(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-15
(45)【発行日】2025-01-23
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
G06F 1/16 20060101AFI20250116BHJP
G06F 1/20 20060101ALI20250116BHJP
【FI】
G06F1/16 312E
G06F1/16 312M
G06F1/20 A
(21)【出願番号】P 2024139015
(22)【出願日】2024-08-20
【審査請求日】2024-08-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大石 進太郎
(72)【発明者】
【氏名】大西 益生
(72)【発明者】
【氏名】阿部 隆
【審査官】漆原 孝治
(56)【参考文献】
【文献】特開2024-060763(JP,A)
【文献】特開2022-108969(JP,A)
【文献】国際公開第2014/155719(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/16
G06F 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
第1の凹部が設けられた第1の外面を有し、前記筐体に収容された電池ケースと、
前記電池ケースに収容された電池と、
前記筐体に収容され、発熱する発熱部品と、
前記発熱部品と熱的に接続されるとともに、前記第1の凹部に入れられた第1のヒートパイプとを備え、
前記第1のヒートパイプは、
前記第1の凹部の外側に位置し、前記発熱部品と熱的に接続された基部と、
前記基部と接続されて前記発熱部品と離れた位置に設けられ、前記第1の凹部に入れられた複数の延出部と、
を備えた電子機器。
【請求項2】
複数の前記電池を備え、
前記第1の凹部は、隣り合う二つの前記電池の間に設けられた、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記第1の外面には、複数の前記第1の凹部が設けられ、
前記第1のヒートパイプは、前記複数の前記第1の凹部に入れられた複数の前記
延出部を有した、
請求項
1に記載の電子機器。
【請求項4】
前記第1の外面には、二つの前記第1の凹部が設けられ、
前記第1のヒートパイプは、前記二つの前記第1の凹部に入れられた二つの前記
延出部を有し、無端状に形成された、
請求項
1に記載の電子機器。
【請求項5】
複数の前記第1のヒートパイプと、
前記複数の前記第1のヒートパイプの前記
基部を熱的に接続するとともに、前記発熱部品と前記
基部とを熱的に接続した第2のヒートパイプと、
を備え、
前記第1の外面には、複数の前記第1の凹部が設けられ、
前記第1のヒートパイプは、前記第1の凹部に入れられた前記
延出部を有し、無端状に形成された、
請求項
1に記載の電子機器。
【請求項6】
前記筐体に固定具によって固定された固定部品を備え、
前記電池ケースは、前記第1の外面の反対側の第2の外面を有し、
前記第2の外面には、前記固定具が入れられた第2の凹部が設けられた、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項7】
前記第1の凹部に入れられ、前記電池ケースを前記筐体の固定した固定具を備えた、
請求項1~請求項
6のうちのいずれか一つに記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、筐体と、筐体に収容された電池ケースと、電池ケースに収容された電池と、筐体に収容された発熱部品と、を備えた電子機器が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の電子機器では、例えば、電子機器の放熱性の向上および薄型化を図ることできれば、有益である。
【0005】
そこで、本発明の課題の一つは、電子機器の放熱性の向上および薄型化を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様にかかる電子機器は、筐体と、第1の凹部が設けられた第1の外面を有し、前記筐体に収容された電池ケースと、前記電池ケースに収容された電池と、前記筐体に収容され、発熱する発熱部品と、前記発熱部品と熱的に接続されるとともに、前記第1の凹部に入れられた第1のヒートパイプとを備え、前記ヒートパイプは、前記第1の凹部の外側に位置し、前記発熱部品と熱的に接続された基部と、前記基部と接続されて前記発熱部品と離れた位置に設けられ、前記第1の凹部に入れられた複数の延出部とを備える。
