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<図1>
  • -美容器具 図1
  • -美容器具 図2
  • -美容器具 図3
  • -美容器具 図4
  • -美容器具 図5
  • -美容器具 図6
  • -美容器具 図7
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-14
(45)【発行日】2025-01-22
(54)【発明の名称】美容器具
(51)【国際特許分類】
   A61H 23/02 20060101AFI20250115BHJP
【FI】
A61H23/02 330
A61H23/02 354
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021080458
(22)【出願日】2021-05-11
(65)【公開番号】P2022174574
(43)【公開日】2022-11-24
【審査請求日】2024-03-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社 資生堂
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】上和野 大輔
(72)【発明者】
【氏名】李 駿騁
(72)【発明者】
【氏名】青木 基治
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼田 素樹
【審査官】小野田 達志
(56)【参考文献】
【文献】実開平04-103131(JP,U)
【文献】特表2017-524481(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0069512(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面を有する筐体と、
前記筐体に設けられる振動モータと、
前記筐体に取り付けられる中吊り部と、前記振動モータが挿入されて取り付けられる筒部と、前記筒部の一方の側に前記底面に沿う方向に延びて前記中吊り部と一体に接続し、前記底面側に設けられる第1取り付け部を有する第1板部と、前記筒部の他方の側に前記底面に沿う方向に延びて前記中吊り部と一体に接続し、前記底面側に設けられる第2取り付け部を有する第2板部と、を備えるモータホルダーと、
第1端部と第2端部とを有し、前記第1端部は前記底面に固定される支持体と、
第3端部と第4端部とを有し、前記第3端部は前記第1取り付け部に固定され、前記第4端部は前記底面の側から前記筐体の外部に延びる第1振動体と
第5端部と第6端部とを有し、前記第5端部は前記第2取り付け部に固定され、前記第6端部は前記底面の側から前記筐体の外部に延び、前記第1振動体の前記支持体を挟んで反対側に設けられる第2振動体と、
を備え、
前記第2端部前記第4端部及び前記第6端部は、対象に接触して、前記対象を押さえ、
前記振動モータが振動することにより、前記第2端部に対して前記第4端部及び前記第6端部のそれぞれが離れて戻ることを繰り返して、前記第2端部と前記第4端部及び前記第6端部のそれぞれとの間の前記対象を伸展させる、
美容器具。
【請求項2】
前記第1振動体のデュロメータA硬度は、30度以下である、
請求項1に記載の美容器具。
【請求項3】
前記第1振動体の長さは3mm以下である、
請求項1又は請求項2のいずれかに記載の美容器具。
【請求項4】
前記第1振動体の前記対象に接触する部分に、複数の突起を備える、
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の美容器具。
【請求項5】
前記振動モータは、間欠的に振動する、
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の美容器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、美容器具に関する。
【背景技術】
【0002】
肌の美容を図るために美容器具が用いられている。
【0003】
特許文献1には、皮膚伸展用ローラを備える光照射美容器具が開示されている。特許文献1には、ローラの移動に伴って肌が引き伸ばされることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-028271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の美容器具では、ユーザの押し具合によって、肌との密着が異なり、肌の引き伸ばされ具合が不安定になる。
【0006】
本開示は、安定して肌を伸展できる美容器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、底面を有する筐体と、前記筐体に設けられる振動モータと、第1端部と第2端部とを有し、前記第1端部は前記底面に固定される支持体と、第3端部と第4端部とを有し、前記第3端部は前記振動モータに固定され、前記第4端部は前記底面の側から前記筐体の外部に延びる第1振動体と、を備え、前記第2端部及び前記第4端部は、対象に接触して、前記対象を押さえ、前記振動モータが振動することにより、前記第2端部に対して前記第4端部が離れて戻ることを繰り返して、前記第2端部と前記第4端部との間の前記対象を伸展させる美容器具である。
【発明の効果】
【0008】
本開示の美容器具によれば、安定して肌を伸展できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本実施形態に係る美容器具の一例の側面図である。
