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特許7619779海洋深層水を用いた皮膚老化防止剤及び当該皮膚老化防止剤を用いた皮膚老化防止方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-14
(45)【発行日】2025-01-22
(54)【発明の名称】海洋深層水を用いた皮膚老化防止剤及び当該皮膚老化防止剤を用いた皮膚老化防止方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/99 20170101AFI20250115BHJP
   A61K 8/19 20060101ALI20250115BHJP
   A61Q 19/08 20060101ALI20250115BHJP
   C12N 1/20 20060101ALI20250115BHJP
   C12N 15/09 20060101ALI20250115BHJP
【FI】
A61K8/99
A61K8/19
A61Q19/08
C12N1/20 A
C12N15/09 Z ZNA
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020167194
(22)【出願日】2020-10-01
(65)【公開番号】P2021054823
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2023-08-03
(31)【優先権主張番号】P 2019181686
(32)【優先日】2019-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【微生物の受託番号】NITE  P-03021
(73)【特許権者】
【識別番号】324001723
【氏名又は名称】株式会社ディーエイチシー
(74)【代理人】
【識別番号】100116687
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 爾
(74)【代理人】
【識別番号】100098383
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 純子
(72)【発明者】
【氏名】山田 勝久
(72)【発明者】
【氏名】野村 道康
(72)【発明者】
【氏名】柴田 雄次
(72)【発明者】
【氏名】山本 樹
【審査官】山田 陸翠
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-199629(JP,A)
【文献】特開平10-182412(JP,A)
【文献】特表2018-527414(JP,A)
【文献】特開2010-070623(JP,A)
【文献】特開2006-008566(JP,A)
【文献】特開2001-278735(JP,A)
【文献】特開2016-094372(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
C12N 1/00- 7/08
C12N 15/00-15/90
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
海洋深層水と乳酸菌発とを含み、海洋深層水は、逆浸透膜ろ過処理海洋深層水又は電気透析処理海洋深層水又はイオン交換処理海洋深層水であって、当該海洋深層水中のカリウムイオン、ナトリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、塩素イオンの質量比率が、K:Na:Ca:Mg:Cl=1:30~70:10~40:40~150:200~500となるようにイオン選択処理された海洋深層水であり、全体の20質量%以上で含有され、乳酸菌は海洋深層水由来のLactobacillus plantarum LPAK1-13株(受領番号NITE P-03021)であることを特徴とする、皮膚老化防止剤。
【請求項2】
請求項1記載の皮膚老化防止剤において、海洋深層水は全体の40質量%以上で含有されることを特徴とする、皮膚老化防止剤。
【請求項3】
請求項1又は2記載の皮膚老化防止剤を含む化粧料を皮膚に塗布することを特徴とする、皮膚老化防止方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海洋深層水を用いた皮膚老化防止剤及び当該新規な皮膚老化防止剤を用いた皮膚老化防止方法に関し、特に、皮膚のコラーゲンの合成を促進して、更にはプロテオグリカンの分解を抑制して、老化等による皮膚のシワやクマやクスミ等を改善することができる、海洋深層水及び特定の乳酸菌を有効成分とする、新規な皮膚老化防止剤及び当該新規な皮膚老化防止剤を用いた皮膚老化防止方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人は加齢とともにコラーゲンやプロテオグリカン等のヒト真皮マトリックス成分の産生が衰え、シワの原因となることが知られている。また、加齢により、生体防御機能も低下し、外部からの刺激に対して細胞を防御する機能も低下し、これらが皮膚の老化症状、特にシワやクスミやクマやタルミ等の発生に深く関与していると言われている。
こうした加齢や、紫外線暴露や乾燥等の影響を含む様々な外部からの刺激によって、皮膚中のコラーゲンやプロテオグリカンの量が減少し、皮膚の保湿機能や弾力性が減少して、皮膚の張りや艶が失われ、シワ、クスミ、クマ等の皮膚の老化症状が促進されることが知られている。特に、シワやタルミ等は日光に曝される部分に著しく、日光に曝された皮膚にシワやタルミ等が発生する現象を特に光老化と呼んでいる。光老化したシワ部分では、真皮中のコラーゲン量が著しく減少していることも知られている。
【0003】
以上のように、加齢や光老化等に伴い、シワ、クスミ、クマ等を予防・改善することは美容上の重要な課題である。
【0004】
コラーゲンは、分子量95,000の3本のポリペプチド鎖が絡み合った構造を有しており、皮膚、血管、腱、歯などのほとんどの組織に存在する線維状の蛋白質であり、身体を構成する全蛋白質の約30%を占めている。また、コラーゲンは真皮マトリックスの90%以上を占め、紫外線によって活性化されるコラゲナーゼによって分解が亢進されることも知られている。
また、真皮には、真皮マトリックス成分の一つであり、皮膚の水分保持にも寄与する成分であるプロテオグリカンが存在する。プロテオグリカンは老化と共にアグリカナーゼ(プロテオグリカン分解酵素)によって分解され、シワ、クスミ、クマ等の原因となることが知られている。
【0005】
これらのことから、皮膚中のコラーゲンやプロテオグリカンといった真皮マトリックス成分の減少が、皮膚のシワ、クスミ、クマ等を引き起す主な原因であると考えられている。従って、コラーゲンやプロテオグリカンの減少を抑制し得る剤を提供できれば、光老化のみならず、加齢に伴うシワやタルミを始めとしてシミやクスミ等を予防・改善することが可能である。
【0006】