【0007】
前記電子機器は、例えば、複数の前記電池を備え、前記第1の凹部は、隣り合う二つの前記電池の間に設けられている。
【0008】
前記電子機器では、例えば、前記第1のヒートパイプは、前記第1の凹部の外側に位置し、前記発熱部品と熱的に接続された第1の部分と、前記第1の部分と接続され、前記第1の凹部に入れられた第2の部分と、を有する。
【0009】
前記電子機器では、例えば、前記第1の外面には、複数の前記第1の凹部が設けられ、前記第1のヒートパイプは、前記複数の前記第1の凹部に入れられた複数の前記第2の部分を有する。
【0010】
前記電子機器では、例えば、前記第1の外面には、二つの前記第1の凹部が設けられ、前記第1のヒートパイプは、前記二つの前記第1の凹部に入れられた二つの前記第2の部分を有し、無端状に形成されている。
【0011】
前記電子機器は、例えば、複数の前記第1のヒートパイプと、前記複数の前記第1のヒートパイプの前記第1の部分を熱的に接続するとともに、前記発熱部品と前記第1の部分とを熱的に接続した第2のヒートパイプと、を備え、前記第1の外面には、複数の前記第1の凹部が設けられ、前記第1のヒートパイプは、前記第1の凹部に入れられた前記第2の部分を有し、無端状に形成されている。
【0012】
前記電子機器は、例えば、前記筐体に固定具によって固定された固定部品を備え、前記電池ケースは、前記第1の外面の反対側の第2の外面を有し、前記第2の外面には、前記固定具が入れられた第2の凹部が設けられている。
【0013】
前記電子機器は、例えば、前記第1の凹部に入れられ、前記電池ケースを前記筐体の固定した固定具を備える。
【発明の効果】
【0014】
本発明の上記態様によれば、電子機器の放熱性の向上および薄型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、第1の実施形態の電子機器の正面側からの例示的な斜視図であって、ディスプレイ部が展開位置に位置された状態の図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態の電子機器におけるベース部の例示的な底面図であって、ロアカバーが外された状態の図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態の電子機器におけるベース部の例示的な底面図であって、ロアカバーおよび第1のヒートパイプが取り外された状態の図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態の電子機器における電池パックの例示的な斜視図ある。
【
図5】
図5は、第1の実施形態の電子機器における電池パックの例示的な正面図ある。
【
図6】
図6は、第1の実施形態の電子機器におけるベース部の例示的な断面図である。
【
図7】
図7は、第1の実施形態の電子機器におけるベース部の例示的な断面図である。
【
図8】
図8は、第2の実施形態の電子機器におけるベース部の例示的な底面図であって、ロアカバーが外された状態の図である。
【
図9】
図9は、第3の実施形態の電子機器におけるベース部の例示的な底面図であって、ロアカバーが外された状態の図である。
【
図10】
図10は、第4の実施形態の電子機器におけるベース部の例示的な底面図であって、ロアカバーが外された状態の図である。
【
図11】
図11は、第5の実施形態の電子機器におけるベース部の例示的な底面図であって、ロアカバーが外された状態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および効果は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能である。また、本発明によれば、構成によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)のうち少なくとも一つを得ることが可能である。
【0017】
また、以下の複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれている。それら同様の構成要素には共通の符号が付与されるとともに、重複する説明が省略される。
【0018】
