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  • 特許-サーバ、通知システム及びプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-14
(45)【発行日】2025-01-22
(54)【発明の名称】サーバ、通知システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H02J 13/00 20060101AFI20250115BHJP
   B60L 55/00 20190101ALI20250115BHJP
   G06Q 50/06 20240101ALI20250115BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20250115BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20250115BHJP
【FI】
H02J13/00 301A
B60L55/00
G06Q50/06
G06Q50/10
H02J7/00 P
H02J13/00 311T
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021136444
(22)【出願日】2021-08-24
(65)【公開番号】P2023030999
(43)【公開日】2023-03-08
【審査請求日】2024-01-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田畑 満弘
(72)【発明者】
【氏名】高橋 幹
(72)【発明者】
【氏名】曲田 尚史
(72)【発明者】
【氏名】東 裕子
(72)【発明者】
【氏名】立石 崇晴
【審査官】宮本 秀一
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-093044(JP,A)
【文献】特開2004-185399(JP,A)
【文献】特開2017-112806(JP,A)
【文献】特開2019-034567(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L1/00-3/12
B60L7/00-13/00
B60L15/00-58/40
G06Q50/00-50/20
G06Q50/26-99/00
G08B23/00-31/00
G08G1/00-99/00
G16Z99/00
H02J3/00-7/12
H02J7/34-7/36
H02J13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の駆動時における排気ガスの放出の有無を示す車両情報と、建物内で受電可能な施設であるか否かを示す施設情報とを取得し、
駆動時に排気ガスを放出しない前記車両に、建物内で受電可能な前記施設を通知する情報を出力するように構成されるプロセッサ、
を備えるサーバ。
【請求項2】
前記車両情報は、前記車両の位置を示す位置情報を含み、
前記施設情報は、前記施設の位置を示す位置情報を含み、
前記プロセッサは、前記施設の位置に最も近い位置の前記車両に、該施設を通知する情報を出力する、
請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記施設情報は、建物内において受電可能な空間の換気性能を含み、
前記プロセッサは、駆動時に排気ガスを放出しない前記車両に、前記換気性能が低い前記施設に優先的に給電するよう通知する情報を出力する、
請求項1又は請求項2に記載のサーバ。
【請求項4】
前記施設情報は、前記施設の給電の優先度に関する情報を含み、
前記プロセッサは、駆動時に排気ガスを放出しない前記車両に、前記優先度が高い前記施設に優先的に給電するよう通知する情報を出力する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項5】
前記車両情報は、前記車両の給電方式を含み、
前記施設情報は、前記施設の受電方式を含み、
前記プロセッサは、駆動時に排気ガスを放出しない前記車両に、前記給電方式で受電可能な前記受電方式の前記施設を通知する情報を出力する、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項6】
前記プロセッサは、駆動時に排気ガスを放出しない前記車両に、天候に応じて建物内で受電可能な前記施設を通知する情報を出力する、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項7】
前記車両情報は、前記車両における車載バッテリの搭載の有無を示す情報を含み、
前記プロセッサは、前記車両が前記車載バッテリを備える場合、前記車載バッテリからの給電をエンジンの駆動による給電よりも優先して実行するように通知する情報を出力する、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項8】
給電可能な車両と、
前記車両から受電可能な施設と、
