(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-14
(45)【発行日】2025-01-22
(54)【発明の名称】側方送達可能な経カテーテル人工弁ならびにそれらを送達及び固定するための方法
(51)【国際特許分類】
A61F 2/24 20060101AFI20250115BHJP
【FI】
A61F2/24
(21)【出願番号】P 2022513172
(86)(22)【出願日】2020-08-06
(86)【国際出願番号】 US2020045195
(87)【国際公開番号】W WO2021040996
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2023-08-03
(32)【優先日】2019-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】PCT/US2019/067010
(32)【優先日】2019-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】PCT/US2020/015231
(32)【優先日】2020-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】PCT/US2020/031390
(32)【優先日】2020-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521115063
【氏名又は名称】ブイダイン,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】クリスチャンソン,マーク
(72)【発明者】
【氏名】ヴィドルンド,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】サイクリシュナン,ニーラカンタン
(72)【発明者】
【氏名】クラーマー,スコット
(72)【発明者】
【氏名】ペリン,チャド
(72)【発明者】
【氏名】ハーダー,ルーカス
【審査官】寺澤 忠司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/131978(WO,A1)
【文献】米国特許第10321995(US,B1)
【文献】国際公開第2018/136726(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
側方送達可能な人工心臓弁であって、前記人工弁が、
弁輪上領域、弁輪下領域、及びそれらの間に結合された経弁輪領域を有する外側フレームと、
前記外側フレームに取り付けられたフロー制御コンポーネントであって、前記フロー制御コンポーネントの少なくとも一部が前記経弁輪領域に配置されるようにされ、前記人工弁が送達カテーテルを介した側方送達のための送達構成を有し、前記人工弁が前記送達カテーテルから解放されるときに拡張可能である、前記フロー制御コンポーネントと、
を含み、
前記外側フレームの前記弁輪上領域が、送達システムの一部に取り外し可能に係合するように構成されたスプラインを形成し、前記スプラインが、前記送達システムの前記一部に含まれるアクチュエータを受け入れるように構成されたウェイポイントを画定し、
前記外側フレームの前記弁輪下領域が、
遠位固定要素及び近位固定要素を形成し、前記近位固定要素が、前記アクチュエータに取り外し可能に係合し、前記アクチュエータの作動に応答して、第1の位置と第2の位置との間で移動するように構成され、
前記弁輪下領域が、前記人工弁が自己心臓弁の弁輪に着座すると第1の構成
に配置され、前記人工弁が前記自己心臓弁の前記弁輪に着座した後、第2の構成に移行
するように構成され、
前記近位固定要素を前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動させると、前記弁輪下領域が前記第1の構成と前記第2の構成との間で移行する、前記人工弁。
【請求項2】
前記第1の構成における前記弁輪下領域の周囲長が、前記第2の構成における前記弁輪下領域の周囲長よりも小さい、請求項1に記載の人工弁。
【請求項3】
前記近位固定要素が前記第1の位置にあるときの前記弁輪下領域の周囲長が、前記近位固定要素が前記第2の位置にあるときの前記弁輪下領域の周囲長よりも小さい、請求項
1に記載の人工弁。
【請求項4】
前記近位固定要素が、それぞれ、前記第1の構成、前記第2の構成、及び第3の構成の間で前記弁輪下領域を移行させるために、前記第1の位置、前記第2の位置、及び第3の位置の間で移動可能であり、前記人工弁が前記送達構成にあるとき、前記弁輪下領域が前記第3の構成にある、請求項
1に記載の人工弁。
【請求項5】
前記アクチュエータの前記作動により、前記近位固定要素が前記第1の位置と、前記第2の位置と、(i)前記経弁輪領域の前壁の近位部分と、(ii)前記スプラインに対する前記経弁輪領域の後壁の近位部分との間で移動する、請求項
1に記載の人工弁。
【請求項6】
前記前壁の前記近位部分及び前記後壁の前記近位部分が、前記アクチュエータの前記作動に応答して、前記人工弁の長手方向軸に近づいたり遠ざかったりする、請求項
5に記載の人工弁。
【請求項7】
前記弁輪上領域の近位側と前記第2の位置にある前記近位固定要素との間の距離が、前記弁輪の近位側の弁輪組織の厚さよりも小さい、請求項
1に記載の人工弁。
【請求項8】
前記弁輪下領域は、前記弁輪下領域が前記第2の構成にあるときに、前記弁輪の近位側の自己組織との係合を可能にする少なくとも1つの突起を有する近位固定要素を形成する、請求項1に記載の人工弁。
【請求項9】
前記人工弁が、第1の軸に沿って圧縮可能であり、前記第1の軸に直交する第2の軸に沿って折り畳み可能であり、前記人工弁が前記送達カテーテル内にあるときに前記送達カテーテルの管腔を通って延びる軸に対して前記第1の軸及び前記第2の軸が直交する前記送達構成に前記人工弁を配置する、請求項1に記載の人工弁。
【請求項10】
前記経弁輪領域が前記弁輪上領域を前記弁輪下領域に結合し、前記経弁輪領域が、前記第1の軸の方向に配向された複数のセルを形成するワイヤフレームを含む、請求項9に記載の人工弁。
【請求項11】
前記経弁輪領域の前記ワイヤフレームが、第1の半切れ及び前記第1の半切れに結合した第2の半切れを有し、それらの間に近位ヒンジ及び遠位ヒンジを形成し、前記第1の軸及び前記第2の軸が前記近位ヒンジ及び前記遠位ヒンジを通って延びる第3の軸に直交する、請求項
10に記載の人工弁。
【請求項12】
前記経弁輪領域が前記弁輪上領域を前記弁輪下領域に結合し、前記経弁輪領域が、前記第1の軸の方向に配向された複数のセルを形成するワイヤフレームを含み、
前記ワイヤフレームが、第1の半切れ及び前記第1の半切れに結合した第2の半切れを有し、それらの間に近位ヒンジ及び遠位ヒンジを形成し、前記人工弁が送達カテーテル内にあるときに前記送達カテーテルの前記管腔の前記軸が前記近位ヒンジ及び前記遠位ヒンジを通って延びる、請求項
9に記載の人工弁。
【請求項13】
前記経弁輪領域の前記ワイヤフレームの近位部分がノッチを画定する、請求項
12に記載の人工弁。
【請求項14】
前記近位ヒンジが1つのヒンジ点を含み、前記遠位ヒンジが2つのヒンジ点を含む、請求項
13に記載の人工弁。
【請求項15】
前記弁輪下領域が近位固定要素を形成し、前記近位固定要素は、前記第1の構成と前記第2の構成との間で前記弁輪下領域を移行するように移動可能であり、前記ノッチが、前記人工弁の近位側の可撓性を増大させて、前記近位固定要素が前記経弁輪領域の前記ワイヤフレームに対して移動できるようにする、請求項
13に記載の人工弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年8月26日に出願された「Methods and Apparatus for Temporary Compression of a Proximal Sidewall for Side-Delivered Transcatheter Heart Valve Prosthesis」と題された米国仮特許出願第62/891,956号、2019年9月25日に出願された「Methods and Apparatus for Temporary Compression of a Proximal Sidewall for Side-Delivered Transcatheter Heart Valve Prosthesis」と題された米国仮特許出願第62/905,932号、2020年4月22日に出願された「Subannular Proximal Tab Projections for Side-Deliverable Transcatheter Prosthetic Valves」と題された米国仮特許出願第63/014,059号、2020年4月27日に出願された「Freewall Support Flare and Posterio-Septal Commissure Flare as Subannular Anchor Elements for Side-Deliverable Transcatheter Prosthetic Valves」と題された米国仮特許出願第63/016,269号、及び/または2020年5月19日に出願された「ide-Deliverable Transcatheter Prosthetic Valves and Method for Delivering and Anchoring the Same」と題された米国仮特許出願第63/027,345号の優先権と権益を主張し、そのそれぞれの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願はまた、2019年12月18日に出願された「Transcatheter Deliverable Prosthetic Heart Valves and Methods of Delivery」と題された国際特許出願番号PCT/US2019/067010の優先権を主張し、その継続出願であり、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0003】
本出願はまた、2020年1月27日に出願された「Collapsible Inner Flow Control Component for Side-Deliverable Transcatheter Heart Valve Prosthesis」と題された国際特許出願番号PCT/US2020/015231の優先権を主張し、その継続出願であり、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0004】
本出願はまた、2020年5月4日に出願された「Cinch Device and Method for Deployment of a Side-Delivered Prosthetic Heart Valve in a Native Annulus」と題された国際特許出願番号PCT/US2020/031390の優先権を主張し、その継続出願であり、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0005】
本明細書に記載される実施形態は、概して、経カテーテル人工弁に関し、より具体的には、自己弁の弁輪内に人工弁を固定するための1つ以上の固定要素を有する側方送達可能な経カテーテル人工弁、及びそれらを送達するための方法に関する。
【0006】
人工心臓弁は、心臓内での送達及び展開に課題を提示し得、特に、外科的アプローチを介するのではなく、患者の血管系を介したカテーテルによる送達に課題を提示し得る。従来の経カテーテル人工弁の送達は、一般に、弁を半径方向に圧縮することと、弁の中央弁輪軸が送達カテーテルの長手方向軸に対して平行であるように、弁を送達カテーテル内に装填することと、を含む。弁は、送達カテーテルの端部から展開され、中央弁輪軸から半径方向に外側に拡張される。しかしながら、従来の弁の拡張サイズ(例えば、直径)は、送達カテーテルの内径によって制限され得る。送達カテーテルのサイズを最小限に抑えるという競合する関心は、従来の弁の拡張される直径を増加させることに課題をもたらす(例えば、過剰な材料及び構造をあまりにも少ない空間に圧縮しようとする)。さらに、展開中の、従来の弁の配向は、弁を自己弁輪に整列させようとするときに、追加の課題が生じ得る。
【0007】
いくつかの経カテーテル人工弁は、従来の弁と比較して増加する拡張直径を有し得る側方送達及び/または直交送達のために構成され得る。例えば、側方及び/または直交送達において、弁は圧縮され、送達カテーテル内に装填され、このため、弁の中央弁輪軸が、送達カテーテルの長手方向軸に対して実質的に直交し、これにより、弁が横方向に圧縮され、かつ長手方向に(例えば、送達カテーテルの長手方向軸に対して平行な方向に)拡張されるのを可能にすることができる。いくつかのそのような実装形態では、(i)送達中に受ける横方向の圧縮及び/または長手方向の延びに対応し、かつ(ii)内部に収容される人工弁リーフレットの最適な機能を可能にする実質的に円筒形の形状を有する、内部フロー制御コンポーネントを提供しながら、自己弁の弁輪(例えば、ヒト心臓の僧帽弁及び/または三尖弁)のサイズ及び/または形状に対応するサイズ及び/または形状を有する外側部分または弁フレームを提供することがさらに望ましい。従来の、及び/または直交送達される経カテーテル人工弁を用いて、弁の圧縮サイズを実質的に増大させることなく、自己弁輪内に弁を固定する1つ以上の方法を提供することもまた望ましい。
【0008】
したがって、自己弁の弁輪内に人工弁を固定するための1つ以上の固定要素を有する側方送達可能な経カテーテル人工弁、及びそのような人工弁を送達する方法が必要である。
【発明の概要】
【0009】
本明細書に記載される実施形態は、自己弁の弁輪内に人工弁を固定するための1つ以上の固定要素を有する側方送達可能な経カテーテル人工弁、及びそれらを送達するための方法に関する。いくつかの実施形態では、側方送達可能な人工心臓弁は、弁輪上領域、弁輪下領域、及びそれらの間に結合された経弁輪領域を有する外側フレームを含む。フロー制御コンポーネントは、フロー制御コンポーネントの少なくとも一部が経弁輪領域に配置されるように、外側フレームに取り付けられている。人工弁は、送達カテーテルを介した人工弁の側方送達のための送達構成を有し、人工弁が送達カテーテルから解放されるときに拡張可能である。外側フレームの弁輪下領域は、人工弁が自己心臓弁の弁輪に着座すると第1の構成で使い捨て可能であり、人工弁が自己心臓弁の弁輪に着座した後、第2の構成に移行可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】一実施形態による側方送達経カテーテル人工心臓弁(本明細書では、「人工弁」とも呼ばれる)の正面概略図であり、拡張構成で示される。
【
図1B】一実施形態による側方送達経カテーテル人工心臓弁(本明細書では、「人工弁」とも呼ばれる)の正面概略図であり、圧縮構成で示される。
【
図1C】Aの人工弁の上面概略図であり、拡張構成で示される。
【
図1D】Bの人工弁の上面概略図であり、圧縮構成で示される。
【
図1E】自己心臓弁の弁輪内に展開されたA~Dの人工弁の概略図である。
【
図2A】一実施形態による、第1の構成における人工弁の側面図の概略図である。
【
図2B】一実施形態による、第2の構成における人工弁の側面図の概略図である。
【
図2C】Aの人工弁の底面図の概略図及び側面図であり、第2の構成で示されている。
【
図2D】Bの人工弁の底面図の概略図及び側面図であり、第3の構成で示されている。
【
図3】A~Cは、一実施形態による、側方送達された経カテーテル人工心臓弁の外側フレームの概略図であり、それぞれ送達構成、着座構成、及び展開構成で示されている。
【
図5】
図4に示される人工弁の外側支持フレームの弁輪上領域を示す様々な図である。
【
図6】
図4に示される人工弁の外側支持フレームの弁輪上領域を示す様々な図である。
【
図7】
図4に示される人工弁の外側支持フレームの経弁輪領域を示す様々な図である。
【
図8】
図4に示される人工弁の外側支持フレームの経弁輪領域を示す様々な図である。
【
図9】
図4に示される人工弁の外側支持フレームの経弁輪領域を示す様々な図である。
【
図10】
図4に示される人工弁の外側支持フレームの経弁輪領域を示す様々な図である。
【
図11】
図4に示される人工弁の外側支持フレームの経弁輪領域を示す様々な図である。
【
図12】
図4に示される人工弁の外側支持フレームの弁輪下領域を示す様々な図である。
【
図13】
図4に示される人工弁の外側支持フレームの弁輪下領域を示す様々な図である。
【
図14】
図4に示される人工弁内に収容されるフロー制御コンポーネントの内側フレームの上面斜視図の例示である。
【
図15】
図14の内側フレームの様々な図について例示し、部分的折り畳み構成で示される。
【
図16】
図14の内側フレームの様々な図について例示し、折り畳み構成で示される。
【
図17】
図14の内側フレームの様々な図について例示し、折り畳み及び圧縮構成で示される。
【
図18】
図14の内側フレームの側面図であり、円筒形構成に形成される前の線形ワイヤフレームシートとして示されている。
【
図19】
図14の内側フレームの側面斜視図であり、円筒形構成で示されている。
【
図20】心膜組織の構造バンド内に縫い付けられ、線状構成で示されるリーフレットポケットを有する内部フロー制御コンポーネントのリーフレットバンドの側面図の例示である。
【
図21】心膜組織の構造バンド内に縫い付けられ、線状構成で示されるリーフレットポケットを有する内部フロー制御コンポーネントのリーフレットバンドの底面図の例示である。
【
図22】
図20のリーフレットバンドの側面斜視図の例示であり、
図19の内側フレームに結合するのに好適な円筒形構成で示される。
【
図23】構造バンド内に縫い付けられた単一のリーフレットポケットを示す、
図20のリーフレットバンドの一部分の側面斜視図の例示である。
【
図24】円筒形構成にある、
図20のリーフレットバンドの底面図の例示であり、部分的に閉鎖された流体シールを形成するための、リーフレットの部分接合を示す。
【
図25】一実施形態による人工弁の概略断面側面図である。
【
図27】
図25の人工弁の概略断面側面図であり、人工弁に取り付けられたアクチュエータ及び/または締め付けアセンブリで示されている。
【
図28】一実施形態による、伸長構成の近位弁輪下固定要素を備えた人工弁の側面斜視図の例示である。
【
図29】一実施形態による、収縮構成の近位弁輪下固定要素を備えた人工弁の側面斜視図の例示である。
【
図30】一実施形態による、伸長構成のアクチュエータ及び/または締め付けアセンブリに結合した近位弁輪下固定要素を備えた人工弁の底面斜視図の例示である。
【
図31】一実施形態による、収縮構成のアクチュエータ及び/または締め付けアセンブリに結合した近位弁輪下固定要素を備えた人工弁の底面斜視図の例示である。
【
図32】A~Eは、
図30の人工弁の底面斜視図であり、下部近位固定要素を拡張構成から収縮構成への移行の連続を示している。
【
図33】A~Cは、一実施形態による、アクチュエータなどに結合され、アクチュエータなどから切り離されている人工弁の近位固定要素の一部の側面斜視図である。
【
図34】一実施形態による、人工弁の近位端斜視図であり、近位固定要素に取り付けられた一組の突起を有するようことが示されている。
【
図35】一実施形態による、人工弁の近位端斜視図及び側面図であり、第1の構成または圧縮構成で近位固定要素とともに示され、それに一組の突起が取り付けられている。
【
図36】一実施形態による、人工弁の側面図であり、第1の構成または圧縮構成で近位固定要素とともに示され、それに一組の突起が取り付けられている。
【
図37】
図34の人工弁の側面図であり、弁輪の近位弁輪下側にある自己組織と係合するための第2の構成または拡張された構成の近位固定要素とともに示されている。
【
図38】A~Fは、それぞれ異なる実施形態による、少なくとも遠位固定要素及び近位固定要素を備えた人工弁用の下部ワイヤフレームループの例示である。
【
図39】一実施形態による、人工弁の外側支持フレームの弁輪下部材の上面図であり、それぞれが組織係合機能を含む遠位固定要素及び近位固定要素を備えたワイヤループ構成である。
【
図40】一実施形態による、人工弁の外側支持フレームの弁輪下部材の側面斜視図であり、それぞれが組織係合機能を含む遠位固定要素及び近位固定要素を備えたワイヤループ構成である。
【
図41】一実施形態による、外側支持フレームの一部の側面斜視図であり、組織係合機能を備える遠位固定要素と近位固定要素とを有し、経弁輪部材に結合している弁輪下部材を示す。
【
図42】A及びBは、それぞれ、一実施形態による、人工弁の外側支持フレームの弁輪下部材を形成するように構成されたレーザー切断されたワークピースの上面図及び側面図である。
【
図43】A及びBは、それぞれ、一実施形態による、人工弁の外側支持フレームの弁輪下部材を形成するように構成されたレーザー切断されたワークピースの上面図及び側面図である。
【
図44】外側支持ループ、内側支持ループ、及び外側支持ループと内側支持ループとの間に延びる中央スパインを有する外側支持フレームの弁輪上部材の側面斜視図であり、これは、外側支持フレームの経弁輪部材(例えば、円筒形側壁構成要素)の弁輪上部分に取り付けられており、自己組織と係合するためにそれに取り付けられたアイレットなどを備えた遠位固定要素と近位固定要素とを備えたワイヤループとして配置された外側支持フレームの弁輪下部材の上に示される。
【
図45】A及びBは、それぞれ、一実施形態による、外側支持フレームの弁輪上部材のためのレーザー切断設計ワークピースの上面図及び側面図である。
【
図46】A~Cは、一実施形態による、人工弁の側面概略図であり、弁を送達及び/または収縮システムの一部に引っ込める連続を示している。
【
図47】(a)~(i)は、一実施形態による、人工弁を送達及び/または収縮システムの一部に引っ込める連続を示す、弁の連続図の上面斜視図である。
【
図48】A~Cは、自由壁(左)及び中隔(右)側の弁輪下フレアが、自己弁輪を通して、及び/またはその中に着座させるために、拡張構成(A)から収縮構成(B)へと移行し、そして拡張構成(C)に実質的に戻って、弁が固定機構として弁輪下フレアを使用できるようにすることを示す連続図である。
【
図49】A及びBは、一実施形態による、人工弁の一部の上面図を示す連続図であり、アクチュエータに取り外し可能に結合され、内側に引き出されて、人工弁の少なくとも一部、及び/または外側支持フレームでの周囲または円周を縮小して自己弁輪における人工弁の展開を容易にする外側支持フレームの弁輪下部材を有する。
【
図50】A~Cは、一実施形態による、側方送達された経カテーテル人工心臓弁の底面斜視図であり、Dはその底側部斜視図であり、人工弁の1つ以上の部分を作動させて、自己弁輪における弁の展開を容易にするための弁輪下部材の周囲及び/または円周を縮小する連続を示す。
【
図51】一実施形態による、送達及び/または作動システムの少なくとも一部に取り外し可能に結合された人工弁の側面斜視図である。
【
図52】一実施形態による、送達及び/または作動システムの少なくとも一部に取り外し可能に結合された人工弁の上面図である。
【
図53】一実施形態による、送達及び/または作動システムの少なくとも一部に取り外し可能に結合された人工弁の底面斜視図である。
【
図54】Aは、一実施形態による、送達システム-弁取り付け点(例えば、ウェイポイント)を含む人工弁の一部のレーザー切断設計の例示である。Bは、Aの送達システム-弁取り付け点の一連の図であり、人工弁を送達システムの一部に取り外し可能に結合するための屈曲設計を有するウェイポイントを示している。Cは、Aの送達システム-弁取り付け点の一連の図であり、人工弁を送達システムの一部に取り外し可能に結合するための屈曲設計を有するウェイポイントを示している。Dは、Aの送達システム-弁取り付け点の一連の図であり、人工弁を送達システムの一部に取り外し可能に結合するための屈曲設計を有するウェイポイントを示している。
【
図55】A及びBは、一実施形態による、人工弁の送達弁取り付け点(例えば、ウェイポイント)の様々な図を示し、人工弁を送達システムの一部に取り外し可能に結合するためのヨーク設計を有することを示す。
【
図56】A~Cは、一実施形態による、人工弁の送達弁取り付け点(例えば、ウェイポイント)の様々な図を示し、人工弁を送達システムの一部に取り外し可能に結合するためのヒンジ付設計を有することを示す。
【
図57】一実施形態による、人工弁の底面斜視図であり、人工弁の近位固定要素を第1の構成と第2の構成との間で移行させるプロセスを示している。
【
図58】一実施形態による、人工弁の底面斜視図であり、人工弁の近位固定要素を第1の構成と第2の構成との間で移行させるプロセスを示している。
【
図59】一実施形態による、人工弁の底面斜視図であり、人工弁の近位固定要素を第1の構成と第2の構成との間で移行させるプロセスを示している。
【
図60】一実施形態による、人工弁の底面斜視図であり、人工弁の近位固定要素を第1の構成と第2の構成との間で移行させるプロセスを示している。
【
図61】一実施形態による、人工弁の底面斜視図であり、人工弁の近位固定要素を第1の構成と第2の構成との間で移行させるプロセスを示している。
【
図62】一実施形態による、人工弁の底面斜視図であり、人工弁の近位固定要素を第1の構成と第2の構成との間で移行させるプロセスを示している。
【
図63】一実施形態による、人工弁の底面斜視図であり、人工弁の近位固定要素を第1の構成と第2の構成との間で移行させるプロセスを示している。
【
図64】一実施形態による、人工弁の底面斜視図であり、人工弁の近位固定要素を第1の構成と第2の構成との間で移行させるプロセスを示している。
【
図65】一実施形態による、圧縮構成で近位固定要素を示し、近位固定要素から延びる一組のタブを有する人工弁の底面斜視図である。
【
図66】一実施形態による、人工弁の上面斜視図であり、湾曲構成を有する弁輪上部材を示している。
【
図67】一実施形態による、人工弁の側面斜視図であり、湾曲構成を有する弁輪上部材を示している。
【
図68】一実施形態による、人工弁の底面図であり、湾曲構成を有する弁輪上部材を示している。
【
図69】
図66~68の人工弁に含まれる弁輪上部材の斜視図である。
【
図70】一実施形態による、側方送達可能な経カテーテル人工心臓弁を展開する方法を例示するフローチャートである。
【
図71】一実施形態による、側方送達可能な経カテーテル人工心臓弁の少なくとも一部を製造する方法を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
開示される実施形態は、経カテーテル人工心臓弁及び/またはその構成要素、ならびに経カテーテル人工弁及び/またはその構成要素を製造、装填、送達、及び/または展開する方法を対象とする。いくつかの実施形態では、側方送達可能な人工心臓弁は、弁輪上領域、弁輪下領域、及びそれらの間に結合された経弁輪領域を有する外側フレームを含む。フロー制御コンポーネントは、フロー制御コンポーネントの少なくとも一部が経弁輪領域に配置されるように、外側フレームに取り付けられている。人工弁は、送達カテーテルを介した人工弁の側方送達のための送達構成を有し、人工弁が送達カテーテルから解放されるときに拡張可能である。外側フレームの弁輪下領域は、人工弁が自己心臓弁の弁輪に着座されると第1の構成で使い捨て可能であり、人工弁が自己心臓弁の弁輪に着座した後、第2の構成に移行可能である。
【0012】
いくつかの実施形態では、側方送達可能な人工心臓弁は、外側フレーム及びフロー制御コンポーネントを含む。外側フレームは、弁輪上部材、弁輪下部材、及びそれらの間に結合された経弁輪部材を有する。フロー制御コンポーネントは、内側フレーム、及びその内側フレームに配置された複数のリーフレットを含む。フロー制御コンポーネントは、フロー制御コンポーネントの一部が経弁輪部材に配置されるように、外側フレームに取り付けられている。
【0013】
いくつかの実施形態では、側方送達可能な人工心臓弁は、送達カテーテルを介した側方送達のための送達構成を有し、人工弁が送達カテーテルから解放されるときに拡張可能である。人工弁は、外側ループ、内側ループ、及び外側ループと内側ループに結合されたスプラインを形成する弁輪上部材を有する外側フレームと、内側フレームと内側フレーム内に取り付けられた複数のリーフレットを有するフロー制御コンポーネントとを含む。フロー制御コンポーネントは、弁輪上部材の内側ループに取り付けられている。スプラインは、内側ループを外側ループから吊り下げて、人工弁が自己心臓弁の弁輪に着座したときにフロー制御コンポーネントに伝達される応力の量を制限する。
【0014】
いくつかの実施形態では、側方送達可能な人工心臓弁は、送達システムの送達カテーテルを介した側方送達のために圧縮可能であり、送達カテーテルから解放されるときに拡張可能である。人工弁は、弁輪上部材、弁輪下部材、及び弁輪上部材を弁輪下部材に結合する経弁輪部材を有する外側フレームを含む。弁輪上部材は、外側ループ、内側ループ、及び外側ループと内側ループに結合されたスプラインを形成する。弁輪上部材は、送達システムに取り外し可能に結合可能である。内側フレームと内側フレーム内に取り付けられた複数のリーフレットを有するフロー制御コンポーネントは、フロー制御コンポーネントの一部が経弁輪部材に配置されるように、外側フレームに取り付けられている。
【0015】
いくつかの実施形態では、人工心臓弁の外側フレームは、弁輪上部材、弁輪下部材、及び経弁輪部材を含む。弁輪上部材は、外側ループ、内側ループ、及び内側ループを外側ループから少なくとも部分的に吊り下げるスプラインを形成する。外側ループは、遠位弁輪上固定要素と近位弁輪上固定要素を形成する。内側ループは、内側フレーム及び内側フレーム内に取り付けられた複数のリーフレットを有するフロー制御コンポーネントに結合可能である。弁輪下部材は、遠位弁輪下固定要素及び近位弁輪下固定要素を形成する。経弁輪部材は、弁輪上部材を弁輪下部材に結合する。
【0016】
本明細書に記載される人工心臓弁のいずれも、比較的小さいプロファイルであり、側方送達可能で、移植可能な人工心臓弁であり得る(本明細書では「人工弁」または単に「弁」とも呼ばれる)。この人工心臓弁のいずれも、送達カテーテルを介して心臓内に送達されるように構成された経カテーテル人工心臓弁であり得る。人工心臓弁は、少なくとも、弁輪外側弁フレームと、その弁フレームの中心管腔またはアパーチャ内に装着され、及び/またはそれを通じて伸長する内部フロー制御コンポーネント(例えば、2リーフレットまたは3リーフレット弁、スリーブなど)と、を有し得る。フロー制御コンポーネントは、弁の流入端を通る第1の方向における血流を可能にし、弁の流出端を通る第1の方向と反対の第2の方向における血流をブロックするように構成され得る。加えて、人工弁は、弁を自己弁の弁輪内に固定するように構成された単一の固定要素または複数の固定要素を含み得る。
【0017】
本明細書に記載の人工弁のいずれも、送達カテーテルを用いて身体内に導入するための圧縮構成または送達構成と、身体内の所望の場所に埋め込むための拡張構成または展開構成との間を移行するように構成され得る。例えば、本明細書に記載の実施形態のいずれも、バルーン膨張人工心臓弁、自己拡張人工心臓弁などであり得る。
【0018】
本明細書に記載される人工弁のいずれも、フロー制御コンポーネントの中心軸に対して長さ方向または直交方向(例えば、縦軸に沿って)に、圧縮構成または送達へと圧縮可能であり得、これにより、大直径の弁(例えば、約5~60mmの高さ及び約20~80mmの直径を有する)を、例えば、24~36Fr送達カテーテルを使用し、下大静脈から天然の僧帽弁または三尖弁の弁輪へと直接送達及び展開することを可能にし得る。縦軸は、送達カテーテルの長さ方向の円筒軸に実質的に平行にすることができ、これにより、従来の経カテーテル送達で一般的な鋭角のアプローチなしに、人工弁の展開を可能にすることができる。
【0019】
本明細書に記載される人工弁のいずれも、弁を通る血流方向に対して同軸方向か、または少なくとも実質的に平行である中心軸を有し得る。いくつかの実施形態において、弁の圧縮構成または送達構成は、血流方向に直交する。いくつかの実施形態において、弁の圧縮構成または送達構成は、血流方向に対して平行であるか、または整列されている。ある実施形態では、弁は、血流方向に対して直交し(例えば、横方向に)、かつ血流に対して平行である(例えば、軸方向に)2つの方向において圧縮構成または送達構成に圧縮され得る。いくつかの実施形態において、圧縮構成または送達構成、及び/または拡張構成または展開構成にあるときに、長軸または長手方向軸は、最初の方向に対して45~135度の交差角度で配向する。
【0020】
本明細書に記載される人工弁のいずれも、外側支持フレームを含むことができ、その外側支持フレームは、中心軸に対して実質的に直交する配向及びセル幾何形状を有する一組の圧縮可能なワイヤセルを含み、外側支持フレームが送達構成(例えば、圧縮構成、巻いた圧縮構成、または折り畳み圧縮構成)にあるときに、ワイヤセル歪みを最小限に抑え得る。
【0021】
本明細書に記載の外側支持フレームのいずれも、弁輪上領域、弁輪下領域、及びそれらの間に結合された経弁輪領域を有することができる。弁輪上領域は、例えば、外側支持フレームの上部カラー部分を形成することができ、天然組織、人工弁の内側フロー制御コンポーネント、及び/または送達メカニズム、作動メカニズム、及び/または回収メカニズムと係合するように構成された任意の数の特徴を含むことができる。弁輪下領域は、例えば、人工弁が自己弁輪に着座したときに弁輪下(心室)組織と係合するように構成された遠位固定要素及び近位固定要素を形成することができる。経弁輪領域は、弁輪上領域と弁輪下領域との間で結合することができる。経弁輪領域は、外側支持フレームが拡張構成にあるときに、漏斗、シリンダ、扁平円錐、または円形双曲面などの形状を形成し得る。いくつかの実施形態では、外側支持フレームは、ワイヤ、編組ワイヤ、またはレーザー切断ワイヤフレームから形成され、生体適合性材料で覆われている。この生体適合性材料は、内側表面が心膜組織で覆われ、外側表面が織物合成ポリエステル材料で覆われ、及び/または両方の内面が心膜組織で覆われ、外側表面が織物合成ポリエステル材料で覆われるように、外側支持フレームを被覆し得る。
【0022】
本明細書に記載の外側支持フレームのいずれも、外径Rが40~80mm、内径rが20~60mm、及び高さが5~60mmの円錐形の側面プロファイルを有することができる。いくつかの実施形態では、管状支持フレームは、上部直径R1が40~80mm、底部直径R2が50~70mm、内径rが20~60mm、及び高さが5~60mmの砂時計型の扁平な円錐形の側面プロファイルを有している。
【0023】
