(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-14
(45)【発行日】2025-01-22
(54)【発明の名称】電池ホルダ、電子機器及び電子錠
(51)【国際特許分類】
H01M 50/244 20210101AFI20250115BHJP
H01M 50/213 20210101ALI20250115BHJP
H01M 50/247 20210101ALI20250115BHJP
H01M 50/298 20210101ALI20250115BHJP
H01M 50/50 20210101ALI20250115BHJP
H01M 50/548 20210101ALI20250115BHJP
【FI】
H01M50/244 A
H01M50/213
H01M50/247
H01M50/298
H01M50/50 101
H01M50/548 201
(21)【出願番号】P 2020109651
(22)【出願日】2020-06-25
【審査請求日】2023-06-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】鐘井 聡
(72)【発明者】
【氏名】岩瀬 滋
(72)【発明者】
【氏名】庄司 慎介
【審査官】小森 重樹
(56)【参考文献】
【文献】実開昭54-184426(JP,U)
【文献】特開平07-065807(JP,A)
【文献】特開2011-222255(JP,A)
【文献】特開2001-307702(JP,A)
【文献】特開2003-187764(JP,A)
【文献】特開2010-232003(JP,A)
【文献】特開平09-102300(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-50/298
H01M 50/50-50/598
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
頂部及び底部に電極を有する電池を収容し、電子機器に装着される電池ホルダであって、
前記電子機器の一部に直接又は間接的に係止される係合部と、
前記電池の前記頂部の一部又は前記底部の一部を支持する支持部と
を備え、
少なくとも1つの前記電極は、前記電子機器に設けられた端子により、前記電池ホルダが前記電子機器から外れる方向に付勢され
、
前記支持部は、前記電池の底部における、前記電極以外の部分を保持する、
電池ホルダ。
【請求項2】
前記支持部と対向する面において、前記電極に接する端子をさらに備え、
前記端子は、前記電池を前記底部側に付勢する、請求項
1に記載の電池ホルダ。
【請求項3】
前記電池は円柱形状の電池であり、
前記電池の側面を保持する爪部をさらに備える、請求項1
又は2に記載の電池ホルダ。
【請求項4】
請求項1から
3のいずれか1つに記載の電池ホルダが装着され、
前記電池ホルダが前記電子機器から外れる方向に前記電池を付勢する端子を備える、電子機器。
【請求項5】
前記端子のうち少なくとも1つは、コイルバネ状に形成される、請求項
4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記端子のうち、前記コイルバネ状に形成された端子以外の少なくとも1つは、突起状に形成される、請求項
5に記載の電子機器。
【請求項7】
頂部及び底部に電極を有する電池を収容する電池ホルダと、
前記電池ホルダが装着される電子機器
と、
を備え、
前記電池ホルダは、
前記電子機器の一部に直接又は間接的に係止される係合部と、
前記電池の前記頂部の一部又は前記底部の一部を支持する支持部と
を備え、
少なくとも1つの前記電極は、前記電子機器に設けられた端子により、前記電池ホルダが前記電子機器から外れる方向に付勢され、
前記電子機器は、
前記電池ホルダが前記電子機器から外れる方向に前記電池を付勢する端子を備え、
前記電池ホルダが、任意の方向から前記電子機器に装着される、
電子錠。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池ホルダ、電子機器及び電子錠に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器を備える電子錠等において電池を用いる際、電池の着脱を容易にするために、複数の電池を電池ホルダに搭載し、電池ホルダを電子機器に装着させる技術が知られている。その際、電池ホルダにかかる衝撃を緩和し、又は電池ホルダの着脱を容易にするために、弾性変形する部材が形成された電池ホルダが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-195484号公報
【文献】特開2015-76372号公報
【文献】特開2015-228385号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、電池ホルダに弾性変形する部材を形成することにより、電池ホルダの構造が複雑になるため、製造コストや加工コストが増加する場合がある。
