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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-14
(45)【発行日】2025-01-22
(54)【発明の名称】カラーフィルタ基板及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/20 20060101AFI20250115BHJP
   G02B 5/02 20060101ALI20250115BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20250115BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20250115BHJP
   H10K 50/854 20230101ALI20250115BHJP
   H10K 59/38 20230101ALI20250115BHJP
   H10K 59/50 20230101ALI20250115BHJP
【FI】
G02B5/20 101
G02B5/02 A
G02B5/20
G02F1/1335 500
G09F9/30 365
H10K50/854
H10K59/38
H10K59/50
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020037646
(22)【出願日】2020-03-05
(65)【公開番号】P2021140028
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2023-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】木村 健
(72)【発明者】
【氏名】伊賀 貴浩
(72)【発明者】
【氏名】山口 直也
(72)【発明者】
【氏名】福吉 健蔵
【審査官】横川 美穂
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-021430(JP,A)
【文献】特開2001-183647(JP,A)
【文献】特開2005-195842(JP,A)
【文献】特開2004-319471(JP,A)
【文献】特開2019-179111(JP,A)
【文献】特開2009-104028(JP,A)
【文献】国際公開第2017/057454(WO,A1)
【文献】特開平11-101947(JP,A)
【文献】特開2018-193525(JP,A)
【文献】特開2016-183245(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/20
G02B 5/02
G02F 1/1335
G09F 9/30
H10K 50/00-102/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明な基板と、
前記基板の第一面上に形成された、粒径が1μm以下の散乱性微粒子を含有する半透過膜と、
前記半透過膜上に形成され、複数の色フィルタを有するカラーフィルタ部と、
カーボンを含有して前記カラーフィルタ部上に形成され、前記基板の平面視において複数の開口を含む格子状パターンを有するブラックマトリクスと、
を備え、
前記平面視において、前記開口内に前記複数の色フィルタのいずれかが配置され、
前記複数の色フィルタは、前記平面視において重なり部位を有し、
前記ブラックマトリクスは、前記重なり部位を覆っている、
カラーフィルタ基板。
【請求項2】
前記半透過膜はカーボンを含有し、400nm~700nmの波長範囲における光の透過率が70%以上99.5%以下である、
請求項1に記載のカラーフィルタ基板。
【請求項3】
前記散乱性微粒子がシリカからなる、
請求項1に記載のカラーフィルタ基板。
【請求項4】
前記第一面と反対側の第二面から当てた400nm~700nmの波長範囲の光の、前記カラーフィルタ部における反射率が1%未満であり、かつ反射率変動の大きさが1パーセントポイント未満である、
請求項1に記載のカラーフィルタ基板。
【請求項5】
前記半透過膜は、前記複数の開口のすべてに配置されている、
請求項1に記載のカラーフィルタ基板。
【請求項6】
前記カラーフィルタ部と前記ブラックマトリクスとの間に設けられた透明層をさらに備える、
請求項1に記載のカラーフィルタ基板。
【請求項7】
前記複数の開口内に配置された充填層をさらに備える、
請求項1に記載のカラーフィルタ基板。
【請求項8】
前記充填層は、可視光を散乱する散乱粒子を含有する、
請求項7に記載のカラーフィルタ基板。
【請求項9】
前記充填層は、波長変換物質を含有する、
請求項7に記載のカラーフィルタ基板。
【請求項10】
前記波長変換物質が粒子状であり、
前記ブラックマトリクスの高さは、前記波長変換物質の粒径の2倍以上5倍以下である、
請求項9に記載のカラーフィルタ基板。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載のカラーフィルタ基板と、
