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特許7620300建物用多用途部材及びそれを用いた暖房防音遮光部材
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-15
(45)【発行日】2025-01-23
(54)【発明の名称】建物用多用途部材及びそれを用いた暖房防音遮光部材
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/264 20060101AFI20250116BHJP
   E06B 9/36 20060101ALI20250116BHJP
   E06B 9/386 20060101ALI20250116BHJP
   A47H 23/08 20060101ALI20250116BHJP
   F24H 3/00 20220101ALI20250116BHJP
【FI】
E06B9/264 B
E06B9/36 F
E06B9/386
A47H23/08
F24H3/00 B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020141198
(22)【出願日】2020-08-24
(65)【公開番号】P2022036813
(43)【公開日】2022-03-08
【審査請求日】2023-08-24
(73)【特許権者】
【識別番号】599019672
【氏名又は名称】有限会社美鈴
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三輪 勇一
【審査官】柿原 巧弥
(56)【参考文献】
【文献】実開平06-032691(JP,U)
【文献】特開平11-097160(JP,A)
【文献】実開平06-028190(JP,U)
【文献】登録実用新案第3051147(JP,U)
【文献】特開平05-326116(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/264
E06B 9/36
E06B 9/386
A47H 23/08
F24H 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に延びる硬質な薄板によって形成されたパネル部材と、
前記パネル部材の長手方向に沿ってパネル部材の片面に取り付けられた発熱シートと、
前記発熱シートを覆うように前記パネル部材に取り付けられた緩衝材からなる緩衝マットと、
前記緩衝マットを覆うように前記パネル部材に取り付けられたカバーシートと、
前記発熱シートに給電するため、発熱シートに接続された状態で外部電源と接続可能となっている給電端子と、を備え、
前記パネル部材は長手方向に延びる本体部と、本体部の長手方向と交差する幅方向の両端部に折り返しによって設けられた固定用片部とからなり、
前記緩衝マット及び前記カバーシートは両端部が前記固定用片部に嵌め込まれることにより前記パネル部材に取り付けられ、
前記発熱シートは前記本体部の片面と前記緩衝マットとに挟まれて取り付けられていることを特徴とする建物用多用途部材。
【請求項2】
前記固定用片部に幅方向の両端部が嵌め込まれることにより前記本体部に取り付けられる端部ブロックが本体部の長手方向の両端部に設けられていることを特徴とする請求項記載の建物用多用途部材。
【請求項3】
請求項1または2に記載の建物用多用途部材と、
前記カバーシートの頂部に取り付けられる吊り下げ部材と、
前記吊り下げ部材が取り付けられ、建物のカーテンレールに沿ってスライド移動可能なランナーと、
前記カーテンレールの長さ方向に沿って設けた給電レールと、
前記ランナーに設けられ、前記給電端子に接続された状態で前記ランナーのスライド移動と共に前記給電レールに沿ってスライドして前記給電端子と外部電源との電気接続を行う電気接続部材とを備えていることを特徴とする暖房防音遮光部材。
【請求項4】
請求項1または2に記載の建物用多用途部材と、
前記建物用多用途部材が差し入れられる袋部が複数連設された折り畳み可能な外側部材と、を備えていることを特徴とする暖房防音遮光部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーテン、シェード、ブラインド等の建物の内装部材に適用することができ、しかも暖房機能や防音機能、遮光機能を有している建物用多用途部材及びこれを用いた暖房防音遮光部材に関する。
【背景技術】
【0002】
