(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-14
(45)【発行日】2025-01-22
(54)【発明の名称】ラベル貼付装置、ラベル貼付方法
(51)【国際特許分類】
B65C 9/18 20060101AFI20250115BHJP
B65C 1/04 20060101ALI20250115BHJP
B65C 9/28 20060101ALI20250115BHJP
B65C 9/38 20060101ALI20250115BHJP
【FI】
B65C9/18
B65C1/04
B65C9/28
B65C9/38
(21)【出願番号】P 2023015006
(22)【出願日】2023-02-03
(62)【分割の表示】P 2020158507の分割
【原出願日】2020-09-23
【審査請求日】2023-07-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】成田 靖男
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-033923(JP,A)
【文献】特開2000-203545(JP,A)
【文献】特開2007-137480(JP,A)
【文献】実開昭60-150906(JP,U)
【文献】特開平05-139429(JP,A)
【文献】特開2020-063087(JP,A)
【文献】特開昭61-178827(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65C 9/00
B65C 1/00
B41J 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品にラベルを貼付するラベル貼付装置であって、
前記物品を搬送する搬送部と、
ラベルに所定の情報を印刷し枚葉状のラベルを発行し発行口から印刷済みラベルを排出する発行部と、
前記発行部で発行されたラベルを、前記搬送部により搬送される前記物品の搬送方向前方位置かつ前記物品の底部よりも下方まで垂らした状態で供給可能なラベル供給部と、
前記発行口の下方かつ前記ラベル供給部のラベル搬送面の下方に位置し、前記ラベルを支持するガイドローラーと、
を備え
、
前記搬送部は、前記物品の底面を支持する幅方向に間隔をあけて配置された一対の水平コンベアを有し、前記一対の水平コンベア間には、前記ラベル供給部により供給されるラベルの下端が当該搬送部よりも低い位置まで移動可能となる空間が形成されている
ラベル貼付装置。
【請求項2】
前記ラベル供給部は、前記発行部によるラベル発行方向と交差する方向に、かつ、前記ガイドローラーの幅よりも小さい幅の前記ラベル搬送面を備え、
前記ガイドローラーは、前記ラベル発行方向に対して傾斜したラベルを支持する
請求項1に記載のラベル貼付装置。
【請求項3】
前記物品を側面から支持するサイドコンベアを備え、
前記サイドコンベアは、前記搬送部よりも上方から前記ガイドローラーよりも下方の範囲で前記物品の側面を支持する
請求項1または2に記載のラベル貼付装置。
【請求項4】
前記物品の上面にのみラベルを貼付する上面貼付制御と、前記物品の上面、側面、底面の3面にラベルを貼付するコの字貼付制御と、の2つの制御が可能な貼付制御手段を備える、
請求項1または請求項2に記載のラベル貼付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベル貼付装置、ラベル貼付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発行したラベルを商品に貼付する装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、一般的なラベル貼付装置では、商品の上面にラベルを貼付する、商品の上面及び側面にラベルを貼付する、商品の上面、側面及び底面にラベルを貼付するなど様々なラベル貼付方式に対応できない。
このため、様々なラベル貼付方式に対応することができるラベル貼付装置が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るラベル貼付装置は、少なくとも以下の構成を具備する。
物品にラベルを貼付するラベル貼付装置であって、
前記物品を搬送する搬送部と、
ラベルに所定の情報を印刷し枚葉状のラベルを発行し発行口から印刷済みラベルを排出する発行部と、
前記発行部で発行されたラベルを、前記搬送部により搬送される前記物品の搬送方向前方位置かつ前記物品の底部よりも下方まで垂らした状態で供給可能なラベル供給部と、
前記発行口の下方かつ前記ラベル供給部のラベル搬送面の下方に位置し、前記ラベルを支持するガイドローラーと、を備え、
前記搬送部は、前記物品の底面を支持する幅方向に間隔をあけて配置された一対の水平コンベアを有し、前記一対の水平コンベア間には、前記ラベル供給部により供給されるラベルの下端が当該搬送部よりも低い位置まで移動可能となる空間が形成されていることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明の実施形態に係るラベル貼付装置によりラベルを貼付した物品(商品)の例を示す図である。(a)は上面貼り(上面)の一例を示す図、(b)は上面L字貼り(上面、側面)の一例を示す図、(c)は縦コの字貼り(U字貼り、上面及び両側面)の一例を示す図、(d)は横コの字貼り(U字貼り、上面、片側面、底面)の一例を示す図、(e)は全周貼り(隙間大)の一例を示す図、(f)は全周貼り(隙間小)の一例を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るラベル貼付装置の一例を示す全体斜視図である。