複数の発光素子を有する発光基板と、
を備える、
表示装置。
【請求項12】
液晶層を有し、前記カラーフィルタ基板と前記発光基板との間に配置された液晶基板をさらに備える、
請求項11に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラーフィルタ基板、およびこのカラーフィルタ基板を備えた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)を光源とするバックライトユニットを用いた液晶表示装置が、広く知られている。この液晶表示装置では、液晶層が表示機能層であり、バックライトユニットのLEDは常時点灯される。
【0003】
表示画面内の表示部位の位置に応じて、3種類のLEDチップの発光輝度を部分的に調整し、あるいは、部分的に発光を停止させるローカルディミングを併用する技術が注目されている。ローカルディミングを用いると、表示画面の発光を部分的にオフにすることができるため、表示のコントラストを大きく改善でき、有機EL並みのコントラストを得ることも可能である。
マイクロLEDは、おおよそ2μmから50μmサイズのLEDチップがマトリクス状に配列した構造を有する。マイクロLEDとローカルディミングとを組み合わせることにより、液晶を用いずに表示を行うことができる。
【0004】
マイクロLEDを用いた表示装置には、赤色発光、緑色発光、青色発光の3種類のLEDチップを用いる方式や、青色から近紫外の波長域の光を発する1種類のLEDチップを用いる方式等がある。後者の構成でカラー表示を実現するためには、カラーフィルタや量子ドット等の、LEDチップから出射される光の波長を変換する構成が必須となる。
【0005】
表示装置においては、さらに高精細化が進むことが見込まれており、これに伴って迷光に起因する表示コントラスト低下が問題となる。また、表示装置が明るい環境下で使用される際、外部から表示装置に入射する入射光に起因する表示コントラスト低下も問題となる。
有機EL表示装置やマイクロLEDでは、外部から表示装置に入射する入射光に起因するコントラスト低下を避けるため、円偏光板が用いられることが多い。円偏光板は高価であることから、円偏光板を省略することが強く望まれている。
【0006】
特許文献1には、第1遮光層と第2遮光層を用いたカラーフィルタが記載されている。第1遮光層は、いわゆるブラックマトリクスであり、異なる着色層の隣接部位を2つの遮光層で挟むことにより、迷光の発生を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特許第6225524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1の構成では、着色層と透明基板との間に部分的にブラックマトリクスが設けられるため、着色層の平坦性に改善の余地がある。詳細は後述するが、これによるコントラスト低下の発生が懸念される。
さらに、外部からの入射光に起因するコントラスト低下については考慮されていないため、円偏光板を省略することが難しい。
【0009】
上記事情に鑑み、本発明は、視認性やコントラスト等が良好であり、円偏光板を必要とせずに外部からの入射光に起因するコントラスト低下を抑制できるカラーフィルタ基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第一の態様は、透明な基板と、基板の第一面上に形成された、粒径が1μm以下の散乱性微粒子を含有する半透過膜と、半透過膜上に形成され、複数の色フィルタを有するカラーフィルタ部と、カーボンを含有してカラーフィルタ部上に形成され、基板の平面視において複数の開口を含む格子状パターンを有するブラックマトリクスとを備えるカラーフィルタ基板である。
このカラーフィルタ基板は、平面視において、開口内に複数の色フィルタのいずれかが配置され、複数の色フィルタは、前記平面視において重なり部位を有する。
ブラックマトリクスは、重なり部位を覆っている。
【0011】
本発明の第二の態様は、第一の態様に係るカラーフィルタ基板と、複数の発光素子を有する発光基板とを備える表示装置である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、視認性やコントラスト等が良好であり、円偏光板を必要とせずに外部からの入射光に起因するコントラスト低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第一実施形態に係るカラーフィルタ基板の部分断面図である。
図2】同カラーフィルタの部分拡大断面図である。
図3】従来のカラーフィルタの部分拡大断面図である。
図4図3と同等の構造の走査電子顕微鏡写真である。
図5】カラーフィルタの分光反射率特性を示すグラフである。
図6】半透過膜を設けたカラーフィルタの分光反射率特性を示すグラフである。
図7】同カラーフィルタ基板の変形例の部分断面図である。
図8】同カラーフィルタ基板の他の変形例の部分断面図である。
図9】本発明の第二実施形態に係る表示装置の部分断面図である。
図10】同表示装置の他の例に係る部分断面図である。
図11】同表示装置の他の例に係る部分断面図である。
