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特許7619549シールド掘進機とカッタビットの交換方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-14
(45)【発行日】2025-01-22
(54)【発明の名称】シールド掘進機とカッタビットの交換方法
(51)【国際特許分類】
   E21D 9/087 20060101AFI20250115BHJP
【FI】
E21D9/087 C
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021177500
(22)【出願日】2021-10-29
(65)【公開番号】P2023066732
(43)【公開日】2023-05-16
【審査請求日】2024-03-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000206211
【氏名又は名称】大成建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】田村 憲
(72)【発明者】
【氏名】志田 智之
(72)【発明者】
【氏名】柏倉 志乃
【審査官】山口 剛
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-041781(JP,A)
【文献】特開2001-241293(JP,A)
【文献】特開2005-133370(JP,A)
【文献】特開2002-047888(JP,A)
【文献】米国特許第05421422(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21D 9/00 - 9/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
隔壁の前方にチャンバを備えているシールド本体と、該チャンバの前方に回転自在に配設され、複数のカッタビットが装着されているカッタヘッドとを有する、シールド掘進機であって、
前記隔壁には業ピットが設けられ、該作業ピットは、箱形のピット本体を備え、該ピット本体の前方には前方ハッチが設けられ、該ピット本体の後方には後方出入り口が設けられ、該ピット本体の左右の側面には移動機構が取り付けられ、該移動機構の一部が前記隔壁の後方に固定されていて、該移動機構により前記カッタヘッドまで移動自在であり、
前記カッタヘッドの前面には、前記カッタビットが出入りするビット開口が設けられ、
前記カッタヘッドの内部における前記ビット開口の背面には、該ビット開口を開閉する開閉蓋がスライド自在に設けられており、
前記カッタヘッドの内部には、該カッタヘッドの放射方向に延設するガイドレールが設けられ、交換対象の前記カッタビットの設置位置と前記作業ピットの間を、該ガイドレールに沿ってビット交換装置が移動し、該ビット交換装置にて前記カッタビットの交換が実行されるようになっており、
前記ビット交換装置にて前記カッタビットが回収された際に、前記開閉蓋がスライドして、開放されている前記ビット開口が閉塞され、
前記ビット交換装置が新規のカッタビットを搬送してきた際に、前記開閉蓋がスライドして前記ビット開口が開放されるようになっており、
前記移動機構により前方に移動された前記作業ピットが前記カッタヘッドに圧接され、前記作業ピットの内部に引き込まれた前記ビット交換装置から新旧の前記カッタビットが交換されることを特徴とする、シールド掘進機。
【請求項2】
前記カッタヘッドの内部における前記カッタビットの後方には、該カッタビットを収容する収容ケースが取り付けられており、
前記ビット開口から前記カッタビットが取り外される際は、前記ビット交換装置により、該カッタビットが後方へ引き込まれて前記収容ケースに収容され、次いで前記カッタヘッドから該収容ケースが取り外されて該ビット交換装置に搭載され、
前記ビット開口に対して新規のカッタビットが設置される際は、前記ビット交換装置により、該新規のカッタビットが収容されている前記収容ケースが前記カッタヘッドに取り付けられ、次いで前記開閉蓋がスライドされて前記ビット開口が開放され、次いで該ビット開口に対して該新規のカッタビットが押し出されることを特徴とする、請求項に記載のシールド掘進機。
【請求項3】
前記ビット交換装置は、
交換対象の前記カッタビットの位置を特定する、特定手段と、
前記ガイドレールに沿って移動する走行ベースと、
前記走行ベースの上を移動して、前記ビット開口への前記カッタビットの押し出しと、該ビット開口からの該カッタビットの引き抜きを行う、移載ベースと、
前記走行ベースを移動させる第1駆動手段と、
前記移載ベースを移動させる第2駆動手段と、
前記カッタヘッドに対して前記収容ケースをボルト固定する際に、固定ボルトを回転させる第1ボルト回転手段と、
収容ケースからカッタビットを前方へ押し出す際と、前記ビット開口から前記カッタビットを後方へ引き込む際に、該カッタビットの内部にあるボルト孔に対して押し引きボルトを螺合させ、該押し引きボルトを回転させることにより、該カッタビットを相対移動させて押し出しと引き抜きを行う、第2ボルト回転手段とを有することを特徴とする、請求項に記載のシールド掘進機。
【請求項4】
前記移載ベースには、該移載ベースに搭載されている前記収容ケースを把持する把持手段が設けられていることを特徴とする、請求項に記載のシールド掘進機。
【請求項5】
前記移載ベースには、前記開閉蓋をスライドさせる第3駆動手段が設けられていることを特徴とする、請求項3又は4に記載のシールド掘進機。
【請求項6】
前記カッタヘッドの背面において、スプリングライン上の左右の二箇所、もしくは左右のいずれか一箇所に、前記作業ピットが設けられており、
前記ガイドレールを水平姿勢にして前記ビット交換装置を移動させながら、前記カッタビットの交換が行われることを特徴とする、請求項1乃至のいずれか一項に記載のシールド掘進機。
【請求項7】
隔壁の前方にチャンバを備えているシールド本体と、該チャンバの前方に回転自在に配設され、複数のカッタビットが装着されているカッタヘッドとを有し、
前記カッタヘッドの前面には、前記カッタビットが出入りするビット開口が設けられ、
前記カッタヘッドの内部における前記ビット開口の背面には、該ビット開口を開閉する開閉蓋がスライド自在に設けられており、
ビット交換装置にて前記カッタビットが回収された際に、前記開閉蓋がスライドして、開放されている前記ビット開口が閉塞され、
前記ビット交換装置が新規のカッタビットを搬送してきた際に、前記開閉蓋がスライドして前記ビット開口が開放されるようになっている、シールド掘進機において、前記カッタビットを交換する、カッタビットの交換方法であって、
前記カッタヘッドまで作業ピットを移動させ、該作業ピットは、箱形のピット本体を備え、該ピット本体の前方には前方ハッチが設けられ、該ピット本体の後方には後方出入り口が設けられ、該ピット本体の左右の側面には移動機構が取り付けられ、該移動機構の一部が前記隔壁の後方に固定されていて、該移動機構により前記カッタヘッドまで移動自在であり、前記カッタヘッドの前面には、前記カッタビットが出入りするビット開口が設けられ、前記カッタヘッドの内部における前記ビット開口の背面には、該ビット開口を開閉する開閉蓋がスライド自在に設けられており、該カッタヘッドに対して該作業ピットを圧接させる、作業ピット移動設置工程と、
