(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-14
(45)【発行日】2025-01-22
(54)【発明の名称】容器減容装置
(51)【国際特許分類】
B65F 9/00 20060101AFI20250115BHJP
B65F 1/00 20060101ALI20250115BHJP
B30B 9/32 20060101ALI20250115BHJP
B09B 3/00 20220101ALI20250115BHJP
【FI】
B65F9/00
B65F1/00 A
B30B9/32 101B
B09B3/00 ZAB
(21)【出願番号】P 2020202002
(22)【出願日】2020-12-04
【審査請求日】2023-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】高花 正和
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 雅和
【審査官】村山 睦
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-095547(JP,A)
【文献】特開平09-141212(JP,A)
【文献】特表2006-524575(JP,A)
【文献】実開昭53-111465(JP,U)
【文献】特開2004-058127(JP,A)
【文献】特開2018-061992(JP,A)
【文献】特開平09-267046(JP,A)
【文献】特表平07-506903(JP,A)
【文献】特開2004-249530(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65F 9/00
B65F 1/00
B30B 9/32
B09B 3/20
B09B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入口に投入されたペットボトルを、互いに対向する第1の回転部材および第2の回転部材によって挟み込むことで減容する減容部と、
前記減容部よりも上流側であって、前記投入口に投入されたペットボトルを前記減容部に案内する案内部と、
ペットボトルを前記減容部に押し込むための押込み部と、を備え、
前記減容部は、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材が、それぞれの回転軸の設置高さが異なるように設定されることで、斜めに対向するものであり、
前記案内部は、前記投入口から前記減容部に向けて斜めに配設されたコ字状のシューターであって、投入されたペットボトルを滑らせて、そのままの姿勢で前記減容部の中央に案内し、
前記押込み部は、前記案内部の底板に対向する開口部に配設され、前記減容部に達したペットボトルを前記第1の回転部材および前記第2の回転部材の間に押し込
み、
前記投入口は、ペットボトルの飲み口が差し込まれることで閉状態から開状態に変位する凹状の開閉部材と、キャップが取り外されたペットボトルが前記開閉部材の凹部に差し込まれたことを検出する検出部と、を有し、
前記検出部が、キャップが取り外されたペットボトルが差し込まれたことを検出すると、前記開閉部材が前記開状態に変位する
ことを特徴とする容器減容装置。
【請求項2】
前記投入口は、ペットボトルを斜めに投入するよう開口しており、
前記案内部は、前記投入口と連続して斜めになるように配設されている
ことを特徴とする請求項1に記載の容器減容装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器減容装置に関する。
【背景技術】
【0002】
空容器を回収する容器減容装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この容器減容装置は、
図19に示されるように、軸方向側面に刃面を備えた一対の圧縮ローラでペットボトル全体を強力な力で押し潰すことによって、ペットボトル減容された状態の容器の状態にして収容するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した容器減容装置では、軟質で弾性のあるペットボトルの本体部分とは異なり、剛性のあるペットボトルの飲み口部分は、圧縮ローラの強力な力によって破砕され、本体部分から紛失してしまうことがあった。ペットボトルの飲み口はペット材料を多く含んでいるが、従来は、この部分も潰して破壊することも多く、その結果飛び散ってリサイクル損失になる問題や、破片が機械に入り込んで故障の原因になる問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の容器減容装置は、少なくとも以下の構成を具備するものである。
投入口に投入されたペットボトルを、互いに対向する第1の回転部材および第2の回転部材によって挟み込むことで減容する減容部と、
前記減容部よりも上流側であって、前記投入口に投入されたペットボトルを前記減容部に案内する案内部と、
ペットボトルを前記減容部に押し込むための押込み部と、を備え、
前記減容部は、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材が、それぞれの回転軸の設置高さが異なるように設定されることで、斜めに対向するものであり、
