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特許7620020ガス抜きの際にバッテリセルへの電気的接続を分離するための装置
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  • 特許-ガス抜きの際にバッテリセルへの電気的接続を分離するための装置 図1
  • 特許-ガス抜きの際にバッテリセルへの電気的接続を分離するための装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-14
(45)【発行日】2025-01-22
(54)【発明の名称】ガス抜きの際にバッテリセルへの電気的接続を分離するための装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/581 20210101AFI20250115BHJP
   H01M 50/588 20210101ALI20250115BHJP
   H01M 50/593 20210101ALI20250115BHJP
   H01M 50/342 20210101ALI20250115BHJP
   H01M 50/503 20210101ALI20250115BHJP
   H01M 50/505 20210101ALI20250115BHJP
   H01H 37/76 20060101ALI20250115BHJP
【FI】
H01M50/581
H01M50/588
H01M50/593
H01M50/342 101
H01M50/503
H01M50/505
H01H37/76 F
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022535682
(86)(22)【出願日】2020-12-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-13
(86)【国際出願番号】 AT2020060442
(87)【国際公開番号】W WO2021113891
(87)【国際公開日】2021-06-17
【審査請求日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】A51091/2019
(32)【優先日】2019-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】523044389
【氏名又は名称】ジョン・ディア・エレクトリク・パワートレイン・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】ヴェグレーナー-ピルガーシュロルファー・イグナツ
(72)【発明者】
【氏名】クライゼル・フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】カストラー・ヘルムート
(72)【発明者】
【氏名】ハイダー・ルーカス
(72)【発明者】
【氏名】リーグラー・マヌエル
(72)【発明者】
【氏名】ライトナー・クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ドーブシュ・ペーター
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルトシュッツ・ゲルハルト
【審査官】川口 陽己
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-535529(JP,A)
【文献】特開2014-022273(JP,A)
【文献】国際公開第2012/164884(WO,A1)
【文献】特開2018-037364(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/50-50/598
H01M 50/20-50/298
H01M 50/30-50/392
H01M 37/76;69/02;85/00-87/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス抜きの際にバッテリセル(1)への電気的接続を分離するための装置であって、
ガス抜き弁側のセル極(3)が、接点(4)でヒューズを形成する接続導体(2)を介して電気的接触点(5)と接続されている当該装置において、
接点(4)と接触点(5)との間には、ガス抜きする場合に接点(4)を接触点(5)から電気的に絶縁し、セル極(3)をセルの長手方向に保持するスペーサ(6)が設けられていることを特徴とする装置。
【請求項2】
