(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-14
(45)【発行日】2025-01-22
(54)【発明の名称】ネットワークスイッチ及びネットワーク結合とバックアップのためのネットワークアーキテクチャ
(51)【国際特許分類】
H04L 41/0663 20220101AFI20250115BHJP
【FI】
H04L41/0663
(21)【出願番号】P 2023182205
(22)【出願日】2023-10-24
【審査請求日】2023-10-24
(32)【優先日】2023-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】506080739
【氏名又は名称】四零四科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Moxa Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】楊 采薇
【審査官】速水 雄太
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2004/0076160(US,A1)
【文献】特開2001-144761(JP,A)
【文献】特開2017-195483(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02573977(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 41/0663
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メインネットワークにおけるスイッチグループに配置され、少なくとも1つの第一リンクを介して、サブネットワークグループにおける少なくとも1つの第一サブネットワークにカップリングされるプライマリネットワークスイッチであって、
プログラムコードを実行するための処理ユニット;及び
前記処理ユニットにカップリングされ、前記プログラムコードを記憶することで、前記処理ユニットがネットワーク結合とバックアップ方法を実行するように指示するために用いられる記憶ユニットを含み、
前記ネットワーク結合とバックアップ方法は、
前記スイッチグループにおけるバックアップネットワークスイッチからの第一制御パケットを受信し;
前記第一制御パケットの未受信に応じて、第一切り替え条件に基づいてリンク切り替えを行い;
前記第一制御パケットの受信に応じて、前記少なくとも1つの第一サブネットワークの連線状態を含む第一確認パケット(acknowledgment、ACK)を送信し;
第二制御パケットを前記バックアップネットワークスイッチに送信し;及び
前記第二制御パケットの送信に応じて、前記バックアップネットワークスイッチから第二確認パケットを受信し、前記第二確認パケットを受信した後にリンク切り替えを行うことを含
み、
前記第一切り替え条件は、前記バックアップネットワークスイッチの前記第一制御パケットを受信しない期間が所定時間に達しており、及び前記プライマリネットワークスイッチに接続されるリンクのリンク状態が連線状態(linkup)であり、かつその対応する接続ポートが非転送(forward)状態にあることであり、
前記第二制御パケットを前記バックアップネットワークスイッチに送信することは、前記プライマリネットワークスイッチが作動を回復したときに、あるいは、前記少なくとも1つの第一リンクのリンクが失効(link-down)になり又は連線(link-up)を回復したときに、前記第二制御パケットを前記バックアップネットワークスイッチに送信することである、プライマリネットワークスイッチ。
【請求項2】
請求項1に記載のプライマリネットワークスイッチであって、
前記第一制御パケット、前記第一確認パケット、前記第二制御パケット及び前記第二確認パケットはマルチキャスト(multicast)により送信され、かつ前記第一制御パケット、前記第一確認パケット、前記第二制御パケット及び前記第二確認パケットの目的アドレスは前記スイッチグループのグループ識別子(ID)を含む、プライマリネットワークスイッチ。
【請求項3】
請求項1に記載のプライマリネットワークスイッチであって、
前記バックアップネットワークスイッチは少なくとも1つの第二リンクを介して前記サブネットワークグループにおける少なくとも1つの第二サブネットワークにカップリングされ、前記第一制御パケットは前記少なくとも1つの第二サブネットワークの連線状態を含む、プライマリネットワークスイッチ。
【請求項4】
請求項
3に記載のプライマリネットワークスイッチであって、
前記第一制御パケットにおける前記少なくとも1つの第二サブネットワークの連線状態に基づいてネットワーク配置のエラー検出を行う、プライマリネットワークスイッチ。
【請求項5】
請求項1に記載のプライマリネットワークスイッチであって、
前記スイッチグループがもう1つのバックアップネットワークスイッチを含むときに、前記もう1つのバックアップネットワークスイッチのメディアアクセス制御アドレス(MAC address)が前記バックアップネットワークスイッチのメディアアクセス制御アドレスよりも大きければ、前記プライマリネットワークスイッチはエラー情報を報告する、プライマリネットワークスイッチ。
【請求項6】
請求項
1に記載のプライマリネットワークスイッチであって、
前記第二制御パケットは少なくとも、リンク切り替えを行う必要のあるサブネットワークの連線状態を含む、プライマリネットワークスイッチ。
【請求項7】
メインネットワークにおけるスイッチグループに配置され、少なくとも1つの第一リンクを介して、サブネットワークグループにおける少なくとも1つの第一サブネットワークにカップリングされるバックアップネットワークスイッチであって、
プログラムコードを実行するための処理ユニット;及び
前記処理ユニットにカップリングされ、前記プログラムコードを記憶することで、前記処理ユニットがネットワーク結合とバックアップ方法を実行するように指示するために用いられる記憶ユニットを含み、
前記ネットワーク結合とバックアップ方法は、
前記少なくとも1つの第一サブネットワークの連線状態を含む第一制御パケットを前記スイッチグループにおける少なくとも1つのプライマリネットワークスイッチに定期的に送信し;
前記第一制御パケットの送信に応じて、前記少なくとも1つのプライマリネットワークスイッチから少なくとも1つの第一確認パケット(acknowledgment、ACK)を受信し;
第一条件に基づいてリンク切り替えを行い;及び
前記少なくとも1つのプライマリネットワークスイッチの第二制御パケットを受信したことに応じて、第二確認パケットを送信し、前記第二制御パケットに基づいてリンク切り替えを行うことを含
み、
前記少なくとも1つのプライマリネットワークスイッチのうちの各プライマリネットワークスイッチは少なくとも1つの第二リンクを介して、前記サブネットワークグループにおける少なくとも1つの第二サブネットワークにカップリングされ、
前記第一条件は、前記少なくとも1つのプライマリネットワークスイッチのうちの1つのプライマリネットワークスイッチの前記第一確認パケットを受信しない回数であり、前記第一条件に基づいてリンク切り替えを行うことは、前記第一条件の前記回数が所定回数を超えたときに、前記プライマリネットワークスイッチの前記少なくとも1つの第二リンクを切り替えることであり、
前記第二制御パケットに基づいてリンク切り替えを行うことは、前記第二制御パケットにキャリーされる少なくとも1つのサブネットワークの連線状態に基づく、バックアップネットワークスイッチ。
【請求項8】
請求項
7に記載のバックアップネットワークスイッチであって、
前記第一制御パケット、前記少なくとも1つの第一確認パケット、前記第二制御パケット及び前記第二確認パケットはマルチキャスト(multicast)により送信され、かつ前記第一制御パケット、前記少なくとも1つの第一確認パケット、前記第二制御パケット及び前記第二確認パケットの目的アドレスは前記スイッチグループのグループ識別子(ID)を含む、バックアップネットワークスイッチ。
【請求項9】
請求項
7に記載のバックアップネットワークスイッチであって、
前記少なくとも1つの第一確認パケットのうちの各第一確認パケットは前記各プライマリネットワークスイッチの前記少なくとも1つの第二サブネットワークの連線状態を含む、バックアップネットワークスイッチ。
【請求項10】
請求項
9に記載のバックアップネットワークスイッチであって、
前記ネットワーク結合とバックアップ方法はさらに、前記少なくとも1つの第一確認パケットにおける前記少なくとも1つの第二サブネットワークの連線状態に基づいてネットワーク配置のエラー検出を行うことを含む、バックアップネットワークスイッチ。
【請求項11】
請求項1
0に記載のバックアップネットワークスイッチであって、
前記少なくとも1つの第一確認パケットのうちの1つの第一確認パケットに、前記少なくとも1つの第一サブネットワークに属しないサブネットワークの連線状態がキャリーされるときに、エラー情報を報告する、バックアップネットワークスイッチ。
【請求項12】
請求項1
0に記載のバックアップネットワークスイッチであって、
前記少なくとも1つの第一確認パケットのうちの異なる第一確認パケットに、同一のサブネットワークの連線状態がキャリーされるときに、エラー情報を報告する、バックアップネットワークスイッチ。
【請求項13】
ネットワーク結合とバックアップのためのネットワークアーキテクチャであって、
複数のサブネットワークグループに属する複数のサブネットワーク;及び
複数のスイッチグループを含み、前記複数のスイッチグループのうちの各スイッチグループが前記複数のサブネットワークグループのうちの1つのサブネットワークグループにカップリングされるメインネットワークを含み、
前記メインネットワークは、
