(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-14
(45)【発行日】2025-01-22
(54)【発明の名称】給電制御装置、給電制御方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
B60R 16/02 20060101AFI20250115BHJP
H02H 5/04 20060101ALI20250115BHJP
H02J 1/00 20060101ALI20250115BHJP
【FI】
B60R16/02 645Z
H02H5/04 110
H02J1/00 306F
H02J1/00 308P
(21)【出願番号】P 2021137276
(22)【出願日】2021-08-25
【審査請求日】2023-12-28
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】中口 真之介
(72)【発明者】
【氏名】加藤 雅幸
【審査官】杉田 恵一
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-264629(JP,A)
【文献】特開2008-087534(JP,A)
【文献】特開2012-049664(JP,A)
【文献】特開2019-041509(JP,A)
【文献】特開2020-167882(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 16/02
H02H 5/04
H02J 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1スイッチと、
処理を実行する処理部と
を備え、
前記処理部は、前記第1スイッチから電流が入力される複数の第2スイッチそれぞれの状態を、オフ状態、又は、電流の通流が可能である通流状態に遷移させ、
前記処理部は、少なくとも1つの第2スイッチについて、単位時間当たりに流れる電流の平均値を、前記通流状態である一又は複数の第2スイッチに応じて調整する
ことにより、前記第1スイッチを介して単位時間当たりに流れる電流の平均値を、前記第1スイッチ及び全ての第2スイッチの状態がオン状態に固定された場合に前記第1スイッチを介して流れる電流値未満にする
給電制御装置。
【請求項2】
第1スイッチと、
処理を実行する処理部と
を備え、
前記処理部は、前記第1スイッチから電流が入力される複数の第2スイッチそれぞれの状態を、オフ状態、又は、電流の通流が可能である通流状態に遷移させ、
前記処理部は、少なくとも1つの第2スイッチについて、単位時間当たりに流れる電流の平均値を、前記通流状態である一又は複数の第2スイッチに応じて調整し、
前記第1スイッチの状態をオン状態又はオフ状態に切替える切替え回路を備え、
前記切替え回路は、前記第1スイッチを介して流れる電流値が電流閾値以上の値となった場合、前記第1スイッチの状態をオフ状態に切替え、
前記切替え回路は、前記処理部と、前記第1スイッチを介して流れる電流値を検出する電流出力回路とに接続される
給電制御装置。
【請求項3】
第1スイッチと、
処理を実行する処理部と
を備え、
前記処理部は、前記第1スイッチから電流が入力される複数の第2スイッチそれぞれの状態を、オフ状態、又は、電流の通流が可能である通流状態に遷移させ、
前記処理部は、少なくとも1つの第2スイッチについて、単位時間当たりに流れる電流の平均値を、前記通流状態である一又は複数の第2スイッチに応じて調整し、
前記第2スイッチのオフ状態への切替えを指示し、
前記第2スイッチのオフ状態への切替えが指示されている場合にて、前記複数の第2スイッチの中で予め決められている特定スイッチの両端間の両端電圧値が前記所定電圧値未満であるとき、前記第1スイッチのオフ状態への切替えを指示し、
前記特定スイッチは、前記第1スイッチが搭載される車両の運転に支障を与える可能性がある負荷に接続されている第2スイッチである
給電制御装置。
【請求項4】
第1スイッチと、
処理を実行する処理部と
を備え、
前記処理部は、前記第1スイッチから電流が入力される複数の第2スイッチそれぞれの状態を、オフ状態、又は、電流の通流が可能である通流状態に遷移させ、
前記処理部は、少なくとも1つの第2スイッチについて、単位時間当たりに流れる電流の平均値を、前記通流状態である一又は複数の第2スイッチに応じて調整し、
前記第2スイッチのオフ状態への切替えを指示し、
前記第2スイッチのオフ状態への切替えが指示されている場合にて、前記複数の第2スイッチの中で予め決められている特定スイッチを介して流れる電流値が前記所定電流値を超えているとき、前記第1スイッチのオフ状態への切替えを指示し、
前記特定スイッチは、前記第1スイッチが搭載される車両の運転に支障を与える可能性がある負荷に接続されている第2スイッチである
給電制御装置。
【請求項5】
前記第1スイッチを介して単位時間当たりに流れる電流の平均値は、前記第1スイッチ
及び全ての第2スイッチの状態がオン状態に固定された場合に前記第1スイッチを介して
流れる電流値未満である
請求項
1から請求項4のいずれか一項に記載の給電制御装置。
【請求項6】
前記第2スイッチの状態がオン状態に固定されるか、又は、前記第2スイッチのPWM
制御が行われた場合、前記第2スイッチの状態は前記通流状態に遷移する
請求項
1から請求項5のいずれか一項に記載の給電制御装置。
【請求項7】
前記第1スイッチの状態をオン状態又はオフ状態に切替える切替え回路を備え、
前記切替え回路は、前記第1スイッチを介して流れる電流値が電流閾値以上の値となっ
た場合、前記第1スイッチの状態をオフ状態に切替える
請求項
1から請求項6のいずれか1項に記載の給電制御装置。
【請求項8】
前記処理部は、
前記第2スイッチのオフ状態への切替えを指示し、
前記第2スイッチのオフ状態への切替えが指示されている場合にて、前記第2スイッチ
の両端間の両端電圧値が所定範囲内の値に維持されている期間が所定期間以上の値になっ
たとき、前記第1スイッチのオフ状態への切替えを指示する
請求項
1から請求項7のいずれか1項に記載の給電制御装置。
【請求項9】
前記処理部は、
前記第2スイッチのオフ状態への切替えを指示し、
前記第2スイッチのオフ状態への切替えが指示されている場合にて、前記第2スイッチ
を介して流れる電流値が第2の所定範囲内の値に維持されている期間が第2の所定期間以
上の値となったとき、前記第1スイッチのオフ状態への切替えを指示する
請求項
1から請求項8のいずれか1項に記載の給電制御装置。
【請求項10】
前記処理部は、
前記第2スイッチのオフ状態への切替えを指示し、
前記第2スイッチのオフ状態への切替えが指示されている場合にて、前記第2スイッチ
の両端間の両端電圧値が所定電圧値未満であるとき、前記第1スイッチのオフ状態への切
替えを指示する
請求項
1から請求項9のいずれか1項に記載の給電制御装置。
【請求項11】
前記処理部は、前記第2スイッチのオフ状態への切替えが指示されている場合にて、前
記複数の第2スイッチの中で予め決められている特定スイッチの両端間の両端電圧値が前
記所定電圧値未満であるとき、前記第1スイッチのオフ状態への切替えを指示する
請求項
10に記載の給電制御装置。
【請求項12】
前記処理部は、前記第2スイッチのオフ状態への切替えが指示されている場合にて、前
記特定スイッチとは異なる第2スイッチの両端間の両端電圧値が前記所定電圧値未満であ
るとき、両端電圧値が前記所定電圧値未満である第2スイッチとは異なる第2スイッチを
介して、単位時間当たりに流れる電流の平均値を低下させる
請求項
11に記載の給電制御装置。
【請求項13】
前記処理部は、
前記第2スイッチのオフ状態への切替えを指示し、
前記第2スイッチのオフ状態への切替えが指示されている場合にて、前記第2スイッチ
を介して流れる電流値が所定電流値を超えているとき、前記第1スイッチのオフ状態への
切替えを指示する
請求項
1から請求項9のいずれか1項に記載の給電制御装置。
【請求項14】
前記処理部は、前記第2スイッチのオフ状態への切替えが指示されている場合にて、前
記複数の第2スイッチの中で予め決められている特定スイッチを介して流れる電流値が前
記所定電流値を超えているとき、前記第1スイッチのオフ状態への切替えを指示する
請求項
13に記載の給電制御装置。
【請求項15】
前記処理部は、前記第2スイッチのオフ状態への切替えが指示されている場合にて、前
記特定スイッチとは異なる第2スイッチを介して流れる電流値が前記所定電流値を超えて
いるとき、値が前記所定電流値を超える電流が流れている第2スイッチとは異なる第2ス
イッチを介して、単位時間当たりに流れる電流の平均値を低下させる
請求項
14に記載の給電制御装置。
【請求項16】
第1スイッチから電流が入力される複数の第2スイッチそれぞれの状態を、オフ状態、
又は、通流が行われている通流状態に遷移させるステップと、
少なくとも1つの第2スイッチについて、単位時間当たりに流れる電流の平均値を、前記通流状態である一又は複数の第2スイッチに応じて調整する
ことにより、前記第1スイッチを介して単位時間当たりに流れる電流の平均値を、前記第1スイッチ及び全ての第2スイッチの状態がオン状態に固定された場合に前記第1スイッチを介して流れる電流値未満にするステップと
をコンピュータが実行する給電制御方法。
【請求項17】
第1スイッチから電流が入力される複数の第2スイッチそれぞれの状態を、オフ状態、
又は、通流が行われている通流状態に遷移させるステップと、
少なくとも1つの第2スイッチについて、単位時間当たりに流れる電流の平均値を、前記通流状態である一又は複数の第2スイッチに応じて調整するステップと、
前記第1スイッチの状態をオン状態又はオフ状態に切替える切替え回路によって、前記第1スイッチを介して流れる電流値が電流閾値以上の値となった場合、前記第1スイッチの状態をオフ状態に切替えるステップと
をコンピュータが実行し、
前記切替え回路は、前記第1スイッチを介して流れる電流値を検出する電流出力回路に接続される
給電制御方法。
【請求項18】
第1スイッチから電流が入力される複数の第2スイッチそれぞれの状態を、オフ状態、
又は、通流が行われている通流状態に遷移させるステップと、
少なくとも1つの第2スイッチについて、単位時間当たりに流れる電流の平均値を、前記通流状態である一又は複数の第2スイッチに応じて調整するステップと、
前記第2スイッチのオフ状態への切替えを指示するステップと、
前記第2スイッチのオフ状態への切替えが指示されている場合にて、前記複数の第2スイッチの中で予め決められている特定スイッチの両端間の両端電圧値が前記所定電圧値未満であるとき、前記第1スイッチのオフ状態への切替えを指示するステップと
をコンピュータが実行し、
前記特定スイッチは、前記第1スイッチが搭載される車両の運転に支障を与える可能性がある負荷に接続されている第2スイッチである
給電制御方法。
【請求項19】
第1スイッチから電流が入力される複数の第2スイッチそれぞれの状態を、オフ状態、
又は、通流が行われている通流状態に遷移させるステップと、
少なくとも1つの第2スイッチについて、単位時間当たりに流れる電流の平均値を、前記通流状態である一又は複数の第2スイッチに応じて調整するステップと、
前記第2スイッチのオフ状態への切替えを指示するステップと、
前記第2スイッチのオフ状態への切替えが指示されている場合にて、前記複数の第2スイッチの中で予め決められている特定スイッチを介して流れる電流値が前記所定電流値を超えているとき、前記第1スイッチのオフ状態への切替えを指示するステップと
をコンピュータが実行し、
前記特定スイッチは、前記第1スイッチが搭載される車両の運転に支障を与える可能性がある負荷に接続されている第2スイッチである
給電制御方法。
【請求項20】
第1スイッチから電流が入力される複数の第2スイッチそれぞれの状態を、オフ状態、
