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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-14
(45)【発行日】2025-01-22
(54)【発明の名称】作業足場
(51)【国際特許分類】
   E04G 1/34 20060101AFI20250115BHJP
【FI】
E04G1/34 B
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021058479
(22)【出願日】2021-03-30
(65)【公開番号】P2022155132
(43)【公開日】2022-10-13
【審査請求日】2023-12-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000006839
【氏名又は名称】日鉄建材株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002044
【氏名又は名称】弁理士法人ブライタス
(72)【発明者】
【氏名】稲森 純二
(72)【発明者】
【氏名】横山 博之
【審査官】坪内 優佳
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-147015(JP,A)
【文献】特開平05-018103(JP,A)
【文献】特開2001-220976(JP,A)
【文献】特開平07-102757(JP,A)
【文献】国際公開第2016/131839(WO,A1)
【文献】特開2010-138589(JP,A)
【文献】実開昭52-027128(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 1/00-7/34
E04G 27/00
E06C 1/00-9/14
E04B 1/00-1/36
E04H 3/00-4/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形状の作業床と、
前記作業床の短辺方向に互いに離れて配置されかつ前記作業床の長辺方向において前記作業床の中心よりも一方側で前記作業床を支持し、かつそれぞれ旋回可能に設けられたキャスターに支持された一対の第1支柱と、
前記短辺方向に互いに離れて配置されかつ前記長辺方向において前記作業床の中心よりも他方側で前記作業床を支持し、かつそれぞれ旋回可能に設けられたキャスターに支持された一対の第2支柱と、
前記長辺方向において前記作業床の中心よりも一方側に設けられ、かつ前記一対の第1支柱に連結された第1伸縮部と、
前記長辺方向において前記作業床の中心よりも他方側に設けられ、かつ前記第1伸縮部および前記一対の第2支柱に連結された第2伸縮部と、
前記一対の第1支柱と前記一対の第2支柱とを連結するように前記長辺方向に延びる一対の繋ぎ材と、を備え、
前記第1伸縮部は、上方から見てX字状に交差しかつ互いに対して水平方向に回動可能に連結された一対の第1横材を有し、
前記第2伸縮部は、上方から見てX字状に交差しかつ互いに対して水平方向に回動可能に連結された一対の第2横材を有し、
前記一対の繋ぎ材のうちの一方は、前記短辺方向における一方側の前記第1支柱と前記第2支柱とを連結し、前記一対の繋ぎ材のうちの他方は、前記短辺方向における他方側の前記第1支柱と前記第2支柱とを連結し、
前記一対の繋ぎ材はそれぞれ、上方に向かって屈曲可能に設けられている、作業足場。
【請求項2】
前記一対の繋ぎ材はそれぞれ、
前記一対の第1支柱と前記一対の第2支柱とが前記長辺方向において近付くにつれて前記長辺方向における中心部が上方に移動するように屈曲して、前記長辺方向における長さが短くなり、
前記一対の第1支柱と前記一対の第2支柱とが前記長辺方向において離れるにつれて前記中心部が下方に移動するように延びて、前記長辺方向における長さが長くなる、請求項1に記載の作業足場。
【請求項3】
前記短辺方向において、前記一対の繋ぎ材は、前記第1伸縮部と前記第2伸縮部との連結部よりも外側に位置している、請求項2に記載の作業足場。
【請求項4】
前記長辺方向において、前記一対の第1横材の回動中心と前記作業床の中心との距離は、前記一対の第1横材の前記回動中心と各前記第1支柱の軸心との距離よりも小さく、
前記長辺方向において、前記一対の第2横材の回動中心と前記作業床の中心との距離は、前記一対の第2横材の前記回動中心と各前記第2支柱の軸心との距離よりも小さい、請求項1から3のいずれかに記載の作業足場。
【請求項5】
前記第1支柱および前記第2支柱は、前記繋ぎ材に対して水平方向に回動できるように前記繋ぎ材に連結されている、請求項1から4のいずれかに記載の作業足場。
【請求項6】
前記一対の繋ぎ材はそれぞれ、前記第1支柱に対して上下方向に回動可能に前記第1支柱に連結された第1棒状部材と、前記第2支柱に対して上下方向に回動可能に前記第2支柱に連結された第2棒状部材とを備え、
前記第1棒状部材と前記第2棒状部材とは、当該繋ぎ材の前記長辺方向における中心部において、互いに対して上下方向に回動可能に連結されている、請求項1から5のいずれかに記載の作業足場。
【請求項7】
前記一対の繋ぎ材はそれぞれ、当該繋ぎ材の前記中心部において前記第1棒状部材および前記第2棒状部材に係止されることによって当該繋ぎ材が下方に向かって屈曲することを防止する係止部材を備える、請求項6に記載の作業足場。
【請求項8】
前記一対の繋ぎ材はそれぞれ、当該繋ぎ材が上方に向かって屈曲した状態から前記係止部材が下方に移動するように前記第1棒状部材および前記第2棒状部材が互いに対して回動することを規制する規制部材を備える、請求項7に記載の作業足場。
【請求項9】
前記一対の第1横材と前記一対の第1支柱とがそれぞれ連結され、
前記一対の第2横材と前記一対の第2支柱とがそれぞれ連結され、
前記一対の第1支柱と前記一対の第2支柱とが前記長辺方向において近付くに際して、前記短辺方向における前記一対の第1支柱間の距離および前記一対の第2支柱間の距離が大きくなるように、前記一対の第1横材が互いに対して水平方向に回動しかつ前記一対の第2横材が互いに対して水平方向に回動し、
前記一対の第1支柱と前記一対の第2支柱とが前記長辺方向において離れる際に、前記短辺方向における前記一対の第1支柱間の距離および前記一対の第2支柱間の距離が小さくなるように、前記一対の第1横材が互いに対して水平方向に回動しかつ前記一対の第2横材が互いに対して水平方向に回動する、請求項1から8のいずれかに記載の作業足場。
【請求項10】
前記短辺方向において、前記第1伸縮部と前記第2伸縮部との連結部は、前記一対の第1支柱および前記一対の第2支柱よりも内側に位置している、請求項1から9のいずれかに記載の作業足場。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動および折り畳みが可能な作業足場に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物の内装工事等を行うために、移動式の作業足場が用いられている。特に、内装工事を行う際には、建物の扉を通過させたり、エレベータに載せたりすることができるように折り畳むことができる構造の作業足場が用いられている(例えば、特許文献1および2参照)。
【0003】
特許文献1に開示された折り畳み式作業足場は、足場の長辺方向の両端に、キャスターによって支持された一対の脚体を備えている。一対の脚体を接続するように、パンタグラフ状の筋交いが設けられている。筋交いは、鉛直面内において作業足場の長辺方向に伸縮可能に設けられている。
【0004】
上記のような構成により、特許文献1の折り畳み式作業足場は、筋交いを縮めながら一方の脚体を他方の脚体に近付けるようにして折り畳むことができる。これにより、作業足場の長辺方向の寸法を小さくすることができる。
【0005】
また、特許文献2に開示された作業足場は、4本の主脚と、4本の主脚の上部に取り付けられた一対の対角桟(以下、上部対角桟と記載する。)と、4本の主脚の下部に取り付けられた他の一対の対角桟(以下、下部対角桟と記載する。)と、一対の上部対角桟および一対の下部対角桟を支持する軸(以下、支持軸と記載する。)とを備えている。各主脚には、キャスターを備えた伸縮脚が設けられている。一対の上部対角桟は、上方から見てX字状となるように互いに交差した状態で、水平面内で閉じたり開いたりできるように、その中央部を支持軸の上端部に回動可能に支持されている。一対の下部対角桟は、上方から見てX字状となるように互いに交差した状態で、水平面内で閉じたり開いたりできるように、その中央部を支持軸の下端部に回動可能に支持されている。
【0006】
上記のような構成により、特許文献2の作業足場は、一対の上部対角桟および一対の下部対角桟を閉じながら幅方向(足場の短辺方向)における一方側の一対の主脚を他方側の一対の主脚に近付けるようにして折り畳むことができる。これにより、作業足場の幅方向の寸法を小さくすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2011-52474号公報
【文献】実開平6-24133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記のように、特許文献1および2に開示された作業足場はともに、折り畳むことができるので、寸法を小さくした状態で作業足場を移動させることができる。しかしながら、本発明者らによる種々の検討の結果、上記のような構造の作業足場では、以下のような問題が生じることが分かった。
【0009】
図1は、水平面内で伸縮可能な筋交いを有する作業足場の問題点を説明するための図である。図1に示す作業足場100は、作業足場100の長辺方向に離れて配置された一対の脚体102と、一対の脚体102を接続する筋交い104とを備えている。脚体102は、キャスター106によって移動可能に支持されている。なお、説明を簡便にするために、図1においては、作業足場100が備える作業床(一対の脚体102の上端部に支持され、作業者の足場となる部分)、および手摺部等の図示を省略している。
【0010】
筋交い104は、特許文献1に開示された作業足場の筋交いと同様に鉛直面内において伸縮できるように構成されている。図1に示すように、作業足場100を折り畳む際には、一方の脚体102を他方の脚体102に向かって移動させる。このとき、作業者が、脚体102のうち筋交い104との接続部よりも上方の部分を押すと、筋交い104の上方側の部材と下方側の部材とに均等に力を加えることができない。この場合、図2に示すように、脚体102が傾いた状態で押されることになり、筋交い104の構成部材の一部に曲げ力が加えられる。その結果、筋交い104が損傷するおそれがある。このように、鉛直面内において伸縮可能な筋交いを有する場合、作業足場を円滑に折り畳むことができない場合がある。
【0011】
