IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ゼロボードの特許一覧

特許7620347情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
<>
  • 特許-情報処理システム、情報処理方法及びプログラム 図1
  • 特許-情報処理システム、情報処理方法及びプログラム 図2
  • 特許-情報処理システム、情報処理方法及びプログラム 図3
  • 特許-情報処理システム、情報処理方法及びプログラム 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-15
(45)【発行日】2025-01-23
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/26 20240101AFI20250116BHJP
【FI】
G06Q50/26
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023186457
(22)【出願日】2023-10-31
【審査請求日】2024-09-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521425652
【氏名又は名称】株式会社ゼロボード
(72)【発明者】
【氏名】本間 真
【審査官】田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-121111(JP,A)
【文献】特許第7132580(JP,B1)
【文献】特許第7315191(JP,B1)
【文献】特開2023-104742(JP,A)
【文献】特許第7178064(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
温室効果ガスの排出に係る活動ごとの活動量を記憶する活動量記憶部と、
前記活動ごとに前記温室効果ガスの排出量を計算するための排出係数の集計主体及びバージョンに対応付けて前記排出係数を記憶する排出係数記憶部と、
報告書を作成するユーザから、前記報告書に含まれる項目、当該項目に係る前記排出量を計算するために必要な前記活動前記排出係数の前記集計主体及び前記バージョンの指定を受け付ける受付部と、
前記活動量記憶部及び前記排出係数記憶部を参照して、
指定された前記項目ごとに、指定された前記活動に対応する前記活動量に、指定された前記活動、指定された前記集計主体及び指定された前記バージョンに対応する前記排出係数を乗じた値を集計して排出量を計算する排出量計算部と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記受付部は、前記ユーザから、前記項目に係る前記排出量を計算するためのロジックの入力を受け付け、
前記排出量計算部は、前記項目ごとに、前記ロジックにしたがって前記排出量を計算すること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理システムであって、
前記ロジックは、特定の1つ以上の前記活動に対応する前記活動量に基づいて、前記排出係数に乗じるための前記活動量を計算するロジックが含まれること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項4】
温室効果ガスの排出に係る活動ごとの活動量を記憶するステップと、
前記活動ごとに前記温室効果ガスの排出量を計算するための排出係数の集計主体及びバージョンに対応付けて前記排出係数を記憶するステップと、
報告書を作成するユーザから、前記報告書に含まれる項目、当該項目に係る前記排出量を計算するために必要な前記活動前記排出係数の前記集計主体及び前記バージョンの指定を受け付けるステップと、
指定された前記項目ごとに、指定された前記活動に対応する前記活動量に、指定された前記活動、指定された前記集計主体及び指定された前記バージョンに対応する前記排出係数を乗じた値を集計して排出量を計算するステップと、
をコンピュータが実行することを特徴とする情報処理方法。
【請求項5】
温室効果ガスの排出に係る活動ごとの活動量を記憶するステップと、
前記活動ごとに前記温室効果ガスの排出量を計算するための排出係数の集計主体及びバージョンに対応付けて前記排出係数を記憶するステップと、
報告書を作成するユーザから、前記報告書に含まれる項目、当該項目に係る前記排出量を計算するために必要な前記活動前記排出係数の前記集計主体及び前記バージョンの指定を受け付けるステップと、
指定された前記項目ごとに、指定された前記活動に対応する前記活動量に、指定された前記活動、指定された前記集計主体及び指定された前記バージョンに対応する前記排出係数を乗じた値を集計して排出量を計算するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
二酸化炭素等の排出量が算定されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-164754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のシステムでは既存のテンプレートに沿わない報告書を作成することは困難であった。
