(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-14
(45)【発行日】2025-01-22
(54)【発明の名称】車両用ルーフキャリア
(51)【国際特許分類】
B62D 21/08 20060101AFI20250115BHJP
B62D 25/04 20060101ALI20250115BHJP
B62D 25/06 20060101ALI20250115BHJP
B62D 25/08 20060101ALI20250115BHJP
【FI】
B62D21/08
B62D25/04 A
B62D25/06 A
B62D25/06 D
B62D25/08 H
(21)【出願番号】P 2020088186
(22)【出願日】2020-05-20
【審査請求日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】10-2019-0149185
(32)【優先日】2019-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(73)【特許権者】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA CORPORATION
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金 徒 會
【審査官】林 政道
(56)【参考文献】
【文献】特表2001-520147(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0210654(US,A1)
【文献】特開2011-255800(JP,A)
【文献】特開2019-151288(JP,A)
【文献】特開2008-068765(JP,A)
【文献】特開2008-189066(JP,A)
【文献】特開2018-075894(JP,A)
【文献】特表2003-531073(JP,A)
【文献】特開2019-189161(JP,A)
【文献】特開2019-123459(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 17/00-25/08
B62D 25/14-29/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉断面を形成しながら車両進行方向前方のカウルの両側から後方のリアルーフレールの両側まで車両の前後方向に沿って延設される車体両側のルーフサイドチューブと、
閉断面を形成しながら前記車両の横方向に沿って延び、前記カウルと前記リアルーフレールとの間で前記両側のルーフサイドチューブを連結するように設置される1つ以上のミドルルーフレールと、
を含み、
前記ミドルルーフレール、前記リアルーフレール、前記ルーフサイドチューブのすべてはチューブの形であり、
前記カウル、前記ミドルルーフレール、及び前記リアルーフレールは、そのまま、前記ルーフサイドチューブに結合され
、
前記カウルは、
1つ以上の閉曲線を含む所定の閉断面形状に前記車両の横方向に沿って延設されたカウルアッパーメンバーと、
前記カウルアッパーメンバーの下側に結合して前記車両の前方と後方を区画し、前記車両の横方向に沿って少なくとも一部の区間が所定の断面構造を持つカウルロワーパネルと、から構成され、
前記カウルアッパーメンバーは、2つの閉曲線を内包した閉断面形状をしており、閉断面形状が車両の横方向に沿って単純に延びた形状であり、
前記リアルーフレールは、前記車両の横方向に沿って4つの閉曲線を含む所定の閉断面が延設された構造であることを特徴とする車両用ルーフキャリア。
【請求項2】
前記1つ以上のミドルルーフレールは、フロントウインドシールドガラスの上端を支持する位置に設置される第1ルーフレールを含むことを特徴とする請求項1に記載の車両用ルーフキャリア。
【請求項3】
前記ルーフサイドチューブの閉断面は、複数の直線部が複数の折曲部によって順次連結されて単一の閉曲線をなす形状であることを特徴とする請求項2に記載の車両用ルーフキャリア。
【請求項4】
前記フロントウインドシールドガラスを支持することができるように、前記ルーフサイドチューブの、前記カウルから前記第1ルーフレールまでの区間に結合するガラス支持パネルと、
ピラーウェザーストリップを装着することができるように前記ルーフサイドチューブに結合するストリップ支持パネルと、
を更に含んでなることを特徴とする、請求項3に記載の車両用ルーフキャリア。
【請求項5】
前記ルーフサイドチューブの閉断面は、前記フロントウインドシールドガラスを支持するガラス支持部を一体に備え、
前記ルーフサイドチューブには、ピラーウェザーストリップを装着することができるようにストリップ支持パネルが結合されることを特徴とする請求項3に記載の車両用ルーフキャリア。
【請求項6】