前記作業ピットの内部と前記カッタヘッドの内部を連通させ、該作業ピットの内部から該カッタヘッドの内部にあるガイドレールに対して前記ビット交換装置を送り出し、交換対象の前記カッタビットまで該ビット交換装置を移動させ、交換対象の該カッタビットを該ビット交換装置にて回収し、該ビット交換装置を該ガイドレールに沿って前記作業ピットまで移動させて該カッタビットを取り外し、新規の前記カッタビットを該ビット交換装置に設置し、該ビット交換装置を該ガイドレールに沿ってカッタビットの取り付け位置まで移動させて取り付ける、カッタビット交換工程とを有することを特徴とする、カッタビットの交換方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールド掘進機とカッタビットの交換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シールド工法では、例えばシールド掘進機による掘進長が長い場合に、地中においてカッタヘッドに装着されているカッタビットの交換が行われる場合がある。このカッタビットの交換に際しては、シールド掘進機におけるカッタヘッド後方のチャンバ内から切羽とカッタヘッドの間に作業員が入り、カッタヘッド前方からカッタビットの交換を行う方法や、カッタスポーク内から直接カッタビットの交換を行う方法が適用される。
上記するカッタスポーク内からのカッタビットの交換方法によれば、凍土の造成等を含む地盤改良を行うことなくカッタビットの交換が可能になることから、工費の削減と工期の短縮を図ることができる。ところで、カッタスポーク内からのカッタビットの交換方法には、シールド本体の軸芯にあるセンターシャフトに作業員が入り、センターシャフトから各カッタスポークの背面側に作業員が移動し、カッタビットを収容するカッタホルダを背面側に移動させてカッタビットの交換を行う方法や、カッタスポークに沿ってガイドレールに収納されたビットホルダを引き抜くことにより、カッタビットを機内に一度に取り込んでカッタビットの交換を行う方法などがある。しかしながら、これらの機内交換工法では、センターシャフトが自ずと大口径化し易く、例えば、カッタヘッドの口径が2m乃至9m程度の中・小口径のシールド掘進機への適用は困難と言える。
従って、大口径は勿論のこと、中・小口径のシールド掘進機に対しても、機内からのカッタビットの交換を行うことのできるシールド掘進機の開発やカッタビットの交換方法が望まれている。
【0003】
ここで、特許文献1には、機内からの広範囲なカッタビットの交換を可能にした、シールド掘進機とカッタビット交換方法が提案されている。具体的には、シールド本体において、カッタスポークを有するカッタヘッドをシールド軸心方向に沿ってチャンバ内に後退可能なカッタ後退機構と、伸縮スポークを収容してカッタビットの交換作業が可能な作業区画体と、作業区画体の前部に伸縮スポークを挿入可能な前面開口部と、伸縮スポークの収容前または収容後にそれぞれ前面開口部を開閉可能な前面開閉装置とが設けられ、半径方向の軸心周りに回動自在な円弧形断面の前面ゲートが前面開閉装置に設けられているシールド掘進機である。このシールド掘進機を適用したカッタビット交換方法は、上記シールド掘進機のカッタスポークに設けられているカッタビットの交換に際して、シールド本体前部の隔壁に設置されている作業区画体と、カッタヘッドとの少なくとも一方をシールド軸心方向に移動させてカッタスポークを作業区画体に収容し、カッタビットの交換作業を行う方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-266592号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のシールド掘進機とカッタビット交換方法によれば、機内からの広範囲なカッタビットの交換が可能になる。
ところで、特許文献1に記載のシールド掘進機では、カッタビットの交換に際してカッタスポークをチャンバ側へ後退させることとしているが、カッタスポークを後退させることにより、カッタスポークにて支持されていた切羽に対する支持力の低下が危惧される。
また、作業区画体をカッタスポーク側に移動させ、作業区画体の前面開口部を開閉可能な円弧形断面の前面ゲートを半径方向の軸心周りに回動させることにより前面開口部を開放し、カッタスポークを作業区画体の内部に収容するに当たり、この前面ゲートの回動の際に前面ゲートを切羽や周辺地盤に食い込ませ、カッタスポークの収容後は、切羽等に食い込ませた前面ゲートを閉合することになる。そのため、切羽等に食い込ませた前面ゲートの閉合が困難になる事態が危惧される。
また、前面開閉装置、区画体突出機構等、複数の駆動装置を要することから、シールド掘進機の内部構造が複雑になり易い。
さらに、作業区画体におけるカッタビットの交換は、カッタスポークのうちの作業区画体に収容された領域(作業員の手の届く領域)におけるカッタビットに限定されることから、カッタスポークに装着されている全てのカッタビットを交換することはできない。
【0006】
本発明は、比較的シンプルな構成にて、カッタヘッドにある全てのカッタビットの交換を、機内から安全かつスムーズに行うことのできる、シールド掘進機とカッタビットの交換方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成すべく、本発明によるシールド掘進機の一態様は、
隔壁の前方にチャンバを備えているシールド本体と、該チャンバの前方に回転自在に配設され、複数のカッタビットが装着されているカッタヘッドとを有する、シールド掘進機であって、
前記隔壁には、前方ハッチと後方出入り口を備えている作業ピットが設けられ、該作業ピットは、移動機構により前記カッタヘッドまで移動自在であり、
前記カッタヘッドの内部には、該カッタヘッドの放射方向に延設するガイドレールが設けられ、交換対象の前記カッタビットの設置位置と前記作業ピットの間を、該ガイドレールに沿ってビット交換装置が移動し、該ビット交換装置にて前記カッタビットの交換が実行されるようになっており、
前記移動機構により前方に移動された前記作業ピットが前記カッタヘッドに圧接され、前記作業ピットの内部に引き込まれた前記ビット交換装置から新旧の前記カッタビットが交換されることを特徴とする。
【0008】
本態様によれば、シールド本体の隔壁に設けられている作業ピットが、カッタヘッドまで移動してカッタヘッドに圧接される構成を有すること、及び、カッタヘッドの内部にあるガイドレールに沿ってビット交換装置が移動して、カッタビットの交換が実行される構成を有することにより、相互に圧接された状態のカッタヘッドと作業ピットを連通させて作業ピットの内部でビット交換装置から新旧のカッタビットの交換を実行でき、ビット交換装置をカッタヘッドの所望位置まで移動させてカッタビットの設置と取り外しを実行することができる。このことにより、カッタヘッドに装着されている全てのカッタビットのスムーズな交換を実現できる。