スペーサ(6)は、接続導体(2)とともに、電気接触点(5)とガス抜き弁側のセル極(3)との間に延在するガス抜きチャネル(15)を挿通する、ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
接続導体(2)はスペーサ(6)を中心として螺旋状に延びる、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
接続導体(2)は二重螺旋として形成されている、ことを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
スペーサ(6)は、接触点(5)から接続導体(2)が広がった間隙(16)に組込まれている、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか項に記載の装置。
【請求項6】
スペーサ(6)は、通常運転時にガス抜き弁側のセル極(3)から離間している、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか項に記載の装置。
【請求項7】
スペーサ(6)は、難燃性ベース(17)、及びこの難燃性ベース(17)からガス抜き弁側のセル極(3)への方向に突出する保持延長部(18)を有する、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
保持延長部(18)は、絶縁チャンバ(20)を備える、ことを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
接触点(5)は、結束方向(F)に対して隣接するバッテリセル(9)用のセル収容部(8)を形成し、セル収容部(8)は接続導体(2)と、基体(10)に組込まれ、且つ結束方向(F)に対してストップ区切りされる、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
基体(10)は、隣接するバッテリセル(1)の溝(13)において、円周側に係合するためのラッチアーム(12)を形成する、ことを特徴とする請求項9に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス抜きの際にバッテリセルに対して電気的接続を分離するための装置に関するものであり、ガス抜き弁側のセル極は、接点で、安全ヒューズを形成する接続導体を介して電気的接触点と接続されている当該装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、個別に損傷したセルに起因するバッテリセルの故障は、高温ガスの制御不能な流出が定期的に伴い、他方で、「熱暴走」として知られている自己強化した熱の生成連鎖反応をもたらすことができる。このような場合には、該当するバッテリセルを、一方でセル結合体から電気的に外すために、他方で流出した高温ガスから周囲のバッテリセルを保護するために、バッテリセル端部用の、貫通開口部に関して対向して位置する二つの収容体を有する接触装置がすでに企図されていて、その際、貫通開口部を挿通した接続導体が設けられていて、この接続導体を介して、バッテリセルのガス抜き弁側のセル極が電気的接触点と接続されている。この場合、接続導体のケーブル断面は、故障の場合に発生する過電流によって、若しくは流出した高温ガスによって溶け、したがって電気的接続が分離されるように選択される。その上、隣接したバッテリセルを熱的な損傷から保護するために、保護されるべきバッテリセル用のセラミック製の難燃性板が収容体に組込まれ得る。その結果、その収容体に組込まれているバッテリセルは、高温ガスから熱的に隔離されているか、若しくは最悪の場合には、発生し得る火災に対しても保護されている。しかしながら、このような難燃性板は、それら難燃性板の寸法に基づいて、難燃性板が高温ガスの圧力の影響に耐えられず、この難燃性板の機能を達成することができないことが欠点である。
【0003】
更に、これに関連して、セル欠陥と、該当するバッテリセル内のセル欠陥に結びついている圧力上昇の場合には、通常、高温ガスが抜けるだけでなく、バッテリセルの電極巻き線は、ガス抜き弁側のポールキャップが圧力制限で外れ、そして接触装置の貫通開口部を貫通してバッテリセルから排出し得ることも、示されている。これは、後に、露出した電極巻き線と、ヒューズに基づいて既に電気的に分離されている隣接セルとの間の短絡の危険性がある。その結果、短絡によって生じる熱の発生は、隣接するバッテリセルに対する「熱暴走」の伝播につながる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の課題は、少ない部品要求及びコンパクトな構造で、ガス抜きするバッテリセルの隣接するセルの信頼性のある電気的及び熱的負荷保護部を可能にし、熱暴走の広がりを防止する、冒頭で説明した種類の装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、接点と接触点との間には、接点を接触点から電気的に絶縁し、ガス抜きの場合にセル極を保持するスペーサが設けられている、ことにより解決する。