一方、海洋深層水は、有光層(補償深度)である200m以深の海水であり、光合成による有機物生産がほとんど行われず分解が卓越している。さらに、無機栄養塩を多く含むことなどから、種々の利用が試みられている。
【0007】
海洋深層水を利用した化粧料としては、例えば、本出願人による特開2016-94372号公報(特許文献1)に、カロテノイドの生体への吸収性を高めるため、海洋深層水とカロテノイドとを併用する高吸収用組成物が記載されており、好ましくは、カロテノイドは、かんきつ類由来であり、より好ましくはかんきつ類由来のカロテノイドはクリプトキサンチンであり、海洋深層水は原水又は逆浸透法で淡水化して得られた淡水と海洋深層水との原水を混合した水であることを特徴とする、カロテノイド高吸収用組成物が開示されている。
【0008】
また、本出願人による特開2018-199629号公報(特許文献2)には、海洋深層水を全体の30重量%以上とし、海洋深層水とポリオールとを、海洋深層水とポリオールとの重量比率を9:1~3:7として併用する皮膚の保湿性向上方法であって、ポリオールが、グリセリン、ジグリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、プロパンジオール、ジプロピレングリコール、グリセレス-26、ペンチレングリコール、ヘキサンジオール、マルチトール、キシリトール、カプリリルグリコールからなる群より選ばれる少なくとも1種である、皮膚の保湿性向上方法が開示されている。
【0009】
更に、特開2008-297205号公報(特許文献3)には、海洋深層水を黒豚由来の動物性コラーゲンとともに使用する化粧品が開示されており、具体的には、海洋深層水を精製水とともに用いて、真皮結合組織を活性化させることが記載されている。
【0010】
しかし、これらの従来のものは、海洋深層水と海洋深層水から分離された乳酸菌あるいはその発酵物とを含むものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】特開2016-94372号公報
【文献】特開2018-199629号公報
【文献】特開2008-297205号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、海洋深層水及び特定の乳酸菌を有効成分として含むことにより、コラーゲン合成を促進させて、シワやクスミやクマを防ぐだけでなく、皮膚の老化防止効果を高めることができる、皮膚老化防止剤及び皮膚老化防止方法を提供することである。
特に、乳酸菌を海洋深層水由来の乳酸菌とすることで海洋深層水とともに、優れたコラーゲン産生促進機能と、プロテオグリカンの分解抑制機能とを有効に発現することができる、皮膚老化防止剤及び皮膚老化防止方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らが鋭意研究したところ、特定の乳酸菌および/またはその発酵物と海洋深層水とを組み合わせて併用することにより、海洋深層水だけの場合よりも、皮膚へ塗布した場合にコラーゲン合成促進作用が向上し、シワやクスミやクマ等の皮膚の老化が防止されることを見出し、また更には、プロテオグリカンの分解抑制機能を発現することができることを見出し、本発明に至ったものである。
【0014】
請求項1記載の皮膚老化防止剤は、海洋深層水と乳酸菌および/またはその発酵物とを含み、乳酸菌は海洋深層水由来のLactobacillus plantarum LPAK1-13株(受託番号NITE P-03021)であることを特徴とする、皮膚老化防止剤である。
【0015】
更に、請求項記載の皮膚老化防止剤は、前記海洋深層水、逆浸透膜ろ過処理海洋深層水、電気透析処理海洋深層水又はイオン交換処理海洋深層水であり、海洋深層水中のカリウムイオン、ナトリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、塩素イオンの質量比率が、K:Na:Ca:Mg:Cl=1:30~70:10~40:40~150:200~500となるようにイオン選択処理された海洋深層水であって、全体の20質量%以上、好ましくは40質量%以上で含有されるものであることを特徴とする、皮膚老化防止剤である。
【0016】
請求項3記載の皮膚老化防止法は、上記皮膚老化防止剤を含む化粧料を皮膚に塗布することを特徴とする、皮膚老化防止方法である。
【発明の効果】
【0017】
本発明の皮膚老化防止剤によれば、海洋深層水、好ましくはイオン選択処理された海洋深層水と、海洋深層水由来の特定の乳酸菌および/またはその発酵物とを併用することで、皮膚に塗布した際、真皮中のコラーゲンを増加させることで、シワやクスミやクマ等の皮膚の老化を有効に防止することが可能となる。更には、真皮マトリックス成分の一つであるプロテオグリカンの分解を抑制することで、シワやクスミやクマ等の皮膚の老化を有効に防止することができる。
従って、海洋深層水と特定の乳酸菌を有効成分とする本発明の皮膚老化防止剤を用いることで、皮膚に直接塗布する化粧水、乳液、クリーム、エッセンス、パック、ファンデーションやボディーローション等の化粧料に適用して、皮膚のシワやクスミやクマ等の老化を防止することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】海洋深層水から本発明の乳酸菌を分離する方法の一例を概略的に示す図である。
図2】EDミネラル水のコラーゲン合成促進作用の評価の一例を示す図である。
図3】本発明に用いる乳酸菌の発酵液と既存の乳酸菌の発酵液のコラーゲン合成促進作用の評価の一例を示す図である。
図4】精製水(DW)、EDミネラル水、EDミネラル水+本発明に用いる乳酸菌の発酵液、及び、EDミネラル水+既存の乳酸菌の発酵液のコラーゲン合成促進作用の評価の一例を示す図である。
図5】プロテオグリカン分解抑制度合の評価の一例を示す図である。
図6】グルクロニルトランスフェラーゼ遺伝子発現量の評価の一例を示す図である。
図7】過酸化水素に対する抗酸化作用の評価の一例を示す図である。
図8】本発明の皮膚老化防止剤を含有する化粧水のシワ改善効果を評価する一例の線図である。
図9】本発明の皮膚老化防止剤を含有する化粧水のクマ改善効果を評価する一例の線図である。
図10】本発明の皮膚老化防止剤を含有する化粧水のクスミ改善効果を評価する一例の線図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明を以下の実施形態に基づき詳細に説明する。
本発明の皮膚老化防止剤は、海洋深層水と乳酸菌および/またはその発酵物とを含み、乳酸菌は海洋深層水由来のLactobacillus plantarum LPAK1-13株(受託番号NITE P-03021)であることを特徴とする、皮膚老化防止剤である。
なお、特記しない限り、%は質量%を示す。
【0020】
本発明においては、海洋深層水と海洋深層水由来の前記特定の乳酸菌および/またはその発酵物とを併用することで、皮膚中のコラーゲン産生を促すことができ、皮膚の老化を軽減することができる。また、真皮マトリックス成分であるプロテオグリカンの分解を抑制して、皮膚の老化を軽減することが可能となる。特に、皮膚老化防止剤には、海洋深層水を、好ましくは20質量%以上、より好ましくは40質量%以上で含むことが望ましい。