【
図3】ラベル貼付装置の一例を示す全体図である。(a)はラベル貼付装置の物品の搬送方向上流側から見た図である。(b)はラベル搬送装置の搬送方向に直交する方向から見た図である。
【
図4】ラベル貼付装置の電気的な機能ブロックの一例を示す図である。
【
図5】ラベル貼付装置の一例を説明するための図である。(a)はラベル貼付装置のラベル発行部、ラベル供給部、上側押し付け部材及びエアジェット部の一例を示す概念図である。(b)はラベル貼付装置のラベル発行部、ラベル供給部などの一例を示す上方からの斜視図である。
【
図6】ラベル貼付装置のラベル発行部、ラベル供給部、上側押し付け部材及びエアジェット部の一例を示す下方から見た斜視図である。
【
図7】上方に回動可能なラベル供給部の一例を説明するための図である。
【
図8】ラベル貼付装置の一例を示す全体斜視図である。(a)はサイドコンベアおよびマニピュレーターが取り外された状態のラベル貼付装置の一例を示す図である。(b)はサイドコンベアが設けられマニピュレーターが取り外された状態のラベル貼付装置の一例を示す図である。(c)はサイドコンベアおよびマニピュレーターが取り付けられた状態のラベル貼付装置の一例を示す図である。
【
図9】ラベル貼付装置の一例を説明するための図である。
【
図10】下側押し付け部材の一例を説明するための図である。(a)は比較的低い被包装物(商品)の下流側側面又は底面にラベルを貼付する下側押し付け部材の一例を示す図である。(b)は比較的高い被包装物(商品)の下流側側面又は底面にラベルを貼付する下側押し付け部材の一例を示す図である。
【
図11】ラベル貼付装置のマニピュレーターの一例を示す図である。
【
図12】ラベル貼付装置の動作の一例を示す図である。
【
図13】ラベルを被包装物(物品)の上面に貼付した状態の一例を示す図である。
【
図14】ラベルがラベル供給部で保持された状態の一例を示す図である。
【
図15】上側押し付け部材及びエアジェット部によりラベルが物品の上面及び下流側側面に貼付された状態の一例を示す図である。
【
図16】上側押し付け部材によりラベルを物品の上面に押圧した状態の一例を示す図である。
【
図17】マニピュレーターの先端のローラによりラベルを物品の上面に押圧した状態の一例を示す図である。
【
図18】マニピュレーターの先端のローラによりラベルを物品の搬送方向上流側の側面に押圧した状態の一例を示す図である。
【
図19】マニピュレーターの先端のローラによりラベルを物品の搬送方向上流側の側面の下部に押圧した状態の一例を示す図である。
【
図20】マニピュレーターの先端のローラによりラベルを物品の底面に押圧した状態の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の実施形態に係るラベル貼付装置は、物品の搬送方向に沿って物品にラベルを貼付する。このラベル貼付装置は、搬送部、ラベル供給部(アプリケーター)等を有する。搬送部は、物品を、当該物品のラベル貼付領域以外の部分を支持した状態で前記搬送方向に搬送し、ラベル供給部は、ラベルを搬送部の上方から搬送方向下流側が低くなるように傾斜した向きで当該ラベルを移送して保持する。そして、搬送部により物品を搬送方向に搬送しつつ、搬送方向に沿って物品にラベルが貼付される。
【0008】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。本発明の実施形態は図示の内容を含むが、これのみに限定されるものではない。尚、以後の各図の説明で、既に説明した部位と共通する部分は同一符号を付して重複説明を一部省略する。
【0009】
図1(a)は商品などの物品wの上面に、商品情報などを印字したラベルLが貼付された、いわゆる物品の上面貼り(上面貼りともいう)の一例を示す図である。
図1(b)は上面L字貼り(上面及び側面貼りともいう)の一例を示す図である。
図1(c)は縦コの字貼り(U字貼り、あるいは上面及び両側面貼りともいう)の一例を示す図である。
図1(d)は横コの字貼り(U字貼り、あるいは上面、片側面及び底面貼りともいう)の一例を示す図である。
図1(e)は全周貼り(隙間大)の一例を示す図である。
図1(f)は全周貼り(隙間小)の一例を示す図である。
本発明の実施形態に係るラベル貼付装置は、例えば、
図1(a)~
図1(f)などに示すように様々な貼付形態で、商品などの物品wにラベルLを貼付することができる。
なお、
図1(a)~
図1(f)に示した矢印は、ラベル貼付装置にラベル貼付時の物品wの搬送方向を示している。
【0010】
図2,3に示すように、本発明の実施形態に係るラベル貼付装置100は、架台101を有する。架台101には脚部102L,102Rが設けられている。また、架台101には、略中央部に支柱部103が設けられている。
物品を搬送する搬送部104は、脚部102L,102Rの上方に設けられ、脚部102L,102R、及び支柱部103により支持された構造となっている。
【0011】
搬送部104は、上流側水平コンベア1040(水平コンベアともいう)、下流側水平コンベア1041(水平コンベアともいう)、及びサイドコンベア1042L,1042R等を有する。物品の搬送方向の上流側に上流側水平コンベア1040が配置され、搬送方向の下流側に、下流側水平コンベア1041、及びサイドコンベア1042L,1042Rが設けられている。
【0012】