前記サブネットワークグループにカップリングされる少なくとも1つのプライマリネットワークスイッチであって、前記少なくとも1つのプライマリネットワークスイッチのうちの各プライマリネットワークスイッチが少なくとも1つの第一リンクを介して、前記サブネットワークグループにおける少なくとも1つの第一サブネットワークにカップリングされる、少なくとも1つのプライマリネットワークスイッチ;及び
少なくとも1つの第二リンクを介して、前記サブネットワークグループにカップリングされるバックアップネットワークスイッチを含み、
前記複数のスイッチグループのうちの各スイッチグループはネットワーク結合とバックアップ方法を実行するために用いられ、
前記ネットワーク結合とバックアップ方法は、
前記バックアップネットワークスイッチが前記少なくとも1つの第二リンクの連線状態を含む第一制御パケットを定期的に送信し;
前記第一制御パケットの受信に応じて、前記少なくとも1つのプライマリネットワークスイッチのうちの前記各プライマリネットワークスイッチが前記少なくとも1つの第一リンクの連線状態を含む第一確認パケット(acknowledgment、ACK)を送信し;
前記バックアップネットワークスイッチが第一条件に基づいてリンク切り替えを行い;
前記少なくとも1つのプライマリネットワークスイッチが第二条件に基づいて第二制御パケットを送信し;
前記第二制御パケットの受信に応じて、前記バックアップネットワークスイッチが第二確認パケットを返送し、前記第二制御パケットに基づいてリンク切り替えを行い;及び
前記第二確認パケットの受信に応じて、前記少なくとも1つのプライマリネットワークスイッチがリンク切り替えを行うことを含
み、
前記ネットワーク結合とバックアップ方法では、前記第一条件は前記バックアップネットワークスイッチが前記少なくとも1つのプライマリネットワークスイッチのうちの1つのプライマリネットワークスイッチの前記第一確認パケットを受信しない回数であり、前記バックアップネットワークスイッチが前記第一条件に基づいてリンク切り替えを行うことは前記第一条件の前記回数が所定回数を超えたときに、前記プライマリネットワークスイッチの前記少なくとも1つの第一リンクを切り替えることであり、
前記ネットワーク結合とバックアップ方法では、前記第二条件は、前記少なくとも1つのプライマリネットワークスイッチのうちの1つのプライマリネットワークスイッチが作動を回復したときに、あるいは、前記少なくとも1つの第一リンクのうちの1つのリンクが失効(link-down)になり又は連線(link-up)を回復したときに、前記プライマリネットワークスイッチが前記第二制御パケットを送信することであり、
前記第二制御パケットに基づいてリンク切り替えを行うことは、前記第二制御パケットにキャリーされる少なくとも1つのサブネットワークの連線状態に基づく、ネットワークアーキテクチャ。
【請求項14】
請求項1
3に記載のネットワークアーキテクチャであって、
前記第一制御パケット、前記第一確認パケット、前記第二制御パケット及び前記第二確認パケットはマルチキャスト(multicast)により送信され、かつ前記第一制御パケット、前記第一確認パケット、前記第二制御パケット及び前記第二確認パケットの目的アドレスは所属するスイッチグループのグループ識別子(ID)を含む、ネットワークアーキテクチャ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク結合(カップリング)のバックアップ方法、装置及びネットワークアーキテクチャに関し、特に、ネットワーク結合において1つのバックアップネットワークスイッチにより複数のプライマリネットワークスイッチに対してバックアップを行うバックアップ方法、装置及びネットワークアーキテクチャに関する。
【背景技術】
【0002】
生産能力やコストに対する業界の要求が日々高まっているため、生産設備をネットワークに接続する傾向が高まっている。ネットワークの接続を通じて、機具間のデータ収集と分析が可能になり、これによって、製造プロセスの速度、柔軟性、及び効率を改善し、コストを削減するとともに、より高い品質の製品を生産することもできる。しかし、従来の産業環境では、往々にして、複数の独立したローカルエリアネットワーク(Local Area Network、LAN)が同時に存在し、これらのローカルエリアネットワークが複数種の冗長ネットワーク技術からなるため、統合と管理が困難になる。このような場合に、従来技術ではネットワーク結合技術が提案されており、それは複数のローカルエリアネットワークを直列接続することで、異なるローカルエリアネットワークの間でデータと機能の共有又は統合を実現できる。このような技術は、異なるローカルエリアネットワークの間の相互運用性と互換性の問題を解決し、システムの効率と信頼性を向上させることができる。
【0003】
ネットワーク結合を行うときに、単一線路(回線)故障時にネットワークが作動できなくなることを避けるために、第二線路をバックアップ線路として構築することで、ネットワーク結合の信頼性と安定性を高めることが一般的である。しかし、現在の解決方法では、2つのネットワークスイッチによりネットワーク結合を行うことがほとんどであり、そのうち、1つがプライマリスイッチとして作動し、もう1つがバックアップスイッチとして待機する。言い換えれば、1つのサブネットワークが接続される度に、2つのスイッチを増設する必要がある。このような場合に、接続されるサブネットワークの数が多くなると、必要なネットワークスイッチ装置の数もそれに応じて増加し、これによって、構築コストが増大するだけでなく、関連する制御パケットの量(数)も大幅に増加するため、パフォーマンスに影響を与える恐れがある。また、産業用制御ネットワークに適用されるときに、複数の異なるサブネットワークを基幹ネットワークに接続する必要があるというようなニーズが避けられない。よって、このような問題をさらに改善することで、効率を向上させ、コストを削減する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】台湾特許出願公開第I356616B号明細書
【文献】台湾特許出願公開第I321415B号明細書
【文献】台湾特許出願公開第I459757B号明細書
【文献】米国特許出願公開第20170302473A1号明細書
【文献】欧州特許出願公開第2566111A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、ネットワーク結合を行うときに、冗長メカニズムを実現するとともに、コストを削減し、効率を向上させることができる一対多のバックアップ方法及びネットワークスイッチを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施例によれば、プライマリネットワークスイッチが提供され、それはメインネットワークにおけるスイッチグループに配置され、少なくとも1つの第一リンクにより、サブネットワークグループにおける少なくとも1つの第一サブネットワークにカップリングされる。該プライマリネットワークスイッチは処理ユニット及び記憶ユニットを含む。該処理ユニットはプログラムコードを実行するために用いられ、該記憶ユニットは該処理ユニットにカップリングされ、該プログラムコードを記憶することで、該処理ユニットがネットワーク結合とバックアップ方法を実行するように指示するために用いられる。該ネットワーク結合とバックアップ方法は、該スイッチグループにおけるバックアップネットワークスイッチからの第一制御パケットを受信し;該第一制御パケットの受信に応じて、該少なくとも1つの第一サブネットワークの連線状態(接続状態)を含む第一確認パケットを送信し;第二制御パケットを該バックアップネットワークスイッチに送信し;及び、該第二制御パケットの送信に応じて、該バックアップネットワークスイッチから第二確認パケットを受信し、第二確認パケットを受信した後にリンク切り替えを行うことを含む。
【0007】
本発明の実施例によれば、バックアップネットワークスイッチがさらに提供され、それはメインネットワークにおけるスイッチグループに配置され、少なくとも1つの第一リンクにより、サブネットワークグループにおける少なくとも1つの第一サブネットワークにカップリングされる。該バックアップネットワークスイッチは処理ユニット及び記憶ユニットを含む。該処理ユニットはプログラムコードを実行するために用いられ、該記憶ユニットは該処理ユニットにカップリングされ、該プログラムコードを記憶することで、該処理ユニットがネットワーク結合とバックアップ方法を実行するように指示するために用いられる。該ネットワーク結合とバックアップ方法は、該少なくとも1つの第一サブネットワークの連線状態を含む第一制御パケットを該スイッチグループにおける少なくとも1つのプライマリネットワークスイッチに定期的に送信し;該第一制御パケットの送信に応じて、該少なくとも1つのプライマリネットワークスイッチから少なくとも1つの第一確認パケットを受信し;第一条件に基づいてリンク切り替えを行い;及び、該少なくとも1つのプライマリネットワークスイッチの第二制御パケットを受信したことに応じて、第二確認パケットを送信し、該第二制御パケットに基づいてリンク切り替えを行うことを含む。
【0008】