又は、通流が行われている通流状態に遷移させるステップと、
少なくとも1つの第2スイッチについて、単位時間当たりに流れる電流の平均値を、前
記通流状態である一又は複数の第2スイッチに応じて調整する
ことにより、前記第1スイッチを介して単位時間当たりに流れる電流の平均値を、前記第1スイッチ及び全ての第2スイッチの状態がオン状態に固定された場合に前記第1スイッチを介して流れる電流値未満にするステップと
をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項21】
第1スイッチから電流が入力される複数の第2スイッチそれぞれの状態を、オフ状態、
又は、通流が行われている通流状態に遷移させるステップと、
少なくとも1つの第2スイッチについて、単位時間当たりに流れる電流の平均値を、前
記通流状態である一又は複数の第2スイッチに応じて調整するステップと、
前記第1スイッチの状態をオン状態又はオフ状態に切替える切替え回路によって、前記第1スイッチを介して流れる電流値が電流閾値以上の値となった場合、前記第1スイッチの状態をオフ状態に切替えるステップと
をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、
前記切替え回路は、前記第1スイッチを介して流れる電流値を検出する電流出力回路に接続される
コンピュータプログラム。
【請求項22】
第1スイッチから電流が入力される複数の第2スイッチそれぞれの状態を、オフ状態、
又は、通流が行われている通流状態に遷移させるステップと、
少なくとも1つの第2スイッチについて、単位時間当たりに流れる電流の平均値を、前
記通流状態である一又は複数の第2スイッチに応じて調整するステップと、
前記第2スイッチのオフ状態への切替えを指示するステップと、
前記第2スイッチのオフ状態への切替えが指示されている場合にて、前記複数の第2スイッチの中で予め決められている特定スイッチの両端間の両端電圧値が前記所定電圧値未満であるとき、前記第1スイッチのオフ状態への切替えを指示するステップと
をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、
前記特定スイッチは、前記第1スイッチが搭載される車両の運転に支障を与える可能性がある負荷に接続されている第2スイッチである
コンピュータプログラム。
【請求項23】
第1スイッチから電流が入力される複数の第2スイッチそれぞれの状態を、オフ状態、
又は、通流が行われている通流状態に遷移させるステップと、
少なくとも1つの第2スイッチについて、単位時間当たりに流れる電流の平均値を、前
記通流状態である一又は複数の第2スイッチに応じて調整するステップと、
前記第2スイッチのオフ状態への切替えを指示するステップと、
前記第2スイッチのオフ状態への切替えが指示されている場合にて、前記複数の第2スイッチの中で予め決められている特定スイッチを介して流れる電流値が前記所定電流値を超えているとき、前記第1スイッチのオフ状態への切替えを指示するステップと
をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、
前記特定スイッチは、前記第1スイッチが搭載される車両の運転に支障を与える可能性がある負荷に接続されている第2スイッチである
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、給電制御装置、給電制御方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、直流電源から複数の負荷への給電を制御する車両用の給電制御装置が開示されている。この給電制御装置では、直流電源から電流が第1スイッチの一端に入力される。第1スイッチの他端から出力された電流は複数の電流に分けられる。複数の電流それぞれは、複数の第2スイッチの一端に入力される。複数の第2スイッチの他端から出力された複数の電流それぞれは、複数の負荷を介して流れる。
【0003】
第1スイッチの状態がオン状態である場合において、制御ユニットは複数の第2スイッチそれぞれの状態をオン状態又はオフ状態に切替える。これにより、複数の負荷それぞれへの給電が制御される。制御ユニットは、第1スイッチの状態をオフ状態に切替えることによって、全ての負荷への給電を停止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の給電制御装置では、第1スイッチ及び全ての第2スイッチの状態がオン状態に固定された場合、第1スイッチを介して単位時間当たりに流れる電流の平均値は最も大きい。第1スイッチでは、この値が許容される必要がある。従って、第1スイッチとして、単位時間当たりに流れる電流の平均値の許容値が大きい大型のスイッチが用いられる。車両内では、給電制御装置を配置する空間は限定的である。このため、給電制御装置の第1スイッチは小型のスイッチであることが好ましい。
【0006】
本開示は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、第1スイッチとして小型のスイッチを用いることができる給電制御装置、給電制御方法及びコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る給電制御装置は、第1スイッチと、処理を実行する処理部とを備え、前記処理部は、前記第1スイッチから電流が入力される複数の第2スイッチそれぞれの状態を、オフ状態、又は、電流の通流が可能である通流状態に遷移させ、前記処理部は、少なくとも1つの第2スイッチについて、単位時間当たりに流れる電流の平均値を、前記通流状態である一又は複数の第2スイッチに応じて調整する。
【0008】
本開示の一態様に係る給電制御方法では、第1スイッチから電流が入力される複数の第2スイッチそれぞれの状態を、オフ状態、又は、通流が行われている通流状態に遷移させるステップと、少なくとも1つの第2スイッチについて、単位時間当たりに流れる電流の平均値を、前記通流状態である一又は複数の第2スイッチに応じて調整するステップとをコンピュータが実行する。
【0009】
本開示の一態様に係るコンピュータプログラムは、第1スイッチから電流が入力される複数の第2スイッチそれぞれの状態を、オフ状態、又は、通流が行われている通流状態に遷移させるステップと、少なくとも1つの第2スイッチについて、単位時間当たりに流れる電流の平均値を、前記通流状態である一又は複数の第2スイッチに応じて調整するステップとをコンピュータに実行させる。
【0010】
なお、本開示を、このような特徴的な処理部を備える給電制御装置として実現することができるだけでなく、かかる特徴的な処理をステップとする給電制御方法として実現したり、かかるステップをコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムとして実現したりすることができる。また、本開示を、給電制御装置の一部又は全部を実現する半導体集積回路として実現したり、給電制御装置を含む電源システムとして実現したりすることができる。
【発明の効果】
【0011】
上記の態様によれば、第1スイッチとして小型のスイッチを用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態1における電源システムの要部構成を示すブロック図である。
【
図4】第2スイッチの両端電圧値及び状態の関係の説明図である。
【
図5】第2スイッチの故障を検知する方法を説明するための図表である。
【
図6】マイコンの要部構成を示すブロック図である。
【
図8】デューティテーブルの内容を示す図表である。
【
図9】負荷の給電制御処理の手順を示すフローチャートである。
【
図10】負荷の給電制御処理の手順を示すフローチャートである。
【
図11】第1スイッチの切替え処理の手順を示すフローチャートである。
【
図12】実施形態2におけるスイッチ装置の回路図である。
【
図13】第2スイッチ電流値と第2スイッチの状態との関係の説明図である。
【
図14】第2スイッチの故障を検知する方法を説明するための図表である。
【
図15】負荷の給電制御処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列挙して説明する。以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0014】
(1)本開示の一態様に係る給電制御装置は、第1スイッチと、処理を実行する処理部とを備え、前記処理部は、前記第1スイッチから電流が入力される複数の第2スイッチそれぞれの状態を、オフ状態、又は、電流の通流が可能である通流状態に遷移させ、前記処理部は、少なくとも1つの第2スイッチについて、単位時間当たりに流れる電流の平均値を、前記通流状態である一又は複数の第2スイッチに応じて調整する。
【0015】
(2)本開示の一態様に係る給電制御装置では、前記第1スイッチを介して単位時間当たりに流れる電流の平均値は、前記第1スイッチ及び全ての第2スイッチの状態がオン状態に固定された場合に前記第1スイッチを介して流れる電流値未満である。
【0016】
(3)本開示の一態様に係る給電制御装置では、前記第2スイッチの状態がオン状態に固定されるか、又は、前記第2スイッチのPWM制御が行われた場合、前記第2スイッチの状態は前記通流状態に遷移する。
【0017】
(4)本開示の一態様に係る給電制御装置は、前記第1スイッチの状態をオン状態又はオフ状態に切替える切替え回路を備え、前記切替え回路は、前記第1スイッチを介して流れる電流値が電流閾値以上の値となった場合、前記第1スイッチの状態をオフ状態に切替える。
【0018】
(5)本開示の一態様に係る給電制御装置では、前記処理部は、前記第2スイッチのオフ状態への切替えを指示し、前記第2スイッチのオフ状態への切替えが指示されている場合にて、前記第2スイッチの両端間の両端電圧値が所定範囲内の値に維持されている期間が所定期間以上の値になったとき、前記第1スイッチのオフ状態への切替えを指示する。
【0019】
(6)本開示の一態様に係る給電制御装置では、前記処理部は、前記第2スイッチのオフ状態への切替えを指示し、前記第2スイッチのオフ状態への切替えが指示されている場合にて、前記第2スイッチを介して流れる電流値が第2の所定範囲内の値に維持されている期間が第2の所定期間以上の値となったとき、前記第1スイッチのオフ状態への切替えを指示する。
【0020】
(7)本開示の一態様に係る給電制御装置では、前記処理部は、前記第2スイッチのオフ状態への切替えを指示し、前記第2スイッチのオフ状態への切替えが指示されている場合にて、前記第2スイッチの両端間の両端電圧値が所定電圧値未満であるとき、前記第1スイッチのオフ状態への切替えを指示する。
【0021】
(8)本開示の一態様に係る給電制御装置では、前記処理部は、前記第2スイッチのオフ状態への切替えが指示されている場合にて、前記複数の第2スイッチの中で予め決められている特定スイッチの両端間の両端電圧値が前記所定電圧値未満であるとき、前記第1スイッチのオフ状態への切替えを指示する。
【0022】
(9)本開示の一態様に係る給電制御装置では、前記処理部は、前記第2スイッチのオフ状態への切替えが指示されている場合にて、前記特定スイッチとは異なる第2スイッチの両端間の両端電圧値が前記所定電圧値未満であるとき、両端電圧値が前記所定電圧値未満である第2スイッチとは異なる第2スイッチを介して、単位時間当たりに流れる電流の平均値を低下させる。
【0023】
(10)本開示の一態様に係る給電制御装置では、前記処理部は、前記第2スイッチのオフ状態への切替えを指示し、前記第2スイッチのオフ状態への切替えが指示されている場合にて、前記第2スイッチを介して流れる電流値が所定電流値を超えているとき、前記第1スイッチのオフ状態への切替えを指示する。
【0024】