【0021】
本発明の皮膚老化防止剤には、海洋深層水が有効成分として含有される。
本発明における「海洋深層水」には、前記200m以深の海洋深層水原水自体、さらには、海洋深層水を電気透析処理した水(ED塩水、EDミネラル水)、逆浸透膜濾過(RO膜)処理した水、イオン交換膜処理した水、海洋深層水に含まれるミネラル分に相当するミネラルを含む液体であれば任意の処理水も、本発明における「海洋深層水」の概念に含まれるものである。
【0022】
海洋深層水(Deep seawater,DSW)は、一般に、海面下200m以深のNa、K、Ca、Mgや、無機栄養成分を豊富に含む低温で、清潔且つ衛生的な水であり、安全性、安定性に優れているものである。
海洋深層水を採水するための取水地としては、静岡県伊東市(伊豆赤沢)を始め、現在9都道県で、15の取水施設が有り(海洋深層水利用学会HP調べ、2017年2月現在)、これらの取水地から採水される海洋深層水のいずれも本発明の適用の対象とすることができ、更には前記取水地以外で採水した海洋深層水を用いることも可能である。
【0023】
特に好ましくは、伊豆赤沢海洋深層水であり、かかる海洋深層水は、伊豆赤沢沖の水深約800mから汲み上げられるもので、表層水に比べて、微生物の存在比が数千分の一程度のものである。また、伊豆赤沢海洋深層水は、伊豆半島付近の海洋表層で北東方向に向けて流れている黒潮や、伊豆半島南東沖海底の高い海底火山群からなる伊豆・小笠原弧が形成されていることから、伊豆赤沢沖は、首都圏・大都市圏に最も近いにもかかわらず、汚染されていない清浄な海洋深層水を取水することができる場所であり、本発明において、有効に適用することができるものである。
【0024】
本発明において好適に用いられる海洋深層水としては、採水した海洋深層水に含まれるイオンを特定の比率にイオン選択処理した海洋深層水が特に好適であり、このような特定のイオン比率とすることで、本発明の上記効果を特に有効に発現することができ、更に、塩分等の皮膚への刺激を緩和することができるからである。
【0025】
海洋深層水原水中に含まれるイオンを特定の比率に処理する方法としては、下記特定のイオン比率とすることができれば特に限定されず、例えば、公知の逆浸透膜ろ過法、電気透析法やイオン交換膜法等を用いてイオン選択処理することができる。
また、海洋深層水原水をイオン選択処理する公知の方法であれば他の任意の方法も、下記特定のイオン比率とすることができる限り適用することができる。
【0026】
例えば、イオン選択処理する方法としては、電気透析装置「アストム株式会社製、アシライザー25型 100対×3段連続式(海水脱塩仕様)」を用いて、電気透析法(イオン交換膜法)によりイオン交換膜と直流電流の作用で、海洋深層水原水中にあるイオン性物質の脱塩・濃縮を行なって脱塩処理をする方法等や、更には、特開2000-159655号公報に開示されているように、海洋深層水を逆浸透膜装置(東洋紡株式会社製、HR5155)で脱塩処理した後、電気透析装置(旭ガラス株式会社製、セレミオンCMV、セレミオンASV)によって脱塩処理する方法を適用して、下記特定のイオン比率とすることでもよく、また、特開2010-274214号公報に記載されているような逆浸透膜法で脱塩処理する方法を用いて特定のイオン比率とすることでもよい。
【0027】
イオン選択処理としては、海洋深層水を、例えば、含有されるカリウムイオン、ナトリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、塩素イオンの比率が、K:Na:Ca:Mg:Cl=1:30~70:10~40:40~150:200~500程度となるようにイオン選択処理することが望ましい。具体的には、例えば海洋深層水100g中、Kが0~0.1g程度、Naが0.01~0.50g程度、Caが0.01~0.04g程度、Mgが0.05~0.5g程度、Clが0.1~1.0g程度となるように処理された海洋深層水であるEDミネラル水とすることが望ましい。
前記組成のミネラル分を有するイオン選択処理された海洋深層水(EDミネラル水)を上記特定の乳酸菌(受託番号NITE P-03021)と併用することにより、皮膚の角層の水分保持能を高め、保湿性を向上させる機能を特に有効に発現することが可能となる。
なお、伊豆赤沢産の表面海水、伊豆赤沢産の海洋深層水(原水)、一例のEDミネラル水の組成の比較を以下の表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
一般に、天然にがりは、カリウムイオン、ナトリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、塩素イオンの比率が、K:Na:Ca:Mg:Cl=1:2~25:0~1:1~5:10~50程度であり、天然にがりを用いた水溶液と、イオン選択処理した海洋深層水とはミネラル分の組成が大きく異なり、また、にがりを用いた水溶液を本発明に適用することは望ましくない。
なお、例えば伊豆赤沢産の海洋深層水を上記の電気透析処理方法(電気透析装置「アストム株式会社製、アシライザー25型」)によってイオン選択処理した海洋深層水(EDミネラル水)、富山県滑川産の海洋深層水(EDミネラル水)及び各種のにがりは、以下の表2に示すイオンの成分の組成を有する。
【0030】
【表2】
【0031】
また、本発明に適用する海洋深層水の電気伝導度は、0~30mS/cmであることが望ましく、更に好ましくは5~15mS/cmであることが、上記本発明の効果を、より有効に発現させるため望ましい。
【0032】
本発明の皮膚老化防止剤に含まれる乳酸菌は、Lactobacillus plantarumであり、特にLactobacillus plantarumに属する乳酸菌であって海洋深層水由来の乳酸菌であり、Lactobacillus plantarum LPAK1-13株(受託番号NITE P-03021)が好適に用いられる。
ここで、「LPAK1-13」株は、本出願人により新規菌株に付与した番号である。
【0033】
本発明に用いるLactobacillus plantarum LPAK1-13株は、独立法人製品技術基盤機構 特許微生物寄託センター(〒292-0818 千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8)に、2019年9月19日に受領番号NITE AP-03021で受領され、またNITE P-03021で受託されている(受託証通知番号2019-0373)。
【0034】
上記菌株は、海洋深層水由来のものであり、海洋深層水から分離されて、本発明の皮膚老化防止剤に含有される。
海洋深層水から上記乳酸菌を分離する方法としては、当該乳酸菌を単離できれば特に特定されるものではないが、以下の方法を例示することができ、その概要を図1に示す。
