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特許7619036溶着用ポリアミド樹脂組成物、及びそれからなるエンジン冷却水系部品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-14
(45)【発行日】2025-01-22
(54)【発明の名称】溶着用ポリアミド樹脂組成物、及びそれからなるエンジン冷却水系部品
(51)【国際特許分類】
   C08L 77/00 20060101AFI20250115BHJP
   C08K 3/013 20180101ALI20250115BHJP
   C08L 101/00 20060101ALI20250115BHJP
   C08G 69/02 20060101ALI20250115BHJP
   F01P 11/00 20060101ALI20250115BHJP
【FI】
C08L77/00
C08K3/013
C08L101/00
C08G69/02
F01P11/00 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020210516
(22)【出願日】2020-12-18
(65)【公開番号】P2022097119
(43)【公開日】2022-06-30
【審査請求日】2023-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】722014321
【氏名又は名称】東洋紡エムシー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】福本 雄平
(72)【発明者】
【氏名】山田 潤
【審査官】佐藤 貴浩
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/160117(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/082983(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/166482(WO,A1)
【文献】特表2019-534393(JP,A)
【文献】特開平10-264254(JP,A)
【文献】特開2012-153798(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 1/00-101/14
C08K 3/00- 13/08
C08G69/00- 69/50
F01P11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半芳香族ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して、繊維状強化材(B)を0~150質量部、及び非結晶性樹脂(C)を5~50質量部含有し、
前記半芳香族ポリアミド樹脂(A)が、(a)ヘキサメチレンテレフタルアミド単位50~80モル%、及び(b)ウンデカンアミド単位50~20モル%を構成成分とする共重合ポリアミド樹脂であることを特徴とする溶着用ポリアミド樹脂組成物。
【請求項2】
前記半芳香族ポリアミド樹脂(A)の重量平均分子量が、15,000~60,000である請求項1に記載の溶着用ポリアミド樹脂組成物。
【請求項3】
前記非結晶性樹脂(C)が、非結晶性ポリアミド樹脂である請求項1または2のいずれかに記載の溶着用ポリアミド樹脂組成物。
【請求項4】
請求項1~のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物からなる溶着部を有する成形部品。
【請求項5】
請求項1~のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物からなるエンジン冷却水系部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶着部を有する成形部品、例えば自動車のエンジン冷却水系部品の成形に好適な強化ポリアミド樹脂組成物に関する。更に詳しくはラジエタータンク部品、ウォーターポンプ部品、サブタンク、サーモスタットハウジングなど、特にエンジンルーム内で冷却水との接触下で使用される用途に好適に使用される耐塩化カルシウム性、耐不凍液性、低吸水性などに優れたエンジン冷却水系部品用ポリアミド樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の軽量化に伴い金属から樹脂材料への代替が進められている。自動車部品、特にエンジンルーム内で使用される樹脂製部品においては、エンジン性能の高性能化、高出力化に伴うエンジン冷却水の温度上昇やエンジンルーム内の温度上昇などに伴い、使用環境が過酷なものとなっている。過酷な熱環境で使用されるエンジンを冷却する目的で、不凍液(LLC)が使用される。そのため樹脂材料に不凍液への耐久性が求められる(特許文献1)。また、樹脂材料の成形加工技術(ブロー成形、押し出し成形)の進展に伴い、エンジンルーム内の複雑な部品形状へも適応することが可能となっている。しかし、現在も製品設計上、前述の工法だけではウェルド強度を含めた機械強度が目標に及ばないことや、複雑形状のために部品を分けて設計しなければならないことがある。部品を分けた場合、その後、樹脂材料からなる部品同士を溶着し製品を完成させる工程が一般的に知られている。そのため、樹脂材料には、溶着工程に対応できる特性が必要とされている。