これらの特徴の結果、ガス抜きの場合、一方では、欠陥のあるバッテリセルの接触点への電気的接続は、接続導体が溶けることによって分離することができ、他方では、スペーサが、ガス抜き弁側のポールキャップをバッテリセルから外すことを防ぐことができる。その結果、電極巻き線は、このバッテリセルから外れることはできないが、欠陥のあるバッテリセルに保持される。この場合、スペーサは、特に、セルの長手方向において、欠陥のあるバッテリセルのガス抜き弁側のポールキャップに対する係止部を形成し、その際、ガス抜き弁側のポールキャップが実際にスペーサで係止した場合には、スペーサの電気的な絶縁効果に基づいて、接触点に対する電気的な接続が回避される。本発明による装置は、熱応力保護に関して、基本的には周知の難燃性板が装備され得るが、スペーサ自体が熱保護および火炎保護を形成する場合、特に好ましい構造的な条件が生じる。
【0006】
高温ガスの導出を促進するために、この場合、電気的接続の分離を保障するために、スペーサは、接続導体とともに、電気的接触点とガス抜き弁側のセル極との間に延びるガス抜きチャネルを挿通し得る。このようにして、接続導体は、流出する高温ガスに曝され、発生する電流強度に左右されず、接続導体を溶かすことが可能となる。コンパクトな構造並びに高温ガスの確実な排出に関して好ましい条件は、例えば、ガス抜きチャネルが2~10mmの高さ、好ましくは3~6mmの高さを有する場合に生じる。
【0007】
接続導体がガス抜き弁側のセル極及び電気的接触点に材料係合式に接続されている場合、且つ接続導体が接触点からセル極へ復元力に対抗して延びる場合には、接続導体が溶けるときに、外れた部分の空間的分離を保障することができ、従って、連続した電気的な接続を回避することができる。例えば、接続導体は、ガス抜き側のセル極及び接触点と、溶接又はハンダ付けすることができる。接触点に関して、材料係合式の接続は、例えば、接続導体および接触点が一体的に形成されている、すなわち、材料上で互いに接続されていることを意味する。
【0008】
バッテリセルは、通常動作において、特にバッテリモジュールに関連して、周期的に、電気的負荷、したがって機械的負荷を何度も受けるので、この場合は接合導体に、特に結束方向に作用する引張荷重サイクル/圧縮荷重サイクルは、長期にわたって、接合導体の疲労亀裂につながる可能性がある。この背景から、スペーサの保護機能が低下することなく、接続導体への機械的負荷を軽減するために、接続導体はスペーサを中心として螺旋状に延びることが企図される。この対策によれば、螺旋形状の構成が接続導体のある一定の伸張又は圧縮を、結束方向に且つ結束方向に反して許容するので、機械的公差補償は、結束方向へ且つ結束方向に反して生じ得る。
【0009】
簡単な組立とコンパクトな構造を可能にするために、スペーサは、接触点から接続導体が広がった間隙に組込まれ得る。螺旋状の接続導体の場合には、スペーサは、接続導体の螺旋形状によって形成されている螺旋体の主軸に沿って延び、したがって螺旋体の包絡線を挿通する。
【0010】
この関係において、流出した高温ガスの量にかかわらずヒューズが確実に外されるように、接続導体は二重螺旋として形成されていることが推奨される。これらの対策に基づいて、この接続導体の質量に対する接続導体の自由表面の比率が増加することによって、高温ガスが流出することによって溶けることがさらに促進される。二重螺旋体の2つの導体軌道が、ガス抜き弁側のバッテリセルのセル極に対する共通の接続点で互いに対向して合流している場合は、接点のこれに起因する自己センタリングにより、ガス抜きする側のバッテリセルのセル極と接点を材料係合式で接続するため且つ電気的接続のための溶接プロセスを、容易にすることができる。
【0011】
本発明による装置の信頼できるスペーサ機能にもかかわらず、装置またはバッテリセル自体を損傷する可能性がある動作パラメータの変更によって生じるセルの呼吸作用の結果として内部応力を誘導しないために、スペーサは、通常運転時にガス抜き弁側のセル極から離間していることが推奨される。この場合、スペーサとガス抜き弁側のセル極の間の最短間隔を考慮しなければならない。その結果、最小間隔は、通常、ガス抜き弁側のセル極に向いていて、並びにこのセル極が、最も近いスペーサの端面から測定される。その最小間隔は、一方では、高温ガスを十分に流出することを可能にするために、他方では、セル極のずれ、したがって、ガス抜き時に短絡を防止するために、例えば、0.1~5mmの範囲、好ましくは0.5~2mmの範囲にあり得る。