図1に示す一例としては、取水した海洋深層水中の懸濁物をろ過するバッグフィルター(孔径0.5μm)の底部を無菌的に3cm角に切除し、それを滅菌した海洋深層水に入れて攪拌し、懸濁液を調製し、次いで、乳酸菌選択培地であるMRS海水寒天培地(0.005%シクロヘキシミド含有:表3)に前記調製した懸濁液を塗抹し、暗所にて、27℃、静置の条件で培養し、培養後、寒天培地上に出現したコロニーを単離して、16SrDNAを解析することで乳酸菌(Lactobacillus plantarum)であることを同定して分離することができる。
かかる分離して得られた乳酸菌をLactobacillus plantarum LPAK1-13株とした(LPAK1-13乳酸菌)。
【0035】
【表3】
【0036】
本発明に用いるLactobacillus plantarum LPAK1-13株の菌学的性質は、以下の表4及び表5に示す通りである。
なお、表4は、本菌株に関する性状等を、表5は糖資化性を試験した結果を示す。
表4において、「+」は発酵性があり、「-」は発酵性なしを表す。
また、表4中のLPAK1-13株はLactobacillus plantarum LPAK1-13株(受託番号NITE P-03021)であり、Type culture株は基準株を意味し、具体的にはLactobacillus plantarum JCM11125株(Type culture株)である。
【0037】
【表4】
【0038】
【表5】
【0039】
海洋深層水から分離した当該Lactobacillus plantarum LPAK1-13株(受託番号NITE P-03021)は、皮膚中のコラーゲン産生を促すことができ、皮膚の老化を軽減することができる。また、真皮マトリックス成分であるプロテオグリカンの分解を抑制して、皮膚の老化を軽減することが可能となり、抗酸化作用を有するものである。
【0040】
また、海洋深層水から分離したLactobacillus plantarum LPAK1-13株(受託番号NITE P-03021)を用いて発酵液を調製することも可能であり、かかる発酵液を海洋深層水とともに、本発明の皮膚老化防止剤中の有効成分として上記LPAK1-13乳酸菌そのものに替えて、または併用して用いることもできる。
例えば、一例として、グルコース、酵母エキスおよび精製水を混合した溶液を調製して滅菌した後、Lactobacillus plantarum LPAK1-13株(受託番号NITE P-03021)を植菌し、30℃で3日間静置培養すること等で発酵液を得ることができる。
前記グルコース、酵母エキスのほかに、例えば豆乳、野菜等を用いて発酵液を調製することも可能である。
【0041】
また、本発明においては、海洋深層水と、LPAK1-13乳酸菌及び/又はこの乳酸菌発酵液(乳酸菌として換算)とを組み合わせるものであり、LPAK1-13乳酸菌または当該乳酸菌発酵液の終濃度が0.01~50.00%、好ましくは0.10~5.00%とすることが、上記本件発明の効果を特に有効に発現させるために望ましい。
【0042】
上記のように、海洋深層水と、Lactobacillus属乳酸菌であるLactobacillus plantarum LPAK1-13株とを組み合わせることにより、皮膚中のコラーゲン産生を促進することができ、シワ、クスミ、クマ等の皮膚の老化を防止することが可能となる。また、皮膚の真皮中のマトリックス成分の一つであるプロテオグリカンの分解を抑制することができ、これによっても皮膚の老化を抑制することが可能となる。
【0043】
真皮中には、皮膚の水分保持にも寄与する成分であるプロテオグリカンが存在し、プロテオグリカンは老化と共にアグリカナーゼ(プロテオグリカン分解酵素)によって分解され、シワ、クスミ、クマ等の原因となるが、本発明の皮膚老化防止剤は、アグリカナーゼ遺伝子の発現を抑制して、プロテオグリカンの分解を抑制することができるものである。
また、本発明の皮膚老化防止剤は、ヒアルロン酸等のグルコサミノグリカンの生合成に寄与する酵素であるGlucuronyltransferase Iの発現量を増大することができ、これにより皮膚の老化を抑制することが可能となる。
【0044】
また、上記本発明の効果を阻害しない限り他の成分を含んでもよく、かかる他の成分としては、公知の紫外線吸収剤や紫外線遮断剤、美白剤、消炎剤、動植物油、ロウ類、多価アルコール、フッ素系の油、高級アルコール、高級脂肪酸、他のノニオン界面活性剤やアニオン界面活性剤や両性界面活性剤等の界面活性剤、酸化防止剤、香料、防腐剤、pH調製剤等を例示することができる。
【0045】
本発明の皮膚老化防止方法は、上記本発明の皮膚老化防止剤を通常の化粧料組成物に含有させて、皮膚と接触させることにより、皮膚の老化を防止する方法であり、老化した皮膚であっても、まだシワ、タルミ、クスミ、シミ等の老化が発現していない皮膚であっても、いずれの状態の皮膚に適用することができる。
【0046】
本発明の皮膚老化防止剤を含む化粧料を、皮膚と接触させる方法としては、特に限定されず、例えば、本発明の皮膚老化防止剤を含む化粧料を直接当該皮膚に塗布したり、希釈して適用すること等によって実施できる。
【0047】
例えば、本発明の皮膚老化防止剤は、皮膚に直接塗布する化粧水、乳液、クリーム、エッセンス、パック、ファンデーションやボディーローション等の化粧料の形態として適用することが可能である。
更にはヒトに対して有害でない成分と併用することで食品(特に健康食品等)に適用することも期待される。
【実施例
【0048】
本発明を以下の実施例、比較例、試験例により説明するが、これらに限定されるものではない。
(1)海洋深層水(EDミネラル水)の調製
皮膚老化防止剤に含有される海洋深層水としては、伊豆赤沢沖の水深800m程度からくみ上げられた海洋深層水(伊豆赤沢産、北緯34°50’19”、東経139°08’11”、深度800m、取水後4℃で保存)を、以下の方法でイオン選択処理した海洋深層水の電気透析水(海洋深層水(EDミネラル水))を用いた(電気伝導度は12.5mS/cm)。
具体的には、電気透析装置「アストム株式会社製、アシライザー25型 100対×3段連続式(海水脱塩仕様)」を用いて、伊豆赤沢産の海洋深層水を電気透析法(イオン交換膜法)によりイオン交換膜を用いて直流電流を負荷することにより、海洋深層水原水中に存在するイオン性物質の脱塩・濃縮を行ない、脱塩処理をして、イオン処理した海洋深層水(EDミネラル水)を得た。
得られた海洋深層水(EDミネラル水)は、上記表2に示す成分組成(伊豆赤沢産)を有する。
【0049】
また、得られた海洋深層水(EDミネラル水)中のK、Na、Ca、Mgのイオン含有量はマルチタイプICP発光分光分析装置(株式会社島津製作所製)を用いて測定し、Cl含有量は高速液体クロマトグラフ(株式会社島津製作所製)を用いて測定した(表2)。
次いで、20%(w/w)EDミネラル水は、EDミネラル水:精製水が1:4となるように、40%(w/w)EDミネラル水は、EDミネラル水:精製水が2:3となるように、60%(w/w)EDミネラル水は、EDミネラル水:精製水が3:2となるように、80%(w/w)EDミネラル水は、EDミネラル水:精製水が4:1となるように、配合して調製した。
【0050】
(2)海洋深層水からの乳酸菌の分離