図12】同表示装置の他の例に係る部分断面図である。
図13】略平坦に形成されたカラーフィルタ部を示す模式図である。
図14】略平坦に形成されたカラーフィルタ部の走査電子顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の第一実施形態について、図1から図8を参照しながら説明する。
以降の説明において、同一又は実質的に同一の機能及び構成要素には、同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化し、或いは、必要な場合のみ説明を行う。本発明における画素数、画素開口部の数、画素開口部の形状は、以下に説明する図面によって解釈を制限されない。また、本発明の実施形態を分かり易く説明するため、断面図や平面図では、表示装置を構成する部材の数を少なくし、表示装置の構造を説明する場合がある。
各実施形態においては、特徴的な部分について説明し、例えば、通常の表示装置に用いられている構成要素と差異がない部分については適宜説明を省略する。
【0015】
本明細書中において、「平面視」とは、半透過膜やブラックマトリクス層が形成されていない側の透明基板の面を、観察者が法線方向に見た状態を意味する。
また、「高さ」あるいは「厚み」は、いずれも基板面に対して垂直な方向における寸法を意味する。換言すれば、「高さ」と「厚み」は、本発明を説明する目的に対して同義である。
各構成における「第1」や「第2」等の序数詞は、構成要素の混同を避けるために付しており、序列や数量を特定しない。
【0016】
図1は、本実施形態に係るカラーフィルタ基板101の部分断面図である。図1に示すように、カラーフィルタ基板101は、透明な第一基板100と、半透過膜1と、カラーフィルタ部2と、ブラックマトリクス6とを備えている。
【0017】
第一基板100として、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、ポリイミドフィルムを含むプラスチック基板等を使用できる。
【0018】
半透過膜1は、第一基板100の第一面100a全体を覆うように形成されている。
半透過膜1は、硬化した樹脂により形成されており、カーボン粒子および光学的に等方な透明微粒子(散乱性微粒子)が、分散した状態で配置されている。
【0019】
「光学的に等方」とは、透明微粒子におけるa軸、b軸、c軸が各々等しい結晶構造を有するか、もしくは、アモルファス(非晶質構造)であって、光の伝播が結晶軸あるいは結晶構造に影響を受けず等方であることを意味する。シリカ微粒子は、アモルファスを有する。樹脂ビーズ等の樹脂の微粒子として、屈折率を含めて様々な性質を有する微粒子が知られており、これらの樹脂微粒子も光学的に等方な透明微粒子として使用できる。樹脂微粒子の材質として、アクリル、スチレン、ウレタン、ナイロン、メラミン、ベンゾグアナミンなどの各種樹脂を例示できる。
光学的に等方で、かつ、可視域において透明な無機微粒子の代表として、二酸化ケイ素(シリカ)の微粒子が知られている。シリカの微粒子の粒径は、例えば、5nmから300nmの範囲内とできる。半透過膜1は、粒径の異なる2種以上の無機微粒子を有してもよい。シリカ微粒子はカーボン単体では生じやすい2次粒子の生成を妨げ、カーボンの分散性を改善する。
【0020】
上記構成により、半透過膜1は、透明性を有しつつも、光の波長400nmから700nmの可視光領域の光を完全には透過しない。半透過膜1の可視光領域の光は、例えば、70%以上99.5%以下とでき、70%以上80%以下が好ましい。
【0021】
半透過膜1のベースとなる樹脂は、耐熱性など必要な信頼性を付与できるものであれば良く、アルカリ現像可能な感光性樹脂や熱硬化樹脂等を使用できる。熱硬化性樹脂として、例えば、エポキシ基含有化合物又は樹脂、メチロール基、アルコキシメチル基あるいはアシロキシメチル基から選ばれる少なくも一つの基を有する樹脂を例示できる。ベース樹脂は、有機溶剤を用いて透明粒子およびカーボン粒子を分散させた塗液として用いる。透明基板上に塗液を塗布し、熱や光により硬化させることにより、半透過膜1を形成できる。
【0022】
カラーフィルタ部2は、半透過膜1上に形成されている。本実施形態のカラーフィルタ部2は、赤フィルタR、緑フィルタG、および青フィルタBの3種の色フィルタを有する。カラーフィルタ部2における色フィルタの数および組み合わせは、用途等に応じて適宜設定できる。
【0023】
赤フィルタR、緑フィルタG、および青フィルタBは、カラーフィルタ基板101の平面視において同一方向(延在方向)に延びる帯状に形成されている。本実施形態においては、赤フィルタR、緑フィルタG、青フィルタBの順で色フィルタが形成されることによりカラーフィルタ部2が形成されている。このため、赤フィルタRは、延在方向に直交する幅方向両側の一定部分が、それぞれ緑フィルタGおよび青フィルタBに覆われている。緑フィルタGの幅方向の一方は赤フィルタRを覆っており、他方は青フィルタBに覆われている。青フィルタBの幅方向両側の一定部分は、それぞれ緑フィルタGおよび青フィルタBを覆っている。
【0024】
