(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-14
(45)【発行日】2025-01-22
(54)【発明の名称】商品データ処理装置
(51)【国際特許分類】
G07G 1/00 20060101AFI20250115BHJP
G07G 1/12 20060101ALI20250115BHJP
G07G 1/01 20060101ALI20250115BHJP
G01G 19/414 20060101ALI20250115BHJP
【FI】
G07G1/00 331C
G07G1/12 301E
G07G1/01 301E
G01G19/414 G
(21)【出願番号】P 2021021133
(22)【出願日】2021-02-12
【審査請求日】2024-01-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100094226
【氏名又は名称】高木 裕
(74)【代理人】
【識別番号】100087066
【氏名又は名称】熊谷 隆
(72)【発明者】
【氏名】横野 周作
【審査官】山本 裕太
(56)【参考文献】
【文献】実開平01-180625(JP,U)
【文献】特開2001-101529(JP,A)
【文献】特開2001-012996(JP,A)
【文献】特開2004-163995(JP,A)
【文献】特開2013-108817(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00
G07G 1/12
G07G 1/01
G01G 19/414
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
秤に商品を搭載して重量値を求め商品を販売する商品データ処理装置であって、
制御部と、
操作者が操作可能な表示手段と、
前記表示手段に表示される商品を特定する操作子と、を有し、
前記制御部は、前記秤が重量値を検知している状態で前記操作子が操作された場合には、当該操作子によって特定された商品の重量を風袋重量として制御し、
前記秤が重量値を検知していない状態で前記操作子が操作された場合には、当該操作子によって特定された商品を、販売する商品の商品情報として前記表示手段に表示させることを特徴とす
る商品データ処理装置。
【請求項2】
秤に商品を搭載して重量値を求め商品を販売する商品データ処理装置であって、
制御部と、
操作者が操作可能な表示手段と、
前記表示手段に表示される商品を特定する操作子と、を有し、
前記制御部は、前記秤が重量値を検知している状態で前記操作子が操作された場合には、当該操作子によって特定された商品の重量を風袋重量として制御し、
前記秤が重量値を検知していない状態で前記操作子が操作された場合には、当該操作子によって特定された商品を、販売する商品としてそのまま登録することを特徴とす
る商品データ処理装置。
【請求項3】
前記商品の重量値を書き込み可能な書き込み手段をさらに備え、
前記書き込み手段には、当該商品の販売時に計量した当該商品の重量値を風袋重量として書き込み可能であることを特徴とする請求項
1又は2に記載の商品データ処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記秤が検知した重量値が前記操作子によって特定された商品の重量値と一致した場合には、当該商品を販売する商品として登録することを特徴とする請求項
1又は2又は3に記載の商品データ処理装置。
【請求項5】
秤に商品を搭載して重量値を求め商品を販売する商品データ処理装置としてのコンピュータを、
制御部、
操作者が操作可能な表示手段、
前記表示手段に表示される商品を特定する操作子、として機能させ、
さらに前記制御部を、
前記秤が重量値を検知している状態で前記操作子が操作された場合には、当該操作子によって特定された商品の重量を風袋重量として制御するように機能させ、
一方前記秤が重量値を検知していない状態で前記操作子が操作された場合には、当該操作子によって特定された商品を、販売する商品の商品情報として前記表示手段に表示させるように機能させる
ことを特徴とするプログラム。
【請求項6】
秤に商品を搭載して重量値を求め商品を販売する商品データ処理装置としてのコンピュータを、
制御部、
操作者が操作可能な表示手段、
前記表示手段に表示される商品を特定する操作子、
として機能させ、
さらに前記制御部を、
前記秤が重量値を検知している状態で前記操作子が操作された場合には、当該操作子によって特定された商品の重量を風袋重量として制御するように機能させ、
