(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-14
(45)【発行日】2025-01-22
(54)【発明の名称】電子回路、半導体モジュール
(51)【国際特許分類】
H01L 25/07 20060101AFI20250115BHJP
H01L 25/18 20230101ALI20250115BHJP
H01L 23/00 20060101ALI20250115BHJP
【FI】
H01L25/04 C
H01L23/00 B
(21)【出願番号】P 2023148732
(22)【出願日】2023-09-13
(62)【分割の表示】P 2022516865の分割
【原出願日】2021-02-22
【審査請求日】2023-09-13
(31)【優先権主張番号】P 2020075679
(32)【優先日】2020-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥村 啓樹
【審査官】花田 尚樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-195054(JP,A)
【文献】特開2017-130621(JP,A)
【文献】特開2014-225706(JP,A)
【文献】国際公開第2019/044748(WO,A1)
【文献】特表2003-536363(JP,A)
【文献】特開2019-068661(JP,A)
【文献】国際公開第2016/002249(WO,A1)
【文献】国際公開第2010/004802(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 25/07
H01L 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
順方向電圧が第1電圧となるPN接合を有する第1ダイオードと、
前記順方向電圧が前記第1電圧より小さい第2電圧となるショットキー接合を有する第2ダイオードと、
第1端子及び第2端子の間を、前記第1ダイオードを介して接続する第1配線部材と、
前記第1端子及び第2端子の間を、前記第2ダイオードを介して接続し、前記第1配線部材のインダクタンスより大きいインダクタンスを有する第2配線部材と、
を含み、
前記第1ダイオードは、スイッチング素子に含まれる寄生ダイオードであり、
前記スイッチング素子及び第2ダイオードは、ワイドバンドギャップ半導体を用いた素子であり、
前記第1端子から前記第1配線部材を経て前記第2端子までを第1経路とし、前記第1端子から前記第2配線部材を経て前記第2端子までを第2経路とした場合に、
前記第2配線部材のインダクタンスと、前記第1配線部材のインダクタンスとの差は、前記第1電圧及び前記第2電圧の差と、前記第1経路または前記第2経路の電流の時間変化の逆数と、の積より大きく、
前記第1経路または前記第2経路の電流の時間変
化が0.1~10A/nsecであ
り、
前記第2ダイオードは、前記スイッチング素子に逆並列接続され、
前記第1ダイオードは、
前記第1端子から電流が流れる際、前記第1端子から流れる電流のうち前記第2ダイオードに流れる電流を減らす、
電子回路。
【請求項2】
請求項1に記載の電子回路であって、
前記第2配線部材のインダクタンスと、前記第1配線部材のインダクタンスとの差は、0.18nHより大きい、
電子回路。
【請求項3】
請求項1に記載の電子回路は、
前記第1端子と、前記第2端子との間で複数並列に設けられる、
電子回路。
【請求項4】
請求項1に記載の電子回路は、
ブリッジ回路の一素子として用いられる、
電子回路。
【請求項5】
請求項1~
4の何れか一項に記載の電子回路
を含む半導体モジュール。
【請求項6】
請求項5に記載の半導体モジュールであって、
前記第1配線部材は、前記第1端子及び前記第1ダイオードの間に設けられた第1ワイヤを含み、
前記第2配線部材は、前記第1端子及び前記第2ダイオードの間に設けられ、第1ワイヤのインダクタンスより大きいインダクタンスの第2ワイヤを含む、
半導体モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子回路及び半導体モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
上アームのスイッチング素子と、下アームのスイッチング素子とを含み、負荷を駆動する回路として、ブリッジ回路がある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えば、下アームのスイッチング素子がオフした際、下アームのスイッチング素子に流れていた電流は、一般に、上アームのスイッチング素子の寄生ダイオードと、上アームのスイッチング素子に接続された還流ダイオードとを介して流れる。
【0005】
しかしながら、寄生ダイオードの順方向電圧が、還流ダイオードの順方向電圧より大きい場合、負荷に流れていた電流の多くが還流ダイオードに流れるため、還流ダイオードが破壊されてしまうことがある。
【0006】
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、還流ダイオードの破壊を防ぐことができる電子回路、及び半導体モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した課題を解決する本発明の第1の態様の電子回路は、順方向電圧が第1電圧となるPN接合を有する第1ダイオードと、前記順方向電圧が前記第1電圧より小さい第2電圧となるショットキー接合を有する第2ダイオードと、第1端子及び第2端子の間を、前記第1ダイオードを介して接続する第1配線部材と、前記第1端子及び第2端子の間を、前記第2ダイオードを介して接続し、前記第1配線部材のインダクタンスより大きいインダクタンスを有する第2配線部材と、を含み、前記第1ダイオードは、スイッチング素子に含まれる寄生ダイオードであり、前記スイッチング素子及び第2ダイオードは、ワイドバンドギャップ半導体を用いた素子であり、前記第1端子から前記第1配線部材を経て前記第2端子までを第1経路とし、前記第1端子から前記第2配線部材を経て前記第2端子までを第2経路とした場合に、前記第2配線部材のインダクタンスと、前記第1配線部材のインダクタンスとの差は、前記第1電圧及び前記第2電圧の差と、前記第1経路または前記第2経路の電流の時間変化の逆数と、の積より大きく、前記第1経路または前記第2経路の電流の時間変化の逆数が0.1~10A/nsecである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、還流ダイオードの破壊を防ぐことができる電子回路、及び半導体モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】上アームのダイオードBD0,SBD0に流れる電流を説明するための図である。
【
図3】下アームのダイオードBD2,SBD2に流れる電流を説明するための図である。
【
図5】半導体モジュール80の構造を説明するための模式図である。
【
図6】導電パターン220に概念的に形成される配線パターンを説明するための図である。
【
図7】半導体モジュール80の上アームの素子に流れる電流を説明するための図である。
【
図8】上アームの素子の等価回路の一例を示す図である。
【
図9】半導体モジュール80の下アームの素子に流れる電流を説明するための図である。
【
図10】下アームの素子の等価回路の一例を示す図である。
【