【0012】
スペーサに関して、そのコンパクトな構造にもかかわらず、接触点に直接隣接する領域(この領域には、例えば、隣接するバッテリセルがある)も、電気的及び熱的ストレスから保護するために、しかも組立プロセスを簡素化するために、スペーサは、難燃性ベース及びこの難燃性ベースからガス抜き弁側のセル極への方向に突出する保持延長部を有する、ことが企図される。その結果、スペーサは、難燃性ベースを使用して高温ガスが拡散することを防ぐと同時に、保持延長部を介して、この高温ガスが導出されるための十分な空き空間がガス抜き弁と難燃性ベースとの間に存在することを保証する。従って、突出したセル極キャップ又は外へ出る電極巻き線が高温ガスの排出を阻止することを防ぐこともできる。例えば、スペーサは、ディスク形状の難燃性ベースと円筒形状の保持延長部とを有する遮蔽体であり得る。これらの特徴の結果として、スペーサは、従って、一体化した部品として形成され得る。この部品は、好ましくは、その保持延長部の長手方向軸線に関して回転対称となるように形成され得る。簡単な製造条件を可能にするために、スペーサを射出成形部品として製造され得る。十分な熱保護効果を得るために、耐熱性且つ難燃性の合成樹脂材料を使用することができる。更に、円筒形状の保持延長部から円板形状の難燃性ベースに延びるガイド面は、スペーサの傘状又はキノコ状の構成によって形成され得る。このガイド面は、高温ガスの放出チャネルへの導出を更に促進する。保持延長部が接続導体に取り囲まれている場合、このようなガイド面は、接続導体に目標とする電流を流すことも可能であり、その結果、この接続導体は確実に溶ける。
【0013】
これに関連して、簡単な製造条件を維持しながら、熱保護としてのスペーサの効果を改善することができるように、保持延長部は絶縁チャンバを備える、ことが推奨される。例えば、保持延長部は、熱絶縁体として作用し、且つガス抜き時にスペーサに対して影響を及ぼす熱の広がりが減少するキャビティを形成し得る。好ましくは、このキャビティが、難燃性ベースに向かって開口され得る。
【0014】
隣接するバッテリセルとの接続を簡単にするために、且つ本発明による装置を、バッテリセルに対して遊びを持たせて空間的に固定するために、接点が結束方向に対して接続されているバッテリセルの為のセル収容部を形成することが企図され、その際、セル収容部は、接続導体と共に基体に組込まれていて、且つ結束方向に対してストップ区切りされている。例えば、セル収容部は、接触ばねベースによって区切ることができ、この接点ばねベースからは、収容されているバッテリセルを被覆側で取り囲むための接触舌片が、結束方向に対して突出する。しかしながら、上述したように、スペーサの難燃性ベースは、接触バネベースとセル収容部との間に設けられ得る。特に好ましい実施形態によれば、接触バネは、接続導体およびストップ鉤部とともに一体的に形成され得る。この場合、接触ばねは、例えば、接触板から予め打ち抜かれていた深絞り部品として形成され得る。例えば、ストップ鉤部は、基体の任意のアンダーカット部の後方又は下方に係合するように形成され得る。
【0015】
これに関連して、接続点の損傷を防ぐために、基体は、隣接するバッテリセルの溝において、円周側に係合するためのラッチアームを形成することが推奨される。これによって、接続導体を介して接触点と接続されているバッテリセルの運動の自由度が結束方向に制限されるが、それによって、接続導体又は接続点の、機械的損傷又はさらには破損が防止される。さらに、これらの手段は、ガス抜き弁側のセル極を接続導体に対して中心に配置することを可能にし、それによって溶接プロセスを容易にするので、組立プロセスはさらに改善される。
【0016】
本発明の対象が、図面に例示されている。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明による装置の分解図である。
図2】通常運転時の取付位置における本発明による装置の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
ガス抜きする場合に、バッテリセル1への電気的接続を分離するための本発明による装置は、ヒューズを形成する接続導体2を有し、この接続導体は、接続点4でバッテリセル1のガス抜き弁側のセル極3を、接触バネベースの形態での電気接触点5と接続する。接点4と接触点5との間には、ガス抜きする場合に接点4を接触点5から電気的に絶縁し、セル極3を保持するスペーサ6が設けられている。従って、本発明に係る装置は、ガス抜きの場合に、一方では、欠陥のあるバッテリセル1の接触点5への電気的接続が、接続導体2の溶融によって分離されることを可能にし、他方では、スペーサ6がガス抜き弁側のポールキャップ7がバッテリセル1から外れることを防止する。その結果、電極巻き線がこのバッテリセルから外れることはできないが、欠陥のあるバッテリセル1内に保持される。
