(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-15
(45)【発行日】2025-01-23
(54)【発明の名称】情報処理システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 40/56 20200101AFI20250116BHJP
【FI】
G06F40/56
(21)【出願番号】P 2024166440
(22)【出願日】2024-09-25
【審査請求日】2024-09-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】507304683
【氏名又は名称】CLINKS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141829
【氏名又は名称】山田 牧人
(74)【代理人】
【識別番号】100123663
【氏名又は名称】広川 浩司
(72)【発明者】
【氏名】高野 拓郎
【審査官】齊藤 貴孝
(56)【参考文献】
【文献】特許第7396762(JP,B1)
【文献】中国特許出願公開第118503354(CN,A)
【文献】国際公開第2024/163363(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第117908838(CN,A)
【文献】鈴木 就斗、外1名,創造的な文生成タスクに対するLLMプロンプトの自動生成,言語処理学会第30回年次大会 発表論文集 [online],日本,言語処理学会,2024年04月02日,p.3292-3297
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 40/00-40/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザー端末から利用可能な情報処理システムであって、
制御手段および記憶手段を備え、
前記制御手段は、
前記ユーザー端末との間で情報を送受信するユーザー端末通信部と、
生成AIシステムに送信するプロンプトを生成するプロンプト生成部と、
前記プロンプトを前記生成AIシステムに送信するプロンプト送信部と、
前記生成AIシステムからのAI出力情報を取得するAI出力情報取得部と、
を備え、
前記プロンプト生成部は、前記プロンプト送信部から送信した初期プロンプトに対する応答として取得した前記AI出力情報を前記ユーザー端末に送信した後に、前記ユーザー端末で入力されたAI出力改善情報を基に、前記初期プロンプトを改善した改善プロンプトをリクエストする改善要求プロンプトを生成し、
前記プロンプト送信部は前記改善要求プロンプトを前記生成AIシステムに送信し、
前記ユーザー端末通信部は、前記改善要求プロンプトに対する応答として取得した前記AI出力情報に含まれる前記改善プロンプトを前記ユーザー端末に送信する情報処理システム。
【請求項2】
前記ユーザー端末通信部は、前記ユーザー端末で入力されたAI生成要求情報を取得し、
前記プロンプト生成部は、前記AI生成要求情報がプロンプトである場合は当該プロンプトを前記初期プロンプトとし、前記AI生成要求情報がプロンプト以外の情報である場合は当該情報に基づいて生成したプロンプトを前記初期プロンプトとする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記プロンプト生成部は、前記改善要求プロンプトに前記改善プロンプトの前記初期プロンプトからの変更点を明示する指示文を含ませる請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
ユーザー端末から利用可能なプログラムであって、
コンピュータに、
前記ユーザー端末との間で情報を送受信するユーザー端末通信処理と、
生成AIシステムに送信するプロンプトを生成するプロンプト生成処理と、
前記プロンプトを前記生成AIシステムに送信するプロンプト送信処理と、
前記生成AIシステムからのAI出力情報を取得するAI出力情報取得処理と、
を実行させ、
前記プロンプト生成処理では、前記プロンプト送信処理で送信した初期プロンプトに対する応答として取得した前記AI出力情報を前記ユーザー端末に送信した後に、前記ユーザー端末で入力されたAI出力改善情報を基に、前記初期プロンプトを改善した改善プロンプトをリクエストする改善要求プロンプトを生成し、
前記プロンプト送信処理では、前記改善要求プロンプトを前記生成AIシステムに送信し、