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態の電子機器1の正面側からの例示的な斜視図であって、ディスプレイ部4が展開位置に位置された状態の図である。
【0019】
図1に示されるように、電子機器1は、例えば、ノートブック型(クラムシェル型)のパーソナルコンピュータとして構成され、ベース部2と、ディスプレイ部4と、を備える。ベース部2は、例えば机や、台、棚等の載置部の平面に載置される。ディスプレイ部4は、ベース部2に対して回転中心軸C回りに回転可能にベース部2に支持され、展開位置(
図1)と閉じ位置(不図示)との間を移動可能である。具体的には、ディスプレイ部4は、ヒンジ5を介してベース部2に連結されている。
【0020】
各図面に示されるように、本明細書において、便宜上、X軸、Y軸およびZ軸が定義される。X軸とY軸とZ軸とは、互いに直交する。X軸は、ベース部2の前後方向に沿う。Y軸は、ベース部2の幅方向に沿う。Z軸は、ベース部2の上下方向に沿う。
【0021】
さらに、本明細書において、X方向、Y方向およびZ方向が定義される。X方向は、X軸に沿う方向であって、X軸の矢印が示す+X方向と、X軸の矢印の反対方向である-X方向とを含む。Y方向は、Y軸に沿う方向であって、Y軸の矢印が示す+Y方向と、Y軸の矢印の反対方向である-Y方向とを含む。Z方向は、Z軸に沿う方向であって、Z軸の矢印が示す+Z方向と、Z軸の矢印の反対方向である-Z方向とを含む。+Z方向は、ベース部2の上下方向の上方と一致する。
【0022】
ベース部2は、第1の筐体11と、第1の筐体11に支持されたキーボード12と、第1の筐体11に支持されたタッチパッド35と、を有する。キーボード12は、上方から操作可能な状態に第1の筐体11に支持されている。タッチパッド35は、上方から操作可能な状態に第1の筐体11にネジ36(
図6)によって固定されている。第1の筐体11は、筐体の一例である。タッチパッド35は、固定部材の一例である。ネジ36は、固定具の一例である。タッチパッド35は、パッドモジュールやクリックパッドとも称される。
【0023】
図2は、第1の実施形態の電子機器1におけるベース部2の例示的な底面図であって、ロアカバー13が外された状態の図である。
図3は、第1の実施形態の電子機器1におけるベース部2の例示的な底面図であって、ロアカバー13および第1のヒートパイプ52が取り外された状態の図である。
【0024】
図2および
図3に示されるように、第1の筐体11内には、基板3と、電池パック41と、放熱部51とが収容されている。基板3には、各種の電子部品が実装されている。各種の電子部品は、各種の電子部品は、例えば、CPU33(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を含む。基板3に設けられた配線と基板3に実装されたCPU33を含む複数の電子部品とによって、電子機器1の電子回路の少なくとも一部が構成されている。CPU33は、基板3の上面に実装されている。CPU33は、供給される電力によって動作し、動作中に発熱する。
【0025】
図1に示されるように、ディスプレイ部4は、第2の筐体21と、ディスプレイユニット22と、を有する。ディスプレイユニット22は、表示画面22aが前方から視認可能な状態に、第2の筐体21に支持されている。
【0026】
ディスプレイ部4が展開位置(
図1)に位置した状態では、第1の筐体11の上面11aおよびキーボード12と、第2の筐体21の前面21aおよびディスプレイユニット22の表示画面22aとが対向せず、第1の筐体11の上面11a、キーボード12、第2の筐体21の前面21a、ディスプレイユニット22の表示画面22aが露出する。このとき、第2の筐体21の前面21aおよび後面21bは、それぞれ、前方および後方を向く。
【0027】
一方、ディスプレイ部4が閉じ位置(不図示)に位置した状態では、第1の筐体11の上面11aおよびキーボード12と、第2の筐体21の前面21aおよびディスプレイユニット22の表示画面22aとが対向する。
【0028】
第1の筐体11の形状は、上下方向に扁平な略直方体である。第1の筐体11は、例えば、下壁11cや、上壁11d、前壁11e、後壁11f、左壁11g、右壁11h等の複数の壁を有する。
【0029】
