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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-14
(45)【発行日】2025-01-22
(54)【発明の名称】紫外線照射システム
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/10 20060101AFI20250115BHJP
   A61L 9/20 20060101ALI20250115BHJP
【FI】
A61L2/10
A61L9/20
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021036309
(22)【出願日】2021-03-08
(65)【公開番号】P2022136613
(43)【公開日】2022-09-21
【審査請求日】2023-11-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】古賀 渚紗
(72)【発明者】
【氏名】井上 優
(72)【発明者】
【氏名】平松 拓朗
(72)【発明者】
【氏名】堀内 正和
【審査官】村山 睦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/186880(WO,A1)
【文献】特開2016-019698(JP,A)
【文献】特表2006-500979(JP,A)
【文献】特開2012-066755(JP,A)
【文献】特開2019-179218(JP,A)
【文献】特開2011-098156(JP,A)
【文献】特開2018-167081(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 2/10
A61L 9/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照射領域に222nmの紫外線を照射できる照射部と;
前記照射領域の人の密集度の予測結果に基づいて、前記照射部の照射予定における紫外線照射量が上限値未満となる状態で、前記照射部からの紫外線の照射を前記予測結果に対応した紫外線照度になる状態に経時的に調整する制御部と;
を具備し、前記照射部は前記照射領域にいる人が前記紫外線を浴びるように前記紫外線を照射する紫外線照射システム。
【請求項2】
前記照射領域の人の密集度を検出できる検出部をさらに具備し、
前記予測結果は、前記検出部が検出した人の密集度に少なくとも基づいて予測された結果である、
請求項1に記載の紫外線照射システム。
【請求項3】
前記照射領域の人の密集度に少なくとも基づいて、前記照射領域における将来の人の密集度を前記予測結果として予測する予測部をさらに具備する、
請求項1又は2に記載の紫外線照射システム。
【請求項4】
前記予測結果は、前記照射領域の前日までの人の密集度に少なくとも基づいて予測された結果である、
請求項1~3のいずれか1項に記載の紫外線照射システム。
【請求項5】
前記予測結果は、前記照射領域の最新の人の密集度に少なくとも基づいて予測された結果である、
請求項1~4のいずれか1項に記載の紫外線照射システム。
【請求項6】
前記検出部は、前記照射部と前記照射領域内の人との距離を検出でき、
前記制御部は、前記検出部が検出した前記照射部と前記人との距離に少なくとも基づいて、前記紫外線照射量が前記上限値未満となる状態に前記照射部を制御する、
請求項2に記載の紫外線照射システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、紫外線照射システムに関する。
【背景技術】
【0002】
紫外線照射システムでは、紫外線の照射部が所定の領域を照射領域として紫外線を照射する。制御部は、紫外線の照射領域に人がいるか否かを判定する。そして、紫外線の照射領域に人がいない場合は、制御部が、照射部を制御して照射領域に紫外線を照射させる。このような紫外線照射システムでは、照射領域内の人の密集度に応じて適切に紫外線照射量を変化させることが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2019-536492号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、照射領域内の人の密集度に応じて紫外線の照射量を適切に変化させることができる紫外線照射システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によれば、紫外線照射システムは、照射部及び制御部を具備する。照射部は、照射領域に222nmの紫外線を照射できる。照射部は、照射領域にいる人が紫外線を浴びるように紫外線を照射する。制御部は、照射領域の人の密集度の予測結果に基づいて、照射部の照射予定における紫外線照射量が上限値未満となる照射状態で照射部を制御する。また、制御部は、照射部からの紫外線の照射を予測結果に対応した紫外線照度になる状態に経時的に調整する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、照射領域内の人の密集度に応じて紫外線の照射量を適切に変化させることができる紫外線照射システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態に係る紫外線照射システムの一例を概略的に示すブロック図である。
