(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-15
(45)【発行日】2025-01-23
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
H05B 45/48 20200101AFI20250116BHJP
H05B 45/325 20200101ALI20250116BHJP
H05B 47/16 20200101ALI20250116BHJP
H05B 45/10 20200101ALI20250116BHJP
B60Q 3/217 20170101ALI20250116BHJP
B60Q 3/80 20170101ALI20250116BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20250116BHJP
【FI】
H05B45/48
H05B45/325
H05B47/16
H05B45/10
B60Q3/217
B60Q3/80
F21V23/00 113
(21)【出願番号】P 2021011380
(22)【出願日】2021-01-27
【審査請求日】2024-01-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000220066
【氏名又は名称】テイ・エス テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【氏名又は名称】稲垣 達也
(72)【発明者】
【氏名】野村 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】播田實 真也
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-021968(JP,A)
【文献】特開2019-117752(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 45/48
H05B 45/325
H05B 47/16
H05B 45/10
B60Q 3/217
B60Q 3/80
F21V 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに直列に接続された複数のLEDと、
複数の前記LEDのそれぞれに対応して設けられ、前記LEDに並列に接続されるスイッチを有するFET回路と、
前記スイッチの切断時間に対応するデューティ比を制御することでPWM制御により前記LEDの明るさを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
デューティ比を100%未満にして、2つ以上の前記LEDを所定輝度で時間的にずらして発光を開始させる場合には、
第1LEDに対応した第1スイッチに対するデューティ比の目標値を第1目標値とし、
電流の流れ方向において前記第1LEDよりも下流に位置する第2LEDに対応した第2スイッチに対するデューティ比の目標値を、前記第1目標値よりも大きな第2目標値と
し、
前記PWM制御の1サイクルに対応したサイクル期間内に、1つのスイッチのみを切断させる処理を、2つ以上のスイッチに対して各スイッチの切断期間が重ならないように行うことで、2つ以上の前記LEDを順次発光させることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記制御部は、
所定のスイッチを複数回切断した後、前記所定のスイッチとは異なるスイッチを複数回切断させることを特徴とする請求項
1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記制御部は、
デューティ比を所定値以上にする場合には、複数の前記スイッチに対するデューティ比の目標値を同じ値にすることを特徴とする請求項1
または請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
複数の前記LEDは、所定方向に並んで配置されていることを特徴とする請求項1から請求項
3のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項5】
車両に取付可能なフレームを備えたことを特徴とする請求項1から請求項
4のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項6】
互いに直列に接続された複数のLEDと、
複数の前記LEDのそれぞれに対応して設けられ、前記LEDに並列に接続されるスイッチを有するFET回路と、
前記スイッチの切断時間に対応するデューティ比を制御することでPWM制御により前記LEDの明るさを制御する制御部と、を備えた照明装置の前記制御部による制御方法であって、
前記制御部は、
デューティ比を100%未満にして、2つ以上の前記LEDを所定輝度で時間的にずらして発光を開始させる場合には、
第1LEDに対応した第1スイッチに対するデューティ比の目標値を第1目標値とし、
電流の流れ方向において前記第1LEDよりも下流に位置する第2LEDに対応した第2スイッチに対するデューティ比の目標値を、前記第1目標値よりも大きな第2目標値とし、
