(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-14
(45)【発行日】2025-01-22
(54)【発明の名称】ラベル貼付装置
(51)【国際特許分類】
B65C 1/04 20060101AFI20250115BHJP
B65C 9/02 20060101ALI20250115BHJP
【FI】
B65C1/04
B65C9/02
(21)【出願番号】P 2021021116
(22)【出願日】2021-02-12
【審査請求日】2024-01-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】成田 靖男
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-345727(JP,A)
【文献】特開2010-168079(JP,A)
【文献】特開平09-142425(JP,A)
【文献】特開平04-142261(JP,A)
【文献】米国特許第8545666(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65C 1/04
B65C 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の搬送方向に沿って当該物品にラベルを貼付するラベル貼付装置であって、
載置された状態で物品を搬送する第1搬送部と、
前記第1搬送部によって画定される搬送面とは異なる面であって、略対向する二つの面に配置される第2搬送部と、
前記第2搬送部の上方からラベルを供給するラベル供給部と、
ラベルを前記物品の一つの面だけに貼る貼付形態と前記物品の複数の面に亘って貼る貼付形態を採り得るラベル貼付部と
、
搬送される物品を上下方向に沿って検出するセンサと
を備え、
前記第1搬送部は、前記センサに対応する幅で搬送方向に沿った隙間が設けられた上流側水平コンベアと、前記ラベル供給部に対応する幅で搬送方向に沿った隙間が設けられた下流側水平コンベアを有し、
前記第2搬送部が配置される領域には第1搬送部も配置されている
ことを特徴とするラベル貼付装置。
【請求項2】
前記センサは、前記第2搬送部の上流端よりも下流側に配置されている
ことを特徴とする請求項
1に記載のラベル貼付装置。
【請求項3】
前記センサは、上面視における物品の最も下流側の端部を検出するように構成されていることを特徴とする請求項
2に記載のラベル貼付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベル貼付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発行したラベルを商品に貼付する装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、一般的なラベル貼付装置では、商品の上面にラベルを貼付する、商品の上面及び側面にラベルを貼付する、商品の上面、側面及び底面にラベルを貼付するなど様々なラベル貼付方式に対応できない。
このため、様々なラベル貼付方式に対応することができるラベル貼付装置が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るラベル貼付装置は、少なくとも以下の構成を具備する。
物品の搬送方向に沿って当該物品にラベルを貼付するラベル貼付装置であって、載置された状態で物品を搬送する第1搬送部と、前記第1搬送部によって画定される搬送面とは異なる面であって、略対向する二つの面に配置される第2搬送部と、前記第2搬送部の上方からラベルを供給するラベル供給部と、ラベルを前記物品の一つの面だけに貼る貼付形態と前記物品の複数の面に亘って貼る貼付形態を採り得るラベル貼付部と、搬送される物品を上下方向に沿って検出するセンサとを備え、前記第1搬送部は、前記センサに対応する幅で搬送方向に沿った隙間が設けられた上流側水平コンベアと、前記ラベル供給部に対応する幅で搬送方向に沿った隙間が設けられた下流側水平コンベアを有し、前記第2搬送部が配置される領域には第1搬送部も配置されていることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明の実施形態に係るラベル貼付装置によりラベルを貼付した物品(商品)の例を示す図である。(a)は上面貼り(上面)の一例を示す図、(b)は上面L字貼り(上面、側面)の一例を示す図、(c)は縦コの字貼り(U字貼り、上面及び両側面)の一例を示す図、(d)は横コの字貼り(U字貼り、上面、片側面、底面)の一例を示す図、(e)は全周貼り(隙間あり)の一例を示す図、(f)は全周貼りの一例を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るラベル貼付装置の一例を示す全体斜視図である。
【
図3】ラベル貼付装置の物品の搬送方向上流側から見た図である。
【
図4】はラベル搬送装置の搬送方向に直交する方向から見た図である。
【
図5】ラベル貼付装置の電気的な機能ブロックの一例を示す図である。
【
図6】ラベル貼付装置の一例を説明するための図である。(a)はラベル貼付装置のラベル発行部、ラベル供給部、上側押し付け部材及びエアジェット部の一例を示す概念図である。(b)はラベル貼付装置のラベル発行部、ラベル供給部などの一例を示す上方からの斜視図である。
【
図7】ラベル貼付装置のラベル発行部、ラベル供給部、上側押し付け部材及びエアジェット部の一例を示す下方から見た斜視図である。
【
図8】上方に回動可能なラベル供給部の一例を説明するための図である。
【
図9】ラベル貼付装置の一例を示すものであって、上方から見た斜視図である。
【
図10】ラベル貼付装置の一例を説明するための平面図であって、ラベル発行部の一部が取り外された状態での平面図である。
【
図11】ラベル貼付装置の一例を説明するための平面図であって、
図10のA部分の拡大図である。