前記ユーザー端末通信処理では、前記改善要求プロンプトに対する応答として取得した前記AI出力情報に含まれる前記改善プロンプトを前記ユーザー端末に送信するプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生成AIシステムに送信するプロンプトを生成・改善する情報処理システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、大規模言語モデル(LLM)を用いた生成AIシステムにより、ユーザーとの対話形式で文章を生成するサービスが提供されている。このような生成AIシステムで所望の出力を得るためには、ユーザーが適切なプロンプトを作成し、生成AIシステムに入力する必要がある。
【0003】
しかし、不慣れなユーザーが適切なプロンプトを作成するのは困難である。このため、生成AIシステムのためのプロンプトを生成するシステムも知られている。LLMを用いた生成AIシステムに対して入力するプロンプトを生成するシステムとしては、例えば特許文献1に挙げるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ユーザーあるいはシステムが作成または生成したプロンプトを生成AIシステムに送信することで、AI出力情報を取得することができる。プロンプトが適切に記述されていないと、AI出力情報がユーザーの希望通りとならないことがある。この場合、希望通りのAI出力情報を得るために、プロンプトを改善する必要があるが、経験の浅いユーザーは、プロンプトをどのように改善すればよいか判断するのが難しい。
【0006】
本発明は前記課題を鑑みてなされたものであり、生成AIシステムからのAI出力情報が希望通りでなかった場合にプロンプトを改善できる情報処理システムおよびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明に係る情報処理システムは、ユーザー端末から利用可能な情報処理システムであって、制御手段および記憶手段を備え、前記制御手段は、前記ユーザー端末との間で情報を送受信するユーザー端末通信部と、生成AIシステムに送信するプロンプトを生成するプロンプト生成部と、前記プロンプトを前記生成AIシステムに送信するプロンプト送信部と、前記生成AIシステムからのAI出力情報を取得するAI出力情報取得部と、を備え、前記プロンプト生成部は、前記プロンプト送信部から送信した初期プロンプトに対する応答として取得した前記AI出力情報を前記ユーザー端末に送信した後に、前記ユーザー端末で入力されたAI出力改善情報を基に、前記初期プロンプトを改善した改善プロンプトをリクエストする改善要求プロンプトを生成し、前記プロンプト送信部は前記改善要求プロンプトを前記生成AIシステムに送信し、前記ユーザー端末通信部は、前記改善要求プロンプトに対する応答として取得した前記AI出力情報に含まれる前記改善プロンプトを前記ユーザー端末に送信する。
【0008】
また、本発明に係る情報処理システムは、前記ユーザー端末通信部は、前記ユーザー端末で入力されたAI生成要求情報を取得し、前記プロンプト生成部は、前記AI生成要求情報がプロンプトである場合は当該プロンプトを前記初期プロンプトとし、前記AI生成要求情報がプロンプト以外の情報である場合は当該情報に基づいて生成したプロンプトを前記初期プロンプトとする。
【0009】
また、本発明に係る情報処理システムは、前記プロンプト生成部は、前記改善要求プロンプトに前記改善プロンプトの前記初期プロンプトからの変更点を明示する指示文を含ませる。
【0010】
前記課題を解決するため、本発明に係るプログラムは、ユーザー端末から利用可能なプログラムであって、コンピュータに、前記ユーザー端末との間で情報を送受信するユーザー端末通信処理と、生成AIシステムに送信するプロンプトを生成するプロンプト生成処理と、前記プロンプトを前記生成AIシステムに送信するプロンプト送信処理と、前記生成AIシステムからのAI出力情報を取得するAI出力情報取得処理と、を実行させ、前記プロンプト生成処理では、前記プロンプト送信処理で送信した初期プロンプトに対する応答として取得した前記AI出力情報を前記ユーザー端末に送信した後に、前記ユーザー端末で入力されたAI出力改善情報を基に、前記初期プロンプトを改善した改善プロンプトをリクエストする改善要求プロンプトを生成し、前記プロンプト送信処理では、前記改善要求プロンプトを前記生成AIシステムに送信し、前記ユーザー端末通信処理では、前記改善要求プロンプトに対する応答として取得した前記AI出力情報に含まれる前記改善プロンプトを前記ユーザー端末に送信する。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る情報処理システムおよびプログラムによれば、初期プロンプトによって生成されたAI生成情報がユーザーの期待通りでない場合に、ユーザーが入力したAI出力改善情報に基づき改善プロンプトを生成し、改善プロンプトによって生成AIシステムにAI生成情報を生成させることで、ユーザーがプロンプトを改善させながらAI生成情報を取得する支援をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システムの構成図を示している。