また、作業ピットの内部に例えばカッタスポークを収容する構成でないことから、作業ピットの前方にカッタスポークを収容するための特許文献1に記載の前面ゲートは不要であり、シールド本体の構造が可及的にシンプルになる。
ここで、本態様が対象とするシールド掘進機は、カッタヘッドが放射方向に延設する複数のカッタスポークを備え、各カッタスポークに複数のカッタビットが装着されている掘進機であってもよいし、面板状のカッタヘッドに複数のカッタビットが装着されている掘進機であってもよい。カッタヘッドが複数のカッタスポークを備えている形態では、各カッタスポークの内部において、その長手方向(カッタヘッドにおける放射方向)に延設するようにガイドレールが設けられる。
作業ピットにいる作業員は、操作ボックス等を用いた無線操作等により、ビット交換装置によるカッタヘッドからのカッタビットの取り外しやカッタヘッドへのカッタビットの設置、ガイドレールに沿ったビット交換装置の移動を操作できる。
本態様のシールド掘進機は、小口径から大口径までの様々な規模のシールド掘進機に適用可能であるが、作業員が入るスペースの作業ピットが隔壁とカッタヘッドの間を移動し、作業ピット内の操作によってカッタヘッド内をビット交換装置が移動するのみでカッタビットの交換ができ、センターシャフトの大口径化も不要であることから、特に中・小口径のシールド掘進機に好適である。尚、中・小口径のシールド掘進機においては、例えば隔壁のスプリングライン上の左右のいずれか一方に一台の作業ピットが移動自在に設けられていればよく、大口径のシールド掘進機においては、複数台の作業ピットを隔壁に設けることができる。
【0009】
ここで、「作業ピットがカッタヘッドに圧接される」形態としては、カッタヘッドの背面と作業ピットの前面が相互に圧接される形態や、カッタヘッドと作業ピットが膨張性の止水材を介して間接的に圧接される形態等が挙げられる。
作業ピットとカッタヘッドの圧接箇所においては、双方がメタルタッチされることにより、もしくは少なくとも一方に取り付けられている止水材が介在して双方が圧接されること等により、高い止水性を確保した状態で作業ピットとカッタヘッドの圧接姿勢が形成される。
【0010】
また、本発明によるシールド掘進機の他の態様において、
前記カッタヘッドの前面には、前記カッタビットが出入りするビット開口が設けられ、
前記カッタヘッドの内部における前記ビット開口の背面には、該ビット開口を開閉する開閉蓋がスライド自在に設けられており、
前記ビット交換装置にて前記カッタビットが回収された際に、前記開閉蓋がスライドして、開放されている前記ビット開口が閉塞され、
前記ビット交換装置が新規のカッタビットを搬送してきた際に、前記開閉蓋がスライドして前記ビット開口が開放されることを特徴とする。
【0011】
本態様によれば、カッタヘッドの内部におけるビット開口の背面において、ビット開口を開閉する開閉蓋がスライド自在に設けられていることにより、カッタビットの回収の際に開閉蓋がビット開口を閉塞することで、一時的にカッタビットが取り外されたビット開口からの地下水の浸入を防止できる。
【0012】
また、本発明によるシールド掘進機の他の態様において、
前記カッタヘッドの内部における前記カッタビットの後方には、該カッタビットを収容する収容ケースが取り付けられており、
前記ビット開口から前記カッタビットが取り外される際は、前記ビット交換装置により、該カッタビットが後方へ引き込まれて前記収容ケースに収容され、次いで前記カッタヘッドから該収容ケースが取り外されて該ビット交換装置に搭載され、
前記ビット開口に対して新規のカッタビットが設置される際は、前記ビット交換装置により、該新規のカッタビットが収容されている前記収容ケースが前記カッタヘッドに取り付けられ、次いで前記開閉蓋がスライドされて前記ビット開口が開放され、次いで該ビット開口に対して該新規のカッタビットが押し出されることを特徴とする。
【0013】
本態様によれば、ビット開口からカッタビットを取り外す際に、カッタヘッドに取り付けられている収容ケースにカッタビットが収容され、ビット開口にカッタビットを設置する際に、カッタヘッドに取り付けられた収容ケースからカッタビットが押し出されることにより、安定的なカッタビットのビット開口からの取り外しとビット開口への設置を実現できる。
【0014】
また、本発明によるシールド掘進機の他の態様において、
前記ビット交換装置は、
交換対象の前記カッタビットの位置を特定する、特定手段と、
前記ガイドレールに沿って移動する走行ベースと、
前記走行ベースの上を移動して、前記ビット開口への前記カッタビットの押し出しと、該ビット開口からの該カッタビットの引き抜きを行う、移載ベースと、
前記走行ベースを移動させる第1駆動手段と、
前記移載ベースを移動させる第2駆動手段と、
前記カッタヘッドに対して前記収容ケースをボルト固定する際に、固定ボルトを回転させる第1ボルト回転手段と、
収容ケースからカッタビットを前方へ押し出す際と、前記ビット開口から前記カッタビットを後方へ引き込む際に、該カッタビットの内部にあるボルト孔に対して押し引きボルトを螺合させ、該押し引きボルトを回転させることにより、該カッタビットを相対移動させて押し出しと引き抜きを行う、第2ボルト回転手段とを有することを特徴とする。
【0015】
本態様によれば、ビット交換装置が、ガイドレールに沿って走行する走行ベースと、走行ベースの上を移動してカッタビットの押し出しと引き抜きを行う移載ベースを備えていることにより、ガイドレールに沿う走行とカッタビットの交換の双方を実現できる、可及的に構成がコンパクトな装置となる。ここで、第1駆動手段や第2駆動手段等のシーケンシャルな駆動制御も、自動的に実行されてもよいし、作業ピット内にいる作業員が遠隔操作にて実行してもよい。
【0016】
また、本発明によるシールド掘進機の他の態様において、
前記移載ベースには、該移載ベースに搭載されている前記収容ケースを把持する把持手段が設けられていることを特徴とする。
【0017】
本態様によれば、移載ベースに搭載されている収容ケースを把持する把持手段が移載ベースに設けられていることにより、カッタヘッドからの収容ケースの取り外しやカッタヘッドへの収容ケースの取り付けをスムーズかつ確実に実行することができる。
【0018】
また、本発明によるシールド掘進機の他の態様において、
前記移載ベースには、前記開閉蓋をスライドさせる第3駆動手段が設けられていることを特徴とする。
【0019】
本態様によれば、開閉蓋をスライドさせる第3駆動手段が移載ベースに設けられていることにより、ビット開口に対してカッタビットを交換する前後において、開閉蓋のスライドをスムーズかつ連続的に実行することができる。
【0020】
また、本発明によるシールド掘進機の他の態様において、
前記カッタヘッドの背面において、スプリングライン上の左右の二箇所、もしくは左右のいずれか一箇所に、前記作業ピットが設けられており、
前記ガイドレールを水平姿勢にして前記ビット交換装置を移動させながら、前記カッタビットの交換が行われることを特徴とする。
【0021】