【0005】
一つの側面では、簡素な構成で容易に着脱できる電池ホルダ、電子機器及び電子錠を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの態様において、電池ホルダは、頂部及び底部に電極を有する電池を収容し、電子機器に装着される。電池ホルダは、前記電子機器の一部に直接又は間接的に係止される係合部と、前記電池の前記頂部の一部又は前記底部の一部を支持する支持部とを備える。少なくとも1つの前記電極は、前記電子機器に設けられた端子により、前記電池ホルダが前記電子機器から外れる方向に付勢される。前記支持部は、前記電池の底部における、前記電極以外の部分を保持する。
【0007】
一つの態様によれば、簡素な構成で容易に着脱できる電池ホルダ、電子機器及び電子錠を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1の実施形態における電池ホルダが装着される電子錠の外観斜視図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態における電子錠のボトムカバーを取り外した側面図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態におけるカバーパネルの底面図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態における電子錠のカバーパネルを取り外した側面図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態における係合機構の拡大斜視図である。
【
図6A】
図6Aは、第1の実施形態における電池ホルダの斜視図である。
【
図6B】
図6Bは、第1の実施形態における電池ホルダの斜視図である。
【
図7】
図7は、第1の実施形態における電池を取り外した電池ホルダの斜視図である。
【
図8】
図8は、第1の実施形態における電池ホルダを取り外した電子機器の側面図である。
【
図9】
図9は、第1の実施形態における電子機器の断面図である。
【
図10】
図10は、第1の実施形態における電子機器の底板の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願の開示する電池ホルダ、電子機器及び電子錠について図面を参照して説明する。なお、図面における各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。各図面において、説明を分かりやすくするために、電池ホルダが後に説明する電子錠に装着される方向をY軸正方向とする3次元の直交座標系を図示する場合がある。
【0010】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態における電池ホルダが装着される電子錠の外観斜視図、
図2は、第1の実施形態における電子錠のボトムカバー4を取り外した側面図である。実施形態に係る電池ホルダ40は、例えば、
図1に示すような電子錠1に装着して用いられる。
【0011】
電子錠1は、既設の扉のサムターン(図示せず)に後付けされるものであり、スマートフォンや制御盤等のコントローラ(図示せず)から無線または有線により操作指示を受けて対応する動作(施錠、開錠等)を行うようになっている。無線の方式としては、Bluetooth(登録商標)やWiFi等が用いられる。
【0012】
図1において、電子錠1は、裏側の面の約半分が切り取られた略矩形状の外観をしており、トップカバー2及びボトムカバー4により覆われている。トップカバー2の裏側の面の切り取られた部分には、図示しない既設の扉のサムターンに係合するサムターン連結部9が設けられている。トップカバー2におけるサムターン連結部9の反対側の位置には、ユーザが手動により操作可能なノブ3が設けられている。ノブ3は、ノブ3の回転軸に直交する凹面3aと、この凹面3aの中央部に設けられた略半月状のツマミ部3bとを有している。なお、ノブ3の形状は図示のものに限られない。電子錠1が備える電子機器6は、
図1に示す電子錠1のボトムカバー4の内部に格納される。
【0013】
図2は、ボトムカバー4を外した状態の電子錠1を、Y軸負方向から見た状態を示している。
図2に示すように、電池ホルダ40は、電子錠1に搭載された電子機器6に装着される。また、電池ホルダ40のY軸負方向側は、開口部41aを有するカバーパネル41により覆われている。電池ホルダ40は、着脱ボタン42を有する。着脱ボタン42は、カバーパネル41の開口部41aを通じて、カバーパネル41よりもY軸負方向側に突出する。
【0014】
図3は、第1の実施形態におけるカバーパネルの底面図、
図4は、第1の実施形態における電子錠のカバーパネルを取り外した側面図である。
図3は、電池ホルダ40から外されたカバーパネル41を、Y軸正方向から見た状態を示している。
