示す。
包装用袋1の角底部2の折り方、及び、剥離糊R1~R3の塗布の仕方は
図1、
図2(第1の実施形態)と同様であるので説明は省略する。また、包装用袋1の角底部2に使用される剥離糊R1~R3と、化粧紙6に使用される剥離糊R4の接着強度は同一のものでも良いが、剥離後R4が上記剥離糊R1~R3より接着強度が強いものであっても良い。この点は、第1の実施形態と同様である。また、化粧紙6の剥離糊R4の塗布面積が広いので、包装用袋1の角底部2は、第4の実施形態の角底部2(重なり部分S2の縦方向の幅が狭く(S2<S1)、水平の剥離糊R3が存在しない)でも良い。
【0228】
図23(a)(b)は化粧紙6に逆台形状のミシン目8(ミシン目8は1本)を設けた事例であるが、ミシン目8に沿って、化粧紙6の裏面6"には、剥離糊R4が塗布されないエリア(指入れ部9)を設け、その指入れ部9の部分に対応して、ミシン目8に沿って切込11a(水平のミシン目8aの部分)又は切込11b(傾斜したミシン目8の部分)を設ける。上記切込11a又は切込11bは何れかを設ければよい。即ち、切込11a,11bは裏面6"には剥離糊R4は塗布されておらず、指入れ部9の範囲に対向して設けるので、容易に起立させることができる。また、上記切込11a又は11bは、半円形状、又は、小四角形状等に設ける。上記切込11a又は11bの形状に限定はない。これは、第6の実施形態と、第7の実施形態も同様である。
【0229】
図23(b)は、切込11aを起立させた状態を示し、切込11aを起立させることで、開封時の持ち手になる。尚、切込11aの化粧紙6の裏面6"は、剥離糊R4が塗布されない範囲(指入れ部9)が設けられている。固着糊Lと剥離糊R4は、
図21(b)(c)と同様である。
【0230】
このように構成した包装用袋1を開封する場合は、
図23(b)に示すように、台形状のミシン目8の場合は、切込11aを起立させ、指入れ部9からミシン目8に沿って逆台形状に化粧紙6を2分割し(ミシン目8に沿って上下に約5mm程度を角底部2から剥がし)、指入れ部9から上方の化粧紙6を上方(矢印A方向)に開口する(
図22(b)参照)。すると、固着糊Lにて上側横片5がくっついてくるので、その後は、下側横片4を下方(矢印B方向)に開口することにより(化粧紙6の下の分割片は下側横片4に剥離糊R4にくっついているので)、略3アクションで包装用袋1を開封することができる。尚、
図21(c)の場合は、下半分の化粧紙6を下方(矢印B方向)に開くと、下側横片4が固着糊Lにてくっついてくるので下半分の化粧紙6がゴミになることはない。
【0231】
このとき、従来のカットテープを使用しないため、従来はカットテープ自体がゴミになっていたが、カットテープ自体を使用しないため、カットテープのゴミを生じない。しかも、本発明は、化粧紙6が2分割されるが、化粧紙6の上片は、上側横片5にくっつき、化粧紙6の下辺は剥離糊R4(或いは固着糊L)により下側横片4にくっついたままなので、化粧紙6のゴミを生じない。
【0232】
以上のように本発明の第8の実施形態の包装用袋(1)は、上記指入れ部(9)に加えて、化粧片(6)の剥離糊(R4)の塗布していない部分において、化粧片(6)に切込(11a又は11b)を設けたものである。
【0233】
(第9の実施形態)
第9の実施形態を、
図15に示す。
まず、指入れ部9は、
図15(a)に示すような幅の狭い正方形状(矩形状)であっても良い。また、
図15(b)に示すように、上記指入れ部9に代えて、長方形状、逆台形状(矩形状)、半円形状、三角形状等の突出片10を設けても良い。上記突出片10は、指入れ部9が下辺6bであれば突出片10は下辺6bの中央部が外側に突出するように設け、指入れ部9が上辺6aであれば突出片10は上辺6aの中央部が外側に突出するように設ける。また、指入れ部9が化粧紙6の左辺6c、右辺6dであれば、突出片10を左辺6c、又は、右辺6dに設けることができる。
【0234】
この場合、突出片10の裏面には剥離糊は塗布されず、指入れ部9は設けられず、剥離糊R4が下辺6b、上辺6a、左辺6c、右辺6dに沿って塗布される。また、指入れ部9と突出片10を両方設けても良いし、突出片10の基端部に若干剥離糊R4を塗布しない範囲を設けても良い。
【0235】
このように突出部10を設けても、突出部10から化粧紙6を上方向(矢印A方向)、又は、下方向(矢印B方向)、左右方向に剥がすことができ、上記と同様の効果を奏し得るものである。突出片10の形状は限定されない。