本明細書に記載される人工弁のいずれも、弁フレームの一部から延在するか、それに結合するか、及び/または、それ以外ではそれと一体の、1つ以上の固定要素を含み得る。例えば、人工弁のいずれも、遠位固定要素を含み得、その遠位固定要素は、例えば、右心室流出管(「RVOT」)タブ、左心室流出管(「LVOT」)タブ、及び/または、いずれかの他の適切なタブなどとして使用され得る。本明細書に記載される弁のいずれもまた、弁フレームの近位側から延在する固定要素も含み得、その固定要素を使用して、例えば、弁を心室の近位弁輪下組織に固定する。これらの固定要素は、管状フレームから約10~40mm離れて延在するワイヤループもしくはワイヤフレーム、一体化されたフレーム部分、及び/またはステントを含み得、及び/またはそれらで形成され得る。例えば、本明細書に記載の人工弁のいずれも、遠位及び近位の固定要素を形成するワイヤまたはレーザー切断された弁輪下領域または部材を有する弁フレームを含むことができる。
【0024】
本明細書に記載の人工弁のいずれも、(i)弁フレームの遠位上端から延在し、それに取り付けられ、及び/またはそれ以外ではそれと一体である、遠位上部(弁輪上)固定要素、ならびに(ii)弁フレームの近位上端から延在し、それに取り付けられ、及び/またはそれ以外ではそれと一体である、近位上部(弁輪上)固定要素を含み得る。遠位及び近位の上部固定要素は、弁フレームから約2~20mm離れて延びるワイヤループまたはワイヤフレームを含むか、またはそれらから形成することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の人工弁は、遠位及び近位の上部固定要素を形成するワイヤまたはレーザー切断された弁輪上領域もしくは部材を含むことができる。遠位及び近位の上部固定要素は、心房の弁輪上組織と接触及び/または隣接する弁輪上位置に配置されるように構成される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の人工弁は、近位及び遠位上部固定要素が弁輪上組織に力を及ぼし、近位及び遠位下部固定要素が弁輪下組織に反対方向の力を及ぼし、それによって人工弁を自己弁輪に固定するように、自己弁輪に着座した後、締めるか、または少なくとも部分的に圧縮することができる。本明細書に記載される弁のいずれもまた、それぞれ弁フレームの前方側または後方側から延在されるか、及び/またはそれらに結合される前方固定要素または後方固定要素も含むことができる。本明細書に記載されている弁のいずれも、移動可能、移行可能、及び/またはそれ以外の場合は再構成可能であり、弁の送達、展開、及び/または固定を容易にすることができる、1つ以上の固定要素を含むことができる。
【0025】
本明細書に記載される人工弁のいずれも、その上に装着された2~4つの可撓性リーフレットを備えるリーフレットフレームを有する内部フロー制御コンポーネント(本明細書では「フロー制御コンポーネント」とも呼ばれる)を含み得る。2~4つのリーフレットは、フロー制御コンポーネントの流入端を通る第1の方向における血流を可能にし、フロー制御コンポーネントの流出端を通る第1の方向と反対の第2の方向における血流をブロックするように構成される。リーフレットフレームは、例えば、ニチノールなどのヒートセット形状記憶合金材料で作製された菱形または瞳形に成形されたワイヤセルの2つ以上のパネルを含み得る。リーフレットフレームは、丸みを帯びた構成または円筒形構成から扁平にされた円筒形構成に、z軸(例えば、長手方向軸)に沿って折り畳み可能であり、また圧縮構成に、垂直なy軸(例えば、中心軸)に沿って圧縮可能であるように構成され得る。いくつかの実装形態では、リーフレットフレームは、一対のヒンジ部分、折り畳み部分、接続点などを含み得、これらにより、リーフレットフレームが垂直なy軸に沿って圧縮される前に、リーフレットフレームがz軸に沿って扁平に折り畳まれることが可能になり得る。リーフレットフレームは、例えば、2つ以上のリビングヒンジ(例えば、応力集中ライザー及び/またはリーフレットフレームの弾性/非永久変形を可能にするよう構成された任意の適切な構造)、または二次取り付け方法(例えば、縫合糸、布、成形ポリマー部品など)を使用してヒンジ領域が形成されるツーピース構造を備えた一体構造にすることができる。
【0026】
いくつかの実施形態において、拡張構成での内部フロー制御コンポーネントは、漏斗、シリンダ、扁平円錐、または円形双曲面などの形状を形成する。いくつかの実施形態において、内部フロー制御コンポーネントは、20~60mmの外径R、10~50mmの内径rを有する扁平円錐形状の側面プロファイルを有するリーフレットフレームを有し、直径Rは、直径rよりも大きく、高さは、5~60mmである。いくつかの実施形態では、リーフレットフレームは、ワイヤ、編組ワイヤ、またはレーザー切断されたワイヤフレームから構成される。いくつかの実施形態において、リーフレットフレームは、その中に一体化されるか、またはその上に装着され、剛性または半剛性の支柱、剛性または半剛性のリブ、剛性または半剛性のバトン、剛性または半剛性のパネル、及びそれらの組み合わせから選択される1つ以上の長手方向の支持部を有することができる。
【0027】
人工弁及び/またはそれらの構成要素のいずれも、任意の好適な生体適合性材料、または複数の材料の組み合わせから製造され得る。例えば、外側弁フレーム、内側弁フレーム(例えば、内部フロー制御コンポーネントの)、及び/またはそれらの構成要素は、生体適合性金属、金属合金、ポリマーコーティングされた金属などから製造され得る。好適な生体適合性金属及び/または金属合金としては、ステンレス鋼(例えば、316Lステンレス鋼)、コバルトクロム(Co-Cr)合金、ニッケル-チタン合金(例えば、ニチノール(登録商標))などが挙げられ得る。さらに、本明細書に記載される外側フレームまたは内側フレームのいずれも、ニッケルチタン合金(例えば、ニチノール(登録商標))などの超弾性合金または形状記憶合金から形成され得る。好適なポリマーコーティング材としては、ポリエチレンビニルアセテート(PEVA)、ポリブチルメタクリレート(PBMA)、トランスルートスチレンイソプレンブタジエン(SIBS)コポリマー、ポリ乳酸、ポリエステル、ポリラクチド、D-乳酸ポリ乳酸(DLPLA)、ポリ乳酸コグリコール酸(PLGA)などが挙げられ得る。いくつかのそのようなポリマーコーティング材は、例えば、シロリムス、ゾタロリムス、ビオリムス、ノボリムス、タクロリムス、パクリタキセル、プロブコールなどの薬剤に対して好適な担体マトリックスを形成し得る。
【0028】
いくつかの生体適合性合成材料(複数可)としては、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)(例えば、テフロン)などが挙げられ得る。薄くて耐久性のある合成材料が想定される場合(例えば、被覆のために)、発泡PTFEまたはポリエステルなどの合成ポリマー材料が、任意選択で使用され得る。他の好適な材料としては、任意選択で、エラストマー、熱可塑性プラスチック、ポリウレタン、熱可塑性プラスチックポリカーボネートウレタン、ポリエーテルウレタン、セグメント化ポリエーテルウレタン、シリコーンポリエーテルウレタン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、シリコーンポリカーボネートウレタン、ポリプロピレン、ポリエチレン、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、超高密度ポリエチレン(UHDPE)、ポリオレフィン、ポリエチレングリコール、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリビニルピロリドン、ポリ塩化ビニル、他のフルオロポリマー、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)(例えば、ダクロン)、ポリL乳酸(PLLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ(D、Lラクチド/グリコリド)コポリマー(PDLA)、シリコーンポリエステル、ポリアミド(ナイロン)、PTFE、伸展PTFE、発泡PTFE、シロキサンポリマー及び/またはオリゴマー、及び/またはポリラクトン、あるいはそれらを使用するブロックコポリマーが挙げられ得る。
【0029】
外側弁フレーム、内側弁フレーム(例えば、フロー制御コンポーネントの)、及び/またはそれらの部分もしくは構成要素のいずれも、心膜などの生体適合性材料を用いて、内部または外部に、部分的または完全に被覆され得る。弁フレームはまた任意選択で、ポリエステルまたはDacron(登録商標)などの第2の生体適合性材料で部分的または完全に外部に被覆され得る。開示される実施形態においては、組織、例えば、ウシ(ウシ心膜)、ヒツジ(ヒツジ心膜)、ブタ(ブタ心膜)、またはウマ(ウマ心膜)などの動物の化学的に安定化された心膜組織である生体組織が使用されてもよい。好ましくは、組織はウシ心膜組織である。好適な組織の例としては、製品Duraguard(登録商標)、Peri-Guard(登録商標)、及びVascu-Guard(登録商標)に使用されるものが挙げられ、これらは、現在外科処置に使用されており、概して30月齢未満の牛から採取されるものとして市販されている。
【0030】
本明細書に記載されている人工弁のいずれか及び/またはその任意の構成要素、機能、及び/または態様は、国際特許出願番号PCT/US2019/051957(本明細書では「’957PCT」と呼ばれる);国際特許出願番号PCT/US2019/067010(本明細書では「’010PCT」と呼ばれる);国際特許出願番号PCT/US2020/015231(本明細書では「’231PCT」と呼ばれる);国際特許出願番号PCT/US2020/031390(本明細書では「’390PCT」と呼ばれる);米国仮特許出願番号62/891,956(本明細書では「’956仮」と呼ばれる);米国仮特許出願番号62/905,932(本明細書では「’932仮」と呼ばれる);米国仮特許出願番号 63/014,059(本明細書では「’059仮」と呼ばれる);米国仮特許出願番号63/016,269(本明細書では「’269仮」と呼ばれる);及び/または米国仮特許出願連続番号63/027,345(本明細書では「’345仮」と呼ばれる)に記載される人工弁(またはその構成要素、機能、及び/または態様)と類似、及びまたは実質的に同じであってよく、そのそれぞれの開示は、参照によりその全体が上記に組み込まれる。
【0031】
本明細書に記載の送達システムのいずれも、側方送達可能な人工弁の側方送達のための送達カテーテルを有する送達システムを含むことができる。送達カテーテルは、外側近位端部、外側遠位端部、及び外側シャフト管腔を有する外側シャフトを含み得、外側遠位端部は、その上に装着された非外傷性のボールで閉じられる。外側シャフト管腔は、側方送達される経カテーテル人工心臓弁(例えば、人工三尖弁及び/または人工僧帽弁)がその外側シャフト管腔を通って通過するために8~10mmのサイズの内径を有する。
【0032】
いくつかの実施形態では、側方送達可能な人工心臓弁を製造する方法は、単一のワークピースから外側ループ、内側ループ、及び内側ループを外側ループから吊り下げるスプラインを有する弁フレームの弁輪上部材を形成することを含む。弁輪下部材は、単一のワークピースから形成され、遠位固定要素及び近位固定要素を有する。第1の側壁及び第2の側壁のそれぞれは、単一のワークピースから形成され、結合されて、弁フレームの経弁輪部材を形成する。弁輪上部材は、経弁輪部材の弁輪上部分に結合され、弁輪下部材は、経弁輪部材の弁輪下部分に結合される。
【0033】
本明細書に記載の人工弁を製造するための任意の方法は、付加製造または除去製造の金属または金属合金の製造を使用して、例えば、圧縮可能/拡張可能な外側支持フレーム及び/または圧縮可能/拡張可能な内側リーフレットフレームを製造する。付加製造の金属または金属合金製造は、3D印刷、直接金属レーザー焼結(粉末溶融)などであり得る。除去製造の金属または金属合金製造は、フォトリソグラフィ、エッチング、レーザー焼結/切断、CNC加工、電気放電加工などであり得る。さらに、本明細書に記載の製造プロセスのいずれも、切断または機械加工されたワークピースを任意の適切な形状、サイズ、及び/または構成に成形及び/または硬化(例えば、ヒートセット)することを含むことができる。例えば、本明細書に記載の外側支持フレーム及び/または内側のリーフレットフレームのいずれかは、1つ以上のワークピースからレーザー切断され、所望の形状、サイズ、及び/または構成にヒートセットすることができる。さらに、本明細書に記載のフレームのいずれも、所望の形状に形成され、一緒に結合されてフレームを形成する複数の独立した構成要素を含むことができる。
【0034】
いくつかの実施形態において、製造プロセスは、2~4つの可撓性リーフレットを内部リーフレットフレームに装着してまとめてフロー制御コンポーネントを形成することと、外側支持フレーム内にフロー制御コンポーネントを装着することと、及び/または心膜材料または同様の生体適合性材料で外側支持フレームの少なくとも一部を被覆することと、をさらに含み得る。
【0035】
いくつかの実施形態では、側方送達可能な人工心臓弁は、弁輪上部材、弁輪下部材、及びそれらの間に結合された経弁輪部材を有する外側フレームと、外側フレームに取り付けられ、少なくとも部分的に経弁輪部材内に配置されたフロー制御コンポーネントとを有する。いくつかの実装形態では、自己心臓弁の弁輪に人工弁を展開する方法は、外側フレームを送達システムの一部に取り外し可能に結合することを含む。送達構成の人工弁は、送達システムに含まれる送達カテーテルの管腔を通って前進する。送達カテーテルは、人工弁が前進するときに心臓の心房に配置される遠位端を有する。人工弁は、送達カテーテルの遠位端から解放される。人工弁を解放した後、外側フレームの弁輪下部材の近位固定要素が第1の構成に配置され、近位固定要素が第1の構成にある間、人工弁は自己心臓弁の弁輪に着座する。近位固定要素は、人工弁を弁輪に着座した後、第1の構成から第2の構成に移行する。
【0036】
本明細書に記載される人工心臓弁を送達及び/または展開するためのいずれの方法も、ヒト心臓の自己弁輪への、人工心臓弁の直交送達を含み得、その直交送達には、(i)送達カテーテルを、大腿静脈を介して、下大静脈(IVC)を通って、心臓の三尖弁または肺動脈に前進させること、(ii)頸静脈を介して、上大静脈(SVC)を通って、心臓の三尖弁または肺動脈に前進させること、または(iii)IVC-大腿またはSVC-頸部アプローチを介して、経心房のアプローチ(例えば、卵円窩または下部)を通って、心臓の僧帽弁に前進させること、及び(iv)弁を送達カテーテルから解放することによって、人工心臓弁を自己弁輪に送達及び/または展開すること、のうちの少なくとも1つが含まれる。
【0037】
本明細書に記載の人工弁を送達するためのいずれもの方法は、人工弁を送達構成に配置することを含み得る。送達構成は、(i)弁を中心垂直軸に沿って圧縮して、上部から底部までの弁の垂直寸法を減少させ、弁を圧縮構成で配置すること、(ii)弁を弁輪支持フレームの一方の側から一方的に巻いて弁を圧縮構成で配置すること、(iii)弁を弁輪支持フレームの2つの対向する側から双方に巻いて弁を圧縮構成で配置すること、(iv)弁を、長軸に対して実質的に平行である2つの平行パネルに扁平化して弁を圧縮構成で配置すること、(v)弁を、長軸に対して実質的に平行である2つの平行パネルに扁平化し、次いで扁平化された弁を巻いて弁を圧縮構成で配置すること、または(vi)弁を、長軸に対して実質的に平行である2つの平行パネルに扁平化し、次いで中心垂直軸に沿って弁を圧縮して、上部から底部までの弁の垂直寸法を現象させ、弁を圧縮構成で配置すること、のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0038】
本明細書に記載の人工弁を送達するためのいずれの方法も、(i)送達カテーテルを身体内の所望の位置に前進させることと、(ii)送達カテーテルから弁を解放することによって、人工心臓弁を身体内の所望の位置に送達することと、を含む、身体内の所望の位置への人工心臓弁の直交送達を含むことができる。弁は、送達カテーテル内にあるときに圧縮構成または送達構成にあり、送達カテーテルから解放されるときに拡張構成または解放構成に移行する。
【0039】
本明細書に記載される人工心臓弁を送達するためのいずれの方法も、(i)側壁、ドラムもしくはカラー、及び/または固定要素(例えば、遠位固定要素)に解放可能に接続された引っ張り部材(例えば、ワイヤまたはロッド)を使用して、弁を送達カテーテルから引っ張り出すことであって、送達カテーテルから離れて引っ張り部材を前進させることにより、圧縮された弁が送達カテーテルから引っ張り出される、引っ張り出すこと、または(ii)側壁、ドラムもしくはカラー、及び/または固定要素(例えば、遠位固定要素)に解放可能に接続された押し出し部材(例えば、ワイヤ、ロッド、カテーテル、送達部材等)を使用して、弁を送達カテーテルから押し出すことであって、送達カテーテルの遠位端の外に押し出し部材を前進させることにより、弁が送達カテーテルから押し出される、押し出すこと、によって、弁を送達カテーテルから解放することを含み得る。さらに、送達カテーテルから弁を解放することにより、弁が移行することが可能になるか、及び/またはその送達構成から拡張構成及び/または展開構成に拡張することが可能になる。
【0040】
本明細書に記載される人工心臓弁を送達及び/または展開する方法のいずれも、(i)弁を送達カテーテルから部分的に解放して、部分的に解放された弁の周りの血流、及びフロー制御コンポーネントを通る血流を確立すること、(ii)弁への取り付けを維持しながら、弁を送達カテーテルから完全に解放して、フロー制御コンポーネントを通る血流を増加させ、かつ弁の周りの血流を減少させる状態に移行させること、(iii)弁を自己弁輪内の最終的な装着位置または着座位置に展開させて、フロー制御コンポーネントを通る血流を完全にし、かつ弁の周りの血流を最小限にするか、または全く存在しない状態に移行させること、ならびに(iv)配置したカテーテルを切り離して引き抜き、ワイヤもしくはロッド、送達カテーテル、アクチュエータ、及び/または送達カテーテルの他の適切な部分を引っ張るか、もしくは押し出すこと、によって、弁の展開中に血流を増加させながら、弁を送達カテーテルから解放することを含み得る。いくつかの実装形態では、切り離して引き抜く前に、本明細書に記載の方法のいずれかは、任意選択で、弁が弁輪組織に接触して自己弁輪内に弁を固定するように、アクチュエータまたは送達システムの一部を介して弁を固定または締め付け状態に移行させることを含むことができる。
【0041】
本明細書に記載される人工弁を送達及び/または展開する方法のいずれも、弁またはその一部分を、自己組織に対して所望の位置に配置することを含み得る。例えば、その方法は、人工心臓弁の遠位固定タブを左心室または右心室の心室流出管に配置することを含み得る。いくつかの実施形態において、その方法は、上部遠位固定タブを弁輪上位置に配置することをさらに含み得、そこでは、上部遠位固定タブは、弁輪上の下向きの力を心室の方向にもたらし、遠位固定タブ(例えば、下部遠位固定タブ)は、弁輪下の上向きの力を心房の方向にもたらす。いくつかの実施形態では、方法は、人工弁の近位部分が少なくとも部分的に圧縮されて送達カテーテル内に配置される間、その遠位部分が自己弁輪組織に接触するように、人工弁を弁輪に部分的に挿入することを含むことができる。いくつかの実施形態において、その方法は、弁の弁輪の平面に対して平行である軸に沿って、操縦可能なカテーテル、ヨーク、一組のテザー、アクチュエータ、及び/または送達システムの他の部分(またはそれらの組み合わせ)を使用して、人工心臓弁を回転させることを含み得る。いくつかの実施形態では、この方法は、1つ以上の固定要素を所望の位置及び/または状態移行させて弁輪の少なくとも一部を取り巻いて自己組織に係合することを含むことができる。いくつかの実施形態において、1つ以上の組織アンカーを弁及び自己組織に取り付けて、弁を所望の位置に固定することができる。
【0042】
本明細書に記載される人工心臓弁及び/またはそれらの任意の部分を送達及び/または展開するいずれの方法も、‘957PCT、‘010PCT、‘231PCT、‘390PCT、‘956仮、‘932仮、‘059仮、‘269仮、及び/または‘345仮に記載された人工心臓弁(またはそれらの部分(複数可))を送達及び/または展開するための1つ以上の方法と同様であるか、及び/または実質的に同じであり得る。
【0043】
本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とし、特許請求の範囲の全範囲を限定することが意図されるものではない。別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術的及び科学的用語は、当業者が広く理解しているものと同じ意味を有する。本開示のいかなる内容も、本開示に記載されている実施形態が先行発明のためにそのような開示に先行する権利がないことを承認するものと解釈すべきではない。
【0044】
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明らかに他を示さない限り、複数形も含むことを意図している。本明細書の実質的にいかなる複数形及び/または単数形の用語の使用に関しても、当業者は、文脈及び/または用途に適切であるように、複数形から単数形に及び/または単数形から複数形に変換することができる。様々な単数形/複数形の置き換えは、明確にするために本明細書において明示的に記載され得る。
【0045】
概して、本明細書で、特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本文)で使用される用語は、「オープン(open)」用語として意図される(例えば、「含む」という用語は、「含むが、これらに限定されない」と解釈されるべきであり、「有する」という用語は、「少なくとも有する」と解釈されるべきであるなど)。同様に、本明細書で使用される場合、「含む(comprises)」及び/または「含むこと(comprising)」という用語は、記載された特徴、完全体(またはその部分)、ステップ、動作、要素、及び/または構成要素の存在を指定するが、1つ以上の他の特徴、完全体(またはその部分)、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/またはそれらの群の存在または追加を排除しない。本文書で使用される場合、「含むこと」という用語は、「含むがこれらに限定されない」を意味する。
【0046】
本明細書で使用される場合、「及び/または」という用語は、関連する列挙された項目のうちの1つ以上の任意かつすべての組み合わせを含む。2つ以上の代替的な用語を示す実質的にいかなる離接語及び/または語句も、明細書、特許請求の範囲、または図面におけるかどうかにかかわらず、用語のうちの1つ、用語のうちのいずれか、または両方の用語を含む可能性を企図するように理解されるべきである。例えば、「AまたはB」という語句は、「A」もしくは「B」または「A及びB」の可能性を含むと理解される。
【0047】
本明細書に開示されているすべての範囲はまた、明示的な別段の定めがない限り、任意かつすべての可能な部分範囲、及びそれらの部分範囲の組み合わせも包含する。列挙された任意の範囲は、特に明記しない限り、同じ範囲が少なくとも等しい部分の一部に分類することを十分に表し、可能にするものとして認識されるべきである。当業者が理解するであろうように、範囲には各個々の成員が含まれる。
【0048】
「人工弁(valve prosthesis)」、「人工心臓弁」、及び/または「人工弁(prosthetic valve)」という用語は、フレームとリーフレットまたはフロー制御構造またはフロー制御コンポーネントとの組み合わせを指し得、解剖学的部分の完全な置き換え(例えば、新たな機械的弁が自己弁を置き換える)、ならびに既存の解剖学的部分を置き換える及び/または補助する、修復させる、または改善する医療機器(例えば、自己弁が所定の位置に残される)の両方を包含し得る。
【0049】
開示される人工弁は、自己弁輪内に着座し得、リーフレット構造、フロー制御コンポーネント、または可撓性往復運動スリーブもしくはスリーブ弁の装着要素として使用され得る部材(例えば、フレーム)を含む。実施形態に応じて、そのようなリーフレット構造またはフロー制御コンポーネントを含んでもよいし、または含まなくてもよい。そのような部材は、本明細書において、「弁輪支持フレーム」、「管状フレーム」、「ワイヤフレーム」、「弁フレーム」、「フランジ」、「カラー」、及び/または任意の他の同様の用語で呼ばれ得る。
【0050】
「フロー制御コンポーネント」という用語は、非限定的な意味で、人工心臓弁として機能するために、弁輪支持フレームに縫製または結合された、処理済みまたは未処理の心膜などの可撓性生体適合性材料の2、3、4つのリーフレットを有するリーフレット構造を指すことができる。そのような弁は、拡張期に心房から心室へ流れる血液に対して開放され、外側表面に印加される収縮期の心室圧力により閉じる、三尖弁、僧帽弁、大動脈弁、または肺動脈弁などの心臓弁であり得る。連続して繰り返される開閉は、「往復動」として記載され得る。フロー制御コンポーネントは、多種多様な(バイオ)人工心臓弁を含むことが想定される。バイオ人工心膜弁としては、バイオ人工大動脈弁、バイオ人工僧帽弁、バイオ人工三尖弁、及びバイオ人工肺動脈弁が挙げられ得る。
【0051】
開示された弁の実施形態のいずれも、経カテーテルアプローチによって送達され得る。「経カテーテル」という用語は、心腔(または身体内の他の所望の位置)に展開される、カテーテルの管腔内の医療デバイスまたは器具、ならびにそのようなプロセスによって送達または制御されたアイテムにアクセス、制御、及び/または送達するプロセスを定義するために使用される。経カテーテルアクセスは、大腿動脈及び/または静脈の管腔を介した、上腕動脈及び/または静脈の管腔を介した、頸動脈の管腔を介した、頸静脈の管腔を介した、肋間(肋骨)及び/または剣状突起下腔を介した、及び/または同様のものを介した心臓アクセスを含むことが知られている。さらに、経カテーテル心臓アクセスは、下大静脈(IVC)、上大静脈(SVC)を介することができ、及び/または経心房(例えば、卵円窩または下部)を介することができる。経カテーテルは、経管腔と同義であり得、これは心臓弁の送達に関して、「経皮的」という用語に機能的に関連している。本明細書で使用される場合、「管腔」という用語は、シリンダまたはチューブの内部を指し得る。「穿孔」という用語は、管腔の内径を指し得る。
【0052】
心臓アクセスの様式は、「身体チャネル」に少なくとも部分的に基づき得、「身体チャネル」は、身体内の血液導管または血管を画定するために使用されてもよく、人工弁の開示された実施形態の特定の用途によって、問題の身体チャネルが決定される。例えば、大動脈弁の置換部は、大動脈弁輪内に、または大動脈弁輪に隣接して移植される。同様に、三尖弁または僧帽弁の置換物は、三尖弁または僧帽弁輪に移植される。本明細書に記載されている特定の特徴は、所与の移植部位に対して特に有利である可能性があるが、特徴の組み合わせが構造的に不可能であるか、または特許請求の範囲の文言によって除外されない限り、本明細書に記載される弁の実施形態はいずれも、任意の身体チャネルに移植され得る。
【0053】
「拡張可能な」という用語は、本明細書で使用される場合、第1の送達サイズまは構成から第2の移植サイズまたは構成に拡張することができる人工心臓弁または人工心臓弁の構成要素を指し得る。したがって、拡張可能な構造は、文脈で明確に別段の定めがない限り、例えば温度の上昇または他のそのような偶発的な原因からわずかに拡張する可能性のある構造を指すことを意図していない。逆に、「拡張可能でない」は、例えば、従来の「拡張可能でない」心臓弁の多少の拡張が観察され得るため、完全に剛性または寸法的に安定していることを意味すると解釈されるべきではない。
【0054】
本明細書に開示される人工弁及び/またはその構成要素は、一般に、2つ以上の構成、状態、形状、及び/または配置の間を移行することができる。例えば、本明細書に記載されている人工弁は、適切な数の構成間で、「圧縮可能」及び/または「拡張可能」であり得る。これらの構成を記載または言及するためにさまざまな用語を使用することができ、文脈で明確に別段の定めがない限り、限定することを意図するものではない。例えば、人工弁は、「送達構成」に配置されていると説明することができ、これは、人工弁の送達を可能にする、または可能にする任意の適切な構成であり得る。送達構成の例としては、圧縮構成、折り畳み構成、巻いた構成、及び/または同様の構成またはそれらの任意の適切な組み合わせが挙げられ得る。同様に、人工弁は、「拡張構成」に配置されていると記載することができ、これは、人工弁の送達を明確に意図していない任意の適切な構成であり得る。拡張構成の例にとしては、解放された構成、緩和された構成、展開された構成、送達されない構成、及び/または同様の構成またはそれらの任意の適切な組み合わせが挙げられ得る。本明細書に記載されているいくつかの人工弁及び/またはまたはその構成要素もしくは機能は、さまざまな様式、レベル、状態、及び/または作動、展開、係合などの部分に関連付けることができるいくつかの追加の構成を持つことができる。そのような構成の例には、作動構成、着座構成、固定された構成、係合構成、及び/または同様の構成またはそれらの任意の適切な組み合わせが挙げられ得る。上に特定の例が示されているが、これらは構成の完全な列挙を意図したものではないことを理解されたい。他の構成も可能あり得る。さらに、さまざまな用語を使用して、同じまたは実質的に類似した構成を記載することができ、したがって、特定の用語の使用は、限定することを意図するものではなく、及び/または用語及び/または構成が相互に排他的でない限り、または文脈で明確に別段の定めがない限り他の用語を除外することを意図するものではない。
【0055】
例えば、人工弁の従来の送達は、弁の中心シリンダ軸が、弁を送達するのに使用される送達カテーテルの長さ方向軸に対して実質的に平行であるようにすることができる。典型的には、弁は、中央シリンダ軸に対して半径方向に圧縮され、送達カテーテルの管腔を通って前進する。弁は、送達カテーテルの端から展開され、中央シリンダ軸から半径方向に外側に拡張される。弁の送達方向は、一般に、心臓の心房にある間に弁が送達カテーテルから完全に解放され、弁輪に対して再配向されることを意味し、場合によっては、弁のサイズを制限する可能性がある。
【0056】
本明細書に記載の人工弁は、明確に別段の定めがない限り、側方または直交送達技術を介して送達されるように構成される。本明細書で使用される場合、「側方送達される」、「側方送達」、「直交送達」、「直交送達される」などの用語は、そのような送達方法、及び/またはそのような方法を使用して送達される弁を記載するために、互換的に使用され得る。人工弁の側方または直交送達は、弁の中心シリンダ軸が送達カテーテルの長さ方向軸に実質的に直交するものであることができる。直交送達では、弁は、中心シリンダ軸に対して実質的に平行な方向及び/または中心シリンダ軸に対して横方向に圧縮される(またはそうでなければサイズが減少する)。したがって、直交送達される弁の長軸(例えば、長手方向軸)は、送達カテーテルの長さ方向軸に対して実質的に平行である。換言すれば、直交送達される人工弁は、経カテーテル人工弁を圧縮及び送達する従来のプロセスと比較して、約90度の角度で圧縮及び/または送達される。さらに、場合によっては、弁輪に対して直交送達される弁の配向により、弁の遠位部分を少なくとも部分的に自己心臓弁の弁輪に挿入し、一方で弁の近位部分を少なくとも部分的に送達カテーテル内に留め、それにより、いくつかの既知の従来の送達技術が直面するサイズの制約の少なくともいくつかを回避する。さらに、直交送達されるように構成された人工弁及びそのような弁を送達するプロセスの例は、参照により本明細書に組み込まれる‘957PCT及び/または‘010PCTに詳細に記載されている。
【0057】
数学的には、「直交」という用語は、2つの線または平面間の90度の交差角を指す。本明細書で使用される場合、「実質的に直交する」という用語は、90度±好適な許容誤差の交差角を指す。例えば、「実質的に直交する」は、75~105度の範囲の交差角を指し得る。
【0058】
本明細書で使用される場合、「組織アンカー」という用語は、概して、人工弁の外側フレームの一部分を自己弁輪組織、通常は、人工弁のカラーの周辺部またはその近辺に接続する締結デバイスを指す。この組織アンカーは、組織を貫通することを避け、かつ捕捉される組織上の2つの板状のカラーもしくは固定要素の圧縮力のみに頼るように配置されてもよく、もしくは組織アンカー(一体化された固定ワイヤを伴ってまたは伴わず)が自己組織を貫通して固定することを提供してもよく、またはそれらの両方の組み合わせであってもよい。板状のカラーなどの固定要素を含む実施形態は、1つ以上の移動可能で再構成可能な、及び/または作動可能な要素、例えば、操作して、自己組織に係合させることができる、突起、タブ、スカート、プレート、アーム、レバーなどを含み得る。さらに、そのような固定要素は、自己組織の係合を促進することができる、任意の適切な表面仕上げ(複数可)、特徴(複数可)などを含み得る。組織アンカー(複数可)を含む実施形態は、例えば、尖った先端、溝、フランジ付き肩部、止め具、1つ以上のアパーチャなどの固定機構を有する組織アンカーを含み得る。いくつかの実施形態において、固定機構が、結節、縫合、ワイヤ圧着、ワイヤ止め、カム機構、またはそれらの組み合わせを含む、任意の取り付けまたは固定機構によって、外側フレームの一部分に取り付けまたは固定され得る。
【0059】
本明細書の実施形態、及び/またはそれらの様々な特徴または有利な詳細については、添付の図面に示され、以下の説明で詳細が記載される非限定的な実施形態を参照してより完全に説明される。本明細書の実施形態を不必要に曖昧にしないように、周知の構成要素及び処理技術の説明を省略する。同様の数字は、全体を通して同様の要素を指す。
【0060】
本明細書に記載される実施例及び/または実施形態は、実施形態の構造、機能、及び/または態様、実施形態が実施され得る方法の理解を助け、当業者が本明細書の実施形態を実施することをさらに可能にすることを意図している。同様に、本明細書に記載される実施形態を使用する方法及び/または方法は、単に例として提供するものであり、限定として提供するものではない。本明細書に記載されている特定の使用は、文脈が明示的に別段の定めをしない限り、他の使用を除外するために提供されていない。例えば、本明細書に記載される人工弁のいずれも、例えば、僧帽弁、三尖弁、大動脈弁、及び/または肺動脈弁を含むヒト心臓の自己弁を置き換えるために使用され得る。したがって、いくつかの人工弁は、自己僧帽弁または自己三尖弁を置き換える文脈で本明細書に記載されているが、特に明示的に別段記述されていない限り、または、1つ以上の構成要素及び/または特徴が、それ以外の場合では、そのような使用のためにはその人工弁は不適合となると、当業者が明確に認めない限り、そのような人工弁を使用して任意の自己弁を置き換えることができることを理解されたい。したがって、本明細書に記載の特定の実施例、実施形態、方法、及び/または使用は、本明細書の本発明または本発明の概念の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。むしろ、実施例及び実施形態は、本開示が完璧かつ完全であり、当業者に本発明の概念の範囲を完全に伝達するように提供される。