図2図2は、実施形態に係る紫外線照射システムの演算部において使用される、ある日の照射領域における人の密集度の経時的な変化の一例を示すグラフである。
図3図3は、実施形態に係る紫外線照射システムの演算部が、図2に示す人の密集度の経時的な変化に基づいて決定した、照射部から照射される紫外線の紫外線照度の経時的な変化の一例を示すグラフである。
図4図4は、実施形態に係る紫外線照射システムの制御において実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図5図5は、実施形態に係る紫外線照射システムの予測部が最新の実際の人の密集度に少なくとも基づいて予測した、図2に示す日の照射領域における人の密集度の経時的な変化の一例を示すグラフである。
図6図6は、実施形態に係る紫外線照射システムの演算部が、図5に示す人の密集度の経時的な変化に基づいて決定した、照射部から照射される紫外線の紫外線照度の経時的な変化の一例を示すグラフである。
図7図7は、実施形態に係る紫外線照射システムの制御において実行される図4とは異なる処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本実施形態の紫外線照射システムでは、紫外線を照射対象(例えば、細菌やウイルス等が少なくとも1つ以上付着している汚染箇所、又は、細菌やウイルス等が少なくとも1つ以上付着している可能性がある汚染予想箇所)に照射することで、照射対象を殺菌、除菌、又は滅菌できる。以下の実施形態では殺菌を例に用いて説明する。ただし、「殺菌」の用語は、「滅菌」又は「除菌」に置き換えることができる。なお、汚染予想箇所は、例えば、人が通過した箇所や、人が滞在した箇所などである。人がある一定の領域を通過するのにかかった時間、及び、人がある一定の領域に滞在した時間の少なくとも一方が、所定の規定値を超えた場合に、その領域を汚染予想箇所としてもよい。所定の規定値は、例えば、一定の領域を通過した人数等に基づいて定められる。ある一例では、ある一定の領域を3人の人が通過した場合、3人の通過にかかる時間の合計値と所定の規定値とを比較した結果に基づいて、後述する制御部12が予測部16と協働して汚染予想箇所か否かを判定する。
【0009】
実施形態の紫外線照射システム(10)は、照射部(11)及び制御部(12)を具備する。照射部(11)は、照射領域に紫外線を照射できる。制御部(12)は、照射領域の人の密集度の予測結果に基づいて、照射部(11)の照射予定における紫外線照射量が上限値未満となる照射状態で照射部(11)を制御する。また、制御部(12)は、照射部(11)からの紫外線の照射を予測結果に対応した紫外線照度になる状態に経時的に調整する。これにより、紫外線照射システム10は、照射領域内の人の密集度に応じて紫外線の照射量を適切に変化させることができる。
【0010】
実施形態の紫外線照射システム(10)は、検出部(15)をさらに具備する。検出部(15)は、照射領域の人の密集度を検出できる。予測結果は、検出部(15)が検出した人の密集度に少なくとも基づいて予測された結果である。これにより、紫外線照射システム10は、予測結果として、適切に予測された照射領域内の人の密集度を使用できる。
【0011】
実施形態の紫外線照射システム(10)は、予測部(16)をさらに具備する。予測部(16)は、照射領域の人の密集度に少なくとも基づいて、照射領域の将来の人の密集度を予測結果として予測する。これにより、紫外線照射システム10は、照射領域における人の密集度に基づいて、照射領域における今後の人の密集度を予測できる。
【0012】
実施形態の紫外線照射システム(10)では、予測結果は、照射領域における前日までの人の密集度に少なくとも基づいて予測された結果である。これにより、紫外線照射システム10は、予測結果として、より適切に予測された照射領域内の人の密集度を使用できる。
【0013】
実施形態の紫外線照射システム(10)は、予測結果は、照射領域の最新の人の密集度に基づいて予測された結果である。これにより、紫外線照射システム10は、予測結果として、一層適切に予測された照射領域内の人の密集度を使用できる。
【0014】
実施形態の紫外線照射システム(10)では、検出部(15)が、照射部(11)と照射領域内の人との距離を検出できる。制御部(12)は、検出部(15)が検出した照射部(11)と人との距離に少なくとも基づいて、紫外線照射量が上限値未満となる照射状態で照射部(11)を制御する。これにより、紫外線照射システム(10)は、紫外線照射量の上限値を満たした状態で、紫外線の照射を実行できる。