一方前記秤が重量値を検知していない状態で前記操作子が操作された場合には、当該操作子によって特定された商品を、販売する商品としてそのまま登録するように機能させる
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、秤に商品を搭載してその重量値を求めて販売する商品データ処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、秤に商品を搭載して重量値を求めて販売する際に、風袋重量(風袋量)を除外する風袋引きが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし従来、例えば風袋となる容器自体を商品としても販売するような場合、当該容器を、風袋として処理するか、商品として処理するかの制御をスムーズに行うことができなかった。
【0005】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、商品の販売をスムーズに行うことができる商品データ処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、秤に商品を搭載して重量値を求め商品を販売する商品データ処理装置であって、制御部と、操作者が操作可能な表示手段と、前記表示手段に表示される商品を特定する操作子と、を有し、前記制御部は、前記秤が重量値を検知している状態で前記操作子が操作された場合には、当該操作子によって特定された商品の重量を風袋重量として制御し、前記秤が重量値を検知していない状態で前記操作子が操作された場合には、当該操作子によって特定された商品を、販売する商品の商品情報として前記表示手段に表示させることを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】計量装置(商品データ処理装置)1の斜視図である。
【
図2】計量装置1の機能ブロック図の一例を示す図である。
【
図4】計量システム(商品データ処理システム)1Aのブロック構成図である。
【
図5】計量装置1が実行する計量値付け処理の一例を示す動作フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかる商品データ処理装置(以下「計量装置」という)1の斜視図である。この計量装置1は、商品が不定貫商品(質量によって価格の異なる商品、計量商品)の場合はその商品を計量・値付けした後に、またその商品が定額商品(価格と質量〔内容質量〕が決まっている商品〔定貫商品〕と、価格と数量〔内容数量〕が決まっている商品)の場合はその商品と商品数量を指定した後に、その商品の価格を算出し、精算を行い、精算用のレシートを発行するように構成されている。
【0009】
図1に示すように、計量装置1は、本体部11の上面に計量皿13を設置し、また本体部11の前面側に操作者が操作可能な表示手段(以下「表示操作部」という)15を設置して構成されている。本体部11の外周側壁の所定位置(1角部)には、印刷物発行口17が設けられている。表示操作部15の表面には、表示操作面19と、テンキー入力部21とが設けられている。
【0010】
図2は前記計量装置1の機能ブロック図の一例を示す図である。同図に示すように、計量装置1は、計量装置1の動作を制御するCPU(制御部)31と、RAM(記憶部)37が記憶する情報を転送して記憶するハードディスク(記憶部)33と、CPU31が実行するプログラムを記憶するROM(記憶部)35と、種々の情報を記憶するRAM37と、計量装置1を操作する操作部39と、ロードセルなどを用いて前記計量皿13上に載置された量り売りする商品の計量を行う質量検出部41と、レシートやラベルなどを印刷して発行する印刷手段43と、各種情報を表示する表示手段45と、他の機器に対して各種情報を送信する送信手段47と、他の機器から各種情報を受信する受信手段49と、精算処理を行う会計処理部51と、を備えている。各構成要素は互いにバス又はその他の通信回線を介して接続されている。
【0011】
なお前記
図1に示す表示操作部15の表示操作面19は、液晶のタッチパネルで構成されており、操作部39であると共に表示手段45である。また前記
図1に示すテンキー入力部21は、操作部39である。また計量皿13及びロードセル及び質量検出部41などによって秤が構成されている。会計処理部51には、ドロワ(金銭保管装置)が接続されている。
【0012】