【0061】
図1A~
図1Eは、一実施形態による経カテーテル人工弁100の様々な概略図である。経カテーテル人工弁100は、(例えば、ヒト患者の)身体内の所望の位置に展開され、経カテーテル人工弁100の流入端を通る第1の方向の血流を可能にし、第1の方向とは反対の、経カテーテル人工弁100の流出端を通る第2の方向の血流をブロックするように構成されている。例えば、経カテーテル人工弁100は、自己弁の機能を補完及び/または置き換えるために、ヒト心臓の自己三尖弁または自己僧帽弁の弁輪内に展開されるように構成される経カテーテル人工心臓弁であり得る。
【0062】
経カテーテル人工弁100(本明細書において「人工弁」または単に「弁」とも称される)は、弁100の長軸102(本明細書において「水平軸」、「長手方向軸」または「長さ方向軸」とも称される)に対して少なくとも1つの方向で圧縮可能及び拡張可能である。弁100は、身体内の所望の位置(例えば、ヒト心臓)に移植するための拡張構成(
図1A、1C、及びIE)と、送達カテーテルを使用して身体内に導入するための圧縮構成または送達構成(
図1B及び1D)との間で圧縮可能及び拡張可能である。
【0063】
いくつかの実施形態において、弁100(及び/または少なくともその弁の一部分)は、おおむね管状構成で開始し得、加熱成形、及び/または、そうでない場合、任意の所望の形状に形成され得る。いくつかの実施形態では、弁100は、心房シーリング用の上部心房カフまたはフランジ、心室シーリング用の下部心室カフまたはフランジ、及びそれらの間に配置される経弁輪セクションまたは領域(例えば、体セクション、管状セクション、円筒セクション、など)を含み得る。経弁輪領域は、円周の約60~80%の砂時計の断面を持ち、後部及び前部の弁輪セグメントに沿った自己弁輪に一致することができ、一方で、弁輪周囲の20~40%に沿って実質的に垂直の扁平さを残しながら、中隔弁輪セグメントに一致することができる。弁100は、所与の形状を有するものとして、
図1A~1Eに示されているが、弁100(及び/またはその弁の少なくとも一部分)のサイズ及び/または形状は、自己組織の解剖学的構造のサイズ及び/または形状に基づき得ることを理解されたい。
【0064】
例えば、弁100は、中心的(例えば、中心y軸104に対して放射状に対称的)であり得るか、または偏心的(例えば、中心y軸104に対して放射状に非対称的)であり得る。いくつかの偏心の実施形態では、弁100またはその外側フレームは、弁100が取り付けられている解剖学的構造によって決定される複雑な形状を有し得る。例えば、場合によっては、弁100は、実質的に垂直な中隔壁を備えた丸い楕円の形状の円周を有し、疾患状態で前後線に沿って拡大することが知られている三尖弁輪に配置され得る。場合によっては、弁100は、実質的に垂直な中隔壁を備えた丸い楕円の形状の円周を有し、疾患状態で拡大することが知られている僧帽弁輪(例えば、前尖の近く)に配置され得る。したがって、弁100は、少なくとも部分的に、自己弁輪及び/または疾患状態の自己弁輪によって決定される複雑な形状を有することができる。例えば、いくつかのそのような実施形態において、弁100またはその外側フレームは、(頂部から見て)D字形を有し得るため、平坦な部分は、弁100が展開される解剖学的構造と一致することができる。
【0065】
示されるように、弁100は、概して、弁輪支持フレーム110及びフロー制御コンポーネント150を含む。また、弁100及び/または弁100の少なくとも弁輪支持フレーム110は、アクチュエータ170及び/または送達システムインターフェース180を含み得るか、及び/またはそれらに結合することができる。いくつかの実装形態では、弁100及び/またはその態様もしくは部分は、上述の参照により本明細書に組み込まれる‘957PCT、‘010PCT、‘231PCT、’390PCT、‘932仮、‘059仮、及び/または‘269仮に詳細に記載される弁(及び/またはその対応する態様もしくは部分)と同様であり得、及び/またはそれと実質的に同じであり得る。したがって、弁100のある特定の態様、部分、及び/または詳細は、本明細書ではさらに詳細に説明されない場合がある。
【0066】
弁輪支持フレーム110(本明細書では「管状フレーム」、「弁フレーム」、「ワイヤフレーム」、「外側フレーム」、または「フレーム」とも呼ばれる)は、弁輪上領域120、弁輪下領域130、及びそれらの間に配置及び/または結合した経弁輪領域112を有し得る。いくつかの実施形態では、弁輪上領域120、弁輪下領域130、及び経弁輪領域112は、集合的に結合されてフレーム110を形成する、別個の、独立した、及び/またはモジュラー構成要素とすることができる。いくつかの実装形態では、そのようなモジュラー構成により、フレーム110を弁100が取り付けられている解剖学的構造の所与のサイズ及び/または形状に適合させることができる。例えば、1つ以上の弁輪上領域120、弁輪下領域130、及び/または経弁輪領域112を設計及び/または適合させて、サポートフレームが、上記のいずれかのものの任意の高さ、外径、及び/または内径を有するようにすることができる。さらに、そのようなモジュール構成は、フレーム110を曲げ、屈曲させ、圧縮し、折り畳み、巻き、及び/またはそれ以外の場合は、塑性変形または永久変形せずに再構成することができる。例えば、フレーム110は、送達のために圧縮構成または送達構成に圧縮可能であり、解放されると、その元の形状(非圧縮構成、拡張構成、または解放された構成)に戻るように構成される。
【0067】
サポートフレーム110及び/または弁輪上領域120、弁輪下領域130、及び/または経弁輪領域112は、任意の適切な材料から、または任意の適切な材料で形成することができる。いくつかの実施形態では、弁輪上領域120、弁輪下領域130、及び経弁輪領域112は、形状記憶または超弾性金属、金属合金、プラスチックなどから、またはそれらで形成することができる。例えば、弁輪上領域120、弁輪下領域130、及び経弁輪領域112は、ニチノールなどから、またはニチノールなどで形成することができる。いくつかの実施形態では、支持フレーム110(及び/またはその領域のいずれか)は、ニチノールのシートまたはチューブからレーザー切断することができる。他の実施形態では、支持フレーム110(及び/またはその領域のいずれか)は、所望の形へと曲げられ、ねじれ、形成され、及び/または操作されたニチノールワイヤから、またはニチノールワイヤで形成することができる。さらに他の実施形態では、支持フレーム110(及び/またはその領域のいずれか)は、上述のような任意の適切な付加製造または除去製造のプロセスを使用して、所望の材料で、または所望の材料から形成することができる。さらに、弁輪上領域120、弁輪下領域130、及び経弁輪領域112は、支持フレーム110のフレーム部分(例えば、金属または他の構造フレーム部分)から結合することができ、これは、次に、上述のように、例えば、心膜組織(例えば、Duraguard(登録商標)、Peri-Guard(登録商標)、Vascu-Guard(登録商標)など)、ポリマー(例えば、ポリエステル、Dacron(登録商標)など)などの生体適合性材料によって被覆される。
【0068】
本明細書でさらに詳細に説明するように、フレーム110の弁輪上領域120は、例えば、経弁輪領域112の上端または上部に取り付けまたは結合することができるカフまたはカラーであり得るか、及び/またはそれを形成することができる。弁100がヒトの心臓内に展開されるとき、弁輪上領域120は、自己展開位置に一致するように形作られる心房カラーであり得る。三尖弁及び/または僧帽弁の置き換えにおいて、例えば、弁輪上領域120のカラーは、それぞれ、三尖弁及び/または僧帽弁を取り巻く自己弁及び/または心房床の一部に適合するよう構成される様々な部分を有し得る。いくつかの実施形態では、弁輪上領域120を心房床に展開して、血液を心房から弁100のフロー制御コンポーネント150に向け、フレーム110の周りの血液漏出(弁周囲漏出)を封止することができる。
【0069】
いくつかの実施形態では、弁輪上領域120は、任意の適切な材料からレーザー切断されたワイヤフレームであり得る。いくつかの実施形態では、弁輪上領域120は、例えば、ニチノールなどの形状記憶または超弾性材料から形成することができる。いくつかの実施形態では、弁輪上領域120は、ニチノールなどの形状記憶金属合金のシートまたはチューブからレーザー切断され、例えば、所望の形状及び/または構成にヒートセットされ得る。いくつかの実施形態では、そのような方法で弁輪上領域120を形成することにより、その1つ以上の部分の故障または破損を引き起こす可能性のある塑性変形及び/または疲労が実質的になく、弁輪上領域120を曲げ、屈曲させ、折り畳み、圧縮し、及び/またはそれ以外の場合は、再構成することができる。さらに、弁輪上領域120のワイヤフレームは、上述のもののいずれかなどの任意の適切な生体適合性材料で被覆することができる。
【0070】
図1Aに示されるように、弁輪上領域120は、遠位部分122及び近位部分124を含む。いくつかの実施形態では、遠位部分122は、人工弁100が弁輪に着座するときに、弁輪の遠位側の自己組織と係合することができる遠位弁輪上固定要素である得るか、及び/またはそれを含むことができる。いくつかの実施形態では、近位部分124は、人工弁100が弁輪に着座するときに、弁輪の近位側の自己組織と係合することができる近位弁輪上固定要素である得るか、及び/またはそれを含むことができる。いくつかの実施形態では、遠位部分122は及び/または遠位弁輪上固定要素は、人工弁100が配置される心臓の心房床の遠位部分のサイズ及び/または形状に対応するようにサイズを決めることができる及び/またはそれに合わせた形状にすることができる。同様に、近位部分124は及び/または近位弁輪上固定要素は、心臓の心房床の近位部分のサイズ及び/または形状に対応するようにサイズを決めることができる及び/またはそれに合わせた形状にすることができる。
【0071】
図1A~1Eには示されていないが、弁輪上領域120は、自己組織、及び/または、弁100の他の1つ以上の部分、アクチュエータ170、及び/または送達システムインターフェース180を係合するように構成された任意の数の機能を含むように、成形及び/または形成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、弁輪上領域120は、外側部分、内側部分、及び外側部分と内側部分との間に配置された1つ以上のスプラインを含むことができるか、及び/またはそれを形成することができる。特定の実施形態を参照して本明細書でさらに詳細に説明されるように、いくつかの実装形態では、外側部分は、自己組織を係合するようなサイズ及び/または形状とすることができ、内側部分は、フロー制御コンポーネント150を支持フレーム110に取り付けるための構造を提供することができ、1つ以上のスプラインは、アクチュエータ170、及び/または送達システムインターフェース180を受容することができ、それらに結合することができ、及び/またはそれ以外の場合はそれらを係合することができる。
【0072】
本明細書でさらに詳細に説明するように、フレーム110の弁輪下領域130は、例えば、経弁輪領域112の上端または下部に取り付けまたは結合することができるカフまたはカラーであり得るか、及び/またはそれを形成することができる。弁100がヒトの心臓内に展開されるとき、弁輪下領域130は、自己展開位置に一致するように形作られる心室カラーであり得る。三尖弁及び/または僧帽弁の置き換えにおいて、例えば、弁輪下領域130のカラーは、それぞれ、三尖弁及び/または僧帽弁を取り巻く自己弁及び/または心室天井の一部に適合するよう構成される様々な部分を有し得る。いくつかの実施形態では、弁輪下領域130またはその少なくとも一部は、自己弁輪を取り囲む心室天井と係合して、弁100を自己弁輪に固定し、弁100の脱落を防止し、自己弁輪または隣接する組織を弁輪上領域120と弁輪下領域130との間で、挟むかまたは圧縮することができ、フレーム110の周りの血液漏出(弁周囲漏出及び/または収縮期の逆流)を封止することができる。
【0073】
いくつかの実施形態では、弁輪下領域130は、任意の適切な材料からレーザー切断されたワイヤフレームであり得る。いくつかの実施形態では、弁輪下領域130は、例えば、ニチノールなどの形状記憶または超弾性材料から形成することができる。いくつかの実施形態では、弁輪下領域130は、ニチノールなどの形状記憶金属合金のシートからレーザー切断され、例えば、所望の形状及び/または構成にヒートセットされ得る。いくつかの実施形態では、そのような方法で弁輪下領域130を形成することにより、その1つ以上の部分の故障または破損を引き起こす可能性のある塑性変形及び/または疲労が実質的になく、弁輪下領域130を曲げ、屈曲させ、折り畳み、圧縮し、及び/またはそれ以外の場合は、再構成することができる。さらに、弁輪下領域130のワイヤフレームは、上述のもののいずれかなどの任意の適切な生体適合性材料で被覆することができる。
【0074】
弁輪下領域130は、自己組織、弁100の他の1つ以上の部分、及び/またはアクチュエータ170を係合するように構成された任意の数の機能を含むように、成形及び/または形成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、弁輪下領域130は、遠位固定要素132を有する遠位部分と、近位固定要素134を有する近位部分とを含むことができ、及び/またはそれらを形成することができる。いくつかの実施形態では、弁輪下領域130は、他の適切な固定要素を含むことができ、及び/またはそれを形成することができる(
図1A~1Eには示されていない)。いくつかの実施形態では、固定要素132及び134は弁輪下領域130と一体的にあり、及び/またはそれとモノリシックに形成されている。弁輪下領域130の遠位固定要素132及び近位固定要素134は、任意の適切な形状、サイズ、及び/または構成であり得、例えば、上述の参照により本明細書に組み込まれる‘957PCT、‘010PCT、‘231PCT、’390PCT、‘932仮、‘059仮、特定の実施形態に関して本明細書に記載されているもののうちのいずれかなどであり得る。例えば、固定要素132及び134は、弁輪下領域130の一部から約10~40mm延びることができる。
【0075】
いくつかの実施形態において、遠位固定要素132は、ガイドワイヤの一部分もしくはガイドワイヤアセンブリの一部分を選択的に係合及び/または受容するように構成されたガイドワイヤカプラを任意選択的に含み得る。ガイドワイヤカプラは、ガイドワイヤの一部分がガイドワイヤカプラのアパーチャを通って延在することを可能にするように構成され、それによって、送達及び展開の際に弁100がガイドワイヤの上またはそれに沿って前進することを可能にする。いくつかの実施形態において、ガイドワイヤカプラは、ガイドワイヤが、プッシャーなどの他の要素及び/または構成要素を遮断または防止しながら、ガイドワイヤカプラを通って前進することを選択的に可能にし得る。
【0076】
弁輪下領域130の固定要素132及び/または134は、自己組織の所望の部分に係合して、弁100及び/または支持フレーム110が展開される自己弁の弁輪に弁100及び/または支持フレーム110を装着するように構成され得る。例えば、いくつかの実装形態では、遠位固定要素132は、弁輪下領域130からRVOT及び/またはその他の適切な管または心室の一部内に延びる突起または突起であり得る。そのような実装形態において、遠位固定要素132は、遠位固定要素132が、弁100の遠位端部を自己弁輪内に少なくとも部分的に固定するのに動作可能な弁輪下組織に力を作用させるように、成形され得、及び/または付勢され得る。いくつかの実装形態において、近位固定要素134は、自己弁輪の近位側上の弁輪下組織に係合して、弁輪内の弁100の固定に役立つように構成され得る。
【0077】
いくつかの実装形態において、少なくとも近位固定要素134は、近位固定要素134が弁輪下領域130から第1の量または距離を延在する第1の構成と、近位固定要素134が弁輪下領域130から第2の量または距離を延在する第2の構成との間を、移行し、移動し、及び/または、そうでない場合は再構成するよう構成され得る。例えば、いくつかの実施形態において、近位固定要素134は、近位固定要素134が、圧縮され、収縮され、収縮され、展開されていない、折りたたまれている、及び/または拘束された状態(例えば、支持フレーム110の経弁輪領域112及び/または弁輪下領域120の付近にあり、隣接し、及び/またはそれと接触する位置)にある第1の構成と、近位固定要素134が拡張され、延在され、展開され、折り畳み解除され、及び/または拘束解除された(例えば、経弁輪領域112から離れて延在する)状態にある第2の構成と、を有し得る。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書でさらに詳細に説明するように、近位固定要素134は、アクチュエータ170の作動に応答して移行することができる。
【0078】
一部の実装形態では、近位固定要素134は、展開中に第1の構成から第2の構成に移行して、自己組織、腱索、小柱、弁輪組織、リーフレット組織、及び/または他の任意の解剖学的構造に選択的に係合して、自己弁輪で弁100の固定を助けることができる。近位固定要素134(及び/または遠位固定要素132)は、近位固定要素134(及び/または遠位固定要素132)と自己組織との間の係合を容易にするように構成された任意の適切な特徴、表面、部材などを含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、特定の実施形態を参照して本明細書でさらに詳細に説明されるように、近位固定要素134は、第2の構成にあるとき、自己組織、腱索、小柱、輪状組織、小葉組織、及び/または他の任意の解剖学的構造と係合するように、及び/またはそれらと絡み合うように構成された1つ以上の特徴を含むことができる。
【0079】
支持フレーム110の経弁輪領域112は、弁輪上領域120と弁輪下領域130との間に配置されている。いくつかの実施形態では、経弁輪領域112は、弁輪上領域120及び弁輪下領域130のそれぞれに、それらの間で所望の量の動き及び/または屈曲させが生じるように結合することができる(例えば、溶接、結合、縫製、結合など)。例えば、いくつかの実装形態では、経弁輪領域112及び/またはその一部は、弁輪上領域120及び弁輪下領域130のそれぞれ(及び/またはそれらの一部)に縫い付けることができる。
【0080】
経弁輪領域112は、リング、シリンダ管、円錐管、D字管、及び/または任意の他の好適な弁輪形状に成形及び/または形成することができる。いくつかの実施形態において、経弁輪領域112は、扁平円錐形状、逆扁平円錐形状(上部がより狭く、下部がより広い)、凹状シリンダ(中に曲がった壁)、凸状シリンダ(壁が隆起している)、角砂時計、湾曲砂時計、傾斜砂時計、フレアトップ、フレアボトム、またはその両方を有するリングまたはシリンダの側面プロファイルを有してもよい。さらに、経弁輪領域112は中心軸104(例えば、y軸)に沿って延びるアパーチャまたは中央チャネル114を形成及び/または画定することができる。中央チャネル114(例えば、中心軸方向の管腔またはチャネル)は、中央チャネル114の直径の一部分を横切ってフロー制御コンポーネント150を受容するようなサイズとすることができ、及びそのように構成され得る。いくつかの実施形態では、経弁輪領域112は、支持フレーム110の弁輪上領域120及び/または弁輪下領域130、及び/またはそれが展開されるよう構成された自己弁輪のサイズ、形状、及び/または構成に少なくとも部分的に基づいた形状及び/またはサイズを有し得る。例えば、経弁輪領域112は、弱化した自己弁輪に構造的開存性を提供するために、自己弁輪の内側面に対して引っ張られ得る自己弁輪組織に係合するための外周面を有し得る。
【0081】
いくつかの実施形態では、経弁輪領域112は、任意の適切な材料からレーザー切断されたワイヤフレームであり得る。いくつかの実施形態では、経弁輪領域112は、例えば、ニチノールなどの形状記憶または超弾性材料から形成することができる。いくつかの実施形態では、経弁輪領域112は、ニチノールなどの形状記憶金属合金のシートからレーザー切断され、例えば、所望の形状及び/または構成にヒートセットされ得る。
図1A~1Eには示されていないが、いくつかの実施形態では、経弁輪領域112は、希望の形状及び/または構成にを形成できる2つのレーザー切断半切れを含み得、及び/またはそれらから形成され得、一緒に結合されて、経弁輪領域112を形成する。経弁輪領域112は、中心垂直軸104(
図1A)に対して実質的に直交する配向及びセル幾何形状を有する一組の圧縮可能なワイヤセルを含むように構成することができ、経弁輪領域112が垂直な圧縮構成、巻かれた圧縮構成、または折り畳まれた圧縮構成にあるときに、ワイヤセル歪みを最小限に抑える。いくつかの実施形態では、本明細書でさらに詳細に説明されるように、そのような方法で経弁輪領域112を形成することにより、横軸106に沿った、もしくはその方向への横方向の折り畳み(
図1C)及び/または中心軸104(
図1D)に沿った、もしくはその方向への垂直圧縮に応答して、経弁輪領域112が屈曲、屈曲、折り畳み、変形し、及び/またはそれ以外の場合は再構成する(塑性変形及び/または過度の疲労が実質的になく)。
【0082】
弁輪上領域120及び弁輪下領域130に関して上記で説明したように、経弁輪領域112のワイヤフレームは、上記のいずれかなどの任意の適切な生体適合性材料で被覆することができる。いくつかの実装形態では、弁輪上領域120、経弁輪領域112、及び弁輪下領域130のワイヤフレームは、柔軟に結合(例えば、縫製)されて、支持フレーム110のワイヤフレーム部分を形成することができ、これは次に、生体適合性材料で被覆される。換言すると、弁輪上領域120、経弁輪領域112、及び弁輪下領域130は、結合される前または結合された後に、生体適合性材料で被覆され得る。結合された後にワイヤフレームが被覆される実施形態では、生体適合性材料は、それらの間の結合を促進及び/またはサポートすることができる。
【0083】
図1A~1Eに示されていないが、フレーム110はまた、生体適合性カバー、組織アンカー、解放可能な展開及び回収制御(例えば、アクチュエータ170、送達システムインターフェース180、及び/または他の適切なガイド、ノブ、アタッチメント、リギングなど)などの付属部品を取り付けるための追加の機能要素(例えば、ループ、アンカーなど)を有し、及び/または形成することができる。いくつかの実装形態では、フレーム110(またはその態様及び/または部分)は、‘957PCT、‘010PCT、‘231PCT、’390PCT、‘932仮、‘059仮に詳細に記載されたフレーム(またはその対応する態様及び/または部分)に構造的及び/または機能的に同様であり得る。
【0084】
フロー制御コンポーネント150は、非限定的な意味で、そこを通る流体のフローを制御するためのデバイスを指し得る。いくつかの実施形態において、フロー制御コンポーネント150は、処理済みまたは未処理の心膜などの可撓性生体適合性材料から作製された、2リーフレット、3リーフレット、4リーフレット、またはそれ以上を有するリーフレット構造であり得る。これらのリーフレットは、内側フレームなどの支持構造に縫合または接合され得、続いて、外側フレーム110に縫製または接合され得る。リーフレットは、開いた状態と閉じた状態、または実質的に密閉された状態の間を移動し、フロー制御コンポーネント150を通り、弁100の流入端を通る第1の方向における血流を可能にし、弁100の流出端を通る第1の方向と反対の第2の方向における血流をブロックするように構成され得る。例えば、フロー制御コンポーネント150は、弁100が、例えば三尖弁、僧帽弁、大動脈弁、または肺動脈弁などの心臓弁として機能し、拡張期に心房から心室に流れる血液に対して開放することができ、外側表面に印加される収縮期心室圧力により閉鎖することができるように構成され得る。連続して繰り返される開閉は、「往復動」として記載され得る。
【0085】
内側フレーム、及び/またはその部分もしくは態様は、外側フレーム110、及び/またはその部分もしくは態様と、少なくとも形式及び/または機能において同様であり得る。例えば、内側フレームは、ニチノールなどの形状記憶材料から、またはそれらで形成されたレーザー切断フレームであり得る。例えば、内側フレームは、送達するために圧縮可能であり得、解放されたとき(例えば、送達の後)に、その元の(非圧縮)形状に戻るように構成されている。いくつかの実施形態において、内側フレームは、任意の好適な数の、圧縮可能で弾性的に変形可能な菱形または瞳形に成形されたワイヤセルなどを有し得、及び/またはそれを形成し得る。ワイヤセルは、内側フレームが圧縮構成にあるときにワイヤセルのひずみを最小限に抑えるために、フロー制御コンポーネント150の軸に実質的に直交する配向及びセル幾何形状を有し得る。
【0086】
いくつかの実施形態において、フロー制御コンポーネント150、及び/またはその内側フレームは、弁100が拡張構成にあるときに、実質的にシリンダまたは管状の形状を有し得(例えば、
図1Cを参照されたい)、弁100が圧縮構成に載置されたときに、弾性的に変形するように構成され得る(例えば、
図1B及び1Dを参照されたい)。
図1A~1Eには示していないが、いくつかの実施形態において、本明細書にさらに詳細に説明されるように、フロー制御コンポーネント150の内側フレームは、その内側フレームが横方向軸106の方向に沿ってまたはその方向に、横方向の圧縮または折り畳みを行うことに応答して、内側フレームが弾性的に変形することを可能にするように一緒に結合され得る2つの半切れを含み得、及び/またはそれらから形成され得る(
図1C)。
【0087】
図1A~1Dに示すように、フロー制御コンポーネント150は、フレーム110の中央チャネル114内に装着されている。より具体的には、フロー制御コンポーネント150は、弁輪上領域120(例えば、その内部部分)に、取り付けられているか、及び/またはそれに結合され、経弁輪領域112によって形成されるか、及び/またはそれによって画定される中央チャネル114へと、及び/またはそれを通って拡張するよう構成される。例えば、いくつかの実施形態において、フロー制御コンポーネント150は、組織、生体適合性メッシュ、1つ以上の織布または編み布、1つ以上の超弾性または形状記憶合金構造体を介して、弁輪上領域120に結合され得、それらは、弁輪上領域120に縫製され、縫合され、及び/または、そうでない場合は固定される。いくつかの実施形態では、フロー制御コンポーネント150は、フロー制御コンポーネント150の一部が弁輪上領域120の上に配置されるように、及び/またはそうでなければ弁輪上領域120を超えて延びる(例えば、心房の方向に弁輪から離れて伸びる)ように、弁輪上領域120に結合することができる。いくつかの実施形態では、弁輪上領域120の上に及び/またはそれを超えて延びるフロー制御コンポーネント150の部分は、隆起、棚、壁、ステップアップなどを形成し得る。いくつかの実装形態では、そのような配置は、フロー制御コンポーネント150を閉塞することなく、弁輪上領域120上での自己組織の内殖を容易にすることができる。
【0088】
より具体的には、フロー制御コンポーネント150は、フロー制御コンポーネント150を通る血流の方向に延在するフロー制御コンポーネント150の軸がフレーム110の中心軸104に対して実質的に平行であるように、中央チャネル114内に配置され得る。いくつかの実施形態において、フロー制御コンポーネント150は、支持フレーム110の中央チャネル114内の中央に置かれ得る。他の実施形態において、フロー制御コンポーネント150は、支持フレーム110の中央チャネル114内の中央を外れて置かれ得る。いくつかの実施形態において、中央チャネル114は、フロー制御コンポーネント150の直径及び/または周囲長よりも大きい直径及び/または周囲長を有し得る。
図1A~1Eには示されていないが、いくつかの実施形態において、弁100は、フロー制御コンポーネント150に隣接する中央チャネル114内に配設され得るスペーサなどを含み得る。他の実施形態において、スペーサは、フレーム110の一部分に結合され、中央チャネル114の一部分を覆うように構成されたカバーなどであり得る。場合によっては、このスペーサを使用して、フロー制御コンポーネント150の、フレーム110への結合を容易にし得る。
【0089】
いくつかの実施形態において、フロー制御コンポーネント150(またはそれらの部分及び/または態様)は、例えば、‘231PCTに記載されているフロー制御コンポーネントのいずれかと同様であり得る。したがって、フロー制御コンポーネント150及び/またはその態様または一部は、本明細書ではさらに詳細に記載されていない。
【0090】
図1に戻って参照すると、弁100は、アクチュエータ170及び送達インターフェース180を含み、及び/またはそれに結合されている。アクチュエータ170は、弁100の少なくとも一部を作動させるように構成された、任意の適切な部材、機構、及び/または装置であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、アクチュエータ170及び/またはアクチュエータ170の一部は、支持フレーム110の弁輪上領域120(例えば、スプライン及び/またはその他の部分)に少なくとも一時的に結合するように構成することができ、弁100の1つ以上の部分を作動させるように構成することができる。より具体的には、アクチュエータ170は、支持フレーム110の弁輪上領域120の少なくとも近位固定要素134を作動させて、近位固定要素134をその第1の構成と第2の構成との間で移行させるように構成することができる。いくつかの実施形態では、アクチュエータ170は、1つ以上のケーブル、テザー、リンケージ、ジョイント、接続などを含むことができ、これらは、近位固定要素134の一部に力を及ぼし(または、及ぼされた力を取り除き)、近位固定要素134を第1の構成と第2の構成との間で移行させることができる。例えば、支持フレーム110の弁輪下領域130は、非圧縮構成及び/または拡張構成で、付勢された近位固定要素134で形成することができ、アクチュエータ170は、1つ以上のケーブル、テザーなどを介して力を及ぼし、近位固定要素134を圧縮構成及び/または収縮構成に移行させるように作動させることができる。
【0091】
いくつかの実装形態では、近位固定要素134が圧縮されて、及び/または収縮して(例えば、第1の構成に)、近位固定要素134を第1の構成で少なくとも一時的に維持するとき、アクチュエータ170を、固定及び/またはロックすることができる。上述のように、いくつかの実施形態では、近位固定要素134は、弁100を自己弁輪に着座する前に、送達及び展開のための第1の構成にすることができる。弁100が自己弁輪に着座されると、ユーザは、送達システムの一部を操作して、アクチュエータ170を作動させることができる。この例では、アクチュエータ170を作動させると、アクチュエータ170が、近位固定要素134に加えられた力(例えば、ケーブル(複数可)、テザー(複数可)などを介して)を、開放及び/または除去し、それによって、上述のように、近位固定要素134が元の構成または付勢された構成(例えば、第2の構成)に戻ることを可能にする。
【0092】
図1Aに示される送達システムインターフェース180は、任意の適切な形状、サイズ、及び/または構成を有する任意の数の構成要素を含むことができる。いくつかの実装形態では、送達システムインターフェース180は、例えば、弁100を患者の体の所望の位置(例えば、自己心臓弁の弁輪)に送達するために使用される送達システムの遠位端部分であり得、及び/またはそれを含むことができる。いくつかの実施形態では、送達システムインターフェースは、例えば’957PCTに記載されるように、圧縮構成で人工弁100を受け入れるのに十分な任意の適切な対応する管腔直径を有する、例えば12-34Fr送達カテーテルなどの送達カテーテルを含むことができる。さらに、送達システムは、例えば、弁100と係合して弁100を送達カテーテルを通して前進させるように構成された多腔型のカテーテルであり得る二次カテーテルを含むことができる。いくつかの実施形態では、多腔型の二次カテーテルの各管腔は、例えば、アクチュエータ170に関連する、及び/またはそれに含まれる、ケーブル、テザー、及び/または任意のその他の適切なコンポーネントを含み得る。各ケーブル、テザー、及び/または構成要素は次に、特定の実施形態を参照して本明細書でさらに詳細に説明されるように、弁100または支持フレーム110の一部に結合され、その一部を作動させるように構成されることができる。
【0093】
さらに、多腔型の二次カテーテルの管腔(例えば、中央管腔)は、トルクケーブルとガイドワイヤを含むことができ、及び/またはそれらを受け入れることができる。ガイドワイヤは、二次カテーテルを通って、自己組織(例えば、RVOT)に対して所望の位置に延在し、’957PCTに記載されるように、送達中及び/または展開中に弁100がそれに沿って移動する経路を提供する。トルクケーブルは、フレーム110の弁輪上領域120に取り外し可能に結合するように構成された任意の適切なケーブルなどであり得る(例えば、弁輪上領域120に結合する、及び/またはそれによって形成されるウェイポイント)。トルクケーブルは、弁100の送達及び/または展開、ならびに必要に応じて弁100の収縮を容易にするように構成できる比較的硬いケーブルにすることができる。このようにして、
図1Aに示される送達システムインターフェース180は、上述の構成要素のいずれかを含む送達システムの遠位端部分であり得る。したがって、送達システムインターフェース180は、弁100の送達、弁100またはその一部(例えば、近位固定要素344)の展開及び/またはの作動、及び/または弁100の収縮に使用することができ、及び/またはそうでない場合は、それらを容易にすることができる。さらに、特定の実施形態を参照して本明細書でさらに詳細に説明されるように、送達システムインターフェース180は、弁100が自己弁輪に展開された後に弁100を切り離し、切り離し、及び/またはそうでない場合は、解放するよう構成され得る。