搬送部104の上流側水平コンベア1040の上方には、ラベル発行部16、及びラベル発行部16で発行されたラベルを物品に貼付する位置まで搬送、保持するラベル供給部17が設けられている。ラベル発行部16は支柱部103に対して上下移動可能、左右移動可能及び前後移動可能に支持されている。
ラベル供給部17は、ラベル発行部16の発行口の下流側に設けられている。
また、本実施形態では、表示操作部107(コンソールともいう)が支柱部103に対して支持されている。
【0013】
図4はラベル貼付装置100の電気的な機能ブロックの一例を示す図である。
ラベル貼付装置100は、制御部11(CPU)、記憶部12、表示部13、操作入力部14、通信部15、ラベル発行部16(ラベラー)、ラベル供給部17(アプリケーター)、上流側水平コンベア1040(第1物品搬送部ともいう)、水平コンベア1041(下流側水平コンベア1041L,1041R)、エアジェット部19、マニピュレーター21(ラベル貼付補助部)、サイドコンベア1042L,1042R(第2物品搬送部)、検出部30(各種センサ、バックセンサー等)等を有する。搬送部104は、例えば上流側水平コンベア1040、下流側水平コンベア1041、サイドコンベア1042L,1042R等を有する。
表示操作部107(コンソール)は、表示部13、操作入力部14などを有する。
例えば、制御部11には、記憶部12、表示部13、操作入力部14、インタフェース9(I/F)がバスなどの通信線を介して電気的に接続されている。
インタフェース9には、通信部15、ラベル発行部16、ラベル供給部17(アプリケーター)、搬送部の水平コンベア1040,1041、エアジェット部19、マニピュレーター21、サイドコンベア1042L,1042R、検出部30等が電気的に接続されている。
検出部30は、各種センサ(光センサ、モータの回転数検知センサなど)を有し、検出結果を制御部11に出力する。
【0014】
制御部11は、ラベル貼付装置100の各構成要素を統括的に制御する。
記憶部12は、例えば、ROM、RAM、補助記憶部等で構成され、ラベル貼付装置100の各構成要素を制御する制御プログラムや、商品情報、ラベル貼付に関るデータなどを記憶する。
【0015】
表示部13は、制御部11の制御により、例えばラベル貼付装置の動作に関する表示を行う。
【0016】
操作入力部14は、例えばタッチパネル、キーボード、スイッチ、ボタン等であり、操作者による操作に応じた信号を制御部に出力する。なお、表示部13及び操作入力部14はタッチパネル表示装置であってもよい。
【0017】
通信部15は、制御部11の制御により、他のコンピュータ(上位管理装置等)と有線式又は無線式の通信路を介して通信を行う。
【0018】
ラベル発行部16(ラベラー)は、例えば
図5に示すように、ラベル発行部16の筐体16B(本体部)に、台紙レスラベル用紙をロール状にしたラベルロールRを保持するロール保持部161、印字部162、プラテンローラー163、及び切断部164(可動刃及び固定刃等)などが設けられている。切断部164よりも下流側には発行口165が設けられている。
ラベル発行部16は、制御部11の制御により、ラベルロールRから引き出されたラベル用紙RPに商品情報等を印字し、商品情報に応じた長さでラベル用紙RPを切断し、枚葉状のラベルL(台紙レスラベル)を生成し、発行口165からラベルLを出力する。
図5,6に示すように、発行口165とラベル供給部17の間には、ガイドローラー179が設けられており、発行口165から出力されたラベルが、ガイドローラー179により支持され、ガイドローラー179の上部を通ってラベル供給部17に移動する。
ラベル貼付装置は、ガイドローラー179を有するので、発行されたラベルが比較的短い場合であっても、ラベル供給部17(アプリケーター)に移動したラベルが規定位置や規定角度からずれないように支持、搬送される。
例えば発行されたラベルが比較的長い場合、ラベル用紙が切断されない状態でラベル供給部17(アプリケーター)に到達し、ラベル供給部17に支持された状態で切断部164により切断され、ラベル供給部17にラベルが規定位置や規定角度に支持された状態で移動することができる。
つまり、搬送方向に比較的長いラベルでも比較的短いラベルでも、ラベル供給部17及びガイドローラー179で支持されながら、切断部164により切断される。ラベル発行部16により発行されるラベルが比較的短い場合、ラベル供給部17に支持される面積が比較的小さいので、例えばガイドローラーを設けないと(比較例)切断部164によるラベル用紙切断時の衝撃でラベル供給部17のみで支持されるラベルがずれやすい。一方、本発明の実施例に係るラベル貼付装置ではガイドローラー179が設けられているので、比較的短いラベルであっても、ラベル供給部17及びガイドローラー179により支持されながら切断部164により切断されるので、切断時にラベルが規定位置や規定角度からずれることを防止することができる。
また、本実施形態では、ガイドローラー179は、ラベル供給部17(アプリケーター)の本体部に回転自在に設けられている。
【0019】
なお、上述したラベル発行部16は、台紙レスラベルを発行したが、この実施形態に限られるものではなく、例えば台紙付きラベルに印字を行い、台紙からラベルを剥離することでラベルを発行してもよい。
【0020】
ラベル供給部17(アプリケーター)は、ラベル発行部16で発行されたラベルを、搬送部の上方から搬送方向下流側が低くなるように傾斜した向きで繰り出して保持する。
詳細には、
図5,6に示すように、ラベル供給部17は、所定距離だけ離れて設けた複数のローラ171,172,173、駆動モータ175のプーリ174に無端ベルト176L,176Rを配置し、駆動モータ175(ラベル搬送駆動部)により無端ベルト176L,176Rを回転可能に構成されている。