【0003】
ポリアミド6やポリアミド66の溶着に関しては研究されており、溶着条件のパラメーターとして、加圧力、振幅、溶着時間、周波数が知られている(非特許文献1)。また、溶着条件と溶着強度に関しては、加圧力が高いほど、溶着強度が低くなることが提唱されている(非特許文献2)。しかし、加圧力を低くすると、十分な溶着強度を得るためには、溶着時間が長くなることがデメリットとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2012-153798号公報
【非特許文献】
【0005】
【文献】POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE, APRIL 2004, Vol. No.4, p.760~771
【文献】Journal of THERMOPLASTIC COMPOSUTE MATERIALS Vol.16 March 2003, p.101~119
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、溶着時間を短くして生産性を高めるため、高い加圧力で溶着した場合でも高い溶着強度を発現させることが可能なポリアミド樹脂組成物を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記目的を達成するために、ポリアミドの組成を鋭意検討した結果、本発明の完成に至った。
【0008】
即ち、本発明は、以下の(1)~(6)の構成を有するものである。
(1) 半芳香族ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して、繊維状強化材(B)を0~150質量部、及び非結晶性樹脂(C)を5~50質量部含有することを特徴とする溶着用ポリアミド樹脂組成物。
(2) 前記半芳香族ポリアミド樹脂(A)が、(a)ヘキサメチレンテレフタルアミド単位50~80モル%、及び(b)ウンデカンアミド単位50~20モル%を構成成分とする共重合ポリアミド樹脂である(1)に記載の溶着用ポリアミド樹脂組成物。
(3) 前記半芳香族ポリアミド樹脂(A)の重量平均分子量が、15,000~60,000である(1)または(2)に記載の溶着用ポリアミド樹脂組成物。
(4) 前記非結晶性樹脂(C)が、非結晶性ポリアミド樹脂である(1)~(3)のいずれかに記載の溶着用ポリアミド樹脂組成物。
(5) (1)~(4)のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物からなる溶着部を有する成形部品。
(6) (1)~(4)のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物からなるエンジン冷却水系部品。
【発明の効果】
【0009】
本発明のポリアミド樹脂組成物は高い加圧力による溶着においても、低い加圧力による溶着と同等以上の溶着強度を維持しており、短時間での溶着が可能であることから生産性に優れており、溶着部を有する成形部品用に最適である。さらには高い耐熱性、低い吸水性を有しており、エンジン冷却水系部品用に好適である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のポリアミド樹脂組成物は、溶着部を有する成形部品、特にエンジン冷却水系部品に使用することを意図するものである。エンジン冷却水系部品としては、ラジエタータンク部品、冷却液リザーブタンク、ウォーターパイプ、ウォーターインレットパイプ、ウォーターアウトレットパイプ、ウォーターポンプハウジング、ウォーターポンプインペラ、ウォーターバルブ、冷却液サブタンク部品などが挙げられる。
【0011】
本発明の溶着用ポリアミド樹脂組成物は、該ポリアミド樹脂組成物からなる成形品同士を振動溶着によって、目的とする溶着した成形部品を得るのに最適なポリアミド樹脂組成物である。
【0012】
本発明のポリアミド樹脂組成物は、半芳香族ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して、繊維状強化材(B)を0~150質量部、及び非結晶性樹脂(C)を5~50質量部含有する。
