(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-10
(45)【発行日】2025-01-21
(54)【発明の名称】照明デバイス
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20250114BHJP
H10H 20/857 20250101ALI20250114BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20250114BHJP
F21S 4/00 20160101ALI20250114BHJP
F21Y 113/17 20160101ALN20250114BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20250114BHJP
【FI】
F21S2/00 110
H01L33/62
F21V19/00 150
F21V19/00 170
F21S4/00
F21Y113:17
F21Y115:10 300
(21)【出願番号】P 2024513520
(86)(22)【出願日】2022-08-25
(86)【国際出願番号】 EP2022073671
(87)【国際公開番号】W WO2023031011
(87)【国際公開日】2023-03-09
【審査請求日】2024-02-28
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2021/115438
(32)【優先日】2021-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(32)【優先日】2021-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ルー ジュン
(72)【発明者】
【氏名】リー ハン
【審査官】村井 友和
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/005771(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2018/0259166(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02397749(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体と、
前記基体上に設けられる少なくとも2つのモジュールと、
を含む、照明デバイスであって、各モジュールは、
LEDチップ接続パッドのアレイと、
前記LEDチップ接続パッド間の相互接続であって、前記相互接続は、LEDチップ接続パッドの複数のグループを提供する、相互接続と、
前記
LEDチップ接続パッド上に取り付けられるLEDチップであって、異なる色点の少なくとも2つのLEDチップが、各グループのそれぞれの
LEDチップ接続パッド上に取り付けられる、LEDチップと、
前記LEDチップからの光出力を整形するための光学ユニットと、
を含み、
各グループは、並列の複数のLEDチップ接続パッドを含み、前記複数のグループは、互いに直列であり、各グループは幾何学的中心を有し、前記アレイの所与の配置位置に対して、すべてのグループにおける
LEDチップ接続パッドからそれぞれの幾何学的中心までの距離の合計は最小である、照明デバイス。
【請求項2】
前記LEDチップ接続パッドのアレイは、
LEDチップ接続パッドの規則的な矩形グリッドを有する、請求項1に記載の照明デバイス。
【請求項3】
前記矩形グリッドは、3×4グリッドである、請求項2に記載の照明デバイス。
【請求項4】
第1のグループは、グリッドの一コーナにおける2×2サブアレイであり、第3のグループは、グリッドの隣接するコーナにおける2×2サブアレイであり、第2のグループは、残りの4×1サブアレイである、請求項3に記載の照明デバイス。
【請求項5】
前記第1の
グループの2×2サブアレイには、2つのウォームホワイトLEDチップ及び1つのシアンLEDチップがあり、
前記第2の
グループの4×1サブアレイには、1つのウォームホワイトLEDチップ及び2つのクールホワイトLEDチップがあり、
前記第3の
グループの2×2サブアレイには、2つのウォームホワイトLEDチップ、1つのクールホワイトLEDチップ及び1つのシアンLEDチップがある、請求項4に記載の照明デバイス。
【請求項6】
2つの前記シアンLEDチップは、前記モジュールの中央部分にある、請求項5に記載の照明デバイス。
【請求項7】
すべてのグループに設けられるLEDチップは、LED色点の同じセットを有する、請求項1に記載の照明デバイス。
【請求項8】
異なるグループに設けられるLEDチップは、LED色点の少なくとも2つの異なるセットを含む、請求項1に記載の照明デバイス。
【請求項9】
各LED
チップ接続パッド上にLEDチップがある、又は