図3は、前記RAM37に記憶される商品ファイル60の一例を示す図である。同図に示すように、商品ファイル60は、各商品の商品コード(商品識別情報)、商品名、計量区分、価格、重量、風袋として使用されるか否か、などの各種情報からなっている。商品ファイル60には、図示はしていないが、さらに賞味・消費区分、賞味・消費期限、原材料、保存方法、保存温度、栄養成分、食品添加物、熱量など、商品に関する各種情報が記憶されている。ここで「計量区分」とは、不定貫(量り売り)と定額(定貫を含む)の区分を示し、「価格」とは、不定貫商品の場合は、単位質量(例えば100g)当りの単価を示し、定額商品(定貫商品を含む)の場合は、1単位(1個、1パックなど)の販売金額を示している。「重量」とは、定額商品の重量または内容量を示している。「風袋」とは、当該商品が他の商品を詰めて風袋として使用される商品であるか否かを示している。
【0013】
即ち、容器の無駄(使い捨て)を抑制するなどの観点から、商品を収納する容器を顧客自らが購入し、当該容器に商品を収納したものを計量して販売するシステムを導入した店舗においては、当該容器を商品として販売すると同時に、当該容器を風袋として利用できるようにするため、商品ファイル60に、当該容器の価格と共に、風袋として使用できることを示す情報を記憶している。
【0014】
図4は、上記計量装置1を複数台用いて構築された計量システム(商品データ処理システム)1Aのブロック構成図である。同図に示すように、計量システム1Aは、ストアコントローラ100と、複数台の計量装置1(1-1,1-2,・・・,1-n)とを通信回線55で接続し、これによって、相互にデータの送受信が可能となるように構成されている。ストアコントローラ100は、計量システム1A全体を制御するコンピュータであって、各計量装置1で用いられる各種データを管理しており、商品データなどを記憶し、適宜各機器に配信する。またストアコントローラ100は、各計量装置1で会計処理された会計済みデータを会計後に受信し、受信した会計済みデータを記憶し、実績集計などを行う。複数台の計量装置1(1-1,1-2,・・・,1-n)は、例えば、同一フロアの売り場のショーケースの天面の各区画に設置される。販売する商品の種類毎(例えば、総菜売り場、鮮魚売り場、精肉売り場など)に設置してもよいし、また販売エリアの広い同一種類の商品の1エリアに対して複数台設置してもよい。また上記計量装置1が備える会計処理部51は、複数の計量装置1に対して1つ設置しても良い。また通信回線55に、別途、図示しないPOS装置を接続し、このPOS装置において、各種会計処理(クレジットや電子マネーなどを含む)を行わせるように構成してもよい。なお、上記複数台の計量装置1(1-1,1-2,・・・,1-n)は、何れも、下記する
図5の動作を行うプログラムを記憶している。
【0015】
図5は、計量装置1(1-1)が実行する計量値付け処理の一例を示す動作フロー図である。この図に示される処理は、CPU31がROM35に記憶されているプログラムを実行することにより実現される。ここでは、風袋として用いることができる容器を、(1)商品として販売する場合と、(2)風袋として利用する場合とに分けて、それらの具体的な一例を説明する。即ちこの動作フローを利用する店舗は、秤を使用した計量販売と、秤を使用しない商品販売の両方を行う店舗であり、また販売している容器を使用してもらい、その容器に商品を入れて購入してもらうこともできる店舗である。
【0016】
図6は、計量装置1を用いて、商品を注文する際に表示操作面19に表示される操作画面G1を示す図である。この操作画面G1には、既に登録した商品を価格などと共に表示する登録商品表示欄A1と、既に登録した商品に対する合計金額などを表示する会計表示欄A2と、風袋の重量値を表示する風袋重量表示欄A3と、選択した商品を表示する選択商品表示欄A4と、計量した商品の重量を表示する商品重量表示欄A5と、商品単価表示欄A6と、商品価格表示欄A7と、複数ある商品の種別を選択する商品種別選択欄A8と、選択可能な具体的商品を操作子(ボタン)として表示する選択用商品表示欄A9と、選択した商品を登録する商品登録ボタン(+ボタン)A10と、風袋引きを指示する風袋引きボタンA11などが表示されている。
【0017】
図6に示す操作画面G1では、登録商品表示欄A1に示すように既に2つの商品が商品登録され、当該2つの商品に関する会計情報が会計表示欄A2に表示された状態であって、且つ商品種別選択欄A8で「容器」ボタンが押下されることで商品の種別を「容器」とし、これによって選択用商品表示欄A9に選択可能な各種容器選択ボタン(操作子)を表示した状態を示している。