図11】ワイヤの長さを調整した実施形態の一例を示す図である。
【
図13】ワイヤの断面積を調整した実施形態の一例を示す図である。
【
図14】ワイヤの曲率を調整した実施形態の一例を示す図である。
【
図15】配線パターンを調整した実施形態の一例を示す図である。
【
図16】導電パターン240,250の厚さを説明するための模式図である。
【
図17】半導体モジュール80の上アームの構成の一例を示す図である。
【
図19】半導体モジュール80の下アームの構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0011】
=====本実施形態=====
<<<電子回路10の一例>>>
図1は、本発明の一実施形態である電子回路10の構成を示す図である。電子回路10は、モータコイル等の負荷(不図示)を駆動するためのハーフブリッジ回路であり、NMOSトランジスタ(n-Type Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect-Transistor)M0~M3、ダイオードSBD0~SBD3、及び正極端子P,出力端子U,負極端子N,制御端子IN1,IN2を含んで構成される。
【0012】
NMOSトランジスタM0は、上アームのスイッチング素子であり、ゲート電極(制御電極)は、上アームの制御端子IN1に接続され、ソース電極は、出力端子Uに接続され、ドレイン電極は、正極端子Pに接続されている。また、NMOSトランジスタM0は、寄生ダイオード(つまり、ボディダイオード)として、ダイオードBD0を含む。
【0013】
NMOSトランジスタM1は、NMOSトランジスタM0と同様の上アームのスイッチング素子であり、ダイオードBD1を含む。
【0014】
NMOSトランジスタM2は、下アームのスイッチング素子であり、ゲート電極は、下アームの制御端子IN2に接続され、ソース電極は、負極端子Nに接続され、ドレイン電極は、出力端子Uに接続されている。また、NMOSトランジスタM2は、寄生ダイオードとして、ダイオードBD2を含む。
【0015】
NMOSトランジスタM3は、NMOSトランジスタM2と同様の下アームのスイッチング素子であり、ダイオードBD3を含む。
【0016】
ここで、本実施形態では、スイッチング素子として、MOSトランジスタを用いているが、これに限られない。スイッチング素子として、バイポーラトランジスタやダイオードが含まれる、逆導通型のIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)であるRC(Reverse Conducting)-IGBTを用いても良い。RC-IGBTの場合、内部に形成されたPN接合ダイオードが、ダイオードBD0~BD3であってよい。
【0017】
本実施形態のダイオードBD0~BD3は、PN接合ダイオードである。また、本実施形態のNMOSトランジスタM0~M3は、ワイドバンドギャップ半導体であるSiC(Silicon Carbide)を用いて製造された素子である。このため、ボディダイオードであるダイオードBD0~BD3の順方向電圧Vf1(第1電圧)は、SiCのPN接合に基づいた値(例えば、2.5V)となる。
【0018】
ダイオードSBD0は、金属と、n型SiCとのショットキー接合を含むショットキーバリアダイオードであり、NMOSトランジスタM0に逆並列接続されている。また、ダイオードSBD1~SBD3は、ダイオードSBD0と同様のSiCのショットキーバリアダイオードであり、NMOSトランジスタM1~M3の夫々に逆並列接続されている。このため、ダイオードSBD0~SBD3は、還流ダイオードとして動作する。なお、ダイオードSBD0~SBD3の順方向電圧Vf2(第2電圧)は、ショットキー接合に基づいた値(例えば、0.7V)となる。
【0019】
また、本実施形態では、スイッチング素子及び還流ダイオードは、SiCを用いて製造されることとしたが、例えば、GaN(Gallium Nitride)等、他のワイドバンドギャップ半導体を用いても良い。また、還流ダイオードは、金属及びSiのショットキー接合を含むショットキーバリアダイオードであって良い。
【0020】
正極端子Pは、電源側(または、ハイサイド側)の端子であり、負極端子Nは、接地側(または、ローサイド側)の端子であり、出力端子Uは、負荷が接続される端子である。また、制御端子IN1には、上アームのスイッチング素子である、NMOSトランジスタM0,M1のスイッチングを制御する信号が入力される。制御端子IN2には、下アームのスイッチング素子である、NMOSトランジスタM2,M3のスイッチングを制御する信号が入力される。
【0021】
そして、このような電子回路10では、上アームのスイッチング素子と、下アームのスイッチング素子とがオン、オフすることにより、負荷が駆動される。ところで、電子回路10が、負荷を駆動する際、上アームのスイッチング素子と、下アームのスイッチング素子とが同時にオンすると、正極端子Pから、負極端子Nへと大きな貫通電流が流れてしまう。したがって、負荷が駆動される際、上アームのスイッチング素子と、下アームのスイッチング素子とがともにオフするデッドタイム期間が設けられる。そして、デッドタイム期間においては、例えば、出力端子Uから、正極端子Pへと電流が流れることがある。また、デッドタイム期間においては、例えば、負極端子Nから、出力端子Uへと電流が流れることがある。
【0022】
<<<出力端子Uから正極端子Pへの電流について>>>
図2は、例えば、デッドタイム期間において、上アームのダイオードBD0,SBD0に流れる電流を説明するための図である。なお、本実施形態では、デッドタイム期間において、ダイオードBD0,SBD0に流れる電流と、ダイオードBD1,SBD1に流れる電流とは、同様であるため、ここでは、ダイオードBD0,SBD0に流れる電流のみを説明する。
【0023】
図2におけるノードx0は、
図1において、出力端子Uからの配線と、NMOSトランジスタM0のソース電極S1からの配線と、ダイオードSBD0のアノード電極A0からの配線と、が接続されるノードである。また、ノードx1は、正極端子Pからの配線と、NMOSトランジスタM0のドレイン電極D1からの配線と、ダイオードSBD0のカソード電極K0からの配線と、が接続されるノードである。なお、以下、アノード電極を、アノードと称し、カソード電極を、カソードと称する。
【0024】
また、ここでは、出力端子U及びノードx0の間の配線を、インダクタンスLaの配線50とし、ノードx0及びダイオードSBD0のアノードA0の間の配線を、インダクタンスLbの配線51とする。また、正極端子P及びノードx1の間の配線を、インダクタンスLcの配線52とし、ノードx1及びダイオードSBD0のカソードK0の間の配線を、インダクタンスLdの配線53とする。さらに、NMOSトランジスタM0のソース電極S1及びノードx0の間の配線を、インダクタンスLiの配線54とし、NMOSトランジスタM0のドレイン電極D1及びノードx1の間の配線を、インダクタンスLjの配線55とする。なお、インダクタンスLa~Ld,Li,Ljは、配線50~55の寄生インダクタンスである。
【0025】
ここで、上述したように、ダイオードBD0は、SiCのPN接合に基づく順方向電圧Vf1(例えば、2.5V)を有するボディダイオードであり、ダイオードSBD0は、SiCのショットキー接合に基づく順方向電圧Vf2(例えば、0.7V)を有するショットキーダイオードである。
【0026】