下壁11cは、下面11bを含み、上壁11dは、上面11aを含む。下壁11cおよび上壁11dは、いずれも、Z方向と直交する方向に沿って延びており、Z方向に間隔をあけて互いに平行に設けられている。上壁11dは、二つのアームレスト部11pを有する。二つのアームレスト部11pは、キーボード12に対して+X方向側に設けられ、Y方向に間隔をあけて並べられている。二つのアームレスト部11pの間に、タッチパッド35が配置されている。
【0030】
前壁11eおよび後壁11fは、いずれも、X方向と直交する方向に沿って延びており、X方向に間隔をあけて互いに平行に設けられている。前壁11eおよび後壁11fは、それぞれ、第1の筐体11の前端部11iおよび後端部11jを構成している。前端部11iは、回転中心軸Cと離間している。後端部11jは、前端部11iに対して回転中心軸C側に設けられている。
【0031】
左壁11gおよび右壁11hは、いずれも、Y方向と直交する方向に沿って延びており、Y方向に間隔をあけて互いに平行に設けられている。左壁11gおよび右壁11hは、それぞれ、第1の筐体11の左端部11kおよび右端部11mを構成している。
【0032】
また、第1の筐体11は、複数の部材の組み合わせによって構成されている。例えば、第1の筐体11は、下壁11cを含むロアカバー13と、上壁11dを含むアッパーカバー14と、を有する。
【0033】
図4は、第1の実施形態の電子機器1における電池パック41の例示的な斜視図ある。
図5は、第1の実施形態の電子機器1における電池パック41の例示的な正面図ある。
図6は、第1の実施形態の電子機器1におけるベース部2の例示的な断面図である。
【0034】
図4~
図6に示されるように、電池パック41は、電池ケース42と、複数の電池43と、を有する。電池パック41は、電池モジュールとも称される。電池43は、電池セルとも称される。
【0035】
図5および
図6に示されるように、複数の電池43は、Y方向に間隔をあけて並べられている。電池43は、例えば、リチウムイオン電池等の二次電池であるが、これに限定されない。
【0036】
図4および
図5に示されるように、電池ケース42の形状は、上下方向に扁平な略直方体である。電池ケース42は、例えば、複数の部材の組み合わせによって構成されている。
【0037】
電池ケース42は、例えば、下面42cや、上面42d、前面42e、後面42f、左面42g、右面42h等の複数の外面を有する。下面42cは、第1の外面の一例であり、上面42dは、第2の外面の一例である。
【0038】
下面42cおよび上面42dは、いずれも、Z方向と直交する方向に沿って延びており、Z方向に間隔をあけて互いに平行に設けられている。上面42dは、下面42cの反対側の面である。
【0039】
前面42eおよび後面42fは、いずれも、X方向と直交する方向に沿って延びており、X方向に間隔をあけて互いに平行に設けられている。
【0040】
左面42gおよび右面42hは、いずれも、Y方向と直交する方向に沿って延びており、Y方向に間隔をあけて互いに平行に設けられている。
【0041】
下面42cには、複数(一例として、二つ)の第1の凹部42iが設けられている。二つの第1の凹部42iは、いずれも、X方向に延びるとともに、Y方向に間隔をあけて互いに平行に設けられている。第1の凹部42iは、+Z方向に開放されるとともに、+X方向および-X方向に開放されている。第1の凹部42iは、電池ケース42と第1の筐体11の下壁11cとの間の隙間を構成する。
図6に示されるように、第1の凹部42iには、放熱部51の第1のヒートパイプ52の一部が入れられている。
【0042】
図4~
図6に示されるように、上面42dには、複数(一例として、二つ)の第2の凹部42jが設けられている。二つの第2の凹部42j、いずれも、X方向に延びるとともに、Y方向に間隔をあけて互いに平行に設けられている。二つの第2の凹部42jは、二つの第1の凹部42iとZ方向に並ぶ。第2の凹部42jは、-Z方向に開放されるとともに、+X方向に開放されている。第2の凹部42jは、電池ケース42と第1の筐体11の上壁11dとの間の隙間を構成する。
図6に示されるように、第2の凹部42jには、ネジ36が入れられている。詳しくは、第2の凹部42jには、ネジ36の頭部36aと雄ネジ部36bとのうち少なくとも頭部36aが入れられている。
【0043】