本発明の実施例によれば、ネットワーク結合とバックアップのためのネットワークアーキテクチャが提供され、それは複数のサブネットワーク及びメインネットワークを含む。該複数のサブネットワークは複数のサブネットワークグループに属する。該メインネットワークは複数のスイッチグループを含み、該複数のスイッチグループのうちの各スイッチグループは該複数のサブネットワークグループのうちの1つのサブネットワークグループにカップリングされ、かつ少なくとも1つのプライマリネットワークスイッチ及びバックアップネットワークスイッチを含む。該少なくとも1つのプライマリネットワークスイッチは少なくとも1つの第一リンクにより該サブネットワークグループにおける少なくとも1つの第一サブネットワークにカップリングされる。該バックアップネットワークスイッチは少なくとも1つの第二リンクにより該サブネットワークグループにおける少なくとも1つの第二サブネットワークにカップリングされる。そのうち、該複数のサブネットワークグループのうちの各サブネットワークグループはネットワーク結合とバックアップ方法を実行するために用いられ、該方法は、該バックアップネットワークスイッチが該少なくとも1つの第二サブネットワークの連線状態を含む第一制御パケットを定期的に送信し;該第一制御パケットの受信に応じて、該少なくとも1つのプライマリネットワークスイッチが該少なくとも1つの第一サブネットワークの連線状態を含む第一確認パケットを送信し;該バックアップネットワークスイッチが第一条件に基づいてリンク切り替えを行い;該少なくとも1つのプライマリネットワークスイッチが第二条件に基づいて第二制御パケットを送信し;該第二制御パケットの受信に応じて、該バックアップネットワークスイッチが第二確認パケットを返送し、該第二制御パケットに基づいてリンク切り替えを行い;及び、該第二確認パケットの受信に応じて、該プライマリネットワークスイッチがリンク切り替えを行うことを含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】本発明の実施例におけるネットワークシステムを示す図である。
【
図3】本発明の実施例における制御パケットを示す図である。
【
図4】本発明の実施例におけるネットワーク結合とバックアップ方法のフローチャートである。
【
図5A】本発明の実施例において一グループがネットワーク結合とバックアップフローを行う一実施態様を示す図(その1)である。
【
図5B】本発明の実施例において一グループがネットワーク結合とバックアップフローを行う一実施態様を示す図(その2)である。
【
図6A】本発明の実施例において一グループがネットワーク結合とバックアップフローを行うもう1つの実施態様を示す図(その1)である。
【
図6B】本発明の実施例において一グループがネットワーク結合とバックアップフローを行うもう1つの実施態様を示す図(その2)である。
【
図7A】本発明の実施例においてバックアップネットワークスイッチがネットワーク結合とバックアップ方法を実現するフローチャート(その1)である。
【
図7B】本発明の実施例においてバックアップネットワークスイッチがネットワーク結合とバックアップ方法を実現するフローチャート(その2)である。
【
図8A】本発明の実施例においてプライマリネットワークスイッチがネットワーク結合とバックアップ方法を実現するフローチャート(その1)である。
【
図8B】本発明の実施例においてプライマリネットワークスイッチがネットワーク結合とバックアップ方法を実現するフローチャート(その2)である。
【
図9】本発明の実施例における誤った配置を示す図である。
【
図10】本発明の実施例における誤った配置を示す図である。
【
図11】本発明の実施例における誤った配置を示す図である。
【
図12】本発明の実施例におけるネットワーク装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の上述した及び他の技術的内容、特徴、機能、及び効果は、添付した図面に基づく次のような好適な実施例の詳細な説明により明確になる。なお、以下の実施例に言及びされている方向についての用語、例えば、上、下、左、右、前、後などは、添付した図面の方向に過ぎない。よって、使用されている方向の用語は、本発明を説明するためだけのものであり、本発明を限定するためのものではない。また、特に記載しない限り、ここでの「含む」という用語は開放(open)形式の用語であり、また、「カップリング(結合)」という用語には任意の直接及び間接的な電気的な接続手段が含まれる。よって、例えば、第一装置が第二装置にカップリングされるという記載がある場合に、第一装置が直接第二装置に電気的にカップリングされ、あるいは、他の装置又は接続手段により間接的に第二装置に電気的にカップリングされ得ることを意味する。
【0011】
図1を参照するに、
図1はネットワークシステム1を示す図である。ネットワークシステム1では、メインネットワーク10に複数のサブネットワーク12_1~12_4が結合される。具体的に言えば、メインネットワーク10は複数のプライマリネットワークスイッチ14_1~14_4により複数の主要リンク15_1~15_4を介してサブネットワーク12_1~12_4にカップリングされると同時に、メインネットワーク10はさらに、複数のバックアップネットワークスイッチ16_1~16_4により複数のバックアップリンク17_1~17_4を介してサブネットワーク12_1~12_4にカップリングされる。そのうち、複数のバックアップネットワークスイッチ16_1~16_4及び複数のバックアップリンク17_1~17_4は複数のプライマリネットワークスイッチ14_1~14_4及び複数の主要リンク15_1~15_4のバックアップとされ、待機状態にある。
図1から分かるように、ネットワークシステム1は一対一のネットワーク結合とバックアップ方式を採用している。言い換えれば、メインネットワーク10に1つのサブネットワークが接続される度に、ネットワーク結合の信頼性と安定性を確保するために、1つのプライマリネットワークスイッチ及び1つのバックアップネットワークスイッチを対応して配置する必要がある。このような場合に、大量のサブネットワークの接続を要するときに、必要なネットワークスイッチの数も倍増する。また、ネットワークスイッチの数の増加に伴って、ネットワークスイッチにより送信される制御パケットの数も増加し得るため、パフォーマンスに影響を与える恐れがある。
【0012】
したがって、本発明ではネットワーク結合とバックアップ方法が提供され、これによって、バックアップネットワークスイッチがサブネットワークに接続される複数の作動中のプライマリネットワークスイッチに対して同時にバックアップを行うようにさせることができ、また、グループの方式により、バックアップネットワークスイッチ及びそのバックアップするプライマリネットワークスイッチが同一のグループ(以下、スイッチグループという)に属するように配置(設定)することで、メインネットワークが複数のスイッチグループにより複数の異なるサブネットワークグループに接続され得るようにさせることができる。このアーキテクチャでは、ネットワークスイッチが同一のスイッチグループに属する制御パケットのみを処理すれば良く、かつ制御パケットに複数のサブネットワークの接続状態が同時に含まれ得るため、制御パケットの処理量をさらに減少させることができる。
【0013】
図2を参照するに、
図2は本発明の実施例におけるネットワークシステム2を示す図である。この実施例において、ネットワークシステム2はメインネットワーク20及び複数のサブネットワークN1~N10を含み、かつ複数のグループG1~G3に分けることができる。メインネットワーク20は待機状態にある複数のバックアップネットワークスイッチ22_1、24_1及び26_1及びデータ転送用の複数のプライマリネットワークスイッチ22_2~22_5、24_2~24_3及び26_2を含む。なお、メインネットワーク20は
図2で環状ネットワークと示されているが、これに限定されず、メインネットワーク20は様々な類型のネットワークトポロジーであっても良く、かつ異なる冗長プロトコルに適用可能である。また、
図2に示すサブネットワークの数、グループの数、及びネットワークスイッチの数は説明のためのものであり、本発明はこれらに限られず、当業者は実際のニーズに応じて調整や変更を行うことができる。
【0014】
詳細に言えば、グループG1はスイッチグループC1及びサブネットワークグループS1を含み、スイッチグループC1はバックアップネットワークスイッチ22_1及び複数のプライマリネットワークスイッチ22_2~22_5を含み、サブネットワークグループS1はサブネットワークN1~N4を含む。複数のプライマリネットワークスイッチ22_2~22_5は複数のリンクL5~L8によりそれぞれサブネットワークN1~N4にカップリングされ、バックアップネットワークスイッチ22_1はプライマリネットワークスイッチ22_2~22_5のバックアップとされ、複数のリンクL1~L4によりサブネットワークN1~N4にカップリングされる。同様に、グループG2はスイッチグループC2及びサブネットワークグループS2を含み、スイッチグループC2はバックアップネットワークスイッチ24_1及び複数のプライマリネットワークスイッチ24_2~24_3を含み、サブネットワークグループS2はサブネットワークN5~N7を含む。プライマリネットワークスイッチ24_2はリンクL12、L13によりそれぞれサブネットワークN5、N6にカップリングされ、プライマリネットワークスイッチ24_3はリンクL14によりサブネットワークN7にカップリングされる。バックアップネットワークスイッチ24_1はプライマリネットワークスイッチ24_2、24_3のバックアップとされ、リンクL9~L11によりサブネットワークN5~N7にカップリングされる。グループG3はバックアップネットワークスイッチ26_1及びプライマリネットワークスイッチ26_2からなるスイッチグループC3、及びサブネットワークN8~N10からなるサブネットワークグループS3を含む。プライマリネットワークスイッチ26_2はリンクL18~L20によりそれぞれサブネットワークN8~N10にカップリングされ、バックアップネットワークスイッチ26_1はプライマリネットワークスイッチ26_2のバックアップとされ、リンクL15~L17によりサブネットワークN8~N10にカップリングされる。
【0015】
説明の便宜のため、