このため、出力端子Uからの電流は、まずダイオードSBD0を介する一点鎖線で図示した経路P2を経て、正極端子Pへと流れることになる。この際、ノードx0と、ノードx1との電圧Vx01は、以下の式(1)となる。
【0027】
Vx01=(Lb+Ld)×di2/dt+Vf2・・・(1)
式(1)において、経路P2に流れる電流をi2とし、di2/dtを、経路P2へ流れる電流i2の時間変化としている。なお、電流i2の時間変化は、例えば、負荷に流れる電流と、スイッチング素子がオンからオフするまでの時間と、で定まる値であり、例えば、0.1~10A/nsecである。
【0028】
ここで、例えば、インダクタンスLb,Ldの値が小さく、電圧Vx01が順方向電圧Vf1(例えば、2.5V)を超えない場合、出力端子Uから流れ込む電流は全て経路P2で流れることになる。この結果、電流i2が、ダイオードSBD0の定格電流を超え、ダイオードSBD0が破壊されることがある。そこで、本実施形態では、出力端子Uからの電流が、経路P2だけでなく、ダイオードBD0を介する点線で図示した経路P1を経て、正極端子Pへと流れるよう、インダクタンスLb,Ldの値を大きくしている。なお、インダクタンスLb,Ldの値は、式(2)の関係に基づいて計算される。
【0029】
(Lb+Ld)×di2/dt+Vf2>(Li+Lj)×di1/dt+Vf1・・・(2)
式(2)を変形し、順方向電圧Vf1を2.5V、順方向電圧Vf2を0.7V、di2/dt(=di1/dt)を10A/nsecとすると、以下の式(3)に示す関係式が得られる。
【0030】
((Lb+Ld)-(Li+Lj))>(Vf1-Vf2)×dt/di2
>(2.5-0.7)×(1/10)
>0.18・・・(3)
この結果、インダクタンスLb,Ldの合計値を、インダクタンスLi,Ljの合計値より、例えば、0.18nHより大きくすれは、経路P1,P2を介して電流i1,i2が流れ、ダイオードSBD0に大きな電流が流れることを防ぐことができる。
【0031】
このように、本実施形態では、出力端子Uから電流が流れ込む際、ダイオードBD0がオンするよう、経路P2の配線のインダクタンスを、経路P1の配線のインダクタンスより大きくしている。この結果、出力端子Uからの電流のうち、ダイオードSBD0に流れる電流i2を減らすことができるため、ダイオードSBD0の破壊を防ぐことができる。
【0032】
図2においては、例えばノードx0に接続される配線として、3本の配線50,51,54をモデル化しているが、ノードx0がソース電極S1に相当する場合、配線54のインダクタンスLiは無視でき、Li=0となる。また、例えば、ノードx0が出力端子Uに相当する場合、配線50のインダクタンスLaは無視でき、La=0となる。したがって、詳細は後述するが、
図2の回路を用いることにより、様々な半導体モジュールを等価回路で表現することができる。
【0033】
なお、ここでは、ダイオードBD0は、「第1ダイオード」に相当し、ダイオードSBD0は、「第2ダイオード」に相当する。また、出力端子Uは、「第1端子」に相当し、正極端子Pは、「第2端子」に相当する。さらに、出力端子Uと、正極端子Pとの間を、ダイオードBD0を介して接続する配線50,52,54,55は、「第1配線部材」に相当し、出力端子Uと、正極端子Pとの間を、ダイオードSBD0を介して接続する配線50~53は、「第2配線部材」に相当する。
【0034】
本実施形態では、順方向電圧Vf1を2.5V、順方向電圧Vf2を0.7Vとしたが、これらの値は一例である。また、順方向電圧Vf1,Vf2の値や、配線のインダクタンスの値は製造バラツキにより変化する。
【0035】
また、必要なインダクタンスLb,Ldの合計値は、使用される温度、電流及び時間によって変化する。このため、少なくとも、「第2配線部材」のインダクタンスは、「第1配線部材」のインダクタンスより大きければよい。好ましくは、「第2配線部材」のインダクタンスは、「第1配線部材」のインダクタンスより、0.18nH以上大きい。更に好ましくは、「第2配線部材」のインダクタンスは、「第1配線部材」のインダクタンスより、0.36nH以上大きい。
【0036】
<<負極端子Nから出力端子Uへの電流について>>
図3は、例えば、デッドタイム期間において、下アームのダイオードSBD2,BD2に流れる電流を説明するための図である。なお、本実施形態では、デッドタイム期間において、ダイオードBD2,SBD2に流れる電流と、ダイオードBD3,SBD3に流れる電流とは、同様であるため、ここでは、ダイオードBD2,SBD2に流れる電流のみを説明する。
【0037】
図3におけるノードx2は、
図1において、負極端子Nからの配線と、NMOSトランジスタM2のソース電極S2からの配線と、ダイオードSBD2のアノードA3からの配線と、が接続されるノードである。また、ノードx3は、出力端子Uからの配線と、NMOSトランジスタM2のドレイン電極D2からの配線と、ダイオードSBD2のカソードK3からの配線と、が接続されるノードである。
【0038】
また、ここでは、負極端子N及びノードx2の間の配線を、インダクタンスLeの配線60とし、ノードx2及びダイオードSBD2のアノードA3の間の配線を、インダクタンスLfの配線61とする。また、出力端子U及びノードx3の間の配線を、インダクタンスLgの配線62とし、ノードx3及びダイオードSBD2のカソードK3の間の配線を、インダクタンスLhの配線63とする。さらに、NMOSトランジスタM2のソース電極S2及びノードx2の間の配線を、インダクタンスLmの配線64とし、NMOSトランジスタM2のドレイン電極D2及びノードx3の間の配線を、インダクタンスLnの配線65とする。なお、インダクタンスLe~Lh,Lm,Lnは、配線60~65の寄生インダクタンスである。
【0039】
本実施形態では、
図2の上アームと同様に、負極端子Nから電流が流入すると、ダイオードBD2を介する点線で示す経路P3を流れる電流i3と、ダイオードSBD2を介する一点鎖線で示す経路P4の電流i4と、が流れるようインダクタンスLf,Lhの値を大きくしている。具体的には、上述した式(3)に基づいて、例えば、(Lf+Lh)-(Lm+Ln)>0.18nHとしている。この結果、負極端子Nから電流が流れ込む場合、下アームのダイオードSBD2に大きな電流が流れ、ダイオードSBD2が破壊されることを防ぐことができる。
【0040】
なお、このような場合、ダイオードBD2は、「第1ダイオード」に相当し、ダイオードSBD2は、「第2ダイオード」に相当する。また、負極端子Nは、「第1端子」に相当し、出力端子Uは、「第2端子」に相当する。さらに、負極端子Nと、出力端子Uとの間を、ダイオードBD2を介して接続する配線60,62,64,65は、「第1配線部材」に相当し、負極端子Nと、出力端子Uとの間を、ダイオードSBD2を介して接続する配線60~63は、「第2配線部材」に相当する。
【0041】
===半導体モジュール80の一例===
図4は、電子回路10を具現化した半導体モジュール80の一例を示す平面模式図であり、
図5は、半導体モジュール80の構造を説明するための模式図である。なお、本実施形態では、電子回路10の複数のスイッチング素子及び還流ダイオードは、同じ構造で半導体モジュール80に実装されている。したがって、
図5では、便宜上、上アームのNMOSトランジスタM0、及びダイオードSBD0のみを図示している。
【0042】