【
図12】ラベル貼付装置の一例を説明するための斜視図である。
【
図13】ラベル貼付装置の一例を説明するための図である。
【
図14】下側押し付け部材の一例を説明するための図である。(a)は比較的低い被包装物(商品)の下流側側面又は底面にラベルを貼付する下側押し付け部材の一例を示す図である。(b)は比較的高い被包装物(商品)の下流側側面又は底面にラベルを貼付する下側押し付け部材の一例を示す図である。
【
図15】ラベル貼付装置のマニピュレーターの一例を示す図である。
【
図16】ラベル貼付装置の動作の一例を示す図である。
【
図17】ラベルを被包装物(物品)の上面に貼付した状態の一例を示す図である。
【
図18】ラベルがラベル供給部で保持された状態の一例を示す図である。
【
図19】上側押し付け部材及びエアジェット部によりラベルが物品の上面及び下流側側面に貼付された状態の一例を示す図である。
【
図20】上側押し付け部材によりラベルを物品の上面に押圧した状態の一例を示す図である。
【
図21】マニピュレーターの先端のローラーによりラベルを物品の上面に押圧した状態の一例を示す図である。
【
図22】マニピュレーターの先端のローラーによりラベルを物品の搬送方向上流側の側面に押圧した状態の一例を示す図である。
【
図23】マニピュレーターの先端のローラーによりラベルを物品の搬送方向上流側の側面の下部に押圧した状態の一例を示す図である。
【
図24】マニピュレーターの先端のローラーによりラベルを物品の底面に押圧した状態の一例を示す図である。
【
図25】光センサの取り付け位置を説明するための図である。
【
図26】ラベル貼付装置の設定画面の一例を示す図である。
【
図27】ラベル貼付装置の設定画面の一例を示す図である。
【
図28】ラベル貼付装置の設定画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の実施形態に係るラベル貼付装置は、物品の搬送方向に沿って物品にラベルを貼付する。このラベル貼付装置は、搬送部、ラベル供給部等を有する。搬送部は、物品を載置された状態で搬送する第1搬送部と、第1搬送部によって画定される搬送面とは異なる面であって略対向する二つの面に配置される第2搬送部と、から成る。このように特別な第2搬送部が設けられている理由は、これから説明していくように、物品のラベル貼付領域を避けて物品を支持したいという要求仕様によるものである。ラベル供給部は、ラベルを搬送部の上方から搬送方向に向けて当該ラベルを移送する。そして、搬送部により物品を搬送方向に搬送しつつ、物品にラベルが貼付される。
【0008】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。本発明の実施形態は図示の内容を含むが、これのみに限定されるものではない。尚、以後の各図の説明で、既に説明した部位と共通する部分は同一符号を付して重複説明を一部省略する。
【0009】
(ラベル貼付態様のバリエーション)
図1(a)は商品などの物品wの上面に、商品情報などを印字したラベルLが貼付された、いわゆる物品の上面貼りの一例を示す図である。
図1(b)は上面L字貼り(上面及び側面貼りともいう)の一例を示す図である。
図1(c)は縦コの字貼り(U字貼り、あるいは上面及び両側面貼りともいう)の一例を示す図である。
図1(d)は横コの字貼り(U字貼り、あるいは上面、片側面及び底面貼りともいう)の一例を示す図である。
図1(e)は全周貼り(隙間あり)の一例を示す図である。
図1(f)は全周貼りの一例を示す図である。
本発明の実施形態に係るラベル貼付装置は、例えば、
図1(a)~
図1(f)のうち、
図1(a)(b)(d)に示される一部の貼付形態で、商品などの物品wにラベルLを貼付することができる。なお、後記するように、マニピュレーターを追加した装置組みでの構成とすれば、
図1(a)~
図1(f)の全ての貼付態様に対応させることもできる。
なお、
図1(a)~
図1(f)に示した矢印は、ラベル貼付装置にラベル貼付時の物品wの搬送方向を示している。
【0010】
(ラベル貼付装置の全体構成)
図2~4に示すように、本発明の実施形態に係るラベル貼付装置100は、コ字状の架台101を有する。コ字状の架台101の前方側の1つの頂点には、脚部102が設けられている。また、架台101の後方側の一片の略中央部に支柱部103が設けられている。また、架台101の4つの頂点には不陸調整用のネジ105が設けられている。
物品を搬送する搬送部104は、脚部102及び支柱部103の上方に設けられ、脚部102及び支柱部103により支持された構造となっている。
【0011】
搬送部104は、上流側水平コンベア1040(上流側水平コンベア1040L,1040R)、下流側水平コンベア1041(下流側水平コンベア1041L,1041R)、及びサイドコンベア1042L,1042R等を有する。物品の搬送方向の上流側に上流側水平コンベア1040が配置され、搬送方向の下流側に、下流側水平コンベア1041、及びサイドコンベア1042L,1042Rが設けられている。
ここで、上流側水平コンベア1040及び下流側水平コンベア1041は、載置された状態で物品を搬送する「第1搬送部」に相当し、サイドコンベア1042L,1042Rは、第1搬送部によって画定される搬送面とは異なる面であって、略対向する二つの面に配置される「第2搬送部」に相当する。また、サイドコンベア1042L,1042Rは、物品のラベル貼付領域を避けて物品を支持していると捉えることができる。さらに、サイドコンベア1042L,1042Rと下流側水平コンベア1041L,1041Rとは、物品のラベル貼付領域を避け、「物品のラベル貼付領域以外の部分」で物品を支持するという観点で共通していると捉えることができる。前者は、ラベルが貼付されることのない側面で物品を支持するものであり、後者は、物品の底面のうちラベル貼付領域以外の領域で物品を支持するものだからである。
【0012】