また、電池ケース42は、X方向に延びる複数(一例として二つ)の仕切部42kを有する。二つの仕切部42kは、いずれも、X方向に延びるとともに、Y方向に間隔をあけて互いに平行に設けられている。複数の仕切部42kは、電池ケース42の内部を、電池43を収容する複数の収容室に仕切っている。各仕切部42kに、第1の凹部42iと第2の凹部42jとが設けられている。すなわち、第1の凹部42iと第2の凹部42jとは、隣り合う二つの電池43の間に設けられている。
【0044】
図3に示されるように、電池ケース42は、複数(一例として五つ)のネジ44によって、第1の筐体11の上壁11dに固定されている。二つのネジ44は、電池ケース42の角部に設けられ、他の二つのネジ44は、第1の凹部42iに設けられている。第1の凹部42iに設けられたネジ44は、第1の凹部42iから第2の凹部42jを通って上壁11dに延びている。第1の凹部42iに設けられたネジ44の頭部44aは、第1の凹部42iに入れられている。ネジ44は、固定具の一例である。
【0045】
図2に示されるように、放熱部51は、第1のヒートパイプ52を有する。第1のヒートパイプ52は、CPU33と熱的に接続されるとともに、電池ケース42の第1の凹部42iに入れられている。詳細には、第1のヒートパイプ52は、基部52aと、二つの延出部52bと、を有する。基部52aは、第1の部分の一例であり、二つの延出部52bは、第2の部分の一例である。
【0046】
基部52aは、第1の凹部42iの外側に位置し、基板3の下面3aに接触した状態で基板3に固定されている。すなわち、基部52aは、基板3を介してCPU33と熱的に接続されている。基部52aは、Y方向に延びている。
【0047】
二つの延出部52bは、基部52aのY方向の両端部から+X方向に延びている。二つの延出部52bは、Y方向に間隔をあけて互いに平行に設けられている。二つの延出部52bは、電池ケース42の二つの第1の凹部42iに入れられている。このとき、延出部52bと電池ケース42とは、離間している。また、二つの延出部52bは、第1の筐体11の下壁11cの内面に接触している。
【0048】
放熱部51では、第1のヒートパイプ52の基部52aがCPU33で発生した熱を基板3を介して受熱する。基部52aが受熱した熱は、基部52aから二つの延出部52bに伝わる。延出部52bに伝わった熱は、延出部52bから第1の筐体11の下壁11cに伝わり、下壁11cから第1の筐体11(電子機器1)の外部に放熱される。これにより、CPU33が冷却される。上記から分かるように、本実施形態では、CPU33で発生した熱が放熱部51によって第1の筐体11の+X方向側に移送されて放熱される。
【0049】
図6に示されるように、タッチパッド35は、タッチ操作を受け付けるパッド部35aと、パッド部35aを支持した支持部35bと、を有する。支持部35bは、第1の筐体11に設けられた固定部14aにネジ36によって固定されている。固定部14aは、上壁14bに含まれる。
【0050】
図7は、第1の実施形態の電子機器1におけるベース部2の例示的な断面図である。
図7に示されるように、ベース部2の第1の筐体11のアームレスト部11pの内面と電池ケース42の上面42dとの間には、空間K1が設けられている。空間K1は、断熱部として作用し、アームレスト部11pと電池ケース42との間の伝熱を抑制する。これにより、アームレスト部11pの表面温度上昇が抑制される。よって、使用者への伝熱が抑制される。
【0051】
以上のように、本実施形態の電子機器1は、第1の筐体11(筐体)と、電池ケース42と、電池43と、CPU33(発熱部品)と、第1のヒートパイプ52と、を備える。電池ケース42は、第1の凹部42iが設けられた下面42c(第1の外面)を有し、第1の筐体11(筐体)に収容されている。電池43は、電池ケース42に収容されている。CPU33は、第1の筐体11に収容され、発熱する。第1のヒートパイプ52は、CPU33と熱的に接続されるとともに、第1の凹部42iに入れられている。
【0052】
このような構成によれば、第1のヒートパイプ52により電子機器1の放熱性の向上を図ることできる。換言すると、第1のヒートパイプ52により電子機器1の放熱効率の向上を図ることできる。また、上記構成によれば、第1のヒートパイプ52が第1の凹部42iに入れられているので、第1のヒートパイプ52が第1の凹部42iに入れられずに電池ケース42と重ねられた構成に比べて、電子機器1の薄型化を図ることができる。
【0053】
また、電子機器1は、複数の電池43を備える。第1の凹部42iは、隣り合う二つの電池43の間に設けられている。
【0054】