【0015】
図3に示すように、カバーパネル41の底面には、2つのボス部43a及び43bが設けられる。また、
図4に示すように、電池ホルダ40は、着脱ボタン42と、係合爪46a及び46bと、2つの長孔47a及び47bとを備える固定板44を有する。カバーパネル41は、2つのボス部43a及び43bが2つの長孔47a及び47bに挿通されることにより、電池ホルダ40に固定される。なお、係合爪46a及び46bは、係合部の一例である。
【0016】
また、
図4に示すように、電子機器6は、係止部66aを備える。また、電子機器6は、係止部66bをさらに備える。本実施形態において、電池ホルダ40の係合爪46aは、電子機器6の係止部66aに係合し、係合爪46bは係止部66bに係合する。これにより、電池ホルダ40は電子機器6に固定される。なお、以下において、係合爪46a及び46bと、係止部66a及び66bとの組み合わせを「係合機構」と表記する場合がある。
【0017】
図5は、第1の実施形態における係合機構の拡大斜視図である。また、
図6A及び
図6Bは、第1の実施形態における電池ホルダの斜視図である。
図5は、
図4の符号Lに示す部分を、斜め上方向(X軸負方向かつY軸負方向)から見た状態を示している。
図6Aは、電子機器6から取り外された電池ホルダ40を、
図5と同じ視点(X軸負方向かつY軸負方向)から見た状態を示し、
図6Bは、電子機器6から取り外された電池ホルダ40を、
図5及び
図6Aと異なる視点(X軸負方向かつY軸正方向)から見た状態を示している。
【0018】
図6Aに示す着脱ボタン42は、バネ45によってZ軸負方向に付勢されており、このバネ45の付勢力よりも大きな力を矢印の方向(Z軸正方向)に力を加えた場合、着脱ボタン42がZ軸正方向に移動する。これにより、着脱ボタン42が固定されている固定板44、並びに固定板44に備えられた係合爪46a及び46bも同様に矢印の方向に移動する。これにより、係合爪46aと係止部66aとの係合、及び係合爪46bと係止部66bとの係合が解除されるので、電池ホルダ40は電子錠1に固定されなくなる。この場合、以下に説明するように、電池ホルダ40は電子錠1から離脱する。
【0019】
なお、
図5に示すように、係合爪46aの底面は、係止部66aの上面に係合する。同様に、
図4に示す係合爪46bの底面も、係止部66bの上面に係合する。また、
図4に示すように、固定板44は、バネ45により、下方向(Z軸負方向)に向けて付勢される。これにより、電子錠1に衝撃が加わった場合においても、係合機構に対してバネ45による付勢力よりも大きな力が加わらない限り、係合爪46a及び46bと係止部66a及び66bとの係合が維持される。
【0020】
図6A及び
図6Bに示すように、本実施形態における電池ホルダ40は、例えば、カバーパネル41と、固定板44と、電池保持部70から構成される。電池保持部70は、例えば、底部71と、天面72とを備える。電池保持部70は、例えば樹脂等の絶縁性の材料により形成される。また、本実施形態において、底部71には、板状端子78a及び78cが配置される。なお、底部71は、支持部の一例である。
【0021】
また、
図6A及び
図6Bに示すように、本実施形態における電池ホルダ40の電池保持部70には、例えば、4本の電池8a乃至8dが搭載される。なお、以下において、電池8a乃至8dを区別せずに表現する場合に、単に電池8と表記する場合がある。
【0022】
本実施形態において、電池8は、例えば単三電池のように、頂部に突出した電極(+極)を備え、底部に平板状の電極(-極)を備える、円柱形状の電池である。なお、以下において、突出した電極を凸状電極88と表記し、平板状の電極を平面電極89と表記する場合がある。
図6Bに示すように、電池8a及び8bは、電池ホルダ40の上側(Z軸正方向側)から搭載され、電池8c及び8dは、電池ホルダ40の下側(Z軸負方向側)から搭載される。また、電池8a及び8cは、凸状電極88a及び88cが、底部71に配置された板状端子78a及び78cとそれぞれ接するように電池ホルダ40に搭載される。
図6Bにおいて、凸状電極88a及び88cは、それぞれ板状端子78a及び78cの背後に位置するため図示されない。また、電池8b及び8dは、後に説明するように、底部の平面電極89b及び89d以外の部分がそれぞれ底部71により支持されるように、電池ホルダ40に搭載される。
【0023】
図7は、第1の実施形態における電池を取り外した電池ホルダの斜視図である。
図7は、電子錠1から取り外された電池ホルダ40を、
図6Bと同じ視点(X軸負方向かつY軸正方向)から見た状態を示している。
図7に示すように、本実施形態における電池保持部70の天面72は、電池係止爪73a乃至73dとを備える。なお、以下において、電池係止爪73a乃至73dを区別せずに表現する場合に、単に電池係止爪73と表記する場合がある。
【0024】