一方、特許文献2に開示された作業足場では、一対の対角桟は水平面内で回動するように設けられているので、図2に示したような曲げ力が発生することを防止することができる。したがって、作業足場を円滑に折り畳むことができると考えられる。しかしながら、特許文献2に開示された構成では、対角桟の寸法が変わらないため作業足場の長辺方向の寸法を小さくすることができない。
【0012】
そこで、本発明は、円滑に折り畳むことができかつ長辺方向の寸法を小さくできる作業足場を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、下記の作業足場を要旨とする。
【0014】
(1)矩形状の作業床と、
前記作業床の短辺方向に互いに離れて配置されかつ前記作業床の長辺方向において前記作業床の中心よりも一方側で前記作業床を支持し、かつそれぞれ旋回可能に設けられたキャスターに支持された一対の第1支柱と、
前記短辺方向に互いに離れて配置されかつ前記長辺方向において前記作業床の中心よりも他方側で前記作業床を支持し、かつそれぞれ旋回可能に設けられたキャスターに支持された一対の第2支柱と、
前記長辺方向において前記作業床の中心よりも一方側に設けられ、かつ前記一対の第1支柱に連結された第1伸縮部と、
前記長辺方向において前記作業床の中心よりも他方側に設けられ、かつ前記第1伸縮部および前記一対の第2支柱に連結された第2伸縮部と、
前記一対の第1支柱と前記一対の第2支柱とを連結するように前記長辺方向に延びる一対の繋ぎ材と、を備え、
前記第1伸縮部は、上方から見てX字状に交差しかつ互いに対して水平方向に回動可能に連結された一対の第1横材を有し、
前記第2伸縮部は、上方から見てX字状に交差しかつ互いに対して水平方向に回動可能に連結された一対の第2横材を有し、
前記一対の繋ぎ材のうちの一方は、前記短辺方向における一方側の前記第1支柱と前記第2支柱とを連結し、前記一対の繋ぎ材のうちの他方は、前記短辺方向における他方側の前記第1支柱と前記第2支柱とを連結し、
前記一対の繋ぎ材はそれぞれ、上方に向かって屈曲可能に設けられている、作業足場。
【0015】
(2) 前記一対の繋ぎ材はそれぞれ、
前記一対の第1支柱と前記一対の第2支柱とが前記長辺方向において近付くにつれて前記長辺方向における中心部が上方に移動するように屈曲して、前記長辺方向における長さが短くなり、
前記一対の第1支柱と前記一対の第2支柱とが前記長辺方向において離れるにつれて前記中心部が下方に移動するように延びて、前記長辺方向における長さが長くなる、上記(1)に記載の作業足場。
【0016】
(3)前記短辺方向において、前記一対の繋ぎ材は、前記第1伸縮部と前記第2伸縮部との連結部よりも外側に位置している、上記(2)に記載の作業足場。
【0017】
(4)前記長辺方向において、前記一対の第1横材の回動中心と前記作業床の中心との距離は、前記一対の第1横材の前記回動中心と各前記第1支柱の軸心との距離よりも小さく、
前記長辺方向において、前記一対の第2横材の回動中心と前記作業床の中心との距離は、前記一対の第2横材の前記回動中心と各前記第2支柱の軸心との距離よりも小さい、上記(1)から(3)のいずれかに記載の作業足場。
【0018】
(5)前記第1支柱および前記第2支柱は、前記繋ぎ材に対して水平方向に回動できるように前記繋ぎ材に連結されている、上記(1)から(4)のいずれかに記載の作業足場。
【0019】
(6)前記一対の繋ぎ材はそれぞれ、前記第1支柱に対して上下方向に回動可能に前記第1支柱に連結された第1棒状部材と、前記第2支柱に対して上下方向に回動可能に前記第2支柱に連結された第2棒状部材とを備え、
前記第1棒状部材と前記第2棒状部材とは、当該繋ぎ材の前記長辺方向における中心部において、互いに対して上下方向に回動可能に連結されている、上記(1)から(5)のいずれかに記載の作業足場。
【0020】
(7)前記一対の繋ぎ材はそれぞれ、当該繋ぎ材の前記中心部において前記第1棒状部材および前記第2棒状部材に係止されることによって当該繋ぎ材が下方に向かって屈曲することを防止する係止部材を備える、上記(6)に記載の作業足場。
【0021】
(8)前記一対の繋ぎ材はそれぞれ、当該繋ぎ材が上方に向かって屈曲した状態から前記係止部材が下方に移動するように前記第1棒状部材および前記第2棒状部材が互いに対して回動することを規制する規制部材を備える、上記(7)に記載の作業足場。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、円滑に折り畳むことができかつ長辺方向の寸法を小さくできる作業足場が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、水平面内で伸縮可能な筋交いを有する作業足場の問題点を説明するための図である。
図2図2は、水平面内で伸縮可能な筋交いを有する作業足場の問題点を説明するための図である。
図3図3は、本発明の実施の形態に係る作業足場を示す正面図である。
図4図4は、図3の作業足場の平面図である。
図5図5は、図3の作業足場の左側面図である。
図6図6は、一対の支持ユニットを示す図である。
図7図7は、支持体を示す図である。
図8図8は、支持体を示す図である。
図9図9は、支持体を示す図である。
図10図10は、支持体を示す図である。
図11図11は、作業床を外した状態の作業足場を示す図である。
図12図12は、接続部およびその周辺を作業床の長辺方向における一方側から見た図である。
図13図13は、図12のA-A部分を示す図である。
図14図14は、接続部および支持機構を説明するための図である。
図15図15は、繋ぎ材を示す図である。
図16図16は、繋ぎ材を示す図である。
図17図17は、第1棒状部材を示す図である。
図18図18は、第2棒状部材を示す図である。
図19図19は、係止部材および規制部材を示す図である。
図20図20は、支柱と繋ぎ材との関係を説明するための図である。
図21図21は、支柱と繋ぎ材との関係を説明するための図である。
図22図22は、作業足場の動作を説明するための図である。
図23図23は、作業足場の動作を説明するための図である。
図24図24は、長辺方向における繋ぎ材の中心部を示す図である。
図25図25は、接続部の動作を説明するための図である。
図26図26は、繋ぎ材の他の例を示す図である。
図27図27は、第1棒状部材および第2棒状部材を示す図である。
図28図28は、長辺方向における繋ぎ材の中心部を示す図である。
図29図29は、第1連結部材の他の例を示す図である。
図30図30は、第1連結部材および第1棒状部材を示す図である。
図31図31は、接続部の他の例を示す図である。
図32図32は、一対の支持ユニットの連結方法の他の例を示す図である。
図33図33は、第1規制機構の他の構成例を示す図である。
図34図34は、作業足場の他の構成例を示す図である。
図35図35は、支持体の他の構成例を示す図である。
図36図36は、支持体のその他の構成例を示す図である。
図37図37は、作業足場のその他の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(作業足場の構成)
以下、本発明の実施の形態に係る作業足場について図面を用いて説明する。図3は、本発明の実施の形態に係る作業足場を示す正面図であり、図4は、図3の作業足場の平面図であり、図5は、図3の作業足場の左側面図である。なお、図3および図4においては、図面が煩雑になることを避けるために、作業足場10の構成要素の一部を省略している。
【0025】
図3に示すように、本実施形態に係る作業足場10は、作業床12、一対の支持ユニット14a,14b、接続部16および支持機構18を備えている。詳細は後述するが、作業床12は、接続部16および支持機構18を介して一対の支持ユニット14a,14bに支持されている。なお、図面が煩雑になることを避けるために図示は省略するが、作業者が作業を行う際には、作業床12の周囲を覆うように、作業床12に手摺枠が取り付けられる。また、作業床12に作業者が上り下りする際には、昇降タラップ(梯子)が用いられる。手摺枠および昇降タラップの構成としては、公知の種々の手摺枠および昇降タラップの構成を利用できるので、説明は省略する。
【0026】
図4に示すように、作業床12は、上方から見て、矩形状を有している。本実施形態では、作業床12は、四隅に角部12a~12dを有する長方形状を有している。図3および図4に示すように、本実施形態では、作業床12は、当該作業床12の長辺方向に並ぶように設けられた第1床部20および第2床部22を有している。本実施形態では、作業床12の長辺方向における一方側に第1床部20が設けられ、作業床12の長辺方向における他方側に第2床部22が設けられている。以下において、単に長辺方向という場合は、作業床12の長辺方向を意味する。また、単に短辺方向という場合は、作業床12の短辺方向を意味する。なお、作業床の形状は図4に示した形状に限定されず、作業床は、全体として略矩形状を形成するように構成されていればよい。作業床が完全な矩形状ではない場合には、長辺方向とは、作業床の長手方向を意味し、短辺方向とは、作業床の短手方向を意味する。本実施形態では、角部12a~12dは上方から見て直角に曲がっているが、例えば、角部が、上方から見て面取りされた形状であってもよい。
【0027】
第1床部20は、上方から見て矩形状の枠体20aと、枠体20aに固定されかつ長辺方向に延びる一対の繋ぎ材20bとを有している。第2床部22も第1床部20と同様に構成され、枠体22aと、一対の繋ぎ材22bとを有している。図面が煩雑になることを避けるために図示は省略するが、枠体20a上には、網目状の床材(作業者の足場となる部分)が固定されている。同様に、枠体22a上にも、網目状の床材が固定されている。なお、床材は、網目状に限るものでなく、板状のものでも良いが滑り止めが施されているほうが良い。
【0028】
図6は、支持ユニット14a,14bを示す図であり、(a)は、支持ユニット14a,14bの平面図であり、(b)は、支持ユニット14a,14bの正面図である。なお、図6(a)においては、図面が煩雑になることを避けるために、支持ユニット14a,14bの一部の構成(キャスター等)の図示を省略している。なお、後述の各図においても、作業足場10の一部の構成の図示を適宜省略している。また、図6においては、支持ユニット14a,14bを互いに分離した状態で示しているが、作業足場10においては、支持ユニット14a,14bは互いに連結されている。支持ユニット14a,14bの連結については後述する。
【0029】
図6に示すように支持ユニット14aは、上方から見て互いに交差するように設けられた一対の支持体40,42を有し、支持ユニット14bは、上方から見て互いに交差するように設けられた一対の支持体44,46を有している。
【0030】
図7は、支持体40を示す図であり、図8は、支持体42を示す図であり、図9は、支持体44を示す図であり、図10は、支持体46を示す図である。なお、図7および図8において、(a)は支持体の平面図であり、(b)は支持体の左側面図であり、(c)は支持体の正面図である。また、図9および図10において、(a)は支持体の平面図であり、(b)は支持体の右側面図であり、(c)は支持体の正面図である。