赤フィルタR、緑フィルタG、および青フィルタBは、幅方向において赤、緑、青の単位配列を多数繰り返しつつ、延在方向に延びている。さらに、各色フィルタは、カラーフィルタ基板101の端部を除き、幅方向両側に他の色フィルタとの重なり部位を有しており、この重なり部位も延在方向に延びている。
【0025】
各色フィルタR、G、Bは、対応する色彩の有機顔料が樹脂に分散された分散体を使用して形成できる。樹脂としては、アクリル等を例示できる。
【0026】
赤フィルタRに適用できる赤色の有機顔料として、C.I.Pigment Red 7、14、41、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、81:4、146、168、177、178、179、184、185、187、200、202、208、210、246、254、255、264、270、272、279等を例示できる。
これら赤色顔料に、黄色顔料や橙色顔料が混合されてもよい。適用できる黄色の有機顔料として、C.I.Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、147、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、187、188、193、194、199、198、213、214等を例示できる。
【0027】
緑フィルタGに適用できる緑色顔料として、C.I.Pigment Green 7、10、36、37等を例示できる。これら緑色顔料に、上述の黄色顔料が混合されてもよい。他に、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン緑色顔料やハロゲン化アルミニウムフタロシアニン緑色顔料も好適に使用できる。
【0028】
青フィルタBに適用できる青色顔料として、C.I.Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64等を例示できる。
これら青色顔料に、紫色顔料が混合されてもよい。紫色顔料として、C.I.Pigment Violet 1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等を例示できる。
【0029】
上述した各顔料は、有機溶剤や分散剤とともに透明樹脂に分散して用いる。透明樹脂は、可視域の透過率が90%以上の透明樹脂であることが望ましく、樹脂の前駆体を含むアルカリ可溶性の感光性樹脂であることが望ましい。顔料は、樹脂に対し、15質量%から65質量%の範囲内で含有させることができる。
感光性樹脂として、水酸基、カルボキシ基、アミノ基等の反応性の置換基を有する線状高分子にイソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基、シラノール基等の反応性置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等の光架橋性基を線状高分子に導入したポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、オキセタン樹脂、シロキサン樹脂、ベンゾオキサジン樹脂等を例示できる。波長365nmなどの紫外線照射により感光性樹脂を硬化する場合には、感光性樹脂に光重合開始剤等が添加されてもよい。
【0030】
ブラックマトリクス6は、カラーフィルタ部2上に形成されて、カラーフィルタ部2の一部を覆っている。ブラックマトリクス6は、平面視において延在方向に延びる第一部位と、幅方向に延びる第二部位とをそれぞれ複数有し、カラーフィルタ基板101の平面視において複数の開口40(図1参照)を有する格子状パターンを形成している。第一部位および第二部位は、それぞれ等間隔で形成されているが、第一部位と第二部位とで間隔の寸法は異なっている。
第一部位は、カラーフィルタ基板101の平面視において、色フィルタの重なり部位(第一基板100の厚さ方向に2種類の色フィルタが存在する部位)を完全に覆っている。第一部位の幅は、重なり部位を完全に覆う範囲内で適宜設定できる。
【0031】
ブラックマトリクス6の形成方法は特に制限されないが、遮光性を有するカーボンが分散した、アルカリに可溶な感光性レジストを用いると、公知のフォトリソグラフィにより格子状パターンを簡便に形成できる。カーボンは、カーボンブラックとも呼称される。ブラックマトリクスの光学濃度(ΔOD)は、半透過膜1よりも高く、例えば1以上4以下とできる。ブラックマトリクス6の光学濃度を4以上としてもよいが、フォトリソグラフィにおける露光が困難となるため、フォトリソグラフィを用いてブラックマトリクス6を形成する場合は、4以下の光学濃度とすることが好ましい。
ブラックマトリクス6の膜厚は、たとえば、1μm前後に設定できる。
ブラックマトリクス6の膜厚(高さ)は適宜設定でき、例えば、2μmから50μm程度とできる。
【0032】
上記のように構成されたカラーフィルタ基板101の使用時の作用について説明する。
カラーフィルタ基板101が表示装置に適用される場合、第一面100aと反対側の第二面100bを使用者側に向けて配置される。したがって、バックライト等の光源は第一面100a側に配置され、光源から出射された光は、第一面100a側に入射する。