前記第1ルーフレールの車両進行方向前方側には、前記フロントウインドシールドガラスを装着するためのガラスマウントブラケットが結合し、前記第1ルーフレールの後方側には、ルーフを装着するためのルーフマウントブラケットが結合されることを特徴とする請求項2に記載の車両用ルーフキャリア。
【請求項7】
前記1つ以上のミドルルーフレールは、前記第1ルーフレールと前記リアルーフレールとの間に設置される第2ルーフレールを含み、
前記第2ルーフレールの前方及び後方には、前記ルーフを装着するためのルーフマウントブラケットがそれぞれ結合することを特徴とする請求項
6に記載の車両用ルーフキャリア。
【請求項8】
前記ルーフマウントブラケットには、シーラーの結合性能を向上させるために、ルーフに結合する部分に局部的に下方に陥没した陥没部が凹設されることを特徴とする請求項
6に記載の車両用ルーフキャリア。
【請求項9】
前記リアルーフレールは、1つ以上の閉曲線を含む所定の閉断面を形成しながら前記車両の横方向に沿って延設されたことを特徴とする請求項1に記載の車両用ルーフキャリア。
【請求項10】
前記リアルーフレールの車両進行方向前方には、ルーフを装着するためのルーフマウントブラケットが結合したことを特徴とする請求項
9に記載の車両用ルーフキャリア。
【請求項11】
前記リアルーフレールの後方には、テールゲートを装着するためのテールゲートマウントブラケットが結合したことを特徴とする請求項
9に記載の車両用ルーフキャリア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のルーフキャリアに係り、より詳しくは、新規車種の生産の際に、別途の新しい金型の開発などを要求しないか最小限に抑えながらも、必要とされる車両のルーフ構造を容易に構成できる構造にした車両用ルーフキャリアに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のモノコック方式の車体では、多数の部品が互いに複雑な構造で結合してルーフを構成し、これらの部品の形状及び結合構造は、各車両のモデルごとに異なっていた。
したがって、1つのモデルの車両のルーフを構成するためには、これを構成するための部品の製作に多数の金型が必要であり、他のモデルの車両ルーフを構成するためには、金型が共用できないので、一連の金型を別途に製作しなければならなかった。
【0003】
また、上述したように多数の部品を用いてモデルごとに異なる組立構造によって車両のルーフを製作することは、作業性が劣る。
前述の背景技術として説明した事項は、本発明の背景に対する理解を増進させるためのものに過ぎず、当該技術分野における通常の知識を有する者に既に知られている従来技術に該当することを認めるものと受け入れられてはならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】韓国特許公開第10-2007-0076462号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、新車種の生産の際に、別の新しい金型の開発などを要求しないか、又は最小限に抑えながらも、必要とされる車両のルーフ構造を容易に構成することができるようにし、様々な車種に容易に共用化することができるようにすることにより、新規車種の開発がより容易に行えるようにし、多品種少量生産方式に効果的に適応することができるようにした車両用ルーフキャリアを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明の車両用ルーフキャリアは、閉断面を形成しながら車両進行方向前方のカウルの両側から後方のリアルーフレールの両側まで車両の前後方向に沿って延設される車体両側のルーフサイドチューブと、閉断面を形成しながら車両の横方向に沿って延び、前記カウルとリアルーフレールとの間で前記両側のルーフサイドチューブを連結するように設置される1つ以上のミドルルーフレールと、を含んでなることを特徴とする。
【0007】
前記1つ以上のミドルルーフレールは、フロントウインドシールドガラスの上端を支持する位置に設置される第1ルーフレールを含んでもよい。前記ルーフサイドチューブの閉断面は、複数の直線部が複数の折曲部によって順次連結されて単一の閉曲線をなす形状であってもよい。
【0008】
本発明は、前記フロントウインドシールドガラスを支持することができるように、前記ルーフサイドチューブの、前記カウルから前記第1ルーフレールまでの区間に結合するガラス支持パネルと、
ピラーウェザーストリップを装着することができるように前記ルーフサイドチューブに結合するストリップ支持パネルと、を更に含んでなってもよい。
【0009】
前記ルーフサイドチューブの閉断面は、前記フロントウインドシールドガラスを自体で支持することができるガラス支持部を一体に備え、前記ルーフサイドチューブには、ピラーウェザーストリップを装着することができるようにストリップ支持パネルが結合してもよい。
【0010】