このような構成によれば、電池43が複数設けられていても電子機器1の放熱性および薄型化を図ることができる。
【0055】
また、第1のヒートパイプ52は、基部52a(第1の部分)と、延出部52b(第2の部分)と、を有する。基部52aは、第1の凹部42iの外側に位置し、CPU33と熱的に接続されている。延出部52bは、基部52aと接続され、第1の凹部42iに入れられている。
【0056】
このような構成によれば、CPU33で発生した熱を第1のヒートパイプ52の基部52aから延出部52b(第2の部分)に移送して延出部52bで放熱することができる。
【0057】
また、下面42cには、複数の第1の凹部42iが設けられている。第1のヒートパイプ52は、複数の第1の凹部42iに入れられた複数の延出部52bを有する。
【0058】
このような構成によれば、第1のヒートパイプ52が複数の延出部52bを有するので、より一層、電子機器1の放熱性の向上を図ることできる。
【0059】
また、電子機器1は、第1の筐体11にネジ36(固定具)によって固定されたタッチパッド35(固定部品)を備える。電池ケース42は、下面42c(第1の外面)の反対側の上面42d(第2の外面)を有する。上面42dには、ネジ36(固定具)が入れられた第2の凹部42jが設けられている。
【0060】
このような構成によれば、ネジ36が第2の凹部42jに入れられているので、ネジ36の全体が第2の凹部42jに入れられずに電池ケース42と重ねられている構成に比べて、より一層、電子機器1の薄型化を図ることができる。
【0061】
また、電子機器1は、第1の凹部42iに入れられ、電池ケース42を第1の筐体11の固定したネジ44(固定具)を備える。
【0062】
このような構成によれば、ネジ44が第1の凹部42iに入れられているので、ネジ44の全体が第1の凹部42iに入れられずに電池ケース42と重ねられている構成に比べて、より一層、電子機器1の薄型化を図ることができる。また、上記構成によれば、電池ケース42の外形寸法を小さくすることができる。
【0063】
また、複数のネジ44が電池ケース42と接触して電池ケース42を固定している。
【0064】
このような構成によれば、電池ケース42の強度を向上させることができる。
【0065】
<第2の実施形態>
図8は、第2の実施形態の電子機器1におけるベース部2の例示的な底面図であって、ロアカバー13が外された状態の図である。
【0066】
図8に示されるように、本実施形態では、第1のヒートパイプ52の構成が第1の実施形態と異なる。以下では、第1の実施に対する本実施形態の相違点を主に説明する。
【0067】
本実施形態の第1のヒートパイプ52は、無端状に形成されている。別の言い方をすると、第1のヒートパイプ52は、環状に形成されている。詳細には、第1のヒートパイプ52は、基部52aおよび二つの延出部52bの他に、接続部52cを有する。接続部52cは、二つの接続部52cにおける基部52aとは反対側の端部を接続している。接続部52cは、電池ケース42に対して+X方向側に位置し、電池ケース42とX方向に間隔をあけて並んでいる。接続部52cは、電池ケース42に対して+X方向側に位置し、電池ケース42とX方向に間隔をあけて並んでいる。接続部52cは、第1の筐体11の下壁11cの内面に接触している。
【0068】
放熱部51では、第1のヒートパイプ52の基部52aがCPU33で発生した熱を基板3を介して受熱する。基部52aが受熱した熱は、基部52aから二つの延出部52bに伝わる。延出部52bに伝わった熱の一部は、延出部52bから第1の筐体11の下壁11cに伝わり、下壁11cから第1の筐体11(電子機器1)の外部に放熱される。また、延出部52bに伝わった熱の一部は、延出部52bから接続部52cに伝わり、接続部52cから下壁11cを介して第1の筐体11(電子機器1)の外部に放熱される。これにより、CPU33が冷却される。
【0069】
以上のように、本実施形態の電子機器1では、下面42cには、二つの第1の凹部42iが設けられている。また、第1のヒートパイプ52は、二つの第1の凹部42iに入れられた二つの延出部52bを有し、無端状に形成されている。
【0070】
このような構成によれば、第1のヒートパイプ52が、二つの第1の凹部42iに入れられた二つの延出部52bを有し、無端状に形成されているので、より一層、電子機器1の放熱性の向上を図ることができる。また、上記構成によれば、第1の筐体11内の広い範囲に熱を拡散することができる。よって、電池43の熱分布が均一になりやすく、電池43の長寿命化を図ることができる。