【0033】
図2は、カラーフィルタ基板101の部分拡大断面図である。上述したように、ブラックマトリクス6は、カラーフィルタ部2の重なり部位2a上に形成されている。したがって、光源等からカラーフィルタ基板101に対して斜めに入射する光は、まずブラックマトリクス6に入射してそのほとんどが吸収される。これにより、コントラストや色純度の低下が抑制され、表示品質が高く保持される。
【0034】
特許文献1に記載の構成のように、透明基板100Aとカラーフィルタ部2との間にブラックマトリクス106が形成される場合、図3に示すように、重なり部位2aは、ブラックマトリクス106上に形成されるため、重なり部位2aは、透明基板100A上に大きく突出することになる。
発明者の検討では、各色フィルタR、G、Bの厚みを標準的な値である2.2μmとした場合、カラーフィルタ基板101における重なり部位の厚みは、RとGとの重なり部位GRで2.8μm、RとBとの重なり部位BRで2.6μm、GとBとの重なり部位BGで2.7μmであった。
一方、図3に示すカラーフィルタ基板では、ブラックマトリクス106の厚みを1.2μmとした場合、重なり部位の厚みは、RとGとの重なり部位GRで3.9μm、RとBとの重なり部位BRで3.5μm、GとBとの重なり部位BGで3.7μmであった。すなわち、重なり部位の厚みは、35%~40%程度増加した。
図4に、図3に示す構造の走査電子顕微鏡(SEM)写真を示す。図3に示す構造において、重なり部位2aが大きく突出していることがわかる。
【0035】
重なり部位2aの厚みが大きくなると、重なり部位2aを別のブラックマトリクスで覆っても、重なり部位2aが薄い場合よりブラックマトリクスと透明基板との距離が増加しているため、入射する開口と出射する開口とが異なり(例えば緑の開口に入射して赤の開口から出射する等)、かつブラックマトリクスを通らない光の角度範囲が増加する。その結果、コントラストや色純度の低下を生じる光が増える。
本実施形態のカラーフィルタ基板101では、第一基板100とカラーフィルタ部2との間に形成された半透過膜1の厚さが均一であるため、重なり部位2aの厚みは過度に大きくならず、コントラストや色純度の低下を生じる光の増加が抑制されている。さらに、入射側と出射側とで異なる色フィルタを通る光は、必ず半透過膜1を通ってから外部に出るため、その一部が半透過膜1により吸収される。
したがって、上述したブラックマトリクス6の作用と相まって、特許文献1の構成に比して著しく表示品質が高く保持される。
【0036】
半透過膜1は、上述した作用効果に加えて、外部から表示装置に入射する入射光に起因するコントラスト低下を抑制する。外部から表示装置に入射する入射光は、まず半透過膜1を通るため、半透過膜1の透過率に応じて減衰する。減衰した光は、表示装置内部で反射して表示装置外に出る際に、再び半透過膜1を通って減衰する。すなわち、外部から表示装置に入射する入射光は、表示装置外に出て使用者に視認されるまでに、半透過膜1の透過率を2乗した値の割合まで減衰する。例えば、半透過膜1の可視光領域における透過率が75%であった場合、外部から表示装置に入射する入射光は、少なくとも入射時の56.25%まで減衰して表示装置外に出射する。
これにより、カラーフィルタ基板101を適用した表示装置では、外部から表示装置に入射する入射光に起因するコントラスト低下が好適に抑制されるため、円偏光板が必要ない。
【0037】
本実施形態のカラーフィルタ基板101では、第一基板100とカラーフィルタ部2との間にはブラックマトリクスは存在しない。そのため、第二面100b側からブラックマトリクスを見ると、カラーフィルタ部2とブラックマトリクス6との界面における光の反射及び干渉によりリップル(反射率変動)が生じ、ブラックマトリクス6がわずかに着色して観察されることがある。反射光に起因するこのような着色は、表示装置の表示をオフとした黒表示のときに観察されやすい。また、こうした場合、使用者の斜め方向からの視認で虹色に見えることがあり視認性を低下しやすい。
本実施形態のカラーフィルタ基板101では、第一基板100とカラーフィルタ部2との間に設けられた半透過膜1が、このような現象を抑制する。
【0038】
図5は、半透過膜1のないカラーフィルタにおける分光反射率特性を示すグラフである。反射率は、アルミニウム膜の反射率を基準(100%)としている。
図5において、赤フィルタおよび緑フィルタにおいて、1.0%以上の高い反射率が認められ、赤フィルタにおけるリップルは約1.5ポイント(%ポイント)と大きくなっている。
リップルは、光の波長400nmから700nmの可視域の範囲にて測定される反射率の、50nm単位内での反射率分光カーブの山谷の差であるが、50nm単位内での反射率ピークの値を用いても簡易的に評価できる。簡易的評価では、見かけ上反射率変動の値は大きめの値となる。
【0039】
図6は、半透過膜1を設けたカラーフィルタに対し、半透過膜1側から光を当てた際の分光反射率特性を示すグラフである。400nmから700nmの可視光領域において、すべてのフィルタの反射率が1.0%を大きく下回っており、赤フィルタのリップルは0.31ポイントに抑制されている。図6に係る半透過膜1は、カーボンブラックおよびシリカ微粒子をそれぞれ4重量%(wt%)含有しており、反射率は70%である。