搬送部104の上流側水平コンベア1040の上方には、ラベル発行部16、及びラベル発行部16で発行されたラベルを物品に貼付する位置まで搬送、保持するラベル供給部17が設けられている。ラベル発行部16は支柱部103に対して上下移動可能、左右移動可能及び前後移動可能に支持されている。
ラベル供給部17は、ラベル発行部16の発行口の下流側に設けられている。
また、本実施形態では、表示操作部107(コンソールともいう)が支柱部103に対して支持されている。
図2~4に示されるラベル貼付装置100は、上面貼り、上面L字貼り、横コの字貼りに対応したものであるが、図示されないマニピュレーター21(ラベル貼付補助部)をラベル供給部17の下流側に追加して設けることによって、縦コの字貼りや全周貼りにも対応できるものとなる。
【0013】
(ラベル貼付装置の電気的な機能ブロック)
図5はラベル貼付装置100の電気的な機能ブロックの一例を示す図である。
ラベル貼付装置100は、制御部11(CPU)、記憶部12、表示部13、操作入力部14、通信部15、ラベル発行部16(ラベラー)、ラベル供給部17、上流側水平コンベア1040(上流側水平コンベア1040L,1040R)、下流側水平コンベア1041(下流側水平コンベア1041L,1041R)、エアジェット部19、マニピュレーター21(ラベル貼付補助部)、サイドコンベア1042L,1042R(第2物品搬送部)、検出部30(各種センサ、バックセンサー等)等を有する。搬送部104は、例えば上流側水平コンベア1040、下流側水平コンベア1041、サイドコンベア1042L,1042R等を有する。
表示操作部107(コンソール)は、表示部13、操作入力部14などを有する。
例えば、制御部11には、記憶部12、表示部13、操作入力部14、インタフェース9(I/F)がバスなどの通信線を介して電気的に接続されている。
インタフェース9には、通信部15、ラベル発行部16、ラベル供給部17、搬送部の上流側水平コンベア1040,下流側水平コンベア1041、エアジェット部19、マニピュレーター21、サイドコンベア1042L,1042R、検出部30等が電気的に接続されている。
検出部30は、各種センサ(光センサ、モータの回転数検知センサなど)を有し、検出結果を制御部11に出力する。
【0014】
制御部11は、ラベル貼付装置100の各構成要素を統括的に制御する。
記憶部12は、例えば、ROM、RAM、補助記憶部等で構成され、ラベル貼付装置100の各構成要素を制御する制御プログラムや、商品情報、ラベル貼付に関るデータなどを記憶する。
【0015】
表示部13は、制御部11の制御により、例えばラベル貼付装置の動作に関する表示を行う。
【0016】
操作入力部14は、例えばタッチパネル、キーボード、スイッチ、ボタン等であり、操作者による操作に応じた信号を制御部に出力する。なお、表示部13及び操作入力部14はタッチパネル表示装置であってもよい。
【0017】
通信部15は、制御部11の制御により、他のコンピュータ(上位管理装置等)と有線式又は無線式の通信路を介して通信を行う。
【0018】
(ラベル発行部及びラベル供給部の構成)
ラベル発行部16(ラベラー)は、例えば
図6に示すように、ラベル発行部16の筐体16B(本体部)に、台紙レスラベル用紙をロール状にしたラベルロールRを保持するロール保持部161、印字部162、プラテンローラー163、及び切断部164(可動刃及び固定刃等)などが設けられている。切断部164よりも下流側には発行口165が設けられている。
ラベル発行部16は、制御部11の制御により、ラベルロールRから引き出されたラベル用紙RPに商品情報等を印字し、商品情報に応じた長さでラベル用紙RPを切断し、枚葉状のラベルL(台紙レスラベル)を生成し、発行口165からラベルLを出力する。
図6,7に示すように、発行口165とラベル供給部17の間には、ガイドローラー179が設けられており、発行口165から出力されたラベルが、ガイドローラー179により支持され、ガイドローラー179の上部を通ってラベル供給部17に移動する。
ラベル貼付装置は、ガイドローラー179を有するので、発行されたラベルが比較的短い場合であっても、ラベル供給部17に移動したラベルが規定位置や規定角度からずれないように支持、搬送される。
例えば発行されたラベルが比較的長い場合、ラベル用紙が切断されない状態でラベル供給部17に到達し、ラベル供給部17に支持された状態で切断部164により切断され、ラベル供給部17にラベルが規定位置や規定角度に支持された状態で移動することができる。
つまり、搬送方向に比較的長いラベルでも比較的短いラベルでも、ラベル供給部17及びガイドローラー179で支持されながら、切断部164により切断される。ラベル発行部16により発行されるラベルが比較的短い場合、ラベル供給部17に支持される面積が比較的小さいので、例えばガイドローラーを設けないと(比較例)切断部164によるラベル用紙切断時の衝撃でラベル供給部17のみで支持されるラベルがずれやすい。一方、本発明の実施例に係るラベル貼付装置ではガイドローラー179が設けられているので、比較的短いラベルであっても、ラベル供給部17及びガイドローラー179により支持されながら切断部164により切断されるので、切断時にラベルが規定位置や規定角度からずれることを防止することができる。
また、本実施形態では、ガイドローラー179は、ラベル供給部17の本体部に回転自在に設けられている。
【0019】
なお、上述したラベル発行部16は、台紙レスラベルを発行したが、この実施形態に限られるものではなく、例えば台紙付きラベルに印字を行い、台紙からラベルを剥離することでラベルを発行してもよい。
【0020】
ラベル供給部17は、ラベル発行部16で発行されたラベルを、搬送部の上方から搬送方向下流側が低くなるように傾斜した向きで繰り出して保持する。
詳細には、