【0013】
半芳香族ポリアミド樹脂(A)は、ポリアミドを構成する成分が、ジアミン成分及びジカルボン酸成分からなるポリアミド樹脂、もしくはジアミン成分、ジカルボン酸成分及びアミノカルボン酸(もしくはラクタム)成分からなるポリアミド樹脂であって、ジアミン成分、ジカルボン酸成分及びアミノカルボン酸(もしくはラクタム)成分のいずれかが芳香族成分であるポリアミド樹脂である。半芳香族ポリアミド樹脂(A)は、結晶性ポリアミド樹脂であることが好ましく、その融点は280~330℃であることが好ましい。
【0014】
半芳香族ポリアミド樹脂(A)は、(a)ヘキサメチレンテレフタルアミド単位50~80モル%と(b)ウンデカンアミド単位50~20モル%とからなる共重合ポリアミド樹脂であることが好ましい。
【0015】
半芳香族ポリアミド樹脂(A)は、高い耐熱性、流動性、低い吸水性に加えて優れた成形性を実現するために配合されるものであり、ポリアミド6Tに相当する(a)成分とポリアミド11に相当する(b)成分を特定の割合で含有するものであり、従来の6Tナイロン(例えば、テレフタル酸/イソフタル酸/ヘキサメチレンジアミンからなるポリアミド6T6I、テレフタル酸/アジピン酸/ヘキサメチレンジアミンからなるポリアミド6T66、テレフタル酸/イソフタル酸/アジピン酸/ヘキサメチレンジアミンからなるポリアミド6T6I66、テレフタル酸/ヘキサメチレンジアミン/2-メチル-1、5-ペンタメチレンジアミンからなるポリアミド6T/M-5T、テレフタル酸/ヘキサメチレンジアミン/ε-カプロラクタムからなるポリアミド6T6)の欠点である高吸水性が大幅に改良されているのみならず、繊維状強化材による強化効果の耐久性に優れるという特徴を有する。さらには、ポリアミド11成分に由来するフレキシブルな長鎖脂肪族骨格を有することから、流動性を確保しやすいという特徴も有する。
【0016】
(a)成分は、ヘキサメチレンジアミン(6)とテレフタル酸(T)を等量モルで重縮合させることにより得られる6Tナイロンに相当するものである。
【0017】
(a)成分は、半芳香族ポリアミド樹脂(A)の主成分であり、半芳香族ポリアミド樹脂(A)に優れた耐熱性、機械的特性、摺動性などを付与する役割を有する。半芳香族ポリアミド(A)中の(a)成分の配合割合は、50~80モル%であることが好ましく、より好ましくは55~75モル%であり、さらに好ましくは60~70モル%であり、特に好ましくは62~68モル%である。(a)成分の配合割合が上記下限未満の場合、結晶成分である6Tナイロンが共重合成分により結晶阻害を受け、成形性や高温特性の低下を招くおそれがあり、一方上記上限を超える場合、融点が高くなりすぎ加工時に分解するおそれがある。
【0018】
(b)成分は、11-アミノウンデカン酸又はウンデカンラクタムを重縮合させることにより得られる11ナイロンに相当するものである。
【0019】
(b)成分は、(a)成分の欠点である、吸水性、流動性を改良するためのものであり、半芳香族ポリアミド樹脂(A)の融点及び昇温結晶化温度を調整し成形性を向上させる役割、吸水率を低減させて吸水時の物性変化や寸法変化によるトラブルを改善させる役割、およびフレキシブルな骨格を導入することにより溶融時の流動性を改善する役割を有する。半芳香族ポリアミド樹脂(A)中の(b)成分の配合割合は、50~20モル%であることが好ましく、より好ましくは45~25モル%であり、さらに好ましくは40~30モル%、特に好ましくは38~32モル%である。(b)成分の配合割合が上記下限未満の場合、半芳香族ポリアミド樹脂(A)の融点が十分に低下せず、成形性が不足するおそれがあると共に、得られた樹脂の吸水率を低減させる効果が不十分であり、吸水時に機械的特性が低下するなど物性の不安定さを招くおそれがある。上記上限を超える場合、半芳香族ポリアミド樹脂(A)の融点が低下しすぎて結晶化速度が遅くなり、成形性が逆に悪くなるおそれがあると共に、6Tナイロンに相当する(a)成分の量が少なくなり、機械的特性や耐熱性が不足するおそれがある。
【0020】
半芳香族ポリアミド樹脂(A)は、上記(a)成分及び(b)成分以外に、(c)上記(a)の構成単位以外のジアミンとジカルボン酸の等量モル塩から得られる構成単位、または上記(b)の構成単位以外のアミノカルボン酸もしくはラクタムから得られる構成単位を最大20モル%共重合しても良い。(c)成分は、半芳香族ポリアミド樹脂(A)に6Tナイロンや11ナイロンによっては得られない他の特性を付与したり、6Tナイロンや11ナイロンによって得られる特性をさらに改良する役割を有するものであり、具体的には以下のような共重合成分が挙げられる。