【0031】
図7に示すように、支持体40は、上下方向に延びる支柱40a、水平方向に延びる複数の横材40b,40c,40d、および上下方向に延びる複数の縦材40e,40fを有している。支柱40aは、車輪を備えたキャスター40gに支持されている。キャスター40gは、上下方向に延びる回転軸周りに旋回できるように支柱40aに取り付けられている。図4に示すように、作業足場10を使用する際には、支柱40aによって作業床12の角部12aが支持される。
【0032】
図7に示すように、本実施形態では、支柱40aは、柱状または筒状の第1部材41a、筒状の第2部材41b、および柱状または筒状の第3部材41zを有している。第1部材41aの上部は、第2部材41bの下方から第2部材41bに挿入されている。第2部材41bは、第1部材41aに対して上下方向に移動可能、かつ所定の高さで第1部材41aに固定できるように構成されている。本実施形態では、第1部材41aに対する第2部材41bの固定高さを調整することによって、支持体40の上下方向の長さを調整することができる。第3部材41zの下部は、第2部材41bの上方から第2部材41bに挿入されている。第3部材41zは、第2部材41bに対して上下方向に移動可能、かつ所定の高さで第2部材41bに固定できるように構成されている。第3部材41zについては後述する。キャスター40gは、第1部材41aの下端部に取り付けられている。なお、第1部材41a、第2部材41bおよび第3部材41zの断面形状(軸方向に直交する断面の形状)は、円形状(円柱形状、円筒形状)であってもよく、多角形状(角柱形状、角筒形状)であってもよい。後述する第1部材43a,45a,47a、第2部材43b,45b,47bおよび第3部材43z,45z,47zについても同様である。
【0033】
横材40bの一端部は、支柱40aに連結されている。本実施形態では、横材40bの一端部は、支柱40aの第2部材41bに固定されている。本実施形態では、横材40bは、支柱40a(第2部材41b)から水平方向に延びる柱状または筒状の本体部41cと、本体部41cの先端部に設けられる回動部41dとを有している。回動部41dは、上下方向に貫通する貫通孔を有している。本実施形態では、回動部41dは、円筒状に形成されている。本体部41cには、上下方向に貫通する貫通孔41eが形成されている。図3に示すように、作業床12の長辺方向において、貫通孔41eの中心と作業床12の中心との距離d1は、貫通孔41eの中心と各支柱40a,42aの軸心との距離d2よりも小さいことが好ましい。本実施形態では、作業床12の長辺方向において、貫通孔41eは、横材40bの中心よりも他方側(支柱44a,46a側)に位置付けられている。
【0034】
図7に示すように、横材40cは、横材40bの下方に設けられている。横材40cの一端部は、支柱40aに連結されている。本実施形態では、横材40cの一端部は、横材40bと同様に、第2部材41bに固定されている。本実施形態では、横材40cは、支柱40a(第2部材41b)から水平方向に延びる柱状または筒状の本体部41fと、本体部41fの先端部に設けられる回動部41gとを有している。回動部41gは、上下方向に貫通する貫通孔を有している。本実施形態では、回動部41gは、円筒状に形成されている。本体部41fにおいて、貫通孔41eの下方に位置するように、上下方向に貫通する貫通孔41hが形成されている。作業床12(図3参照)の長辺方向において、貫通孔41hの中心と作業床12の中心との距離は、貫通孔41hの中心と各支柱40a,42aの軸心との距離よりも小さいことが好ましい。本実施形態では、作業床12の長辺方向において、貫通孔41hは、横材40cの中心よりも他方側(支柱44a,46a側)に位置付けられている。
【0035】
横材40dは、横材40cの下方に設けられている。横材40dの一端部は、支柱40aに連結されている。本実施形態では、横材40dの一端部は、横材40b,40cと同様に、第2部材41bに固定されている。本実施形態では、横材40dは、支柱40a(第2部材41b)から水平方向に延びる柱状または筒状の本体部41iと、本体部41iの先端部に設けられる回動部41jとを有している。回動部41jは、上下方向に貫通する貫通孔を有している。本実施形態では、回動部41jは、円筒状に形成されている。本体部41iにおいて、貫通孔41e,41hの下方に位置するように、上下方向に貫通する貫通孔41kが形成されている。作業床12(図3参照)の長辺方向において、貫通孔41kの中心と作業床12の中心との距離は、貫通孔41kの中心と各支柱40a,42aの軸心との距離よりも小さいことが好ましい。本実施形態では、作業床12の長辺方向において、貫通孔41kは、横材40dの中心よりも他方側(支柱44a,46a側)に位置付けられている。
【0036】
縦材40eは、横材40bと横材40cとを接続し、縦材40fは、横材40cと横材40dとを接続している。なお、上方から見て、横材40b、横材40cおよび横材40dは、支柱40aから同一方向に延びるように設けられている。
【0037】
図8に示すように、支持体42は、上下方向に延びる支柱42a、水平方向に延びる複数の横材42b,42c、上下方向に延びる縦材42d、および斜め上下方向に延びる斜材42eを有している。支柱42aは、車輪を備えたキャスター42fに支持されている。キャスター42fは、上下方向に延びる回転軸周りに旋回できるように支柱42aに取り付けられている。図4に示すように、作業足場10を使用する際には、支柱42aによって作業床12の角部12bが支持される。本実施形態では、支柱40a,42aは、短辺方向に互いに離れて配置されかつ長辺方向において作業床12の中心よりも一方側で作業床12を支持しており、支柱40a,42aが第1支柱に対応する。
【0038】
図8に示すように、本実施形態では、支柱42aは、柱状または筒状の第1部材43a、筒状の第2部材43bおよび柱状または筒状の第3部材43zを有している。第1部材43aの上部は、第2部材43bの下方から第2部材43bに挿入されている。第2部材43bは、第1部材43aに対して上下方向に移動可能、かつ所定の高さで第1部材43aに固定できるように構成されている。本実施形態では、第1部材43aに対する第2部材43bの固定高さを調整することによって、支持体42の上下方向の長さを調整することができる。第3部材43zの下部は、第2部材43bの上方から第2部材43bに挿入されている。第3部材43zは、第2部材43bに対して上下方向に移動可能、かつ所定の高さで第2部材43bに固定できるように構成されている。第3部材43zについては後述する。キャスター42fは、第1部材43aの下端部に取り付けられている。
【0039】
横材42bの一端部は、支柱42aに連結されている。本実施形態では、横材42bの一端部は、支柱42aの第2部材43bに固定されている。本実施形態では、横材42bは、支柱42a(第2部材43b)から水平方向に延びる柱状または筒状の本体部43cと、本体部43cの先端部に設けられる回動部43dとを有している。回動部43dは、上下方向に貫通する貫通孔を有している。本実施形態では、回動部43dは、円筒状に形成されている。本体部43cには、上下方向に貫通する貫通孔43eが形成されている。図3に示すように、作業床12の長辺方向において、貫通孔43eの中心と作業床12の中心との距離は、貫通孔43eの中心と各支柱40a,42aの軸心との距離よりも小さいことが好ましい。本実施形態では、作業床12の長辺方向において、貫通孔43eは、横材42bの中心よりも他方側(支柱44a,46a側)に位置付けられている。
【0040】
図8に示すように、横材42cは、横材42bの下方に設けられている。横材42cの一端部は、支柱42aに連結されている。本実施形態では、横材42cの一端部は、横材42bと同様に、第2部材43bに固定されている。本実施形態では、横材42cは、支柱42a(第2部材43b)から水平方向に延びる柱状または筒状の本体部43fと、本体部43fの先端部に設けられる回動部43gとを有している。回動部43gは、上下方向に貫通する貫通孔を有している。本実施形態では、回動部43gは、円筒状に形成されている。本体部43fにおいて、貫通孔43eの下方に位置するように、上下方向に貫通する貫通孔43hが形成されている。作業床12(図3参照)の長辺方向において、貫通孔43hの中心と作業床12の中心との距離は、貫通孔43hの中心と各支柱40a,42aの軸心との距離よりも小さいことが好ましい。本実施形態では、貫通孔43hは、作業床12の長辺方向において、横材42cの中心よりも他方側(支柱44a,46a側)に位置付けられている。
【0041】
縦材42dは、横材42bと横材42cとを接続している。斜材42eは、第2部材43bの下部と、縦材42dの上部とを接続している。なお、上方から見て、横材42bおよび横材42cは、支柱42aから同一方向に延びるように設けられている。
【0042】
図9に示すように、支持体44は、支持体42と同様の構成を有している。したがって、以下においては支持体44の構成を簡単に説明するが、支持体44は、支持体42と同様に、支柱44a、横材44b,44c、縦材44d、および斜材44eを有している。支柱44aは、キャスター44fに支持されている。図4に示すように、作業足場10を使用する際には、支柱44aによって作業床12の角部12cが支持される。
【0043】
図9に示すように、支柱44aは、第1部材45a、第2部材45bおよび第3部材45zを有している。横材44bは、本体部45cおよび回動部45dを有している。本体部45cには、貫通孔45eが形成されている。横材44cは、本体部45fおよび回動部45gを有している。本体部45fにおいて、貫通孔45eの下方に位置するように、貫通孔45hが形成されている。図3に示すように、作業床12の長辺方向において、貫通孔45eの中心と作業床12の中心との距離d3は、貫通孔45eの中心と各支柱44a,46aの軸心との距離d4よりも小さいことが好ましい。本実施形態では、作業床12の長辺方向において、貫通孔45eは、横材44bの中心よりも一方側(支柱40a,42a側)に位置付けられている。同様に、作業床12の長辺方向において、貫通孔45hの中心と作業床12の中心との距離は、貫通孔45hの中心と各支柱44a,46aの軸心との距離よりも小さいことが好ましい。本実施形態では、作業床12の長辺方向において、貫通孔45hは、横材44cの中心よりも一方側(支柱40a,42a側)に位置付けられている。
【0044】
図10に示すように、支持体46は、支持体40と同様の構成を有している。したがって、以下においては支持体46の構成を簡単に説明するが、支持体46は、支柱46a、横材46b,46c,46d、および縦材46e,46fを有している。支柱46aは、キャスター46gに支持されている。図4に示すように、作業足場10を使用する際には、支柱46aによって作業床12の角部12dが支持される。本実施形態では、支柱44a,46aは、短辺方向に互いに離れて配置されかつ長辺方向において作業床12の中心よりも他方側で作業床12を支持しており、支柱44a,46aが第2支柱に対応する。