図6,7に示すように、ラベル供給部17は、所定距離だけ離れて設けた複数のローラー171,172,173、駆動モータ175のプーリ174に無端ベルト176L,176Rを配置し、駆動モータ175(ラベル搬送駆動部)により無端ベルト176L,176Rを回転可能に構成されている。
また、ラベル供給部17は、無端ベルト176L,176Rが傾斜したラベル搬送面を有し、そのラベル搬送面の上方に、吸気ファン177(吸気部)を配置し、搬送中のラベルに対して負圧により無端ベルト側に圧力を加えた状態で、ラベルを無端ベルト176L,176Rで下方に移動可能に構成されている。
【0021】
また、ラベル供給部17は、無端ベルト176L,176Rが所定の間隔をあけて並設され、その無端ベルト176L,176Rの間に1つ又は複数の通気孔178が設けられており、吸気ファン177は、通気孔178を介してラベルに負圧を作用することができる。
本実施形態では、ラベルLは粘着面と、粘着面に対して反対側の面に印字面を有する。ラベルの印字面が無端ベルト176L,176Rに当接し、無端ベルト176L,176R側に負圧が作用した状態で搬送される。
【0022】
(ラベル供給動作)
ラベル供給の様子などにつき説明する。
図8に示す例では、ラベル供給部17は、その本体部の上端部がラベル発行部16の筐体16B(本体部)に水平配置された回転軸167により軸支されている。ラベル供給部17は、その回転軸167を回転中心として上方に回動可能に構成されている。
図8に示す例では、ラベル発行部16は、ラベル供給部17の本体部の位置等の状態を検知する検知部(不図示)を有する。
例えば、メンテナンス時に、
図8に示すようにラベル供給部17が上方に回動した場合、検知部(不図示)により、ラベル供給部17の本体部が上方に回動した状態であることを検知すると、LED等の発光表示部(不図示)が点灯し、制御部がラベル発行部16及び搬送部等を非稼働状態とする制御を行う。メンテナンスが終了し、ラベル供給部17を下方に回動し、
図6に示すように、ラベル供給部17の本体部が稼働可能な正規の位置に設定された場合、発光表示部(不図示)が消灯し、制御部がラベル発行部16及び搬送部等を稼働可能な状態とする制御を行う。
【0023】
また、ラベル発行部16は、LED等の発光表示部(不図示)を有する。発光表示部(不図示)は、例えばメンテナンス時、切断部164がラベル発行部の本体部から取り外されたときに点灯し、装着されたときに消灯するように構成されている。
また、ラベル発行部16は、操作ボタン(不図示)を有する。操作ボタン(不図示)が操作された場合、プラテンローラー163等を駆動する駆動モータ(不図示)の駆動により、ラベル用紙RPがラベル搬送方向に移動するように構成されている。
【0024】
図6,7に示すように、ラベル供給部17の下端には、搬送部によって搬送される物品の上面にラベルを押圧する上側押し付け部材18が設けられている。上側押し付け部材18は、例えば、樹脂やゴムなどの弾性体ローラーである。なお、上側押し付け部材18は下方へ向けて突出した、樹脂やゴムなどの弾性体からなる板状部材などであってもよく、搬送部によって搬送される物品の上面にラベルを押圧可能に構成されていればよい。
【0025】
また、ラベル供給部17の下端付近には、エアジェット部19(エア押圧手段)が設けられている。
詳細には、エアジェット部19(エア押圧手段)は、ラベル供給部17の下端、且つ上側押し付け部材18よりも下流側に設けられ、搬送部104(サイドコンベア1042L,1042Rや下流側水平コンベア1041等)によって搬送される物品の下流側側面に向かって圧縮エアを吹き付け可能に構成されており、圧縮エアによりラベルを物品の下流側側面に押圧し、貼付することができる。
【0026】
(第1搬送部(水平コンベア)及び第2搬送部(サイドコンベア)の構成)
図9,10に示す第1搬送部の一部としての上流側水平コンベア1040は、後記する光センサ1040OPとの関係上、幅方向に間隔をあけて配置された一対の上流側水平コンベア1040L,1040Rを有する。詳細には、所定距離だけ離れて配置された上流端及び下流端のローラー間に張架された無端ベルトと、上下端のローラーの少なくとも一方を回転駆動する駆動モーター(不図示)等を有する。上流側水平コンベア1040は、物品を搬送方向に搬送する。
【0027】
また、
図9,10に示す第1搬送部の一部としての下流側水平コンベア1041は、物品のラベル貼付領域以外の部分を支持する関係上、幅方向に間隔をあけて配置された一対の下流側水平コンベア1041L,1041Rを有する。所定距離だけ離れて配置された上下端のローラー間に張架された無端ベルトと、上下端のローラーの少なくとも一方を回転駆動する駆動モーター(不図示)等を有する。下流側水平コンベア1041は、物品を搬送方向に搬送する。
下流側水平コンベア1041L,1041Rの間の空間1041hの幅は、物品が落ちずに搬送でき、かつラベル貼付領域のサイズに応じた幅とされている。
一方、サイドコンベア1042L,1042Rは、物品を搬送方向に直交する幅方向の両側面を支持しており、当然に、物品のラベル貼付領域以外の部分を支持する第2搬送部として機能することになる。
なお、最上流から最下流までの全長に亘って物品のラベル貼付領域以外の部分を支持するような幅方向に間隔をあければ、一対の水平コンベアだけとすることも可能である。
【0028】
(ラベル貼付装置の構成)
また、ラベル貼付装置100は、下側押し付け部材20を有する(
図14を参照)。下側押し付け部材20は、上側押し付け部材18の下方に設けられている。下側押し付け部材20は、物品を搬送する下流側水平コンベア1041によって搬送される物品wの下流側側面や底面に向かって押圧可能に構成されており、ラベルを物品wの下流側側面や底面に押圧することができる。
【0029】
詳細には、下側押し付け部材20は、例えば、上方へ向けて突出した、樹脂やゴムなどの弾性体からなる板状部材である。なお、下側押し付け部材20はローラーなどであってもよく、搬送部によって搬送される物品wの下流側側面、底面や角部にラベルを押圧可能に構成されていればよい。