前記案内部は、前記投入口から前記減容部に向けて斜めに配設されたコ字状のシューターであって、投入されたペットボトルを滑らせて、そのままの姿勢で前記減容部の中央に案内し、
前記押込み部は、前記案内部の底板に対向する開口部に配設され、前記減容部に達したペットボトルを前記第1の回転部材および前記第2の回転部材の間に押し込み、
前記投入口は、ペットボトルの飲み口が差し込まれることで閉状態から開状態に変位する凹状の開閉部材と、キャップが取り外されたペットボトルが前記開閉部材の凹部に差し込まれたことを検出する検出部と、を有し、
前記検出部が、キャップが取り外されたペットボトルが差し込まれたことを検出すると、前記開閉部材が前記開状態に変位することを特徴とする容器減容装置である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明の実施形態に係る容器減容装置としての空容器回収装置を右前方から見た斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る容器減容装置としての空容器回収装置であって、パネルを外した状態を右前方から見た斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る容器減容装置としての空容器回収装置であって、パネルを外した状態を右後方から見た斜視図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る容器減容装置としての空容器回収装置であって、パネルを外した状態の上面図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る容器減容装置としての空容器回収装置であって、パネルを外した状態の後面図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る容器減容装置としての空容器回収装置であって、パネルを外した状態の右側面図である。
【
図9】
図8のA-A間側断面図であって、容器投入部の側断面図である。
【
図10】ゲートの部分を拡大した図(写真)である。
【
図16】
図14のA-A間側断面図であって、空容器Aが存在しない状態を示す側断面図である。
【
図17】
図14のA-A間側断面図であって、空容器Aが存在する状態を示す側断面図である。
【
図18】減容部3の左側面を、やや上方から見た図(写真)である。
【
図19】従来の容器減容装置の減容部5を示す側断面図である。
【
図20】本発明の別の実施形態に係る容器減容装置としての空容器回収装置の概念を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の実施形態に係る容器減容装置は、互いに対向する第1の回転部材および第2の回転部材によって挟み込むことで空容器を減容する減容部と、を備え、前記第2の回転部材は、前記空容器としてのペットボトルの飲み口を前記第2の回転部材と前記第1の回転部材との間に挟み込んだ場合に、前記第1の回転部材から離間するように前記第2の回転部材の軸が移動可能とする回動フレームに配置されていることを特徴とする。
【0008】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。本発明の実施形態は図示の内容を含むが、これのみに限定されるものではない。尚、以後の各図の説明で、既に説明した部位と共通する部分は同一符号を付して重複説明を一部省略する。
なお、本発明の実施形態に係る容器減容装置として、例えば、空容器回収装置(物品回収装置ともいう)を説明する。
【0009】
(物品回収装置の全体構成)
図1は、本発明の実施形態に係る物品回収装置としての回収対象の空容器(PETボトル等)を回収する空容器回収装置1を右前方から見た斜視図である。
本実施形態の空容器回収装置1は、装置本体部1Bの上部に設けられた容器投入部2が有する投入口21から、空容器Aを鉛直方向に対して少しだけ傾けた斜め方向に、飲み口が下になるように向けて投入するものである。空容器回収装置1は、待機時、容器投入部2が備える回転式シャッター22が閉状態である。22は、円盤の形状をしており、当該円盤の一部分が円盤の中心に対して偏倚した位置を中心とする小さい円形の孔部221として切り欠かれている。円盤が回転することによって、容器投入部2の投入口21の位置に孔部221が位置する状態と位置しない状態を創出することができ、この円盤の回転動作によって、回転式シャッター22の開閉が行われる。上記したように、待機時は、回転式シャッター22は閉状態であるが、
図1では、説明のため、シャッターが開く途中(ないし閉じる途中)の瞬間が描かれている。さらに、
図1では示されていないが、回転式シャッター22よりも内部側には、空容器投入方向へ観音開きとなる2枚のゲート23が配設されており、先ず、回転式シャッター22が開き、次いで、ゲート23が開くことで、空容器を投入できるように構成されている。
【0010】
空容器回収装置1の略底部には、容器収容部4が設けられている。本実施形態では、空容器回収装置1は、容器投入部2と、容器収容部4の間に減容部3(減容機構)が設けられている(