(11)本開示の一態様に係る給電制御装置では、前記処理部は、前記第2スイッチのオフ状態への切替えが指示されている場合にて、前記複数の第2スイッチの中で予め決められている特定スイッチを介して流れる電流値が前記所定電流値を超えているとき、前記第1スイッチのオフ状態への切替えを指示する。
【0025】
(12)本開示の一態様に係る給電制御装置では、前記処理部は、前記第2スイッチのオフ状態への切替えが指示されている場合にて、前記特定スイッチとは異なる第2スイッチを介して流れる電流値が前記所定電流値を超えているとき、値が前記所定電流値を超える電流が流れている第2スイッチとは異なる第2スイッチを介して、単位時間当たりに流れる電流の平均値を低下させる。
【0026】
(13)本開示の一態様に係る給電制御方法では、第1スイッチから電流が入力される第2スイッチそれぞれの状態を、オフ状態、又は、通流が行われている通流状態に遷移させるステップと、少なくとも1つの第2スイッチについて、単位時間当たりに流れる電流の平均値を、前記通流状態である一又は複数の第2スイッチに応じて調整するステップとをコンピュータが実行する。
【0027】
(14)本開示の一態様に係るコンピュータプログラムは、第1スイッチから電流が入力される第2スイッチそれぞれの状態を、オフ状態、又は、通流が行われている通流状態に遷移させるステップと、少なくとも1つの第2スイッチについて、単位時間当たりに流れる電流の平均値を、前記通流状態である一又は複数の第2スイッチに応じて調整するステップとをコンピュータに実行させる。
【0028】
上記の一態様に係る給電制御装置、給電制御方法及びコンピュータプログラムにあっては、少なくとも1つの第2スイッチについて、単位時間当たりに流れる電流の平均値は、通流状態である一又は複数の第2スイッチに応じて調整される。このため、第1スイッチを介して単位時間当たりに流れる電流の平均値の最大値は小さい。結果、電流の平均値の許容値が小さい小型のスイッチを第1スイッチとして用いることができる。
【0029】
上記の一態様に係る給電制御装置にあっては、全ての第2スイッチの状態がオン状態に固定されることはない。このため、第1スイッチを介して単位時間当たりに流れる電流の平均値は、第1スイッチ及び全ての第2スイッチの状態がオン状態に固定された場合に第1スイッチを介して流れる電流値未満である。
【0030】
上記の一態様に係る給電制御装置にあっては、第1スイッチの状態がオン状態である場合において、第2スイッチの状態をオン状態に固定するか又は第2スイッチのPWM制御を行う。これにより、第2スイッチを介した電流の通流が開始される。
【0031】
上記の一態様に係る給電制御装置にあっては、切替え回路は、第1スイッチを介して流れる電流値が電流閾値以上の値に上昇した場合、第1スイッチの状態をオフ状態に切替える。このため、値が電流閾値以上である電流が第1スイッチを介して流れ続けることが防止される。
【0032】
上記の一態様に係る給電制御装置にあっては、第2スイッチが半導体スイッチである場合、第2スイッチにおいて半オン故障が発生する可能性がある。第2スイッチにおいて半オン故障が発生している場合において、第2スイッチのオフ状態への切替えが指示されたときであっても、第2スイッチの両端間の抵抗値が十分に大きい値に上昇することはない。従って、第2スイッチを介して電流が流れ、第2スイッチの両端電圧値は所定範囲内の値に維持される。
【0033】
第2スイッチのオフ状態への切替えが指示されている場合において、第2スイッチの両端電圧値が所定範囲内の値である期間が所定期間以上の値となったとき、第2スイッチにおいて半オン故障が発生しているとして、処理部は、第1スイッチのオフ状態への切替えを指示する。これにより、第1スイッチの状態がオフ状態に切替わり、第2スイッチを介した電流の通流が停止する。
【0034】
上記の一態様に係る給電制御装置にあっては、第2スイッチにおいて半オン故障が発生している場合において、第2スイッチのオフ状態への切替えが指示されているとき、第2スイッチを介して流れる電流値は第2の所定範囲内の値に維持される。第2スイッチのオフ状態への切替えが指示されている場合において、第2スイッチを介して流れる電流値が第2の所定範囲内の値である期間が第2の所定期間以上の値となったとき、第2スイッチにおいて半オン故障が発生しているとして、処理部は、第1スイッチのオフ状態への切替えを指示する。
【0035】
上記の一態様に係る給電制御装置にあっては、第2スイッチにおいて短絡故障が発生する可能性がある。第2スイッチにおいて短絡故障が発生している場合においては、第2スイッチのオフ状態への切替えが指示されているときであっても、第2スイッチの状態はオン状態に維持される。第2スイッチの状態がオン状態である場合、第2スイッチの両端電圧値は所定電圧値未満である。第2スイッチのオフ状態への切替えが指示されている場合において、第2スイッチの両端電圧値が所定電圧値未満であるとき、第1スイッチにおいて短絡故障が発生しているとして、第1スイッチのオフ状態への切替えを指示する。
【0036】
上記の一態様に係る給電制御装置にあっては、特定スイッチにおいて短絡故障が発生している場合、処理部は第1スイッチのオフ状態への切替えを指示する。
【0037】
上記の一態様に係る給電制御装置にあっては、特定スイッチとは異なる第2スイッチにおいて短絡故障が発生している場合、短絡故障が発生している第2スイッチを介した給電は許容される。値が大きい電流が第1スイッチを流れ続けることを防止するため、短絡故障が発生している第2スイッチとは異なる第2スイッチを介して、単位時間当たりに流れる電流の平均値を低下させる。
【0038】
上記の一態様に係る給電制御装置にあっては、第2スイッチにおいて短絡故障が発生している場合においては、第2スイッチのオフ状態への切替えが指示されているときであっても、第2スイッチの状態はオン状態に維持される。第2スイッチの状態がオン状態である場合において、第1スイッチの状態がオン状態であるとき、第2スイッチを介して流れる電流値は所定電流値を超えている。第2スイッチのオフ状態への切替えが指示されている場合において、第2スイッチを介して流れる電流値が所定電流値を超えているとき、第2スイッチにおいて短絡故障が発生しているとして、処理部は第1スイッチのオフへの切替えを指示する。
【0039】
上記の一態様に係る給電制御装置にあっては、特定スイッチにおいて短絡故障が発生している場合、処理部は第1スイッチのオフ状態への切替えを指示する。
【0040】
上記の一態様に係る給電制御装置にあっては、特定スイッチとは異なる第2スイッチにおいて短絡故障が発生している場合、短絡故障が発生している第2スイッチを介した給電は許容される。値が大きい電流が第1スイッチを流れ続けることを防止するため、短絡故障が発生している第2スイッチとは異なる第2スイッチを介して、単位時間当たりに流れる電流の平均値を低下させる。
【0041】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の実施形態に係る電源システムの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0042】
(実施形態1)
<電源システムの構成>
図1は、実施形態1における電源システム1の要部構成を示すブロック図である。電源システム1は車両Mに搭載されている。電源システム1は、直流電源10、給電制御装置11、n個のスイッチ装置A1,A2,・・・,An及びn個の負荷E1,E2,・・・,Enを備える。ここで、nは2以上の整数である。以下では、n以下の任意の自然数をiで表す。自然数iは、1,2,・・・,nのいずれであってもよい。直流電源10は、例えばバッテリである。給電制御装置11は第1スイッチ20を有する。スイッチ装置Aiは、第2スイッチBiを有する。第1スイッチ20及び第2スイッチBiそれぞれは、Nチャネル型のFET(Field Effect Transistor)であり、半導体スイッチである。
【0043】
直流電源10の負極は接地されている。接地は、例えば車両Mのボディへの接続によって実現される。ボディは導電性を有する。直流電源10の正極は、給電制御装置11の第1スイッチ20のドレインに接続されている。第1スイッチ20のソースは、第2スイッチB1,B2,・・・,Bnのドレインに接続されている。第2スイッチBiのソースは、負荷Eiの一端に接続されている。負荷Eiの他端は接地されている。給電制御装置11は、n個のスイッチ装置A1,A2,・・・,Anに各別に接続されている。
【0044】
スイッチ装置Ai及び負荷Eiは、共通のECU(Electronic Control Unit)内に設けられていてもよい。このECUは、機電一体型のECUと呼ばれる。スイッチ装置Ai及び負荷Eiが共通のECU内に設けられている場合、車両Mにはn個のECUが搭載される。負荷Eiの第1例は、シート、ドア若しくはワイパーに関する電気機器である。負荷Eiの第2例はライトである。負荷Eiの種類は、他の負荷の種類と一致していてもよいし、異なっていてもよい。内部にシートに関する電気機器が設けられているECUは、例えば、車両Mの運転席、助手席又は後部座席の内部又は下側に配置される。
【0045】
給電制御装置11は、第1スイッチ20をオン状態又はオフ状態に切替える。スイッチ装置Aiは、第2スイッチBiをオン状態又はオフ状態に切替える。第1スイッチ20及び第2スイッチBiそれぞれに関して、状態がオン状態である場合、ドレイン及びソース間の抵抗値が十分に小さく、ドレイン及びソースを介して電流が流れることが可能である。第1スイッチ20及び第2スイッチBiそれぞれに関して、状態がオフ状態である場合、ドレイン及びソース間の抵抗値が十分に大きく、ドレイン及びソースを介して電流が流れることはない。
【0046】
給電制御装置11は、更に、第2スイッチBiの状態を通流状態又はオフ状態に遷移させる。給電制御装置11が、第2スイッチBiの状態をオン状態に固定するか、又は、第2スイッチBiのPWM制御を行った場合、第2スイッチBiの状態は通流状態に遷移する。PWMはPulse Width Modulationの略語である。第2スイッチBiのPWM制御では、第2スイッチBiのオン状態及びオフ状態への切替えが交互に短い間隔で繰り返される。従って、第2スイッチBiの状態が通流状態である場合、第2スイッチBiのドレイン及びソースを介した電流の通流が可能である。
【0047】
給電制御装置11は、n個のスイッチ装置A1,A2,・・・Anそれぞれにオン信号を出力する。スイッチ装置Aiは、オン信号が入力された場合、第2スイッチBiの状態をオン状態に固定する。給電制御装置11は、n個のスイッチ装置A1,A2,・・・AnそれぞれにPWM信号を出力する。スイッチ装置Aiは、入力されたPWM信号に従って、第2スイッチBiの状態をオン状態又はオフ状態に切替える。
【0048】
図2は第2スイッチBiの切替えの説明図である。
図2には、PWM信号が示す電圧の推移と、第2スイッチBiの状態の推移とが示されている。これらの推移の横軸には時間が示されている。
図2では、ハイレベル電圧及びローレベル電圧それぞれは、「H」及び「L」によって示されている。
図2に示すように、PWM信号が示す電圧は、周期的に、ローレベル電圧からハイレベル電圧に切替わっている。PWM信号がハイレベル電圧を示す期間が1周期中に占める割合は、PWM信号のデューティである。給電制御装置11は、PWM信号が示す電圧がハイレベル電圧からローレベル電圧に切替わるタイミングを調整することによって、PWM信号のデューティを調整する。
【0049】
給電制御装置11がPWM信号をスイッチ装置Aiに出力している場合、第2スイッチBiのPWM制御が行われる。スイッチ装置Aiは、PWM信号が示す電圧がローレベル電圧からハイレベル電圧に切替わった場合、第2スイッチBiの状態をオフ状態からオン状態に切替える。スイッチ装置Aiは、PWM信号が示す電圧がハイレベル電圧からローレベル電圧に切替わった場合、第2スイッチBiの状態をオン状態からオフ状態に切替える。