【0094】
上述のように、弁100は、拡張構成と圧縮構成との間で圧縮可能及び拡張可能である。弁100は、拡張構成にあるときに中心軸104に沿った第1の高さまたはサイズを有することができ、圧縮構成にあるときに、第1の高さまたはサイズより小さい、中心軸104に沿った第2の高さまたはサイズを有することができる。弁100はまた、さらなる方向に圧縮され得る。例えば、弁100は、長手方向軸102と中心軸104の両方に対して垂直である横方向軸106に沿って圧縮され得る(例えば、
図1B及び1Cを参照されたい)。
【0095】
弁100は、弁100の送達中に圧縮され、送達カテーテルから解放されると拡張するように構成されている。より具体的には、弁100は、身体内の所望の場所(例えば、自己弁の弁輪)への経カテーテル直交送達のために構成され、そこでは、弁100は、拡張構成にある弁100の寸法に対して直交方向または横方向に(例えば、中心軸104及び/または横方向軸106に沿って)圧縮される。‘957PCTに記載されるように、送達中、弁100の長手方向軸102は、送達カテーテルの長手方向軸に対して実質的に平行である。
【0096】
弁100は、送達カテーテルに装填される前に、及び/または送達カテーテルから解放され、身体内の所望の場所で展開または移植された(または展開もしくは移植される準備ができている)ときに、拡張構成にある。
図1A、1B、及び1Eに示した拡張構成にあるときに、弁100は、弁100を送達するために使用される送達カテーテルの管腔の直径よりも大きい、長手方向軸102に対して直交方向または横方向(例えば、中心軸104及び/または横方向軸106に沿って)の任意の方向への広がりを有する。例えば、いくつかの実施形態では、弁100は、5~60mmの拡張された高さ(例えば、中心軸104に沿った)を有することができる。いくつかの実施形態では、弁100は、約20~80mm、または約40~80mmの拡張された直径の長さ(例えば、長手方向軸102に沿った)及び幅(例えば、横方向軸106に沿った)を有することができる。
【0097】
図1C及び1Dに示した圧縮構成にあるときに、弁100は、弁100がその中を通って送達することができる送達カテーテルの管腔の直径よりも小さい、長手方向軸102に対して直交方向または横方向(例えば、中心軸104及び/または横方向軸106に沿って)の任意の方向への広がりを有する。例えば、いくつかの実施形態では、弁100は、約6~15mm、約8~12mm、または約9~10mmの圧縮された高さ(例えば、中心軸104に沿った)及び圧縮された幅(例えば、横軸106に沿った)を有することができる。弁100は、’957PCT、’010PCT、’231PCT、’390PCT、’932仮、’059仮に詳細に記載されているように、圧縮、巻き、折り畳み、及び/またはその他の適切な方法またはそれらの組み合わせによって圧縮され得る。いくつかの実施形態では、弁100の長さ(例えば、長手方向軸102に沿った)は、送達のために圧縮されないことが企図されている。むしろ、いくつかの実施形態において、弁100の長さは、中心軸104及び/または横方向軸106に沿った弁100の圧縮に従って増加し得る。
【0098】
図1Eに示すように、弁100は、例えば、ヒト心臓の心房(またはヒトの心臓の他の空間または室)に送達され得、例えば、肺動脈弁(PV)、僧帽弁(MV)、大動脈弁(AV)、及び/または三尖弁(TV)などの自己弁の弁輪内に配置され得る。上述のように、弁100は、圧縮構成にあり得、送達システムを介して弁輪に送達され得、送達システムから解放されて、拡張構成に拡張することを可能にされ得る。例えば、弁100は、‘957PCT、‘010PCT、‘231PCT、‘390PCT、‘932仮、‘059仮に詳細に記載されている送達システム、デバイス、及び/または方法のうちのいずれかを介して、ヒト心臓の心房に送達され、そして送達カテーテル(図示せず)から解放され得る。
【0099】
いくつかの実装形態において、弁100の送達は、ガイドワイヤをヒト心臓の心房に、自己弁を通って、心室(例えば、RVOT)内の所望の位置に前進させることを含み得る。ガイドワイヤを配置した後、送達カテーテルは、ガイドワイヤに沿って、及び/またはその上を、心房内に前進し得る(例えば、IVC、SVC、及び/または経中隔アクセスを介して)。いくつかの実施形態において、弁100のガイドワイヤカプラ(例えば、遠位固定要素132に含まれるかまたはその上に含まれる)は、ガイドワイヤの近位端部に結合され得、弁100は、圧縮構成の状態で配置され得、弁100がガイドワイヤに沿って、送達カテーテルの管腔を通って、心房内に前進することを可能にする。
【0100】
弁100を展開することは、弁100の残りの部分が心房(RA、LA)内にある間に、心室(RV、LV)内の弁輪下領域130の遠位固定要素132を弁輪の下に配置することを含み得る。場合によっては、遠位固定要素132は、ガイドワイヤの上を、及び/またはそれに沿って、例えば、心室の流出管などの心室内の所望の位置に前進し得る。例えば、いくつかの実装形態において、弁100は、自己三尖弁(TV)の弁輪に送達され得、遠位固定要素132の少なくとも一部は、RVOT内に配置され得る。他の実装形態では、弁100は、自己僧帽弁(MV)の弁輪に送達され得、遠位固定要素132の少なくとも一部分は、LVOT内及び/または任意の好適な位置内に配置され得、その中で遠位固定要素132は自己組織、リーフレット、腱索などと係合することができる。
【0101】
いくつかの実装形態において、人工弁100は、部分的に展開された状態に一時的に維持され得る。例えば、弁100は、弁100の周囲の自己弁輪を部分的に通り、弁100を部分的に通って血液が心房から心室に流れることを可能にするために、弁輪に部分的に挿入され、弁輪に対して一定の角度に維持され、これによって、弁機能の評価を可能にすることができる。
【0102】
弁100は、自己弁(PV、MV、AV、及び/またはTV)の弁輪(PVA、MVA、AVA、及び/またはTVA)に配置または着座され、弁輪下領域130(例えば、心室カラー)が弁輪下位置に配置され、弁フレーム110の経弁輪領域112が弁輪を通って延在し、弁輪上領域120(例えば、心房カラー)が弁輪上に留まるようにされる。例えば、いくつかの実施形態では、送達システム、送達システムインターフェース180、アクチュエータ170、及び/または他の適切な部材、ツールなどを使用して、少なくとも弁100の近位端部分を弁輪に押し込むことができる。いくつかの実装形態において、近位固定要素134は、弁100が弁輪に着座するとき、その第1の構成で維持され得る。例えば、上述したように、近位固定要素134は、近位固定要素134がフレーム110の経弁輪領域112及び/または弁輪上領域120と接触するか、隣接するか、及び/またはその付近にある、近位固定要素134は、圧縮構成、収縮構成、及び/または収縮構成にすることができ、これにより、次にフレーム110の弁輪下領域130の周囲全体を制限し得、それによって、フレーム110の弁輪下領域130及び経弁輪領域112が弁輪内に及び/または弁輪を通って挿入されることを可能にする。
【0103】
着座すると、近位固定要素134は、‘010PCTに詳細に記載されているように、その第1の構成からその第2の構成に移行され得る。例えば、いくつかの実装形態では、ユーザは、送達システムの一部を操作して、アクチュエータ170を作動させることができる。いくつかの実装形態では、アクチュエータ170を作動させることにより、アクチュエータ170のテザー、ケーブル、接続、及び/または部分内またはそれ以上の内の一定量の張力を解放及び/または減少することができ、それによって近位固定要素134が移行するのを可能にする。したがって、弁100が弁輪に着座すると、近位固定要素134は、近位固定要素134が弁輪下組織に接触し、係合し、及び/またはそれ以外の場合は、隣接して配置される、その第2の構成に配置することができる。いくつかの実装形態において、近位固定要素134は、近位固定要素134が心室内に配設されるときに、自己組織、腱索、小柱、輪状組織、弁尖組織などに係合し、及び/またはそれらを捕捉するように構成され得る。例えば、いくつかの実装形態において、弁100を弁輪内に着座した後、近位固定要素134は、第1の(圧縮)構成から第2の(拡張)構成に移行され得、このため、近位固定要素134は、自己組織、脊索などの1つ以上の部分の周りに延在し、及び/またはそれを通過する。次いで、近位固定要素134は、第1の構成に戻され得、近位固定要素134と、例えば、外側フレーム110の経弁輪部分との間に、自己組織、腱索、小柱、輪状組織、弁尖組織などの1つ以上の部分を捕捉及び/または固定し得る。他の実装形態において、近位固定要素134は、弁100が自己弁輪内に着座した後、第2の(拡張)構成に維持され得る。そのような実装形態では、近位固定要素134は、例えば、弁輪の近位側の弁輪下組織と接触及び/または係合し得、このため、近位固定要素、及び心房カラーの近位部分は、弁輪組織の近位部分に圧縮力を及ぼす。
【0104】
このようにして、遠位固定要素132は、弁輪の遠位側上の自己組織に係合するように構成され得、近位固定要素134は、弁輪の近位側上の自己組織に係合するように構成され得(例えば、第2の構成または拡張構成にあるとき)、それによって、
図1Eに示すように、弁100を自己弁輪内に確実に着座することができる。いくつかの実装形態では、弁の他の部分または追加の部分は、同様に、自己組織と係合して、弁100を自己弁輪にしっかりと着座させることができ、及び/または支持フレーム110と自己弁輪を形成する組織との間にシールを形成する(例えば、弁輪上領域120の遠位部分122及び/または近位部分124、経弁輪領域112、及び/または1つ以上の他のまたは追加の固定要素(
図1A~1Eには示されていない)。
【0105】
図1A~1Eには示されていないが、いくつかの実装形態において、‘957PCTに詳細に記載されているように、弁100及び/または送達システムは、1つ以上の組織アンカーを含み得、この組織アンカーを使用して、弁100の1つ以上の部分を弁輪組織に固定することができる。いくつかの実施形態において、組織アンカーは、固定要素132及び/または134、及び/または心房カラーに穴を開け、突き刺し、及び/またはそうでない場合には、弁輪組織に固定するように構成され得る。他の実施形態では、組織アンカーは、例えば、自己組織に穴を開けず、突き刺さず、及び/またはそうでない場合には、外傷を起こすことなく、固定要素132及び/または134、及び/または心房カラーを弁輪組織に固定するように構成された非外傷性アンカーであり得る。
【0106】
図2A~2Dは、一実施形態による弁輪支持フレーム210の概略図である。弁輪支持フレーム210(本明細書では「管状フレーム」、「弁フレーム」、「ワイヤフレーム」、「外側フレーム」、「支持フレーム」、または「フレーム」とも呼ばれる)は、支持フレーム210の1つ以上の部分を作動させるように構成されたアクチュエータ270を含むことができ、及び/またはそれらに結合することができる。いくつかの実施形態では、
図1A~1Eを参照して上で説明したように、支持フレーム210及び/またはアクチュエータ270は、それぞれ、支持フレーム110及び/またはアクチュエータ170と少なくとも形態及び/または機能において実質的に類似することができる。したがって、支持フレーム210の部分及び/または態様及び/またはアクチュエータ270は、本明細書ではさらに詳細に説明されていない。
【0107】
示されるように、弁輪支持フレーム210は、弁輪上部材及び/または領域220、弁輪下部材及び/または領域230、ならびに、それらの間に配置及び/または結合した経弁輪部材及び/または領域212を有する。
図2A~2Dに示される実施形態では、弁輪上部材及び/または領域220、弁輪下部材及び/または領域230、ならびに、経弁輪部材及び/または領域212は、集合的に結合されてフレーム210を形成する、別個の、独立した、及び/またはモジュラー構成要素とすることができる。弁輪上部材のそれぞれ及び/または領域220、弁輪下部材及び/または領域230、ならびに経弁輪部材及び/または領域212(本明細書では、弁輪上、弁輪下、及び経弁輪「部材」と呼ばれる)は、ニチノールのような形状記憶または超弾性材料などの任意の適切な材料からレーザー切断されたワイヤフレームである。いくつかの実装形態では、弁輪上部材220、弁輪下部材230、及び経弁輪部材212のそれぞれを、ニチノールのシートからレーザー切断し、例えば、所望の形状及び/または構成にヒートセットすることができる。上述のように、このような方法で弁輪上部材220、弁輪下部材230、及び経弁輪部材212を形成することにより、送達用にフレーム210を折り畳む及び/または圧縮することを可能にすることができる所望の量の可撓性及び/または塑性もしくは永久変形に対する耐性をもたらすことができる。さらに、弁輪上部材220、弁輪下部材230、及び経弁輪部材212のワイヤフレーム部分は、上述のもののいずれかなどの任意の適切な生体適合性材料で被覆することができる。
【0108】
いくつかの実施形態では、フレーム210の弁輪上部材220は、
図1A~1Eを参照して上述される弁輪上部材120と、少なくとも形態及び/または機能において類似し得る。例えば、本明細書でさらに詳細に記載されるように、弁輪上部材220は、例えば、経弁輪部材212の上端または上部に取り付けまたは結合することができるカフまたはカラーであり得るか、及び/またはそれを形成することができる。いくつかの実装形態では、上述で詳細に記載したように、弁輪上部材220を心房床上で展開して、血液を心房からフレーム210に取り付けられたフロー制御コンポーネントに向けることができる。弁輪上部材220は、自己組織、及び/またはフレーム210の他の1つ以上の部分、及び/またはアクチュエータ270を係合するように構成された任意の数の機能を含むように、成形及び/または形成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、弁輪上部材220は、外側部分またはループ、内側部分またはループ、及び外側部分またはループと内側部分またはループとの間に配置された1つ以上のスプラインを含むことができるか、及び/またはそれを形成することができる。
【0109】
いくつかの実施形態では、外側部分またはループ(本明細書では「外側ループ」と呼ばれる)を、自己組織に係合するように成形することができ、及び/または係合するようなサイズとすることができる。より具体的には、弁輪上部材220(またはその外側ループ)は、遠位弁輪上組織に係合するように構成された遠位部分222と、近位弁輪上組織に係合するように構成された近位部分224とを有することができる。いくつかの実施形態では、遠位部分及び近位部分222及び224は、近位部分224の曲率半径が遠位部分222の曲率半径よりも大きい、丸みを帯びている、及び/または湾曲形状を有することができる。いくつかの実施形態では、遠位部分222は、例えば、遠位弁輪上組織と係合して、フレーム210を自己弁輪で少なくとも部分的に安定化することができる、及び/または固定することができる、遠位上部固定要素を形成することができる。同様に、近位部分224は、例えば、近位弁輪上組織と係合して、フレーム210を自己弁輪で少なくとも部分的に安定化することができる、及び/または固定することができる、近位上部固定要素を形成することができる。
【0110】
弁輪上部材220の内側部分またはループ(本明細書では「内側ループ」と呼ばれる)は、実質的に円形であり得、1つ以上のスプラインに結合され得、及び/または1つ以上のスプラインによって外側ループから吊り下げられている。特定の実施形態を参照して本明細書でさらに詳細に説明されるように、内側ループは、フロー制御コンポーネントの内側フレームに結合して、フロー制御コンポーネントを支持フレーム210に少なくとも部分的に結合させることができる。いくつかの実装形態では、本明細書でさらに詳細に説明されるように、(1つ以上のスプラインを介して)内側ループを外側ループから吊り下げることにより、例えば、拡張構成と圧縮構成の間でフレーム210を移行させることに関連する力の少なくとも一部から内側ループを少なくとも部分的に分離することができる。さらに、フロー制御コンポーネントを弁輪上部材220の内側ループに取り付けることは、同様に、フレーム210がその拡張構成とその圧縮構成との間で移行するときにフロー制御コンポーネントに伝達される力の量を、少なくとも部分的に隔離する、及び/または減少させる。
【0111】
弁輪上部材220の1つ以上のスプラインは、任意の適切な形状、サイズ、及び/または構成であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、弁輪上部材220は、遠位スプライン及び近位スプラインを含むことができる。上述のように、スプラインは内部ループをサポートし、及び/またはそれ以外の場合は、内側ループを外側ループに結合するように構成できる。いくつかの実施形態では、弁輪上部材220は、アクチュエータ270及び/または送達システムインターフェイスを受容し、結合し、及び/またはそれ以外の場合はそれを係合するように構成されたスプライン(例えば、近位スプライン)を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、特定の実施形態を参照して本明細書でさらに詳細に説明されるように、近位スプラインは、アクチュエータ270に一時的に及び/または取り外し可能に結合することができる、接続点、取り付け点、ウェイポイント、及び/またはその他の適切な特徴を形成することができる。
【0112】
いくつかの実施形態では、フレーム210の弁輪下部材230は、
図1A~1Eを参照して上述される弁輪下部材130と、少なくとも形態及び/または機能において類似し得る。本明細書でさらに詳細に説明するように、フレーム210の弁輪下部材230は、例えば、経弁輪部材212の上端または下部に取り付けまたは結合することができるカフまたはカラーであり得るか、及び/またはそれを形成することができる。フレーム210がヒトの心臓内に展開されるとき、弁輪下部材230は、自己展開位置に一致するように形作られる心室カラーであり得る。三尖弁及び/または僧帽弁の置き換えにおいて、例えば、弁輪下部材230のカラーは、それぞれ、三尖弁及び/または僧帽弁を取り巻く自己弁及び/または心室天井の一部に適合するよう構成される様々な部分を有し得る。いくつかの実施形態では、弁輪下部材230またはその少なくとも一部は、自己弁輪を取り囲む心室天井と係合して、フレーム210を自己弁輪に固定し、フレーム210の脱落を防止し、自己弁輪または隣接する組織を弁輪上部材220と弁輪下部材230との間で、挟むかまたは圧縮することができ、フレーム210の周りの血液漏出(弁周囲漏出及び/または収縮期の逆流)を封止することができる。
【0113】
弁輪下部材230は、自己組織、フレーム210の他の1つ以上の部分、及び/またはアクチュエータ270を係合するように構成された任意の数の機能を含むように、成形及び/または形成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、弁輪下部材230は、遠位固定要素232を有する遠位部分と、近位固定要素234を有する近位部分とを含むことができ、及び/またはそれらを形成することができる。いくつかの実施形態では、弁輪下部材230は、他の適切な固定要素を含むことができ、及び/またはそれを形成することができる(
図2A~2Dには示されていない)。いくつかの実施形態では、固定要素232及び234は弁輪下部材230と一体的にあり、及び/またはそれとモノリシックに形成されている。弁輪下部材230の遠位固定要素232及び近位固定要素234は、任意の適切な形状、サイズ、及び/または構成であり得、例えば、上述の参照により本明細書に組み込まれる‘957PCT、‘010PCT、‘231PCT、’390PCT、‘932仮、‘059仮、弁100を参照して上述されるもののうちのいずれか、及び/または特定の実施形態に関して本明細書に記載されているもののうちのいずれかなどであり得る。
【0114】
いくつかの実施形態において、遠位固定要素232は、ガイドワイヤの一部分もしくはガイドワイヤアセンブリの一部分を選択的に係合及び/または受容するように構成されたガイドワイヤカプラを任意選択的に含み得る。ガイドワイヤカプラは、ガイドワイヤの一部分がガイドワイヤカプラのアパーチャを通って延在することを可能にするように構成され、それによって、送達及び展開の際にフレーム210がガイドワイヤの上またはそれに沿って前進することを可能にする。いくつかの実施形態において、ガイドワイヤカプラは、ガイドワイヤが、プッシャーなどの他の要素及び/または構成要素を遮断または防止しながら、ガイドワイヤカプラを通って前進することを選択的に可能にし得る。
【0115】
弁輪下部材230の固定要素232及び/または234は、自己組織の所望の部分に係合して、フレーム210が展開される自己弁の弁輪にフレーム210を装着するように構成され得る。例えば、いくつかの実装形態では、遠位固定要素232は、弁輪下部材230から、例えばRVOT内に延びる突起または突起であり得る。そのような実装形態において、遠位固定要素232は、遠位固定要素232が、フレーム210の遠位端部を自己弁輪内に少なくとも部分的に固定するのに動作可能な弁輪下組織に力を作用させるように、成形され得、及び/または付勢され得る。いくつかの実装形態において、近位固定要素234は、自己弁輪の近位側上の弁輪下組織に係合して、弁輪内のフレーム210の固定に役立つように構成され得る。
【0116】
いくつかの実装形態において、少なくとも近位固定要素234は、近位固定要素234が弁輪下部材230から第1の量または距離を延在する第1の構成と、近位固定要素234が弁輪下部材230から第2の量または距離を延在する第2の構成との間を、移行し、移動し、及び/または、そうでない場合は再構成するよう構成され得る。上述のように、フレーム210の弁輪下部材230は、ニチノールなどの形状記憶材料で形成された、所望の形状にヒートセットされるレーザー切断フレームであり得、及び/または例えば、それを含むことができる。いくつかの実施形態では、弁輪下部材230のヒートセットは、レーザー切断ワイヤの一部に1つ以上のねじれを形成することを含むことができ、これにより、次に弁輪下部材230の1つ以上の部分を異なる方向及び/または配向に付勢することができる。例えば、一般に、フレーム210の弁輪下部材230は、弁輪下部材230を折り畳む及び/または圧縮する(例えば、弁輪下部材230の縦軸に対して)ことを可能にする方向に高い量の可撓性をもたらすように形成することができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、弁輪下部材230の一部を、近位固定要素234が作動する、及び/またはそうでない場合は第1の構成と第2の構成の間を移行することを可能にする方向に大量の柔軟性を提供するようにねじる、及び/またはそうでない場合は方向付けることができる(例えば、弁輪下部材230の縦軸に直交し、折り畳み及び/または圧縮方向に直交する方向に)。
【0117】
いくつかの実施形態では、近位固定要素234は、第1の構成にあるとき、圧縮され、収縮され、収縮され、展開されていない、折りたたまれている、及び/または拘束された状態(例えば、支持フレーム210の経弁輪部材212及び/または弁輪下部材220の付近にあり、隣接し、及び/またはそれと接触する位置)にあり得、第2の構成にあるとき、拡張され、延在され、展開され、折り畳み解除され、及び/または拘束解除された(例えば、経弁輪部材212から離れて延在する)状態にあり得る。いくつかの実施形態では、近位固定要素234は、第2の構成で付勢することができ、及び/またはヒートセットすることができる。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書でさらに詳細に説明するように、近位固定要素234は、アクチュエータ270の作動に応答して移行することができる。
【0118】
一部の実装形態では、近位固定要素234は、展開中に第1の構成から第2の構成に移行して、自己組織、腱索、小柱、弁輪組織、リーフレット組織、及び/または他の任意の解剖学的構造に選択的に係合して、自己弁輪でフレーム210の固定を助けることができる。近位固定要素234(及び/または遠位固定要素232)は、近位固定要素234(及び/または遠位固定要素232)と自己組織との間の係合を容易にするように構成された任意の適切な特徴、表面、部材などを含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、特定の実施形態を参照して本明細書でさらに詳細に説明されるように、近位固定要素234は、第2の構成にあるとき、自己組織、腱索、小柱、輪状組織、小葉組織、及び/または他の任意の解剖学的構造と係合するように、及び/またはそれらと絡み合うように構成された1つ以上の特徴を含むことができる。
【0119】
いくつかの実施形態では、フレーム210の経弁輪部材212は、
図1A~1Eを参照して上述される経弁輪部材112と、少なくとも形態及び/または機能において類似し得る。例えば、経弁輪部材212は、弁輪上部材220と弁輪下部材230との間に配置されている。いくつかの実施形態では、経弁輪部材212は、弁輪上部材220及び弁輪下部材230のそれぞれに、それらの間で所望の量の動き及び/または屈曲させが生じるように結合することができる(例えば、溶接、結合、縫製、結合など)。例えば、いくつかの実装形態では、経弁輪部材212及び/またはその一部は、弁輪上部材220及び弁輪下部材230のそれぞれ(及び/またはそれらの一部)に縫い付けることができる。経弁輪部材212は、経弁輪部材112に関して上で説明したように、リング、シリンダ管、円錐管、D字管、及び/または任意の他の好適な弁輪形状に成形及び/または形成することができる。いくつかの実施形態では、経弁輪部材212は、支持フレーム210の弁輪上領域220及び/または弁輪下領域230、支持フレーム210に結合するよう構成されたフロー制御コンポーネント、及び/またはそれが展開されるよう構成された自己弁輪のサイズ、形状、及び/または構成に少なくとも部分的に基づいた形状及び/またはサイズを有し得る。例えば、経弁輪部材212は、弱化した自己弁輪に構造的開存性を提供するために、自己弁輪の内側面に対して引っ張られ得る自己弁輪組織に係合するための外周面を有し得る。
【0120】
上述のように、弁輪上部材220、弁輪下部材230、及び経弁輪部材212は、集合的に結合されてフレーム210を形成する、独立した、及び/またはモジュラー構成要素とすることができる。いくつかの実施形態では、弁輪上部材220は、自己弁の弁輪上組織と係合するように構成され、心房床と実質的に流体密なシールを形成するように成形することができ、及び/または付勢することができ、フレーム周辺の漏れ(例えば、弁周囲の漏れ)を制限、及び/または実質的に防ぐ。同様に、弁輪下部材220は、自己弁の弁輪下組織と係合するように構成され、心室天井と実質的に流体密なシールを形成するように成形することができ、及び/または付勢することができ、フレーム周辺の漏れを制限、及び/または実質的に防ぐ。さらに、いくつかの実施形態では、経弁輪部材212は、自己弁輪組織に対してわずかに大きなサイズの円周を有することができ、例えば、フレーム210の経弁輪部材212と弁輪の壁を形成する自己組織との間に少なくとも部分的なシールを形成することができる。そのような実装形態では、心房床、心室天井、及び弁輪の壁に対してシールを形成することは、1つ以上の弁輪上部材(複数可)220、弁輪下部材230、及び/または経弁輪部材212によって形成された不完全または部分的なシールの場合に冗長性をもたらすことができる。
【0121】
他の実装形態では、遠位固定要素232及び近位固定要素234は、フレーム210の弁輪上部材220を心房床に向かって引っ張ることで動作可能な弁輪下組織に力を加え、それによってシールの形成を容易にすることができる。そのような実装形態では、例えば、弁輪下部材230及び/または経弁輪部材212は、シールを形成する必要がないか、または弁輪上部材220によって形成されるシールのために自己組織と部分的にシールを形成することができる。
【0122】
いくつかの実装形態では、フレーム210の配置は、構造的支持及び/または剛性が弁輪上部材220及び弁輪下部材230によってもたらされるが、経弁輪部材212は、実質的な支持及び/または剛性をもたらす必要はない。いくつかのそのような実装形態では、経弁輪部材212は、実質的な支持及び/または剛性を提供するのではなく、弁輪上部材220を弁輪下部材230に結合し、送達のために(弾性的に)容易に変形するように構成することができる。さらに、経弁輪部材212は、生体適合性材料で被覆されたレーザー切断フレームによって形成されるものとして上記に記載されているが、他の実施形態では、経弁輪部材212は、心膜組織、布地、ポリエステルなどの任意の適切な可撓性材料から形成することができる。いくつかのそのような実施形態では、レーザー切断フレームなしで可撓性材料を形成することにより、例えば、圧縮構成にあるときにフレーム210のサイズを縮小することができ、それにより、より小さな送達カテーテルを使用して弁を送達することができる。いくつかの実施形態では、フレーム210は、別個の経弁輪部材212を含む必要はない。例えば、そのような実施形態では、フロー制御コンポーネントは、弁輪上部材220と弁輪下部材230との間に結合することができ、それにより、圧縮構成の弁のサイズをさらに小さくすることができる。
【0123】
図2A~2Dに示されるように、アクチュエータ270は、少なくとも一時的に、弁輪上部材220及び弁輪下部材230に結合することができる。いくつかの実施形態では、アクチュエータ270またはその一部はまた、経弁輪部材212の一部に少なくとも一時的に結合することができる。アクチュエータ270は、フレーム210の少なくとも一部を作動させるように構成された、任意の適切な部材、機構、及び/または装置であり得る。さらに、アクチュエータ270の一部は、フレーム210及び/またはフレーム210を含む弁を送達するために使用される送達システムの一部を通って延びることができる。このようにして、ユーザは、アクチュエータ270の近位端部分を操作して、アクチュエータ270を作動させることができる。
【0124】
いくつかの実施形態では、アクチュエータ270は及び/またはアクチュエータ270の一部は、弁輪上部材220のスプラインに少なくとも一時的に結合するように構成することができ(例えば、取り付け点、ウェイポイント、コネクタ、ねじ山付きカプラなど)、フレーム210の1つ以上の部分を作動させるように構成することができる。アクチュエータ270は、支持フレーム210の弁輪上部材220の少なくとも近位固定要素234を作動させて、近位固定要素234をその第1の構成と第2の構成(上述)との間で移行させるように構成することができる。
【0125】
いくつかの実施形態では、アクチュエータ270は、1つ以上のケーブル、テザー、リンケージ、ジョイント、接続などを含むことができ、これらは、近位固定要素234の一部に力を及ぼし(または、及ぼされた力を取り除き)、近位固定要素234を第1の構成と第2の構成との間で移行させることができる。例えば、アクチュエータ270は、弁輪上部材220のウェイポイントなどに結合することができ、1つ以上のテザー、ケーブル、及び/またはウェイポイントを通過する部材及び/または1つ以上の開口部またはアパーチャであり、近位固定要素234に結合する。一部の実装形態では、1つ以上のテザー、ケーブル、及び/または部材は、例えば、’010PCTに記載されているように、近位固定要素234に取り外し可能にすることができ、及び/または一時的に結合することができる。
【0126】
上述のように、弁輪下部材230は、非圧縮構成及び/または拡張構成で付勢された近位固定要素234で形成することができる。このようにして、アクチュエータ270は、近位固定要素234を圧縮構成及び/または収縮構成に移行させるように動作可能な1つ以上のケーブル、テザーなどを介して力を加えるように作動させることができる。より具体的には、ユーザは、アクチュエータ270の近位端部分を操作して、フレーム210に結合されているアクチュエータ270の遠位端部分を作動させることができる。例えば、アクチュエータ270を作動させることは、
図2Bの矢印AAによって示されるように、1つ以上のケーブル、テザー、及び/または部材は近位方向に引っ張られるようにできる(例えば、フレーム210から離れる及び/またはその中の張力を増加させる方法で)。アクチュエータ270の遠位端部分のフレーム210への結合は、ケーブル、テザーなどの近位の動きが、
図2Bの矢印BBによって示されるように、近位固定要素234をフレーム210の中心軸に向かって引っ張るようにすることができる。したがって、アクチュエータ270を作動させると、近位固定要素234に力を加えて、
図2Bに示されるように、近位固定要素234を圧縮構成、収縮構成、拘束構成、及び/または作動構成に配置することができる。
【0127】
いくつかの実装形態では、アクチュエータ270を作動させることはまた、弁輪下部材の近位前部及び/または経弁輪壁、及び弁輪下部材の近位後部及び/または経弁輪壁を弁200の長手方向軸に向かって引っ張るように動作可能であり得る。例えば、
図2Cは、アクチュエータ270の作動(例えば、アクチュエータ270またはテザーをAA方向に動かす)が、矢印BBによって示されるように、近位固定要素234を弁フレーム210の中央部分に向かって圧縮し、及び/また移動させ、矢印CCによって示されるように、後部及び前部側壁を弁フレーム210の中央部分に向かって圧縮することを示している。したがって、アクチュエータ270を作動させることにより、少なくとも弁輪下部材230の周囲を縮小させることができ、弁フレーム210の所望の部分を自己弁の弁輪に挿入することができる。
【0128】
いくつかの実装形態では、近位固定要素234が圧縮されて、及び/または収縮して(例えば、第1の構成に)、近位固定要素234を第1の構成で少なくとも一時的に維持するとき、アクチュエータ270を、固定及び/またはロックすることができる。上述のように、いくつかの実施形態では、近位固定要素234は、フレーム210(または弁)を自己弁輪に着座させる前に、送達及び展開のための第1の構成にすることができる。フレーム210が自己弁輪に着座すると、ユーザは、アクチュエータ270の近位部分を操作してアクチュエータ270を作動及び/または解放することができる。この例では、作動によりアクチュエータ270が、近位固定要素234に加えられた力の少なくとも一部を解放、及び/または(例えば、ケーブル(複数可)、テザー(複数可)などを介して)除去することができ、それにより、近位固定要素234(及び/または前部及び/または後部の壁部の1つ以上の部分)を、上述のように、その付勢構成または第2の構成(例えば、