【0018】
〔容器を商品として販売する場合〕
そして上記
図6に示す操作画面G1の状態において、客が風袋用に用いることができる容器(この例の場合は「〇〇容器大」)を商品として注文すると、店員は、ステップ1-1を行わないで、且つ当該容器を計量皿13に載せないで(ステップ1-2の「N」)、そのまま選択用商品表示欄A9中の「〇〇容器大」ボタン(操作子)をタッチ(押下)する(ステップ1-3)。これによってCPU31は、商品として当該「〇〇容器大」の価格を算出する(ステップ1-4)。このとき、
図7に示す操作画面G2のように、選択された容器が商品として選択商品表示欄A4に表示され、風袋重量表示欄A3に当該容器の重量「100g」が表示され、商品単価表示欄A6に当該容器の単価「300円」が表示される。なお風袋重量表示欄A3への容器重量の表示は行わなくても良い。そしてテンキー入力部21を用いて販売個数「1」を押下すると、商品価格表示欄A7に当該容器の価格「300円」が表示される。なお、テンキー入力部21を押下しなくても、
図7に示す操作画面G2の商品価格表示欄A7に、販売個数が「1」の場合の価格「300円」を予め表示しても良い。これによってテンキー入力部21の押下を省略することができる。複数の個数を販売する場合は、テンキー入力部21を用いて販売個数を押下するか、或いは前記「〇〇容器大」ボタンを複数回押下することで、商品価格表示欄A7の表示が変わるように構成しても良い。
【0019】
次に、商品登録ボタンA10を押下すると、前記選択した容器が登録され(ステップ1-5)、
図8に示す操作画面G3のように、左側の登録商品表示欄A1に商品「〇〇容器大」に関する情報が加わり、会計表示欄A2に商品「〇〇容器大」の料金を加算した会計額が表示される。
【0020】
次に、別途商品の選択を行う場合はステップ1-1に戻るが(ステップ1-6の「N」)、全ての商品の選択・登録が終了すると(ステップ1-6の「Y」)、図示しない精算ボタンが押下され精算処理を行い(ステップ1-7)、レシートを発行し(ステップ1-8)、一連の操作を終了する。なおこの例では精算を行うこととしたが、この段階では精算を行わず(ステップ1-7を省略)、精算情報を印刷して発行したレシートを当該商品又はその包装に貼り付け、別の場所に設置したPOS装置などによって精算を行っても良い(下記する別の例でも同様)。
【0021】
なお上記例では、商品登録ボタンA10を押下することで選択した容器を登録する構成としたが、商品登録ボタンA10の押下を省略し、前記選択用商品表示欄A9中の「〇〇容器大」ボタン(操作子)を押下し、販売個数を押下するだけで選択した容器を登録する構成としてもよい。
【0022】
〔容器を風袋として利用する場合〕
一方上記
図6に示す操作画面G1において、客が風袋として持参した容器(この例の場合は「〇〇容器大」)に、購買したい別の商品(この例の場合は非定貫商品「ピスタチオ」)を収納したものを注文すると、店員は、商品として「ピスタチオ」を選択する(ステップ1-1)。選択方法は、
図6に示す商品種別選択欄A8中の「ナッツ」ボタンを押下することで、ナッツ類の商品を選択用商品表示欄A9(
図9参照)に表示し、表示された「ピスタチオ」ボタンを押下することで行う。なおこの商品の指定は、下記するステップ1-2の後に行っても良い(ステップ1-1A)。
【0023】
次に、当該容器に詰めた商品を、計量皿13に載せるとCPU31は当該重量(総重量)を検知する(ステップ1-2の「Y」)。このときの操作画面G4を
図9に示す。同図に示すように、このとき、指定された商品「ピスタチオ」が選択商品表示欄A4に表示され、前記計量した商品重量(風袋重量を含む)「300g」が風袋重量表示欄A3に表示され、当該商品の単価「180円」が商品単価表示欄A6に表示される。
【0024】
次に、前記商品種別選択欄A8中の「容器」ボタンを押下することで、
図10に示す操作画面G5のように、容器類の商品を選択用商品表示欄A9に表示し、前記商品「ピスタチオ」を収納している容器である「〇〇容器大」ボタンを押下し、引き続き風袋引きボタンA11を押下する(ステップ1-9)。これによって、CPU31は、前記計量した重量値「300g」から、風袋重量値(風袋重量)「100g」を風袋引きし、風袋引き重量を算出する(ステップ1-10)。なお、上記風袋引きボタンA11の押下を省略し、「〇〇容器大」ボタンの押下だけで風袋引きし、風袋引き重量を算出しても良い。
【0025】
同時に、当該風袋引き重量値を用いて商品「ピスタチオ」の価格を算出する(ステップ1-11)。このとき、