カーテンやシェードは建物内への外光の侵入を遮断したり緩和するために建物のウィンドウや出入り口に設けられるが、これらの内装部材は暖房機能や防音機能を備えていない。
特許文献1には、発泡樹脂によって厚みを有したパネル部材を形成し、このパネル部材の一面を多孔シートで覆い、他面を遮音シートで覆った防音パネルの構造が開示されている。このような防音パネルを窓やドア等の建物の遮音が必要な箇所に並べ、ブラケットやアングル部材を用いて隣接する防音パネルをねじによって結合することにより防音壁を構築する。従って、防音のためには、防音パネルを組み立てる作業が必要となっている。
また、特許文献1記載の防音パネルは室内を暖房する暖房機能を有しておらず、室内の暖房のためには、エアコンやヒーター等を別途、作動させる必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平10-183811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上のように、カーテンやシェードは光の遮断を行うだけであり、室内の暖房を行うことができない。また、特許文献1記載の防音パネルは、組み立て施工が必要となる問題がある。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、カーテンやシェード等の遮光だけでなく、暖房や防音を行うことができ、しかも特別な組み立て施工も不要とした建物用多用途部材及びこれを用いた暖房防音遮光部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の建物用多用途部材は、長手方向に延びる硬質な薄板によって形成されたパネル部材と、前記パネル部材の長手方向に沿ってパネル部材の片面に取り付けられた発熱シートと、前記発熱シートを覆うように前記パネル部材に取り付けられた緩衝材からなる緩衝マットと、前記緩衝マットを覆うように前記パネル部材に取り付けられたカバーシートと、前記発熱シートに給電するため、発熱シートに接続された状態で外部電源と接続可能となっている給電端子と、を備えていることを特徴とする。
【0006】
本発明では、前記パネル部材は長手方向に延びる本体部と、本体部の長手方向と交差する幅方向の両端部に折り返しによって設けられた固定用片部とからなり、前記緩衝マット及び前記カバーシートは両端部が前記固定用片部に嵌め込まれることにより前記パネル部材に取り付けられ、前記発熱シートは前記本体部の片面と前記緩衝マットとに挟まれて取り付けられていることを特徴とする。
また、前記固定用片部に幅方向の両端部が嵌め込まれることにより前記本体部に取り付けられる端部ブロックが本体部の長手方向の両端部に設けられていることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の暖房防音遮光部材は、以上の建物用多用途部材と、前記カバーシートの頂部に取り付けられる吊り下げ部材と、前記吊り下げ部材が取り付けられ、建物のカーテンレールに沿ってスライド移動可能なランナーと、前記カーテンレールの長さ方向に沿って設けた給電レールと、前記ランナーに設けられ、前記給電端子に接続された状態で前記ランナーのスライド移動と共に前記給電レールに沿ってスライドして前記給電端子と外部電源との電気接続を行う電気接続部材とを備えていることを特徴とする。
また、本発明の暖房防音遮光部材は、以上の建物用多用途部材と、前記建物用多用途部材が差し入れられる袋部が複数連設された折り畳み可能な外側部材と、を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、カーテンやシェード等の遮光だけでなく、暖房や防音を行うことができ、しかも特別な組み立て施工も不要とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1実施形態の分解斜視図である。
図2図1におけるA-A線断面図である。
図3図1におけるB-B線断面図である。
図4図1におけるC-C線断面図である。
図5図1におけるD-D線断面図である。
図6】カーテンレールを示す斜視図である。
図7】ランナーを示す斜視図である。
図8】ランナーを示す正面図である。
図9】カーテンレール内のロッドを示す斜視図である。
図10】カーテンとして使用した場合のカーテンが開いた状態を示す正面図である。
図11】カーテンとして使用した場合のカーテンが閉じた状態を示す正面図である。
図12】本発明の第2実施形態の分解斜視図である。
図13】第2実施形態をシェードとした場合の分解正面図である。