【0045】
図10に示すように、支柱46aは、第1部材47a、第2部材47bおよび第3部材47zを有している。横材46bは、本体部47cおよび回動部47dを有している。本体部47cには、貫通孔47eが形成されている。横材46cは、本体部47fおよび回動部47gを有している。本体部47fにおいて、貫通孔47eの下方に位置するように、貫通孔47hが形成されている。横材46dは、本体部47iおよび回動部47j有している。本体部47iにおいて、貫通孔47e,47hの下方に位置するように、貫通孔47kが形成されている。図3に示すように、作業床12の長辺方向において、各貫通孔47e,47h,47kの中心と作業床12の中心との距離は、各貫通孔47e,47h,47kの中心と各支柱44a,46aの軸心との距離よりも小さいことが好ましい。本実施形態では、作業床12の長辺方向において、貫通孔47e,47h,47kは、横材46b,46c,46dの中心よりも一方側(支柱40a,42a側)に位置付けられている。
【0046】
図6に示すように、支持ユニット14aでは、支持体40の横材40bと横材40cとの間を支持体42の横材42bが通るように、かつ支持体40の横材40dの上方を支持体42の横材42cが通るように、支持体40と支持体42とが交差して配置される。この状態で、横材40bの貫通孔41e、横材42bの貫通孔43eおよび横材40cの貫通孔41hに、上下方向に延びる連結軸30が挿入される。また、横材42cの貫通孔43hおよび横材40dの貫通孔41kに、上下方向に延びる連結軸32が挿入される。
【0047】
このような構成により、本実施形態では、横材40bと横材42bとが、上方から見てX字状に交差しかつ互いに対して水平方向に回動可能に連結される。また、横材42bと横材40cとが、上方から見てX字状に交差しかつ互いに対して水平方向に回動可能に連結される。さらに、横材42cと横材40dとが、上方から見てX字状に交差しかつ互いに対して水平方向に回動可能に連結される。本実施形態では、横材40b,40c,40d,42b,42c、縦材40e,40f,42dおよび斜材42eが、第1伸縮部48aを構成する。
【0048】
支持ユニット14bでは、支持体46の横材46bと横材46cとの間を支持体44の横材44bが通るように、かつ支持体46の横材46dの上方を支持体44の横材44cが通るように、支持体44と支持体46とが互いに交差して配置される。この状態で、横材46bの貫通孔47e、横材44bの貫通孔45eおよび横材46cの貫通孔47hに、上下方向に延びる連結軸34が挿入される。また、横材44cの貫通孔45hおよび横材46dの貫通孔47kに、上下方向に延びる連結軸36が挿入される。
【0049】
このような構成により、本実施形態では、横材46bと横材44bとが、上方から見てX字状に交差しかつ互いに対して水平方向に回動可能に連結される。また、横材44bと横材46cとが、上方から見てX字状に交差しかつ互いに対して水平方向に回動可能に連結される。さらに、横材44cと横材46dとが、上方から見てX字状に交差しかつ互いに対して水平方向に回動可能に連結される。本実施形態では、横材44b,44c,46b,46c,46d、縦材44d,46e,46fおよび斜材44eが、第2伸縮部48bを構成する。
【0050】
なお、図3を用いて説明したように、本実施形態では、作業床12の長辺方向において、各貫通孔41e,43e,41h,43h,41kの中心と作業床12の中心との距離は、各貫通孔41e,43e,41h,43h,41kの中心と各支柱40a,42aの軸心との距離よりも小さい。このため、本実施形態では、作業床12の長辺方向において、各横材40b,42b,40c,42c,40dの回動中心(各連結軸30,32の軸心)と作業床12の中心との距離は、各横材40b,42b,40c,42c,40dの回動中心と各支柱40a,42aの軸心との距離よりも小さい。言い換えると、本実施形態では、第1伸縮部48aの揺動中心(連結軸30,32)は、長辺方向において、第1伸縮部48aの中心から他方側(支柱44a,46a側)に偏心した位置に位置付けられている。
【0051】
同様に、本実施形態では、作業床12の長辺方向において、各横材46b,44b,46c,44c,46dの回動中心(各連結軸34,36の軸心)と作業床12の中心との距離は、各横材46b,44b,46c,44c,46dの回動中心と各支柱44a,46aの軸心との距離よりも小さい。言い換えると、本実施形態では、第2伸縮部48bの揺動中心(連結軸34,36)は、長辺方向において、第2伸縮部48bの中心から一方側(支柱40a,42a側)に偏心した位置に位置付けられている。
【0052】
このように第1伸縮部48aおよび第2伸縮部48bを構成することによって、後述する図11に示すように、第1伸縮部48aと第2伸縮部48bとの連結部の短辺方向の長さを、支柱40aと支柱42aとの距離および支柱44aと支柱46aとの距離よりも短くできる。
【0053】
なお、詳細な説明は省略するが、各支柱40a,42a,44a,46aの上端部は、作業床12に対して着脱可能に設けられている。本実施形態では、第3部材41z,43z,45z,47zが、作業床12に対して着脱可能に構成されている。後述するように作業床12を収納する場合には、各支柱40a,42a,44a,46aの上端部(第3部材41z,43z,45z,47z)は、作業床12から取り外される。なお、本実施形態では、作業床12を第3部材41z,43z,45z,47zに取り付ける際には、第3部材41z,43z,45z,47zは、最も高い位置で、第2部材41b,43b,45b,47bに固定される。一方、作業床12を収納する場合(作業床12から第3部材41z,43z,45z,47zを取り外す場合)には、第3部材41z,43z,45z,47zは、最も低い位置で、第2部材41b,43b,45b,47bに固定される。なお、本実施形態では、第1部材41a,43a,45a,47aに対する第2部材41b,43b,45b,47bの固定高さを調整することによって作業床12の高さを調整することができるが、さらに、第2部材41b,43b,45b,47bに対する第3部材41z,43z,45z,47zの固定高さを調整することによって作業床12の高さを調整できるように、支柱40a,42a,44a,46aを構成してもよい。
【0054】
次に、支持ユニット14aと支持ユニット14bとの連結方法について説明する。図11において、(a)は作業足場10の平面図であり、(b)は作業足場10の正面図である。なお、図11においては、作業足場10の構成を理解しやすくするために、作業床12の図示を省略している。図12は、接続部16およびその周辺を長辺方向における一方側から見た図である。なお、図12においては、図面を簡略化するために、支持体40,42,44,46の構成要素のうち、回動部41d,41g,43d,45d,47d,47gのみを示している。
【0055】
図11および図12に示すように、本実施形態では、支持体40の回動部41d、支持体44の回動部45dおよび支持体40の回動部41gに、上下方向に延びる連結軸50が挿入される。回動部41d、回動部45dおよび回動部41gは、連結軸50を回転軸として互いに対して水平方向に回動できるように連結される。これにより、横材40bは、回動部41dを中心として水平方向に回動でき、横材44bは、回動部45dを中心として水平方向に回動でき、横材40cは、回動部41gを中心として水平方向に回動できる。
【0056】
また、本実施形態では、支持体46の回動部47d、支持体42の回動部43d、および支持体46の回動部47gに、上下方向に延びる連結軸52が挿入される。回動部47d、回動部43dおよび回動部47gは、連結軸52を回転軸として互いに対して水平方向に回動できるように連結される。これにより、横材46bは、回動部47dを中心として水平方向に回動でき、横材42bは回動部43dを中心として水平方向に回動でき、横材46cは、回動部47gを中心として水平方向に回動できる。
【0057】
図11に示すように、横材42cの回動部43gおよび横材46dの回動部47jに、上下方向に延びる連結軸54が挿入される。回動部43gおよび回動部47jは、連結軸54を回転軸として互いに対して水平方向に回動できるように連結される。これにより、横材42cは、回動部43gを中心として水平方向に回動でき、横材46dは回動部47jを中心として水平方向に回動できる。図6を参照して、同様に、横材44cの回動部45gおよび横材40dの回動部41jに、上下方向に延びる連結軸(図示せず)が挿入される。回動部45gおよび回動部41jは、当該連結軸を回転軸として互いに対して水平方向に回動できるように連結される。これにより、横材44cは、回動部45gを中心として水平方向に回動でき、横材40dは、回動部41jを中心として水平方向に回動できる。
【0058】
以上のようにして、支持ユニット14aと支持ユニット14bとが連結される。なお、本実施形態では、連結軸30と連結軸32とが同軸上に位置するように、かつ連結軸34と連結軸36とが同軸上に位置するように、支持ユニット14aと支持ユニット14bとが連結される。また、本実施形態では、連結軸52と連結軸54とが同軸上に位置するように、かつ連結軸50と回動部41j,45gに挿入される連結軸とが同軸上に位置するように、支持ユニット14aと支持ユニット14bとが連結される。
【0059】
次に、接続部16について説明する。図13は、図12のA-A部分を示す図である。図11図13に示すように、接続部16は、連結軸50と連結軸52とを接続するように、短辺方向に延びるように設けられている。図12に示すように、本実施形態では、接続部16は、上下方向に離れて配置される一対の第1接続部材60と、上下方向に離れて配置される一対の第2接続部材62と、上下方向に離れて配置される一対のガイド部材64とを有している。
【0060】
第1接続部材60は、連結軸50から連結軸52側に向かって延びるように設けられている。本実施形態では、第1接続部材60は、連結軸50が挿入される第1筒状部60aと、第1筒状部60aから連結軸52側に向かって延びる第2筒状部60bとを有している。第2筒状部60bは、連結軸52側に向かって開口している。また、第2筒状部60bにおいて長辺方向における両側には、短辺方向に延びるように貫通孔60cが形成されている。
【0061】
第2接続部材62は、連結軸52から連結軸50側に向かって延びるように設けられている。本実施形態では、第2接続部材62は、連結軸52が挿入される第1筒状部62aと、第1筒状部62aから連結軸50側に向かって延びる第2筒状部62bとを有している。第2筒状部62bは、連結軸50側に向かって開口している。また、第2筒状部62bにおいて長辺方向における両側には、短辺方向に延びるように貫通孔62cが形成されている。
【0062】