本態様によれば、カッタヘッドの背面のスプリングライン上の左右の二箇所、もしくは左右のいずれか一箇所に作業ピットが設けられ、スプリングライン上に位置合わせされた水平姿勢のガイドレールに沿ってビット交換装置を移動させることにより、ビット交換装置をガイドレールから脱落させずに走行させることができる。
尚、ガイドレールが傾斜姿勢や鉛直姿勢でもビット交換装置が脱落しない態様でガイドレールに対して走行自在に装着されている場合は、スプリングライン上にある作業ピットの他に、傾斜位置やセンターライン上に別途の作業ピットが設けられ、この作業ピットにガイドレールが位置合わせされてもよい。
【0022】
また、本発明によるカッタビットの交換方法の一態様は、
隔壁の前方にチャンバを備えているシールド本体と、該チャンバの前方に回転自在に配設され、複数のカッタビットが装着されているカッタヘッドとを有するシールド掘進機において、前記カッタビットを交換する、カッタビットの交換方法であって、
前記カッタヘッドまで作業ピットを移動させ、該カッタヘッドに対して該作業ピットを圧接させる、作業ピット移動設置工程と、
前記作業ピットの内部と前記カッタヘッドの内部を連通させ、該作業ピットの内部から該カッタヘッドの内部にあるガイドレールに対してビット交換装置を送り出し、交換対象の前記カッタビットまで該ビット交換装置を移動させ、交換対象の該カッタビットを該ビット交換装置にて回収し、該ビット交換装置を該ガイドレールに沿って前記作業ピットまで移動させて該カッタビットを取り外し、新規の前記カッタビットを該ビット交換装置に設置し、該ビット交換装置を該ガイドレールに沿ってカッタビットの取り付け位置まで移動させて取り付ける、カッタビット交換工程とを有することを特徴とする。
【0023】
本態様によれば、作業ピット移動設置工程にて作業ピットをカッタヘッドまで移動させ、カッタヘッドに対して作業ピットを圧接させることにより、切羽を含む周辺地山から影響を受けることなく、シールド本体の内部においてカッタビットの交換準備を行うことができる。
作業ピット移動設置工程に続くカッタビット交換工程において、カッタヘッドの内部と作業ピットを連通させ、カッタヘッドの内部にあるガイドレールに沿って新旧のカッタビットが搭載されたビット交換装置を移動させ、作業ピットの内部においてビット交換装置からカッタビットの交換を行うことにより、高い施工安全性の下で効率的に、カッタヘッドに装着されている全てのカッタビットの交換を行うことができる。
【0024】
例えば、カッタヘッドが複数のカッタスポークを備えていて、カッタヘッドの背面のスプリングライン上の左右のいずれか一箇所に作業ピットが設けられている場合は、一つのカッタスポークにおけるカッタビットの交換が終了した後、カッタヘッドを所定角度回動させ、次に交換されるカッタビットを備えているカッタスポークをスプリングライン上に位置する作業ピットの前面に位置合わせし、作業ピット移動設置工程とカッタビット交換工程を行い、これを全てのカッタスポークに対して順次実行することにより、例えば一台の作業ピットにて全てのカッタスポークにおけるカッタビットの交換を行うことができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明のシールド掘進機とカッタビットの交換方法によれば、比較的シンプルな構成にて、カッタスポークにある全てのカッタビットの交換を、機内から安全かつスムーズに行うことができる、
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】実施形態に係るシールド掘進機の一例の縦断面図であって、かつ、実施形態に係るカッタビットの交換方法の一例における、作業ピット移動設置工程を説明する工程図である。
図2図1のII方向矢視図である。
図3図1のIII-III矢視図である。
図4図1のIV方向矢視図である。
図5】ガイドレールに沿うビット交換装置の移動とカッタビットの取り外しを説明する図である。
図6】ビット交換装置の一例を説明する構成図である。
図7図5に続いて、ガイドレールに沿うビット交換装置の移動とカッタビットの取り外しを説明する図である。
図8図7に続いて、ガイドレールに沿うビット交換装置の移動とカッタビットの取り外しを説明する図である。
図9】実施形態に係るカッタビットの交換方法の一例における、カッタビット交換工程を説明する工程図である。
図10図9に続いて、カッタビットの交換工程を説明する工程図である。
図11図10に続いて、カッタビットの交換工程を説明する工程図である。
図12図11に続いて、カッタビットの交換工程を説明する工程図である。
図13図12に続いて、カッタビットの交換工程を説明する工程図である。
図14図13に続いて、カッタビットの交換工程を説明する工程図である。
図15図14に続いて、カッタビットの交換工程を説明する工程図である。
図16図15に続いて、カッタビットの交換工程を説明する工程図である。
図17図16に続いて、カッタビットの交換工程を説明する工程図である。
図18図17に続いて、カッタビットの交換工程を説明する工程図である。
図19図18に続いて、カッタビットの交換工程を説明する工程図である。
図20図19に続いて、カッタビットの交換工程を説明する工程図である。
図21図20に続いて、カッタビットの交換工程を説明する工程図である。
図22図21に続いて、カッタビットの交換工程を説明する工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、実施形態に係るシールド掘進機とカッタビットの交換方法について、添付の図面を参照しながら説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く場合がある。
【0028】
[実施形態に係るシールド掘進機とカッタビットの交換方法]
<シールド掘進機>
はじめに、図1乃至図4を参照して、実施形態に係るシールド掘進機の一例について説明する。図1は、実施形態に係るシールド掘進機の一例の縦断面図であり、図2乃至図4はそれぞれ、図1のII方向矢視図、III-III矢視図、及びIV方向矢視図である。尚、適宜、図7等も参照する。また、図1はさらに、実施形態に係るカッタビットの交換方法の一例における、作業ピット移動設置工程を説明する工程図であり、カッタビットの交換方法の説明の際にも参照する。
【0029】
図示するシールド掘進機100は中折れ式のシールド掘進機であり、前胴10Aと後胴10Bにより構成されるシールド本体10と、シールド本体10の掘進方向前方に回転自在に取り付けられているカッタヘッド20とを有し、カッタヘッド20が複数のカッタスポーク22を備える、土圧式シールド掘進機(泥土圧式シールド掘進機を含む)である。ここで、シールド掘進機は、面板状のカッタヘッドを備えている、泥水式シールド掘進機であってもよい。また、シールド掘進機としては、中折れ式のシールド掘進機の他、中折れ機構を備えていない一般のシールド掘進機であってもよい。さらに、図示例のシールド掘進機100は、口径が2m乃至9m程度の中・小口径のシールド掘進機であるが、大口径のシールド掘進機であってもよい。
【0030】