【0050】
従って、第2スイッチBiの状態は、周期的に、オフ状態からオン状態に切替わる。PWM信号が示す電圧がハイレベル電圧からローレベル電圧に切替わるタイミングが調整された場合、第2スイッチBiの状態がオン状態からオフ状態に切替わるタイミングが調整される。第2スイッチBiの状態がオン状態である期間が1周期中に占める割合は第2スイッチBiのPWM制御のデューティである。第2スイッチBiのデューティはPWM信号のデューティと同じである。給電制御装置11は、PWM信号のデューティを調整することによって、第2スイッチBiのデューティを調整する。
【0051】
なお、給電制御装置11は、PWM信号が示す電圧をハイレベル電圧からローレベル電圧に周期的に切替えてもよい。この場合、給電制御装置11は、PWM信号が示す電圧をローレベル電圧からハイレベル電圧に切替えるタイミングを調整することによって、PWM信号のデューティを調整する。第2スイッチBiのPWM制御では、スイッチ装置Aiは、周期的に第2スイッチBiの状態をオン状態からオフ状態に切替える。スイッチ装置Aiは、第2スイッチBiの状態をオフ状態からオン状態に切替えるタイミングを調整することによって、第2スイッチBiのPWM制御のデューティを調整する。
【0052】
オン信号の電圧はハイレベル電圧に固定されている。給電制御装置11は、オン信号又はPWM信号をスイッチ装置Aiに出力することによって、第2スイッチBiの状態を通流状態に遷移させる。第1スイッチ20の状態がオン状態である場合において、第2スイッチBiの状態が通流状態であるとき、電流は、直流電源10の正極から第1スイッチ20及び第2スイッチBiを介して負荷Eiに流れる。結果、負荷Eiに電力が供給される。負荷Eiに電力が供給された場合、負荷Eiは作動する。第1スイッチ20及び第2スイッチBiを介して電流が流れる場合、第1スイッチ20のソースから第2スイッチBiのドレインに電流が入力される。
【0053】
第1スイッチ20の状態がオン状態である場合において、給電制御装置11がPWM信号をスイッチ装置Aiに出力しているとき、給電制御装置11は、PWM信号のデューティを調整することによって、第2スイッチBiを介して単位時間当たりに流れる電流の平均値を調整する。PWM信号のデューティをDで表す。第1スイッチ20及び第2スイッチBiの状態がオン状態である場合に第2スイッチBiを介して流れる電流値をオン電流値と記載する。オン電流値をIonで表す。第2スイッチBiを介して単位時間当たりに流れる電流の平均値は、(D・Ion/100)[A]である。「・」は積を表す。PWM信号(PWM制御)のデューティが大きい程、電流の平均値は大きい。デューティDは0[%]を超えており、かつ、100[%]未満である。
【0054】
第2スイッチBiの状態がオン状態に固定されている場合、電流の平均値はオン電流値Ionである。第2スイッチBiの状態がオフ状態に固定されている場合、電流の平均値は0[A]である。給電制御装置11がPWM信号をスイッチ装置Aiに出力している場合、電流の平均値は、0[A]を超えており、かつ、オン電流値Ion未満である。
【0055】
第2スイッチBiを介して流れる電流値が大きい程、負荷Eiに供給される電力は大きい。負荷Eiの性能は、負荷Eiに供給される電力に応じて変動する。例えば、負荷Eiがモータである場合、負荷Eiに供給される電力が大きい程、負荷Eiの回転数は大きい。
【0056】
給電制御装置11は、n個のスイッチ装置A1,A2,・・・,Anそれぞれにオフ信号を出力する。オフ信号の電圧はローレベル電圧に固定されている。スイッチ装置Aiは、オフ信号が入力された場合、第2スイッチBiの状態をオフ状態に固定する。給電制御装置11は、オフ信号をスイッチ装置Aiに出力することによって、第2スイッチBiの状態をオフ状態に遷移させる。第2スイッチBiの状態が通流状態からオフ状態に遷移した場合、第2スイッチBiを介した電流の通流が停止する。結果、第2スイッチBiを介した負荷Eiへの給電が停止し、負荷Eiは動作を停止する。
【0057】
給電制御装置11は、第1スイッチ20の状態がオン状態である場合において、第2スイッチBiの状態を通流状態又はオフ状態に遷移させることによって、負荷Eiへの給電を制御する。給電制御装置11は、PWM信号のデューティを調整することによって負荷Eiに供給される電力を調整する。給電制御装置11が第1スイッチ20の状態をオン状態からオフ状態に遷移させた場合、n個の第2スイッチB1,B2,・・・Bnの状態に無関係にn個の第2スイッチB1,B2,・・・,Bnを介した電流の通流が停止する。
【0058】
<給電制御装置11の構成>
図1に示すように、給電制御装置11は、第1スイッチ20に加えて、電流出力回路21、第1抵抗22、第1駆動回路23及びマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)24を有する。第1スイッチ20のドレインは電流出力回路21に接続されている。電流出力回路21は、更に、第1抵抗22の一端に接続されている。第1抵抗22の他端は接地されている。第1スイッチ20のゲートは第1駆動回路23に接続されている。第1駆動回路23は、更に、電流出力回路21及び第1抵抗22間の接続ノードと、マイコン24とに各別に接続されている。マイコン24は、n個のスイッチ装置A1,A2,・・・,Anに各別に接続されている。
【0059】
電流出力回路21は、第1スイッチ20のドレインから電流を引き込み、引き込んだ電流を第1抵抗22に出力する。第1スイッチ20を介して流れる電流値を第1スイッチ電流値と記載する。電流出力回路21が引き込む電流値は(第1スイッチ電流値)/(所定数)で表される。所定数は例えば1000である。電流出力回路21が引き込んだ全ての電流は第1抵抗22を介して流れる。従って、第1抵抗22の両端間の電圧値は(第1スイッチ電流値)・(第1抵抗22の抵抗値)/(所定数)で表される。第1抵抗22の抵抗値及び所定数は一定値である。このため、第1抵抗22の両端間の電圧値は第1スイッチ電流値を示す。第1抵抗22の両端間の電圧値は、第1スイッチ電流値を表すアナログの電流値情報として、第1駆動回路23に出力される。
【0060】
第1スイッチ20において、基準電位がソースの電位であるゲートの電圧値が一定電圧値以上の値となった場合、第1スイッチ20の状態はオフ状態からオン状態に切替わる。第1スイッチ20において、基準電位がソースの電位であるゲートの電圧値が一定電圧値未満の値となった場合、第1スイッチ20の状態はオン状態からオフ状態に切替わる。
【0061】
マイコン24は、ハイレベル電圧又はローレベル電圧を第1駆動回路23に出力している。電流値情報が示す第1スイッチ電流値が電流閾値未満である場合において、マイコン24が第1駆動回路23に出力している電圧をローレベル電圧からハイレベル電圧に切替えたとき、第1駆動回路23は、第1スイッチ20に関して、基準電位が接地電位であるゲートの電圧値を上昇させる。これにより、第1スイッチ20に関して、基準電位がソースの電位であるゲートの電圧値が一定電圧値以上の値に上昇し、第1スイッチ20の状態はオン状態に切替わる。
【0062】
電流値情報が示す第1スイッチ電流値が電流閾値未満である場合において、マイコン24が第1駆動回路23に出力している電圧をハイレベル電圧からローレベル電圧に切替えたとき、第1駆動回路23は、第1スイッチ20に関して、基準電位が接地電位であるゲートの電圧値を低下させる。これにより、第1スイッチ20に関して、基準電位がソースの電位であるゲートの電圧値が一定電圧値未満の値に低下し、第1スイッチ20の状態はオフ状態に切替わる。
【0063】
以上のように、第1駆動回路23は第1スイッチ20の状態をオン状態又はオフ状態に切替える。第1駆動回路23は切替え回路として機能する。マイコン24は、第1駆動回路23に出力している電圧をローレベル電圧からハイレベル電圧に切替えることによって、第1スイッチ20のオン状態への切替えを指示する。同様の場合において、マイコン24は、第1駆動回路23に出力している電圧をハイレベル電圧からローレベル電圧に切替えることによって、第1スイッチ20のオフ状態への切替えを指示する。
【0064】
電流値情報が示す第1スイッチ電流値が電流閾値以上の値になった場合、第1駆動回路23は、マイコン24が第1駆動回路23に出力している電圧に無関係に、第1スイッチ20の状態をオフ状態に切替える。このため、値が電流閾値以上である電流が第1スイッチ20を介して流れ続けることが防止される。
【0065】
マイコン24は、オン信号、オフ信号及びPWM信号をスイッチ装置Aiに出力する。マイコン24はPWM信号のデューティを調整する。
【0066】
<スイッチ装置Aiの構成>
図3はスイッチ装置Aiの回路図である。スイッチ装置Aiは、第2スイッチBiに加えて、第2駆動回路Fi及び差動増幅器Giを有する。差動増幅器Giは、プラス端、マイナス端及び出力端を有する。第2スイッチBiのゲートは、第2駆動回路Fiに接続されている。第2駆動回路Fiは、更に、マイコン24に接続されている。第2スイッチBiのドレイン及びソースそれぞれは、差動増幅器Giのプラス端及びマイナス端に接続されている。差動増幅器Giの出力端はマイコン24に接続されている。
【0067】
第2スイッチBiにおいて、基準電位がソースの電位であるゲートの電圧値が一定電圧値以上の値となった場合、第2スイッチBiの状態はオフ状態からオン状態に切替わる。第2スイッチBiにおいて、基準電位がソースの電位であるゲートの電圧値が一定電圧値未満の値となった場合、第2スイッチBiの状態はオン状態からオフ状態に切替わる。
【0068】
第2駆動回路Fiは、第2スイッチBiに関して、基準電位が接地電位であるゲートの電圧値を上昇させることによって、第2スイッチBiの状態をオン状態に切替える。第2スイッチBiに関して、基準電位が接地電位であるゲートの電圧値が上昇した場合、基準電位がソースの電位であるゲートの電圧値が上昇する。第2スイッチBiに関して、基準電位がソースの電位であるゲートの電圧値が一定電圧値以上の値に上昇した場合、第2スイッチBiの状態はオン状態に切替わる。
【0069】
第2駆動回路Fiは、第2スイッチBiに関して、基準電位が接地電位であるゲートの電圧値を低下させることによって、第2スイッチBiの状態をオフ状態に切替える。第2スイッチBiに関して、基準電位が接地電位であるゲートの電圧値が低下した場合、基準電位がソースの電位であるゲートの電圧値が低下する。第2スイッチBiに関して、基準電位がソースの電位であるゲートの電圧値が一定電圧値未満の値に低下した場合、第2スイッチBiの状態はオフ状態に切替わる。
【0070】
マイコン24は、オン信号、オフ信号及びPWM信号を第2駆動回路Fiに出力している。マイコン24が第2駆動回路Fiにオン信号を出力した場合、第2駆動回路Fiは、第2スイッチBiの状態をオン状態に固定する。マイコン24が第2駆動回路Fiにオフ信号を出力した場合、第2駆動回路Fiは、第2スイッチBiの状態をオフ状態に固定する。従って、マイコン24は、オン信号を第2駆動回路Fiに出力することによって、第2駆動回路Fiに第2スイッチBiのオン状態への切替えを指示する。マイコン24は、オフ信号を第2駆動回路Fiに出力することによって、第2駆動回路Fiに第2スイッチBiのオフ状態への切替えを指示する。
【0071】
マイコン24がPWM信号を第2駆動回路Fiに出力している場合において、PWM信号が示す電圧がローレベル電圧からハイレベル電圧に切替わったとき、第2駆動回路Fiは、第2スイッチBiの状態をオフ状態からオン状態に切替える。同様の場合において、PWM信号が示す電圧がハイレベル電圧からローレベル電圧に切替わったとき、第2駆動回路Fiは、第2スイッチBiの状態をオン状態からオフ状態に切替える。
【0072】