図2Aを参照されたい)に戻すようにできる。
【0129】
いくつかの実装形態では、アクチュエータ270は、フレーム210(または弁)が自己弁輪に着座した後、フレーム210をさらに作動させるように構成することができる。例えば、いくつかの実装形態では、ユーザは、アクチュエータ270の近位端部分を操作して(例えば、今説明したのと同じ方法で、または異なる方法で)、
図2Dの矢印DDによって示されるように、1つ以上のケーブル、テザー、及び/または近位方向(例えば、フレーム210から離れる方向及び/またはその中の張力を増加させる方法で)のアクチュエータ270の部材を移動させることができる。この例では、近位固定要素234は、フレーム210を自己弁輪に着座させた後、その非圧縮状態または非作動状態にある。アクチュエータ270は、弁輪上部材220、弁輪下部材230及び/または近位固定要素234に結合し、アクチュエータ270の作動が、
図2Dの矢印EEによって示されるように、弁輪上部材220の近位部分224に向かって近位固定要素234を引っ張るように動作可能な力をもたらすようにできる。例えば、アクチュエータ270は、フレーム210の少なくとも一部を締め付ける際に動作可能な圧縮力などを発揮することができる。
【0130】
図2Dに示すように、場合によっては、自己弁輪の方向に(例えば、その付勢された位置を超えて)屈曲することができ、これは近位固定要素234は、近位固定要素234と自己組織及び/または自己弁輪の近位側の腱索との間の係合を容易にすることができる。いくつかの実装形態では、
図2Dの矢印FFによって示されるように、アクチュエータ270の作動から生じる力は、弁輪下部材230の他の部分を弁輪上部材220に向かって、引っ張る、動かす、圧縮する、及び/または締め付けることができる。いくつかのそのような実装形態では、締め付けの量は、フレーム210全体にわたって変化させることができる。例えば、フレーム210の近位部分またはその近くでの締め付けの量は、フレーム210の遠位部分またはその近くでの締め付けの量よりも大きくなり得る。他の実装形態では、締め付けの量は、フレーム210全体で実質的に一貫していてもよい。さらに、フレーム210を自己弁輪に着座させるときに自己弁輪を取り囲むすくなくともいくつかの組織を弁輪上部材220と弁輪下部材230の間に配置することができ、したがって、弁輪上部材220と弁輪下部材230の締め付けが、部材220と230の間に自己組織を圧搾及び/または挟むように操作可能であり得る。このようにして、締め付けは、自己弁輪におけるフレーム210の固定を強化することができる。
【0131】
図2A~2Dには示されていないが、いくつかの実施形態では、近位固定要素234は、フレーム210が自己弁輪に対してまたはそれに対して締め付けられているときに、自己組織、腱索、小柱、輪状組織、弁尖組織などに係合するようなサイズとされ、及び/または成形され得る。いくつかの実施形態では、近位固定要素234は、フレーム210が自己弁輪に対してまたはそれに対して締め付けられているときに、自己組織と係合することのできる、及び/または係合を促進することのできる、1つ以上の突起、特徴、隆起、リブ、ノブ、結び目、ビーズ、ループなどを含むことができる。
【0132】
フレーム210が及び/または弁輪下部材230の1つ以上の部分は、アクチュエータ270の作動に応答してフレーム210の中心軸に向かって内側に移動するように圧縮されるものとして上で説明され、他の実施形態では、アクチュエータ270は、フレーム210の1つ以上の部分に取り外し可能に結合され得、そのような部分を任意の適切な方法で移動させるように構成されている。例えば、いくつかの実装形態では、アクチュエータ270の作動が、作動モードに応じて前方向または後方向のいずれか、あるいは両方向でのフレーム210のフレーム210の経弁輪部材212の周りでの近位固定要素234の折り畳みまたはラッピングをもたらすように、アクチュエータ270(例えば、上述のような1つ以上のテザーなど)を近位固定要素234に結合することができる。上述のように、経弁輪部材212の周りに近位固定要素234を折りたたみ及び/または巻き付けることにより、少なくとも弁輪下部材230の円周または直径を減少させることができ、フレーム210を自己心臓弁の弁輪に、及び/または少なくとも部分的にそれを通って挿入することができる。
【0133】
図3A~3Cは、一実施形態による弁輪支持フレーム310の概略図である。弁輪支持フレーム310(本明細書では「管状フレーム」、「弁フレーム」、「ワイヤフレーム」、「外側フレーム」、「支持フレーム」、または「フレーム」とも呼ばれる)は、支持フレーム310の1つ以上の部分を作動させるように構成されたアクチュエータ370を含むことができ、及び/またはそれらに結合することができる。いくつかの実施形態では、支持フレーム310及び/またはアクチュエータ370は、それぞれ、フレーム110、210、及び/またはアクチュエータ170、270と、少なくとも形状及び/または機能において、実質的に類似することができる。したがって、支持フレーム310の部分及び/または態様及び/またはアクチュエータ370は、本明細書ではさらに詳細に説明されていない。
【0134】
示されるように、弁輪支持フレーム310は、弁輪上部材及び/または領域320、弁輪下部材及び/または領域330、ならびに、それらの間に配置及び/または結合した経弁輪部材及び/または領域312を有する。
図3A~3Cに示される実施形態では、弁輪上部材及び/または領域320、弁輪下部材及び/または領域330、ならびに、経弁輪部材及び/または領域312は、集合的に結合されてフレーム310を形成する、別個の、独立した、及び/またはモジュラー構成要素とすることができる。弁輪上部材のそれぞれ及び/または領域320、弁輪下部材及び/または領域330、ならびに経弁輪部材及び/または領域312(本明細書では、弁輪上、弁輪下、及び経弁輪「部材」と呼ばれる)は、ニチノールのような形状記憶または超弾性材料などの任意の適切な材料からレーザー切断されたワイヤフレームである。いくつかの実装形態では、弁輪上部材320、弁輪下部材330、及び経弁輪部材312のそれぞれを、ニチノールのシートからレーザー切断し、例えば、所望の形状及び/または構成にヒートセットすることができる。上述のように、このような方法で弁輪上部材320、弁輪下部材330、及び経弁輪部材312を形成することにより、送達用にフレーム310を折り畳む及び/または圧縮することを可能にすることができる所望の量の可撓性及び/または塑性もしくは永久変形に対する耐性をもたらすことができる。さらに、弁輪上部材320、弁輪下部材330、及び経弁輪部材312のワイヤフレーム部分は、上述のもののいずれかなどの任意の適切な生体適合性材料で被覆することができる。
【0135】
いくつかの実施形態では、フレーム310の弁輪上部材320は、上述の弁輪上部材120、220と、少なくとも形態及び/または機能において類似し得る。例えば、弁輪上部材320は、例えば、経弁輪部材312の上端または上部に取り付けまたは結合することができるカフまたはカラーであり得るか、及び/またはそれを形成することができる。弁輪上部材320は、自己組織、及び/またはフレーム310の他の1つ以上の部分、及び/またはアクチュエータ370を係合するように構成された任意の数の機能を含むように、成形及び/または形成され得る。例えば、弁輪上部材320(またはその外側ループ)は、遠位弁輪上組織に係合するように構成された遠位部分322と、近位弁輪上組織に係合するように構成された近位部分324とを有することができる。
【0136】
上述のように、弁輪上部材320は、外側部分またはループ、内側部分またはループ、及び外側部分またはループと内側部分またはループとの間に配置された1つ以上のスプラインを含むことができるか、及び/またはそれを形成することができる。外側部分またはループ(本明細書では「外側ループ」と呼ばれる)を、自己組織に係合するように成形することができ、及び/または係合するようなサイズとすることができる。いくつかの実装形態では、外側ループは、例えば、弁輪上組織と係合して自己弁輪でフレーム310を少なくとも部分的に安定化することができ、及びそこに固定することができる1つ以上の上部または弁輪上固定要素を形成することができる。弁輪上部材320の内側部分またはループ(本明細書では「内側ループ」と呼ばれる)は、1つ以上のスプラインによって外側ループに結合し、及び/またはそこから吊り下げられ、フロー制御コンポーネントの内側フレームに結合可能であり、上述のように、弁輪上部材220を参照して、フロー制御コンポーネントを支持フレーム310に少なくとも部分的に取り付ける。弁輪上部材320の1つ以上のスプラインは、任意の適切な形状、サイズ、及び/または構成であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、弁輪上部材320は、遠位スプライン及び近位スプラインを含むことができる。いくつかの実施形態では、弁輪上部材320は、アクチュエータ370及び/または送達システムインターフェイスを受容し、結合し、及び/またはそれ以外の場合はそれを係合するように構成されたスプライン(例えば、近位スプライン)を含むことができる。例えば、
図3A~3Cに示される実施形態では、特定の実施形態を参照して本明細書でさらに詳細に説明されるように、弁輪上部材330(例えば、そのスプライン)は、ウェイポイント、及び/または、アクチュエータ370及び送達システムの他の任意の適切な部分を一時的に及び/または取り外し可能に結合及び/または受け入れることができるものを形成することができる。
【0137】
フレーム310の弁輪下部材330は、上述の弁輪下領域及び/または部材130、230と少なくとも形態及び/または機能において類似することができる。フレーム310の弁輪下部材330は、例えば、経弁輪部材312の上端または下部に取り付けまたは結合することができるカフまたはカラーであり得るか、及び/またはそれを形成することができる。フレーム310がヒトの心臓内に展開されるとき、弁輪下部材330は、自己展開位置に一致するように形作られる心室カラーであり得る。いくつかの実装形態では、弁輪下部材330またはその少なくとも一部は、自己弁輪を取り囲む心室天井と係合して、フレーム310を自己弁輪に固定し、フレーム310の脱落を防ぎ、及び/またはフレーム310の周りの血液漏出(弁周囲漏出及び/または収縮期の逆流)を封止することができる。
【0138】
図3A~3Cに示されるフレーム310に含まれる弁輪下部材330は、遠位固定要素332を有する遠位部分と、近位固定要素334を有する近位部分とを含むことができ、及び/またはそれらを形成することができる。いくつかの実施形態では、弁輪下部材330は、他の適切な固定要素を含むことができ、及び/またはそれを形成することができる(
図3A~3Cには示されていない)。固定要素332及び334は弁輪下部材330と一体的にあり、及び/またはそれとモノリシックに形成され得る。弁輪下部材330の遠位固定要素332及び近位固定要素334は、任意の適切な形状、サイズ、及び/または構成であり得、例えば、上述の参照により本明細書に組み込まれる‘957PCT、‘010PCT、‘231PCT、’390PCT、‘932仮、‘059仮、弁100を参照して上述されるもののうちのいずれか、及び/または特定の実施形態に関して本明細書に記載されているもののうちのいずれかなどであり得る。遠位固定要素332は、遠位固定要素132、232と実質的に類似することができ、したがって、本明細書でさらに詳細に説明されていない。
【0139】
近位固定要素334は、近位固定要素334が弁輪下部材330から第1の量、距離、及び/または方向を延在する第1の構成と、近位固定要素334が弁輪下部材330から第2の、距離、及び/または方向を延在する第2の構成との間を、移行し、移動し、及び/または、そうでない場合は再構成するよう構成され得る。いくつかの実施形態では、近位固定要素334は、
図2A~2Dを参照して上述で説明した近位固定要素234に対して少なくとも形態及び/または機能において実質的に類似し得る。したがって、そのような類似性は、本明細書ではさらに詳細に説明されていない。
【0140】
いくつかの実施形態では、近位固定要素334は、第1の構成にあるとき、圧縮され、収縮され、収縮され、展開されていない、折りたたまれている、及び/または拘束された状態(例えば、支持フレーム310の経弁輪部材312及び/または弁輪下部材320の付近にあり、隣接し、及び/またはそれと接触する位置)にあり得、第2の構成にあるとき、拡張され、延在され、展開され、折り畳み解除され、及び/または拘束解除された(例えば、経弁輪部材312から離れて延在する)状態にあり得る。いくつかの実施形態では、近位固定要素334は、第2の構成で付勢することができ、及び/またはヒートセットすることができる。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書でさらに詳細に説明するように、近位固定要素334は、アクチュエータ370の作動に応答して移行することができる。
【0141】
経弁輪部材312は、弁輪上部材320と弁輪下部材330との間に配置されている。いくつかの実施形態では、経弁輪部材312は、弁輪上部材320及び弁輪下部材330のそれぞれに、それらの間で所望の量の動き及び/または屈曲させが生じるように結合することができる(例えば、溶接、結合、縫製、結合など)。いくつかの実施形態では、フレーム310の経弁輪部材312は、上述の経弁輪領域112、212と少なくとも形態及び/または機能において類似し得、したがって、本明細書ではさらに詳細に説明されていない。
【0142】
フレーム310は、
図2A~2Dを参照して上記で説明したフレーム210と実質的に同様であるとして上記で説明したが、フレーム310は、アクチュエータとの係合及び近位固定要素334の動きにおいてフレーム210とは異なることができる。
図3A~3Cに示されるように、アクチュエータ370は、少なくとも一時的に、弁輪上部材320及び弁輪下部材330と係合することができる。アクチュエータ370は、フレーム310の少なくとも一部を作動させるように構成された、任意の適切な部材、機構、及び/または装置であり得る。さらに、アクチュエータ370の一部は、フレーム310及び/またはフレーム310を含む弁を送達するために使用される送達システムの一部を通って延びることができる。このようにして、ユーザは、アクチュエータ370の近位端部分を操作して、アクチュエータ370を作動させることができる。
【0143】
図3Aは、フレーム310が圧縮構成または送達構成にある間、アクチュエータ370がフレーム310と係合していることを示している。弁100に関して上で説明したように、フレーム310は、圧縮、折り畳み、及び/またはそれ以外の場合は、送達カテーテルを介した側方送達のための送達構成に配置される。フレーム310を送達システムに配置する前に、アクチュエータ370は、フレーム310(または弁)及びアクチュエータ370が一緒に送達カテーテルを通って前進するように、フレーム310に取り外し可能に結合することができる。この実施形態では、アクチュエータ370は、弁輪上部材320によって定義されるウェイポイント328を通って延びるテザーであり得、弁輪下部材330の1つ以上の取り付け点を通ってループバックする(例えば、近位固定要素334上またはその近辺の1つ以上の取り付け点、次いでウェイポイント328を通ってループバックする)。したがって、テザーの両端はフレーム310の近位にあり、送達システムの近位及び/または近位端にあり得、操作者がアクチュエータ370(テザー)を操作して近位固定要素334を作動させることを可能にする。
図3Aは、フレーム310が送達カテーテルを介した側方送達のための送達構成にあるとき、近位固定要素334が拡張構成または非作動構成にあることを示している。
【0144】
図3Bは、近位固定要素334を第1の位置または構成から第2の位置または構成に移動させるように作動されるアクチュエータ370を示している。より具体的には、フレーム310(及び/または弁)は、送達カテーテルを通って前進することができ、フレーム310が送達カテーテルから解放されるときに、少なくとも部分的に拡張することができる。いくつかの実施形態では、フレーム310の近位端部分が送達カテーテル内に留まっている間に、フレーム310が少なくとも部分的に弁輪に挿入される。フレーム310を送達カテーテルから完全に解放した後、操作者は、アクチュエータ370の近位端部分を操作して、近位固定要素334に結合されたアクチュエータ370の遠位端部分を作動させることができる。
【0145】
例えば、アクチュエータ370を作動させることは、
図3Bの矢印GGによって示されるように、1つ以上のテザーは近位方向に引っ張られるようにできる(例えば、フレーム310から離れる及び/またはその中の張力を増加させる方法で)。アクチュエータ370が、この実施形態ではアクチュエータ370によって作動されない、弁輪上部材320のウェイポイント328を通過することで、ケーブル、テザーなどの近位の動きは、
図3Bの矢印HHによって示されるように、近位固定要素334をウェイポイント328に向かって引っ張る。したがって、アクチュエータ370を作動させると、近位固定要素334に力を加えて、
図3Bに示されるように、近位固定要素334を圧縮構成、収縮構成、拘束構成、及び/または作動構成に配置することができる。上述のように、近位固定要素334を圧縮構成及び/または作動構成に配置することは、少なくとも弁輪下部材330の周囲を縮小し、弁輪下部材330が自己弁の弁輪を通過することを可能にする。
図2A~2Dに示されるフレーム210を参照して上記で詳細に説明したように、近位固定要素334がウェイポイント328に向かって弁輪上方向に動いているように及び/または旋回するように示されている間、いくつかの実装形態では、近位固定要素334及び/または弁輪下部材330及び/または経弁輪部材312への1つ以上の部分は、同様に、ウェイポイント328に向かって移動または旋回することができ、次に、弁輪下部材330の周囲を縮小することができる。
【0146】
フレーム310(または弁)を弁輪に着座した後、アクチュエータ370を再び作動させることができ、及び/またはそれ以外の場合は、作動していない状態または構成に戻ることができる。したがって、近位固定要素334は、拡張構成及び/または作動していない構成に戻ることができる。
図3A~3Cに示される実施形態では、近位固定要素334は、拡張構成及び/または作動していない構成において、近位固定要素334が、自己弁輪下組織と係合して、フレーム310を弁輪に少なくとも部分的に固定するように、付勢され得る。
図3Cは、フレーム310が弁輪に着座すると、操作者がアクチュエータ370を操作して、アクチュエータ370をフレーム310から取り外すことができることを示している。例えば、操作者は、テザーが弁輪下部材330の取り付け点及び弁輪上部材320のウェイポイント328から引き抜かれるように、テザー(例えば、アクチュエータ370)の一端を引っ張ることができる。このように、アクチュエータ370、及び/またはアクチュエータ370がその一部である送達システムは、フレーム310が自己心臓弁の弁輪に留まっている間に、患者から引き抜くことができる。
【0147】
側方送達可能な経カテーテル人工弁(例えば、人工心臓弁)のある特定の態様または実施形態の考察が、以下に提供される。特定の実施形態に関して以下に記載する経カテーテル人工弁(またはその態様もしくは部分)は、弁100及び/または弁200(またはその対応する態様もしくは部分)と少なくとも形態及び/または機能が実質的に同様であり得る。同様に、以下に記載される弁(またはその態様または部分)は、’957PCT、’010PCT、’231PCT、’390PCT、’932仮、’059仮で詳細に説明されている弁と少なくとも形態及び/または機能が類似し得る。したがって、特定の態様及び/または特定の実施形態の一部は、本明細書でさらに詳細に説明されない場合がある。
【0148】
図4~24は、一実施形態による、側方送達可能な(直交送達可能な)経カテーテル人工心臓弁400(本明細書では、「人工弁」または「弁」とも称される)を図示する。
図4は、弁400の上面斜視図の例示である。いくつかの実装形態において、弁400は、例えば、自己三尖弁及び/または僧帽弁の弁輪内で展開され得る。弁400は、弁400の流入端を通る第1の方向における血流を可能にし、弁400の流出端を通る第1の方向と反対の第2の方向における血流をブロックするように構成される。例えば、人工弁400は、自己弁の機能を補完及び/または置き換えるために、ヒト心臓の自己三尖弁または自己僧帽弁の弁輪内に展開されるように構成される側方送達可能な経カテーテル人工心臓弁であり得る。
【0149】
弁400は、弁400のx軸(本明細書では、「水平軸」、「長手方向軸」、「長軸」、及び/または「縦方向軸」とも称される)に対して少なくとも1つの方向に圧縮可能及び拡張可能である。弁400は、身体(例えば、ヒト心臓)内の所望の場所に移植するための拡張構成と、送達カテーテル(
図4には示されていない)を使用して身体内に導入するための圧縮構成との間で、圧縮可能及び拡張可能である。いくつかの実施形態において、弁400の水平x軸は、拡張構成時及び/または圧縮構成時において、中心(垂直)y軸に対して直交するか(90度)、もしくは実質的に直交するか(75~105度)、または実質的に傾斜する(45~135度)。さらに、圧縮構成における弁400の水平x軸は、弁400が配置されている送達カテーテルの縦方向のシリンダ軸に対して実質的に平行である。
【0150】
いくつかの実施形態では、弁400は、約5~60mm、約5~30mm、約5~20mm、約8~12mm、または約8~10mmの拡張または展開された高さと、約25~80mm、または約40~80mmの拡張または展開された直径(例、長さ及び/または幅)とを有する。いくつかの実施形態では、弁400は、約6~15mm、約8~12mm、または約9~10mmの圧縮された高さ(y軸)及び幅(z軸)を有する。いくつかの実施形態では、弁400の長さ(例えば、x軸に沿った)は、送達カテーテルの中心円筒軸の長さに沿って延びることができるので、圧縮されないか、さもなければ短縮されないことが企図される。
【0151】
特定の実施形態では、弁400は、中心的であるか、または放射状に対称的である。他の実施形態では、弁400は、偏心しているか、または半径方向に非対称である(例えば、y軸に沿ってまたはそれに対して)。いくつかの偏心した実施形態において、フレーム410は、D字形断面を有してもよく、平坦な部分または表面は、前方リーフレットでまたはその近辺で、自己僧帽弁の弁輪と実質的に適合するように構成される。
図4~24に示される例では、弁400は偏心しており、1つ以上の構成要素がy軸に対してオフセットまたは非対称領域である。
【0152】
弁400は、弁輪外側支持フレーム410、及びその弁輪外側支持フレーム410内に装着された折り畳み可能な内側フロー制御コンポーネント450を含む。弁輪外側支持フレーム410(本明細書では、「外側フレーム」とも称される)は、ニッケルチタン合金(ニチノール)などの形状記憶材料から作製され、したがって、圧縮構成から拡張構成への自己拡張構造体である。
図4に示すように、弁400の少なくとも外側支持フレーム410は、生体適合性カバー440によって覆われ、巻き付けられ、及び/または取り囲まれる。生体適合性カバー440は、メッシュ材料、心膜組織、織布合成ポリエステル材料、及び/または上述のものなどの任意の他の好適な生体適合性材料であり得る。
【0153】
外側フレーム410は、経弁輪部材412、及び/または垂直軸または中心軸(y軸)の周りを、及び/またはそれに沿って中央(内部)チャネルを制限、形成、及び/または画定する本体を有する。外側フレーム410は、経弁輪部材412の上端に円周方向に取り付けられた弁輪上部材420と、経弁輪部材412の下端に円周方向に取り付けられた弁輪下部材410とを有する。弁輪上部材420は、自己展開場所と合致するように成形されている。三尖弁の置き換えにおいて、例えば、弁輪上部材420または心房カラーは、自己弁の中隔部分に合致するための背の高い背面壁部分を有し得、遠位及び近位部分を有し得る。遠位部分は、近位部分よりも大きくすることができ、遠位弁輪下領域(例えば、右心室流出路(RVOT)の弁輪下領域)の上の(心房)より大きな平坦な空間の根拠となる。僧帽弁の置き換えにおいて、例えば、弁輪上部材420及び/または外側フレーム410は、D字形状、または自己構造にそっくりの双曲放物面と同様の形状であってもよい。
【0154】
折りたたみ可能な内側フロー制御コンポーネント450(本明細書では「折りたたみ可能なフロー制御コンポーネント」、「内部フロー制御コンポーネント」及び/または「フロー制御コンポーネント」とも呼ばれる)は、外側フレーム410内に取り付けられている。フロー制御コンポーネント450は、2つの以上の折り畳み領域、ヒンジ領域、結合領域、弾性的に変形可能な領域などを有する折り畳み可能及び圧縮可能な内側ワイヤフレーム35(「内側リーフレットフレーム」または「内側フレーム」とも称される)を有する。2~4つの可撓性リーフレット461のセットが、内側フレーム451の中または上に装着されている(
図4には示されない)。いくつかの実施形態において、本明細書でさらに詳細に説明されるように、フロー制御コンポーネント450は、内側フレーム451内に装着された3つのリーフレット461先端またはポケットを有する。
【0155】
内側フロー制御コンポーネント450は、外側フレーム410と同様、折り畳み可能であり、圧縮可能である。例えば、内側フレーム451は、シリンダ構成から扁平シリンダ構成(または2層バンド)に、z軸に沿ってまたはその方向に折り畳み可能であり(例えば、折り畳み領域などで折り畳み可能である)、この場合、折り畳み領域は、内側フレーム451の遠位側上及び近位側上に配置される。フロー制御コンポーネント450はまた、外側フレーム410と同様に、垂直(y軸)方向に、短縮構成または圧縮構成に圧縮可能である。z軸方向に折り畳み(圧縮し)、かつy軸方向に垂直圧縮することによって、弁400は、水平(x軸)に沿って比較的大きな寸法を維持することができる。いくつかの実装形態では、外側フレーム410及びフロー制御コンポーネント450は、側壁が接触するか、またはほぼ接触するまで、z軸に沿って減少する。また、これにより、外側フレーム410及びフロー制御コンポーネント450が水平軸(x軸)に沿って半径を維持するとともに、外側フレーム及び内側フレームを作り上げ、送達カテーテルに入れるために必要である、折り畳み中及び/または圧縮中に加えられる力によって損傷を受け得る、ワイヤセルの数を最小限に抑えることも可能にする。
【0156】
フロー制御コンポーネント450は、外側フレーム410の中央チャネルの直径及び/または周囲長よりも小さい直径及び/または周囲長を有する。フロー制御コンポーネント450は、内側フレーム451の中心軸または垂直軸(y軸)が外側フレーム410の中心軸または垂直軸(y軸)に対して平行であるように、外側フレーム410にまたはその内側に装着されている。いくつかの実施形態において、内側フレーム451によって画定されるy軸は、外側フレーム410によって画定されるy軸に対して平行であるが、それからオフセットされている(
図4)。いくつかの実装形態では、スペーサー要素445は、中央チャネル内に、及び/またはそれを横切って配置され、フロー制御コンポーネント450の一部(例えば、そうでなければ支持されていない部分)の外側支持フレーム410及び/または弁400の弁輪上部材420の少なくとも一部にわたる自己組織の内方成長への取り付けを容易にすることができ、いくつかの実施形態では、スペーサー要素445は、’231PCTに記載されているもののいずれかと同様であり得る。
【0157】
ある特定の実施形態において、内側フレーム451は、約20~60mmの直径を有し得、外側フレーム410(またはその経弁輪部材412)は、約40~80mmの直径を有し得、弁輪上部材420(または心房カラー)は、経弁輪部材412の上部縁端部を約10~30mmだけ超えて延在し得、弁周囲漏れ(PVL)に対する、心房床上での封止を提供する。フロー制御コンポーネント450及び外側フレーム410は、折り畳み可能であり得(例えば、z軸の方向に)、及び/または圧縮可能であり得(例えば、y軸の方向に)、弁400全体のサイズを低減して、送達カテーテル(この
図4には示されていない)の内径の24~36Fr(8~12mm内径)以内に収まるようにできる。
【0158】
図5及び6は、
図4に示される弁400の外側支持フレーム410の弁輪上部材420を示す上面斜視図である。
図5は、弁輪上部材420のレーザー切断フレームを示している。
図6は、フロー制御コンポーネント450の外側フレーム410への取り付けを容易にするためにそれに結合された生体適合性材料426を含む弁輪上部材420のレーザー切断フレームを示している。いくつかの実施形態では、外側フレーム410の弁輪上部材420は、上述の弁輪上部材120及び/または220と、少なくとも形態及び/または機能において実質的に類似し得る。したがって、弁輪上部材420の部分及び/または対応は、本明細書に、さらに詳細には説明されない場合がある。
【0159】
示されるように、弁輪上部材420は、遠位部分422、近位部分424、外側ループ421、内側ループ425、及び少なくとも1つのスプライン427を含む。いくつかの実施形態では、外側ループ421を、自己組織に係合するように成形することができ、及び/または係合するようなサイズとすることができる。例えば、弁輪上部材420(少なくとも部分的に外側ループ421によって形成される)の遠位部分422は、遠位弁輪上組織と係合するように構成され、近位部分424(少なくとも部分的に外側ループ421によって形成される)は、近位弁輪上組織に係合するように構成されている。遠位部分及び近位部分422及び424は、近位部分424の曲率半径が遠位部分422の曲率半径よりも大きい、丸みを帯びている、及び/または湾曲形状を有することができる。遠位部分422は、例えば、遠位弁輪上組織と係合して、フレーム410を自己弁輪で少なくとも部分的に安定化することができる、及び/または固定することができる、遠位固定ループ423を形成することができる。
図5及び6には示されていないが、近位部分424は、同様に、近位弁輪上組織と係合して、自己弁輪でフレーム410を少なくとも部分的に安定化するか固定することができる、近位上部固定要素を形成することができる。
【0160】
弁輪上部材420の内側ループ425は、実質的に円形であり得、1つ以上のスプライン427に結合され得、及び/または1つ以上のスプラインによって外側ループから吊り下げられている。
図6に示されるように、内側ループ425は、生体適合性材料426に結合することができ、これを使用して、フロー制御コンポーネント450の内側フレーム451を支持フレーム410の内側ループ425に結合することができる。フレーム210を参照して上記で説明したように、いくつかの実装形態では、内側ループ425を外側ループ421から吊り下げることにより、例えば、内側ループ425(及び内側ループ425に結合されたフロー制御コンポーネント450)を、拡張構成と圧縮構成との間でフレーム410を移行することと関連する力の少なくとも一部から少なくとも部分的に隔離することができる。
【0161】
弁輪上部材420の1つ以上のスプライン427は、任意の適切な形状、サイズ、及び/または構成であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、弁輪上部材420は、近位スプライン427及び1つ以上の遠位スプライン427を含むことができる。遠位スプライン427は、内側ループ425の遠位部分を外側ループ421の遠位部分に結合することができる。同様に、近位スプライン427は、内側ループ425の近位部分を外側ループ421の近位部分に結合することができる。いくつかの実施形態では、近位スプライン427は、アクチュエータ及び/または送達システムの一部を受容し、結合し、及び/またはそれ以外の場合は係合するよう構成され得る。例えば、近位スプライン427は、フレーム110及び210を参照して上で説明したように、アクチュエータ及び/または送達システムの1つ以上の部分に結合するために使用されるウェイポイント428にを含む、それを形成する、及びまたはそれに結合することができる。
【0162】
図7~11は、それぞれ上面図、後方斜視図、前方斜視図、遠位斜視図、及び近位斜視図であり、
図4に示される弁400の外側フレーム410の経弁輪部材412を示している。いくつかの実施形態では、外側フレーム410の経弁輪部材420は、上述の経弁輪領域及び/または経弁輪部材112及び/または212と、少なくとも形態及び/または機能において実質的に類似することができる。したがって、経弁輪部材412の部分及び/または対応は、本明細書に、さらに詳細には説明されない場合がある。
【0163】
経弁輪部材412は、リング、シリンダ管、円錐管、及び/または任意の他の好適な弁輪形状に成形及び/または形成することができる。いくつかの実施形態では、経弁輪部材412は、凹面シリンダー(壁が曲がっている)、角のある砂時計、湾曲した目盛り付き砂時計、フレア上部、フレア底部、またはその両方を有するリングまたはシリンダーの側面プロファイルを有し得る。さらに、経弁輪部材412は中心軸404(例えば、y軸)に沿って延びるアパーチャまたは中央チャネル414を形成及び/または画定することができる。中央チャネル414(例えば、中心軸方向の管腔またはチャネル)は、中央チャネル414の直径の一部分を横切ってフロー制御コンポーネント450を受容するようなサイズとすることができ、及びそのように構成され得る。いくつかの実施形態では、経弁輪部材412は、上述のように、支持フレーム410の弁輪上部材420及び/または弁輪下部材430、及び/またはそれが展開されるよう構成された自己弁輪のサイズ、形状、及び/または構成に少なくとも部分的に基づいた形状及び/またはサイズを有し得る。
【0164】
経弁輪部材412は、ニチノールなどからレーザー切断され、例えば、所望の形状及び/または構成にヒートセットされたワイヤフレームであり得るか、及び/またはそれを含むことができる。経弁輪部材412は、中心チャネル414を通って伸びる中心軸に実質的に直交する配向及びセル幾何形状を有する一組の圧縮可能なワイヤセル413を含むように構成することができ、経弁輪部材412が垂直な圧縮構成、巻かれた圧縮構成、または折り畳まれた圧縮構成にあるときに、ワイヤセル歪みを最小限に抑える。