図1では示されていない。)。減容部3は、容器投入部2からの空容器Aを押し潰して減容し、減容された容器を、下方の容器収容部4に出力する。装置本体部1Bの正面側下方には、透光部1A(透光窓)が設けられており、外部から容器収容部4に収容されている空容器を視認可能に構成されている。
装置本体部1Bの正面側上方には、タッチパネル1T及びプリンタ1Pが設けられている。タッチパネル1Tは、各種メッセージの表示や、付加サービスを受けるための各種操作を行うことができるように構成されている。プリンタ1Pは、空容器の回収に応じた特典としてのクーポン等を印字して発行することに加え、表示手段に対しての付加手段として、或いはバックアップ手段として、空容器回収装置1のステータス情報やメンテナンス情報を印字発行することでも利用できる。装置本体部1Bの内部には、図示されない制御部が設けられており、各種センサからの情報を受け処理し、また、各種動作機構部の制御を行うとともに、タッチパネル1Tにおける表示機能や入力操作機能、プリンタ1Pの印字出力機能を統括的に制御する。勿論、制御部とタッチパネル1T及びプリンタ1Pとはメイン制御基板とサブ制御基板とに分けて構成することも可能である。
【0011】
これよりは、内部の機構をよく理解することができるように、
図1の空容器回収装置1の正面、側面、上面の各パネル及び容器収容部4を取り外した状態での図を用いて説明する。
図2は、空容器回収装置1を右前方から見た斜視図である。
図3は、同じく右後方から見た斜視図である。なお、回転式シャッター22及びゲート23についても、内部機構が見えるように開いた状態で図示されている。
図2及び
図3から、容器投入部2と容器収容部4の間に配置される減容部3(減容機構)が装置本体部1Bの上半分領域の略中央に位置していることを把握することができる。
【0012】
図4、
図5及び
図6は、空容器回収装置1の上面図、後面図及び右側面図である。
図4から、前述した回転式シャッター22が円盤の中心に対して偏倚した位置を中心とする小さい円形の孔部221を有する円盤であることを把握することができる。
【0013】
図7は、
図5のA-A間側断面図である。
図7(a)は、装置全体の側断面図を示しており、ゲート23の下には、ゲート23を通過した空容器Aを減容部3へ導くシューター24が設けられている。シューター24は、底板に対して左右両側板が鈍角となるコ字状がやや開いた状態の形材が斜めに設置されるように配設されたものである。この形状によって、空容器Aは減容部3の左右中央へ導かれることになる。ここでは、説明のために、大小3つの空容器Aが描かれているが、本来的に、このようなことが起こり得るものではなく、シューター24に位置される空容器Aは1本のみである。
【0014】
図7(b)は、
図7(a)のB部分の一部構成としてのゲート23が空容器投入方向へ観音開きで開かれて、空容器Aが装置内へ投入されていく様子を示した工程図である。後に詳述するが、ゲート23に対応させて物体有無検出のための光センサ231が設けられている。光センサ231で空容器Aの飲み口が検出されると、ゲート23が開くようにされている。
【0015】
(容器投入部の構成)
図8は、
図4の空容器Aの投入部の機構部分のみを示した上面図である。待機時は、物品投入部の回転式シャッター22は閉状態なのであるが、ここでは、説明のために、回転式シャッター22が開状態とされ、その奥側に位置するゲート23が閉じた状態とされて見えるようになっている状態が描かれている。回転式シャッター22は、図示されない駆動機構によって、センター部を中心に回転する円盤である。また、回転式シャッター22には、当該円盤の一部分が円盤の中心に対して偏倚した位置を中心とする小さい円形の孔部221が設けられている。当該孔部221が投入口21に対向するときに回転式シャッター22は開状態となり、対向しないときに閉状態となる。回転式シャッター22とゲート23による二段階での扉構成とされている理由は、操作者が誤って手を挿入したりすることがないようにという安全性の配慮からである。しかし、手を差し入れることが困難となるように、投入口の高さ位置を高くする等の別の対策を講じることによって、回転式シャッター22を省くことは十分可能である。
ところで、本発明の実施形態の容器投入部の大きな利点の一つとして、利用者が装置に手で触れなくてよい非接触投入方式であるということが挙げられる。利便性に優れるだけでなく、COVID-19といった各種の感染症対策にもなる。
【0016】
図9は、
図8のA-A間側断面図である。
図9の側断面図において、点線で空容器Aが示されている。空容器Aが示されていない右位置には、回転式シャッター22としての円盤の一部が図示されているが、空容器Aが示されている左位置には、回転式シャッター22の孔部221が位置しているため、回転式シャッター22の円盤は示されていない。
【0017】
回転式シャッター22よりも投入方向手前の一定程度離れた位置であって、飲み口がゲート23に位置する場合に、空容器Aにラベルが貼られたままの状態とされていたならば、ラベルが存在する箇所に対向する位置に、空容器Aを検出するための透明体センサ222が設けられている。透明体センサ222としては、応差距離を小さく設定した回帰反射型センサ、複屈折を検出するようにしたPETボトル検出用光電センサ(以下、単に「PETセンサ」という。)、超音波センサなど各種方式を用いることができるが、PETセンサであれば、複屈折の小さいガラス瓶と複屈折の大きいペットボトルを有効に区別することができ、便利である。また、PETセンサであれば、ラベルが貼られたままの空容器Aは検出されない一方で、適切にラベルが剥がされている空容器Aは検出されることになる。そのようなことから、本実施の形態では透明体センサ222としてPETセンサが採用されている。