【
図3】情報処理システムにおけるフローチャートである。
【
図4】ユーザー端末の表示手段で表示される画面例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態について、図面に沿って詳細に説明する。本実施形態の情報処理システム10は、ユーザー端末12で入力された情報を基に初期プロンプトを生成し、初期プロンプトを生成AIシステム15に送信して取得したAI出力情報がユーザーの希望通りでない場合には、ユーザー端末12で入力された追加情報を基に改善プロンプトを生成するシステムであって、ユーザーのプロンプト作成を支援することのできるシステムである。LLM(大規模言語モデル)とは、大量のテキストデータとディープラーニング技術を用いて構築された言語モデルである。これにより、生成AIシステム15は、自然言語処理を行い、人間のような自然な対話や文章生成が可能である。生成AIシステム15は、ユーザーからのプロンプトを受信し、これに対応するAI出力情報を送信することができる。
【0014】
図1に示すように、情報処理システム10は、通信ネットワーク16を介して複数のユーザー端末12と接続可能である。これにより、情報処理システム10は、複数のユーザーがログインして利用可能である。それぞれのユーザー端末12は、モニターなどの表示手段13を有している。ユーザー端末12は、PCなどのコンピュータ、あるいはスマートフォンなどの携帯情報端末である。ただし、ユーザー端末12はこれらに限定されない。
【0015】
情報処理システム10は、通信ネットワーク16を介して生成AIシステム15と接続可能である。情報処理システム10は、生成AIシステム15にプロンプトを送信してAI出力情報を取得することができる。情報処理システム10は、複数の生成AIシステム15に接続できるものであってもよいし、情報処理システム10自身が生成AIシステム15を含んでいてもよい。
【0016】
図1では、情報処理システム10は単一の通信ネットワーク16で複数のユーザー端末12および生成AIシステム15に接続されているが、情報処理システム10は、それぞれ別の通信ネットワークを介してユーザー端末12と生成AIシステム15に接続されていてもよい。例えば、情報処理システム10は、社内LANを介してユーザー端末12と接続し、インターネットを介して生成AIシステム15と接続することができる。
【0017】
情報処理システム10は、サーバーなどのコンピュータで構成することができる。情報処理システム10は、少なくとも制御手段20と記憶手段21および通信手段22を備えている。制御手段20は、例えばCPUなどのプロセッサで構成することができる。記憶手段21は、例えばRAM、DRAM、HDD、SSD、あるいは外部クラウドや分散ストレージなどを用いて構成することができる。通信手段22は、例えばNICや無線LAN接続装置などを用いて構成することができる。
【0018】
図2に示すように、制御手段20は、ユーザー端末12との間で情報を送受信するユーザー端末通信部30と、生成AIシステム15に送信するプロンプトを生成するプロンプト生成部31と、生成AIシステム15にプロンプトを送信するプロンプト送信部33と、生成AIシステム15からのAI出力情報を取得するAI出力情報取得部34と、を有している。
【0019】
次に、情報処理システム10を用いてユーザー端末12から生成AIシステム15を使用するフローについて説明する。
図3に示すように、まず、ユーザー属性の設定がなされる(S1)。ユーザー属性は、ユーザー端末12においてユーザー登録時に情報が入力される。入力されるユーザー属性としては、例えば部署名、主な業務内容、直近のタスクなど、プロンプトの生成のために用いることのできる情報が挙げられる。ここで設定されるユーザー属性の内容は、情報処理システム10の用途などに応じて任意に設定することができる。入力されたユーザー属性の情報は、情報処理システム10のユーザー端末通信部30で取得され、記憶手段21に記憶される。
【0020】