前記PWM制御の1サイクルに対応したサイクル期間内に、1つのスイッチのみを切断させる処理を、2つ以上のスイッチに対して各スイッチの切断期間が重ならないように行うことで、2つ以上の前記LEDを順次発光させることを特徴とする制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直列接続された複数のLEDを備える照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、照明装置として、1列に並んだ複数のLEDを備える車両用照明装置が知られている(特許文献1参照)。この技術では、複数のLEDを順次個別に光らせることで、車両に近づいてくる接近物の移動方向を乗員に知らせることが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、本願発明者は、複数のLEDを直列に接続させることで、消費電力を少なくすることを考えている。具体的には、直列に接続した複数のLEDのそれぞれに対して、LEDへの電流の供給・停止を切り替えるためのスイッチを有するFET回路を並列に接続させる構造を考えている。この構造では、光らせる対象となるLEDに対応したスイッチを切断し、それ以外のスイッチを接続することで、対象となるLEDのみを光らせることが可能となっている。また、この構造では、スイッチの切断時間に対応するデューティ比を制御することで、LEDの輝度を変更することが可能となっている。
【0005】
しかしながら、この構造では、例えば、電流の流れ方向における最下流のLEDに電流を供給する場合には、最下流以外のLEDに対応した各FET回路を介して最下流のLEDに電流が供給されるため、最下流以外の各FET回路から電流の一部が逃げてしまい、最下流のLEDの輝度が所望の輝度よりも低下するおそれがある。そして、このような輝度の低下は、デューティ比が100%に近い大きな値である場合には、特に目立たないが、デューティ比を小さくする場合に目立つ。
【0006】
そこで、本発明は、直列に配列された複数のLEDを100%未満のデューティ比で光らせる場合において、複数のLEDの明るさを揃えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記した課題を解決する本発明に係る照明装置は、互いに直列に接続された複数のLEDと、複数の前記LEDのそれぞれに対応して設けられ、前記LEDに並列に接続されるスイッチを有するFET回路と、前記スイッチの切断時間に対応するデューティ比を制御することでPWM制御により前記LEDの明るさを制御する制御部と、を備える。
前記制御部は、デューティ比を100%未満にして、2つ以上の前記LEDを所定輝度で時間的にずらして発光を開始させる場合には、第1LEDに対応した第1スイッチに対するデューティ比の目標値を第1目標値とし、電流の流れ方向において前記第1LEDよりも下流に位置する第2LEDに対応した第2スイッチに対するデューティ比の目標値を、前記第1目標値よりも大きな第2目標値とする。
【0008】
この構成によれば、デューティ比を100%未満にして、2つ以上のLEDを所定輝度で時間的にずらして発光を開始させる場合には、制御部は、第1スイッチに対するデューティ比の目標値を第1目標値とし、第2スイッチに対するデューティ比の目標値を、第1目標値よりも大きな第2目標値とするので、第2LEDを発光させる際に、第1LEDに対応したFET回路から電流の一部が逃げても、第1目標値よりも大きな第2目標値となるデューティ比に対応した長い時間、第2LEDに電流が供給される。そのため、下流側の第2LEDの輝度が低下するのを抑えることができ、第1LEDと第2LEDの明るさを揃えることができる。
【0009】
また、前記第1スイッチの切断期間と、前記第2スイッチの切断期間は、重ならないようにしてもよい。
【0010】
ここで、第1LEDと第2LEDの両方に同時に電流を供給した場合には、下流側の第2LEDから先に電荷が溜まっていき、第1LEDに電荷がなかなか溜まらないことにより、上流側の第1LEDの輝度が小さくなる問題が生じる。これに対し、第1スイッチの切断期間と第2スイッチの切断期間を重ならないようにすることで、第1LEDと第2LEDの両方に同時に電流が供給されるのを抑えることができるので、各LEDを良好に発光させることができる。
【0011】
また、前記制御部は、前記PWM制御の1サイクルに対応したサイクル期間内に、2つ以上のスイッチを順次切断させてもよい。
【0012】
この構成によれば、サイクル期間といった非常に短い期間の間に、2つ以上のスイッチを順次切断させるので、2つ以上のLEDを、見た目に同時に光らせることができる。
【0013】
また、前記制御部は、前記PWM制御の1サイクルに対応したサイクル期間内に、1つのスイッチのみを切断させる処理を、2つ以上のスイッチに対して行うことで、2つ以上の前記LEDを順次発光させてもよい。
【0014】
この構成によれば、サイクル期間内に1つのスイッチのみを切断させる処理を、2つ以上のスイッチに対して行うことで、例えば、2つ以上のLEDを、見た目に順次光らせることができる。
【0015】
また、この場合、前記制御部は、所定のスイッチを複数回切断した後、前記所定のスイッチとは異なるスイッチを複数回切断させてもよい。
【0016】
また、前記制御部は、デューティ比を所定値以上にする場合には、複数の前記スイッチに対するデューティ比の目標値を同じ値にしてもよい。
【0017】