【0005】
本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、柔軟な報告書を作成することのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、情報処理システムであって、温室効果ガスの排出に係る活動ごとの活動量を記憶する活動量記憶部と、前記温室効果ガスの排出量を計算するための排出係数を記憶する排出係数記憶部と、報告書を作成するユーザから、前記報告書に含まれる項目、当該項目に係る前記排出量を計算するために必要な前記活動及び前記排出係数の指定を受け付ける受付部と、前記活動量記憶部及び前記排出係数記憶部を参照して、指定された前記項目ごとに、指定された前記活動に対応する前記活動量に、指定された前記排出係数を乗じた値を集計して排出量を計算する排出量計算部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、柔軟な報告書を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】情報処理システムの全体構成例を示す図である。
図2】管理サーバ2のハードウェア構成例を示す図である。
図3】管理サーバ2のソフトウェア構成例を示す図である。
図4】管理サーバ2の動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<システムの概要>
以下、本発明の一実施形態に係る情報処理システムについて説明する。温室効果ガスに関する報告書は、報告先によって必要な項目が異なることがある。また、報告書によって、同じ活動量であっても計算対象としての採用可否が異なることもある。また、報告先によって、使用すべき排出係数が異なることもある。本実施形態の情報処理システムでは、報告書を作成するユーザが、どの活動量をどの排出係数を用いてどのように集計することで報告書の報告項目を計算するのかを外部から指定できるようにすることで、報告書の作成ユーザが所望の報告書を柔軟に作成することができるようにしている。なお、報告書は、温室効果ガスに関する報告書であればよく、温室効果ガスの活動量、排出係数(原単位)、及び排出量の少なくともいずれかに関する情報を含む。本実施形態では、報告書は、電子ファイルとして作成されることを想定する。報告書は、例えば、PDF、XML、HTML、ワードプロセッサなどの形式で作成されうる。報告書は、省エネ法、温対法、フロン法などの法律に規定される報告書であってもよいし、事業者が独自に作成する資料であってもよい。
【0011】
図1は、情報処理システムの全体構成例を示す図である。本実施形態の情報処理システムは、管理サーバ2を含んで構成される。管理サーバ2は、ユーザ端末1と通信ネットワーク3を介して通信可能に接続される。通信ネットワーク3は、たとえばインターネットであり、公衆電話回線網や携帯電話回線網、無線通信路、イーサネット(登録商標)などにより構築される。
【0012】
ユーザ端末1は、ユーザが操作するコンピュータである。ユーザ端末1は、例えば、スマートフォン、タブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータなどとすることができる。
【0013】
管理サーバ2は、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、あるいはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。
【0014】
<管理サーバ>
図2は、管理サーバ2のハードウェア構成例を示す図である。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。管理サーバ2は、CPU201、メモリ202、記憶装置203、通信インタフェース204、入力装置205、出力装置206を備える。記憶装置203は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信インタフェース204は、通信ネットワーク3に接続するためのインタフェースであり、例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどである。入力装置205は、データを入力する、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどである。出力装置206は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。なお、後述する管理サーバ装置2の各機能部はCPU201が記憶装置203に記憶されているプログラムをメモリ202に読み出して実行することにより実現され、管理サーバ2の各記憶部はメモリ202及び記憶装置203が提供する記憶領域の一部として実現される。
【0015】
図3は、管理サーバ2のソフトウェア構成例を示す図である。管理サーバ2は、活動量記憶部231と、排出係数記憶部232と、ロジック記憶部233と、受付部211と、排出量計算部212と、報告書作成部213と、を備える。
【0016】
<記憶部>