図14】シェードの使用状態を示す正面図である。
図15】シェードを折り畳む状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を図示する実施形態により具体的に説明する。
【0011】
図1図12は、本発明の第1実施形態の建物用多用途部材(以下、多用途部材)1を示す。この多用途部材1は、例えば、暖房防音遮光機能を有したカーテンとして使用することができる構造となっている。多用途部材1は、図1図5に示すように、パネル部材2と、端部ブロック3と、緩衝マット4と、カバ-シート5と、発熱シート6と、給電端子7とを備えている。多用途部材1は一方向に延びた長尺形状となっており、長尺に延びた方向を長手方向L、長手方向と交差した方向を幅方向Mとして説明する。
【0012】
パネル部材2は全体がアルミニウム等の軽金属やプラスチック等の軽量で硬質な材料からなる薄板によって形成されている。パネル部材2は長手方向Lに延びた本体部2aと、本体部2aの幅方向Mの両端部に設けられた2片の固定用片部2bとを有している。本体部2aの全体は波状に湾曲させた板状となっている。本体部2aが板状となっていることにより、遮音性が付与されて防音機能を有したものとなる。
【0013】
固定用片部2bは本体部2aの幅方向Mの両端部を立ち上げ、その立ち上げ端部を折り返して屈曲させることにより本体部2aの片面の両端部に形成されている。固定用片部2bは小幅寸法となっており、本体部2aの両端部の固定用片部2bは離隔された状態となっている。固定用片部2bは端部ブロック3、緩衝マット4、カバーシート5をパネル部材2に固定するための部材である。この場合、発熱シート6は本体部2aの片面と緩衝マット4とに挟まれることにより取り付けられる。
【0014】
2つの端部ブロック3のぞれぞれは、パネル部材2の長手方向Lの両端部に設けられている。2つの端部ブロック3はパネル部材2の本体部2aの幅方向Mの長さ寸法と略同じ長さに形成された矩形ブロック状に形成されている。2つの端部ブロック3は本体部2aの幅方向Mに沿って延びている。又、端部ブロック3はパネル部材2の固定用片部2bの高さと同等となる厚さに形成されている。端部ブロック3は幅方向Mの両端部を固定用片部2bに嵌め込むことによってパネル部材2の長手方向Lの両端部に固定される。端部ブロック3としては、発泡樹脂、ゴム等の可撓材が使用されており、撓ませることができるため固定用片部2bへの嵌め込みが容易となっている。
この実施形態において、端部ブロック3は省略しても良く、これにより構成部品を少なくすることができ多用途部材1の組み立てを簡単に行うことができる。
【0015】
緩衝マット4はパネル部材2の長手方向Lに沿って延びており、2つの端部ブロック3の間に挟まれるように設けられる。従って、緩衝マット4は2つの端部ブロック3の間の空間内に配置される。緩衝マット4と2つの端部ブロック3とを合わせた長さはパネル部材2の本体部2aの長さと同じとなる。緩衝マット4は端部ブロック3と同様にパネル部材2の固定用片部2bの高さと同等な厚さのブロック状に形成されており、幅方向Mの両端部が固定用片部2bに嵌め込まれることによりパネル部材2に固定される。緩衝マット4は不織布、綿材、発泡樹脂等の緩衝材が使用される。このような緩衝材を用いることにより、多用途部材1の全体が吸音機能、断熱機能、保温機能を有したものとなる。
【0016】
カバーシート5は、パネル部材2よりも幾分、上側に延びた長さとなっている。カバーシート5は端部ブロック3及び緩衝マット4を覆うようにパネル部材2の片面に張設される。これによりパネル部材2から端部ブロック3、緩衝マット4が露出して見えることを防止する。カバーシート5としては、カーテン地等の布材、柔軟な薄いプラスチックシートを用いるものであり、カーテン地を用いることにより、室内への装飾性を付与することができる。
【0017】
カバーシート5においては、パネル部材2よりも上側に延びた余剰部5aは後述する吊り下げ部材10に係止されるものである。また、カバーシート5の長手方向Lの上下側の端部は面ファスナー8によって端部ブロック3に貼り付けられ(図5参照)、これによりカバーシート5に弛みや皺が発生することを防止してカバーシート5の見栄えを向上させることができる。
【0018】