【0015】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
【0016】
(実施形態)
本実施形態の紫外線照射システム10は、紫外線を汚染箇所に対して照射することにより、汚染箇所を殺菌する。汚染箇所への紫外線の照射による殺菌の程度は、一般に紫外線照射量(mJ/cm)により規定される。紫外線照射量(mJ/cm)は、紫外線照度(mW/cm)及び紫外線照射時間(s)によって変化する。紫外線照射量は、紫外線照度に紫外線照射時間を掛けた値(紫外線照度×紫外線照射時間)である。すなわち、紫外線照射量は、紫外線照度に比例するとともに、紫外線照射時間に比例する。なお、汚染箇所は、細菌やウイルス等が1つ以上付着した箇所であってもよく、細菌やウイルス等が単位面積あたりに規定数量以上付着した箇所を汚染箇所としてもよい。
【0017】
紫外線照射システム10の使用場所は、屋内空間において、所定の期間にわたって外部から人が出入りする場所であり、例えば、レストラン、カフェ等である。このような場所では、営業時間の開始とともに、当該場所の利用客が外部から入ってくる。利用客は所定の利用形態によって当該場所を利用するため、利用客が当該場所に一定期間とどまる。利用客は所定の利用形態が完了した後、当該場所から外部へ出ていく。そして、営業時間の終了とともに、当該場所への人の出入りがなくなる。
【0018】
前述のような場所において、例えば、利用客が触れる可能性のある箇所が汚染されている場合、適切な処理を迅速に施すことが求められる。しかしながら、例えば紫外線によって当該箇所を適切に処理する場合、利用客が存在する一定の期間において処理を施すには、所定の要件を満たすことが安全上の観点から要求される。この所定の要件は、例えば、人が1日に浴びてよい紫外線の許容限界値(TLV)として、米国産業衛生専門家会議(ACGIH)や日本産業規格(JIS Z 8812)が定めている。例えば、222nmの紫外線の場合、紫外線照射量の許容限界値(1日当たり8時間以内)は、22mJ/cm以下である。この、許容限界値(TLV)が、本紫外線照射システムで照射される紫外線の上限値に相当する。本実施形態の紫外線照射システム10では、このような所定の要件を満足させながら、汚染箇所を迅速かつ適切に殺菌することができる。
【0019】
図1は、実施形態に係る紫外線照射システム10のブロック図を示す。紫外線照射システム10は、照射部11、制御部12、演算部13、記憶部14、検出部15及び予測部16を具備する。制御部12は、演算部13を含む。
【0020】
照射部11は、紫外線(紫外領域の波長の光)を照射可能である。照射部11は、図示しない光源部及び電源部を備える。光源部の光源は、非LED(Light Emitting Device)のランプ(例えば、水銀ランプ、メタルハライドランプ、蛍光形紫外線ランプ、エキシマランプ等)であってもよく、LEDランプであってもよい。光源部の光源は、例えば、UV-LEDを用いた発光基板である。光源部が照射する紫外線は、少なくとも波長が380nmである。光源部は紫外線のみを照射してもよい。また、紫外線とともに、380nmより波長が長い可視光を照射部11が照射してもよい。そして、光源部の光源が点灯されることにより、照射部11は対象箇所を照らすこと(ライティング)ができる。光源部の光源としてLEDを用いる場合、電源部(点灯回路)を簡略化できる。また、電源部は、インバータを備えていてもよい。なお、照射部11は、照射対象に紫外線を照射可能であれば、照射部11が取り付けられる箇所は特に限定されない。
【0021】
制御部12は、紫外線照射システム10を制御する。この場合、紫外線照射システム10において、ある処理装置がプロセッサ及び記憶媒体を備え、プロセッサが制御部12の処理を実行し、記憶媒体が記憶部14となる。処理装置は、例えば、コンピュータ、スマートデバイス等である。プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphical Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、マイコン、FPGA(Field Programmable Gate Array)及びDSP(Digital Signal Processor)等のいずれかを含む。記憶媒体には、メモリ等の主記憶装置に加えて、補助記憶装置が含まれ得る。記憶媒体は、磁気ディスク、光ディスク(CD-ROM,CD-R,DVD等)、光磁気ディスク(MO等)、及び、半導体メモリ(USBメモリ,SSD等)等である。
【0022】