【0040】
400ppi(pixel per inch)、800ppiなどの高精細画素では、カラーフィルタやブラックマトリクスの反射率が1%を超えると視認性低下を起こしやすい。特に、高精細化に伴い、反射率の高いブラックマトリクスの面積比率が増加しており、ブラックマトリクスを含めたカラーフィルタの低反射率化は重要である。本実施形態に係るカラーフィルタ基板は、好ましい低反射率を有していると言える。
【0041】
主な顔料成分として有機顔料を含有する半透過膜の場合、外光がブラックマトリクス層との界面で反射した反射光が黄色に着色して見えることがある。本実施形態の半透過膜1は、カーボンを主要な顔料成分とし、有機顔料を含まないため、反射光がフラットであり、このような反射光の着色を生じない。「反射光がフラット」とは、光の波長400nmから700nmの可視域の範囲において、例えば、50nmなどの小さいレンジで、透過率に2ポイント以上の凹凸(変動)がなく、直線に近い透過率曲線が得られることを意味する。半透過膜1の反射光がフラットであることは、上述したリップル抑制効果に寄与している。
【0042】
半透過膜1が含有する散乱性微粒子は、サブミクロンオーダーの粒径を有するため、可視光の散乱作用はなく、あってもごくわずかである。散乱性微粒子が二酸化ケイ素からなる場合、二酸化ケイ素の屈折率(例えば、1.46~1.47)は小さいため、半透過膜1の屈折率を下げる効果を有する。その結果、半透過膜1とカラーフィルタとの界面における光の反射を抑制し、視認性を向上できる。
【0043】
本実施形態のカラーフィルタ基板は、図7に示す変形例のカラーフィルタ基板102のように、カラーフィルタ部2とブラックマトリクス6との間に樹脂等からなる透明層21を備えてもよい。カラーフィルタ部2を透明層21内に位置させることにより、平坦な透明層21上にブラックマトリクス6を形成することができる。その結果、ブラックマトリクス6の寸法やカラーフィルタ基板における位置等の制御が容易となる。
【0044】
本実施形態のカラーフィルタ基板は、図8に示す変形例のカラーフィルタ基板103のように、ブラックマトリクス6の開口40を埋める透明な充填層22を備えてもよい。図8では、透明層21を備えた例を示しているが、透明層21は無くてもよい。図8では、充填層22がブラックマトリクス6よりも厚い例を示しているが、充填層22はブラックマトリクス6と同等の厚さでもよいし、ブラックマトリクス6より薄くてもよい。
充填層22を設けることにより、ブラックマトリクス6の破損や変形等を防止することができ、特にブラックマトリクス6が高い場合等に好適である。さらに、充填層22に各種材料を含有させることにより、カラーフィルタ基板103に様々な特性を付与できる。この点については第二実施形態で詳細に説明する。
【0045】
本発明の第二実施形態について、図9から図12を参照して説明する。この実施形態では、第一実施形態に係るカラーフィルタ基板を備えた表示装置について説明する。
以降の説明において、既に説明したものと共通する構成については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0046】
図9は、カラーフィルタ基板102を備えた表示装置120の模式断面図である。表示装置120は、カラーフィルタ基板102と、発光素子32を有する発光基板200とを備えている。発光基板200は、発光素子32が配置された面をカラーフィルタ基板102に対向させて配置されている。
【0047】
発光素子32として、LED(Light Emitting Diode)とも称される発光ダイオード、OLED(Organic Light Emitting Diode)とも称される有機EL(有機エレクトロルミネセンス)等を使用できる。
【0048】
LEDには、アルミニウムガリウムヒ素(AlGaAs)、ガリウムヒ素リン(GaAsP)、インジウム窒化ガリウム(InGaN)/窒化ガリウム(GaN)/アルミニウム窒化ガリウム(AlGaN)、リン化ガリウム(GaP)、セレン化亜鉛(ZnSe)、アルミニウムインジウムガリウムリン(AlGaInP)などの化合物が適用されている。単色発光LEDとして後述する青色発光ダイオードには、主に窒化ガリウム(GaN)が適用されている。なお、ここでの青色発光ダイオードは、365nm、385nm、395nmなどの近紫外域の光の発光を含むものであってもよい。
ミニLEDでは、例えば、40μmから200μmサイズのLEDチップを用いることができる。マイクロLEDでは、例えば、2μmから60μmサイズのLEDチップを用いることができる。LEDチップは、n側電極とp側電極が同じ側にある水平型LEDであってもよいし、LEDの厚み方向にn側電極とp側電極が異なる面(向かい合う平行な面)にある垂直型LEDであってもよい。
【0049】