図2に示すネットワークシステム2は異なるネットワーク結合方式を含む。具体的に言えば、グループG1において、サブネットワークN1~N4はそれぞれプライマリネットワークスイッチ22_2~22_5により接続され、データ転送を行い、バックアップネットワークスイッチ22_1はグループG1におけるすべてのサブネットワークN1~N4に接続され、グループG1におけるすべてのプライマリネットワークスイッチ22_2~22_5に対してバックアップを行う。グループG3において、すべてのサブネットワークN8~N10は何れも同一のプライマリネットワークスイッチ26_2により接続され、データ転送を行い、また、バックアップネットワークスイッチ26_1はグループG3におけるすべてのサブネットワークN8~N10を接続し、プライマリネットワークスイッチ26_2に対してバックアップを行う。また、グループG2において、プライマリネットワークスイッチ24_2は2つのサブネットワークN5、N6に接続され、プライマリネットワークスイッチ24_3は同グループのもう1つのサブネットワークN7に接続され、バックアップネットワークスイッチ24_1はサブネットワークN5~N7を接続し、2つのプライマリネットワークスイッチ24_2、24_3のバックアップのために待機する。言い換えれば、同一のグループにおいて、プライマリネットワークスイッチは一対一(例えば、グループG1)、一対多(例えば、グループG3)又は混合(例えば、グループG2)の方式でサブネットワークに接続され、また、1つのバックアップネットワークスイッチによってバックアップされ得る。
【0016】
ネットワークシステム2において、同一のスイッチグループにおけるネットワークスイッチは制御パケット(control frame)の交換により情報を伝送することで、他のネットワークスイッチと、その接続するサブネットワークとの間の連線状態(接続状態)を得ることができる。本発明の実施例において、制御パケットはマルチキャスト(multicast)の方式によりメインネットワーク20又はサブネットワークN1~N10で伝送でき、また、制御パケットのヘッダー(header)における目的アドレスに、グループ識別子(ID)を、メインネットワーク20上のネットワークスイッチが識別するために含める(キャリー(carry)する)ことができる。そのため、ネットワークスイッチは、同じグループ識別子を有する制御パケットのみを読み取ることができ、異なるグループ識別子を有する制御パケットについては処理せず直接転送する。
【0017】
図3を参照するに、
図3は本発明の実施例における制御パケット3を示す図である。制御パケット3はネットワークシステム2に用いることができ、ヘッダー30~33、ペイロード(payload)34、及びフレームチェックシーケンス(frame check sequence、FCS)35を含む。ヘッダー30~33はそのキャリー(carry)するデータに従って、プレフィックス(前文)30、目的アドレス(Destination MAC)31、ソースアドレス(Source MAC)32、及びイーサタイプ(Ethertype)33を含んでも良い。そのうち、目的アドレス31はメディアアクセス制御アドレス(Media Access Control address、MAC address)であっても良く、そのうち、特定(所定)のMACアドレスにおける特定のバイト(byte)又はビットに異なるグループ識別子を含めても良く、又は、複数の特定のMACアドレスをそれぞれ異なるグループの識別子とすることで、マルチキャストアドレスとしてメインネットワーク20で伝送されても良いが、これらの実現方式に限定されない。特定のMACアドレスにおける特定のバイトに異なるグループ識別子が含まれることを例にとり、この場合に、グループG1に属し、かつグループ識別子1を有するバックアップネットワークスイッチ22_1は制御パケットを送信するときに、目的アドレスがxx-xx-xx-xx-xx-01である制御パケットを送り出すことができる。バックアップネットワークスイッチ22_1は目的アドレスがxx-xx-xx-xx-xx-01である制御パケットを受信したときに、この制御パケットが同じくグループ識別子1を有する他のネットワークスイッチにより送信されるものであると即時に判断できるので、パケットの内容を読み取って解析する必要があり、また、目的アドレスがxx-xx-xx-xx-xx-02又はxx-xx-xx-xx-xx-03である制御パケットを受信したときに、この制御パケットがグループ識別子2又は3を有するネットワークスイッチにより送信されるものであると判断できるので、この制御パケットを処理する必要にあらず、直接転送する。このような方式によれば、メインネットワーク20上のネットワークスイッチは同グループの制御パケットを認識(識別)し、同グループからの制御パケットを読み取ることで情報の交換(やり取り)を行うことができる。なお、MACアドレスにおける特定のバイトにグループ識別子を含めてマルチキャストアドレスとすることは本発明の実施例においてグループを識別する一実施方式であり、本発明はこれに限定されず、当業者は実際のニーズに応じて適切な方法を採用してマルチキャストアドレスにより異なるグループの識別を行うことができる。
【0018】
さらに、制御パケット3のペイロード34は命令340、送信者(送信元)アドレス341、パートナー(送信先)アドレス342、リンク数343、少なくとも1つのリンク識別子344及びその対応する連線状態345を含む。そのうち、命令340は異なる制御パケットを識別するために用いられ、送信者アドレス341は制御パケットを送信するプライマリネットワークスイッチ又はバックアップネットワークスイッチのMACアドレスであり、パートナーアドレス342は制御パケットの伝送対象(伝送先)である。例を挙げて言うと、プライマリネットワークスイッチが制御パケットを送信するときに、パートナーアドレス342は同一のグループに属するバックアップネットワークスイッチのMACアドレスであり得る。また、リンク数343はこの制御パケットにキャリーされるリンク連線状態の数であり、リンク識別子344はリンクに接続されるサブネットワーク識別子であり、連線状態345は対応するサブネットワークのリンク連線状態(言い換えれば、サブネットワークの連線状態)である。連線状態345は、リンクの電気信号を受信したかどうかに基づいて、連線(link-up)又は非連線(link-down)状態と判断できる。なお、制御パケット3は本発明の実施例を実現するに必要な域(フィールド)を例示するものであり、本発明はこれらに限定されず、当業者は実際のニーズに応じて制御パケット3の具体的な内容を調整できる。
【0019】
本発明の実施例におけるグループG1~G3はネットワークシステム2においてネットワーク結合とバックアップ方法を実施(実行)する最小単位と見なすことができる。言い換えれば、各グループではメインネットワーク20がサブネットワークグループに結合(カップリング)され、少なくとも1つのプライマリネットワークスイッチによりデータ転送が行われ、また、バックアップネットワークスイッチの待機によりバックアップが行われる。ネットワークシステム2のネットワーク結合とバックアップ方法は、
図4に示すように、ネットワーク結合とバックアップフロー4と要約できる。ネットワーク結合とバックアップフロー4は以下のステップを含む。
【0020】
ステップ400:開始(スタート)する。
【0021】
ステップ402:バックアップネットワークスイッチが第一制御パケットを定期的に送信する。
【0022】
ステップ404:第一制御パケットの受信に応じて、少なくとも1つのプライマリネットワークスイッチが第一確認パケット(acknowledgment、ACK)を送信する。
【0023】
ステップ406:バックアップネットワークスイッチが少なくとも1つのプライマリネットワークスイッチのうちの1つのプライマリネットワークスイッチの第一確認パケットを受信せず、第一条件が満足されたときに、リンク切り替えを行う。
【0024】
ステップ408:第二条件が満足されたときに、プライマリネットワークスイッチが第二制御パケットを送信する。
【0025】
ステップ410:第二制御パケットの受信に応じて、バックアップネットワークスイッチが第二確認パケットを送信し、また、該第二制御パケットに基づいてリンク切り替えを行う。
【0026】
ステップ412:第二確認パケットの受信に応じて、プライマリネットワークスイッチがリンク切り替えを行う。
【0027】
ステップ414:終了(エンド)する。
【0028】
ネットワーク結合とバックアップフロー4によれば、バックアップネットワークスイッチは第一制御パケットを定期的に送信し(ステップ402)、また、プライマリネットワークスイッチが返送する第一確認パケットに基づいてプライマリネットワークスイッチの状態を確認する(ステップ404)。第一条件が満足されたときに、プライマリネットワークスイッチが失効になった(例えば、故障になった又は接続できなくなった)と判断し、リンク切り替えを行うことでバックアップを行うことができる(ステップ406)。また、第二条件が満足されたときに、プライマリネットワークスイッチはリンク切り替えを行う必要があると判断するので、第二制御パケットをバックアップネットワークスイッチに送信する(ステップ408)。バックアップネットワークスイッチは第二確認パケットを返送し、また、第二制御パケットの情報に基づいてリンク切り替えを行う(ステップ410)。最後に、第二確認パケットを受信した後に、プライマリネットワークスイッチはリンク切り替えを行う(ステップ412)。そのうち、第一制御パケット、第一確認パケット、第二制御パケット及び第二確認パケットについては
図3の制御パケット3を参照でき、それは本発明に使用される制御パケットの具体的なフォーマットと内容を示している。
【0029】
詳細に言えば、
図5A及び
図5Bを同時に参照するに、
図5A及び
図5Bは
図2におけるネットワークシステム2のグループG2がネットワーク結合とバックアップフロー4を行う一実施態様を示している。先に