【0019】
図1及び図2に図示されている本発明による装置の実施形態から分かるように、接触点5は、結束方向Fに対して隣接するバッテリセル9用のセル収容部8を形成し、セル収容部8は接続導体2と、基体10に組込まれ、且つストップ鉤部11を介して結束方向Fに対してストップ区切りされる。加えて、基体10は、隣接するバッテリセル1の溝13において、円周側に係合するためのラッチアーム12を形成することができる。図1に描画されているように、接触ばねベースとして形成されている接触点5からは、収容されているバッテリセル9を被覆側で取り囲むための接触舌片14が、結束方向Fに対して突出し得る。
【0020】
特に、図2からは、スペーサ6が、接続導体2とともに、電気的接触点5とガス抜き弁側のセル極3との間に延在する、高温ガスを排出する為のガス抜きチャネル15を挿通し得ることを見て取ることができる。本発明による装置の図示されている実施形態では、二重螺旋としての接続導体2は、スペーサ6を中心として延び、接続導体2の導体軌道は接点4で一緒に合流している。この場合、スペーサ6は、接触点5から接続導体2が広がった間隙16に組込まれ得る。好ましくは、接点4は、例えば溶接プロセスを使用して、セル極3と材料係合式に接続することができる。
【0021】
スペーサ6は、好ましくはバッテリセルの直径を有する円板形状の難燃性ベース17、及びこの難燃性ベース17からガス抜き弁側のセル極3への方向に突出する保持延長部18を有し得る。この場合、スペーサ6は、セル収容部8内に容易にはめ込むことができ、例えば接触点5の支承端部によって結束方向Fでストップ区切りすることができる。加えて、ガス抜きチャネル15への高温ガスの排出をさらに促進するために、スペーサ6は、保持延長部18から難燃性ベース17に延びるガイド面19を形成し得る。保持延長部18は、改良された熱保護のために絶縁チャンバ20を備えることができる。例えば、スペーサ6は、難燃性ベース17に向かって開口されているキャビティが形成され得る。特に図2から分かるように、難燃性ベース17は、スペーサ6の接触点5とセル収容部8との間に設けられ得る。図2からも明らかなように、一方では、高温ガスを十分に流出することを可能にし、他方では、セル極のずれ、したがって、ガス抜き時の短絡を防止するために、スペーサ6がセル極3から離間され得る。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の観点として以下も含む。
1.
ガス抜きの際にバッテリセル(1)への電気的接続を分離するための装置であって、
ガス抜き弁側のセル極(3)が、接点(4)でヒューズを形成する接続導体(2)を介して電気的接触点(5)と接続されている当該装置において、
接点(4)と接触点(5)との間には、ガス抜きする場合に接点(4)を接触点(5)から電気的に絶縁し、セル極(3)を保持するスペーサ(6)が設けられていることを特徴とする装置。
2.
スペーサ(6)は、接続導体(2)とともに、電気接触点(5)とガス抜き弁側のセル極(3)との間に延在するガス抜きチャネル(15)を挿通する、ことを特徴とする上記1に記載の装置。
3.
接続導体(2)はスペーサ(6)を中心として螺旋状に延びる、ことを特徴とする上記1又は2に記載の装置。
4.
接続導体(2)は二重螺旋として形成されている、ことを特徴とする上記3に記載の装置。
5.
スペーサ(6)は、接触点(5)から接続導体(2)が広がった間隙(16)に組込まれている、ことを特徴とする上記1~4のいずれか一つに記載の装置。
6.
スペーサ(6)は、通常運転時にガス抜き弁側のセル極(3)から離間している、ことを特徴とする上記1~5のいずれか一つに記載の装置。
7.
スペーサ(6)は、難燃性ベース(17)、及びこの難燃性ベース(17)からガス抜き弁側のセル極(3)への方向に突出する保持延長部(18)を有する、ことを特徴とする上記1~6のいずれか一つに記載の装置。
8.
保持延長部(18)は、絶縁チャンバ(20)を備える、ことを特徴とする上記7に記載の装置。
9.
接触点(5)は、結束方向(F)に対して隣接するバッテリセル(9)用のセル収容部(8)を形成し、セル収容部(8)は接続導体(2)と、基体(10)に組込まれ、且つ結束方向(F)に対してストップ区切りされる、ことを特徴とする上記1~8のいずれか一つに記載の装置。
10.
基体(10)は、隣接するバッテリセル(1)の溝(13)において、円周側に係合するためのラッチアーム(12)を形成する、ことを特徴とする上記9に記載の装置。
図1
図2