図7~11に示されるように、経弁輪部材412は、所望の形状に形成でき、一緒に結合されて、経弁輪部材412を形成することができる、第1のレーザー切断半切れ(例えば、前側)、及び第2のレーザー切断半切れ(例えば、後側)を含む。前側415及び後側416は、経弁輪部材412の遠位部分及び近位部分に沿った1つ以上のヒンジ点417で結合することができる。より具体的には、前側415及び後側416は、2つのヒンジまたは結合点417を形成する2つの縫合糸を介して経弁輪部材412の遠位側に沿って結合することができ、単一のヒンジまたは結合点417を形成する1つの縫合糸を介して経弁輪部材412の近位側に沿って結合することができる。
【0165】
いくつかの実施形態では、本明細書でさらに詳細に説明されるように、そのような方法で経弁輪部材412を形成することにより、横軸またはZ軸に沿った、もしくはその方向への横方向の折り畳み及び/または中心軸またはy軸に沿った、もしくはその方向への垂直圧縮に応答して、経弁輪部材412が屈曲、屈曲、折り畳み、変形し、及び/またはそれ以外の場合は再構成する(塑性変形及び/または過度の疲労が実質的になく)。さらに、縫合糸を使用するヒンジ点417での結合は、縫合糸と前側415/後側416との所望の量の滑りを可能にすることができ、これは次に、横軸またはz軸に沿った折り畳みに応答した、結合、付着、及び/または失敗を制限及び/または実質的に防止することができる。
【0166】
図7~11に示されるように、経弁輪部材412の近位部分は、単一のヒンジまたは結合点417を含む。本明細書でさらに詳細に説明するように、いくつかの実施形態では、経弁輪部材412は、近位ヒンジまたは結合点417の下にギャップまたは空間418を画定することができ、これは、弁輪下部材430の近位固定要素が第1の構成と第2の構成との間で移行することを可能にする空間をもたらすことができる。
【0167】
図12及び13は、それぞれ、遠位斜視図及び上面図であり、
図4に示される弁400の外側フレーム410の弁輪下部材430を示している。いくつかの実施形態では、フレーム410の弁輪下部材430は、上述の弁輪下領域及び/または弁輪下部材130及び/または230と、少なくとも形態及び/または機能において類似することができる。したがって、経弁輪部材412の部分及び/または対応は、本明細書に、さらに詳細には説明されない場合がある。
【0168】
示されるように、フレーム410の弁輪下部材430は、遠位固定要素432を有する遠位部分と、近位固定要素434を有する近位部分とを含む、及び/またはそれらを形成する。固定要素432及び434は弁輪下部材430と一体的にあり、及び/またはそれとモノリシックに形成される。弁輪下部材430の遠位固定要素432及び近位固定要素434は、任意の適切な形状、サイズ、及び/または構成であり得、例えば、上述の参照により本明細書に組み込まれる‘957PCT、‘010PCT、‘231PCT、’490PCT、‘932仮、‘059仮、フレーム110及び/または210を参照して上述されるもののうちのいずれか、及び/または特定の実施形態に関して本明細書に記載されているもののうちのいずれかなどであり得る。
【0169】
遠位固定要素432は、ガイドワイヤの一部もしくはガイドワイヤアセンブリの一部を選択的に係合及び/または受容するように構成されたガイドワイヤカプラ433を含むものとして示されている。いくつかの実施形態において、ガイドワイヤカプラ433は、ガイドワイヤ433の一部分がガイドワイヤカプラ433の開口部及び/またはアパーチャ435を通って延在することを可能にするように構成され、それによって、送達及び展開の際にフレーム410がガイドワイヤの上またはそれに沿って前進することを可能にする。いくつかの実施形態において、ガイドワイヤカプラ433は、ガイドワイヤが、プッシャーなどの他の要素及び/または構成要素を遮断または防止しながら、ガイドワイヤカプラを通って前進することを選択的に可能にし得る。
【0170】
固定要素432及び/または434は、自己組織の所望の部分に係合して、フレーム410が展開される自己弁の弁輪にフレーム410を装着するように構成される。例えば、遠位固定要素432は、弁輪下部材430から、例えば、RVOT内に延びることができる(例えば、約10~40mm)。遠位固定要素432は、遠位固定要素432が、フレーム410の遠位端部を自己弁輪内に少なくとも部分的に固定するのに動作可能な弁輪下組織に力を作用させるように、成形され得、及び/または付勢され得る。
【0171】
近位固定要素434は、自己弁輪の近位側上の弁輪下組織に係合して、弁輪内のフレーム410の固定に役立つように構成され得る。より詳細には、近位固定要素434は、近位固定要素434が弁輪下部材430から第1の量または距離を延在する第1の構成と、近位固定要素434が弁輪下部材430から第2の量または距離を延在する第2の構成との間を、移行し、移動し、及び/または、そうでない場合は再構成するよう構成される。上述のように、フレーム410の弁輪下部材430は、ニチノールなどの形状記憶材料で形成された、所望の形状にヒートセットされ、生体適合性材料(例えば、
図12及び13に示されるような布地)で包まれたレーザー切断フレームであり得、及び/または例えば、それを含むことができる。
【0172】
上述のように、近位固定要素434は、第1の構成にあるとき、圧縮され、収縮され、収縮され、展開されていない、折りたたまれている、及び/または拘束された状態(例えば、支持フレーム410の経弁輪部材412及び/または弁輪下部材420の付近にあり、隣接し、及び/またはそれと接触する位置)にあり得、第2の構成にあるとき、拡張され、延在され、展開され、折り畳み解除され、及び/または拘束解除された(例えば、経弁輪部材412から離れて延在する)状態にあり得る。いくつかの実施形態では、近位固定要素434は、第2の構成で付勢することができ、及び/またはヒートセットすることができる。さらに、いくつかの実装形態では、外側フレーム410の経弁輪部材412によって定義される空間418は、近位固定要素434が第1の構成と第2の構成との間で移行することを可能にするのに十分な空間をもたらすように構成される。
【0173】
図14~19は、
図4に示される弁400に含まれるフロー制御コンポーネント450の内側リーフレットフレーム451を示す。
図14は、内側リーフレットフレーム451の上面斜視図である。いくつかの実施形態において、内側リーフレットフレーム451は、横方向の接続点451及び453(例えば、折り畳み部分、弾性変形可能部分、結合縁端部分など)において結合される2つの別個のワイヤフレームシートまたは部材で形成される。内側リーフレットフレーム451は、拡張構成またはシリンダ構成にあることが示されている(例えば、折り畳まれる、及び/または圧縮される前に)。
【0174】
図15は、部分的に折り畳まれた構成にある内側リーフレットフレーム451を示す。内側リーフレットフレーム451は、少なくとも横方向の接続点451及び453において回転またはヒンジを可能にするワイヤフレーム側壁とともに示されている。内側リーフレットフレーム451は、弁が送達のために折り畳まれ、及び/または圧縮されることに応答して示されるように、折り畳むように構成され得る。
図16は、完全に折り畳まれた構成にある内側リーフレットフレーム451を示す。ワイヤフレーム側壁は、それらの横方向の接続点451及び453において回転され、ヒンジされ、及び/または折り畳まれている。
【0175】
図17は、折り畳まれ、かつ垂直に圧縮される構成から圧縮構成にある内側リーフレットフレーム451を示す。ワイヤフレーム側壁は、内側フレーム451の弾性圧縮を可能にするように圧縮の方向に配向され得るセル(例えば、菱形成形されたセルなど)を形成することができる。いくつかの実施形態において、内側フレーム451は、プリーツまたは蛇腹(圧縮)構成に垂直に圧縮され得る。
【0176】
図18は、フロー制御コンポーネント450の内側リーフレットフレーム451の側面図の図であり、円筒構造にさらに組み立てられる前に、線形ワイヤフレームまたはレーザー切断シートとして示されるか、及び/またはそれを形成するように示される。
図19は、シリンダ構造もしくは構成(または円錐構造もしくは構成)にある内側リーフレットフレーム451を示し、線状ワイヤフレームシートの縁部分は、横方向の接続点451及び453(例えば、ヒンジ領域、折り畳み領域など)において接続または結合される。さらに、内側リーフレットフレーム451は、線状シート構成からシリンダ構造または構成に拡張(例えば、駆動、形成、屈曲等)され得る。
【0177】
図14~19は、2つのヒンジ点で結合された、及び/またはそれらを形成するよう結合された2つのワイヤフレームシート、部材、及び/または半切れを含むものとして内部リーフレットフレーム451を示しているが、いくつかの実施形態では、内側リーフレットフレームは、ヒートセットされ、加工され、及び/またはそれ以外の場合はつ以上のヒンジ点を形成及び/またはそれを画定する単一の構成要素または2つ以上の構成要素から形成され得る。例えば、内側リーフレットフレームは、単一のニチノール管から形成することができ、所望の方法で材料をヒートセットすることによって形成されるヒンジ点を有することができる。別の例として、内側リーフレットフレームは、材料のシート(例えば、ニチノール)から作製され、材料の自由端が(例えば、縫合糸を介して)結合されて単一のヒンジ点を形成する実質的に円筒形に形成され得る。そのような例では、第2のヒンジ点は、材料を所望の方法でヒートセットまたは加工することによって、縫合されたヒンジ点の反対側に形成することができる。さらに別の例として、内側リーフレットフレームは、2つを超えるシートまたは部材から作製することができ、これらは、(例えば、縫合糸を介して)一緒に結合されて、対応する数のヒンジ点を形成する。
【0178】
図20~24は、構造バンド460に縫い付けられたリーフレットポケット461を備えた心膜組織の構造バンド460を示している。
図20及び21は、シリンダリーフレットコンポーネントへの組み立ての前の、ならびに内側フレーム451の上及び/またはその中に装着して折り畳み式(折り畳み可能、圧縮可能な)フロー制御コンポーネント450を形成する前の、構造バンド460及びたリーフレットポケット461を例示する、それぞれ、側面図及び底面図である。
【0179】
図22は、シリンダリーフレット構成への組み立て後に、構造バンド460に縫い込まれたリーフレットポケット461を有する心膜組織で形成された構造バンド460の側面斜視図の例示であり、リーフレットポケット461は、構造バンド460の内側表面上に配置されている。
【0180】
図23は、構造バンド460内に縫い込まれた単一のリーフレットポケット461を示す、心膜組織の構造バンド460の一部の側面斜視図の例示である。リーフレットポケット461は、開放縁端部463が外側に延在し、縫い込まれた縁端部462が取り付けをもたらす閉鎖された上部放物線縁端部を形成するように、リーフレットポケット461が構造バンド460に部分的に接合する状態で示されている。
【0181】
図24は、フロー制御コンポーネント450の底面図の例示である。円筒形の構造バンド460及びリーフレットコンポーネント461は、部分的接合が、閉鎖された流体シールを形成しつつある状態で示されている。
【0182】
上述のように、本明細書に記載の人工弁のいずれも、活性化することができる、及び/または任意の適切な方法で作動することができる、近位固定要素またはタブを含むことができる。いくつかの実装形態では、近位固定要素及び/またはタブは、上述の参照により本明細書に組み込まれる、’390PCT、’932仮、及び/または‘269で説明されている方法と同様の方法で活性化できる。
【0183】
例えば、
図25~27は、一実施形態による人工弁500を示している。人工弁500は、外側支持フレーム510、及びその中に装着されたフロー制御コンポーネント550を含む。外側支持フレームは、弁輪上部材520、弁輪下部材530、及びそれらの間に結合された経弁輪部材、部分、及び/または領域512を含む。外側フレーム530は、遠位固定要素532及び近位固定要素534を含む。
【0184】
図25は、概略断面側面図であり、弁500の経弁輪領域512の周囲(円周)をどのように内側に締め付けることができるかを示している。これにより、弁500は、自己弁輪内での弁の緊密な適合を促進し、弁周囲漏出(PVL)に対する良好な封止を提供するために、例えば、例えば5~20%、しばしば10~15%、サイズの大きい経弁輪円周を有するように設計することができる。締め付けプロセスは、近位側壁519を内側に引っ張り、経弁輪領域512の円周を減少させる。これにより、弁の展開中にサイズの大きい弁を自己弁輪に落とすことができる。次いで、弁が所望のように着座すると、経弁輪領域512が押し戻され、及び/またはそれ以外の場合は、全周またはほぼ全周に拡張し、それによって、自己弁輪に人工弁のタイトで緊密な適合を形成することができる。いくつかの実装形態では、弁輪下部材530の近位固定要素534はまた、経弁輪領域512で上向き及び/または下向きに締め付けることができ、及び/または経弁輪領域512から独立している。
【0185】
図26は、弁500の概略底面図であり、弁500の近位端またはその近くの経弁輪領域512の周囲(円周)を(矢印及び破線で示されるように)いかに内側に締め付けることができるかを示している。いくつかの実装形態では、これは、サイズの大きい経弁輪円周(例えば、約5~20%の大きいサイズ)を可能にし、これにより、弁500の自己弁輪内への緊密な適合を促進し、弁周囲漏出(PVL)に対する良好な封止を提供することができる。
【0186】
図27は、弁500の概略断面側面図であり、弁500の経弁輪領域512の周囲(円周)をどのように内側に締め付けることができるかを示している。例えば、シンチテザーなどのアクチュエータ570などを、締め付けプロセスを実行するための非限定的なメカニズムとして示している。アクチュエータ570(またはその一部)は、送達カテーテル(図示せず)から、ウェイガイド、ウェイポイント、取り付けポイント、貫通穴、アイレット、及び/またはその他の適切な構成要素(ここでは「ウェイポイント528」と呼ぶ)を通して移動することができる。この実施形態では、アクチュエータ570(例えば、シンチテザー(複数可))は、ウェイポイント528を経由して、弁輪上部材520を通って移動し、1つ以上の取り付け点536で、経弁輪領域512の近位側壁519及び/または弁輪下部材530の近位固定要素534に取り付けられる。アクチュエータ570を作動させると(例えば、シンチテザー(複数可)を近位方向に、操作者に向かって引っ張る)、経弁輪領域512の近位側壁519を内側に引っ張り、経弁輪領域512の円周を減少させる。いくつかの実装形態では、これにより、弁500の展開中にサイズの大きい弁500を自己弁輪に落とすことができる。次いで、弁500が所望のように着座すると、アクチュエータ570を作動させることができ(例えば、シンチテザーを前進させることができるか、または収縮させる/解放することができる)、経弁輪領域512の近位側壁519を押し戻し、及び/またはそうでなければ、経弁輪領域512がその全周またはほぼ全周に拡張することを可能にし、それにより、自己弁輪に人工弁500の緊密な密封された適合を形成する。同様に、近位固定要素534は、経弁輪領域512とともに、または経弁輪領域512から独立して作動させることができる(例えば、アクチュエータ570によって)。
【0187】
図28及び29は、一実施形態による、それぞれ、伸長構成及び収縮構成の下部近位固定要素634を備えた側方送達可能な人工弁600の側面図の例示である。
図28は、その中に取り付けられたフロー制御コンポーネント650を備えた外側フレーム610を有する弁置換600を示している。外側フレーム610は、弁輪上部材620、弁輪下部材630、及びそれらの間に結合された経弁輪部材612を含む。この実施形態では、弁輪下部材630及び経弁輪部材612は、集合的に、下部近位固定要素634のためになり得る。
図28は、拡張構成における近位固定要素634を示す。
図29は、引き込められた構成の近位固定要素634を示しており、弁輪下部材630及び経弁輪部材612は、弁600が自然弁の弁輪に展開されることを可能にする縮小された周囲を有する。弁600を弁輪に展開後及び/またはそこに着座させると、近位固定要素634は、拡張構成に戻るか、または拡張構成に向かって移行することができる。示されていないが、いくつかの実施形態では、弁600は、送達システム及び/または近位固定要素634を伸長構成と収縮構成との間で移行させるように操作することができるアクチュエータに取り外し可能に結合することができる。
【0188】
図30、31、及び32A~32Eは、一実施形態による、側方送達された人工弁700の底面図であり、第1の構成及びまたは第2の構成にある、及び/またはそれらの間を移行している、近位固定要素734を示している。
図30は、人工弁700が外側フレーム710、及びその中に装着された内側フロー制御コンポーネント750を有することを示す。フレーム710は、弁輪上部材720及び弁輪下部材730を含む。弁輪上部材720は、弁輪上部材720を横切って延びるドラム745を含む。弁輪下部材730は、近位固定要素734を含む。
図30は、第1の、作動されていない、及び/または拡張構成にある近位固定要素734を示す。
図31は、第2の作動された及び/または圧縮構成にある近位固定要素734を示す。。弁700は、アクチュエータ770に取り外し可能に結合され、アクチュエータ770は、近位固定要素734上の取り付け点736に取り付けられた1つ以上のテザーであり得るか、及び/またはそれらを含むことができる。この実施形態では、アクチュエータ770の一部は、ウェイポイントまたはドラム745の他の開口部を通って延在して、取り付け点736に結合することができる。また、アクチュエータ770は、内側フロー制御コンポーネント750に隣接する弁700に含まれる及び/またはそれに結合されている、支持部材771などを含むことができる。支持部材771は、アクチュエータ770の少なくとも一部(例えば、テザー(複数可))を支持して、例えば、アクチュエータ770が作動されるときにドラム745に加えられる力の量を制限することができる。
図32A~32Eは、近位固定要素736を第1の構成、作動されていない構成、及び/または拡張構成を第2の構成、作動した構成、及び/または圧縮構成に行こうさせるよう作動するアクチュエータ770を示す人工弁700の時間連続の例示である。
【0189】
上述のように、本明細書に記載の人工弁のいずれも、送達システムを介して送達することができ、任意の適切な方法で送達システムと係合するように構成することができる。いくつかの実装形態では、人工弁は、上述の参照により組み込まれた’010PCTに記載された方法と同様の方法で送達システムに係合するように構成することができる。
【0190】
例えば、
図33A~33Cは、一実施形態による、側面送達された経カテーテル人工心臓弁800及びアクチュエータ870の側面斜視図を示す。弁800は、カラー820(例えば、弁輪上部材)、遠位固定要素832、及び近位固定要素834(例えば、ワイヤループ固定要素及び/またはその他の適切なタイプの固定要素)を備えたフレーム810を有する。フレーム810は、ウェイポイント828を画定する。カラー820は、取り付け点829を含む、及び/または形成する。ウェイポイント828は、フレーム810の本体に沿って示されているが、他の実施形態では、カラー820及び/または弁800の他の適切な部分は、ウェイポイント828を形成することができ、及び/またはそれを画定することができる。同様に、取り付け点829はカラー820に沿って示されているが、他の実施形態では、フレーム810の本体及び/または弁800の他の適切な部分は、取り付け点829を含むことができる。
【0191】
図33A~33Cに示される実施形態では、アクチュエータ870は引張部材などとして配置されている。アクチュエータ870は、近位固定要素834の取り付け点836を通って結合されるように、及び/またはねじ切りされるように構成されたリード841を含む。リード841は、第1の結合機構844を有する、及び/またはそれを形成する第1の端部と、第2の結合機構844を有する、及び/またはそれを形成する第2の端部と、を含む。結合機能は、任意の適切な構成にすることができる。例えば、この実施形態では、第1の結合機構844は、ループ、アイレット、開口部などであるか、及び/または、それらを形成し、第2の結合機構842は、ボール、突起、ノブ、結び目などであるか、及び/または、それらを形成する。アクチュエータ870は、任意の適切なケーブル、テザー、ワイヤ、カテーテル、導管などであり得るか、及び/またはそれらを含むことができる。いくつかの実施形態では、アクチュエータ870は、例えば、送達システムを介して弁800を押すように、及び/またはそれ以外の場合は、それを前進させるように構成されたプッシャーなどとして使用することができる。
【0192】
この実施形態では、アクチュエータ870は、カラーによって形成された取り付け点829(例えば、ねじ山付きナットなど)係合するように、及び/または、それを結合するように構成されたねじ山付きカプラを形成する端部を備えた第1のケーブル847を含む。アクチュエータ870は、リード841の第2の端を受容するように、及び/または取り外し可能に結合するように構成された受容部材を形成する端部を備えた第2のケーブル848を含む。例えば、第2のケーブル848の受容部材及びリード841の第2の端部によって形成される結合特徴842は、ボール及びカップ結合機構であり得る。さらに、アクチュエータ870は、第1のケーブル847及び第2のケーブル848を少なくとも部分的に収容するように構成された外部シースまたはカテーテルを含むことができ、及び/またはそれらを形成することができる。
【0193】
図33Aは、弁800に結合する前のアクチュエータ870及び/またはリード841を示している。リード841は、弁800の一部及びウェイポイント828に通され、近位固定要素834の取り付け点836の周りまたはそれを通ってループされ、ウェイポイント828及び弁800の一部を通って、第1の端部844及び第2の端部842が、それぞれ弁800の外側及び/またはカラー820の上または近位にあるようにされる。
【0194】
図33Bは、例えば、ねじ山結合を介して、カラー820の取り付け点829に結合されたアクチュエータ870の第1のケーブル847の端部を示している。リード841の第1の結合機構844は、第1のケーブル847に結合される(例えば、第1の結合機構844は、第1のケーブル847上またはその周りに配置されるループであり得る)。いくつかの実装形態では、アクチュエータ870は、カラー820によって形成された取り付け点829に結合された第1のケーブル847のおかげで、近位プッシャーとして使用することができる。例えば、第1のケーブル847の実質的に固定された部分は、第1のケーブル847を介してアクチュエータ870に加えられる遠位または押し付け力が弁800を押すように、アクチュエータ870(例えば、外側シース)から延びることができる。第1のケーブル847に結合された第1の結合機構844により、リード841の第1の端部は、弁800に対して比較的固定された位置に維持される。アクチュエータ870の第2のケーブル848は、リード841の第2の結合機構842に結合されて示されている(例えば、ボール及びカップ結合機構などを介して)。したがって、アクチュエータ870及び/または第1のケーブル847を使用して弁800を押すことができ、引張力または引っ張り力を第2のケーブル848に加えることができ、これにより、リード841の第2の端部を近位方向に引っ張ることができ、それによってリードを張力状態にすることができる。したがって、リード841は、展開中にその第1の構成で近位固定要素834を維持することができる。
【0195】
図33Cは、カラー820の取り付け点829から切り離された第1のケーブル847と、リード841の第1の端部にある第1の結合機構844とを示している。リード841の第2の端部にある第2の結合機構842は、第2のケーブル848に結合されたままであり得る。弁が展開された後、アクチュエータ870が引っ張られて、アクチュエータ870及びリード841が弁800及び送達システムから取り外される。アクチュエータ870が取り外された状態で、近位固定要素834は、その第2の構成に移行することができる。
【0196】
上述のように、本明細書に記載の人工弁のいずれも、2つ以上の構成間で移行することができ、及び/または近位固定要素またはタブをそれに固定するために天然組織と係合するように構成された1つ以上の係合機能を含むことができる近位固定要素またはタブを含むことができる。いくつかの実装形態では、近位固定要素またはタブは、上述の参照により本明細書に組み込まれる’059仮及び/または’269仮に記載されているものと同様の係合機構であり得、及び/またはそれを含むことができる。
【0197】
例えば、
図34は、一実施形態による、側方送達された経カテーテル人工心臓弁900(本明細書では「人工弁900」とも呼ばれる)の近位端斜視図である。人工弁900は、外側フレーム910の中央アパーチャ内に取り付けられたフロー制御コンポーネント950を含む。フロー制御コンポーネント950は、この実施形態では、オフセット位置(例えば、遠位に配置されている)で示されている。さらに、フロー制御コンポーネント950は、フロー制御コンポーネント950の一部がフレーム910のドラム945の上にあるように、外側フレーム910に取り付けられて示されている。いくつかの実施形態では、フロー制御コンポーネント950は、通常のフロー体積を提供し(例えば、29mmの弁と結合して及び/またはそれから)、一方で過度に伸ばされた自己弁輪を外側フレーム910で満たす。
【0198】
外側フレーム910は、弁輪上部材920(例えば、上部ワイヤフレーム部分)及び弁輪下部材930(例えば、下部ワイヤフレーム部分)、ならびに、人工弁900の経弁輪セクションにまたがる一連の周囲壁を形成する経弁輪部材912を含む。弁輪上部材920及び弁輪下部材930はまた、ワイヤセル側壁なしで、代わりに、弁輪上部材920と弁輪下部材930との間に張られた心膜組織側壁を有する弁を支持することができる。弁輪下部材930は、遠位固定要素932及び近位固定要素934を含む、及び/または形成する。遠位固定要素932は、その末端部分にガイドワイヤカプラ933を有するように示されている。近位アンカー要素934は、それに取り付けられた非外傷性の丸い突起931とともに示されている。近位固定要素934上の突起(複数可)931は、自己組織と係合して、脊索、リーフレット、小柱、乳頭状または弁輪組織を捕捉またはスネアすることができ、ボタン穴のボタンのように、突起(複数可)931は近位固定要素934を自己弁輪下組織に固定し、締結する。突起(複数可)931は、任意の適切な形状、サイズ、及び/または構成であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、突起(複数可)931は、突起、ビーズ、棘、タブ、ノブ、リブ、ループ、フック、曲がった部分または近位固定要素934の他の方法で形成された部分などである。
【0199】
弁輪上部材920は、外側フレーム910の心房カラーを形成し、天然の解剖学的構造に一致するための遠位心房パネルを有することが示されている。ドラム945は、弁輪上部材920上またはそれを横切って延在し、フロー制御コンポーネント950によって他の方法では充填または占有されない外側フレーム910の中央アパーチャ内の領域を充填することが示されている。ドラム945はまた、所与の患者の機能的必要性に対応することが望ましい場合、目的のある/意図的な逆流を提供するために使用することができ、後で密封/縫合閉鎖することができる。ドラム945はまた、人工弁と組み合わせて一般的に使用されるペースメーカー装置のためのワイヤアクセス位置を提供することができる。例えば、ドラム945は、逆流開口として使用することができる、及び/または心房から心臓の心室に適切なデバイス、ワイヤ、リードなどを渡すために使用できる、開口928Aを任意選択で含むことができる。いくつかの実施形態では、ドラム945は、患者の解剖学的構造または必要性に基づいて開口部928Aを利用する必要がある場合、ドラム945に少なくとも一時的に取り付けられ、除去され得るポップオフカバー、フラップ、フィルム、布、プラグなどを含むことができる。
【0200】
ウェイポイント928は、心房カラー920の内側セグメント内のドラム945に沿って示されている。ウェイポイント928は、それを通して送達システムの1つ以上の構成要素が延びることができる開口部、ポートなどを提供することができる。例えば、送達システムは、アクチュエータ、ガイドワイヤカテーテル、及び/またはウェイポイント928に挿入及び延長できる任意の他の適切なコンポーネントを含み得る。図示されていないが、アクチュエータは、近位固定要素に結合され、近位固定要素を2つ以上の位置、構成、状態などの間で移行させるように構成され得る。ガイドワイヤカテーテルは、弁900がガイドワイヤに沿って前進することを可能にするのに十分な剛性をもたらすために、ガイドワイヤ上に通すことができる。さらに、ガイドワイヤカテーテルは、弁900の下(例えば、フロー制御コンポーネント950の下)に、そして遠位固定要素932のガイドワイヤカプラ933を通って延びることができる。
【0201】
いくつかの実施形態では、プッシャーケーブルなどは、ウェイポイント928を通過することができ、ガイドワイヤカプラ933と係合することができる。そのような実施形態では、プッシャーケーブルを使用して、弁900を送達カテーテルから排出し、プッシャーケーブルの管腔を下る事前に配置されたガイドワイヤの上に乗ることによって、所定の位置に送達を指示する。ガイドワイヤはガイドワイヤカプラ933に通すことができるが、プッシャーケーブルはガイドワイヤカプラ933の開口部に適合できない。これにより、施術者は、弁900を送達カテーテルに沿って、及び送達カテーテルから引き下げながら、プッシャーケーブルを押すことができ、したがって、柔軟なアイテムをチューブに押し下げ、送達カテーテル内で望ましくない圧縮及び人工弁900の付随する損傷を引き起こすことに関連する問題を回避する。
【0202】
図35~37は、一実施形態による、側方送達された経カテーテル人工心臓弁1000(本明細書では「人工弁」とも呼ばれる)の少なくとも一部の様々な図である。弁1000の外側支持フレーム1010は、弁輪上部材1020(例えば、心房カラー)、経弁輪部材1012、及び弁輪下部材130を含む。弁輪上部材または心房カラー1020は、上部心房固定構造を形成し、経弁輪コンポーネントフレーム1012に接続され、これは次に、弁輪下部材1030に接続される。フレーム1010は、任意の楕円形または円筒形であり得る。いくつかの実施形態では、フレーム1010の少なくとも一部(例えば、経弁輪コンポーネント1012)は、楕円形または円筒形を形成するように接続された2つのワイヤメッシュパネルから構成される。フレームの少なくとも一部を2つのパネルから作製すると、構造がそれ自体で前から後ろに折りたたまれ、送達カテーテルに適合するために必要な圧縮が提供される。水平セルから作製されているため、パネルを垂直方向に圧縮できる。いくつかの実施形態では、外側フレーム1010は、金属ワイヤの上部及び下部ループに取り付けられた、処理された心膜の円筒形カーテンを含み得る。外側フレーム1010は、前部及び中隔の側壁に支持ワイヤセル構造を備えて示されている。いくつかの実施形態では、外側フレーム1010は不連続であり、弁の近位端にワイヤセル構造を支持することなくオープンスペースセクションを含む。
【0203】
図35~37は、折り畳み可能な近位タブまたは近位固定要素1034に取り付けられた突起1031を有するものとして、弁輪下部材1030を示している。
図35及び36は、第1の構成(例えば、展開構成)にある近位固定要素1034を示している。近位固定要素1034は、例えば、自己弁輪での弁1000の展開及び/または着座を容易にするために部分的に引っ込めることができる。
図37は、心房カラー1020の下側と近位固定要素1034との間で自己組織を圧縮するための拡張構成の近位固定要素を示している。
【0204】
図38A~38Fは、一実施形態による、側方送達可能な経カテーテル人工心臓弁のための外側支持フレームの弁輪下部材1130の図である。弁輪下部材1130は、ガイドワイヤカプラ1333がそれに取り付けられた遠位固定要素1132と、1つ以上の突起1131を備えた近位固定要素1134とを有するように示されている。この実施形態では、弁輪下部材1130は単一であり得、ニチノールの単一のレーザー切断で作製され得る。
【0205】
弁輪下部材1130は、遠位固定要素1132を上向きに付勢し、近位固定要素1134を下向きに付勢するように熱成形されている。したがって、弁がガイドワイヤに沿って送達される場合、ガイドワイヤは、ガイドワイヤカプラ1133を通って延びることができ、場合によっては、遠位固定要素1132は、送達中にガイドワイヤに沿って真っ直ぐにすることができる。ガイドワイヤが取り外されると、遠位固定要素1132の付勢により、遠位固定要素1132が曲がり、跳ね返り、及び/またはそれ以外の場合は、上向きに付勢されて、人工弁に対して自己弁輪下組織をクリップまたはピンチする。
【0206】
弁輪下部材1130はまた、近位アンカーに付勢されるように熱成形されている。したがって、弁が展開されると、近位固定要素1134は、人工弁の円周を縮小するために折り畳まれて収納され、そのため、弁の経弁輪セクションが自己弁輪の内側表面に対して密封された状態で自己弁輪に着座させることができる。近位固定要素1134が解放されると、近位固定要素1134は、外側及び上向きに跳ね返ってヒートセット形状を再開し、これにより、近位固定要素1134が、自己弁輪下組織に係合し、くさび状になる。近位固定要素1134上の突起(複数可1131は、次いで、脊索、リーフレット、小柱、乳頭状または弁輪組織を捕捉またはスネアし、ボタン穴のボタンのように、突起(複数可)は近位固定要素1134を自己弁輪下組織に固定し、締結する。
【0207】
図38Aに示される弁輪下部材1130には3つの丸みを帯びた突起がある。
図38Bは、一実施形態による、3つのループ突起、2つの開ループ及び1つの閉ループを有する弁輪下部材1230を示す。
図38Cは、一実施形態による、中央に配置された1つの閉ループ突起を備えた弁輪下部材1330を示している。
図38Dは、一実施形態による、2つの開ループ突起を備えた弁輪下部材1430を示している。
図38Eは、一実施形態による、2つの閉ループ突起を備えた弁輪下部材1530を示している。
図38Fは、一実施形態による、遠位固定要素及び近位固定要素を有する側方送達可能な経カテーテル人工心臓弁のための綿撒糸1638を有する、弁輪下部材1630の図である。
図38Fは、組織綿撒糸1638に隣接して配置された閉ループ突起1631を示している。組織綿撒糸1638は、組織の損傷または増殖していない人工コンポーネントに対する組織の微動から起こり得る「チーズスライサー」の問題を回避するために非外傷性表面を提供するように機能する。