デューティ比を所定値以上にする場合には、FET回路から電流の一部が漏れても、下流側のLEDの輝度にさほど影響はないため、各スイッチに対するデューティ比の目標値を同じ値にすることで、制御が複雑化するのを抑えることができる。
【0018】
また、複数の前記LEDは、所定方向に並んで配置されていてもよい。
【0019】
この構成によれば、光が所定方向に沿って流れるように、複数のLEDを所定方向の一方側から順に光らせる制御を行うことができる。
【0020】
また、前記照明装置は、車両に取付可能なフレームを備えていてもよい。
【0021】
この構成によれば、照明装置を、車両の照明として有効に利用することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、直列に配列された複数のLEDを100%未満のデューティ比で光らせる場合において、複数のLEDの明るさを揃えることができる。
【0023】
また、第1スイッチの切断期間と第2スイッチの切断期間を重ならないようにすることで、第1LEDと第2LEDの両方に同時に電流が供給されるのを抑えることができるので、各LEDを良好に発光させることができる。
【0024】
また、PWM制御の1サイクルに対応したサイクル期間といった非常に短い期間の間に、2つ以上のスイッチを順次切断させることで、2つ以上のLEDを、見た目に同時に光らせることができる。
【0025】
また、サイクル期間内に1つのスイッチのみを切断させる処理を、2つ以上のスイッチに対して行うことで、例えば、2つ以上のLEDを、見た目に順次光らせることができる。
【0026】
また、サイクル期間内に1つのスイッチのみを切断させる処理を、所定のスイッチに対して複数回行うことで、所定のスイッチに対応したLEDの見た目の輝度を高くすることができる。また、同様に、所定のスイッチとは異なるスイッチを複数回切断することで、このスイッチに対応したLEDの見た目の輝度を高くすることができる。そのため、2つ以上のLEDを見た目に順次光らせる場合において、各LEDの見た目の輝度を高くすることができる。
【0027】
また、デューティ比を所定値以上にする場合に、各スイッチに対するデューティ比の目標値を同じ値にすることで、制御が複雑化するのを抑えることができる。
【0028】
また、複数のLEDを所定方向に並べて配置することで、光が所定方向に沿って流れるように、複数のLEDを所定方向の一方側から順に光らせる制御を行うことができる。
【0029】
また、照明装置が車両に取付可能なフレームを備えることで、照明装置を車両の照明として有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】照明装置が設置された車両のドアを示す斜視図(a)と、照明装置を示す斜視図(b)である。
【
図3】デューティ比の目標値を設定するためのテーブルを示す図である。
【
図4】複数のLEDを上流から順に光らせるときの電流の流れを示す図(a)~(d)である。
【
図6】10%程度のデューティ比で全点灯処理を行う場合の各スイッチのON・OFF状態を示すタイムチャート(a)と、100%のデューティ比で全点灯処理を行う場合の各スイッチのON・OFF状態を示すタイムチャート(b)である。
【
図7】10%程度のデューティ比で流動点灯処理を行う場合の各スイッチのON・OFF状態を示すタイムチャート(a)と、100%のデューティ比で流動点灯処理を行う場合の各スイッチのON・OFF状態を示すタイムチャート(b)である。
【
図8】10%程度のデューティ比で流動点灯処理を行う場合の第1変形例を示すタイムチャートである。
【
図9】10%程度のデューティ比で流動点灯処理を行う場合の第2変形例を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
図1(a)に示すように、照明装置1は、車両のドアDRに設置される車両用の照明装置である。
図1(b)に示すように、照明装置1は、第1LED11、第2LED12、第3LED13および第4LED14と、各LED11~14を支持するフレームFとを備えている。なお、本実施形態では、説明の便宜上、LEDの数を4つとするが、LEDの数は、それ以上の数、例えば8つなどとすることができる。
【0032】
複数のLED11~14は、所定方向、詳しくは前後方向に並んで配置されている。複数のLED11~14は、前から後に向けて、第1LED11、第2LED12、第3LED13、第4LED14の順に配置されている。フレームFは、車両のドアDRに取付可能となっている。
【0033】
図2に示すように、複数のLED11~14は、互いに直列に接続されている。複数のLED11~14は、電流Ioの流れ方向における上流から下流に向けて、第1LED11、第2LED12、第3LED13、第4LED14の順に配置されている。第4LED14は、接地されている。
【0034】
照明装置1は、複数のFET回路21~24と、定電流回路31と、昇圧DC/DCコンバータ32と、ノイズフィルタ33と、ダイオード34,35と、レギュレータ36と、制御部100とをさらに備えている。第1LED11は、定電流回路31、昇圧DC/DCコンバータ32、ノイズフィルタ33およびダイオード34を介して電源PSに接続されている。これにより、定電流回路31から第1LED11に向かう電流Ioは、常に一定となっている。なお、本実施形態では、電源PSは、照明装置1とは別の外部電源とするが、電源は、照明装置1に内蔵されていてもよい。