また、ラベル供給部17は、無端ベルト176L,176Rが傾斜したラベル搬送面を有し、そのラベル搬送面の上方に、吸気ファン177(吸気部)を配置し、搬送中のラベルに対して負圧により無端ベルト側に圧力を加えた状態で、ラベルを無端ベルト176L,176Rで下方に移動可能に構成されている。
【0021】
また、ラベル供給部17は、無端ベルト176L,176Rが所定の間隔をあけて並設され、その無端ベルト176L,176Rの間に1つ又は複数の通気孔178が設けられており、吸気ファン177は、通気孔178を介してラベルに負圧を作用することができる。
本実施形態では、ラベルLは粘着面と、粘着面に対して反対側の面に印字面を有する。ラベルの印字面が無端ベルト176L,176Rに当接し、無端ベルト176L,176R側に負圧が作用した状態で搬送される。
【0022】
図7に示す例では、ラベル供給部17は、その本体部の上端部がラベル発行部16の筐体16B(本体部)に水平配置された回転軸167により軸支されている。ラベル供給部17は、その回転軸167を回転中心として上方に回動可能に構成されている。
図7に示す例では、ラベル発行部16は、ラベル供給部17の本体部の位置等の状態を検知する検知部168を有する。
例えば、メンテナンス時に、
図7に示すようにラベル供給部17が上方に回動した場合、検知部168により、ラベル供給部17の本体部が上方に回動した状態であることを検知すると、LED等の発光表示部166Aが点灯し、制御部がラベル発行部16及び搬送部等を非稼働状態とする制御を行う。メンテナンスが終了し、ラベル供給部17を下方に回動し、
図5に示すように、ラベル供給部17の本体部が稼働可能な正規の位置に設定された場合、発光表示部166Aが消灯し、制御部がラベル発行部16及び搬送部等を稼働可能な状態とする制御を行う。
【0023】
また、ラベル発行部16は、LED等の発光表示部166Bを有する。発光表示部166Bは、例えばメンテナンス時、切断部164がラベル発行部の本体部から取り外されたときに点灯し、装着されたときに消灯するように構成されている。
また、ラベル発行部16は、操作ボタン166Cを有する。操作ボタン166Cが操作された場合、プラテンローラー163等を駆動する駆動モータ(不図示)の駆動により、ラベル用紙RPがラベル搬送方向に移動するように構成されている。
【0024】
図5,6に示すように、ラベル供給部17の下端には、搬送部によって搬送される物品の上面にラベルを押圧する上側押し付け部材18が設けられている。上側押し付け部材18は、例えば、下方へ向けて突出した、樹脂やゴムなどの弾性体からなる板状部材である。なお、上側押し付け部材18はローラーなどであってもよく、搬送部によって搬送される物品の上面にラベルを押圧可能に構成されていればよい。
【0025】
また、ラベル供給部17の下端付近には、エアジェット部19(エア押圧手段)が設けられている。
詳細には、エアジェット部19(エア押圧手段)は、ラベル供給部17の下端、且つ上側押し付け部材18よりも下流側に設けられ、搬送部104(サイドコンベア1042L,1042Rや下流側水平コンベア1041等)によって搬送される物品の下流側側面に向かって圧縮エアを吹き付け可能に構成されており、圧縮エアによりラベルを物品の下流側側面に押圧し、貼付することができる。
【0026】
図8、
図9に示す搬送部(物品搬送部)としての上流側水平コンベア1040は、所定距離だけ離れて配置されたローラ1040a,1040bと、ローラ1040a,1040bに張架された無端ベルト1040cと、ローラ1040a,1040bの少なくとも一方を回転駆動する駆動モーター(不図示)等を有する。上流側水平コンベア1040は、物品を搬送方向に搬送する。
【0027】
また、
図8、
図9に示す搬送部(物品搬送部)としての下流側水平コンベア1041は、幅方向に間隔をあけて配置された一対の下流側水平コンベア1041L,1041Rを有する。詳細には、下流側水平コンベア1041は、所定距離だけ離れて配置されたローラ1041a,1041bと、ローラ1041a,1041bに張架された無端ベルトと、ローラ1041a,1041bの少なくとも一方を回転駆動する駆動モーター(不図示)等を有する。下流側水平コンベア1041は、物品を搬送方向に搬送する。
下流側水平コンベア1041L,1041Rの間には、マニピュレーター21(ラベル貼付補助部)のアームの先端部等が、下流側水平コンベア1041の搬送面によりも下方に移動可能となるように、空間1041hが形成されている。ラベル貼付装置100は、下流側水平コンベア1041L,1041Rの間の空間1041hの幅を、物品が落ちずに搬送できるように、物品のサイズに応じて調整可能に構成されている。
【0028】
また、ラベル貼付装置100は、下側押し付け部材20を有する(
図8、
図10を参照)。下側押し付け部材20は、上側押し付け部材18の下方に設けられている。下側押し付け部材20は、物品を搬送する搬送部(下流側水平コンベア1041)によって搬送される物品wの下流側側面や底面に向かって押圧可能に構成されており、ラベルを物品wの下流側側面や底面に押圧することができる。
【0029】
詳細には、下側押し付け部材20は、例えば、上方へ向けて突出した、樹脂やゴムなどの弾性体からなる板状部材である。なお、下側押し付け部材20はローラーなどであってもよく、搬送部によって搬送される物品wの下流側側面、底面や角部にラベルを押圧可能に構成されていればよい。
【0030】