LED
チップ接続パッドの各グループ内に、1つの空き接続パッドがある、又は
LED
チップ接続パッドの各グループ内に、2つの空き接続パッドがある、又は
LED
チップ接続パッドの異なるグループは、異なる数の空き接続パッドを有する、請求項1に記載の照明デバイス。
【請求項10】
LED
チップ接続パッドの各グループに設けられる前記LEDチップの少なくとも2つの異なる色点は、
ウォームホワイト、
クールホワイト、及び
シアン、
のうちの2つを含む、請求項7乃至9のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項11】
前記光学ユニットは、前記LEDチップのアレイの外側周囲にリフレクタを含む、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項12】
前記リフレクタは、正方形又は矩形ベースの角錐台形状を有する、請求項11に記載の照明デバイス。
【請求項13】
前記光学ユニットは、レンズを含む、請求項11に記載の照明デバイス。
【請求項14】
当該照明デバイスは、前記モジュールの線形列を含む、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項15】
当該照明デバイスは、4つのモジュールを含む、請求項14に記載の照明デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明デバイスに関し、とりわけ、各々がそれぞれの光整形ユニットを有する、複数のモジュールを含む照明デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
異なるアプリケーションは、同じ寸法の照明デバイスであっても、異なるルーメン出力を必要とする。例えば、異なる照明器具設計は、同じプリント回路基板サイズ及び形状を有するが、異なる光出力を作り出す及び/又は異なる出力パワーで動作するために当該基板エリア上に取り付けられる異なる数のLEDを必要とし得る。
【0003】
同じ基板サイズ及び形状にもかかわらず、異なるPCB設計が、典型的には、異なる製品設計に異なる数のLEDを実装するために使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
同じPCB設計が使用されることを可能にする、既知の代替的アプローチは、いわゆるジャンパを利用することである。これらは(短絡回路として機能する)抵抗であり、回路機能(circuit functionality)を維持するためにLEDの代わりに取り付けられるが、PCBの最大LEDキャパシティ(maximum LED capacity)に比べてLEDの数を低減させる。
【0005】
複数の異なるPCB設計を製造する必要性、さもなければ余分な抵抗(ジャンパ)の使用は、複数のシステムを製造するコストを増加させる。
【0006】
また、単一のPCB設計が、例えばジャンパを使用することにより、異なる数のLEDを搭載できる場合、光出力の品質、例えば、異なる色のLEDが使用される場合エリアにおける色均一性も、LEDの数が異なる実装間で異なるという問題がある。これは、とりわけ、PCBレイアウトが、各々自身のビーム整形光学ユニットを備える、モジュールのセットに制約される場合に当てはまる。
【0007】
WO 2012/005771A2は、LEDチップのアレイが取り付けられ、電気的に相互接続される回路基板を含むLEDアレイ照明コンポーネントを開示している。
【0008】
US 2018/0259166A1は、回路基板と、回路基板上に配置される複数の発光ダイオードとを含む、光源モジュールを開示している。
【0009】
EP 2397749A2は、直列回路と、基体と、封止部材とを含む発光デバイスを開示している。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、特許請求の範囲によって規定される。
【0011】
本発明の一態様による例によれば、
基体と、
基体上に設けられる少なくとも2つのモジュールと、
を含む、照明デバイスであって、各モジュールは、
LEDチップ接続パッドのアレイと、
接続パッドの複数のグループを実装する(implement)ためのチップ接続パッド間の相互接続であって、各グループは、並列の複数の接続パッドを含み、グループは、互いに直列である、相互接続と、
接続パッド上に取り付けられるLEDチップであって、異なる色点の少なくとも2つのLEDチップが、各グループのそれぞれの接続パッド上に取り付けられる、LEDチップと、
LEDチップからの光出力を整形するための光学ユニットと、
を含み、
接続パッドの各グループは幾何学的中心を有し、アレイの所与の配置位置に対して(for the given placement positions of the array)、すべてのグループにおける接続パッドからそれぞれの幾何学的中心までの距離の合計が最小である、照明デバイスが提供される。