前記車両の駆動時における排気ガスの放出の有無を示す車両情報と、建物内で受電可能な前記施設であるか否かを示す施設情報とを取得し、駆動時に排気ガスを放出しない前記車両に、建物内で受電可能な前記施設を通知する情報を出力するように構成されるプロセッサを備えるサーバと、
を備える通知システム。
【請求項9】
前記車両情報は、前記車両の位置を示す位置情報を含み、
前記施設情報は、前記施設の位置を示す位置情報を含み、
前記プロセッサは、前記施設の位置に最も近い位置の前記車両に、該施設を通知する情報を出力する、
請求項8に記載の通知システム。
【請求項10】
前記施設情報は、建物内において受電可能な空間の換気性能を含み、
前記プロセッサは、駆動時に排気ガスを放出しない前記車両に、前記換気性能が低い前記施設に優先的に給電するよう通知する情報を出力する、
請求項8又は請求項9に記載の通知システム。
【請求項11】
前記施設情報は、前記施設の給電の優先度に関する情報を含み、
前記プロセッサは、駆動時に排気ガスを放出しない前記車両に、前記優先度が高い前記施設に優先的に給電するよう通知する情報を出力する、
請求項8から10のいずれか一項に記載の通知システム。
【請求項12】
前記車両情報は、前記車両の給電方式を含み、
前記施設情報は、前記施設の受電方式を含み、
前記プロセッサは、駆動時に排気ガスを放出しない前記車両に、前記給電方式で受電可能な前記受電方式の前記施設を通知する情報を出力する、
請求項8から11のいずれか一項に記載の通知システム。
【請求項13】
前記プロセッサは、駆動時に排気ガスを放出しない前記車両に、天候に応じて建物内で受電可能な前記施設を通知する情報を出力する、
請求項8から請求項12のいずれか一項に記載の通知システム。
【請求項14】
前記車両情報は、前記車両における車載バッテリの搭載の有無を示す情報を含み、
前記プロセッサは、前記車両が前記車載バッテリを備える場合、前記車載バッテリからの給電をエンジンの駆動による給電よりも優先して実行するように通知する情報を出力する、
請求項8から請求項13のいずれか一項に記載の通知システム。
【請求項15】
プロセッサに、
車両の駆動時における排気ガスの放出の有無を示す車両情報と、建物内で受電可能な施設であるか否かを示す施設情報とを取得し、
駆動時に排気ガスを放出しない前記車両に、建物内で受電可能な前記施設を通知する情報を出力する、
ことを実行させるプログラム。
【請求項16】
前記車両情報は、前記車両の位置を示す位置情報を含み、
前記施設情報は、前記施設の位置を示す位置情報を含み、
前記プロセッサは、前記施設の位置に最も近い位置の前記車両に、該施設を通知する情報を出力する、
請求項15に記載のプログラム。
【請求項17】
前記施設情報は、建物内において受電可能な空間の換気性能を含み、
前記プロセッサに、
駆動時に排気ガスを放出しない前記車両に、前記換気性能が低い前記施設に優先的に給電するよう通知する情報を出力する、
ことを実行させる請求項15又は請求項16に記載のプログラム。
【請求項18】
前記施設情報は、前記施設の給電の優先度に関する情報を含み、
前記プロセッサに、
駆動時に排気ガスを放出しない前記車両に、前記優先度が高い前記施設に優先的に給電するよう通知する情報を出力する、
ことを実行させる請求項15から請求項17のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項19】
前記車両情報は、前記車両の給電方式を含み、
前記施設情報は、前記施設の受電方式を含み、
前記プロセッサに、
駆動時に排気ガスを放出しない前記車両に、前記給電方式で受電可能な前記受電方式の前記施設を通知する情報を出力する、
ことを実行させる請求項15から請求項18のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項20】
前記プロセッサに、
駆動時に排気ガスを放出しない前記車両に、天候に応じて建物内で受電可能な前記施設を通知する情報を出力する、
ことを実行させる請求項15から請求項19のいずれか一項に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サーバ、通知システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、災害時に車両から避難所等の施設に給電可能な給電システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-112806号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、車両が駆動時に排気ガスを放出すると、建物内で施設に給電するのに適さないという課題があった。
【0005】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、給電を行う車両の駆動時における排気ガスの放出の有無に応じて適切な給電対象の施設を通知することができるサーバ、通知システム及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るサーバは、車両の駆動時における排気ガスの放出の有無を示す車両情報と、建物内で受電可能な施設であるか否かを示す施設情報とを取得し、駆動時に排気ガスを放出しない前記車両に、建物内で受電可能な前記施設を通知する情報を出力するように構成されるプロセッサ、を備える。