図10(a)に示す例では、下側押し付け部材20は、ラベルに当接する当接部20aの高さが調整可能に構成されている。詳細には、下側押し付け部材20は、ラベル貼付装置の本体部に固定された固定部20bと、固定部20bに対して回転軸20cを介して回動自在に軸支された可動片20d(可動部)と、可動片20dに設けられており、高さを調整可能な当接部20a等を有する。可動片20dは、起立する方向に付勢手段(不図示)により付勢されている。
図10(a)に示す例は、物品wの高さが比較的低い場合であり、この物品wの搬送方向下流側側面に当接するように、当接部20aを比較的低い位置に設定されている。
図10(b)に示す例は、物品wの高さが比較的高い場合であり、この物品wの搬送方向下流側側面に当接するように、当接部20aを比較的高い位置に設定されている。
下側押し付け部材20の当接部20aは、物品wの高さに応じてモータ等の駆動部(不図示)により高さを可変する機構を備えていてもよいし、手動にて高さを調整可能な機構を備えていてもよい。
【0031】
図8,9,2,3に示すように、ラベル貼付装置100は、物品を搬送する搬送部として、サイドコンベア1042L,1042Rを有し、物品を搬送方向に直交する幅方向の両側面を支持した状態で搬送方向に搬送する。
図8(a),8(b)に示すように、下流側水平コンベア1041の搬送方向下流側に、サイドコンベア1042L,1042Rが設けられる。
また、
図8(b),8(c)、
図11に示すように、サイドコンベア1042L,1042Rの上部にマニピュレーター21が設けられる。
【0032】
サイドコンベア1042L、1042Rは、例えば幅調整機構1042Cにより、サイドコンベア1042L、1042Rの間の間隔(搬送方向に直交する幅方向の長さ)を物品wの幅(搬送方向に直交する幅方向の長さ)に応じて、調整可能に構成されている。幅調整機構1042Cは、手動操作部により手動で、または物品の幅を検出する幅検出部に応じて駆動モータ等により自動的に、上記間隔を調整することができる。
また、サイドコンベア1042L、1042Rはそれぞれ、搬送方向に沿って所定距離だけ離れて配置された一対のローラ、その一対のローラに張架された無端ベルト、ローラを駆動する駆動モータ等を有する。
【0033】
図11に示すように、マニピュレーター21(ラベル貼付補助部)は、屈曲したアーム211、アーム211の先端に設けられたローラ212、アーム211全体を円弧運動させる第1駆動機構213、アーム先端のローラ212を円弧運動させる第2駆動機構214などを有する。
詳細には、マニピュレーター本体部215は、支持台216上に配置されており、支持台216の脚部216L,216Rはサイドコンベアや物品搬送路を跨ぐように設けられており、マニピュレーター本体部が搬送路の上方に配置されている。
マニピュレーター本体部215の内部には、水平回転軸213Rが配置され、この水平回転軸213Rが回転自在に支持されている。この水平回転軸にアーム211が接続されている。マニピュレーター本体部215は、上部に、位置合わせレバー215L(操作レバー)が設けられており、アーム211の高さやアーム211の前後方向(搬送方向に沿った方向)の位置等を調整可能となっている。
また、マニピュレーター21は、駆動モータ(不図示)により直接又は間接的に水平回転軸213Rを回転させることで、アーム211が円弧運動するように構成されている。
また、ラベルを物品に押圧後、制御部の制御により、駆動モータ(不図示)がアーム211を初期位置に戻すように動作する。
【0034】
アーム211は中間部分に第1の屈曲部211a、第2の屈曲部211bが設けられており、第1の屈曲部211aで約45°、第2の屈曲部211bで約90°屈曲した形状となっている。また第2の屈曲部211bは、下貼りの場合に、アーム先端のローラ212が物品の底面を押圧するように、第2の屈曲部211bの角度が可変となっている。つまり、第2駆動機構214により、アーム先端のローラ212を円弧運動させる。
図11に示す例では、第2駆動機構214は、圧縮エアにより駆動するエアシリンダがアーム211に設けられており、制御部の制御でエアシリンダが動作することにより、アーム先端のローラ212を円弧運動させ、ローラ212を上方に移動可能である。
なお、第1の屈曲部211aの角度、第2の屈曲部211bの角度は、物品の形状やサイズ、ラベルの形状やサイズに応じて適宜設定可能である。
【0035】
次に、ラベル貼付装置100の動作の一例を、
図9,12,13等を参照しながら説明する。
図9,12,13に示す例では、ラベル貼付装置100は、物品wの上面にラベルLを貼付する上面貼りの動作を行う。
【0036】
図9に示すように、初期状態(待機状態)では、マニピュレーター21、アーム211の先端(下端部)のローラ212が、搬送される物品wの上端よりも高い位置となるように、アーム211の姿勢が規定されている。
具体的には
図9に示す例では、アーム211の長尺部分が略水平となるようにアーム211の姿勢が規定されている。
【0037】
物品搬送部の駆動モータによる駆動で、上流側水平コンベア1040、下流側水平コンベア1041、サイドコンベア1042L,1042Rの無端ベルトが回転し、物品wが搬送方向上流側から下流側に向かって移動する。
搬送路には、検出部30の光センサなどにより、物品wが検知され、検出部30から検知信号が制御部11に出力される。
【0038】
ラベル発行部16は、物品wに関する情報(商品情報等)が印字部162(印字ヘッド等)により印字されたラベルが発行口165から出力される。
ラベル発行部16の発行口165からラベルが発行された場合、ラベル供給部17によりラベルLが下方に搬送される(
図12を参照)。
