(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-14
(45)【発行日】2025-01-22
(54)【発明の名称】複合式テープ装着用回転軸
(51)【国際特許分類】
B65H 75/22 20060101AFI20250115BHJP
【FI】
B65H75/22
(21)【出願番号】P 2023172403
(22)【出願日】2023-10-04
【審査請求日】2023-10-04
(32)【優先日】2023-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】515066162
【氏名又は名称】黄▲イク▼鈞
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】黄▲イク▼鈞
【審査官】鷲巣 直哉
(56)【参考文献】
【文献】実開昭54-008504(JP,U)
【文献】実開平06-061876(JP,U)
【文献】特開2016-190680(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0211743(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 75/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転部材およびスリーブを備え、
前記回転部材はシャフトと、前記シャフトを貫通する軸孔と、前記シャフトを円の中心にして前記シャフトの外側に放射状に突出して配置された複数の爪部とを有し、
前記スリーブは外周環状部および複数の係止孔を有し、複数の前記係止孔は前記回転部材の複数の前記爪部の形および位置に対応して配置され、かつ相互に繋がって格納空間を形成し、
前記回転部材は前記格納空間に格納されてそれぞれの前記爪部が前記係止孔に対応して嵌まり込
み、
それぞれの前記爪部は幅が前記シャフトの軸方向の幅より小さく、前記爪部と前記シャフトの両端との間に二つの環状壁部を別々に有することを特徴とする、
複合式テープ装着用回転軸。
【請求項2】
複数の前記爪部はそれぞれ二つの側壁を有し、二つの前記側壁は一端が前記シャフトに別々に連結され、別の一端が相互に連なって連結部位になることを特徴とする、請求項1に記載の複合式テープ装着用回転軸。
【請求項3】
二つの前記側壁は連結位置に凸状係止部を有し、前記凸状係止部は前記シャフト
の径方向外側の方向に突出して配置されることを特徴とする、請求項2に記載の複合式テープ装着用回転軸。
【請求項4】
前記スリーブの前記係止孔は前記爪部の円弧形の連結部位に対応するように配置され、側辺に凹状部を有し、
前記爪部の前記凸状係止部は前記凹状部に嵌まり込むことを特徴とする、請求項3に記載の複合式テープ装着用回転軸。
【請求項5】
前記連結部位は円弧形であることを特徴とする、請求項
4に記載の複合式テープ装着用回転軸。
【請求項6】
前記外周環状部は表面に複数の凸状部を有し、複数の前記凸状部は前記外周環状部の中心から離れる径方向に配置されることを特徴とする、請求項
1乃至5のうち何れか1項に記載の複合式テープ装着用回転軸。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テープカッターに関し、詳しくは、複合式テープ装着用回転軸に関するものである。
【背景技術】
【0002】
テープを使用する際には、テープを回転軸に装着し、続いてそれらをまとめて卓上型テープカッター、ハンドテープカッター、バッグシーラーなどの様々なテープカッターに装着する。市販の様々なテープはサイズが違うため軸孔の内径も異なり、それゆえに使用に不便である。詳しく言えば、異なるサイズのセロハンテープに対応するためにはテープ装着用回転軸のサイズが異なるテープカッターを購入する必要がある。つまり、異なるサイズのセロハンテープを使用するためには、それに対応して異なるサイズのテープカッターが必要であり、これは消費者やテープカッター生産業者にとって悩ましいことである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は構造および組み合わせが簡単で二つのサイズ、特に3インチおよび3.5インチのセロハンテープを共用させることができる複合式テープ装着用回転軸を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述した課題を解決するため、複合式テープ装着用回転軸は回転部材およびスリーブを備える。回転部材はシャフトと、シャフトを貫通する軸孔と、シャフトを円の中心にしてシャフトの外側に放射状に突出して配置された複数の爪部とを有する。スリーブは外周環状部および複数の係止孔を有する。複数の係止孔は回転部材の複数の爪部の形および位置に対応して配置される。複数の係止孔は相互に繋がって格納空間を形成する。回転部材は格納空間に格納されてそれぞれの爪部が係止孔に対応して嵌まり込む。
【0005】
複合式テープ装着用回転軸を使用する際には、回転部材に一つのセロハンテープを装着して使用することも、回転部材とスリーブを結合させた後、それらに別のサイズのセロハンテープを装着して使用することもできる。
【0006】
比較的好ましい場合、複数の爪部はそれぞれ二つの側壁を有する。二つの側壁はそれぞれ一端がシャフトに連結され、別の一端が相互に連なって連結部位になる。
【0007】