【0007】
本開示に係る通知システムは、給電可能な車両と、前記車両から受電可能な施設と、前記車両の駆動時における排気ガスの放出の有無を示す車両情報と、建物内で受電可能な前記施設であるか否かを示す施設情報とを取得し、駆動時に排気ガスを放出しない前記車両に、建物内で受電可能な前記施設を通知する情報を出力するように構成されるプロセッサを備えるサーバと、を備える。
【0008】
本開示に係るプログラムは、プロセッサに、車両の駆動時における排気ガスの放出の有無を示す車両情報と、建物内で受電可能な施設であるか否かを示す施設情報とを取得し、駆動時に排気ガスを放出しない前記車両に、建物内で受電可能な前記施設を通知する情報を出力することを実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、給電を行う車両の駆動時における排気ガスの放出の有無に応じて適切な給電対象の施設を通知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態に係るサーバを含む通知システムの構成を概略的に示す図である。
図2図2は、車両と対象施設との概略構成図である。
図3図3は、サーバの概略構成を示した図である。
図4図4は、サーバが実施する通知制御ルーチンを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の実施形態に係るサーバ、通知システム及びプログラムについて、図面を参照しながら説明する。なお、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0012】
図1は、実施形態に係るサーバを含む通知システムの構成を概略的に示す図である。図1に示すように、通知システム1は、車両10と、対象施設20と、サーバ30と、を備えている。通知システム1は、例えば、車両10から対象施設20への給電に関する情報をサーバ30が車両10に通知する。
【0013】
車両10、対象施設20、及び、サーバ30は、ネットワークNWを通じて相互に通信可能に構成されている。このネットワークNWは、例えば、インターネット等の公衆通信網であって、WAN(Wide Area Network)、電話通信網、及び、Wi-Fi(登録商標)等の無線通信網等のその他の通信網を含んでもよい。
【0014】
また、例えば、車両10と対象施設20との通信は、ネットワークNWを介して行うことに限定されるものではなく、ネットワークNWを介さずに車両10と対象施設20との間で、相互に直接通信を行えるようにしてもよい。これにより、災害時にネットワークNWが使用できない場合であっても、車両10から対象施設20に給電することができる。
【0015】
車両10は、少なくとも与えられた走行指令に従って自律走行可能に構成された自律走行車両である。車両10は、ガソリン、水素等の燃料によってエンジンを駆動させて生成した電力の一部、又は車載バッテリに蓄電した電力の一部を外部に給電することが可能である。車両10は、駆動時に排気ガスを放出しない車両10と、排気ガスを放出する車両10とを含む。
【0016】
駆動時に排気ガスを放出しない車両10とは、電気自動車(BEV:Battry Electric Vehicle)、燃料電池車(FCEV:Fuel Cell Electric Vehicle)等である。これらの車両10は、駆動時に排気ガスを放出しないため、建物内で給電することが可能である。
【0017】
一方、駆動時に排気ガスを放出する車両10とは、ガソリン車、ハイブリッド車(HEV:Hybrid Electric Vehicle)、プライグインハイブリッド車(PHEV:Plug-in Hybrid Electric Vehicle)等である。これらの車両10は、駆動時に排気ガスを放出するため、建物内で給電するのに適していない。
【0018】
なお、本明細書において、排気ガスとは、二酸化炭素(CO)等の温室効果ガスや、窒素酸化物(NO)、炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、浮遊粒子状物質(PM)等の大気汚染の原因となる物質を含む車両が放出するガスを総称する。一方、排気ガスには、水素自動車が放出する水蒸気等の大気汚染の原因とならない物質は含まれない。
【0019】
対象施設20は、災害時等に車両10を給電のために向かわせる対象となっている避難所、病院等の給電対象となる施設である。
【0020】
図2は、車両と対象施設との概略構成図である。車両10は、車両制御装置11と、通信装置12と、記憶装置13と、給電装置14と、車載バッテリ15と、を備えている。
【0021】
車両制御装置11は、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、及び、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等からなるプロセッサと、RAM(Random Access Memory)、及び、ROM(Read Only Memory)等からなるメモリと、を備えている。車両制御装置11は、記憶装置13に格納されたプログラムをメモリの作業領域にロードして実行し、プログラムの実行を通じて各構成部等を制御することにより、所定の目的に合致した機能を実現する。