【0035】
制御部100は、レギュレータ36およびダイオード35を介して電源PSに接続されている。これにより、制御部100には、レギュレータ36によって調整された電圧が印加されている。レギュレータ36とダイオード35を繋ぐ配線には、ノイズフィルタ33が接続されている。
【0036】
複数のFET回路21~24は、複数のLED11~14のそれぞれに対応して設けられている。以下の説明では、第1LED11、第2LED12、第3LED13、第4LED14のそれぞれに対応したFET回路を、第1FET回路21、第2FET回路22、第3FET回路23、第4FET回路24とも称する。
【0037】
第1FET回路21は、第1スイッチSW1と、抵抗R1,R2と、コンデンサCと、ツェナーダイオードZDとを有する。第1スイッチSW1は、第1LED11に並列に接続されている。第1スイッチSW1は、ゲートGに印加する電圧(以下、「切替電圧」とも称する。)を制御することで、ドレインDとソースS間での電流の流れを許容する接続状態と、ドレインDとソースS間での電流の流れを禁止する切断状態とに切替可能となっている。具体的に、第1スイッチSW1は、切替電圧が印加されていない状態では、接続状態となり、切替電圧が印加された状態では、切断状態となる。
【0038】
そして、第1スイッチSW1が接続状態である場合には、電流Ioは、第1LED11を迂回するように第1スイッチSW1を介して下流側の第2LED12に向けて流れるようになっている。また、第1スイッチSW1が切断状態である場合には、電流Ioは、第1LED11に流れて、第1LED11が発光するようになっている。
【0039】
抵抗R1、コンデンサCおよびツェナーダイオードZDは、それぞれ、第1スイッチSW1に並列に接続されている。詳しくは、抵抗R1、コンデンサCおよびツェナーダイオードZDの一端は、第1スイッチSW1のドレインDに接続され、他端は、第1スイッチSW1のゲートGに接続されている。抵抗R2は、ゲートGと制御部100に接続されている。
【0040】
第2FET回路22、第3FET回路23および第4FET回路24は、第1FET回路21と同様の構造となっている。なお、以下の説明では、第2FET回路22、第3FET回路23および第4FET回路24のそれぞれに設けられるスイッチSW2~SW4を、第2スイッチSW2、第3スイッチSW3、第4スイッチSW4とも称する。
【0041】
車両は、照度センサ51と、操作部52とを備えている。照度センサ51は、車室や社外などの外部環境の明るさを検出するセンサである。照度センサ51で検出した信号は、制御部100に出力される。操作部52は、乗員によって操作されるボタン等を有し、乗員の操作に応じて、照明装置1を所定の動作で作動させるための点灯指示や、照明装置1を消灯させるための消灯指示を制御部100に出力している。
【0042】
点灯指示は、複数のLED11~14を所定輝度で光らせる指示であり、本実施形態では、全点灯指示と流動点灯指示を含んでいる。全点灯指示は、複数のLED11~14のすべてが乗員の見た目上同時に点灯しているように複数のLED11~14を発光させる指示である。流動点灯指示は、複数のLED11~14から出射された光が乗員によって前後方向に流れて見えるように複数のLED11~14を順次発光させる指示である。
【0043】
制御部100は、CPU、RAM、ROM、入出力回路などを備えており、車両に設けられた照度センサ51からの入力と、ROMに記憶されたプログラムやデータに基づいて各種演算処理を行うことによって、制御を実行する。具体的に、制御部100は、スイッチSW1~SW4の切断時間に対応するデューティ比を制御することでPWM制御によりLED11~14の明るさを制御する機能を有している。また、制御部100は、複数のLED11~14を発光させる場合には、各LED11~14の発光の開始が時間的にずれるように、各LED11~14への電流の供給開始タイミングがずれるように構成されている。
【0044】
具体的には、PWM制御の1サイクルに対応したサイクル期間TsをLEDの数に対応した数の区間に分け、各区間の開始時が各LED11~14への電流の供給開始タイミングに設定されている。本実施形態ではLEDの数が4つであるため、以下のように電流の供給開始タイミングに設定されている。第1LED11に電流を供給するタイミングは、PWM制御の1サイクルに対応したサイクル期間Tsの開始と同時に設定されている。第2LED12に電流を供給するタイミングは、サイクル期間Tsの開始からTs/4だけ進んだ時点に設定されている。第3LED13に電流を供給するタイミングは、サイクル期間Tsの開始からTs/2だけ進んだ時点に設定されている。第4LED14に電流を供給するタイミングは、サイクル期間Tsの開始から3・Ts/4だけ進んだ時点に設定されている。
【0045】
制御部100は、複数のLED11~14のすべてが乗員の見た目上同時に点灯しているように複数のLED11~14を発光させる全点灯処理と、複数のLED11~14から出射された光が乗員によって前後方向に流れて見えるように複数のLED11~14を順次発光させる流動点灯処理とを実行可能となっている。具体的には、制御部100は、操作部52から出力される点灯指示に基づいて、全点灯処理または流動点灯処理を実行する。
【0046】
制御部100は、流動点灯処理においては、