以上のように、本発明の第9の実施形態の包装用袋(1)は、上記化粧片(6)において、上記化粧片(6)の裏側において、上記剥離糊(R4)が塗布されない上記指入れ部(9)に代えて、上記指入れ部(9)に対向して剥離糊(R4)が塗布されない突出片(10)が設けられたものである。
【実施例】
【0236】
上記第1の実施形態から第9の実施形態の各角底部2を有する各包装用袋1を(角底部2を剥離糊で接着し、化粧紙6を貼付したもの)、JIS Z 0217 1998「クラフト紙袋 落下試験」を行った。
【0237】
包装用袋1は、各々粉粒体を詰めて、重量は25kgとし、1.2mの高さから水平落下させた。回数は10回。
【0238】
第1の実施形態から第9の実施形態まで、各包装用袋1にて実験を行ったが、10回落下させても、角底部2の化粧紙6は貼付されたままであり、破袋はなく、剥離糊、固着糊の接着強度は問題のないレベルであった。
【0239】
以上のように、本発明によれば、包装用袋(1)を開封する際、化粧紙(化粧片)(6)の指入れ部(9)に指を入れて上方に化粧紙(6)を剥すと(化粧紙(6)の長手方向に直交する方向に剥すと)、化粧紙(6)にくっついて上側横片(5)が開口するので、その後は、下側横片(4)を下方に引き剥すことにより、包装用袋(1)を開口することができる。この動作は2アクションであり、操作が簡単であると共に、化粧紙(6)は角底部(2)から分離しないし、カットテープを使用しないので、ゴミも発生せず、化粧紙(6)を切断することもないので、紙片が包装用袋(1)の内部に進入するおそれもない。
【0240】
また、包装用袋(1)を開封する際、化粧紙(化粧片)(6)の上側の指入れ部(9)に指を入れて下方に化粧紙(6)を剥すと(化粧紙(6)の長手方向に直交する方向に剥すと)、化粧紙6の裏面(6")と上側横片(5)は剥離糊(R4)にて接着されているので、比較的容易に剥がれて、一旦固着糊(L)までの化粧紙(6)が上側横片(5)から剥がれる。その後は、上側横片(5)をその横縁(5b)から上方に開口すると共に、化粧紙(6)を下方に引っ張って(化粧紙(6)の長手方向に直交する方向)、下側横片(4)と共に、上記下側横片(4)を開口し、上記開口部(1')を開口することができる。この動作は3アクションであり、従来と同等であるが、化粧紙(6)は角底部(2)から分離せず、カットテープを使用しないので、ゴミも発生せず、化粧紙(6)を切断することもないので、紙片が包装用袋(1)の内部に進入するおそれもない。
【0241】
また、重なり部分(S2)は上記第1~第3の何れかに記載の重なり部分(S1)より縦方向の幅が狭く形成されているので、第1の実施形態において設けていた水平の剥離糊(R3)を設ける必要がない。また、包装用袋(1)を開封する際、化粧紙(化粧片)(6)の指入れ部(9)に指を入れて上方に化粧紙(6)を剥すと(化粧紙(6)の長手方向に直交する方向に剥すと)、化粧紙(6)にくっついて上側横片(5)が開口するので、その後は、下側横片(4)を下方に引き剥すことにより、包装用袋(1)を開口することができる。この動作は2アクションであり、操作が簡単であると共に、カットテープを使用しないので、ゴミも発生せず、化粧紙(6)を切断することもないので、紙片が包装用袋(1)の内部に進入するおそれもない。また、上側横片(5)と下側横片(4)との剥離糊(R3)を設けていないので、開封時の開封性を向上することができる。
【0242】
また、「包装用袋(1)の角底部(2)の剥離糊(R1~R3)」と「化粧紙の剥離糊(R4)」の接着強度は同一であるので、化粧紙(6)の固着糊(L)に上側横片(5)がくっついて(第1、第2、第4の実施形態)、或いは、化粧紙(6)の固着糊(L)に下側横片(4)がくっつく(第3の実施形態)ので、上述のような効果を得ることができる。また、接着強度が、「化粧紙の固着糊(L)」>「化粧紙の剥離糊(R4)」>「包装用袋(1)の角底部(2)の剥離糊(R1~R3)」の順である場合は、化粧紙(6)を上方に剥す場合は(化粧紙(6)の長手方向に直交する方向に剥す場合)(第1、第2、第4の実施形態の場合)、下側横片(4)は開口方向とは逆方向となるため、下側横片(4)は剥がれずに(
図6参照)、化粧紙(6)を下方に引き剥す場合(化粧紙(6)の長手方向とは直交する方向)(第3の実施形態)の場合は、上側横片(5)は開口方向とは逆方向となるので、上側横片(5)は剥がれずに(
図11参照)、結果として、上述の効果を得ることができる。
【0243】