図5Aを参照する。ステップ402において、バックアップネットワークスイッチ24_1はメインネットワーク20又はサブネットワークN5~N7で第一制御パケットP1を定期的に送信し(メインネットワーク20で第一制御パケットP1を送信することのみが示されている)、第一制御パケットP1のペイロード34の内容は以下の表1に示すとおりであっても良い。そのうち、送信元アドレス341はバックアップネットワークスイッチ24_1のアドレスMAC1である。リンク数343はバックアップネットワークスイッチ24_1に接続されるサブネットワークの数を表し、リンク識別子344及び連線状態345はそれぞれ、ネットワークスイッチ24_1からサブネットワークN5~N7へのリンクL9~L11の接続の連線状態を記録する。表1に示すように、連線状態345がすべてlink-upのときに、バックアップネットワークスイッチ24_1がサブネットワークN5~N7のために随時に線路切り替えを行ってバックアップを行い得ることを表す。なお、第一制御パケットP1は、バックアップネットワークスイッチ24_1に接続されるすべてのサブネットワークN5~N7の連線状態をキャリーする必要がある。
【0030】
【表1】
引き続き、
図5Aを参照する。ステップ404において、第一制御パケットP1を受信した後に、プライマリネットワークスイッチ24_2、24_3は第一確認パケットP1_ACKを送信して連線状態を報告する必要がある。プライマリネットワークスイッチ24_2が送信する第一確認パケットP1_ACKのペイロード34の内容は以下の表2に示すとおりであって良い。そのうち、送信元アドレス341はプライマリネットワークスイッチ24_2のアドレスMAC2であり、パートナーアドレス(送信先)342はバックアップネットワークスイッチ24_1のアドレスMAC1である。リンク数343はプライマリネットワークスイッチ24_2に接続されるサブネットワークの数を表し、リンク識別子344及び連線状態345はそれぞれ、プライマリネットワークスイッチ24_2からサブネットワークN5、N6へのリンクL12、L13の接続の連線状態を記録する。表2に示すように、連線状態345がすべてlink-upのときに、プライマリネットワークスイッチ24_2がサブネットワークN5、N6に接続されるリンクL12、L13がすべて正常作動中であることを表す。なお、第一確認パケットP1_ACKはプライマリネットワークスイッチ24_2に接続されるすべてのサブネットワークN5、N6の連線状態をキャリーする必要がある。
【0031】
【表2】
プライマリネットワークスイッチ24_3が送信する第一確認パケットP1_ACKのペイロード34の内容は以下の表3に示すとおりであっても良い。そのうち、送信者(送信元)アドレス341はプライマリネットワークスイッチ24_3のアドレスMAC3であり、パートナー(送信先)アドレス342はバックアップネットワークスイッチ24_1のアドレスMAC1である。リンク数343はプライマリネットワークスイッチ24_3に接続されるサブネットワークの数を表し、リンク識別子344及び連線状態345はプライマリネットワークスイッチ24_3からサブネットワークN7へのリンクL14の接続の連線状態を記録する。表3に示すように、連線状態345がすべてlink-upのときに、プライマリネットワークスイッチ24_3がサブネットワークN7に接続されるリンクL14が正常作動中であることを表す。
【0032】
【表3】
ステップ406において、バックアップネットワークスイッチ24_1はプライマリネットワークスイッチ24_2、24_3から送信される第一確認パケットP1_ACKを受信する。第一確認パケットP1_ACKにより、バックアップネットワークスイッチ24_1はプライマリネットワークスイッチ24_2、24_3とサブネットワークN5~N7の連線状態を得ることができる。バックアップネットワークスイッチ24_1はそのうちの1つのプライマリネットワークスイッチの第一確認パケットP1_ACKを受信しないときに、第一条件が満足されたかを確認することで、リンク切り替えを行うかを決定する。第一条件は同一のプライマリネットワークスイッチの第一確認パケットP1_ACKを受信しない回数が所定回数を超えたことであっても良く、又は、同一のプライマリネットワークスイッチの第一確認パケットP1_ACKを受信しない期間が所定時間を超えたことなどであっても良いが、これらに限定されない。第一条件が満足されたときに、バックアップネットワークスイッチ24_1は該プライマリネットワークスイッチが既に失効又は故障になったと判断し、そして、リンク切り替えを行ってそのためにバックアップを行うことができる。
図5Bを参照するに、それは、プライマリネットワークスイッチ24_2が失効になったときの状況を示している。プライマリネットワークスイッチ24_2が失効になったときに、バックアップネットワークスイッチ24_1はプライマリネットワークスイッチ24_2が送信する第一確認パケットP1_ACKを受信できない。第一条件が満足されたときに、例えば、バックアップネットワークスイッチ24_1が連続して3回第一制御パケットP1をメインネットワーク20に送信するが、プライマリネットワークスイッチ24_3から返送される第一確認パケットP1_ACKのみを受信し、プライマリネットワークスイッチ24_2より返送される第一確認パケットP1_ACKを受信しない場合に、バックアップネットワークスイッチ24_1はプライマリネットワークスイッチ24_2が既に失効又は故障になったと判断できる。このような場合に、バックアップネットワークスイッチ24_1はプライマリネットワークスイッチ24_2に対してのバックアップのためにリンク切り替えを行うことができる。
図5Bに示すように、バックアップネットワークスイッチ24_1はサブネットワークN5、N6に接続される接続ポート(forwardingとする)をオープン(オン)し、リンクL9、L10によりメインネットワークとサブネットワークN5、N6の間のデータ転送を行う。これにより、バックアップネットワークスイッチはそのバックアップするプライマリネットワークスイッチが失効になったかを検出し、そのためにバックアップを行うことができる。なお、バックアップネットワークスイッチ24_1はそれぞれ、プライマリネットワークスイッチ24_2、24_3に接続されるサブネットワークに関する情報(装置が失効になる前に第一確認パケットP1_ACKによって取得される)を記憶できるから、プライマリネットワークスイッチ24_2、24_3が失効になっていると判断したときに、記憶した情報をロードし、これに基づいて、失効になったプライマリネットワークスイッチに接続されるサブネットワークのリンクを切り替えることができる。
【0033】
図6A及び
図6Bを参照するに、
図6A及び
図6Bは、
図2におけるネットワークシステム2のグループG2がネットワーク結合とバックアップフロー4を行うもう1つの実施態様を示している。先に
図6Aを参照する。ステップ408において、プライマリネットワークスイッチ24_2は、第二条件が満足されたときに、第二制御パケットP2を送信することで、リンク切り替えを行うように要求する。第二条件は、プライマリネットワークスイッチ24_2が起動し又は作動を回復したときに、バックアップネットワークスイッチ24_1によりバックアップされた元の径路に切り替える必要があること、及びプライマリネットワークスイッチ24_2により、その接続するリンクが失効状態から連線状態に戻ったことを検出したときに、元の径路に切り替える必要があることを含んでも良い。また、第二条件はさらに、プライマリネットワークスイッチ24_2により、その接続するリンクが失効になったことを検出したときに、バックアップネットワークスイッチ24_1にバックアップしてもらうことを含んでも良い。第二制御パケットP2は少なくとも、切り替えを行う必要のあるリンクに対応するサブネットワークの連線状態をキャリーし、これによって、バックアップネットワークスイッチは第二制御パケットP2に基づいてリンク切り替えを行うことができる。
【0034】
図6Aにおけるプライマリネットワークスイッチ24_2により、それとサブネットワークN5との間のリンクL12が失効になっていると検出したことを例にとり、この場合に、プライマリネットワークスイッチ24_2はメインネットワーク20で第二制御パケットP2を送信することで、バックアップネットワークスイッチ24_1がリンクを切り替えてバックアップを行うように通知できる。プライマリネットワークスイッチ24_2が送信する第二制御パケットP2のペイロード34の内容は以下の表4に示すとおりであっても良い。そのうち、送信元アドレス341はプライマリネットワークスイッチ24_2のアドレスMAC2であり、送信先アドレス342はバックアップネットワークスイッチ24_1のアドレスMAC1である。リンク数343はプライマリネットワークスイッチ24_2に接続されるサブネットワークのうち、リンクを変更する必要のあるサブネットワークの数を表し、リンク識別子344及び連線状態345はプライマリネットワークスイッチ24_2からサブネットワークN5、N6へのリンクL12、L13の接続の連線状態を記録するために用いられ得る。表4に示すように、プライマリネットワークスイッチ24_2に接続されるサブネットワークN5のサブネットワーク識別子344は5であり、その対応する連線状態345はlink-downである。言い換えれば、第二制御パケットP2にはプライマリネットワークスイッチ24_2がサブネットワークN5に接続されるリンクL12の作動状況(非連線状態)がキャリーされている。なお、第二制御パケットP2にはリンク切り替えを行う必要のあるリンクL12のみのリンク状態をキャリーする必要があり、連線状態が変わらないリンクL13のリンク状態をキャリーする必要がない。
【0035】
【表4】