発光素子32は、表示装置120の平面視において、各開口40内に少なくとも1つ配置される。発光素子32は、発光基板200に設けられたトランジスタ等により駆動される。発光基板200の材質は、第一基板100の材質と同じでも異なってもよいが、発光基板200がカラーフィルタ基板102と貼り合わされる場合は、同一材質であることが好ましい。さらに、発光基板200の材質と第一基板100の材質とで熱膨張率が同等であることが好ましい。熱膨張率が大きく異なると、表示装置の温度が上昇した際に、反りや剥がれなどが生じる可能性がある。
【0050】
表示装置120は、複数の発光素子32を独立してオンオフ駆動することにより、カラー表示可能な表示装置として機能する。表示装置においては、赤フィルタRが配置された開口40、緑フィルタGが配置された開口40、および青フィルタBが配置された開口40の組が画素として機能する。
【0051】
表示装置120においては、発光素子32から出射された光の一部が配置された開口40と異なる開口に進入することによる色純度やコントラストの低下が、上述したようにカラーフィルタ基板102によって好適に抑制される。上述したように、カラーフィルタ基板102では、透明層21によりブラックマトリクス6の位置調整が容易であるため、ブラックマトリクス6の高さ及び位置を最適化することにより、迷光による悪影響を低減させやすい。
カラーフィルタ基板102に代えて、カラーフィルタ基板101やカラーフィルタ基板103が用いられてもよい。
【0052】
図10に示す表示装置122は、カラーフィルタ基板103Aと、発光基板200Aとを備えている。
カラーフィルタ基板103Aの基本構成はカラーフィルタ基板103と同様であるが、充填層22内に散乱粒子28が配置されている点が異なっている。散乱粒子28としては、表示装置に多く適用される公知の散乱膜に使用されている、ミクロンオーダーの粒径を有する各種透明粒子を使用できる。散乱粒子の粒径が1μmから10μmの範囲内であると、散乱効率が良く、好ましい。
発光基板200Aの基本構成は発光基板200と同様であるが、光反射性隔壁41を有する点で異なっている。光反射性隔壁41は、表示装置122の平面視において、ブラックマトリクス6と同様の格子状パターンに形成されており、各発光素子32の周囲を囲んでいる。
【0053】
表示装置122においては、発光素子32から出射した光のうち開口40に向かわない光の多くが光反射性隔壁41により反射されて開口40内に導入される。開口40内に進入した光は、充填層22の散乱粒子28により散乱されてカラーフィルタ部2に進む。
表示装置122では、発光素子32の光の利用効率が高められるとともに、カラーフィルタ基板103Aの上述した作用により高い表示品質が実現される。
【0054】
図11に示す表示装置123は、カラーフィルタ基板103Bと、発光基板200Aとを備えている。
カラーフィルタ基板103Bの充填層22には、開口40内に配置された色フィルタに対応する波長変換物質が配置されている。すなわち、赤フィルタRが配置された開口40の充填層22には、赤色蛍光体25が、緑フィルタGが配置された開口40の充填層22には、緑色蛍光体26が、青フィルタBが配置された開口40の充填層22には、青色蛍光体27が、それぞれ波長変換物質として配置されている。
【0055】
赤色蛍光体25として、YS:Eu3+、YAlO:Eu3+、Ca(SiO:Eu3+、LiY(SiO:Eu3+、YVO:Eu3+、CaS:Eu3+、Gd:Eu3+、GdS:Eu3+、Y(P,V)O:Eu3+、MgGeO5.5F:Mn4+、MgGeO:Mn4+、KEu2.5(WO6.25、NaEu2.5(WO6.25、KEu2.5(MoO6.25、NaEu2.5(MoO4)6.25、KMF(MはSi、Ge、Tiのいずれか):Mn4+等を例示できる。
緑色蛍光体26として、(BaMg)Al1017:Eu2+、Mn2+、SrAl1425:Eu2+、(SrBa)Al12Si:Eu2+、(BaMg)SiO:Eu2+、YSiO:Ce3+、Tb3+、Sr-Sr:Eu3+、(BaCaMg)(POCl:Eu2+、SrSi-2SrCl:Eu2+、ZrSiO、MgAl1119:Ce3+、BaSiO:Eu2+、SrSiO:Eu2+、(BaSr)SiO:Eu2+、SiAlON:Eu、β型Si結晶構造を持つ窒化物または酸化物等を例示できる。
青色蛍光体27として、Sr:Sn4+、SrAl1425:Eu2+、BaMgAl1017:Eu2+、SrGa:Ce3+、CaGa:Ce3+、(Ba、Sr)(Mg、Mn)Al1017:Eu2+、(Sr、Ca、Ba2、Mg)10(POCl:Eu2+、BaAl2SiO8:Eu2+、Sr2P2O7:Eu2+、Sr(POCl:Eu2+、(Sr,Ca,Ba)(POCl:Eu2+、BaMgAl1627:Eu2+、(Ba,Ca)(POCl:Eu2+、BaMgSi:Eu2+、SrMgSi:Eu2+等を例示できる。
各蛍光体25、26、27の粒径が1μmから10μmの範囲内であると、波長変換効率が良く、好ましい。
【0056】
表示装置123において、蛍光体が配置された充填層22は、発光素子32から出射された光の波長を変換する波長変換層として機能する。したがって、発光素子32から出射された光は、充填層22を通ることにより開口40内に配置された色フィルタに近い色の光となってからカラーフィルタ部2に入射する。これにより、表示装置123は、色純度の高いカラー表示を行える。