ある処理装置において、プロセッサ及び記憶媒体のそれぞれは、1つのみ設けられてもよく、複数設けられてもよい。プロセッサは、記憶媒体等に記憶されるプログラムを実行することにより、制御部12の処理を実行する。また、プロセッサによって実行されるプログラムが、ネットワークを介して接続された処理装置に格納されてもよい。ネットワークは、例えば、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN、移動体通信網、Bluetooth(登録商標)等である。また、ネットワークを介して接続された処理装置は、コンピュータ、サーバ、クラウド環境のサーバ等である。この場合、プロセッサは、ネットワーク経由でプログラムをダウンロードする。
【0023】
ある処理装置は、クラウド環境に構築されるクラウドサーバであってもよい。この場合、クラウド環境のインフラは、仮想CPU等の仮想プロセッサ及びクラウドメモリによって、構成される。仮想プロセッサが、演算部13を含む制御部12の処理を実行する。そして、クラウドメモリが記憶部14として機能する。なお、記憶部14は、例えば、制御部12とは別の処理装置に設けられても良い。ある一例では、別の処理装置は、制御部12とは別のコンピュータ等である。この場合、制御部12は、記憶部14等が設けられるコンピュータに、ネットワークを介して接続される。
【0024】
紫外線照射システム10には、ユーザインターフェースが設けられてもよい。ユーザインターフェースでは、使用者によって各種の操作等が入力されるとともに、使用者に告知する情報等が表示等によって告知される。ユーザインターフェースは、ディスプレイなどの表示部であったり、タッチパネルやキーボードなどの入力部であったりする。ユーザインターフェースは、例えば制御部12とは別体に設けられていてもよい。
【0025】
制御部12は、紫外線の照射領域における人の密集度の経時的な変化に関する情報を、記憶部14に書き込む(入力する)。紫外線の照射領域における人の密集度の経時的な変化に関する情報は、ネットワークを介して外部から取得した人の密集度と相関のある経時的な変化に関する情報であってもよく、後述する検出部15により検出された人の密集度に関する経時的な変化に関する情報あってもよい。制御部12は、人の密集度の経時的な変化に関する情報を使用する場合は、記憶部14や検出部15から当該情報を受け取る。
【0026】
図2は、紫外線の照射領域における、ある日の人の密集度の経時的な変化を示すグラフである。図2に示すグラフそのものや、図2に示すグラフを構成する値は、紫外線の照射領域における人の密集度の経時的な変化に関する情報の一例である。横軸は時刻を示す。縦軸は密集度を示す。曲線α0は、人の密集度の経時的な変化を示す。曲線α0は、例えば、紫外線の照射領域における、ある日の前日までの人の密集度の経時的な変化から予測された、ある日の時刻ごとの人の密集度の予測曲線(予測結果)である。図2に示すように、本実施形態の紫外線照射システム10は、時刻t1から時刻t2までの間を紫外線の照射期間として、連続して紫外線を照射する。また、時刻t1までは紫外線照射システム10が使用される場所に人がいない状態において、紫外線を照射する。同様に、時刻t2からは、紫外線照射システム10が使用される場所に人がいない状態において、紫外線を照射する。紫外線の照射開始時刻である時刻t1及び紫外線の照射完了時刻である時刻t2は、紫外線照射システム10の使用者が適宜設定できる。ある一例において、紫外線照射システム10が使用される場所が店舗である場合、図2はある日の店舗における人の密集度の変化を示し、時刻t1が店舗の営業開始時刻であり、時刻t2が店舗の営業終了時刻である。
【0027】
図2では、人の密集度がゼロの状態から時刻が経過しながら時刻t1に近づくにつれて人の密集度が増加する。時刻t1を超えると急速に人の密集度が増加(単調増加)し、時刻t1及び時刻t2の間において、人の密集度が最大となる。人の密集度が最大となった後、時刻が経過するにつれて人の密集度が減少する(単調減少する)。時刻t2を超えても人の密集度は減少し、ある時刻において人の密集度はゼロとなる。
【0028】
演算部13は、図2に示す曲線α0に基づいて、紫外線照度の経時的な変化を決定する。制御部12は、演算部13が紫外線照度の経時的な変化を演算する際に、あらかじめ記憶部14から人の密集度の経時的な変化に関する情報を読み出す(入手する)。図3は、演算部が図2に示す人の密集度の経時的な変化に基づいて決定した、紫外線照度の変化である。横軸は時刻を示す。縦軸は人の密集度又は紫外線照度を示す。曲線α0は、図2に示す人の密集度の経時的な変化を表す。線β0は、照射部11から照射される紫外線照度の経時的な変化を表す。Sは線β0及びグラフの横軸で囲まれる部分の面積を表す。
【0029】