図7に示すように、電池保持部70の天面72は、電池ホルダ40が装着される方向(Y軸方向)において、底部71と対向する位置に設けられる。天面72は、凸状端子49a及び49cと、平面端子48b及び48dとを有する。凸状端子49a及び49c、並びに平面端子48b及び48dは、例えば銅線等の弾性を有する導体により形成される。
【0025】
凸状端子49aは、電池8aの平面電極89aと電気的に接続されるとともに、電池8aを底部71側(Y軸正方向側)に付勢する。同様に、凸状端子49cは、電池8cの平面電極89cと電気的に接続されるとともに、電池8cを底部71側(Y軸正方向側)に付勢する。また、平面端子48bは、電池8bの凸状電極88bと電気的に接続され、平面端子48dは、電池8dの凸状電極88dと電気的に接続される。また、電池係止爪73a及び73bは、電池8a及び8bを、それぞれ上側(Z軸正方向側)から係止し、電池係止爪73c及び73dは、電池8c及び8dを、それぞれ下側(Z軸負方向側)から係止する。すなわち、電池8aは、電池係止爪73aにより係止され、さらに凸状端子49aによる付勢力により、電池保持部70から脱落することなく保持される。同様に、電池8cは、電池係止爪73cにより係止され、さらに凸状端子49cによる付勢力により、電池保持部70から脱落することなく保持される。また、電池8b及び8dは、それぞれ電池係止爪73b及び73d、並びに平面端子48b及び平面端子48dにより、電池保持部70から脱落することなく保持される。
【0026】
図6B及び
図7に示すように、本実施形態において、電池ホルダ40の電池保持部70の底部71は、電池8b及び8dの平面電極89b、89dと対向する部分を除く部分に形成される。すなわち、電池保持部70の底部71は、電池8bの底部のうち、平面電極89bを除く部分のみを保持する。同様に、電池保持部70の底部71は、電池8dの底部のうち、平面電極89dを除く部分のみを保持する。
【0027】
本実施形態において、電池8a乃至8dの凸状電極88a、88c及び平面電極89b、89dは、電子機器6に設けられた端子と電気的に接続される。
図8は、第1の実施形態における電池ホルダを取り外した電子機器の側面図である。
図9は、第1の実施形態における電子機器の断面図である。また、
図10は、第1の実施形態における電子機器の底板の斜視図である。
【0028】
図8に示すように、電子機器6の底板61は、2つの突起状端子68a及び68cと、2つの螺旋状端子69b及び69dを備える。螺旋状端子69b及び69dは、例えば、凸状端子49a及び49cと同様に、銅線等の弾性を有する導体により形成される。突起状端子68a及び68cは、例えば、銅板等の弾性を有する導体により形成される。以下において、突起状端子68a及び68cを区別せずに表現する場合に「突起状端子68」と表記し、螺旋状端子69b及び69dを区別せずに表現する場合に「螺旋状端子69」と表記する場合がある。なお、突起状端子68は、突起状に形成される端子の一例であり、螺旋状端子69は、コイルバネ状に形成される端子の一例である。
【0029】
本実施形態において、螺旋状端子69b及び69dは、それぞれ電池8b及び8dの平面電極89b及び89dと対向する位置に設けられ、突起状端子68a及び68cは、電池保持部70の底部71に設けられた板状端子78a及び78cを介して、電池8a及び8cの凸状電極88a及び88cと対向する位置に設けられる。すなわち、本実施形態において、螺旋状端子69b及び69dは、電池8b及び8dとそれぞれ電気的に接続される。また、突起状端子68a及び68cは、電池保持部70の底部71に設けられた板状端子78a及び78cを介して、電池8a及び8cとそれぞれ電気的に接続される。
【0030】
また、電子機器6に設けられた螺旋状端子69b及び69dは、それぞれ電池8b及び8dを
図9に示す矢印の方向(Y軸負方向)に付勢する。同様に、突起状端子68a及び68cも、電池保持部70の底部71に設けられた板状端子78a及び78cを介して、電池8a及び8cをY軸負方向に付勢する。すなわち、電池8a乃至8dが装着された電池ホルダ40は、螺旋状端子69及び突起状端子68により、電子機器6から抜き去られる方向に付勢される。この場合において、係合爪46a及び46bと、係止部66a及び66bとを有する係合機構により電子機器6に係合されている電池ホルダ40は、係合が解除された場合、螺旋状端子69及び突起状端子68の付勢力により、電子機器6からY軸負方向側へと押し出される。
【0031】
以上説明したように、本実施形態にかかる電池ホルダ40は、頂部及び底部に電極88,89を有する電池8を収容し、電子機器6に装着される。電池ホルダ40は、電子機器6の一部に直接又は間接的に係止される係合部46a,46bと、電池8の頂部の一部又は底部の一部を支持する支持部71とを備える。少なくとも1つの電極88,89は、電子機器6に設けられた端子68,69により、電池ホルダ40が電子機器6から外れる方向に付勢される。かかる構成においては、電池ホルダ40に端子や弾性部材を設ける必要がないため、簡素な構造で着脱が容易な電池ホルダ、電子機器及び電子錠を提供できる。また、電池ホルダ40が電子錠1等にどのような姿勢で装着されていても、電池ホルダ40の着脱が容易であり、かつ着脱時の電池8の脱落を抑制することができる。