図7(a),(b)に示すように、PWM制御の1サイクルに対応したサイクル期間Ts内に、1つのスイッチのみを切断させる処理を、各スイッチSW1~SW4に対して行うことで、複数のLED11~14を順次発光させる。ここで、1つのスイッチのみを切断させる処理とは、スイッチをONからOFFに切り替える処理であり、言い換えると切断を開始する処理である。なお、全点灯処理については、後で詳述する。
【0047】
制御部100は、照度センサ51からの信号に基づいて、夜間などの外部環境の明るさが比較的暗い暗状態であるか否かを判定する機能を有している。制御部100は、外部環境の明るさが暗状態であると判定した場合には、LED11~14の目標輝度を、暗状態に対応した小さめの第1輝度に設定する。また、制御部100は、外部環境の明るさが暗状態でない、つまり例えば昼間などの比較的明るい状態であると判定した場合には、目標輝度を、第1輝度よりも大きな第2輝度に設定する。
【0048】
制御部100は、設定した目標輝度と、
図3に示すテーブルとに基づいて、各スイッチSW1~SW4に対するデューティ比の目標値を設定する機能を有している。具体的に、制御部100は、目標輝度を大きな第2輝度に設定した場合には、各スイッチSW1~SW4に対するデューティ比の目標値を同じ値、例えば100%に設定する。
【0049】
制御部100は、目標輝度を小さな第1輝度に設定した場合には、各スイッチSW1~SW4に対するデューティ比の目標値をそれぞれ異なる値に設定する。具体的に、制御部100は、第1スイッチSW1に対するデューティ比の目標値を第1目標値(10%)とし、第2スイッチSW2に対するデューティ比の目標値を、第1目標値よりも大きな第2目標値(10+a%)とする。また、制御部100は、第3スイッチSW3に対するデューティ比の目標値を、第2目標値よりも大きな第3目標値(10+b%)とし、第4スイッチSW4に対するデューティ比の目標値を、第3目標値よりも大きな第4目標値(10+c%)とする。ここで、a,b,cの大小関係は、a<b<cである。なお、目標値を異ならせる理由については、後で詳述する。
【0050】
制御部100は、第2輝度で全点灯処理を実行する場合には、
図6(b)に示すように、複数のスイッチSW1~SW4を100%デューティで略同時に切断(OFF)させる。具体的に、制御部100は、PWM制御の最初のサイクルに対応したサイクル期間Ts内において、各スイッチSW1~SW4をONからOFFに切り替えた後、各スイッチSW1~SW4を複数のサイクル期間TsにわたってOFFに維持する。制御部100は、第1輝度で全点灯処理を実行する場合には、
図6(a)に示すように、PWM制御の1サイクルに対応したサイクル期間Ts内に、複数のスイッチSW1~SW4を順次切断(OFF)させる。また、第1輝度で全点灯処理を実行する場合において、各スイッチSW1~SW4の切断期間T1~T4は、それぞれ重ならないように設定されている。
【0051】
ここで、第1輝度での全点灯処理時に、複数のスイッチSW1~SW4を順次切断する理由は、以下の通りである。本実施形態のような、複数のLED11~14を互いに直列に接続させた回路において、10%程度の小さなデューティ比で各スイッチSW1~SW4を同時にOFFにすると、最下流の第4LED14から順に電荷が順に溜まっていくことにより、上流に位置するLEDほど発光の立ち上がりが悪くなり、各LED11~14の輝度に差が生じる。これに対し、第1輝度での全点灯処理時に、複数のスイッチSW1~SW4を順次OFFにすることで、前述した問題が解消される。しかしながら、10%程度の小さなデューティ比で複数のスイッチSW1~SW4を順次OFFにする場合には、
図4(b)~(d)に示すような電流Icが漏れることを原因とした別の問題が生じるため、前述したように各スイッチSW1~SW4に対するデューティ比の目標値を異なる値に設定することで、この問題を解消している。
【0052】
以下に、目標輝度を第1輝度に設定する場合において、デューティ比の目標値を異なる値にする理由について、
図4を参照して説明する。なお、
図4においては、回路の構成を簡略化して図示している。
【0053】
図4(a)に示すように、最上流の第1LED11に対応した第1スイッチSW1のみを10%デューティでOFFにした場合には、10%デューティに対応した時間だけ電流Ioが第1LED11に流れて、第1LED11が第1輝度で光る。
図4(b)に示すように、第2LED12に対応した第2スイッチSW2のみを10%デューティでOFFにした場合には、第2スイッチSW2よりも上流にある第1FET回路21から電流Ioの一部の電流Icが漏れる。そのため、この場合には、10%デューティに対応した時間だけ、電流Ioより小さな電流(Io-Ic)が第2LED12に流れるので、第2LED12は第1輝度よりも小さな輝度で光る。
【0054】
図4(c)に示すように、第3スイッチSW3のみを10%デューティでOFFにした場合には、第3スイッチSW3よりも上流にある2つのFET回路21,22のそれぞれにおいて電流Icが漏れる。そのため、この場合には、第3LED13には、第2LED12のみを光らせたときの電流(Io-Ic)よりも小さな電流(Io-2Ic)が流れ、第3LED13の輝度が第2LED12の輝度よりも小さくなる。
【0055】