第2スイッチBiのドレイン及びソース間の電圧値を、第2スイッチBiの両端電圧値と記載する。差動増幅器Giは、第2スイッチBiのドレイン及びソース間の電圧を増幅し、増幅した電圧をマイコン24に出力する。差動増幅器Giがマイコン24に出力する電圧値は、(第2スイッチBiの両端電圧値)・(増幅率)で表される。増幅率は一定値である。このため、差動増幅器Giがマイコン24に出力する電圧値は、第2スイッチBiの両端電圧値を示すアナログの電圧値情報として機能する。
【0073】
マイコン24は、電圧値情報が示す第2スイッチBiの両端電圧値に基づいて、第2スイッチBiの状態を特定する。
図4は、第2スイッチBiの両端電圧値及び状態の関係の説明図である。
図4では、第1スイッチ20の状態がオン状態である場合における第2スイッチBiの両端電圧値が示されている。以下では、直流電源10の両端間の電圧値を電源電圧値と記載する。
図4では、電源電圧値はVbで表されている。
【0074】
第2スイッチBiの状態がオフ状態である場合、第2スイッチBiのドレイン及びソースを介して電流が流れることはない。従って、負荷Eiを介して電流が流れず、負荷Eiにおいて電圧降下が生じることはない。結果、第2スイッチBiの両端電圧値は電源電圧値Vbと実質的に一致する。
【0075】
第2スイッチBiの状態がオン状態である場合、電流は、直流電源10の正極から第1スイッチ20、第2スイッチBi及び負荷Eiの順に流れる。第2スイッチBiがオン状態である場合、第2スイッチBiのドレイン及びソース間の抵抗値は十分に小さい。このため、第2スイッチBiの両端電圧値は0[V]近傍の値である。
【0076】
第2スイッチBiでは半オン故障が発生する可能性がある。第2スイッチBiにおいて半オン故障が発生した場合においては、第2駆動回路Fiに第2スイッチBiのオフ状態への切替えが指示されているときであっても、第2スイッチBiのドレイン及びソース間の抵抗値が十分に大きい値に上昇することはない。従って、第2スイッチBiのドレイン及びソースを介して電流が流れ続け、第2スイッチBiの両端電圧値は一定の電圧値範囲内の値に維持される。
図4では、電圧値範囲の上限電圧値及び
下限電圧値それぞれはV1及びV2によって示されている。上限電圧値V1は電源電圧値Vb未満である。下限電圧値V2は、第2スイッチBiがオン状態である場合における第2スイッチBiの両端電圧値を超えている。電圧値範囲内の値は、上限電圧値V1以下であり、かつ、下限電圧値V2以上である。電圧値範囲は所定範囲に相当する。上限電圧値V1及び下限電圧値V2は予め決められている。
【0077】
第2スイッチBiにおいて短絡故障が発生する可能性がある。第2スイッチBiにおいて短絡故障が発生している場合においては、マイコン24が第2駆動回路Fiに第2スイッチBiのオフ状態への切替えを指示しているときであっても、第2スイッチBiの状態はオン状態に維持される。第2スイッチBiの状態がオン状態である場合、第2スイッチBiの両端電圧値は下限電圧値V2未満である。
【0078】
図5は第2スイッチBiの故障を検知する方法を説明するための図表である。マイコン24は、第1スイッチ20の状態がオン状態である場合において、第2スイッチBiのオフ状態への切替えを指示しているときに電圧値情報を取得する。マイコン24は、取得した電圧値情報が示す第2スイッチBiの両端電圧値が電圧値範囲の値である場合、再び、電圧値情報を取得する。第2スイッチBiの両端電圧値が電圧値範囲の値に維持されている期間を第2スイッチBiの不安定期間と記載する。マイコン24は、第2スイッチBiの不安定期間が所定期間以上となった場合、第2スイッチBiの半オン故障を検知する。マイコン24は、取得した電圧値情報が示す第2スイッチBiの両端電圧値が下限電圧値V2未満である場合、第2スイッチBiの短絡故障を検知する。
【0079】
マイコン24は、第2駆動回路Fiにオン信号、オフ信号及びPWM信号を出力することによって、第2スイッチBiの状態をオフ状態又は通流状態に遷移させる。マイコン24は、第1スイッチ20を介して単位時間当たりに流れる電流の平均値が所定電流値未満となるように、n個の第2スイッチB1,B2,・・・,Bnの中で通流状態である一又は複数の第2スイッチそれぞれを介して単位時間当たりに流れる電流の平均値を調整する。所定電流値は、前述した電流閾値以下である。
【0080】
マイコン24は、n個の第2スイッチB1,B2,・・・Bn中の少なくとも1つについて半オン故障を検知した場合、第1駆動回路23に第1スイッチ20のオフ状態への切替えを指示する。n個の第2スイッチB1,B2,・・・Bnの中に一又は複数の特定スイッチが含まれている。一又は複数の特定スイッチは予め決められている。マイコン24は、少なくとも1つの特定スイッチの短絡故障を検知した場合、第1駆動回路23に第1スイッチ20のオフ状態への切替えを指示する。
【0081】
マイコン24は、n個の第2スイッチB1,B2,・・・,Bnの中で一又は複数の特定スイッチのいずれとも異なる第2スイッチの短絡故障を検知した場合、第1駆動回路23に第1スイッチ20のオフ状態への切替えを指示することはない。マイコン24は、第1スイッチ20を介して単位時間当たりに流れる電流の平均値が所定電流値未満となるように、短絡故障の第2スイッチとは異なる通流状態の第2スイッチを介して単位時間当たりに流れる電流の平均値を低下させる。
【0082】
<マイコン24の構成>
図6はマイコン24の要部構成を示すブロック図である。マイコン24は、第1出力部30、記憶部31、制御部32、n個の第2出力部H1,H2,・・・,Hn及びn個のA/D変換部J1,J2,・・・,Jnを有する。これらは内部バス33に接続されている。第1出力部30は、更に、第1駆動回路23に接続されている。第2出力部Hiは、更に、第2駆動回路Fiに接続されている。A/D変換部Jiは、更に、差動増幅器Giの出力端に接続されている。
【0083】
第1出力部30は、ハイレベル電圧又はローレベル電圧を第1駆動回路23に出力している。制御部32は、第1出力部30に指示して、第1駆動回路23に出力している電圧をハイレベル電圧又はローレベル電圧に切替えさせる。
【0084】
制御部32は、第2出力部Hiに指示して、第2駆動回路Fiにオン信号、オフ信号又はPWM信号を出力させる。第2出力部Hiでは、PWM信号のデューティが記憶されている。制御部32は、第2出力部Hiに記憶されているPWM信号のデューティを変更する。第2出力部HiがPWM信号を出力している場合、第2出力部HiはPWM信号のデューティを、第2出力部Hiに記憶されているデューティに調整する。
【0085】
スイッチ装置Aiの差動増幅器GiはA/D変換部Jiにアナログの電圧値情報を出力する。A/D変換部Jiは、差動増幅器Giから入力されたアナログの電圧値情報を、デジタルの電圧値情報に変換する。制御部32は、A/D変換部Jiが変換したデジタルの電圧値情報を取得する。
【0086】
記憶部31は、例えば、揮発性メモリ及び不揮発性メモリによって構成される。記憶部31には、コンピュータプログラムPが記憶されている。制御部32は、処理を実行する処理素子を有し、処理部として機能する。処理素子は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部32の処理素子(コンピュータ)は、コンピュータプログラムPを実行することによって、負荷E1,E2,・・・,Enの給電制御処理及び第1スイッチ20の切替え処理等を並行して実行する。負荷Eiの給電制御処理は、負荷Eiへの給電を制御する処理である。第1スイッチ20の切替え処理は、第1スイッチ20の状態をオン状態又はオフ状態に切替える処理である。
【0087】
なお、コンピュータプログラムPは、コンピュータプログラムPを読み取り可能に記憶した非一時的な記憶媒体Qを用いて、マイコン24に提供されてもよい。記憶媒体Qは、例えば可搬型メモリである。可搬型メモリの例として、CD-ROM、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SDカード、マイクロSDカード又はコンパクトフラッシュ(登録商標)等が挙げられる。記憶媒体Qが可搬型メモリである場合、制御部32の処理素子は、図示しない読取装置を用いて記憶媒体QからコンピュータプログラムPを読み取ってもよい。読み取ったコンピュータプログラムPは記憶部31に書き込まれる。更に、コンピュータプログラムPは、マイコン24の図示しない通信部が外部装置と通信することによって、マイコン24に提供されてもよい。この場合、制御部32の処理素子は、通信部を通じてコンピュータプログラムPを取得する。取得したコンピュータプログラムPは記憶部31に書き込まれる。
【0088】
また、制御部32が有する処理素子の数は、1に限定されず、2以上であってもよい。制御部32が複数の処理素子を有する場合、複数の処理素子が協同して、負荷E1,E2,・・・,Enの給電制御処理及び第1スイッチ20の切替え処理等を実行してもよい。
【0089】
記憶部31には、状態テーブルT1及びデューティテーブルT2が記憶されている。状態テーブルT1は、n個の第2スイッチB1,B2,・・・,Bnの状態を示している。デューティテーブルT2は、n個の第2スイッチB1,B2,・・・,Bnの状態と、n個の第2スイッチB1,B2,・・・,BnのPWM制御のデューティとの関係を示している。
【0090】
<状態テーブルT1の説明>
図7は状態テーブルT1の内容を示す図表である。前述したように、状態テーブルT1は、n個の第2スイッチB1,B2,・・・,Bnの状態を示している。第2スイッチBiの状態として、通流状態、オフ状態、短絡故障及び半オン故障中の1つが示されている。状態テーブルT1に示されている第2スイッチBiの状態は、制御部32によって変更される。
【0091】
<デューティテーブルT2の説明>
図8はデューティテーブルT2の内容を示す図表である。デューティテーブルT2では、第2スイッチB1,B2,・・・,Bnの状態に対応するn個のデューティが示されている。デューティテーブルT2のデューティは、第2スイッチBiのPWM制御のデューティである。
図8において、「-」はオフ状態を示す。
【0092】
前述したように、PWM制御のデューティは、0[%]を超えており、かつ、100[%]未満である。デューティテーブルT2において、100[%]のデューティは、第2スイッチBiがオン状態に固定されていることを示す。0[%]のデューティは、第2スイッチBiがオフ状態に固定されていることを示す。(100)のデューティは、短絡故障によって、第2スイッチBiがオン状態に固定されていることを示す。
【0093】
図8では、整数nが3であるデューティテーブルT2の例が示されている。半オン故障又は短絡故障が発生していない場合において、3つの第2スイッチB1,B2,B3中の1つの状態が通流状態であるとき、状態はオン状態に固定される。3つの第2スイッチB1,B2,B3中の2つの状態が通流状態である場合、通流状態の第2スイッチそれぞれのPWM制御が行われる。3つの第2スイッチB1,B2,B3の状態が通流状態である場合、3つの第2スイッチB1,B2,B3それぞれのPWM制御が行われる。
【0094】
半オン故障又は短絡故障が発生していない場合において、第2スイッチB1,B2,B3それぞれのPWM制御のデューティは、通流状態の第2スイッチの数が多い程、低下する。例えば、通流状態の第2スイッチの数が2である場合、第2スイッチB1のPWM制御のデューティは80[%]又は70[%]である。通流状態の第2スイッチの数が3である場合、第2スイッチB1のPWM制御のデューティは50[%]である。
【0095】
第2スイッチB1において短絡故障が発生した場合、第2スイッチB2,B3を介した電流の通流は許容される。第2スイッチB2,B3の一方又は両方が通流状態である場合、通流状態の第2スイッチのPWM制御が行われる。