図3において、面積Sは紫外線照射量に対応する。面積Sの上限値は、本実施形態の紫外線照射システム10の使用形態により適宜設定することができる。ある一例において、時刻t1から時刻t2までが8時間であり、かつ、222nmの紫外線を照射部が照射する場合、面積Sの上限値は22mJ/cmである。この場合、演算部は、面積Sの上限値22mJ/cmを条件として、人の密集度の経時的な変化の曲線α0に基づいて紫外線照度の経時的な変化(照射予定)を決定する。照射予定には、紫外線照度及び当該紫外線照度で照射する照射時間の組が1つ以上含まれる。紫外線照度の経時的な変化は、例えば、機械学習や人工知能(AI)等を用いて作成したモデルに基づいて、決定することができる。
【0030】
なお、上限値を満たすのは照射部11であっても、照射対象であってもよい。照射部11が上限値を満たす場合は、照射部11から照射される紫外線照射量が上限値以下の値となるように紫外線照度の経時的な変化(照射予定)を決定する。また、照射対象が上限値を満たす場合は、照射対象が受ける紫外線照射量が上限値以下の値となるように紫外線照度の経時的な変化(照射予定)を決定する。この場合、照射部11から照射される紫外線照射量は上限値を超えるおそれがある。また、この場合、照射部11と照射対象との間の距離に応じて、照射部11から照射される紫外線照射量を決定してもよい。
【0031】
図3の一例では、紫外線照度は、時刻t1を超えると人の密集度の経時的な増加に対応して段階的に増加する。時刻t1及び時刻t2の間において人の密集度が最大となる時刻を挟んで、紫外線照度が最大となる。その後、人の密集度の経時的な減少に対応して、紫外線照度が最大の状態から段階的に減少する。この例では時刻t2において紫外線照射が終了することから、時刻t2において紫外線照度がゼロとなる。なお、図3の一例では、段階的に紫外線照度を増加及び減少させているが、紫外線照度の経時的な変化はこれに限られない。紫外線照度の経時的な変化は、紫外線照射システム10で使用する照射部11の光源の種類等にあわせて、適宜設定できる。
【0032】
図4は、紫外線照射システム10が実行する制御の一例を示すフローチャートである。紫外線照射システム10の使用時には、例えば、1日ごとに図4の処理が行われる。図4の処理による照射部11の制御は、照射部11が紫外線照射システム10の使用場所を照明可能な状態で行われる。
【0033】
紫外線照射システム10は、前述したように、紫外線の照射領域の人の密集度の経時的な変化の予測結果を取得する(S401)。演算部は、取得した予測結果に基づいて、前述のように照射部11から照射する紫外線照度の経時的な変化を決定する(S402)。照射部11から紫外線の照射を開始する時刻に到達すると、制御部12は、照射部11を制御して紫外線の照射を開始する(S403)。制御部12は、演算部が決定した照射する紫外線の照度及び当該紫外線照度で紫外線を照射する照射時間を取得する(S404)。制御部12は、設定した照射時間が経過していない場合(S405-No)、設定された紫外線照度での紫外線照射を継続する。照射時間が経過すると(S405-Yes)、制御部12は、演算部が決定した紫外線の照射予定がすべて完了したか否かを判定する(S406)。紫外線の照射予定が完了していない場合(S406-No)、処理はS403に戻り、制御部12はS403以降の処理を実行する。紫外線の照射予定が完了している場合(S406-Yes)、制御部12は、照射部11からの紫外線の照射を終了する(S407)。これにより、照射領域において人体が浴びる紫外線照射量を所定の上限値に制限しながら、紫外線の照射領域を迅速かつ適切にウイルス等を殺菌できる。
【0034】
本実施形態の紫外線照射システム10では、紫外線の照射領域における過去の人の密集度の経時的な変化に基づいて、紫外線の照射領域の人の密集度を予測することが好ましい。この場合、紫外線照射システム10では、図1に示す検出部15が紫外線の照射領域の人の密集度を検出し、予測部16が紫外線の照射領域における人の密集度を予測する。
【0035】
検出部15は、紫外線の照射領域における人の密集度を検出する。検出部15は、人の密集度を検出できる構成であれば、その構成は特に限定されない。検出部15は、例えば、カメラ、COセンサである。検出部15としてカメラが用いられる場合、検出部15は、照射部11の照明領域の画像及び/又は動画を撮影する。また、検出部15としてCOセンサが用いられる場合、検出部15は、照射部11の照明領域のCO濃度の変化を経時的に測定する。いずれの構成であっても、検出部15は、検出した紫外線の照射領域における人の密集度及び当該人の密集度の経時的な変化を、記憶部14に書き込む。
【0036】
予測部16は、検出部15が検出した紫外線の照射領域における過去の人の密集度に基づいて、紫外線の照射領域の人の密集度を予測する。予測部16は、過去の人の密集度に基づいて、例えば、機械学習や人工知能(AI)により作成された所定の予測モデルにしたがって、予測する日として設定された日付(予測日)での紫外線の照射領域における人の密集度の経時的な変化を予測する。また、予測部16は、検出部15が検出した紫外線の照射領域における過去の人の密集度に加えて、紫外線の照射領域における最新の人の密集度に基づいて、紫外線の照射領域の人の密集度を予測してもよい。この場合、予測部16は、記憶部14から、紫外線の照射領域における最新の人の密集度を読み出す。そして、予測部16は、紫外線の照射領域における最新の人の密集度に基づいて、予測日での紫外線の照射領域における人の密集度の経時的な変化を予測する。予測日が当日である場合、紫外線の照射領域における最新の人の密集度は、予測部16が予測を開始する直前までに検出部15により取得された、紫外線の照射領域の人の密集度である。