【0057】
充填層22における波長変換には一定の光路長が必要であるため、表示装置123においてはこれを考慮してブラックマトリクス6の高さが設定されることが好ましい。具体的には、蛍光体の粒径の2倍以上5倍以下が好ましい。したがって、各蛍光体の粒径が上述の範囲内である場合、ブラックマトリクス6の高さは蛍光体の粒径に応じて2μm以上50μm以下の範囲で設定できる。
【0058】
表示装置123においては、波長変換物質として量子ドットを用いてもよい。
また、青フィルタBが配置された開口に対応する発光素子を青色LEDとしてもよい。この場合、充填層22には青色蛍光体27に代えて散乱粒子28を配置してもよいし、粒子を配置せず樹脂のみとしてもよい。
【0059】
図12に示す表示装置124は、カラーフィルタ基板103と、液晶基板300と、発光基板200Bとを備えている。
発光基板200Bの基本構成は発光基板200Aと同様であるが、光反射性隔壁41の格子状パターンが画素ごとに区切られており、各画素内に赤色LED32A、緑色LED32B、および青色LED32cの3種類の発光素子が配置されている点が異なっている。
液晶基板300は、液晶層301と液晶層を駆動するためのアレイ基板とを備えた公知の構成を有する。液晶基板300は、カラーフィルタ基板103と発光基板200Bとの間に配置され、表示機能層として機能する。液晶基板300において、水平配向の液晶がFFS(フリンジフィールド スイッチング)の手法で駆動されてもよい。
【0060】
上記の構成を有する表示装置124においては、表示される形状、模様等はもっぱら液晶基板300により制御され、発光基板200Bは基本的に直下型バックライトとして機能する。
表示装置124は、必要に応じて、偏光板、位相差板、プリズムシート、カバーガラス、タッチパネル、配向膜等の他の構成を適宜備えてもよい。
【0061】
本実施形態で示した各表示装置は、種々の領域に応用できる。具体例として、携帯電話、携帯型ゲーム機器、携帯情報端末、パーソナルコンピュータ、電子書籍、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、ヘッドマウントディスプレイ、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、デジタルオーディオプレイヤ等)、複写機、ファクシミリ、プリンター、プリンター複合機、自動販売機、現金自動預け入れ払い機(ATM)、個人認証機器、光通信機器、ICカード等が挙げられる。
これらの電子デバイスにアンテナを搭載し、通信や非接触での受給電可能に構成してもよい。
【0062】
以上、本発明の各実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成の変更、組み合わせなども含まれる。
【0063】
例えば、本発明における半透過膜は、一部の開口に設けられなくてもよい。例えば、青フィルタのリップルは、他の色フィルタに比べて小さいため、青フィルタが配置された開口においてのみ、半透過膜を設けないこともできる。あるいは、リップルの大きい赤フィルタが配置された開口のみに半透過膜を設けることもできる。半透過膜におけるこのような形状変更は、フォトリソグラフィを用いたパターニングにより容易に行える。
【0064】
半透過膜においては、シリカに代えて、酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸カルシウムなど無機酸化物からなる微粒子を散乱性微粒子として含有してもよい。これらの微粒子がシリカと組み合わせて使用されてもよい。
【0065】
本発明のカラーフィルタ基板においては、上述したようにカラーフィルタ部の重なり部位が厚くなりにくいため、色フィルタを薄膜化することにより、図13に示すように、重なり部位2aがほとんど突出しないカラーフィルタ部2を形成できる。したがって、高精細画素(例えば15μm画素ピッチ以下)向けの用途にも好適に対応できる。図13のように形成されたカラーフィルタ部のSEM写真を図14に示す。この例では、赤フィルタR及び緑フィルタGの膜厚をそれぞれ1.5μmとした。重なり部位2aの突出量は0~-0.4μm程度であった。すなわち、重なり部位2aが他の部位と同じ厚みであるか、わずかに窪んだ状態となり、全体がほぼ平坦なカラーフィルタ部を形成できた。
【符号の説明】
【0066】
1 半透過膜
2 カラーフィルタ部
6 ブラックマトリクス
21 透明層
22 充填層
25 赤色蛍光体(波長変換物質)
26 緑色蛍光体(波長変換物質)
27 青色蛍光体(波長変換物質)
28 散乱粒子
32 発光素子
100 第一基板(基板)
101、102、103、103A、103B カラーフィルタ基板
120、122、123、124 表示装置
200、200A、200B 発光基板
300 液晶基板
B 青フィルタ(色フィルタ)
G 緑フィルタ(色フィルタ)
R 赤フィルタ(色フィルタ)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14