シールド本体10は、カッタヘッド20の後方に隔壁11を備え、隔壁11とカッタヘッド20の間には、掘削された土砂を取り込むチャンバ13を備えており、隔壁11のチャンバ13に面する側面に複数の固定翼12が設けられ、カッタヘッド20のチャンバ13に面する背面に撹拌翼21が設けられている。チャンバ13の内部に取り込まれた土砂に対して加泥材が供給され、カッタヘッド20の回転に応じて撹拌翼21を回転させることにより、固定翼12と回転する撹拌翼21にて土砂が塑性流動化される。
【0031】
隔壁11の背面の中央近傍には、複数のカッタヘッド駆動用油圧モータ14が設けられ、隔壁11の背面の下方から後胴10Bに亘り、チャンバ13に連通するスクリュコンベア15が傾斜した姿勢で延設しており、チャンバ13の内部において塑性流動化された混合土砂は、スクリュコンベア15にてシールド掘進機100の後方に搬送されるようになっている。
【0032】
前胴10Aには中折れジャッキ18が取り付けられており、中折れジャッキ18の一端が後胴10Bの前方に固定されている。ここで、図1には、一基の中折れジャッキ18のみを示しているが、複数の中折れジャッキ18が前胴10Aの内部においてその周方向に間隔を置いて配設され、それらの一端が後胴10Bに固定されている。
【0033】
シールド本体10の内周面には、複数のシールドジャッキ16が取り付けられており(図1では一基のシールドジャッキのみを図示)、後胴10Bにあるエレクタ装置17により複数のセグメントSがリング状に組み付けられたセグメントリングに対して、シールドジャッキ16を伸張させ、セグメントリングを押圧することにより、シールド掘進機100が掘進方向に掘進されるようになっている。また、後胴10Bの後方内側には、複数箇所において、周方向に亘るテールシール(図示せず)が設けられており、設置されたセグメントリングに対してテールシールが常時摺接することにより、後胴10Bの止水性が確保される。
【0034】
カッタヘッド20は、中央のボス部材から径方向(放射状)に延設する複数のカッタスポーク22を備える。また、カッタスポーク22の内部には、その長手方向に亘り間隔を置いて複数のカッタビット30A,30Bが装着されており、カッタスポーク22の外周端にはコピーカッタ30Dが出没自在に装着されている。
【0035】
図示例のシールド掘進機100において、カッタスポーク22の内部にあるカッタビット30のうち、最外縁にあるカッタビット30Bと、径方向内側にある複数のカッタビット30Aはいずれも、シールド本体10の内部(機内側)から交換自在となっている。
【0036】
図1及び図3に示すように、正面視円形の隔壁11のスプリングラインSL上の左側には、一台の作業ピット40がカッタスポーク22の背面と隔壁11の間をX1方向に移動自在に配設されており、カッタビットの交換に際してカッタスポーク22側に移動された作業ピット40は、カッタスポーク22と圧接されるようになっている。
【0037】
ここで、作業ピット40の設置位置は、スプリングラインSL上の右側であってもよいし、スプリングラインSL上の左右両側であってもよい。さらには、スプリングラインSL上の少なくとも左右いずれか一方に設置される他に、センターラインCL上の上方や、スプリングラインSLとセンターラインCLの間の斜め上方等に設置されてもよい。
【0038】
図示例のシールド掘進機100は中・小口径のシールド掘進機であるため、スペースの関係から、作業員Pが屈んだ姿勢で入り込める程度の内部空間を備えた一台の作業ピット40を有するが、大口径のシールド掘進機の場合には、正面視円形の隔壁の周方向に、広い内部空間を備えた複数の作業ピットが設けられてもよい。
【0039】
図4に示すように、作業ピット40は箱形のピット本体41を備えており、ピット本体41の前方には前方ハッチ42が設けられ、ピット本体41の後方には作業員Pが出入り自在な後方出入り口43が設けられている。ピット本体41の左右の側面には移動機構である伸縮ジャッキ44が取り付けられており、伸縮ジャッキ44を構成するシリンダ44aの一部が固定翼12の中空部に挿入され、固定翼12により防護されている。
【0040】
このように、作業ピット40を構成する移動機構44の一部が固定翼12の内部に挿通された状態で隔壁11の後方に固定されていることにより、スペースの狭いシールド本体10においてその内部に露出する機器を可及的に削減することができ、シンプルな内部構成を形成できる。
【0041】
ピット本体41の前方ハッチ42の周囲には、洗浄機構45を構成する複数の注入管が取り付けられており、洗浄機構45により、カッタスポーク22と作業ピット40の圧接箇所が圧接前洗浄されるようになっている。
【0042】
図7に示すように、カッタスポーク22の前面には、カッタビット30が着脱されるビット開口23が開設されている。ここで、図5以降においては、理解を容易にするべく、カッタスポーク22の前面に1つのビット開口23のみを図示し、このビット開口23に対するカッタビット30の交換を説明しているが、実際には、図1に示すようにカッタスポーク22の長手方向に亘って装着されている、複数のカッタビット30に応じたビット開口23が設けられている。
【0043】
図5図7及び図8に示すように、カッタスポーク22の背面のうち、圧接された作業ピット40の前方ハッチ42に対応する位置には、背面開口27が設けられている。背面開口27には、不図示の背面ハッチが、スライド自在に、もしくは蝶番を介して回動自在に、もしくは取り外し自在に設けられており、作業ピット40がカッタスポーク22の背面に圧接していない状況下においては、背面開口27は背面ハッチにて完全に閉塞され、チャンバ13内にある土砂がカッタスポーク22の内部に入り込まないようになっている。
【0044】
一方、作業ピット40がカッタスポーク22の背面に圧接した際には、作業ピット40の前方ハッチ42とカッタスポークの22の背面ハッチがともに開放されることにより、作業ピット40とカッタスポーク22の内部が相互に連通される。作業ピット40の内部にいる作業員Pは、図5等に示すビット交換装置50を、手を伸ばしてカッタスポーク22の内部にあるガイドレール28に設置したり、ガイドレール28の端部にあるビット交換装置50を作業ピット40内に取り入れることが可能になる。
【0045】
ここで、図示を省略するが、カッタスポーク22の内部にあるガイドレール28と繋がる引き込みレールが、作業ピット40の内部に設けられていてもよい。例えばガイドレール28の端部に不図示のターンテーブルが設けられ、このターンテーブルに対して作業ピット内にある引き込みレールが接続されることにより、作業ピット40内において作業員Pが引き込みレールにビット交換装置50を設置することで、ビット交換装置50はターンテーブルまで自走し、ターンテーブルで方向を90度変えて、ガイドレール28に沿って所定のビット開口23まで移動することができる。
【0046】
さらに、図示を省略するが、シールド掘進機100には、各種機器の動作を制御する制御盤が設けられている。制御盤は、シールド掘進機100の後続台車(図示せず)内に装備されてもよいし、地上の遠隔操作室(図示せず)に装備されてもよいし、シールド掘進機100の機内に装備されてもよく、シールド掘進機100の運転操作装置の一部である。
【0047】