ガイド部材64は、第1接続部材60および第2接続部材62に対して、短辺方向に相対的に移動可能に設けられている。本実施形態では、ガイド部材64は、柱状または筒状に形成され、第2筒状部60b,62bに摺動可能に挿入されている。
【0063】
ガイド部材64の一端側(連結軸50側)においてガイド部材64から突出するように係止部材66aが設けられ、ガイド部材64の他端側(連結軸52側)においてガイド部材64から突出するように係止部材66bが設けられている。係止部材66aは、第2筒状部60bの貫通孔60cを通るように設けられ、係止部材66bは、第2筒状部62bの貫通孔62cを通るように設けられている。本実施形態では、係止部材66aが、貫通孔60cの短辺方向の両端部に係止されることによって、ガイド部材64に対する第1接続部材60の移動範囲が所定の範囲に規制され、係止部材66bが貫通孔62cの短辺方向の両端部に係止されることによって、ガイド部材64に対する第2接続部材62の移動範囲が所定の範囲に規制される。本実施形態では、貫通孔60cおよび係止部材66aが、ガイド部材64に対する第1接続部材60の移動範囲を所定の範囲に規制する第1規制機構として機能し、貫通孔62cおよび係止部材66bが、ガイド部材64に対する第2接続部材62の移動範囲を所定の範囲に規制する第2規制機構として機能する。なお、ガイド部材64に対する第1接続部材60および第2接続部材62の移動範囲は、貫通孔60c,62cの短辺方向の長さを調整することによって調整できる。
【0064】
なお、本実施形態では、上側の第2筒状部60bと下側の第2筒状部60bとは、複数の縦材68aによって連結されており、上側の第2筒状部62bと下側の第2筒状部62bとは、複数の縦材68bによって連結されている。したがって、本実施形態では、ガイド部材64に対して一対の第1接続部材60を一体的に移動させることができ、ガイド部材64に対して一対の第2接続部材62を一体的に移動させることができる。これにより、第1接続部材60および第2接続部材62がガイド部材64に対して傾くことを抑制でき、ガイド部材64に対して第1接続部材60および第2接続部材62を円滑に移動させることができる。
【0065】
次に、支持機構18について説明する。図3に示すように、支持機構18は、接続部16に支持されかつ作業床12の長辺方向における中央部を支持する。図11図13に示すように、本実施形態では、支持機構18は、一対のガイド部材64に支持されている。
【0066】
より具体的には、支持機構18は、一対のガイド部材64に支持される板状の一対の固定支持部80を有している。各固定支持部80は、一対のガイド部材64によって挟まれるように設けられている。各固定支持部80において、長辺方向における中心よりも一方側に、板状の第1回動支持部82aが設けられ、長辺方向における中心よりも他方側に板状の第2回動支持部82bが設けられている。第1回動支持部82aおよび第2回動支持部82bはそれぞれ、短辺方向に延びる回転軸周りに回動可能に固定支持部80に支持されている。
【0067】
図11図13および図14に示すように、本実施形態では、第1回動支持部82aは、短辺方向に延びる連結軸84aを介して固定支持部80に連結されており、連結軸84aを回転軸として回動する。また、第2回動支持部82bは、短辺方向に延びる連結軸84bを介して固定支持部80に連結されており、連結軸84bを回転軸として回動する。
【0068】
図14に示すように、固定支持部80において連結軸84aの近傍に、貫通孔81aが形成されている。また、第1回動支持部82aにおいて連結軸84aの近傍に、貫通孔83aが形成されている。同様に、固定支持部80において連結軸84bの近傍に、貫通孔81bが形成されている。また、第2回動支持部82bにおいて連結軸84bの近傍に、貫通孔83bが形成されている。
【0069】
図13に示すように、貫通孔81aと貫通孔83aとは、短辺方向から見て互いに重なることができるように形成されている。同様に、貫通孔81bと貫通孔83bとは、短辺方向から見て互いに重なることができるように形成されている。したがって、本実施形態では、貫通孔81a,83aに棒状部材(図示せず)を挿入することによって、固定支持部80に対する第1回動支持部82aの回動を防止することができる。同様に、貫通孔81b,83bに棒状部材(図示せず)を挿入することによって、固定支持部80に対する第2回動支持部82bの回動を防止することができる。
【0070】
図4および図11を参照して、一対の第1回動支持部82aは、一対の繋ぎ材20bに固定される。これにより、第1床部20は、固定支持部80に対して、第1回動支持部82aと一体的に回動する。また、一対の第2回動支持部82bは、一対の繋ぎ材22bに固定される。これにより、第2床部22は、固定支持部80に対して、第2回動支持部82bと一体的に回動する。
【0071】
図11に示すように、一対の支柱40a,42aと一対の支柱44a,46aとを連結するように、長辺方向に延びる一対の繋ぎ材70が設けられる。本実施形態では、短辺方向における一方側の繋ぎ材70は、支柱40aの第1部材41aと支柱44aの第1部材45aとを連結するように設けられ、短辺方向における他方側の繋ぎ材70は、支柱42aの第1部材43a(図8参照)と支柱46aの第1部材47a(図10参照)とを連結するように設けられている。
【0072】
図15は、繋ぎ材70を示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。図15に示すように、繋ぎ材70は、第1棒状部材71a、第2棒状部材71b、第1連結部材71c、第2連結部材71d、係止部材71e、および規制部材71fを備えている。
【0073】
図16は、繋ぎ材70のうち、第1棒状部材71aと第1連結部材71cとの接続部近傍、第1棒状部材71aと第2棒状部材71bとの接続部近傍、および第2棒状部材71bと第2連結部材71dとの接続部近傍を示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。図17は、第1棒状部材71aを示す図であり、(a)は平面図、(b)は左側面図、(c)は正面図、(d)は右側面図、(e)は底面図である。図18は、第2棒状部材71bを示す図であり、(a)は平面図、(b)は左側面図、(c)は正面図、(d)は右側面図、(e)は底面図である。なお、図17(a),(c),(e)においては、第1棒状部材71aの中央部の図示を省略し、図18(a),(c),(e)においては、第2棒状部材71bの中央部の図示を省略している。
【0074】
図16および図17に示すように、第1棒状部材71aは、円筒形状を有している。第1棒状部材71aにおいて第1連結部材71c側の端部には、切欠部700が形成されている。切欠部700は、第1棒状部材71aの上部に形成されている。第1棒状部材71aにおいて係止部材71e側の端部には、円弧状の斜面702が形成されている。斜面702は、斜め上方を向くように形成されている。
【0075】
図16および図18に示すように、第2棒状部材71bは、円筒形状を有している。第2棒状部材71bにおいて第2連結部材71d側の端部には、切欠部704が形成されている。切欠部704は、第2棒状部材71bの上部に形成されている。第2棒状部材71bにおいて係止部材71e側の端部には、円弧状の斜面706が形成されている。斜面706は、斜め上方を向くように形成されている。
【0076】
図16に示すように、第1連結部材71cは、円筒状の回動部材708と、板状の支持部材710とを備えている。支持部材710は、回動部材708の外周面に固定されている。支持部材710は、回動部材708の径方向に延びるように設けられている。同様に、第2連結部材71dは、円筒状の回動部材712と、板状の支持部材714とを備えている。支持部材714は、回動部材712の外周面に固定されている。支持部材714は、回動部材712の径方向に延びるように設けられている。
【0077】
本実施形態では、第1棒状部材71aの切欠部700に、第1連結部材71cの支持部材710が嵌め込まれている。第1棒状部材71aは、軸部材800を介して支持部材710に連結されている。これにより、第1棒状部材71aは、軸部材800の周方向に揺動可能に支持部材710に支持されている。同様に、第2棒状部材71bの切欠部704に、第2連結部材71dの支持部材714が嵌め込まれている。第2棒状部材71bは、軸部材802を介して支持部材714に連結されている。これにより、第2棒状部材71bは、軸部材802の周方向に揺動可能に支持部材714に支持されている。軸部材800,802としては、ボルト等の種々の棒状の部材を用いることができる。後述する軸部材についても同様である。
【0078】
図19は、係止部材71eおよび規制部材71fを示す図であり、(a)は正面図、(b)は右側面図である。図16および図19に示すように、係止部材71eは、断面逆U字状の本体部716と、円筒状の支持部718とを有している。本実施形態では、本体部716は、一対の側壁部716a,716bと、一対の側壁部716a,716bの上端部を接続する天板部716cとを有している。支持部718は、本体部716の長さ方向における一端部において、天板部716c上に固定されている。
【0079】
規制部材71fは、断面逆U字形状を有している。本実施形態では、規制部材71fは、軸部材804を介して支持部718に揺動可能に支持されている。より具体的には、規制部材71fは、軸部材804の周方向に揺動可能に、支持部718に支持されている。
【0080】
図16に示すように、第1棒状部材71aの端部および第2棒状部材71bの端部がそれぞれ、係止部材71eの本体部716に嵌め込まれている。本実施形態では、第1棒状部材71aは、軸部材806を介して本体部716に連結されている。これにより、第1棒状部材71aは、軸部材806の周方向に揺動可能に本体部716に支持されている。同様に、第2棒状部材71bは、軸部材808を介して本体部716に連結されている。これにより、第2棒状部材71bは、軸部材808の周方向に揺動可能に本体部716に支持されている。このような構成により、第1棒状部材71aおよび第2棒状部材71bは、係止部材71eに対して上下方向に回動することができる。
【0081】
図20は、支柱40aと繋ぎ材70との関係を説明するための図であり、(a)は、支柱40a、キャスター40gおよび繋ぎ材70の一部を示す正面図であり、(b)は(a)のb-b部分を示す図である。なお、図20(b)においては、図面が煩雑になることを避けるために、キャスター40gの図示は省略している。
【0082】
図20に示すように、第1連結部材71cの回動部材708内を支柱40aの第1部材41aが通るように、回動部材708が第1部材41aに嵌められている。回動部材708は、支柱40aに対して上下方向に移動できないように設けられている。具体的には、本実施形態では、回動部材708がキャスター40gによって下方から支持されることによって、回動部材708が支柱40aに対して下方に移動することが規制されている。また、回動部材708が支柱40aに対して上方に移動することは、第1部材41aの外周面に設けられた規制部材41yによって規制されている。このような構成により、第1棒状部材71aは、支柱40aに対して上下方向に回動できるように、第1連結部材71cを介して支柱40aに連結されている。