活動量記憶部231は、温室効果ガスの排出に係る活動に関連する活動量を含む情報(以下、活動量情報という。)を記憶する。活動量情報は、活動ID、活動名、時間情報、活動量、単位を含みうる。活動IDは、活動量情報を一意に特定する情報である。時間情報は、活動が行われた時間を示す情報(排出量を集計する期間を特定する情報)であり、例えば、日付や日時である。活動名は、活動の名称である。活動名は、活動量の種類を表すことができる。活動量は、活動の量や回数(例えば、製造物の数、輸送距離、使用時間など)である。単位は、活動量の単位(例えば、個、km、時間、円等)である。
【0017】
排出係数記憶部232は、温室効果ガスの排出量を計算するための排出係数を含む情報(以下、排出係数情報という。)を記憶する。排出係数情報は、排出係数ID、係数グループID、活動特定情報、ガス種別、排出係数、単位を含みうる。排出係数IDは、排出係数情報を一意に識別するための情報である。係数グループIDは、排出係数が所属するグループを特定するための情報である。排出係数のグループとは、例えば、排出係数が一次データである場合には、排出係数を計算した企業を特定する情報であり、排出係数が二次データである場合には、集計を行った主体やバージョンなど(例えば、環境省が策定した排出係数の2023年度バージョンなど)を示す情報とすることができる。活動特定情報は、排出係数が関連する活動を特定するための情報である。活動特定情報は、活動量情報の活動IDとしてもよいし、活動名としてもよい。ガス種別は、計算される温室効果ガスの種類(例えば、CO2、CH4、N2Oなど)である。本実施形態では、CO2を想定する。単位は、排出係数の単位(例えば、tCO/kgなど)である。
【0018】
ロジック記憶部233は、排出量を計算するロジックを含む情報(以下、ロジック情報という。)を記憶する。ロジック情報は、ロジックID、報告書の項目及びロジックを含みうる。ロジックには、1つ以上の活動に対応する活動量に基づいて、排出係数に乗じるための活動量(以下、計算活動量という。)を計算するロジックが含まれうる。例えば、活動のうち、活動名に特定の文字列が含まれているものを除外した活動量を合計して、特定の項目についての排出量の計算(排出係数と乗じる)に用いる計算活動量として算出するロジックとすることができる。例えば、特定の項目について活動量に所定の割合を乗じて、計算活動量を求めるロジックとすることができる。例えば、ガソリン代のうち6割を下流の輸送の項目に用い、4割を上流の輸送の項目に用いるようなロジックを設定することができる。
【0019】
<機能部>
受付部211は、報告書を作成するユーザから、報告書に含まれる項目、当該項目に係る排出量を計算するために必要な活動及び排出係数の指定を受け付ける。活動の指定は、活動特定情報により行うことができる。排出係数の指定は、活動特定情報及び係数グループIDにより行うことができる。
【0020】
受付部211は、受け付けた活動特定情報(第1の活動特定情報)に一致する、活動量情報に含まれる活動特定情報(第2の活動特定情報)を活動量記憶部231から検索できない場合、受け付けた第1の活動特定情報と、第2の活動特定情報との同定処理を行うことができる。同定処理は、例えば、第1及び第2の活動特定情報の類似度が所定値以上であるものを検索することにより行うことができる。また、同定処理は、機械学習により行うようにしてもよい。例えば、2つの活動特定情報及びこれらが対応するか否かを示す情報をトレーニングデータとした機械学習により学習モデルを作成しておき、受付部211は、受け付けた第1の活動特定情報を当該学習モデルに適用することで、対応する第2の活動特定情報を推定することができる。
【0021】
受付部211は、受け付けた活動特定情報(第1の活動特定情報)に一致する、排出係数情報に含まれる活動特定情報(第3の活動特定情報)を排出係数記憶部232から検索できない場合、受け付けた第1の活動特定情報と、第3の活動特定情報との同定処理を行うことができる。同定処理は、上記活動量情報と同様に行うことができる。例えば、第1及び第3の活動特定情報の類似度が所定値以上であるものを検索するようにしてもよいし、受け付けた第1の活動特定情報を上述した学習モデルに適用することで、対応する第3の活動特定情報を推定するようにしてもよい。
【0022】
排出量計算部212は、温室効果ガスの排出量を計算する。排出量計算部212は、指定された報告書の項目ごとに、指定された活動に対応する活動量を活動量記憶部231から読み出し、指定された排出係数を排出係数記憶部232から読み出し、読み出した活動量と読み出した排出係数とを乗じて排出量を計算し、計算した排出量を集計して、項目ごとの排出量を計算する。
【0023】
報告書作成部213は、報告書のデータを作成する。報告書作成部213は、報告書に含まれる各項目(受付部211が受け付けた項目)について、排出量計算部212が計算した項目ごとの排出量を記入した報告書データを作成することができる。報告書データは、例えば、PDFファイルやワードプロセッサファイル、HTMLファイルなど任意の形式のデータとすることができる。報告書の形式についても、受付部211がユーザから受け付けるようにし、報告書作成部213は、受け付けた形式で報告書データを作成することができる。報告書作成部213は、作成した報告書データをユーザ端末1に提供する。
【0024】