比較的好ましい場合、二つの側壁は連結位置に凸状係止部を有する。凸状係止部はシャフトの径方向外側の方向に突出して配置される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態による複合式テープ装着用回転軸を示す斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態による複合式テープ装着用回転軸を示す分解斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態による複合式テープ装着用回転軸の一部分を示す拡大図である。
【
図4】本発明の一実施形態による複合式テープ装着用回転軸を上から見た平面図である。
【
図5】本発明の一実施形態による複合式テープ装着用回転軸の回転部材にセロハンテープを装着して使用する状態を示す平面図である。
【
図6】本発明の一実施形態による複合式テープ装着用回転軸のスリーブにセロハンテープを装着して使用する状態を示す平面図である。
【
図7】本発明の一実施形態による複合式テープ装着用回転軸がバッグシーラーに装着された状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明による複合式テープ装着用回転軸を図面に基づいて説明する。なお、明細書および図面において、方向性用語は図面中の方向に基づいて表現される。同じ符号は同じ部品または類似した部品の構造特徴を示す。
【0010】
(一実施形態)
図1から
図4に示すように、本発明の一実施形態による複合式テープ装着用回転軸は回転部材10およびスリーブ20を備える。
【0011】
回転部材10はシャフト11と、シャフト11を貫通する軸孔12と、シャフト11を円の中心にしてシャフト11の外側に放射状に突起して配置された複数の爪部13とを有する。本実施形態は三つの爪部13を有する例として説明を進める。つまり、爪部13は三つに限定されず、四つ、五つまたは六つであってもよい。それぞれの爪部13は二つの側壁131を有する。二つの側壁131はそれぞれ一端がシャフト11に連結され、別の一端が相互に連なって円弧形の連結部位132になる。二つの側壁131は連結位置に凸状係止部133を有する。凸状係止部133はシャフト11
の径方向外側の方向に突出して配置される。それぞれの爪部13は幅がシャフト11の軸方向の幅より小さいため、
図4に示すように、爪部13とシャフト11の両端との間に二つの環状壁部14を別々に有する。
【0012】
スリーブ20は外周環状部21、複数の凸状部22および複数の係止孔23を有する。複数の凸状部22は外周環状部21の表面に形成され、外周環状部21の中心から離れる径方向に配置される。複数の係止孔23は回転部材10の複数の爪部13の形および位置に対応する。複数の係止孔23は相互に繋がって格納空間24を形成する。回転部材10は格納空間24に格納されてそれぞれの爪部13が係止孔23に対応して嵌まり込む。本実施形態において、スリーブ20の係止孔23は爪部13の円弧形の連結部位132に対応するように配置され、側辺に凹状部25を有する。爪部13の凸状係止部133は凹状部25に嵌まり込む。
【0013】
上述した構造特徴により、本発明による複合式テープ装着用回転軸は、テープの対応サイズおよび使い道が異なる卓上型テープカッター、ハンドテープカッター、バッグシーラーなどのテープカッターに適用することができる。本発明による複合式テープ装着用回転軸を使用する際には、回転部材10の軸孔12または回転部材10のシャフト11を介して本発明による複合式テープ装着用回転軸をテープカッターに装着すればよい。
図7に示すように、本発明による複合式テープ装着用回転軸はシャフト11と爪部13の間の環状壁部14によってバッグシーラーに装着される。
【0014】
回転部材10は最外径が3インチのセロハンテープの円筒部Tの内径に対応する。3インチのセロハンテープを使用する際には、回転部材10だけを使用すればよい。セロハンテープの円筒部Tに回転部材10が嵌まり込む際、複数の凸状係止部133は
図5に示すようにセロハンテープの円筒部Tの内壁に当接する。
【0015】
3.5インチのセロハンテープを使用する際には、回転部材10にスリーブ20を被せて複数の凸状係止部133をスリーブ20の係止孔23に対応させて嵌め込んで回転部材10とスリーブ20とを結合させる。続いて、
図6に示すように、スリーブ20の外周環状部21にセロハンテープの円筒部Tを被せて外周環状部21の凸状部22をセロハンテープの円筒部Tの内壁に当接させれば回転部材10のシャフト11を回転軸としてテープカッターに装着して使用することができる。上述した構造特徴により、二つの異なるサイズのセロハンテープに同じテープカッターを共用させることができる。
【0016】
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
【符号の説明】
【0017】
10:回転部材
11:シャフト
12:軸孔
13:爪部
131:側壁
132:連結部位
133:凸状係止部
14:環状壁部
20:スリーブ
21:外周環状部
22:凸状部
23:係止孔
24:格納空間
25:凹状部
【要約】
【課題】複合式テープ装着用回転軸を提供する。
【解決手段】複合式テープ装着用回転軸は回転部材およびスリーブを備える。回転部材はシャフトと、シャフトを円の中心にしてシャフトの外側に放射状に突出して配置された複数の爪部とを有する。スリーブは外周環状部および複数の係止孔を有する。複数の係止孔は回転部材の複数の爪部の形および位置に対応して配置され、かつ相互に繋がって格納空間を形成する。回転部材は格納空間に格納されてそれぞれの爪部が係止孔に対応して嵌まり込む。
【選択図】
図1