図6Bを参照する。ネットワーク結合とバックアップフロー4によれば、ステップ410において、第二制御パケットP2を受信したバックアップネットワークスイッチ24_1は第二確認パケットP2_ACKを送信する。バックアップネットワークスイッチ24_1が送信する第二確認パケットP2_ACKのペイロード34の内容は以下の表5に示すとおりであっても良い。そのうち、送信元アドレス341はバックアップネットワークスイッチ24_1のアドレスMAC1であり、送信先アドレス342は第二制御パケットP2を送り出すプライマリネットワークスイッチ24_2のアドレスMAC2である。リンク数343はバックアップネットワークスイッチ24_1に接続されるサブネットワークのうち、リンクが変わる必要のあるサブネットワークの数を表し、リンク識別子344及び連線状態345はバックアップネットワークスイッチ24_1からサブネットワークN5~N7へのリンクL9~L11の接続の連線状態を記録するために用いられ得る。表5に示すように、第二確認パケットP2_ACKにキャリーされる、バックアップネットワークスイッチ24_1に接続されるサブネットワークN5のサブネットワーク識別子344は5であり、その対応する連線状態345はlink-upであり、これによって、メインネットワーク20とサブネットワークN5の間の連線はプライマリネットワークスイッチ24_2に接続される失効リンクL12から、バックアップネットワークスイッチ24_1に接続されるリンクL9に切り替えることができる。この過程において、バックアップネットワークスイッチ24_1はリンクL9に接続される通信ポートをブロッキング(blocking)状態から転送(forward)状態に変える必要があり、これによって、メインネットワーク20とサブネットワークN5の間のデータ転送を行うことができる。なお、第二確認パケットP2_ACKには第二制御パケットP2におけるサブネットワークに対応するリンク状態の情報、即ち、サブネットワークN5に対応するリンクL9のリンク状態のみをキャリーする必要がある。
【0036】
【表5】
ネットワーク結合とバックアップフロー4によれば、ステップ410において、プライマリネットワークスイッチ24_2がバックアップネットワークスイッチ24_1から返送される第二確認パケットP2_ACKを受信した後に、プライマリネットワークスイッチ24_2はリンクL12に接続される通信ポートを転送状態からブロッキング状態に変え、メインネットワーク20とサブネットワークN5の間のデータ転送をバックアップネットワークスイッチ24_1にリンクL9を介してしてもらう必要がある。
【0037】
また、ネットワーク結合とバックアップフロー4によれば、プライマリネットワークスイッチ24_2により、それとサブネットワークN5の間のリンクL12が連線状態に戻っていると検出したときに、ステップ408において、プライマリネットワークスイッチ24_2はメインネットワーク20で再び、リンク切り替えを要求する第二制御パケットP2を送り出すことができ、そのペイロード34の内容は以下の表6に示すとおりであっても良い。そのうち、キャリーされる、プライマリネットワークスイッチ24_2に接続されるサブネットワークN5のサブネットワーク識別子344は5であり、その対応する連線状態345はlink-upであり、言い換えれば、リンクL12は既に連線状態に戻っている。バックアップネットワークスイッチ24_1は第二制御パケットP2を受信したときに、第二確認パケットP2_ACKを返送し、リンク切り替えを行う。言い換えれば、メインネットワーク20とサブネットワークN5の間の連線はバックアップネットワークスイッチ24_1に接続されるリンクL9から、プライマリネットワークスイッチ24_2に接続されるリンクL12に切り替えることができる。この過程において、バックアップネットワークスイッチ24_1は、リンクL9に接続される通信ポートを、バックアップとして継続して待機するように、転送状態からブロッキング状態に変える必要があり、プライマリネットワークスイッチ24_2はリンクL12に接続される通信ポートを、メインネットワーク20とサブネットワークN5の間のデータ転送を再び行うように、ブロッキング状態から転送状態に変える必要がある。
【0038】
【表6】
これにより、ネットワークシステム2はグループの方式により、メインネットワーク20のネットワークスイッチを複数のスイッチグループに分け、それぞれ、複数のサブネットワークグループに接続することができる。制御パケットにおいて特別に設定されるマルチキャストアドレス(目的アドレス31)により、グループ同士が互いに干渉しないようにさせることができる。各スイッチグループでは、1つのバックアップネットワークスイッチが複数のプライマリネットワークスイッチを同時にバックアップできるので、必要な装置の数を減少させることができる。また、スイッチグループが制御パケットの交換によりネットワーク結合とバックアップ方法を実現し、また、制御パケットに複数のリンクの連線状態が同時にキャリーされることで、伝送される制御パケットの数を有効に減少させることができるとともに、プライマリネットワークスイッチ及びサブネットワークとの複数種の接続方式をサポートすることもできる。
【0039】
バックアップネットワークスイッチがネットワーク結合とバックアップを実現する上述の方法は、
図7A及び
図7Bに示すように、バックアップネットワークスイッチ24_1を例にして、フロー70、72と要約できる。フロー70は以下のステップを含む。
【0040】
ステップ700:開始(スタート)する。
【0041】
ステップ701:第一制御パケットを定期的に送信する。
【0042】
ステップ702:第一確認パケットを受信する。
【0043】
ステップ703:第一条件が満足されたかを判断し、はいの場合に、ステップ704を実行し、いいえの場合に、ステップ702を実行する。
【0044】
ステップ704:バックアップを行い、リンク切り替えを実行する。
【0045】
ステップ705:終了(エンド)する。
【0046】
フロー70によれば、ステップ701において、バックアップネットワークスイッチ24_1は定期的にメインネットワーク20又はサブネットワークN5~N7で第一制御パケットを送信し、第一制御パケットはバックアップネットワークスイッチ24_1とサブネットワークN5~N7の間の連線状態を含む。ステップ702において、バックアップネットワークスイッチ24_1は同グループに属するプライマリネットワークスイッチ24_2、24_3からの第一確認パケットを受信する。ステップ703において、バックアップネットワークスイッチ24_1は受信した第一確認パケットに基づいてプライマリネットワークスイッチ24_2、24_3の作動状態を判断する。受信した第一確認パケットが第一条件を満足したときに、プライマリネットワークスイッチ24_2、24_3のうちの1つが既に失効になっていると判断し、そして、ステップ704を実行する。プライマリネットワークスイッチ24_2が失効になったことを例にとり、この場合に、ステップ704において、バックアップネットワークスイッチ24_1はプライマリネットワークスイッチ24_2のためにバックアップを行い、また、リンク切り替えを行って、元々プライマリネットワークスイッチ24_2に接続されるサブネットワークN5、N6を、リンクL9、L10を介してバックアップネットワークスイッチ24_1に接続するように変えることで、メインネットワーク20とサブネットワークN5、N6の間のデータ転送を行う。
【0047】
バックアップネットワークスイッチがフロー70を実行するときに、フロー72をも同期実行することで、メインネットワーク交換機(スイッチ)からの第二制御パケットがあるかをモニタリングする。フロー72は以下のステップを含む。
【0048】
ステップ720:開始(スタート)する。
【0049】
ステップ721:第二制御パケットを待つ。
【0050】
ステップ722:第二制御パケットを受信したかを判断し、はいの場合に、ステップ723を実行し、いいえの場合に、ステップ721を実行する。
【0051】
ステップ723:第二確認パケットを送信する。
【0052】
ステップ724:バックアップを行い、リンク切り替えを実行する。
【0053】
ステップ725:終了(エンド)する。
【0054】
フロー72によれば、ステップ721において、バックアップネットワークスイッチ24_1は同グループのプライマリネットワークスイッチ24_2、24_3からの第二制御パケットを持続的にモニタリングし、第二制御パケットはプライマリネットワークスイッチと、それに接続されるサブネットワークとの間の連線状態を含む。ステップ722において、バックアップネットワークスイッチ24_1は第二制御パケットを受信したかを判断し、はいの場合に、ステップ723を実行する。バックアップネットワークスイッチ24_1がプライマリネットワークスイッチ24_2からの第二制御パケットを受信したことを例にとり、この場合に、ステップ723において、バックアップネットワークスイッチ24_1は第二確認パケットをプライマリネットワークスイッチ24_2に送信する。続いて、ステップ724において、バックアップネットワークスイッチ24_1は第二制御パケットにキャリーされるリンクの連線状態に基づいてリンク切り替えを行う。
【0055】
プライマリネットワークスイッチがネットワーク結合とバックアップを実現する上述の方法は、
図8A及び
図8Bに示すように、プライマリネットワークスイッチ24_2を例にして、フロー80、82と要約できる。フロー80は以下のステップを含む。
【0056】
ステップ800:開始(スタート)する。
【0057】
ステップ801:第一制御パケットを待つ。
【0058】
ステップ802:第一制御パケットを受信したかを判断し、はいの場合に、ステップ803を実行し、いいえの場合に、ステップ804を実行する。
【0059】
ステップ803:第一確認パケットを送信する。
【0060】
ステップ804:第三条件が満足されたかを判断し、はいの場合に、ステップ805を実行し、いいえの場合に、ステップ801を実行する。
【0061】
ステップ805:リンク切り替えを実行する。
【0062】
ステップ806:終了(エンド)する。
【0063】