図10に示すように、風袋重量表示欄A3に風袋重量値「100g」が表示され、商品重量表示欄A5に風袋引き重量値「200g」が表示され、商品価格表示欄A7に風袋引き重量値に基づく商品価格「360円」が表示される。
【0026】
次に、商品登録ボタンA10を押下すると、前記選択した商品「ピスタチオ」が登録され(ステップ1-12)、図示はしないが、左側の登録商品表示欄A1に商品「ピスタチオ 200g 360円」が追加表示され、会計表示欄A2に商品「ピスタチオ」の料金を加算した会計額が表示される。
【0027】
次に、別途商品の選択を行う場合はステップ1-1に戻る(ステップ1-6の「N」)が、全ての商品の選択・登録が終了すると(ステップ1-6の「Y」)、前記と同様、図示しない精算ボタンが押下され精算処理を行い(ステップ1-7)、レシートを発行し(ステップ1-8)、一連の操作を終了する。
【0028】
なお上記
図5に示す例では、商品を詰めた容器を計量皿13に載置してその重量を検知する前または後に商品を選択する例、即ち風袋用商品の選択前に商品を選択する例を示したが、商品の選択は、風袋用商品の選択後、即ちステップ1-9の後に行っても良い。この場合、ステップ1-2において重量値を検知した後に風袋用商品を選択するが、このときの状態を
図11の操作画面G6に示す。操作画面G6に示すように、この場合は、購買しようとする商品が選択されていないので、選択商品表示欄A4と商品単価表示欄A6と商品価格表示欄A7は何れも空欄であり、一方、風袋重量表示欄A3には風袋重量値「100g」が表示され、商品重量表示欄A5には実測値から風袋重量値を引いた風袋引き重量値「200g」が表示される。そして前記と同様の操作によって商品「ピスタチオ」を選択すれば、上記と同様に、風袋引き価格が算出されて上記
図10に示すと同様の操作画面G5が表示される(ステップ1-11)。以下の動作は上記したものと同様である。
【0029】
ところで上記例では、商品の選択を行った後に風袋用商品を選択するため、商品種別選択欄A8を操作することとしているが、この商品種別選択欄A8を用いて商品種別を切替える操作は煩雑であり、操作時間もかかり、操作ミスを生じる虞もある。そこで、以下に示す他の操作方法(1),(2)を用いても良い。
【0030】
他の操作方法(1)
商品種別選択欄A8の「ナッツ」を押下してその選択用商品表示欄A9に表示した商品の中から例えば「ピスタチオ」を押下・選択する。このとき商品種別選択欄A8には「ナッツ」が選択された状態、選択用商品表示欄A9には「ナッツ」に関する具体的商品が表示されている。次に、容器に入れたピスタチオを計量皿13に載置すると、前記商品種別選択欄A8の表示が「ナッツ」から「容器」に自動的に遷移し、同時に選択用商品表示欄A9の表示も「ナッツ」に関する具体的商品から「容器」に関する具体的商品に自動的に遷移する。
【0031】
他の操作方法(2)
容器に入れた商品、例えば「ピスタチオ」を計量皿13に載置する。次に、商品種別選択欄A8の「ナッツ」を押下してその選択用商品表示欄A9に表示した具体的商品の中から例えば「ピスタチオ」を押下・選択する。当該商品「ピスタチオ」を選択したことにより、前記商品種別選択欄A8の表示が「ナッツ」から「容器」に自動的に遷移し、同時に選択用商品表示欄A9の表示も「ナッツ」に関する具体的商品から「容器」に関する具体的商品に自動的に遷移する。
【0032】
上記他の操作方法(1),(2)によれば、風袋情報が登録されていない商品を選択して計量皿(秤)13に載置(順番は逆でも良い)した場合に、自動的に風袋引き機能を持った商品種別選択欄A8に移行するので、操作が非常に楽になる。但し、商品ファイル60中の商品のデータとして当該商品の重量などの商品情報の他に、当該商品を詰める容器の重量が風袋重量として設定されている商品、即ち予め風袋情報を持った商品(例えば下記する「ミックスベリー」)の場合は、商品種別選択欄A8を「容器」に自動移行させる必要が無いので、自動移行させない。また上記他の操作方法(1),(2)では自動的に風袋引き機能を持った商品種別選択欄A8に移行する構成としたが、その代わりに、商品種別選択欄A8の「容器」ボタン即ち「風袋」ボタンを他のボタンと異なる目立つ表示(例えば点滅表示や色違いなど)にして当該「容器」ボタンを間違えなく押下できる構成としても良い。
【0033】