【0037】
図5は、図2で示した日に紫外線を連続照射している状態で、予測部16が人の密集度を予測するときに、紫外線の照射領域における最新の人の密集度を用いて予測した場合の人の密集度のグラフを示す。横軸は時刻を示す。縦軸は密集度又は紫外線照度を示す。図2と同様に、本実施形態の紫外線照射システム10は、時刻t1から時刻t2までの間を紫外線の照射期間として、連続して紫外線を照射する。時刻tcは、現在時刻である。
【0038】
予測曲線α0は、図2に示す人の密集度の経時的な変化を表す。線β0は、図3に示す紫外線照度の経時的な変化を表す。Sは、線β0及びグラフの横軸で囲まれる部分の面積を表す。また、曲線γ0(実線で示す)は、図2で示した日の当日の実際の人の密集度の経時的な変化を示す。点γcは、現在の時刻における実際の人の密集度を表す。曲線γ1(破線で示す)は、予測部16が紫外線の照射領域における点γcまでの人の密集度を用いて予測した、点γcより後の人の密集度の経時的な変化を示す。
【0039】
図2及び図3において説明したように、演算部13は、予測曲線α0に基づいて、照射部11による紫外線照度の経時的な変化(線β0)を決定する。また、面積Sは紫外線照射量であり、面積Sの上限値の条件を満たす。図5では、照射部11が、時刻t1から紫外線の連続照射を開始する。時刻t1を過ぎると、予測曲線α0で示す人の密集度の予測値が経時的に増加するとともに、曲線γ0で示す人の密集度の実際の値が経時的に増加する。時刻t1を過ぎた直後では、予測曲線α0で示す人の密集度の予測値と、曲線γ0で示す人の密集度の実際の値との差が小さい。この場合、紫外線照射システム10は、曲線α0に基づいて決定された線β0にしたがって経時的に紫外線照度を変化させることで、照射領域内の人の密集度に即して適切に紫外線を照射できる。
【0040】
現在時刻tcでは、曲線γ0上の点γcが、紫外線の照射領域における人の密集度の実際の値である。このとき、予測曲線α0で示す人の密集度の予測値と、点γcの値との差が、現在時刻tc以前と比べて大きい。すなわち、照射領域内の人の密集度が、予測曲線α0で示す人の密集度の予測値から大きくずれている。そして、最新の検出時点までの実際の人の密集度についての値(検出結果)を用いて、予測部16が紫外線の照射領域における将来の(今後の)人の密集度の経時的な変化を予測した結果、予測曲線γ1で示される人の密集度の経時的な変化が得られた。すなわち、現在時刻tc以降における人の密集度が、予測曲線α0で示される人の密集度よりも大きい。この場合、紫外線照射システム10は、曲線β0にしたがって経時的に紫外線照度を変化させても、照射領域内の人の密集度に即した紫外線照射ができない可能性がある。例えば、人の密集度が最大となったときに要求される紫外線照度に満たない紫外線照度で、照射部11が、紫外線を照射領域に照射する可能性がある。このように、予測部16が、最新の検出時点までの実際の人の密集度についての値を用いて今後の人の密集度の経時的な変化を予測した結果、予測曲線α0から所定以上ずれた場合、演算部13は、予測曲線γ1に基づいて、紫外線照射度の変化(照射予定)を再度決定する。
【0041】
図6は、演算部13が図5に示す予測曲線γ1に基づいて決定した紫外線照度の経時的な変化である。横軸は時刻を示す。縦軸は人の密集度又は紫外線照度を示す。線β1は、予測曲線γ1に基づいて決定した紫外線照度の経時的な変化を表す。予測曲線α0、線β0、曲線γ0、予測曲線γ1、点γc、時刻t1,t2,tcは、図5と同様である。面積Sは、線β1及びグラフの横軸で囲まれる部分の面積を表し、紫外線照射量に対応する。演算部13は、図3において予測曲線α0に基づいて紫外線照度の経時的な変化を決定したのと同様にして、予測曲線γ1に基づいて紫外線照度の経時的な変化を再び決定する。また、図6においても、線β1と横軸により囲まれる部分の面積(紫外線照射量)はSであり、図2の場合と同一である。すなわち、演算部13は、紫外線照射量を一定に維持したまま、線β1で表される紫外線照度の経時的な変化を決定する。なお、紫外線照射量を上限値以下にするために、時刻t1からt2の間の時間帯においても、紫外線照射量を抑える(下げる)時間を設けたり、消灯する時間を設けたりして、紫外線照射量が上限値を超えないように調整されてもよい。
【0042】