フロー80によれば、ステップ801において、プライマリネットワークスイッチ24_2は同グループのバックアップネットワークスイッチ24_1からの第一制御パケットを待ち、また、ステップ802において、第一制御パケットを受信したかを判断する。プライマリネットワークスイッチ24_2は第一制御パケットを受信した場合に、バックアップネットワークスイッチ24_1の作動が正常であると判断でき、そして、ステップ803において、第一確認パケットをバックアップネットワークスイッチ24_1に送信する。プライマリネットワークスイッチ24_2は第一制御パケットを受信しない場合に、ステップ804において、第三条件が満足されたかを、後続の処理を行うために判断する必要がある。第三条件は、バックアップネットワークスイッチ24_1が既に失効になっており、及びプライマリネットワークスイッチ24_2に接続されるリンク状態が連線状態であり、かつ対応する接続ポートが非転送(forward)状態にあることを判断することを含む。バックアップネットワークスイッチ24_1が既に失効になっているかの判断は、バックアップネットワークスイッチ24_1の第一制御パケットを受信しない期間が所定時間を超えていることに基づいて行われても良いが、これに限定されない。第三条件が満足されたときに、プライマリネットワークスイッチ24_2はステップ805でリンク切り替えを行い、これによって、元も既に失効になっているバックアップネットワークスイッチ24_1によりバックアップされていたリンクを置き換える。そのうち、第一確認パケットは、プライマリネットワークスイッチ24_2と、それに接続されるサブネットワークN5、N6との間のリンクL12、L13の連線状態を含む。
【0064】
プライマリネットワークスイッチはフロー80を実行するときに、フロー82をも同期実行し、これによって、リンク切り替えを行う必要のある場合にその旨をバックアップネットワークスイッチに通知する。フロー82は以下のステップを含む。
【0065】
ステップ820:開始(スタート)する。
【0066】
ステップ821:リンクの接続状態を検出する。
【0067】
ステップ822:第二条件が満足されたかを判断し、はいの場合に、ステップ823を実行し、いいえの場合に、ステップ821を実行する。
【0068】
ステップ823:第二制御パケットを送信する。
【0069】
ステップ824:第二確認パケットを受信する。
【0070】
ステップ825:リンク切り替えを実行する。
【0071】
ステップ826:終了(エンド)する。
【0072】
フロー82によれば、ステップ821において、プライマリネットワークスイッチ24_2はサブネットワークN5、N6との間のリンクL12、L13の連線状態を持続的に検出する。ステップ822において、プライマリネットワークスイッチ24_2は第二条件が満足されたかを判断し、はいの場合に、ステップ823を実行する。プライマリネットワークスイッチ24_2とサブネットワークL5の間のリンクL12が失効になっていることを例にとり、この場合に、ステップ823において、プライマリネットワークスイッチ24_2は第二制御パケットをバックアップネットワークスイッチ24_1に送信する。そのうち、第二制御パケットのペイロード34は上述の表4に示すとおりである、そのうち、サブネットワークL5に接続されるリンクL12が非連線状態にあり、バックアップネットワークスイッチ24_1はこれに基づいてリンク切り替えを行うことができる。続いて、ステップ824において、プライマリネットワークスイッチ24_2はバックアップネットワークスイッチ24_1からの第二確認パケットを受信する。最後に、ステップ825に基づいて、プライマリネットワークスイッチ24_2はリンク切り替えを行う。
【0073】
本発明の実施例において、第一制御パケット及び第一確認パケットには複数のサブネットワークに関するリンク接続状態が同時にキャリーされ得るため、パケットの数を有効に減少させることができ、また、第二制御パケット及び第二確認パケットにはリンク切り替えを行う必要のあるサブネットワーク及び対応するリンク情報のみがキャリーされ得るため、パケットの情報量を減少させることができる。また、このメカニズムにより、ネットワークの誤配置(誤設定)の検出及びフォールトトレランスを行い、エラー情報をフィードバック(報告)することもできる。
【0074】
図9を参照するに、
図9は本発明の実施例における誤った配置を示す図である。
図9はネットワークシステム2におけるもう1つのグループG4のネットワーク結合の配置を示している。具体的に言えば、グループG4はサブネットワークN11~N13、プライマリネットワークスイッチ27_2、27_3、及びバックアップネットワークスイッチ27_1、27_4を含む。そのうち、バックアップネットワークスイッチ27_1はリンクL21、L22を介してサブネットワークN11、N12にカップリングされ、バックアップネットワークスイッチ27_4はリンクL23を介してサブネットワークN13にカップリングされる。プライマリネットワークスイッチ27_2はリンクL24、L26を介してサブネットワークN11、N13にカップリングされ、プライマリネットワークスイッチ27_3はリンクL25を介してサブネットワークN12にカップリングされる。
図9から分かるように、グループG4では2つのバックアップネットワークスイッチが誤って配置されている。バックアップネットワークスイッチ27_1、27_4は第一制御パケットを送信し、かつプライマリネットワークスイッチ27_2、27_3から送信される第一確認パケットを受信するときに、第一確認パケットにより、誤った連線状態を検出できる。具体的に言えば、バックアップネットワークスイッチ27_1はプライマリネットワークスイッチ27_2の第一確認パケットを受信したときに、第一確認パケットを解析した後に、リンク識別子344により、プライマリネットワークスイッチ27_2がサブネットワークN11、N13に接続されるという情報を得ることができる。サブネットワークN13がバックアップネットワークスイッチ27_1に接続されるサブネットワークN11、N12に属しないので、バックアップネットワークスイッチ27_1はグループG4に誤ったネットワーク配置があると検出できる。同様に、バックアップネットワークスイッチ27_4も第一確認パケットにより、プライマリネットワークスイッチ27_2、27_3に、それぞれ、バックアップネットワークスイッチ27_4に接続されないサブネットワークN11及びサブネットワークN12が接続されていることを発見できるので、バックアップネットワークスイッチ27_4はグループG4に誤ったネットワーク配置があると検出できる。このような場合に、サブネットワークとの接続方式に衝突が発生しないときに、バックアップネットワークスイッチ27_1、27_4は持続的に作動し、エラー情報をフィードバック(報告)することができる。
【0075】
図10を参照するに、
図10は本発明の実施例におけるもう1つの誤った配置を示す図である。
図10はネットワークシステム2におけるまたもう1つのグループG5のネットワーク結合の配置を示している。具体的に言えば、グループG5はサブネットワークN14、N15、プライマリネットワークスイッチ28_2、28_3、及びバックアップネットワークスイッチ28_1、28_4を含む。そのうち、バックアップネットワークスイッチ28_1はリンクL27、L28を介してサブネットワークN14、N15にカップリングされ、バックアップネットワークスイッチ28_4はリンクL29を介してサブネットワークN15にカップリングされる。プライマリネットワークスイッチ28_2はリンクL30を介してサブネットワークN14にカップリングされ、プライマリネットワークスイッチ28_3はリンクL31を介してサブネットワークN15にカップリングされる。
図10から分かるように、グループG5では2つのバックアップネットワークスイッチ28_1、28_4が誤って配置されており、かつ2つのバックアップネットワークスイッチ28_1、28_4がサブネットワークN15に同時に接続されている。このような場合に、プライマリネットワークスイッチ28_2、28_3はバックアップネットワークスイッチ28_1、28_4からの第一制御パケット又は第二確認パケットにより、誤った連線状態を検出できる。具体的に言えば、プライマリネットワークスイッチ28_3はバックアップネットワークスイッチ28_1からの第一制御パケットを受信し、第一制御パケットを解析した後に、リンク識別子344により、バックアップネットワークスイッチ28_1がサブネットワークN15に接続されるという情報を得ることができる。同様に、プライマリネットワークスイッチ28_3もバックアップネットワークスイッチ28_4からの第一制御パケットを受信し、第一制御パケットを解析した後に、リンク識別子344により、バックアップネットワークスイッチ28_4もサブネットワークN15に接続されるという情報を得ることができる。これに基づいて、プライマリネットワークスイッチ28_3はグループG4に誤ったネットワーク配置があると検出し、エラー情報を報告できる。このような場合に、プライマリネットワークスイッチ28_3が第一確認パケットを送信するときに、送信対象(送信先)は2つのバックアップネットワークスイッチ28_1、28_4のうち、MACアドレスが小さいものである。仮にバックアップネットワークスイッチ28_1のMACアドレスが比較的小さいとし、言い換えれば、プライマリネットワークスイッチ28_3が送信する第一確認パケットには、パートナーアドレス342がバックアップネットワークスイッチ28_1のMACアドレスに設定される。このような場合に、プライマリネットワークスイッチ28_3はリンクL31の失効を検出したときに、第二制御パケットをバックアップネットワークスイッチ28_1に送信する。言い換えれば、プライマリネットワークスイッチ28_3が送信する第二制御パケットには、パートナーアドレス342もバックアップネットワークスイッチ28_1のMACアドレスに設定される。
【0076】