詳細には、ラベルLの印字面がラベル供給部17の無端ベルト176L,176Rに当接した状態で、ラベル供給部17の吸気ファン177(吸気部)によりラベルLが吸引され、無端ベルト176L,176Rが回転し、ラベルLが下方へ移動する。
【0039】
図12、
図13に示す例では、ラベルLが、物品w上面の所定位置に貼付するように、ラベル供給部17によるラベルの搬送と、下流側水平コンベア、サイドコンベア1042L,1042Rによる物品wの搬送を、制御部11が制御する。
詳細には、制御部11は、ラベル供給部17によるラベルの搬送と、下流側水平コンベア、サイドコンベア1042L,1042Rによる物品wの搬送を制御して、先ず、ラベルLの下端部が、物品wの上面の下流側端部又はそれよりも僅かに上流位置に当接させ、物品wを搬送させながら、ラベルLをラベル供給部17により下方へ移動させ、
図13に示すように、上側押し付け部材18によりラベルLを物品wの上面に貼付する。
ラベルLの移動や、ラベルLを物品wの上面に貼付するタイミングは、物品wの位置を検出する検出部からの信号、サイドコンベアや下流側水平コンベアによる物品wの移動速度、ラベル供給部17によるラベルLの位置を検出するラベル検出部からの信号、ラベル供給部によるラベルの搬送速度などに基づいて、制御部が制御する。
【0040】
次に、ラベル貼付装置100の全面貼りの動作の一例を、
図14~20等を参照しながら説明する。
【0041】
図14に示すように、初期状態(待機状態)では、マニピュレーター21、アーム211の先端(下端部)のローラ212が、搬送される物品wの上端よりも高い位置となるように、アーム211の姿勢が規定されている。
具体的には
図14に示す例では、アーム211の長尺部分が略水平となるようにアーム211の姿勢が規定されている。
図14に示すように、物品搬送部の駆動モータによる駆動で、水平コンベア1041の無端ベルトが回転し、物品wが搬送方向上流側から下流側に向かって移動する。
搬送路には、検出部30の光センサなどにより、物品wが検知され、検出部30から検知信号が制御部11に出力される。
【0042】
ラベル発行部16は、物品wに関する情報(商品情報等)が印字部162(印字ヘッド等)により印字されたラベルが発行口165から出力される。
ラベル発行部16の発行口165からラベルが発行された場合、ラベル供給部17によりラベルLが下方に搬送される(
図14を参照)。
詳細には、ラベルLの印字面がラベル供給部17の無端ベルト176L,176Rに当接した状態で、ラベル供給部17の吸気ファン177(吸気部)によりラベルLが吸引され、無端ベルト176L,176Rが回転し、ラベルLが下方へ移動する。
【0043】
図14に示す例では、ラベルLの下端が物品wの底面、又は下流側水平コンベア1041の搬送面よりも低い位置まで移動し、サイドコンベア1042L,1042Rにより、物品wが搬送方向に搬送される。
【0044】
図15に示すように、上側押し付け部材18及びエアジェット部19により、物品wの搬送方向下流側側面および上面に、ラベルLの粘着面(裏面)の一部分が押圧される。
【0045】
図16に示すように、下流側水平コンベア1041、サイドコンベア1042L,1042Rにより物品wを搬送方向に移動させると、下側押し付け部材20が、ラベルLの、物品wの底面よりも低い部分を、物品wの底面に押圧し、ラベルLを物品wの底面に貼付する。
また、上側押し付け部材18により、物品wの上面にラベルLを押圧する。
図16に示す例の場合、長尺のラベルLの後端部分は、ラベル供給部17の無端ベルト176L,176Rに当接した状態で、吸気ファン177(吸気部)により吸引保持された状態となっている。
【0046】
図17に示すように、マニピュレーター21のアーム211の先端のローラ212を、物品wの上面に押圧しつつ、サイドコンベア1042L,1042Rにより、物品wを搬送方向に移動させることにより、ラベルLを物品wの上面に押圧する。
【0047】
次に、
図18,19に示すように、第1駆動機構213により、アーム211を下方に向けて円弧運動させることにより、アーム211の先端のローラ212により、ラベルLを物品wの上流側側面に押圧しながら、物品wの下方へローラ212を移動させる。
【0048】
図20に示すように、第2駆動機構214により、アーム211の先端部を上方に向けて円弧運動させて、アーム先端のローラ212により、搬送されている物品wの底面にラベルLを押圧する。
そして、ラベルLが貼付された物品wをサイドコンベア1042L,1042Rにより搬送方向へ搬送する。
【0049】
<実施形態の総括>
[技術分野]
本発明は、ラベル貼付装置、ラベル貼付方法に関する。
[背景技術]
発行したラベルを商品に貼付する装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2012-148408号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、一般的なラベル貼付装置では、商品の上面にラベルを貼付する、商品の上面及び側面にラベルを貼付する、商品の上面、側面及び底面にラベルを貼付するなど様々なラベル貼付方式に対応できない。
このため、様々なラベル貼付方式に対応することができるラベル貼付装置が望まれている。
[課題を解決するための手段]