1)伊豆赤沢沖の水深800mから取水した海洋深層水をろ過するためのバッグフィルター(孔径0.5μm)の底部を無菌的に3cm角に切除し、それを滅菌した前記海洋深層水に入れて攪拌し、懸濁液を調製した。
2)次に、乳酸菌選択培地であるMRS海水寒天培地(0.005%シクロヘキシミド含有:上記表3)で調製した懸濁液を塗抹し、暗所にて温度27℃で静置して3日間培養した。
3)培養後、前記寒天培地上に出現したコロニーを白金耳(滅菌した棒)で回収し、16SrDNAを解析することで、乳酸菌(Lactobacillus plantarum)であることを確認した。
このようにして、Lactobacillus plantarum LPAK1-13株(受託番号NITE P-03021)乳酸菌を得た。
【0051】
(3)乳酸菌発酵液の調製
本発明において、Lactobacillus plantarum LPAK1-13株乳酸菌発酵液は、以下の行程で調製したものを表す。
ア)LPAK1-13乳酸菌発酵液
上記(2)で海洋深層水から分離した乳酸菌Lactobacillus plantarum LPAK1-13株を、上記(2)の2)に記載したと同じMRS海水液体培地(上記表3)で培養し、得られた培養液を遠心分離し、上清を除去し、沈査して菌体を得た。
得られた菌体を滅菌生理食塩水で洗浄し、洗浄した菌体を滅菌生理食塩水に懸濁して、菌体懸濁液を得た。
次いで、酵母エキス(大日本明治製糖社製、コクベース)が1%(w/w)、グルコース(和光純薬工業社製、D-グルコース)が1%(w/w)、リン酸緩衝液が25μM、GP-1(日清ファルマ社製)が0.08(w/w)%、水添リゾレシチン(日光ケミカルズ社製、レシノールLL20)が0.05(w/w)%とそれぞれなるように精製水に添加し、121℃、20分間加熱殺菌した後、前記菌体懸濁液を用いてLactobacillus plantarum LPAK1-13株が1×10cells/mLとなるように植菌し、27℃で3日間発酵させ、φ0.2μmのフィルターで菌体を除去することで、Lactobacillus plantarum LPAK1-13株乳酸菌の発酵液を調製した。
【0052】
イ)Type culture発酵液
酵母エキス(大日本明治製糖社製、コクベース)が1%(w/w)、グルコース(和光純薬工業社製、D-グルコース)が1%(w/w)、リン酸緩衝液が25μM、GP-1(日清ファルマ社製)が0.08%(w/w)、水添リゾレシチン(日光ケミカルズ社製、レシノールLL20)が0.05%(w/w)とそれぞれなるように精製水に添加し、121℃、20分間加熱殺菌した後、Type culture株(Lactobacillus plantarum JCM11125)が1×10cells/mLとなるように植菌し、27℃で3日間発酵させ、φ0.2μmのフィルターで菌体を除去することで、Type culture株乳酸菌の発酵液を調製した。
【0053】
(4)コラーゲン合成試験(1)(EDミネラル水)
正常ヒト皮膚由来線維芽細胞を用い、当該細胞に上記(1)で得られたEDミネラル水を添加することにより、コラーゲン合成に与える影響をELISA法(ヒトI型コラーゲン)にて試験した。
具体的には、イーグルMEM培地(日水製薬社製)が0.94%(w/v)となるように精製水に溶解し、121℃、20分間加熱殺菌した後、φ0.2μmのフィルターで除菌した炭酸水素ナトリウム(和光純薬工業社製)が0.2%、L-グルタミン(和光純薬工業社製)が4mM、FBS(Corning社製)が10%となるように添加して調製した培地(10%(v/v)FBS含有イーグルMEM培地)を用いて、正常ヒト皮膚由来線維芽細胞(NHDF、理研バイオリソース研究センター)を96穴マイクロプレート(AGCテクノグラス(株)社製)に20,000cells/ウェルとなるように播種し、37℃、5%COの条件で2日間予備培養した。
【0054】
前記予備培養後、当該イーグルMEM培地(日水製薬社製)が0.94%(w/v)となるように、上記(1)で調製した20%(w/w)、40%(w/w)、60%(w/w)、80%(w/w)の各EDミネラル水に溶解し、121℃、20分間加熱殺菌した後、φ0.2μmのフィルターで除菌した炭酸水素ナトリウム(和光純薬工業社製)が0.2%、L-グルタミン(和光純薬工業社製)が4mM、FBS(Corning社製)が0.5%となるように添加して調製した培地(0.5%(v/v)FBS含イーグルMEM培地)で、37℃、5%COの条件で1日間の評価培養を行った。
評価培養後、培養上清を回収し、ELISA法(ヒトI型コラーゲン)によりコラーゲン合成量を評価した。
なお、比較のために、EDミネラル水の代わりに精製水(DW)を用いて、上記と同様の1日間の評価培養を行った。
その結果を図2に示す。
なお、精製水(DW)を用いた場合の図2中の結果は、コラーゲンが増加しない結果の数値である。
【0055】
図2より、EDミネラル水に、コラーゲン合成促進作用があることがわかる。また含有されるEDミネラル水の含有量が多くなるほど、培養線維芽細胞のコラーゲン合成促進作用に優れることがわかる。
【0056】
(5)コラーゲン合成試験(2)(乳酸菌発酵液)
乳酸菌発酵液として、上記(3)で調製したLPAK1-13乳酸菌発酵液及びType culture発酵液を用いて、以下の試験を行った。
正常ヒト皮膚由来線維芽細胞(NHDF、理研バイオリソース研究センター)を24穴マイクロプレートに115,000cells/ウェルとなるように播種し、前記(4)と同様に、10%(v/v)FBS含イーグルMEM培地を用い、37℃、5%COの条件で2日間予備培養した。
【0057】
前記予備培養後、
1)上記(4)のEDミネラル水の代わりに精製水(DW)で調製した0.5%(v/v)FBS含イーグルMEM培地
2)上記(4)のEDミネラル水の代わりに精製水(DW)で調製し、さらに上記(3)で調製したLPAK1-13乳酸菌発酵液を終濃度が2%(w/w)となるように添加した0.5%(v/v)FBS含イーグルMEM培地、及び
3)上記(4)のEDミネラル水の代わりに精製水(DW)で調製し、さらに上記(3)で調製したType culture (Lactobacillus plantarum JCM11125)乳酸菌発酵液を終濃度が2%(w/w)となるように添加した0.5%(v/v)FBS含イーグルMEM培地
をそれぞれ用いて、1日間の評価培養を行った。
評価培養後、培養上清を回収し、ELISA法(ヒトI型コラーゲン)によりコラーゲン合成量を評価した。
これらのコラーゲン合成促進結果を、図3に示し、かかる比較例(DW)の結果に対する相対値(%)でコラーゲン合成促進結果を示す。
なお、精製水(DW)を用いた場合の図3中の結果は、コラーゲンが増加しない結果の数値である。
【0058】
図3より、本発明の皮膚老化防止剤であるLPAK1-13乳酸菌発酵液は、Type culture乳酸菌発酵液より、コラーゲン合成促進を有意に増加させたことがわかる。
【0059】
(6)コラーゲン合成試験(3)(EDミネラル水+乳酸菌発酵液)
EDミネラル水として、EDミネラル水40%のものを代表例として用い、乳酸菌発酵液として、上記(3)で調製したLPAK1-13乳酸菌発酵液及びType culture発酵液を用いて、以下の試験を行った。