【0208】
図39及び40は、それぞれ、遠位固定要素1732(例えば、RVOTタブ)及び近位固定要素1734(例えば、近位タブ)の組み合わせを有する一体化されたレーザー切断された弁輪下部材1730の上面図及び側面図である。
図39は、オフセット位置(11時)にある遠位固定要素1732と、自己弁輪下組織と係合するための6つのループスタイルの突起1731を有する近位固定要素1734とを示している。遠位固定要素1732の遠位端は、自由端1739A、1739Bを含み、これは、所望の長さにクリップされ、次いで、様々な弁サイズに対して同じレーザー切断パターンを使用するように結合され得る。ワイヤビーディングまたはスカラップ1737を遠位固定要素1734に含めることができ、及び/またはそれに結合することができる。ワイヤビーディングまたはスカラップ1737は、ワイヤビーディングまたはスカラップ1737がガイドワイヤカプラの内側戻り止めと係合するときに、ガイドワイヤカプラ(ノーズコーン)(図示せず)を固定することを可能にする。ワイヤビーディングまたはスカラップ1737は、ガイドワイヤカプラの周囲及びガイドワイヤカプラを介した将来の縫合糸配置のための縫合糸固定位置も提供する。
図40は、弁輪下部材1730が、部分的な双曲線放物面形状などの自己の解剖学的構造に適合するように構成され得ることを示している。
【0209】
図41は、遠位固定要素1832(例えば、RVOTタブ)及び近位固定要素1834(例えば、近位タブ)の組み合わせを有し、それに取り付けられた経弁輪部材1812(例えば、ワイヤフレームの周囲の側壁)を有する、一体化されたレーザー切断された弁輪下部材1830の側面図である。
図41は、経弁輪部材1812または弁輪下部材1830が、その遠位側に一体化された逆V字形(キャレット)を有することができることを示している。
図41は、連続ループを形成する遠位固定要素1832の遠位端部分を備えた実施形態を示している。突起1831は、近位固定要素1834に取り付けられて示されている。
図41はまた、経弁輪部材1812が、高さが約2または2+1/2の菱形である一組のワイヤセルと、経弁輪部材1812を弁フレームの弁輪上部材(図示せず)に結合するための部分をもたらす、フレアされた菱形のワイヤセルを含む弁輪上セクションと、を有し得ることを示している。
【0210】
図42A及び42Bは、それぞれ、遠位固定要素1932(例えば、RVOTタブ)及び近位固定要素1934(例えば、近位タブ)の組み合わせを有する一対の一体化されたレーザー切断弁輪下部材1930を形成するための2つの接合部品を備えた連続ループ設計を有する弁輪下部材1930のレーザー切断作業成果物の上面図及び側面縦断図である。
図42は、弁輪下部材1930が単一の連続部品として製造(レーザー切断)できることを示している。
【0211】
図43A及び43Bは、それぞれ、自由端部2039A、2039B、遠位固定要素2032(例えば、RVOTタブ)及び近位固定要素2034(例えば、近位タブ)を有する一体化されたレーザー切断された弁輪下部材2030を製造するための、レーザー切断作業成果物の上面図及び側面縦断図である。ワイヤビーディング2037は、突起2031とともに、弁輪下部材2030上に示されている。いくつかの実装形態では、レーザー切断された弁輪下部材2030は、(固定断面を有するワイヤとは対照的に)可撓性領域に沿った剛性を最適化するために断面幅及び厚さを変更する追加の機会を提供する。また、係合タブ(「スカラップ」)の一体化された幾何形体を使用して、自己リーフレットを捕捉することで追加の固定力を提供できる。さらに、レーザー切断された作業成果物の1つ以上の部分を、ヒートセット中にねじってそのような部分の可撓性の方向を指示及び/または制御することができる。例えば、レーザー切断された作業成果物は、近位固定要素またはその近くでねじって、2つ以上の位置及び/または構成間の近位固定要素の移動に関連する可撓性の方向を指示及び/または制御することができる。
【0212】
図44は、一実施形態による、外側支持フレーム2110の部分的に分解された側面斜視図である。外側支持フレーム2110は、経弁輪部材2112(例えば、円筒形側壁コンポーネント)の上部に取り付けられた、内側支持ループにつながる中央スパインを備えたワイヤループとして構成された弁輪上部材2120(例えば、上部弁フレーム)を含み、これは成形された遠位固定要素2132及び近位端に形成されたリーフレット捕捉機構2131(例えばアイレット)を備える近位固定要素2134を備えるワイヤループとして構成された弁輪下部材2130(例えば、下部弁フレーム)の上に示されている。
【0213】
図45A及び45Bは、それぞれ、一実施形態による、外側支持フレームの1つ以上の弁輪上部材(複数可)2220のレーザー切断設計ワークピースの上面図及び側面図である。例えば、
図45Aは、4つの(4つの)弁輪上部材220を含むレーザー切断設計ワークピースを示している。レーザー切断された後、弁輪上部材2220は、分離され、所望の形状、サイズ及び/または構成を有する弁輪上部材にヒートセットされ得る。この実施形態では、弁輪上部材2220は、外側ループ2221、内側ループ2225、及び少なくとも1つのスプライン2227を含むように及び/またはを形成するように設定することができる。スプライン2227は、送達システムの一部を結合及び/または受け取るように構成されたウェイポイント2228を形成及び/または画定することができる。
【0214】
図46A~46Cは、人工弁2300が送達/回収カテーテル2384に回収されていることを示す一連の3つの画像の、本発明による図であり、2384の長手方向軸が、従来の置換弁のように弁2300を通る中心血流軸に平行ではなく、代わりに、弁2300を通る血流の方向に対して側方から(すなわち、直交して)接近する。
【0215】
図46Aは、心臓の心房にアクセスする送達/回収カテーテル2384の遠位端部分2387を示す(例えば、経大腿送達などを使用して下大静脈を介して)。
図46Bは、細長い接続部材2388(例えば、ガイドワイヤ、制御プッシュロッド、操縦可能なカテーテル、ヨーク、引張部材、縫合糸、テザー、回収ツールなど)がいかに弁2300の近位側に接続するかを示している(例えば、送達システム-弁取り付け点、ウェイポイント、コネクタなど)。いくつかの実装形態では、細長い接続部材2388は、弁2300にすでに取り付けられている(例えば、弁2300を弁輪に送達するために)。
【0216】
いくつかの実装形態では、回収プロセス(またはその一部)は、初期の弁の展開/送達手順の間に、弁2300が細長い接続部材2388にまだ取り付けられている、及び/またはに接続されている間に実行され得る。例えば、回収プロセスを実行して、展開されていた弁2300を回収するか、または少なくとも部分的に回収することを要求する介入者によって特定された問題または医学的問題のために、人工弁2300を少なくとも部分的に引き抜くことができる。他の実施形態では、回収プロセス(またはその一部)は、弁2300が展開され、細長い接続部材2388から切り離された後に実行され得る。そのような実装形態において、細長い接続部材2388は、弁2300に再接続することができる(または、新しい細長い接続部材を弁2300に接続することができる)。一部の実装形態では、取り付け及び/または接続は、細長い接続部材2388及び弁2300の近位部分に無線マーカーを使用することによって支援することができる。
【0217】
図46Cは、弁2300が、送達/回収カテーテル2384に引き込まれたことを示している。例えば、細長い接続部材2388を使用して、弁2300の近位端をカテーテル2384の遠位端部分2387に引っ張ることができる。いくつかの実施形態では、カテーテル2384の遠位端部分2387は、カテーテル2300内への弁2300の圧縮及び収縮を補助するための、カテーテル2384の遠位端部分2387の内面上に、表面コーティング、らせん状のビードライン、らせん状のチャネルなどの弁2300の圧縮及び収縮を補助するための1つ以上の特徴を備えた圧縮チップであり得るか、及び/またはそれを含み得る。示されるように、弁2300は、場合によっては、送達カテーテル2384を引き抜いて弁2300を患者から回収することができるように、細長い接続部材2388が取り付けられた状態で折り畳まれてカテーテル2384内に圧縮される。
【0218】
図47は、一連の9つの画像(a)から(i)までの発明による図であり、弁2400が自己弁輪モデルから、カテーテル2484の縦軸が、弁2400のフレーム及びフロー制御(弁リーフレット)コンポーネントの方向に直交する送達/回収カテーテル2484へと回収されることを示している。
【0219】
図47(a)は、人工弁2400の近位部分2408に取り付けられた細長い接続部材2488(例えば、ガイドワイヤ、制御プッシュロッド、操縦可能なカテーテル、ヨーク、引張部材、縫合糸、テザー、回収ツールなど)を有する送達/回収カテーテル2484の遠位部分を示している。
図47(a)は、自己心臓弁の弁輪に対応する及び/またはそれを表す開口部に少なくとも部分的に配置される比較的大きな直径の弁(例えば、65mm×45mmの管状フレーム(心房カラーを含む110mm×72mm)、弁2400の管状フレーム内に取り付けられた29mmのフロー制御コンポーネントを伴う)を示す。
【0220】
図47(b)は、人工弁2400が送達/回収カテーテル2484に引き込まれ、弁2400の約10~20%がカテーテル2484の管腔内で圧縮されていることを示している。
図47(b)は、人工弁2400がいかに折り畳まれ、前面が背面に近づくように設計され、垂直方向に圧縮するように設計され、その結果、大きな弁が標準サイズ(例えば、24-32Fr、または約28Frカテーテル)の経大腿カテーテル内に圧縮されるようになるかを図示する。定義のために、フレンスのサイジングは3で割ることによってミリメートルに変換でき、そのため、24Frカテーテルの内径は約8mm、30Frカテーテルの内径は約10mmなどになる。
【0221】
図47(c)は、人工弁2400が送達/回収カテーテル2484に引き込まれ、弁2400の約20~30%がカテーテル2484の管腔内で圧縮されていることを示している。
図47(c)は、例えば、カテーテル2484内に少なくとも部分的に収容された近位固定位置を示している。
【0222】
図47(d)は、人工弁2400が送達/回収カテーテル2484に引き込まれ、弁2400の約30~40%がカテーテル2484の管腔内で圧縮されていることを示している。
図47(d)は、例えば、縦軸(図示せず)に向かって内側に折り畳み始める弁フレームの心房カラー及び/または弁輪上部材を示している。
【0223】
図47(e)及び47(f)は、人工弁2400が送達/回収カテーテル2484に引き込まれ、弁2400の約50~60%がカテーテル2484の管腔内で圧縮されていることを示している。
図47(e)及び47(f)は、いかに弁2400が開口部(弁輪)から少なくとも部分的に引き抜かれ、弁2400が垂直方向に圧縮され始めるかを示している。
【0224】
図47(g)~47(i)は、弁2400が連続して、それぞれカテーテル2484の管腔内で圧縮されて示されている弁2400の約70、80%、90%超が、送達/回収カテーテル2484の管腔に引き込まれていることを示している。
図47(g)~47(i)は、弁2400がいかに連続して、送達/回収カテーテル2484に折りたたまれ、及び/または圧縮して格納されるかを示している。
【0225】
図48A~48Cは、一実施形態による人工弁2500を展開するためのプロセスの少なくとも一部を例示する。
図48A及び48Bは、弁輪上部材2520、弁輪下部材2530、及び経弁輪部材2512を含む外部支持フレームを有する人工弁2500を示している。弁輪下部材2520は、自由壁(左)側及び中隔(右)側にそれぞれ弁輪下フレア2503及び2504を含むことができ、これらは、拡張位置(
図48A)と収縮位置(
図48B)の間で移行することができ、弁2500を自己弁輪を通ってスライドさせることができる。
図48Cは、弁2500が展開され、着座され、及び/またはそうでなければ、自由壁(左)及び中隔(右)側のそれぞれ、自己弁輪及び弁輪下フレア2503及び2504を通って伸長し、収縮位置(
図48B)から伸長位置に、または伸長位置に向かって移行する。したがって、弁輪下フレア2503及び2504は、半径方向に延在して、弁2500が、弁輪下フレア2503及び2504を固定機構として(例えば、自己弁輪を形成及び/または画定する自己組織に対して)使用することを可能にする。弁輪下フレア2503及び2504は、本明細書に記載の作動方法のいずれかを使用して作動させることができる。
【0226】
図49A及び49Bは、弁輪下部材2630を備える人工弁2600の一部の上面図を示す連続図であり、この弁輪下部材は、ワイヤループ(及び取り付けられた側壁)を有することができ、及び/またはそれを形成することができ、これは内側に引き込まれて弁本体の周囲または円周を縮小して自己弁輪での弁2600の展開を容易にする。
図49A及び49Bは、弁2600が送達カテーテル2682を通って前進され、1つ以上のテザー、縫合糸、引張部材、コードなどのアクチュエータ2670に取り外し可能に結合され得ることを示す。アクチュエータ2670は、弁輪下部材2630及び/または弁2600の他の任意の適切な部分を作動させるために使用され得(例えば、アクチュエータ2670を近位方向に引っ張ることによって)、送達カテーテル2682を介して人工弁2600とともに送達することができる。アクチュエータ2670は、取り付け点2681を介して弁輪下部材2630に結合することができる。弁輪下部材2630は、遠位固定要素2632及び近位固定要素2634とともに示されている。いくつかの実装形態では、アクチュエータ2670はまた、近位固定要素2634及び/または遠位固定要素2632を作動させるために使用され得る。いくつかの実施形態では、弁2600が自己弁の弁輪で展開されると、アクチュエータ2670を弁2600から取り外しまたは切り離して、送達カテーテル2682を通して引っ込めることができる。
【0227】
図50A~50Dは、一実施形態による、弁2700の1つ以上の部分を作動させるために使用されるアクチュエータ2770に取り外し可能に結合された自己弁2700の底面図を示す連続図である。弁2700は、ワイヤループを有し得、及び/または形成し得る(そして側壁に取り付ける)弁輪下部材2730を有し、これは、内側に引っ張られて、少なくとも弁輪下部材2730の周囲または円周を縮小して、自己弁輪における弁2700の展開を容易にする。この実施形態では、アクチュエータ2770は、テザー、引張り部材、縫合糸、ケーブルのセット、及び/または弁輪下部材2730に沿った1つ以上の取り付け点(例えば、弁輪下部材2730の近位固定要素)に取り付けることができる他の適切なコネクタであり得るか、及び/またはそれらを含むことができる。アクチュエータ2770はまた、弁フレームの弁輪上部材によって形成された動的ウェイポイント、開口部、取り付け点、貫通穴などを通して挿入することができるカテーテルを含むことができ、及び/またはそこに少なくとも部分的に配置することができる。いくつかの実装形態では、アクチュエータ2770は、近位固定要素を作動させる(例えば、折り畳む)ため、中隔壁側壁を作動させる(例えば、折り畳む)ため、及び/または自由壁の側壁を作動させる(例えば、折り畳む)ために使用される別個のテザーであり得る、及び/またはそれを含むことができる。
【0228】
図50A~50Dは、弁フレームの弁輪上部材を通って伸びる、及び/またはその下に少なくとも部分的に配置されているカテーテルから延びるアクチュエータ2770の一組のテザーを示す。例えば、テザーは、比較的小さな動的ウェイポイントカテーテルに通すことができ、患者の外側で作動させて、近位固定要素、弁輪下部材2730、及び/または弁2700の形状を操作することができ、弁2700の近位側を自己弁輪に着座させるのを容易にすることができる。いくつかの実施形態では、送達中、動的ウェイポイントカテーテルは、送達カテーテル内の圧縮弁2700の上に動的ウェイポイントカテーテルが積み重ねられることを回避するために、送達カテーテル内の圧縮弁2700の近位にあり得る。単一のテザーまたは複数のテザーを備えたアクチュエータは、本発明の範囲内で企図される(例えば、1つのテザー、2つのテザー、3つのテザー、4つのテザー、5つのテザー、6つのテザー、7つのテザー、8つのテザー、9つのテザー、10のテザー、またはそれ以上、これらのそれぞれは、弁2700上の1つ以上の取り付け点に取り外し可能に結合することができる)。アクチュエータ2770及び/またはテザーは、アクチュエータ2770及び/またはテザーが弁2700が展開され、自己弁輪に固定された後に引き抜かれることを可能にするために切断要素を備えることができる。動的ウェイポイントカテーテルはまた、プッシャーカテーテルなどの送達システムの一部内に含まれ、及び/または収納され、これにより、動的ウェイポイントカテーテルは、弁2700のウェイポイント、穴、開口部などを通って弁輪下位置まで落ちることができ、一方、プッシャーカテーテルまたは送達システムの他の部分は、ウェイポイントを通過するには大きすぎる。したがって、プッシャーカテーテルまたは送達システムの他の部分を使用して、弁2700の少なくとも一部の配置を制御することができる。例えば、プッシャーカテーテルまたは送達システムの他の部分を使用して、弁輪上部材の表面を押し下げて、弁輪下部材2730が作動構成にある間に、弁2700の近位側を自己弁輪に着座させることができる。
【0229】
図50Aは、弁2700及びアクチュエータ2770の底面斜視図であり、少なくとも部分的に伸長された、または作動されていない構成の弁輪下部材2730を示している。
図50Bは、弁2700及びアクチュエータ2770の底面斜視図であり、例えば、弁輪下部材2730の近位固定要素が動的ウェイポイントカテーテル及び/または弁2700のフロー制御コンポーネントに向かって引き寄せられるように部分的に作動される弁輪下部材2730を示す。
図50Cは、弁2700及びアクチュエータ2770の底面斜視図であり、近位固定要素、例えば、中隔壁側壁の近位部分及び弁2700の自由壁側壁が動的ウェイポイントカテーテル及び/または弁2700のフロー制御コンポーネントに向かって引き寄せられるような、圧縮構成、折り畳まれた構成、及び/または作動構成の弁輪下部材2730を示している。
図50Dは、弁2700及びアクチュエータ2770の側面斜視反転図であり、作動構成の弁輪下部材2730、弁フレームの弁輪上部材の下に延びる動的ウェイポイントカテーテル、ならびに動的ウェイポイントカテーテルに向かって、及び/またはその中に引き込まれた、または引っ張られたテザーを示す。
図50Dは、動的ウェイポイントカテーテルを使用して、弁を心室に引き下げることもでき(例えば、収縮したテザーを介して)、圧縮性弁を自己弁輪に押し込む必要性を回避できることを示している。
【0230】
図51~53はそれぞれ、一実施形態による、送達システム2880に取り外し可能に結合された側方送達可能な経カテーテル人工弁2800の側面斜視図、上面図、及び底面斜視図である。弁2800は、弁フレーム2810及びその中に装着されたフロー制御コンポーネント2850を含む。弁フレーム2810は、弁輪上部材2820、弁輪下部材2830、及び弁輪上部材2820を弁輪下部材2830に結合する経弁輪部材2812を含む。送達システム2880及び/または送達システム2880の少なくとも部分は、弁2800がそれを通って心臓の心房に送達される送達カテーテル2884を含む。送達システム2880は、弁2800に取り外し可能に結合可能な取り付け部材2888をさらに含む。
図51-53は、ウィッシュボーンまたはヨーク構成を有する取り付け部材2888を示しているが、他の構成も可能である。取り付け部材2888は、多腔型操縦可能カテーテルの遠位端部分に結合され、及び/またはそれに含まれ、これは、弁2800及び/または送達システム2880の1つ以上の構成要素を送達するために使用することができる。
【0231】
図51及び52は、弁フレーム2810の弁輪上部材2820と接触している取り付け部材2888(例えば、ヨーク)を示している。いくつかの実施形態では、取り付け部材2888は、ドラムまたはフレーム2810の経弁輪部材2812と接触することができ、及び/またはそれに取り外し可能に結合されている。他の実施形態では、取り付け部材2888は、弁2800の任意の適切な部分と接触することができ、及び/またはそれに結合される。取り付け部材2888は、縫合糸、テザー、ケーブル、クリップ、カプラ、及び/またはその他の取り外し可能な結合を介して弁2800に取り外し可能に結合できる。例えば、
図51及び52は、弁輪上部材2820に結合され、及び/またはそこから延びる弁2800に結合された弁2800の取り付け部材2871を示している。いくつかの実施形態では、弁2800の取り付け部材2871は、テザー、縫合糸、ケーブル、フレーム構造などであり得、これは、弁輪上部材2820のワイヤフレーム部分、または例えば、ドラムまたは生体適合性被覆に結合できるか、及び/またはそこから延び得る。そのような実施形態では、送達システム2880の取り付け部材2888は、弁2800の取り付け部材2871に取り外し可能に結合することができる(例えば、縫合糸、テザー、及び/または他の任意の取り外し可能な結合を介して)。
【0232】
図51及び52はさらに、例えば、弁輪上部材2830のウェイポイントまたは開口部及び/またはそのドラムを通って延びる、ならびに弁輪下部材2830の遠位固定要素2832のガイドワイヤカプラ2833を通って延びる送達システム2880のガイドワイヤカテーテル2885を示している。
図53は、弁2800のフロー制御コンポーネント2850の下に延びるガイドワイヤカテーテル2885を示している。送達中、ガイドワイヤカテーテル2885は、(
図53に示されるように)弁2800を通って伸ばされ、心臓内の所望の位置にすでに配置されたガイドワイヤ上を前進することができる。したがって、送達カテーテル2884を介して圧縮構成で弁2800を送達することは、ガイドワイヤに沿ってガイドワイヤカテーテル2885を前進させることを含む。ガイドワイヤカテーテル2885は、遠位固定要素2832のガイドワイヤカプラ2833を通って延びることができる(例えば、ガイドワイヤカテーテル2885の遠位端は、ガイドワイヤカプラから約0.1cmから約1.0cm、またはそれ以上遠位であり得る)。
【0233】
ガイドワイヤカテーテル2885は、例えば、送達中の弁2800の可動域を制限する、及び及び/または(少なくとも部分的に)画定するのに十分に硬くすることができる。例えば、ガイドワイヤカテーテル2885は、送達中に弁2800が回転することができるが、他の方向への弁2800の動きを実質的に制限または反対することができる軸を画定することができる。いくつかの実施形態では、取り付け部材2888(例えば、ヨーク)及びガイドワイヤカテーテル2885の配置は、送達中の弁2800の位置のより大きな制御を可能にすることができる。ガイドワイヤカテーテル2885及び/または弁2800の1つ以上の部分はまた、画像誘導送達中の強化された視覚化を可能にする放射線不透過性マーカーを含むことができる。
【0234】
図53はさらに、送達システム2880の部分に含まれるアクチュエータ2870(またはアクチュエータ2870の少なくとも一部)を示している。アクチュエータ2870は、例えば、弁2800上の1つ以上の取り付け点に取り外し可能に結合された1つ以上のテザー、縫合糸、ケーブル、引張部材、タイなどであり得るか、及び/またはそれらを含むことができる。例えば、テザー(複数可)は、弁輪下部材2830の近位固定要素2834に取り外し可能に結合されて示されている。アクチュエータ2870(例えば、テザー(複数可))を使用して、2つ以上の構成、位置、状態などの間で近位固定要素2834を作動させることができる。
図53は、拡張構成または非作動構成の近位固定要素2834を示している。展開中、操作者は、アクチュエータ2870の近位端部分(例えば、体の外側に配置される)を作動させて、例えば、テザー(複数可)を近位方向に引っ張ることができ、それによって、近位固定要素2834をフロー制御コンポーネント2850に向けて折り畳むことができ、または圧縮することができる。アクチュエータ2870の作動はまた、経弁輪部材2812の後壁及び前壁の近位部分を、フロー制御コンポーネント2850に向かって内側に折り畳み、圧縮し、及び/または引くことができる。弁2800を自己弁の弁輪に配置した後、アクチュエータ2870を弁2800から取り外しまたは切り離すことができ、ガイドワイヤカテーテル2885(及びそれを通って延びるガイドワイヤ)を、ウェイポイントまたは弁輪上部材2820の開口部を通して引っ込めることができ、送達システム2880の部分は、弁2800から切り離され、患者から引き抜かれ、展開された人工弁2800を、自己心臓弁の弁輪の所定の位置に残すことができる。
【0235】
図54A~54Dは、一実施形態による、送達システム-弁取り付け点2928の様々な図である。
図54Aは、送達システム-弁取り付け点2928の少なくとも一部を示す、弁輪上部材2920のレーザー切断設計の一部の斜視図である。送達システム-弁取り付けポイント2928は、例えば、送達システムの一部に取り外し可能に結合するフレックスコンポーネント2928Aを含むか、及び/またはそれに結合する(例えば、ねじ山結合または任意の適切な形態の結合を介して)ウェイポイントフレックス設計にすることができる。送達システム-弁取り付けポイント2928のウェイポイントフレックス設計は、比較的高いピボット角度を実現し、負荷角度/力を制限することができる。
図54Bは、弁輪上部材2890のレーザー切断設計に含まれるレーザー切断コンポーネントであるか、または別個にレーザー切断することができるフレックスコンポーネント2928Aを示している。
図54Cは、フレックスコンポーネント2828Aの上面に垂直なねじ山を備えた送達システム-弁取り付け点2928を形成するために、弁輪上部材2920に結合されたフレックス構成要素2928Aを示している。フレックスコンポーネント2928Aは、縫合糸、リベット、ネジ、ボルト、接着剤、及び/またはその他の適切なカップリングを介して結合することができる。
図54Dは、負荷中に弁の内部に屈曲されるフレックスコンポーネント2928Aを示している。フレックスコンポーネント2928Aは、弁輪上部材2920から分離され、それに結合されていると説明されているが、他の実施形態では、フレックスコンポーネント2928A(またはその少なくとも一部)は、弁輪上部材2920と一体的に形成され得る。例えば、フレックスコンポーネント2928Aは弁輪上部材2920に含まれるスプラインの内部及び/または同心部分にすることができる。
【0236】
図55A及び55Bは、それぞれ、一実施形態による、送達システム-弁取り付け点3028の斜視図及び上面図である。デリバリーシステム-弁取り付け点3028は、例えば、ウェイポイントヨーク設計にすることができ、これにより、比較的高いピボット角度を実現し、負荷角度/力を制限することができる。送達システム-弁取り付け点3028は、例えば、ニチノールワイヤまたはニチノールシートからレーザー切断され、送達システムの一部に取り付けるための#4-40ネジ山にヒートセットされて形成された単一の構成要素であり得る。送達システム-弁取り付け点3028は、弁輪上部材とは別に形成することができ、各構成要素が形成された後にそれに結合することができる。送達システム-弁取り付け点3028は、例えば、スプライン、外側ループ、及び/または弁輪上部材の他の適切な部分に、移動可能に結合され得る。
【0237】
図56A~56Cは、一実施形態による、送達システム-弁取り付け点3128の様々な図である。デリバリーシステム-弁取り付け点3128は、例えば、ウェイポイントヒンジ式設計にすることができ、これにより、比較的高いピボット角度(例えば、90度を超える)を実現し、負荷角度/力を制限することができる。送達システム-弁取り付け点3128は、圧入、溶接、及び/またはそうでなければ一緒に結合され、#4-40ネジのためのネジ山を有し得る、及び/またはそれを形成し得る、複数のパーツを含む。場合によっては、送達システム-弁取り付け点3128は、約0.140インチの最小外寸を有するカプラを含むことができる。送達システム-弁取り付け点3128は、弁輪上部材とは別に形成することができ、各構成要素が形成された後にそれに結合することができる。送達システム-弁取り付け点3128は、例えば、弁輪上部材(またはその他の適切な部分)のスプラインに移動可能に結合することができる。
【0238】
図57~60は、一実施形態による、人工弁3200の底面斜視図であり、人工弁3200の近位固定要素3234を第1の構成と第2の構成との間で移行させるプロセスを示している。弁3200は、外部支持フレーム3210及び、外部支持フレーム3210の中央領域内に取り付けられたフロー制御コンポーネント3250を含むものとして示されている。フレーム3210は、少なくとも弁輪上部材3220及び弁輪下部材3230を有することが示されている。弁輪上部材3220及び弁輪下部材3230は、上述のもののいずれにも類似することができる。したがって、ある特定の態様及び/または特徴は、本明細書ではさらに詳細に説明されない場合がある。
【0239】
図57は、遠位固定要素3232及び近位固定要素3234を含む、及び/または形成する弁輪下部材3230を示している。弁輪上部材3220は、弁輪上部材3220の近位端部分またはその近辺にウェイポイント3228を画定するスプライン3227(例えば、弁輪上部材3220の外側ループ及び内側ループの間に延びる(示されていない))を含むものとして示されている。弁輪上部材3220は、弁輪上部材3220の内側ループ及び外側ループの間に延び、及び/またはそれらに結合され、フロー制御コンポーネント3250によって他の方法で占有されない空間をカバーするドラム3445を含むものとしてさらに示されている。弁輪上部材3220(またはその内側ループ)は、弁3200に対して遠位方向にオフセットされているフロー制御コンポーネント3250に結合されて示されている。
【0240】
弁3200は、送達システム3280などの少なくとも一部と係合するか、または係合されるように構成される。送達システム3280は、弁3200の1つ以上の部分を、送達、回収、展開、移動、操作、作動、そうでなければそれと相互作用するための任意の適切な構成要素を含むことができる。この実施形態では、送達システム3280は、例えば、1つ以上のカテーテルを含むことができる。例えば、送達システム3280は、それを通して弁3200が自己心臓弁の弁輪に送達される送達カテーテルを含むことができる。送達システム3280はまた、1つ以上の操縦可能なカテーテル、制御カテーテル、多腔型カテーテルなど、またはそれらの組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、送達システム3280は、弁3200の1つ以上の部分に取り外し可能に係合するように、及び/または結合するように構成され、弁3200の送達、展開、及び/または回収を容易にする遠位端部分を有する多腔型制御カテーテルを含むことができる。
図57~60には示されていないが、送達システム3280はまた、送達及び/または展開中にガイドワイヤに沿って前進させることができるガイドワイヤカテーテルを含むことができる。
図51~53に示される弁2800を参照して上述されるように、そのような実装形態において、ガイドワイヤカテーテルは、ウェイポイント3228を通過し、フロー制御コンポーネント3250の下を通過し、遠位固定要素のガイドワイヤカプラを通過することができる。
【0241】
図57はさらに、アクチュエータ3270を含む送達システム3280を示している。アクチュエータ3270は、例えば、170、270、及び/または370を参照して上述されるものと同様であり得る。例えば、アクチュエータ3270は、スプライン3227のウェイポイント3228を通って延在し、弁輪下部材3230に結合する、及び/またはそれに沿って形成される、1つ以上の以下に結合された1つ以上の取り付け点3236を通って通されるテザーであり得、及びまたはそれを含むことができる。テザーは、アタッチメント(複数可)3236を通ってループし、ウェイポイント3228を通って近位方向に戻るように伸長する。このように、テザーの両端を体の外側に維持することができ、ユーザーがテザーを操作できるようにする(アクチュエータ3270)。この実施形態では、テザーは、アクチュエータ3270(例えば、テザー(複数可))の作動が、少なくとも近位固定要素3234を第1の構成と第2の構成との間で移行させる、及び/または移動させるように、弁輪下部材3230の近位固定要素3234でまたはそれに沿って複数の取り付け点3236を通るねじ山で示されている。テザーは、任意の適切な方法で取り付け点3236に通すことができ、これにより、近位固定要素3234が遷移または移動する方法を制御及び/または決定することができる。さらに、取り付け点3236は、それを通るテザーの通過または糸通しを容易にすることができる任意の適切な材料から形成することができる。例えば、取り付け点3236は、弁輪下部材3220のレーザー切断されたワイヤフレームに含まれ得る、及び/またはそれと一体的に形成され得る(例えば、アイレットなどのように)。他の実施形態では、取り付け点3236は縫合ループ及び/または少なくとも部分的に弁輪下部材3220を包み込んでいる生体適合性布地内または生体適合性布地によって形成されたループであることができる。さらに他の実施形態では、取り付け点3236は、例えば、ポリエチレンなどの生体適合性ポリマーから形成することができる。いくつかのそのような実施形態では、生体適合性材料は、例えば、取り付け点3236を通るテザーの移動を容易にすることができるような自己潤滑性ポリマー複合材料などであり得る。
【0242】
図57は、テザー(アクチュエータ3270)が蛇行するように取り付け点3236を通ってループされた、第1の構成または非作動構成の近位固定要素3234を示している。
図58及び59は、アクチュエータ3270の作動(例えば、テザーを近位方向及び/またはテザーの長さに沿って張力が生じる方向に引っ張る)に応答して、第1の非作動構成から第2の作動構成に移行するときの近位固定要素3234を示す。
図60は、第2の作動構成における近位固定要素3234を示している。
【0243】
図57~60に示される実施形態では、アクチュエータ3270は、近位固定要素3234と係合し、弁輪下部材3230の前側または自由壁側の取り付け点3236の1つが、近位固定要素3234が少なくとも部分的に回転し、折り畳まれ、巻かれるなどするピボット点として機能するようにされる。他の実施形態では、アクチュエータ3270は、弁輪下部材3230の後側または中隔側の取り付け点3236がピボット点として機能するように、近位固定要素3234と係合することができる。換言すると、近位固定要素3234は、アクチュエータ3270が近位固定要素3234の取り付け点3236にどのように係合するかに応じて、回転、折り畳み、巻かれ、旋回、旋回、及び/またはそうでなければ、弁3200の前側または弁3200の後側に向かって移動する。