図4(d)に示すように、第4スイッチSW4のみを10%デューティでOFFにした場合には、第4スイッチSW4よりも上流にある3つのFET回路21~23のそれぞれにおいて電流Icが漏れる。そのため、この場合には、第4LED14には、第3LED13のみを光らせたときの電流(Io-2Ic)よりも小さな電流(Io-3Ic)が流れ、第4LED14の輝度が第3LED13の輝度よりも小さくなる。
【0056】
そこで、本実施形態では、
図3に示すように、目標輝度が第1輝度であるときの各スイッチSW1~SW4に対するデューティ比の目標値の関係を、第1目標値(10%)<第2目標値(10%+a)<第3目標値(10%+b)<第4目標値(10%+c)とすることで、各LED11~14を第1輝度で光らせることが可能となっている。なお、本実施形態では、便宜上、各FET回路21~23で漏れる電流を、いずれもIcとしているが、実際には、FET回路22で漏れる電流は、FET回路21で漏れる電流よりも小さく、FET回路23で漏れる電流は、FET回路22で漏れる電流よりも小さい。
【0057】
次に、制御部100の動作について詳細に説明する。
図5に示すように、制御部100は、点灯指示があるか否かを判定する(S1)。ステップS1において点灯指示がないと判定した場合には(No)、制御部100は、本処理を終了する。
【0058】
ステップS1において点灯指示があると判定した場合には(Yes)、制御部100は、照度センサ51から信号を取得する(S2)。ステップS2の後、制御部100は、照度センサ51の信号に基づいて、LED11~14の目標輝度を決定する(S3)。詳しくは、制御部100は、外部環境の明るさが比較的暗い暗状態であると判定した場合には、目標輝度を第1輝度に設定し、暗状態でないと判定した場合には、目標輝度を第1輝度よりも大きな第2輝度に設定する。
【0059】
ステップS3の後、制御部100は、目標輝度と、
図3に示すテーブルとに基づいて、各スイッチSW1~SW4に対するデューティ比の目標値を設定する(S4)。ステップS4の後、制御部100は、複数のLED11~14を有する回路への電流Ioの供給を開始する(S5)。
【0060】
ステップS5の後、制御部100は、デューティ比の目標値が100%未満であるか否かを判定する(S6)。ステップS6において100%未満であると判定した場合には(Yes)、制御部100は、点灯指示が全点灯処理を実行するための全点灯指示であるか否かを判定する(S7)。
【0061】
ステップS7において点灯指示が全点灯指示であると判定した場合には(Yes)、制御部100は、サイクル期間Ts内で各スイッチSW1~SW4をそれぞれの目標のデューティ比で順次切断させる(S8)。ステップS8の後、制御部100は、消灯指示があるか否かを判定する(S9)。
【0062】
ステップS9において消灯指示があると判定した場合には(Yes)、制御部100は、本処理を終了する。ステップS9において消灯指示がないと判定した場合には(No)、制御部100は、ステップS6の処理に戻る。
【0063】
ステップS7において点灯指示が全点灯指示でない、つまり流動点灯処理を実行するための流動点灯指示であると判定した場合には(No)、制御部100は、流動点灯指示に応じて、サイクル期間Ts内で1つのスイッチのみを目標のデューティ比で切断して(S10)、ステップS9の処理に移行する。具体的には、1回目の制御サイクルでは、ステップS10において、制御部100は、第1スイッチSW1を第1目標値(10%)のデューティ比で切断する。その後、ステップS9でNoと判定して2回目の制御サイクルに入ると、制御部100は、ステップS10において、第2スイッチSW2を第2目標値(10%+a)のデューティ比で切断する。同様にして、3回目、4回目の制御サイクルにおける各ステップS10では、制御部100は、第3スイッチSW3、第4スイッチSW4をそれぞれの目標値(10%+b,10%+c)のデューティ比で切断する。
【0064】
ステップS6においてデューティ比の目標値が100%未満でない、つまり100%であると判定した場合には(No)、制御部100は、点灯指示が全点灯指示であるか否かを判定する(S11)。ステップS11において点灯指示が全点灯指示であると判定した場合には(Yes)、制御部100は、各スイッチSW1~SW4を100%のデューティ比で略同時に切断して(S12)、ステップS9の処理に移行する。
【0065】
ステップS11において点灯指示が全点灯指示でない、つまり流動点灯指示であると判定した場合には(No)、制御部100は、流動点灯指示に応じて、サイクル期間Ts内で1つのスイッチのみを100%のデューティ比で切断して(S13)、ステップS9の処理に移行する。
【0066】
次に、制御部100の具体的な動作の一例を詳細に説明する。
照明装置1を全点灯させる場合には、乗員が操作部52を操作して、操作部52から制御部100に全点灯指示を出力させる。全点灯指示を受けた制御部100は、ステップS1でYesと判定して、照度センサ51から明るさに関する信号を取得する(S2)。
【0067】
全点灯指示がなされたときの外部環境が夜間である場合には、制御部100は、照度センサ51の信号に基づいて外部環境が暗状態であると判定して、目標輝度を第1輝度に設定する(S3)。その後、制御部100は、
図3のテーブルに基づいて、第1輝度に対応したデューティ比の目標値を、各スイッチSW1~SW4に対して設定する(S4)。これにより、最上流の第1スイッチSW1から順に目標値が、10%、10%+a、10%+b、10%+cというように、下流のスイッチほど、高い目標値が設定される。