【0012】
ここで、本開示の文脈において、(複数の)LED又は「(複数の)発光ダイオード」は、(複数の)LEDチップと同じ意味を有する。
【0013】
この照明デバイスは、LEDチップ接続パッドのアレイが、例えばLED位置の規則的な矩形グリッド(regular rectangular grid)のための、所与の配置で(with a given placement)形成されるモジュールを有する。
【0014】
第1に、本発明は、モジュールのスケーラビリティ(scalability)に関する。本発明は、モジュール設計が、不所望のLEDを配置しないだけで異なる数のLEDにスケーリングされることを可能にする。斯くして、LEDはすべてのLED接続パッド上にあってもよく、又はLEDが配置されない空きLED接続パッドがあってもよい。相互接続は、ジャンパの必要性を回避する。とりわけ、各グループのLEDが省略されるとしても、各グループにLED(とりわけ、異なる色点の少なくとも2つのLED)が残っているので、電気回路は依然機能する。
【0015】
第2に、本発明は、色混合性能(color mixing performance)に関する。各グループ内に少なくとも2つの異なる色点を配置することにより、グループ内のLED間の最小の全体的なスペーシング(minimum overall spacing)のため、色混合が向上する。また、本発明は、とりわけ、各グループにLEDタイプの同じ又は類似の組み合わせを持たせることにより、電気的バランシング(electrical balancing)を提供する。
【0016】
異なる色点は、異なる色温度(例えば、ウォームホワイト及びクールホワイト)、又は同じ色の異なるビン、又は全く異なる色であってもよい。
【0017】
LEDチップ接続パッドのアレイは、例えば、チップ接続パッドの規則的な矩形グリッドを有する。斯くして、色混合は、規則的なグリッドのままである、LEDチップ位置に基づいて得られるのではなく、接続パッド、したがってLEDのグルーピングに基づいて得られる。
【0018】
矩形グリッドは、例えば、3×4グリッド(3行及び4列)である。
【0019】
この場合、第1のグループは、グリッドの一コーナ(one corner)における2×2サブアレイであり、第3のグループは、グリッドの隣接するコーナにおける2×2サブアレイであり、第2のグループは、残りの4×1サブアレイである。これは、4つのチップ接続パッドの3つのサブアレイに分割される4×3グリッドに対して所望の最小の距離の合計(desired minimum sum of distances)を提供する。グループは、例えば、第1から第3の順に直列である。
【0020】
一例において、
第1の、2×2サブアレイには、2つのウォームホワイトLED及び1つのシアンLEDがあり、
第2の、4×1サブアレイには、1つのウォームホワイトLED及び2つのクールホワイトLEDがあり、
第3の、2×2サブアレイには、2つのウォームホワイトLED、1つのクールホワイトLED及び1つのシアンLEDがある。
【0021】
2つのシアンLEDは、例えば、モジュールの中央部分にある。これは、シアン色が別々のスポットとして見えるのを防ぐ。
【0022】
すべてのグループに設けられるLEDは、LED色点の同じセットを有してもよい。この場合、各グループは、各グループの色混合が良く、同じ全体的な混合色点を有する。この場合、モジュールのエリアにわたる色のばらつき(color variation)はない。
【0023】
代わりに、異なるグループに設けられるLEDチップは、LED色点の少なくとも2つの異なるセットを含んでもよい。これは、モジュール全体の全体的な出力色点を定義する際のより大きなフレキシビリティを可能にする。
【0024】
各LED接続パッド上にLEDがあってもよい。斯くして、すべてのLEDスペースは、最大ルーメン出力のために占有される。
【0025】
代わりに、LED接続パッドの各グループ内に、1つの空き接続パッド(vacant connection pad)があってもよい。代替的に、LED接続パッドの各グループ内に、2つの空き接続パッドがあってもよい。
【0026】
代わりに、LED接続パッドの異なるグループが、異なる数の空き接続パッドを有してもよい。斯くして、直列-並列回路配置は、様々なやり方でモジュールを構成する(configure)フレキシビリティを与える。
【0027】
LED接続パッドの各グループに設けられるLEDの少なくとも2つの異なる色点は、
ウォームホワイト、
クールホワイト、及び
シアン、
のうちの2つを含んでもよい。
【0028】
光学ユニットは、LEDのアレイの外側周囲にリフレクタを含んでもよい。一例において、リフレクタは、正方形ベースの角錐台(truncated square-based pyramid)を有する。この角錐(pyramid)は、その底部に正方形入口窓を有し、その頂部に正方形光出射窓を有する。代わりに、光学ユニットは、レンズを含んでもよい。