【0018】
回転式シャッター22の奥側には、ゲート23が配設されている。ゲート23は、空容器投入方向へ観音開きとなる2枚の扉である。投入方向から正面視すると、それぞれ、半円の形状であるものの、立体的な形状としては、やや特殊な形状をしている。すなわち、
図8及び9から把握されるように、中央がすり鉢ないし杯の如き形状の凹部233を有しつつも、凹部233の底部は平坦ではなく、三角形状の嘴が底部から投入方向手前側に向かって反転するかのようにして、投入方向手前側に突き出す凸部232となっている。このことから、回収対象となる空容器Aであってキャップが外されたものについては、凸部232が飲み口に入り込む格好で、ゲート23の凹部233の奥側の端部まで差し込むことができるものの、ボトルキャップが付けられたままの空容器については、凸部232がキャップに突き当たってしまう格好となることから、ゲート23の凹部233の奥側の端部まで差し込むことができない。また、ボトルキャップが外された空容器Aであっても、サイズが適正でない非回収対象の空容器、例えば、アルミボトル缶は、飲み口の口径がペットボトルよりも大きいため、飲み口が凹部233に入り込むことができない。
【0019】
さらに、凸部232及び凹部233は、
図10に示されるように、2枚の扉が対向する位置での底部が切り欠かれており、この切り欠かれた位置にその光路が配置されるようにゲート用検出部231としての透過型光近接センサ231が設けられている。透過型光近接センサ231は、ゲート23の開閉動作のトリガーとなるように関連付けられている。先に説明したように、適正な回収対象であって、ボトルキャップが外された空容器Aだけが、透過型光近接センサ231の光路を遮ることができる。本発明の実施形態は、このようなゲートの特殊形状やセンサ配置の構成によって、適正回収対象と非回収対象を峻別できるのであるが、それに止まらない。ゲート23が開くための条件としてさらなる条件が設定されている。すなわち、制御部は、透過型光近接センサ231が物体を検出する際に、透明体センサ222(PETセンサ)が透明体を検出し続けていなければ、ゲート23が開かないような制御を行う。空容器Aが適正な回収対象であっても、側面にラベルが貼られたままでは、飲み口がゲート23の凹部233まで到達しても、透明体センサ222(PETセンサ)は側面ラベルの存在によって透明体を検出できなくなる。このように構成されていることによって、適正な回収対象であって、ボトルキャップが外され、かつ、側面のラベルが剥がされた空容器Aが挿入された場合にのみ、ゲート23が開かれて、回収動作が行われるように構成されている。透過型光近接センサ231は、ゲート23から離れた位置に投光部及び受光部を設けることができるので配置構造の点で有利である。一方、反射型光近接センサを用いた場合には、ゲート23自体に一つの素子を設ければよいので、電気配線の点で有利である。なお、一旦、PETセンサが対象を検出したにも関わらず、その後、透過型光近接センサ231が飲み口を検出しないときには、制御部が、「キャップが嵌ったままではありませんか? キャップを外して回収口に入れて下さい。」といったメッセージをタッチパネル1Tに表示させるように制御を行う。また、飲み口がゲート23の凹部233まで到達しても、透明体センサ222(PETセンサ)が透明体を検出できなくなったときには、制御部が、「ラベルが貼られたままではありませんか? ラベルを剥がしてから回収口に入れて下さい。」といったメッセージをタッチパネル1Tに表示させるように制御を行う。
【0020】
上では、凹部233と凸部232が協働して適正回収対象と非回収対象を区別できることを説明したが、凸部232がなく、平板の2つの扉の上に、単に、凹部233だけが設けられた態様であってもよい。凹部233の径が、キャップは嵌らないが飲み口は嵌るような大きさであれば所期の課題を達成することができる。すなわち、凸部232を必須のものとしない技術思想も本明細書は開示するものである。
【0021】
さて、従来の物品回収装置では、空缶や空瓶等の非回収対象を検出するための金属センサや重量センサが必要であったのであるが、本発明の実施形態は、PETセンサと光近接センサの2つだけで、適正な回収作業を実現することができるため、装置の大型化を招くことなく、コンパクトにできる。また、空容器を横に寝かせるタイプの従来の物品回収装置では、中に飲みかけの飲料物が残ったままの状態で空容器が投入されることが、しばしばあった。このため、装置内に排水のための構造等を設けることが必要とされた。本発明の実施形態では、飲み口が下となるように空容器を投入するという物理的構造から、飲料物が残されたままの状態で、空容器が投入されることは殆どなくなる。排水のための特別な構造が不要となり、やはり装置のコンパクト化に寄与できる。そして、何よりも、空容器を横でなく縦に投入することが装置のコンパクト化に最大限寄与している。