前記カウルは、車両の横方向に沿って延設された1つ以上の閉曲線を含む所定の閉断面形状に車両の横方向に沿って延設されたカウルアッパーメンバー、及び前記カウルアッパーメンバーの下側に結合して車両の前方と後方を区画し、車両の横方向に沿って少なくとも一部の区間が所定の断面構造を持つカウルロワーパネルから構成されてもよい。
【0011】
前記第1ルーフレールの車両の横方向に沿って延設された前方側には、前記フロントウインドシールドガラスを装着するためのガラスマウントブラケットが結合し、前記第1ルーフレールの後方側には、ルーフを装着するためのルーフマウントブラケットが結合してもよい。
【0012】
前記1つ以上のミドルルーフレールは、前記第1ルーフレールとリアルーフレールとの間に設置される第2ルーフレールを含み、前記第2ルーフレールの車両進行方向前方及び後方それぞれには、ルーフを装着するためのルーフマウントブラケットがそれぞれ結合されてもよい。
【0013】
前記ルーフマウントブラケットには、シーラーの結合性能を向上させるために、ルーフに結合する部分に、局部的に下方に陥没した陥没部が凹設されてもよい。前記リアルーフレールは、1つ以上の閉曲線を含む所定の閉断面を形成しながら、車両の横方向に沿って延設されてもよい。
【0014】
前記リアルーフレールの車両進行方向前方には、ルーフを装着するためのルーフマウントブラケットが結合されてもよい。前記リアルーフレールの後方には、テールゲートを装着するためのテールゲートマウントブラケットが結合してもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、新車種の生産の際に、別の新しい金型の開発などを要求しないか最小限に抑えながらも、必要とされる車両のルーフ構造を容易に構成することができるようにし、種々な車種に簡単に共用することができるようにすることにより、新車種の開発がより容易に行われるようにし、多品種少量生産方式に効果的に対応することができるようにした。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明に係る車両用ルーフキャリアを示す図である。
【
図2】車両のAピラー部分に該当する
図1のII-II線に沿った断面図である。
【
図3】本発明の他の実施形態に係る、
図2に相応する部分の断面図である。
【
図4】
図1のカウルに対するIV-IV線に沿った断面図である。
【
図5】カウルとルーフサイドチューブとの連結部を示すもので、
図1のV方向からの観測図である。
【
図6】
図1の第1ルーフレールに対するVI-VI線に沿った断面図である。
【
図7】
図1の第2ルーフレールに対するVII-VII線に沿った断面図である。
【
図8】
図1のリアルーフレールに対するVIII-VIII線に沿った断面図である。
【
図9】
図1のリアルーフレールをIX方向から観測して示す図である。
【
図10】本発明の他の実施形態に係る、
図8に相応する部分の断面図である。
【
図11】
図1の車両用ルーフキャリアを組み立てる過程を例示する図である。
【
図12】
図1のミドルルーフレールがルーフサイドチューブに連結される構造を上方から観測して示す図である。
【
図13】
図1のミドルルーフレールがルーフサイドチューブに連結される構造を下方から観測して示す図である。
【
図14】
図1の車両用ルーフキャリアの側方に結合することができるサイドアウターパネルを例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本発明に係る車両用ルーフキャリアを示す図である。
図1に示すように、本発明の車両用ルーフキャリア1は、閉断面を形成しながら車両進行方向前方のカウル3の両側から後方のリアルーフレール5の両側まで車両の前後方向に沿って延設される車体両側のルーフサイドチューブ7と、閉断面を形成しながら車両の横方向に沿って延設され、前記カウル3及びリアルーフレール5との間で前記両側のルーフサイドチューブ7を連結するように設置される1つ以上のミドルルーフレール9と、を含んでなる。
【0018】
つまり、本発明の車両用ルーフキャリア1は、一般には別個の部品からなるAピラー及びルーフサイドメンバーが一つの部品に統合されて中空の閉断面からなる前記ルーフサイドチューブ7が構成されるとともに、前記ルーフサイドチューブ7に、それぞれが中空の閉断面構造を有するカウル3、ミドルルーフレール9、及びリアルーフレール5が、前記ルーフサイドチューブ7の車両進行方向前方から後方へ行くにつれて順次に結合されることにより、
図1に示した一体のスペースフレーム(Space Frame)構造を構成するものである。
【0019】
前記1つ以上のミドルルーフレール9は、フロントウインドシールドガラス11の上端を支持する位置に設置される第1ルーフレール9-1を含む。すなわち、前記ミドルルーフレール9は、前記第1ルーフレール9-1を必ず含みながら、車種または車両モデルに応じて追加のミドルルーフレール9を更に備えてもよく、又は備えなくてもよい。
ちなみに、後述するように、