図2図2は、本実施形態に係る美容器具の一例の底面図である。
図3図3は、本実施形態に係る美容器具の一例の分解斜視図である。
図4図4は、本実施形態に係る美容器具の一例の断面図である。
図5図5は、本実施形態に係る美容器具の一例の振動部の分解斜視図である。
図6図6は、本実施形態に係る美容器具の一例の動作を説明する図である。
図7図7は、本実施形態に係る美容器具の一例の動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の各実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、各実施形態に係る明細書及び図面の記載に関して、実質的に同一の又は対応する機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省略する場合がある。
【0011】
また、理解を容易にするため、図面における各部の縮尺は、実際とは異なる場合がある。平行、直角、直交、水平、垂直、上下、左右などの方向には、実施形態の効果を損なわない程度のずれが許容される。角部の形状は、直角に限られず、弓状に丸みを帯びてもよい。平行、直角、直交、水平、垂直には、略平行、略直角、略直交、略水平、略垂直が含まれてもよい。
【0012】
<美容器具1>
図1は、本実施形態に係る美容器具の一例である美容器具1の側面図である。図2は、本実施形態に係る美容器具の一例である美容器具1の底面図である。図3は、本実施形態に係る美容器具の一例である美容器具1の分解斜視図である。図4は、本実施形態に係る美容器具の一例である美容器具1の断面図である。具体的には、図4は、図2のI-I断面図である。図5は、本実施形態に係る美容器具の一例である美容器具1の振動モータ20及びモータホルダー30の分解斜視図である。
【0013】
なお、図には、説明の便宜のためXYZ直交座標系が設定される場合がある。図面の紙面に対して垂直な座標軸については、座標軸の丸の中にバツ印は紙面に対して奥の方向が正、丸の中に黒丸印は紙面に対して手前側が正であることを表している。ただし、当該座標系は、説明のために定めるものであって、美容器具の姿勢について限定するものではない。
【0014】
なお、本開示では、特に説明しない限り、X軸及びY軸は、美容器具1の底面12Sに平行な方向とする。Z軸は、当該X軸、Y軸に垂直な方向とする。なお、Z軸方向を上下方向という場合がある。例えば、+Z側を上、-Z側を下という場合がある。-Z側から見た平面図を底面図という場合がある。
【0015】
美容器具1は、筐体10と、振動モータ20と、モータホルダー30と、接触部41及び接触部42と、を備える。各要素について説明する。
【0016】
[筐体10]
筐体10は、美容器具1の外形を画定する。筐体10は、直方体状の形状を有する。筐体10は、上筐体11と、下筐体12と、を備える。筐体10は、筐体10の下側に、すなわち、下筐体12の下側に、底面12Sを有する。
【0017】
筐体10は、底面12SのY軸方向の中心に、支持体12aを有する。支持体12aは、底面12Sから下側に突出して設けられる。支持体12aは、上端部12a1と下端部12a2とを有する。上端部12a1は、筐体10の下筐体12の底面12Sに固定される。下端部12a2は、対象、例えば、肌に接触して、肌を押さえる。
【0018】
下筐体12は、接触部41が貫通する開口12h1及び接触部42が貫通する開口12h2を有する。開口12h1には、接触部41が下筐体12に接触しないように、開口12h1の内部に設けられる。開口12h2には、接触部42が下筐体12に接触しないように、開口12h2の内部に設けられる。
【0019】
なお、上端部12a1は第1端部の一例、下端部12a2は第2端部の一例、である。
【0020】
[振動モータ20]
振動モータ20は、振動を発生する。振動モータ20は、モータ21と、偏心ウエイト22と、を備える。モータ21は、回転軸を回転するモータである。モータ21は、例えば直流モータである。モータ21は、外部から電力を供給されることにより、回転軸を回転する。モータ21は、例えば、電圧制御、電流制御により制御される。
【0021】
振動モータ20は、数100Hz以上の振動周波数で振動する。また、振動モータ20は、例えば、0.5秒間振動して、0.5秒間停止する。なお、振動周波数については、強く肌を伸展させる際には、振動周波数を高くしてもよい。振動モータ20の動作については、詳細を後述する。
【0022】
[モータホルダー30]
モータホルダー30は、振動モータ20を保持する。モータホルダー30は、筐体10の内部に振動モータ20を固定する。
【0023】
モータホルダー30は、中吊り部31と、モータ保持部32と、を備える。中吊り部31及びモータ保持部32は、いわゆる二色成形を用いて一体に形成される。すなわち、中吊り部31及びモータ保持部32のいずれか一方を成形後に、他方を射出成形等により追加して、中吊り部31及びモータ保持部32を一体に成形する。なお、図5では、中吊り部31及びモータ保持部32は、説明のために別体として記載している。
【0024】
中吊り部31は、JIS K 6253準拠のタイプAデュロメータで測定した硬度が30度のエラストマーにより形成される。なお、JIS K 6253準拠のタイプAデュロメータで測定した硬度を、デュロメータA硬度という場合がある。中吊り部31は、上筐体11と下筐体12との間に挟まれることにより取り付けられる。中吊り部31には、モータ保持部32が取り付けられる。
【0025】