本発明の実施形態が有する各要素は、いずれも装置のコンパクト化に大きく結び付いているが、すべての要素を備えていなければ、効果が発現されないという訳ではなく、ゲートに設けられた凹部に向けて飲み口を突き当てるようにして空容器を投入するという技術思想を一番の上位概念として、そこから段階的に発明思想・技術思想が構築されているものである。
【0022】
(減容部の構成)
図11は、減容部3を右前方から見た斜視図であり、
図12は、減容部3を右後方から見た斜視図である。
図13、
図14及び
図15は、減容部3の上面図、後面図及び右側面図である。
図16及び
図17は、いずれも
図14のA-A間側断面図であるが、それぞれ異なる状態を示している。
図18は、左側面を、やや上方から見た図(写真)である。
【0023】
図11に示すように、減容部3は、一対の回転軸311と回転軸321が回転自在に軸支された構造を有しており、この構造が空容器Aを減容する主役を担っている。回転軸311は、ケーシング31の2つの側面に軸支されている。一方、回転軸321は補助ケーシング32の2つの側面に軸支されている。ケーシング31は、装置本体部1Bのフレームに固定された減容部3の底板に固定されている一方で、補助ケーシング32は底板には固定されず、ケーシング31の後方側上部に位置する回転軸331を支点としてケーシング31に軸支されている。この支持構造により、補助ケーシング32は、ケーシング31から離れるように後方へ揺動することが可能な回動フレームとして構成され、回転軸321は回転軸311から離れるように移動可能に構成されている。ただし、補助ケーシング32と装置本体部1Bのフレームに固定された減容部3の底板とは、
図12に示されるように、6つのコイルスプリング35で接続されており、このため、補助ケーシング32は前方へ常に付勢されている。コイルスプリング35の種類や数は任意のものであって、付勢力が所望の大きさとなるように、コイルスプリング35の種類や数が設定される。この所望とされる付勢力の大きさについては後述する。また、配置も任意である。
図12では、3つのコイルスプリングが補助ケーシング32の左右外側に位置するように設けられているが、これらは補助ケーシング32の内側に位置するように設けることも可能である。
【0024】
回転軸311の軸方向には、圧縮ローラ313、スプロケット312、また、圧縮ローラ313という順で硬質の金属体が並設され、複合体を形成している。この複合体が第1の回転部材である。回転軸321の軸方向には、圧縮ローラ323、スプロケット322、また、圧縮ローラ323という順で、やはり硬質の金属体が並設され、複合体を形成している。この複合体が第2の回転部材である。第1の回転部材及び第2の回転部材に挟み込まれることによって、空容器Aが減容されるのである。中央部分がスプロケットとして構成されている理由は、空容器Aを確実に後方に繰り出すための推進力を得るためである。一方で、両端部分がローラとして構成されている理由として、推進力を得るには中央部分で掴めば十分であって、それ以外の範囲では押圧による効果を高めたいという背景事情がある。本実施形態の空容器回収装置1において、第1の回転部材のスプロケット312の刃列は3列で、第2の回転部材のスプロケットの刃列は2列で互い違いに入れ子状となるように配置されているが、刃列の数は、この限りでなく、適宜の数に設定し得るものである。また、本実施形態の空容器回収装置1において、第1の回転部材の圧縮ローラ313は内側がより広径となる円錐台形状であるのに対して、第2の回転部材の圧縮ローラ323は外側がより広径となる円錐台形状とされている。
【0025】
補助ケーシング32のケーシング31に対する支点である回転軸331は、空容器Aを、回転軸311と回転軸321が存在する下方へ強制的に送り出すための送り機構33の駆動軸としての役割も兼ねている。すなわち、送り機構33の回転軸331は、ケーシング31及び補助ケーシング32を貫く形で両ケースに固定されている。
図16に示されるように、送り機構33は、回転軸331に、パドルとして2つの羽根部332(金属製または樹脂製等)を有する。また、それぞれの羽根部332は先端がハ字状に形成されている。送り機構33は、回転軸331が回転することにより、羽根部332が回転軸331を回転中心として回転し、空容器Aを下方へ強制的に案内する。その際、羽根部332のハ字形状により、空容器Aを減容部3の中央へ適正に導くことができる。
【0026】
減容部3の上部には、ゲート23を通過した空容器Aと減容部3へ導くシューター24が設けられている(
図11~17では図示されていない。
図6,7に図示されている。)。シューター24は、底板に対して左右両側板が鈍角となるコ字状がやや開いた状態の形材を斜めにして設置されるように配設されたものである。この形状は、前記した羽根部332のハ字形状と協働して空容器Aを減容部3の中央へ導くことに寄与する。
【0027】
図13に示されるように、回転軸311、回転軸321、回転軸331、それぞれの左側の軸端近傍にはスプロケットが設けられている(
図13の図面上において、軸端は上に位置している。)。
図13では、外された状態で描かれているが、これら3つのスプロッケトにはチェーンが掛け渡され、当該チェーンは、また、駆動モータ34の軸端近傍のスプロケットにも掛け渡されている。このようにして、駆動モータ34の駆動力が回転軸311、回転軸321、回転軸331に伝えられる。その際、回転軸311、回転軸321の回転方向が逆になるように、それぞれのスプロケットにチェーンが掛け渡されている(