なお、NMOSトランジスタM0のゲート電極G1と、ソース電極S1とは、例えば、NMOSトランジスタM0の中心軸上に形成されているが、ここでは便宜上離して図示している。また、以下、本実施形態において、「電気的に接続」とは、構成E1と、構成E2とが、配線や接合材(例えば、はんだ)等を介して、両者が導通するよう接続されていることをいい、単に「接続」とも言う。また、「接続」とは、構成E1と、構成E1とが、配線部材を介して接続されている場合に加え、構成E1と、構成E1との間に設けられた導電パターン等を介して接続されている場合も含む。
【0043】
半導体モジュール80は、電子回路10の複数のスイッチング素子及び還流ダイオードを含む半導体装置である。
図4において、スイッチング素子は、NMOSトランジスタM0~M3であり、還流ダイオードは、ダイオードSBD0~SBD3である。半導体モジュール80は、導電パターン210,220,230,310,320,330を備える積層基板110、111と、導電パターン220,320に配置されるスイッチング素子及び還流ダイオードと、導電パターン210,220,310,320,330に配置される端子と、スイッチング素子及び還流ダイオードと導電パターンと電気的に接続されるボンディングワイヤを含んで構成される。さらに、ベース板100を含んで構成されてもよい。
【0044】
端子は、例えば角柱形状を有し、一端が導電パターンに接合され、他端が半導体モジュール80から延出して、図示しない外部機器に電気的に接続される。端子は、例えば、銅、アルミニウムまたはこれらを含む合金で構成される。
【0045】
ボンディングワイヤは、銅、アルミニウム、金またはこれらを含む合金で構成される。また、配線部材としてボンディングワイヤ以外の部材を用いることも可能である。例えば、配線部材としてリードフレームを用いることができる。
【0046】
ベース板100は、上面に絶縁回路基板が接合される平滑な接合面を有し、例えば平面視矩形状を有している。ベース板100は、例えば、アルミニウム、銅、またはこれらを含む合金で形成された金属板である。ベース板100には、
図5に示すよう、はんだ等の接合材101を介して、積層基板110が取り付けられている。なお、積層基板111も、積層基板110と同様の構成で、積層基板110と同一のベース板100に取り付けられている。
【0047】
<<上アーム側の積層基板110>>
積層基板110は、絶縁板200と、絶縁板200のおもて面(上側)に形成された、導電パターン210,220,230と、を含む。絶縁板200は、例えばセラミックスまたは樹脂で構成される。導電パターン210,220,230は、例えば銅、アルミニウムまたはこれらを含む合金で構成される。積層基板110は、更に、絶縁板200の裏面(下側)に放熱板201を備えてもよい。このように構成される絶縁回路基板は、例えば、DCB(Direct Copper Bonding)基板やAMB(Active Metal Brazing)基板で形成される。本実施の形態では、積層基板110は、上アームの素子が実装されたDBC(Direct Bonded Copper)基板である。
【0048】
<<導電パターン210>>
導電パターン210は、上アームのスイッチング素子を制御するための信号が入力される制御端子IN1が実装されている。ここで、
図5に示すように、導電パターン210には、制御端子IN1が、接合材252(例えば、はんだ)を介して、取り付けられている。導電パターン210は、NMOSトランジスタM0のゲート電極G1とボンディングワイヤ(以下、単にワイヤと称する。)を介して接続され、NMOSトランジスタM1のゲート電極とワイヤを介して接続されている。
【0049】
なお、本実施形態では、上アームにおいて、NMOSトランジスタM1及びダイオードSBD1と、出力端子U、正極端子P、及び制御端子IN1と、の接続関係は、NMOSトランジスタM0及びダイオードSBD0と、出力端子U、正極端子P、及び制御端子IN1と、の接続関係と同じである。したがって、ここでは、NMOSトランジスタM0及びダイオードSBD0を中心に説明する。
【0050】
<<導電パターン220>>
導電パターン220は、電源側の正極端子P、NMOSトランジスタM0,M1、及びダイオードSBD0,SBD1が実装されている。ここで、
図5に示すように、導電パターン220には、NMOSトランジスタM0の裏面に形成されたドレイン電極D1が、接合材250(例えば、はんだ)を介して、取り付けられている。本実施形態では、ダイオードBD0のカソードK1は、ドレイン電極D1と共通であるため、結果的に、ダイオードBD0のカソードK1も、導電パターン220に接続されることになる。
【0051】
また、導電パターン220には、ダイオードSBD0のカソードK0が、接合材251を介して取り付けられている。さらに、導電パターン220には、正極端子Pが、接合材を介して取り付けられている。
【0052】
ここで、ダイオードSBD0のおもて面に形成されたアノードA0と、NMOSトランジスタM0のおもて面に形成されたソース電極S1とは、ワイヤW1を介して電気的に接続されている。ダイオードBD0のアノードA1は、ソース電極S1と共通であるため、結果的に、ダイオードBD0のアノードA1と、ダイオードSBD0のアノードA0とが、ワイヤW1を介して接続されることになる。
【0053】
図6は、導電パターン220において概念的に生じる配線パターンを説明するための図である。導電パターン220においては、例えば、ダイオードBD0のカソードK1からの電流は、カソードK1と、正極端子Pとの間の経路P10に沿って流れる。また、ダイオードSBD0のカソードK0からの電流は、カソードK0と、正極端子Pとの間の経路P11に沿って流れる。したがって、導電パターン220においては、経路P10,P11のそれぞれに対応する配線パターンが生じることになる。
【0054】
以下、本実施形態では、経路P10に対応する配線パターンを、配線パターンC10とし、経路P11に対応する配線パターンを、配線パターンC11とする。経路P11は、経路P10より長いため、配線パターンC11は、配線パターンC10より長くなる。したがって、配線パターンC11のインダクタンスは、配線パターンC10のインダクタンスより大きくなる。
【0055】
なお、導電パターン220には、NMOSトランジスタM1及びダイオードSBD1も、NMOSトランジスタM0及びダイオードSBD0と同様に実装されているため、ここでは詳細な説明は省略する。また、ここでは「配線パターン」を、導電性パターンの一部に概念的に形成された配線としているが、実際にパターン形成された配線であっても良い。
【0056】
<<導電パターン230>>
図4の導電パターン230は、出力端子Uと電気的に接続されたパターンである。より具体的には、出力端子Uが実装された導電パターン320(後述)からのワイヤが接続されたパターンである。導電パターン230は、ワイヤW0を介してNMOSトランジスタM0のソース電極S1及びダイオードBD0のアノードA1に接続されている。そして、ソース電極S1からのワイヤW1は、ダイオードSBD0のアノードA0に接続されている。
【0057】
<<下アーム側の積層基板111>>
積層基板111は、下アームの素子が実装されたDBC基板である。積層基板111は、積層基板110と同様の構成であるため、詳細な説明は省略するが、積層基板111における絶縁板300のおもて面には、導電パターン310,320,330が形成されている。
【0058】
<<導電パターン310>>