正常ヒト皮膚由来線維芽(NHDF、理研バイオリソース研究センター)細胞を24穴マイクロプレートに115,000cells/ウェルとなるように播種し、前記(4)と同様に、10%(v/v)FBS含イーグルMEM培地を用い、37℃、5%COの条件で2日間予備培養した。
【0060】
前記予備培養後、
1)上記(4)のEDミネラル水の代わりに精製水(DW)で調製した0.5%FBS含イーグルMEM培地(日水製薬社製)、
2)上記(4)と同様に40%(w/w)EDミネラル水で調製した0.5%(v/v)FBS含イーグルMEM培地、
3)上記(4)と同様に40%(w/w)EDミネラル水で調製し、さらに上記(2)で調製したLPAK1-13乳酸菌発酵液を終濃度が2%(w/w)となるように添加した0.5%(v/v)FBS含イーグルMEM培地、及び
4)上記(4)と同様に40%(w/w)EDミネラル水で調製し、さらに上記(2)で調製したType culture (Lactobacillus plantarum JCM11125)乳酸菌発酵液を終濃度が2%(w/w)となるように添加した0.5%(v/v)FBS含イーグルMEM培地
をそれぞれ用いて、1日間の評価培養を行った。
評価培養後、培養上清を回収し、ELISA法(ヒトI型コラーゲン)によりコラーゲン合成量を評価した。
これらのコラーゲン合成促進結果を、図4に示し、かかる比較例(DW)の結果に対する相対値(%)でのコラーゲン合成促進結果を示す。
なお、精製水(DW)を用いた場合の図4中の結果は、コラーゲンが増加しない結果の数値である。
【0061】
図4より、本発明の皮膚老化防止剤であるEDミネラル水+LPAK1-13乳酸菌発酵液のものは、EDミネラル水+Type culture乳酸菌発酵液のものと比較して、コラーゲン合成促進を(n=3、p<0.01)ほぼ同等以上に増加させたことがわかる。
なお、EDミネラル水40%のものに代えて、20%(w/w)EDミネラル水、60%(w/w)EDミネラル水、又は80%(w/w)EDミネラル水を用いた場合も、上記と同様の傾向の結果を示した。
【0062】
(7)プロテオグリカン分解抑制効果
EDミネラル水として、EDミネラル水40%のものを代表例として用い、乳酸菌発酵液として、上記(3)で調製したLPAK1-13乳酸菌発酵液及びType culture発酵液を用いて、以下の試験を行った。
正常ヒト皮膚由来線維芽(NHDF、理研バイオリソース研究センター)細胞を96穴マイクロプレートに20,000cells/ウェルとなるように播種し、前記(4)と同様に、10%(v/v)FBS含イーグルMEM培地を用い、37℃、5%COの条件で2日間予備培養した。
【0063】
前記予備培養後、
1)上記(4)のEDミネラル水の代わりに精製水(DW)で調製した0.5%FBS含イーグルMEM培地(日水製薬社製)、
2)上記(4)と同様に40%(w/w)EDミネラル水で調製した0.5%(v/v)FBS含イーグルMEM培地および、
3)上記(4)と同様に40%(w/w)EDミネラル水で調製し、さらに(2)で調製した乳酸菌発酵液を終濃度が2%(v/v)となるように添加した0.5%(v/v)FBS含イーグルMEM培地
をそれぞれ用いて、1日間の評価培養を行った。
【0064】
前記評価培養後、各ウェルの培地成分を吸引除去し、PBS (-)(日水製薬(株)社製)0.1mL/ウェルで1回洗浄した。SuperPrep Cell Lysis & RT Kit for qPCR(東洋紡(株)社製)を使用し、本キットの手順書に従ってRNAの抽出と逆転写を行い、cDNA溶液を調製した。
具体的には、1ウェルあたりLysis solution 24.85μL、gDNA Remover 0.15μLを必要量調製して1ウェルに25.0μLを添加し、5分間、室温で静置した。その後に1ウェルあたりStop solution 4.75μL、RNase inhibitor 0.25μLを必要量調製して1ウェルに5.0μL添加し、2分間、室温で静置した後、0.2mLチューブに調製した細胞溶解液30.0μLを移した。1反応あたり5×RT Master Mix 4.0μL、Nuclease-free water 12.0μLを必要量調製して0.2mLチューブに16.0μLずつ分注した後、細胞溶解液を4μL合わせて20μLとなるように各0.2mLチューブに分注した。0.2mLチューブをサーマルサイクラー(MyCycler、BIO-RAD)にセットし、37℃で15分間、50℃で5分間、98℃で5分間の後、4℃まで冷却し、cDNA溶液を調製した。
【0065】
THUNDERBIRD qPCR Mix(東洋紡績(株)社製)を使用し、当該キットの手順書に従って定量ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)を行い、各遺伝子のcDNA定量を行った。具体的には、1反応あたりTHUNDERBIRD SYBR qPCR Mix 5.0μL、Forward Primer(10μM)0.3μL、Reverse Primer(10μM)0.3μL、50×ROX reference dye0.2μLおよび滅菌水2.2μLを必要量調製した後に0.1mLチューブに8.0μLずつ注し、10倍希釈したcDNA溶液を2.0μLずつ添加した。チューブ間のばらつきを低減させるためにtriplicateとした。
【0066】
PCR条件は、リアルタイムPCR装置(StepOnePlus、Applied Biosystems)を用いて、95℃で1分間加温の後、95℃で30秒間と60℃で30秒間のサイクルを40サイクル行った。さらに、PCR後に融解曲線解析を実施し、非特異的増幅がないことを確認した。
なお、解析した遺伝子および連鎖反応に用いたプライマーの塩基配列は、以下の通りである。
【0067】
グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH);
5‘-CATTGATGGCAACAATATCCACTT-3‘
3‘-GGTTATGCTGGTTTAGGCAAC-5‘
【0068】
ADAM metallopeptidase with thrombospondin type 1 motif 5(ADAMTS5);
5‘-CCCGAAGAACTCCCAGGACA-3‘
3‘-GACACCACACGACACCATGC-5’
【0069】
定量解析は、GAPDHの発現量に対するADAMTS5の発現量を算出した後、「精製水区の発現量/各試験区の発現量」とすることで、精製水区に対するプロテオグリカン分解抑制効果を相対的に評価した。
【0070】
その結果を図5に示す。
図5より、40%(w/w)EDミネラル水を添加した場合は、精製水(DW)の場合と比べて、有意に(n=3、p<0.05)プロテオグリカン分解抑制作用が示されており、アグリカナーゼ合成遺伝子(ADAMTS-5)の発現を抑制したことがわかる。また40%(v/v)EDミネラル水に、上記(3)で得られたLPAK1-13乳酸菌発酵液を加えたものも(n=3、p<0.05)、従来のType culture乳酸菌発酵液を加えたものとほぼ同等の効果を保持することができた。したがって、皮膚の老化を抑制することが可能となる。