次に、ユーザー端末12において、ユーザーが初期プロンプトを生成するために必要なAI生成要求情報を入力する(S2)。初期プロンプトを生成するためのAI生成要求情報は、必須の入力項目と任意の入力項目とからなっている。必須の入力項目は、生成AIシステムを用いる目的である。このため、ユーザー端末通信部30は、ユーザー端末12に目的を入力させるためのポップアップを表示する。ポップアップには、「あなたが生成AIを活用し、実現したいことを教えて下さい。」の文章と共に、ユーザーが入力するためのフォームが表示される。任意の入力項目は、目的をより具体的に補足するための情報である。ユーザー端末通信部30は、前述のポップアップに任意の入力項目のための領域を併せて表示する。ポップアップには、「対象商品や背景情報、制約条件などの補足情報」、「補足情報を入力することで、あなたの目的に合うプロンプトが生成されやすくなります。」の文章と共に、ユーザーが入力するためのフォームが表示される。ユーザーがフォームに少なくとも目的を記載し、または、目的と補足情報を記載して送信すると、ユーザー端末通信部30はAI生成要求情報を取得する。
【0021】
次に、プロンプト生成部31は、AI生成要求情報に基づいて初期プロンプトを生成するためのプロンプトを生成する(S3)。初期プロンプトを生成するためのプロンプトには、AI生成要求情報を提示した上で、与えられたユーザーの目的および制約条件や背景情報などの補足情報を詳細に分析し、必要な追加情報を特定すること、およびユーザーの立場から生成AIシステム15に向けた効果的なプロンプトを作成することを指示する指示文が含まれている。また、初期プロンプトを生成するためのプロンプトには、プロンプトの長さや言語、出力形式などの制約条件の記載も含まれる。初期プロンプトを生成するためのプロンプトには、これら以外の指示文が含まれていてもよい。例えば、初期プロンプトを生成するためのプロンプトには、有益な学習体験を提供する観点から、プロンプトを生成するように指示する指示文が含まれてもよい。このような指示文が含まれることにより、生成AIシステム15を使用するユーザーが、本実施形態の情報処理システム10を通じてプロンプトの生成を繰り返し行うことで、プロンプトの構成や必要要素などを受動的に学ぶことができる。
【0022】
次に、プロンプト送信部33は、プロンプト生成部31で生成したプロンプトを生成AIシステム15に送信する(S4)。AI出力情報取得部34は、生成AIシステム15からの初期プロンプトを含むAI出力情報を受信し、ユーザー端末通信部30は、初期プロンプトをユーザー端末12に表示させる(S5)。S5により、ユーザーは、生成された初期プロンプトを確認することができる。
【0023】
図4に示すように、ユーザー端末12の表示手段13には、プロンプト入力領域40と、プロンプト表示領域43とAI出力情報表示領域44とをチャット形式で表示するチャット表示領域42が表示される。初期プロンプトは、まず、ユーザーが目的を入力したポップアップに「プロンプトを使用」する旨のボタンとともに表示される。ここでユーザーが「プロンプトを使用」する旨のボタンを押下操作することで、初期プロンプトは、チャット表示領域42のプロンプト表示領域43に表示される。
【0024】
プロンプト送信部33は、初期プロンプトを生成AIシステム15に送信する(S6)。初期プロンプトに対応して生成AIシステム15でAI出力情報が生成され、生成されたAI出力情報は、AI出力情報取得部34により受信され、ユーザー端末通信部30は、AI出力情報をユーザー端末12に表示させる(S7)。AI出力情報は、チャット表示領域42のAI出力情報表示領域44に表示される。
【0025】
ユーザー端末12の表示手段13には、AI出力情報表示領域44の下部に「Good」ボタンと「Bad」ボタンとが表示される。ユーザーは、AI出力情報が期待通りである場合は「Good」ボタンを、AI出力情報が期待通りでない場合は「Bad」ボタンを、それぞれ押下操作する(S8)。ここでユーザーが「Good」ボタンを押下して期待通りと回答した場合、フローは終了する(S9)。S8において「Bad」ボタンを押下してユーザーが期待通りでないと回答した場合、S10以下でプロンプトを改善するフローを実施する。
【0026】
S10では、プロンプト改善のための情報であるAI出力改善情報がユーザー端末12で入力される。AI出力改善情報は、AI出力情報の問題点または課題である。
【0027】
次に、プロンプト生成部31は、ユーザー端末12で入力されたAI出力改善情報を基に、初期プロンプトを改善した改善プロンプトをリクエストする改善要求プロンプトを生成する(S11)。改善要求プロンプトでは、初期プロンプトと、S10で入力されたAI出力改善情報とが提示されるとともに、初期プロンプトをAI出力改善情報にしたがい、よりよいプロンプトに再構築し、改善プロンプトを提案する指示文を含んでいる。また、改善要求プロンプトには、出力形式などの制約条件の記載も含まれる。