(1)以上説明したように、本実施形態の一態様は、ラベル貼付装置であって、物品の搬送方向に沿って前記物品にラベルを貼付する。このラベル貼付装置は、搬送部(少なくともサイドコンベア1042L,1042R、又は下流側水平コンベア1041L,1041R等)と、ラベル供給部17(アプリケーター等)とを有する。前記搬送部(サイドコンベア1042L,1042R、又は下流側水平コンベア1041L,1041R等)は、物品wを、当該物品のラベル貼付領域以外の部分を支持した状態で前記搬送方向に搬送する。前記ラベル供給部17は、ラベルを前記搬送部の上方から搬送方向下流側が低くなるように傾斜した向きで当該ラベルを移送して保持する。例えば、搬送部は、サイドコンベア1042L,1042Rにより物品を搬送方向に直交する幅方向の両側面を支持した状態で搬送方向に搬送してもよいし、又は下流側水平コンベア1041L,1041Rにより物品を支持した状態で搬送方向に搬送してもよいし、若しくは、搬送部はサイドコンベアと下流側水平コンベアの両方により物品を支持した状態で搬送方向に搬送してもよい。
具体的には、ラベル貼付装置100は、搬送部(少なくともサイドコンベア1042L,1042R、又は下流側水平コンベア1041L,1041R等)により、物品wを搬送方向に搬送し、ラベル供給部17により搬送部の上方から搬送方向下流側が低くなるように傾斜した向きでラベルを移送して保持し、搬送部により物品wを搬送方向に搬送しつつ、搬送方向に沿って物品wにラベルLを貼付する。
すなわち、簡単な構成で、ラベル供給部17によりラベルLを繰り出し、保持し、物品wを物品の搬送方向に搬送しながら、搬送方向に沿ってラベルLを物品wに貼付するラベル貼付装置100を提供することができる。
また、搬送部により物品wを搬送方向に搬送し、ラベル供給部17により搬送部の上方から搬送方向下流側が低くなるように傾斜した向きでラベルを移送して保持し、搬送される物品wにラベルを貼付するので、安定して上面貼りを行うことができる。
仮に、比較例として真下にラベルを繰り出した場合、巻きグセによりラベルの粘着面が横を向いてしまい、商品の上面にきれいに貼付することができない虞がある。
なお、比較的重い物品にラベルを貼付する場合、サイドコンベアを使わずに、下流側水平コンベア1041L,1041Rのみでその物品を搬送してもよい。つまり物品の重量が比較的重いとき、物品が上側押し付け部材18や下側押し付け部材20、マニピュレーター21と接触した場合であっても、下流側水平コンベア1041L,1041Rだけで搬送中の物品の位置がずれることなく安定して物品を搬送することができる。
また、状況によっては、ラベル貼付を行わず物品を単に下流へ流す場合に、下流側水平コンベア1041L,1041Rのみで物品を搬送してよい。
【0050】
(2)本実施形態の一態様は、(1)に記載のラベル貼付装置100において、前記ラベル供給部17の下端に設けられ、前記搬送部(少なくともサイドコンベア1042L,1042R、又は下流側水平コンベア1041L,1041R等)によって搬送される物品wの上面を押圧する上側押し付け部材18と、前記上側押し付け部材18の下方に設けられ、前記搬送部によって搬送される物品wの下流側側面および底面を押圧する下側押し付け部材20とを備え、前記下側押し付け部材20は、前記ラベル供給部17から一定以上の長さで繰り出されたラベルと接触するように配置されている。
【0051】
すなわち、上側押し付け部材18や、下側押し付け部材20等により、簡単な構成で、ラベルLを物品wの上面及び底面にラベルLを貼付することが可能なラベル貼付装置100を提供することができる。
また、下側押し付け部材20が、ラベル供給部17から一定以上の長さて繰り出されたラベルと接触するように配置されているので、例えば待機中のラベルがふらふら揺れずに安定することができ、物品の所定位置に高精度にラベルを貼付することができる。また、下側押し付け部材20とラベル供給部17(アプリケーター等)の位置関係は、上述したように待機中のラベルが揺れないように規定されていればよい。
【0052】
(3)本実施形態の一態様は、(2)に記載のラベル貼付装置100において、前記ラベル供給部17は、保持しているラベルを、物品の上面の下流側端部がラベル位置にきたときに、物品の上面に供給し、前記上側押し付け部材18により、物品wの上面にラベルLを押圧する。
【0053】
すなわち、ラベルLを物品wの上面及び底面にラベルLを貼付可能な構成で、物品の上面のみにラベルLを貼付することができるラベル貼付装置を提供することができる。
【0054】
(4)本実施形態の一態様は、(2)または(3)に記載のラベル貼付装置100において、前記ラベル供給部17の下端かつ前記上側押し付け部材18よりも下流側に設けられ、前記搬送部(サイドコンベア1042L,1042R、下流側水平コンベア1041L,1041R等)によって搬送される物品の下流側側面に向かってエア(圧縮空気、又は高圧ガスでもよい)を吹き付けるエアジェット(エアジェット部19)を有する。
【0055】
すなわち、簡単な構成で、エアジェット(エアジェット部19)によるエア(圧縮エア等)の吹付けにより、物品wの下流側側面にラベルLを確実に貼付することができる、ラベル貼付装置100を提供することができる。
詳細には、
図1(b)に示すように、ラベルLを物品wの搬送方向下流側側面及び上面に貼付する、いわゆる「上面L字貼り」を行う際や、
図1(c)に示すように、ラベルLを物品wの搬送方向下流側側面、上面、及び上流側側面に貼付する、いわゆる「縦コの字貼り」を行う際に、物品wの下流側側面に確実にラベルLを貼付することができる、ラベル貼付装置100を提供することができる。
【0056】
(5)本実施形態の一態様は、(1)から(4)のいずれかに記載のラベル貼付装置において、前記ラベル供給部17よりも搬送方向下流側に設けられ、屈曲したアーム211と、前記アーム211の先端に設けられた押し付けローラー(ローラ212)と、前記搬送部(サイドコンベア1042L,1042R、下流側水平コンベア1041L,1041R等)によって搬送される物品wの上面および上流側側面に前記押し付けローラー(ローラ212)を押し付けるように前記アーム211を円弧運動させる第1駆動機構213とを備える。