導電パターン310は、下アームのスイッチング素子を制御するための信号が入力される制御端子IN2が実装されている。導電パターン310には、制御端子IN2が、接合材(例えば、はんだ)を介して、取り付けられている。導電パターン310は、NMOSトランジスタM2のゲート電極G2とワイヤを介して接続され、NMOSトランジスタM3のゲート電極とワイヤを介して接続されている。
【0059】
なお、下アームにおいて、NMOSトランジスタM2及びダイオードSBD2と、出力端子U、負極端子N、及び制御端子IN2と、の接続関係は、NMOSトランジスタM3及びダイオードSBD3と、出力端子U、負極端子N、及び制御端子IN2と、の接続関係と同じである。したがって、ここでは、NMOSトランジスタM2及びダイオードSBD2を中心に説明する。
【0060】
<<導電パターン320>>
導電パターン320は、負荷が接続される出力端子U、NMOSトランジスタM2,M3、及びダイオードSBD2,SBD3が実装されている。なお、これらの素子と、導電パターン320との接続関係は、
図5で説明した、NMOSトランジスタM0、及びダイオードSBD0と、導電パターン220との接続関係と同じである。
【0061】
具体的には、NMOSトランジスタM2の裏面側のドレイン電極D2と、ドレイン電極D2と共通のカソードK2とは、接合材を介して導電パターン320に接続されている。また、ダイオードSBD2の裏面に形成されたカソードK3は、接合材を介して導電パターン320に接続されている。さらに、導電パターン320には、出力端子Uが、接合材を介して取り付けられている。
【0062】
ここで、ダイオードSBD2のおもて面に形成されたアノードA3と、NMOSトランジスタM2のおもて面に形成されたソース電極S2とは、ワイヤW3を介して電気的に接続されている。ダイオードBD2のアノードA2は、ソース電極S2と共通であるため、結果的に、ダイオードSBD2のアノードA3と、ダイオードBD2のアノードA2とが、ワイヤW3を介して接続されることになる。
【0063】
なお、この際、ダイオードSBD2のカソードK3から出力端子Uまでの距離は、ダイオードBD2のカソードK2から出力端子Uまでの距離より長い。したがって、出力端子UからダイオードSBD2の配線パターンのインダクタンスは、出力端子UからダイオードBD2の配線パターンのインダクタンスより大きくなる。ここで、出力端子UからダイオードSBD2のカソードK3までの「距離(または、経路)」は、例えば、カソードK3の電極の中心と、出力端子Uの中心とで定められる。
【0064】
なお、NMOSトランジスタM3、及びダイオードSBD3は、NMOSトランジスタM2、及びダイオードSBD2と同様の構成で導電パターン320に接続されるため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0065】
<<導電パターン330>>
導電パターン330は、接地側の負極端子Nが実装されている。導電パターン330には、負極端子Nが、接合材(例えば、はんだ)を介して、取り付けられている。導電パターン330は、NMOSトランジスタM2のソース電極S2とワイヤW2を介して接続され、NMOSトランジスタM3のソース電極とワイヤを介して接続されている。
【0066】
<<出力端子Uから正極端子Pへの電流について>>
ここで、半導体モジュール80において、出力端子Uから正極端子Pへの電流について、
図7、及び
図8を参照しつつ説明する。出力端子Uからの電流は、導電パターン320、導電パターン320と導電パターン230とに接続されたワイヤ、導電パターン230、及びワイヤW0を介して、NMOSトランジスタM0のソース電極S1(ダイオードBD0のアノードA1)へと流れる。また、ワイヤW0からの電流は、ワイヤW1を介してダイオードSBD0のアノードA0へと供給される。
【0067】
ここで、出力端子Uから、NMOSトランジスタM0のソース電極S1(ダイオードBD0のアノードA1)までの配線は、等価的に
図8の配線50として表現できる。また、ソース電極S1から、ダイオードSBD0のアノードA0までのワイヤW1は、等価的に配線51として表現できる。なお、
図8と、
図2とで同じ符号が付された構成は、同じである。
【0068】
そして、ダイオードBD0のアノードA1に供給された電流は、裏面のカソードK1、
図6の配線パターンC10を介して、正極端子Pへと流れる。また、ダイオードSBD0のアノードA0に供給された電流は、裏面のカソードK0、
図6の配線パターンC11を介して、正極端子Pへと流れる。ここで、カソードK1から、正極端子Pまでの配線パターンC10は、等価的に
図8の配線55として表現でき、カソードK0から、正極端子Pまでの配線パターンC11は、等価的に配線53として表現できる。
【0069】
そして、本実施形態では、式(3)の条件が満たされるよう、
図8の経路P2の配線のインダクタンスを大きくしている。具体的には、経路P2のインダクタンス(La+Lb+Ld)と、経路P1のインダクタンス(La+Lj)との差が、0.18nH以上大きくなるよう、例えば、インダクタンスLb,Ldを大きくしている。
【0070】
この結果、出力端子Uからの電流のうち、NMOSトランジスタM0のおもて面のソース電極S1(ダイオードBD0のアノードA1)へと供給された電流i1は、ダイオードBD0のおもて面のアノードA1から、ダイオードBD0を介して裏面のカソードK1へと流れた後、導電パターン220における配線パターンC10を介して正極端子Pへと流れる。また、ダイオードSBD0のおもて面のアノードA0へと供給された電流i2は、ダイオードSBD0のおもて面のアノードA0から、ダイオードSBD0を介して裏面のカソードK0へと流れた後、導電パターン220における配線パターンC11を介して正極端子Pへと流れる。
【0071】
このように、本実施形態では、仮に、出力端子Uから大きな電流が流れ込むことがあっても、ダイオードBD0,SBD0の両方に電流が流れるため、ダイオードSBD0が破壊されることを防ぐことができる。なお、半導体モジュール80では、経路P1に設けられた配線部材(例えば、ワイヤW0や導電パターン220における配線パターンC10)は、「第1配線部材」に相当し、経路P2に設けられた配線部材(例えば、ワイヤW0,W1や導電パターン220における配線パターンC11)は、「第2配線部材」に相当する。
【0072】
<<負極端子Nから出力端子Uへの電流について>>
つぎに、半導体モジュール80において、負極端子Nから出力端子Uへの電流について、
図9、及び
図10を参照しつつ説明する。負極端子Nからの電流は、導電パターン330と、ワイヤW2と、を介し、NMOSトランジスタM2のソース電極S2(ダイオードBD2のアノードA2)へと流れる。また、ワイヤW2からの電流は、ワイヤW3を介してダイオードSBD2のアノードA3へと供給される。
【0073】
ここで、負極端子Nと、NMOSトランジスタM2のソース電極S2(ダイオードBD2のアノードA2)と、を接続するワイヤW2は、等価的に
図10の配線60として表現できる。NMOSトランジスタM2のソース電極S2と、ダイオードSBD2のアノードA3と、を接続するワイヤW3は、等価的に
図10の配線61として表現できる。また、
図6と同様に、カソードK2から、出力端子Uまでの配線パターンは、等価的に配線65と表現でき、カソードK3から、出力端子Uまでの配線パターンは、等価的に配線63と表現できる。
【0074】
そして、本実施形態では、式(3)の条件が満たされるよう、経路P4の配線のインダクタンスを大きくしている。具体的には、経路P4のインダクタンス(Le+Lf+Lh)と、経路P3のインダクタンス(Le+Ln)との差が、0.18nH以上大きくなるよう、例えば、インダクタンスLf,Lhを大きくしている。