【0030】
図14(a)に示す例では、下側押し付け部材20は、ラベルに当接する当接部20aの高さが調整可能に構成されている。詳細には、下側押し付け部材20は、ラベル貼付装置の本体部に固定された固定部20bと、固定部20bに対して回転軸20cを介して回動自在に軸支された可動片20d(可動部)と、可動片20dに設けられており、高さを調整可能な当接部20a等を有する。可動片20dは、起立する方向に付勢手段(不図示)により付勢されている。
図14(a)に示す例は、物品wの高さが比較的低い場合であり、この物品wの搬送方向下流側側面に当接するように、当接部20aを比較的低い位置に設定されている。
図14(b)に示す例は、物品wの高さが比較的高い場合であり、この物品wの搬送方向下流側側面に当接するように、当接部20aを比較的高い位置に設定されている。
この他、図示は省略するが、当接部20aの上端を下流側水平コンベア1041の搬送面よりも下に位置するようにして、下側押し付け部材を物品に全く接触しないようにすることも可能である。上面貼りのときに使用される。
このように、下側押し付け部材20は、物品の高さやラベルの貼付態様に応じた適正押圧力が得られるように形態が変更可能とされている。
下側押し付け部材20の当接部20aは、物品wの高さに応じてモータ等の駆動部(不図示)により高さを可変する機構を備えていてもよいし、手動にて高さを調整可能な機構を備えていてもよい。
【0031】
図9,10,2,3,4に示すように、ラベル貼付装置100は、第2搬送部の一部として、サイドコンベア1042L,1042Rを有し、物品を搬送方向に直交する幅方向の両側面を支持した状態で搬送方向に搬送する。
サイドコンベア1042L,1042Rは、
図9に示されるように、上流側水平コンベア1040の上流端よりも下流側に配置されるようにして設けられている。
また、
図9,10に示すように、第2搬送部の一部としてのサイドコンベア1042L,1042Rの上方に少なくともラベル供給部17が設けられる。また、ラベル供給部17に加えて、その下流にマニピュレーター21が設けられてもよい。なお、
図11が示すように、ラベル供給部17の下方には、構造としての支持部材106が設けられているが、物品が搬送されていないときに、誤ってラベルが供給されると、支持部材106に貼り付いてしまうことがある。そこで、支持部材106の表面に、例えば、シリコーン樹脂が塗布されていてラベルが貼りついても簡単に剥がせるように工夫されている。
【0032】
サイドコンベア1042L、1042Rは、例えば幅調整機構(不図示)により、サイドコンベア1042L、1042Rの間の間隔(搬送方向に直交する幅方向の長さ)を物品wの幅(搬送方向に直交する幅方向の長さ)に応じて、調整可能に構成されている。幅調整機構(不図示)は、手動操作部により手動で、または物品の幅を検出する幅検出部に応じて駆動モータ等により自動的に、上記間隔を調整することができる。また、サイドコンベア1042L、1042Rは、搬送方向に直交する方向に全体をシフト移動させて、前記第1搬送部の中心から偏った状態で物品を搬送することも可能である。全体をシフト移動させた場合には、搬送方向の左右中心線から意図的にシフトさせた位置にラベルを貼付することができる。このような貼付動作が行われる際には、貼付動作によって物品に働く力が中心からずれることからバランスを欠くことになる。そこで、十分な反力を得るための手段として、サイドコンベア1042L、1042Rが配置される領域の一部に配置されている下流側水平コンベア1041が重要な役目を果たすことになる。なお、上流側水平コンベア1040と下流側水平コンベア1041が離間するようにしてもよいし、下流側水平コンベア1041の下流端がサイドコンベア1042L、1042Rの下流端よりも上流にあってもよい。
ちなみに、シフトさせた位置にラベル貼付する動作をさせない仕様であるならば、サイドコンベアによる物品両側面の支持が十分である限りにおいては、下流側水平コンベア1041の構成を省くことも一応は可能である。しかし、貼付形態に関わらずアプリケーターで下に押される力が働くことや、サイドコンベアの挟持力が強すぎると物品が変形してしまうという問題があることを、総合的に考慮したならば、左右にシフトせず中心に貼付する場合であっても水平コンベアがある方が圧倒的に有利である。
なお、サイドコンベア1042L、1042R同士が近接し過ぎても、両者が衝突することがないように、また、アプリケーターや下側押し付け部材に接触しないように、
図12に示されるように、サイドコンベア1042L、1042Rを案内するガイドバー10421には、ハドメ10422が設けられている。
また、サイドコンベア1042L、1042Rはそれぞれ、搬送方向に沿って所定距離だけ離れて配置された一対のローラー、その一対のローラーに張架された無端ベルト、ローラーを駆動する駆動モータ等を有する。
【0033】
(ラベル貼付補助部の構成)
図2に示される実施形態において、ラベル供給部17の下流側にマニピュレーター21を追加して設けることができる。このことによって、上面貼り、上面L字貼り、横コの字貼りに加えて、縦コの字貼りや全周貼りを行うことが可能となる。
図15は、ラベル供給部17の下流側に設けられるマニピュレーター21(ラベル貼付補助部)を示した斜視図である。マニピュレーター21(ラベル貼付補助部)は、屈曲したアーム211、アーム211の先端に設けられたローラー212、アーム211全体を円弧運動させる第1駆動機構213、アーム先端のローラー212を円弧運動させる第2駆動機構214などを有する。
詳細には、マニピュレーター本体部215は、支持台216上に配置されており、支持台216の脚部216L,216Rはサイドコンベアや物品搬送路を跨ぐように設けられており、マニピュレーター本体部が搬送路の上方に配置されている。