以上説明したように、上記計量装置1は、CPU(制御部)31と、操作者が操作可能な表示操作面(表示手段)19と、表示操作面19(操作画面G1~G8)に表示される商品を特定する各種ボタン(操作子)とを有し、CPU31は、前記商品を特定する各種ボタンが操作された場合に、計量皿(秤)13の状態、即ち計量皿13に既に商品などが載置されて重量値を検知している状態(ステップ1-2の「Y」)と、計量皿13に商品などが載置されておらず重量値を検知していない状態(ステップ1-2の「N」)、に応じて制御を異ならせることとしている。即ち、計量皿13が重量値を検知している状態(ステップ1-2の「Y」)で容器(風袋用商品)を特定するボタンが操作された場合には、当該容器の重量を風袋重量として制御し、一方前記計量皿13が重量値を検知していない状態(ステップ1-2の「N」)で前記容器(風袋用商品)を特定するボタンが操作された場合には、当該容器を販売する商品の商品情報として制御(表示操作面19に表示する等)することとしている。
【0034】
このように、計量皿13の状態に応じて、同一のボタン(操作子)を操作しても異なる制御が行われるので、少ないボタン(操作子)で多様な制御(異なる機能)をスムーズに行うことが可能になる。言い換えれば、ボタン(操作子)の数を削減でき、表示操作面19の表示エリアをより広く使用することが可能になる。
【0035】
また上記例において、計量皿13が重量値を検知していない状態(ステップ1-2の「N」)で容器(風袋用商品)を特定するボタンが操作された場合に(ステップ1-3)、当該容器の価格の算出・登録を行う前に、前記計量皿13に当該容器を載置させ、当該容器の測定重量値が登録されている重量値と一致するか否かを判定し、当該容器が間違いなく前記特定した容器であることを確認する動作を追加しても良い。この場合、当該容器を計量皿13に載置することを求める内容を、表示操作面19に表示させても良い。
【0036】
また、計量皿13が重量値を検知している状態(ステップ1-2の「Y」)で容器(風袋用商品)を特定するボタンが操作された場合には、当該容器の重量を風袋重量として制御するが、当該検知した重量値が当該容器の重量値と同一であった場合は、当該容器を販売する商品として制御するように構成しても良い。この場合、ステップ1-10において、算出した風袋引き重量が「0g」の場合にステップ1-4に移行し、当該容器を販売する商品として取り扱う。
【0037】
また上記の例では、容器の重量値を予め商品ファイル60に登録しているとした。しかし、場合によっては、当該容器の重量値が予め商品ファイル60に登録されていない場合も考えられる。例えば、顧客が持参した容器(店舗で販売している容器でも、販売していない容器でも良いが、商品ファイル60にその重量値を登録していない容器)に商品を詰めて計量したいような場合である。このような場合は、当該容器を予め単独で計量し、計量結果を予めICチップやICタグなどの書き込み手段に記憶し、記憶した書き込み手段を当該容器に取り付けておく。
【0038】
具体的には、例えば、(1)当該容器を計量皿13に載置して計量する。(2)次に図示しない風袋重量書き込みボタンを押下(または、当該容器がプリセットキーにある容器、例えば「〇〇容器大」であれば、選択用商品表示欄A9中の「〇〇容器大」ボタンを押下)することで、容器に取り付けたICチップや、容器に貼り付けられるラベルに取り付けたICタグに計量値(風袋重量)の情報を書き込む。なお、当該容器が販売している商品で、商品ファイル60にその重量値を登録している商品であるような場合は、計量値の代わりに当該商品の識別情報を当該ICチップやICタグに登録しても良い。この計量装置1の場合は、ICチップなどに風袋重量などの情報を書き込む書込部と、ICチップなどから前記情報を読み出す読出部とを備えている。
【0039】
これによって、次回、所望の商品を収納した当該容器を計量皿13に載置したとき、計量装置1の読出部が当該容器に取り付けた書き込み手段に書き込まれた容器重量などの情報を風袋重量などとして読み出し、風袋引きを行う。このような容器の場合は、風袋用商品を選択するボタン(操作子)を押下しなくても風袋引きによる計量を進めることが可能になる(ステップ1-9の省略可)。これによって、顧客側が用意した容器などを風袋引きできる容器として容易に利用することが可能になる。
【0040】
次に、商品ファイル60中の商品のデータとして当該商品の重量などの商品情報の他に、当該商品を詰める容器の重量が風袋重量として設定されているような場合は、例えば以下のように制御する。即ち、100gの商品「ミックスベリー」を、50gの容器に詰めたものを購買する場合、当該商品を計量皿13に載置しない状態で「ミックスベリー」の商品ボタンを押下すると、