【0029】
照明デバイスは、モジュール、例えば4つのモジュールの線形列(linear row)を含んでもよい。
【0030】
本発明のこれらの及び他の態様は、以下に述べられる実施形態を参照して明らかになり、解明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
本発明のより良好な理解のために、及び、どのようにして本発明が実施され得るかをより明らかに示すために、例としてのみ、添付の図面が参照される。
【
図1】36個のLED又は48個のLEDとして構成されることができるLED回路の既知のレイアウトを示す。
【
図2】本発明による第1の設計態様を用いるLED回路の一例を示す。
【
図3】モジュールの12個のLED接続パッドを相互接続するための1つの可能なやり方を示す。
【
図4】接続パッドを相互接続するための改善されたやり方を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明が、図を参照して述べられる。
【0033】
詳細な説明及び特定の例示は、装置、システム及び方法の例示的な実施形態を示すものであるが、説明のみを目的としたものであり、本発明の範囲を限定することを意図したものではないことが理解されるべきである。本発明の装置、システム及び方法のこれら及び他の特徴、態様及び有利な点は、以下の説明、添付の特許請求の範囲、及び添付の図面からよりよく理解されることになるであろう。図面は単に概略的なものであり、縮尺通りに描かれていないことを理解されたい。同じ参照番号は、図面全体にわたって同じ又は類似の部分を示すために用いられることも理解されたい。
【0034】
本発明は、各々がLEDチップ接続パッドのアレイを有する、複数のモジュールを含む照明デバイスを提供する。接続パッド間の相互接続は、接続パッドのグループを提供し、各グループは、接続パッドの並列セットを含み、グループは、互いに直列である。パッド上に取り付けられるLEDチップからの光出力を整形するための光学ユニットが設けられる。グループは、接続パッド上に取り付けられるLEDの最良の色混合を提供するためにグループ内のパッドの全体的なスペーシング(overall spacing)を(相まって(in combination))最小化するように定義される。
【0035】
図1は、36個のLED又は48個のLEDとして構成されることができるLED回路の既知のレイアウトを示している。
【0036】
回路は、並列の4つのブランチB1~B4を含み、各ブランチは、直列の12個のLED10のストリングを含む。
【0037】
各ブランチに沿って、3つのLEDは、並列ジャンパ12の接続のためのスペースを有する。これらの並列ジャンパを配置することにより、LEDはバイパスされる。LEDは所定の位置にあるがバイパスされてもよい(ジャンパを横切る電圧降下は順方向LED電圧未満である)。斯くして、標準的な48個のLED PCBは、ブランチごとに3つのジャンパを追加することにより36個のLEDデバイスとして再構成されることができる。代わりに、バイパスされるべきLEDは、コストを削減するために省略されてもよい。
【0038】
斯くして、回路は、48個のLED(12個の4つのブランチ)と36個のLED(9個の4つのブランチ)の間で切り替えられることができ、又は実際には異なる数のLEDをバイパスすることにより他の構成も可能である。
【0039】
図2は、本発明による第1の設計態様を用いるLED回路の一例を示している。
【0040】
回路は、LEDの12個のグループG1~G12を含み、各グループは、並列の複数のLED10を含む。この例では、各グループは、並列の4個のLEDを有する。
【0041】
これは、回路をスケーラブルにする。例えば、各グループからLEDを1つ省くだけで、ジャンパを必要とすることなく、回路は、48個のLED(4個のLEDの12グループ)から36個のLED(3個のLEDの12グループ)にスケーリングされることができる。
【0042】
斯くして、回路は、不所望のLEDを配置しないだけで異なる数のLEDにスケーリングされることができる。
【0043】
LEDは、接続パッドに取り付けられ、接続パッドは、図に示されるように直列及び並列配置を定義する。すべてのLED接続パッドにLEDを接続することにより、フルLEDキャパシティに到達する。しかしながら、空きLED接続パッドを残すことにより、低減されたLEDカウントが実現される。各グループから1つ以上の(すべてではない)LEDが省略されるとしても、電気回路は依然機能する。
【0044】
本発明は、とりわけ、2Dアレイを形成するモジュールのライン又はモジュールの複数のラインを含む照明デバイスであって、モジュールは相まって、上記の例における48個のLED又は36個のLED等のLEDのセットを提供する、照明デバイスに関する。
【0045】