【0022】
通信装置12は、例えば、LAN(Local Area Network)インターフェースボード、及び、無線通信のための無線通信回路等から構成される。通信装置12は、公衆通信網であるインターネット等のネットワークNWに接続されている。そして、通信装置12は、ネットワークNWに接続することにより、対象施設20及びサーバ30との間で通信を行う。
【0023】
記憶装置13は、EPROM(Erasable Programmable ROM)、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive:HDD)、及び、リムーバブルメディア等の記録媒体から構成される。リムーバブルメディアとしては、例えば、光ディスク(CD(Compact Disc)-R又はCD-ROM、DVD(Digital Versatile Disc)-R又はDVD-ROM、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)等)、フラッシュメモリ(USB(Universal Serial Bus)メモリ、メモリカード等)等の記録媒体が挙げられる。記憶装置13には、オペレーティングシステム(Operating System:OS)、各種プログラム、各種テーブル、及び、各種データベース等が格納可能である。
【0024】
給電装置14は、対象施設20に設けられた受電装置24が有するインレットに接続ケーブルを接続し、接続ケーブルを介して接触式で給電する。また、給電装置14は、給電装置14が有する送電コイルと、対象施設20に設けられた受電装置24が有する受電コイルとを近接させ、送電コイル及び受電コイルを介して受電装置24に非接触で給電してもよい。
【0025】
車載バッテリ15は、例えば、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池等の二次電池からなり、車両10のモータやインバータなどからなる駆動装置に電力を供給する。また、車載バッテリ15は、駆動したエンジンの動力により、充電可能な構成であってもよい。なお、車両10が、ガソリン車の場合、車載バッテリ15を有しない構成であってもよい。
【0026】
対象施設20は、施設制御装置21と、通信装置22と、記憶装置23と、受電装置24と、蓄電装置25と、を備えている。なお、施設制御装置21、通信装置22、及び、記憶装置23の物理的な構成は、例えば、車両10が備える、車両制御装置11、通信装置12、及び、記憶装置13と同様である。受電装置24は、給電装置14からの電力を受電する。蓄電装置25は、例えば、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池等の二次電池からなり、対象施設20にて使用する電力を蓄える。
【0027】
図3は、サーバの概略構成を示した図である。サーバ30は、サーバ制御装置31と、通信装置32と、記憶装置33と、を備えている。サーバ制御装置31、通信装置32、及び記憶装置33の物理的な構成は、例えば、車両10が備える、車両制御装置11、通信装置12、及び、記憶装置13と同様である。サーバ30は、複数の車両10を管理し、車両10によって複数の対象施設20に給電を行う通知システム1を統括的に管理する管理サーバである。
【0028】
サーバ制御装置31は、ネットワークNWなどを介して、複数の車両10から複数の対象施設20への給電を管理する。サーバ制御装置31は、車両10の駆動時における排気ガスの放出の有無を示す車両情報を複数の車両10から取得する。また、サーバ制御装置31は、建物内で受電可能な対象施設20であるか否かを示す施設情報を複数の対象施設20から取得する。また、車両情報は、車両10の位置を示す位置情報を含んでいてもよく、施設情報は、対象施設20の位置を示す位置情報を含んでいてもよい。そして、サーバ制御装置31は、建物内で受電可能な対象施設20を1つ選択し、駆動時に排気ガスを放出しない車両10の中から、この対象施設20の位置に最も近い位置の車両10を、対象施設20の給電に適した車両10として選択する。さらに、サーバ制御装置31は、選択した車両10に、この対象施設20の位置情報等を通知する情報を出力する。
【0029】
図4は、サーバが実施する通知制御ルーチンを示した図である。まず、サーバ制御装置31は、複数の車両10から車両情報を取得し、複数の対象施設20から施設情報を取得する(ステップS1)。
【0030】
続いて、サーバ制御装置31は、対象施設20の給電に適した車両10を選択する(ステップS2)。例えば、サーバ制御装置31は、複数の対象施設20の中から建物内で受電可能な対象施設20を1つ選択する。そして、サーバ制御装置31は、駆動時に排気ガスを放出しない車両10の中から、選択した対象施設20の位置に最も近い位置の車両10を、この対象施設20の給電に適した車両10として選択する。