受付部211は、項目に係る排出量を計算するためのロジックの入力をユーザから受け付けることができる。ロジックは、項目ごとに受け付けることができる。ロジックには、項目に係る排出量を計算するために必要な活動を特定する情報を含めることができる。ロジックには、複数の活動に係る活動量に基づいて排出量の計算を行うようにすることもできる。ロジックには、当該活動に係る活動量に基づいて、計算に用いる活動量を算出するための情報を含めることができる。例えば、特定の活動に係る活動量に対して、当該項目のために所定の割合を乗じして排出量の計算に用いるようにすることができる。例えば、輸送費の活動量について、一定割合は上流の輸送に、残余は下流の輸送に按分するような場合に、上流の輸送の項目に係る排出量の計算には、活動量に当該一定割合を乗じるようなロジックを設定することができる。排出量計算部212は、項目ごとに、ロジックにしたがって排出量を計算することができる。
【0025】
<動作>
図4は、管理サーバ2の動作を説明する図である。
【0026】
管理サーバ2は、報告書の作成を希望するユーザから、報告書の項目と、項目ごとのロジックの指定を受け付ける(S301)。ロジックの指定は、活動の指定と、排出係数の指定を含む。また、時間情報(月や年など任意の期間)の指定を含めることもできる。
【0027】
管理サーバ2は、項目ごとに、ロジックにしたがって排出量を計算する(S302)。ロジックで活動の指定と排出係数の指定のみが行われた場合には、指定された活動に対応する活動量を活動量記憶部231から読み出し、指定された排出係数を排出係数記憶部232から読み出し、読み出した活動量及び排出係数を乗じて排出量を算出すればよい。
【0028】
活動の指定は、活動IDにより行っても良いし、活動名により行っても良い。また、指定された活動名に一致する活動量情報が活動量記憶部231に登録されていない場合には、同じ活動を示す2つの名称をトレーニングデータとして機械学習により学習した学習モデルを用いて、指定された活動名に一致する活動量情報を検索することができる。なお、この場合、2つの活動名のみでなく、ユーザの属性(業種や社名、事業の展開地域など)もトレーニングデータに含めて機械学習を行うようにすることができ、ユーザの属性と指定された活動名と活動量情報の活動名とを学習モデルに与えて、同じ活動を示すか否かを判定することができる。
【0029】
排出係数の指定が係数グループIDにより行われた場合には、係数グループID及び活動に対応する排出係数情報を排出係数記憶部232から読み出すことができる。ここでも、指定された活動と、排出係数情報の活動特定情報とが一致しない場合に、上記のような学習モデルを用いて指定された活動と排出係数の活動特定情報とが同一の活動を示すか否かを判定し、同一の活動を示す排出係数情報のうち、係数グループIDが含まれるものを、排出量の計算に用いる排出係数として特定することができる。また、ロジックに時間情報が指定されている場合には、時間情報に対応する(一致又は含まれる)活動量情報に絞り込むことができる。また、ロジックに集計手法が含まれている場合には、当該集計手法に応じて、計算した排出量を集計することができる。集計手法が含まれない場合に、複数の活動量について排出係数を乗じて排出量が計算されたときには、計算された排出量を合計して、報告書に含める排出量とすることができる。
【0030】
管理サーバ2は、計算した排出量を項目ごとに記入した報告書データを作成する(S303)。報告書データは、例えば、HTMLなどにより記述するようにしてもよいし、ワードプロセッサファイルやPDFファイルなどとして作成するようにしてもよい。
【0031】
管理サーバ2は、報告書データを、報告書の作成を希望するユーザのユーザ端末1に送信する(S304)。
【0032】
以上のようにして、本実施形態の情報処理システムによれば、ユーザの所望する形式で、温室効果ガスの報告書を容易に作成することができる。
【0033】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【0034】
<外部ソースからのデータ収集>
例えば、管理サーバ2は、外部データソースから自動的に活動量を取得する活動量取得部を備えるようにしてもよい。活動量取得部は、例えば、販売管理システムや会計システムなどの外部のコンピュータから販売数、仕入数、在庫数、仕訳データなどを活動量として取得することができる。活動量取得部は、例えば、センサやIoTデバイスからの活動量をリアルタイムで収集し活動量記憶部231に格納するようにすることもできる。
【0035】
また、管理サーバ2は、外部データソースから自動的に排出係数を取得する排出係数取得部を備えるようにしてもよい。排出係数取得部は、例えば、事業者から当該事業者が計算した排出係数(一次データ)を当該事業者のコンピュータから取得することができる。排出係数取得部は、例えば、排出係数の二次データを提供している事業体や自治体、国などのコンピュータ(例えばAPI等)から排出係数(二次データ)を取得することができる。排出係数取得部は、定期的に排出係数を取得して排出係数記憶部232を更新するようにしてもよい。
【0036】
<AI予測>