例えば、各モジュールは最大で12個のLEDを含み、最大48個のLEDキャパシティを作り出すために4つの斯かるモジュールがあってもよい。
【0046】
照明デバイスは、エリア(ライン又は2Dアレイ)にわたって分布する離間されたモジュールを有する。モジュールは相まって、所望のルーメン出力を提供し、離間モジュールの使用は、例えばオフィス照明のための、所望のUGR(unified glare rating)を実現する。
【0047】
後述するように、
図5及び
図6に示されるように、各モジュールは、凹状リフレクタ(concave reflector)等、光学要素を有し、モジュールのLEDは、リフレクタキャビティ内にある。この特定のタイプの照明デバイスに関するさらなる詳細は、EP 2 792 936に見出されることができる。
【0048】
各モジュールは、例えば
図2に示されるような自身の直列-並列配置を有するが、この例では、モジュールあたり12個のLEDしかない。12個のLEDは、各々並列の4個のLEDを有する、3つのグループとして配置され、3つのグループは、互いに直列である。斯くして、4つのモジュールすべてが直列に配置される場合、12個のグループすべてが互いに直列である、LEDの12個の並列グループがあり、したがって、
図2の全体回路が形成される。
【0049】
各モジュールは、LEDが接続されてもよく又は接続されなくてもよいLEDチップ接続パッドのアレイを有する。チップ接続パッド間の相互接続は、並列接続パッドの複数のグループ(G1~G12)を実装する(implement)。接続パッドは、規則的な矩形グリッド、とりわけ、この例では3×4グリッドとして形成される。
【0050】
図3は、12個のLED接続パッド30を相互接続するための1つの可能なやり方を示している。接続パッド30の3つの行の各々が、グループの1つを形成する。パッド間の相互接続32は、各グループの接続パッドを並列に及びグループを互いに直列に提供する。
【0051】
本発明の別の態様は、LED接続パッドの改善されたレイアウトを提供することである。
【0052】
図4は、この3×4グリッドのための接続パッドレイアウトを示している。
【0053】
この場合、接続パッド30の第1のグループは、3×4グリッドの一コーナにおける2×2サブアレイである。この第1のグループは、
図4において1でラベリングされ、左上コーナにある。相互接続32は、ノードN1とノードN2との間に、これらの接続パッドのすべてを並列に置く。接続パッド30の第2のグループは、
図4において2でラベリングされ、下部行を形成する1×4サブアレイである。相互接続32は、ノードN2とノードN3との間に、これらの接続パッドのすべてを並列に置く。接続パッド30の第3のグループは、
図4において3でラベリングされ、右上コーナにおける2×2サブアレイである。相互接続32は、ノードN3とノードN4との間に、これらの接続パッドのすべてを並列に置く。
【0054】
この相互接続配置はクロスオーバを必要とせず、斯くして、PCBの導体単層(conductor single layer)として形成されることができることがわかる。
【0055】
各接続パッドは、
図3及び
図4において単一の正方形として示されている。実際には、各接続パッドは、LEDアノード及びLEDカソードへの接続のための、一対の接点を含む。
【0056】
各グループ内に、接続パッドエリアの中心のロケーションの幾何学的平均(geometric average)である、幾何学的中心がある。各グループは、これらの中心と幾何学的中心との間の距離の合計(sum)を有する。第1のグループに対して、矢印40はこれらの距離を表している。2×2サブアレイに対して、この距離の合計はできる限り小さく(距離の合計がより低い4つの接続パッドのグループはない)、一方、1×4サブアレイに対して、距離の合計はより大きくなる。しかしながら、アレイ(すなわち、この例では規則的な矩形3×4グリッド)の所与の配置位置に対して、(すべてのグループの)総合計(total sum)は最小である。
【0057】
この距離最小化(distance minimization)は、異なる色点のLEDに対して可能な限り最良の色混合(best possible color mixing)を提供するために使用される。異なる色点は、異なるLEDが異なるビンのものである(ゆえに、これらは、同じ色点を出力するように設計されているが、異なる色点を有する)ため、又はLEDが異なる色温度を有するため(例えば、ウォームホワイト対クールホワイト等)、又はLEDが異なる色を有するため(例えば、ホワイト(クール又はウォーム)対シアン等)であり得る。
【0058】
色混合の利点を生かすため、異なる色点の少なくとも2つのLEDが、各グループの接続パッド上に取り付けられる。斯くして、各グループは、各グループに個別の色点を割り当てるのではなく、異なる色点の色混合を行う。
【0059】