マニピュレーター本体部215の内部には、水平回転軸213Rが配置され、この水平回転軸213Rが回転自在に支持されている。この水平回転軸にアーム211が接続されている。マニピュレーター本体部215は、上部に、位置合わせレバー215L(操作レバー)が設けられており、アーム211の幅方向(搬送方向に直交する方向)の位置を調整可能となっている。
また、マニピュレーター21は、駆動モータ(不図示)により直接又は間接的に水平回転軸213Rを回転させることで、アーム211が円弧運動するように構成されている。
また、ラベルを物品に押圧後、制御部の制御により、駆動モータ(不図示)がアーム211を初期位置に戻すように動作する。
【0034】
アーム211は中間部分に第1の屈曲部211a、第2の屈曲部211bが設けられており、第1の屈曲部211aで約45°、第2の屈曲部211bで約90°屈曲した形状となっている。また第2の屈曲部211bは、下貼りの場合に、アーム先端のローラー212が物品の底面を押圧するように、第2の屈曲部211bの角度が可変となっている。つまり、第2駆動機構214により、アーム先端のローラー212を円弧運動させる。
図15に示す例では、第2駆動機構214は、圧縮エアにより駆動するエアシリンダがアーム211に設けられており、制御部の制御でエアシリンダが動作することにより、アーム先端のローラー212を円弧運動させ、ローラー212を上方に移動可能である。
なお、第1の屈曲部211aの角度、第2の屈曲部211bの角度は、物品の形状やサイズ、ラベルの形状やサイズに応じて適宜設定可能である。
【0035】
(ラベル貼付動作)
次に、ラベル貼付装置100及びマニピュレーター21(ラベル貼付補助部)の動作の一例を、
図13,16,17等を参照しながら説明する。
図13,16,17に示す例では、ラベル貼付装置100は、物品wの上面にラベルLを貼付する上面貼りの動作を行う。
【0036】
図13に示すように、初期状態(待機状態)では、マニピュレーター21、アーム211の先端(下端部)のローラー212が、搬送される物品wの上端よりも高い位置となるように、アーム211の姿勢が規定されている。
【0037】
物品搬送部の駆動モータによる駆動で、上流側水平コンベア1040、下流側水平コンベア1041、サイドコンベア1042L,1042Rの無端ベルトが回転し、物品wが搬送方向上流側から下流側に向かって移動する。
搬送路には、検出部30のうちの光センサ1040OPにより、物品wが検知され、検出部30から検知信号が制御部11に出力される。より具体的に、光センサ1040OPは、搬送されている物品の下流側の端部を検出するように構成されている。
【0038】
ラベル発行部16は、物品wに関する情報(商品情報等)が印字部162(印字ヘッド等)により印字されたラベルが発行口165から出力される。
ラベル発行部16の発行口165からラベルが発行された場合、ラベル供給部17によりラベルLが下方に搬送される(
図16を参照)。
詳細には、ラベルLの印字面がラベル供給部17の無端ベルト176L,176Rに当接した状態で、ラベル供給部17の吸気ファン177(吸気部)によりラベルLが吸引され、無端ベルト176L,176Rが回転し、ラベルLが下方へ移動する。
【0039】
図16、
図17に示す例では、ラベルLが、物品w上面の所定位置に貼付するように、ラベル供給部17によるラベルの搬送と、下流側水平コンベア1041、サイドコンベア1042L,1042Rによる物品wの搬送を、制御部11が制御する。
詳細には、制御部11は、ラベル供給部17によるラベルの搬送と、下流側水平コンベア1041、サイドコンベア1042L,1042Rによる物品wの搬送を制御して、先ず、ラベルLの下端部が、物品wの上面の下流側端部又はそれよりも僅かに上流位置に当接させ、物品wを搬送させながら、ラベルLをラベル供給部17により下方へ移動させ、
図17に示すように、上側押し付け部材18によりラベルLを物品wの上面に貼付する。
ラベルLの移動や、ラベルLを物品wの上面に貼付するタイミングは、物品wの位置を検出する検出部からの信号、サイドコンベアや下流側水平コンベアによる物品wの移動速度、ラベル供給部17によるラベルLの位置を検出するラベル検出部からの信号、ラベル供給部によるラベルの搬送速度などに基づいて、制御部が制御する。ラベル貼付タイミングと物品wの位置を検出する検出系との関係については後記する。
【0040】
次に、ラベル貼付装置100の全面貼り又は縦コの字貼りの動作の一例を、
図18~24等を参照しながら説明する。
【0041】
図18に示すように、初期状態(待機状態)では、マニピュレーター21、アーム211の先端(下端部)のローラー212が、搬送される物品wの上端よりも高い位置となるように、アーム211の姿勢が規定されている。
具体的には
図18に示す例では、アーム211の長尺部分が略水平となるようにアーム211の姿勢が規定されている。
図18に示すように、物品搬送部の駆動モータによる駆動で、下流側水平コンベア1041の無端ベルトが回転し、物品wが搬送方向上流側から下流側に向かって移動する。
搬送路には、検出部30のうちの光センサ1040OPにより、物品wが検知され、検出部30から検知信号が制御部11に出力される。より具体的に、光センサ1040OPは、搬送されている物品の下流側の端部を検出するように構成されている。
【0042】
ラベル発行部16は、物品wに関する情報(商品情報等)が印字部162(印字ヘッド等)により印字されたラベルが発行口165から出力される。
ラベル発行部16の発行口165からラベルが発行された場合、ラベル供給部17によりラベルLが下方に搬送される(
図18を参照)。
詳細には、ラベルLの印字面がラベル供給部17の無端ベルト176L,176Rに当接した状態で、ラベル供給部17の吸気ファン177(吸気部)によりラベルLが吸引され、無端ベルト176L,176Rが回転し、ラベルLが下方へ移動する。
【0043】
図18に示す例では、ラベルLの下端が物品wの底面、又は下流側水平コンベア1041の搬送面よりも低い位置まで移動し、サイドコンベア1042L,1042Rにより、物品wが搬送方向に搬送される。