【0096】
半オン故障又は短絡故障が発生していない場合において、3つの第2スイッチB1,B2,B3中の複数の第2スイッチの状態が通流状態であると仮定する。この場合において、1つの第2スイッチの状態が通流状態から短絡故障に遷移したとき、通流状態の第2スイッチのPWM制御のデューティは低下する。
図8の例では、半オン故障又は短絡故障が発生していない場合において、2つの第2スイッチB1,B2が通流状態であるとき、第2スイッチB2のPWM制御のデューティは70[%]である。第2スイッチB1の状態が通流状態から短絡故障に遷移した場合、第2スイッチB2のPWM制御のデューティは70[%]から40[%]に低下する。
【0097】
半オン故障又は短絡故障が発生していない場合において、3つの第2スイッチB1,B2,B3が通流状態であるとき、第2スイッチB2,B3それぞれのPWM制御のデューティは50[%]である。第2スイッチB1の状態が通流状態から短絡故障に遷移した場合、第2スイッチB2,B3それぞれのPWM制御のデューティは50[%]から20[%]に低下する。
【0098】
図8の例では、第2スイッチB2,B3中の1つにおいて短絡故障が発生した場合、第1スイッチ20の状態はオン状態からオフ状態に切替わる。このため、第2スイッチB2,B3中の少なくとも1つの状態が短絡故障である場合における3つのデューティは示されていない。
図8の例では、第2スイッチB2,B3それぞれは特定スイッチである。
【0099】
<負荷E1の給電制御処理>
負荷E1,E2,・・・,Enそれぞれの給電制御処理は、第1スイッチ20の状態がオン状態である場合に制御部32によって実行される。負荷Eiの給電制御処理では、制御部32は、状態テーブルT1において、第2スイッチBiの状態を変更する。このため、負荷E1の給電制御処理の実行中に、第2スイッチB2,B3,・・・,Bn中の1つの状態が変更される可能性がある。
【0100】
図9及び
図10は負荷E1の給電制御処理の手順を示すフローチャートである。負荷E1の給電制御処理では、制御部32は、まず、負荷E1を作動させるか否かを判定する(ステップS1)。制御部32は、負荷E1を作動させないと判定した場合(S1:NO)、ステップS1を再び実行する。制御部32は、負荷E1を作動させるタイミングが到来するまで待機する。
【0101】
制御部32は、負荷E1を作動させると判定した場合(S1:YES)、状態テーブルT1において、第2スイッチB1の状態をオフ状態から通流状態に変更する(ステップS2)。次に、制御部32は、状態テーブルT1及びデューティテーブルT2に基づいて、第2スイッチB1の状態をオン状態に固定するか否かを判定する(ステップS3)。
【0102】
図8に示すデューティテーブルT2が用いられている場合においては、状態テーブルT1において、第2スイッチB2,B3の状態がオフ状態であるとき、ステップS3では、制御部32は、第2スイッチB1の状態をオン状態に固定すると判定する。同様の場合において、状態テーブルT1において、第2スイッチB2,B3中の少なくとも1つの状態が通流状態であるとき、ステップS3では、制御部32は、第2スイッチB1の状態をオン状態に固定しないと判定する。
【0103】
制御部32は、第2スイッチB1の状態をオン状態に固定すると判定した場合(S3:YES)、第2出力部H1に指示して、オン信号を第2駆動回路F1に出力させる(ステップS4)。これにより、第2駆動回路F1は、第2スイッチB1の状態をオン状態に固定する。
【0104】
制御部32は、第2スイッチB1の状態をオン状態に固定しないと判定した場合(S3:NO)、状態テーブルT1及びデューティテーブルT2に基づいて、第1出力部30に記憶されているデューティを変更する(ステップS5)。
図8に示すデューティテーブルT2が用いられている場合において、状態テーブルT1において、例えば、第2スイッチB2,B3それぞれの状態が通流状態及びオフ状態であるとき、ステップS5では、制御部32は、デューティを80[%]に変更する。
【0105】
制御部32は、ステップS5を実行した後、第2出力部H1に指示してPWM信号を第2駆動回路F1に出力させる(ステップS6)。これにより、第2駆動回路F1は、第2出力部H1から入力されたPWM信号に従って、第2スイッチB1のPWM制御を行う。PWM制御のデューティは、ステップS5で変更されたデューティ、即ち、デューティテーブルT2において示されているデューティである。第2スイッチB1が通流状態である場合、電力が負荷E1に供給され、負荷E1は作動する。
【0106】
制御部32は、ステップS4,S6の一方を実行した後、負荷E1の動作を停止させるか否かを判定する(ステップS7)。制御部32は、負荷E1の動作を停止させないと判定した場合(S7:NO)、状態テーブルの内容が変更されたか否かを判定する(ステップS8)。制御部32は、状態テーブルの内容が変更されていないと判定した場合(S8:NO)、ステップS7を実行する。制御部32は、負荷E1の動作を停止させるタイミングが到来するか、又は、状態テーブルの内容が変更されるまで待機する。
【0107】
制御部32は、状態テーブルの内容が変更されたと判定した場合(S8:YES)、変更された状態テーブルに基づいて、第1スイッチ20の状態がオフ状態であるか否かを判定する(ステップS9)。前述したように、n個の第2スイッチB1,B2,・・・Bn中の少なくとも1つにおいて半オン故障が検知された場合、第1スイッチ20の状態はオフ状態に切替えられる。更に、少なくとも1つの特定スイッチにおいて短絡故障が検知されている場合、第1スイッチ20の状態はオフ状態に切替えられる。
【0108】
従って、状態テーブルにおいて、第2スイッチB2,B3,・・・,Bn中の少なくとも1つの状態が半オン故障を示す場合、ステップS9では、制御部32は、第1スイッチ20の状態はオフ状態であると判定する。更に、状態テーブルにおいて、少なくとも1つの特定スイッチの状態が短絡故障である場合、ステップS9では、制御部32は、第1スイッチ20の状態はオフ状態であると判定する。
【0109】
制御部32は、第1スイッチ20の状態がオフ状態ではないと判定した場合(S9:NO)、ステップS3を再び実行する。第2出力部H1は、状態テーブルT1及びデューティテーブルT2に応じて、オン信号又はPWM信号を第2駆動回路F1に出力する。
【0110】
図8に示すデューティテーブルT2が用いられている場合において、状態テーブルT1において、第2スイッチB2,B3それぞれの状態が通流状態及びオフ状態であったと仮定する。状態テーブルT1において、第2スイッチB2の状態がオフ状態に変更された場合、制御部32はステップS4を実行し、第2出力部H1はオン信号を出力する。また、
図8に示すデューティテーブルT2が用いられている場合において、状態テーブルT1において、第2スイッチB2,B3の状態がオフ状態であったと仮定する。状態テーブルT1において、第2スイッチB3の状態が通流状態に変更された場合、制御部32はステップS5,S6を実行し、第2出力部H1は、デューティが70[%]であるPWM信号を出力する。
【0111】
制御部32は、第1スイッチ20の状態がオフ状態であると判定した場合(S9:YES)、第2出力部H1に指示して、オフ信号を第2駆動回路F1に出力させる(ステップS10)。これにより、第2スイッチB1の状態はオフ状態に固定される。制御部32は、ステップS10を実行した後、負荷E1の給電制御処理を終了する。この場合、制御部32は、負荷E1の給電制御処理を再び実行することはない。
【0112】
制御部32は、負荷E1の動作を停止させると判定した場合(S7:YES)、第2出力部H1に指示して、オフ信号を第2駆動回路F1に出力させる(ステップS11)。制御部32は、ステップS11を実行することによって、第2駆動回路F1に、第2スイッチB1のオフ状態への切替えを指示する。制御部32は、ステップS11を実行した後、A/D変換部J1から電圧値情報を取得する(ステップS12)。
【0113】
次に、制御部32は、ステップS12で取得した電圧値情報が示す第2スイッチB1の両端電圧値が電圧値範囲の上限電圧値を超えているか否かを判定する(ステップS13)。
図4に示すように、第2スイッチB1の状態がオフ状態に固定されている場合、第2スイッチB1の両端電圧値が上限電圧値V1を超えている。制御部32は、第2スイッチB1の両端電圧値が上限電圧値を超えていると判定した場合(S13:YES)、状態テーブルT1において、第2スイッチB1の状態をオフ状態に変更し(ステップS14)、負荷E1の給電制御処理を終了する。この場合において、第1スイッチ20の状態がオン状態であるとき、制御部32は、再び、負荷E1の給電制御処理を実行する。
【0114】
制御部32は、第2スイッチB1の両端電圧値が上限電圧値以下であると判定した場合(S13:NO)、ステップS12で取得した電圧値情報が示す第2スイッチB1の両端電圧値が電圧値範囲の下限電圧値未満であるか否かを判定する(ステップS15)。
図5の説明で述べたように、第2スイッチB1の両端電圧値が下限電圧値未満である場合、第2スイッチB1では短絡故障が発生している。制御部32は、第2スイッチB1の両端電圧値が下限電圧値未満であると判定した場合(S15:YES)、状態テーブルT1において、第2スイッチB1の状態を短絡故障に変更する(ステップS16)。
【0115】
制御部32は、第2スイッチB1の両端電圧値が下限電圧値以上であると判定した場合(S15:NO)、第2スイッチB1の不安定期間が、予め決められている所定期間以上であるか否かを判定する(ステップS17)。前述したように、第2スイッチB1の不安定期間は、第2スイッチB1の両端電圧値が電圧値範囲内の値に維持されている期間である。不安定期間は、例えば、図示しないタイマによって計測される。不安定期間の始点は、例えば、ステップS11が実行された時点である。
図5の説明で述べたように、第2スイッチB1の不安定期間が所定期間以上である場合、第2スイッチB1では半オン故障が発生している。
【0116】
制御部32は、不安定期間が所定期間未満であると判定した場合(S17:NO)、ステップS12を再び実行する。制御部32は、新たに取得した電圧値情報が示す第2スイッチB1の両端電圧値が電圧値範囲内の値であるか否かを再び判定する。制御部32は、不安定期間が所定期間以上であると判定した場合(S17:YES)、制御部32は、状態テーブルT1において、第2スイッチB1の状態を半オン故障に変更する(ステップS18)。制御部32は、ステップS16,S18の一方を実行した場合、負荷E1の給電制御処理を終了する。この場合、制御部32は、負荷E1の給電制御処理を再び実行することはない。
【0117】
<負荷E2,E3,・・・,Enの給電制御処理>
負荷E2,E3,・・・,Enそれぞれの給電制御処理は、制御部32によって、負荷E1の給電制御処理と同様に実行される。2以上であり、かつ、n以下である任意の整数をkと記載する。整数kは、2,3,・・・,nのいずれであってもよい。負荷E1の給電制御処理の説明において記載されている負荷E1、第2スイッチB1、第2駆動回路F1及び第2出力部H1それぞれは、負荷Ekの給電制御処理の説明では、負荷Ek、第2スイッチBk、第2駆動回路Fk及び第2出力部Hkに対応する。
【0118】
図8に示すデューティテーブルT2が用いられている場合において、状態テーブルT1において、第2スイッチB1の状態が短絡故障に変更したとき、第1スイッチ20の状態はオフ状態に切替わらない。このため、例えば、負荷E2の給電制御処理では、第2スイッチB2の状態は通流状態に維持される。状態テーブルT1において、第2スイッチB1の状態が通流状態から短絡故障に変更された場合、
図8に示すように、制御部32は、第2スイッチB2のPWM制御のデューティを70[%]から40[%]に低下させる。
【0119】
<負荷E1,E2,・・・,Enの給電制御処理の効果>