【0071】
<第3の実施形態>
図9は、第3の実施形態の電子機器1におけるベース部2の例示的な底面図であって、ロアカバー13が外された状態の図である。
【0072】
図9に示されるように、本実施形態では、放熱部51が、二つの第1のヒートパイプ52と、第2のヒートパイプ52Aと、を備える点が第1の実施形態と異なる。以下では、第1の実施に対する本実施形態の相違点を主に説明する。
【0073】
二つの第1のヒートパイプ52は、それぞれ、第2の実施形態と同様であり、基部52aと、二つの延出部52bと、接続部52cと、を有し、無端状に形成されている。二つの第1のヒートパイプ52は、Y方向に互いに間隔をあけて設けられている。各第1のヒートパイプ52の二つの延出部52bのうちの一方は、電池ケース42の二つの第1の凹部42iのうちの一つに入れられている。各第1のヒートパイプ52の二つの延出部52bのうちの他方は、電池ケース42に対してX方向での外側に位置し、電池ケース42とX方向に間隔をあけて並んでいる。
【0074】
第2のヒートパイプ52Aは、複数の第1のヒートパイプ52の基部52aを熱的に接続するとともに、CPU33と基部52aとを熱的に接続している。詳細には、第2のヒートパイプ52Aは、基部52dと、二つの接続部52eと、を有する。基部52dは、基板3の下面3aに接触した状態で基板3に固定されている。二つの接続部52eは、基部52dの両端部からY方向に沿って延びている。二つの接続部52eは、二つの第1のヒートパイプ52の基部52aに接続されている。
【0075】
放熱部51では、第2のヒートパイプ52Aの基部52dがCPU33で発生した熱を基板3を介して受熱する。基部52dが受熱した熱は、基部52aから二つの接続部52eを介して、二つの第1のヒートパイプ52の基部52aに伝わる。第1のヒートパイプ52の基部52aに伝わった熱は、延出部52bに伝わる。延出部52bに伝わった熱の一部は、延出部52bから第1の筐体11の下壁11cに伝わり、下壁11cから第1の筐体11(電子機器1)の外部に放熱される。また、延出部52bに伝わった熱の一部は、延出部52bから接続部52cに伝わり、接続部52cから下壁11cを介して第1の筐体11(電子機器1)の外部に放熱される。これにより、CPU33が冷却される。
【0076】
以上のように、本実施形態の電子機器1は、複数の第1のヒートパイプ52と、第2のヒートパイプ52Aと、を備える。第2のヒートパイプ52Aは、複数の第1のヒートパイプ52の基部52a(第1の部分)を熱的に接続するとともに、CPU33(発熱部品)と基部52a(第1の部分)とを熱的に接続している。下面42c(第1の外面)には、複数の第1の凹部42iが設けられている。第1のヒートパイプ52は、第1の凹部42iに入れられた延出部52b(第2の部分)を有し、無端状に形成されている。
【0077】
このような構成によれば、電子機器1が、複数の第1のヒートパイプ52と、第2のヒートパイプ52Aと、を備えるので、より一層、電子機器1の放熱性の向上を図ることができる。
【0078】
<第4の実施形態>
図10は、第4の実施形態の電子機器1におけるベース部2の例示的な底面図であって、ロアカバー13が外された状態の図である。
【0079】
図10に示されるように、本実施形態では、第1のヒートパイプ52の構成が第1の実施形態と異なる。以下では、第1の実施に対する本実施形態の相違点を主に説明する。
【0080】
本実施形態の第1のヒートパイプ52の二つの延出部52bは、電池ケース42に対してX方向での外側に位置し、電池ケース42とX方向に間隔をあけて並んでいる。二つの延出部52bの間に電池ケース42が配置されている。
【0081】
放熱部51では、第1のヒートパイプ52の基部52aがCPU33で発生した熱を基板3を介して受熱する。基部52aが受熱した熱は、基部52aから二つの延出部52bに伝わる。延出部52bに伝わった熱は、延出部52bから第1の筐体11の下壁11cに伝わり、下壁11cから第1の筐体11(電子機器1)の外部に放熱される。これにより、CPU33が冷却される。
【0082】
以上のように、本実施形態では、第1のヒートパイプ52の延出部52bが、電池ケース42に対してX方向での外側に位置し、電池ケース42とX方向に間隔をあけて並んでいる。
【0083】