【0044】
図19に示すように、上側押し付け部材18及びエアジェット部19により、物品wの搬送方向下流側側面および上面に、ラベルLの粘着面(裏面)の一部分が押圧される。
【0045】
図20に示すように、下流側水平コンベア1041、サイドコンベア1042L,1042Rにより物品wを搬送方向に移動させると、下側押し付け部材20が、ラベルLの、物品wの底面よりも低い部分を、物品wの底面に押圧し、ラベルLを物品wの底面に貼付する。
また、上側押し付け部材18により、物品wの上面にラベルLを押圧する。
図20に示す例の場合、長尺のラベルLの後端部分は、ラベル供給部17の無端ベルト176L,176Rに当接した状態で、吸気ファン177(吸気部)により吸引保持された状態となっている。
【0046】
図21に示すように、マニピュレーター21のアーム211の先端のローラー212を、物品wの上面に押圧しつつ、下流側水平コンベア1041、サイドコンベア1042L,1042Rにより、物品wを搬送方向に移動させることにより、ラベルLを物品wの上面に押圧する。
【0047】
次に、
図22,23に示すように、第1駆動機構213により、アーム211を下方に向けて円弧運動させることにより、アーム211の先端のローラー212により、ラベルLを物品wの上流側側面に押圧しながら、物品wの下方へローラー212を移動させる。
【0048】
図24に示すように、第2駆動機構214により、アーム211の先端部を上方に向けて円弧運動させて、アーム先端のローラー212により、搬送されている物品wの底面にラベルLを押圧する。
そして、ラベルLが貼付された物品wを下流側水平コンベア1041、サイドコンベア1042L,1042Rにより搬送方向へ搬送する。
図18においてラベルが供給される態様は、ラベルLの下端が物品wの底面、又は下流側水平コンベア1041の搬送面よりも低い位置まで移動し、かつ、供給されるラベル長が全面貼りに対応した十分な長さであったが、これよりも短い長さのラベルが供給される場合には、縦コの字貼り動作となり、さらに、短い長さのラベルが供給される毎に横コの字貼り動作や上面L字貼り動作へと段階的に切り替えられることになる。そして、縦コの字貼り及び全周貼りの動作をさせる必要がなく、上面貼り、上面L字貼り、横コの字貼り動作のみに対応という要求仕様の場合には、マニピュレーター21(ラベル貼付補助部)は必要ないことになる。
図2や4において示されるラベル貼付装置100は、この仕様を示したものである。
逆に、マニピュレーター21(ラベル貼付補助部)を残して、ラベル供給部17の傾斜した向きで繰り出す構成やエアジェット部19、下側押し付け部材20等を廃することもでき、その場合は、ラベル供給部17を斜めにラベルを繰り出すような特別な構造でなく、真下にラベルを繰り出すだけで済む簡単な構造とすることができる。このことより、本発明は、搬送方向に沿って斜めにラベルを供給するという態様ないし観念に限定されることなく、上方からラベルを供給すると広く観念される発明を含むものと理解される。
【0049】
(ラベル貼付タイミングと物品検出系について)
本発明の実施形態に係るラベル貼付装置100は、既に述べたように、ラベル貼付タイミング、より正確にいえばラベル供給タイミングを与えるために、物品の位置を検出する光センサ1040OPを備えている。検出信号が与えられてから動作させるまでのタイミングラグを考えると、十分に上流側にセンサを配置することが必要となるが、上流であればある程に良いというものでもない。ラベル貼付装置100の前段に配置されるコンベアベルトから物品を引き継ぐ際に、どうしても物品のバタつきが生じてしまうため、安定した検出を行うことができない。そこで、
図25に示されるように、第1搬送部である上流側水平コンベア1040のみで搬送されている領域では、物品がバタついている可能性があることを考慮して、上流側水平コンベア1040での搬送に加えて、第2搬送部であるサイドコンベア1042L,1042Rにより支持(挟持)される状態になってから以降の位置に光センサ1040OPが設けられている。すなわち、光センサ1040OPは、サイドコンベア1042L,1042Rの上流端よりも下流側に配置されている。また、光センサ1040OPは、一対の上流側水平コンベア1040に設けられた間隔を通して下方から物品をセンシングするようにされている。従前のラベル貼付装置では側方からセンシングを行うように構成されていたが、本発明の実施形態に係るラベル貼付装置100はサイドコンベア1042L,1042Rを備えるために、必然的にこのような配置となる。また、トレイ等の物品の下流側側面は横から見ると真っ直ぐではない。このことに関して、従前のラベル貼付装置における側方からのセンシングによる有無検知では、センサの設置された高さによって誤差要因となるが、本発明の実施形態に係るラベル貼付装置100は、上下方向にセンシングすることによって、最も出っ張っている部分(下流側の端部)を確実に検出できるという思わぬ副次的効果を発現することとなった。
このように、検出精度に目を向けて高精度での検出が可能とされていることを積極的に利用して、本発明の実施形態に係るラベル貼付装置100は、ラベル貼付の搬送方向での開始位置につき、調整が可能となっている。また、前述したサイドコンベア1042L,1042R全体をシフト移動させることで、ラベルの搬送方向に直交した位置についても調整可能となっている。
【0050】
(ラベル貼付装置における各種設定機能)
図26に示されるように、ラベル貼付装置100の各要素の設定が可能とされている。「サイドコンベア奥」、「サイドコンベア手前」と書かれている位置を調整することによって、様々なサイズ幅の商品に対応させたり、搬送方向に直交する方向でのラベル貼付位置をシフトさせたりする等の変更設定が可能である。「底面サポート板長さ」の項目は、