負荷E1,E2,・・・,Enの給電制御処理が実行された場合、制御部32は、第2スイッチBiを介して単位時間当たりに流れる電流の平均値を、通流状態である一又は複数の第2スイッチに応じて調整する。このため、第1スイッチ20を介して単位時間当たりに流れる電流の平均値の最大値は小さい。結果、電流の平均値の許容値が小さい小型のスイッチを第1スイッチ20として用いることができる。
【0120】
前述したように、制御部32は、第2スイッチBiを介して単位時間当たりに流れる電流の平均値を調整する。このため、n個の第2スイッチB1,B2,・・・,Bnの全ての状態がオン固定されることはない。結果、第1スイッチ20を介して単位時間当たりに流れる電流の平均値の最大値は、第1スイッチ20及びn個の第2スイッチB1,B2,・・・,Bnの状態がオン状態に固定された場合に第1スイッチ20を介して流れる電流値未満である。
【0121】
また、制御部32は、第2出力部Hiに指示して、第2駆動回路Fiにオフ信号を出力させることによって、第2スイッチBiをオフ状態に遷移させる。制御部32は、第2出力部Hiに指示して、第2駆動回路Fiにオン信号又はPWM信号を出力させることによって、第2スイッチBiの状態を通流状態に遷移させる。第2出力部Hiがオン信号を第2駆動回路Fiに出力した場合、第2スイッチBiの状態はオン状態に固定される。第2出力部HiがPWM信号を第2駆動回路Fiに出力した場合、第2スイッチBiのPWM制御が行われる。第1スイッチ20の状態がオン状態である場合において、第2スイッチBiの状態がオン状態に固定されるか、又は、第2スイッチBiのPWM制御が行われた場合、第2スイッチBiを介して電流の通流が開始される。
【0122】
<第1スイッチ20の切替え処理>
図11は、第1スイッチ20の切替え処理の手順を示すフローチャートである。第1スイッチ20の切替え処理では、制御部32は、第1スイッチ20の状態をオフ状態からオン状態に切替えるか否かを判定する(ステップS21)。マイコン24は、給電制御装置11の外部から信号が入力される信号入力部を有してもよい。ステップS21では、制御部32は、例えば、第1スイッチ20のオン状態への切替えを示す信号が信号入力部に入力された場合、第1スイッチ20の状態をオン状態に切替えると判定する。
【0123】
制御部32は、第1スイッチ20の状態をオン状態に切替えないと判定した場合(S21:NO)、再び、ステップS21を実行する。制御部32は、第1スイッチ20の状態をオン状態に切替えるタイミングが到来するまで待機する。制御部32は、第1スイッチ20の状態をオン状態に切替えると判定した場合(S21:YES)、第1スイッチ20のオン状態への切替えを第1駆動回路23に指示する(ステップS22)。具体的には、制御部32は、第1出力部30に指示して、第1駆動回路23に出力している電圧をハイレベル電圧に切替えさせる。
【0124】
制御部32は、ステップS22を実行した後、状態テーブルT1に基づいて、n個の第2スイッチB1,B2,・・・,Bn中の少なくとも1つにおいて半オン故障が発生しているか否かを判定する(ステップS23)。制御部32は、半オン故障が発生していないと判定した場合(S23:NO)、状態テーブルT1に基づいて、一又は複数の特定スイッチ中の少なくとも1つにおいて短絡故障が発生しているか否かを判定する(ステップS24)。
図8に示すデューティテーブルT2が用いられている場合、第2スイッチB2,B3が特定スイッチである。
【0125】
特定スイッチは、例えば、作動が継続された場合に車両Mの運転に支障を与える可能性がある負荷に接続されている第2スイッチである。特定スイッチとは異なる第2スイッチは、例えば、作動が継続された場合であっても車両Mの運転に支障を与えないヘッドライト又はワイパーモータ等の負荷に接続されている。
【0126】
制御部32は、全ての特定スイッチにおいて短絡故障が発生していないと判定した場合(S24:NO)、第1スイッチ20の状態をオフ状態に切替えるか否かを判定する(ステップS25)。ステップS25では、制御部32は、例えば、n個の第2スイッチB1,B2,・・・,Bnの状態がオフ状態である場合において、第1スイッチ20のオフ状態への切替えを示すオフ信号が信号入力部に入力されたとき、第1スイッチ20の状態をオン状態に切替えると判定する。
【0127】
制御部32は、第1スイッチ20の状態をオフ状態に切替えないと判定した場合(S25:NO)、ステップS23を再び実行する。制御部32は、半オン故障が発生していると判定した場合(S23:YES)、一又は複数の特定スイッチ中の少なくとも1つにおいて短絡故障が発生していると判定した場合(S24:YES)、又は、第1スイッチ20の状態をオン状態に切替えると判定した場合(S25:YES)、第1スイッチ20のオフ状態への切替えを第1駆動回路23に指示する(ステップS26)。具体的には、制御部32は、第1出力部30に指示して、第1駆動回路23に出力している電圧をローレベル電圧に切替えさせる。
【0128】
制御部32は、ステップS26を実行した後、第1スイッチ20の切替え処理を終了する。制御部32は、ステップS23において半オン故障が発生していると判定した後、又は、ステップS24において短絡故障が発生していると判定した後において第1スイッチ20の切替え処理を終了した場合、制御部32は、再び、第1スイッチ20の切替え処理を実行することはない。制御部32は、ステップS25において、第1スイッチ20の状態をオフ状態に切替えると判定した後に第1スイッチ20の切替え処理を終了した場合においては、第1スイッチ20の切替え処理を再び実行する。
【0129】
以上のように、負荷Eiの給電制御処理では、制御部32は、第2駆動回路Fiに第2スイッチBiのオフ状態への切替えを指示している場合において、第2スイッチBiの不安定期間が所定期間以上の値となったとき、状態テーブルT1において、第2スイッチBiの状態を半オン故障に変更する。第1スイッチ20の切替え処理では、制御部32は、状態テーブルT1において、n個の第2スイッチB1,B2,・・・,Bn中の少なくとも1つの状態が半オン故障に変更された場合、第1駆動回路23に第1スイッチのオフ状態への切替えを指示する。これにより、第1スイッチ20の状態がオフ状態に切替わり、第2スイッチB1,B2,・・・,Bnを介した電流の通流が停止する。
【0130】
半オン故障が発生している第2スイッチを介して電流が流れた場合に発生する熱の熱量は大きい。このため、半オン故障が発生している第2スイッチを介して電流が流れ続けた場合、半オン故障が発生している第2スイッチの温度が異常な温度に上昇する可能性がある。前述したように、第2スイッチBiにおいて半オン故障が発生している場合、第2スイッチBiを介した電流の通流が停止する。このため、第2スイッチBiの温度が異常な温度に上昇することが防止される。
【0131】
また、負荷Eiの給電制御処理では、制御部32は、第2駆動回路Fiに第2スイッチBiのオフ状態への切替えを指示している場合において、第2スイッチBiの両端電圧値が下限電圧値未満であるとき、状態テーブルT1において、第2スイッチBiの状態を短絡故障に変更する。第1スイッチ20の切替え処理では、制御部32は、状態テーブルT1において、特定スイッチの状態が短絡故障に変更された場合、第1駆動回路23に第1スイッチのオフへの切替えを指示する。下限電圧値は所定電圧値に相当する。
【0132】
制御部32は、状態テーブルT1において、特定スイッチとは異なる第2スイッチの状態が短絡故障に変更された場合、特定スイッチとは異なる通電状態の第2スイッチを介して、単位時間当たりに流れる電流の平均値を低下させる。特定スイッチとは異なる第2スイッチにおいて短絡故障が発生している場合、短絡故障が発生している第2スイッチを介した給電は許容される。値が大きい電流が第1スイッチ20を流れ続けることを防止するため、通流状態の第2スイッチを介して単位時間当たりに流れる電流の平均値を低下させる。
【0133】
(実施形態2)
実施形態1では、第2スイッチBiの故障を検知するために第2スイッチBiの両端電圧値が用いられる。しかしながら、第2スイッチBiの故障を検知するために用いるパラメータは、第2スイッチBiの両端電圧値に限定されない。実施形態1で述べたように、iは、n以下である任意の自然数である。
以下では、実施形態2について、実施形態1と異なる点を説明する。後述する構成を除く他の構成については、実施形態1と共通しているため、実施形態1と共通する構成部には実施形態1と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0134】
<スイッチ装置Aiの構成>
図12は実施形態2におけるスイッチ装置Aiの回路図である。実施形態2におけるスイッチ装置Aiは、実施形態1と同様に、第2スイッチBi及び第2駆動回路Fiを有する。実施形態2におけるスイッチ装置Aiは、更に、差動増幅器Giの代わりに、第2の電流出力回路Ui及び第2抵抗Riを有する。第2スイッチBiのドレインは第2の電流出力回路Uiに接続されている。第2の電流出力回路Uiは、更に、第2抵抗Riの一端に接続されている。第2抵抗Riの他端は接地されている。第2の電流出力回路Ui及び第2抵抗Ri間の接続ノードは、マイコン24のA/D変換部Jiに接続されている。
【0135】
第2の電流出力回路Uiは、第2スイッチBiのドレインから電流を引き込み、引き込んだ電流を第2抵抗Riに出力する。第2スイッチBiを介して流れる電流値を第2スイッチ電流値と記載する。第2の電流出力回路Uiが引き込む電流値は、(第2スイッチ電流値)/(第2の所定数)で表される。第2の所定数は例えば1000である。第2の電流出力回路Uiが引き込んだ全ての電流は第2抵抗Riを介して流れる。従って、第2抵抗Riの両端間の電圧値は、(第2スイッチ電流値)・(第2抵抗Riの抵抗値)/(第2の所定数)で表される。第2抵抗Riの抵抗値及び第2の所定数は一定値である。このため、第2抵抗Riの両端間の電圧値は第2スイッチ電流値を示す。第2抵抗Riの両端間の電圧値は、第2スイッチ電流値を表すアナログの第2の電流値情報として、マイコン24のA/D変換部Jiに出力される。
【0136】
A/D変換部Jiは、第2の電流出力回路Ui及び第2抵抗Ri間の接続ノードから入力されたアナログの第2の電流値情報をデジタルの第2の電流値情報に変換する。マイコン24の制御部32は、A/D変換部Jiが変換したデジタルの第2の電流値情報を取得する。
【0137】
マイコン24の制御部32は、第2の電流値情報が示す第2スイッチ電流値に基づいて、第2スイッチBiの状態を特定する。
図13は、第2スイッチ電流値と第2スイッチBiの状態との関係の説明図である。
図13では、第1スイッチ20の状態がオン状態である場合における第2スイッチBiの第2スイッチ電流値が示されている。
【0138】
第2スイッチBiの状態がオフ状態である場合、第2スイッチ電流値は0[A]である。実施形態1の説明で述べたように、第1スイッチ20及び第2スイッチBiの状態がオン状態である場合、第2スイッチ電流値はオン電流値である。オン電流値は十分に大きい。オン電流値はIonで表される。オン状態の第1スイッチ20のドレイン及びソース間の抵抗値を第1オン抵抗値と記載する。オン状態の第2スイッチBiのドレイン及びソース間の抵抗値を第2オン抵抗値と記載する。負荷Eiの抵抗値を負荷抵抗値と記載する。オン電流値Ionは、(電源電圧値)/((第1オン抵抗値)+(第2オン抵抗値)+(負荷抵抗値))で表される。
【0139】
実施形態1の説明で述べたように、第2スイッチBiにおいて半オン故障が発生した場合においては、第2駆動回路Fiに第2スイッチBiのオフ状態への切替えが指示されているときであっても、第2スイッチBiのドレイン及びソース間の抵抗値が十分に大きい値に上昇することはない。従って、第2スイッチBiのドレイン及びソースを介して電流が流れ続ける。