【0075】
このため、負極端子Nからの電流のうち、NMOSトランジスタM2のおもて面のソース電極S2(ダイオードBD2のアノードA2)へと供給された電流i3は、ダイオードBD2のおもて面のアノードA2から、ダイオードBD2を介して裏面のカソードK2へと流れた後、導電パターン320における配線パターン(不図示)を介して出力端子Uへと流れる。また、ダイオードSBD2のおもて面のアノードA3へと供給された電流i4は、ダイオードSBD2のおもて面のアノードA3から、ダイオードSBD2を介して裏面のカソードK3へと流れた後、導電パターン320における配線パターン(不図示)を介して出力端子Uへと流れる
【0076】
この結果、本実施形態では、仮に、負極端子Nから大きな電流が流れ込むことがあっても、ダイオードBD2,SBD2の両方に電流が流れるため、ダイオードSBD2が破壊されることを防ぐことができる。
【0077】
===他の実施形態===
ここで、例えば、上アームのダイオードSBD0が電流により破壊されることを防ぐためには、
図2の配線51のインダクタンスLb、または配線53のインダクタンスLdの少なくとも何れか一方を大きくすれば良い。
【0078】
<<配線51がワイヤで実現されている場合>>
配線51が、ワイヤで実現される場合、ワイヤの長さを長くすること、ワイヤの断面積を小さくすること、または、ワイヤの曲率を大きくすることにより、インダクタンスLbを大きくすることができる。
【0079】
<<ワイヤの長さを調整>
図11は、ワイヤの長さを調整した実施形態を説明するための図である。
図11において、
図4と同じ符号が付された構成は同じである。このため、ここでは、NMOSトランジスタM0へのワイヤW10と、ダイオードSBD0へのワイヤW11と、を中心に説明する。なお、
図11では、導電パターン220において、ダイオードSBD0は、NMOSトランジスタM0から離れた位置に実装されていることとする。
【0080】
ワイヤW10は、出力端子Uに電気的に接続された導電パターン230と、NMOSトランジスタM0のソース電極S1(ダイオードBD0のアノードA1)と、を接続する。
【0081】
ワイヤW11は、ワイヤW10より長いワイヤであり、導電パターン230と、ダイオードSBD0のアノードA0と、を接続する。なお、ワイヤW10と、ワイヤW11とでは、長さ以外の項目(例えば、ワイヤの断面積、ワイヤの曲率)は同じあるため、ワイヤW11のインダクタンスは、ワイヤW10のインダクタンスより大きくなる。
【0082】
図12は、
図11の構成を等価回路で示した図である。ここで、出力端子Uと、NMOSトランジスタM0のソース電極S1(ダイオードBD0のアノードA1)と、を接続する導電パターン230、ワイヤW10を含む配線は、等価的に配線54として表現できる。また、出力端子Uと、ダイオードSBD0のアノードA0と、を接続するワイヤW11は、等価的に配線51として表現できる。さらに、ダイオードBD0のカソードK1と、正極端子Pまでの配線パターンは、等価的に配線55として表現でき、ダイオードSBD0のカソードK0と、正極端子Pまでの配線パターンは、等価的に配線53として表現できる。
【0083】
このような実施形態において、経路P2のインダクタンス(Lb+Ld)を、経路P1のインダクタンス(Li+Lj)より大きくし、例えば式(3)が満たされるよう、ワイヤW11の長さを長くしている。この結果、出力端子Uから大きな電流が流れ込んだ場合であっても、ダイオードSBD0の破壊を防ぐことができる。なお、ここでは、ワイヤW10は、「第1ワイヤ」に相当し、ワイヤW11は、「第2ワイヤ」に相当する。
【0084】
<<ワイヤの断面積を調整>
図13は、ワイヤの断面積を調整した実施形態を説明するための図である。
図13において、
図4と同じ符号が付された構成は同じである。このため、ここでは、NMOSトランジスタM0へのワイヤW20と、ダイオードSBD0へのワイヤW21と、を中心に説明する。
【0085】
ワイヤW20は、ワイヤW21より断面積の大きい(つまり、太さが太い)ワイヤであり、出力端子Uに接続された導電パターン230と、NMOSトランジスタM0のソース電極S1及びダイオードBD0のアノードA1と、を接続する。例えば、ワイヤW20は直径400μmであり、ワイヤW21は直径250μmである。
【0086】
ワイヤW21は、導電パターン230と、ダイオードSBD0のアノードA0と、を接続する。なお、ワイヤW20と、ワイヤW21とでは、断面積以外の項目(例えば、ワイヤの長さ、ワイヤの曲率)は同じあるため、ワイヤW21のインダクタンスは、ワイヤW20のインダクタンスより大きくなる。
【0087】
図13の出力端子U及び正極端子Pとの間の接続関係と、
図11の出力端子U及び正極端子Pとの間の接続関係は同じであるため、このような
図13の実施形態の等価回路も、
図12となる。そして、ワイヤW21の断面積を小さくすると、インダクタンスLbは大きくなるため、ダイオードSBD0の破壊を防ぐことができる。
【0088】
なお、ここでは、ワイヤW20の本数(4本)と、ワイヤW21の本数(4本)と、を一致させつつ、断面積の小さいワイヤW21を用いているがこれに限られない。例えば、断面積の等しいワイヤW20,W21を用い、ワイヤW21の本数を、ワイヤW20の本数より少なくしても、本実施形態と同様の効果を得ることができる。また、ここでは、ワイヤW20は、「第1ワイヤ」に相当し、ワイヤW21は、「第2ワイヤ」に相当する。
【0089】
<<ワイヤの曲率を調整>
図14は、ワイヤの曲率を調整した実施形態を説明するための図である。
図14において、
図4と同じ符号が付された構成は同じである。このため、ここでは、NMOSトランジスタM0へのワイヤW30と、ダイオードSBD0へのワイヤW31と、を中心に説明する。
【0090】
ワイヤW30は、出力端子Uに接続された導電パターン230と、NMOSトランジスタM0のソース電極S1及びダイオードBD0のアノードA1と、を接続する。
【0091】
ワイヤW31は、ワイヤW30より曲率の大きいワイヤであり、導電パターン230と、ダイオードSBD0のアノードA0と、を接続する。ワイヤW31の曲率(曲げ具合)が大きくなると、ワイヤW31の長さも長くなる。ここで、ワイヤW30と、ワイヤW31とでは、例えば、ワイヤの断面積は同じあるため、ワイヤW31のインダクタンスは、ワイヤW30のインダクタンスより大きくなる。
【0092】
図14の出力端子U及び正極端子Pとの間の接続関係と、
図11の出力端子U及び正極端子Pとの間の接続関係は同じであるため、このような
図14の実施形態の等価回路も、
図12となる。そして、例えば、ワイヤW31の曲率を大きくすると、インダクタンスLbは大きくなるため、ダイオードSBD0の破壊を防ぐことができる。なお、ここでは、ワイヤW30は、「第1ワイヤ」に相当し、ワイヤW31は、「第2ワイヤ」に相当する。
【0093】
<<配線53が配線パターンで実現されている場合>>
つぎに、
図2の配線53が、配線パターンで実現される場合について説明する。ここで、配線53が、配線パターンで実現される場合、例えば、配線パターンの長さを長くすること、配線パターンの厚みを薄くすること、または、配線パターンの幅を狭くすることにより、インダクタンスLdを大きくすることができる。なお、配線パターンを長くすることにより、インダクタンスLdを大きくすることは、
図6で説明した。したがって、ここでは、残りの2つの方法について説明する。