【0083】
なお、本実施形態では、回動部材708は、支柱40a(第1部材41a)を中心として水平方向に回動できるように、第1部材41aに嵌められている。これにより、図21に示すように、第1棒状部材71aおよび支柱40a(第1部材41a)は、互いに対して水平方向に回動することができる。
【0084】
図11(b)を参照して、詳細な説明は省略するが、第2連結部材71dと支柱44aとは、上述の第1連結部材71cと支柱40aとの連結と同様の態様で連結される。すなわち、第2棒状部材71bは、支柱44aに対して上下方向に回動できるように、第2連結部材71dを介して支柱44aに連結されている。また、第2棒状部材71bおよび支柱44aは、互いに対して水平方向に回動することができる。
【0085】
また、本実施形態では、長辺方向における繋ぎ材70の中央部において、第1棒状部材71aおよび第2棒状部材71bは、係止部材71eに対して上下方向に回動することができる。これにより、図22に示すように、短辺方向の一方側の繋ぎ材70は、支柱40aと支柱44aとの間で、上方に向かって屈曲することができる。
【0086】
詳細な説明は省略するが、短辺方向における他方側に配置された繋ぎ材70と一対の支柱42a,46aとは、短辺方向における一方側に配置された繋ぎ材70と一対の支柱40a,44aとの連結と同様の態様で連結される。したがって、短辺方向の他方側の繋ぎ材70も、支柱42aと支柱46aとの間で、上方に向かって屈曲することができる。
【0087】
なお、図16を参照して、本実施形態では、繋ぎ材70の長辺方向における中心部が下方に向かって屈曲することは、繋ぎ材70の当該中心部に設けられた係止部材71eが第1棒状部材71aおよび第2棒状部材71bに係止されることによって防止される。さらに、本実施形態では、第1棒状部材71aの第1連結部材71c側の端部が支持部材710に下方から接触すること、および第2棒状部材71bの第2連結部材71d側の端部が支持部材714に下方から接触することによって、繋ぎ材70の長辺方向における中心部が下方に向かって屈曲することを確実に防止することができる。これにより、作業足場10の使用時に、支柱40a,42aと支柱44a,46aとの長辺方向の距離を適切に保つことができる。
【0088】
(作業足場の作用効果)
本実施形態に係る作業足場10では、一対の支柱40a,42aと、一対の支柱44a,46aとは、第1伸縮部48aおよび第2伸縮部48bを介して連結されている。第1伸縮部48aおよび第2伸縮部48bはそれぞれ、長辺方向において伸縮可能に構成されている。第1伸縮部48aは、上方から見てX字状に交差しかつ水平方向に回動可能に連結された複数の横材を有している。同様に、第2伸縮部48bは、上方から見てX字状に交差しかつ水平方向に回動可能に連結された複数の横材を有している。
【0089】
このような構成により、本実施形態に係る作業足場10では、図11および図22に示すように、一対の支柱40a,42aと一対の支柱44a,46aとが長辺方向において近付くにつれて、第1伸縮部48aの長辺方向の寸法が小さくなるように、横材40b,40cと横材42bとが連結軸30(図22(b)では図示を省略。)を中心として互いに対して水平方向に回動し、横材42cと横材40dとが連結軸32(図11(b)参照。図22(b)では図示を省略。)を中心として互いに対して水平方向に回動する。また、第2伸縮部48bの長辺方向の寸法が小さくなるように、横材46b,46cと横材44bとが連結軸34(図22(b)では図示を省略。)を中心として互いに対して水平方向に回動し、横材44cと横材46dとが連結軸36(図11(b)参照。図22(b)では図示を省略。)を中心として互いに対して水平方向に回動する。
【0090】
一方、一対の支柱40a,42aと一対の支柱44a,46aとが長辺方向において離れるにつれて、第1伸縮部48aの長辺方向の寸法が大きくなるように、横材40b,40cと横材42bとが連結軸30を中心として互いに対して水平方向に回動し、横材42cと横材40dとが連結軸32を中心として互いに対して水平方向に回動する。また、第2伸縮部48bの長辺方向の寸法が大きくなるように、横材46b,46cと横材44bとが連結軸34を中心として互いに対して水平方向に回動し、横材44cと横材46dとが連結軸36を中心として互いに対して水平方向に回動する。
【0091】
以上のように、本実施形態に係る作業足場10では、第1伸縮部48aおよび第2伸縮部48bの複数の横材を水平方向に回動させることによって、支柱40a,42aと支柱44a,46aとの長辺方向における距離を小さくすることができる。この場合、複数の横材を鉛直方向に回動させる場合に比べて、各横材に図2で説明したような曲げ力が加えられることを防止することができる。これにより、作業足場10を円滑に折り畳むことができる。
【0092】
また、本実施形態に係る作業足場10では、伸縮可能に構成された第1伸縮部48aおよび伸縮可能に構成された第2伸縮部48bが長辺方向に並ぶように配置されているので、作業足場10の長辺方向の寸法を十分に小さくすることができる。また、本実施形態では、複数の横材を長辺方向に繋げることによって第1伸縮部48aおよび第2伸縮部48bが構成されるので、各横材の長さを短くすることができる。これにより、作業足場10を折り畳む際に、作業足場10の短辺方向の寸法が大きくなることを抑制することができる。
【0093】
また、本実施形態では、繋ぎ材70は、一対の支柱40a,42aと一対の支柱44a,46aとが長辺方向において近付くにつれて、長辺方向における中心部が上方に移動するように屈曲して、長辺方向における長さが短くなる。また、繋ぎ材70は、一対の支柱40a,42aと一対の支柱44a,46aとが長辺方向において離れるにつれて、長辺方向における中心部が下方に移動するように延びて、長辺方向における長さが長くなる。このように、本実施形態では、作業足場10の長辺方向の寸法の変化にしたがって、一対の繋ぎ材70を屈曲または伸長させることができる。言い換えると、作業足場10の長辺方向の寸法の変化にしたがって、一対の繋ぎ材70の長辺方向の寸法を変化させることができる。この場合、作業足場10から一対の繋ぎ材70を取り外すことなく、作業足場10を折り畳んだり広げたりすることができるので、作業効率が向上する。
【0094】
また、本実施形態では、一対の繋ぎ材70は、短辺方向において、第1伸縮部48aと第2伸縮部48bとの連結部(本実施形態では、回動部41d、41g、41j、43d、43g、45d、45g、47d、47g、47j)よりも外側に位置している。この場合、一対の繋ぎ材70が屈曲する際に、一対の繋ぎ材70が、第1伸縮部48aと第2伸縮部48bとの連結部に接触することを避けることができる。これにより、一対の繋ぎ材70を屈曲させる際に、繋ぎ材70の中央部を十分に高い位置まで移動させることが可能になり、長辺方向における一対の繋ぎ材70の長さを十分に短くすることができる。したがって、長辺方向において一対の支柱40a,42aと一対の支柱44a,46aとを十分に近付けることが可能になり、作業足場10を小さく折り畳むことが可能になる。
【0095】
また、本実施形態では、支柱40a,42a,44a,46aは、一対の繋ぎ材70に対して水平方向に回動できるように一対の繋ぎ材70に連結されている。これにより、作業足場10を折り畳む際および広げる際に、一対の繋ぎ材70に対して支柱40a,42a,44a,46aを回動させることができる。その結果、作業足場10を円滑に折り畳んだり広げたりすることができる。
【0096】
なお、作業足場10の作業床12を収納する場合には、まず、支柱40a,42a,44a,46aと作業床12との連結を解除する。このとき、第1回動支持部82aおよび第2回動支持部82bは、固定支持部80に対して回転できないようにしておく。すなわち、第1床部20の上面(作業足場10の使用時に作業者によって踏まれる面)が上方を向き、第2床部22の上面(作業足場10の使用時に作業者によって踏まれる面)が上方を向いた状態を維持する。
【0097】
次に、図23(a)に示すように、支柱40a,42aと支柱44a,46aとの長辺方向における距離を近づける。ここで、作業床12の長辺方向における中央部を支持する支持機構18は、接続部16に支持されている。接続部16は、第1伸縮部48aと第2伸縮部48bとの連結部に設けられているので、接続部16の位置は、支柱40a,42aと支柱44a,46aとの中間位置となる。このような構成により、支柱40a,42aと支柱44a,46aとを近づけた際に、支柱40a,42a,44a,46aに対して、作業床12が長辺方向の一方側または他方側に片寄った位置に移動することを防止することができる。これにより、作業足場10を円滑に折り畳むことができる。
【0098】
また、本実施形態では、支持機構18は、接続部16のガイド部材64(図11(a)参照)に支持されている。ガイド部材64は、連結軸50と連結軸52との中央部に配置されているので、支持機構18の位置を、連結軸50と連結軸52との中央部に円滑に位置付けることができる。これにより、支柱40a,42aと支柱44a,46aとを近づけた際に、支柱40a,42a,44a,46aに対して、作業床12が短辺方向の一方側または他方側に片寄った位置に移動することを防止することができる。
【0099】
最後に、図23(b)に示すように、第1回動支持部82aおよび第2回動支持部82bを、固定支持部80に対して回動できる状態にして、第1床部20および第2床部22を、長辺方向における外側に旋回させる。これにより、作業床12の収納が完了する。なお、図23には、支柱40a,42aと支柱44a,46aとの長辺方向における距離を最も小さくした状態の作業足場10が示されている。
【0100】
なお、作業足場10を折り畳む際には、まず、支柱40aと支柱44aとを近付けつつ、図24に示すように、支柱40aと支柱44aとの間の繋ぎ材70の中心部を上方に少し屈曲させる。この状態で、規制部材71fを係止部材71eに対して回動させて、係止部材71e(本体部716)と第2棒状部材71bとの間に規制部材71fを差し込む。これにより、係止部材71eが下方に移動するように第1棒状部材71aおよび第2棒状部材71bが互いに対して回動することが防止される。すなわち、繋ぎ材70が屈曲した状態が維持される。次に、支柱42aと支柱46aとを近付けつつ、支柱42aと支柱46aとの間の繋ぎ材70の中心部を、支柱40aと支柱44aとの間の繋ぎ材70と同様に屈曲させる。その後、支柱40a,42aと支柱44a,46aとを近付けることによって、一対の繋ぎ材70を同時に屈曲させる。このように、本実施形態では、一方の繋ぎ材70を屈曲させた状態を維持しつつ、他方の繋ぎ材70を屈曲させることができる。この場合、一対の繋ぎ材70の屈曲動作を同時に開始する必要がないので、作業足場10を一人で容易に折り畳むことができる。なお、繋ぎ材70が屈曲した状態を維持するための規制部材の構造は上述の例に限定されない。例えば、規制部材としてピンを用い、当該ピンを係止部材71e(本体部716)と第2棒状部材71bとの間に差し込むことによって、繋ぎ材70が屈曲した状態を維持してもよい。