また、管理サーバ2は、過去のデータに基づいて、未来の活動量、排出係数及び/又は排出量を機械学習を用いて予測することができる。管理サーバ2は、例えば、過去の活動量、排出係数、及び/又は排出量をトレーニングデータとして機械学習により予測モデルを作成し、作成した予測モデルに対して未来の日付や期間等を指定することで、活動量、排出係数、及び/又は排出量の予測値を推論することができる。
【0037】
<ダッシュボード>
また、管理サーバ2は、排出量のデータをビジュアルダッシュボードとして表示し、直感的な分析を支援するようにしてもよい。管理サーバ2は、例えば、活動別、期間別、温室効果ガスの種別などの切り口での排出量をグラフなどでダッシュボードに表示することができる。ユーザは、ダッシュボード上でデータのスライスやダイスを行い、詳細な分析を実行することもできる。
【0038】
<オフセットの提案>
また、管理サーバ2は、計算された排出量について、温室効果ガスのオフセットの提案を行うことができる。例えば、オフセットするための環境価値(クレジット)のデータベースを備えるようにし、排出量に応じて販売可能な環境価値を検索してユーザに提案することができる。
【0039】
<ユーザインタフェース>
また、管理サーバ2は、ロジックの作成をGUIにより行うことができるユーザインタフェースを提供してもよい。ユーザインタフェース上では、選択可能な活動の一覧を表示し、項目の排出量計算に必要な活動を選択させるようにすることができる。なお、項目の選択は複数行うことも可能である。ユーザインタフェース上には、グループごとの排出係数を示し、使用する排出係数のグループの指定を受け付けるようにすることもできる。ユーザインタフェース上では、按分処理や単位変換処理、他の活動量との乗算処理などの演算処理を選択させるようにしてもよい。管理サーバ2は、ユーザインタフェース上で選択/入力された活動量と排出係数とこれらを用いた演算処理とを記述したロジックを作成することができる。
【0040】
<開示事項>
なお、本開示には、以下のような構成も含まれる。
[項目1]
温室効果ガスの排出に係る活動ごとの活動量を記憶する活動量記憶部と、
前記温室効果ガスの排出量を計算するための排出係数を記憶する排出係数記憶部と、
報告書を作成するユーザから、前記報告書に含まれる項目、当該項目に係る前記排出量を計算するために必要な前記活動及び前記排出係数の指定を受け付ける受付部と、
前記活動量記憶部及び前記排出係数記憶部を参照して、指定された前記項目ごとに、指定された前記活動に対応する前記活動量に、指定された前記排出係数を乗じた値を集計して排出量を計算する排出量計算部と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
[項目2]
項目1に記載の情報処理システムであって、
前記受付部は、前記ユーザから、前記項目に係る前記排出量を計算するためのロジックの入力を受け付け、
前記排出量計算部は、前記項目ごとに、前記ロジックにしたがって前記排出量を計算すること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目3]
項目2に記載の情報処理システムであって、
前記ロジックは、特定の1つ以上の前記活動に対応する前記活動量に基づいて、前記排出係数に乗じるための前記活動量を計算するロジックが含まれること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目4]
温室効果ガスの排出に係る活動ごとの活動量を記憶するステップと、
前記温室効果ガスの排出量を計算するための排出係数を記憶するステップと、
報告書を作成するユーザから、前記報告書に含まれる項目、当該項目に係る前記排出量を計算するために必要な前記活動及び前記排出係数の指定を受け付けるステップと、
指定された前記項目ごとに、指定された前記活動に対応する前記活動量に、指定された前記排出係数を乗じた値を集計して排出量を計算するステップと、
をコンピュータが実行することを特徴とする情報処理方法。
[項目5]
温室効果ガスの排出に係る活動ごとの活動量を記憶するステップと、
前記温室効果ガスの排出量を計算するための排出係数を記憶するステップと、
報告書を作成するユーザから、前記報告書に含まれる項目、当該項目に係る前記排出量を計算するために必要な前記活動及び前記排出係数の指定を受け付けるステップと、
指定された前記項目ごとに、指定された前記活動に対応する前記活動量に、指定された前記排出係数を乗じた値を集計して排出量を計算するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0041】
1 ユーザ端末
2 管理サーバ
【要約】
【課題】柔軟な報告書を作成することができるようにする。
【解決手段】情報処理システムであって、温室効果ガスの排出に係る活動ごとの活動量を記憶する活動量記憶部と、温室効果ガスの排出量を計算するための排出係数を記憶する排出係数記憶部と、報告書を作成するユーザから、報告書に含まれる項目、当該項目に係る排出量を計算するために必要な活動及び排出係数の指定を受け付ける受付部と、活動量記憶部及び排出係数記憶部を参照して、指定された項目ごとに、指定された活動に対応する活動量に、指定された排出係数を乗じた値を集計して排出量を計算する排出量計算部と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4