ジアミン成分としては、1,2-エチレンジアミン、1,3-トリメチレンジアミン、1,4-テトラメチレンジアミン、1,5-ペンタメチレンジアミン、2-メチル-1,5-ペンタメチレンジアミン、1,6-ヘキサメチレンジアミン、1,7-ヘプタメチレンジアミン、1,8-オクタメチレンジアミン、1,9-ノナメチレンジアミン、2-メチル-1,8-オクタメチレンジアミン、1,10-デカメチレンジアミン、1,11-ウンデカメチレンジアミン、1,12-ドデカメチレンジアミン、1,13-トリデカメチレンジアミン、1,16-ヘキサデカメチレンジアミン、1,18-オクタデカメチレンジアミン、2,2,4(または2,4,4)-トリメチルヘキサメチレンジアミンのような脂肪族ジアミン、ピペラジン、シクロヘキサンジアミン、ビス(3-メチル-4-アミノヘキシル)メタン、ビス-(4,4’-アミノシクロヘキシル)メタン、イソホロンジアミンのような脂環式ジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミンなどの芳香族ジアミンおよびこれらの水添物等が挙げられる。ジカルボン酸成分としては、以下に示すジカルボン酸、もしくは酸無水物を使用できる。ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、1,5-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボンル酸、4,4’-ジフェニルジカルボン酸、2,2’-ジフェニルジカルボン酸、4,4’-ジフェニルエーテルジカルボン酸、5-スルホン酸ナトリウムイソフタル酸、5-ヒドロキシイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,11-ウンデカン二酸、1,12-ドデカン二酸、1,14-テトラデカン二酸、1,18-オクタデカン二酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、4-メチル-1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマー酸等の脂肪族や脂環族ジカルボン酸等が挙げられる。また、ε-カプロラクタム、12-ラウリルラクタムなどのラクタムおよびこれらが開環した構造であるアミノカルボン酸などが挙げられる。
【0021】
半芳香族ポリアミド樹脂(A)を製造するに際に使用する触媒としては、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸もしくはその金属塩やアンモニウム塩、エステルが挙げられる。金属塩の金属種としては、具体的には、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、バナジウム、カルシウム、亜鉛、コバルト、マンガン、錫、タングステン、ゲルマニウム、チタン、アンチモンなどが挙げられる。エステルとしては、エチルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、ヘキシルエステル、イソデシルエステル、オクタデシルエステル、デシルエステル、ステアリルエステル、フェニルエステルなどが挙げられる。また、溶融滞留安定性向上の観点から、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ化合物を添加することが好ましい。
【0022】
半芳香族ポリアミド樹脂(A)は、重量平均分子量が15,000~60,000であることが好ましい。分子量が大きいほどポリマー鎖の絡みの起点が多く、機械強度、溶着時の強度が高くなる。重量平均分子量は、18,000~40,000がより好ましく、23,000~33,000がさらに好ましい。
【0023】
半芳香族ポリアミド樹脂(A)の96質量%濃硫酸中、20℃で測定した相対粘度(RV)は、好ましくは0.4~4.0であり、より好ましくは1.0~3.0であり、さらに好ましくは1.5~2.5である。ポリアミドの相対粘度を一定範囲とする方法としては、分子量を調整する手段が挙げられる。
【0024】
半芳香族ポリアミド樹脂(A)は、アミノ基量とカルボキシル基とのモル比を調整して重縮合する方法や末端封止剤を添加する方法によって、ポリアミドの末端基量および分子量を調整することができる。
【0025】
末端封止剤を利用する場合、原料仕込み時、重合開始時、重合後期、または重合終了時が挙げられる。末端封止剤としては、ポリアミド末端のアミノ基またはカルボキシル基との反応性を有する単官能性の化合物であれば特に制限はないが、モノカルボン酸またはモノアミン、無水フタル酸等の酸無水物、モノイソシアネート、モノ酸ハロゲン化物、モノエステル類、モノアルコール類などを使用することができる。末端封止剤としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ピバリン酸、イソ酪酸等の脂肪族モノカルボン酸、シクロヘキシルカルボン酸等の脂環式モノカルボン酸、安息香酸、トルイル酸、α-ナフタレンカルボン酸、β-ナフタレンカルボン酸、メチルナフタレンカルボン酸、フェニル酢酸等の芳香族モノカルボン酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の酸無水物、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン等の脂肪族モノアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン等の脂環式モノアミン、アニリン、トルイジン、ジフェニルアミン、ナフチルアミン等の芳香族モノアミン等が挙げられる。