【0101】
作業床12が収納された作業足場10を作業現場で使用する場合には、まず、第1床部20および第2床部22を旋回させて、作業床12を図23(a)に示す状態とする。その後、支柱40a,42aと支柱44a,46aとの長辺方向の距離を大きくして、図4に示すように、支柱40a,42a,44a,46aを作業床12の角部12a~12dに取り付ける。
【0102】
また、作業足場10を使用する場合には、図5に示すように、支柱40aと支柱42aとを繋ぎ材72で接続する。同様に、支柱44aと支柱46aとを繋ぎ材72で接続する。これにより、支柱40a,44aと支柱42a,46aとの短辺方向の距離を固定することができる。
【0103】
なお、本実施形態では、図25に示すように、作業足場10を折り畳む際には、連結軸50と連結軸52との短辺方向の距離が大きくなる。これにより、ガイド部材64に対して、第1接続部材60および第2接続部材62が短辺方向の外側に向かって移動する。一方、折り畳まれた作業足場10を再度広げる際には、図12に示すように、連結軸50と連結軸52との距離が小さくなる。これにより、ガイド部材64に対して、第1接続部材60および第2接続部材62が短辺方向の内側に向かって移動する。
【0104】
ここで、本実施形態では、ガイド部材64に対する第1接続部材60および第2接続部材62の移動範囲は、貫通孔60c,62cおよび係止部材66a,66bによって所定の範囲に規制されている。具体的には、図25に示すように、係止部材66a,66bが、短辺方向において貫通孔60c,62cの内縁に接触することによって、第1接続部材60および第2接続部材62がガイド部材64に対して短辺方向の外側に移動することが規制される。一方、図12に示すように、係止部材66a,66bが、短辺方向において貫通孔60c,62cの外縁に接触することによって、第1接続部材60および第2接続部材62がガイド部材64に対して短辺方向の内側に移動することが規制される。
【0105】
本実施形態では、係止部材66a,66bが短辺方向における貫通孔60c,62cの外縁に接触しているときに、連結軸50と連結軸52との中央部に支持機構18が位置し、かつ係止部材66a,66bが短辺方向における貫通孔60c,62cの内縁に接触しているときに、連結軸50と連結軸52との中央部に支持機構18が位置するように、貫通孔60c,62cの長さおよび位置ならびに係止部材66a,66bの位置が調整されている。これにより、作業足場10を折り畳む際および広げる際に、支持機構18を短辺方向において作業足場10の中央部に位置付けることができる。その結果、作業床12を適切な位置に円滑に位置付けることができる。
【0106】
(繋ぎ材の変形例)
図26は、繋ぎ材70の他の例を示す図である。図26に示す繋ぎ材70が上述の繋ぎ材70と異なるのは、第1棒状部材71a(図16参照)の代わりに第1棒状部材73aを備え、第2棒状部材71b(図16参照)の代わりに第2棒状部材73bを備え、係止部材71e(図16参照)および規制部材71f(図16参照)の代わりに係止部材73eを備えている点である。
【0107】
詳細は後述するが、第1棒状部材73aが第1棒状部材71a(図16参照)と異なるのは、係止部材73e側の端部の構造である。第2棒状部材73bは、円筒状の本体部731と、板状の連結部材732を備えている。係止部材73eは、上述の係止部材71eの本体部716と同様に、断面逆U字形状を有している。
【0108】
図27は、第1棒状部材73aおよび第2棒状部材73bを示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図である。なお、第1棒状部材73aの第1連結部材71c(図26参照)側の端部は、第1棒状部材71a(図16参照)の第1連結部材71c側の端部と同様の構成を有し、本体部731の第2連結部材71d(図26参照)側の端部は、第2棒状部材71b(図16参照)の第2連結部材71d側の端部と同様の構成を有している。したがって、図27では、第1棒状部材73aの第1連結部材71c側の端部および本体部731の第2連結部材71d側の端部の図示は省略している。
【0109】
図27に示すように、第1棒状部材73aにおいて係止部材73e(図26参照)側の端部には、切欠部720が形成されている。切欠部720は、第1棒状部材73aの下部に形成されている。第2棒状部材73bにおいて、本体部731の係止部材73e(図26参照)の端部に、連結部材732が固定されている。図26および図27を参照して、本実施形態では、第2棒状部材73bの連結部材732が第1棒状部材73aの切欠部720に嵌め込まれている。その状態で、図26に示すように、連結部材732が軸部材810を介して第1棒状部材73aおよび係止部材73eに連結されている。
【0110】
本実施形態では、第1棒状部材73aは、係止部材73eに固定されている。また、連結部材732は、第1棒状部材73aおよび係止部材73eに対して、軸部材810の周方向に回動可能に設けられている。これにより、図28に示すように、繋ぎ材70の長辺方向における中心部が上方に向かって屈曲することができる。なお、本実施形態では、図26に示すように、本体部731が下方から係止部材73eに接触することによって、繋ぎ材70の長辺方向における中心部が下方に向かって屈曲することを防止することができる。なお、図示は省略するが、本実施形態においても、繋ぎ材70が屈曲した状態を維持するための規制部材を設けることが好ましい。
【0111】
図29は、第1連結部材71cの他の例を示す図であり、(a)は正面図、(b)は右側面図である。図29に示す第1連結部材71cが、上述の第1連結部材71c(図16参照)と異なるのは、板状の支持部材710の代わりに、断面U字形状の支持部材740を備えている点である。本実施形態では、図30に示すように、第1棒状部材71aは、支持部材740に嵌め込まれた状態で、軸部材800を介して支持部材740に連結されている。これにより、第1棒状部材71aは、軸部材800の周方向に揺動可能に支持部材740に支持されている。なお、本実施形態では、第1棒状部材71aの支持部材740側の端部は、斜め下方を向く斜面750を有するように斜切りされている。これにより、棒状部材71aが支持部材740に対して上方に回転する際に、第1棒状部材71aが支持部材740の底面に接触することを避けることができる。その結果、繋ぎ材を円滑に屈曲させることができる。また、本実施形態では、第1棒状部材71aが上方から支持部材740の底面に接触することによって、第1棒状部材71aが支持部材740に対して下方に回動することを規制することができる。これにより、繋ぎ材が下方に向かって屈曲することを防止することができる。なお、詳細な説明は省略するが、第2連結部材71dも、図29の第1連結部材71cと同様に構成されてもよい。この場合、第2棒状部材71bの第2連結部材71d側の端部は、上述の斜面750と同様の斜面を有するように斜切りされることが好ましい。
【0112】
(他の実施形態)
上述の実施形態では、第1伸縮部48aおよび第2伸縮部48bがそれぞれ、X字状に交差する複数対の横材を有する場合について説明したが、第1伸縮部および第2伸縮部はそれぞれ、X字状に交差した少なくとも一対の横材を備えていればよい。したがって、各伸縮部がX字状に交差した一対の横材によって構成されていてもよい。具体的には、上述の作業足場10において、例えば、横材40c,40d,42c,46c,44c,46dが設けられていなくてもよく、横材40b,40d,42c,46b,44c,46dが設けられていなくてもよく、縦材40e,40f,42d,44d,46e,46fが設けられていなくてもよく、斜材42e,44eが設けられていなくてもよい。また、各伸縮部が3つ以上の横材によって構成される場合には、そのうちの少なくとも2つの横材が、上方から見てX字状に交差しかつ互いに対して水平方向に回動可能に連結されていればよい。したがって、各伸縮部が3つ以上の横材によって構成される場合には、上述の横材40b,40cと横材42bとの関係のように、2つの横材と他の1つの横材とが、上方から見てX字状に交差しかつ互いに対して水平方向に回動可能に連結されていてもよい。
【0113】
図31に示すように、接続部16において、第1接続部材60および第2接続部材62に対して、互いの距離が近づく方向に力を付与する弾性部材74をさらに設けてもよい。この場合、作業足場10を広げる際に、連結軸50と連結軸52との距離を容易に小さくすることができる。すなわち、第1伸縮部48aおよび第2伸縮部48bの長辺方向の寸法を容易に大きくすることができる。その結果、作業足場10を容易に広げることができる。
【0114】
図11および図12に示したように、上述の実施形態では、支持体40の回動部41d,41gと支持体44の回動部45dとが共通の連結軸50によって連結され、支持体42の回動部43dと支持体46の回動部47d,47gが共通の連結軸52によって連結される場合について説明したが、支持ユニット14aと支持ユニット14bとの連結方法は上述の例に限定されない。例えば、図32に示すように、支持ユニット14aと支持ユニット14bとが、複数の連結材90と、各連結材90の両端部に設けられた複数の連結軸92とを介して互いに連結されてもよい。
【0115】
上述の実施形態では、貫通孔60c,62cおよび係止部材66a,66bによって、ガイド部材64に対する第1接続部材60および第2接続部材62の移動を規制する第1および第2規制機構を構成する場合について説明したが、第1および第2規制機構は上述の例に限定されず、公知の種々の構成を利用することができる。例えば、図33に示すように、第1規制機構を構成してもよい。以下、図33に示す構成について簡単に説明する。
【0116】
なお、図33において(a)は、第1接続部材60の第2筒状部60bおよびガイド部材64を示す図であり、(b)は、(a)のb-b部分を示す概略図であり、(c)は、(a)のc-c部分を示す概略図である。
【0117】
図33に示す例では、第1接続部材60の第2筒状部60bに、内側に向かって突出するように一対の係止部材76a,76bが取り付けられている。ガイド部材64の上部は、係止部材76aを避けるように、下方に向かって凹んだ形状を有している。ガイド部材64の端部に、略L字状の係止部材78が固定されている。本実施形態では、係止部材76a,76bが係止部材78に係止されることによって、ガイド部材64に対する第1接続部材60の移動が規制される。すなわち、本実施形態では、係止部材76a,76b,78が第1規制機構として機能している。詳細な説明は省略するが、第2規制機構も同様に構成することができる。