【0068】
その後、制御部100は、ステップS5~S8の処理を実行することで、
図4(a)~(d)に示すように、回路に流した電流Ioを、各LED11~14に順次個別に流していく。この際、各LED11~14に流れる電流は、漏れ電流Icの影響により、上流から順に、Io、Io-Ic、Io-2Ic、Io-3Icというように小さくなるが、各スイッチSW1~SW4のデューティ比の目標値が下流のスイッチほど高い目標値となっているので、各LED11~14の明るさを第1輝度に揃えることができる。また、
図6(a)に示すように、非常に短いサイクル期間Ts内で各スイッチSW1~SW4が切断されることで、各LED11~14を見た目上略同時に光らせることができるので、夜間において、乗員に対して各LED11~14が見た目上全点灯していると感じさせることができる。
【0069】
全点灯指示がなされたときの外部環境が昼間である場合には、制御部100は、照度センサ51の信号に基づいて外部環境が暗状態でないと判定して、目標輝度を第2輝度に設定する(S3)。その後、制御部100は、
図3のテーブルに基づいて、第2輝度に対応したデューティ比の目標値を、各スイッチSW1~SW4に対して設定する。これにより、各スイッチSW1~SW4の目標値が同じ値(100%)に設定される。
【0070】
その後、制御部100は、ステップS5,S6,S11,S12の処理を実行することで、
図6(b)に示すように、各スイッチSW1~SW4を100%のデューティ比で略同時に切断する。この際、最下流の第4LED14から順に電荷が順に溜まっていくことにより、各LED11~14の輝度に多少の差が生じるが、100%のデューティ比では、差の影響が無視できるほど小さいので、昼間において、乗員に対して各LED11~14が見た目上揃った第2輝度で全点灯していると感じさせることができる。
【0071】
照明装置1を流動点灯させる場合には、乗員が操作部52を操作して、操作部52から制御部100に流動点灯指示を出力させる。流動点灯指示を受けた制御部100は、ステップS1~S3の処理を行うことで、外部環境の明るさに応じた目標輝度を設定する。
【0072】
流動点灯指示がなされたときの外部環境が夜間である場合には、制御部100は、ステップS3において目標輝度を第1輝度に設定する。その後、制御部100は、
図3のテーブルに基づいて、第1輝度に対応したデューティ比の目標値を、各スイッチSW1~SW4に対して設定する(S4)。
【0073】
その後、制御部100は、ステップS5~7,S10の処理を実行することで、
図7(a)に示すように、流動点灯指示に応じて、サイクル期間Ts内で1つのスイッチのみを目標のデューティ比で切断する処理を、各スイッチSW1~SW4に対して行う。この際、全点灯処理時と同様に漏れ電流Icが発生するが、デューティ比の目標値が下流のスイッチほど高い目標値となっているので、各LED11~14の明るさを第1輝度に揃えることができる。
【0074】
なお、
図7(a)に示す例は、流動点灯指示が各LED11~14を上流から順に光らせる指示である例であるため、各スイッチSW1~SW4を上流から順に切断させている。そのため、流動点灯指示が下流から順に光らせる指示である場合には、制御部100は、この流動点灯指示に応じて、各スイッチSW1~SW4を下流から順に切断させる。なお、流動点灯指示がなされたときの外部環境が昼間である場合には、デューティ比の目標値が変わるだけで、動作は同じであるため、説明は省略する。
【0075】
以上のような本実施形態の車両用シートにおいて、次の各効果を奏することができる。
デューティ比を100%未満にして、複数のLED11~14を第1輝度で発光させる場合には、デューティ比の目標値を下流のLEDほど大きくし、各LED11~14を時間的にずらして発光させるので、漏れ電流Icの影響をほぼなくすことができ、各LED11~14の明るさを揃えることができる。
【0076】
各スイッチSW1~SW4の切断期間T1~T4を重ならないようにすることで、2つ以上のLEDに同時に電流が供給されるのを抑えることができるので、各LED11~14を良好に発光させることができる。
【0077】
サイクル期間Tsといった非常に短い期間の間に、各スイッチSW1~SW4を順次切断させるので、各LED11~14を、見た目に同時に光らせることができる。
【0078】
サイクル期間Ts内に1つのスイッチのみを切断させる処理を、各スイッチSW1~SW4に対して行うことで、各LED11~14を、見た目に順次光らせることができる。
【0079】
デューティ比を所定値以上にする場合には、FET回路から電流の一部が漏れても、下流側のLEDの輝度にさほど影響はないため、各LED11~14に対するデューティ比の目標値を同じ値(100%)にすることで、制御が複雑化するのを抑えることができる。
【0080】
複数のLED11~14を所定方向に並べて配置したので、光が所定方向に沿って流れるような流動点灯を行うことができる。
【0081】
照明装置1が車両のドアDRに取付可能なフレームFを備えるので、照明装置1を、車両の照明として有効に利用することができる。
【0082】