なお、EDミネラル水40%のものに代えて、20%(w/w)EDミネラル水、60%(w/w)EDミネラル水、又は80%(w/w)EDミネラル水を用いた場合も、上記と同様の傾向の結果を示した。
【0071】
(8)Glucuronyltransferase Iの発現促進効果
正常ヒト皮膚由来線維芽細胞(NHDF、理研バイオリソース研究センター)を24穴マイクロプレート(AGCテクノグラス社製)に118,750cells/ウェルとなるように播種し、前記(4)と同様に、10%(v/v)FBS含イーグルMEM培地(日水製薬(株)社製)を用い、37℃、5%COの条件で2日間予備培養した。
【0072】
前記予備培養後、
1)上記(4)のEDミネラル水の代わりに精製水(DW)で調製した0.5%FBS含イーグルMEM培地(日水製薬社製)、
2)上記(4)と同様に40%EDミネラル水で調製した0.5%FBS含イーグルMEM培地、
3)上記(4)と同様に40%EDミネラル水で調製し、さらに前記(3)の方法に準じてType cultureで調整した発酵液を1%(v/v)添加した0.5%FBS含イーグルMEM培地
4)上記(4)と同様に40%EDミネラル水で調製し、さらに前記(3)で調整したLPAK1-13乳酸菌発酵液を1%(v/v)添加した0.5%FBS含イーグルMEM培地
をそれぞれ用い、37℃、5%COの条件で1日間の評価培養を行った。
【0073】
前記評価培養後、各ウェルの培地成分を吸引除去し、マイクロピペットでリシスバッファー1.0mLを添加し、数回ピペッティングして培養NHDFを溶解した。NHDF溶解液全量を1.5mLチューブに移し、クロロホルム0.2mLを添加して10秒間ボルテックスミキサーにより攪拌した。12,000×g、10分間、4℃で遠心後、上層(水相)500μLを回収し、新しい1.5mLチューブに移した。等量(500μL)の2-プロパノールを加えて転倒混和した後、10分間、4℃で静置した。12,000×g、10分間、4℃で遠心後、上清を捨て、ゲル状のRNA沈殿物をNuclease-free waterで200μLに溶解した。20μLの3M酢酸ナトリウム(pH5.2)と200μLの2-プロパノールを加えて混和した後、10分間、4℃で静置した。12,000×g、10分間、4℃で遠心後、RNAの沈殿物に250μLの75%エタノールを添加し、持ち込みのグアニジン塩の洗浄を行った。上清を完全に取り除いた後風乾して、Nuclease-free waterを50μL加えてRNAの沈殿物を完全に溶解し、RNA溶液を調製した。
【0074】
ReverTra Ace qPCR RT Kit(東洋紡績)を使用し、本キットの手順書に従って逆転写反応を行い、cDNA溶液を調製した。具体的には、1反応あたり5×RT Buffer 2.0μL、RT Enzyme Mix 0.5μLおよびPrimer Mix 0.5μLを必要量調製して0.2mLチューブに3.0μLずつ分注した後、RNA溶液をNuclease-free waterと合わせて7.0μLとなるように各0.2mLチューブに分注した。0.2mLチューブをサーマルサイクラー(MyCycler、BIO-RAD)にセットし、37℃で15分間、98℃で5分間の後、4℃まで冷却し、cDNA溶液を調製した。
【0075】
THUNDERBIRD qPCR Mix(東洋紡績)を使用し、当該キットの手順書に従って定量ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)を行い、各遺伝子のcDNA定量を行った。具体的には、1反応あたりTHUNDERBIRD SYBR qPCR Mix 5.0μL、Forward Primer(10μM)0.3μL、Reverse Primer(10μM)0.3μL、50×ROX reference dye0.2μLおよび滅菌水2.2μLを必要量調製した後に0.1mLチューブに8.0μLずつ分注し、10倍希釈したcDNA溶液を2.0μLずつ添加した。チューブ間のばらつきを低減させるためにtriplicateとした。
【0076】
PCR条件は、リアルタイムPCR装置(StepOnePlus、Applied Biosystems)を用いて、95℃で1分間加温の後、95℃で30秒間と60℃で30秒間のサイクルを40サイクル行った。さらに、PCR後に融解曲線解析を実施し、非特異的増幅がないことを確認した。
なお、解析した遺伝子および連鎖反応に用いたプライマーの塩基配列は、以下の通りである。
【0077】
グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH);
5‘-CATTGATGGCAACAATATCCACTT-3‘
3‘-GGTTATGCTGGTTTAGGCAAC-5‘
【0078】
Glucuronyltransferase I;
5‘-TGCCTCTGGCCTCCTCTTCA-3‘
3‘-TGCCTCTGGCCTCCTCTTCA-3‘
【0079】
定量解析は、GAPDHの発現量に対するGlucuronyltransferaseの発現量を算出した後、「各試験区の発現量/精製水区の発現量」とすることで、精製水区に対するGlucuronyltransferase Iの発現量を相対的に評価した。
【0080】
その結果を図6に示す。
図6より、精製水(DW)、40%(w/w)EDミネラル水、40%(w/w)EDミネラル水+Type cultureの場合と比べて、EDミネラル水+Lactobacillus plantarum LPAK1-13株(受託番号NITE P-03021)のものは、ヒアルロン酸等のグルコサミノグリカンの生合成に寄与する酵素であるGlucuronyltransferase Iの発現量を増大することができた。したがって、皮膚の老化を抑制することが可能となる。
なお、EDミネラル水40%のものに代えて、20%(w/w)EDミネラル水、60%(w/w)EDミネラル水、又は80%(w/w)EDミネラル水を用いた場合も、上記と同様の傾向の結果を示した。
【0081】
(9)過酸化水素に対する抗酸化効果
ヒトの腕内側部剥離角層に対する過酸化水素処理による角層タンパク質のカルボニル化(酸化)について、上記(3)で得られた乳酸菌発酵液の抗酸化(抗老化)作用を、以下に評価した。
具体的には、60代の日本人男性の左前腕内側部を水道水と石鹸で洗浄した。
その後、セロテープ(登録商標、ニチバン製)を、洗浄した左前腕内側部の3か所に貼り付けした後に剥がして、当該左前内側部の角層を剥離した。
【0082】
剥離した角層が貼り付いているセロテープ(登録商標)を予め接着剤を塗抹したスライドガラスに貼り付けて、当該セロテープ(登録商標)が貼り付いたスライドガラスをキシレンに1晩浸漬した後、セロテープ(登録商標)のみを剥がし、角層をスライドガラスに転写した。この剥離角層をエタノール及び精製水で浸水した後、50mM過酸化水素(和光純薬工業社製、特級)および5%LPAK1-13乳酸菌発酵液または5%Type culture乳酸菌発酵液となるように精製水で調製した溶液100μLを剥離角層に滴下し、室温で20分間静置した。