【0244】
図59及び60はまた、近位固定要素3234に含まれる、及び/またはそれによって形成されるタブ3246を示している。いくつかの実施形態では、タブ3246は、自己弁輪下組織に接触して、自己弁の弁輪における弁3200の近位側の固定を容易にすることができる。より具体的には、タブ3246は、近位固定要素3234に沿って、及び/またはそれに近接して配置することができ、アクチュエータ3270の作動に応答して、回転、スイング、ピボット、または近位固定要素3234とともに移動することができる。いくつかの実装形態では、タブ3246の配置は、近位固定要素3234が移動する(例えば、圧縮構成から拡張構成へ、弁3200が弁輪で展開された後、及び/またはそこに着座した後)と、タブ3246が、例えば、交連、後交連または中隔の小葉、腱索、小柱、及び/または自己組織の望ましい任意の他の部分の後ろに動くかまたはスライドするようなものであり得る。1つのタブ3246が
図59及び60に示される一方で、他の実施形態では、近位固定要素3234は、自己組織の上または後ろに引っ掛けるためのフックなどとして配置及び/または他の方法で機能することができる2つ以上のタブ3246を含み、それによって、近位固定要素3234を自己弁輪下組織に固定することができる。
【0245】
図61~64は、一実施形態による、人工弁3300の底面斜視図であり、人工弁3300の近位固定要素3334を第1の構成と第2の構成との間で移行させるプロセスを示している。弁3300は、外部支持フレーム3310及び、外部支持フレーム3310の中央領域内に取り付けられたフロー制御コンポーネント3350を含むものとして示されている。フレーム3310は、少なくとも弁輪上部材3320及び弁輪下部材3330を有することが示されている。弁輪上部材3320及び弁輪下部材3330は、上述のもののいずれにも類似することができる。したがって、ある特定の態様及び/または特徴は、本明細書ではさらに詳細に説明されない場合がある。
【0246】
図61は、弁輪上部材3320の内側ループまたはその近くにスプライン3327(例えば、弁輪上部材3320(図示せず)の外側ループと内側ループとの間に延びる)を含む弁輪上部材3320を示している。弁輪上部材3320は、弁輪上部材3320の内側ループ及び外側ループの間に延び、及び/またはそれらに結合され、フロー制御コンポーネント3350によって他の方法で占有されない空間をカバーするドラム3445を含むものとしてさらに示されている。弁輪上部材3320(またはその内側ループ)は、弁3300に対して遠位方向にオフセットされているフロー制御コンポーネント3350に結合されて示されている。
【0247】
弁3300は、送達システム3380などの少なくとも一部と係合するか、または係合されるように構成される。送達システム3380は、弁3300の1つ以上の部分を、送達、回収、展開、移動、操作、作動、そうでなければそれと相互作用するための任意の適切な構成要素を含むことができる。この実施形態では、送達システム3380は、例えば、1つ以上のカテーテルを含むことができる。例えば、送達システム3380は、それを通して弁3300が自己心臓弁の弁輪に送達される送達カテーテルを含むことができる。送達システム3380はまた、1つ以上の操縦可能なカテーテル、制御カテーテル、多腔型カテーテルなど、またはそれらの組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、送達システム3380は、弁3300の1つ以上の部分(例えば、弁輪上部材3320の外側ループまたは内側ループ、弁輪上部材3320のドラム、弁輪上部材3320のスプライン3327、弁輪下部材3330の1つ以上の固定要素及び/または弁3300の他の部分)に取り外し可能に係合するように、及び/または結合するように構成された遠位端部分を有する多腔型制御カテーテルを含むことができる。例えば、
図61~64は、多腔型制御カテーテルの遠位端に結合されている、及び/または一体化されている、取り付け部材3388(例えば、ヨーク、ウィッシュボーンなど)を示す。取り付け部材3388は、弁輪上部材3320(例えば、ドラム3445及び/またはスプライン3327)に取り外し可能に結合することができる。
図61~64には示されていないが、いくつかの実施形態では、取り付け部材3388は、1つ以上のテザー、縫合糸、及び/または収縮可能/回収可能コネクタを介して弁輪上部材3320のドラム3345に取り外し可能に結合され得る。
【0248】
図61は、例えば、スプライン3327の遠位部分を通って延び、弁輪下部材3330に結合した、及び/またはそれに沿って形成された、1つ以上の取り付け点(複数可)3336を通して通される、テザーを含む、及び/またはそれとして構成されたアクチュエータ3370を示している。示されていないが、いくつかの実施形態では、スプライン3327はテザーが延びるフロー制御コンポーネント3350またはその近くにウェイポイントを形成することができ、及び/またはそれを画定することができる。ウェイポイントの位置は、少なくとも部分的に、弁3300のサイズに基づくことができ、より小さな弁は、より大きな弁のウェイポイントに対して遠位位置にウェイポイントを有する。いくつかの実施形態では、貫通穴、フラップ、開口部、ポートなどは、テザーがドラム3445を通過できるようにするために、ドラム3445に形成することができる(例えば、スプライン3327は、ウェイポイントを画定しない)。テザーは、近位固定要素3334の複数の取り付け点(複数可)3336を通ってループ状になり、ドラム3345及び/またはスプライン3327を通って近位方向に延び、テザーの両端が体の外側に維持され、ユーザーがテザーを操作できる(アクチュエーター3370)ように示されている。したがって、アクチュエータ3370(例えば、テザー)の作動は、少なくとも近位固定要素3334を第1の構成と第2の構成との間で移行させる、及び/または移動させる。テザーは、任意の適切な方法で取り付け点3336に通すことができ、これにより、近位固定要素3334が遷移または移動する方法を制御及び/または決定することができる。
【0249】
図61は、テザー(アクチュエータ3370)が蛇行するように取り付け点3336を通ってループされた、第1の構成または非作動構成の近位固定要素3334を示している。
図62及び63は、アクチュエータ3370の作動(例えば、テザーを近位方向及び/またはテザーの長さに沿って張力が生じる方向に引っ張る)に応答して、第1の非作動構成から第2の作動構成に移行するときの近位固定要素3334を示す。
図64は、第2の作動構成における近位固定要素3334を示している。
図61~64に示される実施形態では、アクチュエータ3370は、取り付け点3336の1つが、近位固定要素3334が少なくとも部分的に回転される、折り畳まれる、巻かれるなど、ピボット点(例えば、弁3200に関して上記で説明したように、弁輪下部材3320の前側または後側の取り付け点3336)として機能するように、近位固定要素3334と係合する。
【0250】
図
図63及び64はまた、近位固定要素3334に含まれる、及び/またはそれによって形成されるタブ3346を示している。いくつかの実施形態では、タブ3346は、自己弁輪下組織に接触して、自己弁の弁輪における弁3300の近位側の固定を容易にすることができる。より具体的には、タブ3346は、近位固定要素3334に沿って、及び/またはそれに近接して配置することができ、アクチュエータ3370の作動に応答して、回転、スイング、ピボット、または近位固定要素3334とともに移動することができる。いくつかの実装形態では、タブ3346の配置は、近位固定要素3334が移動する(例えば、圧縮構成から拡張構成へ、弁3300が弁輪で展開された後、及び/またはそこに着座した後)と、タブ3346が、例えば、交連、後交連または中隔の小葉、腱索、小柱、及び/または自己組織の望ましい任意の他の部分の後ろに動くかまたはスライドするようなものであり得る。
図63及び64に1つのタブ3346が示されているが、他の実施形態では、近位固定要素3334は、自己組織の上または後ろに引っ掛けるためのフックなどとして配置及び/または他の方法で機能することができる2つ以上のタブ3346を含み、それによって、近位固定要素3334を自己弁輪下組織に固定することができる。
【0251】
図65は、一実施形態による、圧縮構成で近位固定要素3434を示し、近位固定要素3434から延びる一組のタブ3449を有する人工弁3400の底面斜視図である。弁3400は、送達システム3480などの少なくとも一部と係合するか、または係合されるように構成される。送達システム3480は、弁3400の1つ以上の部分を、送達、回収、展開、移動、操作、作動、そうでなければそれと相互作用するための任意の適切な構成要素を含むことができる。この実施形態では、送達システム3480は、例えば、1つ以上のカテーテル及びアクチュエータ3470(送達システム3280及び3380に関して上記で説明したように)を含むことができる。
【0252】
図65は、外部支持フレーム3410及び、外部支持フレーム3410の中央領域内に取り付けられたフロー制御コンポーネント3450を有する弁3400を示している。フレーム3410は、少なくとも弁輪上部材3420及び弁輪下部材3430を有することが示されている。弁輪上部材3420及び弁輪下部材3430は、上述のもののいずれにも類似することができる。したがって、ある特定の態様及び/または特徴は、本明細書ではさらに詳細に説明されない場合がある。
【0253】
弁輪下部材3430は、近位固定要素3434を含む、及び/またはそれを形成し、これは、少なくとも第1の、作動されていない、及び/または拡張構成と第2の作動、折り畳み、及び/または圧縮構成との間を移動可能であり得る。
図65は、第2の構成または作動構成における近位固定要素3434を示している。近位固定要素3234及び3334に関して上記で説明したように、アクチュエータ3470の少なくとも一部に含まれ、それを形成するテザーは、蛇行するように近位固定要素3434の取り付け点3436のセットを介してループされる。
図65に示される実施形態では、アクチュエータ3470は、取り付け点3436の1つ(例えば、弁3400の自由壁側の取り付け点3436)が、近位固定要素3434が少なくとも部分的に回転される、折り畳まれる、巻かれるなど、ピボット点(例えば、弁3200に関して上記で説明したように、弁輪下部材3420の前側または後側の取り付け点3436)として機能するように、近位固定要素3434と係合する。
【0254】
図65はさらに、近位固定要素3434によって含まれ、及び/またはそれによって形成される、タブ3446を示し、これは、上述のタブ3246及び3346と同様であり得る近位固定要素3434はまた、アンカー、タブ、フック、アーム、エクステンションなどのセットを含むもの、及び/またはそれらを形成するものとして示されている(本明細書では「フック3449」と呼ばれる)。いくつかの実装形態では、フック3449は、近位固定要素3434から延びることができ、近位固定要素3434が回転、スイング、旋回し、及び/またはそうでなければ、アクチュエータ3470の作動(例えば、弁3400が展開され、及び/または弁輪に着座した後、第2の、折り畳まれた、及び/または圧縮構成から第1の、折り畳まれていない、及び/または拡張構成に移動する)に応答して移動するような方法で湾曲し、角度を付けられ、及び/または配向され得、フック3449は、例えば、交連、後交連または中隔の小葉、腱索、小柱、及び/または自己組織の他の所望の部分の後ろに移動またはスライドする。
【0255】
近位固定要素3434は2つのフック3449を含むものとして示されているが、他の実施形態では、近位固定要素3434は、自己組織に配置することができる、及び/またはそうでなければそこに引っ掛かる、またはその後ろに引っ掛かるように作用し、それにより、近位固定要素3434を自己弁輪下組織に固定することができる1つのフック3449、2つのフック3449、または2つ以上のフック3449を含むことができる。フック3449は、例えば、圧縮構成から拡張構成に移動する近位固定要素3434に関連する方向に(例えば、弁3400の後方または中隔側に向かって)延びるように示されているが、他の実施形態では、フック3449は、反対方向または任意の適切な方向の組み合わせに向けることができる。さらに、フック3449は比較的細長い延長部として示されているが、他の実施形態では、フックまたは一組のフックは、任意の適切な形状、サイズ、及び/または構成を有し得る。例えば、いくつかの実施形態では、近位固定要素3434は、鈍いセレーション、歯、フック、隆起、突起などで鋸歯状になっているエッジ部分を含むことができる。
【0256】
図66~69は、一実施形態による、側方送達可能な人工弁3500の様々な図であり、湾曲した構成を有する弁輪上部材3520の一部を示している。弁3500は、外部支持フレーム3510及び、外部支持フレーム3510の中央領域内に取り付けられたフロー制御コンポーネント3550を含むものとして示されている。フレーム3510は、少なくとも弁輪上部材3520、弁輪下部材3530、及びそれらの間に結合された経弁輪部材3512を有することが示される。フレーム3510及び/またはその態様は、上記のもののいずれかに類似することができる。したがって、ある特定の態様及び/または特徴は、本明細書ではさらに詳細に説明されない場合がある。
【0257】
弁3500は、遠位固定要素3532及び近位固定要素3534を含む、及び/または形成する弁輪下部材3530を備えて示されている。遠位固定要素3532は、ガイドワイヤを受け入れることができるガイドワイヤカプラ3533、及び/またはガイドワイヤカプラ3533によって画定される開口部、穴、アパーチャ、ポートなどを通るガイドワイヤカテーテルを含む。いくつかの実装形態では、ガイドワイヤカテーテルは、遠位固定要素3532を超えて延在することができ、弁3500がガイドワイヤカテーテルの管腔に通されるガイドワイヤに沿って前進することを可能にするのに十分な剛性を有することができ、及び/または提供することができる。近位固定要素3534は、例えば、送達及び/または展開中に弁輪下部材3520の周囲を縮小するために、第1の構成と第2の構成との間で移動、及び/またはそうでなければ移行するように構成された(例えば、アクチュエータによって)可動固定要素であり得る。
【0258】
近位固定要素3534は、近位固定要素3534がアクチュエータに結合される方法に少なくとも部分的に基づいて、第1の拡張構成(
図66)から第2の圧縮構成に任意の適切な方向に移動するように構成することができる。例えば、近位固定要素3534は、フロー制御コンポーネント3550に向かって内側に移動することができ、弁輪上部材3520及び/またその一部に向かって上方に移動することができ、及び/または弁3500の前側または後側に向かって移動することができる。さらに、フレーム3510の経弁輪部材3512が弁輪下部材3530に結合されている場合、アクチュエータの作動は、いくつかの実施形態では、経弁輪部材3512の1つ以上の部分を動かすことができる。
【0259】
弁輪上部材3520は、生体適合性材料で包まれているかまたは被覆されているレーザー切断フレーム(例えば、ニチノールなどの形状記憶材料で形成されている)を有することが示されている。弁輪上部材3520は、遠位部分3522、近位部分3524、外側ループ3521、内側ループ3525、及び少なくとも1つのスプライン3527を含む。いくつかの実施形態では、外側ループ3521を、自己組織に係合するように成形することができ、及び/または係合するようなサイズとすることができる。例えば、弁輪上部材3520(少なくとも部分的に外側ループ3521によって形成される)の遠位部分3522は、遠位弁輪上組織と係合するように構成され、近位部分3524(少なくとも部分的に外側ループ3521によって形成される)は、近位弁輪上組織に係合するように構成されている。遠位部分及び近位部分3522及び3524は、近位部分3524の曲率半径が遠位部分3522の曲率半径よりも大きい、丸みを帯びている、及び/または湾曲形状を有することができる。遠位部3522及び/または近位部分3524は、例えば、遠位弁輪上固定要素及び/または近位弁輪上固定要素を形成することができ、そのそれぞれは、それぞれ、弁輪上組織を、少なくとも部分的に、自己弁輪のフレーム3510を安定化及び/またはそれに固定することができる。
【0260】
弁輪上部材3520の内側ループ3525は、長方形または涙滴形状を有することができ、1つ以上のスプライン3527によって外側ループ3521に結合することができる、及び/またはそれから吊り下げられることができる。内側ループ3525は、例えば、生体適合性材料3526を介して、フロー制御コンポーネント3550に結合することができる。内側ループ3525は、フロー制御コンポーネント3550が弁3500に対して遠位方向にオフセットされるように、フロー制御コンポーネント3550に結合されているように示されている。いくつかの実装形態では、内側ループ3525を外側ループ3521から吊り下げることにより、例えば、内側ループ3525(及び内側ループ3525に結合されたフロー制御コンポーネント3550)を、拡張構成と圧縮構成(例えば、送達及び/または展開)との間でフレーム3510を移行することと関連する力の少なくとも一部から少なくとも部分的に隔離することができる。
【0261】
弁輪上部材3520の1つ以上のスプライン3527は、任意の適切な形状、サイズ、及び/または構成であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、弁輪上部材3520は、ウェイポイント3528を画定する近位スプライン3527を含むことができる。ウェイポイント3528は、例えば、開口部、穴、アパーチャ、ポート、カプラ、封印可能/再封可能アクセス点、及び/または送達システムの一部を少なくとも一時的に結合するように、及び/または受け取るように構成されたものを含み得る。例えば、いくつかの実装形態では、送達システムの部分は、少なくともアクチュエータ及びガイドワイヤカテーテルを含むことができる。
【0262】
弁輪上部材3520は、外側ループ3521と内側ループ3525の間に延び、及び/またはそれらに結合され、フロー制御コンポーネント3550によって他の方法で占有されない空間をカバーするドラム3545を含むものとしてさらに示されている。
図66は、ドラム3545がドラム3545の剛性を高めるために使用することができる一組のスポーク3545Aを有する、及び/またはそれを形成することを示す。スポーク3545Aは、例えば、例えば収縮期の間にドラム3545の剛性を高めるために及び/またはそうでなければ、ドラム3545の変形モードを改変するために、ドラム3545に縫い付けられる縫合糸であり得、これは次に、弁3500の性能を向上させることができ、及び/またはドラム3545内またはドラムに沿った疲労を軽減することができる。特に
図66に示されるように、スポーク3545Aは、ドラム剛性の増加をもたらす任意の適切な方法で配置することができる。例えば、スポーク3545Aは、縦方向、横方向、及び/または縦方向または横方向に対して相対的な角度で配置することができる。他の実施形態では、スポーク3545Aは、クロスハッチパターンで及び/またはその他の適切なパターンで配置することができる。
【0263】
図66はさらに、送達システムの一部への一時的な取り付けを容易にすることができる取り付け部材3571を含むドラム3545を示している。取り付け部材3571は、例えば、編組糸、縫合糸、テザー、ケーブルなどであり得る。上述のように、いくつかの実装形態では、送達システムは、一体化されたヨークまたは他の適切な取り外し可能なカプラを含むことができる制御または操縦可能なカテーテルを含むことができる。より具体的には、取り付け部材3571は、それを通して、一組のテザーを送達システムのヨークにねじ込み、弁3500に取り外し可能に結合することができる、一組のループ3572を含むことができる。テザーは、テザーのそれぞれの端部が患者の外側に維持されるようにループ3572を通過させることができ、操作者がテザーを操作してヨークとドラム3545との間の接触を制御できるようにする。
【0264】
取り付け部材3571は、ドラム3545の近位端またはその近くでドラム3545に結合されて示されているが、他の実施形態では、取り付け部材3571は、任意の適切な位置(例えば、フロー制御コンポーネント3550に隣接する近位位置、
図66に示されるような遠位位置、またはそれらの間の任意の適切な位置)でドラム3545に結合され得る。取り付け部材3571は、ドラム3545に結合されているものとして上で説明されているが、他の実施形態では、弁3500の任意の部分は、取り付け部材3571を含むことができる。いくつかの実施形態では、例えば、弁輪上部材3520は、外側ループ3525の一部を横切って延びる(例えば、スプライン3527に垂直な)ワイヤフレームのレーザー切断部分を含むことができる。
【0265】
図66~69はさらに、湾曲した形状及び/または構成を有する弁輪上部材3520のスプライン3527を示している。
図67及び68は、それぞれ、弁3500の側面図及び底面図であり、弁輪下部材3520から離れて突出しているスプライン3527を示している。
図69は、湾曲した構成を有するスプライン3527を備えた弁輪上部材3520のレーザー切断フレームを示す上面斜視図である。いくつかの実装形態では、曲がったスプライン3527は、ドラム3545に力を加えて、ドラム3545を曲げ、ドラム3545の領域全体の張力を増加させることができる。次に、張力の増加は、ドラム3545の相対的な剛性を増加させ、これは、例えば、拡張期または収縮期の間のドラム変形の量を減少することができ、及び/または制限することができ、それによって弁3500の性能を向上させ、及び/またはドラム3545内またはそれに沿った疲労を軽減する。別の言い方をすれば、心房の収縮中(拡張期)にドラム3545の心房側に生成される圧力は、曲がったスプライン3527のために、ドラム3545の湾曲した構成を反転させるのに十分ではない(すなわち、油缶のようなたわみを生成しない)。ドラム3545の湾曲した構成はまた、実質的なたわみなしに、心室の収縮中(収縮期)にドラム3545の心室側で生成されるより大きな圧力に耐えることができる。さらに、スプライン3527の船首は、ウェイポイント3528が所望の角度及び/または方向に配置されるようにすることができ、ウェイポイント3528を介した送達システムの1つ以上の部分の挿入または回収を容易にすることができる。
【0266】
図70は、一実施形態による、側方送達可能な経カテーテル人工心臓弁を展開する方法10を例示するフローチャートである。側方送達可能な経カテーテル人工弁は、本明細書に記載されている人工弁のいずれかと同様であり得、及び/または実質的に同じであり得る。例えば、人工弁は、外側のサポートフレームと外側のサポートフレーム内及び/またはそれに取り付けられた(内側の)フロー制御コンポーネントを含むことができる。外側支持フレームは、例えば、弁輪上部材または弁輪上領域、弁輪下部材または弁輪下領域、及びそれらの間に結合された経弁輪部材または経弁輪領域を含む。フロー制御コンポーネントは、上述のように、経弁輪部材または経弁輪領域の一部を通って延びるように、外側支持フレームに取り付けられる。
【0267】
方法10は、11で、外側フレームの弁輪上部材を送達システムの一部に取り外し可能に結合することを含む。例えば、いくつかの実施形態では、弁輪上部材は、
図66~69に示される弁3500を参照して上記で説明したように、送達システムを弁に一時的に結合するために使用できる取り付け部材などを含むことができる。他の実施形態では、弁輪上部材は、取り付け点、ウェイポイント、及び/または送達システムの一部に取り外し可能に結合できるその他の適切なカプラを形成することができる、及び/またはそれらを画定することができる。
【0268】
12で、送達構成の人工弁は、送達システムに含まれる送達カテーテルの管腔を通って前進し、一方、送達カテーテルの遠位端は、心臓の心房に配置される。弁100に関して上で説明したように、人工弁は、送達構成に配置され、送達カテーテルの管腔に装填され得る。場合によっては、弁を送達構成に配置することは、例えば、弁を横方向または横軸に沿って折り畳み、弁を軸方向または血流方向に、または弁の中心軸に沿って圧縮することを含み得る。場合によっては、外側フレームの弁輪上部材は、送達カテーテルの管腔を通って前進する前に、送達システムの部分に取り外し可能に結合される。いくつかのそのような例では、例えば、送達システムの一部を使用して、送達カテーテルの管腔を通して送達構成で人工弁を前進させることができる。
【0269】
13で、人工弁は、送達カテーテルの遠位端から解放される。場合によっては、人工弁を送達カテーテルから部分的に解放して、弁の遠位端部分(例えば、弁輪下部材の遠位固定要素)を、弁を完全に解放する前に自己弁の弁輪に挿入することができる。他の例では、人工弁の一部を弁輪に挿入する前に、人工弁を送達カテーテルから完全に解放することができる。さらに、人工弁の解放により、解放された部分(または弁全体)が、送達構成から拡張構成または展開構成に移行することが可能になる。
【0270】
14で、外側フレームの弁輪下部材の近位固定要素は、人工弁を解放した後、第1の構成に配置される。少なくともフレーム210及び310を参照して上で説明したように、近位固定要素は、それに取り外し可能に結合されたアクチュエータの作動に応答して、第1の構成に配置することができる。例えば、アクチュエータは、近位アンカー要素を作動、移動、及び/またはそれ以外の場合は、第1の構成に配置するために張力をかけることができる1つ以上のテザーであり得る。さらに、近位固定要素が第1の構成にあるとき、少なくとも弁輪下部材の周囲及び/または円周は、弁輪の周囲及び/または円周と同様かそれよりも小さいサイズに縮小される。したがって、人工弁は、近位固定要素が第1の構成である15である間、自己心臓弁の弁輪に着座している。
【0271】
16で、人工弁を弁輪に着座させた後、近位固定要素は、第1の構成から第2の構成に移行する。例えば、いくつかの実装形態では、アクチュエータを作動させて、近位固定要素を第1の構成から第2の構成に移動させることができる。いくつかの実装形態では、ユーザまたは操作者は、1つ以上のテザーの張力の量を減らすことができ、近位固定要素が付勢された、または拡張された状態または構成に戻ることを可能にする。いくつかの実施形態では、近位固定要素が第1の(圧縮された)構成から拡張構成を経て、弁輪の近位側の自己組織が弁輪下部材の近位固定要素と弁輪上部材の近位部分との間に圧縮されるまたは挟まれ、それによって弁を弁輪に固定する締められた構成に移動するように、アクチュエータを作動させることができる。一部の実装形態では、弁が自己弁の弁輪に着座及び/または固定されると、送達システムの一部を患者の体から切り離すことができ、及び/またはそこからら取り外して、引き抜くことができる。
【0272】
図71は、一実施形態による、側方送達可能な経カテーテル人工心臓弁の少なくとも一部を製造する方法20を例示するフローチャートである。人工弁は、本明細書に記載の任意の人工弁(またはその一部)と同様であり得る。例えば、人工弁は、
図1及び
図66~69を参照して上記で説明した弁3400と同様であり得る。
【0273】
方法20は、21で、単一のワークピースから外側ループ、内側ループ、及び前記内側ループを前記外側ループから吊り下げるスプラインを有する弁フレームの弁輪上部材を形成することを含む。上述のように、弁輪上部材は単一のワークピース(例えば、ニチノールシートまたはチューブ)からレーザー切断され、次に所望の形状にヒートセットされるワイヤフレームであり得、及び/またはそれを含むことができる。いくつかの実施形態では、外側ループは、それが配置される心房の解剖学的構造に少なくとも部分的に基づく、サイズ、形状、及び/または構成であり得る。内側ループは外側ループから吊り下げることができ、それに取り付けられるように構成された(内側)フロー制御コンポーネントのサイズまたは構成に少なくとも部分的に基づいたサイズ及び/または形状を有することができる。いくつかの実施形態では、例えば、内側ループは、それを介してフロー制御コンポーネントを受け入れるのに十分な幅のある長方形または涙滴形であり得る。スプラインは、内側ループを外側ループから少なくとも部分的に吊り下げるように構成されている。いくつかの実施形態では、スプラインは、送達及び/または展開中に、送達システムの一部を係合及び/または受け取るように構成されたウェイポイントを形成及び/または画定することができる。
【0274】
弁フレームの弁輪下部材は、22で、単一のワークピースから形成され、遠位固定要素及び近位固定要素を有する。上述のように、弁輪下部材は単一のワークピース(例えば、ニチノールシートまたはチューブ)からレーザー切断され、次に所望の形状にヒートセットされるワイヤフレームであり得、及び/またはそれを含むことができる。例えば、弁輪下部材は、遠位固定要素が弁輪下部材の遠位端部分から延在し、近位固定要素が弁輪下部材の近位端部分から延在するように、閉ループに形成(ヒートセット)することができる。上述のように、場合によっては、遠位固定要素は、展開中に自己組織との係合を容易にすることができる1つ以上の機構、突起、アイレットなどを含むことができ、及び/または形成することができる。上記で詳細に説明したように、場合によっては、近位固定要素は2つ以上の構成間で移動可能及び/または移行可能であるように形成される。場合によっては、弁輪下部材を形成することは、任意選択で、弁輪下部材の1つ以上の部分に沿って1つ以上のねじれを形成することを含み得、これは、近位固定要素に関連する移動の方向及び/範囲を制御及び/または決定することができる。
【0275】
第1の側壁及び第2の側壁のそれぞれは、23で、単一のワークピースから形成される。いくつかの実施形態では、第1の側壁及び第2の側壁は、外側フレームの経弁輪部材の第1の半切れ及び第2の半切れであり得る。上述のように、側壁は、単一のワークピース(例えば、ニチノールシートまたはチューブ)からレーザー切断され、次いで所望の形状(例えば、弧状、半円筒形、湾曲した双曲線または放物線形状(または断面形状)など)にヒートセットされるワイヤフレームであり得、及び/またはそれ含み得る。側壁は、弁を通る血流方向に平行な方向に(例えば、中心軸に平行に)配向されたワイヤセルの任意の数の列を含むことができる。いくつかの実施形態では、そのような配向は、フレームが送達構成に配置されたときに側壁を圧縮することを可能にすることができる。
【0276】
24で、第1の側壁及び第2の側壁は、弁フレームの経弁輪部材を形成するように結合される。上述のように、側壁の結合は、第1の側壁と第2の側壁との間に1つ以上のヒンジ点を形成することができる。いくつかの実施形態では、側壁を遠位及び近位のワイヤセルに沿って縫合することができ、及び/またはそれ以外の場合は、それらを結合することができる。いくつかの実施形態では、側壁の形状は、2つのヒンジ点が経弁輪部材の遠位側に形成され、1つのヒンジ点が経弁輪部材の近位側に形成されるようなものである。また、弁100に関して上記で説明したように、経弁輪部材の形状及び/または構成は、弁の縦軸がヒンジ点を通過するようなものであり、それにより、経弁輪部材は、横軸(縦軸に直交する)の方向に、及び/またはそれ以外の場合は、それに沿って折り畳まれ得る。
【0277】
弁輪上部材は、25で、経弁輪部材の弁輪上部分に結合されている。いくつかの実施形態では、経弁輪部材は、砂時計のような形状をしており、弁輪上部分は外側に広がっている(例えば、弁輪上部材の外側ループに向けて、またはそれに向かって)。いくつかの実施形態では、弁輪上部材を経弁輪部材に結合することは、ワイヤセルの上部または弁輪上の列を弁輪上部材の外側ループに縫合することを含む。
【0278】
弁輪下部材は、26で、経弁輪部材の弁輪下部分に結合されている。いくつかの実施形態では、経弁輪部材は、砂時計のような形状をしており、弁輪下部分は外側に広がっている(例えば、弁輪下部材に向けて、またはそれに向かって)。いくつかの実施形態では、弁輪下部材を経弁輪部材に結合することは、ワイヤセルの下部または弁輪下の列を弁輪下部材に縫合することを含む。
【0279】
いくつかの実施形態において、方法20はまた、ワイヤフレームの弁輪下、弁輪上、及び経弁輪部材を、生体適合性布地、心膜などでラッピング、及び/または被覆することを含み得る。場合によっては、弁輪下、弁輪上、及び/または経弁輪部材は25及び26での結合ステップの前または後に、ラップされ得る、及び/またはカバーされ得る。
【0280】
当業者には明らかであるように、多くの変更及び変形を、その趣旨及び範囲から逸脱することなく行うことができる。本明細書で列挙したものに加えて、本開示の範囲内で機能的に等価な方法及び装置が、前述の説明から当業者には明らかである。このような修正及び変形は、本開示の範囲内にあることが意図されている。本開示は、特定の方法、試薬、化合物、組成物、または生物学的システムに限定されるものではなく、当然ながら変わり得ることを理解されたい。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を記載することを目的とし、限定することを意図するものではないことも理解されるべきである。
【0281】
様々な実施形態が上で説明されているが、それらは例としてのみ、限定されずに提示されていることが理解されるべきである。形態及び/または詳細の様々な変更は、本開示の範囲から逸脱することなく、及び/または特に明記しない限り、その機能及び/または利点を変更することなく行うことができる。上述の概略図及び/または実施形態が、ある特定の向きまたは位置に配置されたある特定の構成要素を示す場合、構成要素の配置は変更され得る。
【0282】
様々な実施形態が特定の特徴及び/または構成要素の組み合わせを有するものとして記載されてきたが、相互に排他的な組み合わせを除いて、本明細書に記載の実施形態のいずれかからの任意の特徴及び/または構成要素の組み合わせを有する他の実施形態が可能である。本明細書に記載される実施形態は、記載される異なる実施形態の機能、構成要素、及び/または特徴の様々な組み合わせ及び/またはサブ組み合わせを含むことができる。
【0283】
上述の方法がある特定の順序で発生するある特定のイベントを示す場合、ある特定のイベントの順序は変更され得る。追加的に、ある特定のイベントは、可能であれば並列処理で同時に実行されてもよく、ならびに上述のように逐次的に実行されてもよい。