発熱シート6は、帯状に形成されて隣接する2つの発熱体6a、6bを有している。2つの発熱体6a、6bは上下の端部ブロック3の間に位置した状態でパネル部材2の本体部2aの片面に取り付けられる。発熱体6a、6bのパネル部材2への取り付けは、緩衝マット4の両端部を固定用片部2bに嵌め込んで緩衝マット4をパネル部材2の片面に固定して緩衝マット4とパネル部材2とで挟むことにより簡単に行うことができる。この実施形態では、発熱シート6を可撓性の樹脂シート(図示省略)で挟み込み、樹脂シートの幅方向Mの両端をパネル部材2の固定用片部2bに嵌め込んでパネル部材2に取り付けても良い。
【0019】
2つの発熱体6a、6bはパネル部材2の本体部2aの長手方向Lに沿って延び、長手方向の一側に給電電極6c、6dが形成されている。発熱体6a、6bにおける長手方向の他側(給電電極6c、6dの反対側)は接続電極6eによって発熱体6a、6bの相互接続がなされている。発熱体6a、6bには、給電端子7が接続されている。給電端子7はパネル部材2の外側に引き出されて外部電源との接続が行われる。
【0020】
このように発熱シート6を内部に設けた多用途部材1は、給電端子7を外部電源と接続することにより発熱シート6が発熱するため、多用途部材1の使用中に多用途部材1が温かくなる。このため、多用途部材1の使用環境の周辺を温かくする暖房機能を有することができる。
【0021】
以上の多用途部材1では、硬質なパネル部材2が遮音を行うため防音機能を有し、緩衝マット4が吸音、断熱と行うため吸音機能、断熱機能を有し、発熱シート6が温かくなるため暖房機能を有する。これにより、多用途部材1は暖房防音遮光部材として機能することができる。例えば、多用途部材1をカーテン等のように室内に吊り下げることにより、遮光、暖房や防音を行うことができる。しかもこれらの機能を有した構造物の組み立ての施工も不要となる。
【0022】
次に、この実施形態をカーテンとして使用する場合を図6図11を参照して説明する。
図1及び図2に示すように、カバーシート5の余剰部5aは吊り下げ部材10に係止される。吊り下げ部材10は吊り下げバー10aを有しており、この吊り下げバー10aが袋状となっているカバーシートの余剰部5aに挿入されることによりカバーシート5が吊り下げ部材10に取り付けられ、これにより多用途部材1の全体が吊り下げ部材10に吊り下げられる。吊り下げ部材10の中央部分には、フック受け部10bとなっており、フック受け部10b及び後述するランナー15を介して多用途部材1の全体がカーテンレー-ル12に吊り下げられる(図6図8参照)。
以上の吊り下げ部材10としては、特開2008-38372号公報に記載の構造を使用することができる。
【0023】
カーテンとして使用する場合、図6に示すカーテンレール12と、図7図8に示すランナー15、給電レール16、電気接続部材17とが用いられる。
【0024】
ランナー15は矩形箱状のランナー部18と、左右方向に延びてランナー部18を支持する支持バー19とを有している。ランナー部18はカーテンレール12の内部に配置され、カーテンレール12内を移動する。これによりランナー15の全体がカーテンレール12に沿って移動する。
【0025】
ランナー部18には、スライド用孔20及びフック回動用孔21が貫通状に形成されている。左右の支持バー19には、電気接続部材17がそれぞれ形成される。それぞれの電気接続部材17はボタン状の接触子22と、接触子22に接続されている接続コード23とを有している。接続コード23には多用途部材1に設けた給電端子7が接続される。また、支持バー19の長さ方向の中央部分には、フック13が垂下している。フック13は吊り下げ部材10のフック受け部10bが係止されるものである。
【0026】
給電レール16はカーテンレール12の両側でカーテンレール12と同様に延びた状態で設けられている。両側の給電レール16はランナー15に設けられている両側の接触子22が接触し、この接触状態で接触子22がスライドする。これにより接続コード23及び給電端子7を介して多用途部材1の発熱シート6に電力が供給され、発熱シート6が発熱する。なお、発熱シート6に対しては、同シート6への給電のON・OFFを行うスイッチ(図示省略)や給電電力を調整するコントローラ(図示省略)を設けることができる。
【0027】
図9に示すように、カーテンレール12の内部には、スライド用ロッド26と、フック回動用ロッド27とが平行状態で設けられており、スライド用ロッド26がランナー15のスライド用孔20に係合状態で貫通し、フック回動用ロッド27がランナー15のフック回動用孔21に係合状態で貫通している。そしてスライド操作ロープ28を操作するとスライド用ロッド26が回転してランナー15がカーテンレール12に沿って左右方向にスライドする。一方、回動操作ロープ29を正逆方向に操作すると、フック13が回動する。この回動によって多用途部材1が正逆方向に回動する。図10及び図11は、回動操作ロープ29への操作によってカーテンとしての多用途部材1の変化を示しており、図10のようにカーテンが開いた状態と図11のようにカーテンが閉じた状態とに変化させることができる。