【0118】
また、図34に示すように、支柱40aと支柱42aとが、伸縮可能な複数の繋ぎ材94によって接続されていてもよい。なお、図34において、(a)は、使用時の作業足場の左側面図であり、(b)は、折り畳み時の作業足場の左側面図である。図34においては、図面が煩雑になることを避けるために、作業足場10の構成要素の大部分を省略している。
【0119】
図34に示すように、繋ぎ材94は、柱状または筒状の内側部材94aと、筒状の外側部材94bとを備えている。内側部材94aの一端は支柱40aに固定され、外側部材94bの一端は支柱42aに固定されている。内側部材94aは、外側部材94bの軸方向に摺動可能に外側部材94bに挿入されている。本実施形態では、支柱40aの第1部材41aと支柱42aの第1部材43aとを接続するように一の繋ぎ材94が設けられ、支柱40aの第2部材41bと支柱42aの第2部材43bとを接続するように他の繋ぎ材94が設けられている。図示は省略するが、支柱44a(図11参照)と支柱46a(図11参照)との間にも同様に、一対の繋ぎ材94が設けられている。本実施形態では、図34(a)に示すように、作業足場10の使用時には繋ぎ材94の全長を短くでき、図34(b)に示すように、作業足場10を折り畳んだ際には繋ぎ材94の全長を長くできる。これにより、作業足場10を広げる際および折り畳む際に、繋ぎ材94の取り付けおよび取り外し作業が不要になるので、作業効率が向上する。
【0120】
なお、図5に示した作業足場10では、支柱40aと支柱42aとの間、および支柱44aと支柱46aとの間にそれぞれ、1本の繋ぎ材72が設けられているが、図34に示した作業足場10と同様に、支柱40aと支柱42aとの間、および支柱44aと支柱46aとの間にそれぞれ複数の繋ぎ材72を設けてもよい。
【0121】
図11に示した作業足場10において、支柱40a,42aの下部と第1伸縮部48aとを接続するように一対の斜材(図示せず)を設け、支柱44a,46aの下部と第2伸縮部48bとを接続するように一対の斜材(図示せず)を設けてもよい。この場合、例えば、図35に示すように、支持体40において、第1部材41aと縦材40fとを接続するように斜材96を設け、図36に示すように、支持体44において、第1部材45aと横材44cとを接続するように斜材98を設ける。斜材96の先端部には、後述する保持部材97から斜材96が抜け落ちることを防止するための抜け止め96aが設けられている。同様に、斜材98の先端部には、後述する保持部材99から斜材98が抜け落ちることを防止するための抜け止め98aが設けられている。抜け止め96a,98aとしては、例えば、リベットまたはボルト等を用いることができる。また、図示は省略するが、支持体44における斜材98と同様に、支持体42(図8参照)において、第1部材43aと横材42cとを接続するように斜材を設け、支持体40における斜材96と同様に、支持体46(図10参照)において、第1部材47aと縦材46fとを接続するように斜材を設ける。なお、図35において(a)は、第2部材41bを最も低い位置において第1部材41aに固定した状態を示し、(b)は、第2部材41bを最も高い位置で第1部材41aに固定した状態を示す。同様に、図36において(a)は、第2部材45bを最も低い位置で第1部材45aに固定した状態を示し、(b)は、第2部材45bを最も高い位置で第1部材45aに固定した状態を示す。
【0122】
上記のように、第1部材41a,43aと第1伸縮部48aとを接続するように一対の斜材を設け、第1部材45a,47aと第2伸縮部48bとを接続するように一対の斜材を設けることによって、作業足場10が長辺方向に揺れることを十分に防止できる。
【0123】
なお、図35に示すように、支持体40において、第1部材41aは、斜材96が上下方向に揺動できるように斜材96の一端部を支持し、第1伸縮部48a(本実施形態では、縦材40f)は、斜材96が第1伸縮部48a(図11参照)に対して斜材96の軸方向に進退できるように斜材96を支持している。また、縦材40fは、揺動可能に縦材40fに支持された筒状の保持部材97を介して斜材96を支持している。このような構成により、第1伸縮部48aに対して斜材96を円滑に進退させることができ、支持体40の高さを円滑に調整することができる。
【0124】
図36に示すように、支持体44において、第1部材45aは、斜材98が上下方向に揺動できるように斜材98の一端部を支持し、第2伸縮部48b(本実施形態では、横材44c)は、斜材98が第2伸縮部48b(図11参照)に対して斜材98の軸方向に進退できるように斜材98を支持している。また、横材44cは、揺動可能に横材44cに支持された筒状の保持部材99を介して斜材98を支持している。このような構成により、第2伸縮部48bに対して斜材98を円滑に進退させることができ、支持体44の高さを円滑に調整することができる。
【0125】
図示は省略するが、支持体40における斜材96と同様に、支持体46(図10参照)において斜材は、上下方向に揺動できるように第1部材47aに支持され、かつ第2伸縮部48b(図11参照)に対して軸方向に進退できるように第2伸縮部48b(本実施形態では、縦材46f)に支持される。また、支持体44における斜材98と同様に、支持体42(図8参照)において斜材は、上下方向に揺動できるように第1部材43aに支持され、かつ第1伸縮部48a(図11参照)に対して軸方向に進退できるように第1伸縮部48a(本実施形態では、横材42c)に支持される。
【0126】
なお、上記の例では、支持体40において縦材40fに斜材96を接続し、支持体42において横材42cに斜材(図示せず)を接続する場合について説明したが、第1伸縮部48aにおいて第1斜材が接続される部分は上記の例に限定されない。具体的には、支持体40の構成要素のうち、第1伸縮部48aを構成する他の構成要素(例えば、横材40c,40d等)に第1斜材を接続してもよく、支持体42において、第1伸縮部48aを構成する他の構成要素(例えば、縦材42d、斜材42e等)に第1斜材を接続してもよい。
【0127】
また、上記の例では、支持体44において横材44cに斜材98を接続し、支持体46において縦材46fに斜材(図示せず)を接続する場合について説明したが、第2伸縮部48bにおいて第2斜材が接続される部分は上記の例に限定されない。具体的には、支持体44の構成要素のうち、第2伸縮部48bを構成する他の構成要素(例えば、縦材44d、斜材44e等)に第2斜材を接続してもよく、支持体46において、第2伸縮部48bを構成する他の構成要素(横材46c,46d等)に第2斜材を接続してもよい。
【0128】
図37に示すように、支柱40aと支柱42aとの間に伸縮可能な斜材200を設けてもよい。なお、図37において(a)は、作業足場10の高さを低くした状態を示し、(b)は、作業足場10の高さを高くした状態を示す。図37においては、図面が煩雑になることを避けるために、作業足場10の構成要素の大部分を省略している。
【0129】
図37に示すように、斜材200は、支柱40aと支柱42aとの間において、短辺方向に延びるように設けられている。本実施形態では、斜材200は、柱状または筒状の内側部材200aと、筒状の外側部材200bとを備えている。内側部材200aは、外側部材200bの軸方向に摺動可能に外側部材200bに挿入されている。斜材200の一端部(本実施形態では、内側部材200aの一端部)は、第2部材41bと第2部材43bとを接続する繋ぎ材94を介して、第2部材41b,43bに支持されている。斜材200の他端部(本実施形態では、外側部材200bの一端部)は、第1部材41aと第1部材43aとを接続する繋ぎ材94を介して、第1部材41a,43aに支持されている。図示は省略するが、本実施形態では、支柱44a(図11参照)と支柱46a(図11参照)との間にも同様に、短辺方向に延びるように斜材200が設けられている。
【0130】
上記のように、支柱40aと支柱42aとの間および支柱44aと支柱46aとの間にそれぞれ斜材200を設けることによって、作業足場10が短辺方向に揺れることを十分に防止できる。
【0131】
なお、本実施形態では、斜材200の一端部は、上下方向に揺動できるように繋ぎ材94に支持されている。同様に、斜材200の他端部は、上下方向に揺動できるように繋ぎ材94に支持されている。このような構成により、作業足場10の高さを低くする場合には斜材200の全長を円滑に短くでき、作業足場10の高さを高くする場合には、斜材200の全長を円滑に長くできる。これにより、作業足場10の高さを円滑に調整することができる。
【0132】
なお、支柱40aと支柱42aとの間の斜材200については、一端部(上端部)が支柱40a,42aのうちの少なくとも一方の第2部材に上下方向に揺動可能に支持され、他端部(下端部)が支柱40a,42aのうちの少なくとも他方の第1部材に上下方向に揺動可能に支持されていればよい。したがって、例えば、斜材200の一端部(上端部)が第2部材43bに直接支持され、斜材200の他端部(下端部)が第1部材41aに直接支持されてもよい。また、斜材200の一端部が第2部材41bに直接支持され、斜材200の他端部が第1部材43aに直接支持されてもよい。詳細な説明は省略するが、支柱44aと支柱46aとの間の斜材200についても同様に、一端部(上端部)が支柱44a,46aのうちの少なくとも一方の第2部材に上下方向に揺動可能に支持され、他端部(下端部)が支柱44a,46aのうちの少なくとも他方の第1部材に上下方向に揺動可能に支持されていればよい。
【産業上の利用可能性】
【0133】
本発明によれば、円滑に折り畳むことができかつ長辺方向の寸法を小さくできる作業足場が得られる。
【符号の説明】
【0134】
10 作業足場
12 作業床
14a,14b 支持ユニット
16 接続部
18 支持機構
20 第1床部
20a 枠体
20b 繋ぎ材
22 第2床部
22a 枠体
22b 繋ぎ材
30、32、34、36 連結軸
40、42、44、46 支持体
40a、42a、44a、46a 支柱
40g、42f、44f、46g キャスター
40b、40c、40d、42b、42c、44b、44c、46b、46c,46d 横材
41d、41g、41j、43d、43g、45d、45g、47d、47g、47j 回動部
48a 第1伸縮部
48b 第2伸縮部
50,52,54 連結軸
60 第1接続部材
60a 第1筒状部
60b 第2筒状部
60c 貫通孔
62 第2接続部材
62a 第1筒状部
62b 第2筒状部
62c 貫通孔
64 ガイド部材
66a、66b 係止部材
68a、68b 縦材
70,72 繋ぎ材
74 弾性部材
76a、76b、78 係止部材
80 固定支持部
81a、81b 貫通孔
82a 第1回動支持部
82b 第2回動支持部
83a、83b 貫通孔
84a、84b 連結軸
90 連結材
92 連結軸
94 繋ぎ材
96,98,200 斜材

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37