このような構成によれば、第1のヒートパイプ52により電子機器1の放熱性の向上を図ることできる。また、上記構成によれば、第1のヒートパイプ52の延出部52bが、電池ケース42に対してX方向での外側に位置し、電池ケース42とX方向に間隔をあけて並んでいるので、第1のヒートパイプ52が第1の凹部42iに入れられずに電池ケース42と重ねられた構成に比べて、電子機器1の薄型化を図ることができる。
【0084】
<第5の実施形態>
図11は、第5の実施形態の電子機器1におけるベース部2の例示的な底面図であって、ロアカバー13が外された状態の図である。
【0085】
図11に示されるように、本実施形態では、第1のヒートパイプ52の構成が第1の実施形態と異なる。以下では、第1の実施に対する本実施形態の相違点を主に説明する。
【0086】
第1のヒートパイプ52は、第2の実施形態と同様であり、基部52aと、二つの延出部52bと、接続部52cと、を有し、無端状に形成されている。第1のヒートパイプ52の二つの延出部52bは、電池ケース42に対してX方向での外側に位置し、電池ケース42とX方向に間隔をあけて並んでいる。接続部52cは、電池ケース42に対して+X方向側に位置し、電池ケース42とX方向に間隔をあけて並んでいる。接続部52cは、第1の筐体11の下壁11cの内面に接触している。
【0087】
放熱部51では、第1のヒートパイプ52の基部52aがCPU33で発生した熱を基板3を介して受熱する。基部52aが受熱した熱は、基部52aから二つの延出部52bに伝わる。延出部52bに伝わった熱の一部は、延出部52bから第1の筐体11の下壁11cに伝わり、下壁11cから第1の筐体11(電子機器1)の外部に放熱される。また、延出部52bに伝わった熱の一部は、延出部52bから接続部52cに伝わり、接続部52cから下壁11cを介して第1の筐体11(電子機器1)の外部に放熱される。これにより、CPU33が冷却される。
【0088】
以上のように、本実施形態では、第1のヒートパイプ52の延出部52bが、電池ケース42に対してX方向での外側に位置し、電池ケース42とX方向に間隔をあけて並んでいる。第1のヒートパイプ52は、無端状に形成されている。
【0089】
このような構成によれば、第1のヒートパイプ52により電子機器1の放熱性の向上を図ることできる。また、上記構成によれば、第1のヒートパイプ52の延出部52bが、電池ケース42に対してX方向での外側に位置し、電池ケース42とX方向に間隔をあけて並んでいるので、第1のヒートパイプ52が第1の凹部42iに入れられずに電池ケース42と重ねられた構成に比べて、電子機器1の薄型化を図ることができる。また、上記構成によれば、第1のヒートパイプ52が、無端状に形成されているので、より一層、電子機器1の放熱性の向上を図ることができる。また、上記構成によれば、第1の筐体11内の広い範囲に熱を拡散することができる。よって、電池43の熱分布が均一になりやすく、電池43の長寿命化を図ることができる。
【0090】
<他の実施形態>
なお、上記各実施形態では、発熱部品としてCPU33の例が示されたが、これに限定されない。発熱部品は、CPU33以外の電子部品であってもよい。また、上記各実施形態では、固定部品としてタッチパッド35の例が示されたが、これに限定されない。固定部品としては、タッチパッド35以外の部品であってもよい。
【0091】
以上、本発明の実施形態が例示されたが、上記実施形態は一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、等のスペック(構造や、種類、方向、形式、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0092】
1…電子機器
11…第1の筐体(筐体)
33…CPU(発熱部品)
35…タッチパッド(固定部品)
36…ネジ(固定具)
42…電池ケース
42c…下面(第1の外面)
42d…上面(第2の外面)
42i…第1の凹部
42j…第2の凹部
43…電池
44…ネジ(固定具)
52…第1のヒートパイプ
52a…基部(第1の部分)
52b…延出部
52A…第2のヒートパイプ
【要約】
【課題】電子機器の放熱性の向上および薄型化を図る。
【解決手段】電子機器は、筐体と、第1の凹部が設けられた第1の外面を有し、筐体に収容された電池ケースと、電池ケースに収容された電池と、筐体に収容され、発熱する発熱部品と、発熱部品と熱的に接続されるとともに、第1の凹部に入れられた第1のヒートパイプと、を備える。
【選択図】
図6