制御盤はコンピュータにより構成されており、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、無線通信装置、表示装置、及び入力装置等を有し、それらがシステムバスにてデータ通信可能に接続されている。ROMには、各種のプログラムやプログラムによって利用されるデータ等が記憶されている。RAMは、ROMに記憶されているプログラムをロードするための記憶領域や、ロードされたプログラムのワーク領域として用いられる。
【0048】
例えば、カッタスポーク22に対して作業ピット40の前面が圧接する際の好適な圧力値レンジ(止水性が保証され、圧接箇所を破損させない圧力値レンジ)が設定されていて、作業ピット40がカッタスポーク22に対して圧力値レンジ内に入った段階で作業ピット40の移動を停止するプログラムが記憶されている。CPUは、RAMにロードされたプログラムを処理することにより、各種の機能を実現する。制御盤はその他、インストールされたプログラム等を記憶する補助記憶装置(図示せず)を有していてもよい。
【0049】
<ビット交換装置>
次に、図5乃至図8を参照して、ビット交換装置の一例について説明する。ここで、図5図7及び図8は順に、ガイドレールに沿うビット交換装置の移動とカッタビットの取り外しを説明する図であり、図6は、ビット交換装置の一例を説明する構成図である。
【0050】
カッタスポーク22の内側の背面のうち、カッタビット30が設置されるビット開口23に対応する位置には、係合枠24が取り付けられており、係合枠24には開閉蓋25が左右にスライド自在に係合されている。
【0051】
図7に示すように、開閉蓋25は中央開口25aを備えており、ビット開口23にカッタビット30を設置する際には、中央開口25aがビット開口23に位置合わせされ、カッタビット30が中央開口25aとビット開口23に挿通された後に、カッタスポーク22の前方に突設されるようになっている。
【0052】
カッタビット30は収容ケース31に収容されており、図7に示すように、係合枠24の備えるボルト孔24aに対して収容ケース31の備える固定ボルト33が螺合されることにより、カッタスポーク22に対してカッタビット30が設置される。
【0053】
カッタスポーク22の内部には、その長手方向に延設するガイドレール28と、ガイドレール28と並行する二条の補助レール29が設けられている。ガイドレール28はラックであり、ビット交換装置50の備えるピニオンギア付きモータ53(第1駆動手段の一例)のピニオンギアがラックに係合した状態でピニオンギア付きモータ53が駆動することにより、交換対象のカッタビット30の設置位置と作業ピット40に対応する端部位置の間をビット交換装置50が移動するようになっている。
【0054】
ビット交換装置50の備える走行ベース51の下面には係合脚51bが設けられており、ガイドレール28に対してピニオンギア付きモータ53のピニオンギアが係合された際に、補助レール29に対して係合脚51bが移動自在に係合されることにより、ビット交換装置50がガイドレール28から係脱することなく移動できるようになっている。
【0055】
カッタビット30の交換に際しては、作業ピット40から作業員Pが手を伸ばして、背面開口27を介してビット交換装置50がガイドレール28に設置される。
【0056】
ガイドレール28に設置されたビット交換装置50は、図5に示すようにガイドレール28に沿って交換対象のカッタビット30の設置位置までX2方向に移動する。
【0057】
ここで、図6を主に参照しながら、ビット交換装置50の具体的な構成について説明する。ビット交換装置50は、ガイドレール28に沿って移動する走行ベース51と、走行ベース51の上を移動して、ビット開口23へのカッタビット30の押し出しと、ビット開口23からのカッタビット30の引き抜きを行う、移載ベース52とを有する。
【0058】
図5に示すように、走行ベース51の上面には、移載ベース52を移動させる第2駆動手段54が設けられている。ここで、第2駆動手段54は、例えばシリンダユニットにより形成される。
【0059】
走行ベース51の上面には、ガイドレール28に直交する方向に延びる係合雄51aが上方に突設しており、移載ベース52の下面における係合雄51aに対応する位置には、係合雌52aが設けられている。係合雌52aに対して係合雄51aがスライド自在に係合することにより、図5に示すように、第2駆動手段54にて押し出された移載ベース52がビット開口23側へY1方向に移動し、また、図7に示すように、第2駆動手段54にて引き込まれた移載ベース52がビット開口23と反対側へY2方向に移動する。
【0060】
移載ベース52には、交換対象のカッタビット30の位置を特定する、特定手段59が設けられている。特定手段59には、カメラやセンサ等が含まれ、カッタスポーク22の内部における各カッタビット30の設置位置に設けられている不図示の視準点(ターゲット)を例えばカメラ59が撮像し、作業ピット40内にいる作業員Pがカメラ59の映像を確認しながら、カメラ59が視準点に正対した位置にてビット交換装置50を停止させる。ここで、カメラ59が視準点に正対した位置で、ビット交換装置50が自動的に停止する形態であってもよい。
【0061】
移載ベース52にはその他、走行ベース51を移動させるピニオンギア付きモータ53と、第1ボルト回転手段55と第2ボルト回転手段56とが搭載されている。第1ボルト回転手段55は例えばモータにより形成され、カッタスポーク22に対して収容ケース31をボルト固定する際と、カッタスポーク22から収容ケース31を取り外す際に固定ボルト33を回転させる回転手段である。
【0062】
一方、第2ボルト回転手段56は例えばモータにより形成され、収容ケース31からカッタビット30を前方へ押し出す際と、ビット開口23からカッタビット30を後方へ引き込む際に、カッタビットの内部にある不図示のボルト孔に対して押し引きボルト35(図20参照)を螺合させ、押し引きボルト35を回転させることにより、カッタビット30を相対移動させて押し出しと引き抜きを行う回転手段である。
【0063】
移載ベース52にはその他、図7に示すように、移載ベース52に搭載されている収容ケース31をその両側から把持する把持手段57が設けられている。把持手段57は、例えばシリンダユニットにより形成される。
【0064】
移載ベース52にはその他、開閉蓋25をスライドさせる第3駆動手段58と、第3駆動手段58を移動させる第4駆動手段60が搭載さえている。ここで、第3駆動手段58は例えばモータにより形成され、第4駆動手段60はシリンダユニットにより形成される。
【0065】
開閉蓋25は、開閉減速スパイラルギヤユニット26により、側方へスライドされるようになっている。
【0066】
開閉蓋25の側方へのスライドに際しては、シリンダユニット60によってモータ58が前方へ移動され、開閉減速スパイラルギヤユニット26に対してモータ58が装着された後、モータ58の駆動軸の右回りもしくは左回りの駆動により、開閉蓋25が係合枠24に沿って左右にスライドする。
【0067】
例えば、図5に示すように、ビット開口23にカッタビット30が設置されている際は、開閉蓋25が係合枠24に完全に嵌まり込むことにより、中央開口25aがビット開口23に位置合わせされる。