図18も参照。)。補助ケーシング32の下方にはセンサ36が設けられており、ケーシング31に対する補助ケーシング32の回動量を直接的または間接的に検出することができるようにされている。センサ36で検出された補助ケーシング32の回動量の測定結果は、制御部(図示されていない。)に送信され、制御部内の記憶部に時系列順に記憶される。
【0028】
(空容器の減容工程)
空容器Aが適正な回収対象と判断されて、ゲート23が開くと、駆動モータ34が運転を開始し、その駆動力が回転軸311、回転軸321、回転軸331に伝えられる。
図7に示されるように、ゲート23を通過した空容器Aは、シューター24の底板に対して左右両側板が鈍角となるコ字状がやや開いた状態の形材の全体形状によって、空容器Aの先端部分がスプロケット312及びスプロケット322の配置位置である中央部分に来るように導かれる。空容器Aの先端部分である飲み口部分が、互いに逆回転するスプロケット312及びスプロケット322の間に噛み込まれる格好で引き込まれると、次いで空容器Aの本体部分もスプロケット312及びスプロケット322の間に引き込まれるが、空容器Aの本体は一定の幅を有することから、その左右幅端部は圧縮ローラ313及び圧縮ローラ323の間に挟まれることになる。このとき、空容器Aの先端部分が弾かれることがないように、送り機構33の回転動作によって、パドルの羽根部332が、空容器Aを後ろから押し込むようにして、空容器Aを確実に下方へ移動させる。また、回転するパドルの羽根部332のハ字状の先端形状は、空容器Aを中央位置に維持させるので、飲み口が弾かれて空容器Aが央位置から外れるような事態は生じない。
【0029】
図16に示されるように、空容器Aが存在しないときは、回転軸311と回転軸321の軸間距離は、スプロケット312及びスプロケット322の刃先が互い違いになるように近接した状態となっている。しかし、空容器Aの先端部分である飲み口が位置すると、硬い飲み口がスプロケット322延いては補助ケーシング32を押し広げようとする力がコイルスプリング35の付勢力に打ち勝ち、
図17に示されるように、補助ケーシング32は後方へ揺動されることになる。飲み口がスプロケット間を通過すると、空容器Aの軟質な本体部分は、コイルスプリング35の付勢力に打ち勝つことができず、本体部分は確実に押し潰されるようになる。ただし、本体部分でも底部は潰れにくく一定程度の硬さを有するため、補助ケーシング32は、飲み口の時ほどではないものの、やや後方へ揺動されることになる。底部の硬さは空容器Aの種類によって異なるため、補助ケーシング32が揺動する大きさは空容器Aの種類によって、異なるものとなる。
【0030】
先に、所望とされる付勢力の大きさについては後述するとしたが、この付勢力の大きさは空容器Aの本体部分が補助ケーシング32を揺動させようとする力には打ち勝つものの、空容器Aの飲み口部分が補助ケーシング32を揺動させようとする力には打ち勝つことのできない大きさである。ただし、飲み口が通過される際に飲み口が変形される大きさであっても構わず、飲み口が破砕されない程度に制限されていればよい。このような不勢力の大きさとなるように、複数のコイルスプリングによる合成バネ定数を設定する。本実施形態の減容部の特徴は、端的にいえば、後方へ逃げる減容機構と表現することができる。ただし、この前後位置を逆にする、すなわち、前方へ逃げる減容機構として構成しても、同様の効果が達成されることは容易に理解できよう。本発明には、当然にそのような態様も含まれるものである。
【0031】
後方へ逃げる減容機構を備えることのない従来の物品回収装置では、飲み口部分が著しく損傷し、時には、破砕してしまうことすらあった。また、飲み口と本体との接続部分が損傷してしまうと、飲む口部分が分離してしまうことがあった。そうした場合、減容されたボトルをベール形状にまとめた時点では飲み口部分も含まれていたとしても、保管時やトラックでの運搬時などに飲み口だけが落下して紛失してしまう場合がある。ペットボトルの飲み口はペット材料を多く含んでいるにも関わらず、飲み口の多くが紛失されて回収された減容容器の再生利用資源としての価値は減退したものとして扱われる。本実施形態の物品回収装置1では、飲み口部分が通過した後に空容器Aの本体部分の減容が始まるため、飲む口が損傷することなく本体にしっかりと接続したままの状態で減容された容器を回収することが可能である。
【0032】
圧縮ローラ313は内側がより広径となる円錐台形状であるのに対して、回転軸321に設けられる圧縮ローラ323は外側がより広径となる円錐台形状とされていることから、減容された容器の形状は、左右端が中央部分より盛り上がる形状が長手方向に延びる船形の形状となる。このような船形に形作られることなく、単に、平たく押し潰された状態であると、減容された容器は長手方向で反ってしまうことがある。多数の減容された容器を集積するに際して高嵩となる問題があったが、反りを無くすることで、これを解消することができる。
【0033】