このように、実際の人の密集度の経時的な変化である曲線γ0が予測曲線α0から乖離した場合、紫外線照射システム10は、最新の検出時点までの実際の人の密集度を用いて予測された予測曲線γ1に基づいて、新たに線β1を決定する。そして、紫外線照射システム10は、線β1にしたがって経時的に紫外線照度を変化させることで、照射領域内の人の密集度に即して適切に紫外線を照射できる。
【0043】
図7は、図5及び図6に示す場合に、紫外線照射システム10が実行する制御の一例を示すフローチャートである。図4と同様に、紫外線照射システム10の使用時には、紫外線照射システム10は、例えば、1日ごとに図7の処理が行われる。図7の処理による照射部11の制御は、照射部11が紫外線照射システム10の使用場所を照明可能な状態で行われる。紫外線照射システム10では、制御部12が、S701~S705において、図4のS401~S405と同様の処理を実行する。
【0044】
制御部12は、照射時間が経過すると(S705-Yes)、検出部15で取得した照射領域の実際の人の密集度を取得する(S706)。制御部12は、前述したように、予測部16に、S706で取得した実際の人の密集度に基づいて、照射領域における将来の人の密集度を予測させる(S707)。新たに予測した照射領域における将来の人の密集度が、これまでの予測結果より高い場合(S708-Yes)、制御部12は、演算部13に、新たに予測した照射領域における将来の人の密集度に基づいて、照射予定を変更させる(S709)。新たに予測した照射領域における将来の人の密集度がこれまでの予測結果とほとんど同じであるか又は低い場合(S708-No)、制御部12はS709の処理を実行しないで処理を進行する。
【0045】
制御部12は、演算部13が決定した紫外線の照射予定がすべて完了したか否かを判定する(S710)。紫外線の照射予定が完了していない場合(S710-No)、処理はS704に戻り、制御部12はS704以降の処理を実行する。紫外線の照射予定が完了している場合(S710-Yes)、制御部12は、照射部11からの紫外線の照射を終了する(S711)。これにより、照射領域において人体が浴びる紫外線照射量を所定の上限値に制限しながら、紫外線の照射領域を迅速かつ適切にウイルス等を殺菌できる。
【0046】
前述のように、本実施形態では、紫外線照射システム10の制御部12は、紫外線の照射領域の人の密集度の予測結果に基づいて、照射部11の照射予定における紫外線照射量が上限値未満となる状態で照射部11を制御する。また、制御部12は、照射部11からの紫外線の照射を予測結果に対応した紫外線照度になる状態に経時的に調整する。これにより、紫外線照射システム10は、照射領域内の人の密集度に応じて紫外線の照射量を適切に変化させることができる。そのため、紫外線照射システム10は、例えば、1日の紫外線照射量として定められる所定の値を遵守するとともに、高い感染リスクとなった照射領域を適切に殺菌できる。
【0047】
本実施形態では、紫外線照射システム10は、検出部15をさらに具備することが好ましい。検出部15は、照射領域における人の密集度を検出できる。また、人の密集度の予測結果は、検出部15が検出した人の密集度に少なくとも基づいて予測された結果である。これにより、紫外線照射システム10は、予測結果として、適切に予測された照射領域内の人の密集度を使用できる。そのため、紫外線照射システム10は、照射領域内の人の密集度に応じて紫外線の照射量をより適切に変化させることができる。
【0048】
本実施形態では、紫外線照射システム10は、予測部16をさらに具備することが好ましい。予測部16は、照射領域の人の密集度に少なくとも基づいて、照射領域の将来の人の密集度を予測結果として予測する。これにより、紫外線照射システム10は、照射領域における人の密集度に基づいて、照射領域における今後の人の密集度を予測できる。そのため、紫外線照射システム10は、照射領域内の人の密集度に応じて紫外線の照射量をより適切に変化させることができる。
【0049】
本実施形態では、紫外線照射システム10が使用する予測結果は、照射領域の前日までの人の密集度に少なくとも基づいて予測された結果であることが好ましい。これにより、紫外線照射システム10は、予測結果として、より適切に予測された照射領域内の人の密集度を使用できる。そのため、紫外線照射システム10は、照射領域内の人の密集度に応じて紫外線の照射量をより適切に変化させることができる。
【0050】
本実施形態では、紫外線照射システム10が使用する予測結果は、照射領域の最新の人の密集度に少なくとも基づいて予測された結果であることが好ましい。これにより、紫外線照射システム10は、予測結果として、一層適切に予測された照射領域内の人の密集度を使用できる。そのため、紫外線照射システム10は、照射領域内の人の密集度に応じて紫外線の照射量をより適切に変化させることができる。
【0051】
(変形例)