【0028】
改善プロンプトが生成されたら、プロンプト送信部33は、改善要求プロンプトを生成AIシステム15に送信する(S12)。AI出力情報取得部34は、生成AIシステム15から改善プロンプトを受信し、ユーザー端末通信部30がユーザー端末12に改善プロンプトを表示させる(S13)。改善プロンプトは、プロンプト送信部33から生成AIシステム15に送信され(S14)、AI出力情報取得部34がAI生成情報を受信し、ユーザー端末通信部30がユーザー端末12にAI生成情報を表示させる(S15)。
【0029】
以後、情報処理システム10は、S8~S15のステップを繰り返す。S15でユーザー端末12にAI生成情報が表示されたら、ユーザー端末通信部30は、ユーザー端末12の表示手段13に、AI出力情報が期待通りであるか否かを尋ねる「Good」ボタンと「Bad」ボタンを表示させ、ユーザーが期待通りと回答したらフローは終了する。改善プロンプトによって生成されたAI生成情報がユーザーの期待通りでない場合は、改善プロンプトを初期プロンプトに置き換えて、再度、改善プロンプトが生成される。
【0030】
このように、情報処理システム10は、初期プロンプトによって生成されたAI生成情報がユーザーの期待通りでない場合に、ユーザーが入力したAI出力改善情報に基づき改善プロンプトを生成し、改善プロンプトによって生成AIシステム15にAI生成情報を生成させることで、ユーザーがプロンプトを改善させながらAI生成情報を取得する支援をすることができる。
【0031】
また、本実施形態の情報処理システム10に用いられるプログラムを単独で提供することもできる。この場合、プログラムは、ユーザー端末12との間で情報を送受信するユーザー端末通信処理と、生成AIシステム15に送信するプロンプトを生成するプロンプト生成処理と、プロンプトを生成AIシステム15に送信するプロンプト送信処理と、生成AIシステム15からのAI出力情報を取得するAI出力情報取得処理と、を実行させる。プロンプト生成処理では、プロンプト送信処理で送信した初期プロンプトに対する応答として取得したAI出力情報をユーザー端末12に送信した後に、ユーザー端末12で入力されたAI出力改善情報を基に、初期プロンプトを改善した改善プロンプトをリクエストする改善要求プロンプトを生成し、プロンプト送信処理では、改善要求プロンプトを生成AIシステム15に送信し、ユーザー端末通信処理では、改善要求プロンプトに対する応答として取得したAI出力情報に含まれる改善プロンプトをユーザー端末12に送信する。
【0032】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の適用は本実施形態には限られず、その技術的思想の範囲内において様々に適用され得る。上述の実施形態では、初期プロンプトはユーザーが入力したAI生成要求情報に基づいて生成されるが、ユーザーがユーザー端末12でプロンプトを入力してもよい。この場合、プロンプト生成部31は、ユーザー端末12で入力されたプロンプトをそのまま初期プロンプトとする。また、ユーザー端末12で入力された初期プロンプトを、
図3のS8以下のフローにおいて改善の対象とすることができる。
【符号の説明】
【0033】
10 情報処理システム
12 ユーザー端末
13 表示手段
15 生成AIシステム
16 通信ネットワーク
20 制御手段
21 記憶手段
22 通信手段
30 ユーザー端末通信部
31 プロンプト生成部
33 プロンプト送信部
34 AI出力情報取得部
40 プロンプト入力領域
42 チャット表示領域
43 プロンプト表示領域
44 AI出力情報表示領域
【要約】
【課題】生成AIシステムからのAI出力情報が希望通りでなかった場合にプロンプトを改善できる情報処理システムおよびプログラムを提供する。
【解決手段】制御手段20および記憶手段21を備え、制御手段20は、ユーザー端末通信部30と、プロンプト生成部31と、プロンプト送信部33と、AI出力情報取得部34と、を備え、プロンプト生成部31は、初期プロンプトに対する応答として取得したAI出力情報をユーザー端末12に送信した後に、ユーザー端末12で入力されたAI出力改善情報を基に、初期プロンプトを改善した改善プロンプトをリクエストする改善要求プロンプトを生成し、プロンプト送信部33は改善要求プロンプトを生成AIシステムに送信し、ユーザー端末通信部30は、改善要求プロンプトに対する応答として取得したAI出力情報に含まれる改善プロンプトをユーザー端末12に送信する情報処理システムである。
【選択図】
図1