【0057】
すなわち、簡単な構成で、第1駆動機構213によりアーム211の先端に設けられたローラ212で、物品wの上面や上流側側面にラベルLを押圧して、ラベルLをきれいに物品wに貼付するラベル貼付装置100を提供することができる。
詳細には、
図1(d)に示すように、ラベルLを物品wの底面、搬送方向下流側側面、及び上面に貼付する、いわゆる「横コの字貼り」を行うラベル貼付装置100を提供することができる。
【0058】
(6)本実施形態の一態様は、(5)に記載のラベル貼付装置であって、前記搬送部(サイドコンベア1042L,1042R、下流側水平コンベア1041L,1041R等)によって搬送される物品wの底面に前記押し付けローラー(ローラ212)を押し付けるように前記アーム211の先端部を円弧運動させる第2駆動機構214を備えている。
【0059】
すなわち、簡単な構成で、第2駆動機構214により、ローラ212を物品wの底面に向かって押圧することで、きれいにラベルLを物品wの底面に貼付することができる。
詳細には、
図1(e)および
図1(f)に示すように、ラベルLを物品wの底面、搬送方向下流側側面、上面、及び上流側側面に貼付する、いわゆる「全周貼り」を行うラベル貼付装置を提供することができる。
【0060】
(7)本実施形態の一態様は、(1)から(6)のいずれかに記載のラベル貼付装置であって、前記ラベル供給部17の上端部付近に設けられたラベル発行部16の発行口と、前記ラベル供給部17との間に配置されたガイドローラー179を有し、前記ガイドローラー179は、前記発行口からのラベルを支持するように構成されている。
【0061】
すなわち、ラベル供給部17及びガイドローラー179によりラベルを支持するので、例えばラベルが比較的短い場合であってもラベルのずれを防止することができる。
【0062】
(8)本実施形態の一態様は、搬送部(サイドコンベア1042L,1042R、下流側水平コンベア1041L,1041R等)により、物品wを、当該物品のラベル貼付領域以外の部分を支持した状態で搬送方向に搬送し、ラベル供給部17(アプリケーター等)により、前記搬送部の上方から搬送方向下流側が低くなるように傾斜した向きでラベルを繰り出して保持し、前記搬送部により前記物品を搬送方向に搬送しつつ、前記搬送方向に沿って前記物品にラベルを貼付するラベル貼付方法である。
【0063】
すなわち、簡単にきれいにラベルを物品に貼付するラベル貼付方法を提供することができる。
【0064】
また、本発明の実施形態に係るラベル貼付装置100は、例えば
図1(a)~(f)に示したように、ラベルLを物品wに対して、上面貼りから全周貼りまで様々な貼付形態を実現することができる。
具体的には、ラベル貼付装置100は、例えば以下の貼付形態を実現することができる。
(i)ラベル貼付装置100は、上側押し付け部材18により、「上面貼り」を行うことができる。
(ii)ラベル貼付装置100は、上側押し付け部材18、側面押しつけエアジェット(エアジェット部19)、および側面を押しつける板(下側押し付け部材20)により、「上面L字貼り」を行うことができる。
(iii)ラベル貼付装置100は、上側押し付け部材18、側面押しつけエアジェット(エアジェット部19)、および側面および底面を押しつける板(下側押し付け部材20)により、「横コの字貼り」を行うことができる。
なお、「横コの字貼り」は、上記「上面貼り」を行った後、先端に押し付けローラー(ローラ212)が付いた円弧運動をするアーム211により、ラベルを、物品の搬送方向上流側の側面及び底面に押し付けて実現してもよい。
(iv)ラベル貼付装置100は、「上面L字貼り」をした後、先端に押し付けローラー(ローラ212)が付いた円弧運動をするアーム211により、「縦コの字貼り」を行うことができる。
(v)ラベル貼付装置100は、「横コの字貼り」をした後、先端に押し付けローラー(ローラ212)が付いた円弧運動をするアーム211により、「全周貼り」を行うことができる。
【0065】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
また、上述の各図で示した実施形態は、目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。
また、各図の記載内容はそれぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
【0066】
なお、上述した実施形態では、物品を搬送する搬送部として、ベルトコンベアを採用したが、この実施形態に限られるものではなく、ローラーコンベア等であってもよい。
【符号の説明】
【0067】
11…制御部
16…ラベル発行部
17…ラベル供給部(アプリケーター)
18…上側押し付け部材
19…エアジェット部(エア式押圧部)
20…下側押し付け部材
21…マニピュレーター(補助ラベル貼付部)
100…ラベル貼付装置
104…搬送部
162…印字部
175…駆動モータ
176L,176R…無端ベルト
177…吸気ファン
178…通気孔
211…アーム
211a…第1の屈曲部
211b…第2の屈曲部
212…ローラ
213…第1駆動機構
214…第2駆動機構
1040…上流側水平コンベア(水平コンベア)
1041,1041L,1041R…下流側水平コンベア(水平コンベア)
1042L,1042R…サイドコンベア
L…ラベル
w…物品