【0068】
一方、図8に示すように、カッタビット30の交換の際に一時的にビット開口23を閉塞する際は、係合枠24に対して左側に開閉蓋25がスライドされていることにより、開閉蓋25の一部がビット開口23を完全に閉塞し、ビット開口23を介して外部から地下水がカッタスポーク22の内部に浸入することが抑止される。
【0069】
図5に示すように、移載ベース52が前方へY1方向に移動し、カッタビット30の内部にあるボルト溝に螺合して押し引きボルト35にモータ56が装着されて回動することにより、収容ケース31の内部にカッタビット30が引き込まれる。その後、モータ55が固定ボルト33の端部に装着されて固定ボルト33を回転させることにより、カッタスポーク22に対する収容ケース31の固定ボルト33による固定が解除される。
【0070】
次いで、図7に示すように、移載ベース52が後方へY2方向に移動されることにより、カッタビット30が収容された収容ケース31が回収される。
【0071】
図8に示すように、収容ケース31とともにカッタビット30を回収したビット交換装置50は、ガイドレール28に沿ってカッタスポーク22の背面開口27に対応する位置までX3方向に移動し、背面開口27を介してカッタスポーク22の内部に連通している作業ピット40にいる作業員Pが手を伸ばして、ビット交換装置50を作業ピット40内に回収する。
【0072】
作業ピット40では、作業員Pがビット交換装置50に搭載されている収容ケース31から交換対象のカッタビット30を取り外し、新規のカッタビット30を収容ケース31に収容してビット交換装置50に搭載し、ビット交換装置50をガイドレール28に設置し、図8に示すビット開口23まで移動させる。ビット開口23に位置決めされたビット交換装置50を用いて、ビット開口23を一時的に閉塞している開閉蓋25をスライドさせてビット開口23を開放し、新規のカッタビット30をビット開口23に設置することにより、新旧のカッタビット30の交換が行われる。
【0073】
上記するビット交換装置50の備える各駆動手段の駆動や停止は、作業ピット40内にいる作業員Pの備える不図示の操作ボックス等により操作される。作業ピットPの内部には、カメラ59による撮像画像が表示される不図示のモニターが装備されており、作業員Pは、モニターでビット交換装置50の各種動作や位置を確認しながら、一連のシーケンシャルな操作を実行する。
【0074】
ビット交換装置50を備えたシールド掘進機100によれば、シールド本体10の隔壁11に設けられている作業ピット40が、カッタスポーク22まで移動してカッタスポーク22に圧接される構成を有すること、及び、カッタスポーク22の内部にあるガイドレール28に沿ってビット交換装置50が移動して、カッタビット30の交換が実行される構成を有することにより、相互に圧接された状態のカッタスポーク22と作業ピット40を連通させて作業ピット40の内部でビット交換装置50から新旧のカッタビット30の交換を実行でき、ビット交換装置50をカッタスポーク22の所望位置まで移動させてカッタビット30の設置と取り外しを実行することができる。このことにより、カッタスポーク22に装着されている全てのカッタビット30のスムーズな交換を実現できる。
【0075】
また、作業ピット40の内部にカッタスポーク22を収容する構成でないことから、作業ピット40の前方にカッタスポーク22を収容するための前面ゲート等は不要であり、シールド本体10の構造が可及的にシンプルになる。
【0076】
<カッタビットの交換方法>
次に、図1及び図6と、図9乃至図22を参照して、カッタビットの交換方法の一例について説明する。ここで、図1及び図6図9乃至図22は順に、カッタビットの交換方法を説明する工程図であり、より詳細には、図6図9乃至図15は、ビット開口23から交換対象のカッタビット30を取り外して回収する一連の工程を説明した図であり、図16乃至図22は、新規のカッタビット30をビット開口23に設置する一連の工程を説明した図である。また、図10乃至図13等は、収容ケース31の内部を視認できるように、収容ケース31の上面を取り除いて図示している。
【0077】
実施形態に係るカッタビットの交換方法は、地中を掘進中のシールド掘進機100を地中にて停止させ、地中にて複数のカッタスポーク22の備えるカッタビット30の一部もしくは全部の交換を行う交換方法である。
【0078】
図示例のシールド掘進機100は、カッタヘッド20の背面のスプリングラインSL上の左側に作業ピット40がアクセスして圧接されることから、カッタヘッド20を回動させて、交換対象のカッタビット30を備えているカッタスポーク22をスプリングラインSL上の左側に位置合わせする。このように、交換対象のカッタビット30を備えたカッタスポーク22がスプリングラインSL上に位置合わせされることにより、カッタスポーク22が水平面に位置合わせされることになり、水平面上に延びるガイドレール28に沿って、ビット交換装置50が安定した姿勢で移動することが可能になる。
【0079】
スプリングラインSLの左側にカッタスポーク22を位置合わせした後、図1に示すように作業ピット40を前方のカッタスポーク22側へX1方向に移動させ、カッタスポーク22の背面に作業ピット40を圧接する。この圧接に際して、カッタスポーク22の被圧接箇所と作業ピット40の圧接箇所にチャンバ13内の土砂が付着している場合は、図4に示す洗浄機構45によって洗浄した後に作業ピット40の圧接を実行する(以上、作業ピット移動設置工程)。
【0080】
次に、カッタビット交換工程のうち、ビット開口23から交換対象のカッタビット30を取り外して回収する一連の工程を、図9乃至図15を参照して説明する。
【0081】
図5に示すように、ガイドレール28に沿って走行ベース51をX2方向に移動させ、カメラ59が不図示の視準点を撮像し、カメラ59の撮像画像をモニターを介して確認している作業員Pは、視準点に正対した位置でビット交換装置50を停止させる。
【0082】
次いで、図9に示すように、シリンダユニット54を駆動して移載ベース52を前方へY1方向に移動させ、カッタスポーク22に固定されている収容ケース31の左右にあるシリンダユニット57をY3方向に駆動させることにより、収容ケース31を左右のシリンダユニット57にて把持させる。
【0083】
次いで、図10に示すように、収容ケース31内にある押し引きボルト35に対して、モータ56を装着する。
【0084】
押し引きボルト35の一部が、ボルト孔30aを介して内部のボルト溝に螺合した状態で押し引きボルト35が回転すると、収容ケース31にて回転が阻止されているカッタビット30は押し引きボルト35に沿って移動する。一方向に押し引きボルト35が回転すると、カッタビット30から押し引きボルト35が押し出され、他方向に押し引きボルト35が回転すると、カッタビット30に押し引きボルト35が収容され、この収容過程でカッタビット30が収容ケース31内に収容されるようになっている。
【0085】
図11に示すように、モータ56を駆動することにより、カッタビット30が後方へY4方向に引き戻され、ビット開口23を通り、開閉蓋25の中央開口25aを通ったカッタビット30は収容ケース31の内部に収容される。