【0083】
その後、剥離角層を精製水で洗浄し、50μMのFTCZ(AnaSpec,Inc)
(Fluorescence-5-thiosemicarbazide)を含有するMES緩衝溶液を滴下し、室温で10分間静置して角層カルボニル化タンパク質を検出した。角層カルボニル化タンパク質は、蛍光画像を撮影し、ImageJを用いて一定面積当たりの蛍光強度を数値化して評価した。
なお、比較のために、5%乳酸菌発酵液の代わりに精製水(Blank)を用いた場合も示す。
【0084】
次いで、一定面積当たりの各試験区の蛍光強度を数値化した後、各試験区の蛍光強度/Blankの蛍光強度として抗酸化効果を産出した。なお、Blankの抗酸化効果を100として相対値で示した。
その結果を図7に示す。
剥離角層に過酸化水素を接触させることで、角層の酸化(カルボニル化)が認められ、この角層の酸化に対して、Type cultureの乳酸菌発酵液には抑制効果はないが、LPAK1-13乳酸菌発酵液には有意に高い抑制効果があることがわかる。
【0085】
(10)EDミネラル水及び乳酸菌発酵液配合組成物による老化防止作用
40%EDミネラル水と上記(3)で得られた乳酸菌発酵液を配合した下記に示す配合の複数の化粧料を調製した。
【0086】
化粧水:
成分 配合量(質量%)
EDミネラル水 40.0
乳酸菌発酵液 0.1
グリセリン 5.0
エタノール 10.0
1,3ブチレングリコール 3.0
フェノキシエタノール 0.5
精製水 残余(全量が100となるように配合)
【0087】
クリーム1:
成分 配合量(質量%)
EDミネラル水 20.0
乳酸菌発酵液 0.1
POE(20)セチルエーテル 2.0
親油型モノステアリン酸グリセリル 4.0
セタノール 2.0
パルミチン酸セチル 2.0
白色ワセリン 6.0
スクワラン 30.0
トリ2エチルヘキサン酸グリセリル 8.0
グリセリン 15.0
防腐剤 0.2
カルボマー 0.2
アルギニン 0.1
精製水 残余(全量が100となるように配合)
【0088】
クリーム2:
成分 配合量(質量%)
EDミネラル水 20.0
乳酸菌発酵液 0.1
POE(20)POP(4)セチルエーテル 1.0
POE(50)硬化ヒマシ油 1.0
自己乳化型モノステアリン酸グリセリル 1.0
ステアリン酸 3.0
ベヘニルアルコール 3.0
マイクロクリスタリンワックス 3.0
スクワラン 13.0
エチルヘキサン酸セチル 7.0
ホホバ油 5.0
ポリエチレングリコール1500 5.0
防腐剤 0.2
キサンタンガム 0.1
1,3ブチレングリコール 4.0
グリセリン 2.0
精製水 残余(全量が100となるように配合)
【0089】
乳液:
成分 配合量(質量%)
EDミネラル水 30.0
乳酸菌発酵液 0.5
トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル 5.0
シア脂 2.0
トリエチルヘキサン酸グリセリル 2.0
トコフェロール 0.6
エチルヘキシルグリセリン 0.4
1,3ブチレングリコール 5.0
ペンチレングリコール 3.0
ジプロピレングリコール 2.0
グリセリン 2.0
水添リゾレシチン 0.5
(アクリル酸/アクリル酸アルキル(C10-30))
コポリマー 0.4
キサンタンガム 0.1
アルギニン 0.4
精製水 残余(全量が100となるように配合)
【0090】
美容液:
成分 配合量(質量%)
EDミネラル水 40.0
乳酸菌発酵液 0.5
カルボキシビニルポリマー(2%水溶液) 10.00
カルボキシエチルセルロース 3.00
グリセリン 10.00
トリエタノールアミン 0.15
メチルパラベン 0.10
クインシード液(1%水溶液) 10.00
ヒアルロン酸ナトリウム液(1%水溶液) 4.00
ピルビン酸 1.00
レブリン酸 1.00
L-アルギニン 2.00
精製水 残余(全量が100.00となるように配合)
【0091】
パック:
成分 配合量(質量%)
EDミネラル水 20.0
乳酸菌発酵液 0.1
ドロキシエトキシセルロース 3.0
カルボキシビニルポリマー(2%水溶液) 10.0
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(15EO) 1.0
グリオキシル酸 1.0
レブリン酸 1.0
L-アルギニン 2.0
エタノール 5.0
防腐剤 0.2
精製水 残余(全量が100.0となるように配合)
【0092】
健常な日本人女性17名に、調製した上記各化粧料を、化粧料ごとに、それぞれ顔の半分だけ8週間連続して、1日3回(朝・昼・夜)塗布した。
化粧水、クリーム、乳液、美容液の塗布は、それぞれ目頭から目じりまで2往復、さらに目頭からこめかみまで2往復の塗布を1日3回おこなって、トントンと軽く皮膚をたたくようになじませて塗布した。パックについても、目頭から目じりまでを被うようにした。
塗布前(W0)、4週間使用後(W4)および8週間使用後(W8)に、シワ改善効果、クマ改善効果、クスミ改善効果の各項目を評価し、化粧料無塗布側との比較を行った。
【0093】
代表して、化粧水の場合の17名の結果の平均を図8~10に示す。
図8はシワ改善効果を表す線図、図9はクマ改善効果を表す線図、図10はクスミ改善効果を表す線図である。
【0094】
なお、図8のシワ改善効果は抗シワ製品評価ガイドライン(日本香粧品学会)に従い、各測定ポイントでシワグレード標準写真に基づき、目視による判定スコア付けをした。
また、図9のクマ改善効果はメグザメーター(製品番号:MX18、製造会社:Courage及びKhazaka社)を用いてメラミン値及びヘモグラビン値の変化量を、図10のクスミ改善効果は色差計(製品番号:CR-400、コニカミノルタジャパン(株)製)を用いてL値の評価を行った。
【0095】
本発明の皮膚改善防止剤を含有する化粧料を連用塗布した結果、図8より、塗布後4週間目から有意(p<0.01)なシワ改善効果が得られ、図9より、塗布後4週間目から有意(p<0.05)なクマ改善効果が得られ、図10より、塗布後4週間目から有意(p<0.05)に明度が上昇し、クスミ改善効果が得られたことがわかる。
なお、クリーム(クレーム1、クリーム2)、乳液、美容液、パックについても、化粧水の図8図10と同様の結果を示した。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明の皮膚老化防止剤は、真皮マトリックス成分のコラーゲン産生促進作用を有しているばかりではなく、プロテオグリカンの分解を抑制することから、シワ、クスミ、クマ等の皮膚の老化を防止することができ、化粧料に配合して適用することが可能となる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【配列表】
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