さらに、各グループを特定のLED色点、したがって、タイプに専念させる(devote)のではなく、各グループに異なるLEDタイプを設けることにより、電気的バランシングの向上が得られる。
【0060】
照明デバイス全体は、
図4のモジュール等、複数のモジュールによって形成される。各モジュールは、グループのLEDチップからの光出力を整形するための光学ユニットを有する。
【0061】
図5は、4つのモジュールM1~M4のストリップを示している。各モジュールは、先細り状のリフレクタ(tapered reflector)の形態の光学ユニット50を有する。リフレクタは、正方形又は矩形ベースの角錐台を有する。斯くして、PCBレベルにおいてモジュールの周りに正方形又は矩形の受光開口部があり、LED表面の上方により大きな正方形又は矩形の光出口開口がある。モジュールの周りの内壁は反射性である。また、個々のLED又はLEDの小さなサブグループの上にレンズがあってもよい。例えば、LED接続パッドの2つのペア52(したがって、接続されている場合LEDの1つのペア)が、共有レンズを有してもよい。
【0062】
図6は、モジュールのストリップを分解図で示している。
図6は、LED10が取り付けられているPCB60を示している。LED60は、モジュール間で共有される。
【0063】
この例において、接続パッドの各グループは、1つの空きスペースを有し、各グループの他の3つの接続パッド上にLED10が配置されている。各グループに2つの空き接続パッドがあってもよく、より大きなグループの場合にはより多くの空き接続パッドがあってもよい。幾何学的レイアウトの混色の利点を生かすためにグループごとに少なくとも2つの接続されたLEDが残される。
【0064】
他の例では、LED接続パッドの異なるグループが、(後述の
図8の例等)異なる数の空き接続パッドを有してもよい。
【0065】
基本設計は、例えば
図6の36個のLEDデバイスを作成するために、空き接続パッドを含めることであってもよい。その後、設計は、新しいPCBを作成することなく、48個のLED設計にアップグレード可能である。
【0066】
アップグレードは、同じリフレクタ設計で、同じドライバ電圧ウィンドウ(driver voltage window)を使用して行われることができる。なぜなら、直列のグループ数が同じであり、したがってLED順方向電圧の組み合わせも同じだからである。
【0067】
図7は、1つのリフレクタをより詳細に示し、角錐形状の光入口窓70及び光出口窓72を示している。光入口窓70には開口部74のアレイが形成されている。各開口部74は、接続パッドの2つのペアを含み、ゆえに最大で2つのLEDチップが、各開口部に取り付けられる。上述したように、任意選択的に、レンズが、光入口窓に形成されてもよい。
【0068】
図8は、1つのモジュールに対する(及び各モジュールにおいて繰り返されてもよい)色点の1つの可能な組み合わせを示している。
【0069】
第1のグループG1の2×2サブアレイは、2つのウォームホワイト(WW)LED及び1つのシアン(CY)LEDを含む。1つのスペースは空いている(X)。第2のグループG2の1×4サブアレイは、2つのクールホワイト(CW)LED及び1つのウォームホワイトLEDを含む。1つのスペースは空いている。第3のグループG3の2×2サブアレイは、2つのウォームホワイトLED、1つのクールホワイトLED及び1つのシアンLEDを含む。空きスペースはない。
【0070】
2つのシアンLEDは、モジュールの中央に並んでいる。これにより、シアンLEDはホワイトLEDに対してより大きなコントラストを有し、したがって互いに隣接して位置することで、シアンLEDのスポッティネス(spottiness)は低減される。これは、チューナブルホワイト、シアン強化、構成(tunable white, cyan enhanced, configuration)である。
【0071】
図面、本開示、及び添付の請求項の検討によって、開示される実施形態に対する変形形態が、当業者により理解されることができ、また、特許請求される発明を実施する際に実行されることができる。請求項では、単語「含む」は、他の構成要素又はステップを排除するものではなく、不定冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、複数を排除するものではない。
【0072】
特定の手段が、互いに異なる従属請求項内に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが、有利に使用され得ないことを示すものではない。
【0073】
「に適合される」という用語が特許請求の範囲又は明細書において使用される場合、「に適合される」という用語は、「に構成される」という用語と同等であることが意図されていることに留意されたい。
【0074】
請求項中のいかなる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。