【0094】
<<配線パターンの厚み及び幅を調整>>
図15及び
図16は、配線パターンの厚み及び幅を調整した実施形態を説明するための図である。
図15及び
図16において、
図4及び
図5と同じ符号が付された構成は同じである。このため、ここでは、導電パターン270,280、ワイヤW40~W42について説明する。
【0095】
導電パターン270には、電源側の正極端子Pが実装されるとともに、NMOSトランジスタM0が実装されている。
【0096】
導電パターン280は、導電パターン270より薄く、ダイオードSBD0が実装されたパターンである。また、導電パターン280では、ダイオードSBD0が実装された領域と、ワイヤW40が接続された領域との間の領域の幅Wxが狭くなっている。なお、導電パターン270及び導電パターン280は、ワイヤW40で接続されている。
【0097】
ワイヤW41は、出力端子Uに電気的に接続された導電パターン230と、NMOSトランジスタM0のソース電極S1(ダイオードBD0のアノードA1)と、を接続する。
【0098】
ワイヤW42は、NMOSトランジスタM0のソース電極S1(ダイオードBD0のアノードA1)と、ダイオードSBD0のアノードA0と、を接続する。
【0099】
ここで、出力端子Uに電気的に接続された導電パターン230からの電流は、ワイヤW41を介して、ソース電極S1(アノードA1)に流れる。そして、ソース電極S1からの電流は、ワイヤW42を介して、アノードA0に流れる。アノードA1からの電流は、ダイオードBD0と、裏面側のカソードK1と、導電パターン270における配線パターンC21と、を介して、正極端子Pへと流れる。また、アノードA0からの電流は、ダイオードSBD0と、裏面側のカソードK2と、配線パターンC20と、ワイヤW40と、導電パターン270と、を介して、正極端子Pへと流れる。したがって、
図15の実施形態は、
図4の実施形態と同様に、
図8に示す等価回路で表現できる。
【0100】
本実施形態では、経路P20が形成された導電パターン280は、導電パターン270より薄く、経路P20の幅Wxも狭くなっている。したがって、経路P20に概念的に形成される配線パターンC20のインダクタンスは、経路P21に概念的に形成される配線パターンC21のインダクタンスより大きくなる。したがって、インダクタンスの大きい配線パターンC20を用いることにより、
図8の配線53のインダクタンスLdが大きくすることができる。この結果、
図15,16に示す構成を用いることで、ダイオードSBD0の破壊を防ぐことができる。
【0101】
<<半導体モジュールの一部の他の構成例>>
図17は、半導体モジュールの上アームの素子の構成を示す図である。
図17と、
図4とで同じ符号が付された構成は同じである。このため、ここでは、導電パターン290,291、ワイヤW50,W51を中心に説明する。
【0102】
導電パターン290は、出力端子Uが実装されたパターンであり、ワイヤW50は、導電パターン290と、NMOSトランジスタM0のソース電極S1(ダイオードBD0のアノードA1)を接続する。
【0103】
導電パターン291は、正極端子P、NMOSトランジスタM0、ダイオードSBD0が実装されたパターンである。ワイヤW51は、NMOSトランジスタM0のソース電極S1(ダイオードBD0のアノードA1)と、ダイオードSBD0のアノードA0とを接続する。
【0104】
図18は、
図17の構成を等価回路で示した図である。ここで、出力端子Uと、NMOSトランジスタM0のソース電極S1(ダイオードBD0のアノードA1)と、を接続する導電パターン290、ワイヤW50を含む配線は、等価的に配線50として表現できる。また、NMOSトランジスタM0のソース電極S1(ダイオードBD0のアノードA1)と、ダイオードSBD0のアノードA0と、を接続するワイヤW51は、等価的に配線51として表現できる。さらに、ダイオードSBD0のカソードK0と、ダイオードBD0のカソードK1までの配線パターンは、等価的に配線53として表現でき、ダイオードBD0のカソードK1と、正極端子Pまでの配線パターンは、等価的に配線52として表現できる。
【0105】
このような実施形態において、経路P2のインダクタンス(La+Lb+Lc+Ld)は、経路P1のインダクタンス(La+Lc)より必ず大きくなる。そして、本実施形態では、例えばLb+Ld>0.18nHとの関係が満たされるよう、例えばワイヤW51の長さを長くしている。この結果、出力端子Uから大きな電流が流れ込んだ場合であっても、ダイオードSBD0の破壊を防ぐことができる。なお、ここでは、ワイヤW50は、「第1ワイヤ」に相当し、ワイヤW50及びワイヤW51は、「第2ワイヤ」に相当する。
【0106】
図19は、半導体モジュールの下アームの素子の構成を示す図である。
図19と、
図4とで同じ符号が付された構成は同じである。このため、ここでは、導電パターン340,341、ワイヤW60,W61を中心に説明する。
【0107】
導電パターン340は、負極端子Nが実装されたパターンであり、ワイヤW60は、導電パターン340と、NMOSトランジスタM2のソース電極S2(ダイオードBD2のアノードA2)を接続する。また、ワイヤW61は、導電パターン340と、ダイオードSBD2のアノードA3を接続する。
【0108】
導電パターン341は、出力端子U、NMOSトランジスタM2、ダイオードSBD2が実装されたパターンである。
【0109】
図20は、
図19の構成を等価回路で示した図である。ここで、負極端子Nから、導電パターン340における位置Oまでに概念的に形成される配線パターンは、等価的に配線60として表現できる。なお、位置Oは、導電パターン340において、負極端子Nからの電流を、概念的にNMOSトランジスタM2と、ダイオードSBD2とに分流する位置であり、ノードx2に相当する。
【0110】
位置Oから、NMOSトランジスタM2のソース電極S2(ダイオードBD2のアノードA2)までの配線パターン、ワイヤW60を含む配線は、等価的に配線64として表現できる。位置Oから、ダイオードSBD2のアノードA3までの配線パターン、ワイヤW61を含む配線は、等価的に配線61として表現できる。さらに、ダイオードSBD2のカソードK3と、ダイオードBD2のカソードK2までの配線パターンは、等価的に配線63として表現でき、ダイオードBD2のカソードK2と、出力端子Uまでの配線パターンは、等価的に配線62として表現できる。
【0111】
このような実施形態において、経路P4のインダクタンス(Le+Lf+Lg+Lh)が、経路P3のインダクタンス(Le+Lm+Lg)より大きくなるよう、例えばワイヤW61の長さを長くしている。この結果、負極端子Nから大きな電流が流れ込んだ場合であっても、ダイオードSBD2の破壊を防ぐことができる。なお、本実施形態においても、(Lf+Lh)-Lm>0.18nHとすることが好ましく、(Lf+Lh)-Lm>0.36nHとすることが更に好ましい。このように、(Lf+Lh)をより大きくすることで、例えば、ワイヤW60のインダクタンスや素子の特性のバラツキがあった場合であっても、ダイオードSBD2に流れる電流をより小さくすることができる。
【0112】
===まとめ===
以上、本実施形態の電子回路10及び半導体モジュール80について説明した。
図2に例示したように、電子回路10における経路P2のインダクタンスは、経路P1のインダクタンスより大きい。このため、出力端子Uからの電流は、経路P2のダイオードSBD0に加え、経路P1のダイオードBD0にも流れる。したがって、電子回路10では、還流ダイオードであるダイオードSBD0に大きな電流が流れ、破壊されることを防ぐことができる。