【0026】
半芳香族ポリアミド樹脂(A)は、従来公知の方法で製造することができるが、例えば、(a)成分の原料モノマーであるヘキサメチレンジアミン、テレフタル酸、及び(b)成分の原料モノマーである11-アミノウンデカン酸又はウンデカンラクタム、並びに必要により(c)成分のその他の原料モノマーを重縮合反応させることによって容易に合成することができる。重縮合反応の順序は特に限定されず、全ての原料モノマーを一度に反応させてもよいし、一部の原料モノマーを先に反応させ、続いて残りの原料モノマーを反応させてもよい。また、重合方法は特に限定されないが、原料仕込みからポリマー作製までを連続的な工程で進めても良いし、一度オリゴマーを作製した後、別工程で押出し機などにより重合を進める、もしくはオリゴマーを固相重合により高分子量化するなどの方法を用いても良い。原料モノマーの仕込み比率を調整することにより、合成される共重合ポリアミド中の各構成単位の割合を制御することができる。
【0027】
繊維状強化材(B)としては、例えばガラス繊維、炭素繊維、ホウ素繊維、セラミック繊維、金属繊維などが挙げられ、その他、チタン酸カリウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、酸化亜鉛ウィスカー、炭酸カルシウムウィスカー、硫酸マグネシウムウィスカー、ワラストナイトなどの針状強化材が挙げられる。繊維状強化材(B)としては、ガラス繊維が好ましい。ガラス繊維としては、0.1mm~100mmの長さを有するチョップドストランドまたは連続フィラメント繊維を使用することが可能である。ガラス繊維の断面形状としては、円形断面及び非円形断面のガラス繊維を用いることができる。円形断面ガラス繊維の直径は20μm以下、好ましくは15μm以下、さらに好ましくは10μm以下である。また、物性面や流動性より非円形断面のガラス繊維が好ましい。非円形断面のガラス繊維としては、繊維長の長さ方向に対して垂直な断面において略楕円形、略長円形、略繭形であるものをも含み、偏平度が1.5~8であることが好ましい。ここで偏平度とは、ガラス繊維の長手方向に対して垂直な断面に外接する最小面積の長方形を想定し、この長方形の長辺の長さを長径とし、短辺の長さを短径としたときの、長径/短径の比である。ガラス繊維の太さは特に限定されるものではないが、短径が1~20μm、長径2~100μm程度である。また、ガラス繊維は繊維束となって、繊維長1~20mm程度に切断されたチョップドストランド状のものが好ましく使用できる。さらには、ポリアミド樹脂組成物の表面反射率を高めるためには、半芳香族ポリアミド樹脂(A)との屈折率差が大きいことが好ましいため、ガラス組成の変更や表面処理により、屈折率を高めたものを使用することが好ましい。
【0028】
繊維状強化材(B)の割合は、半芳香族ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して0~150質量部である。繊維状強化材(B)の割合が上記上限を超えると、成形品の機械的強度は向上するものの、溶着強度は大幅に低くなる。ポリアミド樹脂組成物に機械的強度が求められない場合は、繊維状強化材(B)は含有しなくても良い。繊維状強化材(B)を含む場合は、半芳香族ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して、繊維状強化材(B)は30~100質量部であることが好ましく、50~80質量部であることがより好ましい。
【0029】
非結晶性樹脂(C)としては、PMMA(ポリメチルアクリレート)樹脂、PS(ポリスチレン)樹脂、PC(ポリカーボネート)樹脂、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂、PEI(ポリエーテルイミド)樹脂、PAI(ポリアミドイミド)樹脂、非結晶性マレイミド樹脂、非結晶性ポリアミド樹脂が挙げられる。半芳香族ポリアミド樹脂(A)との相溶性などの観点から、非結晶性樹脂(C)は非結晶性ポリアミド樹脂が好ましい。非結晶性ポリアミド樹脂としては、例えばポリアミド6T6I、ポリアミドPACM14(ポリビス(3-メチル-4-アミノヘキシル)メタンテトラデカミド)、ポリアミドPACM12(ポリビス(3-メチル-4-アミノヘキシル)メタンドデカミド)、ポリアミドPACM12・I(ポリビス(3-メチル-4-アミノヘキシル)メタンイソフタルアミド)、などが好ましく、半芳香族ポリアミド樹脂(A)と同じ半芳香族ポリアミド樹脂であるポリアミド6T6Iが特に好ましい。この場合の相溶性とは、半芳香族ポリアミド樹脂(A)とのアミド交換反応が可能であることを指す。