【0031】
その後、サーバ制御装置31は、駆動時に排気ガスを放出しない車両10に、建物内で受電可能な対象施設20を通知する情報を出力する(ステップS3)。具体的には、選択した車両10に、選択した対象施設20の位置情報等を通知する情報を出力する。そして、サーバ制御装置31は、本制御ルーチンを終了する。
【0032】
以上説明した実施形態に係るサーバ制御装置31によれば、駆動時に排気ガスを放出しない車両10に、建物内で受電可能な対象施設20を通知する情報を出力する。
【0033】
これにより、駆動時に排気ガスを放出する車両10が、建物内で給電可能な対象施設20に向かうことを防止することができる。
【0034】
また、車両情報が、車両10の位置を示す位置情報を含み、施設情報が、対象施設20の位置を示す位置情報を含むことにより、サーバ制御装置31は、給電する対象施設20の近くに位置する車両10に、対象施設20の位置情報を通知することができる。
【0035】
これにより、給電する対象施設20の近くに位置する車両10を、優先的にこの対象施設20に向かわせることができ、給電を効率化することができる。
【0036】
また、施設情報は、建物内において受電可能な空間の換気性能を含んでいてもよい。この場合、サーバ制御装置31は、駆動時に排気ガスを放出しない車両10に、換気性能が低い対象施設20に優先的に給電するよう通知する情報を出力する。
【0037】
これにより、換気性能が低い対象施設20に対して、優先的に駆動時に排気ガスを放出しない車両10を向かわせることができる。なお、換気性能が低いとは、給電する部屋が狭い場合や、給電する部屋に窓や換気扇等の換気設備が設けられていない状態を意味する。
【0038】
また、施設情報は、施設の給電の優先度に関する情報を含んでいてもよい。この場合、サーバ制御装置31は、駆動時に排気ガスを放出しない車両10に、優先度が高い対象施設20に優先的に給電するよう通知する情報を出力する。
【0039】
これにより、病院等の給電の優先度が高く、かつ建物内で受電可能な対象施設20に対して、優先的に駆動時に排気ガスを放出しない車両10を向かわせることができる。
【0040】
また、車両情報は、車両10の給電方式を含み、施設情報は、対象施設20の受電方式を含んでいてもよい。この場合、サーバ制御装置31は、駆動時に排気ガスを放出しない車両10に、この車両10の給電方式で受電可能な受電方式の対象施設20を通知する情報を出力する。
【0041】
これにより、車両10の給電方式と対象施設20の受電方式とが対応するように、車両10を対象施設20に向かわせることができる。なお、給電方式及び受電方式とは、給電装置14及び受電装置24が対応可能な電圧や周波数、給電装置14及び受電装置24を接続するコネクタや端子の形状等を含む。
【0042】
また、サーバ制御装置31は、駆動時に排気ガスを放出しない車両10に、天候に応じて建物内で受電可能な対象施設20を通知する情報を出力する。
【0043】
これにより、例えば雨や雷が発生しているエリアに位置し、建物内で受電可能な対象施設20に、優先的に駆動時に排気ガスを放出しない車両10を向かわせることができる。その結果、給電装置14と受電装置24とを接続する作業等の給電時における作業が、雨や雷により困難となることを防止することができる。
【0044】
また、車両情報は、車両10における車載バッテリ15の搭載の有無を示す情報を含んでいてもよい。サーバ制御装置31は、車両10が車載バッテリ15を備える場合、車載バッテリ15からの給電をエンジンの駆動による給電よりも優先して実行するように通知する情報を出力してもよい。
【0045】
これにより、駆動時に排気ガスを放出する車両10が、建物内で受電可能な対象施設20に向かった場合に、車載バッテリ15から対象施設20に給電することができる。
【0046】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。本開示のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細及び代表的な実施の形態に限定されるものではない。したがって、添付のクレーム及びその均等物によって定義される総括的な開示の概念の精神又は範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。例えば、車両10は、ネットワークNWなどを介して対象施設20から施設情報を取得して、記憶装置13に記憶された車両情報と施設情報とに基づいて、車両10が給電に向かう対象施設20を通知する情報を出力してもよい。同様に、対象施設20は、車両10から車両情報を取得して、車両情報と記憶装置23に記憶された施設情報とに基づいて、車両10が給電に向かう対象施設20を通知する情報を出力してもよい。
【符号の説明】
【0047】
1 通知システム
10 車両
11 車両制御装置
12 通信装置
13 記憶装置
14 給電装置
15 車載バッテリ
20 対象施設
21 施設制御装置
22 通信装置
23 記憶装置
24 受電装置
25 蓄電装置
30 サーバ
31 サーバ制御装置
32 通信装置
33 記憶装置
NW ネットワーク
図1
図2
図3
図4