モータ保持部32は、振動モータ20を取り付ける筒部32mを備える。筒部32mの穴32hには、振動モータ20のモータ21が挿入され取り付けられる。モータ保持部32は、筒部32mのY軸方向の両側に、板部32wと、板部32vと、を備える。
【0026】
板部32wの筒部32mの反対側の端部32w1は、いわゆる二色成形にて製造されることによって中吊り部31と一体に接続する。板部32wの略中央の-Z側には、接触部41を取り付ける接触部取り付け部32aを有する。
【0027】
板部32vの筒部32mの反対側の端部32v1は、いわゆる二色成形にて製造されることによって中吊り部31と一体に接続する。板部32vの略中央の-Z側には、接触部42を取り付ける接触部取り付け部32bを有する。
【0028】
[接触部41及び接触部42]
接触部41及び接触部42は、対象に接触して、対象を振動させる。接触部41及び接触部42は、シリコンゴムにより形成される。接触部41及び接触部42のデュロメータA硬度は、例えば、30度以下であることが好ましい。
【0029】
接触部41の端部41a1は、モータホルダー30の接触部取り付け部32aに取り付けられる。接触部41の端部41a1は、モータホルダー30を介して振動モータ20に固定される。接触部41は、対象である肌に接触する接触部41の端部41a2に、複数の突起41pを有する。
【0030】
また、接触部42の端部42a1は、モータホルダー30の接触部取り付け部32bに取り付けられる。接触部42の端部42a1は、モータホルダー30を介して振動モータ20に固定される。接触部42は、対象である肌に接触する部分である接触部42の端部42a2に、複数の突起42pを有する。
【0031】
接触部41及び接触部42のそれぞれの長さHは、例えば、3mm以下にすることが好ましい。長さHを3mm以下にすることによって、振動モータ20の振動を対象に十分伝達できる。
【0032】
接触部41及び接触部42は、それぞれ下筐体12の開口12h1及び開口12h2を貫通して、底面12Sから筐体10の外部に延びて設けられる。支持体12aの下端部12a2、接触部41の端部41a2及び接触部42の端部42a2は、略同一平面上に設けられる。すなわち、支持体12aの下端部12a2、接触部41の端部41a2及び接触部42の端部42a2のそれぞれの底面12Sからの高さは等しい。
【0033】
なお、接触部41は第1振動体の一例、接触部42は第2振動体の一例である。端部41a1は第3端部の一例、端部41a2は第4端部の一例である。また、例えば、接触部42を第1振動体の一例、接触部41を第2振動体の一例としてもよい。
【0034】
<美容器具1の動作>
本実施形態に係る美容器具1の動作について説明する。図6及び図7は、本実施形態に係る美容器具の一例である美容器具1の動作を説明する図である。
【0035】
美容器具1は、例えば、人が把持して、対象の肌に押しつけて肌の伸展を行う。なお、美容器具1の使用方法については、美容器具1を把持して肌に押しつける場合に限らず、例えば、マスクに取り付けて肌に押しつけてもよい。当該マスクは、口及び鼻を覆うマスクでもよいし、顔全体を覆うマスクでもよい。当該マスクは、美容器具1を肌に押しつける程度の強度があることが望ましい。また、美容器具1をウェアラブル機器に取り付けて肌に押しつけてもよい。
【0036】
また、美容器具1を例えば、ロボットアーム等に取り付けて肌に押しつけてもよいし、美容器具1をマッサージチェア等に取り付けてもよい。更に、美容器具1を把持するために、美容器具1に取っ手等をとりつけてもよい。
【0037】
肌Sに美容器具1の支持体12a、接触部41及び接触部42が押し当てられる。支持体12aは、肌Sに対して固定されている。一方、接触部41及び接触部42は、例えば、振動モータ20が矢印Vmの方向(水平方向)に振動すると、それぞれ矢印V1及び矢印V2の方向に振動する。
【0038】
したがって、接触部41及び接触部42が振動することにより、支持体12aに対して、接触部41及び接触部42が離れて戻るように移動することによって、対象の肌Sを伸展できる。なお、振動モータ20が垂直方向に移動しても、接触部41及び接触部42が離れて戻るように移動する。
【0039】
また、図7に示すように、美容器具1では、周期Tpで振動の発生と停止を繰り返し間欠的に振動してもよい。例えば、周期Tpは、1秒としてもよい。そして、周期Tpの間で、時間T1において振動を発生させ、時間T2において振動を停止する。例えば、時間T1は周期Tpに対して50%、時間T2は周期Tpに対して50%としてもよい。なお、周期Tpの時間及び時間T1及び時間T2の割合については適宜変更してもよい。
【0040】
<作用・効果>
本開示の美容器具1によれば、安定して肌を伸展できる。また、本開示の美容器具1によれば、簡易的な構成により対象の肌の伸展を行うことができる。特に、本開示の美容器具1は、皮膚の表皮層を伸展させることにより美容効果を奏する。
【0041】
なお、開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
【符号の説明】
【0042】
1 美容器具
10 筐体
11 上筐体
12 下筐体
12a 支持体
12a1 上端部
12a2 下端部
12h1 開口
12h2 開口
12S 底面
20 振動モータ
30 モータホルダー
41 接触部
41a1 端部
41a2 端部
41p 突起
42 接触部
42a1 端部
42a2 端部
42p 突起
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7