ある変形例では、検出部15は、紫外線の照射領域内の人と照射部11との距離を検出(測定)できる。この場合、検出部15の構成は、紫外線の照射領域内の人と照射部11との距離が測定できれば特に限られるものではない。演算部13は、照射領域内の人と照射部11との距離に少なくとも基づいて、紫外線照射量が前述した上限値未満となる照射予定を決定する。前述したように、紫外線照射量は汚染箇所と光源との距離の2乗に反比例する。そのため、紫外線照射量が上限値未満となる照射予定を決定する場合、演算部13は、照射部11に最も近い人との距離に少なくとも基づいて照射予定を決定する。例えば、照射部11に最も近い人でも紫外線照射量が上限値未満となる状態に、照射予定を決定する。そして、制御部12は、演算部13が決定した照射予定にしたがって照射部11を制御する。これにより、紫外線照射システム10は、紫外線照射量の上限値を満たした状態で、紫外線の照射を実行できる。
【0052】
なお、紫外線照射システム10では、紫外線を連続して照射する期間が1日に複数設定され、複数の期間同士の間に、照射部11から紫外線が照射されない期間が設定されてもよい。また、紫外線照度の経時的な変化により、紫外線照射量の上限値を超える可能性がある場合には、紫外線照射量の上限値に達する前に、照射部11からの紫外線の照射を停止してもよい。
【0053】
ある変形例では、照射部11は、飛行体に取付けられてもよい。飛行体は、例えば、ドローンやバルーンである。この場合、飛行体が、人の密集度を予測した箇所に移動する。照射部11が、人の密集度を予測した箇所を照射領域として、紫外線を照射する。また、制御部12が予測部16と協働して、検出部15での検出結果に基づいて人の動線を解析する。制御部12は、解析結果に基づいて、照射部11から紫外線を照射させてもよい。本変形例では、単位面積あたりの動線数が多い(1人又は複数人が往来する回数が多い)箇所を汚染予想箇所として、照射部11が紫外線を照射してもよい。また、人の滞在時間が長い箇所を汚染箇所又は汚染予想箇所として、照射部11が紫外線を照射してもよい。この場合、制御部12が予測部16と協働して、動線数の数及び滞在時間が長いか否かを所定の基準に基づいて判定する。所定の基準は、検出部15の検出範囲全体の情報に基づいた相対的な基準であってもよく、あらかじめ定められた基準であってもよい。本変形例では、照射部11が飛行体に取付けられ、かつ、制御部12が予測部16と協働して人の密集度を予測するとともに人の動線を解析する。これにより、本変形例の紫外線照射システムは、より適切に紫外線照射量を変化させることができる。なお、上述した人の動線解析に基づく紫外線の照射は、人の密集度の予測とは独立して実行されてもよい。
【0054】
これら少なくとも一つの実施形態によれば、紫外線照射システムは、照射部及び制御部を具備する。照射部は、照射領域に紫外線を照射できる。制御部は、照射領域の人の密集度の予測結果に基づいて、照射部の照射期間における紫外線照射量が上限値未満となる照射状態で照射部を制御する。また、制御部は、照射部からの紫外線の照射を予測結果に対応した紫外線照度になる状態に経時的に調整する。これにより、紫外線照射システムは、射領域内の人の密集度に応じて紫外線の照射量を適切に変化させることができる。
【0055】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下、付記を記載する。
[1]照射領域に紫外線を照射できる照射部と;
前記照射領域の人の密集度の予測結果に基づいて、前記照射部の照射予定における紫外線照射量が上限値未満となる状態で、前記照射部からの紫外線の照射を前記予測結果に対応した紫外線照度になる状態に経時的に調整する制御部と;
を具備する、紫外線照射システム。
[2]前記照射領域の人の密集度を検出できる検出部をさらに具備し、
前記予測結果は、前記検出部が検出した人の密集度に少なくとも基づいて予測された結果である、
請求項1に記載の紫外線照射システム。
[3]前記照射領域の人の密集度に少なくとも基づいて、前記照射領域における将来の人の密集度を前記予測結果として予測する予測部をさらに具備する、
請求項1又は2に記載の紫外線照射システム。
[4]前記予測結果は、前記照射領域の前日までの人の密集度に少なくとも基づいて予測された結果である、
請求項1~3のいずれか1項に記載の紫外線照射システム。
[5]前記予測結果は、前記照射領域の最新の人の密集度に少なくとも基づいて予測された結果である、
請求項1~4のいずれか1項に記載の紫外線照射システム。
[6]前記検出部は、前記照射部と前記照射領域内の人との距離を検出でき、
前記制御部は、前記検出部が検出した前記照射部と前記人との距離に少なくとも基づいて、前記紫外線照射量が前記上限値未満となる状態に前記照射部を制御する、
請求項2に記載の紫外線照射システム。
【符号の説明】
【0056】
10…紫外線照射システム、11…照射部、12…制御部、13…演算部、14…記憶部、15…検出部、16…予測部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7