【0028】
図12図15は本発明の第2実施形態を示す。この実施形態は多用途部材1Aをシェードに適用する形態である。
【0029】
多用途部材1Aは多用途部材2が平板状となった形態であり、その他の構造は第1実施形態と同様である。多用途部材1Aにおいては、パネル部材2の本体部2aが平板状となっており、このパネル部材2に2つの端部ブロック3、緩衝マット4が取り付けられ、パネル部材2の片面をカバーシート5が覆っている。また、発熱シート6がパネル部材2の本体部2aの片面と緩衝マット4とに挟まれて固定されている。発熱シート6における給電電極6gは発熱シート6の長手方向Lの両端部に形成され、それぞれの給電電極6gに給電端子7が接続されている。
カバーシート5はカーテン地等の布材や薄い柔軟なプラスチックシート等が使用されており、長さ方向Lの両端部が端部ブロック3に貼り付けられた面ファスナー8に係止され、幅方向Mの両端部が緩衝マット4とパネル部材2の固定用片部2bとの間に差し込まれる。
【0030】
図13は以上の多用途部材1Aを取り付けてシュード32を作製するための外側部材33を示す。外側部材33では、カーテン地等の布材に袋部34を上下方向に複数段形成する。袋部34の間は布材の連設部35となっている。連設部35はシリコンゴム等の可撓材料によって形成されており、これにより連設部35が屈曲可能となっている。袋部34の一端は開口されており、開口部分から多用途部材1Aを差し入れて開口部分を閉じる。これにより上下方向に多用途部材1Aが配置されたシェード32が形成される。
【0031】
図14及び図15はシェード32の使用状態を示す。立設している2つの支柱38には、外部電源に接続された接続端子39が上下方向に複数設けられている。多用途部材1Aの給電端子7は対応した接続端子39に接続される。これにより多用途部材1A内の発熱シート6が発熱するため、暖房機能を有したものとなる。
【0032】
外側部材33には、引き操作が可能な操作コード36が所定間隔で取り付けられている。このシェード32は外側部材33に多用途部材1Aが上下方向に沿って配置されているため、暖房効果、防音効果及び遮光効果を有したものとなる。しかも多用途部材1Aを外側部材33の袋部35に差し入れるだけでシェード32を作製できるため、組み付けが簡単となる。そして、操作コード36を引いて短尺させることにより外側部材33を折り畳み(図15)、操作コード36を引き出すことによりシェード32を展開できるため(図14)、シェード32の開閉操作が容易となる。
【0033】
この実施形態では、上下の袋体34内に多用途部材1Aを差し入れるだけでシェードを作製できるため、作製が容易となる。シェード32では複数の多用途部材1Aが上下方向に複数並べられており、並んでいる多用途部材1Aのパネル部材2の本体部2aが防音作用及び遮光作用を発揮するため防音遮光部材として用いることができる。しかも、多用途部材1Aの発熱シート6が発熱するため、周囲を暖房することができる。また、外側部材33がカーテン地等の布材によって形成されることにより、室内側に柔らかな感触を醸し出すことができ、美感を向上させることができる。
【0034】
本発明は、以上の実施形態に限定されることなく、種々変形が可能である。例えば、シェード32の場合、最上部や中間部の袋部34に蛍光灯、LED等の発光体を挿入し、外部電源と接続することにより発光体を発光させる。これにより照明機能を有したシェードとすることができる。また、外側部材33の袋部34を垂直方向とし、それぞれの袋部34内に多用途部材1Aを差し込み、外側部材33の全体をカーテンレールに吊り下げても良く、これにより多用途部材1Aをカーテンとして使用することができる。さらに、自立する一対の脚体に多用途部材1、1Aをかけ渡して室内に立設させることにより、屏風や間仕切りとして使用することもできる。
【符号の説明】
【0035】
1 1A 多用途部材
2 パネル部材
2a 本体部
2b 固定用片部
3 端部ブロック
4 緩衝マット
5 カバーシート
6 発熱シート
7 給電端子
10 吊り下げ部材
12 カーテンレール
15 ランナー
16 給電レール
17 電気接続部材
33 外側部材
34 袋部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15