【0113】
また、スイッチング素子として、一般的なバイポーラトランジスタを用いても良い。そして、バイポーラトランジスタに対し、PN接合を有するPNダイオードと、ショットキー接合を有するショットキーダイオードと、を還流ダイオードとして接続しても、本実施形態と同様の効果を得ることができる。ただし、本実施形態では、スイッチング素子として、NMOSトランジスタM0を用いている。このため、PNダイオードを別途設けることなく、NMOSトランジスタM0の寄生ダイオード(ボディダイオード)を還流ダイオードとして使用することができる。
【0114】
また、NMOSトランジスタM0及びショットキー接合を有するダイオードSBD0は、ワイドバンドギャップ半導体を用いた素子である。このため、本実施形態では、電子回路10の耐圧を向上させつつ、負荷を駆動する際の損失を小さくすることができる。
【0115】
また、ショットキー接合を有するダイオードSBD0は、NMOSトランジスタM0がオフの際に、還流ダイオードとして動作できるよう、NMOSトランジスタM0に逆並列接続されている。
【0116】
また、半導体モジュール80は、SBD0を介した経路P2のインダクタンスが、NMOSトランジスタM0を介した経路P1のインダクタンスより大きい電子回路10を含む装置である。したがって、このような半導体モジュール80を用いた場合、ショットキー接合を有するダイオードSBD0を、大きな電流から保護することができる。
【0117】
また、
図4に示すように、半導体モジュール80においては、導電パターン230からのワイヤW0は、PN接合を有するダイオードBD0に接続され、ダイオードBD0からのワイヤW1は、ショットキー接合を有するダイオードSBD0に接続されている。したがって、導電パターン230から、ダイオードSBD0までのインダクタンスを、導電パターン230から、ダイオードBD0までのインダクタンスより大きくすることができる。
【0118】
また、
図7に示すよう、ワイヤW10より長いワイヤW11を用いて、導電パターン230と、ダイオードSBD0とを接続しても良い。このような場合であっても、導電パターン230から、ダイオードSBD0までのインダクタンスを、導電パターン230から、ダイオードBD0までのインダクタンスより大きくすることができる。
【0119】
また、
図8に示すように、ワイヤW20より断面積の小さいワイヤW21を用いて、導電パターン230と、ダイオードSBD0とを接続しても良い。このような場合であっても、導電パターン230から、ダイオードSBD0までのインダクタンスを、導電パターン230から、ダイオードBD0までのインダクタンスより大きくすることができる。
【0120】
また、
図9に示すように、ワイヤW30より曲率の大きいワイヤW31を用いて、導電パターン230と、ダイオードSBD0とを接続しても良い。このような場合であっても、導電パターン230から、ダイオードSBD0までのインダクタンスを、導電パターン230から、ダイオードBD0までのインダクタンスより大きくすることができる。
【0121】
また、半導体モジュール80においては、半導体モジュール80の長手方向(所定方向)に沿って、U端子(または、U端子に接続される導電パターン230)、NMOSトランジスタM0、ダイオードSBD0の順に配置されている。つまり、U端子と、ダイオードSBD0との間に、NMOSトランジスタM0が設けられている。仮に、長手方向に沿って、U端子、ダイオードSBD0、NMOSトランジスタM0の順に夫々を配置すると、一般的に、出力端子Uと、ダイオードSBD0との配線のインダクタンスは、U端子と、ダイオードBD0との配線のインダクタンスより小さくなる。しかしながら、本実施形態の順番で各素子等を配置することにより、U端子と、ダイオードSBD0との配線のインダクタンスを、U端子と、寄生素子であるダイオードBD0との配線のインダクタンスより大きくすることができる。
【0122】
また、半導体モジュール80では、U端子と、ダイオードSBD0とを接続するワイヤ(例えば、ワイヤW0,W1)のうち、ワイヤW0は、U端子と、ダイオードBD0とを接続するワイヤとして用いられる。このような場合、U端子と、ダイオードSBD0とを接続するワイヤのインダクタンスは、U端子と、ダイオードBD0とを接続するワイヤのインダクタンスより必ず大きくなる。なお、半導体モジュール80において、ワイヤW0,W1は、「第2ワイヤ」に相当し、ワイヤW0は、「第1ワイヤ」に相当する。
【0123】
また、例えば、経路P2のインダクタンスを大きくするために、ワイヤでなく、配線パターンのインダクタンスを大きくしても良い。このような場合であっても、ダイオードSBD0を保護することができる。
【0124】
また、
図6に示すように、経路P2が、配線パターンC10より長い配線パターンC11を含む場合、経路P2のインダクタンスを大きくすることができる。なお、配線パターンC10は、「第1配線パターン」に相当し、配線パターンC11は、「第2配線パターン」に相当する。
【0125】
また、例えば、
図11に示すように、概念的に形成される配線パターンC20の厚さを、配線パターンC21の厚さより薄くしても良い。このような場合であっても、経路P2のインダクタンスを大きくすることができる。
【0126】
また、例えば、
図10に示すように、配線パターンC20の幅Wxを狭くしても、経路P2のインダクタンスを大きくすることができる。
【0127】
また、
図6に示すように、配線パターンC10は、導電パターン220における正極端子Pと、ダイオードBD0までの距離に基づいて定まり、配線パターンC11は、導電パターン220における正極端子Pと、ダイオードBD0までの距離に基づいて定まる。
【0128】
また、半導体モジュール80において、制御端子IN1が実装された導電パターン210と、出力端子Uに電気的に接続される導電パターン230と、の間に、正極P端子が実装された導電パターン220が設けられている。なお、導電パターン220は、「第1導電パターン」に相当し、導電パターン230は、「第2導電パターン」に相当し、導電パターン210は、「第3導電パターン」に相当する。
【0129】
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更や改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれるのはいうまでもない。
【符号の説明】
【0130】
10 電子回路
50~55,60~65 配線
80 半導体モジュール
100 ベース板
101,250,251,252 接合材
110,111 積層基板
200 絶縁板
201 放熱板
210,220,230,270,280,290,291,310,320,330,340,341 導電パターン
M0~M3 NMOSトランジスタ
BD0~BD3,SBD0~SBD3 ダイオード
G1,G2 ゲート電極
S1,S2 ソース電極
D1,D2 ドレイン電極
K0~K3 カソード電極
A0~A3 アノード電極
La~Lj,Lm,Ln インダクタンス
C10,C11 配線パターン
P1~P4,P20,P21 経路
W0~W3,W10,W11,W20,W21,W30,W31,W40~W42,W50,W51,W60,W61 ワイヤ
O 位置
P 正極端子
U 出力端子
N 負極端子
IN1,IN2 制御端子