また、化粧片(化粧紙)(6)を右辺(6c)又は左辺(6d)の指入れ部(9)から横方向に剥すと、固着糊(L)までの化粧片(6)が剥がれ、化粧片(化粧紙)(6)は固着糊(L)にて角底部(2)に分離されずにくっついたままなので、その後は上側横片(5)を上方に開き、下側横片(4)を下方に開き、包装用袋(1)を開封することができる。この動作は3アクションであり、従来と同等であるが、カットテープを使用しないし、化粧片も分離しないので、ゴミも発生せず、化粧片(6)を切断することもないので、紙片が包装用袋(1)の内部に進入するおそれもない。
【0244】
また、重なり部分(S2)は上記第1~第3の何れかに記載の重なり部分(S1)より縦方向の幅が狭く形成され、化粧片(6)の剥離糊(R4)が、上側横片(5)と下側横片(4)の略全域を接着しており、接着強度が向上するので、第1~第3の実施形態において設けていた水平の剥離糊(R3)を設ける必要がなくなり、これにより上側横片(5)と下側横片(4)の開封性を向上することができる。
【0245】
また、化粧片(化粧紙)(6)のミシン目(8)を縦方向に切断し、化粧片(6)を左右に剥すと、左右の化粧片(6)は、左右の固着糊(L,L)のところまで剥がれて、固着糊(L,L)にて化粧片(6)(6e,6f)の開封は止まるので、その後は、上側横片(5)を上方に開き、下側横片(4)を下方に開くことで、包装用袋(1)を開封することができる。この動作は略3アクションであり、従来と同等であるが、カットテープを使用しないし、化粧片(6)も分離しないので、ゴミも発生しないという利点がある。
【0246】
また、重なり部分(S2)は上記第1~第3の何れかに記載の重なり部分(S1)より縦方向の幅が狭く形成され、化粧片(6)の剥離糊(R4)が、上側横片(5)と下側横片(4)の略全面を接着しており、接着強度が向上するので、第1~第3の実施形態において設けていた水平の剥離糊(R3)を設ける必要がなくなり、これにより上側横片(5)と下側横片(4)の開封性を向上することができる。
【0247】
また、ミシン目(8)の例えば中央部に指入れ部(9)が設けられているので、ミシン目(8)の中央部から、ミシン目(8)を破って、上記指入れ部(9)から、上記化粧片(6)を左右方向に2分割することができるので、その後は、上側横片(5)を上方に、下側横片(4)を下方に開くことで、包装用袋を開封することができる。この際、化粧片(6)は左右に開くが、固着糊(L,L)にて止まるので、化粧片(6)がゴミになることはない。
【0248】
また、化粧片(6)のミシン目(8)に沿った指入れ部(9)からミシン目(8)を破って、上下方向に化粧片(6)を上下に2分割すると、下側横片(5)の横縁(5b)に沿って、上側横片(5)を上方に開き、下側横片(4)を下側に開くことで、包装用袋を開封することができる。この場合、化粧片(6)がゴミになることはなく、カットテープも使用しないので、カットテープがゴミになることはない。
【0249】
また、化粧片(6)の切込(11a又は11b)が持ち手となるので、ミシン目(8)を破りやすくなる。
【0250】
また、化粧片(6)の分割された下側は、下側横片(4)に固着糊(L)にて接着されているので、下側横片(4)にくっついて離れないので、化粧片(6)がゴミになることはない。
【0251】
また、ミシン目(8)は、1本であるので、ミシン目(8)を破ったとき、化粧片(6)以外にゴミが出ず、カットテープがゴミになることはない。
【0252】
また、指入れ部(9)に代えて、剥離糊(R3)が塗布されない突出片(10)が設けられているので、突出片(10)から化粧紙(6)を容易に、上方又は下方に剥すことができる。
【産業上の利用可能性】
【0253】
本発明に係る包装用袋によれば、多数の包装用袋1を開封する作業を簡略化できるし、ゴミもでないし、紙片が内部に進入することもなく、極めて実用性の高いものである。
【符号の説明】
【0254】
1 包装用袋
1' 開口部
2 角底部
2a 上縁
2b 下縁
2c 左縁
2d 右縁
2' 長方形状部
3 大二等辺三角部
3' 外側三角部
3a 頂点部
4 下側横片
4a 直角三角部
5 上側横片
5a 直角三角部
6 化粧紙(化粧片)
6' 表面
6" 裏面
6c 左辺
6d 右辺
8 ミシン目
9 指入れ部
10 突出片
11a,11b 切込
T1 下側水平線
T2 上側水平線
S1,S2 重なり部分
L 固着糊
R1,R2 剥離糊
R3 剥離糊
R4 剥離糊