図14を用いて説明したところの、下側押し付け部材20のラベルに当接する当接部20aの高さに対応する項目である。上面貼り、上面L字貼り、横コの字貼り等に合わせた適切な長さとなるように設定することが可能である。また、図示されていないが、光センサ1040OPでの検出タイミングを契機としての貼付開始位置を設定することも可能である。
このように、調整して設定した項目については、
図27に示されるように、例えば、商品コード毎に設定記憶させておくことができる。
一旦設定記憶された後には、
図28に示されるように、商品コードを入力すれば、記憶された設定を呼び出すことができるようになっている。
【0051】
<実施形態の総括>
[技術分野]
本発明は、ラベル貼付装置、ラベル貼付方法に関する。
[背景技術]
発行したラベルを商品に貼付する装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2012-148408号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、一般的なラベル貼付装置では、商品の上面にラベルを貼付する、商品の上面及び側面にラベルを貼付する、商品の上面、側面及び底面にラベルを貼付するなど様々なラベル貼付方式に対応できない。
このため、様々なラベル貼付方式に対応することができるラベル貼付装置が望まれている。
[課題を解決するための手段]
(1)以上説明したように、本実施形態の一態様は、物品の搬送方向に沿って当該物品にラベルを貼付するラベル貼付装置100であって、載置された状態で物品を搬送する第1搬送部(上流側水平コンベア1040、下流側水平コンベア1041)と、前記第1搬送部によって画定される搬送面とは異なる面であって、略対向する二つの面に配置される第2搬送部(サイドコンベア1042)と、前記第2搬送部の上方からラベルを供給するラベル供給部17と、ラベルを前記物品の一つの面だけに貼る貼付形態と前記物品の複数の面に亘って貼る貼付形態を採り得るラベル貼付部(上側押し付け部材18、下側押し付け部材20、マニピュレーター21)とを備え、前記第2搬送部が配置される領域には第1搬送部も配置されていることを特徴とする。
この構成によれば、様々なラベル貼付方式に対応することができるラベル貼付装置を提供することができる。
【0052】
(2)本実施形態の一態様は、(1)に記載のラベル貼付装置100において、前記第2搬送部(サイドコンベア1042)は、間隔を変更可能に設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、様々な幅サイズの物品に対応することができるラベル貼付装置を提供することができる。
【0053】
(3)本実施形態の一態様は、(2)に記載のラベル貼付装置100において、前記第2搬送部(サイドコンベア1042)は、搬送方向に直交する方向における前記第1搬送部(上流側水平コンベア1040、下流側水平コンベア1041)の中心から偏った状態で物品を搬送可能であることを特徴とする。
この構成によれば、搬送方向の左右中心線から意図的にシフトさせた位置にラベルを貼付することができるラベル貼付装置を提供することができる。
【0054】
(4)本実施形態の一態様は、(1)から(3)のいずれか一に記載のラベル貼付装置100において、搬送される物品を上下方向に沿って検出するセンサ(光センサ1040OP)を更に備え、前記第1搬送部は、前記センサに対応する幅で搬送方向に沿った隙間が設けられた上流側水平コンベア1040と、前記ラベル供給部17に対応する幅で搬送方向に沿った隙間が設けられた下流側水平コンベア1041を有することを特徴とする。
この構成によれば、サイドコンベア1042があるにも関わらず物品の検出を可能なラベル貼付装置を提供することができる。
【0055】
(5)本実施形態の一態様は、(4)に記載のラベル貼付装置において、前記センサ(光センサ1040OP)は、前記第2搬送部(サイドコンベア1042)の上流端よりも下流側に配置されていることを特徴とする。
この構成によれば、ラベル貼付タイミングの契機を与える物品を高精度に検出可能なラベル貼付装置を提供することができる。
【0056】
(6)本実施形態の一態様は、(5)に記載のラベル貼付装置において、前記センサ(光センサ1040OP)は、上面視における物品の最も下流側の端部を検出するように構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、物品の形状に十分に対応できるため、ラベル貼付タイミングの契機を与える物品をより高精度に検出可能なラベル貼付装置を提供することができる。
【0057】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
また、上述の各図で示した実施形態は、目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。
また、各図の記載内容はそれぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
【0058】
なお、上述した実施形態では、物品を搬送する搬送部として、ベルトコンベアを採用したが、この実施形態に限られるものではなく、ローラーコンベア等であってもよい。
【符号の説明】
【0059】
11…制御部
16…ラベル発行部
17…ラベル供給部
18…上側押し付け部材
19…エアジェット部(エア式押圧部)
20…下側押し付け部材
21…マニピュレーター(補助ラベル貼付部)
100…ラベル貼付装置
104…搬送部
162…印字部
175…駆動モータ
176L,176R…無端ベルト
177…吸気ファン
178…通気孔
211…アーム
211a…第1の屈曲部
211b…第2の屈曲部
212…ローラー
213…第1駆動機構
214…第2駆動機構
1040…上流側水平コンベア
1040OP…光センサ
1041…下流側水平コンベア
1042L,1042R…サイドコンベア
L…ラベル
w…物品