【0030】
非結晶性樹脂(C)の割合は、半芳香族ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して5~50質量部である。非結晶性樹脂(C)がこの範囲にあることで、高い加圧力で溶着した場合でも高い溶着強度を発現することができる。非結晶性樹脂(C)の割合は、半芳香族ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して15~50質量部であることが好ましい。
【0031】
半芳香族ポリアミド樹脂(A)に非結晶性樹脂(C)を添加することによる、溶着強度の向上の理由として、以下のことが考えられる。ポリアミド樹脂組成物からなる成形品同士の振動溶着工程中に、振動方向に半芳香族ポリアミド樹脂(A)の高分子鎖が配向し、高分子鎖の絡み合いが解けたまま、成形品間の溶着部が固化することで溶着強度が低下していることが考えられる。半芳香族ポリアミド樹脂(A)に非結晶性樹脂(C)を添加することにより、ポリアミド樹脂組成物の結晶化温度を低下させることで固化するまでの時間を遅延することができ、その結果、無配向状態に戻ろうとすることで、成形品間の溶着部で高分子鎖同士の絡み合いが増え、強度向上に繋がっていると考えられる。この効果は、非結晶性樹脂(C)が非結晶性ポリアミド樹脂、特に非結晶性樹脂(C)が非結晶性の半芳香族ポリアミド樹脂であることで、より顕著に発現する。
【0032】
本発明のポリアミド樹脂組成物には、必要により非繊維状又は非針状の充填材を含有しても良い。非繊維状又は非針状の充填材としては、目的別には強化用フィラーや導電性フィラー、磁性フィラー、難燃フィラー、熱伝導フィラー、熱黄変抑制用フィラーなどが挙げられ、具体的にはガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラスバルーン、シリカ、タルク、カオリン、マイカ、アルミナ、ハイドロタルサイト、モンモリロナイト、グラファイト、カーボンナノチューブ、フラーレン、酸化インジウム、酸化錫、酸化鉄、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、赤燐、炭酸カルシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、チタン酸バリウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ホウ酸亜鉛、硫酸バリウム、および針状ではないワラストナイト、チタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム、硫酸マグネシウム、酸化亜鉛、炭酸カルシウム等が挙げられる。これら充填材は、1種のみの単独使用だけではなく、数種を組み合わせて用いても良い。充填材の添加量は最適な量を選択すれば良いが、半芳香族ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して最大50質量部を添加することが可能であるが、樹脂組成物の機械的強度の観点から、0.1~20質量部が好ましく、より好ましくは1~10質量部である。また、繊維状強化材(B)、充填剤はポリアミド樹脂との親和性を向上させるため、有機処理やカップリング剤処理したもの、または溶融コンパウンド時にカップリング剤と併用することが好ましく、カップリング剤としては、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤のいずれを使用しても良いが、その中でも、特にアミノシランカップリング剤、エポキシシランカップリング剤が好ましい。
【0033】
本発明のポリアミド樹脂組成物には、従来のポリアミド樹脂組成物の各種添加剤を使用することができる。添加剤としては、安定剤、衝撃改良材、難燃剤、離型剤、摺動性改良材、着色剤、可塑剤、結晶核剤などが挙げられる。
【0034】