本実施形態の物品回収装置1は、飲み口部分がスプロケット部分を通過する際の補助ケーシング32の後方への回動量はいつも略同じ大きさとなる。ペットボトル容器の容量に関わらず飲み口部分の大きさが同じであるからである。一方、空容器Aの底部分がスプロケット部分を通過する際の回動量は空容器Aのサイズや種類によって異なるが、回動量は飲み口通過時の回動量よりは小さくなる。その理由は、底部分が通過する際の抵抗力が空容器Aのサイズや種類によって異なるものの、飲み口部分が通過する際の抵抗力よりは小さいからである。この違いを利用して、通過・回収した空容器Aを解析して、その情報を蓄積して利用することができるように、補助ケーシング32の下方にはセンサ36が設けられている。本実施形態のセンサ36は、例えば、距離センサを用いてもよいし、ラインセンサで角度を検出してもよい。直接的ないし間接的に補助ケーシング32の回動量を求めることができれば、検出方式は問われないものである。検出された情報は、図示されない制御部内の記憶部に記憶され、収集した資源についての情報として利用することが可能となる。例えば、飲み口部分の通過による一定の回動量の後の小さい回動量の大きさの違いによって空容器Aの大きさや硬さを判別し、収集された空容器の総重量を算出することが可能である。同じボトルサイズであっても、硬いものは重く、柔らかいものは軽いものとなっていることが一般的であるところ、硬いものであれば、当然ながら回動量は大きくなる。
さらに、空容器の一投入毎の回動量を単に計測するだけでなく、飲み口部分が通過してから底部分が通過するまでのタイムラグを時間情報として計測、記憶すると、解析がさらに正確なものとなる。500mlや2lといった容器容量の違いにより、上記タイムラグは当然に異なってくるところ、この時間差と回動量の大小の違いを組み合わせて解析を行えば、より正確に重量を算出することが可能となる。
【0034】
(参考としての従来の物品回収装置の減容部の構成)
図19は、従来の物品回収装置5の内部を示す側断面図である。この物品回収装置は、空容器が横に寝かされた状態で載置部に置かれた後、物品回収装置内に取り込まれ、空容器が圧縮ローラに挟まれ押し潰されることによって、減容された状態の容器とされて収容されるものである。
図19に示されるように、寝かされた状態で取り込まれた空容器は、送り機構の3枚のパドル53の回転によって、回転軸511及び回転軸521で軸支されている一対の圧縮ローラに送り込まれる。圧縮ローラは、軸方向側面に刃面を備え、表面に凹凸形状を有するものの、基本的には、寝かされて横向きとなった空容器の長手方向(装置としてみれば幅方向)に同様の形状が続くものである。この圧縮ローラに対して、単純に、後方へ逃げる減容機構を適用したならば、飲み口部分によって、一方の圧縮ローラが後方へ退避してしまって、肝腎のペットボトル本体の減容作用が不十分なものとなってしまう。
【0035】
(別実施例の物品回収装置の減容部の構成)
そこで、本発明の別の実施形態に係る物品回収装置としての減容装置は、次のような構成を採用している。すなわち、
図20に概念的に示すように、後方へ逃げる減容部6(減容機構)を、装置幅方向に亘って複数設け、それぞれの減容機構における後方側の圧縮ローラが独立して後方へ退避できるように構成されている。空容器を載置部に置く際に、飲み口を左右どちらの向きに置くか、或いは、空容器のサイズによって、飲み口が左右方向の何れの箇所に位置するかが変わってしまうのであるが、別の実施形態に係る減容装置によれば、飲み口部分に対応している複数の減容機構のうちの一つだけが後方へ退避して飲み口部分を損傷させない一方で、その他の減容機構は退避されないため、ペットボトルの本体部分を確実に減容させることが可能である。
なお、前方側の圧縮ローラは後方側の圧縮ローラに対応させて複数設けてもよいし、装置全幅に亘っての一つの圧縮ローラであってもよい。後方側の圧縮ローラが個別に退避できることが肝要なのであって、前方側の圧縮ローラが一つであっても、所期の効果が達成されることは言うまでもないことである。
【0036】
<実施形態の総括>
[技術分野]
本発明は、物品回収装置に関する。
[背景技術]
空容器を回収する容器減容装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この容器減容装置は、軸方向側面に刃面を備えた一対の圧縮ローラでペットボトル全体を強力な力で押し潰すことによって、ペットボトル減容された状態の容器の状態にして収容するものである。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2020-70130号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、上述した容器減容装置では、軟質で弾性のあるペットボトルの本体部分とは異なり、剛性のあるペットボトルの飲み口部分は、圧縮ローラの強力な力によって破砕され、本体部分から紛失してしまうことがあった。ペットボトルの飲み口はペット材料を多く含んでいるが、従来は、この部分も潰して破壊することも多く、その結果飛び散ってリサイクル損失になる問題や、破片が機械に入り込んで故障の原因になる問題があった。
[課題を解決するための手段]
(1)以上説明したように、本実施形態の一態様は、互いに対向する第1の回転部材(スプロケット312、圧縮ローラ313)および第2の回転部材(スプロケット322、圧縮ローラ323)によって挟み込むことで空容器を減容する減容部3と、を備え、前記第2の回転部材(スプロケット322、圧縮ローラ323)は、前記空容器としてのペットボトルの飲み口を前記第2の回転部材(スプロケット322、圧縮ローラ323)と前記第1の回転部材(スプロケット312、圧縮ローラ313)との間に挟み込んだ場合に、前記第1の回転部材(スプロケット312、圧縮ローラ313)から離間するように前記第2の回転部材(スプロケット322、圧縮ローラ323)の軸が移動可能とする回動フレーム(補助ケーシング32)に配置されていることを特徴とする容器減容装置(空容器回収装置1)である。