なお、プライマリネットワークスイッチ28_3が第一確認パケット及び第二制御パケットをバックアップネットワークスイッチ28_1に送信するが、同一のグループG5に属するバックアップネットワークスイッチ28_4は同様に、プライマリネットワークスイッチ28_3が送信する第一確認パケット及び第二制御パケットを受信できる。具体的に言えば、前述のように、同一のグループの制御パケットの送信がすべて、グループ識別子を含む目的アドレス31により、メインネットワーク20において、マルチキャストの方式で行われるので、同一のグループに属するネットワークスイッチ28_1~28_4はすべて、互いに送信される制御パケットを読み取って解析できる。したがって、バックアップネットワークスイッチ28_4は同様に、プライマリネットワークスイッチ28_3がバックアップネットワークスイッチ28_1に送信する第一確認パケット及び第二制御パケットを解析し、そして、パートナーアドレス342に基づいて、もう1つのバックアップネットワークスイッチ28_1がバックアップを行うという情報を得ることができる。このような場合に、プライマリネットワークスイッチ28_3が失効になったときに、バックアップネットワークスイッチ28_4はリンク切り替えを行ってバックアップを行う必要がない。これにより、ネットワークシステム2はエラーを有効に検出し、フォールトトレランスを行うことができる。
【0077】
図11を参照するに、
図11は本発明の実施例におけるまたもう1つの誤った配置を示す図である。
図11はネットワークシステム2における他のグループG6のネットワーク結合の配置を示している。具体的に言えば、グループG6はサブネットワークN16、N17、プライマリネットワークスイッチ29_2、29_3、及びバックアップネットワークスイッチ29_1を含む。そのうち、バックアップネットワークスイッチ29_1はリンクL32、L33を介してサブネットワークN16、N17にカップリングされる。プライマリネットワークスイッチ29_2はリンクL34を介してサブネットワークN16にカップリングされ、プライマリネットワークスイッチ29_3はリンクL35、L36を介してサブネットワークN16、N17にカップリングされる。
図11から分かるように、グループG6では誤って、サブネットワークL16に接続される2つのプライマリネットワークスイッチ29_2、29_3が同時に配置されている。このような場合に、バックアップネットワークスイッチ29_1はプライマリネットワークスイッチ29_2、29_3からの第一確認パケット又は第二制御パケットにより、誤った連線状態を検出し、エラー情報を報告できる。具体的に言えば、バックアップネットワークスイッチ29_1は第一制御パケットを送り出した後に、プライマリネットワークスイッチ29_2からの第一確認パケットを受信し、第一確認パケットを解析した後に、リンク識別子344により、プライマリネットワークスイッチ29_2がサブネットワークN16に接続されるという情報を得ることができる。同様に、バックアップネットワークスイッチ29_1はプライマリネットワークスイッチ29_3からの第一確認パケットを受信し、第一確認パケットを解析した後に、リンク識別子344により、プライマリネットワークスイッチ29_3がサブネットワークN16、N17に接続されるとの情報を得ることができる。したがって、バックアップネットワークスイッチ29_1は、プライマリネットワークスイッチ29_2、29_3がサブネットワークL16に同時に接続されることを検出できる。
【0078】
さらに、
図12を参照するに、それは本発明の実施例におけるネットワーク装置120を示す図である。ネットワーク装置120は本発明の実施例におけるプライマリネットワークスイッチ22_2~22_5、24_2~24_3、26_2、27_2、24_3、28_2、28_3、29_2、29_3、及びバックアップネットワークスイッチ22_1、24_1、26_1、27_1、27_4、28_1、28_4、29_1を実現するために用いられ得る。
図12に示すように、ネットワーク装置120は処理ユニット1200及び記憶ユニット1202を含んでも良い。処理ユニット1200は汎用処理器、マイクロプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)など又はその組み合わせであり得る。記憶ユニット1202は処理ユニット1200にカップリングされ、任意のデータ記憶装置であっても良く、プログラムコード1204を記憶し、また、処理ユニット1200によりプログラムコード1204を読み取って実行するために用いられる。例を挙げて言うと、記憶ユニット1202はROM、flash memory、RAM、ハードディスク、光学的データ記憶装置(optical data storage device)及び不揮発性記憶ユニットなどであっても良いが、これらに限定されない。また、装置120はさらに、複数の接続ポート(図示せず)を、複数のサブネットワーク及びメインネットワークの複数のネットワーク装置を接続するために含み得る。
【0079】
ネットワーク装置120は本発明の実施例の実現に必要な素子(装置)を表すために用いられるが、本発明はこれに限定されず、当業者はニーズに応じて適切な変更や調整を行うことができる、例を挙げて言うと、ネットワーク装置120によりプライマリネットワークスイッチを実現するときに、ネットワーク結合とバックアップ方法のフロー80、82をコンパイルしてプログラムコード1204とし、記憶ユニット1202に記憶し、処理ユニット1200にネットワーク結合とバックアップ方法を実行してもらっても良い。ネットワーク装置120によりバックアップネットワークスイッチを実現するときに、ネットワーク結合とバックアップ方法のフロー70、72をコンパイルしてプログラムコード1204とし、記憶ユニット1202に記憶し、処理ユニット1200にネットワーク結合とバックアップ方法を実行してもらっても良い。また、記憶ユニット1202は、同一のスイッチグループにおけるネットワークスイッチと、それに接続されるサブネットワークとの連線状態の情報、及びネットワーク結合とバックアップ方法の実行時に必要なデータを記憶するために用いられても良いが、これらに限られない。
【0080】
以上のことから、本発明はネットワーク結合とバックアップ方法、装置及びネットワークアーキテクチャを提供し、ネットワーク結合時に、1つのバックアップネットワークスイッチにより複数のプライマリネットワークスイッチに対してバックアップを行うことで、必要な装置の数を減少させることができる。また、グループ分けにより、ネットワークスイッチを複数のグループに分けることで、グループ同士が互いに干渉しないようにさせ、処理を行う必要のある制御パケットの数を減少させることができる。さらに、制御パケットが複数のリンクの連線状態を同時にキャリーすることができるため、制御パケットの数をより一層減少させることができる。これにより、ネットワーク結合の信頼性と安定性を確保できるとともに、コストを削減し、パフォーマンスを向上させ、従来技術の欠点を克服することもできる。
【0081】
本発明は、前述した好適な実施例に基づいて以上のように開示されたが、前述した好適な実施例は、本発明を限定するためのものでなく、当業者は、本発明の思想と範囲を離脱しない限り、本発明に対して些細な変更と潤色を行うことができるので、本発明の保護範囲は、添付した特許請求の範囲に定まったものを基準とする。また、本発明の何れの実施例又は特許請求の範囲は、本発明に開示された全ての目的又は利点又は特徴を達成する必要がない。また、要約の一部と発明の名称は、文献の検索を助けるためのみのものであり、本発明の権利範囲を限定するものでない。また、本明細書又は特許請求の範囲に言、及びされている「第一」、「第二」などの用語は、要素(element)に名前を付け、又は、異なる実施例又は範囲を区別するためのもののみであり、要素の数上の上限又は下限を限定するためのものでない。
【符号の説明】
【0082】
1:ネットワークシステム
10:メインネットワーク
12_1~12_4:サブネットワーク
14_1~14_4:プライマリネットワークスイッチ
16_1~16_4:バックアップネットワークスイッチ
15_1~15_4、17_1~17_4:リンク
2:ネットワークシステム
20:メインネットワーク
N1~N10:サブネットワーク
L1~L20:リンク
G1~G3:グループ
C1~C3:スイッチグループ
S1~S3:サブネットワークグループ
22_1、24_1、26_1:バックアップネットワークスイッチ
22_2~22_5、24_2、24_3、26_2:プライマリネットワークスイッチ
3:制御パケット
30:前文(prefix)
31:目的アドレス
32:ソースアドレス
33:イーサタイプ
34:ペイロード
35:フレームチェックシーケンス
340:命令
341:送信者アドレス
342:パートナーアドレス
343:リンク数
344:リンク識別子
345:連線状態
4:フロー
400~414:ステップ
P1:第一制御パケット
P1_ACK:第一確認パケット
P2:第二制御パケット
P2_ACK:第二確認パケット
70、72、80、82:フロー
700~705、720~725、800~806、820~826:ステップ
G4~G6:グループ
L21~L36:リンク
N11~N17:サブネットワーク
27_1、27_4、28_1、28_4、29_1:バックアップネットワークスイッチ
27_2、27_3、28_2、28_3、29_2:プライマリネットワークスイッチ
120:ネットワーク装置
1200:処理ユニット
1202:記憶ユニット
1204:プログラムコード
【要約】
【課題】本発明は、ネットワークスイッチ及びネットワーク結合とバックアップのためのネットワークアーキテクチャを提供する。
【解決手段】ネットワーク結合とバックアップ方法は、バックアップネットワークスイッチが第一制御パケットを定期的に送信し;第一制御パケットの受信に応じて、少なくとも1つのプライマリネットワークスイッチが第一確認パケットを送信し;バックアップネットワークスイッチが第一条件に基づいてリンク切り替えを行い;少なくとも1つのプライマリネットワークスイッチが第二条件に基づいて第二制御パケットを送信し;第二制御パケットの受信に応じて、バックアップネットワークスイッチが第二確認パケットを返送し、第二制御パケットに基づいてリンク切り替えを行い;及び、第二確認パケットの受信に応じて、プライマリネットワークスイッチがリンク切り替えを行うことを含む。
【選択図】
図2