【0140】
図13では、電流値範囲の上限電流値及び
下限電流値それぞれはI1及びI2によって示されている。電流値範囲は第2の所定範囲に相当する。上限電流値I1はオン電流値Ion未満である。下限電流値I2は、0[A]を超えている。電流値範囲内の値は、上限電流値I1以下であり、かつ、下限電流値I2以上である。上限電流値I1及び下限電流値I2は予め決められている。第2スイッチBiにおいて半オン故障が発生している場合において、第2スイッチBiのオフ状態への切替えが指示されているとき、第2スイッチBiを介して流れる電流値は第2の所定範囲内の値に維持される。
【0141】
実施形態1の説明で述べたように、第2スイッチBiにおいて短絡故障が発生している場合においては、マイコン24が第2駆動回路Fiに第2スイッチBiのオフ状態への切替えを指示しているときであっても、第2スイッチBiの状態はオン状態に維持される。第2スイッチBiの状態がオン状態である場合、第2スイッチ電流値は、オン電流値Ionであり、上限電流値I1を超えている。
【0142】
図14は第2スイッチBiの故障を検知する方法を説明するための図表である。マイコン24の制御部32は、第1スイッチ20の状態がオン状態である場合において、第2スイッチBiのオフ状態への切替えを指示しているときにA/D変換部Jiから電流値情報を取得する。制御部32は、取得した電流値情報が示す第2スイッチ電流値が電流値範囲の値である場合、再び、電流値情報を取得する。
【0143】
実施形態2では、第2スイッチBiの不安定期間は、第2スイッチBiの第2スイッチ電流値が電流値範囲の値に維持されている期間である。制御部32は、不安定期間が第2の所定期間以上となった場合、第2スイッチBiの半オン故障を検知する。制御部32は、取得した電流値情報が示す第2スイッチ電流値が上限電流値I1を超えている場合、第2スイッチBiの短絡故障を検知する。
【0144】
<負荷E1の給電制御処理>
実施形態1の説明で述べたように、負荷E1,E2,・・・,Enそれぞれの給電制御処理は、第1スイッチ20の状態がオン状態である場合に制御部32によって実行される。
図15は、負荷E1の給電制御処理の手順を示すフローチャートである。実施形態2において、負荷E1の給電制御処理で実行される一部のステップは、実施形態1と同様に実行される。実施形態1と同様に実行されるステップS1~S11,S14,S16,S18の説明を省略する。
【0145】
実施形態1の説明で述べたように、負荷E1の給電制御処理において、制御部32は、ステップS11を実行することによって、第2駆動回路F1に第2スイッチB1のオフ状態への切替えを指示する。制御部32は、ステップS11を実行した後、A/D変換部J1から第2の電流値情報を取得する(ステップS31)。次に、制御部32は、ステップS31で取得した第2の電流値情報が示す第2スイッチ電流値が下限電流値未満であるか否かを判定する(ステップS32)。
【0146】
制御部32は、第2スイッチ電流値が下限電流値未満であると判定した場合(S32:YES)、ステップS14を実行する。制御部32は、ステップS14を実行した後、負荷E1の給電制御処理を終了する。この場合において、第1スイッチ20がオン状態であるとき、制御部32は、再び、負荷E1の給電制御処理を実行する。
【0147】
制御部32は、第2スイッチ電流値が下限電流値以上であると判定した場合(S32:NO)、ステップS31で取得した第2の電流値情報が示す第2スイッチ電流値が上限電流値を超えているか否かを判定する(ステップS33)。制御部32は、第2スイッチ電流値が上限電流値を超えていると判定した場合(S33:YES)、ステップS16を実行する。制御部32は、第2スイッチ電流値が上限電流値以下であると判定した場合(S33:NO)、第2スイッチB1の不安定期間が、予め決められている第2の所定期間以上であるか否かを判定する(ステップS34)。
【0148】
前述したように、第2スイッチB1の不安定期間は、第2スイッチB1の第2スイッチ電流値が電流値範囲内の値である期間である。実施形態1の説明で述べたように、不安定期間は、例えばタイマによって計測される。不安定期間の始点は、例えば、ステップS11が実行された時点である。
図14の説明で述べたように、第2スイッチB1の不安定期間が第2の所定期間以上である場合、第2スイッチB1では半オン故障が発生している。
【0149】
制御部32は、不安定期間が第2の所定期間未満であると判定した場合(S34:NO)、ステップS31を再び実行する。制御部32は、新たに取得した電流値情報が示す第2スイッチB1の第2スイッチ電流値が電流値範囲内の値であるか否かを再び判定する。制御部32は、不安定期間が第2の所定期間以上であると判定した場合(S34:YES)、ステップS18を実行する。ステップS16,S18の一方を実行した場合、負荷E1の給電制御処理を終了する。この場合、制御部32は、負荷E1の給電制御処理を再び実行することはない。
【0150】
<負荷E2,E3,・・・,Enの給電制御処理>
負荷E2,E3,・・・,Enそれぞれの給電制御処理は、制御部32によって、負荷E1の給電制御処理と同様に実行される。負荷E1の給電制御処理の説明において記載されている負荷E1、第2スイッチB1、第2駆動回路F1及び第2出力部H1それぞれは、負荷Ekの給電制御処理の説明では、負荷Ek、第2スイッチBk、第2駆動回路Fk及び第2出力部Hkに対応する。実施形態1の説明で述べたように、kは、2以上であり、かつ、n以下である任意の整数である。
【0151】
以上のように、負荷Eiの給電制御処理では、制御部32は、第2駆動回路Fiに第2スイッチBiのオフ状態への切替えを指示している場合において、第2スイッチBiの不安定期間が第2の所定期間以上の値となったとき、状態テーブルT1において、第2スイッチBiの状態を半オン故障に変更する。第1スイッチ20の切替え処理では、制御部32は、状態テーブルT1において、n個の第2スイッチB1,B2,・・・,Bn中の少なくとも1つの状態が半オン故障に変更された場合、第1駆動回路23に第1スイッチのオフへの切替えを指示する。これにより、第1スイッチ20の状態がオフ状態に切替わり、第2スイッチB1,B2,・・・,Bnを介した電流の通流が停止する。
【0152】
また、負荷Eiの給電制御処理では、制御部32は、第2駆動回路Fiに第2スイッチBiのオフ状態への切替えを指示している場合において、第2スイッチBiの第2スイッチ電流値が上限電流値を超えているとき、状態テーブルT1において、第2スイッチBiの状態を短絡故障に変更する。第1スイッチ20の切替え処理では、制御部32は、状態テーブルT1において、特定スイッチの状態が短絡故障に変更された場合、第1駆動回路23に第1スイッチのオフへの切替えを指示する。上限電流値は所定電流値に相当する。
【0153】
制御部32は、状態テーブルT1において、特定スイッチとは異なる第2スイッチの状態が短絡故障に変更された場合、特定スイッチとは異なる通電状態の第2スイッチを介して、単位時間当たりに流れる電流の平均値を低下させる。特定スイッチとは異なる第2スイッチにおいて短絡故障が発生している場合、短絡故障が発生している第2スイッチを介した給電は許容される。電流の平均値を低下させることによって、値が大きい電流が第1スイッチ20を流れ続けることが防止される。
【0154】
<実施形態1,2の変形例>
実施形態1,2において、第1スイッチ電流値を検出する構成は、電流出力回路21及び第1抵抗22を用いた構成に限定されない。例えば、給電制御装置11内において、第1スイッチ20のドレイン及びソースを介して流れる電流の経路にシャント抵抗が配置されてもよい。この場合、シャント抵抗の両端間の電圧は、例えば、差動増幅器によって増幅される。
【0155】
差動増幅器は、増幅した電圧を第1駆動回路23に出力する。差動増幅器が出力した電圧値はアナログの電流値情報として機能する。シャント抵抗の抵抗値は一定値であるため、シャント抵抗の両端間の電圧値は第1スイッチ電流値に比例する。また、差動増幅器の増幅率は一定値であるため、差動増幅器が出力した電圧値も第1スイッチ電流値に比例する。従って、差動増幅器が出力した電圧値は第1スイッチ電流値を示す。
【0156】
第2スイッチBiを介して単位時間当たりに流れる電流の平均値を低下させる方法は、第2スイッチBiのPWM制御を行う方法に限定されない。第2スイッチBiのソース及び負荷E1の一端間に可変抵抗器が接続されてもよい。可変抵抗器の抵抗値を調整することによって、第2スイッチBiを介して単位時間当たりに流れる電流の平均値を低下させてもよい。
【0157】
第1スイッチ20は、Nチャネル型のFETに限定されず、Pチャネル型のFET、バイポーラトランジスタ又はリレー接点等であってもよい。従って、第1スイッチ20は半導体スイッチとは異なっていてもよい。第1スイッチ20がリレー接点である場合においては、例えば、シャント抵抗及び差動増幅器を用いて第1スイッチ電流値が検出される。また、第2スイッチBiは、Nチャネル型のFETに限定されず、Pチャネル型のFET又はバイポーラトランジスタ等であってもよい。更に、第2スイッチBiは給電制御装置11に含まれてもよい。
【0158】
制御部32は、n個の第2スイッチB1,B2,・・・,Bnの全てについて、単位時間当たりに流れる電流の平均値を、通流状態である一又は複数の第2スイッチに応じて調整しなくてもよい。一部の第2スイッチに関しては、状態が通流状態に変更された場合のデューティは固定されていてもよい。また、制御部32は、第2スイッチBiの短絡故障を検知した場合に、第2スイッチBiが特定スイッチであるか否かに無関係に、第1スイッチ20のオフ状態への切替えを指示してもよい。
【0159】
実施形態1において、制御部32は、実施形態2と同様に、第2スイッチBiの第2スイッチ電流値に基づいて第2スイッチBiの短絡故障を検知してもよい。また、実施形態2において、制御部32は、実施形態1と同様に、第2スイッチBiの両端電圧値に基づいて第2スイッチBiの短絡故障を検知してもよい。
【0160】
実施形態2において、第2スイッチBiの第2スイッチ電流値を検出する構成は、第2の電流出力回路Ui及び第2抵抗Riを用いた構成に限定されない。例えば、第2スイッチBiのドレイン及びソースを介して流れる電流の経路に第2のシャント抵抗が配置されてもよい。この場合、第2のシャント抵抗の両端間の電圧は、例えば、第2の差動増幅器によって増幅される。第2の差動増幅器は、増幅した電圧をA/D変換部Jiに出力する。第2差動増幅器が出力した電圧値はアナログの第2の電流値情報として機能する。第2のシャント抵抗の抵抗値は一定値であるため、第2のシャント抵抗の両端間の電圧値は第2スイッチ電流値に比例する。また、第2の差動増幅器の増幅率は一定値であるため、第2の差動増幅器が出力した電圧値も第1スイッチ電流値に比例する。従って、第2の差動増幅器が出力した電圧値は第1スイッチ電流値を示す。
【0161】
開示された実施形態1,2はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0162】
1 電源システム
10 直流電源
11 給電制御装置
20 第1スイッチ
21 電流出力回路
22 第1抵抗
23 第1駆動回路(切替え回路)
24 マイコン
30 第1出力部
31 記憶部
32 制御部(処理部)
33 内部バス
A1,A2,・・・,An スイッチ装置
B1,B2,・・・,Bn 第2スイッチ
E1,E2,・・・,En 負荷
F1,F2,・・・,Fn 第2駆動回路
G1,G2,・・・,Gn 差動増幅器
H1,H2,・・・,Hn 第2出力部
J1,J2,・・・,Jn A/D変換部
M 車両
P コンピュータプログラム
Q 記憶媒体
R1,R2,・・・,Rn 第2抵抗
T1 状態テーブル
T2 デューティテーブル
U1,U2,・・・,Un 第2の電流出力回路