図12に示す操作画面G7のように、商品単価表示欄A6に商品単価「600円/100g」、風袋重量表示欄A3に風袋重量「50g」、商品重量表示欄A5に重量「-50g」(計量していないので風袋重量分マイナスと表示)が表示される。この場合の商品単価と風袋重量は、あくまでも商品情報の確認のための表示であり、商品登録ボタンA10を押下することで、商品の登録が完了する。一方、当該商品を計量皿13に載置した状態で「ミックスベリー」の商品ボタンを押下すると、
図13に示す操作画面G8のように、商品単価表示欄A6に商品単価「600円/100g」、風袋重量表示欄A3に風袋重量「50g」、商品重量表示欄A5に風袋引きした重量「100g」、商品価格表示欄A7に商品価格「600円」、が表示される。この場合は、風袋引きボタンA11や商品登録ボタンA10を押下することで、商品の登録が完了する。この例の場合も、商品が計量皿13に載置されているか否かで、制御を異ならせている。
【0041】
《実施形態の総括》
[技術分野]
本発明は、秤に商品を搭載してその重量値を求めて販売する商品データ処理装置に関するものである。
[背景技術]
従来、秤に商品を搭載して重量値を求めて販売する際に、風袋重量を除外する風袋引きが行われている。
また近年、容器の無駄(使い捨て)を抑制するなどの観点から、商品を収納する容器を顧客自らが購入し、当該容器に商品を収納したものを計量して販売することも行われている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2004-264219号公報
【0042】
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかし従来、例えば風袋となる容器自体を商品としても販売するような場合、当該容器を、風袋として処理するか、商品として処理するかの制御をスムーズに行うことができなかった。
例えば、風袋となる容器自体を商品として販売する場合は、販売用の容器の一つとして表示されたプリセットキー(操作子)を押下する必要がある。一方、当該容器を風袋として使用する場合は、風袋用として当該容器を用いることを指示するプリセットキーを押下する必要があり、操作が煩雑で、また表示手段の表示エリア内に同一容器を指示するためのプリセットキーを2つ配置しなければならず、限られた表示エリアの有効活用を阻害していた。
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、商品の販売をスムーズに行うことができる商品データ処理装置を提供することにある。
【0043】
[課題を解決するための手段]
本発明は、秤に商品を搭載して重量値を求め商品を販売する商品データ処理装置であって、制御部と、操作者が操作可能な表示手段と、前記表示手段に表示される商品を特定する操作子と、を有し、前記制御部は、前記操作子が操作された場合に、前記秤の状態に応じて制御を異ならせることを特徴としている。
秤の状態とは、例えば当該秤に既に商品などが載置されていて重量値を検知している状態と、当該秤に商品などが載置されておらず重量値を検知していない状態などをいう。
本発明によれば、秤の状態に応じて、同一の操作子を操作しても異なる制御が行われるので、少ない操作子で多様な制御をスムーズに行うことが可能になる。
【0044】
また本発明は、上記特徴に加え、前記制御部は、前記秤が重量値を検知している状態で前記操作子が操作された場合には、当該操作子によって特定された商品の重量を風袋重量として制御し、前記秤が重量値を検知していない状態で前記操作子が操作された場合には、当該操作子によって特定された商品を、販売する商品の商品情報として前記表示手段に表示させることを特徴としている。
例えば、商品が他の販売する商品を収納する風袋用に用いることができる容器であるとすると、当該容器に販売する商品を収納して秤に載せた状態で、当該容器を示す操作子を押下すると、当該容器の重量値は風袋重量として制御される。この場合は例えば、秤が検知した重量値から容器の重量値を風袋引きした重量値を、販売する商品の重量値として販売額の算出などを行っていく。
一方、当該容器を秤に載せない状態で、当該容器を示す操作子を押下すると、当該容器は商品として制御される。この場合は秤を用いず、当該容器を販売などする。
本発明によれば、秤が重量値を検知しているか否かに応じて、同一の操作子で異なる制御をスムーズに行うことが可能になる。
【0045】