【0037】
上記構成によれば、飲み口部分が通過した後に空容器Aの本体部分の減容が始まるため、飲む口が損傷することなく本体にしっかりと接続したままの状態で減容された容器を回収することができる。
【0038】
(2)本実施形態の一態様は、(1)に記載の容器減容装置(空容器回収装置1)において、前記回動フレーム(補助ケーシング32)は、前記第2の回転部材(スプロケット322、圧縮ローラ323)を前記第1の回転部材(スプロケット312、圧縮ローラ313)側の向きに付勢する付勢部材(コイルスプリング35)を備える。
上記構成によれば、飲み口部分通過時の第2の回転部材の後方への対比を、別途専用のセンサを用いることなく、簡便な構成で実現することができる。
【0039】
(3)本実施形態の一態様は、(1)または(2)に記載の容器減容装置(空容器回収装置1)において、前記付勢部材(コイルスプリング35)の付勢力は、前記空容器としてのペットボトルの飲み口の硬さに基づいて設定されている。
上記構成によれば、飲み口部分通過時の第2の回転部材の後方への退避と、飲み口部分通過後の第2の回転部材の前方への復帰とが適切に行われるようになる。
【0040】
(4)本実施形態の一態様は、(1)から(3)のいずれか一に記載の容器減容装置(空容器回収装置)において、さらに、空容器を横向きにして投入する投入部を備え、前記第2の回転部材は、横向きに投入された空容器の全幅に対応するように、装置幅方向に亘って複数設けられ、複数設けられた前記第2の回転部材のそれぞれが独立して、前記第1の回転部材から離間できるように構成されている。
上記構成によれば、空容器が横に寝かされた状態で載置部に置かれた後、物品回収装置内に取り込まれるタイプの容器回収装置において、飲み口が損傷することなく本体にしっかりと接続したままの状態で減容された容器を回収することができる。
【0041】
(5)本実施形態の一態様は、(1)から(4)のいずれか一に記載の容器減容装置(空容器回収装置1)において、前記第2の回転部材(スプロケット322、圧縮ローラ323)の移動量または前記回動フレーム(補助ケーシング32)の回動量を測定する測定部(センサ36)と、前記測定部(センサ36)による測定結果を記憶する記憶部と、を備えている。
上記構成によれば、回動量の測定結果を記録し、後の解析等に利用できる。
【0042】
(6)本実施形態の一態様は、(5)に記載の容器減容装置(空容器回収装置1)において、前記記憶部に記憶されている、前記測定部により測定された前記第2の部材の移動量または前記回動フレームの回動量に基づいて、投入された空容器の重量を算出する重量算出部を有する。
上記構成によれば、回収物の総重量を把握することができ、回収資源の管理の上で便利である。
【0043】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
また、上述の各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。
また、各図の記載内容はそれぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
【0044】
上述した実施形態では、空容器は鉛直に近い方向で投入されるように構成されているが、装置が載置される場所の奥行方向スペースが確保できる状況の下、左右方向でなく前後方向であれば、もっと寝かせた水平に近い方向で投入されるように構成してよいものである。換言すれば、凹部に空容器の飲み口が嵌まり込むようになった場合にゲートを開状態とするという技術思想であって、鉛直方向に近い投入方向が要求されるものではない。ただし、水平に近い投入方向とする場合には、回転式シャッターでない別の態様のシャッターの方が好適であろうし、減容部への送り機構もパドルではないコンベアなどを設ける必要があろう。
【0045】
装置全体における細部のレイアウトは適宜に変更できるものである。上述した本発明の実施形態に係る空容器回収装置は、前面パネル部分に、タッチパネルやプリンタ部が配設されているが、投入方向を寝かせた場合には、上部空間に余裕が生じるので、タッチパネルやプリンタ部を上部に配設することが可能となる。
【符号の説明】
【0046】
1 空容器回収装置
2 容器投入部
21 投入口
22 回転式シャッター
221 孔部
222 透明体センサ
23 ゲート
231 透過型光近接センサ
232 凸部
233 凹部
24 シューター
3 減容部
31 ケーシング
311 回転軸(第1の回転部材の回転軸)
312 スプロケット(第1の回転部材)
313 圧縮ローラ(第1の回転部材)
32 補助ケーシング(回動フレーム)
321 回転軸(第2の回転部材の回転軸)
322 スプロケット(第2の回転部材)
323 圧縮ローラ(第2の回転部材)
33 送り機構
331 回転軸
332 羽根部
34 駆動モータ
35 コイルスプリング(付勢部材)
36 センサ(測定部)
4 容器収容部