安定剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤などの有機系酸化防止剤や熱安定剤、ヒンダードアミン系、ベンゾフェノン系、イミダゾール系等の光安定剤や紫外線吸収剤、金属不活性化剤、銅化合物などが挙げられる。銅化合物としては、塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅、塩化第二銅、臭化第二銅、ヨウ化第二銅、燐酸第二銅、ピロリン酸第二銅、硫化銅、硝酸銅、酢酸銅などの有機カルボン酸の銅塩などを用いることができる。さらに銅化合物以外の構成成分としては、ハロゲン化アルカリ金属化合物を含有することが好ましく、ハロゲン化アルカリ金属化合物としては、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、フッ化ナトリウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、フッ化カリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウムなどが挙げられる。これら添加剤は、1種のみの単独使用だけではなく、数種を組み合わせて用いても良い。安定剤の添加量は最適な量を選択すれば良いが、半芳香族ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して最大5質量部を添加することが可能である。
【0035】
離型剤としては、長鎖脂肪酸またはそのエステルや金属塩、アマイド系化合物、ポリエチレンワックス、シリコーン、ポリエチレンオキシド等が挙げられる。長鎖脂肪酸としては、特に炭素数12以上が好ましく、例えばステアリン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸などが挙げられ、部分的もしくは全カルボン酸が、モノグリコールやポリグリコールによりエステル化されていてもよく、または金属塩を形成していても良い。アマイド系化合物としては、エチレンビステレフタルアミド、メチレンビスステアリルアミドなどが挙げられる。これら離型剤は、単独であるいは混合物として用いても良い。離型材の添加量は最適な量を選択すれば良いが、半芳香族ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して最大5質量部を添加することが可能である。
【0036】
本発明のポリアミド樹脂組成物は、半芳香族ポリアミド樹脂(A)、繊維状強化材(B)及び非結晶性樹脂(C)の合計で、70質量%以上を占めることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましく、95質量%以上であることが特に好ましい。
【0037】
本発明のポリアミド樹脂組成物は、上述の各構成成分を従来公知の方法で配合することにより製造されることができる。例えば、半芳香族ポリアミド樹脂(A)の重縮合反応時に各成分を添加したり、半芳香族ポリアミド樹脂(A)とその他の成分をドライブレンドしたり、または、二軸スクリュー型の押出機を用いて各構成成分を溶融混練する方法を挙げることができる。
【実施例
【0038】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例に記載された測定値は、以下の方法によって測定したものである。
【0039】
(1)相対粘度
ポリアミド樹脂0.25gを96質量%濃硫酸25mlに溶解し、オストワルド粘度計を用いて20℃で測定した。
【0040】
(2)融点(Tm)及び降温結晶化温度(Tc2)
東芝機械製射出成形機EC-100を用い、シリンダー温度は樹脂/樹脂組成物の融点+20℃、金型温度は140℃に設定し、長さ170mm、幅10.0mm、厚み4.0mmのISOダンベルを射出成形し、試験片を作製した。得られた試験片の融点(Tm)及び降温結晶化温度(Tc2)を測定するために、試験片の一部をアルミニウム製パンに5mg計量し、アルミニウム製蓋で密封状態にして、測定試料を調製した後、示差走査熱量計(SEIKO INSTRUMENTS製 SSC/5200)を用いて、窒素雰囲気で室温から20℃/分で昇温し、350℃まで測定を実施した。その際、融解による吸熱のピークトップ温度を融点(Tm)とした。また一度溶融させた樹脂を350℃から10℃/分で降温し、結晶化による発熱ピーク温度を降温結晶化温度(Tc2)とした。
【0041】
(3)重量平均分子量
試料中のポリアミド樹脂濃度が、約0.05質量%になるように、ポリアミド樹脂を3.1mg秤量した。いずれの試料も4mlのHFIP/トリフルオロ酢酸ナトリウム10mMに溶解した。試料溶液を0.2μmのメンブランフィルターでろ過し、ろ液のGPC分析を、以下の条件で実施した。重量平均分子量は標準ポリメチルメタクリレート(PMMA)換算で計算した。
装置:TOSOH HLC-8320GPC
カラム:TOSOH TSKgel SuperHM-H×2+TSKgel SuperH2000
溶媒:HFIP/トリフルオロ酢酸ナトリウム10mM
流速:0.2ml/min
注入量:10μl
温度:40℃
【0042】
(4)溶着強度測定用試験片作製/振動溶着条件
得られたポリアミド樹脂組成物から、東芝機械製射出成形機EC-100を用いて、シリンダー温度は樹脂の融点+20℃、金型温度140℃の条件で長さ85.0mm、幅10.0mm、厚み4.0mmの振動溶着用試験片を作製した。得られた試験片の溶着面(10.0mm×4.0mmの面)同士を対向させ、ブランソン社製振動溶着機(MICRO-DC)を使用し、下記の条件により溶着強度測定用試験片を得た。