以上に本発明の実施形態について説明したが、本発明は、以下の他の形態に示すように、適宜変形して実施することが可能である。なお、以下の説明において、前記実施形態と同様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略することとする。
【0083】
前記実施形態では、流動点灯処理において、各スイッチSW1~SW4を上流側から1回ずつ切断したが、本発明はこれに限定されず、流動点灯処理において、各スイッチSW1~SW4を上流側から複数回ずつ切断してもよい。つまり、制御部100は、所定のスイッチを複数回切断した後、所定のスイッチとは異なるスイッチを複数回切断させてもよい。
【0084】
例えば、
図8に示すように、制御部100は、サイクル期間Ts内に1つのスイッチのみを切断させる処理を、第1スイッチSW1に対して2回行った後、第2スイッチSW2に対して2回行い、その後、第3スイッチSW3に対して2回、第4スイッチSW4に対して2回という順で行うように構成されていてもよい。これによれば、各LED11~14の光をゆっくり流動させることができる。
【0085】
なお、サイクル期間内に1つのスイッチのみを切断させる処理を、所定のスイッチに対して複数回行う場合には、連続した複数のサイクル期間のすべてにおいて、所定のスイッチのみを切断させてもよいし、連続した複数のサイクル期間のうち2つ以上の一部のサイクル期間において、所定のスイッチのみを切断させてもよい。
【0086】
前記実施形態では、10%のデューティ比で流動点灯させる場合に、各スイッチの切断期間が重ならないようにしたが、本発明はこれに限定されず、各スイッチの切断開始のタイミングがずれていれば、切断期間は重なっていてもよい。具体的には、例えば、
図9に示すように、所定のスイッチに対するデューティ比を徐々に大きくした後、徐々に小さくすることで、10%のデューティ比で流動点灯させてもよい。この場合、例えば、時刻t1において、第1スイッチSW1の切断期間と、第2スイッチSW2の切断期間とが重なっているが、各スイッチの切断開始のタイミングがずれているので、各LEDを良好に点灯させることができる。また、この実施形態では、各スイッチに対するデューティ比が徐々に大きくなった後、徐々に小さくなるので、各LEDからの光をきれいに流動させることができる。
【0087】
前記実施形態では、乗員が操作部52を操作することにより操作部52から制御部100に点灯指示が出力されることとしたが、本発明はこれに限定されず、例えば、車両に設けられるECU(Electronic Control Unit)から制御部100に点灯指示が出力されてもよい。具体的には、例えば、ECUは、自己の車両に他の車両が近づいたことを検知するセンサ(例えば、超音波センサ)からの信号に基づいて、自己の車両に他の車両が近づいたと判定した場合に、流動点灯指示を制御部100に出力してもよい。また、この場合、ECUは、他の車両が後方から近づいていると判定した場合には、各LED11~14を後から順に光らせる流動点灯指示を出力し、他の車両が前方から近づいていると判定した場合には、各LED11~14を前から順に光らせる流動点灯指示を出力してもよい。
【0088】
また、ECUは、車両を起動するスイッチがONされた場合に、全点灯指示を制御部100に出力してもよい。この場合、照明装置1を常時点灯する間接照明として利用することができる。また、ECUは、ドアの開閉を検知するセンサからの信号に基づいて、ドアが開けられたと判定した場合に、全点灯指示を制御部100に出力してもよい。
【0089】
前記実施形態では、目標輝度を大きな第2輝度に設定した場合に、各スイッチSW1~SW4に対するデューティ比の目標値をすべて100%としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、目標輝度を第2輝度よりも僅かに小さい輝度に設定する場合にも、各スイッチに対するデューティ比の目標値を同じ値、例えば90%としてもよい。つまり、制御部は、デューティ比を所定値以上にする場合に、各スイッチに対するデューティ比の目標値を同じ値に設定するように構成されていればよい。
【0090】
前記実施形態では、サイクル期間Ts内において4つのLED11~14のすべてを光らせたが、本発明はこれに限定されず、サイクル期間内において2つまたは3つのLEDを光らせてもよい。つまり、複数のうち少なくとも2つのLEDをサイクル期間内において光らせてもよい。
【0091】
前記実施形態では、LEDの数を4つとしたが、本発明はこれに限定されず、LEDの数は2つ以上であればよい。
【0092】
前記実施形態では、所定輝度として、10%程度のデューティ比に対応した第1輝度としたが、本発明はこれに限定されず、所定輝度は、例えば、20%程度のデューティ比に対応した輝度であってもよい。
【0093】
複数のLEDの発光パターンは、前記実施形態に限定されず、どのようなパターンであってもよい。例えば、第1LED11と第4LED14とを交互に光らせるようなパターンであってもよい。
【0094】
前記実施形態では、車両のドアDRに照明装置1を取り付けたが、車両のドア以外の部位に照明装置を取り付けてもよい。
【0095】
前記した実施形態および変形例で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0096】
1 照明装置
11 第1LED
12 第2LED
21 第1FET回路
22 第2FET回路
100 制御部
SW1 第1スイッチ
SW2 第2スイッチ