【0086】
次いで、図12に示すように、シリンダユニット60によってモータ58を前方へY5方向に移動させ、開閉減速スパイラルギヤユニット26に対してモータ58を装着する。
【0087】
図13に示すように、モータ58を駆動することにより、開閉蓋25を係合枠24に沿って左側へZ1方向にスライドさせることで、カッタビット30が引き抜かれて開放されたビット開口23を、開閉蓋25にて閉塞する。
【0088】
次いで、図14に示すように、シリンダユニット60によってモータ58を後方へY6方向に移動させて開閉減速スパイラルギヤユニット26への装着を解除する。その後、モータ55を固定ボルト33の端部に装着し、モータ55を駆動して固定ボルト33を回転させることにより、カッタスポーク22に対する収容ケース31の固定ボルト33による固定を解除する。
【0089】
次いで、図15に示すように、シリンダユニット54を駆動して移載ベース52を後方へY2方向に移動させることにより、カッタビット30が収容された収容ケース31を回収する。ピニオンギア付きモータ53を駆動して、回収されたカッタビット30を搭載するビット交換装置50をガイドレール28に沿って背面開口27に対応する位置までX3方向に移動させ、作業ピット40にいる作業員Pが背面開口27を介してビット交換装置50を作業ピット40に取り込む。
【0090】
以上が、ビット交換装置50を用いたカッタビット30の回収方法となる。次に、図16乃至図22を参照して、新規のカッタビット30をビット開口23に設置する一連の工程を説明する。
【0091】
作業ピット40において、作業員Pにより収容ケース31から交換対象のカッタビット30が回収され、新規のカッタビット30が収容ケース31に収容されてビット交換装置50に搭載され、新規のカッタビット30を搭載したビット交換装置50がカッタスポーク22の内部に戻されてガイドレール28に設置される。そして、図16に示すように、ビット交換装置50をガイドレール28に沿ってX2方向に移動させ、ビット開口23に正対する位置に位置合わせする。
【0092】
次いで、図17に示すように、シリンダユニット54を駆動して移載ベース52を前方へY1方向に移動させ、モータ55を固定ボルト33の端部に装着し、モータ55を駆動して固定ボルト33を回転させることにより、カッタスポーク22に対して収容ケース31を固定ボルト33を介して固定する。
【0093】
次いで、図18に示すように、シリンダユニット60によってモータ58を前方へY5方向に移動させ、開閉減速スパイラルギヤユニット26に対してモータ58を装着する。
【0094】
図19に示すように、モータ58を駆動させることにより、開閉蓋25を係合枠24に沿って右側へZ2方向にスライドさせ、ビット開口23に中央開口25aを位置合わせすることにより、開閉蓋25にて閉塞されていたビット開口23を開放する。
【0095】
次いで、図20に示すように、収容ケース31内にある押し引きボルト35に対して、モータ56を装着し、モータ56を駆動することにより、収容ケース31からカッタビット30を前方へY7方向に押し出し、中央開口25aを通り、ビット開口23を通ったカッタビット30の一部をカッタスポーク22の前方へ突出させる。
【0096】
次いで、図21に示すように、シリンダユニット57をY8方向に駆動して、収容ケース31に対するシリンダユニット57による把持を解除し、図22に示すように、シリンダユニット54を駆動して移載ベース52を後方へY2方向に移動させることにより、カッタスポーク22に対する新規のカッタビット30の設置が完了する。
【0097】
ピニオンギア付きモータ53を駆動して、ビット交換装置50をガイドレール28に沿って背面開口27に対応する位置までX3方向に移動させ、作業ピット40から作業員Pがビット交換装置50を取り込むことにより、カッタビット交換工程が終了する。
【0098】
一つのカッタスポーク22において交換対象のカッタビット30が複数存在する場合は、上記する一連の工程を同様に実行する。
【0099】
そして、交換対象のカッタビット30を備えた複数のカッタスポーク22が存在する場合は、一つのカッタスポーク22におけるカッタビット30の交換が終了した後、カッタヘッド20を所定角度回動させ、次に交換されるカッタビット30を備えているカッタスポーク22をスプリングラインSL上に位置する作業ピット40の前面に位置合わせし、同様に作業ピット移動設置工程とカッタビット交換工程を行う。
【0100】
図示するカッタビットの交換方法によれば、作業ピット移動設置工程にて作業ピット40をカッタスポーク22まで移動させ、カッタスポーク22に対して作業ピット40を圧接させることにより、切羽を含む周辺地山から影響を受けることなく、シールド本体10の内部においてカッタビット30の交換準備を行うことができる。
【0101】
作業ピット移動設置工程に続くカッタビット交換工程において、カッタスポーク22の内部と作業ピット40を連通し、カッタスポーク22の内部にあるガイドレール28に沿って新旧のカッタビット30が搭載されたビット交換装置50を移動させ、作業ピット40の内部においてビット交換装置50からカッタビット30の交換を行うことにより、高い施工安全性の下で効率的に、カッタスポーク22に装着されている全てのカッタビット30の交換を行うことができる。
【0102】
上記実施形態に挙げた構成等に対し、その他の構成要素が組み合わされるなどした他の実施形態であってもよく、また、本発明はここで示した構成に何等限定されるものではない。この点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0103】
10:シールド本体
10A:前胴
10B:後胴
11:隔壁
12:固定翼
13:チャンバ
14:カッタヘッド駆動用油圧モータ
15:スクリュコンベア
16:シールドジャッキ
17:エレクタ装置
18:中折れジャッキ
20;カッタヘッド
21:撹拌翼
22:カッタスポーク
23:ビット開口
24:係合枠
24a:ボルト孔
25:開閉蓋
25a:中央開口
26:開閉減速スパイラルギヤユニット
27:背面開口
28:ガイドレール(ラック)
29:補助レール
30,30A,30B:カッタビット
30a:ボルト孔
31:収容ケース
33:固定ボルト
35:押し引きボルト
40:作業ピット
41:ピット本体
42:前方ハッチ
43:後方出入り口
44:移動機構(伸縮ジャッキ)
45:洗浄機構
50:ビット交換装置
51:走行ベース
51a:係合雄
51b:係合脚
52:移載ベース
52a:係合雌
53:ピニオンギア付きモータ(第1駆動手段)
54:シリンダユニット(第2駆動手段)
55:モータ(第1ボルト回転手段)
56:モータ(第2ボルト回転手段)
57:シリンダユニット(把持手段)
58:モータ(第3駆動手段)
59:カメラ(特定手段)
60:シリンダユニット(第4駆動手段)
100:シールド掘進機
S:セグメント
P:作業員
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