振動数:232Hz
加圧力と溶着時間:2MPa-6秒、7.5MPa-4秒、18MPa-2秒
振幅数:1.00mm
溶着深さ:1.0mm
【0043】
(5)溶着強度(引張破断強度)
ISO527-2規格に準じて、溶着強度測定用試験片の溶着部が中心に来るように試験片を挟み、引張試験速度は5mm/分で引張破断強度を測定した。これを溶着強度とした。
【0044】
<半芳香族ポリアミド樹脂(A)>
1.6-ヘキサメチレンジアミン8.55kg、テレフタル酸12.25kg、11-アミノウンデカン酸8.00kg、触媒として次亜リン酸ナトリウム9g、末端調整剤としてヘキサヒドロ無水フタル酸およびイオン交換水16.20kgを50リットルのオートクレーブに仕込み、常圧から0.05MPaまで窒素で加圧した後、放圧させ、常圧に戻した。この操作を3回行い、窒素置換を行った後、攪拌下135℃、0.3MPaにて均一溶解させた。その後、溶解液を送液ポンプにより、連続的に供給し、加熱配管で240℃まで昇温させ、1時間、熱を加えた。その後、加圧反応缶に反応混合物が供給され、290℃に加熱され、缶内圧を3MPaで維持するように、水の一部を留出させ、低次縮合物を得た。その後、この低次縮合物を、溶融状態を維持したまま直接二軸押出し機(スクリュー径37mm、L/D=60)に供給し、樹脂温度を335℃、3箇所のベントから水を抜きながら溶融下で重縮合を進め、半芳香族ポリアミド樹脂A1を得た。得られた半芳香族ポリアミド樹脂A1は、1、6-ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸からなる構成単位が65.1モル%、11-アミノウンデカン酸からなる構成単位が34.9モル%で構成され、相対粘度2.48、融点314℃、重量平均分子量29000であった。
末端封鎖剤量を変更することで、相対粘度違いの半芳香族ポリアミド樹脂A2を得た。得られた半芳香族ポリアミド樹脂A2は、1、6-ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸からなる構成単位が65.1モル%、11-アミノウンデカン酸からなる構成単位が34.9モル%で構成され、相対粘度2.02、融点315℃、重量平均分子量20000であった。合成した半芳香族ポリアミド樹脂A1、A2の物性を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
<比較ポリアミド樹脂>
ポリアミド66(PA66):アセンド社製21―FSR 相対粘度2.8、重量平均分子量44000
【0047】
<繊維状強化材(B)>
ガラス繊維:日本電気硝子(株)製、T-275H
【0048】
<非結晶性樹脂(C)>
ポリアミド6T6I:非結晶性ポリアミド樹脂、EMS社製「Grivory(R) G21」、Tg125℃
スチレン-N-フェニルマレイミド-無水マレイン酸共重合体:デンカ(株)製、デンカIP MS-CP、Tg196℃
【0049】
実施例1~7、比較例1~4
各原料を表2に示した配合比率(その他の添加剤は組成物に対して下記の含有率)に従い計量して、26φ二軸押出機(東芝機械社製TEM26SS)で、シリンダー温度は、半芳香族ポリアミド樹脂(A)の場合は330℃、比較ポリアミド樹脂の場合は290℃に設定し、スクリュー回転数150rpmにて、(A)成分、(C)成分を所定量混合したものをホッパーより投入し、(B)成分をサイドフィードで投入して溶融混練し、成形用材料であるポリアミド樹脂組成物を得た。
全ポリアミド樹脂100質量部当り、離型剤としてモンタン酸カルシウム(クラリアントケミカルズ(株)、CS-8CP)を0.5質量部、安定剤としてアデカスタブAO-80((株)ADEKA製)を0.3質量部配合した。
得られたポリアミド樹脂組成物を用い、各種特性の評価に供した。表2に評価結果を記す。
【0050】
【表2】
【0051】
表2の結果より明らかのように非結晶性樹脂(C)を添加することで、溶着強度が高く、溶着時の加圧力が高い場合でも、溶着強度の低下が見られない。すなわち、溶着時間が短縮でき、生産性が高くなる。また、半芳香族ポリアミド樹脂(A)の重量平均分子量が高いほど、溶着強度が高いことも確認できる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明のポリアミド樹脂組成物は、溶着工程を要するエンジン冷却水系部品用に好適であり、ラジエタータンク部品、冷却液リザーブタンク、ウォーターパイプ、ウォーターインレットパイプ、ウォーターアウトレットパイプ、ウォーターポンプハウジング、ウォーターポンプインペラ、ウォーターバルブ、冷却液サブタンクの部品などに利用することができる。