【0032】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、本実施形態においては、電子錠1が備える電子機器6に対し、電池ホルダ40が任意の方向から装着可能である。この場合において、本実施形態においては、突起状端子68及び螺旋状端子69が、電池ホルダ40を
図9に示す矢印の方向(Y軸負方向)に付勢する構成について説明したが、付勢の方向は電池ホルダ40が電子錠1から外れる方向であればよい。例えば、突起状端子68及び螺旋状端子69が、電池ホルダ40を斜め下の方向(Y軸負方向かつZ軸負方向)に付勢するような構成であってもよい。また、電池ホルダ40が電子錠1に装着される方向もY軸正方向側に限られず、斜め下の方向(Y軸正方向かつZ軸負方向)や斜め上の方向(Y軸正方向かつZ軸正方向)、Y軸正方向かつX軸正方向等、その他の任意の方向であってもよい。
【0033】
なお、
図9等において、底板61が電子機器6のY軸正方向側の壁面とは別に形成される構成について説明したが、これに限られず、突起状端子68及び螺旋状端子69が、電子機器6のY軸正方向側の壁面に直接形成されるような構成であってもよい。
【0034】
なお、電池ホルダ40を電子機器6に係合させる係合機構については、
図5等に示したものに限られず、任意の構成に変更可能である。例えば、電池ホルダ40及び電子機器6とは異なる部材を用いて、電池ホルダ40と電子機器6とが間接的に係合される構成であってもよい。また、電池ホルダ40を電子機器6から取り出す際に、電池ホルダ40の着脱ボタン42を上側(Z軸正方向)に移動させる構成について説明したが、実施の形態はこれに限られない。例えば、電池ホルダ40を電子機器6の底板61側(Y軸正方向側)に押し込むことにより、電池ホルダ40と電子機器6との係合が解除される構成や、電池ホルダ40をY軸を中心に捻ることにより係合が解除される構成など、任意の構成を採用可能である。
【0035】
また、4本の電池8a乃至8dが搭載される電池ホルダ40について説明したが、これに限られず、電池ホルダは電池を1本だけ搭載するものであってもよく、5本以上の電池を搭載できるものであってもよい。また、本実施形態における電池ホルダ40は、電子機器6及び電池保持部70に配置される各端子の形状を変更することにより、直列及び並列のいずれの電池配列にも対応可能である。
【0036】
また、電池ホルダ40のカバーパネル41と、トップカバー2のY軸負方向側(電池ホルダ40の天面72側)の面とは、電池ホルダ40の装着時に面一となってもよく、いずれかが突出するような形状であってもよい。
【0037】
また、電池係止爪73a乃至73dの形状も図示したものに限られず、例えば開閉可能な板状の蓋等であってもよく、弾性変形可能な材質により形成されていてもよい。また、電池保持部70単体で電池8を保持可能であれば、電池ホルダ40が電池係止爪73a乃至73dを含まないような構成であってもよい。
【0038】
本実施形態において、螺旋状端子69は、突起状端子68よりも大きな付勢力を有する。また、螺旋状端子69が電池8の平面電極89と対向し、突起状端子68が電池8の凸状電極88と電池保持部70の底部71に設けられた78a及び78cを介して対向する構成について例示したが、これに限られず、螺旋状端子69が電池8の凸状電極88と対向し、又は突起状端子68が電池8の平面電極89と対向するような構成であってもよい。そこで、螺旋状端子69の数と、突起状端子68の数とを調整することにより、付勢力を調整してもよい。例えば、電子機器6が螺旋状端子69のみを含む構成や、突起状端子68のみを含む構成であってもよい。また、螺旋状端子69及び突起状端子68のY軸方向における高さや材質等を変更することにより、付勢力を調整してもよい。
【0039】
また、上記実施の形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0040】
1 電子錠、 2 トップカバー、 3 ノブ、 4 ボトムカバー、 6 電子機器、 9 サムターン連結部、 40 電池ホルダ、 41 カバーパネル、 41a 開口部、 42 着脱ボタン、 43a,43b ボス部、 44 固定板、 45 バネ、 46a,46b 係合爪、 47a,47b 長孔、 48b,48d 平面端子、 49a,49c 凸状端子、 61 底板、 66a,66b 係止部、 68a,68c 突起状端子、 69b,69d 螺旋状端子、 70 電池保持部、 71 底部、 72 天面、 73a~73d 電池係止爪、 78a,78c 板状端子、 8 電池、 88 凸状電極、 89 平面電極