図1に示す本実施形態では、追加のミドルルーフレール9である第2ルーフレール9-2を含んでいる。
【0020】
図2は、車両のAピラー部分に該当する
図1のII-II線に沿った断面図であり、
図3は、本発明の他の実施形態に係る
図2に対応する部分の断面図である。
図2に示すように、前記ルーフサイドチューブ7の閉断面は、複数の直線部が複数の折曲部によって順次結合されて単一の閉曲線をなす形状である。
【0021】
特に、前記ルーフサイドチューブ7の閉断面は、従来のような2つ以上のパネルを溶接などによって結合させることにより形成されたものではなく、ハイドロフォーミング(Hydroforming)工法又はホットブロー(Hot Blow)工法によって1つのチューブを成形することにより形成して、スペースフレーム構造を構成することができるようにしたものである。上述した構造のルーフサイドチューブ7は、その長さ方向に延長または縮小して他の車種またはモデルの車両に容易に適用することができる。
【0022】
図2の実施形態では、上述したように形成されたルーフサイドチューブ7に、前記フロントウインドシールドガラス11を支持することができるようにガラス支持パネル13が結合されている。もちろん、前記ガラス支持パネル13は、前記ルーフサイドチューブ7の前記カウル3から前記第1ルーフレール9-1までの区間にのみ結合することができる。
【0023】
また、前記ルーフサイドチューブ7の下側には、ピラーウェザーストリップ15を装着することができるようにストリップ支持パネル17が結合されている。
図14は、
図1の車両用ルーフキャリアの側方に結合することができるサイドアウターパネルを例示する図である。
図2および
図14に示すように、前記ルーフサイドチューブ7の外側には、
図14に例示されているようなサイドアウターパネル19を結合することができ、前記サイドアウターパネル19は、プラスチックなどの材質で構成することも可能であって、自由に車両の外観を形成することができる。
【0024】
参考までに、
図2に示すように、前記ルーフサイドチューブ7の内側には、フロントピラートリム21が設置され、前記フロントピラートリム21と前記ルーフサイドチューブ7との間に形成される空間には、エアバッグ23及びワイヤーリング25などが設置され得る。
【0025】
図3に示すように、
図3の実施形態においては、前記ルーフサイドチューブ7の閉断面が、前記フロントウインドシールドガラス11をそれ自体で支持することができるガラス支持部7-1を一体に備えている。
したがって、
図3の実施形態は、
図2の実施形態とは異なり、別途のガラス支持パネルを備えず前記ピラーウェザーストリップ15を装着することができるように、ストリップ支持パネル17のみ結合した構造であって、
図2の実施形態よりも組立工程が単純化できる。
【0026】
図4は、
図1のカウルに対するIV-IV線に沿った断面図であり、
図5は、カウルとルーフサイドチューブとの連結部を示すもので、
図1に示したV方向から見た図である。
図1、
図4及び
図5に示すように、前記カウル3は、1つ以上の閉曲線を含む所定の閉断面形状であり、車両の横方向に沿って延設されたカウルアッパーメンバー3-1と、前記カウルアッパーメンバー3-1の下側に結合して車両の前方と後方を区画し、車両の横方向に沿って少なくとも一部の区間が所定の断面構造を持つカウルロワーパネル3-2とから構成される。
【0027】
本実施形態において、前記カウルアッパーメンバー3-1は、2つの閉曲線を内包した閉断面形状をしており、上述したような閉断面形状が車両の横方向に沿って単純に延びた形状であって、その長さだけを変更して他の車種またはモデルの車両に容易に変更して適用することができる。
また、前記カウルロワーパネル3-2は、
図1に示したように、左側の通気口27を除いた残りの区間が、
図5に示した単純なパネル形状の所定の断面構造を持っており、やはり車種の変化またはモデルの変化に応じてその長さのみを変更して容易に対応することができる。
【0028】
ちなみに、
図5において、前記ルーフサイドチューブ7と前記カウル3との結合部には、図示したようなカウル結合ブラケット29を備え、前記ルーフサイドチューブ7とカウル3とのマッチングを容易に行うことができるようにする。
【0029】
図6は、
図1の第1ルーフレールに対するVI-VI線に沿った断面図である。
図6に示すように、前記第1ルーフレール9-1の車両進行方向前方側には、前記フロントウインドシールドガラス11を装着するためのガラスマウントブラケット31が結合され、前記第1ルーフレール9-1の後方側には、ルーフを装着するためのルーフマウントブラケット33が結合される。
【0030】
上述したように、
図1の実施形態において、前記1つ以上のミドルルーフレール9は、前記第1ルーフレール9-1及びリアルーフレール5との間に設置される第2ルーフレール9-2を更に含んでなる。
【0031】
図7は、
図1の第2ルーフレール9-2に対するVII-VII線に沿った断面図である。