また本発明は、上記特徴に加え、前記制御部は、前記秤が重量値を検知している状態で前記操作子が操作された場合には、当該操作子によって特定された商品の重量を風袋重量として制御し、前記秤が重量値を検知していない状態で前記操作子が操作された場合には、当該操作子によって特定された商品を、販売する商品としてそのまま登録することを特徴としている。
例えば、商品が他の販売する商品を収納する風袋用に用いることができる容器であるとすると、当該容器に販売する商品を収納して秤に載せた状態で、当該容器を示す操作子を押下すると、当該容器の重量値は風袋重量として制御される。この場合は例えば、秤が検知した重量値から容器の重量値を風袋引きした重量値を、販売する商品の重量値として販売額の算出などを行っていく。
一方、当該容器を秤に載せない状態で、当該容器を示す操作子を押下すると、当該容器を商品としてそのまま登録する。この場合は秤を用いず、当該容器を示す操作子を押下するだけで、登録用の別の操作子などを操作することなく、そのままスムーズに商品登録を行うことができる。
【0046】
また本発明は、上記特徴に加え、前記商品の重量値を書き込み可能な書き込み手段をさらに備え、前記書き込み手段には、当該商品の販売時に計量した当該商品の重量値を風袋重量として書き込み可能であることを特徴としている。
書き込み手段としては、例えば、ICチップやICタグなどがある。これら書き込み手段を例えば容器に取り付けておき、当該容器の販売時に計量した当該容器の重量値を風袋重量として書き込んでおく。これによって次回、当該容器に別の商品を収納して計量した際に、当該書き込み手段から容器の重量値を読み出すことで、当該容器の重量値を風袋引きすることができる。
本発明によれば、予め容器の重量値を記憶しておかなくても、風袋引きできる容器として容易に利用することが可能になる。
【0047】
また本発明は、上記特徴に加え、前記制御部は、前記秤が検知した重量値が前記操作子によって特定された商品の重量値と一致した場合には、当該商品を販売する商品として登録することを特徴としている。
本発明によれば、風袋用として制御された商品(容器)でも、当該商品のみが計量された場合は、これを販売用の商品とすることができる。
【0048】
なお、上述の商品データ処理装置(計量装置)1としての機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムとしての商品データ処理装置1に読み込ませ、実行することにより、上記の商品データ処理装置1としての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0049】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載がない何れの構成であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば、計量装置の形状や構造などは種々の変更が可能である。例えば計量皿などの秤部分をそれ以外の部分と分けて別装置とし、両者を通信回線などで接続する構成などであっても良い。また、上記記載及び各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に矛盾がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。また、上記記載及び各図の記載内容は、その一部であっても、それぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は上記記載及び各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0050】
1…計量装置(商品データ処理装置)、11…本体部、13…計量皿(秤)、15…表示操作部(表示手段)、17…印刷物発行口、19…表示操作面(表示手段)、21…テンキー入力部、31…CPU(制御部)、33…ハードディスク(記憶部)、35…ROM(記憶部)、37…RAM(記憶部)、39…操作部、41…質量検出部(秤)、43…印刷手段、45…表示手段、47…送信手段、49…受信手段、51…会計処理部、60…商品ファイル、1A…計量システム(商品データ処理システム)、100…ストアコントローラ、1-1,1-2,・・・,1-n…計量装置、55…通信回線、G1~G8…操作画面、A1…登録商品表示欄、A2…会計表示欄、A3…風袋重量表示欄、A4…選択商品表示欄、A5…商品重量表示欄、A6…商品単価表示欄、A7…商品価格表示欄、A8…商品種別選択欄、A9…選択用商品表示欄、A10…商品登録ボタン(+ボタン)、A11…風袋引きボタン。