図7に例示するように、前記第2ルーフレール9-2は、その車両進行方向前方及び後方にルーフを装着するためのルーフマウントブラケット33がそれぞれ結合された構造である。前記ルーフマウントブラケット33には、シーラー(sealer)の結合性能を向上させるために、ルーフとの結合部分に、局部的に下方に陥没した陥没部34が凹設された構造である。
【0032】
前記リアルーフレール5は、1つ以上の閉曲線を含む所定の閉断面を形成しながら車両の横方向に沿って延設される。
図8は、
図1のリアルーフレールに対するVIII-VIII線に沿った断面図であり、
図9は、
図1のリアルーフレールをIX方向から観測して示す図である。
図8に示すように、前記リアルーフレール5は、1つの閉曲線を含む所定の閉断面が車両の横方向に沿って延設される。
【0033】
図10は、本発明の他の実施形態に係る、
図8に対応する部分の断面図である。
一方、
図10に示す他の実施形態において、前記リアルーフレール5は、車両の横方向に沿って4つの閉曲線を含む所定の閉断面が延設された構造である。
【0034】
前記ミドルルーフレール9を構成する第1ルーフレール9-1、第2ルーフレール9-2、及び前記リアルーフレール5は、いずれもそれぞれ所定の閉断面が車両の横方向に沿って延設された構造であって、ロールフォーミング加工またはアルミニウム可変押出加工などの方式で製作することができ、その長さの変更が容易であって他の車種又はモデルに容易に適用することができる。
【0035】
すなわち、上述したような車両用ルーフキャリア1は、車両の横方向は、前記カウル3、ミドルルーフレール9、及びリアルーフレール5の長さを調節し、車両の長さ方向は、前記ルーフサイドチューブ7の長さを調節することにより、容易に他の車種またはモデルに適用することができ、様々な車種で容易に共用するようにすることができるため、新車種の開発をより容易に行えるようにして、多品種少量生産方式に効果的に適用することができるようにする。
【0036】
また、上述した車両用ルーフキャリアは、上述したように、すべての部品がチューブの形で互いに連結されてスペースフレーム(Space Frame)構造を形成することにより、比較的重量が少なく、相対的に高い剛性を確保することができる。前記リアルーフレール5の前方には、ルーフを装着するためのルーフマウントブラケット33が結合される。
【0037】
図8~
図10に例示するように、前記リアルーフレール5の後方には、テールゲート35を装着するためのテールゲートマウントブラケット37を結合することができる。ところが、車種によっては、リアルーフレール5の後方下側にリアウインドシールドガラスを装着することもあり、この場合には、前記リアルーフレール5の後方には、前記リアウインドシールドガラスを支持するためのブラケットが設置できるであろう。
【0038】
図11は、
図1の車両用ルーフキャリアを組み立てる過程を例示する図である。
図11は、上述した車両用ルーフキャリア1の組立過程が、前記カウル3、第1ルーフレール9-1、第2ルーフレール9-2、及びリアルーフレール5をそれぞれ成形し、別途成形された前記ルーフサイドチューブ7に溶接などで結合させることにより前記車両用ルーフキャリア1を構成できることを説明している。
【0039】
もちろん、上述したような車両用ルーフキャリア1の上側にルーフパネル(図示せず)を結合させることにより、車両のルーフが完成する。
ちなみに、
図12は、
図1のミドルルーフレール9がルーフサイドチューブ7に連結される構造を上方から観測して示す図であり、
図13は、
図1のミドルルーフレール9がルーフサイドチューブ7に連結される構造を下方から観測して示す図である。
【0040】
ちなみに、
図12及び
図13は、前記ミドルルーフレール9が前記ルーフサイドチューブ7に溶接によって結合された構造を示しており、炭酸ガスアーク溶接(CO
2溶接)またはレーザー溶接によって結合されることが好ましい。
もちろん、前記リアルーフレール5も、前記ミドルルーフレール9と同様の方法によって前記ルーフサイドチューブ7に結合することができる。
【0041】
本発明は、特定の実施形態について図示および説明したが、以下の特許請求の範囲によって提供される本発明の技術的思想を逸脱することなく、本発明に多様な改良および変化を加え得るのは、当業分野における通常の知識を有する者にとって自明であろう。
【符号の説明】
【0042】
1 車両用ルーフキャリア
3 カウル
5 リアルーフレール
7 ルーフサイドチューブ
9 ミドルルーフレール
11 フロントウインドシールドガラス
13 ガラス支持パネル
15 ピラーウェザーストリップ
17 ストリップ支持パネル
19 サイドアウターパネル
21 フロントピラートリム
23 エアバッグ
25 ワイヤーリング
29 カウル結合ブラケット
31 ガラスマウントブラケット
33 ルーフマウントブラケット
35 テールゲート
37 テールゲートマウントブラケット